説明

育苗箱選別方法及び装置

【課題】 単なる目視では判別困難な亀裂や破断という破損が生じている場合でも確実に判別することができるようにする。
【解決手段】 本発明の育苗箱選別装置1は、互いに平行に延びる一対の縁部に対しそれぞれ該縁部の長さ方向に沿って移送用の孔12が所定ピッチで列設された育苗箱10における破損品と非破損品とを選別するものである。そして、孔12を拡張させるように所定負荷を付与する育苗箱検査手段5と、孔12が所定量以上拡張したことを検知する破損検知手段6と、孔12が所定量以上拡張したことが検知されたときに育苗箱10が破損品であると判定する制御手段8とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに平行に延びる一対の縁部に対しそれぞれ該縁部の長さ方向に沿って移送用の孔が所定ピッチで列設された育苗箱における破損品と非破損品とを選別する育苗箱選別方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
育苗箱は、水稲、野菜、花等の苗の移植作業に用いられるものであり、その箱内で一定期間、苗を生育するとともに、その苗を圃場に移植するために使用されるものである。例えば図6に示すように、移植作業を機械化するための育苗箱10には、平面視で略矩形に形成された外周形状内に、該外周形状の長さ方向及び幅方向に沿ってポット状苗室11が碁盤目状に多数配置されるとともに、前記長さ方向に延びる長端縁部10aに、該長さ方向におけるポット状苗室11の配列に合わせて移送用の孔12が列設されている(特許文献1参照)。そして、例えば、同図に示すように、回転駆動されるスプロケット50の歯50aを該孔12に噛み合わせること等により、育苗箱10を所定ピッチで移送することで、段積装置(特許文献2参照)が育苗箱を段積したり、洗浄装置が育苗箱を洗浄したり、播種機(特許文献3参照)が育苗箱内に播種したり、移植機(特許文献4参照)が育苗箱内で生育した苗を圃場に移植することが可能になっている。
【0003】
ところで、この育苗箱10の孔12に、亀裂H1(図7(a)参照)、破断H2(図7(b)参照)、又は欠損H3(図7(c)参照)等の破損が生じていると、育苗箱10を機械で正確に移送することができなくなるという不具合が生じる。特に、孔12が両側の縁部10aで互いに不均一に破損していると、育苗箱10の移送が両側の縁部10aで均等にできなくなって、機械に育苗箱10が詰まってしまったり、育苗箱10からうまく苗が取り出せなくなったりするという機械トラブルが生ずることがある。従来、このような破損した育苗箱10については、育苗箱10の両側の縁部10aを目視で検査して手作業で選別する必要がある。なお、この目視による選別作業は、公然に実施されているものであるが、出願人は、この選別作業が記録された文献を、本願出願時においては知見していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−136794号公報
【特許文献2】特開2007−274989号公報
【特許文献3】特開2000−201543号公報
【特許文献4】特開2007−43925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、従来の目視の検査及び手作業による育苗箱10の選別は手間暇が掛かるため、現実にはほとんど実施されることがなく、破損品の選別無しに育苗箱10が機械で用いられており、これが前記機械トラブルの原因になっている。
【0006】
また、孔12の破損が欠損H3の場合であれば単なる目視でも容易に判別可能であるが、亀裂H1や破断H2の場合は単なる目視では判別困難な場合がある。特に、亀裂H1や破断H2が生じた部位に土が付着しているときの判別はさらに困難になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の発明の育苗箱選別方法は、
互いに平行に延びる一対の縁部に対しそれぞれ該縁部の長さ方向に沿って移送用の孔が所定ピッチで列設された育苗箱における破損品と非破損品とを選別する育苗箱選別方法であって、
前記孔を拡張させるように所定負荷を付与する段階と、
前記孔が所定量以上拡張したことを検知する段階と、
前記孔が所定量以上拡張したことが検知されたときに育苗箱が破損品であると判定する段階と
を含んでいる。
【0008】
この方法によれば、前記孔に、単なる目視では判別困難な亀裂や破断という破損が生じている場合でも、該破損を確実に判別することができる。
【0009】
第2の発明の育苗箱選別方法としては、前記第1の発明において、
前記縁部の両端に配設された前記孔に対して前記各段階を行う態様を例示する。
【0010】
この方法によれば、前記縁部に列設された前記孔のなかでも、最初に破損する可能性が高い前記両端の孔に対して前記各段階を行うことにより、破損品の判別を効率的に行うことができる。
【0011】
第3の発明の育苗箱選別方法としては、前記第1又は2の発明において、
前記所定負荷を付与するとは、前記孔より僅かに大きい突起に所定圧力を加えることにより、該孔に対し該突起の圧入を試みることであり、
前記孔が所定量以上拡張したときとは、前記孔が前記突起に貫通されたときのことである態様を例示する。
【0012】
この方法によれば、前記第1又は2の発明を、簡単かつ低コストに実施できる。
【0013】
また、第4の発明の育苗箱選別装置は、
互いに平行に延びる一対の縁部に対しそれぞれ該縁部の長さ方向に沿って移送用の孔が所定ピッチで列設された育苗箱における破損品と非破損品とを選別する育苗箱選別装置であって、
前記孔を拡張させるように所定負荷を付与する育苗箱検査手段と、
前記孔が所定量以上拡張したことを検知する破損検知手段と、
前記孔が所定量以上拡張したことが検知されたときに育苗箱が破損品であると判定する制御手段と
を備えている。
【0014】
この構成によれば、前記孔に、単なる目視では判別困難な亀裂や破断という破損が生じている場合でも、該破損を確実に判別することができる。
【0015】
第5の発明の育苗箱選別装置としては、前記第4の発明において、
前記縁部の両端に配設された前記孔に対して前記各手段を用いる態様を例示する。
【0016】
この構成によれば、前記縁部に列設された前記孔のなかでも、最初に破損する可能性が高い前記両端の孔に対して前記各手段を用いることにより、破損品の判別を効率的に行うことができる。
【0017】
第6の発明の育苗箱選別装置としては、前記第4又は5の発明において、
前記育苗箱検査手段は、前記孔より僅かに大きい突起に所定圧力を加えることにより、該孔に対し該突起の圧入を試みることをもって、前記所定負荷を付与するように構成されており、
前記破損検知手段は、前記孔が所定量以上拡張したときの検知を、前記孔が前記突起に貫通されたときをもってなす態様を例示する。
【0018】
この構成によれば、前記第4又は5の発明を、簡単かつ低コストに実施できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る育苗箱選別方法及び装置によれば、単なる目視では判別困難な亀裂や破断という破損が生じている場合でも確実に判別することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を具体化した一実施形態に係る育苗箱選別装置の構成を示す側面図である。
【図2】同育苗箱選別装置の構成を示す平面図である。
【図3】同育苗箱選別装置の制御系統を示すブロック図である。
【図4】同育苗箱選別装置の育苗箱検査手段及び破損検知手段の作用を示す側断面図であり、(a)は育苗箱検査手段が作用する前の状態、(b)は破損していない孔に育苗箱検査手段が作用した状態、(c)は破損した孔に育苗箱検査手段が作用した状態をそれぞれ示す図である。
【図5】同育苗箱選別装置の育苗箱検査手段及び破損検知手段の作用を示す平面図であり、(a)は育苗箱検査手段が作用する前の状態、(b)は破損していない孔に育苗箱検査手段が作用した状態、(c)は破損した孔に育苗箱検査手段が作用した状態をそれぞれ示す図である。
【図6】移送用の孔を利用して育苗箱を移送する構成例を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。
【図7】育苗箱の移送用の孔の破損例を示す部分拡大平面図であり、(a)は亀裂、(b)は破断、(c)は欠損がそれぞれ生じている例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を育苗箱選別装置に具体化した実施形態について、同装置を使用して実施する選別方法とともに、図1〜図5を参照して説明する。本例の育苗箱選別装置は、育苗箱の選別を行う専用機として実施した形態を示している。
【0022】
図1〜図3に示すように、育苗箱選別装置1は、互いに平行に延びる一対の長端縁部10aに対しそれぞれ該長端縁部10aの長さ方向に沿って移送用の孔12が所定ピッチで列設された育苗箱10における破損品と非破損品とを選別するものであり、育苗箱10を搬送する搬送路2と、該搬送路2の上流に設置され、育苗箱10を搬送路2に一箱ずつ供給する育苗箱自動供給装置3と、搬送路2上における所定の検査位置Pに育苗箱10が到達したことを検知する位置検知手段4と、該検査位置Pにおいて孔12を拡張させるように所定負荷を付与する育苗箱検査手段5と、孔12が所定量以上拡張したことを検知する破損検知手段6と、前記破損品の育苗箱10が前記非破損品とは異なる搬送先に送られるように切り替える搬送先切替手段7とを備えるとともに、これらの各装置及び各手段を制御し、孔12が所定量以上拡張したことが検知されたときに育苗箱10が破損品であると判定し、該破損品の育苗箱10の搬送先を搬送先切替手段7により切り替えるように構成された制御手段8を備えている。
【0023】
本例の育苗箱10は、背景技術において説明したものと同様に構成されており、平面視で180°回転対称な形状に形成されている。本例の孔12は一辺が9mmの正方形に形成されている。
【0024】
本例の搬送路2は、主にローラコンベアからなっている。
【0025】
本例の育苗箱自動供給装置3は、段積された複数の育苗箱10から最下段の育苗箱10を取り出して搬送路2上に載置する育苗箱取出部15と、取り出された育苗箱10を所定の検査位置Pまで送り出す送出部16とを備えている。本例の送出部16は、搬送路2の長さ方向へ間隔をおいてそれぞれ回転自在に支持された一対のスプロケット17,17と、該スプロケット17,17に巻き掛けられたチェーン18と、該チェーン18を駆動する駆動モータ19と、該チェーン18に一定間隔をおいて取り付けられた一対のチェンフック20とを備えており、チェーン18とともに巡回するチェンフック20により育苗箱10を搬送路2の下流へ向けて一定間隔をおいて送り出すようになっている。
【0026】
本例の位置検知手段4は、育苗箱10が所定の検査位置Pに到達したことを検知するリミットスイッチからなっている。
【0027】
本例の育苗箱検査手段5は、育苗箱10の長端縁部10aの両端に配設された孔12のそれぞれに対応して設けられており、孔12より僅かに大きい突起21に所定圧力を加えることにより、該孔12に対し該突起21の圧入を試みることをもって、前記所定負荷を付与するように構成されている。この「僅かに大きい」とは、特に限定されないが、本例では10%程度大きいことをいう。突起21は正方形に形成された孔12の一辺の長さよりも僅かに大きい径の丸棒状に形成されており、本例では、直径10mm程度に形成されている。突起21の先端には、突起21の孔12への進入をガイドするためのガイド部21aが設けられている。ガイド部21aは、先端側になるほど縮径するテーパー状に形成されている。本例の育苗箱検査手段5は、突起21を突起長方向へ付勢するための駆動軸22を有するアクチュエータ23と、該駆動軸22及び突起21の間に介装された付勢手段24とにより、該突起21を上下に駆動するように構成されている。本例では、アクチュエータ23として、コイルに通電すると駆動軸22としての可動鉄心が押し出され、通電を停止すると戻しバネにより前記可動鉄心が引き戻されるように構成されたソレノイドを例示する。付勢手段24は、駆動軸22が突出したときに、孔12に所定圧力を加えるように荷重設定するためのものであり、本例ではスプリングを用いている。なお、前記所定負荷及び前記所定圧力は、選別対象の育苗箱の仕様に応じて適宜設定されるものである。
【0028】
本例の破損検知手段6は、各育苗箱検査手段5に対応して設けられており、孔12が所定量以上拡張したときの検知を、孔12が突起21に貫通されたときをもってなすものであり、育苗箱検査手段5の突起21の直下方に配設されたプッシュスイッチからなっており、このプッシュスイッチが突起21の先端で押し下げられてオンされたことをもって、孔12が所定量以上拡張した(孔12が突起21に貫通された)と検知する構成となっている。
【0029】
本例の搬送先切替手段7は、搬送路2における検査位置Pよりも下流側に設けられており、搬送路2の幅方向に延びるシャッター軸25により開閉自在に支持された排出シャッター26と、排出シャッター26を開閉駆動するシャッター駆動手段(図示略)と、破損品として排出シャッター26により搬送路2から排出される育苗箱10を強制的に早送りする早送りローラ27と、該早送りローラ27を回転駆動するローラ駆動手段(図示略)と、早送りローラ27による育苗箱10の早送りの完了のタイミング、すなわち、排出シャッター26を閉じるタイミングを検知するタイミング検知手段としての排出シャッター復帰スイッチ28とを備えている。排出シャッター26は、その搬送路2の下流側が搬送路2の幅方向に延びるシャッター軸25によって開閉自在に軸支されており、閉じているときは、搬送路2の路面と平行に、かつ、該路面よりも下方に位置する状態(図1中に実線で示された状態)となり、破損品を排出するために開いているときは、排出シャッター26の搬送路2の上流側端部が、搬送路2上における育苗箱10の上面よりも上方に位置する状態(図1中に二点鎖線で示された状態)となる。早送りローラ27は、ポット状苗室11に嵌入する複数の突起が周方向に一定間隔をおいて列設されており、ポット状苗室11を利用して育苗箱10を移送するように構成されている。これにより、孔12が破損している育苗箱10でも移送が可能となっている。
【0030】
制御手段8は、以上の各装置及び各手段を次のように制御することにより、育苗箱10を連続して送りながら破損した育苗箱10を選別するように構成されている。
(1)まず、制御手段8は、育苗箱自動供給装置3を作動させ、選別対象の育苗箱10を一箱ずつ搬送路2の検査位置Pに供給させる。
(2)次いで、制御手段8は、育苗箱10が検査位置Pに到達し停止したことを位置検知手段4により検知すると(このとき、図4(a)及び図5(a)の状態となる。)、育苗箱10の四隅の上方に設置した育苗箱検査手段5を作動させ、育苗箱10の四隅の孔12に突起21を圧入させる。
(3)このとき、図5(a)に二点鎖線で示すように、四隅の孔12の一箇所でも破損(同図では破断H2)していると、図4(c)及び図5(c)に示すように、その孔12を突起21が拡張させた状態で貫通し、破損検知手段6としてのプッシュスイッチを押す。制御手段8は、これを破損検知手段6により検知すると、育苗箱検査手段5の突起21を孔12の上方に退避させるとともに、搬送先切替手段7を作動させることにより、排出シャッター26を開かせる。そして、育苗箱自動供給装置3から一定間隔で供給される後続の育苗箱10に押されることにより、破損品の育苗箱10は排出シャッター26にガイドされて搬送路2の下方の破損品回収部30に送られる。そして、搬送先切替手段7は、破損品の育苗箱10を早送りローラで早送りするとともに、該早送りローラ27が破損品の育苗箱10を送り終えたことを排出シャッター復帰スイッチ28で検知し、排出シャッター26を閉じる。
(4)一方、四隅の孔12が一箇所も破損していないと、図4(b)及び図5(b)に示すように、いずれの孔12についても突起21が貫通しない。制御手段8は、所定時間が経過しても、破損検知手段6が破損を検知しないと、育苗箱検査手段5の突起21を孔12の上方に退避させる。その後、育苗箱10は、育苗箱自動供給装置3から一定間隔で供給される後続の育苗箱10に押されることにより、排出シャッター26の上を通過し、非破損品として搬送路2の下流側に送出される。
【0031】
以上のように構成された本例の育苗箱選別装置1によれば、孔12を拡張させるように所定負荷を付与する育苗箱検査手段5と、孔12が所定量以上拡張したことを検知する破損検知手段6と、孔12が所定量以上拡張したことが検知されたときに育苗箱10が破損品であると判定する制御手段8とを備えているので、孔12に、単なる目視では判別困難な亀裂や破断という破損が生じている場合でも、該破損を確実に判別することができる。
【0032】
また、本装置1は、長端縁部10aの両端に配設された孔12に対して前記各手段を用いるように構成されているので、長端縁部10aに列設された孔12のなかでも、最初に破損する可能性が高い両端の孔12に対して前記各手段を用いることにより、破損品の判別を効率的に行うことができる。
【0033】
また、本装置1において、育苗箱検査手段5は、孔12より僅かに大きい突起21に所定圧力を加えることにより、該孔12に対し該突起21の圧入を試みることをもって、前記所定負荷を付与するように構成されており、破損検知手段6は、孔12が所定量以上拡張したときの検知を、孔12が突起21に貫通されたときをもってなすように構成されているので、簡単かつ低コストに実施できる。
【0034】
また、本例の装置1を使用して実施する育苗箱選別方法によれば、孔12を拡張させるように所定負荷を付与する段階と、孔12が所定量以上拡張したことを検知する段階と、孔12が所定量以上拡張したことが検知されたときに育苗箱10が破損品であると判定する段階とを含んでいるので、孔12に、単なる目視では判別困難な亀裂や破断という破損が生じている場合でも、該破損を確実に判別することができる。
【0035】
また、同方法は、長端縁部10aの両端に配設された孔12に対して前記各段階を行うので、長端縁部10aに列設された孔12のなかでも、最初に破損する可能性が高い前記両端の孔12に対して前記各段階を行うことにより、破損品の判別を効率的に行うことができる。
【0036】
また、同方法において、前記所定負荷を付与するとは、孔12より僅かに大きい突起21に所定圧力を加えることにより、該孔12に対し該突起21の圧入を試みることであり、孔12が所定量以上拡張したときとは、孔12が突起21に貫通されたときのことであるので、本方法を簡単かつ低コストに実施できる。
【0037】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)育苗箱検査手段5の突起21のアクチュエータとして、ソレノイドに代えて、クランク機構やカム機構を利用して突起21を駆動するように構成すること。
(2)突起21やガイド部21aの形態を適宜変更すること。
(3)破損検知手段6を、プッシュスイッチに代えて、光センサで突起21の位置を検知する構成する等、他のセンサを利用した構成で実現すること。
(4)本発明を、前記実施形態のような選別専用機とは異なり、例えば播種機や育苗箱10の洗浄機等の他の機械に組み込んだり、播種機や育苗箱10の洗浄機等の他の機械にアタッチ可能な装置として実施すること。
【符号の説明】
【0038】
1 育苗箱選別装置
2 搬送路
3 育苗箱自動供給装置
4 位置検知手段
5 育苗箱検査手段
6 破損検知手段
7 搬送先切替手段
8 制御手段
10 育苗箱
10a 長端縁部
11 ポット状苗室
12 孔
15 育苗箱取出部
16 送出部
17 スプロケット
18 チェーン
19 駆動モータ
20 チェンフック
21 突起
21a ガイド部
22 駆動軸
23 アクチュエータ
24 付勢手段
25 シャッター軸
26 排出シャッター
27 早送りローラ
28 排出シャッター復帰スイッチ
30 破損品回収部
P 検査位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に延びる一対の縁部に対しそれぞれ該縁部の長さ方向に沿って移送用の孔が所定ピッチで列設された育苗箱における破損品と非破損品とを選別する育苗箱選別方法であって、
前記孔を拡張させるように所定負荷を付与する段階と、
前記孔が所定量以上拡張したことを検知する段階と、
前記孔が所定量以上拡張したことが検知されたときに育苗箱が破損品であると判定する段階と
を含んでいる育苗箱選別方法。
【請求項2】
前記縁部の両端に配設された前記孔に対して前記各段階を行う請求項1記載の育苗箱選別方法。
【請求項3】
前記所定負荷を付与するとは、前記孔より僅かに大きい突起に所定圧力を加えることにより、該孔に対し該突起の圧入を試みることであり、
前記孔が所定量以上拡張したときとは、前記孔が前記突起に貫通されたときのことである請求項1又は2記載の育苗箱選別方法。
【請求項4】
互いに平行に延びる一対の縁部に対しそれぞれ該縁部の長さ方向に沿って移送用の孔が所定ピッチで列設された育苗箱における破損品と非破損品とを選別する育苗箱選別装置であって、
前記孔を拡張させるように所定負荷を付与する育苗箱検査手段と、
前記孔が所定量以上拡張したことを検知する破損検知手段と、
前記孔が所定量以上拡張したことが検知されたときに育苗箱が破損品であると判定する制御手段と
を備える育苗箱選別装置。
【請求項5】
前記縁部の両端に配設された前記孔に対して前記各手段を用いる請求項4記載の育苗箱選別装置。
【請求項6】
前記育苗箱検査手段は、前記孔より僅かに大きい突起に所定圧力を加えることにより、該孔に対し該突起の圧入を試みることをもって、前記所定負荷を付与するように構成されており、
前記破損検知手段は、前記孔が所定量以上拡張したときの検知を、前記孔が前記突起に貫通されたときをもってなす請求項4又は5記載の育苗箱選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−87512(P2011−87512A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−243376(P2009−243376)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(000100469)みのる産業株式会社 (158)
【Fターム(参考)】