説明

育毛の低減

育毛は、育毛周期を変えることなく、育毛を遅延させるほど十分に皮膚を加熱することにより、低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本出願は、米国特許法§119(e)に基づき、米国特許出願番号60/639,082(2004年12月22日出願)の優先権を主張するものであり、これにより、この特許出願の内容全てが参照として組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、哺乳動物類において、特に美容上の目的のために育毛を低減することに関する。
【背景技術】
【0003】
哺乳類の毛髪の主要機能は、環境保護の提供である。しかし、その機能はヒトではほとんど失われており、ヒトの毛髪は、本質的に美容上の理由から、身体の様々な部分で保持又は除去される。例えば、頭皮に毛髪を有することは好まれるが、顔面には好まれない。
【0004】
剃毛、電解、脱毛剤クリーム類又はローション類、ワックス除毛、毛抜き、及び治療用抗アンドロゲン剤類を包含する様々な処置が、不必要な毛髪を除去するために使用されてきた。これら従来の処置は、一般に、それらに付随する欠点を有する。例えば、剃毛は、切り傷を生じることがあり、発毛速度が速まる知覚や毛髪の荒れを残すことがある。剃毛は、また、望ましくない刈り株を残すこともある。他方、電解は、処置領域を長時間毛髪がない状態に保つことができるが、高価で、痛みを伴い、時には瘢痕を残す可能性がある。脱毛剤クリーム類は非常に有効であるが、典型的には、それらが痛みを伴う可能性が高い故に頻繁な使用には適しない。ワックス除毛及び毛抜きは、痛み、不快感、及び短い毛髪の不十分な除去をもたらす可能性がある。最後に、抗アンドロゲン剤類(女性の多毛症を処置するために使用されているもの)は、望ましくない副作用をもたらす可能性がある。
【0005】
育毛の速度及び性質が特定の酵素類の阻害物質類を皮膚に適用することによって変更できることは、以前に開示されている。これらの阻害物質類としては、5−αレダクターゼ、オルニチン脱炭酸酵素、S−アデノシルメチオニン脱炭酸酵素、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ、及びトランスグルタミナーゼの阻害物質類が挙げられる。例えば、米国特許第4,885,289号(ブロイヤー(Breuer)ら)、米国特許第4,720,489号(シャンダー(Shander))、米国特許第5,095,007号(アールワリア(Ahluwalia))、米国特許第5,096,911号(アールワリアら)、及び米国特許第5,132,293号(シャンダーら)を参照のこと。
【0006】
毛嚢の加熱によって育毛を一時的又は恒久的に低減するための様々な物理的方法は光熱機構に依存し、この場合、メラニン組織が光を吸収して大幅な温度上昇を生じさせた結果、タンパク質の変性に関する組織損傷が生じる。前記方法で使用される装置類(例えば、レーザー)は、安全上の懸念を強め、多くの場合、使用中に医療スタッフの存在を必要とすることがある。加えて、暗い色の毛髪が一般にはより多くのメラニンを包含することから、前記装置類は多くの場合、明るい色の毛髪よりも暗い色の毛髪でより有効である。
【0007】
毛球、毛髪峡部(isthmus)及び毛髪漏斗(infundibulum)は、毛嚢の縦断面を構成する3つの単位である。毛球は毛球底部で発生して、立毛筋の付着点に続いている。この毛髪部分は、一般に、皮膚表面より3〜7mm下にあり、真皮内に存在する。この毛髪部分は、マトリックス細胞類、メラノサイト類、及び真皮乳頭から構成されている。マトリックス細胞類は、外側の根のシースと、内側の根のシートの3つの層と、毛幹とを形成する発芽細胞類である線維芽細胞類であり、育毛を変更するために用いられる前記の酵素の阻害物質類の多くは、前記発芽細胞類集団に作用して育毛速度を低下させる場合がある。メラニン(色)産生細胞類は、また、マトリックス領域にも見出される。真皮乳頭は、毛嚢の発育制御に関与するファクターを提供する。前記峡部は、立毛筋の付着点から皮脂腺管の入口までに見出される。前記峡部は、休止期段階から成長期段階へ入るときに毛嚢を再生するのに必要な多能性の幹細胞類を収容する毛嚢の隆起領域を含有する。これらの段階は以下で更に論じる。前記漏斗は毛嚢の残りの部分である。
【0008】
毛髪は、3つの発育段階を有する。成長期段階は、マトリックス細胞類の迅速な発育を特徴とする。これら細胞類は、毛嚢を押し上げて分化させながら、毛幹を形成する。これは、育毛の最も長い段階であって、数ヶ月から数年続くことがある。成長期段階の後、毛髪は、退行期と呼ばれる短期の退行段階に入る。退行期の間、メラノサイト類を包含する毛嚢の下部は、アポトーシス及び縮重を受ける。毛嚢類の下部は、薄い上皮の索(epithelial cord)まで収縮して、上方へ縮退する。退行期の間に、毛嚢の長さはかなり(例えば、その元の長さの約2/3まで)短くなる。真皮乳頭は、およそ立毛筋の高さで終結する。退行期は、一般に約3週間続き、そして毛嚢の下部の有糸分裂及び再吸収の休止を特徴とする。前記乳頭からの血液供給によって提供される栄養分は、この段階で著しく減少し、そして育毛を制御するための生物学的なアプローチには、成長期と実行可能な育毛速度とを維持するのに重要な血液供給に影響を及ぼす剤が包含される。毛髪周期の最終段階は、休止期段階又は休止段階である。この段階は、数週間から数ヶ月続くことがある。毛髪は、マトリックス領域を再編成する上皮細胞分裂が大幅に増加することにより、再び成長期に入る。成長期及び休止期段階の持続時間、並びに各段階における毛髪の数は、体中で異なる。頭皮に産生される長い毛髪は、長い成長期段階によって産生されるが、脚の毛髪は、その成長期の時間がより短くなり且つ休止期がより長くなるため、より短い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一態様では、本発明は、望ましくない哺乳類の(好ましくは、ヒトの)育毛を低減する方法(典型的には美容上の方法)を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記方法は、哺乳動物の皮膚の領域をその育毛の低減が望まれるものから選択する工程と、前記皮膚の領域を加熱して、育毛周期を変更することなく育毛を遅延させる工程とを包含する。前記方法は、毛嚢(例えば、タンパク質の変性をほとんど生じさせない)又はその周りの組織に損傷を与えず、しかも退行期を引き起こさない。
【0011】
別の態様では、本発明は、不必要な哺乳類の(好ましくは、ヒトの)育毛を低減する別の方法(典型的には美容上の方法)を提供する。前記方法は、哺乳動物の皮膚の領域をその育毛の低減が望まれるものから選択する工程と、前記皮膚の領域を加熱して40℃〜55℃の温度に到達させて、育毛の低減を引き起こす工程とを包含する。
【0012】
また別の態様では、本発明は、不必要な哺乳類の育毛を低減するもう1つの方法(典型的には美容上の方法)を提供する。前記方法は、哺乳動物の皮膚の領域をその育毛の低減が望まれるものから選択する工程と、前記皮膚の領域を皮膚表面から約5mm下で測定したときに40℃〜55℃の温度まで加熱して、育毛の低減を引き起こす工程とを包含する。
【0013】
不必要な育毛は、美容上の観点から望ましくない場合があるか、又は例えば、疾患若しくは異常状態からもたらされる場合がある。前記の皮膚の領域は一般に、少なくとも2、5、又は10秒間加熱される。より一般的には、前記の皮膚の領域は、少なくとも30秒間又は1分間、長くとも10分又は30分まで加熱される。
【0014】
これらの方法は、通常の身支度内容の一部として日常的に行うことができる。好ましい応用では、前記処置を、7日間に少なくとも2回又は少なくとも5回、例えば少なくとも1週間の間に1日1回施す。処置の頻度及び期間は、育毛の低減が望まれる皮膚の部位、毛髪の種類(粗い又は細い)、及び処置方法に依存してよい。これらの方法は、レーザー除毛などの他の除毛手順と併せて使用して前記手順の除毛効果を延長させることができる。
【0015】
これらの方法は、一般に安全であり、また例えば哺乳動物の皮膚又は目に損傷を与えない。前記方法は、典型的に、医療スタッフの監督無しで行うことができる。例えば、あるヒーターはカミソリに組み込むことができ、そして皮膚を剃毛中、常に加熱することができる。その上、加熱に用いられる機構に応じて、大面積の皮膚を1回の手順で加熱することができる。更に、加熱に用いられる機構に応じて、前記方法は、暗い色の毛髪と明るい色の毛髪とで、及び暗い色の皮膚と明るい色の皮膚とで、平等に上手く機能することができる。前記の皮膚の領域を加熱できる様々な方法は、本発明の実施形態であり、且つ発明を実施するための最良の形態の項で論じる。
【0016】
いくつかの実施形態では、これらの方法は、育毛を低減する化合物を包含する皮膚科学的に許容可能な組成物を前記の皮膚の領域に適用することを更に包含する。前記化合物は、例えば、α−ジフルオロメチルオルニチン、トリプトライド、脈管形成阻害物質、又はメタロプロテアーゼ阻害物質であってよい。
【0017】
別の態様では、本発明は、不必要な哺乳類の(好ましくは、ヒトの)育毛を低減する別の方法(典型的には美容上の方法)を提供する。前記方法は、哺乳動物の皮膚の領域をその育毛の低減が望まれるものから選択する工程と、前記皮膚の領域を40℃〜55℃の温度まで加熱して育毛の低減を引き起こす工程とを包含する。
【0018】
また別の態様では、本発明は、不必要な哺乳類の(好ましくは、ヒトの)育毛を低減するまた別の方法(典型的には美容上の方法)を提供する。前記方法は、(a)哺乳動物の皮膚の領域をその育毛の低減が望まれるものから選択する工程と;(b)前記の皮膚の領域に、育毛を低減する化合物を包含する皮膚科学的に許容可能な組成物を適用する工程と;及び(c)工程(b)の24時間以内に、前記の皮膚の領域を、前記組成物を適用しない場合には育毛が著しく低減されることのない、十分に低いエネルギー(例えば、10J/cm2未満、好ましくは5J/cm2未満)で作動するレーザー、フラッシュランプ、又はIPL装置で処置する工程とを包含する。
【0019】
別の態様では、本発明は、不必要な哺乳類の(好ましくは、ヒトの)育毛を低減するまた別の方法(典型的には美容上の方法)を提供する。前記方法は、(a)哺乳動物の皮膚の領域をその育毛の低減が望まれるものから選択する工程と;(b)前記の皮膚の領域に、磁性酸化物ナノ粒子類を包含する皮膚科学的に許容可能な組成物を適用する工程と;及び(c)1週間以内(例えば、24時間又は1時間以内)に、前記皮膚の領域を、熱を発生させるために交流磁界で処置する工程とを包含する。前記の熱は、前記皮膚及び/又は毛嚢の温度を例えば40℃〜55℃まで上昇させて前記の効果を達成し得るか、あるいは前記の皮膚及び/又は毛嚢の温度を、毛髪を破壊し得る高温まで上昇し得る。
【0020】
別の態様では、本発明は、不必要な哺乳類の(好ましくは、ヒトの)育毛を低減するまた別の方法(典型的には美容上の方法)を提供する。前記方法は、(a)哺乳動物の皮膚の領域をその育毛の低減が望まれるものから選択する工程と;(b)前記の皮膚の領域に、赤外光を吸収するナノシェル類を包含する皮膚科学的に許容可能な組成物を適用する工程と;及び(c)1週間以内(例えば、24時間又は1時間以内)に、前記の皮膚の領域を、熱を発生させるために赤外光(例えば、近赤外光)で処置する工程とを包含する。前記熱は、前記皮膚及び/又は毛嚢の温度を、例えば40℃〜55℃まで上昇させて前記の効果を達成し得るか、あるいは前記皮膚及び/又は毛嚢の温度を、毛髪を破壊し得る高温まで上昇し得る。
【0021】
低減された育毛は、定量的には、処置した領域での短くなった毛髪の長さ、小さくなった毛髪の直径、軽減された毛髪の色素沈着、及び/又は低下した毛髪密度によって実証され得る。低減された育毛は、美容上では、処置した領域での目に見え難い毛髪、より短い無精ひげ、より細い/より薄い毛髪、より柔らかな毛髪、及び/又はより長持ちする剃毛によって実証され得る。
【0022】
本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに請求項から明白であろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
様々な機構を用いて皮膚を40℃〜55℃の温度まで加熱することができる。
1つの機構は、加熱装置を皮膚に適用するものである。加熱装置は、例えば電池又は電動式であってよい。このような装置の例は、米国特許第3,569,666号、米国特許第4,021,640、及び米国特許第4,950,868号に記載されている。これら特許における装置の記載を参照として組み込む。前記装置はまた、単に、例えば皮膚への適用前にそれ自体をオーブン内で加熱する物体であってもよい。幾つかの実施形態では、加熱装置が電池又は電動式である場合、前記装置はまた、冷却ユニットを包含しない。
【0024】
前記装置は、例えば剃毛中に、使用されてよく、そして電気カミソリ又は水を使うシェーバー内に組み込まれてあってもよい。電気カミソリ自体が電池又は電動式であってもよい。例えば、加熱装置は、電池を用いて、皮膚と接触する加熱要素に連結する抵抗器を加熱する、剃毛/脱毛装置の一部であることも可能である。
【0025】
レーザー、フラッシュランプ又はIPL装置を使用して皮膚を加熱してもよい。レーザーは、ダイオードレーザー、又は固体レーザー、例えば量子カスケードレーザー類;気体レーザー類、例えばイオンレーザー(金属蒸気レーザー類を包含する);及び色素レーザーであってよい。レーザーは連続波モード、パルスモード又は超高速モードで作動されてもよい。レーザーは、電流、ランプ又は別のレーザーによってポンピングされてもよい。光は、光ファイバー類又は光導波路によって皮膚に送達されてもよい。レーザーは、出力レベルを軽減する光学フィルター類を包含してもよい。使用可能なレーザーの一例は、低エネルギーのヘリウム−ネオンレーザー(632.8nm)である。
【0026】
皮膚を加熱するために使用できる光源又は光熱供給源の例としては、700〜1300nmの波長範囲(例えば、810±25nm)のダイオードレーザー、654nmのルビーレーザー、755nmのアレキサンドライトレーザー、1064nmのNd:YAGレーザー、600〜850nmのNd:YAGレーザー、パルス光、超短パルス光、又は400〜1200nmの波長範囲のフラッシュランプ、550nm、580nm若しくは615〜1200nmの蛍光パルス光、400〜700nmの波長範囲の発光ダイオード(LED)、並びに高周波電気エネルギーと組み合わせた光(580〜980nm)若しくはダイオード(800+25nm)エネルギーが挙げられる。前記装置のエネルギー出力(J/cm2)は、例えば、0.5〜50J/cm2、2〜20J/cm2、又は1〜10J/cm2であり得る。
【0027】
皮膚及び毛嚢の加熱を達成する他のレーザー並びに光源のパラメータ類としては、パルス幅、スポットサイズ、及び繰り返し率が挙げられる。これらパラメータに関する範囲は、用いられる光源又はレーザー源に依存する。パルス幅は、例えば0.1ms〜500msまでの範囲であり得るか、又はそれは、米国特許第6,273,884号に記載されているように、連続波(CW)であり得る。
【0028】
皮膚及び/又は毛嚢はまた、磁性酸化物ナノ粒子類を皮膚に適用した後、皮膚を交流磁界に曝露して熱を発生させることによって加熱されてもよい(エイキャド・ラジオール(Acad Radiol)2002年、9:198頁〜202頁)。酸化物ナノ粒子類の例としては、無毒性磁鉄鉱の酸化鉄類(Fe34)、強磁性微粉末類、超常磁性の磁性流体類(市販の造影剤である超常磁性体酸化鉄類(Ferrumoxides)の注射剤、エンドエルム(Endoerm))が挙げられる。磁性流体類は、コーティングされた磁性粒子類の水性コロイド懸濁液類である(コーティング類には、アニオン性界面活性剤、デンプン又はデキストランが包含される)。前記のコーティングされた粒子類は、水や水性製剤類中に、及び液体又は固体化ゲル類中にも懸濁することができる。典型的な粒径は10〜350nmの間である。加えて、カチオン性リポソーム膜を有するサブミクロン磁性粒子類(磁性カチオン性リポソーム類)又は中性のリポソーム膜類を有する磁性粒子類(マグネトリポソーム類)を用いて、毛嚢などの標的組織を、周囲の組織を損傷することなく選択的に加熱することもできる(キャンサー・サイエンス(Cancer Sci.)第94巻、第9号、834〜39頁、2003年)。正確な温度制御は、磁場強度を操作することによって遂行することができる(キャンサー・サイエンス(Cancer Sci.)第94巻、第3号、311〜313頁、2003年)。磁気の影響を受け易い粒子類を用いることによって毛嚢組織を失活させる方法が、米国特許第6,074,385号に記載されている。皮膚はまた、ナノ粒子類と対照して、光を吸収するナノシェル類を適用することによって加熱されてもよく、例えば、金属ナノシェル類は、赤外光及び近赤外光の強い吸収体である。ナノシェル類は、赤外光を吸収して、最初にナノシェル類で処置した前記皮膚の領域の制御された局部的な加熱を提供する。ナノシェル類及びナノシェル類を加熱する方法類は、例えば、米国特許出願公開2002/0169235、米国特許出願公開2002/0103517、及び米国特許出願公開2003/0118657に開示されており、これらを本明細書中に参照として組み込む。ハーシュ(Hirsch)らのPNAS、第100巻、第23号、13549〜54頁も参照のこと。赤外光を吸収するナノシェル類の具体例としては、薄い金属製コアで被覆された誘電体コアから成る複合球状ナノ粒子類が挙げられ、前記金属製コアは通常、金である(癌検査及び治療における技術(Technology inCancer Research and Treatment)、第3巻、第1号、2004年、33〜40頁)を参照のこと。ナノ粒子類又はナノシェル類は、一般に、好適なビヒクル中で皮膚に適用される。ビヒクルは、例えば、コロイド懸濁液、リポソーム製剤、軟膏、クリーム又はゲルであってよい。ビヒクルはまた、ナノ粒子又はナノシェルを均一な懸濁液中に保持するためにナノ粒子又はナノシェルの密度に適合する粘度に処方された水中油型又は油中水型エマルションであってもよい。ビヒクルは、例えば、0.1重量%〜20重量%のナノ粒子類又はナノシェル類を包含してもよい。
【0029】
皮膚はまた、皮膚と接触する前に活性化される発熱性の熱分散材料を用いて加熱することもできる。これらの材料は公知であり、混練により、又は空気に曝露させることにより(例えば、前記材料を包含する内側の袋に穴を開けることにより)活性化して化学反応を開始してもよい。前記材料としては、例えば、鉄粉末と、水と、セルロースと、バーミキュライト活性炭と、塩との混合物を挙げることができる。この材料は、空気透過性の布の層と、通気孔を備えた不浸透性のフィルム層とを有する、積層された袋の中に封入することができ;米国特許第3,976,049号を参照し、この特許を参照として組み込む。前記材料は、任意に、シェーバー又は除毛剤中に包含されてもよい。
【0030】
皮膚を加熱するための他の機構としては、マイクロ波装置、超音波装置、超音波高周波数(高周波)装置、可撓性サーモホイルを包含する装置、発光ダイオード装置、除毛装置に組み込まれたヒーター、電池作動式ヒーター装置、及び皮膚と接触する温められた空気又は液体を生成する装置を用いることが挙げられる。
【0031】
前記の皮膚の領域は、例えば顔面であってよく、また顔のひげ領域、すなわち、頬、首、上唇及びあご、脚、腕、胴体、腋窩、又は恥部を包含してもよい。前記方法は、多尿症又は他の状態にある女性の不必要な毛髪の発育を低減するのに使用でき、並びに毛髪の視感度や夕刻に目立ってきたひげを軽減することにより剃毛の効果を向上して、より長持ちする剃毛又はより滑らかな皮膚の知覚を促進するために使用することができる。前記方法は、育毛速度を低下させることに加えて、毛髪をより薄く、より柔らかく、且つより薄い色にすることによって毛髪の外観及び/又は感覚を軽減するのに使用することができる。前記方法は、ワックス除毛、機械式脱毛、化学的除毛、電解及びレーザー補助脱毛を包含する他の脱毛法に補助として使用されてもよい。
【0032】
ヒトでは、前記方法を、例えば1日1回又は2回使用することで育毛が低減した知覚を得ることができる。育毛が低減した知覚は、早ければ使用後24時間又は48時間(例えば、通常の剃毛の間隔)で起こり得るか、又は例えば3か月まで続くことがある。育毛の低減は、例えば、育毛の速度が遅くなるか、除去の必要性が軽減されるか、対象者が処置部位に毛髪が少ないことを感知するか、又は定量的には、除去された毛髪の重量(すなわち、毛髪の量)が減少するときに実証される。
【0033】
特定の機構によって加熱することで達成される皮膚の温度は、一般に、次のようにして決定することができる。平均的な体温を有する対象者を25℃の温度の部屋に入れる。0.23mm(0.009−インチ)直径の熱電対を皮膚のある領域に入れる。熱電対の出力をナショナル・インスツルメンツ(National Instruments)SCXI−1112熱電対信号調節器に繋ぐ。ナショナル・インスツルメンツ(National Instruments)6052Eデータ集録ボードは、秒当たり333キロ−試料の最大獲得速度を有するものであり、データ集録と信号ゲインが制御される。SCXI−1112とNI 6052E DAQとの組み合わせは、8個の熱電対出力までを秒当たり42キロ−試料の速度で同時に検出することができる。このサンプリング速度は、例えば1000個の試料/秒で遂行できる。
【0034】
同様の方法を用いて、真皮領域の温度範囲を決定する。この場合、熱電対は、生体外ヒト皮膚の約5mmの深さに挿入して、処置は皮膚表面に適用する。
【0035】
前記方法はまた、育毛速度を低減する化合物を1つ以上包含する組成物類の適用と併せて使用することもできる。育毛阻害組成物は、熱処置前に、それと併せて、又はその後で適用することができる。例えば、育毛阻害組成物は、熱を加える24時間前〜1週間前に適用することができる。
【0036】
前記組成物は、前記化合物(単数又は複数)と、皮膚科学的に許容可能なビヒクルとを包含する。前記組成物は、固体、半固体、又は液体であってよい。前記組成物は、例えば、軟膏、ローション、フォーム、クリーム、ゲル、又は溶液の形態の、例えば、美容上の及び皮膚科学的な製品であってもよい。前記組成物はまた、剃毛用の調製物又はアフターシェーブの形態であってもよい。ビヒクル自体は不活性であり得るか、又はそれ自体の美容上、生理学上及び/若しくは製薬上の利益を有することができる。
【0037】
育毛速度を低減することができる化合物類、及び前記化合物類を包含する組成物類は、例えば、米国特許第4,720,489号(シャンダー(Shander))、米国特許第4,885,289号(ブロイヤー(Breuer)ら)、米国特許第5,095,007号(アールワリア(Ahluwalia))、米国特許第5,096,911号(アールワリアら)、米国特許第5,132,293号(シャンダーら)、米国特許第5,143,925号(シャンダーら)、米国特許第5,328,686号(シャンダーら)、米国特許第5,364,885(アールワリアら)、米国特許第5,411,991(シャンダーら)、米国特許第5,444,090号(アールワリア)、米国特許第5,455,234号(アールワリアら)、米国特許第5,468,476号(アールワリアら)、米国特許第5,474,763号(シャンダーら)、米国特許第5,554,608号(アールワリアら)、米国特許第5,648,394号(ボクサール(Boxall)ら)、米国特許第5,652,273号(ヘンリー(Henry)ら)、米国特許第5,674,477号(アールワリアら)、米国特許第5,728,736号(シャンダーら)、米国特許第5,840,752号(ヘンリーら)、米国特許第5,908,867号(ヘンリーら)、米国特許第5,939,458号(ヘンリーら)、米国特許第5,958,946号(スチジンスキ(Styczynski)ら)、米国特許第5,962,466号(スチジンスキら)、米国特許第6,020,006号(スチジンスキら)、米国特許第6,037,326号(スチジンスキら)、米国特許第6,060,471号(スチジンスキら)、米国特許第6,093,748号(アールワリアら)、米国特許第6,121,269号(ヘンリーら)、米国特許第6,235,737号(スチジンスキら)、米国特許第6,239,170号(アールワリアら)、米国特許第6,248,751号(アールワリアら)、米国特許第6,299,865号(スチジンスキら)、及び米国特許第6,414,017号(アールワリアら)に記載されている。これらの特許を参考として組み込む。育毛を低減するのに使用できる他の化合物類、及び前記化合物(単数又は複数)を包含する組成物類は、例えば、米国特許出願番号(U.S. Serial No.)09/893,252(スチジンスキ(Styczynski)ら)、米国特許出願番号10/145,283(ウォン(Hwang)ら)、米国特許出願番号10/198,219、米国特許出願番号10/347,987(スチジンスキら)、米国特許出願番号10/397,132(ジャーディーン(Jardien)ら)、米国特許出願番号10/397,625(アールワリア(Ahluwalia)ら)、米国特許出願番号10/636,466(ウォンら)、及び米国特許出願番号10/721,118(ウォンら)に記載されている。これらの出願は全て、本出願の所有者が所有しており、そして参考として組み込まれる。
【0038】
前記組成物中の前記化合物の濃度は、飽和溶液までの広範囲にわたって変えることができ、好ましくは0.1重量%〜30重量%まで、又は更にそれ以上であり、育毛の低減は、皮膚の単位面積当たりに適用される化合物の量が増加すると、増強する。有効に適用される最大量は、前記化合物が皮膚に浸透する速さによってのみ限定される。有効量は、例えば、皮膚1平方センチメートル当たり10〜3000マイクログラム以上の範囲であってもよい。
【0039】
ビヒクルは、不活性であり得るか、又はそれ自体美容上、生理学上及び/又は製薬上の利益を有することができる。ビヒクルは、液体又は固体皮膚軟化剤類、溶媒類、増粘剤類、保湿剤類及び/又は粉末類と共に配合することができる。皮膚軟化剤類としては、ステアリルアルコール、ミンク油、セチルアルコール、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ポリエチレングリコール、石油ゼリー、パルミチン酸、オレイン酸、及びミリスチン酸ミリスチルが挙げられる。溶媒類としては、エチルアルコール、イソプロパノール、アセトン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、及びジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0040】
前記組成物は任意に、前記化合物の皮膚への及び/又は作用部位への浸透を増進させる構成成分を包含することができる。浸透増進剤の例としては、尿素、ポリオキシエチレンエーテル類(例えば、ブリジ(Brij)−30及びラウレス(Laureth)−4)、3−ヒドロキシ−3,7,11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン、テルペン類、シス−脂肪酸類(例えば、オレイン酸、パルミトレイン酸)、アセトン、ラウロカプラム、ジメチルスルホキシド、2−ピロリドン、オレイルアルコール、グリセリル−3−ステアレート、プロパン−2−オール、ミリスチン酸イソプロピルエステル、コレステロール及びプロピレングリコールが挙げられる。浸透増進剤は、例えば、0.1重量%〜20重量%、又は0.5重量%〜5重量%の濃度で添加できる。
【0041】
前記組成物は、また、前記化合物の連続的な持続放出を提供するために、皮膚の内部又はその表面上に容器を提供するように配合することもできる。前記組成物はまた、皮膚からゆっくりと蒸発して、前記化合物が皮膚に浸透するための余分の時間を取れるように配合することもできる。
【0042】
ヒト毛嚢発育アッセイ:
成長段階(成長期)のヒト毛嚢を、美容整形組織(形成外科医らから入手したもの)から手術用顕微鏡下で、外科用メスと時計職人用の鉗子を用いて単離した。皮膚は、2〜3列の毛嚢を露出する薄片に切断されて、それは容易に裂くことができる。毛嚢は、L−グルタミン2mM、インスリン10μg/mL、ヒドロコルチゾン10ng/mL、ペニシリン100単位、ストレプトマイシン0.1mg/mL、及びアンホテリシンB 0.25μg/mLを補充した0.5mLのウィリアムズE培地(ライフ・テクノロジーズ(Life Technologies)、ガイーザースバーグ(Gaithersburg)、MD.)に入れた。毛嚢は、5%CO2及び95%空気の雰囲気下、24穴プレート(1毛嚢/穴)において37℃でインキュベートした。「熱」処置後、各毛嚢は、細胞培養プレートに穴当たり1個入れて、37℃の組織培養恒温器内で貯蔵した。毛嚢を24穴プレートにおいて手術用顕微鏡の下で10倍の観察倍率で撮影した。典型的に、画像記録は、0日目(毛嚢を培養液に入れた日)と7日目に再度実施した。毛嚢の長さは、画像解析ソフトウェアシステムを用いて評価した。毛髪線維の成長は、7日目に求められた毛嚢の長さから0日目の毛嚢の長さを差し引くことで算出した。マルチスケール・ステージ・マイクロメーター(チタン・ツール・サプライ社(Titan Tool Supply Co., Inc.))は、毛嚢と同じ拡大倍率で画像化して、長さ較正標準の役割を果たした。マイクロメーターの最小目盛りは25μmであった。毛嚢の長さ測定は、マイクロメーター較正に基づくIMAQヴィジョン・ビルダー(Vision Builder)で行い、そして更なる統計分析のためにマイクロソフト・エクセル(Microsoft Excel)ファイルで保存した。
【0043】
毛髪周期の退行期段階は、細胞成長と色素沈着の終点、真皮乳頭とマトリックス細胞の間での接触が無くなること、並びにアポトーシスによって真皮乳頭から離れていくマトリックス領域の収縮で示される。退行期の成長は、毛嚢球領域の伸び、すなわち真皮乳頭の底部と毛幹との間の距離に基づいて測定される。球は、伸びが高用量レーザーから平均の2つの標準誤差を差し引いたものの平均以上であった場合、退行期にあると定義された。
【0044】
毛嚢(1回に6個の毛嚢)を、鉗子を用いて、規定の(高い)温度に平衡化した培地に完全に浸漬した。規定時間終了時に、毛嚢を加熱した培地から取り出して、室温培地又は0℃に冷却した培地のいずれかに入れた。室温培地に入れた前記毛嚢は、全ての毛嚢が処置されるまで培地中に放置し、そしてその後、37℃の恒温器に入れた。処置後冷却された前記毛嚢は、規定時間の間、0℃培地に入れた後、全ての毛嚢が処置されるまで室温培地に戻した。
【実施例】
【0045】
実施例1
毛嚢を室温(22〜25℃)、37℃、45℃、55℃、及び60℃の温度の培地に1分間入れた。表1は、示されるように、処置後5日間の毛嚢の成長と伸びの測定値を包含する。毛嚢を室温培地内でインキュベートした場合には僅かに成長が低下したが、37℃インキュベーション(皮下組織領域での生理学的な毛嚢の温度)による効果はなかった。45℃ではほぼ50%低下し、55℃では70%低下し、そして60℃では毛髪線維の成長が完全に阻害された。これら毛嚢では退行期の発達はなかった。退行期の発達は、毛幹の底部から毛嚢の底部までの毛嚢の球領域の伸びにより決定された。
【0046】
【表1】

【0047】
実施例2
毛嚢を、45℃、50℃、55℃及び60℃で10秒間加熱して、成長を調べた。結果を表2に示す。45℃で加熱した場合に5日間に亙って25%の発育低下が見られた。毛嚢を50℃及び55℃に10秒間加熱することは、成長を60%まで低減するのに十分であった。毛嚢を60℃に10秒間暴露することは、育毛を完全に阻害するのに十分であった。これらの温度で10秒間加熱した毛嚢には退行期の発達を示す証拠はなかった。
【0048】
【表2】

【0049】
実施例3
毛嚢を熱に10秒間又は30秒間曝露した後、0℃の培地に10秒間入れた。毛嚢を0℃の培地に入れることは、育毛にほとんど又は全く効果がなかった(表3を参照のこと)。毛嚢を60℃で加熱するまで、育毛は阻害されなかった。より低温では、40℃及び50℃で毛嚢に生じるあらゆる変化が、加熱プロセス直後に適切に冷却されることで、逆行又は阻止され得ると考えられる。とはいえ、毛嚢を10秒間冷却することは、毛嚢を60℃で10秒間加熱することによって生じた変化を抑えるには十分ではない。
【0050】
【表3】

【0051】
最後に、毛嚢を30秒間加熱した後、0℃で10秒間冷却した。結果を表4に示す。
【0052】
【表4】

【0053】
毛嚢を45℃で30秒間加熱することは、30%の育毛低減を生じさせるのに十分であった。育毛阻害量は、毛嚢を曝露する温度が高くなるにつれて増加した。毛嚢を短時間でも60℃に暴露すると、冷却では、加熱によって生じた変化を抑制することができなかった。
【0054】
毛嚢細胞の状態に関する加熱効果を評価するために、モルホロジーと増殖速度を分析した。各群当たり12個の毛嚢を分析した。+45℃に曝露した毛嚢(HF)の組織学的なモルホロジー(histomorphology)は無変化のままであった。しかしながら、45℃加熱に曝露した毛嚢は、PCNAの検出によって決定すると、対照毛嚢に比べて(HF当たり92個)、毛髪マトリックス内に有意に(p<0.01)より少ない数の増殖細胞を含有していた(HF当たり49個の細胞)。これらの観測結果は、熱(+45℃)が、毛嚢構造に視覚的変化を伴うことなく、細胞増殖を抑制し、引いては毛幹の伸びの遅延につながることを示唆している。平均的な育毛速度は72時間以内に回復するようであり、このことは、低加熱が、プログラム細胞死及び毛髪周期の変化と関連する形態学的又は生理学的な効果を伴わない発育速度の一時的な低下を誘発することを示している。
【0055】
α−ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)などの育毛を低減する化合物類は、レーザーと組み合わせて使用すると、レーザーによる毛髪阻害に必要なフルエンス閾値を低下させた。従って、育毛阻害に有効でないDFMOの投与量、並びに育毛阻害の実現に有効でないレーザーフルエンスは、組み合わせて使用すると、育毛阻害を促進するように相乗的に作用することが実証された。
【0056】
他の実施形態は、特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物における育毛低減方法であって、前記方法が:
毛髪が成長周期に従って発育する哺乳動物から、及び前記毛髪の育毛の低減が望まれる哺乳動物から、該哺乳動物の皮膚の領域を選択する工程;並びに
前記の皮膚の領域を、前記毛髪の成長周期を変更することなく育毛を遅延させるのに十分な温度まで加熱する工程を含むことを特徴とする育毛低減方法。
【請求項2】
前記の皮膚の領域を、55℃未満の温度まで加熱することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の皮膚の領域を、40℃〜50℃の温度まで加熱することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記の皮膚の領域を、少なくとも1分間加熱することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記加熱工程が、7日間に少なくとも2回遂行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記加熱工程が、剃毛装置内に組み込まれたヒーターを用いて遂行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記加熱工程が、レーザーを用いて行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記加熱工程が、冷却要素を包含しない装置を用いて遂行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記装置がレーザーであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記装置が、照射前に皮膚表面に適用されるナノシェル類と組み合わせて用いられる赤外線光源であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記毛髪が、アンドロゲン刺激に応答して発育することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記の皮膚の領域が、ヒトの顔面であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記の皮膚の領域が、ヒトの腋窩又は脚であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記加熱工程の24時間以内に、前記の皮膚の領域に、育毛を低減する化合物を包含する皮膚科学的に許容可能な組成物を適用する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記化合物が、α−ジフルオロメチルオルニチン、トリプトライド、及びコーヒー酸フェニルエステルから成る群より選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記化合物が、脈管形成阻害物質類及びメタロプロテアーゼ阻害物質類から成る群より選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
哺乳動物における育毛低減方法であって、前記方法が:
毛髪が成長する哺乳動物から、及び前記毛髪の育毛の低減が望まれる哺乳動物から、該哺乳動物の皮膚の領域を選択する工程;並びに
前記皮膚の領域を、育毛の低減を引き起こすために40℃〜55℃の温度に加熱する工程を含むことを特徴とする育毛低減方法。
【請求項18】
前記の皮膚の領域を52℃未満の温度まで加熱することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記の皮膚の領域を50℃未満の温度まで加熱することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記加熱工程の24時間以内に、前記の皮膚の領域に、育毛を低減する化合物を包含する皮膚科学的に許容可能な組成物を適用する工程を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記の皮膚の領域を、少なくとも1分間、前記温度まで加熱することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記加熱工程が、7日間に少なくとも2回行われることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記加熱工程が、レーザーを用いて遂行されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記加熱工程が、剃毛装置に組み込まれたヒーターを用いて遂行されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記加熱工程が、加熱要素を包含しない装置を用いて遂行されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項26】
前記の皮膚の領域がヒトの顔面であることを特徴とする請求項17に記載の方法。

【公表番号】特表2008−523158(P2008−523158A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547019(P2007−547019)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/046098
【国際公開番号】WO2006/069048
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(500006524)ザ ジレット コンパニー (14)
【Fターム(参考)】