脱穀装置
【課題】穀粒が損傷する、いわゆる脱ぷという現象を引き起こさないで、枝梗除去性能を向上させる脱穀装置の提供である。
【解決手段】穀稈から穀粒を分離処理するための扱歯６９ａを設けた扱胴６９を軸架した扱室６６と、二番処理胴７０を内装する二番処理室６７を設けた脱穀装置において、二番処理胴７０の側方に、二番処理胴７０における被処理物の搬送を案内し、搬送方向と平行に搬送面を有するガイド板８２を設け、更にガイド板８２には二番穀粒の径より小さい穴を複数設ける。またガイド板８２を二番処理胴７０下方に配置すれば、被処理物がガイド板８２に押しつけられ、枝梗除去の効率が良い。また、ガイド板８２の穴の大きさを、搬送方向始端部側は比較的大きく、搬送方向終端部側は比較的小さくすれば、大きい穴でカギ又等を分離し、小さい穴で損傷粒の増加を防止して枝梗を分離できる。
【解決手段】穀稈から穀粒を分離処理するための扱歯６９ａを設けた扱胴６９を軸架した扱室６６と、二番処理胴７０を内装する二番処理室６７を設けた脱穀装置において、二番処理胴７０の側方に、二番処理胴７０における被処理物の搬送を案内し、搬送方向と平行に搬送面を有するガイド板８２を設け、更にガイド板８２には二番穀粒の径より小さい穴を複数設ける。またガイド板８２を二番処理胴７０下方に配置すれば、被処理物がガイド板８２に押しつけられ、枝梗除去の効率が良い。また、ガイド板８２の穴の大きさを、搬送方向始端部側は比較的大きく、搬送方向終端部側は比較的小さくすれば、大きい穴でカギ又等を分離し、小さい穴で損傷粒の増加を防止して枝梗を分離できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンバイン等に搭載される脱穀装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
コンバインは穀稈の刈取装置と、脱穀装置と、脱穀後一時的に貯留するグレンタンクと、グレンタンクに貯留されている穀粒を排出するオーガなどから構成される。
脱穀装置の主脱穀部である扱室には刈取装置で刈り取った穀稈が挿入され、穀稈は扱室に軸架された扱胴の表面に多数設けられた扱歯と扱網との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物（穀粒や藁くず）は扱網を通過して、選別室の揺動棚で受け止められ二番穀粒や藁屑などを分離して穀粒のみをグレンタンクに搬送する。二番穀粒は二番処理室に送られ二番処理胴により枝梗付着粒やカギ又の単粒化を行い、再び揺動棚に落下して穀粒、二番穀粒、藁屑などに分離される。扱室で発生した藁くずなど短尺のものは排塵処理室に搬送され、排塵処理胴により処理される。
【０００３】
二番処理胴の外周部には処理歯が設けられ、二番穀粒は、この処理歯で移送されながら再度脱穀処理される。この二番処理胴で移送が停滞すると詰まりが発生したり、枝梗付着粒の枝梗の除去が十分に行われないことがある。
【０００４】
なお、図１７に穀粒の状態を説明するための簡略図を示す。図１７（ａ）は、穀粒の脱粒前の状態を示し、（ｂ）は、単粒の状態を示し、（ｃ）は、枝梗が付着した、いわゆる枝梗付着粒を示し、（ｄ）はカギ又の状態を示している。
【０００５】
図１７（ａ）のＶ−Ｖラインで穀稈を脱穀した場合は、（ｂ）の単粒が得られるが、脱粒の際にＷ−Ｗラインや、Ｚ−Ｚラインで切れてしまう場合もあり、その場合は枝梗が付着した（ｃ）の状態のものが得られる。枝梗は不要なため、できれば（ｂ）の単粒の状態で得られるのが望ましい。
そこで、二番処理胴の外周部に枝梗取板と、二番処理室を形成する機壁の内側面に移送抵抗となる抵抗板を設けた脱穀装置が提案されている。
【特許文献１】特開平１１−２９９３４１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記特許文献１記載の構成により、二番穀粒を移送しながら、上記枝梗取板と、上記抵抗板とにより移送抵抗が付加されて、枝梗付着粒の枝梗は除去される。すなわち、二番処理胴における枝梗除去は、処理歯による打撃、搬送中の穀粒を側壁等に当てて枝梗部分を折る、または仕切板を設け、処理物に圧力を加えてこなすという方法である。しかし、二番穀粒の量が多くなると、抵抗板が移送抵抗となって詰まりが発生することもある。また、更に詰まると籾殻がとれて、穀粒が損傷する、いわゆる脱ぷという現象を引き起こす不具合が生じることがある。
本発明の課題は、上記問題点を解決することであり、穀粒が損傷する、いわゆる脱ぷという現象を引き起こさないで、枝梗除去性能を向上させる脱穀装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題は次の解決手段により解決できる。
請求項１記載の発明は、穀稈から穀粒を分離処理するための扱歯（６９ａ）を有する扱胴（６９）を軸架した扱室（６６）と、扱室（６６）を通過後の二番穀粒の供給を受ける二番処理胴（７０）を内装する二番処理室（６７）を設けた脱穀装置において、二番処理胴（７０）の側方で、二番処理胴（７０）の搬送方向始端部から搬送方向終端部への処理後二番穀粒の搬送を案内し、穀粒搬送方向と平行に搬送面を有し、二番穀粒の径より小さい穴（８０）を複数設けたガイド板（８２）を配置した脱穀装置である。
【０００８】
請求項２記載の発明は、前記ガイド板（８２）は、二番処理胴（７０）の下方に配置する請求項１記載の脱穀装置である。
請求項３記載の発明は、前記ガイド板（８２）に設けられた穴（８０）の大きさを、二番処理胴（７０）の搬送方向始端部側は比較的大きくし、搬送方向終端部側は比較的小さくした請求項１又は２記載の脱穀装置である。
【発明の効果】
【０００９】
請求項１記載の発明によれば、二番処理室（６７）内で搬送されながら処理される穀粒（二番穀粒）の内、枝梗付着粒の枝梗部分がガイド板（８２）に設けた穴（８０）に引っ掛かり、ねじられたり（曲げられたり）して、引張り荷重が加わることで枝梗部分がせん断され２番処理物の枝梗除去性能が向上する。また、穴（８０）は穀粒の径よりも小さく穀粒の通過が可能なほど大きくないので損傷性の粒（脱ぷ）は発生しにくい。
【００１０】
請求項２記載の発明によれば、上記請求項１記載の発明の効果に加えて、ガイド板（８２）を、二番処理胴（７０）の下方に配置することで、２番処理物の大半はガイド板（８２）上を搬送されるので、二番処理胴（７０）に設けた処理歯（７０ａ）の作用により被処理物はガイド板（８２）に押しつけられるため、枝梗除去の効率が良く、またガイド板（８２）に設けた穴（８０）に泥等が溜まり、目がつぶれてしまうことがない。更に、除去された枝梗部位は下方の揺動選別部（５０）に落下するので機内に溜まることがない。
【００１１】
請求項３記載の発明によれば、上記請求項１又は２記載の発明の効果に加えて、二番処理胴（７０）における搬送始端部側の大きい穴でカギ又（図１７（ｄ））等を分離し、中間から搬送終端部側にかけては小さい穴で損傷粒の増加を防止しつつ、枝梗を分離することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
図１には本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図を示し、図２にはコンバインの平面図を、図３にはコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部右側面図を示す。なお、本実施の形態ではコンバインの前進方向に向かって前側と後側をそれぞれ前、後といい、左側と右側をそれぞれ左、右ということにする。また、図１４は他の実施例によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部左側面図であるが、図１のコンバインの脱穀装置の下部の選別部等が共通しているため、便宜上、一部図１４を用いて説明する。
【００１３】
図１ないし図２に示すコンバイン１の走行フレーム２の下部には、ゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型した左右一対のクローラ４を持ち、乾田はもちろんのこと、湿田においてもクローラ４が若干沈下するだけで自由に走行できる構成の走行装置３を備え、走行フレーム２の前部には刈取装置６を搭載し、走行フレーム２の上部には図示しないエンジンならびに脱穀装置１５、操縦席２０およびグレンタンク３０を搭載する。
【００１４】
刈取装置６は、図示しない刈取昇降シリンダの伸縮作用により刈取装置６全体を昇降して、圃場に植生する穀稈を所定の高さで刈取りができる構成としている。刈取装置６の前端下部に分草具７を、その背後に傾斜状にした穀稈引き起こし装置８を、その後方底部には刈刃（図示せず）を配置している。刈刃と脱穀装置１５のフィードチェン１４の始端部との間に、図示しない前部搬送装置、扱深さ調節装置、供給搬送装置などを順次穀稈の受継搬送と扱深さ調節とができるように配置している。
【００１５】
コンバイン１の刈取装置６の作動は次のように行われる。まず、エンジンを始動して変速用、操向用などの操作レバーをコンバイン１が前進するように操作し、刈取・脱穀クラッチ（図示せず）を入り操作して機体の回転各部を伝動しながら、走行フレーム２を前進走行させると、刈取、脱穀作業が開始される。圃場に植立する穀稈は、刈取装置６の前端下部にある分草具７によって分草作用を受け、次いで穀稈引き起こし装置８の引起し作用によって倒伏状態にあれば直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃に達して刈取られ、前部搬送装置に掻込まれて後方に搬送され、扱深さ調節装置、供給搬送装置に受け継がれて順次連続状態で後部上方に搬送される。
【００１６】
穀稈は供給搬送装置からフィードチェン１４の始端部に受け継がれ、脱穀装置１５に供給される。脱穀装置１５は、上側に扱胴６９を軸架した扱室６６を配置し、扱室６６の下側に選別部５０を一体的に設け、供給された刈取穀稈を脱穀、選別する。
【００１７】
脱穀装置１５に供給された穀稈は、後で詳細に説明するが、主脱穀部である扱室６６に挿入され、扱室６６に軸架され回転する扱胴６９の多数の扱歯６９ａと、フィードチェン１４による移送と、扱網７４との相互作用により脱穀され、図１４に示すように被処理物（穀粒や藁くず）は脱穀装置１５内の選別部５０の揺動棚５１で受け止められ、上下前後方向に揺動する揺動棚５１上を移動しながら、唐箕７９からの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ５３および選別網６３を通過し、一番螺旋６５から、搬送螺旋（図示せず）を内蔵している一番揚穀筒１６（図３参照）を経てグレンタンク３０へ搬送され、グレンタンク３０に一時貯留される。一番揚穀筒１６の長手方向の軸芯上にタンク本体の籾排出口（図示せず）を設けている。
【００１８】
脱穀装置１５の扱室６６の終端に到達した脱穀された残りの穀稈で長尺のままのものは、排藁チェーン７７（図１４）および排藁穂先チェーンに挟持されて搬送され、脱穀装置１５の後部の藁用カッターに投入されて切断され、圃場に放出される。
【００１９】
グレンタンク３０内の底部に穀粒移送用のグレンタンク螺旋（図示せず）を設け、グレンタンク螺旋を駆動する螺旋駆動軸（図示せず）に縦オーガ１８および横オーガ１９からなる排出オーガを連接し、グレンタンク３０内に貯留した穀粒を排出オーガ排出口からコンバイン１の外部に排出する。グレンタンク螺旋、縦オーガ螺旋（図示せず）および横オーガ螺旋（図示せず）は、エンジンの動力の伝動を受けて回転駆動され、それぞれの螺旋羽根のスクリュウコンベヤ作用により貯留穀粒を搬送する。
【００２０】
図４には図１のコンバインの脱穀装置１５の扱胴６９付近の平面図を示す。また、図５には図３のＣ−Ｃ線矢視図を示す。
刈取装置６で刈り取った穀稈は刈取装置６に装着された穀稈搬送、調節装置で扱深さが調節され、脱穀装置１５の主脱穀部である扱室６６内に挿入される。扱室６６に軸架された扱胴６９は、その表面に多数の扱歯６９ａが設けられており、駆動機構装置７８により、エンジンからの動力により、図４ないし図５の矢印Ｂ方向に回転する。扱室６６に挿入された穀粒の付いた穀稈は、移動するフィードチェン１４により図４の矢印Ａ方向に移送されながら、矢印Ｂ方向に回転する扱胴６９の扱歯６９ａと扱網７４との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物（穀粒や藁くず）は扱網７４を矢印Ｃ１方向（図５）に通過して、揺動棚５１で受け止められる。
【００２１】
図１４に示すように、揺動棚５１は扱室６６の扱網７４の下方に配置した複数個の断面三角形状選別板５１ａとその後方に配置した上方のシーブ５３とその下方の選別網６３と最後端部に配置したストローラック６２から構成されている。そして揺動棚５１は後述する二番処理室６７の下方に配置して２番処理物を受け止め得る構成になっている。
【００２２】
扱網７４（図１４）の前方の領域で漏下する脱穀初期に脱粒した穀粒は単粒が多く夾雑物が少ないのでシーブ５３上で粗選別する必要が無く、直接選別網６３で後述する唐箕７９からの送風により風選することができ、シーブ５３の負荷を軽くし、能率的な脱穀が可能となる。
【００２３】
また、揺動棚５１は図示しない揺動棚駆動機構の作動により上下前後方向に揺動するので、被処理物は矢印Ｄ方向（図１４）に移動しながら、揺動棚５１上に漏下した比重の重い穀粒は選別網６３を矢印Ｅ方向に通過し、一番棚板６４上で揺動棚５１の運動による比重選別と唐箕７９による選別風により風力選別され、一番螺旋６５から一番揚穀筒１６（図３）を経てグレンタンク３０へ搬送される。グレンタンク３０に貯留された穀粒は、オーガ１８、１９を経由してコンバイン１の外部へ搬送される。
【００２４】
揺動棚５１の上の被処理物のうち軽量のものは、揺動棚５１の揺動作用と唐箕７９のファン７９ａによる送風に吹き飛ばされて揺動棚５１からシーブ５３に向けて矢印Ｄ方向に移動し、ストローラック６２の上で二番穀粒は矢印Ｇ方向に漏下して二番棚板８５に集められ、二番螺旋８６で二番揚穀筒８７へ搬送される（図１４）。
【００２５】
二番穀粒（二番物ということがある）は、正常な穀粒、枝梗粒、藁くずおよび藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒などの混合物であり、二番揚穀筒８７の中を二番揚穀筒螺旋（図示せず）により矢印Ｈ方向（図３参照）に揚送されて、二番処理室入口から二番処理室６７の上方へ放出される。二番処理室６７の下部に軸架する二番処理胴７０は駆動装置７８（図３、図４）により矢印Ｊ方向（図４）に回転する。二番穀粒は二番処理胴７０に植設してある多数の処理歯７０ａに衝突しながら矢印Ｉ方向（図４、図１４）に進行する間に二番穀粒の分離と枝梗粒の枝梗の除去を行い、被処理物の一部は二番処理胴７０の下方に設けられた受網７５（図５）を通り抜けて選別室５０に漏下し、被処理物の大部分は揺動棚５１からシーブ５３方向に送られ、穀粒はシーブ５３と選別網６３を通り、一番螺旋６５に集められる。
このように二番物を揺動棚５１上に回収してシーブ５３による再処理をすることにより、穀粒と藁くずとの分離が良好になる。
【００２６】
扱室６６を図４の矢印Ａ方向に進行し、扱室６６の終端に到達した被処理物の中の脱穀された穀稈で長尺のままのものは、図４に示す矢印Ａ１方向に搬送され、排藁処理室９５に投入される。
また、扱室６６の被処理物搬送方向終端部に到達した被処理物の中で、藁くずなど短尺のものは、排塵処理室入口６８ａから矢印Ａ２（図４）方向に投入されて排塵処理室６８に入り、排塵処理室６８では回転する排塵処理胴７１の螺旋７１ｂにより矢印Ｋ方向（図４、図１４）に搬送されながら処理される。
【００２７】
排塵処理室６８に入った少量の穀粒を含む藁くずを主体とする被処理物の中の漏下物（穀粒）は受け網７６（図４）から揺動棚５１上に漏下し、揺動棚５１に設けられたストローラック６２に誘導されて二番棚板８５から二番揚穀筒８７を経由して二番処理室６７に送られる。
なお、同軸上にある二番処理胴７０と排塵処理胴７１の駆動は図３、図４に示すようにエンジンから駆動力をプーリを介して行われる。
【００２８】
図１４に示すように、脱穀装置１５の後部に排塵ファン９１を設け、排塵処理室６８（図４）を含む脱穀装置１５内で発生する排塵のうち、比重の軽い藁くず、枝梗および塵埃を含む空気を排塵ファン９１の回転による送風で吸引し、排塵ファン９１の出口から矢印Ｌ方向へ吹き出して、コンバイン１の外部へ放出する。
【００２９】
排塵処理室６８から揺動棚５１の終端部に矢印Ｍ（図１４）のように落ちた排塵のうちで比重の重いものは、揺動棚５１の終端部のストローラック６２あるいはシーブ５３を矢印Ｇ方向へ通過して二番棚板８５に漏下し、再び二番処理室６７において処理される。
【００３０】
図６には、二番処理胴７０の搬送方向始端部から搬送方向終端部への被処理物の搬送を案内するガイド板８２と二番処理胴７０の処理歯７０ａとの関係を示した簡略断面図を示す。図３から図５に示すように、二番物および扱室６６の扱網７４によりろ過した被処理物を搬送しつつ処理する二番処理室６７において、二番処理胴７０の側方に、二番処理胴７０の搬送方向始端部から搬送方向終端部への被処理物の搬送を案内し、搬送方向と平行に搬送面を有する搬送ガイド板８２を設ける。そして、該搬送ガイド板８２の搬送面には二番穀粒の径より小さい穴８０を複数設けた構成である。図６に示すように、ガイド板８２に二番穀粒の穀粒の径より小さい穴８０を複数設けることで、二番穀粒の枝梗を通過させる一方、穀粒の通過を阻み、二番処理室６７において搬送中の被処理物（二番穀粒）の枝梗除去を行う構成である。本図に示すように、処理歯７０ａが矢印Ｊ方向に動くことで被処理物に接触し、枝梗付着粒の枝梗部分は穴８０に入るが、穴８０は穀粒の径よりも小さいため穀粒は穴８０を通過しないので、枝梗の除去が可能となる。
【００３１】
従来の二番処理胴７０における枝梗除去は、処理歯７０ａによる打撃、搬送中の穀粒を側壁等に当てて枝梗部分を折る、または仕切板などを設け、処理物に圧力を加えてこなす方法であった。
しかし、本構成を採用することにより、二番処理胴７０内を搬送しつつ処理される穀粒の内、枝梗付着粒の枝梗部分が搬送ガイド板８２に設けた穴８０に引っ掛かることで、ねじられたり（曲げられたり）して、引張り荷重が加わり、枝梗除去性能が向上する。また、穴８０は穀粒の通過が可能なほど大きくないので損傷性の粒（脱ぷ）は発生しにくい。
【００３２】
そして、枝梗除去穴８０を設けた搬送ガイド板８２を二番処理胴７０の下方に配置する構成とすれば良い。本構成によれば、搬送ガイド板８２は二番処理胴７０の下方にあるので、被処理物が二番処理胴７０の下部に落下することで常時被処理物があり、また、処理歯７０ａの作用により被処理物が搬送ガイド板８２に押しつけられるので、枝梗除去効率がよく、また、泥等の目詰まりがしにくい。
【００３３】
更に、除去された枝梗部位は二番処理胴７０下方の揺動選別部５０に落下するので二番処理室６７に溜まることがない。
更に、搬送ガイド板８２に設けた穴８０の径は、搬送上手側（搬送始端部側）を比較的大径とし、搬送下手側（搬送終端部側）を比較的小径としても良い。前記穴８０は搬送始端部からほぼ中間部までを比較的大径として、ほぼ中間部から搬送終端部までを比較的小径としたり、搬送始端部から搬送終端部にかけて少しずつ穴径が小さくなるようにしても良い。
【００３４】
本構成を採用することにより、被処理物の二番処理室６７通過時の初期に、大きい穴８０でカギ又等を分離し、中間から終端部にかけては小さい穴８０で損傷粒の増加を防止しつつ、枝梗を分離することが可能となる。
【００３５】
また、図３から図５に示すように、二番処理胴７０上方搬送終端部側に二番処理胴７０における被処理物の搬送を制限する仕切板８３を設け、該仕切板８３にも穀粒の通過を阻む大きさの穴を複数設けても良い（図５には仕切板８３に複数の穴を設けた例を示している）。そして、その穴径は搬送ガイド板８２の搬送上手側（搬送始端部側）の穴径とほぼ同じとし、搬送下手側（搬送終端部側）の穴径より大きくしても良い。
【００３６】
二番処理胴７０上方の仕切板８３にも穴８０を設けることで、枝梗除去の効率が向上する。図５に示すように、仕切板８３は処理歯７０ａと搬送方向と直交する方向から見て重なっていないので矢印Ｔ方向から供給される枝梗付着粒の処理の大半を仕切板８３で行い、また枝梗付着粒が仕切板８３に引っ掛かったままにならないように仕切板８３に設ける穴を比較的大きめの穴とすることができる。そして、損傷粒の増加を防ぎまた枝梗等が仕切板８３に引っ掛かったままとなってそのまま残り、見苦しくなるのを防止できる。
【００３７】
図７には図４の排塵処理胴７１及び二番処理胴７０部分の簡略平面図を示す。
図７に示すように、二番処理胴７０下方の搬送ガイド板８２に穀粒の通過しない程度の幅のスリット８８（長穴）を複数設けた構成としても良い。また、スリット８８は被処理物の搬送方向（前後方向）及び二番処理胴７０の回転方向Ｊに対し、被処理物の搬送の抵抗となるよう斜めに配置すれば良い。
【００３８】
本構成によれば、スリット（長穴）８８にすることで、円穴に比べてスリット（長穴）８８に枝梗が引っ掛かりやすくなる。また、被処理物の搬送方向及び二番処理胴７０の回転方向に対してスリット（長穴）８８を斜めに配置すれば、スリット（長穴）８８に枝梗を引っ掛けて、除去する効率が向上する。
【００３９】
図８には本発明の他の実施例によるコンバインの脱穀装置１５の一部切り欠き内部右側面図を示し、図９には図８のコンバインの排塵処理胴７１及び二番処理胴７０付近の平面図を示し、図１０には図８のＣ1−Ｃ1線矢視図を示す。
【００４０】
図８から図１０に示すように、二番処理胴７０と排塵処理胴７１の側方に、各々回動自在とした送塵ガイド板８４を設け、各々の送塵ガイド板群８４を同時に回動調整可能とした構成である。そして、二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａによる被処理物の送塵を促進するようにした場合、排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂも被処理物の送塵を促進するように回動し、逆に二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａによる被処理物の送塵を止めるようにした場合は排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂも送塵角度を緩める（止める）ようにしている。
【００４１】
二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａと排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂは、各々の回動連結板９０ａ、９０ｂに固定されており、各々の回動連結板９０ａ、９０ｂにて矢印Ｐ方向、矢印Ｕ方向に回動自在としている。そして各々の回動連結板９０ａ、９０ｂには、インナワイヤー９２ａ、９２ｂとアウタワイヤー９２ｃ，９２ｄが接続されていて、更にワイヤー９２ａ、９２ｂは調整レバー８９と連結している。このように、調整レバー８９を上下に動かすことでワイヤー９２ａ、９２ｂが引っ張られ、あるいは緩んで回動連結板９０ａ、９０ｂが回動自在となる。
【００４２】
本構成によれば、二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａと排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂを連動することで、被処理物が低流量の時（低速作業時）は排塵処理室６８、二番処理室６７共に被処理物を長く止めて、排塵処理室６８内や二番処理室６７内に充満させてから処理するので、被処理物の回収ロスの低減や枝梗、カギ又の分離等が促進され、低速作業時の欠点を補うことができ、逆に高速作業時は送塵を促進させ、被処理物による過負荷や詰まり、損傷粒（脱ぷ粒）の発生等を抑制できる。
また、二番処理胴７０側と排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ａ、８４ｂが同時に調整されるので、調整の省力化も計れる。
【００４３】
更に、二番処理胴７０と排塵処理胴７１双方の送塵ガイド板８４ａ、８４ｂともに被処理物の送塵方向（矢印Ｉ、Ｋ）とは逆側にスプリング９３ａ、９３ｂ等で付勢しており、送塵ガイド板８４ａ、８４ｂは送塵方向に回動可能であるので、被処理物の送塵量が多い過負荷時には、送塵ガイド板８４ａ、８４ｂを送塵方向に回動することで、過負荷時や誤調整により送塵ガイド板８４ａ、８４ｂの送塵角度が不足している場合でも被処理物の詰まり等がない。
【００４４】
このように双方の送塵ガイド板８４ａ、８４ｂともに被処理物の送塵方向（矢印Ｉ、Ｋ）とは逆側にスプリング９３ａ、９３ｂ等で付勢した構成であるから、急激な過負荷や誤調整による負荷増大により二番処理胴７０や排塵処理胴７１への被処理物の巻付きや詰まりといった不具合を防止できる。
【００４５】
また、図８に示すように、二番処理胴７０と排塵処理胴７１側は回動連結板９０ａ、９０ｂの閉じる方向（送塵をとどめる方向）に付勢するスプリング９３ａ、９３ｂを各々に設けているので、二番処理胴７０、排塵処理胴７１共に被処理物の送塵量が多い過負荷時には独立して回動可能な構成とすることもできる。
【００４６】
このように二番処理胴７０の回動連結板９０ａと排塵処理胴７１の回動連結板９０ｂは独立しており、回動連結板９０ａ、９０ｂの閉じる方向に付勢しているスプリング９３ａ、９３ｂも各々に設けることで、二番処理室６７あるいは排塵処理室６８のいずれかに過負荷が生じた場合でも独立して回動可能となる。
【００４７】
図１１には、本発明の他の実施例によるコンバインの送塵ガイド板８４を調整する調整レバー８９の操作部の図を示す。
図１１に示すように、二番処理胴７０、排塵処理胴７１における被処理物の送塵度合いを調整する手段（例えば調整レバー８９等）を操縦席２０近傍に設け、作業中に容易に操作・調整可能としても良い。図１１中の「湿材」とは、雨が降って刈り取りにくい場合や朝露等で作物が湿っている状態を指し、「高速」よりも更に被処理物を送り気味にする。また「低速」では、被処理物の投入される量が少ない場合に送塵ガイド板８４ａを抵抗側（搬送方向に対して直角側）に回動させ、被処理物の送塵を控える。
【００４８】
本構成のように、二番処理室６７の送塵ガイド板８４ａと排塵処理室６８の送塵ガイド板８４ｂを連動して調整する手段（調整レバー８９等）を操縦席２０近傍部に配置することで、作業中においても作業を中断することなく被処理物の送塵度合いを調整する操作が可能であり、送塵度合いの調整の省力化が可能である。
また、調整レバー８９による送塵ガイド板８４の回動変化量を二番処理胴７０側のガイド板８４ａよりも排塵処理胴７１側のガイド板８４ｂの方が大きく変化するようにしても良い。
【００４９】
図８に示すように、調整レバー８９による送塵ガイド板８４の回動変化量は、二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａよりも排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂの方が大きく変化するようにし、調整レバー８９のアーム比（回動支点９０ｃから調整レバー８９のワイヤー９２ａ、９２ｂ取り付け位置までの距離の比であり、Ｌ１：Ｌ２で表される）で行うようにしても良い。
【００５０】
二番処理室６７の処理物は二番還元物や扱室６６の扱網７４の上方から落下するろ過物の穀粒比率が高く、被処理物の送塵方向に移送されやすい。一方、排塵処理室６８の処理物は藁塵が大半を占めており、送塵方向に移送されにくい。更に二番処理胴７０の処理歯７０ａは搬送方向にリード角度（被処理物を搬送方向に案内する角度であり、被処理物の搬送方向と処理歯７０ａのなす角度をいう。）を設けているが、排塵処理歯７１ａはリード角度を設けずに切刃７１ｂを設けて藁の細断も行っているので、排塵処理胴７１側のガイド板８４ｂの被処理物の送塵変化量を大きくすることで、二番処理室６７側の処理物の流れと同等の送塵変化量とすることができる。
【００５１】
したがって、図８に示すように、回動支点９４から回動連結板９０の連結部９０ｄまでの距離がＬ３＝Ｌ４ならば、送塵ガイド板８４の変化量は調整レバー部９１のアーム比で決まる。本構成によれば、調整レバー部９１のアーム比がＬ１＜Ｌ２なので、回動支点９０ｃから調整レバー８９のワイヤー９２ａの取り付け位置までの距離よりも、ワイヤー９２ｂの取り付け位置までの距離の方が長いため、すなわち排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂの方が変化量が多くなる。
【００５２】
図１２には図８の調整レバー８９付近を拡大した図を示す。
二番処理胴７０の上方に二番物のオーバーフロー（過負荷）を検出するセンサー９７（図８）を設け、センサー９７からの信号を受けて、二番処理胴７０、排塵処理胴７１が共に被処理物の送塵を促進するように送塵ガイド板８４を自動で回動させる調整手段を調整レバー８９の下方に設けている。図１２に示すように、モータ１００が回動することでモータ１００と連動しているピニオンギア１０１が矢印Ｑ方向に回動し、ピニオンギア１０１が回動することでピニオンギア１０１と噛合しているラックギア１０２が矢印Ｓ方向に回動し、更にピン１０５でラックギア１０２の上に固着されているアーム１０４もラックギア１０２の回動に連動して矢印Ｏ方向に回動する。このようにアーム１０４が回動することでワイヤー９２のアウタワイヤー９２ｃ及びワイヤー９２のアウタワイヤー９２ｄが上下に動き、回動連結板９０ａ、９０ｂが被処理物の送塵を促進する方向に動く構成である。そしてラックギア１０２やアーム１０４の移動量をポテンショメータ１０３が検出する。
すなわち、二番処理胴７０における被処理物の搬送方向終端部上方に設けたセンサー９７（図８）からの信号を受け、ガイド板８４を自動回動させる構成である。
【００５３】
本構成のように、二番処理胴７０における被処理物の搬送終端部上方に過負荷（オーバーフロー）を検出するセンサー９７を設けることで、二番処理室６７内の処理量が過大となって、被処理物の詰まりや損傷粒が増大する前に、被処理物を送塵するように送塵ガイド板８４を回動できるので、上記のような不具合を未然に防止可能となる。また、処理物が二番還元筒出口部７２まで充満することがないので、ベルトスリップや二番還元筒出口部７２まで詰まりが生じることを防ぎ、清掃が困難でなくなる。また、本構成では排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４も被処理物の送塵を促進するように回動するので、藁塵の二番還元量（藁塵が二番処理胴７０に戻る量であって、二番処理室６７内の藁塵の量のこと）も減少でき、効果的である。また、調整手段側（調整レバー８９）の上記アーム比も排塵処理胴７１側の方が大きいので、排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４の回動角度の方が大きくなり、二番還元率（二番還元量の一番還元量（扱室６６内の藁塵の量）に対する比率）の減少がスムーズに、素速く行うことができる。
【００５４】
また、図１３には調整レバー８９の電気的接続状態を示した制御ブロック図を示す。更に図１４には本発明の他の実施例によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部左側面図を示し、図１５には図１４のＸ−Ｘ線矢視図を示す。
【００５５】
図１３から図１５に示すように、モータ１００等に対する調整手段として、調整レバー８９の位置を検出する検出センサー１０６を設け、二番処理胴７０の上方に設けたセンサー９７（図８）及び揺動棚５１上の被処理物の層厚を検知するセンサー１０７からの信号により、ＣＰＵ２００が作業負荷状態を判断し、被処理物の送塵方向もしくは絞り方向（送塵を止める方向）に送塵ガイド板８４を制御するような構成としても良い。
【００５６】
すなわち調整レバー位置検出センサー１０６（図１２）と二番処理胴７０上方に設けたセンサー９７と揺動棚５１上の処理物の層厚を検知するセンサー１０７とを設置して、センサー１０６が調整レバーの位置を検出し、更に二番処理胴７０の上方に設けたセンサー９７、揺動棚５１上のセンサー１０７が作業負荷状態（層厚が厚い状態）または被処理物の詰まりに近い過負荷を検知して、モータ１００を回動させて二番処理胴７０および排塵処理胴７１の送塵ガイド板８４を送塵方向あるいは送塵を止めるように制御する構成である。
【００５７】
このように二番処理胴７０の上方に設けたセンサー９７を、揺動棚５１上の処理量を検出するセンサー１０７と並設することで、被処理物の詰まりや過負荷時のみの制御だけでなく、処理量に応じて送塵ガイド板８４を回動制御することで、低流量時には被処理物の送塵を制御したり、高流量時には被処理物の送塵を促進したりといった細かい制御が可能となる。
【００５８】
更に、二番処理胴７０の送塵ガイド板８４ａに対する排塵処理胴７１の相対角度を変化させる調整手段を排塵処理胴７１側に設けた構成としても良い。
例えば、図８に示すように、排塵処理胴７１側のワイヤ受け１０８を長穴１０９による調整式とすることで、矢印Ｆ方向に排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂのみを変化可能とし、二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａとの相対角度を変化可能とした構成である。
【００５９】
品種や作業条件の違いによって藁塵発生量や枝梗付着粒の割合などには差が生じるため、二番処理胴７０の送塵ガイド板８４ａに対する排塵処理胴７１の送塵ガイド板８４ｂの相対角度は一定ではない方が良い。したがって、それぞれの送塵ガイド板８４ａ、８４ｂの相対角度を変化させる調整手段を設けることで、品種や作業条件の違いがあっても適応性を拡大でき、細かい設定が可能となる。
【００６０】
例えば、コシヒカリ等の通常の藁塵発生量で枝梗が付着しやすい品種であれば、排塵処理胴７１の送塵ガイド板８４ｂの送塵角度を被処理物の搬送を抑制するように調整し、高藁発生品種の低脱粒性品種（例えばハエヌキ等）では排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂを、被処理物の送塵を促進するように調整するといった微調整が可能となる。
【００６１】
図１６には、本発明の他の実施例によるコンバインの二番処理胴７０、排塵処理胴７１部分の簡略平面図を示す。それぞれの送塵方向を矢印Ｉ、矢印Ｋで示している。
二番処理胴７０、排塵処理胴７１の処理歯７０ａ、７１ａを、共に搬送リード角をもたない並植え（搬送方向に対して直角に配置）とし、処理歯７０ａ、７１ａによらず、送塵ガイド板８４ａ、８４ｂによる送塵で搬送方向の前方または後方に向かって被処理物を送塵するようにしても良い。
【００６２】
図１６に示すように、二番処理胴７０と排塵処理胴７１とを一直線上に配置し、各々前後方向に送塵しつつ処理する構成において、二番処理胴７０、排塵処理胴７１共に処理歯７０ａ、７１ａは搬送方向に向かってリード角度をもたない並植え（搬送方向に対して直角に配置）とし、送塵ガイド板８４ａ、８４ｂにより前方または後方に向かって送塵するような構成である。
【００６３】
本構成のように二番処理胴７０の処理歯７０ａを並植えとすることで、被処理物の送塵は、二番処理胴７０の送塵ガイド板８４ａによる送塵となるので、処理歯７０ａ、７１ａでも送塵する場合と比べて送塵ガイド板８４ａによる調整の効果が顕著となる。また、二番処理胴７０の処理歯７０ａと排塵処理胴７１の処理歯７１ａを部品として共用化することが可能である。なお、二番処理胴７０の搬送方向後端部には排出方向に平行な平面を有する排出羽根１１０を設けている。
【産業上の利用可能性】
【００６４】
本発明の脱穀装置はコンバインなどの収穫した穀粒の処理装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００６５】
【図１】本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図である。
【図２】図１のコンバインの平面図である。
【図３】図１のコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部右側面図である。
【図４】図１のコンバインの脱穀装置の扱胴付近の平面図である。
【図５】図３のＣ−Ｃ線矢視図である。
【図６】図１のコンバインのガイド板と二番処理胴の処理歯との関係を示した簡略断面図である。
【図７】図４の排塵処理胴及び二番処理胴部分の簡略平面図である。
【図８】本発明の他の実施例によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部右側面図である。
【図９】図８のコンバインの排塵処理胴及び二番処理胴付近の平面図である。
【図１０】図８のＣ1−Ｃ1線矢視図である。
【図１１】本発明の他の実施例によるコンバインの送塵ガイド板を調整する調整レバーの操作部の図である。
【図１２】図８の調整レバー付近を拡大した図である。
【図１３】調整レバーの電気的接続状態を示した制御ブロック図である。
【図１４】本発明の他の実施例によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部左側面図である。
【図１５】図１４のＸ−Ｘ線矢視図である。
【図１６】本発明の他の実施例によるコンバインの二番処理胴、排塵処理胴部分の簡略平面図である。
【図１７】穀粒の状態を説明するための簡略図である。
【符号の説明】
【００６６】
１ コンバイン ２ 走行フレーム
３ 走行装置 ４ クローラ
６ 刈取装置 ７ 分草具
８ 穀稈引き起こし装置 １４ フィードチェン
１５ 脱穀装置 １６ 一番揚穀筒
１８ 縦オーガ １９ 横オーガ
２０ 操縦席 ３０ グレンタンク
５０ 選別部 ５１ 揺動棚
５１ａ 選別板 ５３ シーブ
６２ ストローラック ６３ 選別網
６４ 一番棚板 ６５ 一番螺旋
６６ 扱室 ６７ 二番処理室
６８ 排塵処理室 ６８ａ 排塵処理室入口
６９ 扱胴 ６９ａ 扱歯
７０ 二番処理胴 ７０ａ 処理歯
７１ 排塵処理胴 ７１ａ 排塵処理歯
７１ｂ 螺旋 ７２ 二番還元筒出口部
７４ 扱網 ７５ 二番処理胴受網
７６ 受け網 ７７ 排藁チェーン
７８ 駆動装置 ７９ 唐箕
７９ａ 唐箕ファン ８０ 穴
８２ ガイド板 ８３ 仕切板
８４、８４ａ、８４ｂ 送塵ガイド板 ８５ 二番棚板
８６ 二番螺旋 ８７ 二番揚穀筒
８８ スリット ８９ 調整レバー
９０、９０ａ、９０ｂ 回動連結板 ９０ｃ 回動支点
９０ｄ 連結部 ９１ 排塵ファン
９２ ワイヤー ９２ａ、９２ｂ インナワイヤー
９２ｃ、９２ｄ アウタワイヤー ９３、９３ａ、９３ｂ スプリング
９４ 回動支点 ９５ 排藁処理室
９７ センサー １００ モータ
１０１ ピニオンギア １０２ ラックギア
１０３ ポテンショメータ １０４ アーム
１０５ ピン １０６、１０７ センサー
１０８ ワイヤ受け １０９ 長穴
１１０ 排出羽根 ２００ ＣＰＵ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンバイン等に搭載される脱穀装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
コンバインは穀稈の刈取装置と、脱穀装置と、脱穀後一時的に貯留するグレンタンクと、グレンタンクに貯留されている穀粒を排出するオーガなどから構成される。
脱穀装置の主脱穀部である扱室には刈取装置で刈り取った穀稈が挿入され、穀稈は扱室に軸架された扱胴の表面に多数設けられた扱歯と扱網との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物（穀粒や藁くず）は扱網を通過して、選別室の揺動棚で受け止められ二番穀粒や藁屑などを分離して穀粒のみをグレンタンクに搬送する。二番穀粒は二番処理室に送られ二番処理胴により枝梗付着粒やカギ又の単粒化を行い、再び揺動棚に落下して穀粒、二番穀粒、藁屑などに分離される。扱室で発生した藁くずなど短尺のものは排塵処理室に搬送され、排塵処理胴により処理される。
【０００３】
二番処理胴の外周部には処理歯が設けられ、二番穀粒は、この処理歯で移送されながら再度脱穀処理される。この二番処理胴で移送が停滞すると詰まりが発生したり、枝梗付着粒の枝梗の除去が十分に行われないことがある。
【０００４】
なお、図１７に穀粒の状態を説明するための簡略図を示す。図１７（ａ）は、穀粒の脱粒前の状態を示し、（ｂ）は、単粒の状態を示し、（ｃ）は、枝梗が付着した、いわゆる枝梗付着粒を示し、（ｄ）はカギ又の状態を示している。
【０００５】
図１７（ａ）のＶ−Ｖラインで穀稈を脱穀した場合は、（ｂ）の単粒が得られるが、脱粒の際にＷ−Ｗラインや、Ｚ−Ｚラインで切れてしまう場合もあり、その場合は枝梗が付着した（ｃ）の状態のものが得られる。枝梗は不要なため、できれば（ｂ）の単粒の状態で得られるのが望ましい。
そこで、二番処理胴の外周部に枝梗取板と、二番処理室を形成する機壁の内側面に移送抵抗となる抵抗板を設けた脱穀装置が提案されている。
【特許文献１】特開平１１−２９９３４１号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記特許文献１記載の構成により、二番穀粒を移送しながら、上記枝梗取板と、上記抵抗板とにより移送抵抗が付加されて、枝梗付着粒の枝梗は除去される。すなわち、二番処理胴における枝梗除去は、処理歯による打撃、搬送中の穀粒を側壁等に当てて枝梗部分を折る、または仕切板を設け、処理物に圧力を加えてこなすという方法である。しかし、二番穀粒の量が多くなると、抵抗板が移送抵抗となって詰まりが発生することもある。また、更に詰まると籾殻がとれて、穀粒が損傷する、いわゆる脱ぷという現象を引き起こす不具合が生じることがある。
本発明の課題は、上記問題点を解決することであり、穀粒が損傷する、いわゆる脱ぷという現象を引き起こさないで、枝梗除去性能を向上させる脱穀装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題は次の解決手段により解決できる。
請求項１記載の発明は、穀稈から穀粒を分離処理するための扱歯（６９ａ）を有する扱胴（６９）を軸架した扱室（６６）と、扱室（６６）を通過後の二番穀粒の供給を受ける二番処理胴（７０）を内装する二番処理室（６７）を設けた脱穀装置において、二番処理胴（７０）の側方で、二番処理胴（７０）の搬送方向始端部から搬送方向終端部への処理後二番穀粒の搬送を案内し、穀粒搬送方向と平行に搬送面を有し、二番穀粒の径より小さい穴（８０）を複数設けたガイド板（８２）を配置した脱穀装置である。
【０００８】
請求項２記載の発明は、前記ガイド板（８２）は、二番処理胴（７０）の下方に配置する請求項１記載の脱穀装置である。
請求項３記載の発明は、前記ガイド板（８２）に設けられた穴（８０）の大きさを、二番処理胴（７０）の搬送方向始端部側は比較的大きくし、搬送方向終端部側は比較的小さくした請求項１又は２記載の脱穀装置である。
【発明の効果】
【０００９】
請求項１記載の発明によれば、二番処理室（６７）内で搬送されながら処理される穀粒（二番穀粒）の内、枝梗付着粒の枝梗部分がガイド板（８２）に設けた穴（８０）に引っ掛かり、ねじられたり（曲げられたり）して、引張り荷重が加わることで枝梗部分がせん断され２番処理物の枝梗除去性能が向上する。また、穴（８０）は穀粒の径よりも小さく穀粒の通過が可能なほど大きくないので損傷性の粒（脱ぷ）は発生しにくい。
【００１０】
請求項２記載の発明によれば、上記請求項１記載の発明の効果に加えて、ガイド板（８２）を、二番処理胴（７０）の下方に配置することで、２番処理物の大半はガイド板（８２）上を搬送されるので、二番処理胴（７０）に設けた処理歯（７０ａ）の作用により被処理物はガイド板（８２）に押しつけられるため、枝梗除去の効率が良く、またガイド板（８２）に設けた穴（８０）に泥等が溜まり、目がつぶれてしまうことがない。更に、除去された枝梗部位は下方の揺動選別部（５０）に落下するので機内に溜まることがない。
【００１１】
請求項３記載の発明によれば、上記請求項１又は２記載の発明の効果に加えて、二番処理胴（７０）における搬送始端部側の大きい穴でカギ又（図１７（ｄ））等を分離し、中間から搬送終端部側にかけては小さい穴で損傷粒の増加を防止しつつ、枝梗を分離することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
図１には本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図を示し、図２にはコンバインの平面図を、図３にはコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部右側面図を示す。なお、本実施の形態ではコンバインの前進方向に向かって前側と後側をそれぞれ前、後といい、左側と右側をそれぞれ左、右ということにする。また、図１４は他の実施例によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部左側面図であるが、図１のコンバインの脱穀装置の下部の選別部等が共通しているため、便宜上、一部図１４を用いて説明する。
【００１３】
図１ないし図２に示すコンバイン１の走行フレーム２の下部には、ゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型した左右一対のクローラ４を持ち、乾田はもちろんのこと、湿田においてもクローラ４が若干沈下するだけで自由に走行できる構成の走行装置３を備え、走行フレーム２の前部には刈取装置６を搭載し、走行フレーム２の上部には図示しないエンジンならびに脱穀装置１５、操縦席２０およびグレンタンク３０を搭載する。
【００１４】
刈取装置６は、図示しない刈取昇降シリンダの伸縮作用により刈取装置６全体を昇降して、圃場に植生する穀稈を所定の高さで刈取りができる構成としている。刈取装置６の前端下部に分草具７を、その背後に傾斜状にした穀稈引き起こし装置８を、その後方底部には刈刃（図示せず）を配置している。刈刃と脱穀装置１５のフィードチェン１４の始端部との間に、図示しない前部搬送装置、扱深さ調節装置、供給搬送装置などを順次穀稈の受継搬送と扱深さ調節とができるように配置している。
【００１５】
コンバイン１の刈取装置６の作動は次のように行われる。まず、エンジンを始動して変速用、操向用などの操作レバーをコンバイン１が前進するように操作し、刈取・脱穀クラッチ（図示せず）を入り操作して機体の回転各部を伝動しながら、走行フレーム２を前進走行させると、刈取、脱穀作業が開始される。圃場に植立する穀稈は、刈取装置６の前端下部にある分草具７によって分草作用を受け、次いで穀稈引き起こし装置８の引起し作用によって倒伏状態にあれば直立状態に引起こされ、穀稈の株元が刈刃に達して刈取られ、前部搬送装置に掻込まれて後方に搬送され、扱深さ調節装置、供給搬送装置に受け継がれて順次連続状態で後部上方に搬送される。
【００１６】
穀稈は供給搬送装置からフィードチェン１４の始端部に受け継がれ、脱穀装置１５に供給される。脱穀装置１５は、上側に扱胴６９を軸架した扱室６６を配置し、扱室６６の下側に選別部５０を一体的に設け、供給された刈取穀稈を脱穀、選別する。
【００１７】
脱穀装置１５に供給された穀稈は、後で詳細に説明するが、主脱穀部である扱室６６に挿入され、扱室６６に軸架され回転する扱胴６９の多数の扱歯６９ａと、フィードチェン１４による移送と、扱網７４との相互作用により脱穀され、図１４に示すように被処理物（穀粒や藁くず）は脱穀装置１５内の選別部５０の揺動棚５１で受け止められ、上下前後方向に揺動する揺動棚５１上を移動しながら、唐箕７９からの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ５３および選別網６３を通過し、一番螺旋６５から、搬送螺旋（図示せず）を内蔵している一番揚穀筒１６（図３参照）を経てグレンタンク３０へ搬送され、グレンタンク３０に一時貯留される。一番揚穀筒１６の長手方向の軸芯上にタンク本体の籾排出口（図示せず）を設けている。
【００１８】
脱穀装置１５の扱室６６の終端に到達した脱穀された残りの穀稈で長尺のままのものは、排藁チェーン７７（図１４）および排藁穂先チェーンに挟持されて搬送され、脱穀装置１５の後部の藁用カッターに投入されて切断され、圃場に放出される。
【００１９】
グレンタンク３０内の底部に穀粒移送用のグレンタンク螺旋（図示せず）を設け、グレンタンク螺旋を駆動する螺旋駆動軸（図示せず）に縦オーガ１８および横オーガ１９からなる排出オーガを連接し、グレンタンク３０内に貯留した穀粒を排出オーガ排出口からコンバイン１の外部に排出する。グレンタンク螺旋、縦オーガ螺旋（図示せず）および横オーガ螺旋（図示せず）は、エンジンの動力の伝動を受けて回転駆動され、それぞれの螺旋羽根のスクリュウコンベヤ作用により貯留穀粒を搬送する。
【００２０】
図４には図１のコンバインの脱穀装置１５の扱胴６９付近の平面図を示す。また、図５には図３のＣ−Ｃ線矢視図を示す。
刈取装置６で刈り取った穀稈は刈取装置６に装着された穀稈搬送、調節装置で扱深さが調節され、脱穀装置１５の主脱穀部である扱室６６内に挿入される。扱室６６に軸架された扱胴６９は、その表面に多数の扱歯６９ａが設けられており、駆動機構装置７８により、エンジンからの動力により、図４ないし図５の矢印Ｂ方向に回転する。扱室６６に挿入された穀粒の付いた穀稈は、移動するフィードチェン１４により図４の矢印Ａ方向に移送されながら、矢印Ｂ方向に回転する扱胴６９の扱歯６９ａと扱網７４との相互作用により脱穀される。穀稈から分離された被処理物（穀粒や藁くず）は扱網７４を矢印Ｃ１方向（図５）に通過して、揺動棚５１で受け止められる。
【００２１】
図１４に示すように、揺動棚５１は扱室６６の扱網７４の下方に配置した複数個の断面三角形状選別板５１ａとその後方に配置した上方のシーブ５３とその下方の選別網６３と最後端部に配置したストローラック６２から構成されている。そして揺動棚５１は後述する二番処理室６７の下方に配置して２番処理物を受け止め得る構成になっている。
【００２２】
扱網７４（図１４）の前方の領域で漏下する脱穀初期に脱粒した穀粒は単粒が多く夾雑物が少ないのでシーブ５３上で粗選別する必要が無く、直接選別網６３で後述する唐箕７９からの送風により風選することができ、シーブ５３の負荷を軽くし、能率的な脱穀が可能となる。
【００２３】
また、揺動棚５１は図示しない揺動棚駆動機構の作動により上下前後方向に揺動するので、被処理物は矢印Ｄ方向（図１４）に移動しながら、揺動棚５１上に漏下した比重の重い穀粒は選別網６３を矢印Ｅ方向に通過し、一番棚板６４上で揺動棚５１の運動による比重選別と唐箕７９による選別風により風力選別され、一番螺旋６５から一番揚穀筒１６（図３）を経てグレンタンク３０へ搬送される。グレンタンク３０に貯留された穀粒は、オーガ１８、１９を経由してコンバイン１の外部へ搬送される。
【００２４】
揺動棚５１の上の被処理物のうち軽量のものは、揺動棚５１の揺動作用と唐箕７９のファン７９ａによる送風に吹き飛ばされて揺動棚５１からシーブ５３に向けて矢印Ｄ方向に移動し、ストローラック６２の上で二番穀粒は矢印Ｇ方向に漏下して二番棚板８５に集められ、二番螺旋８６で二番揚穀筒８７へ搬送される（図１４）。
【００２５】
二番穀粒（二番物ということがある）は、正常な穀粒、枝梗粒、藁くずおよび藁くずの中に正常な穀粒が刺さっているササリ粒などの混合物であり、二番揚穀筒８７の中を二番揚穀筒螺旋（図示せず）により矢印Ｈ方向（図３参照）に揚送されて、二番処理室入口から二番処理室６７の上方へ放出される。二番処理室６７の下部に軸架する二番処理胴７０は駆動装置７８（図３、図４）により矢印Ｊ方向（図４）に回転する。二番穀粒は二番処理胴７０に植設してある多数の処理歯７０ａに衝突しながら矢印Ｉ方向（図４、図１４）に進行する間に二番穀粒の分離と枝梗粒の枝梗の除去を行い、被処理物の一部は二番処理胴７０の下方に設けられた受網７５（図５）を通り抜けて選別室５０に漏下し、被処理物の大部分は揺動棚５１からシーブ５３方向に送られ、穀粒はシーブ５３と選別網６３を通り、一番螺旋６５に集められる。
このように二番物を揺動棚５１上に回収してシーブ５３による再処理をすることにより、穀粒と藁くずとの分離が良好になる。
【００２６】
扱室６６を図４の矢印Ａ方向に進行し、扱室６６の終端に到達した被処理物の中の脱穀された穀稈で長尺のままのものは、図４に示す矢印Ａ１方向に搬送され、排藁処理室９５に投入される。
また、扱室６６の被処理物搬送方向終端部に到達した被処理物の中で、藁くずなど短尺のものは、排塵処理室入口６８ａから矢印Ａ２（図４）方向に投入されて排塵処理室６８に入り、排塵処理室６８では回転する排塵処理胴７１の螺旋７１ｂにより矢印Ｋ方向（図４、図１４）に搬送されながら処理される。
【００２７】
排塵処理室６８に入った少量の穀粒を含む藁くずを主体とする被処理物の中の漏下物（穀粒）は受け網７６（図４）から揺動棚５１上に漏下し、揺動棚５１に設けられたストローラック６２に誘導されて二番棚板８５から二番揚穀筒８７を経由して二番処理室６７に送られる。
なお、同軸上にある二番処理胴７０と排塵処理胴７１の駆動は図３、図４に示すようにエンジンから駆動力をプーリを介して行われる。
【００２８】
図１４に示すように、脱穀装置１５の後部に排塵ファン９１を設け、排塵処理室６８（図４）を含む脱穀装置１５内で発生する排塵のうち、比重の軽い藁くず、枝梗および塵埃を含む空気を排塵ファン９１の回転による送風で吸引し、排塵ファン９１の出口から矢印Ｌ方向へ吹き出して、コンバイン１の外部へ放出する。
【００２９】
排塵処理室６８から揺動棚５１の終端部に矢印Ｍ（図１４）のように落ちた排塵のうちで比重の重いものは、揺動棚５１の終端部のストローラック６２あるいはシーブ５３を矢印Ｇ方向へ通過して二番棚板８５に漏下し、再び二番処理室６７において処理される。
【００３０】
図６には、二番処理胴７０の搬送方向始端部から搬送方向終端部への被処理物の搬送を案内するガイド板８２と二番処理胴７０の処理歯７０ａとの関係を示した簡略断面図を示す。図３から図５に示すように、二番物および扱室６６の扱網７４によりろ過した被処理物を搬送しつつ処理する二番処理室６７において、二番処理胴７０の側方に、二番処理胴７０の搬送方向始端部から搬送方向終端部への被処理物の搬送を案内し、搬送方向と平行に搬送面を有する搬送ガイド板８２を設ける。そして、該搬送ガイド板８２の搬送面には二番穀粒の径より小さい穴８０を複数設けた構成である。図６に示すように、ガイド板８２に二番穀粒の穀粒の径より小さい穴８０を複数設けることで、二番穀粒の枝梗を通過させる一方、穀粒の通過を阻み、二番処理室６７において搬送中の被処理物（二番穀粒）の枝梗除去を行う構成である。本図に示すように、処理歯７０ａが矢印Ｊ方向に動くことで被処理物に接触し、枝梗付着粒の枝梗部分は穴８０に入るが、穴８０は穀粒の径よりも小さいため穀粒は穴８０を通過しないので、枝梗の除去が可能となる。
【００３１】
従来の二番処理胴７０における枝梗除去は、処理歯７０ａによる打撃、搬送中の穀粒を側壁等に当てて枝梗部分を折る、または仕切板などを設け、処理物に圧力を加えてこなす方法であった。
しかし、本構成を採用することにより、二番処理胴７０内を搬送しつつ処理される穀粒の内、枝梗付着粒の枝梗部分が搬送ガイド板８２に設けた穴８０に引っ掛かることで、ねじられたり（曲げられたり）して、引張り荷重が加わり、枝梗除去性能が向上する。また、穴８０は穀粒の通過が可能なほど大きくないので損傷性の粒（脱ぷ）は発生しにくい。
【００３２】
そして、枝梗除去穴８０を設けた搬送ガイド板８２を二番処理胴７０の下方に配置する構成とすれば良い。本構成によれば、搬送ガイド板８２は二番処理胴７０の下方にあるので、被処理物が二番処理胴７０の下部に落下することで常時被処理物があり、また、処理歯７０ａの作用により被処理物が搬送ガイド板８２に押しつけられるので、枝梗除去効率がよく、また、泥等の目詰まりがしにくい。
【００３３】
更に、除去された枝梗部位は二番処理胴７０下方の揺動選別部５０に落下するので二番処理室６７に溜まることがない。
更に、搬送ガイド板８２に設けた穴８０の径は、搬送上手側（搬送始端部側）を比較的大径とし、搬送下手側（搬送終端部側）を比較的小径としても良い。前記穴８０は搬送始端部からほぼ中間部までを比較的大径として、ほぼ中間部から搬送終端部までを比較的小径としたり、搬送始端部から搬送終端部にかけて少しずつ穴径が小さくなるようにしても良い。
【００３４】
本構成を採用することにより、被処理物の二番処理室６７通過時の初期に、大きい穴８０でカギ又等を分離し、中間から終端部にかけては小さい穴８０で損傷粒の増加を防止しつつ、枝梗を分離することが可能となる。
【００３５】
また、図３から図５に示すように、二番処理胴７０上方搬送終端部側に二番処理胴７０における被処理物の搬送を制限する仕切板８３を設け、該仕切板８３にも穀粒の通過を阻む大きさの穴を複数設けても良い（図５には仕切板８３に複数の穴を設けた例を示している）。そして、その穴径は搬送ガイド板８２の搬送上手側（搬送始端部側）の穴径とほぼ同じとし、搬送下手側（搬送終端部側）の穴径より大きくしても良い。
【００３６】
二番処理胴７０上方の仕切板８３にも穴８０を設けることで、枝梗除去の効率が向上する。図５に示すように、仕切板８３は処理歯７０ａと搬送方向と直交する方向から見て重なっていないので矢印Ｔ方向から供給される枝梗付着粒の処理の大半を仕切板８３で行い、また枝梗付着粒が仕切板８３に引っ掛かったままにならないように仕切板８３に設ける穴を比較的大きめの穴とすることができる。そして、損傷粒の増加を防ぎまた枝梗等が仕切板８３に引っ掛かったままとなってそのまま残り、見苦しくなるのを防止できる。
【００３７】
図７には図４の排塵処理胴７１及び二番処理胴７０部分の簡略平面図を示す。
図７に示すように、二番処理胴７０下方の搬送ガイド板８２に穀粒の通過しない程度の幅のスリット８８（長穴）を複数設けた構成としても良い。また、スリット８８は被処理物の搬送方向（前後方向）及び二番処理胴７０の回転方向Ｊに対し、被処理物の搬送の抵抗となるよう斜めに配置すれば良い。
【００３８】
本構成によれば、スリット（長穴）８８にすることで、円穴に比べてスリット（長穴）８８に枝梗が引っ掛かりやすくなる。また、被処理物の搬送方向及び二番処理胴７０の回転方向に対してスリット（長穴）８８を斜めに配置すれば、スリット（長穴）８８に枝梗を引っ掛けて、除去する効率が向上する。
【００３９】
図８には本発明の他の実施例によるコンバインの脱穀装置１５の一部切り欠き内部右側面図を示し、図９には図８のコンバインの排塵処理胴７１及び二番処理胴７０付近の平面図を示し、図１０には図８のＣ1−Ｃ1線矢視図を示す。
【００４０】
図８から図１０に示すように、二番処理胴７０と排塵処理胴７１の側方に、各々回動自在とした送塵ガイド板８４を設け、各々の送塵ガイド板群８４を同時に回動調整可能とした構成である。そして、二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａによる被処理物の送塵を促進するようにした場合、排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂも被処理物の送塵を促進するように回動し、逆に二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａによる被処理物の送塵を止めるようにした場合は排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂも送塵角度を緩める（止める）ようにしている。
【００４１】
二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａと排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂは、各々の回動連結板９０ａ、９０ｂに固定されており、各々の回動連結板９０ａ、９０ｂにて矢印Ｐ方向、矢印Ｕ方向に回動自在としている。そして各々の回動連結板９０ａ、９０ｂには、インナワイヤー９２ａ、９２ｂとアウタワイヤー９２ｃ，９２ｄが接続されていて、更にワイヤー９２ａ、９２ｂは調整レバー８９と連結している。このように、調整レバー８９を上下に動かすことでワイヤー９２ａ、９２ｂが引っ張られ、あるいは緩んで回動連結板９０ａ、９０ｂが回動自在となる。
【００４２】
本構成によれば、二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａと排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂを連動することで、被処理物が低流量の時（低速作業時）は排塵処理室６８、二番処理室６７共に被処理物を長く止めて、排塵処理室６８内や二番処理室６７内に充満させてから処理するので、被処理物の回収ロスの低減や枝梗、カギ又の分離等が促進され、低速作業時の欠点を補うことができ、逆に高速作業時は送塵を促進させ、被処理物による過負荷や詰まり、損傷粒（脱ぷ粒）の発生等を抑制できる。
また、二番処理胴７０側と排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ａ、８４ｂが同時に調整されるので、調整の省力化も計れる。
【００４３】
更に、二番処理胴７０と排塵処理胴７１双方の送塵ガイド板８４ａ、８４ｂともに被処理物の送塵方向（矢印Ｉ、Ｋ）とは逆側にスプリング９３ａ、９３ｂ等で付勢しており、送塵ガイド板８４ａ、８４ｂは送塵方向に回動可能であるので、被処理物の送塵量が多い過負荷時には、送塵ガイド板８４ａ、８４ｂを送塵方向に回動することで、過負荷時や誤調整により送塵ガイド板８４ａ、８４ｂの送塵角度が不足している場合でも被処理物の詰まり等がない。
【００４４】
このように双方の送塵ガイド板８４ａ、８４ｂともに被処理物の送塵方向（矢印Ｉ、Ｋ）とは逆側にスプリング９３ａ、９３ｂ等で付勢した構成であるから、急激な過負荷や誤調整による負荷増大により二番処理胴７０や排塵処理胴７１への被処理物の巻付きや詰まりといった不具合を防止できる。
【００４５】
また、図８に示すように、二番処理胴７０と排塵処理胴７１側は回動連結板９０ａ、９０ｂの閉じる方向（送塵をとどめる方向）に付勢するスプリング９３ａ、９３ｂを各々に設けているので、二番処理胴７０、排塵処理胴７１共に被処理物の送塵量が多い過負荷時には独立して回動可能な構成とすることもできる。
【００４６】
このように二番処理胴７０の回動連結板９０ａと排塵処理胴７１の回動連結板９０ｂは独立しており、回動連結板９０ａ、９０ｂの閉じる方向に付勢しているスプリング９３ａ、９３ｂも各々に設けることで、二番処理室６７あるいは排塵処理室６８のいずれかに過負荷が生じた場合でも独立して回動可能となる。
【００４７】
図１１には、本発明の他の実施例によるコンバインの送塵ガイド板８４を調整する調整レバー８９の操作部の図を示す。
図１１に示すように、二番処理胴７０、排塵処理胴７１における被処理物の送塵度合いを調整する手段（例えば調整レバー８９等）を操縦席２０近傍に設け、作業中に容易に操作・調整可能としても良い。図１１中の「湿材」とは、雨が降って刈り取りにくい場合や朝露等で作物が湿っている状態を指し、「高速」よりも更に被処理物を送り気味にする。また「低速」では、被処理物の投入される量が少ない場合に送塵ガイド板８４ａを抵抗側（搬送方向に対して直角側）に回動させ、被処理物の送塵を控える。
【００４８】
本構成のように、二番処理室６７の送塵ガイド板８４ａと排塵処理室６８の送塵ガイド板８４ｂを連動して調整する手段（調整レバー８９等）を操縦席２０近傍部に配置することで、作業中においても作業を中断することなく被処理物の送塵度合いを調整する操作が可能であり、送塵度合いの調整の省力化が可能である。
また、調整レバー８９による送塵ガイド板８４の回動変化量を二番処理胴７０側のガイド板８４ａよりも排塵処理胴７１側のガイド板８４ｂの方が大きく変化するようにしても良い。
【００４９】
図８に示すように、調整レバー８９による送塵ガイド板８４の回動変化量は、二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａよりも排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂの方が大きく変化するようにし、調整レバー８９のアーム比（回動支点９０ｃから調整レバー８９のワイヤー９２ａ、９２ｂ取り付け位置までの距離の比であり、Ｌ１：Ｌ２で表される）で行うようにしても良い。
【００５０】
二番処理室６７の処理物は二番還元物や扱室６６の扱網７４の上方から落下するろ過物の穀粒比率が高く、被処理物の送塵方向に移送されやすい。一方、排塵処理室６８の処理物は藁塵が大半を占めており、送塵方向に移送されにくい。更に二番処理胴７０の処理歯７０ａは搬送方向にリード角度（被処理物を搬送方向に案内する角度であり、被処理物の搬送方向と処理歯７０ａのなす角度をいう。）を設けているが、排塵処理歯７１ａはリード角度を設けずに切刃７１ｂを設けて藁の細断も行っているので、排塵処理胴７１側のガイド板８４ｂの被処理物の送塵変化量を大きくすることで、二番処理室６７側の処理物の流れと同等の送塵変化量とすることができる。
【００５１】
したがって、図８に示すように、回動支点９４から回動連結板９０の連結部９０ｄまでの距離がＬ３＝Ｌ４ならば、送塵ガイド板８４の変化量は調整レバー部９１のアーム比で決まる。本構成によれば、調整レバー部９１のアーム比がＬ１＜Ｌ２なので、回動支点９０ｃから調整レバー８９のワイヤー９２ａの取り付け位置までの距離よりも、ワイヤー９２ｂの取り付け位置までの距離の方が長いため、すなわち排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂの方が変化量が多くなる。
【００５２】
図１２には図８の調整レバー８９付近を拡大した図を示す。
二番処理胴７０の上方に二番物のオーバーフロー（過負荷）を検出するセンサー９７（図８）を設け、センサー９７からの信号を受けて、二番処理胴７０、排塵処理胴７１が共に被処理物の送塵を促進するように送塵ガイド板８４を自動で回動させる調整手段を調整レバー８９の下方に設けている。図１２に示すように、モータ１００が回動することでモータ１００と連動しているピニオンギア１０１が矢印Ｑ方向に回動し、ピニオンギア１０１が回動することでピニオンギア１０１と噛合しているラックギア１０２が矢印Ｓ方向に回動し、更にピン１０５でラックギア１０２の上に固着されているアーム１０４もラックギア１０２の回動に連動して矢印Ｏ方向に回動する。このようにアーム１０４が回動することでワイヤー９２のアウタワイヤー９２ｃ及びワイヤー９２のアウタワイヤー９２ｄが上下に動き、回動連結板９０ａ、９０ｂが被処理物の送塵を促進する方向に動く構成である。そしてラックギア１０２やアーム１０４の移動量をポテンショメータ１０３が検出する。
すなわち、二番処理胴７０における被処理物の搬送方向終端部上方に設けたセンサー９７（図８）からの信号を受け、ガイド板８４を自動回動させる構成である。
【００５３】
本構成のように、二番処理胴７０における被処理物の搬送終端部上方に過負荷（オーバーフロー）を検出するセンサー９７を設けることで、二番処理室６７内の処理量が過大となって、被処理物の詰まりや損傷粒が増大する前に、被処理物を送塵するように送塵ガイド板８４を回動できるので、上記のような不具合を未然に防止可能となる。また、処理物が二番還元筒出口部７２まで充満することがないので、ベルトスリップや二番還元筒出口部７２まで詰まりが生じることを防ぎ、清掃が困難でなくなる。また、本構成では排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４も被処理物の送塵を促進するように回動するので、藁塵の二番還元量（藁塵が二番処理胴７０に戻る量であって、二番処理室６７内の藁塵の量のこと）も減少でき、効果的である。また、調整手段側（調整レバー８９）の上記アーム比も排塵処理胴７１側の方が大きいので、排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４の回動角度の方が大きくなり、二番還元率（二番還元量の一番還元量（扱室６６内の藁塵の量）に対する比率）の減少がスムーズに、素速く行うことができる。
【００５４】
また、図１３には調整レバー８９の電気的接続状態を示した制御ブロック図を示す。更に図１４には本発明の他の実施例によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部左側面図を示し、図１５には図１４のＸ−Ｘ線矢視図を示す。
【００５５】
図１３から図１５に示すように、モータ１００等に対する調整手段として、調整レバー８９の位置を検出する検出センサー１０６を設け、二番処理胴７０の上方に設けたセンサー９７（図８）及び揺動棚５１上の被処理物の層厚を検知するセンサー１０７からの信号により、ＣＰＵ２００が作業負荷状態を判断し、被処理物の送塵方向もしくは絞り方向（送塵を止める方向）に送塵ガイド板８４を制御するような構成としても良い。
【００５６】
すなわち調整レバー位置検出センサー１０６（図１２）と二番処理胴７０上方に設けたセンサー９７と揺動棚５１上の処理物の層厚を検知するセンサー１０７とを設置して、センサー１０６が調整レバーの位置を検出し、更に二番処理胴７０の上方に設けたセンサー９７、揺動棚５１上のセンサー１０７が作業負荷状態（層厚が厚い状態）または被処理物の詰まりに近い過負荷を検知して、モータ１００を回動させて二番処理胴７０および排塵処理胴７１の送塵ガイド板８４を送塵方向あるいは送塵を止めるように制御する構成である。
【００５７】
このように二番処理胴７０の上方に設けたセンサー９７を、揺動棚５１上の処理量を検出するセンサー１０７と並設することで、被処理物の詰まりや過負荷時のみの制御だけでなく、処理量に応じて送塵ガイド板８４を回動制御することで、低流量時には被処理物の送塵を制御したり、高流量時には被処理物の送塵を促進したりといった細かい制御が可能となる。
【００５８】
更に、二番処理胴７０の送塵ガイド板８４ａに対する排塵処理胴７１の相対角度を変化させる調整手段を排塵処理胴７１側に設けた構成としても良い。
例えば、図８に示すように、排塵処理胴７１側のワイヤ受け１０８を長穴１０９による調整式とすることで、矢印Ｆ方向に排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂのみを変化可能とし、二番処理胴７０側の送塵ガイド板８４ａとの相対角度を変化可能とした構成である。
【００５９】
品種や作業条件の違いによって藁塵発生量や枝梗付着粒の割合などには差が生じるため、二番処理胴７０の送塵ガイド板８４ａに対する排塵処理胴７１の送塵ガイド板８４ｂの相対角度は一定ではない方が良い。したがって、それぞれの送塵ガイド板８４ａ、８４ｂの相対角度を変化させる調整手段を設けることで、品種や作業条件の違いがあっても適応性を拡大でき、細かい設定が可能となる。
【００６０】
例えば、コシヒカリ等の通常の藁塵発生量で枝梗が付着しやすい品種であれば、排塵処理胴７１の送塵ガイド板８４ｂの送塵角度を被処理物の搬送を抑制するように調整し、高藁発生品種の低脱粒性品種（例えばハエヌキ等）では排塵処理胴７１側の送塵ガイド板８４ｂを、被処理物の送塵を促進するように調整するといった微調整が可能となる。
【００６１】
図１６には、本発明の他の実施例によるコンバインの二番処理胴７０、排塵処理胴７１部分の簡略平面図を示す。それぞれの送塵方向を矢印Ｉ、矢印Ｋで示している。
二番処理胴７０、排塵処理胴７１の処理歯７０ａ、７１ａを、共に搬送リード角をもたない並植え（搬送方向に対して直角に配置）とし、処理歯７０ａ、７１ａによらず、送塵ガイド板８４ａ、８４ｂによる送塵で搬送方向の前方または後方に向かって被処理物を送塵するようにしても良い。
【００６２】
図１６に示すように、二番処理胴７０と排塵処理胴７１とを一直線上に配置し、各々前後方向に送塵しつつ処理する構成において、二番処理胴７０、排塵処理胴７１共に処理歯７０ａ、７１ａは搬送方向に向かってリード角度をもたない並植え（搬送方向に対して直角に配置）とし、送塵ガイド板８４ａ、８４ｂにより前方または後方に向かって送塵するような構成である。
【００６３】
本構成のように二番処理胴７０の処理歯７０ａを並植えとすることで、被処理物の送塵は、二番処理胴７０の送塵ガイド板８４ａによる送塵となるので、処理歯７０ａ、７１ａでも送塵する場合と比べて送塵ガイド板８４ａによる調整の効果が顕著となる。また、二番処理胴７０の処理歯７０ａと排塵処理胴７１の処理歯７１ａを部品として共用化することが可能である。なお、二番処理胴７０の搬送方向後端部には排出方向に平行な平面を有する排出羽根１１０を設けている。
【産業上の利用可能性】
【００６４】
本発明の脱穀装置はコンバインなどの収穫した穀粒の処理装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００６５】
【図１】本発明の実施の形態の穀類の収穫作業を行うコンバインの左側面図である。
【図２】図１のコンバインの平面図である。
【図３】図１のコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部右側面図である。
【図４】図１のコンバインの脱穀装置の扱胴付近の平面図である。
【図５】図３のＣ−Ｃ線矢視図である。
【図６】図１のコンバインのガイド板と二番処理胴の処理歯との関係を示した簡略断面図である。
【図７】図４の排塵処理胴及び二番処理胴部分の簡略平面図である。
【図８】本発明の他の実施例によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部右側面図である。
【図９】図８のコンバインの排塵処理胴及び二番処理胴付近の平面図である。
【図１０】図８のＣ1−Ｃ1線矢視図である。
【図１１】本発明の他の実施例によるコンバインの送塵ガイド板を調整する調整レバーの操作部の図である。
【図１２】図８の調整レバー付近を拡大した図である。
【図１３】調整レバーの電気的接続状態を示した制御ブロック図である。
【図１４】本発明の他の実施例によるコンバインの脱穀装置の一部切り欠き内部左側面図である。
【図１５】図１４のＸ−Ｘ線矢視図である。
【図１６】本発明の他の実施例によるコンバインの二番処理胴、排塵処理胴部分の簡略平面図である。
【図１７】穀粒の状態を説明するための簡略図である。
【符号の説明】
【００６６】
１ コンバイン ２ 走行フレーム
３ 走行装置 ４ クローラ
６ 刈取装置 ７ 分草具
８ 穀稈引き起こし装置 １４ フィードチェン
１５ 脱穀装置 １６ 一番揚穀筒
１８ 縦オーガ １９ 横オーガ
２０ 操縦席 ３０ グレンタンク
５０ 選別部 ５１ 揺動棚
５１ａ 選別板 ５３ シーブ
６２ ストローラック ６３ 選別網
６４ 一番棚板 ６５ 一番螺旋
６６ 扱室 ６７ 二番処理室
６８ 排塵処理室 ６８ａ 排塵処理室入口
６９ 扱胴 ６９ａ 扱歯
７０ 二番処理胴 ７０ａ 処理歯
７１ 排塵処理胴 ７１ａ 排塵処理歯
７１ｂ 螺旋 ７２ 二番還元筒出口部
７４ 扱網 ７５ 二番処理胴受網
７６ 受け網 ７７ 排藁チェーン
７８ 駆動装置 ７９ 唐箕
７９ａ 唐箕ファン ８０ 穴
８２ ガイド板 ８３ 仕切板
８４、８４ａ、８４ｂ 送塵ガイド板 ８５ 二番棚板
８６ 二番螺旋 ８７ 二番揚穀筒
８８ スリット ８９ 調整レバー
９０、９０ａ、９０ｂ 回動連結板 ９０ｃ 回動支点
９０ｄ 連結部 ９１ 排塵ファン
９２ ワイヤー ９２ａ、９２ｂ インナワイヤー
９２ｃ、９２ｄ アウタワイヤー ９３、９３ａ、９３ｂ スプリング
９４ 回動支点 ９５ 排藁処理室
９７ センサー １００ モータ
１０１ ピニオンギア １０２ ラックギア
１０３ ポテンショメータ １０４ アーム
１０５ ピン １０６、１０７ センサー
１０８ ワイヤ受け １０９ 長穴
１１０ 排出羽根 ２００ ＣＰＵ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
穀稈から穀粒を分離処理するための扱歯（６９ａ）を有する扱胴（６９）を軸架した扱室（６６）と、扱室（６６）を通過後の二番穀粒の供給を受ける二番処理胴（７０）を内装する二番処理室（６７）を設けた脱穀装置において、
二番処理胴（７０）の側方で、二番処理胴（７０）の搬送方向始端部から搬送方向終端部への処理後二番穀粒の搬送を案内し、穀粒搬送方向と平行に搬送面を有し、二番穀粒の径より小さい穴（８０）を複数設けたガイド板（８２）
を配置したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項２】
前記ガイド板（８２）は、二番処理胴（７０）の下方に配置することを特徴とする請求項１記載の脱穀装置。
【請求項３】
前記ガイド板（８２）に設けられた穴（８０）の大きさを、二番処理胴（７０）の搬送方向始端部側は比較的大きくし、搬送方向終端部側は比較的小さくしたことを特徴とする請求項１又は２記載の脱穀装置。
【請求項１】
穀稈から穀粒を分離処理するための扱歯（６９ａ）を有する扱胴（６９）を軸架した扱室（６６）と、扱室（６６）を通過後の二番穀粒の供給を受ける二番処理胴（７０）を内装する二番処理室（６７）を設けた脱穀装置において、
二番処理胴（７０）の側方で、二番処理胴（７０）の搬送方向始端部から搬送方向終端部への処理後二番穀粒の搬送を案内し、穀粒搬送方向と平行に搬送面を有し、二番穀粒の径より小さい穴（８０）を複数設けたガイド板（８２）
を配置したことを特徴とする脱穀装置。
【請求項２】
前記ガイド板（８２）は、二番処理胴（７０）の下方に配置することを特徴とする請求項１記載の脱穀装置。
【請求項３】
前記ガイド板（８２）に設けられた穴（８０）の大きさを、二番処理胴（７０）の搬送方向始端部側は比較的大きくし、搬送方向終端部側は比較的小さくしたことを特徴とする請求項１又は２記載の脱穀装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【公開番号】特開２００７−１１７０５９（Ｐ２００７−１１７０５９Ａ）
【公開日】平成１９年５月１７日（２００７．５．１７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３１７２７７（Ｐ２００５−３１７２７７）
【出願日】平成１７年１０月３１日（２００５．１０．３１）
【出願人】（００００００１２５）井関農機株式会社 (3,813)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年５月１７日（２００７．５．１７）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１０月３１日（２００５．１０．３１）
【出願人】（００００００１２５）井関農機株式会社 (3,813)
【Ｆターム（参考）】
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