説明

耕耘装置

【課題】 耕耘装置のコンパクト化を図ること。
【解決手段】 支持部と、同支持部に回動自在に支持される耕耘軸部とを具備すると共に、支持部は、中間本体を上下方向に伸延させて形成し、同中間本体の上端部に把持体を設けてハンドルとなした耕耘装置であって、中間本体は、耕耘軸部側に配置した固定中間形成片と、ハンドル側に配置した可動中間形成片とを具備すると共に、同可動中間形成片をハンドルが耕耘軸部から離隔する使用位置と、同ハンドルが耕耘軸部に近接する収納位置との間で位置変更自在となした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型の耕耘装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行型の耕耘装置の一形態として、機体フレームにミッションケースを支持させ、同ミッションケースに走行車輪を連動連結すると共に、同ミッションケースにロータリケースを介して耕耘軸部を連動連結し、また、機体フレームに設けた電動モータに伝動機構を介して上記ミッションケースを連動連結し、さらに、機体フレームの後端部より後上方へ向けてハンドルバーを延設したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようにして、電動モータを駆動させることにより、走行車輪と耕耘軸部を回動させることができるようにして、オペレータは、ハンドルバーの先端部を把持して、歩行しながら耕耘軸部に取り付けた耕耘爪により耕耘作業を行うことができるようにしている。
【特許文献1】特開2001−169602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、近年では、家庭菜園を行う人が増えてきており、一般家庭においては、従来の歩行型の耕耘装置でも収納スペースに事欠くことがあった。
【0005】
そこで、小型軽量で、特に、一般家庭の女性や老人でも簡単に使用することができる軽量かつコンパクトな耕耘装置の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明では、支持部と、同支持部に回動自在に支持される耕耘軸部とを具備すると共に、支持部は、中間本体を上下方向に伸延させて形成し、同中間本体の上端部に把持体を設けてハンドルとなした耕耘装置であって、中間本体は、耕耘軸部側に配置した固定中間形成片と、ハンドル側に配置した可動中間形成片とを具備すると共に、同可動中間形成片をハンドルが耕耘軸部から離隔する使用位置と、同ハンドルが耕耘軸部に近接する収納位置との間で位置変更自在となしたことを特徴とする耕耘装置を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、以下の構成にも特徴を有する。
【0008】
(1)可動中間形成片は、固定中間形成片に沿わせて伸縮スライド自在となして、伸長スライドさせた使用位置と、短縮スライドさせた収納位置との間でスライドさせて位置変更自在となしたこと。
【0009】
(2)可動中間形成片は、固定中間形成片の上端部に下端部を枢支・連結して、同固定中間形成片の軸線方向に伸延させて配置した使用位置と、同固定中間形成片側に折り畳んだ収納位置との間で回動させて位置変更自在となしたこと。
【0010】
(3)耕耘軸部に電動式駆動手段を設けると共に、同電動式駆動手段は、電源にメインスイッチを具備する電源回路を介して接続し、同メインスイッチのOFF動作を、可動中間形成片の収納位置への位置変更動作に連動させたこと。
【発明の効果】
【0011】
(1)請求項1記載の本発明では、支持部と、同支持部に回動自在に支持される耕耘軸部とを具備すると共に、支持部は、中間本体を上下方向に伸延させて形成し、同中間本体の上端部に把持体を設けてハンドルとなした耕耘装置であって、中間本体は、耕耘軸部側に配置した固定中間形成片と、ハンドル側に配置した可動中間形成片とを具備すると共に、同可動中間形成片をハンドルが耕耘軸部から離隔する使用位置と、同ハンドルが耕耘軸部に近接する収納位置との間で位置変更自在となしている。
【0012】
このようにして、可動中間形成片をハンドルが耕耘軸部から離隔する使用位置と、同ハンドルが耕耘軸部に近接する収納位置との間で位置変更自在となしているため、耕耘作業を行う際には、可動中間形成片を使用位置に配置することにより、ハンドルを耕耘軸部から離隔した位置に配置することができて、同ハンドルを把持して耕耘操作を行う作業者の安全性を良好に確保することができる。
【0013】
また、耕耘作業を行わない場合には、可動中間形成片を収納位置に配置することにより、ハンドルを耕耘軸部に近接する位置に配置することができて、支持部の中間本体をコンパクト化することができる。
【0014】
従って、耕耘装置を軽量かつコンパクトに構成することができると共に、同耕耘装置の収納スペースを省スペース化することができる。
【0015】
(2)請求項2記載の本発明では、可動中間形成片は、固定側中間形成体に沿わせて伸縮スライド自在となして、伸長スライドさせた使用位置と、短縮スライドさせた収納位置との間でスライドさせて位置変更自在となしている。
【0016】
このようにして、可動中間形成片を使用位置と収納位置との間で伸縮スライド調節することにより、支持部の中間本体を簡単に使用状態ないしは収納状態に姿勢変更することができる。
【0017】
(3)請求項3記載の本発明では、可動中間形成片は、固定中間形成片の上端部に下端部を枢支・連結して、同固定中間形成片の軸線方向に伸延させて配置した使用位置と、同固定中間形成片側に折り畳んだ収納位置との間で回動させて位置変更自在となしている。
【0018】
このようにして、可動中間形成片を使用位置と収納位置との間で回動位置調節することにより、支持部の中間本体を簡単に使用状態ないしは収納状態に姿勢変更することができる。
【0019】
(4)請求項4記載の本発明では、耕耘軸部に電動式駆動手段を設けると共に、同電動式駆動手段は、電源にメインスイッチを具備する電源回路を介して接続し、同メインスイッチのOFF動作を、可動中間形成片の収納位置への位置変更動作に連動させている。
【0020】
このようにして、支持部の中間本体をコンパクトな収納状態となす際に、可動中間形成片を収納位置に位置変更するという必然の行為に連動して、メインスイッチをOFF状態にすることができるため、同メインスイッチの切り忘れを確実に防止することができて、耕耘軸部の誤作動を防止することができる。その結果、安全性を向上させることができる。
【0021】
しかも、メインスイッチを確実にOFF状態にすることができるため、耕耘装置を収納した状態で漏電が発生するのを確実に防止することができる。その結果、電源回路を保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1〜図3に示すAは、本発明に係る耕耘装置であり、同耕耘装置Aは、支持部1と、同支持部1に回動自在に支持される耕耘軸部2と、同耕耘軸部2に内蔵されて耕耘軸部2を回動駆動する電動式駆動手段としての回動駆動部3(図7参照)とを具備している。Mは作業者である。
【0023】
以下に、支持部1と耕耘軸部2と回動駆動部3の構造を、具体的に説明する。
【0024】
〔支持部1の説明〕
支持部1は、図1〜図3に示すように、耕耘軸部2を支持する支持部本体4と、同支持部本体4より上方へ伸延する支持部中間体5と、同支持部中間体5の上端部より後方へ伸延する把持体6とを具備しており、同把持体6をハンドルとなしている。
【0025】
そして、支持部本体4は、左右一対の上下伸延片7,7と、両上下伸延片7,7の上端部間に架設した左右伸延片8とから正面視門型に形成しており、これら伸延片7,7,8はそれぞれ中空パイプ状に形成している。
【0026】
また、支持部中間体5は、上記支持部本体4の左右伸延片8に固設した支持台9と、同支持台9に下端部を固設して上下方向に伸延する中間本体10と、同中間本体10の下部に取付体11を介して取り付けた抵抗棒12とを具備している。
【0027】
支持台9は、バッテリー(図示せず)を内蔵するバッテリーケース13と中間本体10とを支持している。
【0028】
中間本体10は、上下方向に伸延する中空パイプ状の固定中間形成片14と、同固定中間形成片14中に抜き差し自在でかつ上下方向に伸延する中空パイプ状の可動中間形成片15と、両上・固定中間形成片15,14を伸縮調節する調節体16とを具備している。
【0029】
調節体16は、図4及び図5にも示すように、挟持片17の中途部17aを固定中間形成片14の上部の外周面に沿わせて円弧状に形成すると共に、同中途部17aの左右側端部17b,17bを左右に平行させて後方へ伸延させて対向配置し、両左右側端部17b、17bに左右方向に軸線を向けた挟持ボルト18を貫通させて、右側端部17bより外方へ貫通した挟持ボルト18の先端部に雌ネジ片19を螺着し、同雌ネジ片19に回動操作片20を取り付けている。
【0030】
ここで、固定中間形成片14の上部には、上下方向に伸延する複数(本実施例では三個)の縦溝21,21,21を円周方向に間隔を開けて形成して、同固定中間形成片14の上部を半径方向に拡縮自在となしている。
【0031】
このようにして、回動操作片20を介して雌ネジ片19を正・逆回動させることにより、挟持ボルト18を介して左右側端部17b,17b同士を接近・離隔調節して、固定中間形成片14の上部を拡縮調節することができるようにしている。
【0032】
従って、固定中間形成片14に差し込んでいる可動中間形成片15を伸縮調節する際には、上記したように回動操作片20を操作して固定中間形成片14を拡径調節し、同状態にて可動中間形成片15を適宜上下方向にスライドさせ、その後、回動操作片20を操作して固定中間形成片14を縮径調節して、可動中間形成片15を固定することができる。
【0033】
本実施の形態では、可動中間形成片15を上方へ引き延ばす、すなわち、可動中間形成片15をハンドルである把持体6が耕耘軸部2から離隔する使用位置(a)と、同把持体6が耕耘軸部2に近接する収納位置(b)との間で位置変更自在となしている。
【0034】
ここで、使用位置(a)とは、可動中間形成片15を最大限に上方へ引き上げた位置と、同位置よりもやや下方に下げた位置との間の任意の位置であり、作業者Mが自分の体型等に応じて作業時に把持体6を把持し易い位置をいう。
【0035】
また、収納位置(b)とは、可動中間形成片15を最大限に下方へ押し下げた位置と、同位置よりもやや上方に引き上げた位置との間であり、作業者Mが把持体6を把持して作業を行うには危険な位置をいう。
【0036】
このようにして、可動中間形成片15を把持体6が耕耘軸部2から離隔する使用位置(a)と、同把持体6が耕耘軸部2に近接する収納位置(b)との間で位置変更自在となしているため、耕耘作業を行う際には、可動中間形成片15を作業者Mの好みの使用位置(a)に配置することにより、把持体6を耕耘軸部2から離隔した位置に配置することができて、同把持体6を把持して耕耘操作を行う作業者Mの安全性を良好に確保したまま、楽に耕耘作業が行えるようにすることができる。
【0037】
また、耕耘作業を行わない場合には、可動中間形成片15を収納位置(b)に配置することにより、把持体6を耕耘軸部2に近接する位置に配置することができて、支持部1の中間本体10をコンパクト化することができる。
【0038】
従って、耕耘装置Aを軽量かつコンパクトに構成することができると共に、同耕耘装置Aの収納スペースを省スペース化することができる。
【0039】
しかも、本実施の形態では、前記したバッテリーと後述する回動駆動部3の電動モータ60との間に電気コードからなる電源回路75を介設し、同電源回路75の中途部には、メインスイッチ32と前記した手元スイッチ35とを直列的に設けている。
【0040】
そして、メインスイッチ32は、図1、図2及び図6に示すように、固定中間形成片14の後周面の下部に取り付けており、同メインスイッチ32には検出片32aを設けて、同検出片32aを固定中間形成片14に形成した検出片進退孔14aを通して固定中間形成片14内に配置して、メインスイッチ32がON状態(電源回路接続状態)に保持されるようにしている。なお、メインスイッチ32としてはリミットスイッチ等を使用することができる。
【0041】
このようにして、固定中間形成片14中を伸縮スライドする可動中間形成片15が使用位置(a)にある状態では、同可動中間形成片15はメインスイッチ32の検出片32aに干渉することがなく、メインスイッチ32はON状態(電源回路接続状態)に保持されるようにしている。
【0042】
また、可動中間形成片15が収納位置(b)にある状態では、同可動中間形成片15の外周面がメインスイッチ32の検出片32aを押圧して、検出片進退孔14aを通して検出片32aを後退動作させ、メインスイッチ32を強制的にOFF状態(電源回路切断状態)にするようにしている。
【0043】
従って、支持部1の中間本体10をコンパクトな収納状態となす際に、可動中間形成片15を収納位置(b)に位置変更するという必然の行為に連動して、メインスイッチ32をOFF状態にすることができるため、同メインスイッチ32の切り忘れを確実に防止することができて、耕耘軸部2の誤作動を防止することができる。その結果、安全性を向上させることができる。
【0044】
また、使用時(耕耘作業時)には、可動中間形成片15を使用位置(a)に位置変更するという必然の行為に連動して、メインスイッチ32をON状態にすることができるため、逐一メインスイッチ32をON操作する手間を省くことができる。
【0045】
しかも、メインスイッチ32を確実にOFF状態にすることができるため、耕耘装置Aを収納した状態で漏電が発生するのを確実に防止することができる。その結果、電源回路75を保護することができる。
【0046】
また、固定中間形成片14の中途部には、左右方向に伸延するバッテリーケース係止体22の中途部を前後方向に軸線を向けた枢支ピン23を介して枢支しており、同バッテリーケース係止体22の左側端部にフック状の係止片24を形成する一方、バッテリーケース係止体22の右側端部に操作片25を形成している。
【0047】
しかも、枢支ピン23にトルクバネ26を取り付けて、同トルクバネ26によりバッテリーケース係止体22を係止片24の係止方向(図5において、枢支ピン23を中心とする反時計廻り)に回動するように弾性付勢している。34は、バッテリーケース13の上動を規制する上動規制ピンである。
【0048】
ここで、前記したバッテリーケース13の後面中央部には、固定中間形成片14が嵌入可能な凹条部27を上下方向に伸延させて形成し、同凹条部27を中心にして後面左側部にポケット状の係止片受体28を設ける一方、後面右側部に操作片受体29を設けている。
【0049】
そして、バッテリーケース13の下端前中央部に係合片30を下方へ突設する一方、バッテリーケース13の上端部に取っ手片31を設けている。
【0050】
このようにして、バッテリーケース13を支持台9上に取り付ける際には、支持台9上にバッテリーケース13を載置して、同支持台9の前端部に設けた係合受片33に係合片30を係合させると共に、固定中間形成片14にバッテリーケース13の凹条部27を嵌合させる。
【0051】
この際、図5に一点鎖線で示すように、バッテリーケース係止体22の操作片25をトルクバネ26の弾性付勢に抗して下方へ押し下げることにより、同バッテリーケース係止体22の係止片24を上方へ引き上げておき、同係止片24に係止片受体28が干渉しないようにする。
【0052】
そして、固定中間形成片14にバッテリーケース13の凹条部27を嵌合させた後に、操作片25から手を離すと、トルクバネ26の弾性付勢力によりバッテリーケース係止体22が回動して係止片24が係止片受体28に係止されると共に、操作片25が操作片受体29に下方から当接して、バッテリーケース係止体22の回動が規制される。
【0053】
その結果、バッテリーケース13が係止片受体28を介して係止片24に係止されて、支持台9と固定中間形成片14に固定された状態となり、バッテリーケース13を支持台9上に簡単に取り付けることができる。
【0054】
また、バッテリーケース13を支持台9上から取り外す際には、上記した取り付け手順とは反対の手順をたどることより、簡単に取り外すことができる。
【0055】
把持体6は、可動中間形成片15の上端部に連設しており、同把持体6の下側には手元スイッチ35を沿わせて配置しており、同手元スイッチ35は、把持体6と一緒に把持するとON状態となって、後述する回動駆動部3を始動させることができる一方、把持体6を把持している手を弛めるとOFF状態となって、回動駆動部3を停止させることができるようにしている。
【0056】
そして、かかる手元スイッチ35による回動駆動部3の始動・停止操作は、メインスイッチ32がON状態においてのみ可能となり、同メインスイッチ32がOFF状態では、手元スイッチ35を操作しても回動駆動部3は始動しないようにしている。
【0057】
また、可動中間形成片15の上端部である把持体6の近傍位置には、メインスイッチ32がON状態であることを表示する表示ランプ79を取り付けている。
【0058】
このようにして、作業者Mが把持体6を把持している手の近傍に配置した表示ランプ79を視認するだけで、メインスイッチ32がON状態であるか否かを簡単かつ確実に確認することができて、誤操作を防止することができると共に、安全性を良好に確保することができる。
【0059】
〔耕耘軸部2の説明〕
耕耘軸部2は、図1〜図3及び図7に示すように、前記した支持部本体4に設けた左右一対の上下伸延片7,7の下端部に、それぞれ左右方向に軸線を向けた左右一対の回動支軸40,40を取り付け、両回動支軸40,40間に耕耘軸41を回動自在に架設している。
【0060】
ここで、回動支軸40の外側端部には雄ネジ部53を形成して、同雄ネジ部53を上下伸延片7の下端部に形成した挿通孔54中に挿通し、同挿通孔54から外側方へ突出する雄ネジ部53の部分にワッシャ55を介して雌ネジ体56を螺着している。
【0061】
このようにして、雌ネジ体56を着脱することにより、支持部本体4に回動支軸40,40を介して耕耘軸41を着脱自在となしている。
【0062】
しかも、図1に示すように、側面視にて上下方向に伸延する中間本体10の軸線L1の近傍位置に、上記回動支軸の軸線L2を配置している。
【0063】
耕耘軸41は、各回動支軸40,40の外周面にベアリング42,42を介してリング状の端壁体43,43を回動自在に取り付け、両端壁体43,43の外周縁部間に円筒状の耕耘軸本体44を介設し、同耕耘軸本体44の外周面に耕耘爪取付片45を介して多数の耕耘爪46を同一円周方向に間隔を開けて取り付けると共に、軸線方向にも間隔を開けて取り付けている。47は耕耘爪取付ボルトである。
【0064】
また、各回動支軸40,40には泥土等侵入防止体48,48を取り付けて、耕耘軸41内に泥土等が侵入するのを防止している。
【0065】
すなわち、泥土等侵入防止体48は、回動支軸40の外周面に取り付けて端壁体43の外側方を被覆するリング状の端壁体被覆片49と、同端壁体被覆片49の周縁部より耕耘軸本体44側に伸延して、同耕耘軸本体44の外周面の外周を重合状態に被覆する筒状の回転軸本体被覆片50と、上記端壁体被覆片49に取り付けて、同端壁体被覆片49と端壁体43との間の空間51を遮断する遮断片52とから構成している。
【0066】
このようにして、回転軸本体被覆片50の内周面と耕耘軸本体44の外周面との間の間隙から泥土等が侵入したとしてのも、遮断片52により侵入泥土等が回動支軸40の外周面にまで到達するのを防止して、後述する回動駆動部3内に泥土等が侵入することにより、同回動駆動部3が損傷等されるという不具合の発生を防止している。
【0067】
〔回動駆動部3の説明〕
回動駆動部3は、図7に示すように、電動モータ60と減速機構61とを具備しており、電動モータ60は、右側の回動支軸40に右側端部を連設し、左端部より左側方へ向けて駆動軸62を突出させて、同駆動軸62と耕耘軸本体44とを減速機構61を介して連動連結している。
【0068】
減速機構61は、二段階減速を行う遊星歯車機構となしており、駆動軸62に第1サンギヤ63を同軸的に取り付け、同第1サンギヤ63の外周に第1インナーギヤ64をギヤ支持体65を介して電動モータ60に支持させて配置し、同第1インナーギヤ64と第1サンギヤ63との間に複数個の第1プライマリーギヤ66を噛合させ、これらの第1プライマリーギヤ66をキャリヤ67により一体的に連結している。
【0069】
そして、上記キャリヤ67に第2サンギヤ68を設け、同第2サンギヤ68に複数個の第2プライマリーギヤ69を噛合させると共に、各第2プライマリーギヤ69を、上記ギヤ支持体65と、左側の回動支軸40に形成した鍔状のギヤ支持片70との間に回転自在に取り付け、これらの第2プライマリーギヤ69の外周に第2インナーギヤ71を噛合させると共に、同第2インナーギヤ71の外周面を耕耘軸本体44の内周面に固設している。72は第1プライマリーギヤ支軸、73は第2サンギヤ支軸、74は第2プライマリーギヤ支軸である。
【0070】
ここで、駆動軸62と第1サンギヤ63と第2サンギヤ68と第2サンギヤ支軸73は、同一軸線上に配置している。
【0071】
また、バッテリーに電動モータ60を接続している電源回路75を形成する電気コードは、図2,図3及び図7に示すように、中空パイプ状の支持部本体4中と、右側の回動支軸40の中心部に形成したコード挿通孔76とを通して配線している。
【0072】
〔他の実施形態としての耕耘装置A〕
図8は、他の実施形態としての耕耘装置Aを示しており、同耕耘装置Aは、前記した耕耘装置Aと基本的構造を同じくしているが、可動中間形成片15は、固定中間形成片14の上端部に下端部を枢支・連結体80を介して枢支・連結して、同固定中間形成片14の軸線と同軸線上に配置した使用位置(c)と、同固定中間形成片14側に折り畳んだ収納位置(d)との間で回動させて位置変更自在となしている点で異なる。
【0073】
すなわち、枢支・連結体80は、図9にも示すように、固定中間形成片14の上端部に取り付けた固定側連結片81と、可動中間形成片15の下端部に取り付けた可動側連結片82とを左右方向に軸線を向けた枢支ピン83により枢支・連結して、同枢支ピン83を中心に使用位置(c)と収納位置(d)との間で回動自在となしている。
【0074】
そして、固定側連結片81の側面に、通常OFF状態(電源回路切断状態)となるメインスイッチ32を取り付ける一方、可動側連結片82に枢支ピン83を介して作用片84を可動側連結片82と一体的に回動するように取り付けている。
【0075】
このようにして、可動側連結片82を使用位置(c)に配置した場合には、メインスイッチ32の検出片32aに作用片84が押圧作用して、同メインスイッチ32を強制的にON状態(電源回路接続状態)にするようにしている。
【0076】
また、可動側連結片82を収納位置(d)に配置すべく回動させて、メインスイッチ32の検出片32aから作用片84による押圧作用が解除されると、メインスイッチ32がOFF状態(電源回路切断状態)に復帰されるようにしている。
【0077】
従って、この場合も、支持部1の中間本体10をコンパクトな収納状態となす際に、可動中間形成片15を収納位置(d)に位置変更するという必然の行為に連動して、メインスイッチ32をOFF状態にすることができるため、同メインスイッチ32の切り忘れを確実に防止することができて、耕耘軸部2の誤作動を防止することができる。その結果、安全性を向上させることができる。
【0078】
また、使用時(耕耘作業時)には、可動中間形成片15を使用位置(c)に位置変更するという必然の行為に連動して、メインスイッチ32をON状態にすることができるため、逐一メインスイッチ32をON操作する手間を省くことができる。
【0079】
しかも、メインスイッチ32を確実にOFF状態にすることができるため、耕耘装置Aを収納した状態で漏電が発生するのを確実に防止することができる。その結果、電源回路75を保護することができる。
【0080】
また、本実施の形態では、可動中間形成片15を収納位置(d)に配置した際には、把持体6の端部が支持部本体4の上下伸延片7,7間に位置するようにしており、抵抗棒12も使用状態から180度反転させた状態に取り付けて、同抵抗棒12の下端部を耕耘軸41の近傍に位置させることができるようにしている。
【0081】
従って、耕耘装置Aの高さと前後幅とをコンパクト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る耕耘装置の使用状態での側面説明図。
【図2】同耕耘装置の側面説明図。
【図3】同耕耘装置の正面図。
【図4】支持部の断面平面図。
【図5】同支持部の背面説明図。
【図6】メインスイッチの拡大断面側面説明図。
【図7】耕耘軸部の断面正面図。
【図8】他実施形態としての耕耘装置の側面説明図。
【図9】メインスイッチの拡大側面図。
【符号の説明】
【0083】
A 耕耘装置
1 支持部
2 耕耘軸部
3 回動駆動部
4 支持部本体
5 支持部中間体
6 把持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部と、同支持部に回動自在に支持される耕耘軸部とを具備すると共に、支持部は、中間本体を上下方向に伸延させて形成し、同中間本体の上端部に把持体を設けてハンドルとなした耕耘装置であって、
中間本体は、耕耘軸部側に配置した固定中間形成片と、ハンドル側に配置した可動中間形成片とを具備すると共に、同可動中間形成片をハンドルが耕耘軸部から離隔する使用位置と、同ハンドルが耕耘軸部に近接する収納位置との間で位置変更自在となしたことを特徴とする耕耘装置。
【請求項2】
可動中間形成片は、固定中間形成片に沿わせて伸縮スライド自在となして、伸長スライドさせた使用位置と、短縮スライドさせた収納位置との間でスライドさせて位置変更自在となしたことを特徴とする請求項1記載の耕耘装置。
【請求項3】
可動中間形成片は、固定中間形成片の上端部に下端部を枢支・連結して、同固定中間形成片の軸線方向に伸延させて配置した使用位置と、同固定中間形成片側に折り畳んだ収納位置との間で回動させて位置変更自在となしたことを特徴とする請求項1記載の耕耘装置。
【請求項4】
耕耘軸部に電動式駆動手段を設けると共に、同電動式駆動手段は、電源にメインスイッチを具備する電源回路を介して接続し、同メインスイッチのOFF動作を、可動中間形成片の収納位置への位置変更動作に連動させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耕耘装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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