説明

耐熱性菌検出用マイクロアレイ

【課題】食中毒の原因となる微生物群を検出できるとともに、微生物種を同定することができる、簡便かつ迅速な手段を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisまたはStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAにおける25〜35塩基の部分塩基配列からなる12種オリゴヌクレオチドプローブのセット、該オリゴヌクレオチドプローブのセットが担体上に固定化されてなるマイクロアレイおよび上記微生物の検出方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisからなる群から選択される耐熱性菌を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブのセット、該オリゴヌクレオチドプローブのセットが固定化されてなるマイクロアレイ、およびこれらを用いて前記耐熱性菌を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食品の安全性が厳しく問われている。中でも食中毒の発生については大きな問題となっている。その原因は微生物によるものが大多数である。したがって、製造ラインや製品中の微生物検査が義務づけられている。現在行われている微生物検査は、原料、各工程や製品から試料を採取して培養するため、結果が得られるまで非常に時間がかかり、近年求められている検査の簡易化・迅速化に充分に対応し得るものではなかった。またこの方法では菌種を同定することは困難であった。
【0003】
かかる状況下、微生物由来のATP量に基づいて微生物量を計測するバイオルミネッセンス法を利用した簡便で迅速に結果を出すことのできる方法が開発されている。また、危険性の高い微生物の簡易検査方法としてPCR法を利用した病原性細菌の遺伝子を検出する方法が開発されている。
【0004】
ところが、こうした方法も、それぞれ固有の課題を抱えている。バイオルミネッセンス法では、検査対象の食品中に多量の微生物が存在する場合、特定の微生物を検出することは困難であった。また、PCR法では、前もって検出すべき微生物の種類を予測することが必要となるため、その微生物を推定するための情報収集等に時間を要し、迅速な測定が困難となる場合もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、食中毒の原因となる微生物群を検出できるとともに、微生物種を同定することができる、簡便かつ迅速な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisを検出できるとともに、これらを識別できるオリゴヌクレオチドプローブのセットを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
一実施形態において本発明は、以下の(1)〜(12)のオリゴヌクレオチドプローブを含む、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisからなる群から選択される少なくとも1種の微生物を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブのセット:
(1)a)配列番号1のうち190〜219番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号1のうち190〜219番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(2)a)配列番号2のうち198〜227番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号2のうち198〜227番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(3)a)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(4)a)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(5)a)配列番号4のうち186〜215番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号4のうち186〜215番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(6)a)配列番号5のうち170〜199番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号5のうち170〜199番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
【0008】
(7)a)配列番号6のうち170〜200番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号6のうち170〜200番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(8)a)配列番号7のうち168〜198番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号7のうち168〜198番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(9)a)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(10)a)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(11)a)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(12)a)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
に関する。
【0009】
一実施形態において本発明は、上記オリゴヌクレオチドプローブのセットが担体上に固定化されてなる、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisからなる群から選択される少なくとも1種の微生物を検出するためのマイクロアレイに関する。
【0010】
上記マイクロアレイにおいて、担体は、好ましくは表面にカーボン層と化学修飾基とを有するものである。
【0011】
一実施形態において本発明は、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisからなる群から選択される少なくとも1種の微生物を検出する方法であって、試料からゲノムDNAまたはRNAを抽出する工程と、抽出したゲノムDNAまたはRNAを鋳型とし、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAを増幅する工程と、上記オリゴヌクレオチドプローブのセットまた上記マイクロアレイを用いて増幅されたDNAを検出する工程とを含む、前記方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisを検出できるとともに、これらを同定することができる、簡便かつ迅速な手段が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
一実施形態において本発明は、以下の(1)〜(12)のオリゴヌクレオチドプローブ含む、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisからなる群から選択される少なくとも1種の微生物を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブのセットに関する。
【0014】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(1)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号1のうち190〜219番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、
b)配列番号1のうち190〜219番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。ここで、配列番号1はGeobacillus stearothermophilusの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列を表す。
【0015】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(1)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号1のうち190〜219番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0016】
(1)のオリゴヌクレオチドプローブは、Bacillus caldotenaxの16S rRNAをコードするDNAにハイブリダイズする。従って、b)における「前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」とは、換言すれば「Bacillus caldotenaxの16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」ことをさす。
【0017】
一方、(1)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAには特異的にハイブリダイズしない。
【0018】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(2)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号2のうち198〜227番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ
b)配列番号2のうち198〜227番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。ここで、配列番号2はGeobacillus thermoglucosidasiusの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列を表す。
【0019】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(2)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号2のうち198〜227番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0020】
(2)のオリゴヌクレオチドプローブは、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilisおよびThermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNAにハイブリダイズする。従って、b)における「前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」とは、換言すれば「Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilisおよびThermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」ことをさす。
【0021】
一方、(2)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldariusおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAには特異的にハイブリダイズしない。
【0022】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(3)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、
b)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。ここで配列番号3は、Alicyclobacillus acidocaldariusの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列を表す。
【0023】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(3)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0024】
(3)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldariusの16S rRNAをコードするDNAにハイブリダイズする。従って、b)における「前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」とは、換言すれば「Alicyclobacillus acidocaldariusの16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」ことをさす。
【0025】
一方、(3)のオリゴヌクレオチドプローブは、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAには特異的にハイブリダイズしない。
【0026】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(4)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、
b)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。
【0027】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(4)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0028】
(4)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldariusの16S rRNAをコードするDNAにハイブリダイズする。従って、b)における「前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」とは、換言すれば「Alicyclobacillus acidocaldariusの16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」ことをさす。
【0029】
一方、(4)のオリゴヌクレオチドプローブは、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAには特異的にハイブリダイズしない。
【0030】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(5)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号4のうち186〜215番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、
b)配列番号4のうち186〜215番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。ここで、配列番号4はBacillus coagulansの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列を表す。
【0031】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(5)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号4のうち186〜215番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0032】
(5)のオリゴヌクレオチドプローブは、Thermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNAにハイブリダイズする。従って、b)における「前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」とは、換言すれば「Thermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」ことをさす。
【0033】
一方、(5)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldarius Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilisおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAには特異的にハイブリダイズしない。
【0034】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(6)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号5のうち170〜199番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、
b)配列番号5のうち170〜199番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。ここで、配列番号5はBacillus caldotenaxの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列を表す。
【0035】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(6)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号5のうち170〜199番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0036】
(6)のオリゴヌクレオチドプローブは、Bacillus caldotenaxの16S rRNAをコードするDNAにハイブリダイズする。従って、b)における「前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」とは、換言すれば「Bacillus caldotenaxの16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」ことをさす。
【0037】
一方、(6)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAには特異的にハイブリダイズしない。
【0038】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(7)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号6のうち170〜200番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、
b)配列番号6のうち170〜200番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。ここで、配列番号6はBacillus cereusの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列を表す。
【0039】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(7)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号6のうち170〜200番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0040】
(7)のオリゴヌクレオチドプローブは、Bacillus cereusの16S rRNAをコードするDNAにハイブリダイズする。従って、b)における「前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」とは、換言すれば「Bacillus cereusの16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」ことをさす。
【0041】
一方、(7)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAには特異的にハイブリダイズしない。
【0042】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(8)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号7のうち168〜198番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、
b)配列番号7のうち168〜198番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。ここで、配列番号7はBacillus subtilisの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列を表す。
【0043】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(8)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号7のうち168〜198番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0044】
(8)のオリゴヌクレオチドプローブは、Bacillus subtilisの16S rRNAをコードするDNAにハイブリダイズする。従って、b)における「前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」とは、換言すれば「Bacillus subtilisの16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」ことをさす。
【0045】
一方、(8)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAには特異的にハイブリダイズしない。
【0046】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(9)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、
b)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。ここで、配列番号8はThermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列を表す。
【0047】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(9)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0048】
(9)のオリゴヌクレオチドプローブは、Thermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNAにハイブリダイズする。従って、b)における「前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」とは、換言すれば「Thermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」ことをさす。
【0049】
一方、(9)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilisおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAには特異的にハイブリダイズしない。
【0050】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(10)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、
b)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。
【0051】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(10)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0052】
(10)のオリゴヌクレオチドプローブは、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilisおよびThermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNAにハイブリダイズする。従って、b)における「前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」とは、換言すれば「Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilisおよびThermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」ことをさす。
【0053】
一方、(10)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldariusおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAには特異的にハイブリダイズしない。
【0054】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(11)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、
b)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのいずれにもハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。ここで、配列番号9はStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列を表す。
【0055】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(11)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのいずれにもハイブリダイズしないオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0056】
(11)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAいずれにも特異的にハイブリダイズしない。
【0057】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(12)のオリゴヌクレオチドプローブとして、以下のa)および/またはb)のオリゴヌクレオチドプローブ:
a)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、
b)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個、好ましくは2〜3個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を含む。
【0058】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(12)のオリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む連続した25〜35塩基、好ましくは28〜33塩基の塩基配列に相補的な塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。
【0059】
(12)のオリゴヌクレオチドプローブは、Staphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAにハイブリダイズする。従って、b)における「前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」とは、換言すれば「Staphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズする」ことをさす。
【0060】
一方、(12)のオリゴヌクレオチドプローブは、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilisおよびThermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNAには特異的にハイブリダイズしない。
【0061】
本明細書において、「16S rRNA(リボソームRNA)をコードするDNA」には、微生物のゲノムDNAまたはRNAを鋳型として増幅されたDNA、すなわち微生物のゲノムDNAを鋳型としてその16S rRNAをコードする領域を増幅して得られたDNA、および微生物の16S rRNAを鋳型としてこれを増幅して得られたDNAが包含される。従って、16S rRNAをコードするDNAには、微生物のゲノムDNAにおける16S rRNAをコードするDNAおよびその相補鎖が包含される。以下、「16S rRNAをコードするDNA」を「16S rDNA」と称する場合もある。なお、各細菌の16S rDNAの塩基配列は、例えば、NCBI(National Center for Biotechnology Information)の遺伝子データベースGenBankから取得できる。
【0062】
本明細書において、「ハイブリダイズする」とは、好ましくはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることをさす。ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいい、例えば、50℃で16時間ハイブリダイズ反応させた後、2×SSC/0.2% SDS、室温5分および2×SSC、室温、5分の条件で洗浄する条件をさす。
【0063】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、(1)〜(12)のオリゴヌクレオチドプローブとしてそれぞれ少なくとも1種を含んでいればよく、それぞれ複数種のオリゴヌクレオチドプローブを含んでいてもよい。すなわち、本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、少なくとも12種のオリゴヌクレオチドプローブを含む。
【0064】
Alicyclobacillus acidocaldariusの16S rRNAをコードするDNAは、上記オリゴヌクレオチドプローブの(3)および(4)とハイブリダイズする。従ってAlicyclobacillus acidocaldariusを含む試料から抽出したゲノムDNAまたはRNAを鋳型とし、16S rRNAをコードするDNAを増幅させて、本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットと反応させると、オリゴヌクレオチドプローブの(3)および(4)において特異的にハイブリダイズ反応が生じる。
【0065】
Bacillus caldotenaxの16S rRNAをコードするDNAは、上記オリゴヌクレオチドプローブの(1)、(2)、(6)および(10)とハイブリダイズする。従ってBacillus caldotenaxを含む試料から抽出したゲノムDNAまたはRNAを鋳型とし、16S rRNAをコードするDNAを増幅させて、本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットと反応させると、オリゴヌクレオチドプローブの(1)、(2)、(6)および(10)において特異的にハイブリダイズ反応が生じる。
【0066】
Bacillus cereusの16S rRNAをコードするDNAは、上記オリゴヌクレオチドプローブの(2)、(7)および(10)とハイブリダイズする。従ってBacillus cereusを含む試料から抽出したゲノムDNAまたはRNAを鋳型とし、16S rRNAをコードするDNAを増幅させて、本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットと反応させると、オリゴヌクレオチドプローブの(2)、(7)および(10)において特異的にハイブリダイズ反応が生じる。
【0067】
Bacillus subtilisの16S rRNAをコードするDNAは、上記オリゴヌクレオチドプローブの(2)、(8)および(10)とハイブリダイズする。従ってBacillus subtilisを含む試料から抽出したゲノムDNAまたはRNAを鋳型とし、16S rRNAをコードするDNAを増幅させて、本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットと反応させると、オリゴヌクレオチドプローブの(2)、(8)および(10)において特異的にハイブリダイズ反応が生じる。
【0068】
Thermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNAは、上記オリゴヌクレオチドプローブの(2)、(5)、(9)および(10)とハイブリダイズする。従ってThermoactinomyces vulgarisを含む試料から抽出したゲノムDNAまたはRNAを鋳型とし、16S rRNAをコードするDNAを増幅させて、本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットと反応させると、オリゴヌクレオチドプローブの(2)、(5)、(9)および(10)において特異的にハイブリダイズ反応が生じる。
【0069】
Staphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAは、上記オリゴヌクレオチドプローブの(12)とハイブリダイズする。従ってStaphylococcus epidermidisを含む試料から抽出したゲノムDNAまたはRNAを鋳型とし、16S rRNAをコードするDNAを増幅させて、本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットと反応させると、オリゴヌクレオチドプローブの(12)において特異的にハイブリダイズ反応が生じる。
【0070】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブは、例えば、核酸合成装置によって化学的に合成することで取得することができる。核酸合成装置としては、DNAシンセサイザー、全自動核酸合成装置、核酸自動合成装置等と呼ばれる装置を使用することができる。
【0071】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットは、担体上に固定化することにより、マイクロアレイの形態で用いるのが好ましい。担体の材料としては、当技術分野で公知のものを使用でき、特に制限されない。例えば、白金、白金黒、金、パラジウム、ロジウム、銀、水銀、タングステンおよびそれらの化合物などの貴金属、およびグラファイト、カ−ボンファイバ−に代表される炭素などの導電体材料;単結晶シリコン、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素などに代表されるシリコン材料、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)などに代表されるこれらシリコン材料の複合素材;ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラスなどの無機材料;ポリエチレン、エチレン、ポリプロビレン、環状ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホンなどの有機材料等が挙げられる。担体の形状も特に制限されないが、好ましくは平板状である。
【0072】
本発明においては、担体として、好ましくは表面にカーボン層と化学修飾基とを有する担体を用いる。表面にカーボン層と化学修飾基とを有する担体には、基板の表面にカーボン層と化学修飾基とを有するもの、およびカーボン層からなる基板の表面に化学修飾基を有するものが包含される。基板の材料としては、当技術分野で公知のものを使用でき、特に制限されず、上述の担体材料と同様のものを使用できる。
【0073】
本発明は、微細な平板状の構造を有する担体に対し好適に用いられる。形状は、長方形、正方形および丸形など限定されないが、通常、1〜75mm四方のもの、好ましくは1〜10mm四方のもの、より好ましくは3〜5mm四方のものを用いる。微細な平板状の構造の担体を製造しやすいことから、シリコン材料や樹脂材料からなる基板を用いるのが好ましく、特に単結晶シリコンからなる基板の表面にカーボン層および化学修飾基を有する担体がより好ましい。単結晶シリコンには、部分部分でごくわずかに結晶軸の向きが変わっているものや(モザイク結晶と称される場合もある)、原子的尺度での乱れ(格子欠陥)が含まれているものも包含される。
【0074】
本発明において基板上に形成させるカーボン層としては、特に制限されないが、合成ダイヤモンド、高圧合成ダイヤモンド、天然ダイヤモンド、軟ダイヤモンド(例えば、ダイヤモンドライクカーボン)、アモルファスカーボン、炭素系物質(例えば、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ)のいずれか、それらの混合物、またはそれらを積層させたものを用いることが好ましい。また、炭化ハフニウム、炭化ニオブ、炭化珪素、炭化タンタル、炭化トリウム、炭化チタン、炭化ウラン、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化クロム、炭化バナジウム等の炭化物を用いてもよい。ここで、軟ダイヤモンドとは、いわゆるダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)等の、ダイヤモンドとカーボンとの混合体である不完全ダイヤモンド構造体を総称し、その混合割合は、特に限定されない。カーボン層は、化学的安定性に優れておりその後の化学修飾基の導入や分析対象物質との結合における反応に耐えることができる点、分析対象物質と静電結合によって結合するためその結合が柔軟性を持っている点、UV吸収がないため検出系UVに対して透明性である点、およびエレクトロブロッティングの際に通電可能な点において有利である。また、分析対象物質との結合反応において、非特異的吸着が少ない点においても有利である。前記のとおり基板自体がカーボン層からなる担体を用いてもよい。
【0075】
本発明においてカーボン層の形成は公知の方法で行うことができる。例えば、マイクロ波プラズマCVD(Chemical vapor deposit)法、ECRCVD(Electric cyclotron resonance chemical vapor deposit)法、ICP(Inductive coupled plasma)法、直流スパッタリング法、ECR(Electric cyclotron resonance)スパッタリング法、イオン化蒸着法、アーク式蒸着法、レーザ蒸着法、EB(Electron beam)蒸着法、抵抗加熱蒸着法などが挙げられる。
【0076】
高周波プラズマCVD法では、高周波によって電極間に生じるグロー放電により原料ガス(メタン)を分解し、基板上にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)層を合成する。イオン化蒸着法では、タングステンフィラメントで生成される熱電子を利用して、原料ガス(ベンゼン)を分解・イオン化し、バイアス電圧によって基板上にカーボン層を形成する。水素ガス1〜99体積%と残りメタンガス99〜1体積%からなる混合ガス中で、イオン化蒸着法によりDLC層を形成してもよい。
【0077】
アーク式蒸着法では、固体のグラファイト材料(陰極蒸発源)と真空容器(陽極)の間に直流電圧を印加することにより真空中でアーク放電を起こして陰極から炭素原子のプラズマを発生させ蒸発源よりもさらに負のバイアス電圧を基板に印加することにより基板に向かってプラズマ中の炭素イオンを加速しカーボン層を形成することができる。
【0078】
レーザ蒸着法では、例えばNd:YAGレーザ(パルス発振)光をグラファイトのターゲット板に照射して溶融させ、ガラス基板上に炭素原子を堆積させることによりカーボン層を形成することができる。
【0079】
基板の表面にカーボン層を形成する場合、カーボン層の厚さは、通常、単分子層〜100μm程度であり、薄すぎると下地基板の表面が局部的に露出する可能性があり、逆に厚くなると生産性が悪くなるので、好ましくは2nm〜1μm、より好ましくは5nm〜500nmである。
【0080】
カーボン層が形成された基板の表面に化学修飾基を導入することにより、オリゴヌクレオチドプローブを担体に強固に固定化できる。導入する化学修飾基は、当業者であれば適宜選択することができ、特に制限されないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、ホルミル基、ヒドロキシル基および活性エステル基が挙げられる。
【0081】
アミノ基の導入は、例えば、カーボン層をアンモニアガス中で紫外線照射することによりまたはプラズマ処理することにより実施できる。または、カーボン層を塩素ガス中で紫外線を照射して塩素化し、さらにアンモニアガス中で紫外線照射することにより実施できる。または、メチレンジアミン、エチレンジアミンで等の多価アミン類ガス中を、塩素化したカーボン層と反応させることによって実施することもできる。
【0082】
カルボキシル基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に適当な化合物を反応させることにより実施できる。カルボキシル基を導入するために用いられる化合物としては、例えば、式:X-R1-COOH(式中、Xはハロゲン原子、R1は炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるハロカルボン酸、例えばクロロ酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、2-クロロプロピオン酸、3-クロロプロピオン酸、3−クロロアクリル酸、4−クロロ安息香酸;式:HOOC-R2-COOH(式中、R2は単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;式:R3-CO-R4-COOH(式中、R3は水素原子または炭素数1〜12の2価の炭化水素基、R4は炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるケト酸またはアルデヒド酸;式:X-OC-R5-COOH(式中、Xはハロゲン原子、R5は単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸のモノハライド、例えばコハク酸モノクロリド、マロン酸モノクロリド;無水フタル酸、無水コハク酸、無水シュウ酸、無水マレイン酸、無水ブタンテトラカルボン酸などの酸無水物が挙げられる。
【0083】
エポキシ基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に適当な多価エポキシ化合物を反応させることによって実施できる。あるいは、カーボン層が含有する炭素=炭素2重結合に有機過酸を反応させることにより得ることができる。有機過酸としては、過酢酸、過安息香酸、ジペルオキシフタル酸、過ギ酸、トリフルオロ過酢酸などが挙げられる。
【0084】
ホルミル基の導入は、例えば、前記のようにアミノ化したカーボン層に、グルタルアルデヒドを反応させることにより実施できる。
【0085】
ヒドロキシル基の導入は、例えば、前記のように塩素化したカーボン層に、水を反応させることにより実施できる。
【0086】
活性エステル基は、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味する。エステル基のアルコール側に、電子求引性の基を有し、アルキルエステルよりも活性化されたエステル基である。活性エステル基は、アミノ基、チオール基、水酸基等の基に対する反応性を有する。さらに具体的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、シアノメチルエステル、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。より具体的には、活性エステル基としては、たとえばp-ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド基等が挙げられ、特に、N-ヒドロキシスクシンイミド基が好ましく用いられる。
【0087】
活性エステル基の導入は、例えば、前記のように導入したカルボキシル基を、シアナミドやカルボジイミド(例えば、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド)などの脱水縮合剤とN-ヒドロキシスクシンイミドなどの化合物で活性エステル化することにより実施できる。この処理により、アミド結合を介して炭化水素基の末端に、N-ヒドロキシスクシンイミド基等の活性エステル基が結合した基を形成することができる(特開2001-139532)。
【0088】
本発明のオリゴヌクレオチドプローブを、スポッティング用バッファーに溶解してスポッティング用溶液を調製し、これを96穴もしくは384穴プラスチックプレートに分注し、分注した溶液をスポッター装置等によって担体上にスポッティングすることにより、オリゴヌクレオチドプローブが担体に固定化されたマイクロアレイを製造することができる。または、スポッティング溶液をマイクロピペッターにて手動でスポッティングしてもよい。
【0089】
スポッティング後、オリゴヌクレオチドプローブが担体に結合する反応を進行させるため、インキュベーションを行うことが好ましい。インキュベーションは、通常−20〜100℃、好ましくは0〜90℃の温度で、通常0.5〜16時間、好ましくは1〜2時間にわたって行う。インキュベーションは、高湿度の雰囲気下、例えば、湿度50〜90%の条件で行うのが望ましい。インキュベーションに続き、担体に結合していないDNAを除去するため、洗浄液(例えば、50mM TBS/0.05% Tween20)を用いて洗浄を行うことが好ましい。
【0090】
本発明はまた、本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットまたはこれを担体上に固定化したマイクロアレイを用いて、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisからなる群から選択される少なくとも1種の微生物を検出する方法に関する。
【0091】
上記本発明の微生物の検出方法は、試料からゲノムDNAまたはRNAを抽出する工程と、抽出したゲノムDNAまたはRNAを鋳型とし、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAを増幅する工程と、本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットまたは本発明のマイクロアレイを用いて増幅されたDNAを検出する工程とを含む、前記方法。
【0092】
本発明の検出方法では、先ず、試料からゲノムDNAまたはRNAを抽出する。DNAの抽出は、従来のゲノムDNAの調製の場合と同様の手法により行うことができ、例えばフェノール/クロロホルム、エタノール、水酸化ナトリウム、CTABなどを用いたDNA抽出法を用いることができる。RNAの抽出もまた、当業者に公知の方法により実施でき、特に限定されない。例えば、チオシアン酸グアニジン・塩化セシウム超遠心法、チオシアン酸グアニジン・ホットフェノール法、グアニジン塩酸法、酸性チオシアン酸グアニジン・フェノール・クロロホルム法(Chomczynski, P. and Sacchi, N., Anal. Biochem., 162, 156-159 (1987))等を採用することができる。
【0093】
なお、試料としては、使用する標的とする微生物を含みうる試料であれば特に制限されない。本発明の検出方法は、食品試料およびその製造工程に由来する試料に含まれる微生物の検出に、特に好適に用いられる。食品には飲料も含まれ、本発明の検出方法は、例えば、野菜類、肉類、果実類、穀類、卵類、魚介類、香辛料類(ハーブ類、スパイス類)、イモ類、豆/種実類、キノコ類、藻類、乳類およびこれらの加工製品等を広く対象とすることができる。食品の製造工程に由来する試料として、容器やプラント等の洗浄液などが挙げられる。
【0094】
本発明の検出方法では、次に、抽出したゲノムDNAまたはRNAを鋳型として増幅反応を行い、ゲノムDNAにおける16S rRNAをコードする領域またはリボソームRNAにおける16S rRNAの領域を増幅させる。増幅反応としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)等を適用することができる。
【0095】
また、増幅反応においては、増幅後の領域を識別できるように標識を付加することが望ましい。このとき、増幅されたDNAを標識する方法としては、特に限定されないが、例えば増幅反応に使用するプライマーをあらかじめ標識しておく方法を使用してもよいし、増幅反応に修飾ヌクレオチドを基質として使用する方法を使用してもよい。標識物質としては、特に限定されないが、放射性同位元素や蛍光色素、あるいはジゴキシゲニン(DIG)やビオチンなどの有機化合物などを使用することができる。
【0096】
増幅反応においては、検出または識別対象としている微生物の16S rRNAをコードするDNA領域を1つの反応系で増幅させることが好ましい。すなわち、検出または識別対象としている微生物がそれぞれ複数種に亘っていたとしても、複数種の微生物由来のDNAを1つの反応容器内で同時に増幅することが望ましい。このような反応系は、増幅反応としてPCRを適用する場合には「1-tube PCR」と呼ばれる。
【0097】
またこの反応系は、増幅・標識に必要な緩衝剤、耐熱性DNAポリメラーゼ、増幅領域特異的プライマー、修飾型ヌクレオチド三燐酸(具体的にはDIGラベル等を付加したヌクレオチド三燐酸)、ヌクレオチド三燐酸および塩化マグネシウム等を含む反応系キットとして提供することができる。
【0098】
検出または識別対象としている微生物の16S rRNAをコードするDNAを増幅する際には、好ましくはプライマーとしユニバーサルプライマーを使用する。具体的には、配列番号10に示す塩基配列からなるプライマーと配列番号11に示す塩基配列からなるプライマーのセットを挙げることができる。当該プライマーセットによれば、少なくとも、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisの16S rRNAをコードするDNAを検出対象領域として増幅することができる。
【0099】
増幅されたDNAと本発明のオリゴヌクレオチドプローブのセットとを反応させ、ハイブリダイゼーション反応を検出することにより、試料に含まれる微生物を同定し、識別することができる。ハイブリダイゼーション反応の検出には、ハイブリダイゼーション反応の有無、ハイブリダイゼーションしたDNAの量の定量も含まれる。オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズしたDNAの量を測定することにより、微生物の量を定量することもできる。
【0100】
本発明により、試料中のAlicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisを検出できる。また、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisを互いに識別することができる。
【実施例】
【0101】
実施例1 マイクロアレイの製造
シリコン担体の作成
3mm角のシリコン基板にダイヤモンドライクカーボン層をコーティングし、カルボキシル基で修飾後、N-ヒドロキシスクシンイミドで活性エステル化することによりシリコン担体を作製した。
【0102】
DNA固定化担体の作成
オリゴヌクレオチド(北海道システム・サイエンス社製)を滅菌水にて100μMに調整した。4倍濃縮Sol.6(東洋鋼鈑製)にて溶かして、終濃度5μMのDNA溶液とした。スライドガラスに熱剥離性接着剤が塗布されたシートとして熱剥離性両面テープ(日東電工社製)を貼り、移載装置(日立ハイテクノロジーズ社製)にてシリコン担体を配置した。SPBIO2000(日立ソフトエンジニアリング社製)にてDNA溶液をスポットした。
【0103】
DNA固定化担体の洗浄
DNA固定化担体を配置したスライドガラスを、80℃のベーキングチャンバーに入れ、1時間放置して固定化した。続いて室温の洗浄液(2xSSC/0.2%SDS)にて15分間洗浄を行った。続いて、沸騰した(約90℃〜100℃)洗浄液(2xSSC/0.2%SDS)にて5分間洗浄を行った。超純水にてリンスを3回行った。遠心機にて水分を吹き飛ばした。
【0104】
以下の表1において、担体上に固定化したオリゴヌクレオチドプローブに番号を付し、各オリゴヌクレオチドプローブの塩基配列および各塩基配列の起源となる微生物を示す。
【0105】
【表1】

【0106】
プローブ2は、Geobacillus steatothermophilusの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列(配列番号1)のうち190〜219番の塩基に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0107】
プローブ4は、Geobacillus thermoglucosidasiusの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列(配列番号2)のうち198〜227番の塩基に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0108】
プローブ5は、Alicyclobacillus acidocaldariusの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列(配列番号3)のうち167〜196番の塩基からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0109】
プローブ6は、Alicyclobacillus acidocaldariusの16S rRNAをコードするDNAの塩基配列(配列番号3)のうち167〜196番の塩基に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0110】
プローブ8は、Bacillus coagulansの16S rRNAをコードするDNA(配列番号4)のうち186〜215番の塩基に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0111】
プローブ10は、Bacillus caldotenaxの16S rRNAをコードするDNA(配列番号5)のうち170〜199番の塩基に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0112】
プローブ12は、Bacillus cereusの16S rRNAをコードするDNA(配列番号6)のうち170〜200番の塩基に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0113】
プローブ14は、Bacillus subtilisの16S rRNAをコードするDNA(配列番号7)のうち168〜198番の塩基に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0114】
プローブ17は、Thermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNA(配列番号8)のうち196〜225番の塩基からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0115】
プローブ18は、Thermoactinomyces vulgarisの16S rRNAをコードするDNA(配列番号8)のうち196〜225番の塩基に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0116】
プローブ19は、Staphylococcus epidermidis groupの16S rRNAをコードするDNA(配列番号9)のうち191〜220番の塩基からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0117】
プローブ20は、Staphylococcus epidermidis groupの16S rRNAをコードするDNA(配列番号9)のうち191〜220番の塩基に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブに対応する。
【0118】
また、図1に各プローブのマイクロアレイ上におけるスポット位置を示す。
【0119】
実施例2 微生物の検出
DNAの抽出:
6種類の微生物(Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidis)からそれぞれゲノムDNAの抽出をおこなった。具体的には、寒天培地上のコロニーを白金耳にてかき取り、30μlの超純水に溶かし、100℃で10分間ボイルし、遠心後(10000rpm、1分間)、上清を回収しDNAサンプルとした。
【0120】
得られた各DNAサンプルについてPCRを行い16s rDNA領域を増幅した。その際、蛍光物質(Cy5)をDNAにとりこませた。6種類すべての微生物について、以下のプライマー対を増幅に用いた。
フォワードプライマー:5’-AGAGTTTGATCMTGGCTCAG-3’(配列番号10)
リバースプライマー:5’-ATTACCGCGGCTGCTGGCA-3’(配列番号11)
PCRの条件は以下のとおりである。
【0121】
【表2】

【0122】
PCR産物の内、0.5μlを電気泳動に用いて、増幅反応の確認を行った。結果を図2に示す。図2の結果から、PCRにより各微生物において16S rDNA領域が適切に増幅されたことがわかる。
【0123】
6種の微生物ごとに得られたPCR産物に、等量の10xSSC/1%SDSを加え、ハイブリダイズ用溶液とした(最終ハイブリダイズ用溶液濃度:5xSSC/0.5%SDS)。15μlのハイブリダイズ用溶液を実施例1で作製したマイクロアレイにそれぞれ添加し、カバーフィルムをかぶせ、50℃で16時間反応させた。2xSSC/0.2%SDSで1回、2xSSCで2回洗浄し、蛍光スキャナー(富士写真フイルム社製、FLA8000)にて蛍光画像を撮影した。各微生物由来のPCR産物について得られた蛍光画像を図3に示す。上段は一回目の実験で得られた蛍光画像であり、下段は二回目のの実験で得られた蛍光画像である。
【0124】
Alicyclobacillus acidocaldarius由来の試料(PCR増幅産物)をマイクロアレイに反応させた場合、スポット5および6においてハイブリダイズ反応が検出された。
【0125】
Bacillus caldotenax由来の試料(PCR増幅産物)をマイクロアレイに反応させた場合、スポット2、4、10および18においてハイブリダイズ反応が検出された。
【0126】
Bacillus cereus由来の試料(PCR増幅産物)をマイクロアレイに反応させた場合、スポット4、12および18においてハイブリダイズ反応が検出された。
【0127】
Bacillus subtilis由来の試料(PCR増幅産物)をマイクロアレイに反応させた場合、スポット4、14および18においてハイブリダイズ反応が検出された。
【0128】
Thermoactinomyces vulgaris由来の試料(PCR増幅産物)をマイクロアレイに反応させた場合、スポット4、8および18においてハイブリダイズ反応が検出された。
【0129】
Staphylococcus epidermidis由来の試料(PCR増幅産物)をマイクロアレイに反応させた場合、スポット20においてハイブリダイズ反応が検出された。
【0130】
上記の結果は、一回目と二回目で再現性があることがわかる。
【0131】
以上から、本発明のオリゴヌクレオチドプローブの組合せ(セット)により、試料に含まれる6種類の微生物(Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidis)を検出し、これらを互いに識別できることが示された。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】各オリゴヌクレオチドプローブのマイクロアレイ上におけるスポット位置を示す。
【図2】実施例2において、PCR産物を電気泳動に付して、増幅反応の確認を行った結果を示す。
【図3】本発明のマイクロアレイに各種微生物由来の試料をハイブリダイズさせ、蛍光画像を撮影した結果を示す。上段は一回目の実験で得られた蛍光画像であり、下段は二回目のの実験で得られた蛍光画像である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(1)〜(12)のオリゴヌクレオチドプローブを含む、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisからなる群から選択される少なくとも1種の微生物を検出するためのオリゴヌクレオチドプローブのセット:
(1)a)配列番号1のうち190〜219番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号1のうち190〜219番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(2)a)配列番号2のうち198〜227番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号2のうち198〜227番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(3)a)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(4)a)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号3のうち167〜196番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(5)a)配列番号4のうち186〜215番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号4のうち186〜215番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(6)a)配列番号5のうち170〜199番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号5のうち170〜199番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(7)a)配列番号6のうち170〜200番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号6のうち170〜200番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(8)a)配列番号7のうち168〜198番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号7のうち168〜198番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(9)a)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(10)a)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号8のうち196〜225番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(11)a)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
(12)a)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む連続した25〜35塩基の塩基配列に相補的な塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブ、および/または
b)配列番号9のうち191〜220番の塩基を含む25〜35塩基の連続した塩基配列に相補的な塩基配列において、1もしくは数個の塩基が欠失、置換、付加もしくは挿入された塩基配列からなり、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAのうちa)のオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ。
【請求項2】
請求項1に記載のオリゴヌクレオチドプローブのセットが担体上に固定化されてなる、Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisからなる群から選択される少なくとも1種の微生物を検出するためのマイクロアレイ。
【請求項3】
担体が、表面にカーボン層と化学修飾基とを有するものである、請求項2記載のマイクロアレイ。
【請求項4】
Alicyclobacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus cereus、Bacillus subtilis、Thermoactinomyces vulgarisおよびStaphylococcus epidermidisからなる群から選択される少なくとも1種の微生物を検出する方法であって、
試料からゲノムDNAまたはRNAを抽出する工程と、
抽出したゲノムDNAまたはRNAを鋳型とし、前記微生物の16S rRNAをコードするDNAを増幅する工程と、
請求項1記載のオリゴヌクレオチドプローブのセットまたは請求項2もしくは3記載のマイクロアレイを用いて増幅されたDNAを検出する工程と
を含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−200012(P2008−200012A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−42822(P2007−42822)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(390003193)東洋鋼鈑株式会社 (265)
【Fターム(参考)】