説明

脊柱の安定化のためのシステム、装置および方法

軸線(L)に沿って延びる細長い支持部材(22)およびそれぞれの椎骨に固定するように構成された複数のアンカー部材(24)を含む、脊柱の安定化のためのシステムが提供される。第1のアンカー部材(24a)が、第1のアンカー部材(24a)に対する支持部材(22)の軸線方向動作を実質的に妨げるように支持部材(22)に係合し、第2のアンカー部材(24b)が、第2のアンカー部材(24b)に対する支持部材(22)の実質的な非抑制軸線方向動作を可能にするように支持部材(22)に係合する。他の実施形態では、第3のアンカー部材(24c)が、同様に第3のアンカー部材(24c)に対する支持部材(22)の実質的に非抑制とされる軸線方向動作を可能にするように支持部材(22)に係合し、第2および第3のアンカー部材(24b、24c)は第1のアンカー部材(24a)の向かい合う両側に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に脊柱を治療するためのシステム、装置および方法に関し、より詳細には多数の椎骨に固定された1つまたは複数の細長い部材を使用して脊柱の一部分を安定させるためのシステム、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脊椎は、その負荷および支持能力を損なう様々な病理の影響を受けやすい。脊椎のそのような病理には、例えば変性疾患、腫瘍の影響、および身体の創傷を原因とする骨折および転位がある。1つまたは複数の脊椎の可動部分(2つ以上の隣接する椎骨および椎間板組織またはそれらの間の椎間板腔を含む)に影響する、特に椎間板組織に影響する、疾患、変形または損傷の治療では、変性、破損またはその他の損傷した椎間板の一部または全部を取り除く必要な場合がある。椎間板物質を取り除いた後、人工椎間板、固定インプラント、または他の体内装置を椎間板腔に設置することができることも知られている。脊椎可動部分の単独または体内装置と組み合わせた外部安定化は、1つまたは複数の細長いプレート、ロッドまたは他の外部安定化装置を脊柱に取り付けることによって達成することができる。
【0003】
さらに、脊椎の変形、特に脊柱側湾症を治療するための現行の手術法には、何らかの形態の内部固定装置による脊椎湾曲の矯正があり、矯正された状態での脊椎の固定は、隣接する椎骨間に骨移植片を設置することによって達成することができる。固定を行なう際に脊柱を矯正し安定させるために、いくつかの計測システムが利用可能である。非手術的方法もあり、適用可能なときは使用することができる。これらの非手術的方法には、例えばブレース装着および観察がある。
【0004】
皮下ロッドを使用して湾曲を安定化させる幼児または若年の脊柱側湾症患者は、成長とともに延長および調節のために複数の外科手術手技を受ける。容易に理解されるように、脊柱の治療に必要な外科手術手技の回数は、一般に最小限にすることが好ましい。さらに、骨格的に未成熟な患者における前方または後方脊椎固定は、椎体の高さおよび周囲の寸法に損失が生じることが多い。起きることがある別の問題は、子供の中には最終的な固定術に必要な外科手術手技に身体的に耐えることができないものもいる、ということである。さらに、脊柱側湾症のために体外に装具(ブレース)装着する青年期の患者では、自己イメージが悪くなることがある。また、装具装着による湾曲の安定化は、患者の約75%でしか成功していない。
【0005】
従来の脊椎安定化および支持システムは正しい方向の一工程であるが、さらに改善の余地が残されている。例えば、従来の安定化システムを埋め込んだ後、脊椎構造に関連する1つまたは複数の構成部分を調整するために追加の外科手術が必要になる場合がある。これは特に、脊柱の継続的な成長に対応する(例えば、脊椎可動部分間の距離の増加を補償する)ように脊椎構造を周期的に延長しなければならない成長中の患者、特に10歳未満の患者に関する場合に当てはまる。場合によっては、6ヵ月ごとに調整が必要な場合があり、治療プロセスを通して複数の外科手術が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、1つまたは複数の細長い部材を使用して脊柱の一部分を安定化させるための改善されたシステム、装置および方法が、業界で一般に必要とされている。特に未成熟な脊椎を有する小児患者において、患者の脊柱の継続的な成長に対応するための調整の回数および/または頻度を低減する、改善されたシステム、装置および方法もまた必要とされている。本発明はこれらおよび他の必要性を満たし、他の利益および利点を新規および非自明に提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は一般に、多数の椎骨に固定された1つまたは複数の細長い部材を使用して脊柱の一部分を安定化させるためのシステム、装置および方法に関する。本明細書で説明される本発明の実際の性質は、本明細書に添付の特許請求の範囲を参照してはじめて判断できるものであり、本明細書で開示された好ましい実施形態の特徴である本発明のある形態を、以下の通り簡略に説明する。
【0008】
本発明の一形態では、装置が細長い支持部材を脊柱に取り付けるために提供され、装置は椎骨に係合可能な骨係合部を有するアンカー部材と、前記支持部材の一部分を受けるように構成された通路を画成する受け部と、受け部に係合して支持部材を通路内に維持する連結部材とを含み、受け部および連結部材は連結部材が支持部材を受け部に対して圧迫を妨げるように協働し、それによってアンカー部材に対する支持部材の実質的に非抑制とされる軸線方向動作を可能にする、構造的特徴を含む。
【0009】
本発明の別の形態では、脊柱の安定化のためのシステムが提供され、システムは軸線(軸)に沿って延び脊柱に沿って配置された細長い支持部材、および各椎骨に固定されるように構成された複数のアンカー部材を含み、第1のアンカー部材が第1のアンカー部材に対する支持部材の軸線方向動作を実質的に妨げるように支持部材に係合し、第2のアンカー部材が第2のアンカー部材に対する支持部材の実質的に非抑制とされる軸線方向動作を可能にするように支持部材に係合する。
【0010】
本発明の別の形態では、システムが脊柱の安定化のために提供され、システムは軸線に沿って延び脊柱に沿って配置される細長い支持部材、および各椎骨に固定されるように構成された複数のアンカー部材を含む。各アンカー部材は、椎骨に係合可能な骨係合部、および支持部材の一部分を中に受けるように構成された通路を画成する受け部を含む。システムはまた、第1のアンカー部材に係合して支持部材を通路内に維持する第1の連結部材を含み、第1の連結部材は細長い部材を第1の連結部材の受け部に対して圧迫するように第1のアンカー部材と協働して、それによって第1のアンカー部材に対する支持部材の軸線方向動作を実質的に妨げる。システムはさらに、第2のアンカー部材に係合して支持部材を通路内に維持する第2の連結部材を含み、第2の連結部材および第2のアンカー部材は、第2の連結部材が支持部材を第2のアンカー部材の受け部に対して圧迫を妨げるように協働し、それによって第2のアンカー部材に対する支持部材の実質的に非抑制とされる軸線方向動作を可能にする、構造的特徴を含む。
【0011】
本発明の別の形態では、脊柱を安定化させるために方法が提供され、方法は軸線に沿って延びる細長い支持部材を設け、複数のアンカー部材を設ける工程、第1のアンカー部材を第1の椎骨に固定する工程、第2のアンカー部材を第2の椎骨に固定する工程、第1のアンカー部材を第1のアンカー部材に対する支持部材の軸線方向動作を実質的に妨げるように支持部材に係合する工程、および第2のアンカー部材を第2のアンカー部材に対する支持部材の実質的に非抑制とされる軸線方向動作を可能にするように支持部材に係合する工程を含む。
【0012】
本発明の1つの目的は、1つまたは複数の細長い部材を使用して脊柱の一部分を安定化させるための改善されたシステム、装置および方法を提供することである。本発明の他の目的、特徴、利点、利益および態様は本明細書に含まれる図面および説明から容易に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の原理を理解しやすくするために、図面に示された実施形態を参照し、それを説明するために特定の用語を使用する。しかしながら、これにより本発明の範囲は制限されず、当業者であれば通常想起するように、図示された装置への改変およびさらなる修正、ならびに本明細書に図示された本発明の原理の他の適用も企図されていることを理解されたい。
【0014】
図1および図2を参照すると、脊柱の少なくとも一部分を安定化させるための本発明の一形態による安定化システム20が示されている。図示された実施形態では、安定化システム20は椎骨V〜Vを含む複数の椎骨レベルにわたって延びている。しかし、安定化システム20は2つ以上の椎骨を含むどのような数の椎骨レベルにわたって延びることもできることを理解されたい。さらに、図示された実施形態では、安定化システム20は脊椎の後面に取り付けられている。しかし、安定化システム20は、脊椎の前面、前側面、側面および/または後側面を含む、脊椎の他の面に取り付けることもできることも理解されたい。さらに、安定化システム20は脊椎の胸椎領域と関連して使用されていることが図示されているが、安定化システム20は、脊椎の頚椎、腰椎、腰仙、仙骨領域を含む、脊椎の他の領域で使用することもできることを理解されたい。安定化システム20は、脊椎の固定または非固定治療と関連して使用することができることも理解されたい。
【0015】
本発明の図示された実施形態では、安定化システム20は、それぞれが長手方向軸線Lに沿って延び、複数のアンカー部材24によって多数の椎骨レベルにわたって係合する一対の細長い部材22を含む。しかし、安定化システム20は、単一の細長い部材または3つ以上の細長い部材を含む、どのような数の細長い部材22を使用することもできることを理解されたい。図示された実施形態では、細長い部材22は胸椎湾曲の冠状面尖端またはその付近(例えば、隣接する椎骨V)にアンカー部材24aの第1の対によって、冠状面尖端より1つまたは複数のレベル上の位置(例えば、隣接する椎骨V)にアンカー部材24bの第2の対によって、および胸椎湾曲の冠状面尖端より1つまたは複数のレベル下の位置(例えば、隣接する椎骨V)にアンカー部材24cの第3の対によって、脊椎に係合する。このような様式による1つまたは複数の細長い部材の脊椎への係合は、多くの場合Shilla法といわれる。細長い部材22は特に椎骨V、VおよびVに係合していることが具体的に図示されているが、細長い部材22は椎骨V〜Vのそれぞれに、椎骨V〜Vに1つおきに、または椎骨V〜Vの任意の数に、他のレイアウトまたは取付け構成によって係合することもできることを理解されたい。
【0016】
本発明の一態様によれば、安定化システム20は脊椎の治療する部分に側方の安定または支持をもたらすように構成されているが、同時に細長い部材22が係合されている椎骨間に少なくともある程度の相対的な軸方向動作および運動を可能にする。一実施形態では細長い部材22と少なくとも1つのアンカー部材24の係合は、それらの間の相対的な軸線方向動作を実質的に妨げるように固定であり、または抑制されており、細長い部材22と少なくとも1つのアンカー部材24の係合は、それらの間の相対的な軸線方向動作を可能にするように可変であり、または抑制されない。細長い部材22とアンカー部材24の間の固定および可変の係合の組合せによって、細長い部材22が係合されている椎骨(例えば、椎骨V、VおよびV)間に、ある程度の相対的な軸線方向動作または運動がもたらされる。一実施形態では、細長い部材22に可変に係合するアンカー部材24によって、アンカー部材24は細長い部材22の軸線方向長さに沿って(例えば、全体的に矢状面に沿った方向に)摺動動作することが可能であり、これにより患者の脊椎の継続的な成長に対応する椎骨間の相対的な軸線方向動作または運動が可能となる。
【0017】
本発明の図示された実施形態では、中間アンカー部材24aは固定または抑制形式であり、細長い部材22とアンカー部材24aの間の相対的な軸線方向動作を実質的に妨げるようになっており、また細長い部材22と椎骨Vの間の相対的な軸線方向動作も実質的に妨げる。さらに、外側アンカー部材24b、24cはそれぞれ可変または非抑制形式であり、細長い部材22とアンカー部材24b、24cの間の相対的な軸線方向動作を可能にするようになっている。細長い部材22とアンカー部材24b、24c間のそのような可変または非抑制的な係合は、同様に細長い部材22と椎骨V、Vの間の相対的な軸線方向動作を可能にし、これにより患者の脊椎の成長に対応するように各椎骨V、VおよびV(および中間椎骨V、VおよびV、V)間の相対的な軸線方向動作が可能となる。したがって細長い部材22は、脊椎の治療する部分に、側方の安定または支持をもたらすが、同時に患者の脊椎の成長に対応するように実質的に非制限的または非阻害的な軸線方向動作を可能にする。
【0018】
本発明の一実施形態では、細長い部材22のそれぞれが一般に細長い繋ぎとして、より詳細には細長い脊椎ロッドとして構成されている。図示された実施形態では、脊椎ロッド22は全体的に円形の外形断面をそれぞれ有するが、例えば、楕円形、三角形、長方形、六角形もしくは多角形の形状および構成、または他の適切な形状もしくは構成を含む、他の適切な断面も本発明の範囲内であることが企図されている。本発明の別の実施形態では、細長い部材22は脊柱の治療する部分に、ある程度の側方の安定または支持をもたらすために適切な剛性または半剛性の構成を有する。しかし、他の実施形態では、細長い部材22は可撓性または半可撓性の構成を有することができ、弾性または半弾性の特性を有することもできる。
【0019】
細長い部材22はロッド構成を有することが図示されているが、細長い部材22はまた、例えばプレート、ケーブル、ワイヤ、人工繊維、人工靭帯、ばね、あるいは脊椎の少なくとも一部分を安定および/または支持するために適切な、当業者には既知である他の形式の細長い部材など、他の構成をとることもできることを理解されたい。一実施形態では、細長い部材22は、例えばチタン、チタン合金、ステンレス鋼、クロム−コバルト合金、ニチノールなどの形状記憶もしくは超弾性材料、または当業者には既知である他の適切な金属材料などの金属材料から形成される。他の実施形態では、細長い部材22は、例えばポリエステルもしくはポリエチレンなどのポリマー、または合成材料から形成することができる。
【0020】
本発明の図示された実施形態では、アンカー部材24は椎骨に係合するように構造的に構成された骨係合部32、および脊椎ロッド22の1つに係合するように構造的に構成された受け部34を含む骨アンカー30として構成されている。以下で詳細に示すように、例示の実施形態では、アンカー部材は骨ねじとして構成されている。しかし、例えば脊椎フック、ステープル、様々な形式および構成のコネクタ、あるいは1つまたは複数の脊椎ロッド22が脊柱に係合するために適切な、当業者には既知である他の形式のアンカー部材を含む他の形式および構成のアンカー部材も、本発明の範囲内であると企図されていることを理解されたい。一実施形態では、アンカー部材24は、例えばチタン、チタン合金、ステンレス鋼、クロム‐コバルト合金、ニチノールなどの形状記憶もしくは超弾性材料、または当業者には既知である他の適切な金属材料などの金属材料から形成される。他の実施形態では、アンカー部材24は、例えばポリエステルもしくはポリエチレンなどのポリマー、または合成材料から形成することができる。
【0021】
図3および4を参照すると、脊椎ロッド22に対して軸線方向動作を可能にするように構成された可変または非抑制形式のアンカー部材24b、24cの一実施形態が示されている。図示された実施形態では、アンカー部材24b、24cは長手方向軸線102に沿って延びる骨スクリュー100として、より詳細には椎弓根スクリューとして構成されている。しかし、他の形式および構成の骨スクリューも本発明に関連する使用に企図されていることを理解されたい。
【0022】
骨スクリュー100は一般に、骨に係合する構成のねじ形成されたシャフト部104、および脊椎ロッド22の1つに係合する構成の頭部106を含む。図示された実施形態では、ねじ形成されたシャフト部104および頭部106は、単一部品の骨スクリューを画成するように互いに一体型に形成されている。しかし、本発明の他の実施形態では、ねじ形成されたシャフト部104および頭部106を別個に形成し、その後一体型の骨スクリュー組立体を画成するように互いに係合することもできる。図示された実施形態では、アンカー部材24b、24cはまた、目的および詳細は後述するが、脊椎ロッド22と骨スクリュー100との間の相対的な軸線方向動作を可能にするように、可変または非抑制的な様式で、骨スクリュー100の頭部106内で脊椎ロッド22を捕捉し維持するように構成された連結部材108も含む。
【0023】
シャフト部104は雄ねじを画成することが図示および説明されているが、あるいはシャフト部104は、例えば棘、歯、枢動するガル、または当業者には既知である他の適切なアンカー特徴など、骨に固定するための他の特徴を画成できることを理解されたい。さらに、図示された実施形態では、頭部106は、頭部106を横切って延び、脊椎ロッド22の1つを中に受ける寸法および構成の、通路110を画成する。一実施形態では、通路110は、基部112および基部112から延びる一対の離間した腕部114a、114bによって画成される。横向き通路110は実質的にU字形であり、基部112が凹状の下面116を画成し、腕部114a、114bが互いに対して実質的に平行に配置されており、一対の離間した側面118a、118bを画成する。横向き通路110は好ましくは、目的は後述するが、細長い部材22と頭部106の下面116および側面118a、118bとの間に比較的密接な嵌合をもたらすように構成されている。頭部106の特定の構成が本明細書において図示および説明されているが、他の形式および構成のスクリュー頭部ならびに他の形状および構成の横向き通路も本発明の範囲内であると企図されていることを理解されたい。
【0024】
骨スクリュー100の図示された一実施形態では、頭部106は通路110と連絡する開口した上端120を有し、腕部114a、114bの端部がそれぞれ、開口した上端120に隣接する端面122a、122bを画成する。端面122a、122bは頭部106の下面116からオフセットされており、それによって通路110に全体的な深さdが形成される。各腕部114a、114bは、側面118a、118bと端面122a、122bの間をそれぞれ延びる、先細面124a、124bも画成する。さらに、内側面118a、118bの少なくとも上部は、目的は後述するが、雌ねじ(図示せず)を画成する。腕部114a、114bの外側面は、機器または器具(例えば、挿入器具、打ち込み機器、圧迫機器)の対応する部分を中に受ける寸法および構成の刻み目または凹部128を画成する。
【0025】
本発明の図示された実施形態では、連結部材108は締結具または止めねじ130として構成されている。一実施形態では止めねじ130は、詳細は後述するが、骨スクリュー100の頭部106内に配置された細長い部材22に対して堅固に係合または圧迫しない、非クランプ形式である。しかし、脊椎ロッド22を骨スクリュー100に連結するための本発明に関連した使用には、他の形式および構成の連結部材も企図されていることを理解されたい。
【0026】
一実施形態では、止めねじ130は一般に、本体部132、フランジ部134および頭部136を含む。止めねじ130の本体部132は、骨スクリュー頭部106の腕部114a、114bに沿って形成された雌ねじとねじ込み式に係合する構成の雄ねじ140を画成し、止めねじ130が腕部114a、114b間に係合するとき、U字形通路110の下面116に面する下側端面142も画成する。止めねじ130のフランジ部134は、止めねじ130の下側端面142からオフセットされた肩部146を画成するように、本体部132より大きい寸法であり、これにより止めねじ130の本体部132には全体的な長さlが形成される。止めねじ130の頭部136は、フランジ部134から延び、止めねじ130に回転の打ち込み力を加えるように打ち込み器具の対応する部分に係合するための器具係合特徴(図示せず)を画成する。一実施形態では、器具係合特徴は打ち込み器具の対応する突起を中に受けるように構成された凹部を含む。特定の実施形態では、凹部は打ち込み器具の六角形の端部を中に受ける寸法の六角形構成を有する。しかし、止めねじ130は、当業者には明らかなように、他の形式および構成の器具係合特徴を備えることもできることを理解されたい。
【0027】
一実施形態では、頭部136は、頭部136の選択的な分離を可能にするように、止めねじ130の残りの部分に脱着可能に取り付けられている。図示された実施形態では、頭部136が止めねじ130の残りの部分から破断または分断されるように、頭部136は強度の弱い領域148によってフランジ部134に取り付けられている(図4参照)。特定の実施形態では、強度の弱い領域148は、頭部136とフランジ部134の間の連結位置に隣接する断面の細い部分150によって形成される。しかし、頭部136を止めねじ130の残りの部分から選択的に取り外すための他の特徴も、本発明の範囲内であると企図されていることを理解されたい。本発明の他の実施形態では、止めねじ130は必ずしも脱着可能な頭部136を含む必要はないことも理解されたい。その代わりに、止めねじ130に回転の打ち込み力を加えるために1つまたは複数の器具係合特徴を本体部132および/またはフランジ部134に組み込むことができる。
【0028】
図5および6を参照すると、脊椎ロッド22に対する相対的な軸線方向動作を実質的に妨げるように構成された固定または抑制形式のアンカー部材24aの一実施形態が示されている。本発明の図示された実施形態では、アンカー部材24aは長手方向軸線202に沿って延びる骨スクリュー200として、より詳細には椎弓根スクリューとして構成されている。図示された実施形態では、骨スクリュー200は上記に図示および説明された骨スクリュー100と同一の構成である。したがって、骨スクリュー200に関連する特徴を本明細書においてそれぞれ詳細に説明する必要はなく、これらの特徴、ならびに骨スクリュー100に関して上記で説明された別の実施形態もまた骨スクリュー200に当てはまる、と理解されている。
【0029】
骨スクリュー200は一般に、骨に係合する構成のねじ形成されたシャフト部204、および脊椎ロッド22の1つに係合する構成の頭部206を含む。図示された実施形態では、アンカー部材24aはまた、目的および詳細は後述するが、細長い部材22と骨スクリュー200の間の相対的な軸線方向動作を実質的に妨げるように、固定または抑制的な様式で、骨スクリュー200の頭部206内で脊椎ロッド22を捕捉し維持するように構成された連結部材208も含む。頭部206は、頭部206を横切って延び、脊椎ロッド22の1つを中に受ける寸法および構成の通路210を画成する。図示された実施形態では、通路210は、基部212および基部212から延びる一対の離間した腕部214a、214bによって画成される。一実施形態では、横行通路210は実質的にU字形であり、基部212が凹状の下面216を画成し、腕部分214a、214bが互いに対して実質的に平行に配置されており、一対の離間した側面218a、218bを画成する。横行通路210は好ましくは、細長い部材22と頭部206の下面216および側面218a、218bとの間に比較的密接な嵌合をもたらすように構成されている。
【0030】
骨スクリュー200の図示された一実施形態では、頭部206は通路210と連絡する開口した上端220を有し、腕部214a、214bの端部がそれぞれ、頭部206の開口した上端220に隣接する端面222a、222bを画成する。各腕部214a、214bは、側面218a、218bと端面222a、222bの間をそれぞれ延びる、先細面224a、224bも画成する。さらに、内側面218a、218bの少なくとも上部が雌ねじ(図示せず)を画成する。腕部214a、214bの外側面が機器または器具の対応する部分を中に受ける寸法および構成の刻み目または凹部228を画成する。
【0031】
本発明の図示された実施形態では、連結部材208は締結具または止めねじ230として構成されている。一実施形態では、止めねじ230は、骨スクリュー200の頭部206内に配置された細長い部材22に対して堅固に係合または圧迫することができるクランプ形式のものである。しかし、脊椎ロッド22を骨スクリュー200に係合するための本発明に関連した使用には、他の形式および構成の連結部材も企図されていることを理解されたい。
【0032】
止めねじ230は一般に、本体部232および頭部236を含む。本体部232は、腕部214a、214bに沿って形成された雌ねじとねじ込み式に係合する構成の雄ねじ240を画成し、止めねじ230が腕部214a、214b間に係合するとき、U字形通路210の下面216に面する下側端面242も画成する。止めねじ230の頭部236は、本体部232から延び、打ち込み器具の対応する部分に係合するための器具係合特徴(図示せず)を画成する。一実施形態では、頭部236は、頭部236の選択的な分離を可能にするように、止めねじの残りの部分に脱着可能に取り付けられている。 図示された実施形態では、頭部236が止めねじ230の残りの部分から破断または分断されるように、頭部236は強度の低い領域248によって本体部232に取り付けられている(図6参照)。特定の実施形態では、強度の弱い領域248は、頭部236と本体部232の間の連結位置に隣接する断面の細い部分250によって形成される。
【0033】
脊椎ロッド22およびアンカー部材24に関連する様々な特徴を説明したが、ここで本発明の一実施形態による安定化システム20の組立体および脊椎ロッド22とアンカー部材24の相互作用を参照する。上記のように、一実施形態では、安定化システム20は複数のアンカー部材24によって多数の椎骨レベルにわたって係合した一対の細長い脊椎ロッド22を含む。図示された実施形態では、固定または抑制形式のアンカー部材24a(例えば、骨スクリュー200)が椎骨Vの各側面に固定されており、可変または非抑制形式のアンカー部材24b(例えば、骨スクリュー100)が椎骨Vの各側面に固定されており、可変または非抑制形式のアンカー部材24c(例えば、骨スクリュー100)が椎骨Vの各側面に固定されている。しかし、上記のように、アンカー部材は他のレイアウト配置または構成によってどの椎骨に固定することもできることを理解されたい。
【0034】
アンカー部材24a〜24cが椎骨に適正に固定され、横行通路110、210が全体的に互いに整列するように配置されると、細長い部材22(例えば、脊椎ロッド)が、頭部106、206の開口した上端120、220を通して、全体的に整列した通路110、210内へと挿入される。頭部の上端に隣接する先細面124a、124bおよび224a、224bは、細長い部材22を横行通路110、210内へと挿入することを補助する。細長い部材22は、脊椎の変形の矯正を促進し、および/または脊柱の湾曲または解剖学的形態に対応するように、形成または湾曲することができる。注意すべきことは、詳細は後述するが、細長い部材22の端部22a、22bは、患者の脊柱の将来の成長に対応するために、上側および下側アンカー部材24b、24cをかなりの距離で超えて延びていることである。本発明の一実施形態では、細長い部材22の端部22a、22bは上側および下側アンカー部材24b、24cを約2.54cm〜5.08cm(約1〜2インチ)超えて延びている。しかし、端部22a、22bの他の長さも企図されている。
【0035】
細長い部材22をアンカー部材24aの横行通路210内へと挿入した後、クランプ形式の止めねじ230を、各アンカー部材24aの腕部214a、214bの間でねじ込み式に係合する。細長い部材22が止めねじ230の下側端面242と骨スクリュー200の下側係合面216の間で確実にクランプされるように、止めねじ230が細長い部材22に対して堅く圧迫されるまで、止めねじ230を通路210に形成されたねじ山に沿って軸線方向に前進させ、それによって細長い部材22とアンカー部材24aの間の相対的な動作が実質的に妨げられる。言い換えると、細長い部材22の動作がアンカー部材24aに対して抑制される。止めねじ230の下側端面242は、例えば歯、スパイク、ローレット切り、突起または当業者には既知である他の形式の表面特徴を含む、細長い部材20の把持を助けるように機能する表面特徴を画成することができる。止めねじ230を細長い部材22に対して堅く圧迫した後、止めねじ230に所定のレベルを超えて追加のトルクを加えると、強度の低い領域248に隣接する止めねじ230の残りの部分から頭部236がせん断または分断される(図6参照)。止めねじ230の頭部236が取り外された後、本体部232の上端は腕部214a、214bの上側端面222a、222bと実質的に同一平面となる。
【0036】
細長い部材22をアンカー部材24b、24cの横行通路110内へと挿入した後、非クランプ形式の止めねじ130を、各アンカー部材24b、24cの腕部114a、114bの間でねじ込み式に係合する。フランジ部134が頭部106の上側端面122a、122bに対して係合されるまで、止めねじ130を横行通路110に形成されたねじ山に沿って軸線方向に前進させる。注意すべきことは、フランジ部134によって画成された肩部146が頭部106の上側端面122a、122bに対して係合されるとき、止めねじ130の下側端面142は細長い部材22に対して圧迫されていないことである。その代わりに、止めねじ130の下側端面142と細長い部材22の間に間隙gがあり、これにより細長い部材22とアンカー部材24b、24cの間に相対的な軸線方向動作が可能となる。言い換えると、細長い部材22の動作はアンカー部材24b、24cに対して抑制されない。容易に理解されるように、間隙gは、アンカー頭部106の横行通路110の深さdと細長い部材22の直径Dの差より小さい、長さlを有する本体部132を含む止めねじ130を設けることによって形成される。止めねじ130のフランジ部134を頭部106の上側端面122a、122bに対して堅く圧迫した後、止めねじ130に所定のレベルを超えて追加のトルクを加えると、強度の弱い領域148に隣接する止めねじ130の残りの部分から頭部136がせん断または分断される(図4参照)。止めねじ130の頭部136が取り外された後、止めねじ130の腕部114a、114bの上側端面122a、122bを超えて延びている唯一の部分はフランジ部134である。
【0037】
図7を参照すると、骨アンカー300、および骨アンカー300に係合した細長い部材に対して止めねじ330を圧迫を妨げるように骨アンカー300とねじ込み式に係合することができる非クランプ形式の止めねじ330を含み、それによって骨アンカーに対する細長い部材の軸線方向動作を可能にする、本発明の別の実施形態が示されている。図示された実施形態では、骨アンカー300は、骨に係合する構成にねじ形成されたシャフト部304と、骨スクリュー100に関して上記で図示および説明されたのと同じ様式で脊椎ロッドに係合する構成の頭部306とを含む骨スクリューを含む。実質的にすべての点で、骨スクリュー300は骨スクリュー100と同一に構成されており、頭部306が横行通路310を間に画成する腕部314a、314bを含み、止めねじ330の本体部332にねじ込み式に係合するように雌ねじ311が腕部314a、314bの内側側壁に沿って形成されている。
【0038】
注意すべきことは、止めねじ330が横行通路310内に配置された細長い部材に対して圧迫されないように、止めねじ330は頭部306の上側端面に係合可能なフランジ部を含んでいないことである。その代わりに、腕部314a、314bの内側側壁に沿って形成された雌ねじ311がねじ形成深さdに制限され、脊椎ロッドがスクリュー頭部306の横行通路310内に十分に固定されるとき、端末または最終雌ねじ311は脊椎ロッドの最上部からオフセットされるようになっている。その結果、腕部314a、314bに沿った止めねじ330のねじ込み式の係合が制限される。特に、止めねじ本体部332の端末または最終雄ねじ340がスクリュー頭部306の端末雌ねじ311に係合すると、腕部314a、314bに沿った止めねじ330のねじ込み式の前進が阻止される。したがって、止めねじ330の下側端面342と脊椎ロッドの間に、(図4に示す間隙gと同様の)間隙が設けられ、それによって止めねじ330の下側端面342が脊椎ロッドに対して圧迫されず、脊椎ロッドと骨スクリュー300の間に相対的な軸線方向動作が可能になる。言い換えると、脊椎ロッドの動作は骨スクリュー300に対して抑制されない。止めねじ330の端末雄ねじ340がスクリュー頭部306の端末雌ねじ311と係合した後、止めねじ330に所定のレベルを超えて追加のトルクを加えると、止めねじ330の残りの部分から頭部336がせん断または分断される。
【0039】
上述のように、椎骨Vに係合した中間骨アンカー24aは細長い部材22に確実にクランプされ、それによって細長い部材22とアンカー部材24aの間の相対的な軸線方向動作が実質的に妨げられる。しかし、椎骨VおよびVにそれぞれ係合された外側骨アンカー24b、24cは細長い部材22に確実にクランプ(固定)されず、それによって細長い部材22とアンカー部材24b、24cの間の相対的な軸線方向動作が可能であり、椎骨VとVの間の相対的な軸線方向動作が可能である。したがって、患者の脊柱が成長し椎骨VとVの間の距離が大きくなると、外側アンカー部材24b、24cが細長い部材22の端部22a、22bに沿って(すなわち、全体的に矢状面に沿って)摺動することができ、それによって椎骨V、VおよびVの間の軸線方向動作が相対的に阻害されなくなり、患者の脊柱の成長に対応する。
【0040】
容易に理解されるように、患者の脊柱の成長に対応するように安定化システム20を調整するために必要なその後の外科手術手技の回数および頻度は、排除できなくても大幅に削減することができる。細長い部材22と頭部106の下面116および側面118a、118bとの間の比較的密接な嵌合によっても、脊柱の治療する部分に側方の安定および支持がもたらされる。さらに、支持システム20の構成および操作により、中間椎骨Vのいずれかの側の上位および下位椎骨レベルを、従来の他の脊椎湾曲の治療法では必要であったように固定する必要はない。さらに、支持システム20による脊椎湾曲の矯正は、中間または中央椎骨レベルに尖端部の減捻を実施することによって、さらに促進することができる。
【0041】
以上、本発明を図面および上述の説明において詳細に図示および説明したが、これは例示的なものであり性質を制限するものではないとみなされており、好ましい実施形態のみを示し説明したものであり、本発明の精神の範囲内で想起されるすべての変更および修正は保護されることが望ましいことが理解されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】脊柱の後面に取り付けられた、本発明の一形態による脊椎ロッドシステムの後方図である。
【図2】図1に示された脊椎ロッドシステムの側方図である。
【図3】図1および2に示された脊椎ロッドシステムと関連して使用するための非クランプ式止めねじを含む、可変の骨アンカー組立体の一実施形態の側面斜視図である。
【図4】非クランプ式止めねじの上部が取り外された、図4に示す可変の骨アンカー組立体の側面斜視図である。
【図5】図1および図2に示された脊椎ロッドシステムと関連して使用するためのクランプ式止めねじを含む、固定の骨アンカー組立体の一実施形態の側面斜視図である。
【図6】クランプ式止めねじの上部が取り外された、図5に示す固定の骨アンカー組立体の側面斜視図である。
【図7】図1および図2に示された脊椎ロッドシステムと関連して使用するための非クランプ式止めねじを含む、可変の骨アンカー組立体の別の実施形態の側面斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い支持部材を脊柱に取り付けるための装置であって、
椎骨に係合可能な骨係合部、および通路を画成する受け部を含む、アンカー部材であって、前記通路が前記支持部材の一部分を受けるように構成される、アンカー部材と、
前記受け部に係合して前記支持部材を前記通路内に維持する連結部材とを含んでおり、前記受け部および前記連結部材が構造的特徴を含んでおり、当該構造的特徴は、前記連結部材が前記支持部材を前記受け部に対して圧迫を妨げるように協働し、それによって前記アンカー部材に対して、前記細長い支持部材の実質的な非抑制動作を可能にする、装置。
【請求項2】
前記構造的特徴が、前記連結部材が前記支持部材を前記受け部に対して圧迫を妨げるように、前記受け部によって画成された対応する面に当接する、前記連結部材によって画成された肩部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記受け部が、前記通路の少なくとも一部を画成し、前記通路と連絡する開口を画成する遠位端部を含む一対の離間した腕部を含み、前記開口がその中を横切って前記通路内へと前記細長い支持部材を受ける寸法であり、
前記連結部材の前記肩部が前記腕部の前記遠位端部に当接して、前記連結部材が前記支持部材を前記受け部に対して圧迫を妨げるようにする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記通路がねじ形成領域を含み、前記連結部材が前記通路の前記ねじ形成領域内でねじ込み式に係合するねじ形成された本体部を含み、前記連結部材が前記肩部を画成するように前記ねじ形成された本体部より大きい寸法のフランジ部を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記連結部材が、前記フランジ部から延び、選択的に分離可能な頭部を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記連結部材が、前記通路に沿って画成されたねじ形成領域内で係合されるねじ形成された本体部を含み、前記ねじ形成領域が、前記連結部材が前記支持部材を前記受け部に対して圧迫を妨げるように、前記連結部材が前記通路に沿ってねじ込み式に前進することを阻止するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記通路の前記ねじ形成領域は、前記連結部材が前記支持部材を前記受け部に対して圧迫を妨げるように、前記連結部材が前記通路に沿ってねじ込み式に前進することを制限するねじ形成深さを有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記通路の前記ねじ形成領域は、前記支持部材が前記受け部内に固定されるときに、前記支持部材から軸線方向でオフセットされる末端ねじを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記受け部が、前記通路の少なくとも一部を画成する一対の離間した腕部を含み、前記腕部の遠位端部が前記通路と連絡する開口を画成し、前記開口がその中を横切って前記通路内へと前記細長い支持部材を受ける寸法であり、前記連結部材が前記通路内に前記支持部材を維持するように前記開口の少なくとも一部を閉鎖する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記連結部材が前記支持部材を前記受け部に対して圧迫を妨げるように、前記連結部材が前記腕部の前記遠位端部に係合する肩部を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記細長い支持部材が、前記連結部材の第1の面と前記受け部の第2の面との間に配置可能であり、前記第1の面が全体的に前記第2の面の反対側に配置されており、前記連結部材が前記受け部と完全に係合したとき、前記第1および第2の面がある距離だけ離れており、前記細長い支持部材が、前記第1および第2の面の少なくとも1つと前記細長い支持部材との間に間隙を設けるように、前記距離より小さい外径を有しており、前記アンカー部材に対して前記支持部材の前記実質的な非抑制動作を可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記構造的特徴が、前記連結部材が前記受け部に完全に係合して前記間隙を設けるとき、前記受け部によって画成された対応する面に係合する、前記連結部材によって画成された肩部を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記アンカー部材が前記骨係合部を備える骨スクリューを含んでおり、前記骨係合部がねじ形成されたシャフト部を含み、前記受け部がU字形の頭部を含み、前記U字形の頭部が前記通路の少なくとも一部を画成する一対の離間した腕部を含み、前記腕部の一部分が前記通路のねじ形成領域を画成する雌ねじを含み、前記連結部材が前記通路の前記ねじ形成領域内でねじ込み式に係合されるねじ形成された本体部を含み、前記連結部材が肩部を画成するフランジ部を含み、前記肩部が、前記連結部材が前記支持部材を前記U字形の頭部に対して圧迫を妨げるように、前記腕部の遠位端部に係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記支持部材が、実質的に剛性の構成を有する脊椎ロッドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
脊柱の少なくとも一部分を安定化させるためのシステムであって、
軸線に沿って延び、前記脊柱に沿って配置される細長い支持部材と、
各椎骨に固定するように構成される複数のアンカー部材とを含んでおり、前記複数のアンカー部材の第1のアンカー部材が、当該第1のアンカー部材に対する前記支持部材の軸線方向動作を実質的に妨げるように前記支持部材に係合しており、前記複数のアンカー部材の第2のアンカー部材が、当該第2のアンカー部材に対して、前記支持部材の実質的な非抑制軸線方向動作を可能にするように前記支持部材に係合する、システム。
【請求項16】
前記細長い支持部材が、実質的に剛性の構成を有する脊椎ロッドを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
第3の前記アンカー部材に対する前記細長い支持部材の実質的な非抑制軸線方向動作を可能にするように、前記細長い支持部材に係合する第3のアンカー部材をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第2および第3のアンカー部材が、前記細長い支持部材に対して前記第1のアンカー部材の向かい合う両側に配置される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記第2および第3のアンカー部材が、前記細長い支持部材の両側端部に隣接して配置され、前記支持部材の前記両側端部が前記第2および第3のアンカー部材を超えて延びる、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記細長い支持部材が前記脊柱に沿って延びる矢状面と実質的に平行に配置され、
前記第2および第3のアンカー部材に対する前記支持部材の前記軸線方向動作が、全体的として前記矢状面に沿った前記脊柱の成長に対応する、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2のアンカー部材が、前記細長い支持部材の一部分を受けるように構成された通路を画成する受け部を含み、
前記システムが、前記受け部に係合して前記支持部材を前記通路内に維持する連結部材をさらに含み、前記受け部および前記連結部材は構造的特徴を含み、当該構造的特徴は、前記連結部材が前記支持部材を前記受け部に対して圧迫を妨げるように協働して、前記第2のアンカー部材に対する前記細長い支持部材の前記実質的な非抑制軸線方向動作を可能にする、請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
前記構造的特徴が、前記連結部材が前記細長い支持部材を前記受け部に対して圧迫を妨げるように、前記受け部によって画成された対応する面に当接する、前記連結部材によって画成された肩部を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記受け部が、前記通路の少なくとも一部を画成し、前記通路と連絡する開口を画成する遠位端部を含む一対の離間した腕部を含み、前記開口がその中を横切って前記通路内へと前記細長い支持部材を受ける寸法であり、前記連結部材の前記肩部が前記腕部の前記遠位端部に当接して、前記第2の連結部材が前記支持部材を前記受け部に対して圧迫を妨げる、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記通路がねじ形成領域を含み、前記連結部材が前記通路の前記ねじ形成領域内でねじ込み式に係合するねじ形成された本体部を含み、前記連結部材が前記肩部を画成するように前記ねじ形成された本体部より大きい寸法のフランジ部を含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記脊柱に沿って配置された一対の前記細長い支持部材をさらに含み、前記細長い支持部材のそれぞれが、前記第1のアンカー部材の少なくとも1つおよび前記第2のアンカー部材の少なくとも1つによって前記脊柱に固定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項26】
脊柱の少なくとも一部分を安定化させるためのシステムであって、
軸線に沿って延び、前記脊柱に沿って配置される細長い支持部材と、
各椎骨に固定するように構成される複数のアンカー部材であって、当該複数のアンカー部材のそれぞれが、椎骨に係合可能な骨係合部、および通路を画成する受け部を含み、当該通路が前記支持部材の一部分を受けるように構成される、複数のアンカー部材と、
前記アンカー部材の第1のアンカー部材に係合して、前記支持部材を前記通路内に維持する、第1の連結部材であって、当該第1の連結部材は、前記支持部材を前記第1のアンカー部材の前記受け部に対して圧迫するように前記第1のアンカー部材と協働して、前記第1のアンカー部材に対する前記支持部材の軸線方向動作を実質的に妨げる、第1の連結部材と、
前記アンカー部材の第2のアンカー部材に係合して、前記支持部材を前記通路内に維持する第2の連結部材とを含んでおり、前記第2の連結部材および前記第2のアンカー部材が構造的特徴を含み、当該構造的特徴は、前記第2の連結部材が前記支持部材を前記第2のアンカー部材の前記受け部に対して圧迫を妨げるように協働し、それによって前記第2のアンカー部材に対して、前記支持部材の実質的な非抑制軸線方向動作を可能にする、システム。
【請求項27】
第3の前記アンカー部材に係合して前記支持部材を前記通路内に維持する第3の連結部材をさらに含んでおり、前記第3の連結部材および前記第3のアンカー部材が構造的特徴を含み、当該構造的特徴は、前記第3の連結部材が前記支持部材を前記第3のアンカー部材の前記受け部に対して圧迫を妨げるように協働し、それによって前記第3のアンカー部材に対して、前記支持部材の実質的な非抑制軸線方向動作を可能にする、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記第2および第3のアンカー部材が、前記細長い支持部材に対して前記第1のアンカー部材の向かい合う両側に配置される、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記第2および第3のアンカー部材が、前記細長い支持部材の両側端部に隣接して配置され、前記支持部材の前記両側端部が前記第2および第3のアンカー部材の前記受け部を超えて延びる、請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記支持部材の前記両側端部が、前記第2および第3のアンカー部材の前記受け部を、少なくとも2.54cm(1インチ)超えて延びる、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記細長い支持部材が前記脊柱に沿って延びる矢状面と実質的に平行に配置され、
前記第2および第3のアンカー部材に対する前記支持部材の前記軸線方向動作が、全体的として前記矢状面に沿った前記脊柱の成長に対応する、請求項27に記載のシステム。
【請求項32】
前記第2の連結部材および前記第2のアンカー部材に関連する前記構造的特徴が、前記第2の連結部材によって画成された肩部を含んでおり、前記肩部は、前記第2の連結部材が前記細長い支持部材を前記第2のアンカー部材の前記受け部に対して圧迫を妨げるように、前記第2のアンカー部材の前記受け部によって画成された対応する面に当接する、請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
前記第2のアンカー部材の前記受け部が、前記通路の少なくとも一部を画成し、前記通路と連絡する開口を画成する遠位端部を含む一対の離間した腕部を含み、前記開口がその中を横切って前記通路内へと前記細長い支持部材を受ける寸法であり、
前記第2の連結部材の前記肩部が前記腕部の前記遠位端部に当接して、前記第2の連結部材が前記支持部材を前記第2のアンカー部材の前記受け部に対して圧迫を妨げる、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記第2のアンカー部材の前記通路がねじ形成領域を含み、前記第2の連結部材が前記通路の前記ねじ形成領域内でねじ込み式に係合するねじ形成された本体部を含み、前記第2の連結部材が、肩部を画成するために、前記ねじ形成された本体部より大きい寸法のフランジ部を含んでおり、前記肩部が、前記第2のアンカー部材の前記受け部によって画成される対応する面に当接して、前記第2の連結部材が前記細長い支持部材を前記第2のアンカー部材の前記受け部に対して圧迫することを妨げる、請求項26に記載のシステム。
【請求項35】
脊柱の少なくとも一部分を安定化させるための方法であって、
軸線に沿って延びる細長い支持部材を設けて、複数のアンカー部材を設ける工程と、
第1の前記アンカー部材を第1の椎骨に固定する工程と、
第2の前記アンカー部材を第2の椎骨に固定する工程と、
前記第1のアンカー部材を前記第1のアンカー部材に対する前記支持部材の軸線方向動作を実質的に妨げるように前記支持部材に係合する工程と、
前記第2のアンカー部材を前記第2のアンカー部材に対して、前記支持部材の実質的な非抑制軸線方向動作を可能にするように、前記支持部材に係合する工程とを含む、方法。
【請求項36】
第3のアンカー部材を第3の椎骨に固定する工程と、
前記第3のアンカー部材を前記第3のアンカー部材に対して前記支持部材の実質的な非抑制軸線方向動作を可能にするように、前記支持部材に係合する工程とをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第2および第3のアンカー部材を、前記支持部材に対して前記第1のアンカー部材の向かい合う両側に配置する工程をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第2および第3のアンカー部材を、前記支持部材の両側端部に隣接して配置する工程と、
前記細長い支持部材に、前記支持部材の前記端部が前記第2および第3のアンカー部材を超えて延びるような長さを設ける工程とをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記細長い支持部材が前記脊柱に沿って延びる矢状面と実質的に平行に配置され、
前記第2のアンカー部材に対する前記支持部材の前記軸線方向動作が、全体的に前記矢状面に沿った前記脊柱の成長に対応する、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記第1のアンカー部材が胸椎湾曲の冠状面尖端に隣接する前記第1の椎骨に固定され、前記第2のアンカー部材が前記冠状面尖端の少なくとも1レベル上の前記第2の椎骨に固定され、前記第3のアンカー部材が前記冠状面尖端の少なくとも1レベル下の前記第3の椎骨に固定される、請求項36に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−535574(P2008−535574A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505524(P2008−505524)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/012858
【国際公開番号】WO2006/110463
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】