説明

胴体縦横幅測定ユニットおよび内臓脂肪測定装置

【課題】コストの増大を抑制しつつ測定精度の信頼性向上を図ることができる胴体縦横幅測定ユニットおよび内臓脂肪測定装置を提供する。
【解決手段】ユニット本体40に対して垂直方向に移動可能に取り付けられ、被験者5の胴体上面に接触する第1接触部41と、ユニット本体40に対して水平方向に移動可能に取り付けられ、ユーザ5の胴体側面に接触する第2接触部42、第3接触部43と、第1接触部41がユーザ5の胴体上方の原点位置から胴体上面に接触するまでの下降距離を検出する縦幅検出用エンコーダ441と、ユニット本体40に対して第2接触部42の移動距離と同じ距離を水平方向に移動可能に取り付けられ、第3接触部43の第2接触部42に対する相対的な移動距離を検出する横幅検出用エンコーダ442と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胴体縦横幅測定ユニットおよびこれを備えた内臓脂肪測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、内臓脂肪や皮下脂肪等の腹部脂肪を測定する手法として、ユーザの生体インピーダンス情報と体格情報とを用いる手法が検討されている。この手法では、ユーザの胴体等に接触させた電極を用いて生体インピーダンスが測定されるとともに、胴体の周囲長や縦幅、横幅等が体格情報として測定される。
【0003】
例えば、特許文献1では、生体インピーダンス測定用の電極を支持する電極支持部と、腹部両脇に接触して胴体の横幅を測定する一対のアーム部とを一体的に構成した内臓脂肪測定装置が提案されている。
【0004】
しかしながら、この装置では、ユーザの体格情報として測定される情報が胴体の横幅のみとなるため、体格情報の精度として信頼性に欠けるという問題がある。すなわち、人間の胴体の腹部周りは呼吸動作によって形状が変化し易い部位であり、吸気のときには縦幅は伸びて横幅は縮まり、呼気のときには縦幅は縮んで横幅は伸びるように腹部断面が変化する。そうすると、胴体の横幅を測定するタイミングが吸気の場合と呼気の場合とで測定値が異なってしまい、体脂肪に関する指標の算出にばらつきを生じてしまう。
【0005】
したがって、体格情報としては、胴体の縦幅と横幅とを同時に計測し、呼吸状態を反映させることが好ましいといえる。そこで、上記装置において、胴体の縦幅を測定するためのアーム部を新たに増やすとすると、アーム部の移動距離を測定するためのエンコーダも増やす必要が生じる。しかしながら、エンコーダは非常に高価なパーツであるため製品コストが増大することになる。また、パーツの数が増える分、故障の確率も増えることになり、メンテナンス費用の増大も懸念される。
【特許文献1】特許第4024774号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、コストの増大を抑制しつつ測定精度の信頼性向上を図ることができる胴体縦横幅測定ユニットおよび内臓脂肪測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の胴体縦横幅測定ユニットは、
ユニット本体と、
前記ユニット本体に対して垂直方向に移動可能に取り付けられ、仰臥位のユーザの胴体上面に接触する第1接触部と、
前記ユニット本体に対して水平方向に移動可能に取り付けられ、仰臥位のユーザの胴体の一方の側面に接触する第2接触部と、
前記ユニット本体に対して水平方向に移動可能に取り付けられ、仰臥位のユーザの胴体の他方の側面に接触する第3接触部と、
前記第1接触部がユーザの胴体上方の原点位置から胴体上面に接触するまでの下降距離を検出する縦幅検出用エンコーダと、
前記ユニット本体に対して前記第2接触部及び前記第3接触部のうちの一方の接触部の
移動距離に連動して移動可能に取り付けられ、他方の接触部の前記一方の接触部に対する相対的な移動距離を検出する横幅検出用エンコーダと、
を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、ユーザの体格情報としてユーザの胴体の縦幅と横幅の2つの測定値を得ることができる。したがって、これら2つの測定値を用いて内臓脂肪量を算出することにより、呼吸による胴体の形状変化の影響が低減され、測定精度の向上を図ることができる。
【0009】
また、この構成によれば、横幅検出用エンコーダの測定基準位置が一方の接触部の移動に合わせて変位し、一方の接触部に対する他方の接触部の相対的な移動距離を検出できる。そして、検出された移動距離から胴体側面に接触する2つの接触部の間の距離を算出することにより、胴体の横幅を測定することができる。すなわち、一つのエンコーダによって2つの接触部の相対的な変位を検出することにより、ユーザの胴体の横幅を測定することができる。したがって、従来のように、2つの接触部の変位を測定するために、それぞれの接触部に対応させて2つのエンコーダを用意する必要がなくなる。これにより、部材点数を削減して低コスト化を図ることができる。
【0010】
また、2つの可動部材を用いて測定される胴体横幅を1つの検出値から算出するので、誤差要因の数が減ることになり、検出誤差の低減を図ることができる。
【0011】
前記ユニット本体が、
前記一方の接触部の移動に連動して、前記横幅検出用エンコーダを水平方向に移動させる連動機構を有するとよい。
【0012】
これにより、横幅検出用エンコーダの測定基準位置を一方の接触部の移動に合わせて変位させることができる。
【0013】
また、前記横幅検出用エンコーダは、前記第2接触部及び前記第3接触部のうちの一方の接触部の移動距離と同じ距離を移動可能であるとよい。
【0014】
また、連動機構の具体的な構成としては、
前記連動機構が、
前記一方の接触部の直進運動を回転運動に変換する第1ラックアンドピニオン機構と、
前記第1ラックアンドピニオン機構によって回転駆動される回転軸と、
前記回転軸の回転運動を前記横幅測定用エンコーダを収容するケーシングの直進運動に変換する第2ラックアンドピニオン機構と、
を備えるものであってもよい。
【0015】
もしくは、
前記連動機構が、
前記一方の接触部と前記横幅測定用エンコーダを収容するケーシングとを連結するワイヤまたはベルトを備えるものであってもよい。
【0016】
または、
前記横幅検出用エンコーダが、前記一方の接触部と一体的に取り付けられていることにより、横幅検出用エンコーダが一方の接触部と連動するようにしてもよい。
【0017】
ユーザが臥せている面から前記第1接触部の原点位置までの高さと、
前記縦幅検出用エンコーダが検出する前記第1接触部の下降距離と、
に基づいて、ユーザが臥せている面から前記第1接触部の接触位置までの高さを算出することにより、ユーザの胴体の縦幅を決定し、
前記第2接触部及び前記第3接触部がそれぞれ原点位置にあるときの前記第2接触部と前記第3接触部との間の距離と、
前記第2接触部及び前記第3接触部が胴体側面に接触したときに前記横幅検出用エンコーダが検出する前記他方の接触部の前記一方の接触部に対する相対的な移動距離と、
に基づいて、前記第2接触部と前記第3接触部との間の距離を算出することにより、ユーザの胴体の横幅を決定する胴体縦横幅算出部を備えるとよい。
【0018】
これにより、2つのエンコーダの検出値に基づいてユーザの胴体の縦横幅を算出することができる。
【0019】
また、上記目的を達成するために、本発明における内臓脂肪測定装置は、
上記の胴体縦横幅測定ユニットを備えており、
前記胴体縦横幅測定ユニットを用いて得られる胴体の縦横幅から算出される胴体のうち腹部を通り胴体の体軸に垂直な断面の胴体断面積と、
手足から胴体を通るように電流を流し、胴体表面の一部の電位差を測定することで得られた胴体全体のインピーダンス情報と、
胴体の表層付近を通るように電流を流し、胴体表面の一部の電位差を測定することで得られた胴体表層部のインピーダンス情報と、
に基づいて、内臓脂肪量を算出することを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、同時に測定された縦横幅を体格情報として用いることができるので、内臓脂肪量の算出精度の向上を図ることができる。
【0021】
なお、本発明における「内臓脂肪量」には、内臓脂肪断面積、内臓脂肪体積及び胴体断面積に対する内臓脂肪断面積の割合など、内臓脂肪量を示す指標となるものが含まれる。
【0022】
また、上記各構成は、可能な限り組み合わせて採用し得る。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明により、コストの増大を抑制しつつ測定精度の信頼性向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0025】
(実施例1)
図1〜図8を参照して、本発明の実施例1に係る内臓脂肪測定装置について説明する。
【0026】
<内臓脂肪測定原理>
図1及び図2を参照して、本発明の実施例1に係る内臓脂肪測定装置における内臓脂肪の測定原理について説明する。図1及び図2はインピーダンスを測定する際の様子を示した模式図である。なお、図1及び図2においては、内臓脂肪を測定するユーザの背中側から見た様子を示している。
【0027】
図1は胴体全体のインピーダンス情報を得る場合の様子を示している。図示のように、
内臓脂肪を測定するユーザの両手にそれぞれ電極EILa10,EIRa10が取り付けられる。また、ユーザの両足にもそれぞれ電極EILb10,EIRb10が取り付けられる。そして、ユーザの胴体の背中側の位置に、胴体の体軸方向に並ぶように設けられる一対の電極が、胴体の横幅方向に4箇所取り付けられる。つまり、合計8個の電極EVa11,EVb11,EVa12,EVb12,EVa13,EVb13,EVa14,EVb14が取り付けられる。
【0028】
この状態で、両手両足のそれぞれ取り付けられた電極EILa10,EIRa10,EILb10,EIRb10を用いて胴体を通る電流I10を流す。そして、一対の電極EVa11,EVb11を用いて電位差V11を測定し、一対の電極EVa12,EVb12を用いて電位差V12を測定し、一対の電極EVa13,EVb13を用いて電位差V13を測定し、一対の電極EVa14,EVb14を用いて電位差V14を測定する。つまり、背中側の4箇所にて、胴体表面の一部の電位差を測定する。
【0029】
このようにして測定された電位差から、胴体全体のインピーダンスZtを算出する。なお、4箇所で電位差V11,V12,V13,V14を測定し、これらの平均値を用いて胴体全体のインピーダンスを算出することによって、胴体内の脂肪分布のばらつき等の影響を低減させることができる。
【0030】
ここで、胴体から離れた両手両足から電流I10を流した場合には、電流I10の殆どは、電気抵抗の低い部分、すなわち脂肪以外の部分を通る。従って、このような電流I10を用いて測定された電位差V11,V12,V13,V14から算出された胴体全体のインピーダンスZtは、脂肪を除く除脂肪(内臓と筋肉と骨格)の量の影響が大きい。従って、このインピーダンスZtから除脂肪断面積Sa(推定値)を算出することができる。
【0031】
図2は胴体のうち背中側の胴体表層部のインピーダンス情報を得る場合の様子を示している。図示のように、ユーザの胴体のうち背中側に、胴体の体軸方向に並ぶように設けられる一対の電極が、胴体の横幅方向に4箇所取り付けられる。つまり、合計8個の電極EIa21,EIb21,EVa21,EVb21,EIa22,EIb22,EVa22,EVb22が取り付けられる。
【0032】
この状態で、一対の電極EIa21,EIb21を用いて電流I21を流し、一対の電極EIa22,EIb22を用いて電流I22を流す。なお、電流I21の電流値と電流I22の電流値は同じである。そして、一対の電極EVa21,EVb21を用いて電位差V21を測定し、一対の電極EVa22,EVb22を用いて電位差V22を測定する。つまり、背中側の2箇所にて、胴体表面の一部の電位差を測定する。
【0033】
このようにして測定された電位差から、胴体のうち背中側の胴体表層部のインピーダンスZsを算出する。なお、2箇所で電位差V21,V22を測定し、これらの平均値を用いて胴体表層部のインピーダンスZsを算出することによって、皮下脂肪のばらつき等の影響を低減させることができる。なお、電流を流していた電極を、電位差を測定する電極とし、かつ電位差を測定していた電極を、電流を流すための電極とするように回路を切り替えることで、4箇所で電位差を測定することも可能である。こうすることで、皮下脂肪のばらつき等の影響をより一層低減させることができる。
【0034】
ここで、背中のうち腹部の裏側の位置に取り付けられた一対の電極によって電流I21,I22を流した場合には、電流I21,I22の殆どは胴体の表層部を通る。従って、このような電流I21,I22を用いて測定された電位差V21,V22から算出された胴体表層部のインピーダンスZsは、皮下脂肪量の影響が大きい。従って、このインピー
ダンスZsから皮下脂肪断面積Sb(推定値)を算出することができる。
【0035】
従って、胴体断面積(胴体のうち腹部を通り胴体の体軸に垂直な断面の面積)をStとすると、内臓脂肪断面積Sxは、
Sx=St−Sa−Sb
となり、内臓脂肪断面積Sxを算出することができる。
【0036】
ここで、胴体断面積Stは、腰部の周囲長(ウエスト長)や、胴体(腹部付近)の縦横幅から算出することができる。例えば、胴体の縦横幅から算出する場合、胴体の横幅が2a,縦幅が2bであれば、胴体の断面はおおよそ楕円形であるので、胴体断面積はおおよそπ×a×bとなる。ただし、この値は誤差が大きいので、誤差を補正するための係数を乗ずることによって、より正確な胴体断面積Stを得ることができる。この係数としては、例えば、多数のX線CT画像サンプルに基づいて、X線CT画像から得られる胴体断面積St’とaとbとの関係から、St’=α×π×a×bを満足するようなαの最適値を求めることができる。
【0037】
これにより、胴体の横幅2aと縦幅2bに基づいて、より誤差の少ない胴体断面積St(=α×π×a×b)を算出することができる。なお、上記補正のために乗ずるαに関しては、性別,年齢層,身長,体重等(以下、これらをユーザ情報と称する。)に応じて適宜最適値が異なり得るため、測定するユーザに応じてαの値を変更することで、より一層正確な胴体断面積Stを算出することが可能となる。
【0038】
また、上記の通り、除脂肪断面積Saは、胴体全体のインピーダンスZtから算出することができる。ただし、この胴体全体のインピーダンスZtのみでは、除脂肪断面積Saを算出することはできない。すなわち、この除脂肪断面積Saは胴体の大きさに比例すると共に、インピーダンスZtから得られる値を除脂肪断面積Saに換算する必要がある。より具体的には、例えば、この除脂肪断面積Saは、
Sa=β×a×(1/Zt)
で表すことができる。
【0039】
ここで、aは上記の通り胴体の横幅の半分の値であり、胴体の大きさに関係する値である。この値に関しては、これに限らず、例えば、胴体の縦横幅の値が反映されるように(a×b)を用いてもよいし、胴体断面積Stを用いてもよいし、腰部の周囲長(ウエスト長)を用いてもよい。
【0040】
また、βは、除脂肪断面積Saに換算するための係数であり、上記αを求めた場合と同様に、多数のX線CT画像サンプルから最適値を求めることができる。すなわち、多数のX線CT画像サンプルに基づいて、X線CT画像から得られる除脂肪断面積Sa’と、aと、当該X線CT画像の撮影対象となった人物の胴体全体のインピーダンスZtとの関係から、Sa’=β×a×(1/Zt)を満足するようなβの最適値を求めることができる。
【0041】
更に、上記の通り、皮下脂肪断面積Sbは、背中のうち腹部の裏側の位置における胴体表層部のインピーダンスZsから算出することができる。ただし、この表層部のインピーダンスZsのみでは、皮下脂肪断面積Sbを算出することはできない。すなわち、この皮下脂肪断面積Sbは胴体の大きさに比例すると共に、インピーダンスZsから得られる値を皮下脂肪断面積Sbに換算する必要がある。より具体的には、例えば、この皮下脂肪断面積Sbは、
Sb=γ×a×Zs
で表すことができる。
【0042】
ここで、aは上記の通り胴体の横幅の半分の値であり、胴体の大きさに関係する値である。この値に関しては、これに限らず、例えば、胴体の縦横幅の値が反映されるように(a×b)を用いてもよいし、胴体断面積Stを用いてもよいし、腰部の周囲長(ウエスト長)を用いてもよい。
【0043】
また、γは、皮下脂肪断面積Sbに換算するための係数であり、上記αを求めた場合と同様に、多数のX線CT画像サンプルから最適値を求めることができる。すなわち、多数のX線CT画像サンプルに基づいて、X線CT画像から得られる皮下脂肪断面積Sb’と、aと、当該X線CT画像の撮影対象となった人物の胴体表層部のインピーダンスZsとの関係から、Sb’=γ×a×Zsを満足するようなγの最適値を求めることができる。
【0044】
なお、上述のβ及びγは、腹部の断面積を求める場合に用いたαの場合と同様に、ユーザ情報に応じて適宜最適値が異なり得る。従って、測定するユーザに応じてβ及びγの値を変更することで、より一層正確な除脂肪断面積Sa及び皮下脂肪断面積Sbを算出することが可能となる。
【0045】
以上のように、本実施例に係る内臓脂肪測定装置においては、胴体断面積Stと、胴体全体のインピーダンスZtに基づいて算出される除脂肪断面積Saと、胴体表層部のインピーダンスZsに基づいて算出される皮下脂肪断面積Sbから内臓脂肪断面積Sxが算出される。
【0046】
すなわち、
Sx=St−Sa−Sb
で表される。
【0047】
ここで、St=α×π×a×bであり、Sa=β×a×(1/Zt)であり、Sb=γ×a×Zsである。そして、aは胴体の横幅の半分の値であり、bは胴体の縦幅の半分の値である。また、α,β,γは、多数のX線CT画像サンプルに基づいて得られた、St,Sa,Sbの最適値を求めるための係数である。なお、これらの係数は、上記の通り、ユーザ情報に応じて変更し得るものである。
【0048】
上記の式からも分かるように、測定(算出)される内臓脂肪量は、内臓脂肪断面積である。ただし、測定結果としての内臓脂肪量は、内臓脂肪断面積に限らず、胴体断面積に対する内臓脂肪断面積の割合や、内臓脂肪断面積から換算される内臓脂肪体積とすることもできる。
【0049】
なお、本発明の実施例に係る内臓脂肪測定装置の内臓脂肪測定原理においては、上記の式から分かるように、内臓脂肪断面積Sxが、胴体断面積Stから除脂肪断面積Sa及び皮下脂肪断面積Sbを減ずることで得られるという考え方に基づいている。
【0050】
しかしながら、本発明に係る内臓脂肪測定装置は、必ずしも、上記の式Sx=St−Sa−Sbをそのまま適用したものに限らず、このような原理を応用したものも含まれる。
【0051】
例えば、
Sx=St−Sa−Sb+δ(δは補正量)
から内臓脂肪断面積Sxを求めることもできる。つまり、上記のα,β,γを求めた場合と同様の手法によって、多数のX線CT画像サンプルに基づいて、補正量δを加えるようにすることもできる。
【0052】
また、
Sx=St−F(Zt,Zs,a,b)
から内臓脂肪断面積Sxを求めることもできる。なお、F(Zt,Zs,a,b)は、Zt,Zs,a,bをパラメータとする関数である。
【0053】
すなわち、除脂肪断面積Sa及び皮下脂肪断面積Sbの合計値は、胴体全体のインピーダンスZt,胴体表層部のインピーダンスZs及び胴体の大きさ(本実施例では、胴体の縦横幅)と相関関係がある。従って、除脂肪断面積Sa及び皮下脂肪断面積Sbの合計値を、t,Zs,a,bをパラメータとする関数F(Zt,Zs,a,b)から求めることも可能である。なお、この関数F(Zt,Zs,a,b)についても、多数のX線CT画像サンプルから導き出すことができる。
【0054】
<内臓脂肪測定装置の全体構成>
図3を参照して、本実施例に係る内臓脂肪測定装置の全体構成について説明する。図3は本発明の実施例に係る内臓脂肪測定装置の全体構成図である。
【0055】
本実施例に係る内臓脂肪測定装置は、装置本体100と、手足に電極を取り付けるための4個のクリップ201,202,203,204と、背中に電極を取り付けるためのベルト300と、胴体の縦横幅を測定するための測定ユニット400と、装置本体100に電力を供給するためのコンセント500とを備えている。
【0056】
装置本体100は、各種入力情報や測定結果を表示する表示部110と、装置本体100の電源をオンまたはオフにしたり、各種情報を入力したりするための操作部120とを備えている。
【0057】
クリップ201,202,203,204は、それぞれ電極を備えている。そして、これらのクリップ201,202,203,204を、手足(好適には手首と足首)に挟み込むように取り付けることによって、手足に電極を密着させることができる。なお、クリップ201,202,203,204にそれぞれ備えられた電極は、図1に示した電極EILa10,EIRa10,EILb10,EIRb10に相当する。
【0058】
ベルト300は、測定対象者であるユーザの背中に押し当てる押し当て部材310と、押し当て部材310の両側にそれぞれ固定されたベルト部320と、ベルト部320を固定するためのバックル330とを備えている。そして、押し当て部材310には、合計8個の電極Eが設けられている。このように構成されたベルト300を、押し当て部材310が、尾てい骨の少し上の辺りに当るように腰に巻き付けることによって、8個の電極Eを、ユーザの背中のうち腹部の裏側の位置に密着させることができる。なお、これらの8個の電極Eは、図1に示す8個の電極EVa11,EVB11,EVa12,EVb12,EVa13,EVb13,EVa14,EVb14、及び図2に示す8個の電極EIa21,EIb21,EVa21,EVb21,EIa22,EIb22,EVa22,EVb22に相当する。つまり、胴体全体のインピーダンスZtを算出する場合と、胴体表層部のインピーダンスZsを算出する場合とで、装置本体100において、電気回路を切り替えることによって、8個の電極Eの役割を変えることができる。
【0059】
胴体縦横幅測定ユニット400は、複数の接触部を備えており、各接触部を胴体に接触させることにより、ユーザがベッドに寝そべった状態で、胴体の横幅2aと縦幅2bを測定することができるように構成されている。その詳しい構成については後述する。なお、本実施例においては、各接触部の位置情報に基づいて、装置本体100において、胴体の横幅2aと縦幅2bが電気的な情報(データ)として得られるように構成されている。このようにして得られた胴体の横幅2aと縦幅2bに関する情報から胴体の断面積が算出さ
れることについては、内臓脂肪測定原理の中で説明した通りである。
【0060】
なお、本実施例では、内臓脂肪測定装置に胴体縦横幅測定ユニット400が備えられており、この胴体縦横幅測定ユニット400によって、胴体の縦横幅や胴体の断面積が自動的に測定されるように構成されている。しかしながら、その他の測定装置、あるいは人の手で測定したり計算したりして得られた値を、装置本体100に入力する構成を採用することもできる。
【0061】
<内臓脂肪測定装置の制御構成>
図4を参照して、本実施例に係る内臓脂肪測定装置の制御構成について説明する。図4は本発明の実施例に係る内臓脂肪測定装置の制御ブロック図である。
【0062】
本実施例に係る内臓脂肪測定装置においては、装置本体100Bに、制御部(CPU)130Bと、表示部110Bと、操作部120Bと、電源部140Bと、メモリ部150Bと、電位差検出部160Bと、回路切替部170Bと、定電流生成部180Bと、ユーザ情報入力部190Bとが設けられている。
【0063】
表示部110Bは、操作部120Bやユーザ情報入力部190Bからの入力情報や、測定結果などを表示させる役割を担っており、液晶ディスプレイなどにより構成される。操作部120Bは、ユーザ等が各種情報を入力可能とするための役割を担っており、各種ボタンやタッチパネルなどにより構成される。なお、本実施例では、操作部120Bからのユーザ情報の入力以外にも、バーコードリーダ,カードリーダあるいはUSBメモリなどからもユーザ情報入力部190Bを介して、ユーザ情報が入力されるように構成されている。
【0064】
電源部140Bは、制御部10などに電力を供給する役割を担っており、操作部120Bによって、電源がオンにされると、各部に電力を供給し、電源がオフにされると、電力供給を停止させる。メモリ部150Bは、内臓脂肪を測定するための各種データやプログラムなどを記憶している。
【0065】
そして、クリップ201,202,203,204にそれぞれ設けられた電極E及びベルトに設けられた電極Eが、装置本体100Bに設けられている回路切替部170Bに電気的に接続されている。また、測定ユニット400に備えられた体格情報計測部400Bが、装置本体100Bに設けられている制御部130Bに電気的に接続されている。
【0066】
制御部130Bは、内臓脂肪測定装置全体の制御を司る役割を担っている。また、制御部130Bには、演算処理部131Bが備えられている。そして、この演算処理部131Bには、制御部130Bに送られた各種情報に基づいて、インピーダンスを算出するインピーダンス算出部131Baと、算出されたインピーダンスに基づいて各種の脂肪量を算出する各種脂肪量算出部131Bbとが備えられている。
【0067】
回路切替部170Bは、例えば、複数のリレー回路によって構成される。この回路切替部170Bは制御部130Bからの指令に基づいて、電気回路を変更する役割を担っている。すなわち、上記の通り、胴体全体のインピーダンス情報を得る場合には、図1に示す回路構成とし、背中側の胴体表層部のインピーダンス情報を得る場合には、図2に示す回路構成とするように電気回路を変更する。
【0068】
定電流生成部180Bは、制御部130Bからの指令に基づいて、高周波電流(例えば、50kHz,500μA)を流す。より具体的には、図1に示す電気回路の場合には、電極EILa10,EIRa10と電極EILb10,EIRb10間に電流I10を流
す。また、図2に示す電気回路の場合には、電極EIa21と電極EIb21との間、及び電極EIa22と電極EIb22との間にそれぞれ電流I21,I22を流す。
【0069】
電位差検出部160Bは、定電流生成部180Bによって電流が流されている間における所定の電極間の電位差を検出する。より具体的には、図1に示す電気回路の場合には、電極EVa11と電極EVb11との間で電位差V11を検出し、電極EVa12と電極EVb12との間で電位差V12を検出し、電極EVa13と電極EVb13との間で電位差V13を検出し、電極EVa14と電極EVb14との間で電位差V14を検出する。また、図2に示す電気回路の場合には、電極EVa21と電極EVb21との間で電位差V21を検出し、電極EVa22と電極EVb22との間で電位差V22を検出する。
【0070】
そして、電位差検出部160Bにて検出された電位差情報は、制御部130Bに送られる。
【0071】
また、測定ユニット400により測定されて得られた体格情報は、体格情報計測部400Bから装置本体100Bの制御部130Bに送られる。なお、本実施例における体格情報は、上記の通り、胴体の横幅2aの寸法と、縦幅2bの寸法に関する情報である。
【0072】
制御部130Bにおける演算処理部131Bにおいては、電位差検出部160Bから送られた電位差情報に基づいて、インピーダンス算出部131Baにて、胴体全体のインピーダンスZt及び胴体表層部のインピーダンスZsを算出する。また、演算処理部131Bにおいては、算出された胴体全体のインピーダンスZt及び胴体表層部のインピーダンスZsと、体格情報計測部400Bから送られる体格情報と、操作部120Bやユーザ情報入力部190Bから送られる各種情報に基づいて、各種脂肪量算出部131Bbにて各種脂肪量(内臓脂肪断面積を含む)を算出する。
【0073】
次に、本実施例に係る内臓脂肪測定装置における測定手順について簡単に説明する。
【0074】
まず、内臓脂肪測定を行うユーザまたは当該ユーザの測定を行う者は、装置本体100(100B)の電源をオンにすると共に、ユーザ情報を入力する。そして、測定ユニット400によって、ユーザの胴体の縦横幅の測定を行う。これにより、ユーザの胴体の横幅2aと縦幅2bに関する情報が装置本体100(100B)に送られる。なお、装置本体100(100B)においては、これらの情報に基づいて、胴体断面積St(=α×π×a×b)を算出する。なお、αはメモリ部150Bから読み取られる。
【0075】
次に、ユーザの手足にクリップ201,202,203,204を取り付けると共に、ユーザの腰にベルト300を巻く。そして、インピーダンスの測定を開始する。
【0076】
本実施例においては、最初に、回路切替部170Bによって、図1に示す電気回路となるように制御される。これにより、制御部130Bのインピーダンス算出部131Baによって胴体全体のインピーダンスZtが算出される。そして、各種脂肪量算出部131Bbによって、この算出されたインピーダンスZt,測定ユニット400により測定されて得られたa、及びメモリ部150Bに記憶されているβから除脂肪断面積Sa(=β×a×(1/Zt))が算出される。
【0077】
次に、回路切替部170Bによって、図2に示す電気回路となるように制御される。これにより、制御部130Bのインピーダンス算出部131Baによって胴体表層部のインピーダンスZsが算出される。そして、各種脂肪量算出部131Bbによって、この算出されたインピーダンスZs,測定ユニット400により測定されて得られたa、及びメモリ部150Bに記憶されているγから皮下脂肪断面積Sb(=γ×a×Zs)が算出され
る。
【0078】
そして、制御部130Bは、演算処理部131Bによって、上記のようにして得られた胴体断面積St,除脂肪断面積Sa及び皮下脂肪断面積Sbから内臓脂肪断面積Sx(=St−Sa−Sb)を算出し、測定結果として内臓脂肪断面積Sx等の値を表示部110(110B)に表示させる。なお、この測定手順では、各種脂肪量算出部にて、Sx=St−Sa−Sbを用いて内臓脂肪断面積Sxを求める場合について説明したが、内臓脂肪測定原理の中で説明したとおり、Sx=St−Sa−Sb+δやSx=St−F(Zt,Zs,a,b)などを用いて内臓脂肪断面積Sxを求めるようにしてもよい。
【0079】
<胴体縦横幅測定ユニット>
図5〜図8を参照して、胴体縦横幅測定ユニットについて、さらに詳細に説明する。
【0080】
本実施例では、体格情報計測部400Bとして、ユーザの胴体の縦幅および横幅を測定可能な胴体縦横幅測定ユニット400を備えている。図5は、胴体縦横幅測定ユニット400の模式的断面図であって、全体の構成を示す図である。図6は、胴体縦横幅測定ユニット400の模式的断面図であって、主として接触部とエンコーダとの連動機構を示す図である。ここで、図5では連動機構の構成についての図示を省略しており、図6で詳しく図示している。一方、図6では連動機構以外の構成ついての図示を省略している。
【0081】
まずは、図5を参照して、胴体縦横幅測定ユニット400全体の構成について説明する。
【0082】
胴体縦横幅測定ユニット400は、概略、仰臥位のユーザ5を載せたベッド6上の所定位置に位置決めして載置されるユニット本体40と、ユニット本体40に対してそれぞれ移動可能に設けられた、第1接触部41と、第2接触部42と、第3接触部43と、を備えている。
【0083】
ユニット本体40は、各接触部の移動距離を検出するためのロータリエンコータ441、442や、各接触部が原点位置に位置しているか否かを検知するためのマイクロスイッチ451、452、453や、胴体の縦幅および横幅を算出する算出部等が形成された不図示の電子回路や、胴体の縦幅および横幅の測定を開始させるための不図示のスイッチ等が備えられている。
【0084】
第1接触部41は、ユニット本体40に対して垂直方向に昇降可能に組み付けられ、仰臥位のユーザ5の胴体の上面(腹部前面)に接触してユーザ5の胴体の縦幅(厚み)を計測するためのものである。第1接触部41は、一部または全部が透明または半透明の材料からなり略水平方向に延びる板状部材で構成されており、ユーザ5の胴体に接触したときに胴体に変形を生じさせないように重量の軽い設計となっている。
【0085】
第1接触部41の付け根にはスライド部41aが設けられている。スライド部41aは、ユニット本体40に設けられた垂直方向に延びるレール部401に対して垂直方向にスライド可能に組み付けられている。これにより、第1接触部41は、ユニット本体40に対して垂直方向に昇降可能となっている。また、第1接触部41は、レール部401の最も高い位置が原点位置となり、支えが何もない状態においては、自重によってレール部401の最下点まで下降するように設けられている。したがって、第1接触部41は、胴体上面に接触してからは胴体上面で支持された状態で垂直方向に移動可能である。これにより、第1接触部41は、ユーザの呼吸状態の変化による胴体形状(縦幅)の変化に追随することができる。
【0086】
ユニット本体40には、第1接触部41をレール部401の最高位置に係止するための係止部46が設けられている。係止部46は、ワイヤ46aを介して連結されたレバー46bの傾きが切り替わることによってワイヤ46aに引っ張られて回転し、第1接触部41の係止状態を解除するように構成されている。なお、係止手段の構成としては、これに限られるものではなく、他の係止機構を用いてよい。
【0087】
第1接触部41のスライド部41aには、縦幅検出用のロータリエンコーダ441から延びるワイヤ441aが取り付けられている。第1接触部41が下降することによって引き出されるワイヤ441aの長さをロータリエンコーダ441が検知することにより、第1接触部41の下降距離を検出することができる。ロータリエンコーダとしては従来技術を適宜利用すればよいので、その構成等についての詳しい説明は省略する。また、移動距離を検出する手段としては、ロータリエンコーダに限定されるものではなく、他の移動距離を検出可能な装置を用いてもよい。
【0088】
原点位置センサとしてのマイクロスイッチ451は、第1接触部41が原点位置、すなわち、レール部401の最高位置に位置しているときに、可動接点がスライド部41aに押されて固定接点に接触するように配置される。したがって、マイクロスイッチ451の可動接点と固定接点とが接続してON状態となることにより、第1接触部41が原点位置にあることを検知することができる。マイクロスイッチとしては従来技術を適宜利用すればよいので、その構成等についての詳しい説明は省略する。また、接触部の位置を検知する手段としては、上述のようなマイクロスイッチに限定されるものではなく、接触式、非接触式を問わず他の位置検出可能な装置を用いてもよい。
【0089】
第2接触部42と第3接触板部43は、水平方向に互いに向き合う配置で設けられており、仰臥位のユーザ5の胴体を挟み込むように胴体の側面(脇腹)に接触してユーザ5の胴体の横幅を計測するためのものである。第2接触部42と第3接触板部43は、互いの対向距離を変えられるようにユニット本体40に対してそれぞれ水平方向に移動可能に組み付けられている。
【0090】
第2接触部42は、一部または全部が透明または半透明の材料からなり略垂直方向に延びる板状部材で構成されている。第2接触部42は、水平方向に突出した形状を有するスライド部42aが設けられている。ユニット本体40にはスライド部42aを挿通可能なガイド部402が設けられており、スライド部42aが、ガイド部402に差し込まれるとともに、ガイド部402に対して水平方向にスライドすることにより、第2接触部42が、ユニット本体40に対して水平方向に移動するように構成されている。また、第2接触部42の重量やスライド部42aとガイド部402との摺動抵抗等は、第2接触部42がユーザ5の胴体に接触したときに胴体に変形を生じさせないよう、胴体が第2接触部42から受ける反力が十分小さくなるように設定される。
【0091】
第2接触部42のスライド部42aには、後述する、横幅検出用のロータリエンコーダ442を第2接触部42と連動させるための連動機構7を構成するラックギア71aが取り付けられている。
【0092】
原点位置センサとしてのマイクロスイッチ452は、第2接触部42が原点位置に位置しているときに、可動接点がスライド部42aに押されて固定接点と接触するように配置される。ここで、第2接触部42の原点位置は、第2接触部42が一番伸びきった位置、すなわち、第2接触部42の可動域の一方の限界位置であって、第3接触部43との間隔を最も狭くする位置としている。詳しい図示は省略するが、マイクロスイッチ452は、第2接触部42が原点位置よりも押し込まれると可動接点と固定接点との接触状態が開放されるように構成される。したがって、マイクロスイッチ452は、第2接触部42が原
点位置に位置しているときのみON状態となる。
【0093】
また、胴体横幅測定時において第2接触部42がユーザ5の胴体と接触する位置は、ユニット本体40がベッド6上に設置される位置によって決まる。したがって、ユニット本体40が位置決めされる位置は、第2接触部42の胴体との接触位置が、原点位置よりもある程度押し込まれた位置となるように決定される。仮に、測定時における第2接触部42と胴体との接触位置を、第2接触部42がユーザ5の胴体側面に最初に触れる位置である原点位置としてしまうと、その時の呼吸状態によっては、その後の呼吸の変化によって、第2接触部42とユーザ5の胴体との接触状態が維持されない場合が生じてくる。すなわち、胴体の横幅が伸びる呼気時に接触した位置を測定位置にしてしまうと、吸気時に胴体の横幅が縮んだときに第2接触部42が胴体の形状変化に追随できず、非接触となってしまう。そうすると、吸気時における胴体の横幅を測定することができなくなり、呼吸の状態を反映した胴体の横幅の測定ができなくなってしまう。したがって、第2接触部42は、呼吸の状態にかかわらず胴体側面との接触状態が維持される、ある程度押し込まれた位置が測定位置となるようにユニット本体40の設置位置が決定される。
【0094】
また、ユーザ5の胴体が第2接触部42の可動域を超えて押し付けられると胴体に変形を生じてしまう。したがって、このような押し付け過ぎを検知するための押し過ぎセンサとして、マイクロスイッチ454が、第2接触部42が可動限界位置に位置しているときに可動接点が第2接触部42に押されてON状態となるように、ユニット本体40に設けられている。なお、図示等、詳しい説明は省略するが、マイクロスイッチ454がON状態となったときに、ユーザ5や作業者に対して第2接触部42が胴体に押し付けられ過ぎていることを報知するためのブザー等の報知手段を設けてもよい。
【0095】
本実施例では、スライド部42aとガイド部402とを2組設けた構成としているが、3組以上設ける構成であってもよい。また、本実施例では、2組のスライド部42aとガイド部402のうちの一方の組に原点位置検知用のマイクロスイッチ452を設け、他方の組に押し過ぎ検知用のマイクロスイッチ454を設けた構成となっているが、これに限られるものではない。例えば、いずれの組にも原点位置用のマイクスイッチと押し過ぎ検知用のマイクロスイッチとを設けるような構成であってもよい。
【0096】
第3接触部43は、一部または全部が透明または半透明の材料からなり略垂直方向に延びる板状部43aと、板状部43aの上部からユーザ5の胴体上方を水平方向に延出した形状を有するスライド部43bと、を備えている。また、板状部43aの下端にはキャスター43cが設けられている。スライド部43bは、ユニット本体40に設けられた略水平方向に延びるレール部403に対して水平方向にスライド可能に組み付けられる。また、第3接触部43は、ばね等の不図示の付勢手段によって、第2接触部42(ユーザ5の胴体)との対向方向に付勢されており、呼吸動作等による胴体の形状の変化に追随できるように構成されている。付勢手段は、第3接触部43に加わる付勢力が、ユーザの胴体に変形を生じさせない十分に小さなものとなるように構成される。第3接触部43は、何も接触しなくなると付勢手段によって原点位置に復帰する。
【0097】
第3接触部43のスライド部43bには、横幅検出用のロータリエンコーダ442から延びるワイヤ442aが取り付けられている。後述するように、ロータリエンコーダ4は、第2接触部42の移動に連動して水平方向に移動するように設けられており、第2接触部42の移動によって変位した位置を基準位置とし、第3接触部43が移動することによって変化するワイヤ442aの引き出し長さを検知することにより、第3接触部43の第2接触部42に対する相対的な移動距離を検出するように構成されている。
【0098】
原点位置センサとしてのマイクロスイッチ453は、第3接触部43が原点位置に位置
しているときに、可動接点がスライド部43bに押されて固定接点と接触するように配置されている。ここで、第3接触部43の原点位置は、第3接触部43がユニット本体40に対して一番縮んだ位置、すなわち、第3接触部43の可動域の一方の限界位置である、第2接触部42との間隔を最も狭くする位置としている。
【0099】
ユニット本体40および第3接触部43のそれぞれの上部には、胴体縦横幅測定ユニット4を持ち易くして、ベッド6上への設置や、第3接触部43の位置合わせ等の作業性を向上させるための把持部40b、43dが設けられている。レバー46bは、ユニット本体40の把持部40bに設けられている。なお、把持部40b、43dの形状やレバー46bの配置等は、これに限られるものではない。また、ユニット本体40の下端には、ユニット本体40の倒れ等を防止するため、ベッド6との接地面積を大きくする板部40aが設けられている。
【0100】
なお、図示は省略するが、各接触部が胴体から受ける反力を検知することができる圧力センサを設けてもよい。これにより、各接触部が胴体から受ける反力の大きさに基づいて、接触部が胴体に押し付けられ過ぎていないか否か等の胴体と接触部との接触状態を判断したり、反力の変化からユーザの呼吸状態を判断することができる。
【0101】
次に、図6を参照して、胴体縦横幅測定ユニット400における第2接触部42と横幅検出用のロータリエンコーダ442とを連動させる連動機構7について説明する。
【0102】
連動機構7は、概略、第2接触部42の直進運動を回転運動に変換する第1ラックアンドピニオン機構71と、第1ラックアンドピニオン機構71によって回転駆動される回転軸72と、回転軸72の回転運動をロータリエンコーダ442を収容するケーシングの直線運動に変換する第2ラックアンドピニオン機構73と、によって構成されている。
【0103】
第1ラックアンドピニオン機構71は、スライド部42aに設けられたラックギア71aと、ラックギア71aとかみ合うように構成された平歯車71bと、から構成される。回転軸72は、ユニット本体40内部に垂直方向に延びるとともに回転可能に支持されており、その一端に平歯車71bが取り付けられている。したがって、スライド部42aが水平方向に移動すると、回転軸72は、ラックギア71aと平歯車71bとのかみ合いによって回転することになる。
【0104】
第2ラックアンドピニオン機構73は、ロータリエンコーダ442のケーシングに設けられたラックギア73aと、ラックギア73aとかみ合うように構成された平歯車73bと、から構成される。平歯車73bは、回転軸72の他端に取り付けられている。ロータリエンコータ442のケーシングは、ユニット本体40に対して水平方向に移動可能に設けられており、スライド部42aの移動によって回転軸72が回転すると、平歯車73bとラックギア73aとのかみ合いによって水平方向に移動することになる。
【0105】
各ラックアンドピニオン機構の歯車径やピッチは同じ設定となっており、ロータリエンコーダ442は、スライド部42a、すなわち第2接触部42と同じ距離だけ水平方向に移動するように構成されている。
【0106】
また、ロータリエンコーダ442のケーシングは、ばね442bによって水平方向に付勢されており、連動機構7を介して伝わる付勢力によって第2接触部42が呼吸動作等による胴体の形状の変化に追随できるように構成されている。ばね442bによる付勢力は、第2接触部42によってユーザの胴体に変形を生じさせない十分に小さなものとなるように構成される。第2接触部42は、何も接触しなくなるとばね442bによって原点位置に復帰する。なお、付勢手段としてはばねに限られるものではない。
【0107】
なお、連動機構7の構成としては、上記のようなラックアンドピニオン機構を用いたものに限られるものではなく、例えば、カム機構を用いた構成であってもよい。
【0108】
次に、図7を参照して、胴体縦横幅測定ユニット400(体格情報計測部400B)の機能的な構成について説明する。図7は、本発明の実施例1に係る内臓脂肪測定装置の胴体縦横幅測定ユニットの機能ブロック図である。
【0109】
図7に示すように、胴体縦横幅測定ユニット400(体格情報計測部400B)は、主として、胴体縦横幅算出部4bを含む制御部4aと、測定スイッチ4cと、縦幅検出用エンコーダ441と、横幅検出用エンコーダ442と、原点位置センサ451、452、453と、押し過ぎセンサ454と、を備えている。
【0110】
縦幅検出用エンコーダ441は、第1接触部41の原点位置からの下降距離を検出して制御部4aに出力する。横幅検出用エンコーダ442は、第3接触部の第2接触部に対する相対的な水平方向の移動距離を検出して制御部4aに出力する。
【0111】
原点位置センサ451、452、453は、第1接触部41、第2接触部42、第3接触部43がそれぞれ原点位置に位置しているか否か、すなわち、各原点位置センサ451、452、453を構成するマイクロスイッチが、ON状態であるのかOFF状態であるのかを制御部4aに出力する。また、押し過ぎセンサ454は、第2接触部42が可動限界位置に位置しているか否か、すなわち、押し過ぎセンサ454を構成するマイクロスイッチが、ON状態であるのかOFF状態であるのかを制御部4aに出力する。
【0112】
制御部4a、たとえばCPU(Central Processor Unit)によって構成されており、胴体縦横幅算出部4bが設けられている。胴体縦横幅算出部4bは、縦幅検出用エンコーダ441、横幅検出用エンコーダ442から入力される各接触部の移動距離の測定値、原点位置センサ451、452、453、押し過ぎセンサ454から入力されるON/OFF信号に基づいて、ユーザの胴体の縦幅および横幅を算出する。
【0113】
制御部4aの胴体縦横幅算出部4bによる胴体の縦横幅の算出は、測定スイッチ4cから出される算出開始の指令を受けてから行われる。
【0114】
制御部4aは、胴体縦横幅算出部4bによって算出された胴体の縦横幅を体格情報として、内臓脂肪測定装置の制御部130Bに出力する(図4参照)。
【0115】
[胴体縦横幅測定ユニットの動作]
次に、図8を参照して、胴体縦横幅測定ユニットによってユーザの胴体の縦横幅を測定する際の動作について説明する。
【0116】
図8は、本発明の実施例1に係る内臓脂肪測定装置の胴体縦横幅測定ユニットの操作および動作処理の流れを示すフローチャートである。図8のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとして内臓脂肪測定装置1のメモリ部150Bあるいは胴体縦横幅測定ユニット400の不図示のメモリ部に格納されており、制御部4aがこのプログラムを読み出して実行することにより、胴体縦横幅測定処理の機能が実現される。
【0117】
図8に示すように、制御部4aは、第1接触部41、第2接触部42、第3接触部43の全てが原点位置にセットされているか否か、すなわち、原点位置センサである各マイクロスイッチ451、452、453の全てがON状態となっているか否かを判断する(ステップS101)。制御部4aは、全ての接触部が原点位置にセットされるまで待機する
(ステップS101でNO)。
【0118】
全ての接触部が原点位置にセットされると(ステップS101でYES)、胴体縦横幅測定ユニット4が仰臥位のユーザ5を載せたベッド6上に設置される。具体的には、第2接触部42と第3接触部43が腹部両脇に配置されるように、第3接触部43をユニット本体40から水平方向に引き伸ばしてユーザ5の胴体のへそ位置を跨ぐように設置される(ステップS102)。このとき、制御部4aは、横幅検出用のロータリエンコーダ442によって検出される第3接触部43の第2接触部42に対する相対的な移動距離から胴体の横幅の測定を開始する。
【0119】
次に、制御部4aは、第2接触部42と第3接触部43がそれぞれ胴体の側面に接しているか否かを判断する(ステップS103)。本実施例では、第2接触部42と第3接触部43がいずれも原点位置から移動して、それぞれの原点位置センサであるマイクロスイッチ452とマイクロスイッチ453のいずれもがOFF状態となっているか否かを、第2接触部42と第3接触部43がそれぞれ胴体の側面に接しているか否かの判断要素としている。制御部4aは、マイクロスイッチ452とマイクロスイッチ453のいずれもがOFF状態となるまで待機する(ステップS103でNO)。
【0120】
第2接触部42と第3接触部43がそれぞれ胴体の側面に接していると判断されると(ステップS103でYES)、レバー46bを引いて係止部46による第1接触部41の係止状態を解除し、第1接触部41を原点位置から下降させる(ステップS104)。このとき、制御部4aは、縦幅検出用のロータリエンコーダ441によって検出される第1接触部41の下降距離から胴体の縦幅の測定を開始する。
【0121】
第1接触部41の原点位置センサであるマイクロスイッチ451がOFF状態となり、第1接触部41の下降が確認されると(ステップS105でYES)、次に、第1接触部41の接触位置の確認が行われる。すなわち、第1接触部41の透明または半透明な部分から第1接触部41が胴体のへそ位置に接触しているか否か確認する。接触位置がずれている場合には、ユニット4の設置位置を直して第1接触部41を胴体のへそ位置に合わせる。
【0122】
次に、制御部4aは、押し過ぎセンサであるマイクロスイッチ454がOFF状態となっているか否か、すなわち、第2接触部42が胴体の側面に押し付けられ過ぎていないが否かを判断する(ステップS107)。制御部4aは、マイクロスイッチ454がON状態の場合には、OFF状態となるまで待機する(ステップS107でNO)。
【0123】
マイクロスイッチ454がOFF状態であり(ステップS107でYES)、測定スイッチ4cが押されることによって測定開始の指令が出された場合には、制御部4aは、測定値に基づいてユーザ5の胴体の縦横幅を確定する(ステップS108)。
【0124】
ここで、胴体の縦幅は、ユーザが臥せているベッド6の上面から第1接触部41の原点位置までの高さと、縦幅検出用エンコーダ441が検出する第1接触部41の下降距離と、ベッド6の上面から第1接触部41の接触位置までの高さを算出することにより算出される。また、胴体の横幅は、第2接触部42及び第3接触部43がそれぞれ原点位置にあるときの第2接触部42と第3接触部43との間の距離と、第2接触部42及び第3接触部43が胴体側面に接触したときに横幅検出用エンコーダ442が検出する第3接触部43の第2接触部42に対する相対的な移動距離と、に基づいて、第2接触部42と第3接触部43との間の水平方向の距離を算出することにより算出される。
【0125】
また、縦横幅の確定は、例えば、測定値から、胴体の縦幅および横幅の呼吸時の最大値
、最小値、平均値をそれぞれ算出し、それらのうちのいずれかを胴体の縦幅および横幅とすることが行われる。
【0126】
このようにして算出確定された胴体の縦横幅は、上述したように、内臓脂肪量の測定の際に、体格情報として制御部130Bに出力される。
【0127】
本実施例に係る胴体縦横幅測定ユニットでは、ユーザの体格情報としてユーザの胴体の縦幅と横幅の2つの測定値を用いて内臓脂肪量を算出する。したがって胴体の縦幅と横幅とを同じ呼吸のタイミングで測定することができるので、呼吸の状態(吸気時または呼気時)を反映した胴体の縦横幅の測定が可能となる。また、各接触部がユーザの呼吸時の胴体形状の変化に追随することができるように構成されているので、より正確に呼吸の状態を反映した胴体の縦横幅の測定が可能となり、測定精度の向上を図ることができる。
【0128】
また、本実施例に係る胴体縦横幅測定ユニットによれば、横幅検出用エンコーダの測定基準位置が第2接触部の移動に合わせて変位し、第3接触部に対する第2接触部の相対的な移動距離を検出できる。そして、検出された移動距離から胴体側面に接触する2つの接触部の間の距離を算出することにより、胴体の横幅を測定することができる。すなわち、1つのエンコーダによって2つの接触部の相対的な変位を検出することにより、ユーザの胴体の横幅を測定することができる。したがって、従来のように、2つの接触部の変位を測定するために、それぞれの接触部に対応させて2つのエンコーダを用意する必要がなくなる。これにより、部材点数を削減して低コスト化を図ることができる。
【0129】
また、2つの可動部材を用いて測定される胴体横幅を1つの検出値から算出するので、誤差要因の数が減ることになり、検出誤差の低減を図ることができる。
【0130】
なお、上記実施例では、横幅測定用エンコータが第2接触部と連動する構成としていたが、これに限られるものではなく、横幅測定用エンコータが第3接触部に連動して第2接触部の第3接触部に対する相対的な移動距離を検出する構成であってもよい。
【0131】
(実施例2)
次に、図9を参照して、本発明の実施例2に係る胴体縦横幅測定ユニット400aについて説明する。図9は、胴体縦横幅測定ユニット400aの模式的断面図であって、主として接触部とエンコーダとの連動機構7aを示す図である。ここでは、上記実施例と異なる点についてのみ説明し、共通する部材や構成については同様の符号を付して説明を省略する。また、共通する部材や構成によって生じる作用や効果等についても同様である。
【0132】
本実施例では、連動機構7aが、複数のプーリ74によってユニット本体40内部に張られるとともに、スライド部42aおよびロータリエンコーダ442のケーシングにそれぞれ固定部75a、75bを介して連結されたワイヤまたはベルト76によって構成されている。この構成によれば、ロータリエンコータ442のケーシングは、ワイヤまたはベルト76を介して引っ張られることにより、スライド部42aの移動に連動して水平方向に移動することになる。
【0133】
(実施例3)
次に、図10を参照して、本発明の実施例3に係る胴体縦横幅測定ユニット400bについて説明する。図10は、胴体縦横幅測定ユニット400bの全体構成を示す模式図である。ここでは、上記実施例と異なる点についてのみ説明し、共通する部材や構成については同様の符号を付して説明を省略する。また、共通する部材や構成によって生じる作用や効果等についても同様である。
【0134】
本実施例は、横幅測定用のロータリエンコーダ442′を第2接触部42′と一体的に設けることにより、ロータリエンコータ442′が第2接触部42′と連動するように構成されている。
【0135】
図10に示すように、ユニット本体40′は、全体がユーザ5の胴体の上方を跨ぐような構成となっている。ユニット本体40′には、ユニット本体40′の両脚部にそれぞれ垂直方向に延びるように設けられた一対の第1レール部40′cと、ユーザ5の胴体上方において体軸に直交する水平方向に延びる第2レール部40′dが設けられている。
【0136】
第1接触部41′は、両端がそれぞれ第1レール部40′cに対して垂直方向にスライド可能に取り付けられている。また、第2接触部42′および第3接触部43′は、一端が第2レール部40′dに対して水平方向にスライド可能に取り付けられており、ユニット本体40′の胴体上方を横断する橋部に吊り下げられたような構成となっている。ロータリエンコーダ442′は、第2接触部42′に取り付けられており、ワイヤ442′aが第3接触部43′に延びている。
【0137】
この構成によれば、上記実施例のような連動機構を設けることなく、一つのロータリエンコーダによって第2接触部と第3接触部との間の距離の変化を検出し、胴体横幅を算出することができる。
【0138】
なお、上記各実施例に係る胴体縦横幅測定ユニットでは、ユーザがベッドに寝そべった仰臥位の状態で胴体の縦横幅を測定する使用例を説明したが、ユーザが壁を背にして立った立位の状態で、壁を測定ユニットの設置面にして測定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】図1はインピーダンスを測定する際の様子を示した模式図である。
【図2】図2はインピーダンスを測定する際の様子を示した模式図である。
【図3】図3は本発明の実施例1に係る内臓脂肪測定装置の全体構成図である。
【図4】図4は本発明の実施例1に係る内臓脂肪測定装置の制御ブロック図である。
【図5】図5は本発明の実施例1に係る内臓脂肪測定装置の胴体縦横幅測定ユニットの模式的断面図である。
【図6】図6は本発明の実施例1に係る内臓脂肪測定装置の胴体縦横幅測定ユニットの模式的断面図である。
【図7】図7は本発明の実施例1に係る内臓脂肪測定装置の胴体縦横幅測定ユニットの機能ブロック図である。
【図8】図8は本発明の実施例1に係る内臓脂肪測定装置の胴体縦横幅測定ユニットの操作および動作処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図9は本発明の実施例2に係る胴体縦横幅測定ユニットの模式的断面図である。
【図10】図10は本発明の実施例3に係る胴体縦横幅測定ユニットの模式図である。
【符号の説明】
【0140】
100、100B 装置本体
110、110B 表示部
120、120B 操作部
130B 制御部
131B 演算処理部
131Ba インピーダンス算出部
131Bb 各種脂肪量算出部
140B 電源部
150B メモリ部
160B 電位差検出部
170B 回路切替部
180B 定電流生成部
190B ユーザ情報入力部
201、202、203、204 クリップ
300 ベルト
310 押し当て部材
321 ベルト部
322 バックル
400 胴体縦横幅測定ユニット
400B 体格情報計測部
40 ユニット本体
41 第1接触部
42 第2接触部
43 第3接触部
441、442、443 ロータリエンコーダ
451、452、453 マイクロスイッチ
500 コンセント
6 ベッド
7 連動機構
71 第1ラックアンドピニオン機構
72 回転軸
73 第1ラックアンドピニオン機構
E 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニット本体と、
前記ユニット本体に対して垂直方向に移動可能に取り付けられ、仰臥位のユーザの胴体上面に接触する第1接触部と、
前記ユニット本体に対して水平方向に移動可能に取り付けられ、仰臥位のユーザの胴体の一方の側面に接触する第2接触部と、
前記ユニット本体に対して水平方向に移動可能に取り付けられ、仰臥位のユーザの胴体の他方の側面に接触する第3接触部と、
前記第1接触部がユーザの胴体上方の原点位置から胴体上面に接触するまでの下降距離を検出する縦幅検出用エンコーダと、
前記ユニット本体に対して前記第2接触部及び前記第3接触部のうちの一方の接触部の移動距離に連動して移動可能に取り付けられ、他方の接触部の前記一方の接触部に対する相対的な移動距離を検出する横幅検出用エンコーダと、
を備えることを特徴とする胴体縦横幅測定ユニット。
【請求項2】
前記ユニット本体が、
前記一方の接触部の移動に連動して、前記横幅検出用エンコーダを水平方向に移動させる連動機構を有することを特徴とする請求項1に記載の胴体縦横幅測定ユニット。
【請求項3】
前記横幅検出用エンコーダは、前記第2接触部及び前記第3接触部のうちの一方の接触部の移動距離と同じ距離を移動可能であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の胴体縦横幅測定ユニット。
【請求項4】
前記連動機構が、
前記一方の接触部の直進運動を回転運動に変換する第1ラックアンドピニオン機構と、
前記第1ラックアンドピニオン機構によって回転駆動される回転軸と、
前記回転軸の回転運動を前記横幅測定用エンコーダを収容するケーシングの直進運動に変換する第2ラックアンドピニオン機構と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の胴体縦横幅測定ユニット。
【請求項5】
前記連動機構が、
前記一方の接触部と前記横幅測定用エンコーダを収容するケーシングとを連結するワイヤまたはベルトを備えることを特徴とする請求項2に記載の胴体縦横幅測定ユニット。
【請求項6】
前記横幅検出用エンコーダが、前記一方の接触部と一体的に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の胴体縦横幅測定ユニット。
【請求項7】
ユーザが臥せている面から前記第1接触部の原点位置までの高さと、
前記縦幅検出用エンコーダが検出する前記第1接触部の下降距離と、
に基づいて、ユーザが臥せている面から前記第1接触部の接触位置までの高さを算出することにより、ユーザの胴体の縦幅を決定し、
前記第2接触部及び前記第3接触部がそれぞれ原点位置にあるときの前記第2接触部と前記第3接触部との間の距離と、
前記第2接触部及び前記第3接触部が胴体側面に接触したときに前記横幅検出用エンコーダが検出する前記他方の接触部の前記一方の接触部に対する相対的な移動距離と、
に基づいて、前記第2接触部と前記第3接触部との間の距離を算出することにより、ユーザの胴体の横幅を決定する胴体縦横幅算出部を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の胴体縦横幅測定ユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の胴体縦横幅測定ユニットを備えており、
前記胴体縦横幅測定ユニットを用いて得られる胴体の縦横幅から算出される胴体のうち腹部を通り胴体の体軸に垂直な断面の胴体断面積と、
手足から胴体を通るように電流を流し、胴体表面の一部の電位差を測定することで得られた胴体全体のインピーダンス情報と、
胴体の表層付近を通るように電流を流し、胴体表面の一部の電位差を測定することで得られた胴体表層部のインピーダンス情報と、
に基づいて、内臓脂肪量を算出することを特徴とする内臓脂肪測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−69250(P2010−69250A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243169(P2008−243169)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】