耐雷性能試験装置
【課題】従来の試験装置では、限界電流値を求める際、より短期間で製品レベルでの安全性を十分把握するために印加する電圧が過剰になることがある。このとき、雷インパルス発生回路に印加された過剰なインパルス電圧は、補助開閉器にも同様に印加される。従って補助開閉器は印加されるインパルス電圧では閃絡しないように供試器より耐電圧性能が高い補助開閉器を使用する必要があり、試験装置が大型化し、試験のためのコストも高くなるという課題があった。
【解決手段】電力用遮断器または電力用開閉器からなる供試器22と、初回の落雷試験時に短絡電流を前記供試器に供給する電流源回路1と、2回目以降の落雷試験時に前記供試器の一方の端子に雷インパルス電圧を印加する雷インパルス発生回路18,20及び前記供試器の他方の端子に電圧を印加する電圧回路24,25,28とを備えたことを特徴とする耐雷性能試験装置。
【解決手段】電力用遮断器または電力用開閉器からなる供試器22と、初回の落雷試験時に短絡電流を前記供試器に供給する電流源回路1と、2回目以降の落雷試験時に前記供試器の一方の端子に雷インパルス電圧を印加する雷インパルス発生回路18,20及び前記供試器の他方の端子に電圧を印加する電圧回路24,25,28とを備えたことを特徴とする耐雷性能試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力系統への多数回の落雷時、事故系統を分離する落雷電力用遮断器または電力用開閉器の耐雷性能を評価する試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統に落雷があった場合、過電圧は避雷器で保護し、短絡事故が発生した場合には遮断器で事故系統を分離する保護システムが一般的に確立しているが、電力系統の信頼性をより一層向上させるために、1回目の落雷に付随して発生する2回目以降の落雷に対する多重雷対策が注目されており、従来から、短絡事故電流遮断直後の落雷に対する遮断器の性能を検証するための検証試験がおこなわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−35831号公報
【特許文献2】特開平8−7712号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「多重雷を考慮した遮断器の対策と試験方法」電気学会 開閉保護装置研究会SPD−91−2 宮地 厳 植村哲夫 松久孝司 (原稿受付日 平成2年12月25日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の試験装置に適用される回路図を図13に示す。この試験回路は、試験に用いられる落雷電力用遮断器または電力用開閉器(以下、「供試器」という。)22に対して、短絡発電機1を電源として短絡電流を供給する電流源回路23と、インパルス電圧を印加する雷インパルス発生回路18とから構成されている。
【0006】
この従来例においては、落雷試験時に所定の手順で短絡電流を遮断した後、雷インパルス発生回路18によりインパルス電圧を供試器22に印加する。そして、どの程度のインパルス電圧に耐えたかどうかで電気的耐電圧特性などの耐雷性能が評価される。
【0007】
ところで、供試器22の端子間でどの程度のインパルス電圧に耐え得るかどうかを評価する場合、このような試験回路では、限界電流値を求める際、より短期間で製品レベルでの電気的耐電圧特性を把握するため、印加する電圧が過剰になることがある。このとき、雷インパルス発生回路18に印加された過剰なインパルス電圧は、補助開閉器16にも同様に印加される。従って補助開閉器16は印加されるインパルス電圧では閃絡しないように供試器22より耐電圧性能の高い補助開閉器16を使用する必要がある。例えば供試器22の定格電圧が550KVの場合、補助開閉器16はそれ以上の性能を有する必要があり、試験装置が大型化し、試験のためのコストも高くなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために各実施形態では、電力用遮断器または電力用開閉器からなる供試器と、初回の落雷試験時に短絡電流を前記供試器に供給する電流源回路と、2回目以降の落雷試験時に前記供試器の一方の端子に雷インパルス電圧を印加する雷インパルス発生回路及び前記供試器の他方の端子に電圧を印加する電圧回路とを備えている。
【0009】
以下に述べる各実施形態は、上記課題を解決するためになされたものであり、多重雷発生時の耐雷性能を既存の耐雷性能試験装置に所定の電圧回路を追加するだけで、試験装置のコンパクト化が図られ、迅速かつ的確に試験をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図2】第1の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図1の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図3】第2の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図4】第2の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図3の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図5】第3の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図6】第3の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図5の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図7】第4の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図8】第4の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図7の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図9】第5の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図10】第5の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図9の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図11】第6の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図12】第6の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図11の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図13】従来の多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置を、図1〜2を用いて説明する。
【0012】
図1において、耐雷性能試験装置は、従来の回路図(図13)と同一構成部分である電流源回路23については説明を省略する。図2は、第1の実施形態に係る試験での電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図1の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0013】
本実施形態において、電流源回路23と例えば電力用遮断機からなる供試器22との間には、補助開閉器(SA2)14と接地点と電流測定器21が直列接続されている。供試器22が短絡電流を遮断した後、供試器22の一方の端子に交流電圧を印加させるAC電圧印加回路24は、電源に短絡発電機(Gen2)2を用い、保護遮断器(SB2)4、投入開閉器(SM2)6、電流抑制用リアクトル(L2)8、試験用変圧器(Tr2)12、電流抑制用抵抗(Rv1)10、及び補助開閉器(SA3)15とが供試器機22に対し直列接続されている。
【0014】
試験用変圧器(Tr2)12の2次側片方の端子は接地している。ここでは、電源に短絡発電機(Gen2)2を用いたが、商用電源から誘導電圧調整器(IVR)を用いることも可能である。
【0015】
また、供試器22と雷インパルス発生回路(IG1)18との間に直列接続される補助開閉器(SA4)16は、短絡電流遮断直後に発生する電流源回路23の回復電圧が雷インパルス発生回路(IG1)18に印加されないようにするためのスイッチである。補助開閉器(SA4)16は、単なる開閉器でもよいが、ここでは、ギャップスイッチを用いている。このギャップスイッチは、例えば、一定のギャップを設けて対向配置された電極の近傍に、トリガー電極を配置し、両電極には高電圧が印加されている。
【0016】
AC電圧印加回路24により印加される電圧の極性(例えば、プラス)は、前記雷インパルス発生回路18により印加する雷インパルス電圧の極性(例えば、マイナス)とは逆極性である。また、その大きさは任意ではあるが例えば、AC電圧波高値とすることにより、従来のように電力用遮断器に対し、一方の端子からのみ雷インパルス電圧を対アース間で印加することなく、電力用遮断器22の両端子からそれぞれ逆特性の電圧を印加さすることにより電力用遮断器には所望の電圧を印加することができる。
【0017】
ここで、電力用遮断器22と接続されている補助開閉器13〜15にはAC電圧のみが、また補助開閉器16にはインパルス電圧のみが印加されるが、それぞれの電圧を比較的低く設定できるので、各補助開閉器13〜16のいずれにおいても閃絡することは無い。このように、極性の異なる電圧を供試器の両端子に印加することで、所望の大きさの電圧を供試器に印加し、閃絡試験をおこなうことにより、供試器22の端子間の閃絡電圧を把握することができる。
【0018】
ここで、図2を参照して、第1の実施形態の耐雷性能試験装置による試験手順(1)〜(7)を説明する。
【0019】
(1)所定の短絡電流となるように電流抑制用リアクトル(L1)7を選定する。保護遮断器(SB2)4をON、投入開閉器(SM2)6をON 、AC電圧印加回路24の補助開閉器(SA3)15をOFF、雷インパルス発生回路(IG1)18の補助開閉器(SA4)16をOFFとし、試験前に雷インパルス発生回路(IG1)18を所定の充電電圧に充電完了させ、短絡発電機(Gen1)1、短絡発電機(Gen2)2および試験用変圧器(Tr2)12は所定の励磁状態とする。
【0020】
(2)電流源回路23の保護遮断器(SB1)3をON、投入開閉器(SM1)5をOFF、補助開閉器(SA1)13をOFF、供試器22をON、補助開閉器(SA2)14をONとする。
【0021】
(3)試験シーケンスを起動し、最初に時点t1で補助開閉器(SA1)13をONとする。時点t2で投入開閉器(SM1)5をONとする。この時点t2で短絡発電機(Gen1)1により交流の短絡電流を供試器22に供給する。
【0022】
(4)時点t3で供試器22を所定のアーク時間となるように開極させ、短絡電流を遮断させる。
【0023】
(5)時点t4で補助開閉器(SA1)13, 及び補助開閉器(SA2)14を共にOFFにし、電流源回路23と供試器22を分離させる。
【0024】
(6)時点t5で補助開閉器(SA3)15をONにし、AC電圧印加回路24を供試器22の一方の端子に接続する。
【0025】
(7)時点t6で補助開閉器(SA4)16をONにし、雷インパルス発生回路(IG1)18において雷インパルス電圧を、AC電圧と逆極性となる電圧極性及びAC電圧波高値で印加し、短絡電流遮断後数十ミリ秒後に雷インパルス発生回路(IG1)18を始動させる。印加タイミングとしては、例えば、分圧器(不図示)で測定された電圧、雷インパルス発生回路(IG1)の始動指令を充電放電制御装置(不図示)が検出し、充電放電制御装置に入力されたタイミングで印加する。
【0026】
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、極性の異なるAC電圧と雷インパルス電圧を供試器の両端子に印加することで所望の大きさの電圧を供試器に印加し、これにより、耐電圧特性の低い小型の補助開閉器を使用することができるため、耐雷性能試験装置の小型化及び低コスト化を図ることができるとともに、信頼性の高い耐雷性能試験装置を提供することができる。
【0027】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置を、図3〜4を用いて説明する。
本実施形態の回路図を図3に示す。図4は、第2の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図3の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0028】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は電圧回路として、AC電圧印加回路24に代えて直流電圧を発生させるDC電圧印加回路25を用いたことである。
本第2の実施形態によれば、第1の実施形態で述べた作用効果に加え、供試器の一方の端子に雷インパルス電圧の極性とは逆の極性のDC電圧を印加することで、電圧回路の構成が簡便になると共に、雷インパルスを始動するタイミングはt5〜t6の期間はいつでも可能となる等、制御が簡便な耐雷性能試験装置を提供することができる。
【0029】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置を、図5〜6を用いて説明する。
本実施形態の回路図を図5に示す。図6は、第3の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図5の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0030】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は電圧回路28として、AC電圧印加回路24に代えて雷インパルス発生回路(IG2)19を用いたことである。
本第3の実施形態によれば、第1の実施形態で延べた作用効果に加えて、供試器22の両側に雷インパルス発生回路18,19を用いることにより、2組の雷インパルス発生回路の充電極性は互いに逆極性とし、両雷インパルス発生回路18,19に対し同一の始動信号で制御できる。また、補助開閉器(SA3)15として第1の実施形態と同様にギャップスイッチを用いる事が可能となる等、より制御が簡単な耐雷性能試験装置を提供することができる。
【0031】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の回路図を図7に示す。図8は、第4の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図7の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0032】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は雷インパルス発生回路を複数組用いたことである。ここでは二組の雷インパルス発生回路を用いた例について説明する。二組の雷インパルス発生回路を制御するために、雷インパルス発生回路18と雷インパルス発生回路20の始動信号はそれぞれ別々に制御することになる。また、補助開閉器(SA5)17が追加されるため、補助開閉器(SA4)16とはそれぞれ別々に制御する。
【0033】
第1の実施形態では補助開閉器(SA4)16はギャップスイッチを用いているが、本実施形態の場合、雷インパルス発生回路18始動時に雷インパルス発生回路20に電圧が印加されないように絶縁を確保する補助開閉器(SA5)17を用いており、また逆に雷インパルス発生回路20始動時に雷インパルス発生回路18に電圧が印加されないように絶縁を確保する補助開閉器(SA4)16を用いている。
以下は本実施形態に係る試験の手順であるが、基本的に第1の実施形態の手順と同様であるが、異なる点について第1の実施形態の手順を修正している。
【0034】
(1)所定の短絡電流となる様に電流抑制用リアクトル(L1)7を選定する。保護遮断器(SB2)4をON、投入開閉器(SM2)6をON、AC電圧印加回路24の補助開閉器(SA3)15をOFF、雷インパルス発生回路(IG1)18の補助開閉器(SA4)16及び雷インパルス発生回路(IG3)20の補助開閉器(SA5)17をOFFとし、試験前に雷インパルス発生回路(IG1,IG3)18,20を所定の充電電圧に充電完了させ、短絡発電機1,2及び試験用変圧器(Tr2)12は所定の励磁状態とする。
(2)〜(5)は第1の実施形態と同様である。
【0035】
(6)時点t5で補助開閉器(SA3,SA4)15,16をONさせ、AC電圧印加回路24を供試器22の一方の端子に、及び雷インパルス発生回路(IG1)18を供試器22の他方の端子にそれぞれ接続する。
【0036】
(7)第1の実施形態と同様に、雷インパルス発生回路(IG1)18の電圧極性と逆極性となるAC電圧波高値(時点t6)で雷インパルス発生回路(IG1)18を始動させる。
【0037】
(8)次に、補助開閉器(SA4)16をOFF、補助開閉器(SA5)17をONさせ、雷インパルス発生回路(IG3)20の電圧極性と逆極性となるAC電圧波高値(時点t7)でインパルス(IG3)20を始動させる。
【0038】
本第4の実施形態によれば、第1の実施形態で述べた効果に加え、1度の検証試験で2回の耐雷性能を評価、すなわち、雷インパルス発生回路(IG1)18始動時の耐雷性能と雷インパルス発生回路(IG3)20始動時の耐雷性能を同時に検証することが出来る。また、雷インパルス発生回路(IG1)18始動時に供試器22が閃絡しなかった場合に、雷インパルス発生回路(IG3)20を始動することで確実に試験を行うことができ、有効なバックアップ手段とすることができる。さらに、雷インパルス発生回路の個数を任意に接続することで、耐雷性能評価を任意の回数まで行うことができる。
【0039】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の回路図を図9に示す。図10は、第5の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図9の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0040】
本実施形態が第4の実施形態と異なる点は、AC電圧印加回路に代えて直流電圧を発生させるDC電圧印加回路25を用いたことである。
本第5の実施形態によれば、第4の実施形態で述べた効果に加え、雷インパルス発生回路(IG1,IG3)18,20を始動するタイミングはt5〜t6の期間はいつでも可能となる。
【0041】
(第6の実施形態)
最後に、本発明の第6の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の回路図を図11に示す。図12は、第6の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図11の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0042】
本実施形態が第4の実施形態と異なる点は、電流源回路が1回目の落雷試験時に短絡電流を前記供試器に供給すると共に2回目の落雷試験時に交流電流を前記供試器に供給する点、短絡電流を供給する短絡試験用変圧器11とAC電圧を供給する試験用変圧器12とを兼用する多数タップ付変圧器27とする点である。
【0043】
本第6の実施形態によれば、第4の実施形態で述べた効果に加え、短絡発電機や変圧器などの構成部品が電流源回路と共有でき、耐雷性能試験装置が簡素化できる。
なお、上記の各実施形態では、2回目の落雷に対する耐雷性能を評価する試験について説明しているが、供試器の性能劣化などを勘案して必要に応じて3回目以降についても2回目と同様の耐雷性能を評価する試験を行うことは可能である。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…短絡発電機(Gen1)、2…短絡発電機(Gen2)、3…保護遮断器(SB1)、4…保護遮断器(SB2)、5…投入開閉器(SM1)、6…投入開閉器(SM2)、7…電流抑制用リアクトル(L1)、8…電流抑制用リアクトル(L2)、9…アーク延長回路(ML)、10…電流抑制用抵抗(Rv1)、11…短絡試験用変圧器(Tr1)、12…試験用変圧器(Tr2)、13…補助開閉器(SA1)、14…補助開閉器(SA2)、15…補助開閉器(SA3)、16…補助開閉器(SA4)、17…補助開閉器(SA5)、18…雷インパルス発生回路(IG1)、19…雷インパルス発生回路(IG2)、20…雷インパルス発生回路(IG3)、21…電流測定器(CT)、22…供試器、23…電流源回路、24…AC電圧印加回路(電圧回路)、25…DC電圧印加回路(電圧回路)、26…DC電源、27…多数タップ付き変圧器、28…電圧回路。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力系統への多数回の落雷時、事故系統を分離する落雷電力用遮断器または電力用開閉器の耐雷性能を評価する試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統に落雷があった場合、過電圧は避雷器で保護し、短絡事故が発生した場合には遮断器で事故系統を分離する保護システムが一般的に確立しているが、電力系統の信頼性をより一層向上させるために、1回目の落雷に付随して発生する2回目以降の落雷に対する多重雷対策が注目されており、従来から、短絡事故電流遮断直後の落雷に対する遮断器の性能を検証するための検証試験がおこなわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−35831号公報
【特許文献2】特開平8−7712号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「多重雷を考慮した遮断器の対策と試験方法」電気学会 開閉保護装置研究会SPD−91−2 宮地 厳 植村哲夫 松久孝司 (原稿受付日 平成2年12月25日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の試験装置に適用される回路図を図13に示す。この試験回路は、試験に用いられる落雷電力用遮断器または電力用開閉器(以下、「供試器」という。)22に対して、短絡発電機1を電源として短絡電流を供給する電流源回路23と、インパルス電圧を印加する雷インパルス発生回路18とから構成されている。
【0006】
この従来例においては、落雷試験時に所定の手順で短絡電流を遮断した後、雷インパルス発生回路18によりインパルス電圧を供試器22に印加する。そして、どの程度のインパルス電圧に耐えたかどうかで電気的耐電圧特性などの耐雷性能が評価される。
【0007】
ところで、供試器22の端子間でどの程度のインパルス電圧に耐え得るかどうかを評価する場合、このような試験回路では、限界電流値を求める際、より短期間で製品レベルでの電気的耐電圧特性を把握するため、印加する電圧が過剰になることがある。このとき、雷インパルス発生回路18に印加された過剰なインパルス電圧は、補助開閉器16にも同様に印加される。従って補助開閉器16は印加されるインパルス電圧では閃絡しないように供試器22より耐電圧性能の高い補助開閉器16を使用する必要がある。例えば供試器22の定格電圧が550KVの場合、補助開閉器16はそれ以上の性能を有する必要があり、試験装置が大型化し、試験のためのコストも高くなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために各実施形態では、電力用遮断器または電力用開閉器からなる供試器と、初回の落雷試験時に短絡電流を前記供試器に供給する電流源回路と、2回目以降の落雷試験時に前記供試器の一方の端子に雷インパルス電圧を印加する雷インパルス発生回路及び前記供試器の他方の端子に電圧を印加する電圧回路とを備えている。
【0009】
以下に述べる各実施形態は、上記課題を解決するためになされたものであり、多重雷発生時の耐雷性能を既存の耐雷性能試験装置に所定の電圧回路を追加するだけで、試験装置のコンパクト化が図られ、迅速かつ的確に試験をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図2】第1の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図1の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図3】第2の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図4】第2の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図3の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図5】第3の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図6】第3の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図5の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図7】第4の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図8】第4の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図7の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図9】第5の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図10】第5の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図9の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図11】第6の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【図12】第6の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図11の回路部品のオン・オフタイミングを表す図。
【図13】従来の多重雷発生時の耐雷性能試験装置の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置を、図1〜2を用いて説明する。
【0012】
図1において、耐雷性能試験装置は、従来の回路図(図13)と同一構成部分である電流源回路23については説明を省略する。図2は、第1の実施形態に係る試験での電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図1の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0013】
本実施形態において、電流源回路23と例えば電力用遮断機からなる供試器22との間には、補助開閉器(SA2)14と接地点と電流測定器21が直列接続されている。供試器22が短絡電流を遮断した後、供試器22の一方の端子に交流電圧を印加させるAC電圧印加回路24は、電源に短絡発電機(Gen2)2を用い、保護遮断器(SB2)4、投入開閉器(SM2)6、電流抑制用リアクトル(L2)8、試験用変圧器(Tr2)12、電流抑制用抵抗(Rv1)10、及び補助開閉器(SA3)15とが供試器機22に対し直列接続されている。
【0014】
試験用変圧器(Tr2)12の2次側片方の端子は接地している。ここでは、電源に短絡発電機(Gen2)2を用いたが、商用電源から誘導電圧調整器(IVR)を用いることも可能である。
【0015】
また、供試器22と雷インパルス発生回路(IG1)18との間に直列接続される補助開閉器(SA4)16は、短絡電流遮断直後に発生する電流源回路23の回復電圧が雷インパルス発生回路(IG1)18に印加されないようにするためのスイッチである。補助開閉器(SA4)16は、単なる開閉器でもよいが、ここでは、ギャップスイッチを用いている。このギャップスイッチは、例えば、一定のギャップを設けて対向配置された電極の近傍に、トリガー電極を配置し、両電極には高電圧が印加されている。
【0016】
AC電圧印加回路24により印加される電圧の極性(例えば、プラス)は、前記雷インパルス発生回路18により印加する雷インパルス電圧の極性(例えば、マイナス)とは逆極性である。また、その大きさは任意ではあるが例えば、AC電圧波高値とすることにより、従来のように電力用遮断器に対し、一方の端子からのみ雷インパルス電圧を対アース間で印加することなく、電力用遮断器22の両端子からそれぞれ逆特性の電圧を印加さすることにより電力用遮断器には所望の電圧を印加することができる。
【0017】
ここで、電力用遮断器22と接続されている補助開閉器13〜15にはAC電圧のみが、また補助開閉器16にはインパルス電圧のみが印加されるが、それぞれの電圧を比較的低く設定できるので、各補助開閉器13〜16のいずれにおいても閃絡することは無い。このように、極性の異なる電圧を供試器の両端子に印加することで、所望の大きさの電圧を供試器に印加し、閃絡試験をおこなうことにより、供試器22の端子間の閃絡電圧を把握することができる。
【0018】
ここで、図2を参照して、第1の実施形態の耐雷性能試験装置による試験手順(1)〜(7)を説明する。
【0019】
(1)所定の短絡電流となるように電流抑制用リアクトル(L1)7を選定する。保護遮断器(SB2)4をON、投入開閉器(SM2)6をON 、AC電圧印加回路24の補助開閉器(SA3)15をOFF、雷インパルス発生回路(IG1)18の補助開閉器(SA4)16をOFFとし、試験前に雷インパルス発生回路(IG1)18を所定の充電電圧に充電完了させ、短絡発電機(Gen1)1、短絡発電機(Gen2)2および試験用変圧器(Tr2)12は所定の励磁状態とする。
【0020】
(2)電流源回路23の保護遮断器(SB1)3をON、投入開閉器(SM1)5をOFF、補助開閉器(SA1)13をOFF、供試器22をON、補助開閉器(SA2)14をONとする。
【0021】
(3)試験シーケンスを起動し、最初に時点t1で補助開閉器(SA1)13をONとする。時点t2で投入開閉器(SM1)5をONとする。この時点t2で短絡発電機(Gen1)1により交流の短絡電流を供試器22に供給する。
【0022】
(4)時点t3で供試器22を所定のアーク時間となるように開極させ、短絡電流を遮断させる。
【0023】
(5)時点t4で補助開閉器(SA1)13, 及び補助開閉器(SA2)14を共にOFFにし、電流源回路23と供試器22を分離させる。
【0024】
(6)時点t5で補助開閉器(SA3)15をONにし、AC電圧印加回路24を供試器22の一方の端子に接続する。
【0025】
(7)時点t6で補助開閉器(SA4)16をONにし、雷インパルス発生回路(IG1)18において雷インパルス電圧を、AC電圧と逆極性となる電圧極性及びAC電圧波高値で印加し、短絡電流遮断後数十ミリ秒後に雷インパルス発生回路(IG1)18を始動させる。印加タイミングとしては、例えば、分圧器(不図示)で測定された電圧、雷インパルス発生回路(IG1)の始動指令を充電放電制御装置(不図示)が検出し、充電放電制御装置に入力されたタイミングで印加する。
【0026】
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、極性の異なるAC電圧と雷インパルス電圧を供試器の両端子に印加することで所望の大きさの電圧を供試器に印加し、これにより、耐電圧特性の低い小型の補助開閉器を使用することができるため、耐雷性能試験装置の小型化及び低コスト化を図ることができるとともに、信頼性の高い耐雷性能試験装置を提供することができる。
【0027】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置を、図3〜4を用いて説明する。
本実施形態の回路図を図3に示す。図4は、第2の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図3の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0028】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は電圧回路として、AC電圧印加回路24に代えて直流電圧を発生させるDC電圧印加回路25を用いたことである。
本第2の実施形態によれば、第1の実施形態で述べた作用効果に加え、供試器の一方の端子に雷インパルス電圧の極性とは逆の極性のDC電圧を印加することで、電圧回路の構成が簡便になると共に、雷インパルスを始動するタイミングはt5〜t6の期間はいつでも可能となる等、制御が簡便な耐雷性能試験装置を提供することができる。
【0029】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る多重雷発生時の耐雷性能試験装置を、図5〜6を用いて説明する。
本実施形態の回路図を図5に示す。図6は、第3の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図5の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0030】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は電圧回路28として、AC電圧印加回路24に代えて雷インパルス発生回路(IG2)19を用いたことである。
本第3の実施形態によれば、第1の実施形態で延べた作用効果に加えて、供試器22の両側に雷インパルス発生回路18,19を用いることにより、2組の雷インパルス発生回路の充電極性は互いに逆極性とし、両雷インパルス発生回路18,19に対し同一の始動信号で制御できる。また、補助開閉器(SA3)15として第1の実施形態と同様にギャップスイッチを用いる事が可能となる等、より制御が簡単な耐雷性能試験装置を提供することができる。
【0031】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の回路図を図7に示す。図8は、第4の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図7の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0032】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は雷インパルス発生回路を複数組用いたことである。ここでは二組の雷インパルス発生回路を用いた例について説明する。二組の雷インパルス発生回路を制御するために、雷インパルス発生回路18と雷インパルス発生回路20の始動信号はそれぞれ別々に制御することになる。また、補助開閉器(SA5)17が追加されるため、補助開閉器(SA4)16とはそれぞれ別々に制御する。
【0033】
第1の実施形態では補助開閉器(SA4)16はギャップスイッチを用いているが、本実施形態の場合、雷インパルス発生回路18始動時に雷インパルス発生回路20に電圧が印加されないように絶縁を確保する補助開閉器(SA5)17を用いており、また逆に雷インパルス発生回路20始動時に雷インパルス発生回路18に電圧が印加されないように絶縁を確保する補助開閉器(SA4)16を用いている。
以下は本実施形態に係る試験の手順であるが、基本的に第1の実施形態の手順と同様であるが、異なる点について第1の実施形態の手順を修正している。
【0034】
(1)所定の短絡電流となる様に電流抑制用リアクトル(L1)7を選定する。保護遮断器(SB2)4をON、投入開閉器(SM2)6をON、AC電圧印加回路24の補助開閉器(SA3)15をOFF、雷インパルス発生回路(IG1)18の補助開閉器(SA4)16及び雷インパルス発生回路(IG3)20の補助開閉器(SA5)17をOFFとし、試験前に雷インパルス発生回路(IG1,IG3)18,20を所定の充電電圧に充電完了させ、短絡発電機1,2及び試験用変圧器(Tr2)12は所定の励磁状態とする。
(2)〜(5)は第1の実施形態と同様である。
【0035】
(6)時点t5で補助開閉器(SA3,SA4)15,16をONさせ、AC電圧印加回路24を供試器22の一方の端子に、及び雷インパルス発生回路(IG1)18を供試器22の他方の端子にそれぞれ接続する。
【0036】
(7)第1の実施形態と同様に、雷インパルス発生回路(IG1)18の電圧極性と逆極性となるAC電圧波高値(時点t6)で雷インパルス発生回路(IG1)18を始動させる。
【0037】
(8)次に、補助開閉器(SA4)16をOFF、補助開閉器(SA5)17をONさせ、雷インパルス発生回路(IG3)20の電圧極性と逆極性となるAC電圧波高値(時点t7)でインパルス(IG3)20を始動させる。
【0038】
本第4の実施形態によれば、第1の実施形態で述べた効果に加え、1度の検証試験で2回の耐雷性能を評価、すなわち、雷インパルス発生回路(IG1)18始動時の耐雷性能と雷インパルス発生回路(IG3)20始動時の耐雷性能を同時に検証することが出来る。また、雷インパルス発生回路(IG1)18始動時に供試器22が閃絡しなかった場合に、雷インパルス発生回路(IG3)20を始動することで確実に試験を行うことができ、有効なバックアップ手段とすることができる。さらに、雷インパルス発生回路の個数を任意に接続することで、耐雷性能評価を任意の回数まで行うことができる。
【0039】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の回路図を図9に示す。図10は、第5の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図9の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0040】
本実施形態が第4の実施形態と異なる点は、AC電圧印加回路に代えて直流電圧を発生させるDC電圧印加回路25を用いたことである。
本第5の実施形態によれば、第4の実施形態で述べた効果に加え、雷インパルス発生回路(IG1,IG3)18,20を始動するタイミングはt5〜t6の期間はいつでも可能となる。
【0041】
(第6の実施形態)
最後に、本発明の第6の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の回路図を図11に示す。図12は、第6の実施形態に係る電圧、電流波形を示す波形図(オシログラム)と図11の回路部品のオン・オフタイミングを表す図である。
【0042】
本実施形態が第4の実施形態と異なる点は、電流源回路が1回目の落雷試験時に短絡電流を前記供試器に供給すると共に2回目の落雷試験時に交流電流を前記供試器に供給する点、短絡電流を供給する短絡試験用変圧器11とAC電圧を供給する試験用変圧器12とを兼用する多数タップ付変圧器27とする点である。
【0043】
本第6の実施形態によれば、第4の実施形態で述べた効果に加え、短絡発電機や変圧器などの構成部品が電流源回路と共有でき、耐雷性能試験装置が簡素化できる。
なお、上記の各実施形態では、2回目の落雷に対する耐雷性能を評価する試験について説明しているが、供試器の性能劣化などを勘案して必要に応じて3回目以降についても2回目と同様の耐雷性能を評価する試験を行うことは可能である。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…短絡発電機(Gen1)、2…短絡発電機(Gen2)、3…保護遮断器(SB1)、4…保護遮断器(SB2)、5…投入開閉器(SM1)、6…投入開閉器(SM2)、7…電流抑制用リアクトル(L1)、8…電流抑制用リアクトル(L2)、9…アーク延長回路(ML)、10…電流抑制用抵抗(Rv1)、11…短絡試験用変圧器(Tr1)、12…試験用変圧器(Tr2)、13…補助開閉器(SA1)、14…補助開閉器(SA2)、15…補助開閉器(SA3)、16…補助開閉器(SA4)、17…補助開閉器(SA5)、18…雷インパルス発生回路(IG1)、19…雷インパルス発生回路(IG2)、20…雷インパルス発生回路(IG3)、21…電流測定器(CT)、22…供試器、23…電流源回路、24…AC電圧印加回路(電圧回路)、25…DC電圧印加回路(電圧回路)、26…DC電源、27…多数タップ付き変圧器、28…電圧回路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力用遮断器または電力用開閉器からなる供試器と、初回の落雷試験時に短絡電流を前記供試器に供給する電流源回路と、2回目以降の落雷試験時に前記供試器の一方の端子に雷インパルス電圧を印加する雷インパルス発生回路及び前記供試器の他方の端子に電圧を印加する電圧回路とを備えたことを特徴とする耐雷性能試験装置。
【請求項2】
電力用遮断器または電力用開閉器からなる供試器と、初回の落雷試験時に短絡電流を前記供試器に供給すると共に2回目以降の落雷試験時に交流電流を前記供試器に供給する電流源回路と、2回目以降の落雷試験時に前記供試器の一方の端子に雷インパルス電圧を印加する1または複数の雷インパルス発生回路及び前記供試器の他方の端子に電圧を印加する電圧回路とを備えた耐雷性能試験装置
【請求項3】
前記電圧回路により印加する電圧の極性は、前記雷インパルス発生回路により印加する電圧の極性の逆極性であることを特徴とする請求項1または2記載の耐雷性能試験装置。
【請求項4】
前記電圧回路は、前記供試器にAC電圧を印加することを特徴とする請求項3記載の耐雷性能試験装置。
【請求項5】
前記電圧回路は、前記供試器にDC電圧を印加することを特徴とする請求項3記載の耐雷性能試験装置。
【請求項6】
前記電圧回路は、前記供試器に雷インパルス電圧を印加することを特徴とする請求項3記載の耐雷性能試験装置。
【請求項7】
前記雷インパルス発生回路を複数備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の耐雷性能試験装置。
【請求項8】
前記請求項1または2に記載の耐雷性能試験装置を用いた耐雷性能試験方法であって、
前記雷インパルス発生回路により供試器の一方の端子に印加する電圧の極性とは逆極性の電圧を前記電圧回路により前記供試器の他方の端子に印加する工程を有することを特徴とする耐雷性能試験方法。
【請求項1】
電力用遮断器または電力用開閉器からなる供試器と、初回の落雷試験時に短絡電流を前記供試器に供給する電流源回路と、2回目以降の落雷試験時に前記供試器の一方の端子に雷インパルス電圧を印加する雷インパルス発生回路及び前記供試器の他方の端子に電圧を印加する電圧回路とを備えたことを特徴とする耐雷性能試験装置。
【請求項2】
電力用遮断器または電力用開閉器からなる供試器と、初回の落雷試験時に短絡電流を前記供試器に供給すると共に2回目以降の落雷試験時に交流電流を前記供試器に供給する電流源回路と、2回目以降の落雷試験時に前記供試器の一方の端子に雷インパルス電圧を印加する1または複数の雷インパルス発生回路及び前記供試器の他方の端子に電圧を印加する電圧回路とを備えた耐雷性能試験装置
【請求項3】
前記電圧回路により印加する電圧の極性は、前記雷インパルス発生回路により印加する電圧の極性の逆極性であることを特徴とする請求項1または2記載の耐雷性能試験装置。
【請求項4】
前記電圧回路は、前記供試器にAC電圧を印加することを特徴とする請求項3記載の耐雷性能試験装置。
【請求項5】
前記電圧回路は、前記供試器にDC電圧を印加することを特徴とする請求項3記載の耐雷性能試験装置。
【請求項6】
前記電圧回路は、前記供試器に雷インパルス電圧を印加することを特徴とする請求項3記載の耐雷性能試験装置。
【請求項7】
前記雷インパルス発生回路を複数備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の耐雷性能試験装置。
【請求項8】
前記請求項1または2に記載の耐雷性能試験装置を用いた耐雷性能試験方法であって、
前記雷インパルス発生回路により供試器の一方の端子に印加する電圧の極性とは逆極性の電圧を前記電圧回路により前記供試器の他方の端子に印加する工程を有することを特徴とする耐雷性能試験方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−225830(P2012−225830A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95105(P2011−95105)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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