説明

耐水型クリップゲージ

【課題】 耐水性に優れ、長期に亘る使用において、安定性に優れ、高温環境下でも所期の性能を発揮し、しかも構成の簡素化、小型化をも実現し得るクリップゲージを提供する。
【解決手段】 CT試験片の第1のエッジおよび第2のエッジに当接する第1および第2クリップ片9および10の変位は、第1および第2の変位伝達板5および6と、第1および第2の変位導入部3および4とを順次に介して、起歪部2に伝達され、起歪部2の表面に曲げ変位が生ずる。
その曲げ変位を、起歪部2に添着されたひずみゲージによって検出し、該ひずみゲージによって形成されたフルブリッジ回路が出力される検出信号を電気ケーブル16を介して外部へと導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のエッジと第2のエッジの間隔で開口部幅が画定される切欠きを有する試験片に引張力を負荷した際の前記開口部を測定するクリップゲージに関し、より詳細には、耐水機能を有する耐水型クリップゲージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機械や構造物などは、様々な大きさや形の振動や応力を繰返し受ける。たとえ小さい応力であっても、その応力を繰返し受けている間に、亀裂が生じ、それが進展し最終的に破壊に至る疲労破壊が生じる場合がある。原子力プラントや航空機における事故の中には、疲労破壊を原因とする物も多く、従って原子力プラントや航空機墜落事故などの原因究明を行う場合には、実際の環境に近い状態で材料の疲労による亀裂の伸長伝播の挙動を測定する必要がある。
このような亀裂の伸長伝播の挙動を測定する方法として、破壊靭性疲労試験がある。破壊靭性疲労試験は、標準のコンパクトテンション試験片(以下、「CT試験片」と呼ぶ。また、本明細書中では、試験片とはCT試験片をあらわすものとする。)を用いて行われる。CT試験片は、例えば、米国材料試験協会(ASTM)による基準(たとえば、ASTM E399,E647またはE813)または日本機械学会などによる基準で標準規格により規定される試験片である。図9および図10を用いてASTM E813を例にとってCT試験片について説明する。図10は図9の断面X−Xを示している。
【0003】
CT試験片110は、一定の厚みを有する矩形板をしている。CT試験片110は、その幅の中線に沿って長手方向に細長い切欠き111を有している。切欠き111の先端は、先端角がほぼ30度となるような尖った形状の切欠き先端部111aを有している。一方、CT試験片110の側部側の切欠きの根元は、矩形の開口部112を備え、その開口部112は、さらにそこから角度60度の末広の開口部を有している。切欠き111の先端部111a側にあたるCT試験片110の両面には、ほぼ60度の断面の三角形状の溝115aおよび溝115bを有している。溝115aおよび溝115bは、試験の際に切欠き111の先端側111aに生じる亀裂を切欠き111の方向に沿って生ぜしめるため亀裂伸長の方向を誘導するために配置されている。これらの両面は、この溝115aにより上部面110aと上部面110cとに、溝115bにより下部面110bと下部面110dとに区画される。ここで便宜的に、図9および図10において、溝115aおよび溝115bに対し図9および図10の上側にあたる面を上部面110aおよび上部面110bと呼び、一方下側にあたる面を下部面110cおよび下部面110dと呼ぶ。上部面110aおよび110bと下部面110cおよび110dには、ほぼ円形の上部貫通孔116および下部貫通孔117がそれぞれ配置されている。上部貫通孔116および下部貫通孔117は、それぞれ引張力を負荷するための挟み治具を取り付けるために使われる。
【0004】
切欠き111の開口部112側には、開口部の幅の変位を測定するための第1のエッジ113および第2のエッジ114が切欠き111の中心線に対して対称に配置されている。第1のエッジ113および第2のエッジ114は、前記列挙の規格では必須の構成として規定されてはいない。しかし、CT試験片110の切欠き111の開口部112の変位を直接測定するために測定器具(たとえばクリップゲージ)を挿入して固定するためには第1のエッジ113および第2のエッジ114を配置するのが一般的である。第1のエッジ113および第2のエッジ114は、形状およびその位置について規格上限定されるものではない。しかし、図9に示すように、第1のエッジ113および第2のエッジ114の形状は、切欠き111の縁から切欠き111の中心線側に向かって突出する突起状の形状であって、開口部112の幅を検出するための器具のプローブを引っかけるに十分な先端が尖った形状とすることが望ましい。さらに第1のエッジ113および第2のエッジ114の形状は、切欠き111になるべく近く、すなわち2mmの幅を有する切欠き111部分の根元付近に配置するのがよい。ただし、これらは一例であって、切欠き111の開口部112において測定器具を当接させるために使用される限り、開口部112を含め切欠き111のいずれの箇所に配置される第1のエッジ113および第2のエッジ114も本明細書中で定義するところの第1のエッジ113および第2のエッジ114に含まれるものとする。なお、一般には、前記の上部貫通孔116の中心と下部貫通孔117の中心とを結んだ線分内に第1のエッジ113および第2のエッジ114が配置される。引張り力を負荷する方向に第1のエッジ113および第2のエッジ114を配置させるためである。
【0005】
従来、破壊靭性疲労試験では、図11に示すような方法がとられていた。図11に示した第1の従来例では、CT試験片110の開口部112内にクリップゲージ120を挿入して測定する。クリップゲージ120は、先端がわずかに曲がった板バネ状の第1変位検出レバー121および第2変位検出レバー122を有している。まず、CT試験片110に第1変位検出レバー121および第2変位検出レバー122を挿入し、それぞれをCT試験片110の第1のエッジ113と第2のエッジ114に係合させる。第1変位検出レバー121および第2変位検出レバー122の外面および内面には、それぞれひずみゲージが貼り付けられていて、これらのひずみゲージで、いわゆるブリッジ回路を組むことにより第1変位検出レバー121および第2変位検出レバー122の変位を測定するものである。ここで図11の矢印Wで示すように切欠き111を広げる方向に引張力を負荷すれば、切欠き111の先端側に引張り力に応じた亀裂が伸長する。亀裂の伸長により切欠き111の開口部112の幅が広がって第1のエッジ113と第2のエッジ114も広がるように変位する。第1の変位検出レバー121と第2変位検出レバー122は、その変位に伴って変形し、ひずみゲージの出力電圧が変化する。これにより、切欠き111の開口部の変位を測定することができる。
【0006】
しかしながら、上記図9〜図11に示すような破壊靭性疲労試験では、以下の問題があった。
図11に示すように、第1の変位検出レバー121および第2の変位検出レバー122を有するクリップゲージ120を使用する場合には、次の問題があった。たとえば、高温若しくは極低温に、かつ高圧若しくは真空の環境下でCT試験片110を用いて破壊靭性疲労試験を行う際には、CT試験片110を高温若しくは極低温に、又は高圧若しくは真空とすることができる密閉圧力容器内に配置して試験を行う必要がある。この場合、CT試験片110自体は、負荷をかける必要があるため圧力容器内に固定されるが、CT試験片110に負荷がかかるに従って位置が変化するため、クリップゲージ120を圧力容器に固定できず、従って第1の変位検出レバー121および第2の変位検出レバー122をCT試験片110の開口部112に嵌め込むのみでフリーな状態で取り付ける以外にない。しかしながら、このような取り付け方では温度や圧力の変化によりクリップゲージ120の第1の変位検出レバー121および第2の変位検出レバー122が切欠き111の第1のエッジ113および第2のエッジ114から容易に外れる問題があった。
【0007】
また図11のような第1変位検出レバー121および第2変位検出レバー122を有するクリップゲージ120を用いて測定する場合、CT試験片110のみならずクリップゲージ120の本体を高温若しくは極低温の密閉圧力容器内に配置するため、ひずみゲージの抵抗やクリップゲージ内の補償回路が環境温度に依存して変化し正確な電圧を出力できない問題があった。この場合に正確な値を得るためには、出力値を較正するために予めクリップゲージ120が温度変化により出力値がどのように変動するか、さらには高温にした状態で長時間維持すると出力値がどのように変動するか等の検査・測定を行い、その較正データを取得しておく必要がある。
このような問題に対処すべく提案されたものとして、特許文献1(特開2003−329557号公報)に記載されたものがある。
特許文献1に係る発明では、上記問題を解決するため、CT試験片110の切欠き111の開口部変位を直接測定し、また特には高温若しくは極低温に、かつ高圧若しくは真空の環境下でのCT試験片110の測定を常温大気中で行うのと同等の精度で測定可能にしたものであり、さらに、第1のエッジと第2のエッジとの距離で開口部幅が画定される切欠きを有する試験片に引張力を負荷した際の該開口部幅を測定する亀裂開口変位測定器具であって、一端で該第1のエッジに当接する第1検出レバーと、一端で該第2のエッジに当接する第2検出レバーと、該第1検出レバーと該第2検出レバーとの間に挟まれて配置される第1支点部材であって、該第1支点部材と該第1の検出レバーとの当接部および該第1支点部材と該第2検出レバーとの当接部をそれぞれ支点として第1検出レバーと第2検出レバーとをそれぞれ傾斜させうる第1支点部材と、該第1検出レバーの該一端と該第2検出レバーの該一端とが離れるように第1検出レバーと該第2検出レバーとを付勢する付勢手段と、該第1検出レバーの他端と該第2検出レバーの他端との間の距離の変化に対応した電気信号を発生する信号発生手段とを備える亀裂開口変位測定器具により解決するものとしている。
【0008】
これにより、第1支点部材を第1検出レバーと第2検出レバーの間に配置することで第1検出レバーと第2検出レバーが第1支点部材を支点として移動可能であり、さらにこれに付勢手段を配置することで、より強く該第1検出レバーの一端と該第2検出レバーの一端とが離れ、ひいては第1検出レバーの一端が第1のエッジに第2検出レバーの一端が第2のエッジに、より追従可能とすることができる。従って、特に常温大気中はもとより、たとえ高温若しくは極低温に、又は高圧若しくは真空の環境下でも亀裂開口変位測定器具の第1検出レバーおよび第2検出レバーを第1のエッジと第2のエッジとにそれぞれ確実に係合することができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−329557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した特許文献1に係る発明は、構成が極めて複雑で、且つ大型化を避け難く、摩擦や摺動する部分が多く存在し、機械的なガタ付きや磨耗による経時変化が大きく、特にヒステリシスやクリープが発生し易い構造となっており、さらには、クリップゲージとしての亀裂開口変位測定器具は、耐水性については全く考慮が払われておらず、性能の維持や耐久性に難点がある。
本発明は、上記従来技術および特許文献1の問題点に鑑みてなされたもので、第1の目的とするところは、耐水性に優れたクリップゲージを提供することにあり、
第2の目的とするところは、構造上安定度が良く長期に亘る使用に対しても経年変化が少なく、所期の性能を維持し得るクリップゲージを提供することにあり、第3の目的とするところは、簡素な構成で、極力小型化をも実現し得るクリップゲージを提供することにあり、第4の目的とするところは、電気ノイズなどの外乱ノイズの影響を受け難いクリップゲージを提供することにあり、第5の目的とするところは、耐水性能に優れると共に、高温環境下でも所期の性能を維持したまま第1のエッジと第2のエッジ間の開口部幅を電気信号として正確に検出し得るクリップゲージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に係る発明のクリップゲージは、上記第1〜第4の目的を達成するために、第1のエッジと第2のエッジの間隔で開口部幅が画定される切欠きを有する試験片に引張力を負荷した際の前記開口部幅を測定するクリップゲージにおいて、
中間には薄肉の起歪部が形成され、この起歪部を挟んで両側に延設された剛生大なる第1および第2の変位導入部が延設された起歪本体と、
先端側に前記第1のエッジに当接する第1のクリップ片が連接され基端側が前記第1の変位導入部に連結される第1の変位伝達部材と、
先端側に前記第2のエッジに当接する第2のクリップ片が連接され基端側が前記第2の変位導入部に連結される第2の変位伝達部材と、
前記第1の変位導入部と前記第2の変位導入部との間に前記起歪部を囲繞するようにして、一端部が前記第1の変位導入部に水密に固着連結され、他端部が前記第2の変位導入部に水密に固着連結されてなる金属製であって且つ可撓性を有するカバー部材と、
前記起歪部に添着され前記起歪部に生じる曲げひずみに応じた電気信号を出力するひずみゲージと、
前記ひずみゲージにゲージリードを介して接続されひずみゲージからの出力信号を前記第2の変位導入部を介して外部に取出すための電気ケーブルと、
前記第2の変位導入部と前記電気ケーブルとの間を気密に封止する封止手段と、
を有し、
前記第1のクリップ片と前記第2のクリップ片との間の距離の変位を前記第1の変位伝達部材と、前記第2の変位伝達部材を介して、前記第1の変位導入部と前記第2の変位導入部を介して前記起歪部に伝達する構成としたことを特徴としている。
【0012】
また、請求項2に係る発明の耐水型クリップゲージは、上記第1〜第4の目的を達成するために、前記カバー部材は、金属製のベローズで構成されてなることを特徴としている。
また、請求項3に係る発明の耐水型クリップゲージは、上記第1〜第4の目的を達成するために、前記カバー部材は、薄肉の円筒状の金属製のケースで構成されてなることを特徴としている。
また、請求項4に係る発明の耐水型クリップゲージは、上記第1〜第4の目的を達成するために、前記第1および第2の変位伝達部材は、それぞれ薄肉の弾性を有する板状であって、基端側から先端側に向かうにつれて先細となる形状を呈する第1の変位伝達板および第2の変位伝達板であることを特徴としている。
また、請求項5に係る発明の耐水型クリップゲージは、上記第1〜第4の目的を達成するために、前記第1および第2の変位伝達部材は、それぞれ円筒形を呈する第1および第2の変位伝達パイプであることを特徴としている。
また、請求項6に係る発明の耐水型クリップゲージは、上記第1〜第4の目的を達成するために、前記封止手段は、前記第2の変位導入部の内部に形成された中空部と前記ケーブルとの間に順次嵌入されるOリング、座金、リングナットおよびこれらを押圧固定するリングナットより構成されてなることを特徴としている。
【0013】
また、請求項7に係る発明の耐水型クリップゲージは、上記第1〜第4の目的を達成するために、前記ひずみゲージは、前記起歪板の表面および裏面であって、前記第1および第2の変位伝達部材の延設方向にそれぞれ直交する面に少なくとも4枚添着され、フルブリッジを構成されてなることを特徴としている。
また、請求項8に係る発明の耐水型クリップゲージは、上記第1〜第4の目的を達成するために、前記第1の変位導入部の端部には、前記クリップゲージ自体を他の保持部材に取り付けるための保持部材取付部を備えていることを特徴としている。
また、請求項9に係る発明の耐水型クリップゲージは、上記第1〜第5の目的を達成するために、前記電気ケーブルは、ふっ素樹脂ケーブルよりなり、その外側を電気ケーブル保護用フレキシブルチューブおよび/または金属製チューブで被包されてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、第1のエッジと第2のエッジの間隔で開口部幅が画定される切欠きを有する試験片に引張力を負荷した際の前記開口部幅を測定するクリップゲージにおいて、
中間には薄肉の起歪部が形成され、この起歪部を挟んで両側に延設された剛生大なる第1および第2の変位導入部が延設された起歪本体と、
先端側に前記第1のエッジに当接する第1のクリップ片が連接され基端側が前記第1の変位導入部に連結される第1の変位伝達部材と、
先端側に前記第2のエッジに当接する第2のクリップ片が連接され基端側が前記第2の変位導入部に連結される第2の変位伝達部材と、
前記第1の変位導入部と前記第2の変位導入部との間に前記起歪部を囲繞するようにして、一端部が前記第1の変位導入部に水密に固着連結され、他端部が前記第2の変位導入部に水密に固着連結されてなる金属製であって且つ可撓性を有するカバー部材と、
前記起歪部に添着され前記起歪部に生じる曲げひずみに応じた電気信号を出力するひずみゲージと、
前記ひずみゲージにゲージリードを介して接続されひずみゲージからの出力信号を前記第2の変位導入部を介して外部に取出すための電気ケーブルと、
前記第2の変位導入部と前記電気ケーブルとの間を気密に封止する封止手段と、
を有し、
前記第1のクリップ片と前記第2のクリップ片との間の距離の変位を前記第1の変位伝達部材と、前記第2の変位伝達部材を介して、前記第1の変位導入部と前記第2の変位導入部を介して前記起歪部に伝達する構成としたので、第1に、耐水性に優れたクリップゲージを提供することができ、第2に、構造上、機械的に摺接する部分が無いため、ヒステリシスが極めて小さく、経年変化が少なく長期亘る使用においても、所期の性能、精度を維持することが可能で、第3に、簡素な構成で、極力小型化が可能で、第4に、外乱ノイズの影響を受け難く、第1のエッジと第2のエッジ間の開口部幅を電気信号として正確に検出し得る耐水型クリップゲージを提供することができる。
【0015】
また、請求項2に係る発明によれば、前記カバー部材は、金属製のベローズで構成されてなるので、請求項1に係る発明と同様の効果を奏する耐水型クリップゲージを提供することができる。
また、請求項3に係る発明によれば、前記カバー部材は、薄肉の円筒状の金属製のケースで構成されてなるので、請求項1に係る発明と同様の効果を奏する耐水型クリップゲージを提供することができる。
また、請求項4に係る発明によれば、前記第1および第2の変位伝達部材は、それぞれ薄肉の弾性を有する板状であって、基端側から先端側に向かうにつれて先細となる形状を呈する第1の変位伝達板および第2の変位伝達板であるので、請求項1に係る発明と同様の効果を奏する耐水型クリップゲージを提供することができる。
また、請求項5に係る発明によれば、前記第1および第2の変位伝達部材は、それぞれ円筒形を呈する第1および第2の変位伝達パイプであるので、請求項1に係る発明と同様の効果を奏する耐水型クリップゲージを提供することができる。
【0016】
また、請求項6に係る発明によれば、前記封止手段は、前記第2の変位導入部の内部に形成された中空部と前記ケーブルとの間に順次嵌入されるOリング、座金、リングナットおよびこれらを押圧固定するリングナットより構成されてなるので、請求項1に係る発明と同様の効果を奏する耐水型クリップゲージを提供することができる。
また、請求項7に係る発明によれば、前記ひずみゲージは、前記起歪板の表面および裏面であって、前記第1および第2の変位伝達部材の延設方向にそれぞれ直交する面に少なくとも4枚添着され、フルブリッジを構成されてなるので、請求項1に係る発明と同様の効果を奏する耐水型クリップゲージを提供することができる。
また、請求項8に係る発明によれば、前記第1の変位導入部の端部には、前記クリップゲージ自体を他の保持部材に取り付けるための保持部材取付部を備えているので、請求項1に係る発明と同様の効果を奏する耐水型クリップゲージを提供することができる。
また、請求項9に係る発明によれば、前記電気ケーブルは、ふっ素樹脂ケーブルよりなり、その外側を電気ケーブル保護用フレキシブルチューブおよび/または金属製チューブで被包されてなるので、請求項1に係る発明がそうする効果に加えて、高温環境下でも所期の精度を維持したまま第1のエッジと第2のエッジ間の開口部幅を電気信号として正確に検出し得る耐水型クリップゲージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る耐水型クリップゲージの構成を示すもので、図1(a)は、図1(c)のX−X線矢視方向断面図、図1(b)は、図1(c)のY−Y線矢視方向断面図、図1(c)は、平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る耐水型クリップゲージの外観構成を示すもので、図2(a)は、左側面図、図2(b)は、正面図、図2(c)は、平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る耐水型クリップゲージに組込まれている起歪本体の構成を示すもので、図3(a)は、左側面図、図3(b)は、正面中央縦断面図、図3(c)は、平面図である。
【図4】図2(b)の中のA部を拡大して示す部分拡大正面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る耐水型クリップゲージの起歪部に添着される4枚のひずみゲージによって形成したホイートストンブリッジ回路を示す回路図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る耐水型クリップゲージの構成を示すもので、図6(a)は、図6(c)のX−X線矢視方向断面図、図6(b)は、図6(c)のY−Y線矢視方向断面図、図6(c)は、平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る耐水型クリップゲージの構成を示すもので、図7(a)は、図7(c)のX−X線矢視方向断面図、図7(b)は、図7(c)のY−Y線矢視方向断面図、図7(c)は、平面図である。
【図8】図1に示す第1の実施の形態の耐水型クリップの封止部材の構成を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図9】本発明を適用するCT試験片の構成示す正面図である。
【図10】図9のCT試験片の右側面図である。
【図11】従来のCT試験片の測定に利用したクリップゲージをCT試験との関係で示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施の形態に基づき、図面を参照して、本発明の耐水型クリップゲージを詳細に説明する。
図1(a)、(b)および(c)は、本発明の第1の実施の形態に係る耐水型クリップゲージの構成を示すもので、このうち、図1(a)は、図1(c)のX−X線矢視方向断面図であり、図1(b)は、図1(c)のY−Y線矢視方向断面図であり、図1(c)は、平面図であり、図2(a)、(b)および(c)は、上記第1の実施の形態に係る外観構成を示すもので、図2(a)は、左側面図、図2(b)は、正面図、図2(c)は、平面図である。
先ず、始めに、図1と図2に示された耐水型クリップゲージに組込まれた起歪本体について、図3(a)、(b)および(c)を用いて説明する。
図3(a)、(b)および(c)において、起歪本体1は、中間部には薄肉に形成された起歪部2と、この起歪部2を挟んで両側に延設された剛性大なる第1の変位導入部3と第2の変位導入部4を有する。
第1の変位導入部3の端部〔図3(b)においては、上端部〕には、後述するクリップゲージ自体を他の保持部材(図示しない固定部)に取付けるための保持部材取付部としての雌ねじ穴3aが形成されている。
【0019】
また、第2の変位導入部4の端部〔図3(b)においては、下端部〕には、ケーブル引出孔4aが穿設され、
後で詳しく説明する封止手段としてのOリング用の凹溝、リングナット用のねじ部等が形成されている。
起歪部2には、後で具体的に説明するひずみゲージSG1〜SG4が、その表裏に亘って、少なくとも4枚、接着、スパッタリング、蒸着、融着等のいずれかの手段により添着されている。
また、第1および第2の変位導入部3および4は、薄肉とされた起歪部2の板面に平行に沿って、互いに平行に削成してなる平面部3bおよび4bが形成されている。
次に、図1(a)〜(c)において、起歪本体1の第1の変位導入部3および第2の変位導入部4には、起歪部2の板面に対して垂直方向に延設される第1の変位伝達部材としての第1の変位伝達板5および第2の変位伝達部材としての第2の変位伝達板6のそれぞれの基端部が変位板押さえ13および14に挟まれた状態で、Uナット7および8により連結固定されている。
上記第1の変位伝達板5および第2の変位伝達板6の先端部には、図9にて示した第1のエッジ113および第2のエッジ114に当接する第1のクリップ片9および第2のクリップ片10が、十字穴付き皿小ねじ11および12によってそれぞれ連結固定されている。
【0020】
第1の変位導入部3および第2の変位導入部4との間には、起歪部2を囲繞するようにして、一端部(上端部)が、第1の変位導入部3にベローズ取付金具15aを介して固着連結され、他端部(下部)が、第2の変位導入部4に固着連結されている。
尚、第1および第2のクリップ片9および10は、図4にその先端部〔図2(b)のA部〕を拡大して示すような寸法および角度を示すように形成されているものとする。
本発明において第2の変位導入部4の先端(図1の下端)側には、電気ケーブル16との間を気密に封止するための封止手段17が配設されている。
即ち、この封止手段17として、第2の変位導入部4の下端に、Oリング18が嵌入する凹溝19と他のOリング20や座金22が嵌入する凹溝21と、リングナット23が螺合するねじ部が形成されている。
電気ケーブル16の外周と凹溝21との間に、Oリング20、座金22が挟められた状態で、リングナット23をねじ込んで、電気ケーブル16と第2の変位導入部4の下端部との封止が実現される。
次いで、第2の変位導入部4の下端部外周に、ホース接続部24を、下方から上方に向けて嵌合させ、さらに、そのホース接続部24の外側に、固定金具25を下方挿入し、固定金具25の内部に形成した雌ねじ部を、第2の変位導入部4の外周に形成した雄ねじ部と螺合させて組付ける。
【0021】
電気ケーブル16の外周側は、金属製、望ましくはステンレス製のフレキシブルチューブ26で覆われている。
このフレキシブルチューブ26の基端は、固定金具27に挿通され、ホース接続部24とが溶接により固着され、且つ、固定金具27と固定金具25との間も溶接により固着一体化されている。
このような構成からなる封止手段17によれば、電気ケーブル16と第2の変位導入部4との間から水分(湿気)の起歪部2側への侵入が阻止させることができ、併せて、電気ケーブル16がフレキシブルチューブ26によって、高温にさらされることがなく、且つ、電気ケーブル16自体も高温(170℃前後)に晒されても材質が劣化しないふっ素樹脂ケーブルを用いているので、高温環境下でも所期の精度をもって、第1のクリップ片9と第2のクリップ片の間隔を検出(計測)することが可能となる。
上記の如く構成された第1の実施の形態に係るクリップゲージの作用につき、説明する。
先ず、第1の実施の形態に係るクリップゲージにおいて、第1のクリップ片9および第2のクリップ片10を、図9に示す第1のエッジ113および第2のエッジ114に当接し、その状態で、クリップゲージを、適切な保持部材に対し、保持部材取付部としての雌ねじ穴3aを介して固定保持する。
【0022】
この状態で、図11の矢印Wで示すように切欠き111を広げる方向に引張力を負荷すれば、切欠き111の先端側に引張り力に応じた亀裂が伸張する。亀裂の伸張により切欠き111の開口部112の幅が広がって、第1エッジ113と第2エッジ114も広がるように変位し、第1の変位伝達板5および第2の変位伝達板6も、互いに開くように変形し、第1の変位導入部3および第2の変位導入部4を互いに開くように変形するため起歪部2は、右側に膨出するように変形する。すると図3(b)において起歪部2に添着されたひずみゲージSG1〜SG4のうち、右側面に添着されたひずみゲージSG2、SG4は、伸張されて抵抗値を増大し、反対側の左側面に添着されたひずみゲージSG1、SG3は圧縮される。
このうち、右側面に添着されたひずみゲージSG2とSG4を図5に示すように、ブリッジ回路の対辺に回路挿入され、左側面に添着されたひずみゲージSG1とSG3は、その隣接する対辺にそれぞれ回路挿入されてフルブリッジ回路が形成されている。
従って、起歪部2が図3(b)上で、右側に膨出するように円弧状に変形するのをひずみゲージSG1〜SG4が検知して、その出力端から結果的にクリップ片9、10間の距離、即ち、CT試験片110(図9参照)の第1エッジ113と第2エッジ114との間の開口部幅に正確に対応した電気信号が、図5に示すブリッジ回路28の出力端から取り出し得ることとなる。
このブリッジ回路28へのブリッジ電源の供給およびブリッジ回路28から出力される検出信号の取り出しは、電気ケーブル16を介して行われる。
【0023】
図6(a)、(b)および(c)は、本発明の第2の実施の形態に係る耐水型クリップゲージの構成を示す図であり、図6(a)は、図6(c)のX−X線矢視方向断面図であり、図6(b)は、図6(c)のY−Y線矢視方向断面図であり、図6(c)は、その平面図である。
図6(a)、(b)および(c)に示す第2の実施形態に係るクリップゲージは、第1の実施の形態とは、殆どの点において共通性を有するが、特に差異点としては、第1に、第1の変位伝達部材としての第1の変位伝達板35と、第2の変位伝達部材としての第2の変位伝達板36が寸法的に小さく設定されており且つ、平面から見た形状が、左半分は、同一幅に形成され、右半分は、先端に行くにつれて先細に形成されている点である。
差異点の第2としては、封止手段37が簡易化されており、第2の変位導入部4の下端の内部に形成された凹溝38と電気ケーブル16の外周との間に、グランドパッキン39と座金40を介挿した状態で、リングナット41を第2の変位導入部4の外周に形成された雄ねじ部に螺合することで、水密(耐水)構造とした点である。
また、差異点の第3としてとしては、電気ケーブル16が金属製のフレキシブルチューブで、保護されておらず、いわゆる高温型のクリップゲージとはなっている点である。
【0024】
図7(a)、(b)および(c)は、本発明の第3の実施の形態に係る耐水型クリップゲージの構成を示す図であり、このうち、図7(a)は、図7(c)のX−X線矢視方向断面図、図7(b)は、図7(c)のY−Y線矢視方向断面図、図7(c)は、平面図である。
この第3の実施の形態と、第1の実施の形態とは、殆ど共通しているが、特に、第1および第2の変位伝達部材が板状でなく、第1の変位伝達パイプ45および第2の変位伝達パイプ46のようにパイプ状とした点が異なっている。
また、第1および第2のクリップ片および48は、それぞれ第1および第2の変位伝達パイプ45および46の先端部にそれぞれ2本ずつの十字穴付き皿小ねじ49によって固定されている。
この第3の実施の形態の場合、第1および第2の変位伝達パイプ45および46が板状でなく、パイプ状で剛性が高いので、変形(撓む)することがない第1および第2のクリップ片47および48間の開口部幅の変動を拡大して起歪部2に伝達することができる特徴がある。
【0025】
上述し且つ図面に示したように、本発明に係る耐水型クリップゲージは、第1に、起歪部2に添着されたひずみゲージSG1〜SG4やその他の回路素子が、起歪部2を囲繞するように、ベローズ15の上端のベローズ取付金具15aが第1の変位導入部3に溶接またはロー付けにより水密に固着連結され、ベローズ15下端のベローズ取付金具15aが第2の変位導入部4に溶接、ロー付け等の手段により、水密に固着連結され、且つ、第2の変位導入部4のケーブル引出孔4aと電気ケーブル16との間は、封止手段17によって水密な構造となっているので、ベローズ15の内部に収納されたひずみゲージSG1〜GS4および回路素子は、水分(湿気)に触れないので、酸化等による劣化を防止することができると共に、水中計測も可能となる。
また、電気ケーブル16は、比較的耐熱性のあるふっ素樹脂で被覆されたケーブルである上、その外周を金属製のフレキシブルチューブ26でカバーで覆われているので、高温(例えば、170℃程度)の環境下でも、CT試験片の開口部間の距離を正確に検出することができる。
【0026】
また、上記第1〜第3の実施の形態のいずれもが部品点数も少なく簡素な構成で且つ安価であって、摺動する部分がなく、ヒステリシスは±2.0%RO、非直線性は±0.2%ROと小さく、経年変化が小さく、長期の使用にも充分耐え得る特徴がある。
また、ひずみゲージSG1〜SG4等の電子回路素子が、金属製のベローズ15によって覆われ、電気ケーブル16が金属製のフレキシブルチューブ26で覆われてシールドされているので、電気ノイズ(外乱ノイズ)の影響を受けることなく、安定性のよい測定を可能としている。
尚、本発明は、上述し且つ図示したものに限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
例えば、第1〜第3の実施の形態に係るクリップゲージは、第1の変位導入部3と第2の変位導入部4との間に固着連結されるカバー部材としてベローズ15を用いる構成としているが、このベローズ15を用いることなく、薄肉の金属の円筒体を用いることができる。
但し、金属製の円筒体の場合、起歪部2への変位を拘束しないように、第1および第2の変位伝達板の基端側の第1および第2の変位導入部と金属製の円筒体と連接する中間にダイヤフラムを介在させることで変位を吸収する構造とすることもできる。
【符号の説明】
【0027】
1 起歪本体
2 起歪部
3 第1の変位導入部
3a 雌ねじ穴
3b 平面部
4 第2の変位導入部
4a ケーブル引出孔
4b 平面部
5 第1の変位伝達板
6 第2の変位伝達板
7、8 Uナット
9 第1のクリップ片
10 第2のクリップ片
11、12 十字穴付き皿小ねじ
13、14 変位板押さえ
15 ベローズ
15a ベローズ取付金具
16 電気ケーブル
17 封止手段
18 Oリング
19、21、38 凹溝
20 Oリング
22 座金
23 リングナット
24 ホース接続部
25 固定金具
26 フレキシブルチューブ
27 固定金具
28 ブリッジ回路
35 第1の変位伝達板
36 第2の変位伝達板
37 封止手段
39 グランドパッキン
40 座金
41 リングナット
45 第1の変位伝達パイプ
46 第2の変位伝達パイプ
47 第1のクリップ片
48 第2のクリップ片
49 十字穴付き皿小ねじ
SG1〜SG4 ひずみゲージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエッジと第2のエッジの間隔で開口部幅が画定される切欠きを有する試験片に引張力を負荷した際の前記開口部幅を測定するクリップゲージにおいて、
中間には薄肉の起歪部が形成され、この起歪部を挟んで両側に延設された剛生大なる第1および第2の変位導入部が延設された起歪本体と、
先端側に前記第1のエッジに当接する第1のクリップ片が連接され基端側が前記第1の変位導入部に連結される第1の変位伝達部材と、
先端側に前記第2のエッジに当接する第2のクリップ片が連接され基端側が前記第2の変位導入部に連結される第2の変位伝達部材と、
前記第1の変位導入部と前記第2の変位導入部との間に前記起歪部を囲繞するようにして、一端部が前記第1の変位導入部に水密に固着連結され、他端部が前記第2の変位導入部に水密に固着連結されてなる金属製であって且つ可撓性を有するカバー部材と、
前記起歪部に添着され前記起歪部に生じる曲げひずみに応じた電気信号を出力するひずみゲージと、
前記ひずみゲージにゲージリードを介して接続されひずみゲージからの出力信号を前記第2の変位導入部を介して外部に取出すための電気ケーブルと、
前記第2の変位導入部と前記電気ケーブルとの間を気密に封止する封止手段と、
を有し、
前記第1のクリップ片と前記第2のクリップ片との間の距離の変位を前記第1の変位伝達部材と、前記第2の変位伝達部材を介して、前記第1の変位導入部と前記第2の変位導入部を介して前記起歪部に伝達する構成としたことを特徴とする耐水型クリップゲージ。
【請求項2】
前記カバー部材は、金属製のベローズで構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の耐水型クリップゲージ。
【請求項3】
前記カバー部材は、薄肉の円筒状の金属製のケースで構成されてなることを特徴とする請求項1に記載のクリップゲージ。
【請求項4】
前記第1および第2の変位伝達部材は、それぞれ薄肉の弾性を有する板状であって、基端側から先端側に向かうにつれて先細となる形状を呈する第1の変位伝達板および第2の変位伝達板であることを特徴とする請求項1に記載の耐水型クリップゲージ。
【請求項5】
前記第1および第2の変位伝達部材は、それぞれ円筒形を呈する第1および第2の変位伝達パイプであることを特徴とする請求項1に記載の耐水型クリップゲージ。
【請求項6】
前記封止手段は、前記第2の変位導入部の内部に形成された中空部と前記ケーブルとの間に順次嵌入されるOリング、座金、リングナットおよびこれらを押圧固定するリングナットより構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の耐水型クリップゲージ。
【請求項7】
前記ひずみゲージは、前記起歪板の表面および裏面であって、前記第1および第2の変位伝達部材の延設方向にそれぞれ直交する面に少なくとも4枚添着され、フルブリッジを構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の耐水型クリップゲージ。
【請求項8】
前記第1の変位導入部の端部には、前記クリップゲージ自体を他の保持部材に取り付けるための保持部材取付部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の耐水型クリップゲージ。
【請求項9】
前記電気ケーブルは、ふっ素樹脂ケーブルよりなり、その外側を電気ケーブル保護用フレキシブルチューブおよび/または金属製チューブで被包されてなることを特徴とする請求項1に記載の耐水型クリップゲージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−88172(P2012−88172A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235007(P2010−235007)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【出願人】(000142067)株式会社共和電業 (52)
【Fターム(参考)】