説明

耐感染性ポリウレタンフォーム、その製造方法および殺菌性創傷被覆におけるその使用

本発明は、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)および/またはその塩酸塩ならびに高吸収剤を含む殺菌性親水性ポリウレタンフォームに関する。本発明はまた、それから製造される創傷被覆ならびに治療的に作用するポリウレタンフォームを製造するための方法およびそれから製造される創傷被覆に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐感染性ポリウレタンフォーム、特に、ミクロ微粒子および/または均質に溶解した形態においてPUフォーム層に殺菌性ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)および/またはその塩酸塩ならびに高吸収剤が存在している親水性ポリウレタンフォーム、その製造のための方法、および創傷接触材料におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
創傷した組織または体液と外因性物質との接触による感染の最善の可能な抑制を達成する感染耐性材料を使用することが医学において一般的な責務である。その多様な性質と柔軟な成形性ゆえに、感染耐性とされたポリマー構造材料は、医療装置または補助機器に特に好適である。
【0003】
US4479795Aには、ポリマーの表面に拡散可能な放出性抗菌物質、特にカルボン酸を含む浸透性ポリマーで構成される医療機器が記載されている。
【0004】
US5451424Aには、均質ポリマー溶融物、特にポリウレタンまたはポリウレタン−シロキサンブロック共重合体、とクロルヘキシジンとから医用物品を調製する方法について記載されている。
【0005】
WO96/22114Aには、抗菌剤、トリクロサンが均質溶液に可塑剤として30重量%まで存在する、ポリマー材料としてポリウレタンを含む医療装置について記載されている。記載されたポリウレタンは、ポリウレタン樹脂とトリクロサンとを混合することによって製造される。
【0006】
GB2085454Aには、殺菌性ポリマーを作製するために殺菌性コモノマーを使用することが記載されている。
【0007】
ミクロ微粒子形態のポリマー担体中に存在する抗菌剤としてPHMBを含む医療機器を製造するための抗菌性ポリマー材料は、この文脈では記載されていない。
【0008】
大きな、または慢性の創傷は、特に感染されやすい。殺菌性ポリマー創傷接触材料は、信頼でき、皮膚と相性がよい仕方で感染を防止し、それによって治癒過程に対して持続的なサポートを提供する。
【0009】
WO03/066116A1=US2003/0149406A1には、治療的に作用する物質を取り込むことができるポリウレタンフォーム、好ましくはHYPOLから構成される多層ポリマー創傷被覆について記載されている。少なくとも1層は、創傷を覆うヒドロゲルである。1種の活性成分または複数種の活性成分は、ポリマー担体内に分散されているか、ミセル内に囲われている。ミセルからの治療用成分の放出は、表面に近いミセルに限定される。
【0010】
US2004/0018227A1には、とりわけ、スポンジとしての物理的作用を介して創傷滲出物を吸収することができる発泡ポリウレタンフォームからなる三層創傷被覆について記載されている。このポリウレタン塊は、抗菌性物質および成長因子を含み得る。水分と結合する成分として有用な高吸収剤は説明されておらず、また抗菌性物質または成長因子がどのようにポリウレタンに取り込まれ得るかについていかなる実施例も提供されていない。
【0011】
EP1175148A1では、構造中にPHMBを含む抗菌剤が共有結合を通して化学的にポリマー構造に結合されているPUフォームからなるポリマー創傷接触材料について請求されている。ここで、支持PUフォームへの共有結合は、生物学的利用能がただ制限されていることを意味する。
【0012】
EP0106439A1およびGB2290031A1には、治療的に作用する物質が存在している形態および治療される創傷にどの程度利用できるかについて詳細な記載はないが、治療的に作用する物質が例えば含浸によって取り込まれ得るポリウレタンフォーム中間層を含む多層ポリマー創傷接触材料について記載されている。
【0013】
GB2170713A1には、殺菌性溶液を吸収する作用を介して含浸される創傷接触材料として有用な微孔性ポリウレタンフォームについて明確に記載されている;ここで、その治療は、例えば創傷滲出物によって流し出されるまでただ一時的に利用できるだけである。
【0014】
WO02/100450A1には、場合によってフォームの形態で、皮膚および/または創傷に使用するための薬用ポリウレタンゲルであって、そのゲルが均質形態で存在する経皮的用途のための活性成分を含むゲルについて記載されている。
【0015】
DD139942には、抗菌性効果またはある種の他の治療効果を有する単層ポリウレタンフォーム創傷接触材料を製造する方法について記載されている;しかしながら、この方法は、活性成分、例えば炭水化物を1〜50%の比率で、もしくはある種の他の肉芽形成を促進する親水性薬剤の、活性成分以外の親水性物質の添加を常に必要とするようにみえる。
【0016】
PHMBは、殺菌剤として文献に広く記載されている。
【0017】
WO99/40791A1には、例えば表面に塗布されて、短期および長期双方の殺菌効果を有する、水不溶性、透明、粘着性、抗菌フィルムについて記載されている。抗菌性フィルムは、有機ビグアニドポリマーおよびまた、抗菌性金属材料を含む。
【0018】
US5869073A1には、表面コーティングのための液体組成について記載されている。この液体組成は、ビグアニドポリマーと抗菌性金属材料との溶液、分散液もしくは懸濁液からなる。
【0019】
生物致死性金属材料の追加的使用はそれから得られる創傷接触材料の製造を不都合で、コスト高にする。
【0020】
US2004/0028722A1およびWO02/03899A1には、抗菌性添加剤、例えばPHMBを含む慢性創傷用のセルロース創傷被覆について記載されている。担体材料としてのセルロースは、創傷にくっつき易い不利な点を有し、これは被覆の交換を不便にし、治癒過程を損なう。
【0021】
WO97/05910A1には、PHMBと例えばポリアクリル酸高吸収剤などのアニオン性ポリマーとの混合物を含むセルロース材料について記載されている。この記載された材料は、おむつおよび衛生ナプキンに使用され、創傷管理分野での使用について言及はない。
【0022】
US4643181Aには、抗菌接着剤層でコートした基材を含む外科用被覆について記載されている。この抗菌剤は、特定の粒度のPHMBである。しかしながら、接着剤層におけるPHMBの存在は、被覆料の残部が細菌によりコロニー形成される可能性を排除できない。
【0023】
同様に、WO88/01877A1には、活性抗菌成分ならびに他の成分を含み得る親水性ゲル接着層を含む親水性ポリウレタン創傷被覆について記載されている。ヒドロゲルの接着層は一般に、創傷滲出物を吸収する性能は極めて限定されたものでしかない。しばしば、この目的のためにポリマーフォーム層が追加的に含まれなければならないので、創傷被覆の製造は、不便でコスト高となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、従来技術から進んで、本発明の目的は、特に殺菌性の最適で長期の生物学的利用能を保証し、この方法における過剰な創傷滲出物を吸収することができ、空気および水分の交換を可能とし、製造が簡単で安価な創傷接触材料を製造するための、医療用途に好適な抗菌性ポリマー材料を製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
したがって、本発明は、PHMBまたはPHMB塩酸塩、およびまた高吸収剤を含む発泡親水性ポリウレタンゲルを提供するものであって、PHMBおよび/またはPHMB塩酸塩が微粒子の分散液および/または均質な溶液としてポリウレタンゲル中に存在することを特徴とする。
【0026】
発泡ポリウレタンゲルは、例えば独立セルまたは連通セル、好ましくは開いた連通セルであるポリウレタンゲルフォームである。フォーム孔寸法は、一般的に10〜2000μm、好ましくは50〜500μmで一般に変化する。
【0027】
本明細書で使用されるように、微粒子分散液は、担体材料中に細かく粉砕された、または微粉化された形態で分散された物質の実質的に均質な分散液を意味すると理解されたい。粒度は一般に、0.5〜50μmのレベルであり、1〜5μmの粒子を使用することが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
高吸収剤の存在下で本発明の担体材料中にPHMBもしくはPHMB塩酸塩を有する実質的に均質な微粒子分散液または溶液は、分泌液、特に創傷分泌液に関して、即時に生じるか、およびまたは1〜30日、好ましくは2〜15日、より好ましくは5〜7日の期間にわたって続く、同時に作用する抗菌効果とあいまって高い取り込み能を提供する。任意の1種の分泌液に対する取り込み能力は、他の因子の中でとりわけ分泌液の組成によって一般に大きく変わり、本発明のポリウレタンゲルの重量の1〜15倍、好ましくは2〜10倍変わる。
【0029】
本発明のポリウレタンゲルフォームが創傷接触材料として使用される場合、それは、細菌を含む創傷滲出物がポリウレタンフォーム材料に吸収され、該創傷に遊離されて戻ることはけっしてなく、担体材料中の殺菌剤の驚くべき低濃度と広域スペクトル細菌とあいまって従来技術を超える細菌抑制に関するめざましい効果の増進をもたらす特有の特徴である。
【0030】
創傷接触材料における本発明のポリウレタンゲルフォームの使用では、即時の効果およびそれを超えて数日にわたる長期の効果が、頻繁な被覆の交換によって損なわれることなく、組織の再形成を促進する利点を有する。ポリウレタンゲル担体のフォーム構造と創傷分泌液を吸収するための高吸収剤の吸収剤効果との組合せによる理想的な湿った媒体と一体化されて、良い治癒環境がもたらされる。ポリウレタンフォーム内での細菌の固定および殺傷は、再感染に対して創傷を首尾よく保護する。治癒の成功のさらなる増進は、1種以上のさらなる活性剤の添加、および/または酵素、成長因子もしくは他に皮膚もしく幹細胞由来の細胞移植によって考えられる。これは、場合によってはまた、創傷接触材料の追加的層に存在させることであり得る。患者の健康は、皮膚にやさしい親水性弾性ポリウレタンフォーム材料によって、および/または痛みの緩和のために担体材料中に追加的に含まれる局所麻酔薬によって増進される。創傷被覆のフォーム構造は、創傷への熱的断熱も与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
有用なポリマー材料は、非芳香族イソシアネートおよび
a)2〜6個の水酸基、20〜112の水酸基価および10重量%以上のエチレンオキシド(EO)含量のポリエーテルポリオール、
b)酸化防止剤、
c)触媒、
d)ヘキサメチレンジイソシアネートまたは変性ヘキサメチレンジイソシアネート、
e)抗菌活性剤、
f)高吸収剤、
g)発泡剤
から特に構成された1種の親水性ポリウレタンフォームゲルを含み、ここで、ポリウレタンの形成成分a)およびd)の官能基の積は少なくとも5.2であり、触媒量c)は、ポリオールa)を基準として0.005重量%〜0.5重量%であり、酸化防止剤b)の量は、ポリオールa)を基準として少なくとも0.1重量%であり、成分d)中の遊離のNCO基の、成分a)中の遊離のOH基に対する比(イソシアネートインデックス/100)は、0.30〜0.70の範囲で選択され、活性剤e)の量は、ポリオールa)を基準として0.0001重量%〜25重量%、好ましくは0.001重量%〜5重量%、およびさらに好ましくは0.01重量%〜1重量%である。本発明のポリウレタンゲル材料のイソシアネートインデックス(K,反応に使用される遊離のNCO基の、遊離のOH基に対する比X100)は、使用されるイソシアネート成分(F)およびポリオール成分(F)の官能性に従って30〜70の範囲、好ましくは45〜60の範囲で変化する。ゲル形成に必要なイソシアネートインデックスは次式
【0032】
【数1】

を使用して非常に簡単に評価できる。
【0033】
ゲルに所望される粘着性および弾性に依存して、使用される実際のイソシアネートインデックスは、計算値から±20%まで異なることができる。高吸収剤f)の量は、ポリウレタン形成成分a)およびd)の合計量を基準として、0.1重量%〜50重量%、好ましくは2〜30重量%、およびさらに好ましくは25重量%〜29重量%である。
【0034】
本発明のポリエーテルポリオールa)は、それ自体知られており、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはテトラヒドロフランなどのエポキシドそれら自体、またはこれらのエポキシド、好ましくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドを、適切な場合には互いに混合して、もしくは互いに別々に、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールもしくはサッカロースなどの少なくとも2つの反応性水素原子を有する出発物質に付加することによる重合によって例えば調製される。使用されるべき後述される高分子量ポリヒドロキシ化合物の代表例は、例えば、High Polymers,Vol.XVI,“Polyurethanes,Chemistry and Technology”(Saunders−Frisch,Interscience Publishers,New York,Vol.1,1962,32〜34ページ)に列挙されている。本発明によって、3〜4個およびより好ましくは4個のヒドロキシル基および20〜112、好ましくは30〜56の範囲の水酸基価を有するポリエーテルポリオールが好ましい。本発明によれば、使用されるポリエーテルポリオールのエチレンオキシド含量は、好ましくは20重量%以上である。
【0035】
イソシアネート成分d)は、単量体もしくは三量体のヘキサメチレンジイソシアネート、またはビウレット基、ウレチジオン基、アロファネート基、もしくは少なくとも2個の反応性水素原子とエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドなどのエポキシドとを有するよく知られた出発成分に基づいたOH価850以下、好ましくは100〜600のポリエーテルポリオールもしくはポリエーテルオリオールの混合物とのプレポリマー化によって変性されたヘキサメチレンジイソシアネートを含む。変性ヘキサメチレンジイソシアネート、特に単量体ヘキサメチレンジイソシアネートの残留レベルが0.5重量%より低い、OH価200〜600のポリエーテルジオールとのプレポリマー化によるものが好ましい。
【0036】
有用な触媒c)は、水酸基とイソシアネート基との反応に対して活性なもの、好ましくは一般にポリウレタン化学において知られているものを含む。使用される実例となる触媒は、三級アミンであって、トリエチルアミン、N−テトラメチルエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、ペンタメチルジエチレントリアミンなど、もしくは他に触媒として知られ、ジメチルアミンなどの二級アミンとアルデヒド(ホルムアルデヒド)またはケトン(アセトン)およびフェノールなどから形成されるマンニッヒ塩基、または2,2,4−トリメチル−2−シラモルホリン、および1,3−ジエチルアミノメチルテトラメチルジシロキサンなどのC−Si結合を有するシラアミンである。有用な触媒はさらに、有機金属化合物、特に、酢酸錫(II)、エチルへキサン酸錫(II)などの錫化合物、例えばジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエートなどの錫(IV)化合物、無水ポリエーテルポリオールa)に溶解し、2〜18、好ましくは6〜18の炭素原子を有する線状、分岐状、飽和もしくは不飽和のカルボン酸に基づくカルボン酸ビスマス(III)を含む。2,2−ジメチルオクタン酸(例えば、Versatic acid,Shell)などの三級カルボキシル基を有する分岐状飽和カルボン酸のBi(III)塩が好ましい。これらカルボン酸が過剰な比率にあるこれらBi(III)塩の処方が特に好ましい。著しく有用であるのは、約17%のBi含量を有してVersatic10酸(2,2−ジメチルオクタン酸)3モルが過剰であるこの酸のBi(III)塩の1モル溶液である。[ネオデカン酸Bi(III),Coscat83,Brenntag NV社製]。さらに好適な触媒は、ドイツ公開明細書2920501の29ページ、5行〜31ページ、25行に記載されている。
【0037】
これらの触媒は、ポリオールa)を基準として0.03重量%〜0.2重量%の量で使用されるのが好ましい。
【0038】
本発明のポリウレタンゲルのための有用な酸化防止剤b)は、特に、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、Vulkanox BKF(2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)(Lanxess)、Irganox 1010(ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ditert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])、Irganox 1076(オクタデシル−3−(3,5−ditert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(Ciba Specialty Chemicals)またはトコフェノール(ビタミンE)などの立体障害フェノール安定剤である。α−トコフェノールタイプのものを使用することが好ましい。さらなる安定剤は、例えばUllmann(5th edition,VolumeA3,91〜111ページ;VolumeA20,461〜479ページ;VolumeA23,381〜391ページ)に述べられている。フェノール安定剤の安定化特性は、有機化学的に置換されたスルフィドもしくはジスルフィド、例えばIrganox PS800(ジラウリル3,3’−チオプロピネート)もしくはジオクチルジデシルジフルフィドの添加によりさらに増進されうる。互いにフェノールタイプとの組合せもまた可能である。
【0039】
酸化防止剤は、ポリオールa)を基準として0.1重量%〜2.0重量%、特には0.15重量%〜0.5重量%の量で使用されるのが好ましい。上述の酸化防止剤混合物の場合、酸化防止剤は、ポリオールa)を基準として個々の物質ごとに0.05重量%〜0.5重量%の量で使用されるのが好ましい。
【0040】
活性剤e)としては、本発明のポリウレタンゲルフォームは、少なくとも1種の殺菌剤、好ましくはポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)もしくはその塩、より好ましくはPHMBの塩酸塩を使用するが、また追加的に広域スペクトル抗生物質、抗菌活性剤、抗真菌活性剤、抗病原性ペプチド、局所麻酔薬、殺菌効果、止血効果、創傷治癒効果、免疫調節効果もしくは肉芽形成促進効果もしくは中枢神経系への効果を有する活性剤、酵素、特に抗菌効果を有するものであって、例えばリゾチーム、パパイン、トリプシン、バクチリシン、グルコースオキシダーゼなど、成長因子であって、特に表皮性成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、形質転換成長因子アルファ/ベータ(TGF)、インシュリン様成長因子(IGF,ILGF)、繊維芽成長因子(FGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、血液由来成長因子(BDGF)、組織成長因子もしくは成長様因子およびアメロゲニン様因子(GAF)の群からの他の活性剤を単独または組み合わせて使用する。
【0041】
有用な広域スペクトル抗生物質は、特にホスホマイシン、ゲンタマイシンもしくはムピロシンおよびまた抗菌性キノロンカルボン酸を含み、有用な抗ウイルス剤は、特にアシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン、ジドブジンもしくは他のフォスカルネットなどのヌクレオシド類似ウイルス抑止剤を含み、有用な抗真菌剤は、特にフルコナゾール、クロトリマゾールもしくはイトラコナゾールなどのアゾール抗真菌剤およびテルビナフィンなどのアリルアミン、もしくはアモロルフィンなどのモルホリン、もしくはナタマイシンなどのポリンを含み、有用な抗病原性ペプチドは、例えばリゾチーム、局所麻酔薬、例えばリドカイン、ベンゾカイン、ブピバカインもしくはプロカインを含む。ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩単独での使用が極めて特に好ましい。
【0042】
高吸収剤f)は、公知のポリアクリル酸塩およびそのコポリマーの水吸収性塩、特にそのナトリウム塩およびカリウム塩である。それらは架橋していても、架橋していなくてもよく、また市販されている。特に好適な製品はDE3713601A1に開示されているものであり、また、完全に乾燥させることができる、ほんの少しの水の残存含量と圧力下の高膨潤能とを有する新世代の高吸収剤である。特に好ましい製品は、アクリル酸/アクリル酸ナトリウムをベースとした軽度に架橋したポリマーである。これらはFavorT(Degussa AG)として入手できる。別の吸収剤は同様に好適であり、例としてカルボキシメチルセルロースおよびカラヤ(karaya)が挙げられる。
【0043】
有用な発泡剤g)は、ポリウレタン化学において普通の発泡剤を含む。これらは、例えば、イソシアネートと水との反応生成物としてその場で化学的に作り出される二酸化炭素、または低沸点の液体、例としてフルオロカーボン113、ヒドロフルオロクロロカーボン22、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ブタンおよびヘキサンが挙げられる、物理的に作用する、水を含まない発泡剤である。さらなる発泡剤は、例えば、Becker/Braun,Kunststoff−Handbuch,Volume7,Polyurethane,3rd edition,Carl Hauser Verlag Munich−Vienna,1993,115〜118ページに記載されている。しかしながら、不活性ガスが、本発明のポリウレタンを発泡するために特に有用である。この技術では、ガス、例えば窒素、希ガスまたは二酸化炭素は、水の添加なしに商業的に利用できるポリウレタン混合技術によって取り込まれる。
【0044】
発泡の度合いは、取り込まれる発泡剤の量によって広い範囲内で変わり得る。
【0045】
本発明のポリウレタンゲルは、例えば、Becker/Braun,Kunststoff−Handbuch,Volume7,Polyurethane,3rd edition,Carl Hauser Verlag Munich−Vienna,1993,139ページ以下に記載されているように、従来の方法で調製される。反応は、またその中に記載されているように、さまざまな方法で実施し得る。酸化防止剤b)を含むポリオールa)の総量の1〜10%を取り、その中に触媒を溶解もしくは分散することが好ましく、本明細書では混合物A)と呼ぶ。ポリオールa)の残部を単独または複数の活性剤e)および高吸収剤f)と混合し、混合物B)を形成する。次いで、初めに混合物A)と混合物B)とを混合し、次いで、イソシアネート混合物、この事例では場合によって変性ヘキサメチレンジイソシアネートd)を添加することによって反応を行うことができる。この方法において、本発明の親水性ポリウレタンゲルは、気体または液体として発泡剤g)を直接添加することによって反応過程で発泡させ、発泡ゲルの密度は、ゲル塊の当初の密度の1/6に減少し、それゆえに容積は増加する。すべての成分A)、B)、d)およびg)を同時に混合することもまた、可能である。低沸点の液体を使用する場合、これらを、好ましくは成分A)、B)またはd)の1つと混合する。広範に適用できる記載が、WO94/07935A1の19ページ、9行〜22ページ、18行にみられる。
【0046】
自己接着的に弾性、もしくは別に非接着的に弾性であり、
(A) (A)および(B)の合計を基準として、25〜62重量%もしくは他に15〜62重量%、好ましくは30〜60重量%もしくは他に20〜57重量%、さらに好ましくは40〜57重量%もしくは他に25〜47重量%の、高分子量マトリックスとしての共有結合的に架橋したポリウレタン、および
(B) (A)および(B)の合計を基準として、75〜38重量%もしくは他に85〜38重量%、好ましくは70〜40重量%もしくは他に80〜43重量%、さらに好ましくは60〜43重量%もしくは他に75〜53重量%の1種以上のポリヒドロキシ化合物であって、800、好ましくは1000、さらに好ましくは1500より小さい分子量を有するヒドロキシ化合物を実質的に含まない液体分散剤として、二次原子価力によってマトリックス中に強固に保持され、1000〜12000、好ましくは1500〜8000、さらに好ましくは2000〜6000の平均分子量、および20〜112、好ましくは25〜84、さらに好ましくは28〜56の平均OH価を有するポリヒドロキシ化合物、およびまた
(C) (A)および(B)の合計を基準として、0.00001〜25重量%、好ましくは0.001〜5重量%、さらに好ましくは0.001〜2.5重量%の活性剤、好ましくはポリヘキサメチレンビグアニド、より好ましくはその塩酸塩、および適切な場合には、1種以上のさらなる活性剤、およびまた
(D) (A)および(B)の合計を基準として、0.1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%、さらに好ましくは25〜29重量%の、高吸収剤、
(E) (A)および(B)の合計を基準として、0.01〜10重量%の発泡剤、およびまたもし適切な場合には、
(F) (A)および(B)の合計を基準として、0〜100重量%の充填剤および/または添加物質を含み、
I) 1種以上のポリイソシアネート、
II) 平均分子量1000〜12000および平均OH価20から112を有する1種以上のポリヒドロキシ化合物、
III)1種以上の抗菌活性剤、
IV) 1種以上の水吸収性材料、
V) 室温で液体または気体である発泡剤、およびまた適切な場合は、
VI) イソシアネート基とヒドロキシル基との反応の触媒および促進剤、およびまた適切な場合には、
VII)ポリウレタン化学からそれ自体知られた充填剤および添加物質、
からなる混合物の反応によって得られるポリウレタンゲルからなる親水性ポリウレタンゲルフォームを好ましくは使用することもさらに可能であり、ここで、該混合物は、分子量800未満を有するヒドロキシ化合物が実質的に存在せず、ポリイソシアネートの平均官能基数(F)が好ましくは2〜4であり、ポリヒドロキシ化合物の平均官能基数(F)が3〜6であり、イソシアネートインデックス(K)が式
【0047】
【数2】

(式中、Xは120以下、好ましくはXは100以下、さらに好ましくはXは90以下であり、Kインデックスは50〜70の価であり、特定した分子量およびOH価平均は、数平均である)に従う。
【0048】
このポリウレタンゲルは、例えばDE3103499A1、DE3103500A1およびEP0147588A1に記載されたように、それ自体知られた方法によって、ポリウレタン化学からそれ自体知られた出発化合物から得られる。しかしながら、ある事例では非接着性弾性ゲルが得られ、また他には自己接着性ゲルが得られるように、所望のゲルの特性を区別するためのゲル形成成分の選択には、上記で規定された条件に従うことが重要である。
【0049】
好ましいポリヒドロキシ化合物は、上述の公開明細書により特に特定されたポリエーテルポリオールである。
【0050】
有用なポリイソシアネート成分I)は、環状脂肪族イソシアネートだけでなく、芳香族イソシアネートを含む。好ましい環状脂肪族ポリイソシアネートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよびまたそのビウレットおよび三量体および水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(「MDI」)グレードである。好ましい芳香族ポリイソシアネートは、蒸留によって得られるものであり、4,4’−および2,4’−異性体のMDI混合物、もしくは4,4’−MDIおよびまた、トリレンジイソシアネート(「TDI」)グレードなどである。TDIグレードはまた、ビウレット化または三量化などの変性によるより高い官能性部分を含む。このポリイソシアネートを特徴付けるジイソシアネートは、特に例えば、非変性芳香族イソシアネートもしくは脂肪族ジイソシアネートからなる群、または他にアミン、ポリオールもしくはポリエーテルポリオールとプレポリマー化することによって形成される変性製品から選択することができる。
【0051】
有用なポリヒドロキシ化合物II)は、非芳香族イソシアネートから構成されるポリウレタンフォームゲルの記載において上記でa)で示された材料を含む。
【0052】
有用な活性剤III)は、非芳香族イソシアネートから構成されるポリウレタンフォームゲルの上記の記載においてe)で示されたもの、好ましいとされたもの、および特に好ましいとされたものを含む。ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩単独で使用することが極めて特に好ましい。
【0053】
有用な水吸収性材料IV)は好ましくは、非芳香族イソシアネートから構成されるポリウレタンフォームゲルの上記の記載においてf)で高吸収剤、好ましくはf)で好ましいとされた高吸収剤を含む。
【0054】
有用な発泡剤V)は、非芳香族イソシアネートから構成されるポリウレタンフォームゲルの上記の記載においてg)で示される、ポリウレタン化学において一般的なものを含む。これらの特性に依存して、これらの発泡剤は、溶解状態で最終ポリウレタンフォーム中に存在する。
【0055】
イソシアナート基とヒドロキシル基との反応に有用な触媒および促進剤VI)は、適切な場合には、非芳香族イソシアネートから構成されるポリウレタンフォームゲルの上記の記述においてc)で示されるものを含む。
【0056】
有用な充填剤および添加物質VI)は、ポリウレタン化学からそれ自体知られた添加物質を含む。このような添加物質は、適切な場合には、非芳香族イソシアネートから構成されたポリウレタンフォームゲルの上記の記載において述べられた酸化防止剤を含む。本発明によれば、フォームゲルの親水性物質は、ポリウレタンフォームゲルの総重量を基準として、好ましくは100重量%までの、充填剤、染料、金属顔料、増粘剤、表面活性物質、増量剤、樹脂などを添加し得る。有用な無機充填剤としては、特に、酸化亜鉛、二酸化チタン、バライト、チョーク、石膏、キーゼル石、炭酸ナトリウム、酸化セリウム、石英砂、カオリン、カーボンブラックおよびマイクロバルーンおよびまた、0.1〜1mm長のガラス繊維などの短繊維から構成される粉末が挙げられる。有機充填剤としては、特に、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ユリア−ホルムアルデヒドおよびポリヒドラゾジカーボンアミド、膨張性粉末および繊維長が0.01mm未満の繊維、例えばAbsorbent Polymer Technology(Brannon−Peppas,Harland,Elsevier,Amsterdam−Oxford−New York−Tokyo,1990,9〜22ページ)に述べられたようなポリアクリル酸およびその塩または他のものをベースとした繊維、およびまた織物繊維、例えばポリエステル繊維もしくはポリアミド繊維として使用される材料が挙げられる。有用な染料または着色顔料は、特に食品、包装もしくは化粧品として使用されるもので、酸化鉄顔料もしくは酸化クロム顔料、フタロシアニンもしくはモノアゾ基礎原料をベースとした顔料を含む。有用な界面活性物質は、例えばセルロース粉末、活性炭およびシリカ製品を含む。
【0057】
ゲルの接着力を改変するために、ゲルは、場合によって、増量剤および樹脂、すなわちポリマーのビニル化合物、接着技術で通例のポリアクリレートおよび他のコポリマー、または他の天然材料をベースとした接着剤を、ゲル組成物の重量を基準として、10重量%のレベルまで添加することを含む。
【0058】
本発明のポリウレタンゲル組成物は、例えばBecker/Braun,Kunststoff−Handbuch,Volume7,Polyurethane,3rd edition,Carl Hauser Verlag Munich−Vienna,1993,139ページ以下に記載された従来の方法で調製される。またその中に述べられているように、異なる手順および異なる機械を使用してその反応を実施することができる。
【0059】
本発明のポリウレタンフォームゲル組成物は、一般に医療機器、特に成形品および接着剤層、好ましくは皮膚、粘膜、開放創もしくは例えば、唾液、血液、創傷分泌液、尿、糞便もしくは汗などの体液および分泌物/滲出物とのような、ヒトおよび動物組織と接触する製品を製造するために一般に使用することができる。これら材料はまた、皮膚への接着および固定に有用である。
【0060】
創傷管理分野、特に、プラスター、迅速な創傷被覆として、例えば、大きなもしくは慢性の創傷、例えば熱傷のための創傷接触材料として、または創傷取り扱い製品を身体表面に付着させるために使用される、弱くもしくは強く自己接着する、または他に非接着性弾性の少なくとも一つの層として、本発明のポリウレタンフォームゲル組成物を使用することが好ましい。これらはさらに、血液または創傷滲出物を吸収するのに利用できるとともにまた、緩衝材および熱断熱用として利用できる。利用のさらなる分野としては、例えば整形用品、衛生および化粧用品、または強力に水分を吸収する膨張性緩衝パッドおよびインサート、例えば靴のインサート、適切な場合にはまた、クッションもしくは緩衝要素用の圧力分散充填組成物としての使用が挙げられる。
【0061】
本発明のポリマーおよび創傷接触材料におけるその使用は、例えば以下の利点を可能とする;
− 創傷の微生物感染の抑制および再感染の防止
− 創傷滲出物の吸収および不可逆的保持、およびそれによる治癒過程のサポート
− 創傷滲出物とともにフォームに吸収された細菌の殺傷
− ポリウレタン材料の皮膚相容性
− 創傷接触材料の頻繁な交換(現在一日当たり数回)が不要になり、少なくとも3日から5日まで創傷上に該接触材料をとどめておくことが可能となり、そのため新しい皮膚組織が破壊されることなく良好に形成することができる。
− 創傷の断熱
− 細菌の抑制を支援する抗生物質または痛み緩和用の局所麻酔薬などのさらなる活性剤をポリマー中に取り込ませ、それから継続的に再びゆっくり放出させることができる。
− 適切な場合に、酵素、成長因子および細胞移植(例えば幹細胞)を介して創傷治癒の促進。
【0062】
本発明のポリマーから作られた考えられる創傷接触材料は、殺菌剤、好ましくはPHMBを含み、および高吸収剤および適切な場合には、自己接着性であり、適切な場合には、創傷と直接接触し、また、場合によっては、皮膚に創傷接触材料を固定するためのさらなる接着性層およびまた、感染耐性ポリウレタンフォーム、および高吸収剤およびまた、場合によっては、創傷接触材料の機械的保護および処理のための、およびまた水分および微生物の侵入に対して本発明のポリウレタンフォームを保護するための、例えばポリウレタンからなる空気および外部に水分を通すポリマーフィルムカバーを含む感染耐性ポリウレタンフォームから少なくともなる。
【0063】
感染耐性ポリウレタンフォームを固定するための任意の接着層は、同様に、場合によって、抗菌性物質、好ましくはPHMB、または痛み緩和物質を任意に与えることができる。本発明のポリウレタンフォームは、適切な場合に、同様に創傷治癒促進剤、鎮痛剤、殺菌剤、抗生物質、酵素、成長因子もしくは細胞を含むことができる、例えばコラーゲン、アルギン酸塩、親水コロイド、ヒドロゲル、親水繊維、セルロースフリース、従来のシリコン層、合成(ポリウレタン)ポリマーまたは無機シリカゲル繊維ポリマーなどのさまざまな物質の層で、創傷面に塗布することができる。これら材料は、本発明のポリウレタンフォームに水分を通させることができる。このさらなる層は、例えば滲出物吸収フォーム同様に、PHMBを含み得、創傷と直接接触する細菌を抑制することができ、本発明のポリウレタンフォームによって介在される効果の加速された再現を保証する。このさらなる層は、創傷が特に感受性の場合に、本発明のポリウレタンフォームのための特に皮膚にやさしい、組織を傷つけない表面として機能することができる。
【0064】
創傷接触材料におけるさまざまな層の上述の集合体は、使用前に直接開けられる無菌の包装を形成するためのフィルム様の材料に入れることができる。
【0065】
このような創傷接触材料の構成は、一般に知られたことであり、例えば、WO02/100450A1に記載され、その中の図1〜図6に示されている。
【0066】
好ましいこと、特に好ましいこと、または極めて特に好ましいことは、パラメータを利用する実施形態、化合物、定義および好ましくは、特に好ましくは、または極めて特に好ましくはのもとで述べられる説明に与えられる。
【0067】
しかしながら、本明細書で列挙された一般的もしくは好ましい定義、パラメータ、化合物および説明はまた、互いに、すなわちそれぞれの範囲および好ましい範囲間で、任意の所望のしかたで組み合わせ得る。
【0068】
以下の実施例は、本発明を特に説明することを意図するものであるが、本発明はそれに制限されるものではない。
(実施例)
【実施例1】
【0069】
板紙カップ中で、Levagel(登録商標)SN100[Bayer MaterilalScience AG、プロピレンオキシドとエチレンオキシド(EO)のポリオールインターポリマー、ペンタエリスリトールスターター、エチレンオキシドエンドブロック、OH価4、平均分子量6400、EO含量20重量%、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)0.5重量%で安定化)64.22gをFAVOR(登録商標)−PAC230(Degussa AG、ポリアクリル酸、架橋したグラフトポリアクリル酸−ポリアルコールコポリマーの塩をベースとした高吸収剤)27.52gおよび予め補助的に真空乾燥キャビネット内で80℃で乾燥させたPHMB塩酸塩1.00gを攪拌することによって混合した。次いで、Levagel(登録商標)SN100 2.70g中にジブチル錫ラウレート0.055gの新たに調製した溶液を添加し、その後完全に混合した。最後に、Desmodur(登録商標)E305(Bayer MaterialScience AG、ヘキサンメチレンジイソシアネート7モルと、ポリプロピレンオキシド1モルに基づき平均分子量400g/モル、NCO含量約12.3〜13.3重量%のNCO末端プレポリマー)5.505gとイソペンタン5gとを添加し、次いで1分間混合し、その塊をテフロン(登録商標)皿に注いだ。浅黄色粘着性フォームが得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌剤としてPHMBおよび/またはその塩酸塩を含む発泡親水性ポリウレタンゲルであり、高吸収剤とともに、前記殺菌剤が、微粒子分散液および/または均質溶液としてポリウレタンゲル中に存在することを特徴とする発泡親水性ポリウレタンゲル。
【請求項2】
広域スペクトル抗生物質、抗菌活性剤、抗真菌活性剤、抗病原性ペプチド、局所麻酔薬、殺菌効果、止血効果、創傷治癒効果、免疫調節効果もしくは肉芽形成促進効果、または中枢神経系への効果を有する活性剤の群から選択される少なくとも1種のさらなる治療剤を単独または組み合わせて追加的に使用できることを特徴とする、請求項1に記載の発泡親水性ポリウレタン。
【請求項3】
所望の活性剤の存在下でモノマーと発泡剤とを反応させることによる、請求項1または2に記載の発泡親水性ポリウレタンを製造するための方法であり、重合前に少なくとも1種の活性剤をモノマーの混合物中へ混合することを特徴とする方法。
【請求項4】
医療機器を製造するための、請求項1または2に記載の発泡親水性ポリウレタンの使用。
【請求項5】
少なくとも1層の創傷接触材料を製造するための、請求項1または2に記載の発泡親水性ポリウレタンの使用。
【請求項6】
大きな創傷または慢性の創傷用の創傷接触材料を製造するための、請求項1または2に記載の発泡親水性ポリウレタンの使用。
【請求項7】
請求項1または2に記載の少なくとも1種の発泡親水性ポリウレタンを含む創傷接触材料。

【公表番号】特表2008−524410(P2008−524410A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547262(P2007−547262)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013340
【国際公開番号】WO2006/066752
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(507051259)バイエル・イノベーシヨン・ゲー・エム・ベー・ハー (5)
【Fターム(参考)】