説明

胃腸管における有効成分の送達

カプセル(32)により貯蔵される薬物(36)を包含する摂取可能なカプセル(32)、および被験体の胃腸(GI)管(50)内のカプセル(32)の配置に応答可能なようにその状態を変化させるように適合されている環境感受性の機構(18)を包含する、薬物投与のための装置(30)が提供される。カプセル(32)は、第一および第二の電極(16)、ならびに、約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極(16)を駆動することにより、環境感受性の機構(18)の状態の変化に応答して、GI管(50)の上皮層を通る薬物(36)の通過を助長するよう適合されている制御部(14)をさらに包含する。他の態様もまた記述される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、
(a)2003年1月29日出願の米国仮出願第60/443,173号の利益を主張する、“Active drug delivery in the gastrointestinal tract(胃腸管内における活性薬物の送達)”と題された2004年1月29日出願の米国特許出願第10/767,663号の一部継続出願である、“Active drug delivery in the gastrointestinal tract(胃腸管内における活性薬物の送達)”と題された2004年5月3日出願の米国特許出願第10/838,072号;および
(b)’173号仮出願の利益を主張する’663号出願の一部継続出願である’072号出願の一部継続出願である、2004年7月29日出願の米国特許出願第10/901,742号からの優先権を主張し、かつ、それらの一部継続出願である。
上で挙げられる特許出願の全部は、本出願の譲受人に譲渡され、そして引用することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、胃腸管の薬物送達系、および、より具体的には、胃腸壁を通る薬物の吸収を高める摂取可能な薬物送達促進系に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
薬物(若しくは薬物前駆体)の全身循環への吸収は、該薬物の物理化学的特性、その処方、および投与経路(経口、直腸、局所、吸入によるにしろ、静脈内投与によるにしろ)により決定される。経口投与は、嚥下、咀嚼、吸飲、ならびに頬側投与、すなわち薬物を歯肉と頬の間に置くこと、および舌下投与、すなわち薬物を舌の下に置くことを包含する。吸収の前提条件は薬物の溶解である。
【0004】
経口投与した薬物の内的環境への吸収は、一般に小腸でほとんど独占的に起こる。小腸は、強固な結合により連結された上皮細胞の層で内張りされている。小腸の管腔から内的環境、およびそれから全身循環に進むために、溶解された薬物は、上皮細胞の半透膜(経細胞通路)若しくは上皮細胞間の強固な結合のいずれかを通過しなければならない。経細胞通過速度は、小型の脂溶性分子を除き、一般に低い。加えて、強固な結合は一般に大部分の溶解された分子の通過を妨げる。薬物は、受動拡散、または天然に存在する他の移動様式、例えば促進受動拡散、能動輸送、若しくは飲作用により生物学的障壁を横断することがある。あるいは、薬物を人工的に補助して生物学的障壁を横断させることができる。
【0005】
受動拡散において、輸送は、生物学的障壁を横断する溶質の濃度勾配に依存する。薬物分子は全身循環により迅速に除去されるため、投与部位周辺の血中薬物濃度は投与部位での濃度に比較して低く、大きな濃度勾配を生じさせる。薬物の拡散速度はその勾配に直接比例する。薬物の拡散速度は、他のパラメータ、例えば該分子の脂溶性および大きさにも依存する。細胞膜はリポイドであるため、脂溶性の薬物は比較的脂質不溶性の薬物よりも迅速に拡散する。同様に、小型の薬物分子は大型の分子よりも迅速に生物学的障壁に浸透する。
【0006】
天然に存在するもうひとつの移動様式は、ブドウ糖のようなある種の分子に起こる促進受動拡散である。担体成分が、細胞膜の外側で基質分子と可逆的に結合すると考えられている。担体−基質複合体は膜を横断して迅速に拡散し、内表面で基質を放出する。この過程は選択性および飽和性を特徴とする。すなわち、担体は、比較的特異的な分子配置をもつ基質についてのみ作用し、また、該過程は担体の利用可能性により制限される。
【0007】
能動輸送は、天然に存在するもうひとつの移動様式であり、内在性物質に構造上類似である薬物に制限されているようである。能動輸送は選択性および飽和性を特徴とし、そして細胞によるエネルギー消費を必要とする。それは多様なイオン、ビタミン、糖およびアミノ酸について同定されている。
【0008】
天然に存在するさらにもうひとつの移動様式は、液体若しくは粒子が細胞により飲み込まれる飲作用である。細胞膜が液体若しくは粒子を取り囲み、その後再度融合して小胞を形成し、この小胞が後に分離しかつ細胞の内側に移動する。能動輸送と同様に、この機構もエネルギー消費を必要とする。それは、タンパク質薬物の薬物輸送においてある役割を演じていることが既知である。
【0009】
前述の論考は天然に存在する移動様式に関する。これらが不十分な場合、例えば生物学的障壁を効果的に横断し得ない巨大分子および極性化合物の場合には、薬物輸送を人工的に誘導することができる。
【0010】
電気輸送は、一般に、生物学的障壁を通る薬物(若しくは薬物前駆体)の電気的に誘導される通過を指す。後に続くような数種の電気輸送機構が既知である。
イオントフォレーシスは、医薬品の溶液への低レベルの直流(DC)の適用による、荷電したイオンの電気的に誘導される輸送を必要とする。電荷が反発するのと同様に、正電流の適用は正に荷電した薬物分子を電極から遠ざけかつ組織中に駆動するため、同様に、負電流は負に荷電したイオンを組織中に駆動することができる。イオントフォレーシスは、水溶性のイオン化した医薬品の効果的かつ迅速な送達方法である。薬物分子それ自身が水溶性でない場合は、水溶性の実体を形成しうるコーティング(例えばラウリル硫酸ナトリウム(SLS))でそれを被覆してもよい。
【0011】
電気浸透は、電場の影響下の膜を通る剤を含む溶媒の移動を必要とする。
電気泳動は、電磁場中での荷電した種の移動に基づく。電荷をもつイオン、分子および粒子は、電磁場がかけられる際に溶液中で電流を運搬する。荷電した種の動きは反対の電荷の電極に向かう傾向がある。連続的電気泳動の電圧はかなり高い(数百ボルト)。
【0012】
電気穿孔法は、生物学的障壁が高電圧交流(AC)サージすなわちパルスに曝される過程である。ACパルスは、生物学的膜に一時的な孔を創製する。該孔は、タンパク質、DNA、RNAおよびプラスミドのような大型分子が該生物学的障壁を通過するのを可能にする。
【0013】
イオントフォレーシス、電気浸透および電気泳動は、電気的若しくは電磁的駆動力により拡散が促進される拡散過程である。対照的に、電気穿孔法は、細胞の境界に沿って生物学的障壁を物理的に穿孔して、大型分子の上皮の通過を可能にする。
【0014】
一般に、電気輸送中は、受動拡散および天然に存在する他の移動様式と一緒に、これらの過程の1種以上の組合せが起こる。従って、電気輸送は、天然に存在する移動様式を補足する前述の輸送機構の最低1種、およびおそらくはそれらの組合せを指す。
【0015】
電気輸送による薬物送達を包含する医用機器は、例えば、Donaldsonらへの米国特許第5,674,196号明細書、Chienらへの米国特許第5,961,482号明細書、Weaverらへの米国特許第5,983,131号明細書、Ostrowへの米国特許第5,983,134号明細書、Henleyらへの米国特許第6,477,410号明細書、およびMoriらへの米国特許第6,490,482号明細書(それらの開示の全部は引用により本明細書に組込まれる)に記述されている。
【0016】
前述の電気輸送過程に加え、以下を包含する他の電気的に補助される薬物送達機構が存在する。
ソノフォレーシス、すなわち超音波の適用は、空洞の増大および振動(キャビテーションとして知られる現象)を誘発する。これらは脂質二重層を破壊し、それにより輸送を高める。効果的な薬物輸送のためには、治療的周波数よりはむしろ20kHz以上1MHz未満の低周波数を使用すべきである。ソノフォレーシス装置は、例えば、Mitragotriらへの米国特許第6,002,961号、同第6,018,678号および同第6,002,961号明細書、Kostらへの米国特許第6,190,315号および同第6,041,253号明細書、Johnsonらへの米国特許第5,947,921号明細書、ならびにRoweらへの米国特許第6,491,657号および同第6,234,990号明細書(それらの開示の全部は引用により本明細書に組込まれる)に記述されている。
【0017】
焼灼は、薬物の生物学的障壁の通過の別の助長方法である。例えば皮下注射針を使用する機械的焼灼に加え、焼灼技術は、レーザー焼灼、極低温焼灼、熱焼灼、マイクロ波焼灼、高周波焼灼、液体ジェット焼灼若しくは電気焼灼を包含する。
【0018】
Berubeらへの米国特許第6,471,696号明細書は、薬物送達装置として使用しうるマイクロ波焼灼カテーテルを記述している。Marchittoらへの米国特許第6,443,945号明細書は、レーザー焼灼を使用する医薬品送達のための装置を記述している。Narulaへの米国特許第4,869,248号明細書は、薬物投与の目的で局所的熱焼灼を実施するためのカテーテルを記述している。Avrahamiへの米国特許第6,148,232号および同第5,983,135号明細書は、電気焼灼を使用する薬物送達系を記述している。これらの特許の全部の開示は引用により本明細書に組込まれる。
【0019】
経口薬物投与は一般的な薬物送達経路である。経口投与された薬物の薬物生物学的利用性、すなわち該薬物が標的組織にとってどの程度利用可能であるかは、薬物の溶解、胃腸(GI)管中での薬物の分解、および薬物の吸収により影響される。
【0020】
薬物の溶解は、該薬物が塩の形態であるか、結晶の形態であるか、若しくは水和物の形態であるかにより影響される。溶解を向上させるために、崩壊剤、ならびに希釈剤、滑沢剤、界面活性剤(該薬物の湿潤性、溶解性および分散性を増大させることにより溶解速度を増大させる物質)、結合剤若しくは分散助剤のような他の賦形剤が、製造中にしばしば添加される。
【0021】
GI管中での薬物の分解は、GIの分泌物、低いpH値、および分解酵素による。管腔のpHはGI管に沿って変動するため、薬物は多様なpH値に抵抗しなければならない。血液、食物、粘液および胆汁との相互作用も、薬物に影響するとみられる。薬物に影響しかつ生物学的利用性を低下させるとみられる反応は、(a)例えばテトラサイクリンと多価金属イオンの間の錯体形成;(b)胃酸若しくは消化酵素による加水分解、例えばペニシリンおよびパルミチン酸クロラムフェニコールの加水分解;(c)腸壁中での抱合、例えばイソプロテレノールの硫酸抱合;(d)他の薬物、例えばジゴキシンおよびコレスチラミンへの吸着;ならびに(e)管腔の微生物叢による代謝、を包含する。
【0022】
経口投与された薬物の薬物吸収は、GI管の上皮細胞により提示される生物学的障壁を横断する薬物の輸送に関連する。腸上皮の性質は薬物吸収を阻害する傾向がある。図1(Martinit,F.H.ら、Human Anatomy、Prentice Hall、Englewood Cliffs、NJ、1995に基づく)に見られるとおり、小腸の腸上皮は腸絨毛と呼ばれる一連の指様突起として形成される。これらは微絨毛と呼ばれる柱状上皮により覆われている。微絨毛に沿った上皮細胞は、閉塞帯ともまた呼ばれる強固な結合により、相互に強く結合されている。該強固な結合は、身体の内的環境を腸管腔から封止する。ヒトにおける強固な結合の間の空隙の大きさは、空腸で約8nm、ならびに回腸および結腸で約0.3nmである。従って、約11.5Åより大きい直径および/若しくは数千ダルトンを伴う粒子は、一般に該空隙に浸透し得ない。
【0023】
全体に、低い生物学的利用性は、水溶性が乏しくゆっくりと吸収される薬物の経口投薬形態物で最も一般的である。GI管中での不十分な時間が、低い生物学的利用性の別の一般的な原因である。摂取された薬物は、わずか1ないし2日間、GI管全体に曝露され、約2ないし4時間のみ小腸に曝露される。薬物が容易に溶解しない、若しくは上皮細胞膜に迅速に浸透し得ない場合は、その生物学的利用性は低くなるであろう。齢、性別、活動性、遺伝的表現型、ストレス、疾患(例えば塩酸欠乏症、吸収不良症候群)、若しくは以前のGI外科手術は、薬物の生物学的利用性にさらに影響する可能性がある。
【0024】
下の表1(Encyclopedia of Controlled Drug Delivery、Edith Mathiowitzにより編から)は、薬物の生物学的利用性に影響する経口経路のいくつかのパラメータを要約している。
【表1】

上皮細胞の物理的障壁に加え、化学的および酵素的障壁が薬物吸収に影響する。
薬物、および上皮層を横断する該薬物の通過を間接的に助長する化学物質を包含する摂取可能なカプセルを提供することは既知である。例えば、該化学物質は、上皮層を薬物に対し一過性により浸透性にする上皮層中での変化を誘導することがあり、薬物(該化学物質の作用により間接的に助長される)はそれに際して拡散により上皮層を横断する。
【0025】
薬物吸収に対する別の重要な障壁は、前全身性の初回通過効果、主として肝代謝である。この代謝における支配的な酵素は、薬物代謝において中心的な役割を有するチトクロームP450の多遺伝子ファミリーである。個体間のP450の変動性が、同一薬物を代謝するそれらの能力の変動につながるようである。
【0026】
加えて、多剤耐性(MDR)が薬物吸収に対する障壁となるとみられる。癌治療の失敗の主原因であるMDRは、がん細胞がきわめて多様な化学療法剤に対して広範な耐性を発生させる現象である。MDRは、腫瘍細胞から毒性の薬物を除去するポンプとして作用する2種の膜貫通輸送体分子、P糖タンパク質若しくは多剤耐性関連タンパク質(MRP)の過剰発現と関連づけられている。P糖タンパク質は、急性骨髄性白血病(AML)細胞の膜中の一方向性流出ポンプとして作用し、そして、白血病細胞から細胞傷害性の作用物質をポンプで押し出すことによりその細胞内濃度を低下させる。それでもなお、それはダウノルビシンを包含する多様な化学療法剤に対する耐性を与える。
【0027】
送信機および他の電気部品を含有する摂取可能なカプセルである摂取可能なラジオピルが既知である。1964年に、ハイデルベルク大学の研究者は、GI管のpHをモニターするための丸剤を開発した。(Noller、H.G.,“The Heidelberg Capsule Used For the Diagnosis of Peptic Diseases、”Aerospace Medicine、1964年2月、pp.115−117。)
【0028】
“Ingestible size continuously transmitting temperature monitoring pill(摂取可能な大きさの連続送信する温度モニタリング丸剤)”と題された1989年7月交付のLeshoらへの米国特許第4,844,076号明細書(その開示は引用により本明細書に組込まれる)は、摂取可能な大きさのカプセル中に被包化した温度応答性の送信機を記述している。該カプセルは平均体温を体内でモニターするよう構成されている。摂取可能な大きさの温度丸剤は、再充電可能な態様に構成し得る。この態様において、該丸剤は、再充電可能なニッケルカドミウム電池を充電するための磁気ピックアップとしてタンク回路中で誘導コイルを使用する。
【0029】
“Telemetry capsule and process(遠隔測定カプセルおよび方法)”と題されたSchentagらへの米国特許第5,279,607号明細書(その開示は引用により本明細書に組込まれる)は、消化管への医薬品の送達、とりわけ反復可能な送達のための摂取可能なカプセルおよび方法を記述している。該摂取可能なカプセルは本質的に消化不可能なカプセルであり、電気エネルギー放出手段、無線信号送信手段、医薬品貯蔵手段および遠隔で起動可能な医薬品放出手段を含有する。該カプセルは、それが以前に計画された経路で消化管を通って進む際に遠隔受信機にシグナルを送信し、そして、指定部位に達した際に、ある投薬量の医薬品の放出を遠隔で誘発される。
【0030】
“Sampling capsule and process(サンプリングカプセルおよび方法)”と題されたD’Andreaらへの米国特許第5,395,366号明細書(その開示は引用により本明細書に組込まれる)は、消化管中の液体のサンプリングための類似の摂取可能なカプセルおよび方法を記述している。
【0031】
蠕動を促進するための電気刺激カプセルの使用は既知である。DirinへのPCT公開第WO 97/31679号明細書およびTerekhinへの同第WO 97/26042号明細書(それらの双方の開示は引用により本明細書に組込まれる)は、例えば術後治療として、消化管疾患の予防手段として、若しくは蠕動の促進のために使用されるべき、消化管の電気刺激のための摂取可能なカプセルを開示する。
【0032】
PCT公開第WO 97/31679号明細書は、“Gastrointestinal tract Electrostimulator(胃腸管電気刺激体)”と題されたPekaraskyらによるソ連邦発明者証明書(USSR Inventor’s Certificate)第1223922号、Int.Cl.A 61 N 1/36、広報第14号(引用により本明細書に組込まれる)が、医薬品の分配にさらに適合されている、消化管の電気刺激に適合されている嚥下可能なカプセルを、術後治療として、消化管疾患の予防手段として、若しくは蠕動の促進のために記述していることをさらに開示する。
Longへの米国特許出願第2003/0125788号明細書(引用により本明細書に組み込まれる)は、体腔中への導入のためのカプセルを記述している。該カプセルは、伝導性の液体で満たされたバルーン、若しくは電極を支持するウイングを起動させるための機構を包含する。臍部をカプセルの後端に取付けうる。制御装置が、体腔を通るカプセルの推進を制御する。
【0033】
Longへの米国特許出願第2003/0093031号明細書(引用により本明細書に組み込まれる)は、体腔中への導入のためのカプセル、カプセルが体腔の内側にある際に体腔の外側を伸長するのに十分に柔軟性かつ長さのものであるカプセルに取付けられた臍部、および該カプセルにより医薬品を体腔に分注するための手段、を包含する薬物送達系を記述する。該カプセルは第一および第二の電極を包含しうる。1個のチャンネルが、臍部を通り、医薬品を管腔の外側から管腔の壁に液体連結するためのカプセル中の複数の水抜き孔に伸長しうる。
【0034】
ラジオピルのような摂取可能な装置の追跡方法は、例えば、Schentagらへの前述の米国特許第5,279,607号明細書、D’Andreaらへの前述の米国特許第5,395,366号明細書、および“Method and arrangement for determining the position of a marker in an organic cavity(臓器腔中のマーカーの位置を決定するための方法および配置)”と題されたAndriiらへの米国特許第6,082,366号明細書(それらの開示の全部は引用により本明細書に組込まれる)に記述されている。
【0035】
摂取可能な装置によるGI管の視覚的検査が既知である。“Pass−through duodenal enteroscopic device(通り抜け十二指腸検査装置)”と題されたShanへの米国特許第5,984,860号明細書(その開示は引用により本明細書に組込まれる)は、小腸の自然の収縮波を利用してその中のいかなる他の物体ともほぼ同一速度で小腸を進ませる、繋留した摂取可能な腸検査ビデオカメラを記述している。該ビデオカメラはその前端に発光源を包含する。より良好に見るために、カメラの直前の小腸を穏やかに膨張させるように適合された透明の膨張可能なバルーンが、カメラのレンズおよび発光源を覆っている。小径の通信および電源ケーブルは、カメラが小腸を通って動く際に、カメラの後方の開口を通ってほどける。小腸を通る動きが完了すると、該ケーブルは自動的に分離して、胃および腸を通って引き出すことができる。カメラは大腸を通り過ぎ、そして直腸を通って患者から通り抜ける。
【0036】
“In vivo video camera system(in vivoビデオカメラ系)”と題されたIddanらへの米国特許第5,604,531号明細書(その開示は引用により本明細書に組込まれる)は、摂取可能なカプセル内に被包化され、消化管全体を通過するよう配置され、自律的ビデオ内視鏡として作動するビデオカメラ系を記述している。該摂取可能なカプセルは、カメラ系、および該カメラ系で目的の領域を画像化するための光学系、ならびに該カメラ系のビデオ出力を体外受信系に中継する送信機を包含する。光源は光学系のボアホール内に配置される。
【0037】
同様に、“Device and system for in vivo imaging(in vivo画像化のための装置および系)”と題されたIddanらへの米国特許出願第2001/0035902号明細書(その開示は引用により本明細書に組込まれる)は、in vivo画像を得るための系および方法を記述している。該系は、画像化系、およびCMOS画像化カメラから患者の体外に配置した受信系にシグナルを送信する超低出力高周波送信機を含有する。
【0038】
加えて、“Energy management of a video capsule(ビデオカプセルのエネルギー管理)”と題されたIddanらへの米国特許第6,428,469号明細書(その開示は引用により本明細書に組込まれる)は、胃腸管のin vivo画像取得のための省エネルギー装置を記述している。自律的カプセルなどの装置は、最低1個の画像化装置、該画像化装置に接続された制御装置、および該制御装置に接続された電源を包含する。該制御装置は、切替え装置、および、電源を切断してそれにより不必要な画像の取得を防止する該切替え装置に接続された軸方向運動検出器を包含する。
【0039】
Houzegoらへの米国特許第6,632,216号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、GI管中の選ばれた位置に物質を送達するための摂取可能な装置を記述している。該装置は、該装置の開放可能部を、物質の分配のために開放位置に電力で動かすための電磁放射線の受信機を包含する。該受信機はエネルギー場を結合するコイルワイヤを包含し、該ワイヤは空芯若しくはフェライトコアを有する。該装置は発熱エレメントおよび可融性抑制により規定されるラッチを随意的に包含する。該装置は、物質の分配を示すための送信機回路の起動、および該物質を排出するために使用されるピストンの抑止という機能の一方若しくは双方を果たしうる可撓性部材も包含することがある。
【0040】
WallaへのPCT公開第WO 02/094369号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、とりわけイオントフォレーシスによって皮膚を通る液体、軟膏若しくはゲル様の一貫性を有する医薬品などの物質を適用するための装置を記述している。物質の吸収はDC電流の適用により起こる。該公開は、その外側に連続した電場を生成させるため最低2個の電極を有する、身体孔への挿入のためのカプセル状の密封容器も記述している。適用されるべき物質を受領するための装置が電極の上に提供される。該容器は、身体孔、とりわけ尿生殖器、膣および/若しくは肛門管、ならびに/または口、耳および/若しくは鼻腔中の粘膜および/若しくは皮膚と接触するように配置される。
【0041】
Yudaらへの米国特許第5,217,449号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、外筒および該外筒中を動くことができるピストンを有するカプセルを記述しており、該ピストンは、医薬品をカプセルの外側に放出若しくはサンプリングの目的で体液を吸引するように、外的に与えられるシグナルにより起動される。該カプセルは、外的に与えられる磁気シグナルに応答する起動手段に電源を接続してそれによりカプセルの起動を開始する、通常は開放のリードリレーを包含する遠隔制御可能な手段を有する。
【0042】
Faxonらへの米国特許第5,464,395号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、治療薬および/若しくは診断薬を身体の通路を取り囲む組織中に直接送達するためのカテーテルを記述している。該カテーテルは、所望の剤を組織に送達するようにカテーテルの外側に突出させることが可能な最低1個の針カニューレを含んでなる。該カテーテルは、好ましくは1個若しくはそれ以上の膨張可能なバルーンも包含する。
【0043】
Grossらへの米国特許第5,925,030号明細書(引用することにより本明細書に組み込まれる)は、水浸透性素材の壁をもつハウジングを有し、かつ、置換可能な膜により分離される最低2個の室を有する、経口薬物送達装置を記述している。第一の室は薬物を受領し、かつ、薬物が圧下で排出されるオリフィスを有する。第二の室は、水性イオン溶液の第二の室中への進入により閉鎖される電気回路の一部を形成する、2個の間隔を空けて離れた電極の少なくとも一方を含有する。電流が回路を通って流れる場合に、ガスが発生されかつ置換可能な膜に作用して、第一の室を圧迫し、かつ、GI管への累進的送達のために有効成分をオリフィスを通して排出する。
【0044】
Hosoyaらへの米国特許第4,239,040号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、薬物を体内に放出する若しくは身体からサンプルを収集するためのカプセルを記述している。該カプセルは、その中に内筒が滑るように据付けられている外筒を含んでなる。内筒は、圧縮ばねのバイアス力に対して、外筒の一端の溶融可能なねじ山により保持される。ねじ山の溶融に際して、該ばねは外筒の他端への内筒の滑動をもたらし、そして、この滑動中に、動いている内筒より先の外筒から薬物が押し出されるか、若しくは、動いている内筒の後ろの外筒中に身体サンプルが引き出される。調整可能な受信機を包含する電気回路が、外的に送信される電気シグナルに応答して、ねじ山を溶融するためにヒーターにエネルギーを供給し、それにより所望の時点での内筒の滑動を遂げる。
【0045】
Hugemannらへの米国特許第4,425,117号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、消化管中の定義された若しくは所望の位置での物質の放出のためのカプセルを記述している。該カプセルは、その中に、第一の室および第二の室を形成する分離壁を有し、該第一の室はその壁に1個の孔を有する。圧縮ばねは、圧縮された状態で第二の室中に配置された本体に固着されている。針は、分離壁に面する圧縮ばね上に据付けられている。第二の室中の共振回路は、高周波数の電磁場に合せられている。該共振回路は、本体周囲に配置された結合コイル、コイルの他端に接続されかつ第一の室から伸長するコンデンサー、ならびに結合コイルおよびコンデンサーに取付けられた抵抗ワイヤを有する。ヒューズワイヤが圧縮ばねに接続され、本体の長軸方向の通路を通って伸長し、そして第一の室から離れて面する本体の端に接続されている。該ヒューズワイヤは抵抗ワイヤと接触する。膨張した状態のバルーンが第一の室中に配置される。該共振回路が合せられている高周波数を有する外的電磁場に該装置が曝される際に、ヒューズワイヤが過熱しかつ破断する。圧縮ばねが解放されて、針の先端を分離壁およびバルーンを通して押し、バルーンが破裂して第一の室中に含有されるいかなる物質も放出する。
【0046】
Kambaraらへの米国特許第4,507,115号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、内側に形成された室および該室と外側と連絡するための連絡通路を有するカプセル本体、室中に配置されかつ前記室の容積が最大にされる液体受領位置と前記室の容積が最小にされる液体押位置の間で移動可能な可動性部材、ならびに超音波により加熱されて該可動性部材を液体受領位置および液体押位置に選択的に動かす形状記憶合金から作成されるコイル状作動部材を含んでなるカプセルを記述している。
【0047】
Joshiらへの米国特許第5,951,538号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、生物学的有効成分を保持および投与するための制御送達装置を記述している。該装置は、第一の端部分を有するハウジング、第二の端部分、および該ハウジングと連合したポートを包含する。置換部材、化学的若しくは電気化学的ガス発生小室、ならびに起動および制御回路が該ハウジング内に囲まれている。電気化学的若しくは化学的小室がハウジング内でガスを発生させ、ハウジング内に含有される有益な剤に対し置換部材を押し、また、該有益な剤を、予め決められた速度で出口ポートを通りかつ体腔中に押す。ハウジングを体腔の内側に固定するための固定機構をハウジングと連合させうる。
【0048】
Casperらへの米国特許第5,167,626号および同第5,170,801号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、GI管中の定義された位置で物質を放出するためのカプセルを記述している。該カプセルの本体は、その外周壁に1個若しくはそれ以上の開口を規定し、また、その中に回転可能に配置されたスリーブ弁は、その外周壁に1個若しくはそれ以上の対応する開口を有する。該スリーブ弁は、コイル、および電気的に接続された加熱可能な抵抗器を含んでなり、それらは、熱に応答して形状記憶合金から成形した起動装置部材と動作をもたらして連合され、かつ、加熱されない第一の形状から加熱された第二の形状に動くことができる。起動装置部材の動きがスリーブ弁を開放位置まで回転するのに役立つように、加熱されない第一の形状から加熱された第二の形状までの動きの間に該起動装置部材により嵌合されるために、カプセル本体中に起動装置停止手段が提供される。
【0049】
HouzegoらへのPCT公開第WO 01/45552号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、部位特異的薬物送達カプセル(SSDC)の物質リザーバのための閉鎖部材を記述している。該SSDCは、該閉鎖部材の非直線的な力に抵抗性の開口部を提供する保持装置を包含する。該非直線的な力は、開放力が抵抗力の最大値を超えた場合にのみ閉鎖部材がリザーバを開け、それによりリザーバの時期尚早の若しくは偶発的な排出を確実に防止するとして記述される。抵抗力の好ましい提供手段は、開口中に閉鎖部材を付加的に封止する回転するエラストマー製Oリングである。
【0050】
Gollへの米国特許第6,344,027号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、心組織中の注入物(液体)保持率を増大させるために高圧注入を利用する、心組織中への液体の送達および注入技術を記述している。それを通って伸長する注入管腔を有する軸を包含するカテーテルが記述され、ここで該軸の近位端は、1000psi以上の一時的な圧を生成することが可能な加圧液体源に接続されている。該軸の遠位端は、心組織に部分的に浸透するのに十分高い出口速度で該加圧液体源からの液体を心組織に送達しうるような注入管腔と液体連絡にある注入ポートを有するノズルを包含する。
【0051】
Palasisらへの米国特許第6,369,039号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、体腔、脈管系若しくは組織内の標的位置への治療薬の部位特異的送達方法を記述している。該方法は、それと連合した治療薬の実質的に飽和した溶液を有する医用機器を提供すること;該医用機器を体腔、脈管系若しくは組織中に導入すること;約0から約5気圧までの圧で約5分までの時間、標的位置の該医用機器からある容量の治療薬の溶液を放出すること;および体腔、脈管系若しくは組織から該医用機器を引き出すこと、を含んでなる。該特許は、それと連合した治療薬の実質的に飽和した溶液を有する医用機器を含んでなる、体腔、脈管系若しくは組織に治療薬を送達するための系も記述する。
【0052】
Korensteinらへの米国特許第5,964,726号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、(a)連続した低単極若しくは交流電圧パルスを分子/巨大分子および細胞に適用すること、(b)細胞の表面で該分子/巨大分子の濃度を増大させて、細胞膜中の荷電したタンパク質および脂質の電気泳動的動きも引き起こしつつ、該分子/巨大分子の細胞の膜との増大した相互作用に導くこと、ならびに(c)細胞膜の脱安定化を引き起こして、それによりエンドサイトーシス過程および膜脂質二重層中の構造的欠陥を通る拡散を介して細胞質中に分子/巨大分子が浸透することによる、分子および巨大分子の膜小胞、細胞若しくは組織中への導入技術を記述している。
【0053】
KeisariらへのPCT公開第WO 02/098501号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、エンドサイトーシス媒介性の細胞死を誘導することが可能な選択された強度、繰り返し周波数およびパルス幅を有する電場パルスを腫瘍組織の細胞に適用して、それにより腫瘍組織を処置することを包含する、腫瘍組織の処置方法を記述している。
【0054】
Merrillへの米国特許第3,659,600号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、磁力により起動して薬物を放出させる植込み可能なカプセルを記述している。Felsonへの米国特許第3,485,235号明細書、Abellaへの同第3,315,660号明細書、Perrenoudへの同第3,118,439号明細書およびAbellaらへの同第3,057,344号明細書(引用により本明細書に組込まれる)は、処置および/若しくは診断目的のGI管への挿入のためのカプセルを記述している。
【0055】
Rosenblumらへの米国特許第6,572,740号明細書(引用することにより本明細書に組み込まれる)は、(a)電解質K2HPO4若しくはより少なくアルカリ性のリン酸緩衝溶液、(b)改変された組成を有する電極、または(c)電解質および改変された組成の電極の組合せを含んでなる電解槽を記述している。K2HPO4電解質、若しくはより少なくアルカリ性のリン酸緩衝溶液、および改変された電極は、ある時間にわたり一定速度若しくは制御された可変速度で液体の剤を送達する液体送達装置で使用し得る。
【0056】
“Autonomous telemetric capsule to expolore the small bowel(小腸を探査するための自律的遠隔測定カプセル)”と題されたLambertらによる論文、Med Biol.Eng Comput 29(2):191−6(1991)(引用により本明細書に組込まれる)は、ヒトの小腸を研究するために開発された腸遠隔測定カプセルを記述している。それは、位置検出器、無線送信機、リチウム電池および互換性の先端を含有する筒(直径11mmおよび長さ39mm)よりなる。患者により嚥下された後、該カプセルは腸全体を通過しそして糞便中に回収される。小腸を移動中に、無線送信機にから提供される情報が、幽門から包括される距離ならびに進行の方向および速度の連続的モニタリングを可能にする。さらに、互換性の先端の型に従って、その後の分析のために0.5mlの管腔内液をサンプリングすること、若しくは薬理学的研究のために正確に決定された場所で1mlのいずれかの液体物質を放出することが、遠隔制御により可能である。
引用により本明細書に組み込まれる以下の論文が興味深いとみられる。
【0057】
Leonard Mら、“Iontophoresis−enhanced absorptive flux of polar molecules across intestinal tissue in vitro、”Pharm Res 17(4):476−8(2000)
【0058】
Ghartey−Tagoe EBら、“Electroporation−mediated delivery of molecules to model intestinal epithelia、”Int J Pharm 270(1−2):127−38(2004)
【0059】
Hildebrand KRら、“Intrinsic neuroregulation of ion transport in porcine distal jejunum、”J Pharmacol Exp Ther 255(1):285−92(1990)
【0060】
Neunlist Mら、“Human ENS regulates the intestinal epithelial barrier permeability and a tight junction−associated protein ZO−1 via VIPergic pathways、”Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 285(5):G1028−36(2003)(Epub 2003年7月24日)
【0061】
一酸化窒素(NO)は、増大したGI浸透性の一因子である。
NOは、当該技術分野で既知であるとおり、GI管中のいくつかの生理学的過程の重要な媒介物質である。in vitro研究は、NOが腸粘膜層の浸透性を調節し得ることを示した(例えば、下に引用されるSalzman ALらによる論文を参照されたい)。マウス回腸へのNO供与体(ニトロプルシドナトリウム(SNP)およびS−ニトロソアセチルペニシラミン(SNAP))、若しくは飽和NO溶液の添加は、経上皮電気抵抗性の低下をもたらした(下に引用されるTurvill JLら)。
【0062】
付加的なin vitroおよびin situ研究は、NO供与体(NOC5、NPC7およびNOC12)がラット腸の全領域からの巨大分子の吸収を改善し得ることを実証した。NO供与体の吸収促進効果の程度は、化合物の分子量に依存した。さらに、該研究は、NO供与体の吸収促進機構が、傍細胞経路を介する上皮中の強固な結合の拡大を包含することを示した。NO供与体の効果は、腸粘膜に対し可逆性かつ非毒性であることが見出された(下で引用されるYamamoto Aら、Numata NらおよびTakahashi Kら)。
【0063】
NOの吸収促進効果は、NOS阻害剤NG−メチル−L−アルギニン(L−NMA)、NG−ニトロ−L−アルギニン(L−NNA)およびNG−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル(L−NAME)の添加により有意に低下させ得る(下で引用されるRao RらおよびKomatsu Sら)。
【0064】
腸組織におけるNOの放出が機能実験で研究された。Hebeiss Kら(下で引用される)は、低周波(10〜30Hz)電気刺激をげっ歯類の回腸および結腸の腸筋神経叢の長軸方向の筋調製物に適用した実験を記述している。10若しくは30Hz、300〜320mA、および1msのパルス持続時間での30分間の断続的領域刺激は、筋−腸筋細片中のNO含量の有意の増大につながった。Olgart Cら(下で引用される)は、電気的に誘発したNO合成および放出が、NO合成酵素阻害剤NG−ニトロ−L−アルギニンによりほぼ完全に防止されたことを報告した。さらに、電気的に誘発したNO形成は、細胞外カルシウムの除去により大部分が阻害された。
引用により本明細書に組み込まれる以下の論文が興味深いとみられる。
【0065】
Viljoen Mら、“Nitric Oxide and Gastrointestinal Hyperpermeability、”The Medicine Journal 43(9):33−37(2001年10月)。
【0066】
Chen YMら、“Distribution of constitutive nitric oxide synthase in the jejunum of adult rat、”World J Gastroenterol 8(3):537−539(2002)。
【0067】
Qu XWら、“Type I nitric oxide synthase(NOS) is the predominant NOS in rat small intestine: regulation by PAF、”Biochim.Biohpys.Acta1451:211−217(1999年)。
【0068】
Salzman ALら、“Nitric oxide dilates tight junctions and depletes ATP in cultured Caco−2BBe intestinal epithelial monolayers”Am. J.Physiol.268(2 Pt 1)(Gastronintest. Liver Physiol.31):G361−G373(1995年)。
【0069】
Turvill JLら、“Role of nitric oxide in intestinal water and electrolyte transport、”Gut 44:143-147(1999)。
【0070】
Yamamoto Aら、“Modulation of intestinal permeability by nitric oxide donors: implications in intestinal delivery of poorly absorbable drugs、”J Pharmacol Exp Ther 296(1):84−90(2001)。
【0071】
Numata Nら、“Improvement of intestinal absorption of macromolecules by nitric oxide donor、”Journal of Pharmaceutical Sciences 89(10):1296−1304(2000)。
【0072】
Takahashi Kら、“Characterization of the influence of nitric oxide donors on intestinal absorption of macromolecules、”International Journal of Pharmaceutics 286:89−97(2004)。
【0073】
Rao Rら、“Tonic regulation of mouse ileal ion transport by nitric oxide、”J Pharmacol Exp Ther 269(2):626-31(1994)。
【0074】
Komatsu Sら、“Enhanced mucosal permeability and nitric oxide synthase activity in jejunum of mast cell deficient mice、”Gut 41:636−641(1997)。
【0075】
Hebeiss Kら、“Cholinergic and GABAergic regulation of nitric oxide synthesis in the guinea pig ileum、”Am.J.Physiol.276(Gastrointest. Liver Physiol. 39):G862−G866(1999年)。
【0076】
Olgart Cら、“Blockage of nitrergic neuroeffector transmission in guinea−pig colon by a selective inhibitor of soluble guanylyl cyclase、”Acta Physiol.Scand 162:89−95(1998年)。
【発明の開示】
【0077】
発明の要約
本発明のいくつかの態様において、摂取可能な有効成分送達系は、胃腸(GI)管に提供された薬物の吸収を高めるための電気的手段を含んでなる。いくつかの応用について、こうした手段は、GI管の壁を通して薬物を能動的に送達するために、薬物の電気輸送を実施するための装置を包含する。典型的には、該薬物送達系は、送達手段を含んでなりかつ薬物がGI管に放出されるまで薬物を保持する丸剤の形状かつ大きさのカプセルを含んでなる。
【0078】
典型的には、GI管壁を通る薬物の能動的駆動は:(a)小腸の上皮層の強固な結合を通る薬物の通過により壁を通して薬物を駆動すること、および/若しくは(b)上皮細胞それら自身に浸透することにより壁を通して薬物を駆動すること、により達成される。典型的には、薬物の治療上重要な部分が、それによりGI管の毛細管供給と直接接触に、およびそれから全身循環に進められる。本態様は従って、典型的に、通常はほとんどが(例えば大きさ若しくは化学的特性により)排除されるであろう薬物分子の血流への進入を可能にすることが注目される。
【0079】
本発明のいくつかの態様において、薬物送達系は、電気シグナル発生器、および電気輸送を助長するために設計された最低2個の電極を含んでなる。いくつかの応用について、電気輸送は、「低強度時間変動性」(LITV)シグナルを適用することにより助長され、このシグナルは、請求の範囲を包含する本出願において、
・ 約5ボルト/cm未満である電場を創製しかつ約1Hzより大きい速度で変動するシグナル;
・ それを通る薬物の通過の(LITVシグナルの非存在下でのそれを通る薬物の通過の程度に相対して)最低100%の増大を可能にするのに十分な程度まで、GI管の上皮層の強固な結合を開放することが可能なシグナル;および
・ GI管の上皮層の細胞の電気穿孔を引き起こすのに不十分なシグナル、よりなる一覧から選択される電気シグナルを包含すると理解されるべきである。
【0080】
あるいは、若しくは付加的に、電気輸送は、上皮細胞を通る拡散過程および/若しくは電気穿孔を高める、イオントフォレーシス、電気浸透、および電気泳動のいずれか1つ若しくはそれらの組合せを包含する。電気穿孔は、請求の範囲を包含する本出願において、(引用により本明細書に組み込まれる特許、特許出願若しくは論文のいずれかで見出されうるいかなる他の定義にもかかわらず)典型的には高電圧を使用して、上皮細胞膜に一過性の浸透性の構造すなわち微小孔を創製して、上皮を通る大型分子の通過を可能にする、電気輸送として解釈されるべきである。
【0081】
本発明のいくつかの態様において、電気輸送を遂げるためのパラメータは、薬物の特定の特性に少なくとも部分的に基づいて選択される。より大きな分子を含んでなる薬物は、典型的に、より強い刺激を必要とする。あるいは、若しくは付加的に、該パラメータは、薬物が送達されるべきであるGI管の部分に少なくとも部分的に基づいて選択される。典型的には、GI管壁を通る薬物の通過を達成するのに十分な最少量のエネルギーを適用するパラメータを選択する。
【0082】
本発明のいくつかの態様において、該薬物送達系は、例えばpH感受性コーティングのような、その環境に対し応答するように作用する機構を含んでなる。該コーティングは、典型的には、当該技術分野で既知の技術を使用して、患者の小腸への進入に際して溶解するように構成される。本発明の他の態様によれば、環境応答性の機構は、例えばセンサー(電子的センサー、および/または温度センサー若しくはpHセンサーなど)、タイマー、送信機/受信機、あるいはカメラを含んでなる。
【0083】
本発明のいくつかの態様において、コーティングの溶解が駆動手段の起動を誘発し、それが順にGI管壁の壁を通して薬物を能動的に駆動する。いくつかの応用について、コーティングは小腸に典型的なpH範囲で溶解するよう構成される。
【0084】
本発明のいくつかの態様において、コーティングは、カプセルの第一の部分の上に第一の厚さで、およびカプセルの第二の部分の上に第二の厚さで塗布される。あるいは、若しくは付加的に、例えば異なる時点で小腸に曝露されるべきカプセルのそれぞれの部分を提供するために、カプセルの異なる部分に異なる型のコーティングを塗布する。
【0085】
本発明のいくつかの態様において、コーティングにより提供されるとして上述された駆動機構を起動するための機能性は、他の起動機能性により補完若しくは置換される。いくつかの応用について、カプセルは生物学的若しくは生理学的パラメータを検出しかつそれに応答して駆動機構を起動するバイオセンサーを含んでなる。必要に応じて、バイオセンサーは、以下、すなわち酵素的センサー、温度センサー、pHセンサー、またはタイマー(タイマーは、典型的には、患者がカプセルを握ること若しくは患者がカプセルを摂取することのような事象の後の予め決められた時点で既知の様式で反応して駆動機構を起動する化学物質を含んでなる)の1種若しくはそれ以上を含みうる。あるいは、若しくは付加的に、該カプセルは、オンボード解析、および適切な場合は画像に応答した駆動機構の起動のためGI管の画像を記録するカメラを含んでなる。
【0086】
いくつかの応用について、カプセルは、カメラにより記録された画像に応答しかつ/若しくはバイオセンサーによる示度に応答するシグナルを送信するように適合されている送信/受信装置を含んでなる。送信されたデータは、典型的にはリアルタイムで解析され、そして薬物投与の是非および投与の時期の(例えば医師若しくは患者に対し外的なコンピュータによる)決定がなされる。
【0087】
本発明のいくつかの態様において、摂取可能な、電気的に補助される薬物送達促進系は、薬物送達系の摂取とともに、例えば該系を摂取する前、それと同時に若しくは摂取した後に、患者により摂取される商業的に入手可能な薬物の丸剤に含有される薬物の吸収を高めるための電気的手段を含んでなる。該系は、従って、GI管中で薬物の丸剤から放出される薬物の吸収を高めるようはたらく。これらの態様において、薬物送達系は薬物を含有せず、また、一体化した装置中で薬物と集成されない。
【0088】
本発明のいくつかの態様において、摂取可能な、電気的に補助される薬物送達促進系は、該系に結合された商業的に入手可能な薬物の丸剤に含有された薬物の吸収を高めるための電気的手段を含んでなる。該丸剤は、例えば医学的、安全性、商業的若しくは他の考慮に依存して、製造元、患者若しくは医療従事者により該系に結合しうる。
【0089】
従って、本発明の一態様により、
カプセルにより貯蔵される薬物;
被験体の胃腸(GI)管内でのカプセルの配置に対し応答可能なようにその状態を変えるように適合されている環境感受性の機構;
第一および第二の電極;ならびに
約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満、若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、環境感受性の機構の状態の変化に応答して、GI管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部、を包含する摂取可能なカプセルを包含する、薬物投与のための装置が提供される。
【0090】
いくつかの応用について、パルスは単相矩形パルスを包含し、かつ、制御部は、一連の単相矩形パルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
いくつかの応用について、第一および第二の電極はステンレス鋼を包含する。
【0091】
いくつかの応用について、環境感受性の機構は、GI管中でカプセルが移動する距離の指標を検知するよう適合されているセンサーを包含し、また、該環境感受性の機構は、該距離に応答する状態の変化を受けるように適合されている。あるいは、若しくは付加的に、環境感受性の機構はGI管を画像化するように適合されているカメラを包含し、また、制御部は、カメラにより取得される画像に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0092】
いくつかの応用について、カプセルの配置はカプセル周辺の温度を包含し、環境感受性の機構は温度センサーを包含し、また、制御部は、温度センサーにより検知される温度に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。あるいは、若しくは付加的に、カプセルの配置はカプセル周辺のpHを包含し、環境感受性の機構はpHセンサーを含んでなり、また、制御部は、pHセンサーにより検知されるpHに応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0093】
いくつかの応用について、環境感受性の機構はGI管の特徴を検知するように適合されているセンサーを包含し、また、制御部は、検知される特徴に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0094】
いくつかの応用について、制御部は、一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するように、また、第一および第二の電極の間でイオントフォレーシス電流を駆動するように適合されている。
【0095】
いくつかの応用について、制御部は、GI管内のカプセルの配置に少なくとも部分的に応答可能なように選択されたパラメータを使用して一連のパルスを設定するように適合されている。あるいは、若しくは付加的に、制御部は、薬物の特性に少なくとも部分的に応答可能なように選択されたパラメータを使用して一連のパルスを設定するように適合されている。
【0096】
いくつかの応用について、カプセルは、第一および第二の電極の中間の中央部分を包含し、該中央部分の形状はGI管の管腔内の電流を低下させるようである。いくつかの応用について、カプセルは、第一および第二の電極の中間の中央部分を包含し、該中央部分は、該中央部分をGI管の上皮層と接触させてそれによりGI管の管腔内の電流を低下させるようである直径を有する。いくつかの応用について、カプセルは、第一および第二の電極の中間の自己膨脹可能な中央部分を包含し、該中央部分は、GI管中にあることに応答して、該中央部分をGI管の上皮層と接触させてそれによりGI管の管腔内の電流を低下させるようである直径を有するように膨脹するよう適合されている。いくつかの応用について、カプセルは、第一および第二の電極の中間の中央部分を包含し、該中央部分の外表面は疎水性素材を包含する。いくつかの応用について、カプセルは、第一および第二の電極の中間の中央部分を包含し、該中央部分の外表面は親油性素材を包含する。
【0097】
いくつかの応用について、環境感受性の機構は本質的に完全に生物分解性である。いくつかの応用について、第一および第二の電極ならびに制御部は本質的に完全に生物分解性である。
【0098】
いくつかの応用について、カプセルのかさの最低80%が生物分解性である。いくつかの応用について、カプセルのかさの最低95%が生物分解性である。いくつかの応用について、本質的にカプセル全体が生物分解性である。
いくつかの応用について、環境感受性の機構はカプセルの表面上にコーティングを包含する。いくつかの応用について、コーティングはpH感受性のコーティングを包含する。
【0099】
一態様において、制御部は、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0100】
一態様において、制御部は、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0101】
一態様において、制御部は、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0102】
一態様において、制御部は、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0103】
本発明の一態様により、薬物を貯蔵するように適合されている摂取可能なカプセルを包含する薬物の投与のための装置もまた提供され、該カプセルは、
被験体の胃腸(GI)管内でのカプセルの配置に対し応答可能なようにその状態を変えるように適合されている環境感受性の機構;
第一および第二の電極;ならびに
約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満、若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、環境感受性の機構の状態の変化に応答して、GI管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部、を包含する。
【0104】
一態様において、制御部は、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0105】
一態様において、制御部は、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0106】
一態様において、制御部は、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0107】
一態様において、制御部は、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0108】
本発明の一態様により、丸剤に含有される薬物の投与を助長するための装置がさらに提供され、該装置は、薬物を含有若しくは一体化した装置中で薬物と集成されるように適合されていない摂取可能なハウジングを包含し、該ハウジングは、
被験体の胃腸(GI)管内でのその配置に応答してその状態を変えるように適合されている摂取可能な環境感受性の機構;
第一および第二の電極;ならびに
約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満、若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、環境感受性の機構の状態の変化に応答して、GI管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部、を包含する。
【0109】
いくつかの応用について、環境感受性の機構は、GI管中でハウジングが移動する距離の指標を検知するよう適合されているセンサーを包含し、また、該環境感受性の機構は、該距離に応答する状態の変化を受けるように適合されている。
【0110】
いくつかの応用について、環境感受性の機構はGI管を画像化するように適合されているカメラを包含し、また、制御部は、カメラにより取得される画像に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0111】
いくつかの応用について、環境感受性の機構の配置は、該環境感受性の機構の周辺の温度を包含し、該環境感受性の機構は温度センサーを包含し、また、制御部は、温度センサーにより検知される温度に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0112】
いくつかの応用について、環境感受性の機構の配置は、該環境感受性の機構の周辺のpHを包含し、該環境感受性の機構はpHセンサーを包含し、また、制御部は、pHセンサーにより検知されるpHに応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0113】
いくつかの応用について、環境感受性の機構はGI管の特徴を検知するように適合されているセンサーを包含し、また、制御部は、検知される特徴に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0114】
いくつかの応用について、環境感受性の機構は、一般に薬物の丸剤からの薬物の放出の期待された時間に状態の変化を受けるように適合されている。
【0115】
いくつかの応用について、環境感受性の機構はハウジングの表面上にコーティングを包含する。いくつかの応用について、コーティングはpH感受性のコーティングを包含する。
【0116】
一態様において、制御部は、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0117】
一態様において、制御部は、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0118】
一態様において、制御部は、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0119】
一態様において、制御部は、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0120】
本発明の一態様により、薬物の丸剤とともにの使用のための装置が付加的に提供され、該装置は、
薬物の丸剤を装置に結合するように適合されている結合機構;
第一および第二の電極;ならびに
約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の丸剤に含有されている薬物の通過を助長するよう適合されている制御部、を包含する。
【0121】
いくつかの応用について、薬物の丸剤は商業的に入手可能な薬物の丸剤を包含し、かつ、結合機構は、該商業的に入手可能な薬物の丸剤を装置に結合するように適合されている。いくつかの応用について、結合機構は接着剤を包含する。
【0122】
いくつかの応用について、結合機構は電極の少なくとも一方を包含する。いくつかの応用について、電極の少なくとも一方が、薬物の丸剤が装置に一旦結合されれば該薬物の丸剤の一部分を取り囲むように構成されている。
【0123】
一態様において、制御部は、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0124】
一態様において、制御部は、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0125】
一態様において、制御部は、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0126】
一態様において、制御部は、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0127】
本発明の一態様により、被験体への薬物の投与を助長するための装置がなお付加的に提供され、該装置は、
以下を包含するセンサー装置:
被験体の血液循環中の物質の濃度の指標を検出するように適合されているセンサー;および
該指標を無線で送信するように適合されている無線送信機;ならびに
以下を包含する摂取可能なカプセル:
該指標を受信するように適合されている無線受信機;
第一および第二の電極;ならびに
約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部、を包含する。
【0128】
いくつかの応用について、物質は薬物を包含し、かつ、センサーは、血液循環中の薬物の濃度の指標を検出するように適合されている。
【0129】
いくつかの応用について、物質は較正物質を包含し、センサーは、血液循環中の較正物質の濃度の指標を検出するように適合されており、かつ、制御部は、受信した指標に応答可能なように、GI管の上皮層を通る較正物質および薬物の通過を助長するように適合されている。
【0130】
いくつかの応用について、センサーは非侵襲的外部センサーを包含する。あるいは、センサーは侵襲的センサーを包含する。
【0131】
いくつかの応用について、摂取可能なカプセルは、薬物を貯蔵するように適合されている。あるいは、摂取可能なカプセルは、薬物を含有若しくは一体化した装置中で薬物と集成されるように適合されていない。
【0132】
いくつかの応用について、薬物は薬物の丸剤に含有され、かつ、摂取可能なカプセルは、薬物の丸剤を摂取可能なカプセルに結合するように適合されている結合機構を包含する。
【0133】
いくつかの応用について、摂取可能なカプセルは、GI管内のカプセルの配置に応答可能なようにその状態を変化するように適合されている環境感受性の機構を包含し、かつ、制御部は、該環境感受性の機構の状態の変化に応答して上皮層を通る薬物の通過を助長するように適合されている。
【0134】
いくつかの応用について、指標はそれぞれ第一および第二の時間に検知されるそれぞれ第一および第二の指標を包含し、無線送信機は、第一の時間後に第一の指標を送信しかつ第二の時間後に第二の指標を送信するように適合されており、また、制御部は、第一および第二の指標に応答して第一および第二の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、センサー装置は、第一および第二の時間の間に最低10分の間隔を空けるように適合されている。いくつかの応用について、制御部は、指標の最低1個に応答して一連のパルスの最低1個のパラメータを調節するように適合されている。
【0135】
いくつかの応用について、摂取可能なカプセルはカプセル無線送信機を包含し、センサー装置はセンサー装置無線受信機を包含し、かつ、摂取可能なカプセルは、カプセル無線送信機およびセンサー装置無線受信機を介してカプセルの特性をセンサー装置に無線で通知するよう適合されている。いくつかの応用について、特性は、カプセルの位置、制御部の状態、GI管のpHレベル、およびGI管の温度よりなる一覧から選択され、かつ、カプセルは、選択された特性をセンサーに無線で通知するように適合されている。
【0136】
いくつかの応用について、物質は、その血中濃度が薬物の血中濃度により影響される化学物質を包含し、かつ、センサーは、血液循環中の該化学物質の濃度の指標を検出するように適合されている。いくつかの応用について、化学物質は、ブドウ糖、成長ホルモンおよびヘモグロビン結合酸素よりなる一覧から選択され、かつ、センサーは、血液循環中の選択された化学物質の濃度の指標を検出するように適合されている。
【0137】
一態様において、制御部は、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0138】
一態様において、制御部は、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0139】
一態様において、制御部は、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0140】
一態様において、制御部は、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0141】
本発明の一態様により、被験体への薬物の投与を助長するための装置がなお付加的に提供され、該装置は、
以下を包含するセンサー装置:
被験体の生理学的パラメータの指標を検出するように適合されているセンサー;および
該指標を無線で送信するように適合されている無線送信機;ならびに
以下を包含する摂取可能なカプセル:
該指標を受信するように適合されている無線受信機;
第一および第二の電極;ならびに
約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部、を包含する。
【0142】
いくつかの応用について、指標は被験体の血圧の指標を包含し、かつ、センサーは、血圧の指標を検知するように適合されている。あるいは、若しくは付加的に、指標は被験体の心に関係するパラメータの指標を包含し、かつ、センサーは、該心に関係するパラメータの指標を検知するように適合されている。さらにあるいは、若しくは付加的に、指標は被験体の活動のレベルの指標を包含し、かつ、センサーは、該活動のレベルの指標を検知するように適合されている。
【0143】
いくつかの応用について、指標は被験体の体温の指標を包含し、かつ、センサーは、体温の指標を検知するように適合されている。あるいは、若しくは付加的に、指標は被験体の概日周期の指標を包含し、かつ、センサーは、該概日周期の指標を検知するように適合されているクロック回路を包含する。
【0144】
一態様において、制御部は、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0145】
一態様において、制御部は、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0146】
一態様において、制御部は、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0147】
一態様において、制御部は、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0148】
本発明の一態様により、被験体への薬物の投与を助長するための装置がなおさらに提供され、該装置は、
第一および第二の電極;ならびに
約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部、を包含する。
【0149】
一態様において、制御部は、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0150】
一態様において、制御部は、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0151】
一態様において、制御部は、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0152】
一態様において、制御部は、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。いくつかの応用について、制御部は、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている。
【0153】
本発明の一態様により、
薬物を包含する摂取可能なカプセルを被験体に投与すること;
被験体の胃腸(GI)管内のカプセルの配置を検出すること;ならびに
配置の検出に応答して、約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、GI管の上皮層を通る薬物の通過をカプセルにより助長することを包含する、薬物の投与方法も提供される。
【0154】
本発明の一態様により、
丸剤を被験体に経口投与すること;
薬物を包含しない摂取可能なカプセルを被験体に経口投与すること;
被験体の胃腸(GI)管内のカプセルの標的位置を検出すること;ならびに
標的位置の検出に応答して、約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、GI管の上皮層を通る薬物の通過をカプセルにより助長することを包含する、丸剤に含有される薬物の投与方法がさらに提供される。
【0155】
本発明の一態様により、
薬物を含有する薬物の丸剤を摂取可能なカプセルに結合すること;
カプセルを被験体に投与すること;
被験体の胃腸(GI)管内のカプセルの標的位置を検出すること;ならびに
標的位置の検出に応答して、約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、GI管の上皮層を通る薬物の通過をカプセルにより助長することを包含する、薬物の投与方法がなおさらに提供される。
【0156】
本発明の一態様により、被験体への薬物の投与の助長方法が付加的に提供され、該方法は、
摂取可能なカプセルを被験体に投与すること;
被験体の血液循環中の物質の濃度の指標を検出すること;
該指標を無線で送信すること;
摂取可能なカプセルで該指標を受信すること;ならびに
受信した指標に応答可能なように、約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の通過をカプセルにより助長することを包含する。
【0157】
本発明の一態様により、被験体への薬物の投与の助長方法がなお付加的に提供され、該方法は、
摂取可能なカプセルを被験体に投与すること;
被験体の生理学的パラメータの指標を検出すること;
該指標を無線で送信すること;
摂取可能なカプセルで該指標を受信すること;ならびに
受信した指標に応答可能なように、約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の通過をカプセルにより助長することを包含する。
【0158】
いくつかの応用について、指標は被験体の概日周期の指標を包含し、かつ、指標の検出は、該概日周期の指標の検出を包含する。いくつかの応用について、薬物は抗血栓薬を包含し、かつ、薬物の通過の助長は、上皮層を通る抗血栓薬の通過の助長を包含する。
【0159】
いくつかの応用について、指標は被験体の体温の指標を包含し、かつ、指標の検出は、体温の指標の検出を包含する。いくつかの応用について、薬物は抗生物質を包含し、かつ、薬物の通過の助長は、上皮層を通る抗生物質の通過の助長を包含する。
【0160】
本発明の一態様により、
被験体の胃腸(GI)管に薬物を投与すること;ならびに
約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、GI管の上皮層を通る薬物の通過を助長することを包含する、薬物の投与方法も提供される。
【0161】
本発明の一態様により、
カプセルにより貯蔵される薬物;
被験体の胃腸(GI)管内でのカプセルの配置に対し応答可能なようにその状態を変えるように適合されている環境感受性の機構;
第一および第二の電極;ならびに
約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、環境感受性の機構の状態の変化に応答して、GI管の薬物に対する一酸化窒素(NO)媒介性の浸透性を高めるよう適合されている制御部、を包含する摂取可能なカプセルを包含する、薬物投与のための装置がさらに提供される。
【0162】
本発明の一態様により、
薬物を包含する摂取可能なカプセルを被験体に投与すること;
被験体の胃腸(GI)管内のカプセルの配置を検出すること;ならびに
配置の検出に応答して、約15mA未満(例えば約10mA未満、約7mA未満若しくは約5mA未満)の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスをカプセルによりGI管に適用することにより、GI管の上皮層の薬物に対する一酸化窒素(NO)媒介性の浸透性を高めることを包含する、薬物の投与方法がなおさらに提供される。
【0163】
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用される全部の技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に記述されるものに類似の若しくは同等の方法および材料も本発明の実務若しくは試験において使用し得るが、適する方法および材料を下述する。不一致の場合は、定義を包含する本特許明細が支配することができる。加えて、材料、方法および実施例は具体的説明にすぎず、かつ、制限することを意図していない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0164】
発明を実施するための形態
本発明のいくつかの態様は、典型的に摂取可能で電気的に補助される薬物送達系を含んでなる。とりわけ、本発明のこれらの態様は、胃腸(GI)管壁を通る医薬品の吸収を高めるために電気的に誘導される手段を利用する医薬品担体として作用する。
【0165】
本発明のこれらの態様による、典型的に摂取可能で電気的に補助される薬物送達系の原理および作動は、図面および付随する記述を参照して、より良好に理解されよう。
【0166】
本発明の少なくとも一態様を詳細に説明する前に、本発明は、以下の記述で示されるか若しくは図面で具体的に説明される構造および構成要素の配置の詳細へのその応用に制限されないことが理解されるべきである。本発明は、他の態様、または多様な方法で実践若しくは実施することが可能である。また、本明細書で使用される語法および専門用語は記述目的でありかつ制限するとみなされるべきでないことが理解されるべきである。
【0167】
今や図面を参照すると、図2は、本発明のいくつかの態様の電気的に補助される薬物送達装置10の図解である。装置10は生物学的に不活性かつ生物学的に適合性であり、そして典型的には摂取に適合されている。装置10は、電源12、電源12と電力連絡にある制御部14、および制御部14とシグナル連絡にかつ電源12と電力連絡にある電気的に補助される薬物輸送のための最低1個の装置17を含んでなる。制御部14は、当該技術分野で既知のとおり、専用の回路、制御装置若しくはマイクロコンピュータでありうる。
いくつかの応用について、装置17は、電気輸送のため設計された電気シグナル発生器15および最低2個の電極16を含んでなる。あるいは、4個若しくはそれ以上の電極16が提供されうる。装置17は、例えば、Donaldsonらへの米国特許第5,674,196号明細書、Chienらへの米国特許第5,961,482号明細書、Weaverらへの米国特許第5,983,131号明細書、Ostrowへの米国特許第5,983,134号明細書、およびHenleyらへの米国特許第6,477,410号明細書(それらの全部は引用により本明細書に組込まれる)のいずれか1つ若しくはそれらの組合せに記述されるところの電気輸送装置として設計しうる。いくつかの応用について、電極16はステンレス鋼、型316Sのリードを含んでなる。あるいは、電極は他の素材を含んでなる。 いくつかの応用について、電極16は約10と約50mm2の間のような約1と約100mm2の間、例えば36mm2若しくは42mm2の表面積を有する。
【0168】
加えて、若しくは、あるいは、装置17は、ソノフォレーシスを実施するため、若しくはソノフォレーシスおよび電気輸送の組合せを実施するために設計され、そして最低1個の超音波振動子22を含んでなる。装置17は、例えば、Mitragotriらへの米国特許第6,002,961号、同第6,018,678号および同第6,002,961号明細書、Kostらへの米国特許第6,190,315号および同第6,041,253号明細書、Johnsonらへの米国特許第5,947,921号明細書、ならびにRoweらへの米国特許第6,491,657号および同第6,234,990号明細書(それらの全部は引用により本明細書に組込まれる)のいずれか1つ若しくはそれらの組合せに記述されるところのソノフォレーシス装置として設計しうる。
【0169】
加えて、若しくは、あるいは、装置17は、焼灼を実施するため、または焼灼および電気輸送、焼灼およびソノフォレーシス、若しくは焼灼、電気輸送およびソノフォレーシスの組合せを実施するために設計され、そして最低1個の焼灼装置24を含んでなる。焼灼過程は、例えば、レーザー焼灼、極低温焼灼、熱焼灼、マイクロ波焼灼、高周波(RF)焼灼、電気焼灼および液体ジェット焼灼のいずれか1つ若しくはそれらの組合せでありうる。装置17は、例えば、Berubeらへの米国特許第6,471,696号明細書(薬物送達装置として使用しうるマイクロ波焼灼カテーテルを記述する)、Marchittoらへの米国特許第6,443,945号明細書(レーザー焼灼を使用する医薬品送達のための装置を記述する)、Narulaへの米国特許第4,869,248号明細書(薬物投与のための限局的熱焼灼を実施するためのカテーテルを記述する)、ならびにAvrahamiへの米国特許第6,418,232号および同第5,983,135号明細書(電気焼灼を使用する薬物送達系を記述する)のいずれか1つ若しくはそれらの組合せに記述されるところの焼灼装置として設計しうる。これらの特許の全部は引用により本明細書に組込まれる。
【0170】
本発明のいくつかの態様によれば、装置10は最低1個のセンサー18をさらに含んでなる。センサー18は、例えば温度センサー若しくは圧センサーのような物理的センサーでありうる。あるいは、センサー18は、pHセンサー若しくは薬物濃度センサーのような化学的センサーでありうる。あるいは、センサー18は、ブドウ糖センサー若しくは細菌数センサーのような生物学的センサーでありうる。いくつかの応用には1個以上のセンサー18を使用する。これらは同じ型のものであっても異なる型のものであってもよい。
本発明のいくつかの態様により、装置10は、体外ステーション21、例えば遠隔制御装置との通信を提供するために、例えばRF、赤外線放射、若しくは超音波により作用する遠隔測定系20をさらに含んでなる。あるいは、若しくは付加的に、体外ステーション21はコンピュータシステムを含んでなる。あるいは、若しくは付加的に、遠隔測定系20は、体外ステーション21により伝播される電磁放射線若しくは超音波エネルギーを必要に応じて受領し、かつ、該放射線を薬物送達装置10の作動に電力を供給するための電流に変換するように適合されている、当該技術分野で既知であるところの電力変換器(コイル若しくは圧電変換器など)を含んでなる。必要に応じて、該電力変換器は電源12を置き換えても、その作動を補ってもよい。
【0171】
本発明のいくつかの態様によれば、装置10は、例えばセンサー18からの入力に応答して医薬品を分配するための最低1個の電子弁26をさらに含んでなる。
【0172】
次に、それらのそれぞれが本発明の態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する、図3Aおよび3Bを参照する。系30は、例えばステンレス鋼若しくはシリコーン、または別の生物適合性の不活性素材から成形される、生物適合性の生物学的に不活性のハウジング32内に囲まれた装置10を含んでなる。本態様の装置10は、典型的には、電気輸送を提供するために、少なくとも電源12、制御部14、シグナル発生器15、および最低2個の電気刺激電極16を含んでなる。
【0173】
図3Aに示される態様において、装置10のハウジング32は、装置10の構成要素が配置される内的空洞を規定する。図3Bに示される態様においては、ハウジング32は空洞を規定せず、むしろ、それは装置10の構成要素が埋込まれる、例えばシリコーンの成型品として成形される。
【0174】
系30は、装置10に取付けられかつ鞘34により囲まれる薬物36をさらに含んでなる。鞘34は、装置10および薬物36の双方を被包化する。あるいは、鞘34は薬物36のみを被包化する。薬物36は、典型的には系30の二端若しくは一端に形成される薬物分配空洞23中に保持される。鞘34は、典型的には、薬物36のGI管への拡散を可能にするセルロースアセテート若しくはエチルセルロースなどの生物学的に適合性の生物学的に不活性のポリマー素材を含んでなる。あるいは、鞘34は、水溶性粒子がGI管中で溶解してマトリックス中に微小孔を残し、そして薬物36が該微小孔を通って拡散するように、ポリビニルアセテート若しくはアクリル酸コポリマーなどの水不溶性マトリックス中の水溶性粒子の混合物から成形される。あるいは、鞘34は、薬物36をGI管に放出するように、水と接触した場合に、若しくは特定のpH値で分解する生物学的に分解可能な素材から成形され、薬物36は薬物が吸収されるまで装置10とともにGI管を移動する。例えば、生物学的に分解可能な素材はヒドロキシプロピルセルロース若しくはベヘン酸グリセロールを含みうる。系30がGI管中を移動する際に、装置10の電極16が電気輸送を提供し、腸上皮全体の吸収を高める。
【0175】
本発明のいくつかの態様によれば、電気輸送は、上皮細胞を通る拡散過程を高めるイオントフォレーシス、電気浸透および電気泳動のいずれか1つ若しくはそれらの組合せ、ならびに、いくつかの応用については、付加的に、典型的には高電圧を使用して上皮細胞膜に一時的な浸透可能な構造すなわち微小孔を創製して大型分子の上皮の通過を可能にする電気穿孔を包含しうる。
【0176】
本発明のいくつかの態様よれば、電気輸送は、上で定義されるところの「低強度時間変動」(LITV)シグナルを適用することにより助長される。
【0177】
いくつかの応用について、適切な電気刺激パラメータは、3ボルトまでのDC電圧、若しくは1〜50Hzの低周波数の3ボルトまでの直交パルスを包含しうる。これらのパラメータは、典型的にイオントフォレーシスに適切である。あるいは、該パラメータは、約1と約300Hzの間の周波数の約3と約50ボルトの間のAC電圧を包含しうる。これらのパラメータは、典型的に電気穿孔法に適切である。LITVシグナルの適用のためなど、さらに、あるいは、電気刺激は、(a)約5mA未満の電流、(b)約1と約10Hzの間、若しくは約10と約100Hzの間の周波数、(c)約0.1と約1ミリ秒の間、若しくは約1と約10ミリ秒の間のパルス持続時間、および(d)約1と約15分の間、若しくは約15と約120分の間の刺激時間を包含するパラメータをもつ一連のパルスとして適用しうる。いくつかの応用について、電気刺激は、約7mA未満の電流、約10mA未満の電流、若しくは約15mA未満の電流で適用する。パルスは単相でも二相でもよい。LITVシグナルは、典型的に、通常存在する蠕動運動を妨害しうる平滑筋の局所活動を引き起こさないように十分弱い。約5mA未満の電流の適用は、電極の表面積、薬物36が送達されるはずであるGI管の部分、GI管の内容物、患者の(例えば患者のGI壁組織の)個々の生理学、および他の因子に依存して、典型的には、約0.1と約8ボルト/cmの間(例えば約0.5と約5ボルト/cmの間)の電圧をもたらす。
【0178】
いくつかの応用には、LITVシグナルは、高周波バーストの低周波の連なりで適用される。典型的には、該連なりは、約6と約30Hzの間の繰り返し周波数を有する。すなわち、1秒あたり約6と約30バーストの間が適用される。各バーストは、典型的に、各連続するパルスの開始の間に約4ないし約8ミリ秒の遅延時間を伴う、約1と約4パルスの間を包含する(すなわち、約125と250Hzの間の1バースト内のパルスの周波数)。各パルスは、典型的に、約0.1と約2ミリ秒の間の持続時間を有する。
【0179】
いくつかの応用には、2種若しくはそれ以上の電気輸送過程の組合せを助長するために、DC若しくは低周波の直交パルス電圧およびAC電圧を追加する。
【0180】
他の形状のシグナルおよび(若しくは)負荷サイクルを同様に使用しうることが認識されるであろう。さらに、前述のパラメータが例として提供される。本発明の態様により、他のパラメータを、その高低に関わらず使用しうる。
【0181】
一般に、GI管は皮膚で見出される角質層障壁を欠くため、GI管の上皮細胞を横断する薬物の輸送に適切な電気輸送パラメータが、経皮薬物輸送に適切なパラメータより小さいことが認識されるであろう。
【0182】
本発明の一態様において、刺激パラメータは、少なくとも部分的に、
・ 薬物36の特定の特性。より大きな分子を含んでなる薬物は、典型的に、より強い刺激を必要とする。例えば、LITVシグナルを適用することにより電気輸送を助長する場合、より強い刺激を、より長いパルス、より多いパルスのより長いパルスの連なり、および/若しくはより高い電圧で刺激することにより提供しうる。加えて、荷電した分子を有する薬物の吸収を増大させるために、より長いパルスさえ使用しうる。
・ 薬物36が送達されるはすであるGI管の部分。例えば、空腸の固有の吸収の特徴は回腸のものと異なる。結果として、同一のパラメータでの刺激は、一般に、回腸中よりも空腸中のより大きな吸収をもたらす。従って、いくつかの応用には、薬物36が空腸でよりも回腸で放出される場合は、より強い刺激を適用する。に基づいて、選択する。
【0183】
いくつかの応用について、GI管壁を通る薬物の通過を達成するのに十分な最少量のエネルギーを適用するパラメータを選択する。より高いエネルギーレベルの使用は、いくつかの場合に、上皮組織の局所刺激の可能性を増大させうる(とは言え、組織に対する実際の損傷は、エネルギー範囲の上限で使用する場合でさえ、起こりそうもない)。加えて、より低いエネルギーレベルは、より長い刺激時間および増大した薬物吸収を可能にしうる。
【0184】
こうした増大した薬物吸収は、薬物のより低い投薬量を可能にするとみられ、より低い投薬量は、いくつかの応用について、薬物の費用および/若しくは薬物送達系30の大きさを低下させうる。
【0185】
あるいは、他の応用について、この最少量より大きいエネルギーを適用するパラメータを選択する。
【0186】
次に、本発明の態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する、図4および5を参照する。これらの態様において、薬物送達系30は複数の電極16を含んでなる。例えば、図4に示される構成において、系30は単一の陰極16Aおよび2個の陽極16B、若しくは単一の陽極16Aおよび2個の陰極16Bを含んでなる。あるいは、図5に示されるとおり、系30は複数の陽極および陰極16を含んでなる。
【0187】
図6Aおよび6Bは、本発明の一態様による、それぞれその休止期および薬物送達期の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。本態様において、装置10は、天然若しくは合成の薄いゴムのような生物学的に不活性かつ生物適合性の弾性薄膜39により囲まれた自己膨張可能部分33を含んでなる。いくつかの応用について、電極16は、電極16とGI壁の間のより良好な接触のために弾性薄膜39上で塗装されている。自己膨張可能効果は、例えばCO2のようなガス37(図6B)を生じる物質35の化学反応(図6A)により生じさせうる。本態様において、薬物分配空洞23を自己膨張可能部分33と装置10の主本体の間に配置しうる。いくつかの応用について、本態様の系30を使用して電極16と結腸のGI壁の間の接触を助長する。
【0188】
いくつかの応用について、装置10は、その上に電極16を有する自己膨張可能部分33間に配置された自己膨張可能部分を含んでなる中心部分33aを含んでなる。典型的には、部分33aは、それが胃腸管の内壁に接触するまで膨張するように適合されている。従って、部分33aは、典型的に、自己膨張可能部分33と少なくとも同じ直径まで膨張し、そしてそれにより胃腸管の管腔の液体中の電流を阻害し、かつ、(一定電圧について)胃腸管それ自身の組織中でより高い電流を助長することが可能である。必要に応じて、類似の中心の自己膨張可能部分を、本特許出願の他の図の1種若しくはそれ以上を参照して記述される本発明の態様に統合しうる。
【0189】
あるいは、部分33aは自己膨脹可能部分を含まないが、しかし、代わりに、被験体により摂取される前に図6Bで破線により示される状態にある。この場合、部分33aは、薬物送達が望ましい胃腸管の領域で胃腸管の内壁に接触するのに適する直径のものとなるように、予め大きさを決められる。必要に応じて、類似の中心部分33aを、本特許出願の他の図の1種若しくはそれ以上を参照して記述される本発明の態様に統合しうる。
【0190】
いくつかの応用について、部分33aの外表面は、電極16間を流れる電流が胃腸管腔それ自身内を通過する程度を最低限にするように、疎水性かつ/若しくは親油性素材を含んでなる。一態様において、部分33aは疎水性かつ/若しくは親油性素材を含んでなり、そして自己膨脹可能部分33より小さい直径を有する。
【0191】
図7、8および9は、本発明の態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。これらの態様において、系30は複数の電極16および自己膨張可能な形態を含んでなる。
【0192】
図10は、本発明の一態様による、それがGI管50中を移動する際の、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。系30の自己膨張可能部分およびその外側を覆う複数の電極16の双方が、電気刺激に適するようにGI管50の壁と系30の間の滑り接触を助長するよう作用する。
【0193】
図11A〜11Dは、本発明の態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。これらの態様では、自己膨張可能な薬物マトリックスが使用される。典型的には、薬物36は、GI液と接触する場合に膨張するヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)すなわちPOLYOXTM(Dow Chemical Company社製)などの生物分解性でありうる膨潤性ポリマー42により囲まれる。典型的には、薬物は膨潤性ポリマーとともに膨潤するようにそれと混合される。
【0194】
図12は、本発明の一態様による、カプセル45として成形されかつ微小ペレット43として薬物36を含有する、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。生物分解性薄膜46が微小ペレット43を被包化している。薄膜46がGI管中で崩壊する際に、微小ペレット43の形態の薬物36が放出される。
【0195】
図13は、本発明の一態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。本態様では、薬物36を含有するために薄膜を使用しない。むしろ、薬物36は生物適合性の固体棒状物48上に圧縮され、そしてGI管中でゆっくり溶解する。
【0196】
図14Aおよび14Bは、本発明の一態様による、それぞれその休止期および薬物送達期の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。本態様では、薬物送達は浸透圧により起こる。水溶性の栓29(図14A)が溶解する際に、オリフィス38が開放される(図14B)。薬物分配空洞23中への水の取り込みが、系内の浸透圧を増大させる。浸透圧勾配の増加が、制御された様式でオリフィス38を通して薬物を駆動する。
【0197】
あるいは、薬物36の鞘34を、ポリエチレングリコール(PEG)と結合させたセルロースアセテートとして成形しうる。摂取後、PEGが溶解し、浸透圧機構による薬物の放出を制御する半透膜で被覆された薬物36を残す。薬物核に添加されたNaClのようなosmognate添加物、および/若しくは鞘34の穿孔は、放出パターンをより良好に制御することに寄与するとみられる(osmognateは、高い溶解性、および高い浸透圧を創製して水を誘引する能力をもつ物質(通常は塩)である)。
【0198】
図15は、本発明の一態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。本態様では、薬物放出はpH依存性である。薬物36は、特定のpH値で溶解する最低1枚の薄膜46Aにより囲まれている。いくつかの応用について、pH値は、薬物36の胃中でのより早期の放出を実質的に防止しつつ小腸中に該薬物を放出するために、小腸で一般に見出される範囲、例えば約4.7と約6.5の間にあるよう選択される。あるいは、pHは、大腸のようなGI管の別の部分で一般に見出される範囲にあるように選択される。(例示的pH値については、背景の節の表1を参照されたい。)
【0199】
他の応用について、pH値は、薄膜46Aが胃中で溶解して薬物36の少なくとも一部分36Aを放出するような、胃中で一般に見出される範囲、例えば約1.2と約3.5の間にあるように選択される。場合によっては、系30は、小腸のようなGI管のより遠位の部分に特徴的なpHで溶解してその中に薬物36の第二の部分36Bを放出する、第二の薄膜46Bを含んでなる。さらに、場合によっては、系30は、大腸のようなGI管のなおより遠位の部分に特徴的なpH(例えば大腸については約7.5と約8.0の間のpH値)で溶解してそれにより薬物36の第三の部分36Cを放出する、第三の薄膜46Cを含んでなる。こうして、特定の薬物部分、若しくはなお異なる薬物36A、36Bおよび36Cの標的をGI管の異なる部分に定めることができる。あるいは、若しくは付加的に、pH値は、小腸で薬物36の第一の部分、および大腸で第二の部分を放出するように選択される。
【0200】
図16は、本発明の一態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。本態様では、薬物放出はpH依存性である。薬物36は、その作動が制御部14により制御される3個の電子弁26A、26Bおよび26Cによりそれぞれ封止される3個の薬物分配空洞23A、23Bおよび23Cのような2個若しくはそれ以上の薬物分配空洞中でハウジング32により囲まれている。pHセンサー18は、典型的には特定の一pH値若しくは値の範囲を検知し、そして該情報を制御部14に送信し、制御部は該検知に応答して弁26A、26Bおよび26Cの1個若しくはそれ以上を開放する。
【0201】
図17は、本発明の一態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。本態様において、装置10は薬物輸送機構としてのソノフォレーシスを提供するための超音波振動子22を含んでなる。ソノフォレーシスは単独で適用しても電極16を使用して電気輸送とともに適用してもよいことが認識されるであろう。
【0202】
図18は、本発明の一態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。本態様において、装置10は薬物輸送機構としてRF焼灼のような焼灼を提供するための焼灼装置24を含んでなる。焼灼は単独で適用しても電極16を使用して電気輸送とともに適用してもよいことが認識されるであろう。
【0203】
典型的には、RF焼灼パラメータは、約50ないし約150kHzの周波数、および約3〜100ボルトの電位を包含する。これらのパラメータは例として提供される。本発明の態様により、他のパラメータを、その高低に関わらず使用しうる。
あるいは、焼灼装置24は、マイクロ波焼灼、レーザー焼灼、極低温焼灼、熱焼灼若しくは液体ジェット焼灼を実施する。
【0204】
図19は、本発明の一態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。本態様において、装置10は体外ステーション21(図2)との通信を提供するための遠隔測定系20を含んでなる。例えば、センサー18はGI管に沿った温度値を体外ステーション21に送信することができる。これらの値を使用して、問題を示唆する突然の若しくは限局された温度上昇を、系30を使用して人に知らせうる。あるいは、センサー18はpHセンサーを含んでもよく、そして、体外ステーション21を使用して、図16の弁26A、26Bおよび26Cのような弁を遠隔制御しうる。
【0205】
図20は、本発明の一態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系30を具体的に説明する。本態様において、装置10の電源12は、陽極64および陰極66を含んでなるガルバニ電池60ならびにオリフィス68として構築される。系30がGI管を通って移動する際に、GI液62がオリフィス68を介してガルバニ電池60に進入し、そして細胞の電解質として作用する。
【0206】
薬物の半減期が所望より短い場合、血漿薬物濃度の変動を低下させかつより均一な治療効果を提供するように放出制御投薬形態物を設計してもよい。経口の放出制御形態物は、しばしば、治療薬の濃度を最低12時間維持するように設計される。例えば、Encyclopedia of Controlled Drug Delivery、第2巻、Edith Mathiowitz編、pp.838−841により教示されるところの数種の放出制御機構を使用しうる。これらはマトリックス若しくはコーティングとしての特定の物質(一般にポリマー)の使用に基づく。これらは、所望の効果に依存して、迅速に若しくはゆっくり分解する素材でありうる。
【0207】
本発明の態様により、薬物36は、以下の技術の1種若しくはそれ以上を使用して制御された様式で放出される。
・ 薬物(固体、液体若しくは液体中の懸濁剤でありうる)は、薬物放出がカプセル壁を通る拡散により制御されるように、ポリマー素材中に被包化しうる。
・ 薬物粒子は、薬物放出がコーティングの崩壊により制御されるように、蝋若しくは溶解性の乏しい素材、または水溶性の孔形成性化合物と混合した不溶性素材(例えばポリ塩化ビニル)で被覆しうる。
・ 薬物は、マトリックスを通る拡散、マトリックスの腐蝕、若しくは双方による拡散により薬物放出が制御されるように、生物分解性であってもなくてもよい遅延放出マトリックスに埋込みうる。
【0208】
・ 薬物は、その放出を遅延させるイオン交換樹脂と複合体形成させうる。
・ 薬物が拡散、腐蝕若しくは双方により放出されるように、薬物は、生物分解性であってもなくてもよいポリマー素材のような薄膜とゼリーロールのように貼合せてもよい。
・ 水で膨潤させたヒドロゲルからの薬物の拡散により薬物放出が制御されるように、薬物をヒドロゲル、若しくはGI管中でヒドロゲルを形成する物質中に分散させうる。
・ 浸透圧を使用して、制御された様式で薬物を放出してもよい。投薬単位中への水の取り込みが系内の浸透圧を増大させる。浸透圧勾配の増加が、投薬形態物の1個若しくはそれ以上のオリフィスを通して薬物を駆動して、制御された様式で薬物を放出する。
・ 薬物はGI液の密度より低い密度のマイクロペレットとして成形してもよい。該マイクロペレットは溶解前に長時間浮遊しうる。
【0209】
・ 薬物は、上皮の表面に付着して薬物のGI管中の時間を延長する生物接着性ポリマーを含有しうる。
・ 薬物は、ポリマーに化学的に結合されかつ加水分解により放出されうる。
・ 加水分解、熱力学的解離若しくは微生物分解により薬物放出を制御するイオン結合若しくは共有結合を介して、薬物の巨大分子構造を形成しうる。
・ 可溶性および不溶性ポリマーの組合せで薬物を被覆しうる。可溶性粒子が溶解する場合、それらは薬物核の周囲に微孔質層を形成し、その結果薬物は該微孔質を通ってゆっくりと浸透しうる。放出速度はコーティング層の多孔性および厚さに依存する。コーティング層の成分を変動させて、投薬単位が特定のpH下になるまで(例えば結腸を標的とするため)薬物の放出を延長させ得る。
【0210】
・ 薬物は、GI管の特定の一部分を標的とするために、特定の一pH値で溶解するよう設計した層と貼合せてもよい。
・ 薬物は、GI管の異なる部分を標的とするために、例えば結腸を標的とするために、それぞれ異なる特定の一pH値で溶解するよう設計した数個の層と貼合せてもよい。
・ 薬物は、pHに依存しない放出制御のため設計することができ、また、緩衝剤および適切な賦形剤とともに酸性若しくは塩基性薬物の配合物を湿式造粒することにより製造してよく、該顆粒をその後、GI液中で浸透性である薄膜で被覆し、そして錠剤に圧縮する。経口投与時に、GI液が薄膜コーティングに浸透し、そして、薬物がGI管中のpHレベルに依存せずに一定速度で投薬形態物から溶解かつ浸透し得るように、緩衝剤が錠剤のpH値を調節する。
【0211】
・ 薬物製剤は、水溶性の栓およびヒドロゲルの栓によって不溶性カプセル本体中に封止しうる。カプセルが膨潤する場合に、水溶性の栓が胃液中で溶解しかつヒドロゲル栓を露出させ、ヒドロゲル栓が膨潤し始める。摂取後予め決められた時点で、ヒドロゲル栓が射出され、そして被包化された薬物製剤がその後、消化管中に放出される。
あるいは、若しくは付加的に、当該技術分野で既知の他の放出制御手段を使用する。
必要に応じて、カプセルのいくつか若しくは全部の部分は、患者の結腸中の細菌により生物分解されるように構成される。
【0212】
本発明の態様により、薬物放出は、以下の選択肢、すなわち、放出制御、徐放性、拍動性放出、時間療法的放出、即時放出、腸溶コーティング放出(活性化が小腸で開始し、そしてpH依存性のコーティングが胃の酸性環境から保護する)のいずれも選択しうることが認識されるであろう。該投薬形態物は、複数コーティングの系に基づき、時間療法的(サーカディアンリズムへの適応)若しくは結腸送達型でありうる。薬物は、硬ゼラチン、圧縮粉末、若しくは当該技術分野で既知のいずれかの他の代替、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のカプセルとして成形しうる。
【0213】
薬物がペプチド製剤若しくはタンパク質薬物である場合、経口送達を可能にするために機能的添加物を使用しうる。典型的な実体は、プロテアーゼ阻害剤、安定剤、吸収促進剤、およびベラパミル若しくはキニジンのようなPGP阻害剤である。
【0214】
加えて、多様な添加物を薬物36とともに使用してよい。これらは、トリプシンインヒビター、ケモスタチン、Bowman−Birkインヒビター、アプロチニン、SBTIおよびポリカルボフィルのような管腔の刷子縁ペプチダーゼに対し遮蔽するプロテアーゼ阻害剤を包含しうる。
【0215】
加えて、NSAID、デカン酸、サリチル酸ナトリウム、SLS、四級アンモニウム塩、胆汁酸塩−コール酸ナトリウム、オクタン酸、グリセリド、サポニン、および/若しくは中鎖脂肪酸のような吸収促進剤を使用してもよい。
多くの場合に、化学的促進剤がペプチドおよびタンパク質と相互作用することが認識されるであろう。本発明のいくつかの態様の一利点は、化学的促進剤の代わりに電気的に補助される吸収を使用することによる、この相互作用を回避する能力である。
加えて、タンパク質、糖、多価アルコール、アミノ酸、無機塩および/若しくは界面活性剤のような安定剤を使用してもよい。
【0216】
さらに、緩衝剤および/若しくは抗酸化剤のようなペプチドのための他の製薬学的補助物質を使用してもよい。
経口薬物の放出制御若しくは徐放性のためのマトリックス形成に適するポリマーは、アクリレート、アクリル酸コポリマー、Eudragit、RL/RS型、エチルセルロース、HPMC、カルボキシメチルセルロース、カーボマー、セルロースアセテートのようなセルロース誘導体、PVA、ガム、およびいかなる他の製薬学的に許容できるポリマーも包含する。
【0217】
ポリマーに加え、ある型の脂質、例えばベヘン酸グリセロール若しくはモノステアリン酸グリセロールが同様にマトリックス形成物質として作用しうる。
マトリックスを形成するポリマーは、カプセルに充填しても若しくは錠剤に圧縮してもよいことが認識されるであろう。
【0218】
薬物の放出制御若しくは徐放性のための経口薬物の機能的コーティングに適するポリマーは、Ethocel(エチルセルロース)、HPMC、Kollicoat(PVA、PVPの組合せ)、CAエステル、Eudragit、および腸溶コーティング(pH依存性)型ポリマー(Eudragit L、S、CAP、HPMCPなど)を包含する。加えて、MCC、乳糖およびリン酸カルシウムなど許容可能な製薬学的増量剤を同様に使用しうる。
【0219】
これらのコーティングは、錠剤およびカプセル剤双方に適用しうる。
コーティングの型は、薬物、および、徐放性、腸溶性(主としてペプチド型について)、時間療法的放出、結腸放出、浸透圧放出などのような所望の放出プロファイルに従って決定することができることが認識されるであろう。
コーティングは、錠剤若しくはカプセル剤いずれかのためのマトリックスに基づく投薬形態物に付加的でありうることがさらに認識されるであろう。
本発明のいくつかの態様の薬物候補は、ペプチド、タンパク質、巨大分子、ホルモン、極性化合物および溶解性の乏しい化合物を包含する。
【0220】
本発明の態様により薬物36として使用しうる薬物のいくつかの例は、インターロイキン2、TGF−β 3、ヘパリン、エリスロポエチン、シクロスポリン、抗癌剤、遺伝子送達のためのウイルスおよびウイルス以外のベクター、TNF、ソマトロピン、インターフェロン、コパクソン、組換えタンパク質、免疫系調節物質、モノクローナル抗体(ハーセプチン)、ワクチン、フィルガストリン、ソマトスタチン、インスリン、LHRHアンタゴニストおよびアナログ(デカペプチド、リュープロリド、ゴセラリン、カルシトニン、トリプトレリン、オキシトシンならびにサンドスタチンを包含する。
【0221】
加えて、スタチン、免疫抑制剤(例えばシロリムス、タクロリムス)、ガランタミン、セレブレックスのような小分子薬物、および他の溶解性の乏しい薬物、若しくは低い生物学的利用性の薬物を使用してもよい。これらの薬物は、Cox2阻害剤、CNS薬物、抗生物質、およびそれらの経口の生物学的利用性の改善を必要とするいずれかの他者でありうる。
【0222】
加えて、吸収の乏しい他の既知薬物を使用してもよい。
次に、上の記述と一緒になって本発明の態様を制限しない一様式で具体的に説明する、以下の実施例を参照する。
【実施例】
【0223】
実施例1
電気的に補助される薬物送達装置10。
有効成分:インスリン。
増量剤:結晶セルロース、乳糖。
プロテアーゼ阻害剤:ケモスタチン、トリプシンインヒビター。
成分を混合しかつ錠剤に圧縮する。胃環境から保護するために腸溶被膜を塗布する。Eudragit Lを使用してよい。
【0224】
実施例2
実施例1に同様、しかしデカン酸のような吸収促進剤を付加的に包含する。
【0225】
実施例3
実施例1でのように製造したコパクソンの経口送達のためのカプセル剤。成分を乾式混合しかつカプセルに充填し、HPMCPのような腸溶被膜ポリマーで被覆する。
【0226】
実施例4
シクロスポリンの放出制御のための錠剤。
装置10ならびにHPMCおよび薬物物質の双方を一緒に混合し、そして錠剤に圧縮する(図13を参照されたい)。完成した系30をその後エチルセルロースで被覆する。エチルセルロースはHPMCと一緒になって薬物放出を遅延させかつ制御する。
【0227】
実施例5
浸透圧装置。実施例4の錠剤を、PEGと結合したセルロースアセテートで被覆しうる。摂取後にPEGが溶解し、浸透圧機構による薬物の放出を制御する半透膜で被覆された錠剤を残す。NaClのようなOsmognate添加物(上に定義される)を薬物核に添加し、そして、コーティングの穿孔が放出パターンのより良好な制御に寄与しうる。
薬物ポリマー、投薬形態物のいかなる既知の組合せも、本発明の態様により許容できることが認識されるであろう。
【0228】
本発明のいくつかの態様により、電気的に補助される薬物送達系は、例えばShanへの米国特許第5,984,860号明細書、全部Iddanらへの米国特許第5,604,531号および同第6,428,469号明細書、ならびに米国特許出願第2001/0035902号明細書(それらの全部は引用により本明細書に組込まれる)に記述されるところの視覚的画像化装置をさらに含んでなる。
【0229】
本発明のいくつかの態様により、電気的に補助される薬物送達系は、ゆっくり溶解する薬物の溶解速度をさらに増大させる。例えば、キャビテーションを生じさせるソノフォレーシスは焼灼効果を有し、そして、溶解性の乏しい薬物の溶解を高めるよう作用しうる。
【0230】
本発明のいくつかの態様により、電気的に補助される薬物送達系は摂取可能である。典型的には、それはGI管を自由に通過する。あるいは、それは患者の身体の一部分、例えば患者の頭部の周囲に配置される歯若しくは帯に繋留しうる。あるいは、電気的に補助される薬物送達系は、カテーテルに据付けることができる。
【0231】
本発明の一態様において、電気的に補助される薬物送達系は内視鏡(例えば結腸鏡)を含んでなる。内視鏡は刺激電極を含んでなる一方、該系の他の要素(例えば電源および制御部)は内視鏡に接続され、かつ、典型的には身体の外側に留まるように適合されている。
【0232】
本態様において、薬物は典型的に液体溶液で投与される。内視鏡は、内視鏡に取付けた可撓性チューブのような薬物送達機構をさらに含んでなる。こうしたチューブの遠位端は、典型的に、刺激電極近くに薬物を放出するように配置される。いくつかの応用について、本態様の系は、慣習的な内視鏡の機能性を使用して同定される、例えば内視鏡を使用して視覚的に同定される特定の一部位に薬物を送達するのに使用される。刺激電極、および薬物送達チューブの遠位端は、薬物放出の視覚的観察およびターゲッティングを可能にするために、典型的に内視鏡の遠位端近くに配置される。
【0233】
本発明の態様は、経口送達されるタンパク質およびペプチド薬物の、以前は対処できなかった有効性および生物学的利用性を達成するよう設計されている。電気的に補助される該改良を、既知の薬物増強剤および安定剤に加えかつそれらと相乗的に実施しうることが認識されるであろう。本発明の一態様において、低濃度の化学的増強剤とともに、本明細書に記述される電気的増強技術の最低1種を使用して達成される相乗的薬物吸収増強は、(a)電気的増強技術単独で達成可能な増強、および(b)低濃度の化学的増強剤単独で達成可能な増強の総和より大きい。
【0234】
次に、本発明の一態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系300の図解である図21を参照する。系300は、例えば図3Aおよび3Bを参照して上述された薬物送達系30に全般的に類似である。系300は、装置10、ハウジング32、電源12、制御部14、シグナル発生器15、および最低2個の電気刺激電極16を含んでなる。系300は、図4、5、6A、6B、7、8および9を参照して記述されるもののような、系30に関して上述された電極構成のいずれかを、適切な変更を加えて使用しうる。
【0235】
しかしながら、系30と異なり、系300は薬物36を含まない。代わりに、患者は、典型的には、薬物36を含有する商業的に入手可能な薬物の丸剤とともに、例えば薬物の丸剤を摂取する前、それと同時に若しくは摂取後に、系300を摂取する。系300は、従って、GI管中で薬物の丸剤から放出される薬物の吸収を高めるようはたらく。いくつかの応用について、系300は、上述された放出調時技術の1種若しくはそれ以上を使用することによるような、薬物の丸剤からの薬物の期待される放出と電気刺激の適用を協調させる(例えば同期させる)ように構成される。例えば、系300は、薬物の丸剤の制御放出のタイミングを全般的に一致させる制御放出コーティングで被覆してよい。薬物放出と電気刺激を協調させるための多数の技術は、本特許出願を読めば当業者に明らかであろうし、そして、本発明の範囲内にある。
【0236】
次に、本発明の一態様の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系350の図解である図22を参照する。系350は、例えば図3Aおよび3Bを参照して上に記述される薬物送達系30に全般的に類似である。系350は、装置10、電源12、制御部14およびシグナル発生器15を含んでなる。これらの構成要素は典型的に系350のハウジング358内に含有される。系350は、典型的に、GI管内のカプセルの配置に応答してその状態を変えるように適合されている、摂取可能な環境感受性の機構を含んでなる。
【0237】
しかしながら、系30と異なり、系350は薬物36を含まない。代わりに、系350は、商業的に入手可能な薬物の丸剤362を系350に結合するように適合されている結合機構360を含んでなる。いくつかの応用について、結合機構360は、丸剤362を正しい場所に保持する接着剤364を含んでなる。クリップ若しくは他の圧嵌合機構(構成は示されない)などの他の結合機構は、本特許出願を読めば当業者に明らかであろうし、そして、本発明の範囲内にある。丸剤362は、例えば医学的、安全性、商業的若しくは他の考慮に依存して、製造元、患者若しくは医療従事者により系350に結合しうる。
【0238】
系350は、GI管の上皮層を通る薬物の丸剤に含有されている薬物の通過を助長するよう適合されている薬物通過助長機構をさらに含んでなる。いくつかの応用について、薬物通過助長機構は最低2個の電気刺激電極366を含んでなる。図22に示される構成において、電極366は、丸剤362が系350に一旦結合されればそれらが丸剤の一部分を取り囲むように構成されている。電極は、典型的に、1個若しくはそれ以上の電気絶縁支持要素368により支持される。あるいは、電極366は、ハウジング358上など、丸剤362周辺の別の場所に配置される。例えば、系350は、図3A、3B、4、5、6A、6B、7、8および9を参照して記述されるもののような、系30に関して上述された電極構成のいずれかを、適切な変更を加えて使用しうる。
【0239】
次に、本発明の一態様による結合機構370の図解である図23を参照する。本態様において、系350は、結合機構360(図22)に代わり、若しくはそれに追加で、結合機構370を含んでなる。結合機構370は、電気刺激電極366(図22)の最低1個を含んでなる。該電極は2個の実質的に半円形の区分372を含んでなり、それらのそれぞれは1個若しくはそれ以上のスパイク374を含んでなるか、またはそれを規定するように造形される。丸剤362(図23に示されない)は該区分の間に挿入され、そして該区分の遠位端376が一緒にされて、それによりスパイク374を丸剤362中に押し、そして丸剤を正しい場所に保持する。丸剤の挿入後に、遠位端376は、該端部に挿入されているピン378若しくは別の閉鎖機構などにより、典型的には一緒に保持される。
【0240】
図23に示される特定の配置は、丸剤が系350に結合され得る方法の別の制限しない例を提供することを意図していることが認識されるべきである。必要に応じて、図23に示される多様な構成要素は、系350への丸剤の据付を助長するように、大きさ、位置若しくは数が変動してもよい。
【0241】
次に、本発明の一態様で測定されるin vitro実験の結果を示すグラフである図24を参照する。300gのWistarラットを、ケタミン(100mg/kg)およびキシラジン(10mg/kg)を使用して麻酔した。上部空腸の2個の3cm長の区分を取り出し、そして、2個の長方形の組織片が利用可能であったように管腔に沿って開いた。顕微鏡カバーガラスを使用して、漿膜および筋層を取り出した。腸組織区分をスライドガラスに載せ、そして、図26を参照して下述される実験拡散チャンバー500に類似の拡散チャンバーに挿入した。各拡散チャンバーは、2.8cm×8mmの窓により接続されるドナーおよびアクセプター小室を有した。スライドガラス上の組織区分が、ドナーおよびアクセプター小室間の窓を完全に覆った。小室を15mlのハンクス液(HBSS)(pH7.4)で満たした。ドナー小室をその後、各ドナー小室の2部分間の液体通過が遅くなる(不可能でない場合)ように、組織にわずかに接触する分割板で2個の別個の区分に分割した。溶液を37℃に維持し、そして、各小室の底部に置いた1mm IDのチューブを介して供給される95%O2/5%CO2ガスを供給した。正方形のステンレス鋼電極(316S、6mm×6mm)を、組織から0.5mmの距離で組織区分と平行にドナー小室中に置いた(各区分に1個の電極)。電極の中心間の距離は10mmであった。この状態で30分後に、ドナー小室中のHBSSを、1mg/mgの酢酸オクトレオチド(サンドスタチン)を含有するHBSSで置き換えた。
【0242】
拡散チャンバーの一方(対照としてはたらく)中で、組織区分を介するオクトレオチドの浸透を、電極刺激の適用を伴わずに測定した。他方の拡散チャンバー中で、一連の1ミリ秒長の12Hzの単相パルスを、Thurlby Thandar Instruments TGP110パルス発生器を使用して生成させた。パルス発生器の電圧出力を、3mAの電流が電極を通って流れるように調節した。電極に直列に接続したEZ Digital Co.DM330デジタル・マルチメーターを使用して、電流を測定した。マルチメーターは、mAレベルの電流に感受性であるように設定した電流計として作動していた。1ミリリットルのサンプルを、90分間にわたり、一連のパルスの開始30分後およびその後15分ごとに、アクセプター小室のそれぞれから採取した。サンプルは、それらのオクトレオチド含量について、HPLC−UV 205nm分光学(Hewlett−Packard 1100、アセトニトリル:リン酸緩衝液(pH7.4)(40:60)、C18カラム)により分析した。
【0243】
図24のグラフで見ることができるとおり、対照アクセプター小室中に存在したよりも、オクトレオチド浸透の実質的により大きな増大が、LITVパルスに曝露したアクセプター小室中で存在した。(酢酸オクトレオチドは該実験のpHで荷電した分子でないため、発明者は、イオントフォレーシスがチャンバー間のその通過の原因でなかったと考える。)
【0244】
本特許出願を読んだ当業者に明らかであるとおり、投与される薬物106の量を制御するようにカプセル102を構成することも可能である。例えば、薬物106をカプセル102内のいくつかの室に貯蔵することができ、そして、送信/受信装置に送信されたシグナルが、室の0、1、いくつか若しくは全部から薬物を送達するように駆動機構に指図する。
【0245】
次に、本発明の一態様の閉鎖ループの有効成分送達系400の図解である図25を参照する。系400は、被験体414のGI管412の上皮層を通る薬物の通過を助長するための(上述された摂取可能な薬物送達系の1種のような)最低1個の摂取可能な薬物送達系410を含んでなる。系400は、無線で若しくはワイヤでのいずれかで無線送信機417に接続されたセンサー416を含んでなるセンサー装置415をさらに含んでなる。
【0246】
センサー416は、被験体414の血液循環中の薬物の濃度の指標を検出するように適合されている。例えば、センサー416は、非侵襲的外部センサー418、例えば腕時計のように装用されるよう適合されているセンサーを含みうる。非侵襲的センサー418は、例えば、血糖値を検知するために当該技術分野で既知であるような、薬物の血中濃度を検出するためのイオントフォレーシス、赤外分光法若しくはソノフォレーシス技術を利用してよい。あるいは、センサー416は、例えば血糖値を検出するために当該技術分野で既知であるところの植込型センサーなどの侵襲的センサー(構成は示されない)を含んでなる。
【0247】
送信機417は、検出した指標を、摂取可能な薬物送達装置410に接続された受信機に無線送信するように適合されている(受信機は示されない)。薬物送達装置410は、血液循環中の薬物の濃度を調節するため、受信した指標に応答可能なように薬物の通過の促進のレベルを調節するように構成される。装置410は、典型的に、血液の薬物濃度が標的値より低い場合に促進のレベルを増大させ、また、血液の薬物濃度が標的値より高い場合に促進のレベルを低下させる。血液の薬物濃度のこうした閉鎖ループ制御は、医師が薬物の投薬量のみよりはむしろ薬物の血中濃度を正確に処方することを可能にする。いくつかの応用について、薬物送達装置410は付加的に送信機を含んでなり、また、センサー装置415は付加的に受信機を含んでなる。該薬物送達装置は、薬物送達装置の位置(例えば小腸中の該装置の到着)、輸送の促進の状態、GI管のpH、GI管の温度、および/若しくは該薬物送達装置の他の作動パラメータを、センサー装置415に無線で通知するように適合されている。
【0248】
本発明の一態様において、摂取可能な薬物送達装置410は、上皮層を通る薬物の経上皮通過の助長に加え、較正物質の経上皮通過を助長する。使用される特定の型の薬物送達装置410に依存して、較正物質は、該装置、該装置に結合された丸剤、若しくは該装置と共に投与される丸剤中に含有される。(いくつかの応用について、薬物および較正物質は同一の丸剤に含有される。あるいは、いくつかの応用について、薬物および較正物質は別個の丸剤に含有される。)センサー装置415は、血液循環中の薬物の濃度の代理として、血液循環中の較正物質の濃度を測定する。較正物質の使用は、一般に、センサー416の血中濃度検出技術の標準化を見込み、そして、特定の薬物の血中濃度がセンサー416により容易に検出可能でない場合であっても、薬物送達系400の使用を可能にする。
【0249】
いくつかの応用について、センサー416は化学物質(例えばブドウ糖)の血中濃度を検出するように適合されており、それに応答して、薬物106(例えばインスリン)の用量が、薬物送達装置410により投与若しくは保留される。あるいは、若しくは付加的に、LITVシグナル若しくは別の適用されたシグナルのパラメータは、検出されたレベルに応答して変動される。適するパラメータは、シグナルの振幅、バーストの周波数(すなわち時間あたりのバーストの数)、バースト内パルスの周波数、および/若しくは適用されたパルスのパルス幅を包含する。間歇的に(例えば1分ごと若しくは10分ごと)、センサー416は別の読み取りを実行し、そして薬物送達装置410の作動が、更新された読み取りに応答可能なように調節される。他の応用には、インスリン投与を調節するために化学物質ブドウ糖を測定する代わりに、成長ホルモンおよび投与された成長ホルモン阻害剤(例えばサンドスタチン)の血中濃度、ならびに、センサー416中のパルス酸素濃度計装置により測定されるところの血液酸素化および血管を拡張する投与された薬物などの他の化学物質/薬物対を利用する。
【0250】
一態様において、センサー416は、薬物送達装置410の作動の適する調節を助長するために、非化学的パラメータを測定する。例えば、センサー416は血圧を測定することができ、また、薬物106は利尿薬を含みうる。この例では、血圧レベルが正常である場合には、利尿薬投与が典型的には低下若しくは保留される。別の応用において、センサー416は心モニター(例えば脈拍モニター若しくは心電図モニター)を含んでなる。なお別の応用において、センサー416は、加速時計、および/若しくは被験体414の概日周期の段階の指標(例えば調時回路)を含んでなり、そして、薬物送達装置410の作動がそれに応答して調節される。例えば、薬物送達装置410は、日中の抗血栓薬(例えば低分子量ヘパリン)の投与を増大させることができ、また、夜間はその投与を減少させることができる。別の応用において、センサー416は温度センサーを含んでなり、そして薬物106は抗生物質(例えばセファゾリン)を含んでなる。
【0251】
薬物送達系400の用途のそれぞれに関して、いくつかの応用については、被験体414がカプセルをスケジュールに従って、しかし一般には薬物に対する現在の必要性に関係なく嚥下しうることが示される。必要が生じる場合は、典型的にリアルタイムで(すなわちカプセルが被験体の身体中にある間に)調節される用量で、薬物が送達される。必要が生じない場合には、薬物は投与されない。
【0252】
次に、実験的拡散チャンバー500の断面図である図26、および、本発明のそれぞれの態様により生成されたin vitro実験結果を示すグラフである図27〜36を参照する。多数の300gのWistarラットを、ケタミン(100mg/kg)およびキシラジン(10mg/kg)を使用して麻酔した。腸の2個の3cm長の切片510を各ラットから取り出し、そして、2個の長方形の組織片が各ラットから利用可能となるように腸間膜線(mesenterial line)に沿って開いた(単一組織切片510を図26に示す)。図27〜35を参照して下述される実験のため、腸切片を上部空腸から採取した一方、図36を参照して下述される実験のため、腸切片を上部空腸、近位回腸および遠位回腸から採取した。顕微鏡カバーガラスを使用して、腸切片の漿膜および筋層を取り出した。腸組織区分のそれぞれをスライドガラス上に置き、そして拡散チャンバー500に挿入した。
【0253】
拡散チャンバー500は、28mm×8mmの窓524により接続されるドナー小室520およびアクセプター小室522を規定するように造形されている。スライドガラス上の組織区分510が窓524を完全に覆った。組織区分510を、窓524を完全に覆うように置き、それによりドナー小室520およびアクセプター小室522を分離した。組織区分510を、その粘膜側がドナー小室520に面しかつその漿膜側がアクセプター小室522に面するように正しい方向に置いた。ドナー小室520は、7.4のpHに調節したハンクス液(HBSS)15mlで満たした(mMで、136.9 NaCl、5.4 KCl、0.5 MgCl2、0.4 MgSO4、4.5 KH2PO4、0.35 Na2HPO4、1.0 CaCl2、4.2 NaHCO3、5.5 D−ブドウ糖)。アクセプター小室522は、7.4のpHに調節したD−ブドウ糖を補充したリン酸緩衝生理的食塩水(PBS)で満たした(mMで、136.9 NaCl、2.7 KCl、0.5 MgCl2、1.5 KH2PO4、8.1 Na2HPO4、0.7 CaCl2、5.5 D−ブドウ糖)。
【0254】
組織区分510を窓524の上に置いた後に、区画526aと526bの間の液体通過がゆっくりとなるように(不可能でない場合)、組織区分510にわずかに接触するように配置した電気絶縁分割板528により、ドナー小室を2個の別個の区画526aおよび526bに分割した。(ドナー小室520は、図33を参照して下述される実験では区画526aおよび526bに分割しなかった。)溶液を37℃に維持し、そして、各小室の底部に置いた1mm IDのチューブを介して供給される95%O2/5%CO2ガスを供給した(チューブは図26に示されない)。
【0255】
単一の正方形電極530を、ドナー小室520の区画526aおよび526bのそれぞれに入れ、その結果、各電極の電極表面532は、組織区分510から0.5mmの距離で組織区分510の表面に平行となった(図32を参照して下述される実験を除く)。電極530はステンレス鋼(SS316L、6mm×6mm)を含んだ(図34を参照して下述される実験を除く)。電極表面532の中心間の距離は10mmであった。組織区分510が窓524の上の位置に30分間あった後に、ドナー小室520中のHBSSを、1mg/mgの酢酸オクトレオチド(サンドスタチン)を含有するHBSSで置き換えた。
ドナー小室520中のHBSSの置換で開始する、図27〜36を参照して下述される実験のそれぞれにおいて、一連のLITVパルスを電極530により適用し、そして、組織区分510を介するドナー小室520からアクセプター小室522へのオクトレオチドの浸透を測定した。この一連の単相矩形パルスは、Thurlby Thandar Instruments TGP110パルス発生器を使用して生成させた。パルス発生器の電圧出力を、3mAの電流が電極を通って流れるように調節した。電極に直列に接続したEZ Digital Co.DM330デジタル・マルチメーターを使用して、電流を測定した。マルチメーターは、mAレベルの電流に感受性であるように設定した電流計として作動していた。
【0256】
インキュベーション媒体の1ミリリットルのサンプルを、90分間にわたり、オクトレオチドでのHBSSの置換後7分および14分、ならびにその後15分ごとに、アクセプター小室522から採取した。サンプルを、HPLC−UV 205nm分光学(Hewlett−Packard 1100)により、それらのオクトレオチド含量について分析した。1.2ml/分の流速の移動相としてのリン酸緩衝液(pH7.4)およびアセトニトリル(40:60 w/w)を用いてアイソクラチック溶出を実施した。100×3mmのC18カラムを使用した。
【0257】
実験のそれぞれについて、異なるラットからの最低2個の組織区分が実験群(1個若しくは複数)としてはたらいた(いかなる単一のラットも、実験のいずれかのいずれの実験群にも1個以上の組織区分を供与しなかった)。各組織区分を拡散チャンバー500に別個に入れ、電気パルスを適用し、そして組織区分を介するオクトレオチドの浸透を測定した。加えて、実験のそれぞれについて、異なるラットからの最低2個(一般に3個)の組織区分が対照群としてはたらいた(いかなる単一のラットも、実験のいずれかの対照群に1個以上の組織区分を供与しなかった)。対照群の組織区分を拡散チャンバー500に別個に入れ、そして、組織区分を介するオクトレオチドの浸透を、電気シグナルの適用を伴わずに測定した。
【0258】
図27〜36を参照して下述される実験について、電気シグナルの適用の有効性は、以下の等式により定義されるとおり、(b)拡散チャンバー500のドナー小室520中のオクトレオチドの初期量に対する(a)組織区分510を介して浸透されたオクトレオチドの量の比として定義される、浸透係数(PE)として表す。
【0259】
PE(%)=dQ/Qi×100%
式中、dQは、所定の時間点までにチャンバー500のアクセプター小室522に進入したオクトレオチドの量を表し、また、Qiは、チャンバー500のドナー小室520に投与されたオクトレオチドの初期量を表す。
【0260】
図28、30および32を参照して下述される実験について、電気シグナルの適用の有効性は、(b)対照群で測定されたPEに対する(a)実験群でシグナル適用の間に測定されたPEの比と定義される、輸送増強比(ER)として表される。
【0261】
次に、本発明の一態様により生成された、浸透効率に対する電気シグナルの適用の効果を示すグラフである図27を参照する。単相矩形パルスを、6匹の異なるラットから採取した6個の空腸組織サンプルに適用した一方、3匹の異なるラットから採取した3個の空腸組織サンプルが対照群としてはたらいた。(これらの実験および対照群からのデータは、図28〜36を参照して下述される実験でもまた使用した)。パルスは、1ミリ秒のパルス持続時間、18Hzの周波数および3mAの強さを有した。グラフで見ることができるとおり、パルスの適用は、刺激されない対照群でのオクトレオチド浸透に比較して、オクトレオチド浸透を実質的に高めた。
【0262】
図28および29は、本発明の一態様により生成された、浸透効率に対するパルス周波数の効果を示すグラフである。単相矩形パルスを、15個の空腸組織サンプルに適用して、図28に示されるデータを生成し、また、8個の空腸サンプルに適用して、図29に示されるデータを生成した。 上で挙げられたとおり、図27の対照群を対照群として使用した。パルスは、1ミリ秒のパルス持続時間および3mAの強さを有した。数種のパルス周波数を試験した(5Hz(n=1)、12Hz(n=5)、18Hz(n=6)、24Hz(n=2)、30Hz(n=2)および60Hz(n=1))。(18Hz実験群には、図27の実験群を使用した。)図28のグラフで見ることができるとおり、オクトレオチドでのHBSSの置換後30分に、18Hzのパルスの適用が最大の増強比を達成した。図29のグラフで見ることができるとおり、5Hzおよび60Hzのパルスの適用は、対照群のオクトレオチド浸透より高いオクトレオチド浸透を生じなかった。
【0263】
図30は、本発明の一態様により生成された、浸透効率に対するパルス持続時間の効果を示すグラフである。単相矩形パルスを13個の空腸組織サンプルに適用し、また、図27の対照群を対照群として使用した。パルスは、18Hzの周波数および3mAの強さを有した。数種のパルス持続時間を試験した(0.2ミリ秒(n=2)、0.5ミリ秒(n=3)、1ミリ秒(n=6)および3ミリ秒(n=2))。(1ミリ秒実験群には、図27の実験群を使用した。)グラフで見ることができるとおり、オクトレオチドでのHBSSの置換後15分に、1ミリ秒のパルス持続時間をもつパルスの適用が、最大の増強比を達成した。
【0264】
図31は、本発明の一態様により生成された、浸透効率に対するパルス周期の効果を示すグラフである。単相矩形パルスを10個の空腸組織サンプルに適用し、また、図27の対照群を対照群として使用した。パルスは、18Hzの周波数、3mAの強さ、および1ミリ秒のパルス持続時間を有した数種のパルス周期(すなわち、一連のパルス内のパルス適用あたりのパルスの数)を試験した(1周期あたり1パルス(n=6)、1周期あたり2パルスで第二のパルスは第一のパルスの開始後5ミリ秒に開始(n=2)、および1周期あたり3パルスで、連続するパルスが5ミリ秒間隔で開始(n=2))。(1周期あたり1パルス実験群には、図27の実験群を使用した。)グラフで見ることができるとおり、1周期あたりのパルス数が増大する際に、浸透効率が減少し、その結果、最大浸透効率は1周期あたり1パルスで達成された。
【0265】
図32は、本発明の一態様により生成された、浸透効率に対する空腸組織からの電極の距離の効果を示すグラフである。単相矩形パルスを8個の空腸組織サンプルに適用し、また、図27の対照群を対照群として使用した。パルスは、18Hzの周波数、3mAの強さ、および1ミリ秒のパルス持続時間を有したパルスは、空腸組織からの2種の電極距離、すなわち0.5mm(n=2)および3mm(n=6)で適用した。(3mm実験群には、図27の実験群を使用した。)グラフで見ることができるとおり、オクトレオチドでのHBSSの置換後15分に、浸透効率の大きさは、空腸組織から3mmでより0.5mmでより大きかった。
【0266】
図33は、本発明の一態様により生成された、浸透効率に対する電極絶縁の効果を示すグラフである。単相矩形パルスを7個の空腸組織サンプルに適用し、また、図27の対照群を対照群として使用した。パルスは、18Hzの周波数、3mAの強さ、および1ミリ秒のパルス持続時間を有したパルスは、2個の電極の間で電気絶縁を提供する分割板528を伴い(図26)(図27の実験群を使用した(n=6))、および分割板528を伴わず、その結果電極が相互から電気絶縁されなかった(n=1)の双方で適用した。グラフで見ることができるとおり、パルスの適用は、電極が分割板528により相互から絶縁されなかった場合に浸透効率を増大させなかった。
【0267】
図34は、本発明の一態様により生成された、浸透効率に対する電極の素材の効果を示すグラフである。単相矩形パルスを11個の空腸組織サンプルに適用し、また、図27の対照群を対照群として使用した。パルスは、18Hzの周波数、3mAの強さ、および1ミリ秒のパルス持続時間を有したパルスは、ステンレス鋼(SS316L)電極(n=6)、窒化チタン(TN)電極(n=3)および塩化銀(AgCl)電極(n=2)を使用して適用した。(ステンレス鋼電極実験群には、図27の実験群を使用した。)グラフで見ることができるとおり、ステンレス鋼電極を使用してのパルスの適用は浸透効率を実質的に増大させた一方、窒化チタン電極および塩化銀電極を用いるパルスの適用は、浸透効率を増大させなかった。
【0268】
図35は、本発明の一態様により生成された、浸透効率に対するパルス適用中断の影響を示すグラフである。単相矩形パルスを7個の空腸組織サンプルに適用した。実験群は1個の組織サンプルを包含し、それへのパルス適用を適用10分後に中止した。図27を参照して上述される実験群が対照群としてはたらき、パルスはこの群に実験時間を通じて継続的に適用した(合計60分間、そのうち45分を図35に示す)。実験群および対照群双方に適用したパルスは、18Hzの周波数、3mAの強さ、および1ミリ秒のパルス持続時間を有したグラフ(図27の対照群のオクトレオチド浸透に対し正規化されている)で見ることができるとおり、パルスの連続適用は、10分後のパルスの適用の中断に比較して、実質的により大きな浸透効率をもたらした。
【0269】
図36は、本発明の一態様により生成された、腸の多様な領域における浸透効率を示すグラフである。単相矩形パルスを、6個の空腸組織サンプル(図27の実験群を使用した)、2個の近位回腸組織サンプル、および2個の遠位回腸組織サンプルに適用した。3個の空腸組織サンプル(図27の実験群を使用した)、2個の近位回腸組織サンプル、および3個の遠位回腸組織サンプルが対照群としてはたらいた。パルスは、18Hzの周波数、3mAの強さ、および1ミリ秒のパルス持続時間を有したグラフで見ることができるとおり、オクトレオチドでのHBSSの置換後7分に、腸領域の全3種からの組織へのパルス適用は、空腸組織サンプルでのパルス適用の最大の効果、および遠位回腸組織サンプルでの陽性のしかしより少なく顕著な効果を伴い、浸透効率を増大させた。
これらの実験におけるパラメータはラットに適用されたとは言え、発明者は、ラットとヒトの間の関連する生理学的類似性を考えれば、類似のパラメータがヒト被験体への応用に適切であると考える。
【0270】
次に、本発明の一態様で測定された、巨大分子の浸透のin vitro測定値を示すグラフである図37を参照する。ラット空腸の数個の切片を調製し、そして、リュープロリドおよびオクトレオチドに対する該切片の浸透を、電気刺激を伴いおよび伴わず、ならびに、非特異的一酸化窒素(NO)合成酵素(NOS)阻害剤すなわち1mMのNG−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル(L−NAME)の適用を伴いおよび伴わずに測定した。電気刺激は、以下のパラメータ、すなわち18Hz、1msのパルス、および5mA(約2Vの電圧に対応する)を包含した。グラフで見ることができるとおり、非刺激すなわちNOSが阻害されない対照群(N=4)において、該ペプチドの中程度の浸透(45分後に約0.6μg/ml)が存在した。対照的に、NOSが阻害されない電気刺激群(N=4)においては、実質的により大きな浸透(45分後に約1.45μg/ml)が存在した。しかしながら、NOS阻害した刺激群(N=3)およびNOS阻害した非刺激群(N=2)双方において、浸透はNOSが阻害されない群でよりも実質的により小さかった(45分後に約0.45μg/ml)。
【0271】
グラフで見ることができるとおり、浸透は双方のNOS阻害群でほぼ同一であり、LITV刺激がNOS阻害の存在下で浸透に対し正の効果を有しなかったことを示す。加えて、双方のNOS阻害群での浸透は、NOS阻害されない非刺激群での浸透に同様若しくはより低く、LITV刺激が浸透に対し有する正の効果をNOS阻害が完全に消失させることを示す。こうした消失の存在は、NOがLITV電気刺激の浸透増強効果を媒介することを示すと思われる。彼ら自身をいかなる特定の論理にも束縛しないが、発明者は、本明細書に記述されるパラメータを使用するGI管の電気刺激がNO産生の増大を引き起こしうると仮定する。発明者はまた、あるいは、若しくは、加えて、GI管の電気刺激が、本明細書に記述されるパラメータを使用して、別の方法で天然に発生しうるNO阻害を防止しうるとも仮定する。
【0272】
本発明の一態様において、薬物の投与方法は、薬物を包含する摂取可能なカプセルを投与すること、ならびに、約5mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスをカプセル若しくはカプセルの外側の供給源により適用することにより、GI管の上皮層の薬物に対するNO媒介性の浸透性を高めること、を含んでなる。いくつかの応用について、一連のパルスは、約7mA未満、約10mA未満、若しくは約15mA未満の電流で適用する。
【0273】
本発明の一態様において、該方法は、一連のパルスを適用することとともに、NOの基質(例えばL−アルギニン)を提供することをさらに含んでなる。いくつかの応用について、NOの基質はカプセルにより貯蔵かつ放出される一方、他の応用について、NOの基質は、カプセルの摂取とともに、例えばカプセルを摂取する前、それと同時若しくは摂取した後に投与される。例えば、NOの基質は、摂取可能な丸剤の形態、摂取可能な溶液の形態、若しくは食品添加物の形態で投与しうる。いくつかの応用のため、NOの基質が薬物と混合される。
【0274】
いくつかの応用について、上述された技術は、上で挙げられた論文、特許および/若しくは特許出願の1件若しくはそれ以上に記述される技術とともに実施される。限定ではなく例示の目的で、ピストンもしくはばねを含んでなる本発明の態様は、これらの特許若しくは特許出願の1件若しくはそれ以上に記述されるばね解放技術を使用しうる。
本特許の寿命の間に多くの関連する薬物が開発されるであろうと予測され、そして薬物という用語の範囲は、全部のこうした新技術を演繹的に包含することを意図している。
本明細書で使用されるところの「約」という用語は±10%を指す。
【0275】
本発明の態様の上の記述において、多様な経口投薬形態物、例えばカプセル剤および錠剤が記述されている。請求の範囲において、「カプセル」という語は、一般に経口投薬形態物、すなわち、例えば薬物送達系30に関して図3〜20に示されるところの、若しくはカプセル102に関して図21〜30に示されるところのカプセル剤、錠剤および類似の形態物を含んでなるものを指すことが理解されるべきである。
【0276】
本特許出願および請求の範囲の情況で使用されるところの「薬物」という語は、疾患若しくは他の異常な状態の診断、処置、治癒、緩和若しくは予防における補助として、または健康状態を改善するために投与しうるいかなる天然若しくは合成の化学物質も意味している。
【0277】
明快さのために個別の態様の情況で記述される本発明のある種の特徴は、単一の態様に組合せてもまた提供しうることが認識される。逆に、簡潔さのために単一の態様の情況で記述される本発明の多様な特徴は、別個に若しくはいずれかの適する小結合でもまた提供しうる。
【0278】
必要に応じて、本特許出願に記述される技術は、2004年1月29日出願の双方とも「Active drug delivery in the gastrointesitnal tract(胃腸管内における活性薬物の送達)」と題されかつ本特許出願の譲受人に譲渡された通常の米国特許出願およびPCT特許出願(引用により本明細書に組み込まれる)に記述される技術とともに実施しうる。
【0279】
本発明をその特定の態様とともに記述したが、多くの変更、改変および変形が当業者に明らかであろうことは明白である。従って、付随する請求の範囲の技術思想および広い範囲内にある全部のこうした変更、改変および変形を包含することが意図されている。本明細で上げられる全部の刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許若しくは特許出願が引用により本明細書に組み込まれることが明確にかつ個々に示される場合と同一の程度まで、本明細への引用によりそっくりそのまま本明細書に組込まれる。加えて、本出願のいかなる参考文献の引用若しくは同定も、こうした参考文献が従来技術として本発明に利用可能である承認として解釈されるべきでない。
【0280】
図面の簡単な説明
本発明は、例としてのみ付随する図面に言及して本明細書に記述される。今や詳細な図面を特別に参照して、示される特定のものが本発明の態様の例としておよび具体的に説明する論考の目的のためにすぎず、かつ、本発明の原理および概念的局面の最も有用かつ容易に理解される記述であると考えられるものを提供するために提示されることが強調される。この点に関して、本発明の基礎的な理解に必要であるよりも詳細に本発明の構造的詳細を示すための努力はなされておらず、図面に添えられた記述は、本発明のいくつかの形態が実務においてどのように例示されうるかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0281】
【図1】図1は腸壁の図解である。
【図2】図2は、本発明のいくつかの態様による、電気的に補助される薬物送達のための装置の図解である。
【図3A−B】図3Aおよび3Bは、本発明の態様による、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図4】図4は、本発明の一態様による、複数の電極を有する、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図5】図5は、本発明の一態様による、複数の電極を有する、別の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図6A】本発明の態様による、自己膨張可能部分を有する、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図6B】本発明の態様による、自己膨張可能部分を有する、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図7】図7は、本発明の一態様による、複数の電極を有する、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図8】図8は、本発明の一態様による、複数の電極および自己膨張可能部分を有する、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図9】図9は、本発明の一態様による、複数の電極および自己膨張可能部分を有する、別の摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図10】図10は、本発明の一態様による、胃腸管中にある場合の複数の電極および自己膨張可能部分を有する、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図11A−B】本発明の態様による、薬物分配空洞が自己膨張可能部分として形成されている、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図11C】本発明の態様による、薬物分配空洞が自己膨張可能部分として形成されている、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図11D】本発明の態様による、薬物分配空洞が自己膨張可能部分として形成されている、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図12】図12は、本発明の一態様による、生物分解性の栓を伴う薬物空洞を有する、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図13】図13は、本発明の一態様による、薬物が系とともに一体化された、摂取可能な錠剤に圧縮されている摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図14A−B】図14Aおよび14Bは、本発明の態様による、胃腸管中で浸透圧ポンプを形成するように適合されている摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図15】図15は、本発明の一態様による、pHに依存して制御される薬物放出を有する摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図16】図16は、本発明の一態様による、電子的に起動され、pHに依存して制御される薬物放出を有する、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図17】図17は、本発明の一態様による、ソノフォレーシスに適合されている、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図18】図18は、本発明の一態様による、焼灼に適合されている、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図19】図19は、本発明の一態様による、遠隔測定通信に適合されている、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図20】図20は、本発明の一態様による、身体とガルバニ電池を作成するように適合されている、摂取可能な電気的に補助される薬物送達系の図解である。
【図21】図21は、本発明の一態様による、摂取可能な電気的に補助される薬物送達促進系の図解である。
【図22】図22は、本発明の一態様による、別の摂取可能な電気的に補助される薬物送達促進系の図解である。
【図23】図23は、本発明の一態様による結合機構の図解である。
【図24】図24は、本発明の一態様で測定されるin vitro実験の結果を示すグラフである。
【図25】図25は、本発明の一態様による閉鎖ループ有効成分送達系の図解である。
【図26】図26は、本発明の一態様による実験的拡散チャンバーの断面図である。
【図27】本発明のそれぞれの態様で生成されたin vitro実験の結果を示すグラフである。
【図28】本発明のそれぞれの態様で生成されたin vitro実験の結果を示すグラフである。
【図29】本発明のそれぞれの態様で生成されたin vitro実験の結果を示すグラフである。
【図30】本発明のそれぞれの態様で生成されたin vitro実験の結果を示すグラフである。
【図31】本発明のそれぞれの態様で生成されたin vitro実験の結果を示すグラフである。
【図32】本発明のそれぞれの態様で生成されたin vitro実験の結果を示すグラフである。
【図33】本発明のそれぞれの態様で生成されたin vitro実験の結果を示すグラフである。
【図34】本発明のそれぞれの態様で生成されたin vitro実験の結果を示すグラフである。
【図35】本発明のそれぞれの態様で生成されたin vitro実験の結果を示すグラフである。
【図36】本発明のそれぞれの態様で生成されたin vitro実験の結果を示すグラフである。
【図37】本発明のそれぞれの態様で生成されたin vitro実験の結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
摂取可能なカプセルを含んでなる、薬物投与のための装置であって、
カプセルにより貯蔵される薬物と、
被験体の胃腸(GI)管内でのカプセルの配置に対し応答可能なようにその状態を変えるように適合されている環境感受性の機構と、
第一および第二の電極と、
約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、環境感受性の機構の状態の変化に応答して、GI管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部と、を含んでなる、前記装置。
【請求項2】
パルスが単相矩形パルスを包含し、かつ、制御部が、一連の単相矩形パルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第一および第二の電極がステンレス鋼を含んでなる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
環境感受性の機構が、GI管中でカプセルが移動する距離の指標を検知するように適合されているセンサーを含んでなり、また、
環境感受性の機構が、距離に応答した状態の変化を受けるように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
環境感受性の機構が、GI管を画像化するように適合されているカメラを含んでなり、また、制御部が、カメラにより取得される画像に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
カプセルの配置が、カプセル周辺の温度を包含し、環境感受性の機構が温度センサーを含んでなり、また、制御部が、温度センサーにより検知される温度に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
カプセルの配置が、カプセル周辺のpHを包含し、環境感受性の機構がpHセンサーを含んでなり、また、制御部が、pHセンサーにより検知されるpHに応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
環境感受性の機構が、GI管の特徴を検知するように適合されているセンサーを含んでなり、また、制御部が、検知される特徴に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
制御部が、
一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動し、かつ
第一および第二の電極の間のイオントフォレーシス電流を駆動するように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
制御部が、GI管内のカプセルの配置に少なくとも部分的に応答可能なように選択されたパラメータを使用して一連のパルスを設定するように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
制御部が、薬物の特性に少なくとも部分的に応答可能なように選択されたパラメータを使用して一連のパルスを設定するように適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
カプセルが、第一および第二の電極の中間の中央部分を含んでなり、該中央部分の形状がGI管の管腔内の電流を低下させるようである、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
カプセルが、第一および第二の電極の中間の中央部分を含んでなり、該中央部分が、該中央部分をGI管の上皮層と接触させてそれによりGI管の管腔内の電流を低下させるようである直径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
カプセルが、第一および第二の電極の中間の自己膨脹可能な中央部分を含んでなり、該中央部分が、GI管中にあることに応答して、該中央部分をGI管の上皮層と接触させてそれによりGI管の管腔内の電流を低下させるようである直径を有するように膨脹するよう適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
カプセルが、第一および第二の電極の中間の中央部分を含んでなり、該中央部分の外表面が疎水性素材を含んでなる、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
カプセルが、第一および第二の電極の中間の中央部分を含んでなり、該中央部分の外表面が親油性素材を含んでなる、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
環境感受性の機構が本質的に完全に生物分解性である、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
第一および第二の電極ならびに制御部が本質的に完全に生物分解性である、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
カプセルのかさの最低80%が生物分解性である、請求項1〜18のいずれか1つに記載の装置。
【請求項20】
カプセルのかさの最低95%が生物分解性である、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
本質的にカプセル全体が生物分解性である、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
環境感受性の機構がカプセルの表面上にコーティングを含んでなる、請求項1〜18のいずれか1つに記載の装置。
【請求項23】
コーティングがpH感受性のコーティングを含んでなる、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
制御部が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている、請求項1〜18のいずれか1つに記載の装置。
【請求項25】
制御部が、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
制御部が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項1〜18のいずれか1つに記載の装置。
【請求項27】
制御部が、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
制御部が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項1〜18のいずれか1つに記載の装置。
【請求項29】
制御部が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
制御部が、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項1〜18のいずれか1つに記載の装置。
【請求項31】
制御部が、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
薬物を貯蔵するよう適合されている摂取可能なカプセルを含んでなる、薬物の投与のための装置であって、該カプセルが、
被験体の胃腸(GI)管内でのカプセルの配置に対し応答可能なようにその状態を変えるよう適合されている環境感受性の機構と、
第一および第二の電極と、
約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、環境感受性の機構の状態の変化に応答して、GI管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部と、を含んでなる、上記装置。
【請求項33】
制御部が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
制御部が、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
制御部が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項32に記載の装置。
【請求項36】
制御部が、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
制御部が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項32に記載の装置。
【請求項38】
制御部が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
制御部が、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項32に記載の装置。
【請求項40】
制御部が、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
丸剤に含有される薬物の投与を助長するための装置であって、該装置が、薬物を含有若しくは一体化した装置中で薬物と集成されるように適合されていない摂取可能なハウジングを含んでなり、該ハウジングが、
被験体の胃腸(GI)管内でのその配置に応答してその状態を変えるように適合されている摂取可能な環境感受性の機構と、
第一および第二の電極と、
約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、環境感受性の機構の状態の変化に応答して、GI管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部と、を含んでなる、上記装置。
【請求項42】
請求項4に記載の装置であって、
環境感受性の機構が、GI管中でハウジングが移動する距離の指標を検知するように適合されているセンサーを含んでなり、また、
環境感受性の機構が、距離に応答した状態の変化を受けるように適合されている、上記装置。
【請求項43】
環境感受性の機構が、GI管を画像化するように適合されているカメラを含んでなり、また、制御部が、カメラにより取得される画像に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項41に記載の装置。
【請求項44】
環境感受性の機構の配置が、該環境感受性の機構の周辺の温度を包含し、該環境感受性の機構が温度センサーを含んでなり、また、制御部が、温度センサーにより検知される温度に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項41に記載の装置。
【請求項45】
環境感受性の機構の配置が、該環境感受性の機構の周辺のpHを包含し、該環境感受性の機構がpHセンサーを含んでなり、また、制御部が、pHセンサーにより検知されるpHに応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項41に記載の装置。
【請求項46】
環境感受性の機構が、GI管の特徴を検知するように適合されているセンサーを含んでなり、また、制御部が、検知される特徴に応答して一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項41に記載の装置。
【請求項47】
環境感受性の機構が、一般に薬物の丸剤からの薬物の放出の期待された時間に状態の変化を受けるように適合されている、請求項41に記載の装置。
【請求項48】
環境感受性の機構がハウジングの表面上にコーティングを含んでなる、請求項41〜47のいずれか1つに記載の装置。
【請求項49】
コーティングがpH感受性のコーティングを含んでなる、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
制御部が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている、請求項41〜47のいずれか1つに記載の装置。
【請求項51】
制御部が、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項50に記載の装置。
【請求項52】
制御部が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項41〜47のいずれか1つに記載の装置。
【請求項53】
制御部が、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
制御部が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項41〜47のいずれか1つに記載の装置。
【請求項55】
制御部が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
制御部が、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項41〜47のいずれか1つに記載の装置。
【請求項57】
制御部が、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項56に記載の装置。
【請求項58】
薬物の丸剤とともに使用するための装置であって、該装置が、
薬物の丸剤を装置に結合するように適合されている結合機構と、
第一および第二の電極と、
約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の丸剤に含有されている薬物の通過を助長するよう適合されている制御部と、を含んでなる、上記装置。
【請求項59】
薬物の丸剤が商業的に入手可能な薬物の丸剤を包含し、かつ、結合機構が、該商業的に入手可能な薬物の丸剤を装置に結合するように適合されている、請求項58に記載の装置。
【請求項60】
結合機構が接着剤を含んでなる、請求項58に記載の装置。
【請求項61】
結合機構が電極の少なくとも一方を含んでなる、請求項58〜60のいずれか1つに記載の装置。
【請求項62】
電極の少なくとも一方が、薬物の丸剤が装置に一旦結合されれば該薬物の丸剤の一部分を取り囲むように構成されている、請求項61に記載の装置。
【請求項63】
制御部が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている、請求項58〜60のいずれか1つに記載の装置。
【請求項64】
制御部が、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項63に記載の装置。
【請求項65】
制御部が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項58〜60のいずれか1つに記載の装置。
【請求項66】
制御部が、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項65に記載の装置。
【請求項67】
制御部が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項58〜60のいずれか1つに記載の装置。
【請求項68】
制御部が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
制御部が、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項58〜60のいずれか1つに記載の装置。
【請求項70】
制御部が、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項69に記載の装置。
【請求項71】
被験体への薬物の投与を助長するための装置であって、該装置が、
以下を含んでなるセンサー装置:
被験体の血液循環中の物質の濃度の指標を検出するように適合されているセンサー;および
該指標を無線で送信するように適合されている無線送信機;ならびに
以下を含んでなる摂取可能なカプセル:
該指標を受信するように適合されている無線受信機;
第一および第二の電極;ならびに
約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部、を含んでなる、上記装置。
【請求項72】
物質が薬物を包含し、かつ、センサーが、血液循環中の薬物の濃度の指標を検出するように適合されている、請求項71に記載の装置。
【請求項73】
請求項71に記載の装置であって、
物質が較正物質を包含し、
センサーが、血液循環中の較正物質の濃度の指標を検出するように適合されており、かつ、
制御部が、受信した指標に応答可能なようにGI管の上皮層を通る較正物質および薬物の通過を助長するように適合されている、上記装置。
【請求項74】
センサーが非侵襲的外部センサーを含んでなる、請求項71に記載の装置。
【請求項75】
センサーが侵襲的センサーを含んでなる、請求項71に記載の装置。
【請求項76】
摂取可能なカプセルが薬物を貯蔵するように適合されている、請求項71に記載の装置。
【請求項77】
摂取可能なカプセルが、薬物を含有若しくは一体化した装置中で薬物と集成されるように適合されていない、請求項71に記載の装置。
【請求項78】
薬物が薬物の丸剤に含有され、かつ、摂取可能なカプセルが、薬物の丸剤を摂取可能なカプセルに結合するように適合されている結合機構を含んでなる、請求項71に記載の装置。
【請求項79】
請求項71に記載の装置であって、
摂取可能なカプセルが、GI管内でのカプセルの配置に応答可能なようにその状態を変えるよう適合されている環境感受性の機構を含んでなり、かつ、
該制御部が、環境感受性の機構の状態の変化に応答して、上皮層を通る薬物の通過を助長するように適合されている、上記装置。
【請求項80】
請求項71〜79のいずれか1つに記載の装置であって、
指標が、それぞれ第一および第二の時間に検知されるそれぞれ第一および第二の指標を包含し、
無線送信機が、第一の時間後に第一の指標を送信し、かつ、第二の時間後に第二の指標を送信するように適合されており、かつ、
制御部が、第一および第二の指標に応答して第一および第二の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、上記装置。
【請求項81】
センサー装置が、第一および第二の時間の間に最低10分の間隔を空けるように適合されている、請求項80に記載の装置。
【請求項82】
制御部が、指標の最低1個に応答して一連のパルスの最低1個のパラメータを調節するように適合されている、請求項80に記載の装置。
【請求項83】
請求項71〜79のいずれか1つに記載の装置であって、
摂取可能なカプセルがカプセル無線送信機を含んでなり、
センサー装置がセンサー装置無線受信機を含んでなり、かつ、
摂取可能なカプセルが、カプセル無線送信機およびセンサー装置無線受信機を介してカプセルの特性をセンサー装置に無線で通知するように適合されている、上記装置。
【請求項84】
特性が、カプセルの位置、制御部の状態、GI管のpHレベル、およびGI管の温度よりなる一覧から選択され、かつ、カプセルが、選択された特性をセンサーに無線で通知するように適合されている、請求項83に記載の装置。
【請求項85】
物質が、その血中濃度が薬物の血中濃度により影響される化学物質を包含し、かつ、センサーが、血液循環中の該化学物質の濃度の指標を検出するように適合されている、請求項71〜79のいずれか1つに記載の装置。
【請求項86】
化学物質が、ブドウ糖、成長ホルモンおよびヘモグロビン結合酸素よりなる一覧から選択され、かつ、センサーが、血液循環中の選択された化学物質の濃度の指標を検出するように適合されている、請求項85に記載の装置。
【請求項87】
制御部が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている、請求項71〜79のいずれか1つに記載の装置。
【請求項88】
制御部が、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項87に記載の装置。
【請求項89】
制御部が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項71〜79のいずれか1つに記載の装置。
【請求項90】
制御部が、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項89に記載の装置。
【請求項91】
制御部が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項71〜79のいずれか1つに記載の装置。
【請求項92】
制御部が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項91に記載の装置。
【請求項93】
制御部が、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項71〜79のいずれか1つに記載の装置。
【請求項94】
制御部が、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項93に記載の装置。
【請求項95】
被験体への薬物の投与を助長するための装置であって、該装置が、
以下を含んでなるセンサー装置:
被験体の生理学的パラメータの指標を検出するように適合されているセンサー;および
該指標を無線で送信するように適合されている無線送信機;ならびに
以下を含んでなる摂取可能なカプセル:
該指標を受信するように適合されている無線受信機;
第一および第二の電極;ならびに
約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部、を含んでなる、上記装置。
【請求項96】
指標が、被験体の血圧の指標を包含し、かつ、センサーが、血圧の指標を検知するように適合されている、請求項95記載の装置。
【請求項97】
指標が、被験体の心に関係するパラメータの指標を包含し、かつ、センサーが、該心に関係するパラメータの指標を検知するように適合されている、請求項95に記載の装置。
【請求項98】
指標が、被験体の活動のレベルの指標を包含し、かつ、センサーが、該活動のレベルの指標を検知するように適合されている、請求項95に記載の装置。
【請求項99】
指標が、被験体の体温の指標を包含し、かつ、センサーが、体温の指標を検知するように適合されている、請求項95に記載の装置。
【請求項100】
指標が、被験体の概日周期の指標を包含し、かつ、センサーが、概日周期の指標を検知するように適合されているクロック回路を含んでなる、請求項95に記載の装置。
【請求項101】
制御部が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている、請求項95〜100のいずれか1つに記載の装置。
【請求項102】
制御部が、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項101に記載の装置。
【請求項103】
制御部が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項95〜100のいずれか1つに記載の装置。
【請求項104】
制御部が、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項103に記載の装置。
【請求項105】
制御部が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項95〜100のいずれか1つに記載の装置。
【請求項106】
制御部が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項105に記載の装置。
【請求項107】
制御部が、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項95〜100のいずれか1つに記載の装置。
【請求項108】
制御部が、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項107に記載の装置。
【請求項109】
被験体への薬物の投与を助長するための装置であって、該装置が、
第一および第二の電極と、
約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の通過を助長するよう適合されている制御部と、を含んでなる、前記装置。
【請求項110】
制御部が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスを適用するように適合されている、請求項109に記載の装置。
【請求項111】
制御部が、約3mAの電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項110に記載の装置。
【請求項112】
制御部が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項109〜111のいずれか1つに記載の装置。
【請求項113】
制御部が、約18Hzの周波数の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項112に記載の装置。
【請求項114】
制御部が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項109〜111のいずれか1つに記載の装置。
【請求項115】
制御部が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項114に記載の装置。
【請求項116】
制御部が、約1と約360分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項109〜111のいずれか1つに記載の装置。
【請求項117】
制御部が、約60と約240分の間に一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項116に記載の装置。
【請求項118】
薬物の投与方法であって、
薬物を包含する摂取可能なカプセルを被験体に投与し、
被験体の胃腸(GI)管内のカプセルの配置を検出し、
配置の検出に応答して、約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、GI管の上皮層を通る薬物の通過をカプセルにより助長する、前記方法。
【請求項119】
パルスが単相矩形パルスを包含し、かつ、一連のパルスの適用が、一連の単相矩形パルスの適用を含んでなる、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
請求項118に記載の方法であって、
カプセルの配置の検出が、GI管中でカプセルが移動する距離の指標の検知を含み、かつ、
薬物の通過の助長が、該距離に応答した通過の助長を含む、前記方法。
【請求項121】
カプセルの配置の検出が、GI管の画像化を含んでなり、かつ、一連のパルスの適用が、取得された画像に応答しての一連のパルスの適用を含んでなる、請求項118に記載の方法。
【請求項122】
カプセルの配置が、カプセル周辺の温度を包含し、カプセルの配置の検出が温度の検知を含んでなり、かつ、一連のパルスの適用が、検知された温度に応答しての一連のパルスの適用を含んでなる、請求項118に記載の方法。
【請求項123】
カプセルの配置が、カプセル周辺のpHを含んでなり、カプセルの配置の検出がpHの検知を含んでなり、かつ、一連のパルスの適用が、検知されたpHに応答しての一連のパルスの適用を含んでなる、請求項118に記載の方法。
【請求項124】
カプセルの配置の検出が、GI管の特徴の検知を含んでなり、かつ、一連のパルスの適用が、検知された特徴に応答しての一連のパルスの適用を含んでなる、請求項118に記載の方法。
【請求項125】
薬物の通過の助長が、一連のパルスの適用およびイオントフォレーシス電流の適用を含んでなる、請求項118に記載の方法。
【請求項126】
一連のパルスの適用が、GI管内のカプセルの配置に少なくとも部分的に応答可能なように選択されたパラメータを使用しての一連のパルスの設定を含んでなる、請求項118に記載の方法。
【請求項127】
一連のパルスの適用が、薬物の特性に少なくとも部分的に応答可能なように選択されたパラメータを使用しての一連のパルスの設定を含んでなる、請求項118に記載の方法。
【請求項128】
一連のパルスの適用が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項118〜127のいずれか1つに記載の方法。
【請求項129】
一連のパルスの適用が、約3mAの電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
一連のパルスの適用が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項118〜127のいずれか1つに記載の方法。
【請求項131】
一連のパルスの適用が、約18Hzの周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
一連のパルスの適用が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項118〜127のいずれか1つに記載の方法。
【請求項133】
一連のパルスの適用が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
一連のパルスの適用が、約1と約360分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項118〜127のいずれか1つに記載の方法。
【請求項135】
一連のパルスの適用が、約60と約240分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
丸剤に含有されている薬物の投与方法であって、
丸剤を被験体に経口投与し、
薬物を包含しない摂取可能なカプセルを被験体に経口投与し、
被験体の胃腸(GI)管内のカプセルの標的位置を検出し、
標的位置の検出に応答して、約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、GI管の上皮層を通る薬物の通過をカプセルにより助長する、前記方法。
【請求項137】
カプセルの標的位置の検出が、GI管中でハウジングが移動する距離の指標の検知を含んでなる、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
カプセルの標的位置の検出が、GI管の画像化、および取得した画像に応答しての標的位置の検出を含んでなる、請求項136に記載の方法。
【請求項139】
標的位置の検出がGI管の特徴の検知を含んでなる、請求項136に記載の方法。
【請求項140】
一連のパルスの適用が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項136〜139のいずれか1つに記載の方法。
【請求項141】
一連のパルスの適用が、約3mAの電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
一連のパルスの適用が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項136〜139のいずれか1つに記載の方法。
【請求項143】
一連のパルスの適用が、約18Hzの周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
一連のパルスの適用が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項136〜139のいずれか1つに記載の方法。
【請求項145】
一連のパルスの適用が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
一連のパルスの適用が、約1と約360分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項136〜139のいずれか1つに記載の方法。
【請求項147】
一連のパルスの適用が、約60と約240分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
薬物の投与方法であって、
薬物を含有する薬物の丸剤を摂取可能なカプセルに結合し、
カプセルを被験体に投与し、
被験体の胃腸(GI)管内のカプセルの標的位置を検出し、
標的位置の検出に応答して、約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、GI管の上皮層を通る薬物の通過をカプセルにより助長する、上記方法。
【請求項149】
薬物の丸剤が商業的に入手可能な薬物の丸剤を包含し、かつ、結合が、該商業的に入手可能な薬物の丸剤の摂取可能なカプセルへの結合を含んでなる、請求項148に記載の方法。
【請求項150】
結合が、接着剤を使用しての薬物の丸剤の摂取可能なカプセルへの結合を含んでなる、請求項148に記載の方法。
【請求項151】
一連のパルスの適用が、最低2個の電極の間での電流の駆動を含んでなり、かつ、結合が、電極の少なくとも一方を使用しての薬物の丸剤の摂取可能なカプセルへの結合を含んでなる、請求項148〜150のいずれか1つに記載の方法。
【請求項152】
電極の少なくとも一方を使用する結合が、薬物の丸剤の一部分の周囲での電極の少なくとも一方の配置を含んでなる、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
一連のパルスの適用が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項148〜150のいずれか1つに記載の方法。
【請求項154】
一連のパルスの適用が、約3mAの電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項153に記載の方法。
【請求項155】
一連のパルスの適用が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項148〜150のいずれか1つに記載の方法。
【請求項156】
一連のパルスの適用が、約18Hzの周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項155に記載の方法。
【請求項157】
一連のパルスの適用が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項148〜150のいずれか1つに記載の方法。
【請求項158】
一連のパルスの適用が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
一連のパルスの適用が、約1と約360分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項148〜150のいずれか1つに記載の方法。
【請求項160】
一連のパルスの適用が、約60と約240分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
被験体への薬物の投与の助長方法であって、該方法が、
摂取可能なカプセルを被験体に投与し、
被験体の血液循環中の物質の濃度の指標を検出し、
該指標を無線で送信し、
摂取可能なカプセルで該指標を受信し、
受信した指標に応答可能なように、約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の通過をカプセルにより助長する、前記方法。
【請求項162】
物質が薬物を包含し、かつ、物質の濃度の指標の検出が、血液循環中の薬物の濃度の指標の検出を含んでなる、請求項161に記載の装置。
【請求項163】
請求項161に記載の装置であって、
物質が較正物質を包含し、
物質の濃度の指標の検出が、血液循環中の較正物質の濃度の指標の検出を含んでなり、かつ、
薬物の通過の助長が、受信した指標に応答可能なようなGI管の上皮層を通る較正物質および薬物の通過の助長を含んでなる、前記方法。
【請求項164】
指標の検出が、該指標の非侵襲的検出を含んでなる、請求項161に記載の方法。
【請求項165】
指標の検出が、該指標の侵襲的検出を含んでなる、請求項161に記載の方法。
【請求項166】
摂取可能なカプセルが薬物を包含し、かつ、該摂取可能なカプセルの投与が、薬物を包含する該摂取可能なカプセルの投与を含んでなる、請求項161に記載の方法。
【請求項167】
摂取可能なカプセルの投与が、薬物を含有せずかつ一体化した装置中で薬物と集成されない摂取可能なカプセルの投与を含んでなる、請求項161に記載の装置。
【請求項168】
薬物が薬物の丸剤に含有され、かつ、摂取可能なカプセルの投与が、薬物の丸剤の摂取可能なカプセルへの結合を含んでなる、請求項161に記載の方法。
【請求項169】
GI管内の摂取可能なカプセルの配置を検出することを含んでなり、薬物の通過の助長が該配置の検出に応答しての通過の助長を含んでなる、請求項161に記載の方法。
【請求項170】
請求項161〜169のいずれか1つに記載の方法であって、
指標がそれぞれ第一および第二の指標を包含し、
指標の検出が、それぞれ第一および第二の時間での第一および第二の指標の検出を含んでなり、
指標の送信が、第一の時間後の第一の指標の無線送信、および、第二の時間後の第二の指標の無線送信を含んでなり、かつ、
一連のパルスの適用が、第一および第二の指標に応答しての第一および第二の一連のパルスの適用を含んでなる、前記方法。
【請求項171】
一連のパルスの適用が、少なくとも1つの指標に応答しての一連のパルスのうち少なくとも1つを調節することを含んでなる、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
それぞれ第一および第二の時間での第一および第二の指標の検出が、第一および第二の時間の間に最低10分の間隔を空けることを含んでなる、請求項170に記載の方法。
【請求項173】
カプセルの特性をカプセルにより無線送信することを含んでなる、請求項161〜169のいずれか1つに記載の方法。
【請求項174】
特性が、カプセルの位置、カプセルの状態、GI管のpH、およびGI管の温度よりなる一覧から選択され、かつ、特性の無線送信が、選択された特性のカプセルによる無線送信を含んでなる、請求項173に記載の方法。
【請求項175】
物質が、その血中濃度が薬物の血中濃度により影響される化学物質を包含し、かつ、物質の濃度の指標の検出が、血液循環中の該化学物質の濃度の指標の検出を含んでなる、請求項161〜169のいずれか1つに記載に記載の方法。
【請求項176】
化学物質が、ブドウ糖、成長ホルモンおよびヘモグロビン結合酸素より鳴る一覧から選択され、かつ、化学物質の濃度の指標の検出が、血液循環中の選択された化学物質の濃度の指標の検出を含んでなる、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
一連のパルスの適用が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項161〜169のいずれか1つに記載の方法。
【請求項178】
一連のパルスの適用が、約3mAの電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
一連のパルスの適用が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項161〜169のいずれか1つに記載の方法。
【請求項180】
一連のパルスの適用が、約18Hzの周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項179に記載の方法。
【請求項181】
一連のパルスの適用が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項161〜169のいずれか1つに記載の方法。
【請求項182】
一連のパルスの適用が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
一連のパルスの適用が、約1と約360分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項161〜169のいずれか1つに記載の方法。
【請求項184】
一連のパルスの適用が、約60と約240分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項183に記載の方法。
【請求項185】
被験体への薬物の投与の助長方法であって、該方法が、
摂取可能なカプセルを被験体に投与し、
被験体の生理学的パラメータの指標を検出し、
該指標を無線で送信し、
摂取可能なカプセルで該指標を受信し、
受信した指標に応答可能なように、約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、被験体の胃腸(GI)管の上皮層を通る薬物の通過をカプセルにより助長する、前記方法。
【請求項186】
指標が、被験体の血圧の指標を包含し、かつ、指標の検出が、血圧の指標の検出を含んでなる、請求項185に記載の方法。
【請求項187】
指標が、被験体の心に関係するパラメータの指標を包含し、かつ、指標の検出が、該心に関係するパラメータの指標の検出を含んでなる、請求項185に記載の方法。
【請求項188】
指標が、被験体の活動のレベルの指標を包含し、かつ、指標の検出が、活動のレベルの指標の検出を含んでなる、請求項185に記載の方法。
【請求項189】
指標が、被験体の概日周期の指標を包含し、かつ、指標の検出が、概日周期の指標の検出を含んでなる、請求項185〜188のいずれか1つに記載の方法。
【請求項190】
薬物が抗血栓薬を包含し、かつ、薬物の通過の助長が、上皮層を通る抗血栓薬の通過の助長を含んでなる、請求項189に記載の方法。
【請求項191】
指標が、被験体の体温の指標を包含し、かつ、指標の検出が、体温の指標の検出を含んでなる、請求項185〜188のいずれか1つに記載の方法。
【請求項192】
薬物が抗生物質を包含し、かつ、薬物の通過の助長が、上皮層を通る抗生物質の通過の助長を含んでなる、請求項191に記載の方法。
【請求項193】
一連のパルスの適用が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項185〜188のいずれか1つに記載の方法。
【請求項194】
一連のパルスの適用が、約3mAの電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項193に記載の方法。
【請求項195】
一連のパルスの適用が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項185〜188のいずれか1つに記載の方法。
【請求項196】
一連のパルスの適用が、約18Hzの周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項195に記載の方法。
【請求項197】
一連のパルスの適用が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項185〜188のいずれか1つに記載の方法。
【請求項198】
一連のパルスの適用が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項197に記載の方法。
【請求項199】
一連のパルスの適用が、約1と約360分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項185〜188のいずれか1つに記載の方法。
【請求項200】
一連のパルスの適用が、約60と約240分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項199に記載の方法。
【請求項201】
薬物の投与方法であって、
被験体の胃腸(GI)管に薬物を投与し、
約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用することにより、GI管の上皮層を通る薬物の通過を助長する、前記方法。
【請求項202】
一連のパルスの適用が、約2mAと約4mAの間の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項201に記載の方法。
【請求項203】
一連のパルスの適用が、約3mAの電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項202に記載の方法。
【請求項204】
一連のパルスの適用が、約16Hzと約20Hzの間の周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項201〜203のいずれか1つに記載の方法。
【請求項205】
一連のパルスの適用が、約18Hzの周波数の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項204に記載の方法。
【請求項206】
一連のパルスの適用が、約0.5ミリ秒と約1.5ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項201〜203のいずれか1つに記載の方法。
【請求項207】
一連のパルスの適用が、約1ミリ秒のパルス持続時間をもつ一連のパルスの適用を含んでなる、請求項206に記載の方法。
【請求項208】
一連のパルスの適用が、約1と約360分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項201〜203のいずれか1つに記載の方法。
【請求項209】
一連のパルスの適用が、約60と約240分の間の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項208に記載の方法。
【請求項210】
摂取可能なカプセルを含んでなる、薬物投与のための装置であって、
カプセルにより貯蔵される薬物と、
被験体の胃腸(GI)管内でのカプセルの配置に対し応答可能なようにその状態を変えるように適合されている環境感受性の機構と、
第一および第二の電極と、
約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動することにより、環境感受性の機構の状態の変化に応答して、GI管の上皮層の薬物に対する一酸化窒素(NO)媒介性の浸透性を高めるよう適合されている制御部と、を含んでなる、前記装置。
【請求項211】
薬物の投与方法であって、
薬物を包含する摂取可能なカプセルを被験体に投与し、
被験体の胃腸(GI)管内のカプセルの配置を検出し、
配置の検出に応答して、約10mA未満の電流、約12Hzと約24Hzの間の周波数、および約0.5ミリ秒と約3ミリ秒の間のパルス持続時間をもつ一連のパルスをカプセルによりGI管に適用することにより、GI管の上皮層を通る薬物に対する一酸化窒素(NO)媒介性の浸透性を高める、前記方法。
【請求項212】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約7mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項213】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約5mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項212に記載の装置。
【請求項214】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約7mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項32に記載の装置。
【請求項215】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約5mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項214に記載の装置。
【請求項216】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約7mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項41に記載の装置。
【請求項217】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約5mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項216に記載の装置。
【請求項218】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約7mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項58に記載の装置。
【請求項219】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約5mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項218に記載の装置。
【請求項220】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約7mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項71に記載の装置。
【請求項221】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約5mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項220に記載の装置。
【請求項222】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約7mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項95に記載の装置。
【請求項223】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約5mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項222に記載の装置。
【請求項224】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約7mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項109に記載の装置。
【請求項225】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約5mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項224に記載の装置。
【請求項226】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約7mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項118に記載の方法。
【請求項227】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約5mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項226に記載の方法。
【請求項228】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約7mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項136に記載の方法。
【請求項229】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約5mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項228に記載の方法。
【請求項230】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約7mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項148に記載の方法。
【請求項231】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約5mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項230に記載の方法。
【請求項232】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約7mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項161に記載の方法。
【請求項233】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約5mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項232に記載の方法。
【請求項234】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約7mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項185に記載の方法。
【請求項235】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約5mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項234に記載の方法。
【請求項236】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約7mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項201に記載の方法。
【請求項237】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約5mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項236に記載の方法。
【請求項238】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約7mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項210に記載の装置。
【請求項239】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、制御部が、約5mA未満の電流の一連のパルスを適用するように第一および第二の電極を駆動するよう適合されている、請求項238に記載の装置。
【請求項240】
電流が約7mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約7mA未満の電流の一連のパルスの適用を含んでなる、請求項211に記載の方法。
【請求項241】
電流が約5mA未満の電流を包含し、かつ、一連のパルスの適用が、約5mA未満の電流での一連のパルスの適用を含んでなる、請求項240に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A−B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A−B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13】
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【図14A−B】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公表番号】特表2007−536377(P2007−536377A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512710(P2007−512710)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000301
【国際公開番号】WO2005/105053
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(506368903)イー−ピル ファーマ リミティド (3)
【Fターム(参考)】