説明

脱乳糖の牛乳製品の製造方法

【課題】 脱乳糖の牛乳製品の製造方法を提供する。
【解決手段】 牛乳を原料とするによって脱脂、凝乳化、沈殿、超濾過し、再び溶かし、混合、元に戻すなど処理のステップを行う、または行わずに脱乳糖の牛乳製品を製造する。この脱乳糖の牛乳製品は液体乳或いは固体状態の粉乳として製造することをでき、また、普通な牛乳と一緒に混合させて低い乳糖の液体乳或いは低い乳糖の粉乳を製造することをできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳製品の製造方法に関し、具体的には牛乳を原料とするによって脱乳糖の牛乳製品或いは低い乳糖の牛乳製品の製造方法に関する。この脱乳糖の牛乳製品或いは低い乳糖の牛乳製品は脱乳糖或いは低い乳糖の液体乳および脱乳糖或いは低い乳糖の固体粉である。
【背景技術】
【0002】
乳糖は哺乳動物の乳汁で特有な二糖類であり、牛乳で最も主要な炭水化物である(総括的な糖の含有量が99.8%以上を占める)。正常で新鮮な牛乳の乳糖含量は4.8%〜5.2%であり、それが非脂乳固体の52%を占め、およびホエー固体の70%を占める。
医学の百科全書(A service of the U.S national library of medicine and the national institutes of health)で次の内容が掲載されている:乳糖は消化道を通った後、小腸での十分な乳糖酵素による分解、消化、吸収されることを必要とする、さもなくば腹部膨満、腹痛、下痢など消化道の病状を発生しやすく、これが医学上の乳糖不耐性というものである。乳糖不耐性は多くアジア、アフリカ、南米地区の人々の身で発生する。乳糖が主に乳製品の中に存在するため、乳糖不耐性を回避しようとする人々は通常、飲食の方式を変え、例えば牛乳或いは牛乳製品を食べない。しかし、世界の胃腸病学雑誌(Word journal of gastroenterology, 2006, Vol12, No.2,P187−191)ではそのためもし牛乳或いは牛乳製品を放棄するならば飲食構造の遺失および機体の栄養バランスを失うことを招くかもしれないことを報道する。
【0003】
牛乳を飲む時の乳糖不耐性問題を解決するため、USP6881428、USP20050170044およびEuropean Food Tech Award to Valio lactose free milk technology (2006/5/4)では、牛乳加工中で乳糖酵素を牛乳に添加し、すなわち、まず乳糖を分解して乳糖を下げる方法によって牛乳を飲む時の乳糖不耐性を改善することを掲載する。しかし、この方法は同じモル濃度のブドウ糖および半分乳糖を発生し、総括的な糖の含有量が下がらない。長期あるいは大量に服用するならば、糖尿病患者の血糖の安定に役立たない。牛乳中の乳糖を除くおよび牛乳の総括的な糖の含有量を下げることは患者の健康を保障することに対して非常に積極的な意義を持っている。
【0004】
現在、国内外で牛乳中の乳糖を除く方法に関して報道があり、米国の特許U.S.P.5429829には牛乳に凝乳酵素と発酵を結合する製造方法で美味しいチーズを生産することが開示されている。しかし、このチーズは栄養があり又低い乳糖があるが、貴重なホエー栄養成分が失われてしまう。U.S.P.20050214409では膜分離およびコラムクロマトグラフィー方法で牛乳中の乳糖を直接に除いているが、該当方法は低生産性、工業生産を達成するのがより難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、従来の乳糖の除去方法は、他成分が失われたり、生産性及び工業性が低いという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は牛乳中の乳糖を有効に除く方法を提供する。
該当方法はまず、牛乳液を脱脂処理してから分別して低脂肪の乳液および牛乳脂肪を得る;低脂肪の乳液を攪拌しながら凝乳剤およびカルシウム塩を加えてミルクカードを形成させる;ミルクカードを加熱し且つ攪拌して分断し、カード粒子および上澄液を形成し、カード粒子を溶媒で溶解させて再溶け溶液を形成し、得られる上澄液から膜分離技術で乳糖を除き、脱乳糖のホエー液或いは脱乳糖のホエー粉を得る;それから、再溶け溶液と脱乳糖のホエー液或いは脱乳糖のホエー粉を混合して溶解し、且つ牛乳脂肪を添加しまたは添加せず、および乳化剤を添加してシェア乳化反応を行わせて脱乳糖の乳液を得る;または脱乳糖の乳液を均質化および消毒処理して脱乳糖の液体乳を得、この脱乳糖の液体乳を乾燥させて脱乳糖の粉乳を得る。
【0007】
もし脱脂処理しないならば、牛乳液を直接にミルクカード化処理して溶媒で溶解させて再溶け溶液を形成し、上澄液から膜分離技術で乳糖を除き、元に戻すなどのステップで低い乳糖の液体乳を乾燥させて低い乳糖の粉乳を得ることができる。
【0008】
本発明の肝心な技術はカード粒子を溶媒で溶解させて再溶け溶液を形成し、乳糖を除き上澄液と一緒に脱乳糖の液体乳或いは脱乳糖の粉乳を形成する。本発明の方法は羊乳を原料とすることによって脱乳糖の羊の液体乳或いは脱乳糖の羊粉乳を製造することに適用できる。
【0009】
本発明の目的は牛乳中の乳糖を有効に除く方法を提供する。
具体的には牛乳を原料とすることによって脱脂、沈殿、超濾過し、再び溶かし、混合、元に戻すなどの処理ステップを行い、又は行わずに脱乳糖の牛乳製品を製造し、この脱乳糖の牛乳製品として脱乳糖の液体乳或いは脱乳糖の粉乳或いは低い乳糖の液体乳或いは低い乳糖の粉乳を製造する。又、本発明の目的は前記と同じ方法を提供し、羊乳を原料とするによって脱乳糖の羊の液体乳或いは低い乳糖の羊の液体乳或いは脱乳糖の羊粉乳或いは低い乳糖の羊粉乳を製造する。
【0010】
本発明者が近年、牛乳と乳糖の研究によって、次の結果を得た:
【0011】
1、一定での凝乳法を採用して牛乳の構造変化を引き起こして凝集を発生し、脂肪、タンパク、ビタミン、鉱物質をカード粒子に集中させる。もし、まず、牛乳の脂肪を除くならば牛乳の凝集密度を増加することができ、カード粒子での乳糖残留量を更に減らす。乳糖は主にホエーに集中するため、水に溶け性を呈して、分子量がより小さく、これらの基礎上で、更に膜分離技術を利用してホエー液を処理し、牛乳中の乳糖の分離効果を倍に高めることができる。
【0012】
2、以前、人々が凝乳酵素を採用して牛乳を凝乳化する加工を行い、これの主要な産物はチーズ或いはカゼインであり、元の乳と比べて形、口当り、成分に大きな差がある。本発明の溶媒、乳化剤と均質の組合せの方案で酵素法凝乳を元に戻させり、再溶け溶液を得る。
【0013】
3、前記1、2中の脱乳糖のホエー液と再溶け溶液を混合させ、脱乳糖の液体乳を得る。これの牛乳性質および安定性は元の乳と基本的に同じである。
【0014】
4、本発明は元の腸道に乳糖酵素が下がり、及び糖尿病患者が本発明の脱乳糖の牛乳製品を食べたところ、乳糖不耐性の病状と血糖異常の反応を発生しないことが判明する。
【0015】
中華人民共和国の国家標準GB13432−2004には糖(すべての単糖類と二糖類を指す)の含有量が0.5%より大きくないと、無糖の製品というものを規定する。通常に牛乳製品中の乳糖が20%〜50%を減らすとすれば、ミルクを飲む時の乳糖不耐性現象を基本的になくなる。
そのために、本発明の低い乳糖の液体乳には乳糖の含有量が2.5%より大きくなく(50%を減らす)、全脂低い乳糖の粉乳には乳糖の含有量が20%より大きくない(50%を減らす)。
【0016】
従って、本発明の課題を解決するためのアイデアは次のように:
まず、牛乳液を脱脂処理して脂肪、タンパク、鉱物質とホエー液を分離させるように食物グレード凝乳剤を添加する。溶媒で収集される沈殿物を再溶解させて再溶け溶液を得る。収集されるホエー液の乳糖を膜分離技術で除き、脂肪、脱乳糖のホエー液と再溶け溶液を混合する。この混合の脱乳糖の乳液を均質化および消毒処理させて脱乳糖の液体乳を得、この脱乳糖の液体乳を乾燥させて脱乳糖の粉乳を得、または、これと普通の牛乳液を混合し低い乳糖の牛乳製品を製造する。
【0017】
本発明の脱乳糖の牛乳製品の製造方法は次の4つのステープで入手する:
【0018】
ステップA(1)〜(6)では脱乳糖の牛乳液を得、A(1)〜(7)では脱乳糖の液体乳を得、これを乾燥させて脱乳糖の粉乳或いは低い乳糖の粉乳を製造する。
ステップB(1)〜(5)では低い乳糖の牛乳液を得、またはB(1)〜(6)では低い乳糖の液体乳を得、これを乾燥させて低い乳糖の粉乳を製造する。
【0019】
A.
(1) まず、牛乳を脱脂処理してから分別して脂肪含有量が0.2〜2.0%である低脂肪の乳液および牛乳脂肪を得る;
(2) A(1)の低脂肪の乳液を加熱して攪拌しながら凝乳剤および液体カルシウム塩を加えてミルクカードを形成させる;
(3) ミルクカードを加熱し且つ攪拌して分断し、カード粒子および上澄液を形成し、分離することを経てから分別してカード粒子および上澄液を収集して得る;
(4) カード粒子を溶媒で溶解させて再溶け溶液を形成し、この再溶け溶液のPH値が6.6〜7.0に制御される;
(5) A(3)に得られる上澄液から膜分離技術で乳糖を除き、脱乳糖のホエー液或いは脱乳糖のホエー粉を得る;
(6) A(4) に得られる再溶け溶液とA(5)に得られる脱乳糖のホエー液或いは脱乳糖のホエー粉を混合して溶解し、且つA(1)の牛乳脂肪を添加し又は添加せず、および乳化剤を添加してシェア乳化反応を行わせて脱乳糖したミルクを得る;
(7) A(6)に得られる脱乳糖したミルクを均質化および消毒処理して脱乳糖の液体乳を得、この脱乳糖の液体乳を乾燥させて脱乳糖の粉乳を得る;または、A(6)に得られる脱乳糖したミルクと普通の牛乳液を混合してから得られたものを均質化および消毒処理して低い乳糖の液体乳を得、この低い乳糖の液体乳を乾燥させて低い乳糖の粉乳を得る;
【0020】
B.
(1) 牛乳を加熱し、攪拌しながら凝乳剤および液体カルシウム塩を加えミルクカードを形成させる;
(2) ミルクカードを加熱し且つ攪拌して分断し、カード粒子および上澄液を形成し、分離することを経てから別れにカード粒子および上澄液を収集して得る;
(3) カード粒子を溶媒で溶解させて再溶け溶液を形成し、この再溶け溶液のPH値が6.6〜7.0に制御される;
(4) B(2)に得られる上澄液から膜分離技術で乳糖を除き、脱乳糖のホエー液或いは脱乳糖のホエー粉を得る;
(5) B(3)に得られる再溶け溶液とB(4)に得られる脱乳糖のホエー液或いは脱乳糖のホエー粉を混合して溶解し、且つ乳化剤を添加してシェア乳化反応を行わせて低い乳糖の乳液を得る;
(6) 低い乳糖の乳液を均質化および消毒処理して低い乳糖の液体乳を得、またはこの脱乳糖の液体乳を乾燥させて低い乳糖の粉乳を得る。
【0021】
本発明の脱乳糖の牛乳製品は脱乳糖の液体乳と脱乳糖の粉乳を包含する。低い乳糖の牛乳製品は低い乳糖の液体乳と低い乳糖の粉乳を包含する。
【0022】
本発明の牛乳液は新鮮な牛乳或いは食物グレードのミルクパワーを飲用水で溶解させて得られるものである。
【0023】
本発明の凝乳剤は凝乳酵素或いは酸っぱい調合剤或いはそれらの2つの合剤を包含する。
【0024】
凝乳酵素は動物性酵素或いは植物性酵素或いは微生物酵素であり、その中、動物性酵素は子牛或いはラムのレンネットであり、植物性酵素はパパイヤの凝乳酵素であり、微生物酵素はムコール凝乳酵素であり、酸っぱい調合剤は塩酸、乳酸、クエン酸或いは二酸化炭素の気体である。
【0025】
本発明の溶媒は炭酸塩−クエン酸の緩衝液、クエン酸塩−クエン酸の緩衝液あるいは燐酸塩の緩衝液であり、前記燐酸塩の緩衝液は燐酸水素二つカリウム−燐酸二つ水素カリウムであり、前記再溶け溶液は塩の濃度が0.005〜0.03Mに制御され、前記再溶け溶液のPH値が6.6〜7.0に制御される。
【0026】
本発明の乳化剤は蔗糖エステル、レシチンを包含する。
【0027】
本発明のシェア乳化反応の条件は回転速度が1000〜4000rpm、25〜60℃、10〜60minである。
【0028】
本発明の膜分離技術は限外濾過とナノ濾過であり、これらの型番は膜材質と分画分子量で示す。
限外濾過膜の規格は材質がポリエーテルサルフォン或いは陶磁器であり、分画(膜的截留)分子量5000〜20000である;ナノ濾過膜の規格GS−NF−48は、材質が複合膜或いは陶磁器であり、分画分子量100〜350である。
【0029】
本発明には更に低い乳糖の液体乳の製造方法を含むことができ、脱乳糖の液体乳或いは脱乳糖の粉乳と普通の牛乳液を割合によって混合して均質化および消毒処理して低い乳糖の液体乳を得る。
【0030】
本発明の低い乳糖の粉乳の製造方法はまず、脱乳糖の液体乳或いは脱乳糖の粉乳と普通の牛乳液を割合によって混合して低い乳糖の牛乳を調製し、均質化および消毒処理して、
最後、乾燥させて製品を得る。
【0031】
本発明の脱乳糖或いは低い乳糖の牛乳の製造方法は脱乳糖或いは低い乳糖の羊乳に適用する。
【発明の効果】
【0032】
本発明の利点は次の点である:
1、まず、凝乳法で凝乳を沈殿させる;膜法でホエー中の乳糖を除く効率を高めることができ、生産コストを下げる。
2、凝乳が脱乳糖のホエーと脂肪と一緒に再結合されることは元の乳中の圧倒的部分の栄養物質(乳糖を除く)を保留する。
3、本発明の脱乳糖の牛乳製品には乳糖が減少するだけではなく、総合的な糖の含有量も下がり、同時に、元の乳の特色と口当りを維持する。
4、また、本発明の製品はその他の製品と組み合せ、更にその他の脱乳糖或いは低い乳糖食品を製造する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって
制限されるものではない。
【実施例1】
【0034】
健康な雌牛の分泌した乳汁を100キログラム取り、遠心分離、脱脂処理してから61℃に加熱し、30minで消毒する。
41℃に下げてから消毒した液体乳を攪拌しながら100mlの10% CaClと0.2%子牛のレンネットを液体乳にゆっくりと平均的に添加する。静かに置いて10 min維持する。
凝乳反応が終わり、その後、液体乳を45℃に急速に加熱し、凝乳を攪拌方式で粉砕し、カード粒子および上澄液を形成する。上澄液を濾過した後、100kgの45℃清水を添加し、引き続き攪拌し、再度、上澄液を濾過する。
【0035】
洗いったカード粒子を収集し、最終の濃度が0.01モルのクエン酸カリウム−クエン酸の緩衝液で攪拌し溶解させ、PH6.7の再溶け溶液を形成する。
収集される上澄液が限外濾過とナノ濾過膜で処理して乳糖を除き、鉱物質とビタミンを含む脱乳糖のホエー液を得る。
再溶け溶液と脱乳糖のホエー液と脂肪を混合させ、60℃に加熱し20MPaで均質化処理してから殺菌し、脱乳糖の液体乳を製造する。
【0036】
測定を通じてこの脱乳糖の液体乳の乳糖含有量が0.5%より大きくなく、総合的な糖の含有量が0.5%より大きくなく、脂肪の含有量が3.0%より小さくなく、タンパクの含有量が2.9%より小さくない。
【0037】
または、更に焼付け乾燥して、粉末のように形成させ、脱乳糖の粉乳を製造する。測定を通じてこの脱乳糖の粉乳の乳糖含有量が0.5%より大きくなく、包含的な糖の含有量が5%より大きくなく、タンパクの含有量が30%より小さくない。
【実施例2】
【0038】
食物グレードの脱脂ミルクパワーを10キログラム取り、90キログラムの水で溶解させて再溶け溶液を得る。再溶け溶液を攪拌しながら3000mlの10%乳酸カルシウムと1000mlの0.2%パパイヤの凝乳酵素をゆっくりと添加し、39℃に加熱し、20min維持する。
【0039】
凝乳反応が終わり、その後、液体乳を55℃に急速に加熱し、凝乳を攪拌方式で粉砕し、カード粒子および上澄液を形成する。
【0040】
上澄液を濾過した後、100kgの45℃清水を添加し、引き続き攪拌し、再度、上澄液を濾過する。
【0041】
洗ったカード粒子を収集し、最終の濃度が0.01モルの炭酸カリウム−クエン酸の複合緩衝液と0.2%の蔗糖エステルで攪拌し溶解と乳化させ、PH7.0の再溶け溶液を形成する。
収集される上澄液が限外濾過とナノ濾過膜で処理して乳糖を除き、鉱物質を含む脱乳糖のホエー液を得る。再溶け溶液と脱乳糖のホエー液を混合させ、均質化処理してから加熱し殺菌し、脱乳糖の液体乳を製造する。
【0042】
測定を通じてこの脱乳糖の液体乳の乳糖含有量が0.5%より大きくなく、総合的な糖の含有量が0.5%より大きくなく、脂肪の含有量が1.5%より大きくなく、タンパクの含有量が2.9%より小さくない。
【実施例3】
【0043】
健康な雌牛の分泌した乳汁を100キログラム取り、遠心分離、脱脂処理してから溶液を攪拌しながら1000mlのCaClと2Nの塩酸をゆっくり添加し、同時に、41℃に加熱し、PH値が5.0に下がり、45min維持する。
【0044】
凝乳反応が終わり、その後、凝乳を攪拌方式で粉砕し、カード粒子および上澄液を形成する。
【0045】
上澄液を濾過した後、100kgの清水を添加し、引き続き攪拌し、再度、上澄液を濾過する。上澄液のPH値が6.5に至るように以上のステープを繰り返する。
【0046】
洗ったカード粒子を収集し、燐酸水素二つカリウム−燐酸二つ水素カリウム緩衝液で攪拌し溶解と乳化させ、PH6.8の再溶け溶液を形成する。収集される上澄液が膜濾過で処理して乳糖を除き、鉱物質を含む脱乳糖のホエー液を得る。
再び、溶け溶液と脱乳糖のホエー液を混合させ、80キログラムの脱乳糖のミルクを得る。再び、脱乳糖のミルクを80キログラムの普通の新鮮な牛乳と混合し、均質化処理してから加熱し殺菌し、低い乳糖の液体乳を製造する。
【0047】
測定を通じてこの低い乳糖の液体乳の乳糖含有量が2.5%より大きくなく、総合的な糖の含有量が2.5%より大きくなく、脂肪の含有量が1.5%より小さくなく、タンパクの含有量が2.9%より小さくない。
【実施例4】
【0048】
食物グレードの脱脂ミルクパワー(脂肪の含有量が2.0%より大きくない)を10キログラム取り、90キログラムの水で溶解させて低脂溶液を得る。
乳酸で凝乳化処理し、クエン酸緩衝液で溶解させ、再溶け溶液を形成する。
1キログラムの脱乳糖の高蛋白ホエー粉と1キログラムの牛乳脂肪と0.02キログラムのレシチンを再溶け溶液に添加し、混合し均質化処理してから加熱し殺菌し、脱乳糖の液体乳を製造する。測定を通じてこの脱乳糖の液体乳の乳糖含有量が0.5%より大きくなく、総合的な糖の含有量が0.5%より大きくなく、脂肪の含有量が1.5%より小さくなく、タンパクの含有量が2.9%より小さくない。
【実施例5】
【0049】
健康な雌牛の分泌した乳汁を100キログラム取り、溶液を攪拌しながら100mlの10%CaClと1000mlの0.2%ムコール凝乳酵素と1Nの塩酸をゆっくり添加し、同時に、39℃に加熱し、PH値が6.5に下がり、45min維持する。凝乳反応が終わり、その後、凝乳を攪拌方式で粉砕し、カード粒子および上澄液を形成する。
上澄液を濾過した後、100kgの清水を添加し、引き続き攪拌し、再度、上澄液を濾過する。
【0050】
洗ったカード粒子を収集し、クエン酸ナトリウム−クエン酸の緩衝液で攪拌し溶解させ、PH6.8の再溶け溶液を形成する。収集される上澄液が膜濾過で処理して乳糖を除き、鉱物質を含む脱乳糖のホエー液を得る。
再溶け溶液と脱乳糖のホエー液を混合させ、80キログラムの脱乳糖の液体乳を得、均質化処理してから加熱し殺菌し、低い乳糖の液体乳を製造する。
【0051】
測定を通じてこの低い乳糖の液体乳の乳糖含有量が2.5%より大きくなく、総合的な糖の含有量が2.5%より大きくなく、脂肪の含有量が3.0%より小さくなく、タンパクの含有量が2.9%より小さくない。
【実施例6】
【0052】
1キログラムの羊乳汁を取り、イチジクのタンパク凝乳酵素とCaClで凝乳化処理し、分別してカード粒子および上澄液を得る。
凝乳をPH7.0のクエン酸の緩衝液で溶解させ、再溶け溶液を形成する。
膜濾過で処理して上澄液中の乳糖を除く。
再溶け溶液と脱乳糖の上澄液を混合し均質化処理してから脱乳糖の羊乳を得る。
【0053】
測定を通じてこの脱乳糖の羊乳の乳糖含有量が0.5%より大きくなく、総合的な糖の含有量が0.5%より大きくなく、脂肪の含有量が1.5%より小さくなく、タンパクの含有量が2.9%より小さくない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次のステップA(1)〜(6)、A(1)〜(7)、B(1)〜(5) 或いはB(1)〜(6)によって脱乳糖牛乳を提供することを特徴とする脱乳糖の牛乳製品の製造方法:
A.
(1) まず、牛乳を脱脂処理してから分別して低脂肪の乳液および牛乳脂肪を得る;
(2) A(1)の低脂肪の乳液を加熱して攪拌しながら凝乳剤および液体カルシウム塩を加えてミルクカードを形成させる;
(3) ミルクカードを加熱し且つ攪拌して分断し、カード粒子と上澄液を形成し、分離することを経てから分別してカード粒子および上澄液を収集して得る;
(4) カード粒子を溶媒で溶解させて再溶け溶液を形成し、この再溶け溶液のPH値が6.6〜7.0に制御される;
(5) A(3)に得られる上澄液から膜分離技術で乳糖を除き、脱乳糖のホエー液或いは脱乳糖のホエー粉を得る;
(6) A(4) に得られる再溶け溶液とA(5) に得られる脱乳糖のホエー液或いは脱乳糖のホエー粉を混合して溶解させ、且つA(1)の牛乳脂肪を添加しまたは添加せず、および乳化剤を添加してシェア乳化反応を行わせて脱乳糖したミルクを得る;
(7) A(6)に得られる脱乳糖したミルクを均質化および消毒処理して脱乳糖の液体乳を得、この脱乳糖の液体乳を乾燥させて脱乳糖の粉乳を得る;または、A(6)に得られる脱乳糖したミルクと普通の牛乳を混合してから得られたものを均質化および消毒処理して低い乳糖の液体乳を得、この低い乳糖の液体乳を乾燥させて低い乳糖の粉乳を得る;
B.
(1) 牛乳を加熱し、攪拌しながら凝乳剤および液体カルシウム塩を加えミルクカードを形成させる;
(2) ミルクカードを加熱し且つ攪拌して分断し、カード粒子および上澄液を形成し、分離することを経てから分別してカード粒子および上澄液を収集して得る;
(3) カード粒子を溶媒で溶解させて再溶け溶液を形成し、この再溶け溶液のPH値が6.6〜7.0に制御される;
(4) B(2)に得られる上澄液から膜分離技術で乳糖を除き、脱乳糖のホエー液或いは脱乳糖のホエー粉を得る;
(5) B(3)に得られる再溶け溶液とB(4)に得られる脱乳糖のホエー液或いは脱乳糖のホエー粉を混合して溶解し、且つ乳化剤を添加してシェア乳化反応を行わせて低い乳糖のミルクを得る;
(6) 低い乳糖のミルクを均質化および消毒処理して低い乳糖の液体乳を得、またはこの脱乳糖の液体乳を乾燥させて低い乳糖の粉乳を得る。
【請求項2】
前記A(1)の牛乳は新鮮な牛乳或いは食物グレードのミルクパワーを飲用水で溶解させて得られるものであることを特徴とする請求項1記載の脱乳糖の牛乳製品の製造方法。
【請求項3】
前記A(1)の低脂肪の乳液の脂肪含有量は0.2〜2.0%であることを特徴とする請求項1記載の脱乳糖の牛乳製品の製造方法。
【請求項4】
前記A (2)或いはB (1)の凝乳剤は凝乳酵素或いは酸っぱい調合剤或いはそれの2つの合剤であることを特徴とする請求項1記載の脱乳糖の牛乳製品の製造方法。
【請求項5】
前記A (2)或いはB (1)のカルシウム塩は塩化カルシウム或いはクエン酸カルシウム或いは乳酸カルシウムを包括することを特徴とする請求項1記載の脱乳糖の牛乳製品の製造方法。
【請求項6】
前記凝乳酵素は動物性酵素或いは植物性酵素或いは微生物酵素であり、その中、動物性酵素は子牛或いはラムのレンネットであり、植物性酵素はパパイヤの凝乳酵素であり、微生物酵素はムコール凝乳酵素であり、前記酸っぱい調合剤は塩酸、乳酸、クエン酸或いは二酸化炭素の気体であることを特徴とする請求項4記載の脱乳糖の牛乳製品の製造方法。
【請求項7】
前記膜分離技術は分画分子量5000〜20000の限外濾過膜或いは分画分子量100〜350のナノ濾過膜で分離を行うことを特徴とする請求項1記載の脱乳糖の牛乳製品の製造方法。
【請求項8】
前記A(6)は牛乳脂肪の添加量によって分別して脱脂脱糖ミルク、低脂脱糖ミルクおよび全脂脱糖ミルクを得ることを特徴とする請求項1記載の脱乳糖の牛乳製品の製造方法。
【請求項9】
前記A(4)或いはB(3)の溶媒は炭酸塩−クエン酸の緩衝液、クエン酸塩−クエン酸の緩衝液あるいは燐酸塩の緩衝液であり、前記再溶け溶液は塩の濃度が0.005〜0.03Mに制御されることを特徴とする請求項1記載の脱乳糖の牛乳製品の製造方法。
【請求項10】
前記A (6)或いはB (5)のシェア乳化反応の条件は回転速度が1000〜4000rpm、25〜60℃、10〜60minであることを特徴とする請求項1記載の脱乳糖の牛乳製品の製造方法。
【請求項11】
前記A(7)に得られる脱乳糖の液体乳或いは脱乳糖の粉乳と普通の牛乳或いは粉乳を調合して低い乳糖の液体乳或いは低い乳糖の粉乳を得ることを特徴とする請求項1記載の脱乳糖の牛乳製品の製造方法。
【請求項12】
前記A(1) 或いはB(1) の牛乳に対する処理方法は羊乳を原料とするによって脱乳糖の羊乳或いは脱乳糖の羊粉乳或いは低い乳糖の羊乳或いは低い乳糖の羊粉乳を得ることに適用しできることを特徴とする請求項1記載の脱乳糖の牛乳製品の製造方法。

【公表番号】特表2009−543563(P2009−543563A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519781(P2009−519781)
【出願日】平成19年7月16日(2007.7.16)
【国際出願番号】PCT/CN2007/002170
【国際公開番号】WO2008/011801
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(509017505)上海尚▲竜▼乳▲業▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】