説明

脱水機および脱水機のベルト洗浄方法

【課題】濾液を利用して無端ベルトを確実に洗浄することが可能な脱水機を提供する。
【解決手段】投入シュート34から投入された脱水対象汚泥32が回動している無端ベルト35に対して相対的に下流側へ移動するスリップゾーンが搬送軌道42上の一部に形成され、スリップゾーンを含む第1の領域Aにおいて無端ベルト35を透過した濾液43を受ける第1の濾液受け部45と、第1の領域Aよりも下流側に位置する第2の領域Bにおいて無端ベルト35を透過した濾液43を受ける第2の濾液受け部46と、洗浄液供給手段49とを有し、洗浄液供給手段49は、第2の濾液受け部46で受けられた濾液43を、戻り軌道48上の無端ベルト35に洗浄液として噴射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば下水処理における余剰汚泥(混合生汚泥,消化汚泥,OD余剰汚泥)等の脱水対象物の脱水に用いられる脱水機および脱水機のベルト洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の脱水機としては、例えば図6に示すように、脱水対象汚泥12を脱水して濃縮するベルト型濃縮機10がある。このベルト型濃縮機10は、投入シュート11から脱水対象汚泥12を投入する上流側端部と、脱水濾過された脱水対象汚泥12(濃縮汚泥)を排出部13から排出する下流側端部とに、それぞれ、ローラ14,15を有している。これら一対のローラ14,15間には、脱水対象汚泥12を搬送しながら重力濾過する回動自在な無端ベルト16が掛け渡されている。無端ベルト16は、金属線材又は樹脂線材によって構成され、表裏両面に連通する多数の微小な開孔を有している。また、下流側のローラ15は電動機17によって回転駆動される。
【0003】
投入シュート11は凝集ボックス18に設けられ、汚泥原液と高分子凝集剤とが凝集ボックス18内に供給されて攪拌混合され、凝集ボックス18内で汚泥が凝集されてフロック状の脱水対象汚泥12となる。
【0004】
無端ベルト16が上流側(投入側)から下流側(排出側)へ移動する搬送軌道19の下方に沿って、無端ベルト16を透過して滴下した濾液20を受ける受け皿21が設けられている。無端ベルト16の下方には、受け皿21に回収された濾液20を貯留する洗浄用タンク22が設けられている。また、ベルト型濃縮機10には、洗浄用タンク22内に集められた濾液20を、下流側から上流側へ戻る戻り軌道23上の無端ベルト16に、洗浄液として噴射する洗浄ノズル24が設けられている。
【0005】
これによると、脱水対象汚泥12は、投入シュート11を流れ落ち、回動する無端ベルト16上に投入され、無端ベルト16によって搬送軌道19上を上流側から下流側へ搬送されながら重力濾過され、排出部13から排出される。この際、無端ベルト16を透過して滴下した濾液20は、受け皿21で受けられ、その後、受け皿21から洗浄用タンク22内へ回収される。
【0006】
洗浄用タンク22内の濾液20は、洗浄液として、洗浄ノズル24から戻り軌道23上の無端ベルト16に噴射される。これにより、無端ベルト16が洗浄される。
尚、上記のように濾液20を回収して無端ベルト16の洗浄液として利用する構成は、例えば下記特許文献に記載されている。
【特許文献1】特開平8−10800号公報
【特許文献2】特開2001−47099号公報
【特許文献3】特開2007−330862号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記の従来形式では、濾液20に含まれるSS成分(浮遊物質)が洗浄ノズル24に詰まり、無端ベルト16の洗浄に支障をきたすといった問題がある。
本発明は、濾液を利用して無端ベルトを確実に洗浄することが可能な脱水機および脱水機のベルト洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本第1発明は、透水性を有する回動自在な無端ベルトを備え、脱水対象物が投入部から無端ベルト上に投入されて無端ベルトにより搬送軌道上を上流側から下流側へ搬送されながら脱水される領域を備えた脱水機であって、
投入部から投入された脱水対象物が回動している無端ベルトに対して相対的に下流側へ移動するスリップゾーンが搬送軌道上の一部に形成され、
スリップゾーンを含む第1の領域において無端ベルトを透過した濾液を受ける第1の濾液受け部と、
第1の領域よりも下流側に位置する第2の領域において無端ベルトを透過した濾液を受ける第2の濾液受け部と、
第2の濾液受け部で受けられた濾液を、下流側から上流側へ戻る戻り軌道上の無端ベルトに、洗浄液として供給する洗浄液供給手段とを有するものである。
【0009】
これによると、第1の領域よりも下流側に位置する(すなわちスリップゾーンを含まない)第2の領域において回収された濾液が洗浄液として洗浄液供給手段から戻り軌道上の無端ベルトに供給され、無端ベルトが洗浄される。尚、スリップゾーンを含まない第2の領域において回収された濾液に含まれるSS濃度は、スリップゾーンを含む第1の領域において回収された濾液に含まれるSS濃度に比べて低くなる。したがって、洗浄液供給手段から洗浄液として戻り軌道上の無端ベルトに供給される濾液は、第2の濾液受け部で受けられたSS濃度の低い濾液であるため、濾液中のSS成分が洗浄液供給手段に詰まるのを十分に抑えることができ、濾液を利用して無端ベルトを確実に洗浄することができる。
【0010】
本第2発明は、洗浄液供給手段に、清澄水を供給する清澄水供給手段が接続されているものである。
これによると、濾液に清澄水を混合した混合液が、洗浄液として、洗浄液供給手段から戻り軌道上の無端ベルトに供給され、無端ベルトが洗浄される。このように、第2の濾液受け部で受けられたSS濃度の低い濾液に清澄水を混合した混合液を洗浄液として利用しているため、洗浄液中のSS濃度がさらに低下し、SS成分が洗浄液供給手段に詰まるのをより一層確実に抑えることができる。
【0011】
本第3発明は、透水性を有する回動自在な無端ベルトを備え、脱水対象物が投入部から無端ベルト上に投入されて無端ベルトにより搬送軌道上を上流側から下流側へ搬送されながら脱水される領域を備えた脱水機のベルト洗浄方法であって、
投入部から投入された脱水対象物が回動している無端ベルトに対して相対的に下流側へ移動するスリップゾーンよりも下流側の領域において無端ベルトを透過した濾液を、無端ベルトの洗浄液として使用するものである。
【0012】
これによると、スリップゾーンよりも下流側の領域において無端ベルトを透過した濾液を、無端ベルトの洗浄液として使用することにより、無端ベルトが洗浄される。この際、スリップゾーンよりも下流側の領域において無端ベルトを透過した濾液に含まれるSS濃度は、スリップゾーンを含む領域において無端ベルトを透過した濾液に含まれるSS濃度に比べて低くなる。
【0013】
これにより、濾液中のSS成分が洗浄液供給手段に詰まるのを十分に抑えることができ、濾液を利用して無端ベルトを確実に洗浄することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によると、洗浄液供給手段から洗浄液として戻り軌道上の無端ベルトに供給される濾液は、第2の濾液受け部で受けられたSS濃度の低い濾液であるため、濾液中のSS成分が洗浄液供給手段に詰まるのを十分に抑えることができ、濾液を利用して無端ベルトを確実に洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明における第1の実施の形態を図1〜図4を参照して説明する。
31は脱水対象汚泥32(脱水対象物の一例)を脱水して濃縮するベルト型濃縮機(脱水機の一例)である。このベルト型濃縮機31は、脱水対象汚泥32を投入シュート34(投入部の一例)から無端ベルト35上に投入する上流側端部と、脱水濾過された脱水対象汚泥32(濃縮汚泥)を無端ベルト35上から排出部36へ排出する下流側端部とに、それぞれ、ローラ37,38を備えている。
【0016】
無端ベルト35は、両ローラ37,38間に回動自在に掛け渡されており、金属線材又は樹脂線材によって構成され、表裏両面に連通する多数の微小な開孔が形成されて表裏方向に透水性を有している。また、下流側のローラ38は電動機39によって回転駆動される。
【0017】
投入シュート34は凝集槽41(凝集ボックス)に設けられ、凝集槽41内に汚泥原液と高分子凝集剤とが供給されて攪拌混合され、凝集槽41内で汚泥が凝集されてフロック状の脱水対象汚泥32となる。投入シュート34は、上流側(凝集槽41側)から下流側へ向かうほど下方に傾斜した底板34aと、底板34aの両側に立設された一対の側板34bとを備えている。
【0018】
無端ベルト35が上流側(投入側)から下流側(排出側)へ移動する搬送軌道42に沿って、無端ベルト35を透過して滴下した濾液43を受ける上部の受け皿44が設けられている。上部の受け皿44は、上面が開放されており、搬送軌道42側の無端ベルト35の下方に配置されている。
【0019】
上部の受け皿44内には、スリップゾーンを含む第1の領域Aにおいて無端ベルト35を透過した濾液43を受ける第1の濾液受け部45と、第1の領域Aよりも下流側に位置する第2の領域Bにおいて無端ベルト35を透過した濾液43を受ける第2の濾液受け部46とが形成されている。上部の受け皿44内には、第1の濾液受け部45と第2の濾液受け部46とを仕切る仕切板47(仕切部材の一例)が設けられている。
【0020】
尚、スリップゾーンとは、投入シュート34から無端ベルト35上に流れ出る脱水対象汚泥32の搬送軌道42方向(水平方向)の汚泥移動速度Vaが無端ベルト35のベルト移動速度Vbよりも速い(Va>Vb)領域のことである。スリップゾーン内では、投入シュート34から一方向に回動している無端ベルト35上に投入された脱水対象汚泥32は、無端ベルト35に対して、相対的に下流側へ相対速度Vc(=Va−Vb)で移動する。
【0021】
上記スリップゾーンは投入シュート34の投入口34cの直下から一定の距離にわたって搬送軌道42上の一部に形成されている。スリップゾーンよりも下流側の領域では、汚泥移動速度Vaとベルト移動速度Vbとが同じ(Va=Vb)になり、脱水対象汚泥32は無端ベルト35と一体に上流側から下流側へ移動する。
【0022】
すなわち、投入シュート34から無端ベルト35上に投入されて流れ出た脱水対象汚泥32は、汚泥濃度(固形物濃度)が低く、流動性が大きいため、投入時の勢いを保って無端ベルト35上を下流側に流れる。しかし、脱水対象汚泥32の水分が濾液43として排出されるにつれて流動性が小さくなり、ついには無端ベルト35上に留まることになる。また、このとき、スリップゾーンよりも下流側では、流動性の低下した脱水対象汚泥32が無端ベルト35上に堆積することで、脱水対象汚泥32自体がフィルタとして機能するため、濾液43中のSS成分の濃度は小さくなると考えられる。これに対して、スリップゾーンでは、フィルタとして機能する脱水対象汚泥32の堆積層が十分に形成されないため、濾液43中のSS成分の濃度が大きくなると考えられる。
【0023】
尚、図4は、投入シュート34の投入口34cの直下を基準にして搬送軌道42の下流側へ向う距離(濾過長さ:mm)と濾液43中のSS成分の濃度(mg/リットル)との関係を示すグラフである。これによると、スリップゾーン内ではSS成分の濃度が大きく、スリップゾーンよりも下流側では、SS成分の濃度が小さくなる様子が明らかである。一般に、スリップゾーンの大きさは、無端ベルト35の搬送速度(回動速度)や脱水対象汚泥32の性状により異なるが、投入シュート34の投入口34c(汚泥投入部)から下流側に約100〜300mm(図4では約200mm)の範囲にわたり存在する。
【0024】
ベルト型濃縮機31には、第2の濾液受け部46で受けられた濾液43を、下流側から上流側へ戻る戻り軌道48上の無端ベルト35に、洗浄液として供給する洗浄液供給手段49が設けられている。
【0025】
洗浄液供給手段49は、第2の濾液受け部46で受けられた濾液43を貯留する洗浄液タンク50と、洗浄液タンク50内の濾液43を戻り軌道48上の無端ベルト35の表裏両面に噴射する上下一対の洗浄ノズル51と、第2の濾液受け部46で受けられた濾液43を洗浄液タンク50に送る回収管路52と、洗浄液タンク50内の濾液43を洗浄ノズル51に供給する供給管路53と、供給管路53に設けられたポンプ54とを有している。
【0026】
尚、両洗浄ノズル51はそれぞれ複数の噴射孔を有している。また、洗浄液タンク50は無端ベルト35の下方に設置されている。無端ベルト35と洗浄液タンク50との間には、洗浄ノズル51から噴射された濾液43を受ける下部の受け皿55が設けられている。また、上部の受け皿44には、第1の濾液受け部45で受けられた濾液43を下部の受け皿55に排出する排出管路56が接続されている。また、下部の受け皿55に回収された濾液43は、排液として、総合排出管路57から排出される。
【0027】
以下、上記構成における作用を説明する。
電動機39の駆動により、ローラ37,38が回転して無端ベルト35が回動する。凝集槽41内の脱水対象汚泥32を投入シュート34から無端ベルト35上に投入することにより、脱水対象汚泥32は、無端ベルト35によって搬送軌道42上を上流側から下流側へ搬送されながら重力濾過され、排出部36から排出される。
【0028】
この際、無端ベルト35を透過して滴下した濾液43は上部の受け皿44で受けられる。このうち、第1の領域Aにおいて無端ベルト35を透過した濾液43は上部の受け皿44の第1の濾液受け部45で受けられ、第2の領域Bにおいて無端ベルト35を透過した濾液43は上部の受け皿44の第2の濾液受け部46で受けられる。
【0029】
そして、第1の濾液受け部45で受けられた濾液43は排出管路56を通って下部の受け皿55に受けられる。
また、第2の濾液受け部46で受けられた濾液43は回収管路52を通って洗浄液タンク50に送られ貯留される。そして、ポンプ54の駆動により、洗浄液タンク50内の濾液43が供給管路53を通って両洗浄ノズル51から戻り軌道48上の無端ベルト35に噴射され、これにより、無端ベルト35が洗浄される。
【0030】
洗浄ノズル51から噴射されて無端ベルト35の洗浄に使用された濾液43は、その後、下部の受け皿55に受けられる。このようにして下部の受け皿55で受けられた濾液43は、排液として、総合排出管路57から排出される。また、洗浄液タンク50からオーバーフローした濾液43も、下部の受け皿55に回収され、総合排出管路57から排出される。
【0031】
上記のような無端ベルト35の洗浄において、第1の領域Aはスリップゾーンを含み、第2の領域Bはスリップゾーンを含んでいないため、第2の領域Bにおいて回収された濾液43に含まれるSS濃度は、第1の領域Aにおいて回収された濾液43に含まれるSS濃度に比べて低くなる。これにより、上部の受け皿44の第1の濾液受け部45にはSS濃度の高い濾液43が回収され、第2の濾液受け部46にはSS濃度の低い濾液43が回収される。
【0032】
したがって、洗浄ノズル51から無端ベルト35に噴射される濾液43は、第2の濾液受け部46で受けられたSS濃度の低い濾液43であるため、濾液43中のSS成分が洗浄ノズル51に詰まるのを十分に抑えることができ、濾液43を利用して無端ベルト35を確実に洗浄することができる。また、洗浄ノズル51のメンテナンスの頻度を低減することもできる。
【0033】
次に、本発明における第2の実施の形態を図5を参照して説明する。
洗浄液供給手段49には、SS成分を含まない(或いはほとんど含まない)清澄水(水道水や工業用水など)を洗浄液供給手段49に供給する清澄水供給手段60が接続されている。清澄水供給手段60は、清澄水64を貯留する清澄水タンク61と、清澄水タンク61と洗浄液供給手段49の供給管路53とに連通する清澄水供給管路62と、清澄水供給管路62に設けられたバルブ63とを有している。
【0034】
以下、上記構成における作用を説明する。
第2の濾液受け部46で受けられた濾液43は回収管路52を通って洗浄液タンク50に送られ貯留される。ポンプ54を駆動し、バルブ63を開くことにより、洗浄液タンク50内の濾液43に清澄水タンク61内の清澄水64を混合した混合液が、洗浄液として、洗浄ノズル51から無端ベルト35に噴射され、これにより、無端ベルト35が洗浄される。
【0035】
このように、第2の濾液受け部46で受けられたSS濃度の低い濾液43に清澄水64を混合した混合液を洗浄液として利用しているため、洗浄液中のSS濃度がさらに低下し、SS成分が洗浄ノズル51に詰まるのをより一層確実に抑えることができる。
【0036】
上記各実施の形態では、1つの上部の受け皿44内に仕切板47を設けることによって、1つの上部の受け皿44内に第1の濾液受け部45と第2の濾液受け部46とを形成したが、上部の受け皿を2つ設け、一方の上部の受け皿内に第1の濾液受け部45を形成し、他方の上部の受け皿内に第2の濾液受け部46を形成してもよい。
【0037】
上記各実施の形態では、洗浄ノズル51を上下一対設けているが、上のみ又は下のみに設けてもよい。
上記各実施の形態では、仕切板47の設置位置を固定しているが、仕切板47の設置位置を上部の受け皿44内で調整可能としてもよい。これにより、脱水対象汚泥32等の脱水対象物の性状が大きく変化してスリップゾーンの位置が変化した際にも対応可能となる。
【0038】
上記各実施の形態では、脱水機の一例としてベルト型濃縮機31を挙げたが、透水性を有する回動自在な一方および他方の無端ベルトを備え、脱水対象物が投入部から一方の無端ベルト上に投入されて一方の無端ベルトにより搬送軌道上を上流側から下流側へ搬送されながら一方の無端ベルトと他方の無端ベルトとに挟まれて脱水されるベルトプレス型の脱水機(例えば、特開昭59−82198号公報、実開昭62−29895号公報)に適用することも可能である。尚、ベルト型濃縮機31では無端ベルト35を金属線材又は樹脂線材によって構成しているが、上記ベルトプレス型の脱水機では、通常、一方および他方の無端ベルトを樹脂線材からなる濾布によって構成している。
【0039】
上記各実施の形態では、上部の受け皿44を第1の領域Aと第2の領域Bとにわたって設けたが、上部の受け皿44を第1の領域Aよりも下流側のみに設置してもよい。
上記各実施の形態では、無端ベルト35を透過した濾液43を第1の濾液受け部45と第2の濾液受け部46との2つの濾液受け部のみで受けているが、第1の濾液受け部45の上流側又は第1の濾液受け部45と第2の濾液受け部46との間或いは第2の濾液受け部46の下流側のいずれかに、さらに別の濾液受け部を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるベルト型濃縮機の構成を示す側面図である。
【図2】同、ベルト型濃縮機の無端ベルトの搬送軌道の平面図である。
【図3】同、ベルト型濃縮機の投入シュートの先端部の拡大図である。
【図4】同、ベルト型濃縮機の投入シュートの投入口の直下を基準にして搬送軌道の下流側へ向う距離と濾液中のSS成分の濃度との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるベルト型濃縮機の構成を示す側面図である。
【図6】従来のベルト型濃縮機の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0041】
31 ベルト型濃縮機(脱水機)
32 脱水対象汚泥(脱水対象物)
34 投入シュート(投入部)
35 無端ベルト
42 搬送軌道
43 濾液
45 第1の濾液受け部
46 第2の濾液受け部
48 戻り軌道
49 洗浄液供給手段
60 清澄水供給手段
64 清澄水
A 第1の領域
B 第2の領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透水性を有する回動自在な無端ベルトを備え、脱水対象物が投入部から無端ベルト上に投入されて無端ベルトにより搬送軌道上を上流側から下流側へ搬送されながら脱水される領域を備えた脱水機であって、
投入部から投入された脱水対象物が回動している無端ベルトに対して相対的に下流側へ移動するスリップゾーンが搬送軌道上の一部に形成され、
スリップゾーンを含む第1の領域において無端ベルトを透過した濾液を受ける第1の濾液受け部と、
第1の領域よりも下流側に位置する第2の領域において無端ベルトを透過した濾液を受ける第2の濾液受け部と、
第2の濾液受け部で受けられた濾液を、下流側から上流側へ戻る戻り軌道上の無端ベルトに、洗浄液として供給する洗浄液供給手段とを有することを特徴とする脱水機。
【請求項2】
洗浄液供給手段に、清澄水を供給する清澄水供給手段が接続されていることを特徴とする請求項1記載の脱水機。
【請求項3】
透水性を有する回動自在な無端ベルトを備え、脱水対象物が投入部から無端ベルト上に投入されて無端ベルトにより搬送軌道上を上流側から下流側へ搬送されながら脱水される領域を備えた脱水機のベルト洗浄方法であって、
投入部から投入された脱水対象物が回動している無端ベルトに対して相対的に下流側へ移動するスリップゾーンよりも下流側の領域において無端ベルトを透過した濾液を、無端ベルトの洗浄液として使用することを特徴とする脱水機のベルト洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−69446(P2010−69446A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241907(P2008−241907)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】