説明

胃制限装置データ処理装置および方法

【課題】埋め込み型制限システムのデータを取り扱うための方法および装置を提供する。
【解決手段】
一般に、これらの方法と装置は、圧力測定値の収集、分析、記憶、および送信を可能にする。圧力測定データは該データを記憶する前に圧縮されることもできる。加えて、すべての圧力データが記録されまたは保持される必要はない。例えば、ほとんどまたは何ら圧力変動を示さない、埋め込み型制限装置の静止圧力または公称圧力と実質的に等しいデータ、および孤立した、反復性でない事象を示すデータである。記憶されるいずれの圧力測定データも、外部装置によってテレメータ式に供給される電力を使用して、該外部装置に送信されることもできる。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、埋め込み型制限装置に関連したデータを取り扱うための装置および方法に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
肥満は、太りすぎの人々の数が増加し続け、また肥満の健康への圧影響についてより多くのことが分ってきたので、特に米国において、懸念が増大しつつある。人が理想の体重を100ポンド(約45キロ)以上も超える病的肥満は特に、深刻な健康問題の重大な危険を提起する。よって、大きな関心が太りすぎの患者の治療に向けられている。病的肥満を治療する1つの方法は、胃の上部の周りに細長いバンドなどの制限装置をつけることである。胃バンドは、通例、両端が互いに固定される流体充填エラストマーバルーンであって、食道−胃接合部のすぐ下で胃を囲み、バンドの上に小さな胃嚢、および胃には縮小された小口開口部を形成するバルーンを備える。流体がバルーンに注ぎ込まれると、バンドは胃に当った状態で膨張し、胃に食物摂取制限個所または小口を作り出す。この制限を減少させるには、流体をバンドから取り除く。バンドの効果は、胃の有効容積、したがって、“腹いっぱい”になる前に飲食できる食物の量を、減少させることである。
【0003】
食物制限装置は、また、同様に胃の上部を囲む、機械的に調整されるバンドを備える。これらのバンドは、バンドを調整するための任意の数の弾性材料または歯車装置、ならびに駆動部材を含む。加えて、流体圧駆動および機械駆動の両方の要素を含む胃バンドが開発されている。そのような調整可能な胃バンドの一例は、2000年5月30日に発行され、参照して本明細書に組み入れる、“Mechanical Food Intake Restriction Device”と題された米国特許第6,067,991号に開示されている。また、胃内腔自体に膨張可能なエラストマーバルーンを埋め込むことによって胃内腔の有効食物容積を制限することも知られている。バルーンは、流体で充填され、胃に当たった状態で膨張し、それによって胃内の有効食物容積を減少させる。
【0004】
上述の各々の食物制限装置について、安全で有効な治療のために、装置が定期的に監視され、調整されて、胃に適用される制限の程度を変えることが必要とされる。バンド装置について、バンドの上の胃嚢は、最初の埋め込みの後で実質的にサイズが増加する。よって、胃の小口開口部は、最初は、胃がバンド装置に順応する間患者が十分な栄養をとれるように、十分大きくされなければならない。胃嚢のサイズが大きくなるにつれて、バンドは小口サイズを変更するために調整されてもよい。加えて、患者の身体の変化または治療計画の変更に対応するために、あるいはより緊急の場合では、障害物または深刻な食道拡張を取り除くために、小口サイズを変更することが望ましい。伝統的に、流体圧胃バンドの調整には、スケジュールに組み込まれた臨床医の訪問を必要とし、訪問時にはヒューバー針と注射器が使用されて、患者の皮膚を突き刺し、かつ注入ポートを介してバルーンに流体を加えまたは流体を取り除いていた。より最近では、非侵襲的なバンドの調整を可能にする埋め込み型ポンプが開発されている。外部プログラマが、埋め込まれたポンプとテレメトリーを使用して通信し、ポンプを制御する。スケジュールに組み込まれた訪問時、医師はプログラマの手持ち式部分を胃の埋め込み物に近づけ、埋め込み物に電流および命令信号を送信する。埋め込み物は次にバンド内の流体レベルを調整し、プログラマに応答命令を送信する。
【0005】
これらの胃バンド調整時、調整がどのように進行しているか、また調整が意図した効果を有するかを決定するのが困難であった。調整の有効性を決定しようとして、いくらかの医師は、調整が行われている時に、バリウムの飲み込みを伴う蛍光透視法を利用した。しかしながら、蛍光透視法は、高価でもあり、また医師および患者の両方が受ける放射線量のため望ましくもない。他の医師は、患者に調整の最中にまたは後に一杯の水を飲むように指示し、水が調整された小口を通過できるか見定めようとした。しかしながら、この方法は、患者が障害物でふさがれていないことを保証するのみで、調整の有効性についていかなる情報も提供するものではない。しばしば、医師は、彼らの以前の経験に基づいて、単に“経過をみてみよう(Try as you go)”法を採用することもあり、調整の結果は、数時間後または数日後に、患者が胃内腔への完全な障害を経験し、あるいはバンドが、バンドとの過度の接点圧力により胃の組織に侵食を引き起こすまで発見されないこともある。
【0006】
加えて、胃バンドの圧力を示すデータを、調整、診断、監視、または他の目的のための圧力調整の前に、最中に、および/または後に取得することが有利なこともある。さらに、そのような圧力データを記憶し、および/または外部の場所に通信することが有利なこともある。しかしながら、データ記憶空間に限りがあることもあり、またデータを通信する電力が資源を多く使うこともある。
【0007】
よって、胃制限装置と共に使用するための、特に、胃制限装置に関して収集されたデータを取り扱うための方法および装置が提供される。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明は、概して、埋め込み型制限装置に関連したデータを取り扱うための装置および方法を提供する。1つの実施の形態において、患者の体内に制限を形成することもできる埋め込み型制限装置と、前記埋め込み型制限装置と連絡する埋め込み型検知装置とを含む、患者の体内に制限を形成するための制限システムが提供される。この埋め込み型検知装置は、前記埋め込み型制限装置に関連したパラメータを検知することもでき、かつ、外部装置にデータの選択された部分を、前記埋め込み型制限装置に関連した公称パラメータ値からのデータの変動を考慮して、通信することもできる。前記パラメータは、例えば、パルスカウント、パルス幅、および振幅の少なくとも1つを含むこともできる。いくらかの実施の形態において、データの前記選択された部分は、データの前記選択された部分の前記外部装置への通信前に、圧縮される。
【0009】
この検知装置はさまざまなやり方で実施されることもできる。例えば、前記検知装置は、前記外部装置が少なくともいくらかの電力を前記検知装置にテレメータ式に供給するときに、前記外部装置にデータを通信することもできる。別の例として、前記検知装置は、公称値と実質的に等しいデータを破棄することもできる。さらに別の例として、前記検知装置は、前記データが規定された値の範囲内の値を含むかどうかに基づいて、データの選択された部分を通信することもできる。なお別の例として、前記検知装置は、データを公称値と比較することもできる。別の例として、前記検知装置は、データの前記選択された部分を、データの前記選択された部分の前記外部装置への通信前に、記憶することもできる。
【0010】
別の実施の形態において、患者の体内に制限を形成するための制限システムは、患者の体内に制限を形成することもできる埋め込み型制限装置と、前記埋め込み型制限装置と連絡し、前記埋め込み型制限装置内の圧力を検知することもできる埋め込み型圧力検知装置と、前記検知された圧力データのいずれかを記憶すべきかどうか、前記検知された圧力データのいずれかを外部読み取り装置に通信する前に、決定することもできるプロセッサ(このプロセッサは前記埋め込み型圧力検知装置に含まれることもできる)とを含む。このプロセッサは、いくらかの実施の形態において、前記外部読み取り装置が前記埋め込み型圧力検知装置の近傍に動かされたときに、記憶されたデータの前記外部読み取り装置へのダウンロードを作動させることもできる。いくらかの実施の形態において、このシステムは外部記憶機構を含むこともでき、該外部記憶機構は、検知された圧力データを記憶することも、記憶された圧力データを外部装置に通信することも、また患者に着脱式に取り付けられることもできる。
【0011】
他の態様において、患者の体内に制限を形成する方法が提供される。この方法は、埋め込み型圧力検知装置を使用して、患者の体内に制限を形成することもできる埋め込み型制限装置内の圧力に関連した圧力データを取得することと、取得圧力データの少なくとも一部を前記埋め込み型圧力検知装置に記憶することと、外部装置が前記埋め込み型圧力検知装置の近傍に動かされたときに、記憶された圧力データのダウンロードを作動させることとを含む。前記埋め込み型圧力検知装置に記憶された取得圧力データは、前記埋め込み型制限装置内の公称圧力を超える圧力値を含むこともできる。いくらかの実施の形態において、この方法はまた、取得圧力データの少なくとも一部を、前記取得圧力データの前記少なくとも一部を前記埋め込み型圧力検知装置に記憶する前に、圧縮することを含むこともできる。この圧縮は、差分値を記憶すること、量子化テーブルを使用すること、ランレングス符号化を使用すること、およびハフマン符号化を使用することなどの、少なくとも1つの圧縮技術を使用して、行われることもできる。
【0012】
別の実施の形態において、患者の体内に制限を形成する方法は、患者の体内に制限を形成することもできる埋め込み型制限装置内の圧力に関連した圧力データを取得することを含む。いくらかの実施の形態において、前記圧力データを取得することは、ある決定された期間の間の圧力データ収集の速度を減少させることを含む。この方法は、さらに、前記圧力データの一部を保持することを、圧力データを外部読み取り装置に通信する前に、決定することを含む。前記圧力データの一部を保持することを決定することは、前記取得圧力データのいずれかが規定された圧力値の範囲内の値を含んでいるか決定すること、前記埋め込み型制限装置内の公称圧力を超えるいずれの前記取得圧力データも保持することを決定すること、および/または前記埋め込み型制限装置に連結され、かつ、前記圧力データを取得するように構成された圧力検知装置(例えば、プロセッサ)を使用して、前記取得圧力データを処理することを含むこともできる。前記外部読み取り装置への通信に関する警報が、前記取得圧力データのいずれかが閾値圧力値を超える値を含んでいれば、生成されることもできる。いくらかの実施の形態において、この方法はまた、保持されることが決定された前記圧力データの前記一部のみを、圧力データを前記外部読み取り装置に通信する前に、記憶することを含む。さらに他の実施の形態において、この方法はまた、保持されることが決定された前記圧力データの前記一部を、保持されることが決定された前記圧力データの前記一部を記憶する前に、圧縮することを含む。
【0013】
なお別の実施の形態において、患者の体内に制限を形成する方法は、埋め込み型圧力検知装置を使用して、患者の体内に制限を形成することもできる埋め込み型制限装置内の圧力に関連した圧力データを取得することと、前記取得圧力データを前記埋め込み型圧力検知装置に記憶することと、前記取得圧力データを、前記取得圧力データを記憶する前に、圧縮することとを含む。取得圧力データは、差分値を記憶すること、量子化テーブルを使用すること、ランレングス符号化を使用すること、およびハフマン符号化を使用することなどの、少なくとも1つの圧縮技術を使用して、圧縮されることもできる。この方法はまた、前記圧縮されかつ記憶された圧力データの少なくとも一部を前記圧力検知装置から外部装置に通信することを含むこともできる。
【0014】
本発明は、以下の詳細な説明を添付図面と共に読むことによってより完全に理解されるであろう。
【0015】
〔発明の詳細な説明〕
本明細書に開示された装置ならびに方法の構造、機能、製造および使用の原理の全体的な理解を提供するために、いくらかの例示的な実施の形態を以下に説明する。これらの実施の形態の1つまたは複数の例は、添付の図面に図示されている。当業者は、本明細書に具体的に説明され、添付図面に図示された装置および方法は、非限定的な例示の実施の形態であり、本発明の範囲は特許請求の範囲のみによって規定されることを理解するであろう。1つの例示的な実施の形態に関して図示されまたは説明された特徴は、他の実施の形態の特徴と組み合わされてもよい。そのような修正例および変形例は本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
【0016】
本発明は、概して、埋め込み型制限装置に関連したデータを取り扱うための装置および方法を提供する。一般に、これらの装置と方法は、圧力、パルスカウント、パルス幅、および振幅などの、埋め込み型制限装置に関連した任意のパラメータに関連した測定値の収集、分析、記憶、および送信を可能にする。本明細書で述べる方法および装置は任意の検知データパラメータに関連することもできるが、例示的な実施の形態において、測定は圧力に関連する。圧力測定は、埋め込み型制限装置の動作を正確に評価し、かつ該制限装置の当を得たいかなる圧力調整を決定するのにも役立つこともできるが、すべての収集された圧力データがそのような評価および決定を行うのに役立つとは限らない。さらに、圧力測定データの取り扱いは、埋め込み型制限システムの電力資源を消耗させることもあり、また高価な、物理的にかさばる、電子式の大きなデータ記憶空間を使用することもある。圧力測定データは該データを記憶する前に圧縮されることもでき、それによって、対応する不圧縮データと比べると、より少ない記憶空間、時間、電力、および/または通信バンド幅を使用することになる。圧力測定データはまた、通信の前に圧縮されることもできる。データは圧縮されて直接送信されることもでき、またはメモリーに記憶された圧縮データを、問い合わせがあったときに、呼び出して、無線で通信することもできる。加えて、すべての圧力データが記録されまたは保持される必要はない。すべての圧力データを記録または保持しないこと、例えば、ほとんどまたは何ら圧力変動を示さない、埋め込み型制限装置の静止圧力または公称圧力と実質的に等しいデータ、および孤立した、反復性でない事象を示すデータを記録または保持しないことにより、潜在的により分析価値のある圧力測定データのために記憶空間を節約することもでき、また圧力測定値のために使用される物理的および/または電子的記憶空間の量を減少させることもできる。記憶されるいずれの圧力測定データも、外部装置によってテレメータ式に供給されまたは誘導連結される電力を使用して、該外部装置に送信されることもでき、それによって、記録データの記憶場所近くの電力供給資源を減少させまたは無くすことになる。
【0017】
本発明は当該技術分野で知られているさまざまな制限システムと共に使用することもできるが、図1Aは患者の体内で使用中の、1つの例示的な実施の形態の食物摂取制限システム10を示す。図示のように、システム10は、概して、埋め込み型部分10aと外部部分10bを含む。図1Bは患者の外側における埋め込み型部分10aを示す。図示のように、埋め込み型部分10aは、患者の胃40の上部の周りに配されるように構成される調整可能な胃バンド20と、調整可能な胃バンド20に、例えばカテーテル50を介して流体連結される注入ポートハウジング30とを含む。注入ポート30は、流体が胃バンド20に導入されかつこれから取り除かれるのを可能にし、それによってバンド20のサイズ、したがって胃40に加えられる圧力を調整するように形成されている。注入ポート30は、したがって、組織を通じてアクセスできる身体内の場所に埋め込まれることもできる。通例、注入ポートは、皮膚および脂肪組織の層の下の、患者の腹部の側部肋骨下領域に配される。外科医はまた、通例、患者の胸骨上に注入ポートを埋め込む。
【0018】
内部部分10aはまた、埋め込み型部分10a内の閉鎖流体回路と流体連通している検知または測定装置を含むこともできる。1つの実施の形態において、検知装置は、閉鎖流体回路の流体圧力を測定するように構成された圧力検知装置である。圧力測定装置はさまざまな構成を有することもでき、また、注入ポート30内を含む、内部部分10aに沿ったどこにでも配されることもできるが、以下にさらに説明するように、図示の実施の形態において、圧力測定装置は、注入ポート30に隣接して配されたセンサーハウジング60内に配置される圧力センサーの形をとっている。カテーテル50は、胃バンド20および圧力センサーハウジング60の間に連結される第1の部分と、圧力センサーハウジング60および注入ポート30の間に連結される第2の部分とを含むこともできる。当然のことながら、検知装置は、1つまたは複数の関連するパラメータに関連のあるデータを取得するように構成されることもできるが、概して、検知装置は本明細書において圧力検知装置の文脈で説明される。
【0019】
本明細書で説明する、内部部分10a内の流体圧力を検知することに加えて、食道および/または胃40内の流体圧力を、内視鏡圧力計などの任意の好適な装置を使用して検知することもできる。非限定的な例として、そのような流体圧力の測定値は、内部部分10a内の測定された流体圧力と、内部部分10a内の圧力の調整前に、最中に、および/または後に比較されることもできる。食道および/または胃40内の測定圧力の他の好適な使用法は、当業者によって認識されるであろう。
【0020】
図1Aにさらに示すように、外部部分10bは、概して、データ読み取り装置70を含み、該読み取り装置は、センサーハウジング60(これは厚い組織、例えば10cmを超える厚い組織の下に埋め込まれることもできる)の上の皮膚表面に配されて、非侵襲的にセンサーハウジング60と通信し、これによってデータ(例えば、圧力)測定値を得るように構成される。データ読み取り装置70は、随意に、コントロールボックス90に電気的に連結(無線で、または電気ケーブル組立体80を介するこの実施の形態のように有線で)されることもでき、該コントロールボックスは、圧力測定値、および/またはデータ読み取り装置70から得られた他のデータを表示することもできる。コントロールボックス90は、この例では患者の近くに位置づけられて示されているが、以下にさらに説明するように、患者の近くの、または患者から隔たった、場所に置かれることもできる。
【0021】
図2Aは胃バンド20をより詳細に示す。胃バンド20はさまざまな構成を有することもでき、当該技術分野で現在知られているさまざまな胃バンドを本発明と共に使用することもできるが、図示の実施の形態において、胃バンド20は支持構造体22を備えた全体的に細長い形状を有しており、該支持構造体は、第1および第2の対向する端部20a、20bであって、ループ状に互いに固定されるように形成されることもできる端部を有する。さまざまな結合技術を使用して端部20a、20bを互いに固定することもできる。図示の実施の形態において、端部20a、20bは、一方が他方の上に置かれて互いに結合するストラップの形をとっている。例えば図1Bおよび2Bに示す別の実施の形態において、胃バンド20の一端部の支持構造体は開口部を含むこともでき、胃バンド20の他端部はこの開口部を通って両端部を互いに固定することもできる。胃バンド20はまた、膨張可能なバルーン24などの可変容積部材を含むこともでき、該可変容積部材は、支持構造体22の一側面に配置または形成され、かつ組織に隣接して配されるように構成される。バルーン24は、胃の外壁に対して膨張または収縮して、胃への食物摂取を制御可能に制限するための調整可能な小口を形成する。
【0022】
当業者は、胃バンドがさまざまな他の構成を有することもできることを認識するであろう。その上、本明細書に開示されたさまざまな方法および装置は他のタイプの埋め込み型バンドに等しく適用可能である。例えば、バンドは、参照して本明細書に組み入れる米国特許第6,461,292号に記載されているように、便失禁の治療のために使用される。バンドはまた、参照して本明細書に組み入れる米国特許出願公報第2003/0105385号に記載されているように、尿失禁を治療するのに使用されることもできる。バンドはまた、参照して本明細書に組み入れる米国特許第6,470,892号に開示されているように、胸焼けおよび/または胃酸逆流を治療するのに使用されることもできる。バンドはまた、参照して本明細書に組み入れる米国特許出願公報第2003/0114729号に記載されているように、インポテンスを治療するのに使用されることもできる。
【0023】
図2Bは、患者の胃−食道接合部の周りに適用された調整可能な胃バンド20を示す。図示のように、バンド20は、患者の食道42との接合部の近くで少なくとも実質的に胃40の上部を取り囲んでいる。バンド20が好ましくは流体をほとんどまたは全く包含しないしぼんだ形態で埋め込まれた後に、バンド20は、小口開口部のサイズを小さくするために、例えば生理食塩水を使用して膨張されることもできる。当業者は、バンド20を調整するために、機械的および電気的技術を含むさまざまな技術を使用することもできることを認識するであろう。図2Bはまた、圧力センサー41がバンド20のバックル43に配置されて、検知装置の代替的な場所を示す。
【0024】
流体注入ポート30はさまざまな構成を有することもできる。図3に示す実施の形態において、注入ポート30は、遠位のまたは底部の表面と周壁とを備える全体的に筒状のハウジングを有し、該周壁は底部表面から近位方向に延びて、近位開口部32を規定する。近位開口部32は、該開口部にまたがって延び、ハウジング内に形成された流体リザーバ(図3では不可視)へのアクセスを提供する針貫通可能な隔膜34を含むこともできる。隔膜34は、好ましくは、リザーバの深さがヒューバー針などの針の開口先端をさらすのに十分であって、そのため流体移動が行われるように、十分近位方向の位置に置かれる。隔膜34は、好ましくは、針によって穴を開けられ、針が引っ込められた後に、自動封止するように配列される。図3にさらに示すように、ポート30は、さらに、リザーバと流体連通し、かつカテーテル(例えば、カテーテル50)に連結するように構成されるカテーテルチューブ接続部材36を含むこともできる。当業者は、ハウジングが、ステンレス鋼、チタニウム、またはポリマー材料を含む任意の数の材料から製作されることもでき、また隔膜34が同様にシリコーンを含む任意の数の材料から製作されることもできることを認識するであろう。
【0025】
読み取り装置70はさまざまな構成を有することもでき、1つの例示的な圧力読み取り装置は、参照して本明細書に組み入れる、同一所有者の米国特許出願公報第2006/0189888号および米国特許出願公報第2006/0199997号により詳細に開示されている。一般に、データ読み取り装置70は、圧力検知装置が厚い(少なくとも10cmを超える)皮下脂肪組織の下に埋め込まれたときにも、非侵襲的に埋め込み部分10a内の流体圧力を測定することもできる。医師は、センサーハウジング60の場所および/または他の圧力検知装置の場所(単数または複数)の近くの患者の皮膚に読み取り装置70をあてがい、コントロールボックス90のディスプレイ上で圧力読み取り値を観察することもできる。データ読み取り装置70はまた、以下にさらに説明するように、長期にわたる検査時などに、ストラップ、接着剤および他のよく知られている方法を使用して、患者に着脱式に取り付けられることもできる。データ読み取り装置70は、従来の布または紙の外科用ドレープを通じて動作することもでき、また患者ごとに交換してもよい使い捨てカバー(図示せず)を含むこともできる。
【0026】
上述のように、システム10はまた、圧力測定装置であって、閉鎖流体回路と連絡しかつ調整可能な胃バンド20によって患者の胃40に加えられる制限量に対応する圧力(例えば、流体圧力)を測定するように構成された圧力測定装置を含むこともできる。圧力の測定は、人(例えば、医師、看護士、患者等)がバンド調整によって作出された制限の有効性および機能性を評価するのを可能にする。図示の実施の形態において、図4に示すように、圧力測定装置はセンサーハウジング60内に配置された圧力センサー62の形をとっている。しかしながら、圧力測定装置は、埋め込み型部分の閉鎖流体圧回路内のどこにでも配置されることもでき、さまざまな例示的な場所および構成が2006年3月7日に出願され、参照して本明細書に組み入れる、“Non-Invasive Pressure Measurement In a Fluid Adjustable Restrictive Device”と題された、同一所有者の米国特許出願公報第2006/0211913号により詳細に開示されている。一般に、図示のセンサーハウジング60は、埋め込み型部分10a内の流体と流体連通する入口60aおよび出口60bを含む。すでに埋め込まれたカテーテル50は、カテーテル50を切断しかつあご付きコネクタ(またはクランプ、クリップ、接着剤、溶接等などの任意の他のコネクタ)をカテーテル50の切断された両端部に挿入することなどによって、センサーハウジング60に後付けされることもできる。センサー62は、ハウジング60内に配置されることもでき、また流体圧回路内の流体圧力変化に応答し、これらの圧力変化を使用可能なデータの形に変換するように構成されることもできる。
【0027】
米国ジョージア州、AtlantaのCardioMEMS社により提供される無線圧力センサーなどの、当該技術分野で知られているさまざまな圧力センサーを圧力センサー62として使用することもできるが、好適なMEMS圧力センサーは、非限定的に、米国ミシガン州、YpsilantiのIntegrated Sensing Systems社(ISSYS)および米国マサチューセッツ州、WalthamのRemon Medical Technologies社を含む任意の他の供給源から得ることもできる。1つの例示的なMEMS圧力センサーは、その開示内容が参照して例示目的のためにのみ本明細書に組み入れられる米国特許第6,855,115号に記載されている。当業者はまた、好適な圧力センサーが、非限定的に、容量式、圧電抵抗式、シリコンストレインゲージ、または超音波式(音響式)圧力センサー、ならびに圧力を測定できるさまざまな他の装置を含むこともできることを認識するであろう。
【0028】
センサー62がその中に配置されたセンサーハウジング60の構成の1つの実施の形態を、図5に示す。この例のセンサーハウジング60は、流体がセンサーハウジング60内に配置された、センサー62を除くすべての要素と接触するのを防止する気密容器として働くこともできる母基板を含む。センサーハウジング60は、ポリマー、生体適合性金属、および他の類似のタイプの材料などの、身体内で使用するのに適した任意の生体適合性材料から製作されることもできる。さらに、センサーハウジング60は、任意の1つまたは複数の透明な(図5に示すように)、不透明な、半透明の、および放射線不透過性の材料から製作されることもできる。とりわけマイクロコントローラ65(例えば、プロセッサ)を含む回路基板64はまた、センサー62によって収集された圧力測定値および、場合によりバンド20に関連した他のデータ、を処理し、通信するのを支援するために、ハウジング60内に配置されることもできる。以下にさらに述べるように、回路基板64はまた、経皮エネルギー移動(TET)/テレメトリーコイルとコンデンサを含むこともできる。随意に、温度センサーを回路基板64に組み込むこともできる。マイクロコントローラ65、TET/テレメトリーコイル、コンデンサ、および/または温度センサーは、回路基板64を介してまたは任意の他の好適な構成部品(単数または複数)を介して通信することもできる。TET/テレメトリーコイルとコンデンサは共同で、外部部分10bから電力を受信しかつ圧力読み取り装置、例えば読み取り装置70に圧力測定値を送信するための同調タンク回路を形成することもできる。その上、圧力センサー62と関連したテレメトリー構成部品が何らかの支援なしに患者の外部のテレメトリー装置に届くことができない限り、そのような支援は任意の好適な数のリレー(図示せず)または他の装置によって提供されることもできる。
【0029】
流体は、ハウジング表面のどこにでも(ここでは、ハウジングの底部表面に)位置づけられる開口部66を通じてセンサーハウジング60に入ることもでき、センサー62の圧力検知表面68と接触することもできる。センサー62は、通例、開口部66を入る流体が、圧力検知表面68を除き、センサー62に浸透して該センサーの動作に影響を与えないように、母基板に気密に封止される。センサー62は、流体が開口部66に流入し、流出する時に、圧力検知表面68と接触する流体の圧力を測定することもできる。例えば、圧力検知表面68は、変形可能な表面を有するダイアフラムを含み、流体が開口部66中を流れると、流体がこのダイアフラムの表面と衝突して該表面を機械的に変位させるようにすることもできる。ダイアフラムの機械的な変位は、一対の可変抵抗シリコンストレインゲージを含む可変抵抗回路によって電気信号に変換されることもできる。一方のストレインゲージは、ダイアフラムの変位を測定するために、ダイアフラムの中心部分に取り付けられることもでき、第2の、対をなすストレインゲージはダイアフラムの外縁部の近くに取り付けられることもできる。これらのストレインゲージは、接着剤でダイアフラムに取り付けられることもでき、ダイアフラム構造体中に拡散されることもできる。バンド20内の流体圧力が変動すると、ダイアフラムの表面は上下に変形することもでき、それによって中心のストレインゲージに抵抗変化を生じさせる。
【0030】
センサー62用の可変抵抗回路の1つの実施の形態を図6に示す。この回路は、半補償ホイートストンブリッジ回路100の上部の2つの抵抗要素を形成する第1および第2のストレインゲージ96、98を含んでいる。第1のストレインゲージ96がセンサーのダイアフラムの機械的な変位に応答する時に、第1のゲージ96の変化する抵抗がブリッジ回路100の上部の電位を変化させる。第2のストレインゲージ98は第1のストレインゲージ96と対にされていて、ホイートストンブリッジ100を断熱化する。第1および第2の差動増幅器102、104がブリッジ回路100に接続されて、可変抵抗ストレインゲージ96、98によるブリッジ回路100内の電位変化を測定する。特に、第1の差動増幅器102はブリッジ回路100全体の電圧を測定し、一方第2の差動増幅器104はブリッジ回路100の半分のストレインゲージの差電圧を測定する。ブリッジ全体の一定の電圧に対し、これらのストレインゲージ電圧間の差が大きければ大きいほど、圧力差は大きくなる。差動増幅器102、104からの出力信号は、回路基板64に組み込まれたマイクロコントローラ65に印加されることもでき、マイクロコントローラ65は、測定された圧力データを患者の外部の装置に送信することもできる。所望により、圧力センサー62の感度および精度を高めるために、全補償ホイートストンブリッジ回路を使用することもできる。全補償ブリッジ回路では、2つのみのストレインゲージではなく、4つのストレインゲージがダイアフラムの表面に取り付けられる。
【0031】
図7は、食物摂取制限システム10の内部および外部部分10a、10bに含まれる構成部品の1つの実施の形態を図示する。図7に示すように、外部部品10bは、内部部分10aに電力信号132を送信するための一次TETコイル130を含む。テレメトリーコイル144も内部部分10aにデータ信号を送信するために含まれる。一次TETコイル130とテレメトリーコイル144は結合してアンテナ、例えば読み取り装置70を形成する。外部部分10b、例えばコントロールボックス90、は、一次TETコイル130への電力の印加を制御するためのTET駆動回路134を含む。TET駆動回路134は、関連したメモリー138を有するマイクロプロセッサ136によって制御される。グラフィカルユーザーインターフェース140が、患者情報を入力し、ならびにデータおよび医師の指示を表示し、および/または印刷するためにマイクロプロセッサ136に接続される。ユーザーインターフェース140を通じて、患者または臨床医などのユーザーは、医師に調整要求を送信することもでき、またその要求の理由を入力することもできる。加えて、ユーザーインターフェース140は、以下にさらに述べるように、患者が医師からの指示および/または圧力測定警報を読み取り、これに応答するのを可能にすることもできる。
【0032】
外部部分10bはまた、埋め込まれたマイクロコントローラ65に問合せ命令を送信しかつ該コントローラから検知された圧力データを含む応答データを受信するための一次テレメトリー送受信器142を含む。一次送受信器142は、命令およびデータの信号を入力し、受信するためにマイクロプロセッサ136に電気的に接続される。一次送受信器142は、テレメトリーコイル144を選ばれたRF通信周波数で共振するように駆動する。共振回路は、マイクロコントローラ65に命令データを送信するダウンリンク交番磁界146を生成することもできる。代替的に、送受信器142は、内部部分10a内の二次TET/テレメトリーコイル114から送信されたテレメトリー信号を受信することもできる。受信データはマイクロプロセッサ136と関連したメモリー138に記憶されることもできる。電力供給装置150は、内部部分10a内の要素(単数または複数)に電力を供給するために、コントロールボックス90にエネルギーを供給することもできる。周囲圧力センサー152はマイクロプロセッサ136に接続される。マイクロプロセッサ136は、例えば気圧条件または高度の変動による気圧変動に対して受信圧力測定値を調整して、圧力測定値の精度を高めるために、周囲圧力センサー152からの信号を使用することもできる。
【0033】
図7はまた、内部部分10aの構成部品であって、この実施の形態においてセンサーハウジング60内に(例えば、回路基板64上に)含まれる構成部品を図示する。図7に示すように、二次TET/テレメトリーコイル114は、外部アンテナから電力/通信信号132を受信する。二次コイル114は、誘導的に一次TETコイル130と連結されて埋め込み物に電力を供給するかまたは一次テレメトリーコイル144と連結されてデータを受送信する同調タンク回路を形成する。テレメトリー送受信器158は二次コイル114とのデータ交換を制御する。加えて、内部部分10aは、整流器/電力レギュレータ160、マイクロコントローラ65、マイクロコントローラ65と関連するメモリー162、温度センサー112、圧力センサー62、および信号調節回路164を含む。埋め込まれた構成部品は、センサー62からの圧力測定値を(温度等による調整をしてまたはしないで)、アンテナ(一次TETコイル130およびテレメトリーコイル144)を介してコントロールボックス90に送信することもできる。圧力測定値は、メモリー138に記憶され、周囲圧力に対して調整され、コントロールボックス90のディスプレイに示され、および/または患者から遠隔の場所の遠隔監視ステーションに、場合によりリアルタイムで、送信されることもできる。
【0034】
図8に示すプロセスで図示するように、センサーハウジング60は、概して、胃バンド20内の圧力を検知することも、その場所で(例えば、メモリー162に)検知された圧力データを記憶することも、かつ検知された圧力データの少なくとも一部をコントロールボックス90などの外部装置に読み取り装置70を介して通信することもできる。圧力センサー62は該センサーが検知するすべての圧力データを読み取り装置70に通信することもできるが、該圧力データの選択された部分(例えば、検知された圧力データの全体よりも少ない部分)のみを通信することによって、より少ない電力を使用することも、センサーハウジング60により小さい物理的および/または電子的記憶空間を必要とすることも、および/またはコストを減少させることもできる。
【0035】
図8に示すプロセスを、図1A〜7に含まれる要素に関連して述べるが、当業者は、このプロセスがより多くのまたは少ない要素を、再編成されてまたはされずに、含むように修正されることもでき、また、このプロセスがシステム10で、または別の、他の類似の要素を有する類似のシステムで実行されることもできることを理解するであろう。例えば、この実施の形態ではマイクロコントローラ65が指示を処理するが、システムのために指示を処理するように構成された任意のプロセッサ(例えば、中央処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理ユニット、特定用途向け集積回路(ASICs)、状態機械、アナログコンピュータ、光またはフォトニックコンピュータ、論理回路等)を使用することもできる。さらに、センサー62はこの図示の実施の形態では流体圧力を測定するが、本明細書で述べるように、バンド20に関連した任意の検知された圧力データを取り扱うこともできる。
【0036】
使用時、センサーハウジング60は、センサー62を使用して、バンド20内に配置された流体の圧力を検知400することもできる。センサー62は、信号調節回路164に測定された信号を送信することもでき、信号調節回路164はこれらの信号を、該信号調節回路がマイクロコントローラ65に測定圧力データを送信402する前に、増幅することもできる。代替的に、いくらかの実施の形態において、センサー62はマイクロコントローラ65に直接信号を送信することもできる。この実施の形態において、圧力センサー62はほぼ20Hzの更新速度で圧力データを提供する。そのような速度は、ほぼ50msごとにテレメトリー/TETモードサイクルの完了を提供することもできる。例えば、TET/テレメトリーコイル114は、センサーハウジング60に電力を供給するためにほぼ45msの間センサーハウジング60にTETを提供することもでき、その後でほぼ5msの間圧力データのテレメトリーを提供することもできる。もちろん、任意の他の切り替えトポロジーを使用することもできる。また、TETとテレメトリーの切り替えを不必要としてもよいことも認識されるであろう。例えば、センサーハウジング60が能動的であることもでき、その場合TETは必要とされない。別の例として、第2のコイル(図示せず)をセンサーハウジング60に追加してセンサーハウジング60内のコイルの一方をTET専用とし、他方をテレメトリー専用とすることもできる。さらに他の代替例および変形例も当業者には明らかであろう。
【0037】
検知された圧力データを受信すると、マイクロコントローラ65は、例えばメモリー162に該データを記憶412すべきかどうか決定404することもできる。非限定的に、1つまたは複数の揮発性(例えば、SRAM等)、不揮発性(例えば、フラッシュ、ハードドライブ等)、または他のメモリーを含む任意のタイプのメモリーを、メモリー162に使用することもできる。データを記憶すべきかどうか決定することは、マイクロコントローラ65が、データを記憶する前に、データを分析し、かつ、場合によっては、該データの少なくとも一部を破棄し、それによってメモリー162の利用できる記憶空間をより少ない量だけ使用することを可能にする。マイクロコントローラ65は、しかしながら、すべての検知された圧力データを記憶412するように構成されることもでき、したがって、そのような決定をせず、代わりに、以下にさらに説明するように、引き続きいずれかのデータが警報を作動させるかどうかの評価406に移ってもよい。(そのような構成においては、圧力センサー62からの生の(未処理の)データを記憶し、この生のデータを外部読み取り装置を介して処理することがより電力効率がよいこともある。)さらに、メモリー162は予め選ばれた情報または予め選ばれたタイプの情報を記憶するのに使用されることもできる。例えば、メモリー162は、最大限度の、最少限度の、および/または基準線、圧力測定値、圧力プロフィール、圧力傾向、患者が飲み込むときの蛍光透視画像または映像、および/または任意の他の情報を記憶することもできる。メモリー162に記憶するのに好適な他の情報は当業者によって認識されるであろう。
【0038】
マイクロコントローラ65は、データを記憶すべきかどうか決定する際に、さまざまなやり方でデータを分析することもできる。通例、マイクロコントローラ65は、すべての個別の圧力測定値を分析するのではなく、ある期間にわたって測定された圧力データ値のシーケンスを分析し、それによって経時的な圧力傾向の分析を可能にし、かつ、必ずしも絶えず入力データを分析しなくてもよいようにすることによって、資源の処理を節約する。マイクロコントローラ65は、しかしながら、個々の圧力データ測定値(および/またはある範囲のデータ)を無効データがあるかについて評価することもでき、任意の無効データを破棄することを決定することもできる。一般に、データを保存するかどうか決定する際に、マイクロコントローラ65は、バンド20内の公称圧力または静止圧力からの圧力変動のデータを考慮する。公称圧力は、通例、その患者における履歴バンド動作に基づいて、または、特に最近埋め込まれたバンドに関しては、典型的な患者における履歴バンド動作に基づいて、医師によりマイクロコントローラ65にプログラムされる。測定された圧力データが公称圧力を超えれば、データは、システム10における圧力変動を示し、ゆえに、おそらく、潜在的に分析、診断、および/または他の目的のために有益な情報を含んでいる。圧力データが公称圧力と実質的に等しければ、データは、分析目的のために潜在的に有意義な事象を示す可能性は低い、例えば、飲食などの患者の活動に起因するバンド圧力の変化である。マイクロコントローラ65はいずれのそのような実質的に公称のデータでも破棄することもできる。データの破棄は、データを記憶しないこと、あるいはデータの表示を記憶すること、例えば、特定の数字の組(例えば、“888”、“999”、“000”等)または1つまたは複数のアルファベット文字を記憶することを含むこともできる。異なったデータの表示を使用して、異なったタイプのデータ、例えば、実質的に公称のデータ、規定の圧力範囲から外れたデータ、等の測定を表わすこともできる。とはいえ、いくらかの実施の形態において、マイクロコントローラ65は、圧力測定値の完全な履歴記録を維持するために、公称圧力データでさえメモリー162に記憶412することもできる。さらに、マイクロコントローラ65は、該コントローラが受信したすべての検知された圧力データをメモリー162に記憶412し、その後で、データを取っておくかまたは破棄するかどうか決定することも、例えば、すべてのデータを記憶し、“X”分ごとに、および/または外部装置から信号があり次第データを分析することもできる。
【0039】
図9および10は、マイクロコントローラ65がセンサー62から受信することもできる例示の圧力データのシーケンスを示す。図9および10の各々において、プロットは、24時間の期間についての検知された圧力データ対時間を示す。図9のプロットは、公称圧力レベル409に4つの実質的に公称圧力の期間407a、407b、407c、407dを含む。このプロットに示す公称圧力レベル409は、ほんの一例であり、公称圧力値は任意の値、または任意の範囲の値とすることもできる。さらに、ある患者のための公称圧力値は経時的に、たとえば、患者が体重を減少させるにつれて、変化することもできる。マイクロコントローラ65は、この24時間期間の圧力データを公称圧力409と比較することもでき、かつ公称圧力期間407a、407b、407c、407dのデータを破棄し(例えば、そのデータをメモリー162に記憶しないか、またはそのデータをメモリー162から削除して)、残りの選択された部分の圧力データのみを記憶412することを決定することもできる。いくらかの場合には、マイクロコントローラ65は、公称圧力409を超える圧力データを破棄することを決定することもできる。例えば、マイクロコントローラ65は、患者がその日に食べた3回の食事のうちの2回の食事の間に取得されたデータを除いて圧力データを破棄、例えば、4つの期間407a、407b、407c、407dの間に、および朝食期間411の間に測定された圧力データを破棄し、残りの選択された、昼食および夕食期間413、415に対応する圧力データを記憶412することもできる。圧力データは、センサー62がデータを測定した時間帯と圧力値が公称レベル409を上回った持続期間の組合せなどの、マイクロコントローラ65により考慮される1つまたは複数の要素に基づいて、特定の食事と関連づけられることを決定されることもできる。
【0040】
マイクロコントローラ65はまた、図10に示すような、1つまたは複数の生理学的事象に関連した圧力データを破棄することを決定することもできる。生理学的事象の非限定的な例は、上記の事象(例えば、咳き込み、嘔吐、レッチング(wretching)等)および正常な事象(心臓の鼓動、呼吸、話すこと等)を含む。生理学的事象は、予想されるレベルと大きさ、持続期間、発生(例えば、真夜中などの不測の時間帯)が、および/または患者の確立されたものを食べるパターンと頻度が、著しく異なる測定圧力データを生じさせることもできる。マイクロコントローラ65は、そのような著しい相違があるかデータを分析することにより、例えば取得圧力データのいずれかが、通例生理学的事象に応答するのでなければ超えられない、予めプログラムされた閾値を上回る値を含んでいるか決定することにより、圧力データを保持することを決定することもできる。マイクロコントローラ65は、また、あるいはその代りに、取得圧力データのいずれかが規定された圧力値の範囲内の値を含むか決定することもできる。いくらかの実施の形態において、直前の圧力データ値によって、または特定の時間帯に対応する圧力値によって、上限および/または下限で規定されることもできる、規定された範囲次第で、マイクロコントローラ65は、その範囲内のデータを破棄し(例えば、その範囲が正常な事象によってもたらされることが予想される頻度および大きさの圧力読み取り値を反映する場合)、またはその範囲内のデータを保持する(例えば、その範囲が通例生理学的事象によるのでなければ超えられない閾値までのいずれかの陽圧値を含む場合)ことを決定することもできる。一例として、図10のプロットは、超生理学的事象を示す圧力データ413、正常な事象を示す圧力データ415、および実際のバンド圧力データ417を含む。マイクロコントローラ65は、上述の1つまたは複数のプログラムされたアルゴリズムを使用して、超生理学的事象データ413および正常事象データ415を破棄することもできる。
【0041】
マイクロコントローラ65はまた、いずれかのデータが警報を作動させるかどうか決定することもできる。マイクロコントローラ65がいずれかの圧力データがある規定された圧力値の範囲から外れていると、および/または閾値よりも大きいまたは小さいと決定すれば、マイクロコントローラ65は、医師、患者、および/または任意の数の他の人々に警報を提供408することもできる。それというのは、そのような範囲外の圧力データは、バンドの漏れ、バンドの締めすぎ、反復性のレッチング、バンドのずれ、侵食等の考えられる問題を示すこともできるからである。マイクロコントローラ65は、例えば、問題となる可能性のある検知された圧力データを示しかつ警報の通報を作動させる信号を外部装置(例えば、コントロールボックス90)に通信することによって、警報を提供することもできる。警報は以下のうち任意の1つまたは複数のものを含むこともできる。すなわち、電子メール、電話、テキストメッセージ、可聴信号、機械的振動、光または他の視覚ディスプレイ、触覚ディスプレイ、外部装置に表示されたメッセージ、または任意の他のタイプの警報。異なった警報パターン(例えば、変化する音声信号、変化する振動パターン等)を使用して異なった状態を意味することもできる。2つまたは3つ以上の警報を類似の状況にある多数の人々に提供することもできるが、警報は多数の人々に同時に提供されなくても、または誰にでも提供されてもよい。警報のための条件および/または警報のタイプはまた、警報の受取人との関係で変えることもできる。例えば、医師または他の医療関係者に対する警報に関し、そのような警報は、内部部分10aの何かの構成部品が構造的に故障したこと(例えば、カテーテル50のねじれ、バンド20の漏れ等)を表わす上記の事象の時に提供される警報に限定されてもよい。患者に対する警報に関し、そのような警報は、患者がたくさん食べすぎる、食べるのが速すぎる、または患者の一口サイズが大きすぎるといった表示の時に提供される警報などの、患者の活動に限定されてもよい。医師、患者、および/または別の人に向けて警報を送り出すこともできるさまざまな条件は、当業者によって理解されるであろう。警報のきっかけを検出するための他の好適なプロセス、ならびに警報を提供することもできるやり方、および警報を提供するタイミング(例えば、直ちに、毎日または毎時間などの定期的なスケジュールによって、一定の節目またはデータパターンの検出後に等)は、当業者によって認識されるであろう。
【0042】
マイクロコントローラ65は、随意に、メモリー162にデータを記憶412する前に、データを圧縮410することもできる。そのような圧縮は、内部部分10a(および後に外部部分10b)にデータを記憶するのに必要とされる記憶空間の量を減少させ、マイクロコントローラがメモリー162にアクセスする回数を減少させ(それによって、電力を節約する)、データをセンサーハウジング60から外部装置に通信するのに必要とされる時間および/または電力の量を減少させ、かつ、より多くのデータがデータを外部装置に通信する前にその場所で記憶されるのを可能にすることもできる。圧力データは、図8では、圧縮が行われるとすれば、メモリー162に記憶すべきデータの選択された部分の決定後に圧縮されるものとして示されているが、マイクロコントローラ65は、そのような決定を行う前にデータを圧縮することもできる。例えば、上述のように、マイクロコントローラ65は、そのような決定をする前に圧力データを記憶412することもできる(場合により、後にデータを分析のために取り出す)。別の例として、マイクロコントローラ65は、そのような決定分析を行うように構成されなくてもよく、すべてのデータを外部装置に通信するために記憶412することもできる。
【0043】
マイクロコントローラ65は、任意の1つまたは複数の損失のないおよび/または損失のある圧縮技術を使用して、データを圧縮することもできる。損失のない圧縮技術の非限定的な例は、差分値(絶対値の代りに)を記録すること、ある決定された期間(例えば、データ収集時間の一定期間後の、休止圧力の期間等)の間のセンサーのデータサンプリングレートを減少させること(センサーのデータサンプリングレートをゼロに減少させることを含むこともできる)、ランレングス符号化、ハフマン符号化、および他のタイプの損失のない圧縮を含む。損失のある圧縮の非限定的な例は、量子化テーブル(例えば、スパース(sparse)量子化)を使用すること、および他のタイプの損失のある圧縮を含む。絶対値の代りに差分値を記憶することは、マイクロコントローラ65が、通例圧力測定の初めにおよび規則的な間隔で、当初検知されたデータを再構成する際に基準線として働くこともできる絶対値をメモリー162に記憶すれば、有効な圧縮となることもできる。検知された圧力値はしばしば隣り合う圧力値と接近しており、そのため基準線からの相違はしばしば、ゼロでないにしても、小さいものになりがちである。マイクロコントローラ65は、差分値をハフマン符号化の最も短い符号記号に符号化するなどの圧縮技術を使用して、差分値を記憶するために圧縮することもできる。
【0044】
メモリー162に記憶されたデータは、外部装置に通信414されることもできる。いくらかの実施の形態において、マイクロコントローラ65はデータを絶えず通信414し(テレメトリー送受信器158および二次コイル114を介して)、このデータは、アンテナ(一次TETコイル130およびテレメトリーコイル144)などの適切な受信装置が該データに十分近づいた時にのみ受信される。いくらかの実施の形態において、メモリー162からのデータのダウンロードは、外部装置(例えば、読み取り装置70)がセンサーハウジングにテレメータ式に電力を供給した時に、例えば、外部装置がセンサーハウジング60の近傍に入った時に、作動416されることもできる。外部装置は可動式であることも(例えば、振ってまたは別の方法でセンサーハウジング60の近傍に置かれるワンドまたは手持ち式ユニット)、または据え置き型であることもできる(たとえば、患者が近づくこともできるベッドわきの、机上設置型の、または車載型のボックス)。センサーハウジング60にテレメータ式に電力を供給することにより、ダウンロードの通信電力が外部部分10bによって供給されるので、内部部分10aの電力を節約することもできる。
【0045】
外部装置は、センサーハウジング60から受信したデータを記憶418するように構成されることもできる。外部装置は、さらに、患者から遠隔の場所のベースユニットなどの別の外部装置にデータを通信420するように構成されることもできる。外部装置(通例、コントロールボックス90、あるいは警報を表示しまたは別の方法で提供する機能を有する他の装置)は、内部部分10aが警報を表わす信号を通信したか検出422することもでき、適宜警報を提供424することもできる(例えば、警告通報を表示する、電子メールメッセージを送る等)。
【0046】
上述のように、圧力履歴(例えば、センサー62によって収集された圧力データ)は、ある指定された時間帯にわたる患者の治療および/または内部部分10aに含まれる要素の動作を人が物理的に評価し、および/またはコントロールボックス90が電子的に評価するのを可能にするために、コントロールボックス90(および/または患者の近くにまたは遠隔に位置づけられる他のユニット)にアップロードされることもできる。図11は、ある期間にわたる圧力測定値を記憶するための外部記憶機構として使用することもできる外部装置、すなわちデータロガー270の実施の形態を図示する。データロガー270は、上述の着脱式に取り付けられたデータ読み取り装置70として機能することもできる。この例において、データロガー270は、患者の外部でベルト274に装着され、かつ患者の体内でセンサーハウジング60が埋め込まれる領域の通信範囲の上に、または内に、配される装着型のパックを含む。代替的に、データロガー270は、注入ポート30が患者の胸骨上に埋め込まれかつポート30が圧力検知装置を含むときなどに、装置270’によって示すように、患者の首の周りに装着されることもできる。別の実施の形態において、データロガー270はまた患者の体内に埋め込まれる。
【0047】
図11に示すように、データロガー270は、内部部分10aに隣接して位置するように患者が装着することもできるTETコイル285とテレメトリーコイル272とを含む。TETコイル285は埋め込み物に電力を供給することもでき、テレメトリーコイル272は、埋め込まれた部分10aの二次テレメトリーコイル114を介して埋め込み物に問い合わせることもでき、かつ圧力測定値を含むデータ信号を受信することもできる。別の実施の形態において、TETコイル285とテレメトリーコイル272は、単一のコイルに統合されて、任意の好適な持続期間の間任意の好適な割合でTETとテレメトリーの機能を交互に行うこともできる。
【0048】
バンド20内の圧力は、バンド20に対する蠕動パルスを測定するのに十分な更新速度で、繰返し検知しデータロガー270に送信することもできる。通例、この更新速度は毎秒10〜20回の圧力測定の範囲であるが、任意の更新範囲を使用することもできる。データロガー270は、通例、覚醒期間中に装着されて、患者の食事および日常の作業中の圧力変動を記録する。一日の終りに、または別の設定された時間帯に、データロガー270を取り外すこともでき、記録された圧力データを外部メモリー138にダウンロードすることもできる。圧力履歴は、その後の通信セッション時にメモリー138から1つまたは複数の通信リンクを通じて遠隔のユニットにアップロードされることもできる。代替的に、圧力データは、1つまたは複数の通信リンクを使用して、データロガー270から直接遠隔のユニットにアップロードされることもできる。通信リンクは、高速ケーブルまたはダイアルアップ接続を利用するウェブベースのシステム、公衆電話線、無線RFネットワーク、ブルートゥース、ウルトラワイドバンド(UWB)、人工衛星、T1線、あるいは遠隔の場所間でデータを送信するのに好適な任意の他のタイプの通信媒体、を含むデータ送信媒体の任意の1個、あるいは2つまたは3つ以上の組合せを含むこともできる。データロガー270は、データロガー270からデータ通信を受信しかつ受信したデータを遠隔ユニットに送信するように構成される別の装置、例えばドッキングステーションに合体するように構成されることもできる。
【0049】
図12はデータロガー270をより詳細に示す。図12に示すように、データロガー270は、内部部分10aとのテレメトリー通信を制御するためのマイクロプロセッサ276を含む。マイクロプロセッサ276は、少なくとも内部部分10aからの圧力測定値を記憶するためのメモリー280に接続されている。この実施の形態において、メモリー280は、40MBの不揮発性EEPROMまたはフラッシュメモリーを含み、約100時間のタイムスタンプされた圧力データを記憶するように構成されるが、任意の他のタイプの記憶装置を使用することもできる。メモリー280は、任意の量のおよび任意のタイプのデータを記憶することもできる。非限定的な例として、非限定的にフラッシュメモリー、ハードドライブメモリー等を含む、任意の他のタイプの揮発性メモリーまたは任意のタイプの不揮発性メモリーを使用することもできる。この例におけるデータロガー270が動作中に、圧力は、マイクロプロセッサ276によって制御された指定のデータ速度で読み取られ、メモリー280に記憶されることもできる。
【0050】
マイクロプロセッサ276は、電力供給装置282によって通電されることもできる。1つの実施の形態において、電力供給装置282は再充電式バッテリーなどの再充電式電池(図示せず)を含む。いくらかの実施の形態において、再充電式電池は取り外し可能であり、再充電ユニットを使用して再充電することもでき、かつ消耗した電池を再充電する間に別の再充電式電池と交換することもできる。他の実施の形態において、再充電式電池は再充電アダプターをデータロガー270と壁ユニットに差し込むことによって再充電されることもできる。さらに別の実施の形態において、再充電式電池は無線再充電ユニットによって無線で再充電されることもできる。なお別の実施の形態において、電力供給装置282は超コンデンサを含み、該コンデンサも再充電されることもできる。もちろん、任意の他のタイプの電力供給装置を使用することもできる。
【0051】
圧力を記録するために、マイクロプロセッサ276は、最初に電力信号をTET駆動回路283およびTETコイル285を介して内部部分10aに送信することもできる。電力信号を送信した後に、マイクロプロセッサ276は、テレメトリー送受信器284とテレメトリーコイル272を介して内部部分10aに問合せ信号を送信することもできる。問合せ信号は、テレメトリーコイル114によってインターセプトされ、マイクロコントローラ65に送信されることもできる。マイクロコントローラ65は、センサー62からの応答の、随意に温度調整された圧力読み取り値を、送受信器158および二次テレメトリーコイル114を介して送ることもできる。圧力読み取り値はテレメトリーコイル272を通じて受信されることもでき、送受信器284によってマイクロプロセッサ276に向けて送られることもできる。マイクロプロセッサ276は、その圧力測定値を記憶して次の問合せ要求を起動することもできる。該当する場合には、マイクロプロセッサ276はまた、マイクロコントローラ65によって特定された警報に、視覚警報(例えば、データロガー270上のライトを点滅させる、ユーザーインターフェース292にメッセージを表示する、等)および/または可聴警報などで応答することもできる。ユーザーインターフェース292は、非限定的に、スピーカー、LED、LCDディスプレイ、オン/オフスイッチ、等を含む任意の数のおよびタイプの機能を含むこともできる。いくらかの実施の形態において、ユーザーインターフェース292は、患者に出力のみを提供するように構成され、患者がデータロガー270に入力を行うのを許容しない。ユーザーインターフェース292は、したがって、LEDであって、点灯された時に電力供給装置282が十分に充電されていること示すLEDと、別の、異なった色の、電力供給装置282の再充電が必要なことを示すLEDとを含むが、そのような電力表示は、電力残量が低くなると明るくなる1つのライト、可聴警報、電子メール警報等などの任意のタイプのおよび任意の組合せの表示を使用して示すこともできる。他の実施の形態において、ユーザーインターフェース292は、患者がデータロガー270に入力できるようにすることもでき、それに応じて任意の好適な構成部品および機能を含むこともできる。
【0052】
圧力の測定と記録が済んだら、データロガー270は患者からおよび/またはベルト274から取り外すこともでき、記録された圧力データはコントロールボックス90(および/または任意の他の外部装置)にダウンロードされることもできる。データロガー270は、通信リンクを使用して直接遠隔のベースユニットに検知された圧力データを送信するためのモデム286を含むこともできる。例えば、患者は、電話線(または他の通信リンク)にモデム286を接続し、医師のモデムをダイアルし(必要ならば)、かつユーザーインターフェース292の“送る”ボタンを選ぶこともできる。一たび接続されたら、マイクロプロセッサ276は、記憶された圧力履歴を遠隔ユニットに含まれるマイクロプロセッサに電話線を通じて送信することもできる。代替的に、データロガー270は、コントロールボックス90にロガー270を接続するためのUSBポート290を含むこともできる。ロガーのUSBポート290はコントロールボックス90に含まれるUSBポートに接続されることもでき、かつ、コントロールボックス90内のメモリー138に圧力データをダウンロードするため、“送る”スイッチを起動することもできる。圧力データがダウンロードされた後に、ロガー270はユーザーインターフェース292を通じてオフにされることも、あるいは連続した圧力測定のためにリセットされて患者におよび/またはベルト274に戻されることもできる。
【0053】
代替的な実施の形態のデータロギングシステム300を図13に示す。この例では、データロギングシステム300は、コイルヘッド354とデータロガー370を含む。コイルヘッド354とデータロガー370は、着脱式ケーブル365を介して通信する。非限定的に無線送信/受信システムを含む任意の1つまたは複数の好適な代替的な通信リンクをケーブル356の代りに使用することもできる。図示の実施の形態において、コイルヘッド354は患者の首の周りに装着され、全体として注入ポート30の上にかつセンサーハウジング60の通信範囲内に配されている。データロガー370は患者のウエストの周りのベルト274に装着されている。もちろん、これらのそれぞれの場所は単に例示であり、コイルヘッド354とデータロガー370のいずれかまたは両方を他の場所に配することもできる。非限定的な例として、注入ポート30が患者の腹部に埋め込まれるときは、コイルヘッド354はベルト274に装着することもできる。コイルヘッド354とデータロガー370は、説明のためにのみ図13において単純なブロックとして表されており、コイルヘッド354またはデータロガー370のいずれも、さまざまな形状、サイズ、および構成で設けられることもできる。
【0054】
データロギングシステム300の例示的な構成部品を図14に示す。図示のように、データロガー370は、マイクロプロセッサ276、メモリー280、電力供給装置282、USBポート290、およびユーザーインターフェース292を含んでいる。コイルヘッド354は、TET駆動回路283、テレメトリー送受信器284、TETコイル285、およびテレメトリーコイル272を含んでいる。TET駆動回路283は、電力供給装置282からケーブル356を介して電力を受信するように構成されている。TET駆動回路283は、さらに、マイクロプロセッサ276からケーブル356を介して信号を受信するように構成されている。テレメトリー送受信器284は、ケーブル356を介して、マイクロプロセッサ276から信号を受信し、マイクロプロセッサ276に信号を送信するように構成されている。別の実施の形態において、テレメトリー送受信器284はマイクロプロセッサ276に信号を送信するようにのみ構成される。図12を参照した上述の構成部品の説明はまた、図14に示す構成部品に当てはめられることもできる。図14に図示する実施の形態において、コイルヘッド354とデータロガー370は、データロガー270(上述の)を含む構成部品を2つの物理的に別のユニットに分離したものと見ることもできる。図14に示す構成部品のいずれも、ならびにそれらの関係、機能等も任意の好適なやり方で変更することもできることは、当業者によって認識されるであろう。
【0055】
本例において、コイルヘッド354は、上述のアンテナ(一次TETコイル130およびテレメトリーコイル144)に類似して構成され、また類似したやり方で機能する。コイルヘッド354のTETコイル285は、注入ポート30に電力を供給するように構成される。もちろん、TETコイル285から電力を受信するように構成される任意の他の装置(例えば、ポンプ等)が患者の体内に埋め込まれる限り、TETコイル285はまた、そのような装置に電力を供給することもできる。TETコイル285によって供給される電力は、TET駆動回路283により、かつ該駆動回路に調整されてTETコイル285に供給されることもでき、TET駆動回路自体は電力供給装置282からケーブル356を介して電力を受信することもできる。TET駆動回路283に提供されるそのような電力は、ケーブル356を介してマイクロプロセッサ276によって調整されることもできる。加えて、または代替的に、マイクロプロセッサ276は、TET駆動回路283がTETコイル285に電力を供給するやり方を調整することもできる。本例はTETコイル285を通じたRF信号方式の使用を考えるが、任意の他のタイプの電力供給技術、ならびに代替的な電力伝達器を使用することもできる。これらの構成部品の他の好適な構成および相互関係、ならびにこれらの構成部品が動作する代替的なやり方は、当業者によって認識されるであろう。
【0056】
コイルヘッド354のテレメトリーコイル272は、コイル114から信号を受信するように構成され、該信号には、埋め込まれたバンドシステム内の圧力(例えば、注入ポート30内の、カテーテル50内の、および/または調整可能なバンド20内の流体圧力、すなわち圧力センサー62を使用して取得される圧力、等)を表示する信号、ならびに温度を表示する信号が含まれる。テレメトリーコイル272はまた、任意の他の源からの任意の他のタイプの情報を表す任意の他のタイプの信号を受信することもできる。テレメトリーコイル272によって受信された信号はテレメトリー送受信器284に通信されることもでき、該送受信器はそのような信号をマイクロプロセッサ276にケーブル356を介して通信することもできる。テレメトリー送受信器284は、マイクロプロセッサ276に信号を通信する前に、テレメトリーコイル272から受信した信号の任意の適切な変換または処理を行うこともできる。これらの構成部品の他の好適な構成および相互関係、ならびにこれらの構成部品が動作する代替的なやり方は、当業者によって認識されるであろう。また、構成部品が組み合わされてもよいことも認識されるであろう。非限定的な例として、TETコイル285とテレメトリーコイル272は、単一のコイルに統合されて、任意の好適な持続期間の間任意の好適な割合でTETとテレメトリーの機能を交互に行うこともできる。加えて、本例はテレメトリーコイル272を通じたRF信号方式の使用を考えるが、任意の他のタイプの伝達技術(例えば、超音波、磁気、RF、光、誘導等)を単独でまたは任意の組合せで使用することもでき、ならびにコイル以外の代替的な伝達器を使用することもできることは認識されるであろう。さらに、異なったデータ取り扱いが一定の通信技術により有益であることもでき、また、特定の通信技術に対して、適切なデータ取り扱いを選択することもできる。
【0057】
1つの例示的な使用法において、患者はコイルヘッド354およびデータロガー370を一日中装着して、メモリー280に圧力測定値を記録する。夜に、患者はコイルヘッド354からデータロガー370を切り離して、ドッキングステーション、例えばコントロールボックス90にデータロガー370を連結することもできる。データロガー370とコントロールボックス90が連結されている間、コントロールボックス90はデータロガー370から受信したデータを遠隔のユニットに送信することもできる。電力供給装置282が再充電式電池を含んでいる限り、コントロールボックス90は、データロガー370がコントロールボックス90と連結されている間、電池を再充電することもできる。しかしながら、患者はデータロガー370をコントロールボックス90と連結するために必ずしもデータロガー370をコイルヘッド354から切り離す必要はない。その上、圧力測定値は、日中に記録することに加えて、またはその代替として、夜間にメモリー280に記録されることもでき、また圧力測定値は一日24時間記録されることもできる。このようにして、圧力の測定および記録のタイミングは昼間のみに限定される必要はない。
【0058】
上述のように、データロガー370は、制限システム内の圧力に関連するデータを受信し、記憶し、および通信することもできる。しかしながら、データロガー370は、さまざまな他のタイプのデータを受信し、記憶し、および/または通信することもできる。非限定的な例として、データロガー370はまた、温度、EKG測定、患者のものを食べる頻度、患者が食べた食事の量、患者が行った歩行の量、等に関連するデータを受信し、処理し、記憶し、および/または通信することもできる。ゆえに、当業者は、データロガー370が、受信したデータを処理して、コントロールボックス90に通信するための追加のデータを作成するように構成されることもできることを認識するであろう。例えば、データロガー370は、コイルヘッド354を介して取得した圧力データを処理して、患者のものを食べる頻度を表示するデータを作成することもできる。データロガー370が圧力でないデータを取得するために追加の構成部品を含むこともできることを当業者は認識するであろう。例えば、データロガー370は、患者が行った歩行の量に関連するデータを取得するために、歩数計または加速度計を含むこともできる。そのような追加の構成部品によって取得されたデータは、メモリー280に記憶されることもでき、かつ圧力データと類似のやり方でコントロールボックス90に通信されることもできる。データロガー370はまた、さまざまな条件が圧力に及ぼす影響を説明するために、内部圧力測定値と共に計算に入れられるデータを取得するための構成部品を含むこともできる。例えば、データロガー370は気圧を測定するための気圧計を含むこともできる。いくらかの実施の形態において、データロガー370は、患者が方向づけられている角度(例えば、立っている、横になっている等)を決定するための傾斜計または類似の装置を含んでおり、この角度を、患者の方向づけによってもたらされる静水圧効果を説明するために、圧力データに織り込むこともできる。代替的に、圧力でないデータを取得するための傾斜計または他の装置は、データロガー370から物理的に離す(例えば、埋め込む)こともできる。さらに他のタイプのデータ、そのようなデータの取得方法、およびそのようなデータの使用方法は当業者によって認識されるであろう。
【0059】
当業者はまた、本明細書に記載した1つまたは複数の実施の形態が、ヘルスケア提供者などが、患者に対する食事の忠告を特定し、仕立て、および/または処方するために、圧力データをフィードバック機構として使用するのを可能にすることもできる、ことを認識するであろう。そのようなフィードバック機構は、多数のやり方でデータを提供することも、または使用されることもできる。例えば、圧力フィードバックは、患者が特定の量の食物を飲み込む時に得ることもでき、そのような圧力フィードバックに基づいて、患者にもっと少ない量、もっと多い量、またはテスト量と等しい量を食べるように忠告しまたは教えることもできる。もちろん、そのように処方された食物の量は、患者が処方された量の食物を飲み込む時に得られる圧力フィードバックを評価することによって、テストされることもでき、食物量の処方を反復を通じて洗練してもよい。別の例として、患者は一人前の分量と共に圧力フィードバックに基づいて、および/または任意の他のパラメータに基づいて、好きな食べ物が適切かどうかテストすることもできる。また、当業者は、連続的な圧力データの監視が、一人前の分量、食物の粘度(例えば、流動食対固形食)、ものを食べる頻度、および/または他の患者の活動を監視するために、その場所でおよび/または遠隔で行うこともできることを認識するであろう。
【0060】
上述の実施の形態は、カテーテル50に着脱式に結合されたセンサーハウジング60内の圧力センサー62の使用を含むが、圧力センサーは患者の体内のどこか違った場所に位置づけることもできる。例えば、圧力センサー62はポートハウジング30に含めることもできよう。別の実施の形態において、図15に示すように、圧力センサー500は、胃バンド502内に、例えば胃バンド502の膨張可能部分の中に、位置づけられることもできる。胃バンド502が弾性部分および非弾性部分を含んでいる限り、圧力センサー500は弾性部分または非弾性部分のいずれかに固定されることも、またはどちらにも固定されないこともできる。いずれにせよ、圧力センサー500は、注入ポート501およびカテーテル503を介して流体が胃バンド502に加えられまたは該バンドから引かれる前に、最中に、および後に、胃バンド502内の流体圧力を検知しおよび通信することもできる。圧力センサー500は、ポンプ(図示せず)または任意の他の装置が胃バンド502内の圧力を調整するために使用されるときに使用されることもできる。
【0061】
代替的に、図16に示すように、圧力センサー504は、胃バンド508と、ポート507、ポンプ、リザーバ、またはカテーテル506と流体連通している他の装置との間に配されるカテーテル506内に位置づけられることもできる。一例を図17に示す別の変更例として、圧力センサー509は、カテーテル506内に設置されるのでなく、カテーテル506とインライン式に固着されることもできる。
【0062】
さらに別の変形例を図18に示す。図18は“T”形交差部550を有するカテーテル506を図示する。圧力センサー504は、カテーテル506と直交し、かつカテーテル506と流体連通する“T”形交差部550の腕部の中に配置されている。1つの実施の形態において、“T”形交差部550はカテーテル506と一体に形成される(図示のように)。別の実施の形態において、“T”形交差部550はカテーテル506に結合された(例えば、あご付きコネクタ等を使用して)別の構成部品である。“T”形交差部550を設けることもできる他の好適な方法は当業者によって認識されるであろう。同様に、圧力センサー504をカテーテル506内に、該カテーテルとインラインで、または該カテーテルに隣接して設けることもできる他の方法も当業者によって認識されるであろう。
【0063】
さらに別の実施の形態(図示せず)において、圧力センサーは、注入ポートとカテーテルの接点に、および/または胃バンドとカテーテルの接点に位置づけられることもできる。非限定的に、胃バンドシステムの流体通路内のまたは該通路に隣接した任意の場所を含む、圧力センサーのためのさらに他の好適な場所は当業者によって認識されるであろう。加えて、圧力センサーは、胃バンド内(例えば、内壁に当接させて)、カテーテル内、およびバックル内に配されることもでき、または代替的に、そのようなバンド、カテーテル、およびバックルの一部は、外方に延びて対応する圧力センサーの少なくとも一部を収容する突出部を含むこともできる。バンド、カテーテル、またはバックル内に、あるいはこれらに隣接して圧力センサーを収容するための他の好適な構成は当業者によって認識されるであろう。
【0064】
別の実施の形態において、複数の圧力センサーを使用することもできる。例えば、胃バンドシステムは、胃バンドと流体連通するカテーテル内の圧力センサーに加えて、この胃バンド内に圧力センサーを含むこともできる。そのような複数の圧力センサーは、いかに流体圧力が良好に胃バンドシステムの構成部品間に分布されているかの表示を提供することもできる。そのような複数の圧力センサーはまた、圧力測定値により高い精度を提供し、カテーテルの障害(例えば、はさみつけ)が圧力読み取り値に影響を及ぼす可能性を減少させ、患者の動きによる静水圧変化の影響を減少させ、および/または1つまたは複数の他の結果を提供することもできる。複数の圧力センサーを含むいかなるシステムも、上述の任意の埋め込み圧力センサーに加えて、ポートハウジング内の圧力センサー、および/または患者の外部の圧力センサー(例えば、注射器内または注射器と連結された圧力センサー部内の圧力センサー)を含むこともできる。さらに、患者および/または内部部分が方向づけられている角度(例えば、立っている、横になっている等)を決定するために、内部または外部傾斜計(またはその代用品)などの装置を使用してもよく、該角度は、患者の方向づけによってもたらされる静水圧効果を説明するために、1つまたは複数のセンサーによって検知された圧力データ中に織り込まれてもよい。そのような要因(または任意の他の要因)は、圧力読み取り値の読み取り前にまたは読み取りと共に説明されてもよい。
【0065】
当業者は、本発明が従来の内視鏡器具および開放手術器具に、ならびにロボット支援手術に適用できることを認識するであろう。
【0066】
本明細書に開示した装置は、1回の使用後に廃棄されるように設計されることもでき、または多数回使用されるように設計されることもできる。どちらの場合でも、しかしながら、この装置は少なくとも1回の使用後に再使用のために再調節されることもできる。再調節は、装置の分解ステップ、それに続く特定の部品の洗浄または交換ステップ、およびその後の再組み立てステップの任意の組合せを含むこともできる。特に、装置を分解することもでき、装置の任意の数の特定の部品またはパーツを任意の組合せで選択的に交換しまたは取り外すこともできる。特定のパーツを洗浄および/または交換し次第、再調節施設で、または外科処置の直前に外科チームによって、その後の使用のために装置を再組み立てすることもできる。当業者は、装置の再調節は、分解、洗浄/交換、および再組み立てのためのさまざまな技術を利用することもできることを認識するであろう。そのような技術の使用、およびその結果の再調節装置は、すべて本願の範囲内のものである。
【0067】
好ましくは、本明細書に記載した発明は手術前に処理される。まず、新品のまたは使用された器具を用意し、必要ならば洗浄する。器具はその後で滅菌されることもできる。1つの滅菌技術において、器具はプラスチックまたはタイベックの袋などの密閉容器に入れられる。容器と器具は、その後で、ガンマ線、X線、または高エネルギー電子などの、容器を貫くこともできる放射線場に入れられる。放射線は器具の上のおよび容器内のバクテリアを死滅させる。滅菌された器具はその後で無菌容器に保管される。封止容器は該容器が医療施設内で開封されるまで器具を無菌状態に維持する。
【0068】
装置は滅菌されることは好ましい。滅菌は、ベータ線またはガンマ線、エチレンオキシド、蒸気を含む、当業者に知られている任意の数のやり方で行うこともできる。
【0069】
当業者は、上述の実施の形態に基づき本発明のさらなる特徴および利点を認識するであろう。よって、本発明は、添付の特許請求の範囲によって示されている場合を除き、特に図示しまた記載したものによって限定されるべきでない。本明細書で引用したすべての刊行物および参考文献は、参照してその全体が本明細書に明示的に組み入れられる。
【0070】
〔実施の態様〕
(1) 患者の体内に制限を形成するための制限システムにおいて、
患者の体内に制限を形成するように構成された埋め込み型制限装置と、
前記埋め込み型制限装置と連絡する埋め込み型検知装置であって、前記埋め込み型制限装置に関連したパラメータを検知し、かつ、外部装置にデータの選択された部分を、前記埋め込み型制限装置に関連した公称パラメータ値からのデータの変動を考慮して、通信するように構成された、埋め込み型検知装置と、
を備える、システム。
(2) 実施態様1に記載のシステムにおいて、
前記パラメータは、圧力、パルスカウント、パルス幅、および振幅の少なくとも1つを含む、システム。
(3) 実施態様1に記載のシステムにおいて、
前記検知装置はまた、前記外部装置が少なくともいくらかの電力を前記検知装置にテレメータ式に供給するときに、前記外部装置にデータを通信するように構成されている、システム。
(4) 実施態様1に記載のシステムにおいて、
前記検知装置は、公称値と実質的に等しいデータを破棄するように構成されている、システム。
(5) 実施態様1に記載のシステムにおいて、
前記検知装置は、前記データが、規定された値の範囲内の値を含むかどうかに基づいて、データの選択された部分を通信するように構成されている、システム。
【0071】
(6) 実施態様1に記載のシステムにおいて、
前記検知装置は、データを公称値と比較するように構成されている、システム。
(7) 実施態様1に記載のシステムにおいて、
前記検知装置は、データの前記選択された部分を、データの前記選択された部分の前記外部装置への通信前に、記憶するように構成されている、システム。
(8) 実施態様1に記載のシステムにおいて、
データの前記選択された部分は、データの前記選択された部分の前記外部装置への通信前に、圧縮される、システム。
(9) 患者の体内に制限を形成するための制限システムにおいて、
患者の体内に制限を形成するように構成された埋め込み型制限装置と、
前記埋め込み型制限装置と連絡し、かつ、前記埋め込み型制限装置内の圧力を検知するように構成された埋め込み型圧力検知装置と、
前記検知された圧力データのいずれかを記憶すべきかどうか、前記検知された圧力データのいずれかを外部読み取り装置に通信する前に、決定するように構成されたプロセッサと、
を備える、システム。
(10) 実施態様9に記載のシステムにおいて、
検知された圧力データを記憶し、かつ、記憶された圧力データを外部装置に通信するように構成された外部記憶機構をさらに備える、システム。
【0072】
(11) 実施態様10に記載のシステムにおいて、
前記外部記憶機構はまた、前記患者に着脱式に取り付けられるように構成されている、システム。
(12) 実施態様9に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、前記外部読み取り装置が前記埋め込み型圧力検知装置の近傍に動かされたときに、記憶されたデータの前記外部読み取り装置へのダウンロードを作動させるように構成されている、システム。
(13) 実施態様9に記載のシステムにおいて、
前記埋め込み型圧力検知装置は前記プロセッサを含む、システム。
(14) 患者の体内に制限を形成する方法において、
埋め込み型圧力検知装置を使用して、患者の体内に制限を形成するように構成された埋め込み型制限装置内の圧力に関連した圧力データを取得することと、
取得圧力データの少なくとも一部を前記埋め込み型圧力検知装置に記憶することと、
外部装置が前記埋め込み型圧力検知装置の近傍に動かされたときに、記憶された圧力データのダウンロードを作動させることと、
を備える、方法。
(15) 実施態様14に記載の方法において、
取得圧力データの少なくとも一部を、前記取得圧力データの前記少なくとも一部を前記埋め込み型圧力検知装置に記憶する前に、圧縮することをさらに備える、方法。
【0073】
(16) 実施態様15に記載の方法において、
前記圧縮することは、差分値を記憶すること、値を記憶すること、量子化テーブルを使用すること、ランレングス符号化を使用すること、およびハフマン符号化を使用することの群から選択された少なくとも1つの圧縮技術を使用することを含む、方法。
(17) 実施態様14に記載の方法において、
前記埋め込み型圧力検知装置に記憶された取得圧力データは、前記埋め込み型制限装置内の公称圧力を超える圧力値を含む、方法。
(18) 患者の体内に制限を形成する方法において、
患者の体内に制限を形成するように構成された埋め込み型制限装置内の圧力に関連した圧力データを取得することと、
前記圧力データの一部を保持することを、圧力データを外部読み取り装置に通信する前に、決定することと、
を備える、方法。
(19) 実施態様18に記載の方法において、
前記圧力データの一部を保持することを決定することは、前記取得圧力データのいずれかが、規定された圧力値の範囲内の値を含んでいるか決定することを含む、方法。
(20) 実施態様18に記載の方法において、
前記圧力データの一部を保持することを決定することは、前記埋め込み型制限装置内の公称圧力を超えるいずれの前記取得圧力データを保持することを決定することを含む、方法。
【0074】
(21) 実施態様20に記載の方法において、
前記取得圧力データのいずれかが、閾値圧力値を超える値を含んでいれば、前記外部読み取り装置への通信に関する警報を生成することをさらに備える、方法。
(22) 実施態様18に記載の方法において、
保持されることが決定された前記圧力データの前記一部のみを、圧力データを前記外部読み取り装置に通信する前に、記憶することをさらに備える、方法。
(23) 実施態様22に記載の方法において、
保持されることが決定された前記圧力データの前記一部を、保持されることが決定された前記圧力データの前記一部を記憶する前に、圧縮することをさらに備える、方法。
(24) 実施態様18に記載の方法において、
前記圧力データを取得することは、ある決定された期間の間の圧力データ収集の速度を減少させることを含む、方法。
(25) 実施態様18に記載の方法において、
前記圧力データの一部を保持することを決定することは、前記埋め込み型制限装置に連結され、かつ、前記圧力データを取得するように構成された圧力検知装置を使用して、前記取得圧力データを処理することを含む、方法。
【0075】
(26) 実施態様25に記載の方法において、
前記取得圧力データを処理することは、前記圧力検知装置と電子的に通信するプロセッサを使用することを含む、方法。
(27) 患者の体内に制限を形成する方法において、
埋め込み型圧力検知装置を使用して、患者の体内に制限を形成するように構成された埋め込み型制限装置内の圧力に関連した圧力データを取得することと、
前記取得圧力データを前記埋め込み型圧力検知装置に記憶することと、
前記取得圧力データを、前記取得圧力データを記憶する前に、圧縮することと、
を備える、方法。
(28) 実施態様27に記載の方法において、
前記圧縮することは、差分値を記憶すること、値を記憶すること、量子化テーブルを使用すること、ランレングス符号化を使用すること、およびハフマン符号化を使用することの群から選択された少なくとも1つの圧縮技術を使用することを含む、方法。
(29) 実施態様27に記載の方法において、
前記圧縮されかつ記憶された圧力データの少なくとも一部を前記圧力検知装置から外部装置に通信することをさらに備える、方法。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1A】食物摂取制限システムの実施の形態の略図である。
【図1B】図1Aの食物摂取制限システムの埋め込み型部分の実施の形態の斜視図である。
【図2A】図1Aの食物摂取制限装置の斜視図である。
【図2B】患者の胃−食道接合部の周りに適用された図2Aの食物摂取制限装置の略図である。
【図3】図1Aの注入ポートハウジングの実施の形態の斜視図である。
【図4】図1Aのセンサーハウジングの実施の形態の斜視図である。
【図5】図1Aのセンサーハウジングの実施の形態を図示する。
【図6】図5の圧力センサーの可変抵抗回路の実施の形態の略図である。
【図7】図1Aの食物摂取制限装置の内部および外部の構成部品の実施の形態を示すブロック図である。
【図8】図1Aの食物摂取制限装置のためのデータ取り扱いプロトコルの実施の形態を示すフロー図である。
【図9】図5の圧力センサーによる圧力測定値のグラフ図である。
【図10】図5の圧力センサーによる別の圧力測定値のグラフ図である。
【図11】図1Aの食物摂取制限装置に関連した圧力測定値を記録するデータロガーの実施の形態の略図である。
【図12】図11のデータロガーの構成部品の実施の形態を示すブロック図である。
【図13】図1Aの食物摂取制限装置に関連した圧力測定値を記録するデータロギングシステムの実施の形態の略図である。
【図14】図13のデータロギングシステムの構成部品の実施の形態を示すブロック図である。
【図15】カテーテルに沿って配された圧力センサーを備える胃バンドシステムの実施の形態の斜視図である。
【図16】カテーテル内に配された圧力センサーを備える胃バンドシステムの実施の形態の略図である。
【図17】カテーテルに沿って配された圧力センサーを備える胃バンドシステムの別の実施の形態の斜視図である。
【図18】“T”形圧力センサーおよびカテーテル構成を備える胃バンドシステムの実施の形態の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内に制限を形成するための制限システムにおいて、
患者の体内に制限を形成するように構成された埋め込み型制限装置と、
前記埋め込み型制限装置と連絡する埋め込み型検知装置であって、前記埋め込み型制限装置に関連したパラメータを検知し、かつ、外部装置にデータの選択された部分を、前記埋め込み型制限装置に関連した公称パラメータ値からのデータの変動を考慮して、通信するように構成された、埋め込み型検知装置と、
を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記パラメータは、圧力、パルスカウント、パルス幅、および振幅の少なくとも1つを含む、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記検知装置はまた、前記外部装置が少なくともいくらかの電力を前記検知装置にテレメータ式に供給するときに、前記外部装置にデータを通信するように構成されている、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記検知装置は、公称値と実質的に等しいデータを破棄するように構成されている、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記検知装置は、前記データが、規定された値の範囲内の値を含むかどうかに基づいて、データの選択された部分を通信するように構成されている、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記検知装置は、データを公称値と比較するように構成されている、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記検知装置は、データの前記選択された部分を、データの前記選択された部分の前記外部装置への通信前に、記憶するように構成されている、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
データの前記選択された部分は、データの前記選択された部分の前記外部装置への通信前に、圧縮される、システム。
【請求項9】
患者の体内に制限を形成するための制限システムにおいて、
患者の体内に制限を形成するように構成された埋め込み型制限装置と、
前記埋め込み型制限装置と連絡し、かつ、前記埋め込み型制限装置内の圧力を検知するように構成された埋め込み型圧力検知装置と、
前記検知された圧力データのいずれかを記憶すべきかどうか、前記検知された圧力データのいずれかを外部読み取り装置に通信する前に、決定するように構成されたプロセッサと、
を備える、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、
検知された圧力データを記憶し、かつ、記憶された圧力データを外部装置に通信するように構成された外部記憶機構をさらに備える、システム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2009−178551(P2009−178551A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−15101(P2009−15101)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(595057890)エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド (743)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【Fターム(参考)】