説明

育成ゲームプログラム、育成ゲーム制御方法及び育成ゲーム装置

【課題】育成対象キャラクタの育成方向を育成途中の各段階において複数ポジションの内から漸次絞り込むようにしてゲームに変化性、趣向性を与える。
【解決手段】育成ゲーム装置は、育成対象種目の各ポジションを複数段のツリー構造にグルーピングして記憶する記憶部52と、コントローラ19からの指定が受け付け可能に練習項目をモニタ21に表示する取得部101と、指定された練習項目の仮想的な実行を行うと共に仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、その練習成果値を現能力パラメータに積算する育成処理部103と、取得部101及び育成処理部103による各処理を所定の時点まで行う育成処理進行制御部104と、所定時点までをグルーピングの段数に応じた数の過程に区分し、各過程終了時点で育成対象キャラクタが現に所属するグループの1段下位に含まれる選択対象の1つをコントローラ19の操作を受け付けて選定する絞り込み部105とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育成対象キャラクタをコンピュータによって選手として仮想的に育成する育成ゲームの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野球やサッカーなどのスポーツを疑似体験させるゲームにおいて、ゲーム内のキャラクタをプレイヤによって育成させる育成ゲームが一般に知られている。この育成ゲームでは、所定の回数のコマンドを選択する機会がプレイヤに与えられ、これらコマンドのうちの練習コマンドには、キャラクタの複数の能力パラメータの加減値が対応付けられている。プレイヤは、複数種類の練習コマンドを選択的に指示することにより、キャラクタの能力パラメータの値を変動させ、所望の能力特性を有するプレイヤを育成することができる。さらに、育成したキャラクタを参加させることが可能な、スポーツ競技を模したシミュレーションゲームが設定されており、プレイヤは、シミュレーションゲームにおいて、自らの育成したキャラクタを含めたチームで、相手チームと対戦することに独特の面白味を見出すことができることとなっている。ところで、上記従来の育成ゲームでは、キャラクタの育成は単に能力値を順次上げるためだけに行われており、その結果、後のシミュレーションゲームの勝利には結びつくもののそれ以外の達成感はなく、興趣に富んだゲームを作成することは困難であった。
【0003】
特許文献1には、ゲーム能力に関するレベル方向に複数のクラスを設定し、育成途中で昇格の可否判断を行うと共に、各クラスに見合ったレベルの技能を付与することで変化性、興趣性に富むようにした育成ゲームが提案されている。特許文献2には、キャラクタ間の関係を表す友情パラメータを設け、友情パラメータを向上させる練習コマンドを指定可能にしたり、キャラクタ同士の関連性を表すパラメータを設け、能力向上の練習コマンドに実行によって関連性パラメータにも変化を与えたりする育成ゲームが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−239229号報
【特許文献2】特開2006−158594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2に記載の育成ゲームは、プレイヤが所望する能力を備えたキャラクタに育成することに注力するという基本的な手法に多少の変化性を与えたものに過ぎず、依然として変化性、趣向性において限界があった。また、特許文献1は、育成途中で昇格機会を与えるようにした点で一定の変化性は存するものの、単に育成過程における能力レベルの高低を判断するステップを付加したものに過ぎない。すなわち、いずれの特許文献においても、キャラクタは予め設定された、またはプレイヤがゲーム開始時に選択したポジション、役割の中だけで能力向上等を図るものであって、そのポジション等に至る、あるいは獲得する過程を楽しむ遊戯性については考慮されていなかった。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、スポーツゲーム等における育成対象キャラクタのポジション、役割等が決定される、または獲得されるまでの過程を楽しむことが可能なゲームを実現することを目的とするものである。特に、育成対象キャラクタの育成方向を育成途中の各段階において複数ポジションのうちから順次絞り込む、乃至は選択肢を順次狭めるようにした、変化性及び趣向性に富む育成ゲームの育成ゲームプログラム、育成ゲーム制御方法及び育成ゲーム装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって育成対象種目内の1選手として仮想的に育成する育成ゲームの育成ゲームプログラムにおいて、前記育成対象種目における各ポジションを複数段のツリー構造にグルーピングして記憶するグルーピング記憶手段、複数の練習項目を記憶する練習項目記憶手段、育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶する能力パラメータ記憶手段、操作部材からの指定が受け付け可能に前記練習項目を前記表示部に表示する受付手段、前記受付手段を介して指定された練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算する育成処理手段、前記受付手段及び育成処理手段による各処理を所定の時点まで行う育成処理進行制御手段、前記所定の時点までを前記グルーピングの段数に応じた数の過程に区分し、各過程終了時点で、前記育成対象キャラクタが現に所属するグループの1段下位に含まれる選択対象の1つを前記操作部材からの操作を受け付けて選定する絞り込み手段、として前記コンピュータを機能させるものである。
【0008】
請求項11記載の発明は、表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって育成対象種目内の1選手として仮想的に育成する育成ゲームの制御方法において、前記コンピュータのグルーピング記憶手段が、前記育成対象種目における各ポジションを複数段のツリー構造にグルーピングして記憶し、前記コンピュータの練習項目記憶手段が、複数の練習項目を記憶し、前記コンピュータの能力パラメータ記憶手段が、育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶し、前記コンピュータの受付手段が、操作部材からの指定が受け付け可能に前記練習項目を前記表示部に表示し、前記コンピュータの育成処理手段が、前記受付手段を介して指定された練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算し、前記コンピュータの育成処理進行制御手段が、前記受付手段及び育成処理手段による各処理を所定の時点まで行い、前記コンピュータの絞り込み手段が、前記所定の時点までを前記グルーピングの段数に応じた数の過程に区分し、各過程終了時点で、前記育成対象キャラクタが現に所属するグループの1段下位に含まれる選択対象の1つを前記操作部材からの操作を受け付けて選定することを特徴とするものである。
【0009】
請求項12記載の発明は、表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって育成対象種目内の1選手として仮想的に育成する育成ゲーム装置において、前記育成対象種目における各ポジションを複数段のツリー構造にグルーピングして記憶するグルーピング記憶手段と、複数の練習項目を記憶する練習項目記憶手段と、育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶する能力パラメータ記憶手段と、操作部材からの指定が受け付け可能に前記練習項目を前記表示部に表示する受付手段と、前記受付手段を介して指定された練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算する育成処理手段と、前記受付手段及び育成処理手段による各処理を所定の時点まで行う育成処理進行制御手段と、前記所定の時点までを前記グルーピングの段数に応じた数の過程に区分し、各過程終了時点で、前記育成対象キャラクタが現に所属するグループの1段下位に含まれる選択対象の1つを前記操作部材からの操作を受け付けて選定する絞り込み手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
これらの発明によれば、表示部に育成対象キャラクタが表示され、この育成対象キャラクタがプレイヤの育成操作指示に基づきコンピュータによって選手として徐々に仮想的に育成される。本育成ゲームは、まず、グルーピング記憶手段に、育成対象種目における各ポジションが複数段のツリー構造にグルーピングして記憶され、練習項目記憶手段に、複数の練習項目が記憶され、能力パラメータ記憶手段に、育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータが記憶されている。ここで、育成対象項目とは、育成の対象となるスポーツ等の種類等を示すもので、例えば野球やサッカーが上げられる。また、ツリー構造のグルーピングとは、上位から下位に向かって順次、役割やポジションに関する広い概念の定義から狭い概念の定義となるよう分岐又は結ばれる構造を示したものである。例えば「野手」という概念の下位には、「野手」より狭い概念であり、具体的な役割である「捕手」、「内野手」、「外野手」が含まれ、そのうちの例えば、「内野手」という概念の下位にはさらに、「内野手」より狭い概念であり、「内野手」の具体的なポジションである「一塁手」、「二塁手」、「三塁手」、「遊撃手」が含まれる、といった構成を、ツリー構造のグルーピングとしている。そして、受付手段によって、練習項目が、操作部材からの指定が受け付け可能に表示部に表示され、育成処理手段によって、受付手段を介して指定された練習項目の仮想的な実行が行われると共に、仮想的な実行に応じて練習成果値が生成され、生成された練習成果値が能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算される。また、育成処理進行制御手段によって記受付手段及び育成処理手段による各処理が所定の時点まで行われる。そして、絞り込み手段によって、前記所定の時点までが前記グルーピングの段数に応じた数の過程に区分され、各過程終了時点で、前記育成対象キャラクタが現に所属するグループの1段下位に含まれる選択対象(グループ又はポジション)の1つが操作部材からの操作を受け付けて選定される。
【0011】
従って、育成対象キャラクタの育成方向が育成途中の各段階において複数ポジションのうちから順次絞り込まれる、乃至は選択肢が順次狭められることになる。つまり、従来の育成ゲームには存在しなかったポジション獲得への挑戦やそのための能力向上といった点に関する遊技性を実現できる。すなわち、従来のスポーツゲーム等では、キャラクタの役割やポジションは固定または既得のものとして遊技を行うだけのものであったのに対し、本発明によれば、役割やポジションの獲得を目指す過程を楽しむことができ、かつ育成結果によっては希望通りにポジション等を獲得できる場合もあれば、獲得できない場合もあるというリスクをも伴うものであることから、プレイヤは自分自身を育成対象キャラクタへ投影させて、深い感情移入を図れることとなり、従来のゲームにない興趣性を感じることができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記絞り込み手段は、前記選択対象に対する選定を許可するための閾値を選択対象毎に記憶する閾値記憶手段を備え、育成対象キャラクタの能力パラメータがいずれかの前記選択対象に設定された閾値に達していない場合、その旨の報知を行うことを特徴とする。この構成によれば、絞り込み時点において、育成対象キャラクタの能力パラメータがいずれかの前記選択対象に設定された閾値に達していない場合、その旨の報知が行われる。このため、プレイヤは育成対象キャラクタの育成方向に関する情報を得ることが可能となる。また、プレイヤに対して育成方法乃至は育成方向の適否の1つの判断材料とすることが可能となる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記絞り込み手段は、前記報知に加えて該選択対象の選定を禁止することを特徴とする。この構成によれば、閾値を超えることが選定対象の選定許可のための条件とされるので、プレイヤが希望するポジションの選手に育成することに対する難度が増すことになる。なお、選定の禁止は、選定対象から予め除外する態様の他、プレイヤからの選定操作を受け付けず、かつその旨を報知する態様(例えば警報音や、警告メッセージの発音や表示)も採用可能である。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記育成処理手段は、指定された練習項目に応じて前記複数種類の能力の1種類又は所定種類分の能力に対応した前記練習成果値をそれぞれ生成することを特徴とする。この構成によれば、練習項目の実行を通して得られる練習成果値が1種類又は複数種類分の能力に振り分けられることで、多様な育成ゲームが提供される。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記受付手段は、各練習項目を示す複数種類の練習アイコンを前記操作部材によって選択可能に前記表示部に表示することを特徴とする。この構成によれば、練習項目が練習アイコンという媒体を通して表示されるので選択時の視認性が向上する。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記受付手段は、前記表示部に所定数だけ前記練習アイコンを表示するものであり、前記操作部材によって指定された練習アイコンを消去し、新たな練習アイコンに更新することを特徴とする。この構成によれば、練習項目の選択範囲が所定数に設定されるので、全練習項目が表示され、その中から探して選ぶという煩雑さはなくなる。また、指定した練習アイコンに代えて新たな練習アイコンが補充されるので、安定した練習項目の選定が確保される。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記受付手段は、前記新たな練習アイコンを複数種類のうちから無作為に選出することを特徴とする。この構成によれば、新たに補充される練習アイコンは無作為に選出されるので、予期せぬ練習項目が補充される等、変化性、育成ゲームの面白さ、趣向性が増大する。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項5〜7のいずれかに記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記表示部に始点から終点まで直列に接続された所定形状を有する複数の位置標識を表示すると共に、前記育成対象キャラクタをいずれかの前記位置標識に対応付ける位置標識表示処理手段として前記コンピュータを機能させ、前記育成処理手段は、前記練習アイコンに予め設定された範囲内の数の1つの数字を表記し、指定された練習アイコンに表記された数値だけ前記育成対象キャラクタを現位置の位置標識から終点方向の位置標識に移動させ、前記育成処理進行制御手段は、前記育成対象キャラクタが前記始点から前記終点まで移動すると前記過程終了時点に達したとすることを特徴とする。この構成によれば、育成対象キャラクタが、指定された練習アイコンに表記された数値分だけ、現位置から終点側への位置標識に移動するので、育成途中での進捗状況(現在の練習回数)の認識が可能となる。また、各過程での練習回数は、ある回数範囲内で不定となる点でゲーム及び育成結果に変化性が生じることになる。なお、位置標識は練習回数(練習の進行度合い)を示唆するものとしての意義を有する。
【0019】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の育成ゲームプログラムにおいて、1又は複数の前記位置標識に種々のイベントを設定するイベント実行処理手段として前記コンピュータを機能させ、前記イベント実行処理手段は、前記育成対象キャラクタが前記イベントが設定された位置標識に移動したか否かを判断し、前記判断が肯定された場合には前記イベントを練習ゲームとして前記操作部材からの操作に応じて実行させ、前記イベントの実行に応じて練習成果値を生成することを特徴とする。この構成によれば、練習項目の選択の他に、プレイヤが練習内容に関与することが可能となり、プレイヤのイベントでの練習ゲーム時における操作部材への巧拙が育成結果に反映される。なお、イベントは全てプレイヤが操作部材を介して参加できる態様(プレイヤ参加型)でもよいし、一部のイベントがプレイヤ参加型であってもよい。また、イベントの実行によって、種々の能力のうち、特別な能力も含めて反映する態様とすれば、育成の変化性が向上する。
【0020】
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の育成ゲームプログラムにおいて、前記育成処理進行制御手段は、前記最終の過程終了の時点で育成対象キャラクタのポジションを決定した後に付加育成過程を設定し、前記受付手段及び前記育成処理手段に対して前記付加育成過程での育成対象キャラクタの育成処理を行わせることを特徴とする。この構成によれば、育成対象キャラクタに対してポジションが決定された後に、付加育成過程を設定したので、育成対象プレイヤは決定されたポジションの選手としてより相応しい能力を備えた選手として育成される。
【発明の効果】
【0021】
請求項1,11,12記載の発明によれば、育成対象キャラクタの育成方向を育成途中の各段階において複数ポジションのうちから順次絞り込む、乃至は選択肢を順次狭めるようにすることによって変化性及び趣向性に富む育成ゲームを提供できる。また、役割やポジションの獲得を目指す過程を楽しむことができ、かつ育成結果によっては希望通りにポジション等を獲得できる場合もあれば、獲得できない場合もあるというリスクをも伴うものであることから、プレイヤは自分自身を育成対象キャラクタへ投影させて、深い感情移入を図れることとなり、従来のゲームにない興趣性を感じることができる。
【0022】
請求項2記載の発明によれば、育成対象キャラクタの育成方向に関する情報をプレイヤに与えることができる。また、プレイヤに対して育成方法乃至は育成方向の適否の1つの判断材料を与えることができる。
【0023】
請求項3記載の発明によれば、閾値を超えることを選定対象を選定するための条件としたので、プレイヤが希望するポジションの選手への育成の難度を増大することができる。
【0024】
請求項4記載の発明構成によれば、練習項目の実行を通して得られる練習成果値を1種類又は複数種類分の能力に振り分けることで、多様な育成ゲームが提供できる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、練習項目が練習アイコンという媒体を通して表示されるので選択時の視認性を向上させることができる。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、練習項目の選択範囲を所定数に設定したので、全練習項目が表示され、その中から探して選ぶという煩雑さを抑制できる。また、指定した練習アイコンに代えて新たな練習アイコンを補充するので、安定した練習項目の選定が確保できる。
【0027】
請求項7記載の発明によれば、新たに補充される練習アイコンの練習項目を無作為に選出するようにしたので、予期せぬ練習項目が補充される等、育成ゲームの変化性、面白さ、趣向性を増大することができる。
【0028】
請求項8記載の発明によれば、育成対象キャラクタを、選択した練習アイコンに表記された数値分だけ終点側の位置標識に移動するようにしたので、育成途中での進捗状況(現在の練習回数)の認識が可能となる。また、各過程での練習回数は、ある回数範囲内で不定となる点でゲーム及び育成結果に変化性を与えることができる。
【0029】
請求項9記載の発明によれば、練習項目の選択の他に、プレイヤを練習内容に関与させるようにしたので、プレイヤのイベントでの練習ゲーム時における操作部材への巧拙を育成結果に反映させるようにすることができる。
【0030】
請求項10記載の発明によれば、育成対象キャラクタに対してポジションを決定した後に、付加育成過程を設定したので、育成対象プレイヤを決定されたポジションの選手としてより相応しい能力を備えた選手として育成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る育成ゲーム装置の構成の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】コントローラの一例を示す外観図である。
【図3】図1に示す育成ゲーム装置のうち、本発明が関連する部分の機能ブロック図である。
【図4】野球におけるポジションのツリー構成図である。
【図5】育成ゲーム装置においてモニタに表示されるゲーム画面の一例を示した図で、育成ゲームのスタート画面である。
【図6】育成ゲーム装置においてモニタに表示されるゲーム画面の一例を示した図で、育成ゲームの途中画面である。
【図7】絞り込みをガイドする絞り込み画面の一例である。
【図8】練習系統及び練習項目の対応図である。
【図9】イベント練習ゲームとして、野球ゲームが実施される場合の基本的な画面図である。
【図10】CPUのゲームプログラムによって実行される育成ゲームのフローチャートである。
【図11】CPUのゲームプログラムによって実行される育成ゲームのフローチャートである。
【図12】CPUのゲームプログラムによって実行される育成ゲームのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、本発明に係る育成ゲーム装置の構成の一実施形態を示すブロック図である。以下の説明では、育成ゲーム装置の一例として家庭用ビデオゲーム機を家庭用テレビジョンに接続することによって構成される家庭用ビデオゲーム装置について説明する。しかし、本発明はこの例に限定されず、モニタが一体に構成された業務用ビデオゲーム装置、本発明によるゲームプログラムを実行することによってビデオゲーム装置として機能するパーソナルコンピュータ等にも同様に適用することができる。
【0033】
図1に示す育成ゲーム装置は、家庭用ゲーム機(ゲーム機本体)100及び家庭用テレビジョン200を備える。家庭用ゲーム機100は、ゲームプログラムが記録されたコンピュータ読み出し可能な記録媒体300が装填可能な構成を備えている。記録媒体300がゲーム機本体100に装填された状態で、ゲームプログラムが適宜読み出されて対戦ゲームが実行される。
【0034】
家庭用ゲーム機100は、CPU(Central Processing Unit)1、バスライン2、グラフィックスデータ生成プロセッサ3、インターフェース回路(I/F)4、メインメモリ5、ROM(Read Only Memory)6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12、インターフェース13、バッファ14〜16、記録媒体ドライブ17、メモリ18、及びコントローラ19を含む。家庭用テレビジョン200はテレビジョンモニタ(モニタ)21、増幅回路22及びスピーカ23を含む。
【0035】
CPU1は、バスライン2およびグラフィックスデータ生成プロセッサ3に接続されている。バスライン2は、アドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含み、CPU1、インターフェース回路4、メインメモリ5、ROM6、伸張回路7、パラレルポート8、シリアルポート9、描画プロセッサ10、音声プロセッサ11、デコーダ12及びインターフェース13を相互に接続している。
【0036】
描画プロセッサ10は、バッファ14に接続されている。音声プロセッサ11は、バッファ15及び増幅回路22に接続されている。デコーダ12は、バッファ16及び記録媒体ドライブ17に接続されている。インターフェース13は、メモリ18及びコントローラ19に接続されている。
【0037】
モニタ21は、描画プロセッサ10に接続されている。スピーカ23は、増幅回路22に接続されている。なお、業務用ビデオゲーム装置の場合、モニタ21、増幅回路22及びスピーカ23は、家庭用ゲーム機100を構成する各ブロックとともに1つの筺体に収納される場合がある。
【0038】
また、ビデオゲーム装置が、パーソナルコンピュータやワークステーション等を核として構成されている場合、モニタ21は、コンピュータ用のディスプレイに対応する。また、伸張回路7、描画プロセッサ10及び音声プロセッサ11等は、それぞれ記録媒体300に記録されているプログラムデータの一部又はコンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、インターフェース回路4、パラレルポート8、シリアルポート9及びインターフェース13は、コンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウエアに対応する。また、バッファ14〜16はそれぞれメインメモリ5又は拡張メモリの各記憶エリアに対応する。
【0039】
次に、図1に示す各構成要素について説明する。グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、CPU1のいわばコプロセッサとしての役割を果たす。すなわち、グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、座標変換や光源計算、例えば固定小数点形式の行列やベクトルの演算を並列処理によって行う。
【0040】
グラフィックスデータ生成プロセッサ3が行う主な処理としては、CPU1から供給される画像データの2次元又は3次元空間内における各頂点の座標データ、移動量データ、及び回転量データ等に基づいて、所定の表示エリア上における処理対象画像のアドレスデータを求めてCPU1に返す処理、仮想的に設定された光源からの距離やこの光源に対する傾きに応じて画像の輝度を計算する処理等がある。
【0041】
インターフェース回路4は、周辺デバイス、例えばマウスやトラックボール等のポインティングデバイス等のインターフェース用に用いられる。メインメモリ5はRAM(Random Access Memory)で構成される。ROM6にはビデオ育成ゲーム装置のオペレーティングシステムとなるプログラムデータが記憶されている。
【0042】
伸張回路7は、動画に対するMPEG(Moving Picture Experts Group)規格や静止画に対するJPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に準拠したイントラ符号化によって圧縮された圧縮画像に対して伸張処理を施す。伸張処理は、デコード処理(VLC:Variable Length Codeによってエンコードされたデータのデコード)、逆量子化処理、IDCT(Inverse Discrete Cosine Transform)処理、及びイントラ画像の復元処理等を含む。
【0043】
描画プロセッサ10は、所定時間T(例えば、1フレームでT=1/60秒)ごとにCPU1が発行する描画命令に基づいてバッファ14に対する描画処理を行う。
【0044】
バッファ14は、例えばRAMで構成され、表示エリア(フレームバッファ)と非表示エリアとに分けられる。表示エリアは、モニタ21の表示面上に表示するデータの展開エリアで構成される。非表示エリアは、スケルトンを定義するデータ、ポリゴンを定義するモデルデータ、モデルに動きを行わせるアニメーションデータ、各アニメーションの内容を示すパターンデータ、テクスチャデータ及びカラーパレットデータ等の記憶エリアとして構成される。
【0045】
ここで、テクスチャデータは、2次元の画像データである。カラーパレットデータは、テクスチャデータ等の色を指定するためのデータである。CPU1は、記録媒体300から一度に又はゲームの進行状況に応じて複数回に分けて、これらのデータを予めバッファ14の非表示エリアに読み出して記録する。
【0046】
また、描画命令としては、ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令、通常の2次元画像を描画するための描画命令がある。ここで、ポリゴンは多角形の2次元仮想図形であり、例えば、三角形や四角形が用いられる。
【0047】
ポリゴンを用いて立体的な画像を描画するための描画命令は、ポリゴン頂点座標データのバッファ14の表示エリア上における記憶位置を示すポリゴン頂点アドレスデータ、ポリゴンに貼り付けるテクスチャのバッファ14上における記憶位置を示すテクスチャアドレスデータ、テクスチャの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データのそれぞれに対して行われるものである。
【0048】
上記のデータのうち表示エリア上のポリゴン頂点アドレスデータは、グラフィックスデータ生成プロセッサ3がCPU1からの3次元空間上におけるポリゴン頂点座標データを移動量データ及び回転量データに基づいて座標変換することによって2次元上でのポリゴン頂点座標データに置換されたものである。輝度データは、CPU1からの上記座標変換後のポリゴン頂点座標データによって示される位置から仮想的に配置された光源までの距離等に基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3によって決定される。
【0049】
ポリゴン頂点アドレスデータは、バッファ14の表示エリア上のアドレスを示す。描画プロセッサ10は、3個のポリゴン頂点アドレスデータで示されるバッファ14の表示エリアの範囲に対応するテクスチャデータを書き込む処理を行う。
【0050】
ゲーム空間内におけるキャラクタやオブジェクトの物体は、複数のポリゴンで構成される。CPU1は、各ポリゴンの3次元空間上の座標データを対応するスケルトンのベクトルデータと関連させてバッファ14に記憶する。そして、後述するコントローラ19の操作によって、モニタ21の表示画面上でキャラクタを移動させる等の場合において、キャラクタの動きを表現したり、キャラクタを見ている、仮想カメラの視点位置を変えたりするときに、以下の処理が行われる。すなわち、CPU1は、グラフィックスデータ生成プロセッサ3に対してバッファ14の非表示エリア内に保持されている各ポリゴンの頂点の3次元座標データと、スケルトンの座標及びその回転量のデータから求められた各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとを与える。グラフィックスデータ生成プロセッサ3は、各ポリゴンの頂点の3次元座標データと各ポリゴンの移動量データ及び回転量データとに基づいて各ポリゴンの移動後及び回転後の3次元座標データを順次求める。
【0051】
このようにして求められた各ポリゴンの3次元座標データのうち、水平及び垂直方向の座標データは、バッファ14の表示エリア上のアドレスデータ、すなわちポリゴン頂点アドレスデータとして描画プロセッサ10に供給される。
【0052】
描画プロセッサ10は、3個のポリゴン頂点アドレスデータによって示されるバッファ14の表示エリア上に予め割り当てられているテクスチャアドレスデータによって示されるテクスチャデータを書き込む。これによって、モニタ21の表示画面上には、対応するテクスチャの貼り付けられた多数のポリゴンから構成される物体が表示される。
【0053】
通常の2次元画像を描画するための描画命令は、頂点アドレスデータ、テクスチャアドレスデータ、テクスチャデータの色を示すカラーパレットデータのバッファ14上における記憶位置を示すカラーパレットアドレスデータ及びテクスチャの輝度を示す輝度データに対して行われる。これらのデータのうち頂点アドレスデータは、CPU1からの2次元平面上における頂点座標データをCPU1からの移動量データ及び回転量データに基づいてグラフィックスデータ生成プロセッサ3で座標変換することによって得られる。
【0054】
音声プロセッサ11は、記録媒体300から読み出されたADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)データをバッファ15に記憶させる。バッファ15に記憶されたADPCMデータが音源となる。
【0055】
また、音声プロセッサ11は、例えば、周波数44.1kHzのクロック信号に基づき、バッファ15からADPCMデータを読み出す。音声プロセッサ11は、読み出したADPCMデータに対してピッチの変換、ノイズの付加、エンベロープの設定、レベルの設定及びリバーブの付加等の処理を施す。
【0056】
記録媒体300から読み出される音声データがCD−DA(Compact Disk Digital Audio)等のPCM(Pulse Code Modulation)データの場合、音声プロセッサ11は、この音声データをADPCMデータに変換する。また、PCMデータに対するプログラムによる処理は、メインメモリ5上において直接行われる。そして、メインメモリ5上において処理されたPCMデータは、音声プロセッサ11に供給されてADPCMデータに変換される。その後、上述した各種処理が施され、音声がスピーカ23から出力される。記録媒体ドライブ17としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体300としては、DVD−ROM、CD−ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。
【0057】
記録媒体ドライブ17は、記録媒体300から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダ12に供給する。デコーダ12は、記録媒体ドライブ17からデータを再生し、さらに、ECC(Error Correction Code)によるエラー訂正処理を施し、エラー訂正処理を施したデータをメインメモリ5又は音声プロセッサ11に供給する。
【0058】
メモリ18としては、例えばカード型のメモリが用いられる。カード型のメモリは、例えばゲームを中断した場合において中断時点での状態を保持するべく、例えば中断時点での各種ゲームパラメータを保持するため等に用いられる。
【0059】
コントローラ19は、プレイヤが把持可能な形状、例えば棒状の外形を有し、その表面適所に種々の操作部分が設けられている。
【0060】
図2は、コントローラ19の一例を示す外観図である。コントローラ19は、一体型でもよいが、本実施形態では、操作部材19Aと操作部材19Bとから構成されている。操作部材19Aの長尺部の一側面には、先端側から、ボタン192、十字キー193、ボタン194等の操作部材が配設されており、操作部材19Bの一側面には、ジョイスティック195等の操作部材が設けられている。なお、特に区別しない場合には、単に、コントローラ19という。
【0061】
コントローラ19は、プレイヤが種々の操作指令を入力するために使用する操作装置であり、プレイヤの操作に応じた操作信号をCPU1に送出する。コントローラ19は、インターフェース191の他、操作部分としての、押し込み型のボタン192,194、選択的な押し込みによって4方向(十字方向)のいずれかが検出可能な十字キー193、及び360°方向の傾倒方向と角度とが検出可能な操作桿(ジョイスティック)195を備えている。インターフェース191は、例えば、赤外線や電波等による近接通信のための無線信号を送出する回路で構成され、コントローラ19から送出される操作信号を無線信号に変換してインターフェース13に送出する。コントローラ19のボタン192,194及び十字キー193は、外部からの押圧力によって中立位置から押圧されるとオンになり、押圧力が解除されると上記中立位置に復帰してオフになるオンオフスイッチで構成される。
【0062】
コントローラ19は、モニタ21に表示される、後述する育成のための各種の練習項目を示すボタンの選択及びその確定を指令したり、育成のためのイベントにおける練習ゲームの実施に際して各種の操作を指令したりするために使用される。
【0063】
次に、上記の育成ゲーム装置の概略動作について説明する。記録媒体300が記録媒体ドライブ17に装填されている場合、電源スイッチ(図示省略)がオンされてビデオゲーム装置に電源が投入されると、ROM6に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて、CPU1は、記録媒体300から育成ゲームプログラムをメインメモリ5へ読み出すように記録媒体ドライブ17に指示する。これによって、記録媒体ドライブ17は、記録媒体300から画像データ、音声データ及び育成プログラムデータをデコーダ12へ読み出す。読み出された画像データ、音声データ及び育成プログラムデータは、デコーダ12によってエラー訂正処理が各データに施される。
【0064】
画像データは、デコーダ12によってエラー訂正処理が施され、バスライン2を介して伸張回路7に供給される。伸張回路7によって上述した伸張処理が行われた画像データは、描画プロセッサ10に供給され、描画プロセッサ10によってバッファ14の非表示エリアに書き込まれる。音声データは、デコーダ12によってエラー訂正処理が施され、メインメモリ5又は音声プロセッサ11を介してバッファ15に書き込まれる。デコーダ12によってエラー訂正処理が施されたプログラムデータはメインメモリ5に書き込まれる。
【0065】
以降、CPU1は、メインメモリ5に記憶されている育成ゲームプログラム及びプレイヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいてビデオゲームを進行させる。すなわち、プレイヤがコントローラ19を用いて指示する内容に基づいて、CPU1はゲーム状況の変更の制御、及びこれに基づく画像処理の制御、音声処理の制御及び内部処理の制御等を適宜行う。
【0066】
画像処理の制御として、例えば、キャラクタに指示されるアニメーションに該当するパターンデータから各スケルトンの座標の計算又はポリゴンの頂点座標データの計算、得られた3次元座標データや視点位置データのグラフィックスデータ生成プロセッサ3への供給、グラフィックスデータ生成プロセッサ3で求めたバッファ14の表示エリア上のアドレスデータや輝度データを含む描画命令の発行等が行われる。
【0067】
音声処理の制御として、例えば、音声プロセッサ11に対する音声出力コマンドの発行、レベル、リバーブ等の指定が行われる。内部処理の制御として、例えばコントローラ19の操作に応じた演算等が行われる。
【0068】
まず、育成ゲーム装置で行われる育成対象キャラクタの仮想的な育成処理の前提構成及び流れの概要について、図4〜図6を用いて説明する。図4は、野球におけるポジションのツリー構成図である。図5、図6は、育成ゲーム装置においてモニタ21に表示されるゲーム画面の一例を示した図で、図5は、育成ゲームのスタート画面であり、図6は途中画面である。
【0069】
本育成ゲームは、複数のポジションを有するチームにおける各ポジションの選手を仮想的に育成するゲームである。以下、育成対象項目としてスポーツ、特に野球を取り上げ、野球選手を仮想的に育成する場合を例に説明する。図4に示すように、野球競技における各ポジションは、まず、投手と野手とに大別(グルーピング)され、投手は、先発とリリーフとでグルーピングされ、野手は、捕手と内野手と外野手とでグルーピングされる。さらに、リリーフは、中継ぎと抑えとでグルーピングされる。また、内野手は、一塁手と二塁手と三塁手と遊撃手とでグルーピングされ、外野手はレフトとセンターとライトとでグルーピングされる。本ゲームでは、図4に示すように、かかるポジションを予め複数段のツリー構造にグルーピングしている。段数はスポーツによって種々あるが、野球の場合、3段としている。
【0070】
育成行程は、複数の過程に区分(以下、章という)されており、過程数は段数と対応している。すなわち、本実施形態では、1章〜3章と、最終的にポジションが決定された育成対象キャラクタを該ポジションの選手として育成するための4章目が準備されている。3章が終了するまでは、各章の終了時点で、図4に従って、ポジションの絞り込み処理が実行される。従って、プレイヤは、各章の終了時点で、順次ポジションの選択対象が狭められていくことになり、最終的に1つのポジションの選手として決定される。なお、1章から4章までの育成行程は育成対象キャラクタが時間的に成長していく過程でもあり、例えば、以下のような設定が可能である。1章:小学生(4年生〜5年生)、2章:小学生(6年生)、3章:(中学生)、3章:(高校生)。従って、育成対象キャラクタである少年が成長していく過程で、ポジションの詳細も徐々に確定していき、かつ後述の通り、希望通りのポジションを獲得できる場合もあれば、希望しないポジションしか選択できない場合もあるため、プレイヤは自分の人生を育成対象キャラクタへ投影させて、深い感情移入を図れることとなり、従来のゲームにない興趣性を感じることができることとなる。
【0071】
図5、図6において、モニタ21には、背景を描画したゲーム画面210が表示され、これに重畳して複数の円盤状のパネル211(位置標識)が所要間隔を置いて直列に、本実施形態では数珠繋ぎを演出した画像として表示されている。パネル211のいずれか1つには1つの育成対象キャラクタ212が対応付けられ、例えばパネル211に乗るように位置付けされている。図5では始点のパネル211に乗っている態様で、図6では途中のいずれかのパネル211に乗っている態様で表示されている。育成対象キャラクタ212は手前のパネル211から奥行き方向のパネル211へ、すなわち始点のパネル211(図5)から終点のパネル(図5,図6には表れていない)に向けて移動する。パネル211の数は、所定数、本実施形態では50個程度乃至はそれ以上の所定数が準備されている。図5、図6に示すように、各ゲーム画面210は育成対象キャラクタ212が現在位置するパネル211の周辺の数個分のパネル211が表示されるサイズのゲーム空間として表示され、画像の識別性を確保している。ゲーム画面210を描画する仮想カメラは育成対象キャラクタが移動すると、より終点側のパネル211が順次表れるように、育成対象キャラクタの移動と連動するようにして視点の変更が行われる。
【0072】
パネル211のいくつかには選択的に複数の色が設定されている。ここでは、赤色と青色とその他の色である。また、パネル211のいくつかには選択的にイベントオブジェクト213が表示されている。イベントオブジェクト213は所要の種類が準備されており、イベントオブジェクト213と育成対象キャラクタ212との練習イベントとして関連付けられている。例えば、バットの画像の場合、打撃に関する練習であり、グローブを含む画像の場合、特別な守備練習のイベントであり、球場の画像は練習ゲーム(練習試合)である。
【0073】
ゲーム画面210の下部には、所定数、ここでは5個の練習アイコン214の画像が配列されて表示されている。各練習アイコン214には、少なくともパネル211に付される色である赤色及び青色を含む複数種類の色が設定されている。さらに、各練習アイコン214には、練習項目をイメージした画像と数字とが表記されている。練習項目は、図8に示すように複数種類が準備されている。数字は、“1”から所定数までが準備されており、この数字は育成対象キャラクタ212のパネル211に対する移動量(進行数)を表している。進行数としては例えば“1”〜“4”である。コントローラ19によって1つの練習アイコン214が指定されると、指定された練習アイコン214の練習が仮想的に実行される。すなわち、練習アイコン214の指定は、対応する練習項目の実行コマンドの発令として機能する。指定された練習アイコン214はゲーム画面210から消去され、これに代えて新たな練習アイコン214が補充(ゲーム画面210に出現)される。新たな練習アイコン214は所定のルール、好ましくは無作為というルールで選出される。練習アイコン214に表記されている練習項目と色とは対応しており、一方、練習項目と数字とは対応していてもよいし、その都度異なるもの、すなわち対応していなくてもよい。
【0074】
上記において、育成は、練習アイコン214の選択によって進められる。練習アイコン214を選択する毎に1回の練習が仮想的に実行される。育成対象キャラクタ212には複数種類の能力パラメータが設定されている。能力パラメータの種類は、野球競技における各ポジションに適合する能力で、例えば、守備に関する能力、打撃に関する能力及び投球に関する能力等を含む。1回の練習毎に、練習項目に応じた練習成果値が生成される。練習成果値は、能力パラメータの内の1又は複数の能力に関する値として生成される。生成された練習項目値は対応する能力パラメータに積算される。練習成果値は基本的にはプラス値であるが、マイナス値も存在する。練習成果値は練習項目の種類と他の条件、例えばパネル211の色との関係やイベント内容及びその結果によって決定される。
【0075】
能力パラメータの取得状況は、ゲーム画面210の上部の能力パラメータ表示欄215に表示されている。能力パラメータ表示欄215の各練習項目の数値は1回の練習項目が終了する毎に更新される。1回の練習に基づく練習成果値がどの程度かは、成果コメント欄216に表示される。成果コメントは基本文章が予め記憶されており、練習種目、能力パラメータ及び数値が練習成果値に基づいて差し込まれることで作成される。この成果コメント欄216により、プレイヤは今回の練習項目でどの程度能力パラメータが増減したかを大まかに把握することが可能となる。
【0076】
練習アイコン214の色は、図8に示す練習項目の系統に対応している。図8の例示では、1章(小学校4〜5年)は、「野球」〜「自転車」までが赤色、「TVゲーム」〜「TVをみる」までが桃色、「勉強」〜「そのばん」までが紫色であり、実質的に色が系統を表している。2章以降(小学校6年〜高校)では、系統として青色の「ミート系」、水色の「パワー系」、緑色の「走力系」、草色の「肩力系」、橙色の「守備力系」、青色の「エラー回避系」、水色の「球速系」、緑色の「コントロール系」、草色の「スタミナ系」、及び紫色の「変化球育成系」からなっている。なお、練習系統は色で識別する他、種々の方法、例えば練習アイコン214への識別マークや記号の付加、練習アイコン214の形状等が採用可能である。
【0077】
各章における育成は、育成対象キャラクタ212が始点のパネル211から終点のパネル211へ到達するまでであり、各章毎に同様の手順が実行される。育成対象キャラクタ212の始点のパネル211から終点のパネル211へ向けての移動は、プレイヤによって選択された練習アイコン214に表記された数字が反映される。すなわち、育成対象キャラクタ212は現在位置するパネル211から、指定された練習アイコン214に付された数字分のパネル211だけ進む。例えば、育成対象キャラクタ212の現在位置が始点のパネル211に対応付けられている場合において、プレイヤが数字“3”の付された練習アイコン214を選択すると、4番目のパネル211に移動し、対応付けられる。従って、本実施形態によれば、プレイヤに対して、進行方向に存在する各パネル211の色、イベントオブジェクト213の存在の有無とその種類、育成したい能力の種類を考慮すると共に、現に選択可能に表示されている5個の練習アイコン214の練習項目及び数字(進行数)とを睨み合わせて練習アイコン214の選択を行わせるという、高いゲーム興趣性が提供できる。
【0078】
育成対象キャラクタ212は最終的には最後のパネル211に一致するように練習アイコン214を選択し、その章における最後の練習を実行する。このようにして育成対象キャラクタ211は最終パネル211に到達することができる。従って、この育成ゲームでは、選択した練習アイコン214の数字(進行数)如何によって各章での練習回数は不定である。例えば、数字“1”のみであれば50回の練習となり、ほとんど数字“4”を選択した場合、13回程度である。このように、練習回数の多少も育成程度に反映される。
【0079】
最終パネル211での練習が終了すると、プレイヤは、育成対象キャラクタが現に所属するグループの1段下位に含まれる選択対象(グループ又はポジション)の1つをコントローラ19を介して選定(絞り込む)する。例えば、1章(小学校4〜5年)では育成対象キャラクタは仮想的なチームに所属しているのみであり、1章が終了すると、プレイヤが、直ぐ下位のグループのうちからグループの選択を行う。さらに、2章(小学校6年)が終了した時点で、プレイヤが、現在の所属である野手グループのうちから内野手グループの選択を行う。最後に、3章(中学校)が終了した時点で、プレイヤが、現在の所属である内野手グループのうちから三塁手のポジションの選択を行う。このような絞り込みの結果、1つのポジションが特定された後、4章(高校)で、三塁手としての育成が実行される。なお、絞り込みはプレイヤの意向がそのまま反映される態様でもよいし、育成程度を加味して装置側で誘導乃至は一定の制約を付してもよい。
【0080】
次に、育成ゲームを実行する育成ゲーム装置の主要な機能について説明する。図3は、図1に示す育成ゲーム装置のうち、本発明が関連する部分の機能ブロック図である。
【0081】
CPU1は、メインメモリ5(プログラム記憶部51)に記憶されている育成ゲームプログラムを実行することによって、コントローラ19から受信された操作信号をデジタル信号として受け付ける取得部101、育成ゲームの進行に沿った各種ゲーム画像をモニタ21に表示する画像表示制御部102、育成対象キャラクタ212に対する各過程での育成処理を育成ゲームプログラムに基づいて制御する育成処理部103、育成ゲームの全体進行を育成ゲームプログラムに基づいて制御する育成処理進行制御部104、及び育成ゲームの過程終了時に育成対象キャラクタのグループ又はポジションの絞り込み処理を実行する絞り込み部105として機能する。
【0082】
また、CPU1は、メインメモリ5に記憶されている育成ゲームプログラムを実行することによって、育成の一態様であるイベントの実行を行うイベント実行処理部106及び育成処理の終了に伴う育成結果に対する処理を行う結果処理部107として機能する。
【0083】
また、CPU1は、記憶媒体300から取り込まれた各種画像データを記憶する画像記憶部141、育成対象キャラクタの基本的素養を示す資質能力パラメータ及びスポーツに関する能力を表す基本能力パラメータを記憶する育成対象キャラクタデータ記憶部142を有するバッファ14と接続されている。育成対象キャラクタデータ記憶部142に記憶される資質能力パラメータは育成過程の1章で採用され、2章以降では基本能力パラメータが採用される。1章から2章へのパラメータ間の変換方法(例えば変換式として)も併せて記憶されている。各能力パラメータの例を示すと、1章では、「ちから」「すばやさ」「きようさ」「ガッツ(根性)」であり、2章以降では、野手に関する「弾道」「ミート」「パワー」「走力」「肩力」「守備力」「エラー回避値」、及び投手に関する「コントロール」「球速」「各種変化球の曲がり量」「スタミナ」等が、野球ゲームに共通するものとして準備されている。
【0084】
その他、2章以降においては、主にイベント実行等で取得できる特殊(特別)能力も準備されている。特別能力としては、野手に関しては、例えば「威圧感」、「対左投手ミート補正」、「対左投手パワー補正」、「チャンス補正」、「スイングタイミング」、「アベレッジヒッター」、「パワーヒッター」、「チャンスメーカー」、「サヨナラ男」、「逆境」、「流し打ち」、「広角打法」、「内野安打」、「バント」、「満塁男」、「代打男」、「三振男」、「初球打ち」、「固め打ち」、「連打」、「4番バッター」、「アベックアーチ」、「粘り男」、「守備職人」、「盗塁」、「体当たり」、「走塁」、「ホームスライディング」、「送球」、「ブロック」、「ムードメーカー」、「タイムリーエラー」、「初回先頭打者本塁打男」、「捕手リードレベル」、「レーザービーム(返球の素早さ)」、「タックル(力強さ、元気度を表す)」「チャンス強さ」があり、投手に関しては、例えば「威圧感」、「対左打者補正」、「ピンチ」、「打たれ強さ」、「ランナー」、「立ち上がり」、「尻上がり」、「寸前」、「リリース」、「ボールの伸び」、「勝負運」、「牽制」、「打球反応」、「短気」、「四球」、「危険失投率」、「クイック」、「接戦」、「責任感」、「力配分」、「球速安定」、「ポーカーフェイス」等がある。実際の野球ゲームにおいては、前述の基本能力パラメータが反映され、かつ対戦の各場面に応じて、特別能力パラメータの全部又は所要の(効果を発揮する度合いの高い)一部のものが採用される。
【0085】
資質能力パラメータから基本能力パラメータへ置換は、例えば、「ちから」の所定倍が「パワー」や「球速」等に変換され、「すばやさ」の所定倍が「走力」に変換され、「きようさ」の所定倍が「ミート」「守備力」「エラー回避値」「コントロール」に変換され、「ガッツ」の所定倍が「スタミナ」等に変換されることで行われる。なお、以下、特に基本能力、応用能力、特別能力の種類を問わない場合には、単に能力パラメータという。
【0086】
メインメモリ5には、前記プログラム記憶部51の他、グルーピング記憶部52、練習項目記憶部53及び閾値記憶部54を備えている。グルーピング記憶部52は、育成対象である種目の各ポジションをツリー状にグルーピングした内容、本実施形態では、図4に示すツリー構造を各章と対応付けてグルーピング内容として記憶するものである。練習項目記憶部53は、種々の練習項目、本実施形態では図8に示す練習項目を練習系統と関連付けて記憶するものである。図8では、1章での育成過程における練習項目と、2章以降での育成における練習項目とが設定されている。練習項目は全ての章で同一でもよいが、本実施形態では、1章ではスポーツの素養を判断可能な資質能力パラメータが、2章以降ではスポーツに関連する、特に育成対象キャラクタの選手としてのポジションに特徴的に反映される基本能力パラメータが顕在化されて練習項目として設定されている。閾値記憶部54は、3章までの各育成過程の終了時点で行われる絞り込み部105による絞り込み方向を誘導する(逆にいえば規制する)ための閾値であり、1章、2章におけるグループ毎に、3章におけるポジション毎に対応して予め設定されている。
【0087】
取得部101は、コントローラ19からの練習アイコン214の指示信号、イベント発生時の練習試合ゲームを実行するに際して要求される所要の操作に対する操作信号、各章終了時における選択対象の選択信号等を受け付けて、対応する処理部に送信するものである。
【0088】
画像表示制御部102は、図5〜図7、図9に示すゲーム画像や育成終了時の所要の画像の表示を行うものである。具体的には、ゲーム空間に配置された各種のオブジェクトから構成される背景画像、ゲーム空間に配設された各パネル211の画像、育成対象キャラクタ212の画像、イベントオブジェクト213の画像、及び5個の練習アイコン214の画像である。各練習アイコン214は選択可能に表示されたボタンとして機能する。なお、背景画像等は、単に演出用であることから2次元で作成された固定化された画像であってもよい。
【0089】
また、5個の練習アイコン214の画像は、1章の育成過程では、図8の1章に対応する練習項目が採用され、2章の育成過程では、図8の2章〜4章に対応する練習項目が採用される。イベントオブジェクト213の画像も、1章と2章以降とでそれぞれ対応するものを採用してもよいし、あるいは2章以降で採用される態様でもよい。各画像は画像記憶部141に格納されている。また、育成ゲームが進行するに従って、育成対象キャラクタが順次パネル211を終点に向けて移動するため、仮想カメラも連動して移動し、常に育成対象キャラクタ212をゲーム画面210の略中央に描画するようにしている。また、画像表示制御部102は、イベント発生時に行われる、例えば練習試合ゲーム等のゲーム画面(図9)の表示も行う。
【0090】
育成処理部103は、取得部101を介していずれかの練習アイコン214が指定されると、指定された練習アイコン214に対応付けられている練習項目の実行コマンドが発令されたとして扱い、この練習項目の仮想的な実行を行うと共に、練習項目の仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を育成対象キャラクタデータ記憶部142に記憶されている能力パラメータに積算するものである。育成処理部103は、指定された練習アイコン214に対応する練習項目に応じて複数種類の能力のうちの1種類又は所定種類分の能力に対応した練習成果値をそれぞれ生成するものである。練習項目と生成される練習成果値との関係は予め設定されており、かつ他の要素、例えば前述したパネル211の色との関係も考慮して決定される。
【0091】
例えば、1章において、ゲーム画面210に「サッカー」に対応する練習アイコン214が少なくとも表示されている場合において、該練習アイコン214が指定されると、仮想的に「サッカー」の練習が実行されたとして扱われ、練習成果値が生成される。この場合、パネル211が青色であれば、例えば、「すばやさ」「きようさ」「ガッツ」にはそれぞれ所定のプラス値が生成され、一方、パネル211が赤色であれば、例えば、「ちから」には所定の小さなマイナス値が、「すばやさ」「きようさ」「ガッツ(根性)」には青色の場合よりも小さい値が設定される。また、1章において、ゲーム画面210に「そろばん」に対応する練習アイコン214が少なくとも表示されている場合において、該練習アイコン214が指定されると、仮想的に「そろばん」の練習が実行されたとして扱われ、練習成果値が生成される。この場合、パネル211が青色であれば、例えば、「すばやさ」「きようさ」にはそれぞれ所定のプラス値が生成され、一方、パネル211が赤色であれば、例えば、「ちから」「ガッツ」には所定の小さなマイナス値が、「すばやさ」「きようさ」には青色の場合よりも小さい値が設定される。パネル211がその他の色であれば、上述した値の略中間の値が設定される。その他の練習項目についても同様に算定方法が適宜設定されている。
【0092】
また、2章以降において、ゲーム画面210に「ミート系」の「素振り」に対応する練習アイコン214が少なくとも表示されている場合において、該練習アイコン214が指定されると、仮想的に「素振り」の練習が実行されたとして扱われ、練習成果値が生成されるように設定されている。この場合、パネル211が青色であれば、例えば、「弾道」「ミート」には所定のプラス値が生成され、一方、パネル211が赤色であれば、例えば、「走力」「守備力」及び投手用の能力パラメータには所定の小さなマイナス値が、「弾道」「ミート」には青色の場合よりも小さい値が生成され、「パワー」「エラー回避値」にはいずれの場合にも値0が設定される。この結果、「ミート」に大きく影響する「弾道」「ミート」の値が増大し、「ミート」とは関連性の薄い「走力」「守備力」及び投手用の能力パラメータは低評価とされている。また、2章以降において、ゲーム画面210に「守備系」の「ノック」に対応する練習アイコン214が少なくとも表示されている場合において、該練習アイコン214が指定されると、仮想的に「ノック」すなわち守備練習が実行されたとして扱われ、練習成果値が生成されるように設定されている。この場合、パネル211が青色であれば、例えば、「守備力」「エラー回避値」には所定のプラス値が生成され、一方、パネル211が赤色であれば、例えば、「弾道」「パワー」「走力」及び投手用の能力パラメータには所定の小さなマイナス値が、「守備力」「エラー回避値」には青色の場合よりも小さい値が生成され、「肩力」はいずれの場合にも値0となるように設定されている。この結果、「ノック」に大きく影響する「守備力」「エラー回避値」の値が増大し、「ノック」とは関連性の薄い「弾道」「パワー」「走力」及び投手用の能力パラメータは低評価とされている。パネル211がその他の色であれば、上述した値の略中間の値が設定される。
【0093】
また、選択された練習項目と基本能力パラメータの変化分との組合せに連動して、あるいは単に基本能力パラメータの変化分に連動して、対応する特別能力パラメータに対して練習成果値が分配的に設定され、特別能力パラメータの変動がイベント実行以外での練習で反映されるようにしてもよい。他の練習項目についても同様に、それぞれの練習系統に対応した算定方法が適宜設定されている。
【0094】
2章以降の能力パラメータはレベル方向に複数にランク分けされている。ランクは、「A」〜「G」まで準備されており、また、能力の種類に応じて各ランクの値は、「1」〜「15」の幅を有するものから、「1」〜「255」の幅を有するものもある。それぞれの幅は能力の性質に対応して好ましい数値範囲に設定されている。
【0095】
育成処理進行制御部104は、1章〜4章までの全体の進行を制御すると共に、各章において取得部101及び育成処理部103による処理を実行させるものである。また、育成処理進行制御部104は、育成対象キャラクタ212が終点のパネル211に到達すると現在の章を終了したとして、絞り込み処理(1章〜3章)及び付加育成過程(4章)の設定を行うものである。本実施形態では、3章において最終のポジションが決定されるが、決定されたポジションに特化した選手育成が可能なように4章で付加育成過程を設けている。
【0096】
絞り込み部105は、1章、2章の各過程終了時に育成対象キャラクタ212のグループの絞り込み処理を実行すると共に、3章の過程終了時に育成対象キャラクタ212のポジションの絞り込み処理を実行するものである。絞り込み処理は、基本的には、コントローラ19からの指定操作を受け付けて行われ、プレイヤの所望するグループ又はポジションが設定される。図4に示すように、1章終了時点で、「投手」グループか、「野手」グループかの選択が行われる。1章で「投手」グループが選定されている場合、2章終了時点では、その下位に属する「先発」グループか、「リリーフ」グループかの選択が許される。2章で「リリーフ」グループが選定されている場合、3章終了時点で「中継ぎ」ポジションか、「抑え」ポジションかの選択が許される。1章の終了時点で、「野手」グループを選定した場合も同様に、各章の終了時点で、現に所属するグループの下位に属するグループ又はポジションの選定のみが許される。
【0097】
また、絞り込み部105は、図7に示す絞り込みをガイドする絞り込み画面217を表示する。絞り込み画面217には、選択対象としてのグループが表記されたボタン218と、監督(又はコーチ等)を模擬した監督オブジェクト219及び監督オブジェクト219の吹き出しへのコメントが表示される。図7の例では、吹き出しの内容から、2章終了時点であり、選択対象として「捕手」「内野手」「外野手」のいずれのグループも選択可能にされている。
【0098】
さらに、絞り込み部105は、各章の終了時点で、育成対象キャラクタの能力パラメータの取得状況を評価し、現に所属しているグループの下位に属するグループ又はポジションのうち、選定に不適乃至は不許可のグループ又はポジションの有無及び設定を行うようにしている。1章に対しては、「投手」「野手」として選択可能な条件が設定され、2章以降では、各グループ、ポジションとして選択可能な条件が設定されている。閾値は、例えば、1章では「投手」「野手」としての最低限の素養を閾値として予め設定しておき、育成対象キャラクタ212の素養能力毎のパラメータが、あるいは各パラメータにそれぞれ投手用、野手用として設定された係数を乗じて得られた値が閾値を超えているか否かで判断するようにしている。また、2章以降では、各グループ、ポジションに求められる閾値を予め設定しておき、育成対象キャラクタの応用能力毎のパラメータが、あるいは各パラメータにそれぞれ係数を乗じるなどして予め設定された各閾値を超えているか否かで判断するようにしている。なお、1章では閾値を設けない態様としてもよい。
【0099】
また、いずれかが閾値に達していない場合のそれぞれについて、監督オブジェクト219のコメントが予め準備されており、評価結果に基づいて対応するコメントが絞り込み画面217に表示される。例えば、図7において、仮に捕手が不適であった場合には(捕手について閾値に達していない場合には)、捕手以外の選択を誘導するコメント(例えば「捕手は厳しいぞ」など)が読み出されて表示される。なお、閾値に達していないグループ、ポジションを選択候補から外す(選択を禁止する)態様では、ボタン218から選択対象を非表示としてもよく、あるいは、全ての選択肢を表示しておき、プレイヤ(育成対象キャラクタ)が選択肢の中から「捕手」を選択した後に、監督オブジェクト219のコメントとして、「捕手は無理だ。別のポジションを考えろ。」という言葉の表示がなされてもよい。この場合は、プレイヤは別の選択肢を改めて選択することになる。この場合も、上記同様、予め閾値に達していない選択肢をプレイヤが選択した場合に対応する監督オブジェクト219のコメントを準備しておくようにすればよい。この場合には、会話のやりとりのような面白さと、折角、選択したのにも拘わらず拒絶されるという意外性のあるイベントが発生することからゲームとしての興趣性を打ち出すことができる。あるいは選択禁止の場合には、コントローラ19からの指定が該当するグループ、ポジションに一致するか否かを判断し、一致する場合には、指定を受け付けないようにしてもよい。
【0100】
イベント実行処理部106は、育成対象キャラクタ212がイベントオブジェクト213の表示されているパネル211に移動したと判断すると、イベントオブジェクト213の種類に対応する、練習の一態様であるイベントを実行させるものである。イベントには種々の態様が考えられ、CPU1のみで実行され、単に演出表示を行う程度のものや、プレイヤにコントローラ19を介して何等かの操作を求めるイベント練習ゲームに参加させるものがある。CPU1のみで実行されるイベント練習ゲームとしては、練習アイコン214に設定された練習項目が優先して設定され、あるいはイベントオブジェクト213との関連において設定される。例えば、「ノック」の練習アイコン214を選択すると、ノックに対する「守備力」を向上させる練習が仮想的に実行されることになり、「守備力」に関連する能力パラメータの向上が図れる。練習アイコンとイベントオブジェクトと練習成果値としての能力パラメータの増減値との関係はメインメモリ5の所定の記憶部に記憶されている。さらに、練習成果値は、イベントオブジェクト213が対応付けられているパネル211の色が青色、赤色その他の色かでそれぞれ設定されていてもよい。その他の色に対しては基本的には所定のプラス値が設定されており、青色に対しては相対的により大きなプラス値に、赤色に対してはむしろマイナス値が設定されている。
【0101】
図9は、イベント練習ゲームとして、野球ゲームが実施される場合の基本的な画面図である。イベント野球ゲームは、1つの章の終わりに実行される。すなわち、1つの章の最後のパネルのゴールにまで到達した段階で(各学校の卒業時)、それまでの練習等の成果を生かす試合を行うというイメージである。後記の通り、イベント野球ゲームは能力パラメータに影響を与えるので、前述のポジション選択時の選択可否はこのイベント野球ゲームの結果にも依存する。なお、ゲーム性に応じて、イベント野球ゲームを省略することも可能である。イベント野球ゲームにおいては、育成対象キャラクタ212が野手グループに属しているか投手グループに属しているかで、プレイヤが操作する対象が異なる。育成対象キャラクタ212が野手グループに属している場合、プレイヤの操作対象は打者キャラクタとなる。逆の場合には、投手キャラクタとなる。プレイヤの対戦相手はCPU1によって野球ルールに従って制御される相手側チームの各選手キャラクタとなる。操作の結果がプレイヤに優勢であった場合には、高い練習成果値が生成され、逆の場合には、マイナス値が設定される。例えば、プレイヤが打者キャラクタを操作対象とする場合、結果がホームランや安打であった場合には、その状況(例えば走者の有無、最終回か否かなど)及び前記結果から関連する、打者に関する能力パラメータに対して所定のプラスとなる値がそれぞれ生成され、凡打や三振した場合には、同様にして打者に関する能力パラメータに対してマイナスとなる値がそれぞれ生成される。
【0102】
ここで、図9のイベント野球ゲームを簡単に説明する。投手キャラクタ71がボールオブジェクト72をホームベース上に向けて投げ、打者キャラクタ73が、ボールオブジェクト72をバットオブジェクト74により打ち返す野球ゲームである。なお、野手キャラクタ75,75、…は各ポジションに割り当てられている。
【0103】
プレイヤが投手側の場合、プレイヤは球種の設定、投球コースの設定及び投球指示をコントローラ19を介して行う。投球コースの設定は、球種が設定された後、ボールオブジェクト72がホームベース上を通過するまでの間に、ジョイスティック195を傾倒する方向で指定可能にされている。投球コースは、ジョイスティック195の傾倒方向に応じて設定される。
【0104】
一方、プレイヤが野手側の場合、プレイヤは、ミート位置の指定と打撃指示とをコントローラ19を介して行う。打撃位置は、コントローラ19のジョイスティック195を操作することで設定し、打撃指示は、ボタン192を押下操作することで行われる。攻撃側にあるプレイヤは、自分が予想する位置に、または投球後の移動中のボールオブジェクト72を注視しながら、あるいは変化球による軌道変化を予想しながら、かつボールオブジェクト72がホームベースに到達する時点で、ボタン192を押下することで、ボールオブジェクト72を打ち返すことができる。
【0105】
ボールオブジェクト72が打ち返されると、ボールオブジェクト72とバットオブジェクト74との当たり位置及び当たりタイミングに応じて、CPU1によってボールオブジェクト72の打球速さ及び打球方向が計算され、さらに打者側、守備側の各キャラクタに野球ゲームのルールに従った行動がCPU1から指令され、これによって野球を模擬した展開が実現される。一方、ボールオブジェクト72がホームベース上を通過する時点において、打撃位置及び打撃タイミングの少なくとも一方がずれていた場合、空振りとなる。ボタン192が押下されない(打撃指示がない)場合、見送りとなる。
【0106】
イベント野球ゲームでは、プレイヤはゲームに出場している育成対象キャラクタ212を操作対象とする。プレイヤが野手側の場合、所定回数の打席、例えば仮想的な1ゲーム中に回ってくる育成対象キャラクタ212の打席のみが行われる。逆にプレイヤが投手側の場合、例えば、1イニングのみの投打対決として処理される。なお、CPU1側のチームの選手キャラクタの動作は、野球ルールに基づいて行われる他、各動作に対して乱数発生器を用いて発生される乱数値を加味するようにして、CPU1側が有利になることのないように手当している。乱数値は、例えば投手側では、投球コース、変化球の曲がり量に対するぶれであったり、野手側では、ミート位置、打撃指示タイミングに対するぶれであったりする。
【0107】
結果処理部107は、育成処理の終了に伴う育成結果に対する処理を行うものである。4章を終了した時点で、育成対象キャラクタの能力パラメータが、所属ポジションの選手に予め設定されている育成完了条件としての閾値を超えていないと判断された場合、育成失敗として処理される。一方、所定の閾値を満たし、育成が成功したと判断された場合には、他の野球ゲームプログラムを利用して行われる野球ゲームへ出場する野球チームへの登録対象選手として所定の記憶部への登録が許可される。
【0108】
図10〜図12は、CPU1のゲームプログラムによって実行される育成ゲームのフローチャートである。まず、章を示すIが“I=1”にセットされ(ステップS1)、次いで1章における初期セットAが行われる(ステップS3)。初期セットAとしては、ゲーム画面210の設定、パネル211の位置設定、主人公キャラクタの1パネル目への位置設定、少なくとも5個の練習アイコン214の選出を含む。次いで、1章における素養能力項目の設定、対応する練習成果値の生成プログラムの設定処理が行われる(ステップS5)。
【0109】
ここで、練習アイコン214の選択が行われるまで待機し(ステップS7)、いずれかの練習アイコン214が指定されたと判断されると、練習アイコン214を1個補充する処理が行われる(ステップS9)。さらに、選択された練習アイコン214の数字が識別され(ステップS11)、育成対象キャラクタ212の現在のパネル211の位置から識別された数字分だけ終点側へ育成対象キャラクタ212が移動されて表示され、かつ移動後の育成対象キャラクタがゲーム画面210の略中央から外れたかの判定に従って必要な画面のスクロール(仮想カメラの移動)が行われる(ステップS13)。
【0110】
次いで、育成対象キャラクタ212の移動後のパネル211にイベントオブジェクト213が設定されているか否かが判断される(ステップS15)。イベントオブジェクト213が設定されている場合には、所定のイベントが実行され(ステップS17)、練習成果値が生成される(ステップS19)。一方、イベントオブジェクト213が設定されていない場合には、該パネル211の色が、赤色、青色あるいはその他の色かどうかが判断される(ステップS21)。
【0111】
パネル211が赤色でも青色でもなければ、選択された練習アイコン214に対応付けされている練習項目の仮想的な実行が行われた(ステップS23)として扱い、練習成果値Iが生成される(ステップS25)。一方、パネル211が赤色であれば、選択された練習アイコン214に対応付けされている練習項目の仮想的な実行が行われた(ステップS27)として扱い、練習成果値IIが生成される(ステップS29)。また、パネル211が青色であれば、選択された練習アイコン214に対応付けされている練習項目の仮想的な実行が行われた(ステップS31)として扱い、練習成果値IIIが生成される(ステップS33)。そして、対応する能力の種類の能力パラメータに練習成果値が積算される(ステップS35)。
【0112】
続いて、育成対象キャラクタ212が終点のパネル211に達したか否かの判断が行われ(ステップS37)、終点のパネル211に達していなければ、ステップS7に戻って、同様の処理が繰り返される。一方、終点のパネル211に達したのであれば、育成がすべて終了したか否かが、I=4か否かによって判断され(ステップS39)、I=4でなければ、1章〜3章のいずれかの章の終了として、能力パラメータの評価が実行される(ステップS41)。そして、育成対象キャラクタが現に属するグループの下位に属する選択対象のグループあるいはポジションの個々について、現在取得している能力パラメータが、所定の閾値を満たしているか否かが判断され(ステップS43)、満たしている場合、例えば絞り込み画面217(図7)が表示され(ステップS45)、コントローラ19からの指定操作の有無が判断され(ステップS47)、指定されたグループあるいはポジションの設定が行われる(ステップS51)。
【0113】
一方、選択対象のうちのいずれかのグループあるいはポジションについて閾値を満たしていない場合、閾値を満たしていないグループあるいはポジションを指定禁止状態にした絞り込み画面217が表示される(ステップS49)。次いで、コントローラ19からの指定操作の有無が判断され(ステップS47)、指定操作があると、指定されたグループあるいはポジションが設定される(ステップS51)。
【0114】
ここで、I=I+1が実行され(ステップS53)、次の章に進む。ステップS53の処理が終了すると、初期セットBが設定され(ステップS55)、さらに、ステップS55に進んで、2章以降における能力項目(特別能力項目含む)の設定、対応する練習成果値の生成プログラムの設定処理が行われる(ステップS57)。そして、ステップS7に進んで、育成処理が繰り返される。
【0115】
一方、ステップS39でI=4の場合、育成が全て終了したとして、育成結果の評価が能力パラメータが閾値に達しているか否かによって行われる(ステップS59)。閾値に達していなければ、モニタ21に育成失敗の旨の表示が行われ(ステップS63)、育成対象キャラクタ及びその能力パラメータのデータが消去される(ステップS65)。一方、閾値に達していれば、モニタ21に育成成功した旨の表示が行われ、育成キャラクタ及び能力パラメータのデータに対する登録処理が行われる(ステップS67)。この登録処理では、必要に応じて、プレイヤによる選手名や背番号等の入力が可能な態様でもよい。例えば、モニタ21に文字ボタンや数字ボタンが表示され、十字キー193と確定のためのボタン192(又はボタン194)で入力操作を受け付けるようにすればよい。
【0116】
以上、詳細に説明したように、本実施形態においては、ポジションの絞り込みに際して、育成対象キャラクタがそれまでに蓄積した能力パラメータが所望のポジションの閾値を超えていなければ、そのポジションを獲得できないので、各章を進行するそれぞれの期間に、可能な限り能力パラメータを向上させておく必要がある。しかし、練習アイコン214には育成対象キャラクタの移動量(進行数)の数字が記載されているため、所望の練習アイコン214を選択したくても、マイナスの練習成果値が設定されている赤色のパネル211に着地してしまう場合もあるため、その際にはその練習アイコン214を選択できない。場合によっては、全ての練習アイコン214の着地可能なパネル211が赤色という可能性もあり得る。逆に、首尾良く赤色のパネル211を避けることができ、さらには、イベントオブジェクト213のあるパネル211に着地できて、能力パラメータをより上げるチャンスを得られる場合もある。また、練習アイコン214が選択されると、その代わりに新たに別の練習アイコン214が補充されるので、現在の選択可能な練習アイコン214には所望のものがなくても、進行するに従って、新たなチャンスが発生する可能性もある。逆に、不利な練習アイコン214が補充される場合もあり得る。従って、プレイヤとしては、自分の所望するポジションを獲得するために必要な練習(練習アイコン214の選択)をこなしつつも、能力パラメータを不用意に低下させることのないようパネル211の配置と練習アイコン214の進行数とを比較、検討し、さらには、イベントオブジェクト213を有効に活用して能力パラメータを向上させるといった種々のプレイを行い、それらのプレイの集積結果を、各章の最後において、ポジション獲得の可否として確認することができる。この結果、努力が報われ望み通りのポジションを獲得できる場合もあれば、選択ミスや偶然性(補充される新たな練習アイコン214や、練習アイコン214の進行数とパネル2111の配置との相対関係等)によって、ポジションを獲得できない可能性もあるというリスクも有するものであるので、緊張感のある高い趣向性が得られる。さらには、1つのポジションが決定した後の次の章では、より下位の具体的なポジションを決定していくことになり、それを繰り返して最終的なポジションが決定されるので、あたかもプレイヤ自身の人生が順次、決定されていくかのような面白さのある深い感情移入を図れるゲームを実現できる。
【0117】
なお、本発明は、以下の態様が採用可能である。
【0118】
(1)本実施形態では、練習項目の指定を練習アイコンを用いて行ったが、これに限定されず、例えば練習項目を指定する期間に、練習メニューがモニタ21にリスト表示され、その中から適宜選択可能な態様としてもよい。
【0119】
(2)本実施形態では、各章の育成過程をパネル211の個数と練習アイコン214に対応付けられた数字とで設定し、育成回数をある範囲内で不定としたが、予め設定された所定回数になる態様であってもよい。なお、育成の進捗を認識する方法としては、パネル211位置に代えて種々の方法が考えられる。例えば、単に数字のみでもよいし、階段画像を表示し、1段目から順番に1段〜所定段(例えば4段)の飛び範囲で、プレイヤが自由に選択することで、最上階まで登るような表示態様としてもよい。
【0120】
(3)育成対象キャラクタの位置を示すための位置標識として円盤状のパネル211を用いた数珠繋ぎで説明したが、その他、位置特定用のマークであれば特に限定しない。例えば、前述の階段でもよいし、あるいは単に育成対象キャラクタの歩数を計数し、かつ表示する態様でもよい。
【0121】
(4)図6には、パネル211の進路が途中で分岐しているが、いずれ側に進むかはプレイヤが選択可能にされている。すなわち、育成対象キャラクタ212が位置するパネル211から分岐位置までのパネル数を超える数字が表記された練習アイコン214が選択された場合に、進行方向選択画像を表示し、一方への選択を促すようにしてもよい。この場合、プレイヤが十字キー193を操作して一方を指定することで、進む方向が決定されることになる。分岐は二股に限らず三股でもよい。あるいは分岐はなくてもよい。
【0122】
(5)本実施形態では、野球選手の仮想的な育成を取り上げたが、これに限定されず、チーム対戦を行うスポーツであってポジションが決まっており、その役割からグループ化可能なスポーツであるサッカー等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 CPU
101 取得部(受付手段)
102 画像表示制御部(位置標識表示処理手段)
103 育成処理部(育成処理手段)
104 育成処理進行制御部(育成処理進行制御手段)
105 絞り込み部(絞り込み手段)
106 イベント実行処理部(イベント実行処理手段)
107 結果処理部
14 バッファ
141 画像記憶部
142 育成対象キャラクタデータ記憶部(能力パラメータ記憶手段)
19 コントローラ
21 モニタ
210 ゲーム画面
211 パネル(位置標識)
212 育成対象キャラクタ
213 イベントオブジェクト
214 練習アイコン
217 絞り込み画面
218 ボタン
51 プログラム記憶部
52 グルーピング記憶部(グルーピング記憶手段)
53 練習項目記憶部(練習項目記憶手段)
54 閾値記憶部(閾値記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって育成対象種目内の1選手として仮想的に育成する育成ゲームの育成ゲームプログラムにおいて、
前記育成対象種目における各ポジションを複数段のツリー構造にグルーピングして記憶するグルーピング記憶手段、
複数の練習項目を記憶する練習項目記憶手段、
育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶する能力パラメータ記憶手段、
操作部材からの指定が受け付け可能に前記練習項目を前記表示部に表示する受付手段、
前記受付手段を介して指定された練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算する育成処理手段、
前記受付手段及び育成処理手段による各処理を所定の時点まで行う育成処理進行制御手段、
前記所定の時点までを前記グルーピングの段数に応じた数の過程に区分し、各過程終了時点で、前記育成対象キャラクタが現に所属するグループの1段下位に含まれる選択対象の1つを前記操作部材からの操作を受け付けて選定する絞り込み手段、として前記コンピュータを機能させる育成ゲームプログラム。
【請求項2】
前記絞り込み手段は、前記選択対象に対する選定を許可するための閾値を選択対象毎に記憶する閾値記憶手段を備え、育成対象キャラクタの能力パラメータがいずれかの前記選択対象に設定された閾値に達していない場合、その旨の報知を行うことを特徴とする請求項1記載の育成ゲームプログラム。
【請求項3】
前記絞り込み手段は、前記報知に加えて該選択対象の選定を禁止することを特徴とする請求項2記載の育成ゲームプログラム。
【請求項4】
前記育成処理手段は、指定された練習項目に応じて前記複数種類の能力の1種類又は所定種類分の能力に対応した前記練習成果値をそれぞれ生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の育成ゲームプログラム。
【請求項5】
前記受付手段は、各練習項目を示す複数種類の練習アイコンを前記操作部材によって選択可能に前記表示部に表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の育成ゲームプログラム。
【請求項6】
前記受付手段は、前記表示部に所定数だけ前記練習アイコンを表示するものであり、前記操作部材によって指定された練習アイコンを消去し、新たな練習アイコンに更新することを特徴とする請求項5記載の育成ゲームプログラム。
【請求項7】
前記受付手段は、前記新たな練習アイコンを複数の種類のうちから無作為に選出することを特徴とする請求項6記載の育成ゲームプログラム。
【請求項8】
前記表示部に始点から終点まで直列に接続された所定形状を有する複数の位置標識を表示すると共に、前記育成対象キャラクタをいずれかの前記位置標識に対応付ける位置標識表示処理手段として前記コンピュータを機能させ、
前記育成処理手段は、前記練習アイコンに、予め設定された範囲内の数の1つの数字を表記し、指定された練習アイコンに表記された数値だけ前記育成対象キャラクタを現位置の位置標識から終点方向の位置標識に移動させ、
前記育成処理進行制御手段は、前記育成対象キャラクタが前記始点から前記終点まで移動すると前記過程終了時点に達したとすることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の育成ゲームプログラム。
【請求項9】
1又は複数の前記位置標識に種々のイベントを設定するイベント実行処理手段として前記コンピュータを機能させ、
前記イベント実行処理手段は、前記育成対象キャラクタが前記イベントが設定された位置標識に移動したか否かを判断し、前記判断が肯定された場合には前記イベントを練習ゲームとして前記操作部材からの操作に応じて実行させ、前記イベントの実行に応じて練習成果値を生成することを特徴とする請求項8記載の育成ゲームプログラム。
【請求項10】
前記育成処理進行制御手段は、前記最終の過程終了の時点で育成対象キャラクタのポジションを決定した後に付加育成過程を設定し、前記受付手段及び前記育成処理手段に対して前記付加育成過程での育成対象キャラクタの育成処理を行わせることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の育成ゲームプログラム。
【請求項11】
表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって育成対象種目内の1選手として仮想的に育成する育成ゲームの制御方法において、
前記コンピュータのグルーピング記憶手段が、前記育成対象種目における各ポジションを複数段のツリー構造にグルーピングして記憶し、
前記コンピュータの練習項目記憶手段が、複数の練習項目を記憶し、
前記コンピュータの能力パラメータ記憶手段が、育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶し、
前記コンピュータの受付手段が、操作部材からの指定が受け付け可能に前記練習項目を前記表示部に表示し、
前記コンピュータの育成処理手段が、前記受付手段を介して指定された練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算し、
前記コンピュータの育成処理進行制御手段が、前記受付手段及び育成処理手段による各処理を所定の時点まで行い、
前記コンピュータの絞り込み手段が、前記所定の時点までを前記グルーピングの段数に応じた数の過程に区分し、各過程終了時点で、前記育成対象キャラクタが現に所属するグループの1段下位に含まれる選択対象の1つを前記操作部材からの操作を受け付けて選定することを特徴とする育成ゲーム制御方法。
【請求項12】
表示部に表示される育成対象キャラクタをコンピュータによって育成対象種目内の1選手として仮想的に育成する育成ゲーム装置において、
前記育成対象種目における各ポジションを複数段のツリー構造にグルーピングして記憶するグルーピング記憶手段と、
複数の練習項目を記憶する練習項目記憶手段と、
育成対象キャラクタに対応して複数種類の能力及び各能力パラメータを記憶する能力パラメータ記憶手段と、
操作部材からの指定が受け付け可能に前記練習項目を前記表示部に表示する受付手段と、
前記受付手段を介して指定された練習項目の仮想的な実行を行うと共に、前記仮想的な実行に応じて練習成果値を生成し、生成した練習成果値を前記能力パラメータ記憶手段に記憶されている能力パラメータに積算する育成処理手段と、
前記受付手段及び育成処理手段による各処理を所定の時点まで行う育成処理進行制御手段と、
前記所定の時点までを前記グルーピングの段数に応じた数の過程に区分し、各過程終了時点で、前記育成対象キャラクタが現に所属するグループの1段下位に含まれる選択対象の1つを前記操作部材からの操作を受け付けて選定する絞り込み手段とを備えたことを特徴とする育成ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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