説明

耕耘機

【課題】
耕耘中に機体の耕耘方向を変更しやすくすることを課題とする。
【解決手段】
前記耕耘爪(1)の上方を耕耘カバー(11)で覆い、該耕耘カバー(11)の左右中央部を前輪(13)を支持する前輪ロッド(14)を貫通する構成とし、該前輪ロッド(14)には前輪ロッド(14)を縦軸芯に回動させる回動部材(21a,21b)を設け、該回動部材(21a,21b)は操作ハンドル(8)に設ける把持部材(23a,23b)と連結する構成とし、左右何れかの把持部材(23a,23b)を把持すると回動部材(21a,21b)が作動して前輪ロッド(14)が縦軸芯に回動すると共に、前輪(13)の向きが変更する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耕耘機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には上下方向に高さ調節可能な前輪を備えたフロントロータリ式の耕耘機について記載されている。
【特許文献1】特開2001−258302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1においては、耕耘作業中に機体の耕耘方向を変更操作するときに前輪が邪魔になり変更操作がし難い。
本発明は、耕耘中に機体の耕耘方向を変更しやすくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記課題を解決するために以下のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、左右一対の走行車輪(10)の前側には横軸心の耕耘軸(2)で回転駆動する多数の耕耘爪(1)を設け、該耕耘爪(1)の前側には一輪の前輪(13)を設け、走行車輪(10)の後部には操作ハンドル(8)を設けた耕耘機において、前記耕耘爪(1)の上方を耕耘カバー(11)で覆い、該耕耘カバー(11)の左右中央部を前輪(13)を支持する前輪ロッド(14)を貫通する構成とし、該前輪ロッド(14)には前輪ロッド(14)を縦軸芯に回動させる回動部材(21a,21b)を設け、該回動部材(21a,21b)は操作ハンドル(8)に設ける把持部材(23a,23b)と連結する構成とし、左右何れかの把持部材(23a,23b)を把持すると回動部材(21a,21b)が作動して前輪ロッド(14)が縦軸芯に回動すると共に、前輪(13)の向きが変更する構成とした。
【0005】
耕耘作業中に耕耘方向を変更したい場合には、把持部材(23a,23b)を把持すると回動部材(21a,21b)が作動して前輪ロッド(14)が縦軸芯に回動すると共に、前輪(13)の向きが変更する。
【発明の効果】
【0006】
前輪の向きを容易に変更することができ、耕耘作業中に機体の耕耘方向を変更操作しやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本実施の形態の耕耘機について以下説明する。
左右一対の走行車輪10より前側には圃場を耕耘する耕耘爪1を機体左右方向に横軸芯に設ける耕耘軸2に設定間隔で複数本設け、耕耘軸2の左右中央にはミッションケース3を設けており、ミッションケース3内部には各種伝動ギア(図示せず)を設け、ミッションケース3の側方にはエンジン5の動力をミッションケース3に伝動する伝動装置27を覆う伝動カバー4を設けている。エンジン5とエンジン5の上方に設ける燃料タンク6は左右一対の走行車輪10の間に設け、ミッションケース3には後方に向かって機体フレーム7の前端部を取り付け、機体フレーム7の後端部からは操作ハンドル8を設け、操作ハンドル8はその前端部を二股に分岐して左右の中途部8a,8bを形成し、該中途部8a,8bの後端部8cでつながっており、平面視環状に構成されている。
【0008】
エンジン5の左右一側方にはエンジン5を始動するリコイルスタータ30を設け、その紐30aを引く取っ手部30bは左右一方の操作ハンドル8の途中部8aの近傍に設ける取っ手支持部材30cで支持されている。なお、28は変速レバーである。
【0009】
耕耘爪1の上方は耕耘カバー11で覆い、耕耘カバー11の左右中央部には切欠き部12を設け、一輪の前輪13を支持する前輪ロッド14が切欠き部12を貫通する構成である。前下がり傾斜状態で耕耘カバー11を貫通する前輪ロッド14はその下端部を前側に向かって屈曲部14aを形成し、当該屈曲部14aの先端に前輪13を取り付ける。そして、傾斜部14bには位置決め孔14cを上下方向に設定間隔で複数個所設け、所望の位置決め穴14cに係止部材15を挿入することで前輪ロッド14の位置決めを行い、前輪13の高さ位置を設定する構成としている。
【0010】
前輪13は平面視で耕耘カバー11の左右中央部でかつ、前側に位置している。することで、操作ハンドル8を把持する作業者が前輪13を視認することができ、耕耘作業時の案内輪としての役割を果たしている。
【0011】
次に前輪13の方向を変更する構成について以下説明する。
前輪ロッド14の傾斜部14bに縦軸心に回動する回動軸20を連結し、該回動軸20の左右側方にはそれぞれにワイヤ21a,21bの一端を連結すると共に、一端を耕耘カバー11側に固定したスプリング22を取り付ける。そして、回動軸20が縦軸芯に回動すると耕耘カバー11の切欠き部12内を前輪ロッド14が回動軸20を軸芯に回動する構成としている(図4参照)。回動軸20は固定軸25に嵌合して回動する構成で、固定軸25は耕耘カバー11側に固定軸支持部材26で支持されている。
【0012】
ワイヤ21a,21bの他端は操作ハンドル8の左右の途中部8a,8bに取り付けている把持部23a,23bにそれぞれ連結し、左右何れかの把持部23a又は23bを操作ハンドル8の中途部8a又は8bと共に把持するとワイヤ21a又は21bが作動して回動軸20が把持した方向に回動する構成としている。そして回動軸20が回動すると前述の通り前輪ロッド14も回動し、前輪13が図1に示すように左右方向に向きを変更する。
【0013】
すなわち、耕耘中に耕耘方向を調節変更するときには作業者は操作ハンドル8を所望の左右方向に力を加えると共に把持部23a又は23bを把持すると機体の前側の向きが変更調節される。そのとき、前輪の向きも同様に変更するため機体の方向変更時に前輪が邪魔になり難くスムーズな耕耘方向の変更調節が行なえる。
【0014】
把持部23aを離すと回動軸20はスプリング22の作用で初期位置に戻り、前輪13は前向きの方向に戻る構成としている。
図5は前輪ロッド14の屈曲部14aを機体後ろ向きになるように前後を入れ替えて取り付けたときのことを示す図で、例えば耕耘爪1の交換等のメンテナンスのときに機体の前側を高い位置にしたい場合に行なう。
【0015】
図6は前輪ロッド14の上下を入れ替えた場合を示すもので、前輪13を使用しない場合のものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】平面図
【図2】側面図
【図3】発明の要部を示す側面図
【図4】発明の要部を示す平面図
【図5】側面図
【図6】発明の一実施例を示す図
【符号の説明】
【0017】
10 走行車輪
2 耕耘軸
1 耕耘爪
13 前輪
8 操作ハンドル
11 耕耘カバー
14 前輪ロッド
21a 回動部材(ワイヤ)
21b 回動部材(ワイヤ)
23a 把持部材
23b 把持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の走行車輪(10)の前側には横軸心の耕耘軸(2)で回転駆動する多数の耕耘爪(1)を設け、該耕耘爪(1)の前側には一輪の前輪(13)を設け、走行車輪(10)の後部には操作ハンドル(8)を設けた耕耘機において、
前記耕耘爪(1)の上方を耕耘カバー(11)で覆い、該耕耘カバー(11)の左右中央部を前輪(13)を支持する前輪ロッド(14)を貫通する構成とし、該前輪ロッド(14)には前輪ロッド(14)を縦軸芯に回動させる回動部材(21a,21b)を設け、該回動部材(21a,21b)は操作ハンドル(8)に設ける把持部材(23a,23b)と連結する構成とし、把持部材(23a,23b)を把持すると回動部材(21a,21b)が作動して前輪ロッド(14)が縦軸芯に回動すると共に、前輪(13)の向きが変更する構成としたことを特徴とする耕耘機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−82049(P2009−82049A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254607(P2007−254607)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】