説明

肝臓X受容体アゴニスト

本明細書に示される式(I)の化合物。血中コレステロールレベルを下げ、癌、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、アルツハイマー病、及び角膜環を治療するための上記化合物の一の使用方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2009年7月29日に出願された米国仮特許出願第61/229,386号の優先権を主張するものである。この先願は、全体を参考で本明細書中に引用される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
核受容体上科(super-family)に属する、肝臓X受容体(LXR)は、コレステロール代謝及び恒常性に関する遺伝子の発現を調節する。2つのLXRアイソフォーム、即ち、LXRα及びLXRβ、が、同定されている。LXRα発現は肝臓、腎臓、腸、脂肪組織、マクロファージ、肺、及び脾臓に限定されるが、LXRβはほとんどすべての組織及び器官で発現する。
【0003】
LXRは、脂質の代謝及びApoE遺伝子の発現を調節する。動脈での脂質の蓄積はアテローム性動脈硬化症を引き起こし、角膜での脂質の蓄積は角膜環を引き起こす。例えば、Zech et al., Lipids in Health and Disease 2008, 7: 7を参照。ApoE遺伝子の発現の欠損は、アルツハイマー病等の病気の原因となる。例えば、Artiga et al., Human Molecular Genetics 1998, 7: 1887を参照。ゆえに、LXRアゴニストを用いることにより、アテローム性動脈硬化症、角膜環、及びアルツハイマー病を治療できる。
【0004】
LXRはまた、インスリンの分泌を刺激して、炎症や自己免疫反応を阻害する。Jamroz-Wisniewska et al., Postepy Hig Med Dosw. 2007, 61:760を参照。ゆえに、LXRアゴニストを用いることにより、糖尿病 (例えば、1型糖尿病)や炎症/自己免疫疾患を治療できる。
【0005】
さらに、LXRの活性化により、様々な器官(例えば、脳、肺、血液、前立腺、乳、及び皮膚)の癌の発症に鍵となる役割を果たす、ヘッジホッグシグナル伝達経路が阻害されることが分かった。例えば、Watkin et al., Nature, 2003, 442: 313-317を参照。ゆえに、LXRアゴニストを用いることにより、癌を治療できる。例えば、Chu et al., Journal of biomedical science, 2007, 14(5): 543-553を参照。
【発明の概要】
【0006】
発明の要約
本発明は、非常に有効なLXRアゴニストの発見に基づくものである。
【0007】
本発明の一態様は、下記式(I):
【0008】
【化1】

【0009】
ただし、R、R、R、R、R、R11、R12、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、またはスルホン酸基であり;R、R3’、R、及びR6’は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、またはスルホン酸基であり、またはRおよびR3’は一緒に若しくはRおよびR6’は一緒に=Oであり;R、R、R10、R13、及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、またはアミノ基であり;A及びDは、それぞれ独立して、欠失しているまたはアルキレン基であり;XおよびYは、それぞれ独立して、アルキル基であり;ならびにZは、ヒドロキシル基またはアルコキシ基である、の化合物に関する。
【0010】
式(I)に関して、前記化合物の一つのサブセットとしては、以下の態様の一以上がある:XおよびYは、それぞれ、ハロアルキル基(例えば、CF)である;Zは、ヒドロキシル基であり、RおよびRは、それぞれ、OHであり、及びR3’およびR6’は、それぞれ、Hである;R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R14、R15、R16、およびR17は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、またはアミノ基である(例えば、それぞれが水素原子である);R10およびR13は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基である(例えば、それぞれがメチル基である);ならびにAおよびDは、それぞれ、欠失している、AはCHでありかつDは欠失している、またはAは欠失していてかつDはCHである。
【0011】
式(I)に関して、前記化合物の他のサブセットとしては、以下の態様の一以上がある:XおよびYは、それぞれ、ハロアルキル基(例えば、CF)である;Zは、ヒドロキシル基である;RおよびR3’は一緒に=Oであり、RはOHであり、およびR6’はHである;R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R14、R15、R16、およびR17は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、またはアミノ基である(例えば、それぞれが水素原子である);R10およびR13は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基である(例えば、それぞれがメチル基である);ならびにAおよびDは、それぞれ、欠失している、AはCHでありかつDは欠失している、またはAは欠失していてかつDはCHである。
【0012】
式(I)に関して、前記化合物のさらなるサブセットとしては、以下の態様の一以上がある:XおよびYは、それぞれ、ハロアルキル基(例えば、CF)である;Zは、ヒドロキシル基である;RおよびR6’は一緒に=Oであり、RはOHであり、およびR3’はHである;R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R14、R15、R16、およびR17は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、またはアミノ基である(例えば、それぞれが水素原子である);R10およびR13は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基である(例えば、それぞれがメチル基である);ならびにAおよびDは、それぞれ、欠失している、AはCHでありかつDは欠失している、またはAは欠失していてかつDはCHである。
【0013】
上記した「アルキル基(alkyl)」、その接頭の「アルク(alk)」(例えば、アルコキシ(alkoxy)等における)、および接尾の「−アルキル基(-alkyl)」(例えば、ヒドロキシアルキル基やハロアルキル基等における)ということばはすべて、1価のC1−18の直鎖または分岐鎖の炭化水素基を意味し、必要であれば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、またはカルボキシル基で置換されてもよく、また、必要であれば、−NH−、−N(アルキル)−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−O−SO−、−SO−O−、−SO−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NR’−、または−NR’−CO−が挿入されてもよい。
【0014】
「アルキレン基」ということばは、2価のC1−18の直鎖または分岐鎖の炭化水素基(例えば、−CH−)を意味する。
【0015】
本発明のコレステロール化合物の例としては、以下がある:
【0016】
【化2】

【0017】
上記化合物はまた、妥当である場合には、その塩およびそのプロドラッグを包含する。例えば、このような塩は、本発明の化合物の正電荷を帯びた置換基(例えば、アミノ基)およびアニオンの間に形成されてもよい。適当なアニオンとしては、以下に制限されないが、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、および酢酸塩がある。同様にして、本発明の化合物の負電荷を帯びた置換基(例えば、カルボキシレート)がカチオンと塩を形成してもよい。適当なカチオンとしては、以下に制限されないが、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、及びテトラメチルアンモニウムイオン等のアンモニウムイオンがある。プロドラッグの例としては、患者に投与されると、上記ステロイド化合物を提供できる、エステルおよび他の製薬上許容できる誘導体がある。
【0018】
本発明の他の態様は、有効量の本発明の化合物および製薬上許容できる担体を含む薬剤組成物に関する。このような化合物を用いて血中のコレステロールレベルを低下させ、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、アルツハイマー病、角膜環、炎症性疾患、及び癌等のLXRが仲介する病気を治療する方法、ならびにコレステロールレベルを低下させ、これらの病気のいずれかを治療する際に使用される薬剤の製造のためのこのような化合物の使用もまた本発明の範囲に含まれる。
【0019】
本発明のいくつかの化合物の詳細を下記説明に記載する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は下記説明からおよび特許請求の範囲から明らかであろう。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明の化合物は、適当な既知のステロイド化合物を出発材料として用いて調製できる。既知のステロイド化合物の例としては、コール酸、デヒドロコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸、ウルソデオキシコール酸、ヒオコール酸、ヒオデオキシコール酸、及びコラン酸(cholanoic acid)がある。これらは、市販されてもあるいは文献、例えば、Roda et al., F. Lipid Res., 1994, 35: 2268-2279; and Roda et al., Dig. Dis. Sci., 1987, 34: 24S-35Sに記載の方法によって合成されてもよい。これらのステロイド化合物は、既知の方法により本発明の化合物に変換できる。例えば、本発明の特定の化合物を、市販のヒオデオキシコール酸(3α,6α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸(3α,6α-dihydroxy-5β-cholan-24-oic acid)、Sigma, St. Louis, Mo)から調製してもよい。下記スキーム1に示されるように、保護されたヒオデオキシコール酸をα−セレニル化(α-selenylation)する。得られたセレニル生成物を酸化して、α,β−不飽和エステルを形成した後、これをジ(イソ−ブチリル)アルミナヒドライド(di(iso-butryl)alumina hydride)によって還元して、アルデヒド化合物を形成する。このアルデヒドを、トリメチル(トリフルオロメチル)シランと反応させることによってアルコールに変換する。例えば、米国特許第7,012,069号を参照。次に、このアルコールにデス−マーチン反応(Dess-Martin reaction)を行って、ケトン化合物を形成する。Dess et al., J. Org. Chem., 1983, 38: 4155を参照。このケトンを再度トリメチル(トリフルオロメチル)シランで処理して、2つのトリフルオロメチル基でα−置換された、アルコールを得る。
【0021】
【化3】

【0022】
また、上記合成経路で調製されたα,β−不飽和エステルを用いて、本発明の他の化合物を合成してもよい。下記スキーム2参照:
【0023】
【化4】

【0024】
上記したように、α,β−不飽和エステルを酸化することにより、α,β−エポキシドエステルが得られ、これを酸性条件で脱カルボキシル化し、アルデヒドに変換する。このアルデヒドにウィッティヒ反応(Wittig reaction)を行って、α,β−不飽和エステルを得るが、これは出発材料に比べてメチレン部分をさらに含む。このα,β−不飽和エステルを、スキーム1で使用したのと同様の方法によって本発明の化合物(上記)に変換する。
【0025】
下記スキーム3は、本発明の化合物への他の合成経路を示すものである。簡単にいうと、ヒオデオキシコール酸を開裂酸化によりアルケン化合物に変換し、これを、グラブス触媒(Grubb’s catalyst)の存在下でオレフィンメタセシス反応により他のアルケン化合物と反応させる。
【0026】
【化5】

【0027】
上記方法を修飾して、本発明の他のコレステロール化合物を調製してもよい。例えば、化合物1の3−または6−ヒドロキシル基を部分的に酸化して、化合物2及び3を得るが、これらはそれぞれ3−または6−位にオキソ基を有する。また、上記方法は、本発明のコレステロール化合物を最終的に合成できるように、適当な保護基を付加または除去する工程を有していてもよい。加えて、合成段階を別の並び(sequence)または順番(order)で行って、所望の化合物を得てもよい。適当なコレステロール化合物を合成する際に使用できる合成化学変換及び保護基方法(保護及び脱保護)は当該分野において既知であり、例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989); T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd Ed., John Wiley and Sons (1991); L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994);ならびにL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)および次版に記載される方法がある。
【0028】
本発明の化合物は、LXRアゴニストであり、アテローム性動脈硬化症、糖尿病(例えば、1型糖尿病)、アルツハイマー病、角膜環、炎症性/自己免疫疾患、及び癌等の、LXRが仲介する病気を治療するのに使用できる。ゆえに、本発明は、有効量の上記コレステロール化合物のいずれかを患者に投与することによるLXRが仲介する病気の治療方法に関する。「治療する(treating)」または「治療(treatment)」ということばは、治療効果を得る、例えば、LXRが仲介する病気、上記病気の症状、または上記病気になりやすい素因を治療する(cure)、和らげる(relieve)、変える(alter)、影響を与える(affect)、改善する(ameliorate)、または予防する(prevent)ことを目的として、LXRが仲介する病気を患っている、このような病気の症状を有している、またはこのような病気になりやすい素因を持っている、患者に、活性のある化合物を投与することを意味する。「有効量」とは、処置される患者に治療効果を与えるのに必要な化合物の量を意味する。(1m体表面積当たりのmg基準での)動物及びヒトに関する投与量の相互関係は、Freireich et al., Cancer Chemother. Rep. 1966, 50, 219に記載される。有効量は、当業者には認識されるように、投与経路、賦形剤の使用、及び他の治療のための処置との任意的な併用によって、異なる。
【0029】
「癌」ということばは、特定の細胞が制御不能な成長、浸潤、および/または転移を行う病気を意味する。癌の例としては、以下に制限されないが、前立腺癌、乳癌、皮膚癌、脳腫瘍、肺癌、及び白血病が挙げられる。
【0030】
本発明の方法によって治療できる炎症性疾患としては、以下に制限されないが、喘息、アテローム性動脈硬化症、リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、虚血性心疾患、心筋症、糸球体腎炎、腎炎症候群、C型肝炎感染症、及び呼吸器合胞体ウイルス感染症(肺)が挙げられる。
【0031】
本発明の方法によって治療できる自己免疫疾患としては、以下に制限されないが、アレルギー性脳症(allergic encephalopathy)、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、及び多発性硬化症が挙げられる。
【0032】
本発明の方法を実施するにあたっては、1以上のコレステロール化合物を含む組成物を、非経口で、経口で、経鼻的に、直腸内に、局所的に、または口腔に投与できる。本明細書中で使用される「非経口」ということばは、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病巣内、または頭蓋内注射、さらには適当な輸注技術を意味する。
【0033】
滅菌注射用製剤は、非毒性の非経口で許容できる希釈剤または溶剤における溶液または懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオールにおける溶液であってもよい。使用できる許容できるベヒクルや溶剤の中には、マンニトール、水、リンガー溶液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、固定油が、溶剤または懸濁媒体として従来使用される(例えば、合成モノまたはジグリセリド)。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体等の、脂肪酸が、注射剤の調製に使用でき、特にポリオキシエチレン化された型の、オリーブ油またはヒマシ油等の、天然の製薬上許容できる油もまた同様にして使用できる。また、これらの油溶液または懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤若しくは分散剤、カルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤を含んでもよい。ツィーン(Tween)もしくはスパン(Span)等の、他の一般的に使用される界面活性剤または製薬上許容できる固体、液体、または他の投与形態の製造に一般的に使用される他の同様の乳化剤若しくはバイオアベイラビリティ促進剤もまた、配合目的で使用されうる。
【0034】
経口投与用の組成物は、カプセル、錠剤、エマルジョンならびに水性懸濁液、分散液および溶液などの経口投与が許容できる投与形態であってもよい。錠剤の場合には、一般的に使用される担体としては、ラクトース及びコーンスターチがある。ステアリン酸マグネシウム等の滑剤もまた一般的に添加される。カプセル形態での経口投与では、使用できる希釈剤としては、ラクトースや乾燥コーンスターチがある。水性懸濁液またはエマルジョンを経口投与する場合には、活性成分を乳化剤または懸濁化剤と組み合わせた油相中に懸濁または溶解することができる。必要であれば、特定の甘味剤、風味剤、または着色剤を添加してもよい。
【0035】
鼻エアロゾルまたは吸入用組成物を、製剤処方の分野で既知の技術に従って調製してもよい。例えば、このような組成物を、ベンジルアルコールまたは他の適当な防腐剤、バイオアベイラビリティを促進するための吸収促進剤、フッ化炭素、および/または当該分野において既知の他の可溶化剤もしくは分散剤を用いて、生理食塩水における溶液として調製してもよい。
【0036】
また、1以上の活性のあるコレステロール化合物を含む組成物を、直腸投与用の坐剤の形態で投与してもよい。
【0037】
薬剤組成物における担体は、組成物の活性成分と適合し(好ましくは、活性成分を安定化でき)、処置される患者に有害でないという意味で「許容でき」なければならない。1以上の可溶化剤を、活性のある化合物のデリバリーのための製薬賦形剤として使用してもよい。他の担体の例としては、コロイド酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、およびD&C Yellow # 10が挙げられる。
【0038】
上記コレステロール化合物は、インビトロでのアッセイ(下記実施例2参照)によってLXRアゴニストとして作用する場合の有効性について予めスクリーニングした後、動物モデル、例えば、LXRが仲介する病気を有するマウスを用いてインビボでのアッセイ(下記実施例3及び4参照)によって確認してもよい。他の方法もまた、当業者には明らかであろう。LXRが仲介する病気の治療に有用である投与量は、このインビボでのアッセイの結果に基づいて決定されうる。
【0039】
下記特定の実施例は、単に詳細に説明するものであり、何であれ、残りの開示部分を制限するものではないと、解されるべきである。さらなる努力なしで、当業者は、本明細書の記載に基づいて、十分本発明を利用できると、考えられる。本明細書に挙げられるすべての公報は、全体を参考で本明細書中に引用される。
【0040】
実施例1:化学合成
(A)ヒオデオキシコール酸のメチル化物の調製
【0041】
【化6】

【0042】
1.0Lのメタノールにおける出発材料(162g、0.41mole)の溶液に、10mlの濃HSOを添加した。この混合物を室温で4時間撹拌した。TLCから、反応の終了が示された。次に、この反応溶液を飽和NaHCOで中和し、蒸発させて溶剤を除去した。残った残渣を酢酸エチルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。溶剤を濃縮して、168g(100%)の未精製のメチルエステルを得、これを次工程に直接使用した。
【0043】
(B)tert−ブチルジメチルシリルクロライド(tert-butyldimethylsilyl chloride)によるヒドロキシル基の保護
【0044】
【化7】

【0045】
1.0LのDMFにおける上記反応から得られた未精製のメチルエステル(165g、0.40mole)の溶液に、トリエチルアミン(170mL、1.2mole)、DMAP(4.95g、3%w/w)、及びTBDMS−Cl(121g、0.80mole)を添加した。この反応混合物を40℃で一晩撹拌した。TLCから、反応の終了が示された。ほとんどのDMFを留去した後、残渣を2.0Lの酢酸エチルに溶解した後、3回水洗した(1.5L、1.0L、500ml)。水層を合わせて、1.0Lの酢酸エチルで抽出した。抽出層を2回水洗した(300ml、100ml)。有機層を合わせて、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させることによって、253gの未精製産物を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、221g(87%)の精製TBDMS保護産物を得た。
【0046】
(C)α−セレン化物の調製
【0047】
【化8】

【0048】
上記TBDMS保護産物(172g、0.27mole)を870mLの無水THFに溶解した。48mLのHMPA(0.27mole)を添加した。この反応混合物を、アセトン/ドライアイス浴中で−72℃に冷却した。LDA(ヘキサン中で1.5M、365mL、0.55mole)をこの溶液に滴下した。この混合物を−72℃で1時間さらに撹拌した後、1時間かけてTHF(無水、230mL)におけるPhSeCl(78g、0.4mole)を添加した。この反応混合物を室温にまで加温し、一晩放置した。反応が終了したら、飽和NHCl溶液(200ml)でクエンチした。有機相を除去して、100ml×3で水洗した。水相を酢酸エチル(200ml)で抽出した。有機層を合わせたものをNaSOで乾燥した後、真空中で濃縮して、油状の残渣を得、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、1:100〜1:30)によって精製した。生成物は、黄色の固体として得られた(130.5g、収率:61%)。
【0049】
(D)セレノキシド酸化
【0050】
【化9】

【0051】
このα−フェニルセレニル化合物(120g、0.15mole)を、ジクロロメタン(800mL)に溶解した。24mLのピリジン(0.30mole)を添加した後、120mLの水における過酸化水素(35w/w%水溶液、36g、0.37mole)を、室温で上記溶液にゆっくり添加した。得られた混合液を30〜35℃で1時間撹拌した。反応が終了したら、反応溶液を飽和NaHCO(140mL)でクエンチした。水相をジクロロメタンで2回抽出した(200ml、100ml)。有機相を合わせたものを水洗し(200ml×2)、NaSOで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、1:100〜1:30)で精製した。生成物は、淡黄色の固体として得られた(88g、収率 93%)。
【0052】
(E)メチルエステルのDIBAL還元
【0053】
【化10】

【0054】
70gのメチルエステル(0.11mole)を150mLの無水THFに溶解した。この混合液をアセトン/ドライアイス浴で−78℃まで冷却した後、293mLの1.5M DIBAL/トルエン溶液を滴下した。得られた混合液を−78℃で1時間撹拌した後、さらに2時間かけて室温まで加温した。500mLの5M 塩化アンモニウム溶液をゆっくり添加して、反応物をクエンチした。有機層を分離して、2回水洗し、NaSOで乾燥し、濃縮して、54g(81%)の未精製のアルコール産物を得、これを次のステップの反応に直接使用した。
【0055】
(F)アルコールからアルデヒドへの酸化
【0056】
【化11】

【0057】
54gのアルコールを、窒素雰囲気中で1LのドライCHClに添加した。この混合物を−50℃に冷却した後、DMSO(52ml)を滴下した。次に、塩化オキサリル(31mL)を加えた。この反応混合物を−50℃で0.5時間撹拌した後、トリエチルアミン(127mL)を添加し、得られた混合物を0〜25℃で1時間撹拌した。飽和NHCl溶液(2L)を添加して、反応物をクエンチした。さらに15分間撹拌した後、より多量のCHClを添加して、生成物を抽出した。有機相を飽和NaHCO、さらにブラインで洗浄した後、NaSOで乾燥し、濃縮した。次に、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー精製し、アルデヒド産物39g(72%)を得た。
【0058】
(G)アルデヒドのトリフルオロメチルトリメチルシランとの反応
【0059】
【化12】

【0060】
窒素雰囲気下で、33.2g(55mmole)のアルデヒドを390mLのTHFに溶解した。200mgのCsFを添加して、10分間撹拌した後、9.39g(66mmole)のCFSi(CHを滴下した。得られた混合物を一晩撹拌した後、溶剤を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチル(300mL)に溶解し、5% NaHCO及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残渣を短カラムクロマトグラフィー(short column chromatography)で精製し、26g(70%)のトリフルオロメチル産物を得た。
【0061】
(H)トリフルオロメチル−アルコールのトリフルオロ−ケトンへの酸化
【0062】
【化13】

【0063】
窒素雰囲気下で、16.67g(39.3mmole)のDess−Martin試薬を、300mLの無水CHClにおけるトリフルオロメチル化合物24g(35.7mmole)の溶液に添加した。この反応混合物を室温で一晩撹拌した。500mLのエチルエーテルを加えて、多くの固体を沈殿させた。この固体を濾過し、エチルエーテルで洗浄した。有機相を合わせたものを飽和NaHCO、次にブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空中で濃縮して、残渣を得、これをカラムクロマトグラフィーで精製して、21.1g(80%)のトリフルオロメチル−ケトン産物を得た。
【0064】
(I)トリフルオロメチル−ケトンのトリフルオロメチルトリメチルシランとの反応
【0065】
【化14】

【0066】
窒素雰囲気下で、20g(29.8mmole)のトリフルオロケトンを250mLのTHFに溶解した。150mgのCsFを添加して、10分間撹拌した後、5.09g(35.8 mmole)のCFSi(CHを滴下した。得られた混合物を一晩撹拌した後、溶剤を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、5% NaHCO及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を短カラムクロマトグラフィー(short column chromatography)で精製し、15.9g(72%)のジ−トリフルオロメチル産物を得た。
【0067】
(J)TBDMS保護基の除去による化合物1の生成(Removal of the TBDMS Protecting Group to Compound 1)
【0068】
【化15】

【0069】
15.9g(21.5mmole)のジ−トリフルオロメチル化合物を、100mLのエタノールに溶解した。1mLの濃HClを添加した。この混合物を室温で2時間撹拌した。1mLの12N NaOHを添加し、混合物を濃縮して、大部分のエタノールを除去した。100mLの酢酸エチル及び30mLの水を添加した。有機層を分離し、水洗し、NaSOで乾燥し、濃縮して、残渣を得た後、これをカラムクロマトグラフィーで精製した。生成物をさらにエーテルで結晶化した。9.7g(88%)の精製化合物1が得られ、生成物の構造をNMR分析によって確認した。
【0070】
(K)カルボン酸の酸化的切断(oxidative Cleavage)
【0071】
【化16】

【0072】
2.5Lのドライベンゼンにおける出発材料(500g)の溶液に、30gの酢酸銅(cuprous acetate)及び32mLのドライピリジンを添加した。この反応混合物を75℃にまで加温した。920gの酢酸鉛(VI)をゆっくり添加した。得られた混合物を一晩還流した。濾過し、固体をベンゼンで洗浄した後、大部分のベンゼンを減圧下で蒸発させた。残渣を2回カラムクロマトグラフィーで精製して、35.4gの精製生成物を得た。
【0073】
実施例2:レポーター遺伝子アッセイ
化合物1のLXRアゴニストとしての作用能を、Graham et al., Virology, 1973, 52:456に記載される方法に従ってルシフェラーゼを用いたレポーター遺伝子アッセイ(luciferase-based reporter gene assay)を用いて試験した。アッセイは下記のとおりである:
48ウェルプレートのウェルに、10%チャコール処理ウシ胎児血清(charcoal-stripped fetal bovine serum)を含むダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s modified Eagle’s media)(DMEM+10% CS−FBS)0.25mL中で50,000個のヒト胎児腎臓細胞(HEK293)細胞を播種した。HEK293細胞に、リン酸カルシウム共沈法(calcium phosphate co-precipitation method)(Graham et al., Virology, 1973, 52:456)を用いて様々なプラスミドDNAをトランスフェクトした。各ウェルに、60ngのホタルルシフェラーゼを用いたレポータープラスミド(firefly luciferase-based reporter plasmid)、60ngのヒトLXRαまたはLXRβ cDNAを含むpSG5、0.6ngのウミシイタケルシフェラーゼノーマリゼーションプラスミド(sea pansy luciferase normalization plasmid)phRL−TK(Promega)、及び220ngのpBS/SK+IIを含むトランスフェクションミックス(1.36mL トランスフェクション成分及び11.5mL DMEM+10% CS−FBS)0.25mLを添加した。ホタルルシフェラーゼを用いたレポータープラスミドは、LXR DR−4レスポンスエレメント(response element)の4コピーから構成され、各コピーは、c−fosの最小プロモーター(−56〜+109)の上流の配列:AGGTCACAGGAGGTCAがホタルルシフェラーゼ遺伝子(Promega, Madison, WI)を含むプラスミドpGL3−BasicのSma I部位に挿入されてなる。5時間後、このトランスフェクションミックスを除き、様々な濃度の試験化合物を含むDMEM+10% CS−FBSで置換した。48時間後、培地を除いて、細胞を、0.1 mLのpassive lysis buffer(Promega)を用いて溶解した。溶解物におけるホタル及びウミシイタケルシシフェラーゼ活性を、デュアルシフェラーゼアッセイ(dual luciferase assay)(Promega)及びモノライトルミノメーター(Monolight luminometer)を用いて測定した。ホタルルシフェラーゼ活性を各サンプルにおいてウミシイタケルシフェラーゼ活性に正規化した。ホタルルシフェラーゼレポータープラスミドの活性化倍率(fold activation)を、試験化合物の存在及び不存在下での正規化された相対発光量(relative light units)から算出した。
【0074】
結果から、化合物1は非常に有効なLXRアゴニストであることが示された。
【0075】
実施例3:コレステロールレベルの減少
C57BL/6バックグランドにおける8週齢のオスLDLR−/−マウス(Jackson Laboratoryから得た)に、8週間、粥腫発生用の餌(atherogenic diet)(TD94059, Harlan TEKLAD, Madison, WI)を与えた。同時期、このマウスに、Gao et al., Int J Pharm 1998, 161:75-86に記載される方法によって調製したマイクロエマルジョン中で3〜5mg/kgの投与量で強制飼養によって毎日化合物1を投与した。コントロール群(ベヒクル)には、化合物1を含まないマイクロエマルジョンを投与した。8週間後、マウスを4時間絶食させ、ケタミン(100mg/kg)及びキシラジン(10mg/kg)で麻酔をかけた。血液サンプルを各マウスの眼窩静脈叢(retro-orbital plexus)から集めた。200μlの血漿を、タンデムSuperose6ファストプロテイン液体クロマトグラフィーカラム(tandem Superose 6 fast protein liquid chromatography column)(Reardon et al., 2001)で分画した。偶数のファストプロテイン液体クロマトグラフィー画分における及び血漿サンプルにおけるコレステロール及びトリグリセリドを、市販のキット(Stanbio Laboratory, Boerne, TX)を用いて測定した。
【0076】
サンプルの分析から、化合物1で処置したマウスでは、血中のコレステロール及びトリグリセリドレベルが顕著に減少したことが分かった。また、3mg/kgの投与量では、化合物1は、VLDLコレステロール及びトリグリセリドレベルは減少させたが、HDLコレステロールレベルは減少させず、5mg/kgの投与量では、VLDL及びLDLコレステロールならびにトリグリセリドレベルは減少させたが、HDLコレステロールレベルは減少させないことが示された。
【0077】
次に、これらのマウスをPBSで次にパラホルムアルデヒドで経心臓的に灌流した。心臓及び上部血管系(upper vasculature)を除いて、Reardon et al., Arterioscler Thromb Vasc Biol 2001, 21:1011-1016に記載されるのと同様にして、組織学用に調製した。
【0078】
腕頭動脈中の病変部を、100μmずつで分け、大動脈弓との腕頭動脈の分岐から150〜450μm抹消側に位置する、4つのデジタル処理で捕捉されたオイルレッドO−染色された(digitally captured oil red O-stained)10μmの切片を用いて定量した。上行胸部大動脈中の病変部を、100μmずつで分け、大動脈弓の小弯の先端の100〜300μm下に位置する3つの切片から評価した。大動脈洞の病変部を、100μmずつで分け、冠状動脈が見える部位で始まる3つの切片から評価した。OpenLabソフトウェア バージョン3.1.5を定量に使用した。
【0079】
腕頭動脈及び上行胸部大動脈では、動脈硬化性プラークの大きさが、5mg/kg/日の化合物1で処置したマウスでは顕著に減少した。大動脈基部では、平均アテローム性動脈硬化症の面積が、3mg/kg/日の化合物1で処置したマウス及び5mg/kg/日の化合物1で処置したマウス双方で顕著に減少した。
【0080】
実施例4:1型糖尿病の予防および治療
本実験は、1型糖尿病を処置する際の、化合物1及び他のステロイド化合物、即ち、3α,6α,24−トリヒドロキシ−24,24−ジ(トリフルオロメチル)−5β−コラン[3α,6α,24-trihydroxy-24,24-di(trifluoromethyl)-5β-cholane]の有効性を比較するために行った。
【0081】
6週齢のメスの非肥満糖尿病マウスを3群に分けた(各群10〜12匹のマウス)。2つの群は、それぞれ、10及び20mg/kg/日の化合物1で8週間処置した。3番目の群はまた、10mg/kg/日の3α,6α,24−トリヒドロキシ−24,24−ジ(トリフルオロメチル)−5β−コランで8週間処置した。血漿中のグルコールレベルを、12週〜34週の間、毎週観察した。
【0082】
他の実施形態
本明細書中に開示されるすべての特徴は、いずれの組み合わせで組み合わせてもよい。本明細書中に開示される各特徴は、同じ、等価の、または同様の目的を果たす別の特徴で置換されてもよい。ゆえに、特記しない限り、開示される各特徴は、包括的な一連の等価のまたは同様の特徴の一例でしかない。
【0083】
上記説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認でき、本発明の概念および範囲から逸脱することなく、本発明を様々に変更したり修飾したりして、様々な用法や疾患に適用できる。例えば、上記共役体に構造が類似した共役体をまた、作製し、上記活性についてスクリーニングし、本発明を実施するのに使用することができる。ゆえに、他の実施形態もまた、以下の特許請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

ただし、R、R、R、R、R、R11、R12、R15、R16、およびR17は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、またはスルホン酸基であり、
、R3’、R、およびR6’は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、若しくはスルホン酸基であり、またはRおよびR3’は一緒に若しくはRおよびR6’は一緒に=Oであり;
、R、R10、R13、およびR14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、またはアミノ基であり;
AおよびDは、それぞれ独立して、欠失しているまたはアルキレン基であり;
XおよびYは、それぞれ独立して、アルキル基であり;ならびに
Zは、ヒドロキシル基またはアルコキシ基である、
を有する化合物。
【請求項2】
、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R14、R15、R16、およびR17は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、またはアミノ基であり;ならびにR10およびR13は、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R14、R15、R16、およびR17は、それぞれ、水素原子であり;ならびにR10およびR13は、それぞれ、メチル基である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
およびRは、それぞれ、OHであり、R3’およびR6’は、それぞれ、Hである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
XおよびYは、それぞれ、ハロアルキル基であり、Zは、ヒドロキシル基である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
XおよびYは、それぞれ、CFであり、Zは、ヒドロキシル基である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
AおよびDは、それぞれ、欠失している、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
AはCHであり、Dは欠失している、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
Aは欠失していて、DはCHである、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
およびR3’は一緒に=Oであり、RはOHであり、およびR6’はHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項11】
XおよびYは、それぞれ、CFであり、Zはヒドロキシル基である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
AおよびDは、それぞれ、欠失している、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
AはCHであり、Dは欠失している、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
Aは欠失していて、DはCHである、請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
およびR6’は一緒に=Oであり、RはOHであり、およびR3’はHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項16】
XおよびYは、それぞれ、CFであり、Zはヒドロキシル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
AおよびDは、それぞれ、欠失している、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
有効量の請求項1に記載の化合物を、血中コレステロールレベルを下げる必要のある患者に投与することを有する、血中コレステロールレベルの低減方法。
【請求項19】
有効量の請求項1に記載の化合物を、アテローム性動脈硬化症を治療する必要のある患者に投与することを有する、アテローム性動脈硬化症の治療方法。
【請求項20】
有効量の請求項1に記載の化合物を、癌を治療する必要のある患者に投与することを有する、癌の治療方法。
【請求項21】
有効量の請求項1に記載の化合物を、糖尿病を治療する必要のある患者に投与することを有する、糖尿病の治療方法。
【請求項22】
有効量の請求項1に記載の化合物を、アルツハイマー病を治療する必要のある患者に投与することを有する、アルツハイマー病の治療方法。
【請求項23】
有効量の請求項1に記載の化合物を、角膜環を治療する必要のある患者に投与することを有する、角膜環の治療方法。

【公表番号】特表2013−500986(P2013−500986A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523043(P2012−523043)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/043719
【国際公開番号】WO2011/014661
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(399019892)ザ・ユニバーシティ・オブ・シカゴ (9)
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF CHICAGO
【Fターム(参考)】