説明

脂肪細胞分化抑制物質およびその製造方法

【課題】脂肪細胞の強力な分化抑制作用を有し、医薬品、飲食品等の分野においても有用な、長期安定性を有する脂肪細胞分化抑制物質を容易に製造する。
【解決手段】本発明の脂肪細胞分化抑制物質は、pH6.0〜pH8.5に調節した麦類若葉の搾汁液またはその濃縮液を乾燥して得られるものとしており、分子量5000以下の画分であることが好ましい。本発明の飲食品は、前記脂肪細胞分化抑制物質を含有するものとしている。本発明の脂肪細胞分化抑制物質の製造方法は、麦類若葉の搾汁液またはその濃縮液に、無機アルカリ塩または有機アルカリ塩の一種または二種以上を加え、pH6.0〜pH8.5に調節したものを噴霧乾燥または凍結乾燥するものとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経口摂取することにより肥満の予防に有用な脂肪細胞分化抑制物質、およびこの脂肪細胞分化抑制物質を含有する飲食品、ならびにその脂肪細胞分化抑制物質の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日本および欧米諸国では、糖尿病、高血圧、動脈硬化などの症状が重複するメタボリックシンドロームとよばれる病態をもつ患者が増加している。メタボリックシンドロームには肥満が深く関わっていると考えられている。肥満は、過食によるエネルギーの過剰摂取や運動不足による消費エネルギー低下などにより、脂肪細胞数の増加や脂肪細胞自身の肥大化が起こり、脂肪が過剰に蓄積した状態をいう。脂肪を過剰に蓄積した肥大脂肪細胞からは各種のアディポサイトカインが分泌され、その結果、インスリン抵抗性や高血圧、高脂血症などが誘導される。肥満やメタボリックシンドロームを制御するためには脂肪前駆細胞の肥大脂肪細胞への分化および脂肪蓄積の機構を解明することが重要な課題であり、この肥大脂肪細胞への分化および脂肪滴蓄積を抑制することが肥満の予防に繋がるものと考えられる。
【0003】
従来、肥満の予防に有用な物質としては、イネ科植物の種子および/または地上部茎葉から抽出される成分を有効成分とする脂肪前駆細胞からの脂肪細胞分化抑制物質が存在することが開示されている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1におけるイネ科植物としては、特に稲、米、小麦、大麦(裸麦)、粟、稗が好ましいとしている。
【0005】
また、特許文献1における抽出は、有機溶媒を用いて行うことができるとしており、特にヘキサン可溶成分除去後のエタノール抽出物を用いて行うのが好ましいとしている。
【0006】
さらに、特許文献1の製造例4においては、種子部分を除いた大麦(裸麦)地上部(茎、穂)1kgにメタノール3000mlを加え、3時間還流し、乾燥し、メタノール抽出エキスを水、ブタノール液液配分により分画したとしている。ブタノール分画はさらにエ−テル可溶物と不溶物とに分け、それぞれ、エ−テル不溶物5.3g、エ−テル可溶物6.7g、水溶性画分(水層画分)16gを得たとしている。
【0007】
前記製造例4で得られた水層画分について、脂肪前駆細胞である3T3−L1細胞の細胞分化抑制作用を調べた結果を特許文献1の図4に示している。水溶性画分の添加物濃度0.1〜300μg/mlの範囲でGPDH(グリセロール−3−リン酸脱水素酵素)活性、TG(トリグリセライド)含量に対して抑制作用が示されたとしている。エ−テル不溶画分についてもGPDH活性が抑制され、TG含量についても同様に抑制されたとしている。
【特許文献1】特開平2005−247695号公報(第2、3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の脂肪細胞分化抑制物質は、多種類のイネ科植物を有効成分とすると共に、これらイネ科植物の多肢に亘る部分、すなわち種子、葉、茎などを有効成分としているため、脂肪細胞の安定した分化抑制作用を得ることができないと共に強力な分化抑制作用を得ることができないという課題を有していた。
【0009】
そこで、本発明者らは、麦類若葉が多彩な生理作用を有しており、特に大麦若葉の搾汁液粉末が抗潰瘍作用、抗高コレステロール作用、抗炎症作用、血糖降下作用、抗変異原作用、抗血栓作用および血管保護作用を有することが報告されていることから、この研究の一環として、大麦若葉の搾汁液粉末の分画成分中に脂肪細胞の分化抑制作用を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、脂肪細胞の強力な分化抑制作用を有し、医薬品、飲食品等の分野においても有用な脂肪細胞分化抑制物質を提供することを課題とする。
【0011】
また、新鮮な生の緑色野菜の青汁粉末化においては、従来法では緑色野菜の搾汁液から得られた青汁粉末はその製造過程において緑色の劣化、酸化による成分の変化等が著しく、また得られた粉末の吸湿性が高く、得られた粉末製品の長期安定性(例えば6ヶ月〜2年間)においては十分満足すべきではない大きな欠点があった。そのために最終商品化後の上記に示す種々の変化、変質による製品の改良が強く望まれていた。本発明者らはこのような変化、変質を抑えて安定性を高め、長期安定な新鮮な生の緑色植物粉末食品の製法を完成することに成功し、本発明の脂肪細胞分化抑制物質を容易に提供することを可能にした。
【0012】
さらに、一般に新鮮な生野菜類を機械的に搾汁して青汁を作るときは、生野菜類に含まれる多種多様の酵素が青汁の成分を分解するが、青汁は空気に触れることにより強く酸化作用を受け、また常温では30分間も安定に保つことはできず、色の変化、味や香りの変化が起こることは良く知られていることである。その青汁を噴霧乾燥又は凍結乾燥するときには経済的生産性を考慮して一般的には青汁のエキス分又は固形分の濃度を高めてから噴霧又は凍結乾燥するのでその濃縮過程の時間と濃度の関係により青汁はかなりの変化を免れないのである。そのために、得られた粉末製品の鮮度、色調、特にクロロフィルによる緑色、味、香り、その他の含有成分の分解、変性等が起こり易い状態であった。この点が従来法においては大きな欠点であった。本発明者らはこの点を解決すべく研究を重ね、安定な脂肪細胞分化抑制物質の製造に成功した。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の脂肪細胞分化抑制物質は、pH6.0〜pH8.5に調節した麦類若葉の搾汁液またはその濃縮液を乾燥して得られるものとしており、分子量5000以下の画分であることが好ましい。
【0014】
そして、本発明の飲食品は、前記脂肪細胞分化抑制物質を含有するものとしている。
【0015】
さらに、本発明の脂肪細胞分化抑制物質の製造方法は、麦類若葉の搾汁液またはその濃縮液に、無機アルカリ塩または有機アルカリ塩の一種または二種以上を加え、pH6.0〜pH8.5に調節したものを噴霧乾燥または凍結乾燥するものとしている。
【0016】
また、本発明の脂肪細胞分化抑制物質の製造方法は、麦類若葉の搾汁液またはその濃縮液に、無機アルカリ塩または有機アルカリ塩の一種または二種以上を加え、pH6.0〜pH8.5に調節して噴霧乾燥または凍結乾燥したものを水抽出し、遠心濾過機により分子量5000以下の画分に分画するものとしている。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、脂肪細胞の強力な分化抑制作用を有し、医薬品、飲食品等の分野においても有用な脂肪細胞分化抑制物質を提供することができるものとなった。
【0018】
さらに、本発明は、長期安定な脂肪細胞分化抑制物質を容易に製造することができるものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
先ず、本発明の画分を得るための麦類若葉の搾汁液粉末の製造方法を説明する。
【0021】
新鮮な生の緑色植物を搾汁して得られた青汁に、速やかに塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化カルシウム等の無機アルカリ塩、または有機酸カルシウム等の有機アルカリ塩の一種または二種以上を、それぞれ0.02〜1重量%、好ましくは0.03〜0.3重量%添加する。このような塩類濃度を選択した理由は、濃縮により塩類濃度が高くなるのを調節するためである。
【0022】
前記操作においては、pH6.0〜8.5に保つことが必要である。一般的には新鮮植物の青汁は通常pH5.0〜6.0の弱酸性であるが、黴や腐敗菌は通常pH5.0〜6.0で活性が大となる。さらにまた、前記無機アルカリ塩または有機アルカリ塩の一種または二種以上をそれぞれ0.03〜0.3重量%、青汁に添加することにより、青汁成分の変質を可及的に防止することを見出した。
【0023】
かくして、本発明の脂肪細胞分化抑制物質の製造方法は、塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化カルシウム等の無機アルカリ塩、または有機酸カルシウム等の有機アルカリ塩の一種または二種以上をそれぞれ添加し、pH6.0〜8.5に調節した後、直ちにまたは青汁の濃縮工程を経た後、噴霧乾燥または凍結乾燥することにより、生成物が著しく安定化した。
【0024】
本発明で好適に使用される麦類植物としては、大麦が最も適しているが、裸麦、小麦、トウモロコシ、燕麦、ハト麦、イタリアンダイグラス、キビ等も使用できる。
【0025】
本発明では、緑色植物、特に大麦緑葉、裸麦緑葉の新鮮な成熟期前の若葉が特に適している。
【0026】
そこで、大麦緑葉を収穫した直後、機械的に搾汁し、固形分を濾過、遠心分離機等により除去して搾汁液を調製する。次いで、搾汁液を噴霧乾燥、凍結乾燥等して搾汁液粉末を調製する。得られた搾汁液粉末を水またはn−ヘキサンにより抽出し、水可溶性成分を回収して噴霧乾燥、凍結乾燥等により搾汁液粉末を調製する。
【0027】
そして、前記搾汁液粉末を緩衝液に溶解し、限外濾過膜により所定の分子量の画分、分子量3000以下の画分、分子量3000〜5000の画分、分子量5000〜10000の画分、分子量10000以上の画分を調製した。
【0028】
マウス脂肪前駆細胞株3T3−L1(24ウエルプレートに3.0×104 /2ml/well)を基本培地(10%FBS含有DF培地)で4日間培養後、分化誘導因子としてDEX(デキサメタゾン)1μM、およびIBMX(3−イソブチル−1−メチルキサンチン)0.5mMを含有する基本培地(Initiation Media)に、前記所定の分子量の画分を添加して4日間培養し、成熟脂肪細胞へ分化誘導させる。その後、インスリン10μg/mlのみを含有する基本培地(Progression Media)で4日間培養後、誘導物質を含まない基本培地(10%FBS含有DF培地)(Maintenance Media)に置き換えて5日間培養する。
【0029】
以上、17日間培養後、10mM−PBS(pH7.0)で細胞を洗浄し、細胞内に蓄積された中性脂肪をオイルレッドO溶液で染色し、室温で30分間プラットホームロッカーに乗せた。洗浄液で染色液を洗った後、色素抽出溶液に置き換えて、再び室温で30分間プラットホームロッカーに乗せ、脂肪滴内に溜まった脂肪と結合したオイルレッドO色素を抽出した。これを96ウエルプレートに200μLずつ採り、マイクロプレートリーダーにより492nmにおける吸光度を測定し、成熟脂肪細胞の分化度を算出した。
【0030】
その結果、本発明の脂肪細胞分化抑制物質は、分子量3000以下および分子量3000〜5000の画分が、特に脂肪細胞分化抑制作用に優れていることが判明した。したがって、本発明の脂肪細胞分化抑制物質は、分子量5000以下の画分であることが好ましいといえる。
【0031】
また、本発明の脂肪細胞分化抑制物質は、1v/v%および3v/v%の添加濃度が、特に脂肪細胞分化抑制作用に優れていることが判明した。したがって、本発明の脂肪細胞分化抑制物質は、1〜3v/v%の添加濃度であることが好ましいといえる。
【0032】
さらに、本発明の飲食品としては、清涼飲料水、牛乳、御飯、パン、菓子などを挙げることができ、脂肪細胞分化抑制物質を含有させるには、飲食品の製造工程で添加したり混練したり、飲食に供する直前に飲食品に添加して溶解させたりすることができる。
【0033】
本発明をさらに以下の実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0034】
〔脂肪細胞分化抑制物質の製造例1〕
大麦若葉4kg(エキス200g)を水洗後、ジューサーで搾汁し、濾過した生青汁4Lに塩化ナトリウム濃度が0.08重量%、重炭酸ナトリウム濃度が0.02重量%になるように塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウムを添加し、さらにデキストリンを100g添加して、溶解後、送風温度190℃、排風温度130℃で噴霧乾燥を行い、本発明の脂肪細胞分化抑制物質250gを得た。
【0035】
〔脂肪細胞分化抑制物質の製造例2〕
大麦若葉4kgを水洗後、ジューサーで搾汁し、濾過した生青汁4Lを10℃において、塩化ナトリウム濃度が0.1重量%、重炭酸ナトリウム濃度が0.05重量%になるように塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウムを添加し、溶解後、減圧乾燥し、濃縮液1Lを得た。得られた濃縮液に可溶性澱粉250gを溶解後、送風温度180℃、排風温度120℃で噴霧乾燥を行い、本発明の脂肪細胞分化抑制物質420gを得た。
【0036】
〔脂肪細胞分化抑制物質の分画〕
製造例1で得られた脂肪細胞分化抑制物質10gを精製水100mLで、4℃において20時間抽出し、遠心分離を10,000×g、15分間行い、上清を0.22μmフィルターにより濾過を行い、抽出液を得た。得られた抽出液を、遠心式フィルターユニット(Amicon Ultra−15 10,000 MWCO)を用いて、遠心分離を3,000×g、1時間行い、10kd以上の分子量画分を分画後、濾液を遠心式フィルターユニット(Amicon Ultra−15 5,000 MWCO)を用いて、遠心分離を3,000×g、1時間行い、5〜10kdの分子量画分を分画後、濾液を遠心式フィルターユニット(Amicon Centriplus YM−3)を用いて、遠心分離を3,000×g、1時間行い、3〜5kdの分子量画分を分画後、濾液を3kd以下の分子量画分として分画した。
【0037】
〔脂肪前駆細胞の脂肪細胞への分化抑制の実験例1〕
マウス脂肪前駆細胞株3T3−L1(24ウエルプレートに3.0×104 /2ml/well)を基本培地(10%FBS含有DF培地)で4日間培養後、分化誘導因子としてDEX(デキサメタゾン)1μM、およびIBMX(3−イソブチル−1−メチルキサンチン)0.5mMを含有する基本培地(Initiation Media)に、所定の分子量画分を添加して4日間培養(A)し、成熟脂肪細胞へ分化誘導させる。
【0038】
その後、インスリン10μg/mlのみを含有する基本培地(Progression Media)で4日間培養(B)後、誘導物質を含まない基本培地(10%FBS含有DF培地)(Maintenance Media)に置き換えて5日間培養(C)する。
【0039】
以上、17日間培養後、10mM−PBS(pH7.0)で細胞を洗浄し、細胞内に蓄積された中性脂肪をオイルレッドO溶液で染色し、室温で30分間プラットホームロッカーに乗せた。洗浄液で染色液を洗った後、色素抽出溶液に置き換えて、再び室温で30分間プラットホームロッカーに乗せ、脂肪滴内に溜まった脂肪と結合したオイルレッドO色素を抽出した。これを96ウエルプレートに200μLずつ採り、マイクロプレートリーダーにより492nmにおける吸光度を測定し、成熟脂肪細胞の分化度を算出した。
【0040】
すなわち、前記所定の分子量画分(3〜5kdの分子量画分)を、(A)、(B)および(C)の全過程に0.1v/v%、1v/v%、3v/v%および10v/v%添加したとき、図1に示すように、マウス脂肪前駆細胞株3T3−L1の脂肪細胞への分化が、前記抽出液の濃度依存的に約30〜50%抑制された。
【0041】
〔脂肪前駆細胞の脂肪細胞への分化抑制の実験例2〕
マウス脂肪前駆細胞株3T3−L1(24ウエルプレートに3.0×104 /2ml/well)を基本培地(10%FBS含有DF培地)で4日間培養後、分化誘導因子としてDEX(デキサメタゾン)1μM、およびIBMX(3−イソブチル−1−メチルキサンチン)0.5mMを含有する基本培地(Initiation Media)に、所定の分子量画分を添加して、4日間培養(A)し、成熟脂肪細胞へ分化誘導させる。
【0042】
その後、インスリン10μg/mlのみを含有する基本培地(Progression Media)で4日間培養(B)後、誘導物質を含まない基本培地(10%FBS含有DF培地)(Maintenance Media)に置き換えて5日間培養(C)する。
【0043】
以上、17日間培養後、10mM−PBS(pH7.0)で細胞を洗浄し、細胞内に蓄積された中性脂肪をオイルレッドO溶液で染色し、室温で30分間プラットホームロッカーに乗せた。洗浄液で染色液を洗った後、色素抽出溶液に置き換えて、再び室温で30分間プラットホームロッカーに乗せ、脂肪滴内に溜まった脂肪と結合したオイルレッドO色素を抽出した。これを96ウエルプレートに200μLずつ採り、マイクロプレートリーダーにより492nmにおける吸光度を測定し、成熟脂肪細胞の分化度を算出した。
【0044】
すなわち、前記所定の分子量画分(3kd以下の分子量画分、3〜5kdの分子量画分、5〜10kdの分子量画分、10kd以上の分子量画分および未分画分)の1v/v%を(A)、(B)および(C)の全過程に添加したとき、図2に示すように、マウス脂肪前駆細胞株3T3−L1の脂肪細胞への分化が、前記抽出液の濃度依存的に約20〜40%抑制された。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は実験例1におけるマウス脂肪前駆細胞株3T3−L1の脂肪細胞への分化抑制度を表す図である。
【図2】図2は実験例2におけるマウス脂肪前駆細胞株3T3−L1の脂肪細胞への分化抑制度を表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
pH6.0〜pH8.5に調節した麦類若葉の搾汁液またはその濃縮液を乾燥して得られた脂肪細胞分化抑制物質。
【請求項2】
分子量5000以下の画分である請求項1の脂肪細胞分化抑制物質。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の脂肪細胞分化抑制物質を含有する飲食品。
【請求項4】
麦類若葉の搾汁液またはその濃縮液に、無機アルカリ塩または有機アルカリ塩の一種または二種以上を加え、pH6.0〜pH8.5に調節したものを噴霧乾燥または凍結乾燥することを特徴とする脂肪細胞分化抑制物質の製造法。
【請求項5】
麦類若葉の搾汁液またはその濃縮液に、無機アルカリ塩または有機アルカリ塩の一種または二種以上を加え、pH6.0〜pH8.5に調節して噴霧乾燥または凍結乾燥したものを水抽出し、遠心濾過機により分子量5000以下の画分に分画することを特徴とする脂肪細胞分化抑制物質の製造法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−56580(P2008−56580A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232943(P2006−232943)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 研究集会名 日本薬学会第126年会 主催者名 社団法人日本薬学会 発表日 平成18年3月28日
【出願人】(501028574)日本薬品開発株式会社 (9)
【Fターム(参考)】