説明

脊柱側弯症の分類および診断方法

脊柱側弯症(例えば、青年期特発性脊柱側弯症(AIS))を発現する素因を診断する方法、およびGiタンパク質共役型受容体の活性のモジュレーションに基づいて脊柱側弯症を治療するための化合物を識別する方法を記述する。該方法は、Giタンパク質に連結される受容体を発現する細胞のインピーダンスシグナルのリガンドによる変化を測定することを含む。治療上有用な化合物を識別するには、細胞を供試化合物およびリガンドと接触させる。インピーダンスが、供試化合物の非存在下と比較し場合に、供試化合物の存在下でより大きいなら、該供試化合物は、脊柱側弯症を治療する上で有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条第(e)項により、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、2008年10月10日に出願した米国特許仮出願第61/104442号および2009年7月27日に出願した米国特許仮出願第61/228769号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
連邦政府の支援による研究または開発に関する申告
該当なし。
【0003】
本発明は、脊柱側弯症(例えば、青年期特発性脊柱側弯症(AIS))を発現する素因の診断、および脊柱側弯症を治療するための化合物を識別するためのスクリーニングアッセイに関する。
【背景技術】
【0004】
脊柱側弯症は、人間の脊柱が、左右に湾曲し、かつ捩れることもある医学的状態である。それは、脊柱の異常な横方湾曲である。X線で、典型的な脊柱側弯症を有する個体の脊柱は、直線よりは、むしろ「S」または「C」のように見えることがある。
【0005】
脊柱変形およびとりわけ脊柱側弯症は、子供および青年において最も広く認められる類型の整形外科的変形を表し、特発性脊柱側弯症(AIS)は、脊柱側弯症の最も一般的な形態を表す。青年期特発性脊柱側弯症(AIS)の病因は明らかでない。AISは、数および重症度において主として女児を襲うが、遺伝的素因を示唆するいくつかの研究はあるにしても、遺伝の形態は判然としないままである(Axenovich TIら、Am J Med Genet 1999, 86(4): 389〜394; Wise CAら、Spine 2000, 25(18): 2372〜2380; Blank RDら、Lupus 1999, 8(5): 356〜360; Giampietro PFら、AmJ Med Genet 1999, 83(3): 164〜177)。この病因をより十分に明らかにするために、いくつかの多岐にわたる観点が仮定されてきた。(Machida M., Spine 1999, 24(24): 2576〜2583; Roth JAら、J Biol Chem 1999, 274(31): 22041〜22047; Hyatt BAら、Nature 1996, 384(6604): 62〜65; von Gall Cら、Eur J Neurosci 2000, 12(3): 964〜972)。遺伝子、成長ホルモン分泌、結合組織構造、筋構造、前庭機能不全、メラトニン分泌、および血小板微細構造が、病巣の主要領域である。現在の見解は、成長している脊柱に影響を及ぼし、中枢神経系(CNS)による中枢制御または処理の欠陥が存在し、また変形に対する脊柱の感受性が個体により相違する、ということである。
【0006】
残念ながら、ISを発現するリスクを保持する子供または青年を識別し、罹患したどの個体が、該疾患の進行を予防または停止するための治療を必要とするかを予測するための、FDAによって承認された方法はまだ存在しない(Weinstein SL, Dolan LA, Cheng JCら、「Adolescent idiopathic scoliosis」Lancet 2008; 371: 1527〜37)。したがって、装具または外科的矯正などの現行治療の適用は、かなりの変形または明確な進行の証拠の検出まで遅延され、遅延されかつ決して最適でない治療をもたらす(Society SR.「Morbidity & Mortality Committee annual Report 1997」)。治療を必要とするIS患者の中で、80〜90%は装具で治療され、約1%は、合併症を有するリスクを伴う、脊椎器具設置ならびに胸椎および/または腰椎の癒合による変形を矯正するための手術を必要とする(Weiss HR, Goodall D.「Rate of complications in scoliosis surgery-a systematic review of the Pub Med literature」Scoliosis.2008; 3: 9)。今日、米国では、ある程度のISを有する10〜16歳の子供が、ほぼ100万人存在する。脊柱側弯症と診断された6名の子供の中の1名は、積極的治療を必要とする程度まで進行する湾曲を有する。北米では、毎年約29,000例の脊柱側弯症の手術が行われ、かなりの精神的および身体的な病的状態をもたらしている(Goldberg MS, Mayo NE, Poitras Bら「The Ste-Justine Adolescent Idiopathic Scoliosis Cohort Study.Part I: Description of the study」Spine 1994; 19: 1551〜61; Poitras B, Mayo NE Goldberg MSら「The Ste-Justine Adolescent Idiopathic Scoliosis Cohort Study.Part IV: Surgical correction and back pain」Spine 1994; 19: 1528〜8)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Axenovich TIら、Am J Med Genet 1999, 86(4): 389〜394
【非特許文献2】Wise CAら、Spine 2000, 25(18): 2372〜2380
【非特許文献3】Blank RDら、Lupus 1999, 8(5): 356〜360
【非特許文献4】Giampietro PFら、AmJ Med Genet 1999, 83(3): 164〜177
【非特許文献5】Machida M., Spine 1999, 24(24): 2576〜2583
【非特許文献6】Roth JAら、J Biol Chem 1999, 274(31): 22041〜22047
【非特許文献7】Hyatt BAら、Nature 1996, 384(6604): 62〜65
【非特許文献8】von Gall Cら、Eur J Neurosci 2000, 12(3): 964〜972
【非特許文献9】Weinstein SL, Dolan LA, Cheng JCら、「Adolescent idiopathic scoliosis」Lancet 2008; 371: 1527〜37
【非特許文献10】Society SR.「Morbidity & Mortality Committee annual Report 1997」
【非特許文献11】Weiss HR, Goodall D.「Rate of complications in scoliosis surgery-a systematic review of the Pub Med literature」Scoliosis.2008; 3: 9
【非特許文献12】Goldberg MS, Mayo NE, Poitras Bら「The Ste-Justine Adolescent Idiopathic Scoliosis Cohort Study.Part I: Description of the study」Spine 1994; 19: 1551〜61
【非特許文献13】Poitras B, Mayo NE Goldberg MSら「The Ste-Justine Adolescent Idiopathic Scoliosis Cohort Study.Part IV: Surgical correction and back pain」Spine 1994; 19: 1528〜8
【非特許文献14】Medhurstら、2003.J Neurochem., 84
【非特許文献15】Niswenderら、2008.Mol Pharmacol.73(4)
【非特許文献16】Saugstadら、1996.J.Neurosci.16
【非特許文献17】Rioboら、2006.Proc Natl Acad Sci USA, 103
【非特許文献18】Petersら、2007.J Biomol.Screen.12: 312〜9
【非特許文献19】Huangら、Analyst, 2008, 133(5): 643〜648
【非特許文献20】Sollyら、Assay Drug Dev.Technol.2004, 2(4): 363〜372
【非特許文献21】Moreau A, Wang DS, Forget Sら「Melatonin Signaling Dysfunction in Adolescent Idiopathic Scoliosis」Spine 2004; 29: 1772〜81
【非特許文献22】Azeddineら、2007「Molecular determinants of melatonin signaling dysfunction in adolescent idiopathic scoliosis」Clin Orthop Relat Res.2007, 462: 45〜52)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
脊柱変形を含む疾患(例えば、AISなどの脊柱側弯症)を有する対象を分類する方法、脊柱側弯症に対する素因を診断する方法、およびこれらの疾患を予防または治療するための化合物を識別する方法が必要とされている。
【0009】
本説明は、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれているいくつかの文献を参照する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、脊柱側弯症患者(特発性脊柱側弯症患者)からの細胞が、G-タンパク質共役型受容体(GPCR)のシグナル伝達に広範な障害を示すことを初めて立証する。この障害は、いくつかの異なるGPCRで、ならびに骨形成細胞、筋形成細胞および血液細胞を含む様々な細胞型の中で測定された。
【0011】
種々のホルモン、神経伝達物質および生物活性物質は、細胞膜中に配置された特異的受容体を介して生体の機能を制御、規制、または調節する。これらの受容体の多くは、受容体が連結されるグアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)を活性化することによって、細胞内シグナルの伝達を仲介する。このような受容体は、一般に、Gタンパク質共役型受容体(「GPCR」)と呼ばれる。GPCRへの特異的なシグナル伝達分子の結合は、受容体の立体配座変化を引き起こすことができ、Gタンパク質に結合しそれを活性化できる形態をもたらし、それによって最終的には生物学的応答に至る細胞内事象のカスケードをトリガーする。典型的には、GPCRは、Gタンパク質と相互作用して、環状AMP、イノシトールリン酸、ジアシルグリセロールおよびカルシウムイオンなどの細胞内第2メッセンジャーの合成を規制する。
【0012】
より具体的には、本発明によれば、供試化合物が、脊柱側弯症(例えば、小児期特発性脊柱側弯症、若年期特発性脊柱側弯症、青年期特発性脊柱側弯症(AIS)または成人期脊柱側弯症などの特発性脊柱側弯症(IS))を予防または治療するのに有用であるかどうかを判定するための方法(例えば、in vitro法)が提供され、該方法は、(a)抑制性グアニンヌクレオチド結合(Gi)タンパク質に連結される受容体(すなわち、少なくとも1種の受容体)を発現する細胞を、前記供試化合物の存在または非存在下で前記受容体に対するリガンドと接触させること、(b)前記細胞中で前記リガンドによって誘導されるシグナルの大きさを測定することを含み、ここで、前記供試化合物の存在下でのシグナルが、非存在下と比較してより大きければ、前記供試化合物が、脊柱側弯症(例えば、AISなどの特発性脊柱側弯症)を予防または治療するのに有用であることを示す。
【0013】
本方法は、一般にはGiタンパク質シグナル伝達障害をモジュレートすることのできる化合物についてスクリーニングするのに使用することができる。しかし、該方法は、どの化合物が、モジュレートするのに最も有効であるか、より詳細には、特定の患者群からの細胞中のGiタンパク質シグナル伝達障害を低減または相殺するのに最も有効であるか、あるいは特定患者に対して最も有効であるかを判定するのにも使用できる。実際、これらの目的に対して最も有効な化合物は、患者によって相違する可能性がある。本発明のスクリーニング法は、したがって、どの化合物が、特定の患者群またはとりわけある患者においてGiタンパク質シグナル伝達障害を相殺するのに最も有効であるかを識別するのに使用できる。
【0014】
本発明は、また、対象における、脊柱側弯症(例えば、小児期特発性脊柱側弯症、若年期特発性脊柱側弯症、または青年期特発性脊柱側弯症(AIS)などの特発性脊柱側弯症)を発現する素因を診断する方法(例えば、in vitro法)を提供し、該方法は、
(a)抑制性グアニンヌクレオチド結合(Gi)タンパク質に連結される受容体を発現する前記対象からの細胞を、前記受容体に対するリガンドと接触させること、
(b)前記細胞中で前記リガンドによって誘導されるシグナルの大きさを測定すること、
(c)前記シグナルを対応する参照シグナルと比較すること、
(d)前記比較に基づいて前記素因を判定すること、を含む。
【0015】
本明細書中で使用する場合、用語「脊柱側弯症を発現する素因」は、将来的に脊柱側弯症(すなわち、脊柱変形)および/またはより重症の脊柱側弯症を発現する、対象の遺伝的または代謝的素因を指す。
【0016】
別の態様において、本発明は、小児期特発性脊柱側弯症、若年期特発性脊柱側弯症、または青年期特発性脊柱側弯症(AIS)などの特発性脊柱側弯症を有するヒト対象を分類する方法を提供し、該方法は、
(a)抑制性グアニンヌクレオチド結合(Gi)タンパク質に連結される受容体を発現する前記対象からの細胞を、前記受容体に対するリガンドと接触させること、および
(b)前記細胞中で前記リガンドによって誘導されるシグナルの大きさを測定すること、を含み、
それによって、測定段階の結果は、特発性脊柱側弯症(例えば、AIS)を有する対象を1つの特発性脊柱側弯症サブグループへ分類することを可能にする。
【0017】
一実施形態において、前述の特発性脊柱側弯症はAISである。一実施形態において、AIS対象は、(i)シグナルの大きさが、対照対象からの細胞中で測定される対応シグナルの大きさに対して、約34%以下であるなら、サブグループ1に分類され、(ii)対照対象からの細胞中で測定される対応シグナルの大きさに対して、シグナルの大きさが約34%〜約57%であるなら、サブグループ2に分類され、かつ(iii)対照対象からの細胞中で測定される対応シグナルの大きさに対して、シグナルの大きさが約57%〜約80%であるなら、サブグループ3に分類される。
【0018】
それ自体、本発明の方法は、また、例えば、疾患の類型および/または重症度、あるいは疾患の根底にある欠陥の本質を判定するのに有利に使用することができる(すなわち、対象の「分類」または「層別」)。このことは、特発性脊柱側弯症(例えば、AIS)を治療または予防するのに最も有効な薬物が、異なる類型および/または重症度の特発性脊柱側弯症に罹患した対象間で相違するなら、とりわけ興味深い。本発明の分類法は、したがって、特定患者に対して使用すべき薬物のより良い選択を可能にすることができる。この方法は、また、既に脊柱側弯症と診断された患者(例えば、成人期脊柱側弯症)を分類/層別するのに有用である。
【0019】
一実施形態において、前述の対象は、特発性脊柱側弯症(例えば、小児期特発性脊柱側弯症、若年期特発性脊柱側弯症、または青年期特発性脊柱側弯症(AIS))などの脊柱側弯症を発現しそうな候補者である。本明細書中で使用する場合、用語「脊柱側弯症を発現しそうな候補者」には、その少なくとも一方の親が脊柱側弯症(例えば、成人期特発性脊柱側弯症)を有する対象が含まれる。他の要因の中でも、年齢(青年期)、性別、およびその他の祖先家族は、脊柱側弯症を発現するリスクに寄与することが知られている要因であり、脊柱側弯症を発現するリスクを評価するのにある程度まで使用される。特定の対象において、脊柱側弯症は、短期間に急速に、矯正手術を必要とする局面(しばしば、変形が50°以上のコブ角に到達した場合)まで進行する。AISなどの脊柱側弯症と診断される時期(脊柱側弯症が明白である場合)から利用可能な現行の行動指針には、観察(コブ角がおよそ10〜25°である場合)、整形装具(コブ角がおよそ25〜30°である場合)、および手術(45°超)が含まれる。進行のリスクに関するより信頼性のある判断は、1)脊柱側弯症に寄与すると確認された特定の食品を除去するように適切な食物を選択すること、2)最良の治療薬を選択すること、および/または3)体位運動、整形装具などの最も侵襲性の少ない利用可能な治療、または侵襲性のより少ない手術もしくは癒合を伴わない手術(脊椎を癒合せず、かつ柱状部の可動性を保つ手術)を選択することを可能にすることができる。本発明は、脊柱側弯症を発現するリスクの判定を考慮して、最も有効で、かつ最も侵襲性の少ない既知の予防的行動または治療を選択することを包含する。
【0020】
本発明の方法は、Giタンパク質(Giαサブユニットとしても知られる)に連結される1種または複数の受容体を発現する細胞を使用して実施することができる。「受容体」は、本明細書中で使用する場合、野生型受容体、ならびに野生型受容体の活性(すなわち、GPCR介在性活性)を保持しているそのフラグメントおよび/または変異体を指す。Giタンパク質に連結されるGPCR(以下、GiPCRと呼ぶ)には、例えば、CD47、セレトニン受容体(5-HT)、アデノシン受容体、アドレナリン受容体、カンナビノイド受容体、ヒスタミン受容体、プロスタグランジン受容体、およびドーパミン受容体が含まれる。図15に、本発明の方法で使用するのに適したGiPCRの非網羅的リストを示す。
【0021】
一実施形態において、Giタンパク質に連結される前述の受容体は、セレトニン受容体、α-アドレナリン受容体、アデノシン受容体、カンナビノイド受容体、またはこれらの任意の組合せである。さらなる実施形態において、前述の受容体は、5-HT1A、α2-AD、A3、またはCB2である。別の実施形態において、前述の受容体は、メラトニン受容体(例えば、MT2)ではない。
【0022】
一実施形態において、前述の方法は、Giタンパク質に連結される1種を超える受容体に関して実施される。別の実施形態において、前述の方法は、Giタンパク質に連結される受容体に特異的な1種を超えるリガンドを使用して実施される。別の特定の実施形態において、各リガンドは、Giタンパク質に連結される種々の受容体に対して特異的である(例えば、2、3、4、5または6種のリガンド)。図16に、GiPCRのリガンドの非網羅的リストを示す。特定の実施形態において、本発明中で使用するためのリガンドは、MT2リガンドではない。
【0023】
1種または複数のGi共役型受容体および/またはGiタンパク質を発現し得る任意の試料(例えば、細胞、組織)は、本発明の方法により使用することができる。細胞は、天然にまたは組換えで、1種または複数のGi共役型受容体および/またはGiタンパク質を発現できる。組換え発現の場合、GiPCRをコードする核酸および/またはGiタンパク質をコードする核酸を適切な細胞中に導入し、該細胞を、タンパク質の発現を提供する条件下でインキュベートする。ここで使用される細胞は、Giタンパク質に連結される1種または複数の受容体を天然に発現し、一部は、対象からの収集に関するそれらの利便性のために選択された。それゆえ、造骨細胞、破骨細胞、末梢血単核細胞(PBMC)(主にリンパ球を本来的に含むが、やはり単球)、および筋原細胞などの細胞は、有利に利用しやすく、本発明の方法において好都合に使用することができる。特に血液細胞(例えば、PBMC、小板(血小板)など)は、とりわけ便利に使用することができ、より迅速な試験を提供する。それがGiタンパク質に連結される少なくとも1種のGPCR受容体を所持する限り、任意の血液細胞を本発明の方法に使用することができる。一実施形態において、細胞は、特発性脊柱側弯症(例えば、小児期特発性脊柱側弯症、若年期特発性脊柱側弯症、または青年期特発性脊柱側弯症(AIS))を有する対象から得られるか、誘導される。本発明に関し、PBMCは、本明細書に記載の方法を新鮮または凍結PBMCを用いた細胞懸濁液中で実施することができるので、培養で確立される必要はない。
【0024】
所定のGiタンパク質共役型受容体の任意のリガンドを、本発明の特定の態様により使用することができる。GiPCRのリガンド(例えば、天然または合成)は当技術分野で周知であり、これらのリガンドのいくつかは、市販されている(例えば、Tocris Bioscience社から)。図15に、単独または他のリガンドと組み合わせて、本発明の方法で使用するのに適切なGiPCRリガンドの非網羅的リストを示す。特定の実施形態において、前述のリガンドは、受容体の既知アゴニストである。一実施形態において、前述のリガンドは、(a)5-HT1A受容体に対する1-[3-(3,4-メチレンジオキシフェノキシ)プロピル]-4-フェニル-ピペラジンマレエート(BP554マレエートとして知られる)、(b)α2-AD受容体に対する5-ブロモ-N-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-6-キノキサリンアミン(UK14304として知られる)、(c)A3受容体に対する1-デオキシ-1-[6-[[3-ヨードフェニル]メチル]アミノ]-9H-プリン-9-イル]-N-メチル-β-D-リボフラヌロンアミド(IB-MECAとして知られる)、(d)CB2受容体に対するN-シクロヘキシル-7-クロロ-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]キノリン-4-(1H)-オン-3-カルボキサミド(CB65として知られる)である。
【0025】
種々の異なる供試化合物は、上記方法によってスクリーニングできることを理解すべきである。供試化合物は、数多くの化学物質の部類を包含するが、典型的には、それらは、有機分子、好ましくは50を超えかつ約2,500ダルトン未満の分子量を有する小さな有機化合物である。供試化合物は、タンパク質との構造的相互作用、とりわけ水素結合に必要な官能基を含み、典型的には、少なくともアミン、カルボニル、ヒドロキシルまたはカルボキシル基を、好ましくは少なくとも2つの官能性化学基を含む。供試化合物は、しばしば、1つまたは複数の上記官能基で置換された炭素環式もしくは複素環式構造、および/または芳香族もしくは多芳香族構造を含む。供試化合物は、また、ペプチド(例えば、Giタンパク質に連結される受容体を介するシグナルの伝達に関与する1種または複数の欠陥タンパク質を標的とするペプチド)、核酸(例えば、Giタンパク質に連結される受容体を介するシグナルの伝達に関与する欠陥遺伝子を標的とするアンチセンス分子などのオリゴヌクレオチド)、抗体、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、これらの誘導体、構造類似体、または組合せを含む生体分子中に見出される。供試化合物は、合成または天然化合物のライブラリーを含む広範な種類の供給源から得ることができる。例えば、数多くの手段を、ランダム化されたオリゴヌクレオチドおよびオリゴペプチドの発現を含む、広範な種類の有機化合物および生体分子のランダムおよび指向性合成のために利用できる。別法として、細菌、真菌、植物および動物抽出物の形態での天然化合物のライブラリーを、利用可能であるか、容易に作り出される。加えて、天然または合成的に創り出されたライブラリーおよび化合物を、通常の化学、物理および生化学的手段を介して容易に修飾し、コンビナトリアルライブラリーを作り出すのに使用できる。既知の薬理学的薬剤を、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化などの指向性またはランダムな化学修飾にかけ、構造類似体を作り出すことができる。
【0026】
一実施形態において、参照シグナルは、脊柱側弯症(例えば、小児期特発性脊柱側弯症、若年期特発性脊柱側弯症、または青年期特発性脊柱側弯症(AIS)などの特発性脊柱側弯症)を発現していない対象、または脊柱側弯症を発現する素因のない対象などの対照対象から得られるか、由来する対応試料(例えば、細胞)中で得られるシグナルである。その場合、対象からの細胞中での、対応参照シグナルと比較してより小さいシグナルは、該対象が、脊柱側弯症を発現する素因を有することを示し、一方、より大きいまたは実質的に同等のシグナルは、該対象が、脊柱側弯症を発現する素因を有さないことを示す。
【0027】
別の実施形態において、前述の参照シグナルは、脊柱側弯症(例えば、小児期特発性脊柱側弯症、若年期特発性脊柱側弯症、または青年期特発性脊柱側弯症(AIS)などの特発性脊柱側弯症)を発現している対象、または脊柱側弯症を発現する素因を有することが知られている対象(例えば、年齢および/または性別の合致した)から得られるか、由来する対応試料(例えば、細胞)中で得られるシグナルである。その場合、対象からの細胞中での、対応参照シグナルと比較してより小さいまたは実質的に同等のシグナルは、該対象が、脊柱側弯症を発現する素因を有することを示し、一方、より大きいシグナルは、該対象が、脊柱側弯症を発現する素因を有さないことを示す。
【0028】
一実施形態において、対応試料は、対象からの細胞と同一型の細胞である(例えば、供試試料および参照試料の双方ともリンパ球である)。一実施形態において、アッセイは、供試試料および対照試料を含むプレート(例えば、96ウェル、384ウェルなど)中で分析される。別の実施形態において、プレートは、また、健常対象からの、および群1、2および3の対象からの参照試料を含む。
【0029】
一実施形態において、より小さいまたはより大きいシグナルとは、参照シグナルに対する、供試試料(試験される対象から得られる試料)を用いて得られるシグナルとの間の少なくとも約10%の、さらなる実施形態では、少なくとも約15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、または200%の差を指す。一実施形態において、実質的に同等のシグナルとは、参照シグナルに比較して、10%未満まで、さらなる実施形態では、9%、8%、7%、6%、または5%未満まで相違するシグナルを指す。
【0030】
リガンド(例えば、アゴニスト)によって誘導されるシグナルの大きさの変化は、任意の方法を使用して検出できる。GiPCRを介して仲介されるシグナル(例えば、細胞内応答)の大きさまたは強度を測定する方法は、当技術分野で周知である。シグナルの大きさは、例えば、第2メッセンジャー(例えば、cAMP、Ca2+)などの分子、またはそのレベルがリガンドによる受容体のトリガー刺激に続いてモジュレートされる遺伝子産物(例えば、mRNAまたはタンパク質)のレベルを測定することによって判定することができる。シグナルの大きさは、また、例えば、リガンドによる受容体のトリガー刺激に続くタンパク質-タンパク質相互作用の変化を測定することによって(例えば、蛍光共鳴エネルギー移動[FRET]または生物発光共鳴エネルギー移動[BRET]によって)測定することができる。GiPCRを介して仲介されるシグナルの大きさまたは強度を測定するためのその他の方法には、例えば、cAMPレベルの測定(Medhurstら、2003.J Neurochem., 84)、GIRK-タリウムフラックスアッセイを使用するタリウムフラックスの測定(Niswenderら、2008; Mol Pharmacol.73(4))、パッチ-クランプ(Saugstadら、1996.J.Neurosci.16)、[35S]GTPγS標識化アッセイを使用するGTPγS結合形成の測定(Rioboら、2006.Proc Natl Acad Sci USA, 103)、およびインピーダンス変化の測定(Petersら、2007.J Biomol.Screen.12: 312〜9)が含まれる。一実施形態において、シグナルの大きさは、受容体のトリガー刺激に続いて細胞中で発生するインピーダンスの変化を利用して測定される(例えば、細胞誘電分光法[CDS])。このような測定は、例えば、リアルタイムセル電子検出(RT-CES(商標))技術(ACEA Biosciences社、サンディエゴ、カリフォルニア州、米国)を使用して(Huangら、Analyst, 2008, 133(5): 643〜648; Sollyら、Assay Drug Dev.Technol.2004, 2(4): 363〜372)、または後記方法によるCellKey(商標)技術(MDS Sciex社、コンコード、オンタリオ州、カナダ)を使用して行うことができる
【0031】
一実施形態において、該方法は、高処理量アッセイに適したフォーマット、例えば、96または384ウェルのフォーマットで実施され、適切なロボット(例えば、ピペッティングロボット)および計測手段を使用できる。
【0032】
また、本発明により、前述の方法を実施するためのキットが提供される。該キットは、例えば、Giタンパク質共役型受容体のシグナルを測定するための1種または複数の試薬、ならびに課題のアッセイを実行するための緩衝剤、細胞、対照試料(例えば、健常対象からの試料、群1、2および3の患者の参照試料)、容器などを含むことができる。キットの種々の構成要素は、別個の容器中に存在することができ、あるいはいくつかの互換性のある構成要素は、所望なら、単一容器中で事前配合することができる。
【0033】
上述の構成要素に加えて、キットは、典型的にはさらに、該キットの構成要素を該方法を実施するのに使用するための説明書を含む。課題の方法を実施するための説明書は、一般に、適切な記録媒体上に記録される。例えば、説明書は、紙またはプラスチックなどの基材上に印刷することができる。それ自体、説明書は、包装挿入物としてキット中に、キットの容器またはその構成要素のラベル中に存在することができる(すなわち包装または下位包装に付随して)。他の実施形態において、説明書は、適切でコンピューター読取りが可能な記憶媒体、例えば、CD-ROM、ディスケットなどに存在する電子記憶データファイルとして存在する。さらに他の実施形態において、実際の説明書は、キット中に存在しないが、例えば、インターネットを経由する遠方の供給源から説明書を得るための手段が提供される。この実施形態の例が、説明書を見ることができる、および/またはそれから説明書をダウンロードすることができるウェブアドレスを含むキットである。説明書に関して、説明書を得るための手段は、適切な基材上に記録される。
【0034】
別の態様において、本発明は、対象に対する前記スクリーニング方法によって確認された有効量の化合物(および/または化合物を含む組成物)を投与することを含む、脊柱側弯症(例えば、小児期特発性脊柱側弯症、若年期特発性脊柱側弯症、または青年期特発性脊柱側弯症(AIS)などの特発性脊柱側弯症)の予防および/または治療方法を提供する。
【0035】
組成物(例えば、医薬組成物)は、前記スクリーニング方法によって確認された化合物(例えば、ペプチド、小分子)を、任意の適切な医薬担体/添加剤または医薬担体/添加剤の組合せを用いて製剤化することによって調製される。製剤は、静脈内、筋内、皮下、経口、直腸、経膣、経皮、経粘膜、舌下などの任意の経路による投与のために調製できる。
【0036】
一実施形態において、前述の対象は、哺乳動物、さらなる実施形態において、ヒトである。
【0037】
本発明のその他の目的、利点および特徴は、単なる例として与えられるその具体的実施形態に関する次の非限定的説明を、付随図面を参照して読むことにより、より明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】CDSによって検出されるメラトニンシグナルの伝達におけるGiタンパク質の寄与を表す図である。グラフ中のデータは、最大インピーダンス応答から作出され、三つ組みで実施された3回の独立実験の平均±SEに相当する。
【図2】対照対象(非IS)およびIS患者からの造骨細胞を、アデニル酸シクラーゼ活性およびそれに続くcAMP産生を誘導するために、ホルスコリンで前処理したことを示す図である。次いで、増大する濃度のメラトニンで細胞を刺激し、メラトニンシグナル伝達の機能状態を、cAMPレベルを低下させるメラトニンの能力によって評価した。データは、メラトニンの非存在下でホルスコリンによって誘導されたcAMP産生で規準化した。
【図3A】AIS患者または対照対象から得られる造骨細胞上に、特定のリガンドによる活性化の後に発現されるGiタンパク質に連結される種々の受容体の、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような応答を示す図である。対照(*)、群3(Ψ)または群2(Ω)に対する比較は、*、Ψ、Ω、p<0.05; **、ΨΨ、ΩΩ、p<0.01; ***、ΨΨΨ、p<0.001で示される。
【図3B】AIS患者または対照対象から得られる造骨細胞上に、特定のリガンドによる活性化の後に発現されるGiタンパク質に連結される種々の受容体の、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような応答を示す図である。対照(*)、群3(Ψ)または群2(Ω)に対する比較は、*、Ψ、Ω、p<0.05; **、ΨΨ、ΩΩ、p<0.01; ***、ΨΨΨ、p<0.001で示される。
【図4A】与えられた種々のリガンドを使用して、Gi共役タンパク質のシグナル伝達機能不全を、細胞誘電分光法(CDS)で測定される最大応答のパーセンテージとして比較する図である。増大する濃度のメラトニン、ヨードメラトニン、BP554、UK14304、IB-meca、およびCB65を、対照対象(非IS)およびIS患者(群1、2および3)からの造骨細胞に適用した。後に続く細胞応答を、CellKey(商標)装置中でCDSによって測定した。曲線は、最大インピーダンスの大きさから作出した。データは、対照患者からの細胞中での最大応答に対して規準化され、二つ組で実施された3回の独立実験の平均±SEとして表現した。
【図4B】与えられた種々のリガンドを使用して、Gi共役タンパク質のシグナル伝達機能不全を、細胞誘電分光法(CDS)で測定される最大応答のパーセンテージとして比較する図である。増大する濃度のメラトニン、ヨードメラトニン、BP554、UK14304、IB-meca、およびCB65を、対照対象(非IS)およびIS患者(群1、2および3)からの造骨細胞に適用した。後に続く細胞応答を、CellKey(商標)装置中でCDSによって測定した。曲線は、最大インピーダンスの大きさから作出した。データは、対照患者からの細胞中での最大応答に対して規準化され、二つ組で実施された3回の独立実験の平均±SEとして表現した。
【図4C】与えられた種々のリガンドを使用して、Gi共役タンパク質のシグナル伝達機能不全を、細胞誘電分光法(CDS)で測定される最大応答のパーセンテージとして比較する図である。増大する濃度のメラトニン、ヨードメラトニン、BP554、UK14304、IB-meca、およびCB65を、対照対象(非IS)およびIS患者(群1、2および3)からの造骨細胞に適用した。後に続く細胞応答を、CellKey(商標)装置中でCDSによって測定した。曲線は、最大インピーダンスの大きさから作出した。データは、対照患者からの細胞中での最大応答に対して規準化され、二つ組で実施された3回の独立実験の平均±SEとして表現した。
【図5A】AIS患者または対照対象から得られる筋原細胞上に、特定のリガンドによる活性化の後に発現されるGiタンパク質に連結される種々の受容体の、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような応答を示す図である。対照(*)、群3(Ψ)または群2(Ω)に対する比較は、*、Ψ、Ω、p<0.05; **、ΨΨ、ΩΩ、p<0.01; ***、ΨΨΨ、p<0.001で示される。
【図5B】AIS患者または対照対象から得られる筋原細胞上に、特定のリガンドによる活性化の後に発現されるGiタンパク質に連結される種々の受容体の、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような応答を示す図である。対照(*)、群3(Ψ)または群2(Ω)に対する比較は、*、Ψ、Ω、p<0.05; **、ΨΨ、ΩΩ、p<0.01; ***、ΨΨΨ、p<0.001で示される。
【図6A】与えられた種々のリガンドを使用してGi共役タンパク質のシグナル伝達機能不全を、細胞誘電分光法(CDS)で測定される最大応答のパーセンテージとして比較する図である。増大する濃度のメラトニン、ヨードメラトニン、BP554、UK14304、IB-meca、およびCB65を、対照対象(非IS)およびIS患者(群1、2および3)からの筋原細胞に適用した。後に続く細胞応答を、CellKey(商標)装置中でCDSによって測定した。曲線は、最大インピーダンスの大きさから作出した。データは、対照患者からの細胞中での最大応答に対して規準化され、二つ組で実施された3回の独立実験の平均±SEとして表現した。
【図6B】与えられた種々のリガンドを使用してGi共役タンパク質のシグナル伝達機能不全を、細胞誘電分光法(CDS)で測定される最大応答のパーセンテージとして比較する図である。増大する濃度のメラトニン、ヨードメラトニン、BP554、UK14304、IB-meca、およびCB65を、対照対象(非IS)およびIS患者(群1、2および3)からの筋原細胞に適用した。後に続く細胞応答を、CellKey(商標)装置中でCDSによって測定した。曲線は、最大インピーダンスの大きさから作出した。データは、対照患者からの細胞中での最大応答に対して規準化され、二つ組で実施された3回の独立実験の平均±SEとして表現した。
【図6C】与えられた種々のリガンドを使用してGi共役タンパク質のシグナル伝達機能不全を、細胞誘電分光法(CDS)で測定される最大応答のパーセンテージとして比較する図である。増大する濃度のメラトニン、ヨードメラトニン、BP554、UK14304、IB-meca、およびCB65を、対照対象(非IS)およびIS患者(群1、2および3)からの筋原細胞に適用した。後に続く細胞応答を、CellKey(商標)装置中でCDSによって測定した。曲線は、最大インピーダンスの大きさから作出した。データは、対照患者からの細胞中での最大応答に対して規準化され、二つ組で実施された3回の独立実験の平均±SEとして表現した。
【図7A】AIS患者または対照対象から得られるPBMC上に、特定のリガンドによる活性化の後に発現されるGiタンパク質に連結される種々の受容体の、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような応答を示す図である。対照(*)、群3(Ψ)または群2(Ω)に対する比較は、*、Ψ、Ω、p<0.05; **、ΨΨ、ΩΩ、p<0.01; ***、ΨΨΨ、p<0.001で示される。
【図7B】AIS患者または対照対象から得られるPBMC上に、特定のリガンドによる活性化の後に発現されるGiタンパク質に連結される種々の受容体の、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような応答を示す図である。対照(*)、群3(Ψ)または群2(Ω)に対する比較は、*、Ψ、Ω、p<0.05; **、ΨΨ、ΩΩ、p<0.01; ***、ΨΨΨ、p<0.001で示される。
【図8A】与えられた種々のリガンドを使用してGi共役タンパク質のシグナル伝達機能不全を、細胞誘電分光法(CDS)で測定される最大応答のパーセンテージとして比較する図である。増大する濃度のメラトニン、ヨードメラトニン、BP554、UK14304、IB-meca、およびCB65を、対照対象(非IS)およびIS患者(群1、2および3)からのPBMC(主にリンパ球を含む)に適用した。後に続く細胞応答を、CellKey(商標)装置中でCDSによって測定した。曲線は、最大インピーダンスの大きさから作出した。データは、対照患者からの細胞中での最大応答に対して規準化され、二つ組で実施された3回の独立実験の平均±SEとして表現した。
【図8B】与えられた種々のリガンドを使用してGi共役タンパク質のシグナル伝達機能不全を、細胞誘電分光法(CDS)で測定される最大応答のパーセンテージとして比較する図である。増大する濃度のメラトニン、ヨードメラトニン、BP554、UK14304、IB-meca、およびCB65を、対照対象(非IS)およびIS患者(群1、2および3)からのPBMC(主にリンパ球を含む)に適用した。後に続く細胞応答を、CellKey(商標)装置中でCDSによって測定した。曲線は、最大インピーダンスの大きさから作出した。データは、対照患者からの細胞中での最大応答に対して規準化され、二つ組で実施された3回の独立実験の平均±SEとして表現した。
【図8C】与えられた種々のリガンドを使用してGi共役タンパク質のシグナル伝達機能不全を、細胞誘電分光法(CDS)で測定される最大応答のパーセンテージとして比較する図である。増大する濃度のメラトニン、ヨードメラトニン、BP554、UK14304、IB-meca、およびCB65を、対照対象(非IS)およびIS患者(群1、2および3)からのPBMC(主にリンパ球を含む)に適用した。後に続く細胞応答を、CellKey(商標)装置中でCDSによって測定した。曲線は、最大インピーダンスの大きさから作出した。データは、対照患者からの細胞中での最大応答に対して規準化され、二つ組で実施された3回の独立実験の平均±SEとして表現した。
【図9】Gi共役型受容体のリガンド刺激に対する応答変化が、家族#24からのPBMC中で検出されることを示す図である。示した家族のすべてのメンバーの最大インピーダンスを、細胞誘電分光法(CDS)で測定した。***はp<0.001を意味する。
【図10A】Gi共役型受容体のリガンド刺激に対する応答変化が、4家族: 23、24、29および39からのPBMC中で検出されることを示す図である。示した家族のすべてのメンバーの最大インピーダンスを、細胞誘電分光法(CDS)で測定した。***はp<0.001を意味する。
【図10B】Gi共役型受容体のリガンド刺激に対する応答変化が、4家族: 23、24、29および39からのPBMC中で検出されることを示す図である。示した家族のすべてのメンバーの最大インピーダンスを、細胞誘電分光法(CDS)で測定した。***はp<0.001を意味する。
【図11A】対照対象および機能群1、2および3に属するAIS患者からの造骨細胞中で、(A)300μMのメラトニン、(B)300μMのヨードメラトニン、(C)300μMのBP554、(D)300μMのUK14304、(E)300μMのIB-meca、および(F)300μMのCB65を使用して得られる、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような値の範囲を示す図である。
【図11B】対照対象および機能群1、2および3に属するAIS患者からの造骨細胞中で、(A)300μMのメラトニン、(B)300μMのヨードメラトニン、(C)300μMのBP554、(D)300μMのUK14304、(E)300μMのIB-meca、および(F)300μMのCB65を使用して得られる、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような値の範囲を示す図である。
【図12A】対照対象およびA)AIS患者またはB)無症候のリスク保持対象患者からのPBMC中で、300μMのヨードメラトニンを使用して得られる、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような値の範囲を示す図である。各点は、個々の対象における3つのウェルの平均を表し、見出されたアッセイの変動係数は、典型的には、10%未満であった。
【図12B】対照対象およびA)AIS患者またはB)無症候のリスク保持対象患者からのPBMC中で、300μMのヨードメラトニンを使用して得られる、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような値の範囲を示す図である。各点は、個々の対象における3つのウェルの平均を表し、見出されたアッセイの変動係数は、典型的には、10%未満であった。
【図13A−1】13A)は、時刻ゼロ(T0)および18ヶ月後(T18)の時点で特定のリガンドでの活性化の後に、無症候のリスク保持患者、AIS対象、および対照対象から得られたPBMC上に発現されるGiタンパク質に連結される種々の受容体の、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような応答を示す図である。13B)は、無症候のリスク保持患者から得られるPBMC(主にリンパ球を含む)上のメラトニン受容体に対する応答を1つのグラフ上に示す図である。
【図13A−2】13A)は、時刻ゼロ(T0)および18ヶ月後(T18)の時点で特定のリガンドでの活性化の後に、無症候のリスク保持患者、AIS対象、および対照対象から得られたPBMC上に発現されるGiタンパク質に連結される種々の受容体の、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような応答を示す図である。13B)は、無症候のリスク保持患者から得られるPBMC(主にリンパ球を含む)上のメラトニン受容体に対する応答を1つのグラフ上に示す図である。
【図13B】13A)は、時刻ゼロ(T0)および18ヶ月後(T18)の時点で特定のリガンドでの活性化の後に、無症候のリスク保持患者、AIS対象、および対照対象から得られたPBMC上に発現されるGiタンパク質に連結される種々の受容体の、細胞誘電分光法(CDS)で測定されるような応答を示す図である。13B)は、無症候のリスク保持患者から得られるPBMC(主にリンパ球を含む)上のメラトニン受容体に対する応答を1つのグラフ上に示す図である。
【図14A】シグナル伝達がGi共役型受容体に対して特異的であるかどうかを判定するために、種々のリガンドGs、Gi、およびGqを使用する、対照対象およびAIS対象(群1、2および3)の造骨細胞中でのGPRCシグナル伝達を示す図である。
【図14B】シグナル伝達がGi共役型受容体に対して特異的であるかどうかを判定するために、種々のリガンドGs、Gi、およびGqを使用する、対照対象およびAIS対象(群1、2および3)の造骨細胞中でのGPRCシグナル伝達を示す図である。
【図15A】既知のGiタンパク質共役型受容体のリストを示す図である。
【図15B】既知のGiタンパク質共役型受容体のリストを示す図である。
【図15C】既知のGiタンパク質共役型受容体のリストを示す図である。
【図15D】既知のGiタンパク質共役型受容体のリストを示す図である。
【図15E】既知のGiタンパク質共役型受容体のリストを示す図である。
【図15F】既知のGiタンパク質共役型受容体のリストを示す図である。
【図15G】既知のGiタンパク質共役型受容体のリストを示す図である。
【図16−01】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−02】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−03】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−04】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−05】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−06】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−07】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−08】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−09】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−10】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−11】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−12】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−13】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−14】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−15】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−16】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−17】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−18】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−19】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−20】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−21】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−22】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−23】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−24】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−25】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−26】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−27】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−28】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−29】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−30】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−31】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−32】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−33】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−34】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−35】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−36】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−37】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−38】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−39】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−40】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−41】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−42】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−43】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−44】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−45】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−46】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−47】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−48】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−49】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−50】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−51】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−52】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−53】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−54】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−55】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【図16−56】Giタンパク質共役型受容体に対する既知のリガンドのリストを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明を、以下の非限定的実施例によりさらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0040】
対象(対照、AIS、および無症候)の臨床的特徴
診察した健常対象(対照)、AIS対象、および無症候対象の臨床的特徴を、それぞれTables I〜III(下表1〜3)に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2A】

【0043】
【表2B】

【0044】
【表3A】

【0045】
【表3B】

【0046】
実施例3〜4および8〜10のために細胞を分離された対象の臨床的特徴
モントリオールのThe Saite-Justine Hospital、The Montreal Children's Hospital、The Shriners Hospital for ChildrenおよびMcGill大学の施設内審査委員会は、この研究を承認した。すべての関係者の親または法定後見人は、書面でのインフォームドコンセントを差し出し、未成年者は彼らの同意を差し出した。すべてのIS患者を、この研究に関与する6名の整形外科医の一人が診察した。病歴および理学的診断がISの診断と一致し、かつ冠状面での脊柱捩れを伴う最小で10°の湾曲がX線写真で見出されたら、その者は、罹患していると考えた。これらの対象の個体群統計学および臨床的特徴の概要を、Table IV(下表4)に示す。これらの対象は、Table II(前表2)中にも含められる。
【0047】
ISに罹患した片親から生まれた何人かの若い無症候の子供も、無症候集団における試験の性能を評価するために、研究に登録された。各対象を、Sainte-Justine大学病院のISの早期発見のためのクリニックにおいて同じ整形外科医が診察した。これらの対象は、Table III(前表3)にも含められる。
【0048】
健常な子供を、彼らの親または法定後見人から書面によるインフォームドコンセントを得て、未成年者が彼らの同意を差し出した後に、モントリオールの小学校における対照として採用した。この採用は、Montreal English Schoolの委員会、The Affluent Schoolの委員会、および前述のすべての施設内審査委員会によって承認された。研究に入る前に、なんらかの隠れた脊柱側弯症を除外するために、各正常対象も、同じ整形外科医が、脊柱側弯計を用いるアダムの前屈試験を使用して診断した(Table IV(表4))。これらの対象も上のTable I(表1)に含まれる。
【0049】
【表4】

【実施例2】
【0050】
材料および方法
Giタンパク質共役型受容体の応答を、臨床的に十分に明確にされたAISを有する患者から得られた種々の細胞型(造骨細胞、筋原細胞およびPBMC(主にリンパ球を含む))中で調べ、年齢および性別の合致した対照対象(脊柱側弯症に罹患していない)と比較した。
【0051】
3つの集団、すなわち、IS患者、脊柱側弯症のいかなる家族歴もない健常対照、および少なくとも片親が脊柱側弯症である親から生まれ脊柱側弯症を発現するリスクを所持すると考えられる無症候子孫について調べた。44名のIS患者からなる群(45°を超える湾曲を有する19名のAIS患者、および10°〜29°の湾曲を有する25名のAIS患者)(Table II(前表2))、42名の健常対照対象(Table I(前表1))、ならびに脊柱側弯症を発現するリスクを保持する30名の無症候の子供(Table III(前表3))を採用し、6ヶ月ごとに診察した。すべての対象が白人であった。
【0052】
造骨細胞および筋原細胞
骨検体は、脊椎骨(実施される外科処置によりT3〜L4で異なる)から手術的に得られ、一方、脊柱側弯症でない対照として用いられる外傷症例の場合は骨検体は、他の解剖学的部位(脛骨もしくは大腿骨、および一症例では腸骨稜生検)から得られた。前述のように単離された造骨細胞および筋原細胞(Moreau A, Wang DS, Forget Sら「Melatonin Signaling Dysfunction in Adolescent Idiopathic Scoliosis」Spine 2004; 29: 1772〜81; Azeddineら、2007「Molecular determinants of melatonin signaling dysfunction in adolescent idiopathic scoliosis」Clin Orthop Relat Res.2007, 462: 45〜52)を、10%ウシ胎児血清(FBS)および100μg/mLストレプトマイシンで補足されたMEM中、37℃/5%CO2で培養した。実験に先立って、細胞を、CellKey(商標)標準型96ウェルプレート中に5×104/ウェルの密度で播種し、24時間増殖し、標準的な条件(37℃/5%CO2)でインキュベートした。いくつかのプレートでは、CDSアッセイの16時間前に、百日咳毒素(100ng/mL、Sigma社、オークヴィル、オンタリオ州、カナダ)処理を実施した。一夜インキュベートした後、プレートを、CellKey(商標)システムに配置し、実験を開始する前に、増殖培地をアッセイ緩衝液(20mM HEPESおよび0.1%BSAを含むハンクスの平衡塩溶液)に交換した。次いで、細胞を室温で30分間平衡化させた。ベースラインの読みを得るために、添加前測定を5分間行った。次いで、リガンド(メラトニン、2-ヨードメラトニン、BP554マレエート、UK14304、IB-MECA、および/またはCB65)を、統合型流体処理システムを使用して96ウェルすべてに同時に添加した。内因性受容体の活性化は、流体添加および混合の直後に起こり始まるインピーダンス変化をもたらした。CellKey(商標)システムの迅速な更新速度(2秒)は、これらの即時的インピーダンス変化の検出を可能にする。インピーダンスの測定値を、リガンド添加後に28℃で10分〜15分間収集し、リガンド相互作用に対する細胞応答を監視し、使用されるシグナル伝達機構の特徴であるCellKey(商標)応答プロフィールを作出した。
【0053】
PBMC
血液試料を、患者および対照群から得て、EDTAを含む血液採取チューブ中に集め、次いで、Ficoll-Plaque(GE Healthcare社、ミシソーガ、オンタリオ州、カナダ)溶液上で遠心して、PBMC(主にリンパ球を含む)を得た。PBMC画分は、10%DMSOを含むFBS中で凍結して保存し、解凍しアッセイするまで、液体窒素中に保った。PBMCを、貯蔵組織培養フラスコから採取し、アッセイ緩衝液で3回洗浄した。細胞を、ヘパリン処置末梢神経からFicoll-Hypaque密度勾配遠心分離によって単離し、10%FBS、100μg/mLストレプトマイシンおよび1%フィトヘマグルチニンで補足されたRPMI 1640培地中で培養した。37℃/CO2で48時間インキュベートした後、細胞を、アッセイ緩衝液で3回洗浄し、CellKey(商標)小型96ウェルプレート中に播種した。典型的には、平均で1×105〜1.5×105の細胞を、各ウェルに添加し、室温で30分間定着させた。これにより、電極頂部に細胞の単層が生じた。細胞を定着した後、細胞プレートを装置上に配置し、5分間のベースライン測定値を取得した後、下記方法で実験を開始した。すべての実験は、28℃で実施した。
【0054】
細胞誘電分光法(CDS)
種々のリガンドによってそれらの受容体に誘導される応答を、CellKey(商標)技術を使用する細胞誘電分光法(CDS)により測定した。(MDS Sciex、サンフランシスコ、カリフォルニア州、米国)。CellKey(商標)システムは、市販のロボット式プラットフォームと適合性がある完全ソリューションパッケージ(MDS Sciex社)中に、専有権のあるインピーダンス測定システム、特注の96ウェルマイクロリットルプレート、オンボードの96ウェル流体処理システム、環境制御、ならびに特注の取得および解析ソフトウェアを統合している。1kHz〜10MHzの24種の周波数で小さな電圧が、底部に電極を含む96ウェルマイクロプレート中に定着された細胞の単層に印加され、生じる電流は2秒の更新速度で測定される。該システムは、熱的に調節され、実験は、28〜37℃で実施することができ、本明細書中で示される例では、典型的には28℃である。オンボードの流体添加および交換は、96ウェルの水頭式流体送達デバイスにより5〜500μLの範囲で取り扱われる。細胞プレートの配置に加えて、CellKey(商標)システムは、96または384ウェルの化合物プレート用の2つのさらなるステーションを含む。アッセイの設定、実行、およびデータ取得、ならびに分析のすべての態様は、CellKey(商標)ソフトウェアによって制御される。
【0055】
天然または合成リガンドのアゴニストおよびアンタゴニスト活性は、低い受容体発現の条件(例えば、患者からの初代および一次継代細胞を使用する場合)下でCellKey(商標)技術を使用して、正確に定量することができる。
【0056】
造骨細胞でのcAMPアッセイ
IS患者および対照対象からの造骨細胞を、四つ組で24ウェルプレートに播種(ウェル当たり1×105細胞)し、前述のように試験した(Moreau A, Wang DS, Forget Sら「Melatonin Signaling Dysfunction in Adolescent Idiopathic Scoliosis」Spine 2004; 29: 1772〜81)。すべてのアッセイは、二つ組で実施した。
【0057】
統計解析
各対象に関して二つ組での3回の実験を実施した。結果は、これらの測定値の平均±SEである。アッセイの変動係数は、典型的には10%未満であることが見出された。すべての濃度応答曲線を、GraphPad(商標)(サンディエゴ、カリフォルニア州)を使用して非線形回帰により解析した。統計解析に関して、多重比較を、一元配置分散分析(ANOVA)、それに続くニューマン-クルーズの事後検定を用いて実施した。0.05未満の確率値を有意差として採用した。
【0058】
データは、平均±SEとして示される。平均の多重比較は、GraphPad(商標)Prism4.0ソフトウェアを使用して、一元配置分散分析(ANOVA)、それに続くダネットの事後検定を用いて実施した。0.05未満のP値のみ、有意と見なした。
【実施例3】
【0059】
メラトニンシグナルの伝達におけるGiタンパク質介在型経路の関連部分のCDS検出
メラトニンシグナルの伝達におけるGiタンパク質介在型経路の関連部分を検出するCDSの能力を、この経路を百日咳毒素(PTX)で遮断することによって測定した。この毒素は、ヘテロ三量体Giタンパク質のαiサブユニットをADP-リボシル化し、それによってその活性を妨害する。MG63造骨細胞細胞系を、100ng/mLのPTXの存在または非存在下で16時間血清飢餓処理を行い、Giタンパク質のαiサブユニットを阻害した。次いで、細胞を、10μMのメラトニンまたはヨードメラトニンを用い37℃で5分間刺激した。細胞応答を、材料および方法の項で説明したようにCellKey(商標)を用いて測定した。
【0060】
図1に示す結果は、MG63造骨細胞株において、PTX処理が、メラトニンまたはヨードメラトニンでの刺激に続く、CDSによって測定される細胞応答を劇的に抑制することを示す。抑制度は、メラトニンに対して約75%、ヨードメラトニンに対して90%であり、Giタンパク質がメラトニンシグナルの伝達に対して有する主な効果は、CDSで測定されることを示した。
【実施例4】
【0061】
cAMPおよびCDSによって測定されるメラトニンの障害の比較
健常対照および3名の重度罹患のIS患者(45°を超えるコブ角を示す手術症例)からの一次造骨細胞を、アデニル酸シクラーゼ活性およびそれに続くcAMP産生を誘導するためにホルスコリンで前処理した。次いで、細胞を、増大する濃度のメラトニンで刺激し、メラトニンシグナル伝達の機能状態を、cAMPレベルを低下させるメラトニンの能力によって評価した。データは、メラトニンの非存在下でホルスコリンによって誘導されるcAMP産生で規準化した。予想したように、IS患者からの造骨細胞は、健常対照対象からのそれと比較すると、ホルスコリンに続くメラトニン刺激に応答した高いcAMP産生を示した(図2)。さらに、この産生の程度は、3名のIS患者間で相違した。これらのデータは、以前の知見(Goldberg MS, Mayo NE, Poitras Bら「The Ste-Justine Adolescent Idiopathic Scoliosis Cohort Study.Part I: Description of the study」Spine 1994; 19: 1551〜61)と一致し、したがって、これらの患者の造骨細胞における程度を異にするメラトニンシグナル伝達機能不全の発生を確証している。
【0062】
次いで、この欠陥を検出するCDSアッセイの能力を、これらの細胞のCDS応答に対する種々の濃度のメラトニンおよびヨードメラトニンの効果を研究することによって評価した。増大する濃度のメラトニンまたはヨードメラトニンを、健常な対照対象(対照)およびIS患者(群1、2および3)からの造骨細胞およびPBMC(主としてリンパ球を含む)に適用した。それに続く細胞応答を、CellKey(商標)装置中、CDSで測定した。最大インピーダンスの大きさから曲線を作出した。データは、対照患者からの細胞中での最大応答に対して規準化し、二つ組で実施された3回の独立実験の平均±SEで表現した。得られた結果は、メラトニンおよびヨードメラトニンが、対照およびIS患者の双方からの造骨細胞において濃度依存方式で類似の応答を引き起こすことを示した。しかし、応答の大きさは、ISの造骨細胞において有意により小さかった(図4)。他方で、CDS応答の程度に関する有意差も、3名のIS患者間で観察された。これらの結果は、ISにおけるメラトニンシグナル伝達の機能不全および患者間でのこの欠陥の格差を、IS患者でのCDSによって検出できることを示す。
【0063】
興味深いことに、CDSを使用する、メラトニンまたはヨードメラトニンに応答したPBMCのスクリーニングは、造骨細胞で得られたものに比べて類似の特徴を示し(図4および8)、PBMCにおいてもメラトニンシグナル伝達の機能不全が発生することを立証した。
【実施例5】
【0064】
ISから単離された種々の細胞型における対照対象と対比した種々のGi共役型受容体の応答の比較
図3〜8に示すように、AIS患者から単離され、種々のGiタンパク質共役型受容体(MT2、5-HT1A、α2-AD、A3またはCB2)に対して特異的なリガンドで刺激された造骨細胞、筋原細胞およびPBMCは、脊柱側弯症でない正常な対象からの細胞のそれと比較して、応答の変化(すなわち、刺激に続くインピーダンスの変化)を有し、かくして、IS患者がGiタンパク質介在性シグナル伝達における一般化された障害を有することを立証している。Table V(下表5)に示すように、障害されたGiタンパク質共役型受容体の応答は、試験されるすべてのIS対象(I期およびII期)からの細胞中で測定された。また、31名中12名の無症候リスク保持対象(ISの親を有する対象)からの細胞は、Giタンパク質共役型受容体の欠陥を示した。興味深いことに、障害されたGiタンパク質共役型受容体の応答が後に検出された12名の対象中の4名は、X線分析で判定されるような脊柱側弯症の症状を発現し、障害された/欠陥のあるGiタンパク質共役型受容体の応答をIS(または、ISを発現する素因)の予測に使用できることを立証した。
【0065】
【表5】

【実施例6】
【0066】
AISファミリーのメンバーから得られた細胞におけるGi共役型受容体の応答の測定
図9〜10は、種々のGi共役型受容体の応答変化が、ISに罹患した母親および娘の双方から単離されたPBMC(主としてリンパ球を含む)中で検出されるが、非罹患の父親および息子からの細胞中で検出されないことを示す。興味深いことに、母親および娘から得られた細胞中で測定されたGi共役型受容体の応答は、極めて類似し(後で定義する群2)、欠陥は、母親によって娘に遺伝的に伝達されたことを示唆している。また、欠陥は、母親がたとえ脊柱湾曲を低減するための手術を受けたといえども、母親中で維持される。娘に関する臨床データは、次の通りである: 年齢13.5、湾曲パターン: 右凸胸椎、コブ角: 6°。
【実施例7】
【0067】
造骨細胞において測定されたGi共役型受容体の応答に基づくAIS対象の層別/分類
図11は、造骨細胞中で測定した場合の、Gi共役型受容体の種々のリガンドを使用して対照(n=3)およびIS対象(n=9)について得られた平均値の範囲を示す。最小値(min)および最大値(max)は、所定の患者/対照対象に関して二つ組で実施された3回の独立実験(全部で6つの値)の平均を表す。試験されたすべてのAIS対象は、対照対象と比較して、Gi共役型受容体のより小さな応答を示したが、AIS対象は、典型的には、3つの類型(図3〜8のAIS対象に対して3つの異なる曲線で表される)の応答を示し、かくして3つの群に分類できることが観察された。最も小さな値(Gi共役型受容体の小さな応答)を有するAIS対象は、サブグループ1として分類され、最も大きな値(Gi共役型受容体の「大きな」応答、しかし対照対象に比べて常に小さい)を有するAIS対象はサブグループ3として分類され、これらの群1と群3との間の値(Gi共役型受容体の「中間的な」応答)を有するAIS対象はサブグループ2として分類された。種々のリガンドを使用して得られたデータ(dZiec値および対照の%)をTable VI(下表6)に要約する。二つ組(n1およびn2)での3回の独立実験を示す。
【0068】
【表6A】

【0069】
【表6B】

【0070】
【表6C】

【0071】
【表7】

【実施例8】
【0072】
PBMC中で測定されたGi共役型受容体の応答に基づくIS対象の層別/分類
CDSを用いる細胞をベースにしたアッセイの感度および特異性を判定するために、AISを有する(n=45)(Table II(表2)参照)または有さない(n=42)(Table I(表1)参照)個体の集団を、これらの各個体からのPBMC(主にリンパ球を含む)におけるメラトニンシグナル伝達の機能状態を調べることによって試験した。
【0073】
PBMCは、対照対象、前記実施例2で説明したようなIS対象から単離された。細胞誘電分光法(CDS)によって測定して300μMのヨードメラトニンのシグナル伝達効果を測定した。
【0074】
図12Aは、すべてのIS患者が、試験された健常志願者(対照)と比較した場合に、ヨードメラトニンに対する応答がより小さかったことを示す。類似の結果が、メラトニンで得られ(データは示さない)、これによりこのアッセイに関する高い選択性を示している。ヨードメラトニンに応答した健常志願者からのPBMC中で測定された最小の大きさは、実験条件下で124オームであった。試験されたAIS患者の誰も、このような大きさに達するCDS応答を示さなかった。IS患者において測定された最大の大きさは110オームであり、一方、最小は16オームであった。正常/健常対象におけるヨードメラトニンに対するメラトニンシグナル伝達応答は、したがって、120オームを超えた。IS患者に関して、10〜40オームの範囲のCDS応答は群1に、40〜80オームでは群2に、最後に80〜120オームでは群3のIS患者に分類された。試験されたすべてのAIS患者の中で、11%(5/44)、30%(13/44)および59%(26/44)が、それぞれ、機能群1、2および3に属すると診断された。彼らのCDS応答によれば、これらの患者を分類する上で不明確さは存在しなかった。CDS応答の平均は、群1では27.89±4.18、群2では65.71±3.42であり、一方、群3では97.94±1.36、対照群では155.17±3.91であった。これらの差異は、高度に有意であった(P<0.001)。これらの結果は、CDSアッセイを用いるPBMCにおけるメラトニンシグナル伝達の評価に基づいた機能試験は、IS患者を健常個体からのみならず、異なる機能群からも効果的に区別することを立証している。これらの結果は、診断ツールとしてのこの機能試験の感度、特異性およびダイナミックレンジを立証している。また、PBMCにおけるヨードメラトニンに関して、各群での最小値と最大値との間、および対照対象での最小値と最大値との間で観察される差異を示しているTable VII(表7)を参照されたい。
【0075】
【表8】

【実施例9】
【0076】
PBMCでのIS発現リスクの予測
健常対照(n=42)(Table I(表1))、またはこの疾患を発現するリスクを保持すると考えられる対象(n=30)(Table III(表3))を試験して、このアッセイ法のIS発現リスクを予測する能力を判定した。
【0077】
PBMCは、前記実施例2で説明したように無症候のリスク保持対象から単離した。細胞誘電分光法(CDS)で測定して300μMのヨードメラトニンのシグナル伝達効果を、これらの細胞中で測定し、前記実施例6で説明した健常対照中で測定されたものと比較した。
【0078】
少なくとも片親が脊柱側弯症の親から生まれた無症候の子供からのPBMCに関する機能スクリーニングは、メラトニンシグナル伝達の欠陥を、この集団中で検出できることを明らかにした(図12B)。試験されたすべての無症候の子供の中で、60%(19/31)は、正常な大きさ(>120オーム)の範囲のCDS応答を示したが、40%(12/31)においてはCDS応答は低下した。後者の群は、脊柱側弯症をより発現しやすいと考えられた。これらの高いリスクを保持する12名の子供の中で、4名(33%)は、24ヶ月後に脊柱変形を発現し、X線写真で確認される11.7°の平均コブ角を示した(データは示さない)。正常範囲の19名中の誰も脊柱側弯症を発現しなかった。
【0079】
ISの罹患率は、少なくとも片親が罹患した親から生まれた無症候の子供において増大することが知られている。上に示した結果は、この事実を裏付け、この部類の子供がISをより発現しやすいことを確証している。脊柱側弯症を発現するリスクは、試験された無症候の子供の40%で予想され(すなわち12/31)、かつ彼らの33%が数ヶ月後に脊柱変形を発現した。例えば、Table III(表3)中のその当時無症候の患者#3116(その当時9歳)は、11歳で、9〜14°のコブ角を有する右凸胸椎および左凸腰椎の湾曲パターンを呈示した。
【0080】
疑わしい子供の残りの67%で脊柱変形の発症がないことは、たぶん彼らの年齢と関連している。実際、脊柱の変形は、10〜16歳の子供で発生すると認識されている。しかし、本研究に登録された無症候の子供の平均年齢は10.2±3.2歳であり、しかも彼らを追跡したのは24ヶ月間であった。したがって、試験された子供のすべてが、この期間中に脊柱変形を発現するのにふさわしい年齢に到達したとは限らない。
【0081】
試験されたすべての子供(10歳以上の子供を含む(脊柱側弯症は10歳近辺で現われる))の中で、正常なメラトニンシグナル伝達を呈示する無症候の子供、または脊柱側弯症の家族暦のない対照の子供のどちらも、研究期間中にいかなる脊柱変形も発現しなかった。
【実施例10】
【0082】
無症候のリスク保持対象におけるGi共役型受容体の応答の測定
図13AおよびBは、Gi共役型受容体応答の欠陥を、無症候のリスク保持対象(n=31)(対象はAISに罹患した親を有する)のPBMC(主にリンパ球を含む)において18ヶ月間にわたって検出できることを示す。また、欠陥の大きさは、この期間にわたって維持され(すなわち、対象は、最初(to)および18ヶ月後(t18)の時点で極めて類似した応答曲線を示した)、該欠陥が時間と共に変化しないことを示唆する。
【実施例11】
【0083】
造骨細胞におけるGi共役型受容体の応答の測定
造骨細胞を、CellKey(商標)標準型96ウェルマイクロプレート中にウェル当たり5×104/150μLの密度で播種し、標準的条件(37℃/5%CO2)でインキュベートした。一夜インキュベートした後、プレートを、CellKey(商標)システム上に配置し、増殖培地をアッセイ緩衝液(20mM HEPESおよび0.1%BSAを含むハンクス平衡塩類溶液)で代替した後、実験を開始した。次いで、細胞を、室温で30分間平衡化させた。この期間の終末時点で、プレートを、システム上に配置し、ベースラインの読みを得るため、添加前測定を5分間行った。次いで、ホルスコリン、イソプロテレノール、メラトニン、またはブラジキニンを、統合型流体処理システムを用い96ウェルのすべてに同時に添加した。化合物の添加は、流体添加および混合の直後に始まるインピーダンス変化をもたらした。インピーダンス測定値を28℃で15分間収集した。図14は、AISにおけるGPCRのシグナル伝達が、Gi共役型受容体に特異的であることを示す。各群間での、イソプロテレノールの存在下でGs共役型GPCRに関して観察される応答の差異、およびホルスコリンの存在下でのcAMPの産生の差異は、機能性Giの不在によって説明される。細胞中にはGsに比べてほぼ10倍超のGiが存在する。したがって、若干のGiが非機能性であるなら、それは、ホルスコリンの存在下でcAMPの産生を抑制できず、したがって、Gs共役型応答も、影響されると思われる。
【0084】
本発明を、その具体的実施形態によってこれまで説明して来たが、添付の特許請求範囲中で規定されるような主題発明の精神および本質から逸脱することなしに本発明を修正できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供試化合物が脊柱側弯症を治療するのに有用であるかどうかを判定する方法であって、
(a)抑制性グアニンヌクレオチド結合(Gi)タンパク質に連結される受容体を発現する細胞を、前記供試化合物の存在または非存在下に、前記受容体に対するリガンドと接触させる段階、および
(b)前記リガンドによって前記細胞中で誘導されるシグナルの大きさを測定する段階を含み、ここで、前記供試化合物の存在下での非存在下に比較してより大きなシグナルが、前記供試化合物が脊柱側弯症を治療するのに有用であることを示す、前記方法。
【請求項2】
前記脊柱側弯症が、特発性脊柱側弯症である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記特発性脊柱側弯症が、青年期特発性脊柱側弯症(AIS)である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記細胞が、AISを罹患している対象から得られる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記シグナルが、前記細胞のインピーダンスの変化である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記インピーダンスの変化が、細胞誘電分光法(CDS)によって測定される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記細胞が、造骨細胞、筋原細胞または末梢血単核細胞(PBMC)である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記細胞が、PBMCである、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記細胞が、リンパ球である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記受容体が、セロトニン受容体、α-アドレナリン受容体、アデノシン受容体、またはカンナビノイド受容体である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記セロトニン受容体が、5-HT1Aである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記α-アドレナリン受容体が、α2-ADである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記アデノシン受容体が、A3である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記カンナビノイド受容体が、CB2である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記リガンドが、アゴニストである、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記リガンドが、1-[3-(3,4-メチレンジオキシフェノキシ)プロピル]-4-フェニル-ピペラジンマレエート(BP554マレエート)である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記リガンドが、5-ブロモ-N-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-6-キノキサリンアミン(UK14304)である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記リガンドが、1-デオキシ-1-[6-[[(3-ヨードフェニル)メチル]アミノ]-9H-プリン-9-イル]-N-メチル-β-D-リボフラヌロンアミド(IB-MECA)である、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記リガンドが、N-シクロヘキシル-7-クロロ-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]キノリン-4(1H)-オン-3-カルボキサミド(CB65)である、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも2種の異なるリガンドによって誘発されるシグナルの大きさを測定する段階を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
Giタンパク質に連結される少なくとも2種の異なる受容体についてシグナルの大きさを測定する段階を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
対象における脊柱側弯症を発現する素因を診断する方法であって、
(a)前記対象からの抑制性グアニンヌクレオチド結合(Gi)タンパク質に連結される受容体を発現する細胞を、前記受容体に対するリガンドと接触させる段階、
(b)前記リガンドによって前記細胞中で誘導されるシグナルの大きさを測定する段階、
(c)前記シグナルを対応する参照シグナルと比較する段階、および
(d)前記比較に基づいて前記素因を判定する段階、を含む方法。
【請求項23】
前記脊柱側弯症が、特発性脊柱側弯症である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記特発性脊柱側弯症が、青年期特発性脊柱側弯症(AIS)である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記シグナルが、前記細胞のインピーダンスの変化である、請求項22または23に記載の方法。
【請求項26】
前記インピーダンスの変化が、細胞誘電分光法(CDS)によって測定される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記細胞が、造骨細胞、筋原細胞または末梢血単核細胞(PBMC)である、請求項22から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記細胞が、PBMCである、請求項22から26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記細胞が、リンパ球である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記受容体が、セロトニン受容体、α-アドレナリン受容体、アデノシン受容体、またはカンナビノイド受容体である、請求項22から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記セロトニン受容体が、5-HT1Aである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記α-アドレナリン受容体が、α2-ADである、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記アデノシン受容体が、A3である、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記カンナビノイド受容体が、CB2である、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記リガンドが、アゴニストである、請求項22から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記リガンドが、1-[3-(3,4-メチレンジオキシフェノキシ)プロピル]-4-フェニル-ピペラジンマレエート(BP554マレエート)である、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記リガンドが、5-ブロモ-N-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-6-キノキサリンアミン(UK14304)である、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記リガンドが、1-デオキシ-1-[6-[[(3-ヨードフェニル)メチル]アミノ]-9H-プリン-9-イル]-N-メチル-β-D-リボフラヌロンアミド(IB-MECA)である、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記リガンドが、N-シクロヘキシル-7-クロロ-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]キノリン-4(1H)-オン-3-カルボキサミド(CB65)である、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも2種の異なるリガンドによって誘発されるシグナルの大きさを測定する段階を含む、請求項22から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
Giタンパク質に連結される少なくとも2種の異なる受容体についてシグナルの大きさを測定する段階を含む、請求項22から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
対象が、青年期特発性脊柱側弯症を発現しそうな候補者である、請求項24から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
特発性脊柱側弯症を有するヒト対象を分類する方法であって、
(a)前記対象からの抑制性グアニンヌクレオチド結合(Gi)タンパク質に連結される受容体を発現する細胞を、前記受容体に対するリガンドと接触させる段階、および
(b)前記リガンドによって前記細胞中で誘導されるシグナルの大きさを測定する段階を含み、それによって、測定段階の結果が、特発性脊柱側弯症を有する対象の1つのサブグループへの分類を可能にする、方法。
【請求項44】
前記特発性脊柱側弯症が、青年期特発性脊柱側弯症(AIS)である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
さらに、測定段階の結果に基づいて対象に対する治療を選択する段階を含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
前記シグナルが、前記細胞のインピーダンスの変化である、請求項43から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記インピーダンスの変化が、細胞誘電分光法(CDS)によって測定される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記細胞が、造骨細胞、筋原細胞または末梢血単核細胞(PBMC)である、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記受容体が、セロトニン受容体、α-アドレナリン受容体、アデノシン受容体、またはカンナビノイド受容体である、請求項43から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記セロトニン受容体が、5-HT1Aである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記α-アドレナリン受容体が、α2-ADである、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記アデノシン受容体が、A3である、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記カンナビノイド受容体が、CB2である、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記リガンドが、アゴニストである、請求項43から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記リガンドが、1-[3-(3,4-メチレンジオキシフェノキシ)プロピル]-4-フェニル-ピペラジンマレエート(BP554マレエート)である、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
前記リガンドが、5-ブロモ-N-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-6-キノキサリンアミン(UK14304)である、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
前記リガンドが、1-デオキシ-1-[6-[[(3-ヨードフェニル)メチル]アミノ]-9H-プリン-9-イル]-N-メチル-β-D-リボフラヌロンアミド(IB-MECA)である、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
前記リガンドが、N-シクロヘキシル-7-クロロ-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]キノリン-4(1H)-オン-3-カルボキサミド(CB65)である、請求項53に記載の方法。
【請求項59】
少なくとも2種の異なるリガンドによって誘発されるシグナルの大きさを測定する段階を含む、請求項43から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
Giタンパク質に連結される少なくとも2種の異なる受容体についてシグナルの大きさを測定する段階を含む、請求項43から59のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A−1】
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【図13A−2】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【図15F】
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【図15G】
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【図16−01】
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【図16−02】
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【図16−03】
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【図16−04】
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【図16−05】
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【図16−06】
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【図16−07】
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【図16−08】
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【図16−09】
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【図16−10】
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【図16−11】
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【図16−12】
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【図16−13】
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【図16−14】
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【図16−15】
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【図16−16】
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【図16−17】
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【図16−18】
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【図16−19】
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【図16−20】
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【図16−21】
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【図16−22】
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【図16−23】
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【図16−24】
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【図16−25】
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【図16−26】
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【図16−27】
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【図16−28】
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【図16−29】
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【図16−30】
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【図16−31】
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【図16−32】
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【図16−33】
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【図16−34】
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【図16−35】
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【図16−36】
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【図16−37】
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【図16−38】
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【図16−39】
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【図16−40】
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【図16−41】
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【図16−42】
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【図16−43】
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【図16−44】
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【図16−45】
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【図16−46】
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【図16−47】
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【図16−48】
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【図16−49】
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【図16−50】
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【図16−51】
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【図16−52】
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【図16−53】
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【図16−54】
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【図16−55】
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【図16−56】
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【公表番号】特表2012−505377(P2012−505377A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530342(P2011−530342)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【国際出願番号】PCT/CA2009/001453
【国際公開番号】WO2010/040234
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(511090017)
【Fターム(参考)】