説明

脱臭装置

【課題】VOCの脱臭に使用した電解水を再利用することで電解水の廃液を出さず、かかる廃液からの塩素ガスの放出を顕著に抑えた脱臭処理装置を提供すること。
【解決手段】食塩水供給部と、食塩水を電気分解して酸性電解水及びアルカリ性電解水を生成する電解水生成部と、前記酸性電解水及びアルカリ性電解水と外部から吸引されたVOCを含む気体とを接触させて気体を脱臭処理する脱臭部と、前記電解水を前記脱臭部へ供給するとともに脱臭処理に用いた電解水を前記電解水生成部に環流する電解水循環経路と、電解水を再生する廃液再生部を備え、前記電解水生成部に環流した使用済みの電解水を電解水生成部の電解槽にて再電解するとともに、使用済みの余剰の酸性電解水とアルカリ性電解水とを前記廃液再生部において、廃液混合タンクで混合して中和後、逆浸透膜により濃縮塩水と精製水に分離し、得られた濃縮塩水と精製水を前記食塩水供給部に供給する脱臭装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有臭成分である揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)を分解・除去する脱臭装置に関するもので、さらに詳しくは一度使用した電解水を循環再生して使用する湿式脱臭装置に関する。
【背景技術】
【0002】
VOCは、常温常圧で大気中に容易に揮発する有機化学物質であり、トルエン、ベンゼン、フロン類、ジクロロメタンなどの有臭成分が挙げられる。これらのVOCは、洗浄剤、溶剤、燃料の原料として産業界で広範囲に使用されているが、大気等の環境中に放出されると、公害や健康被害を引き起こす原因となることから問題視されている。日本では、VOCが光化学オキシダントと浮遊粒子状物質の主な原因であるとして、2004年から大気汚染防止法により規制が行われており、VOCを取り扱う産業施設では、施設から空気中に拡散するVOCの除去率を高めることがますます求められている。
【0003】
従来から、隔膜電解法による強酸性及び強アルカリ性の電解水が、低濃度のVOCの脱臭法等に使用されている。この方式の脱臭装置では、電解水のpHを測定しながら消臭処理が行われている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、このような脱臭装置で高濃度のVOCを含む気体の脱臭処理を行うと性能上様々な問題が発生する。例えば、従来、脱臭処理後の電解水は一定の処理を得ると中和処理を施して廃棄されているが、電解水を大量に廃棄することは、経済性及び環境性の観点から、好ましいとはいえなかった。また、廃液の電解水中には塩素ガスが含まれており、かかる塩素ガスは前記中和処理のみでは完全に除去することは困難であった。
【特許文献1】特開2006−212532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、VOCの脱臭に使用した電解水を再利用することで電解水の廃液を出さず、かかる廃液からの塩素ガスの放出を顕著に抑えた脱臭処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前述の課題解決のために、
食塩水供給部と、
前記食塩水供給部から供給された食塩水を電気分解して酸性電解水及びアルカリ性電解水を生成する電解水生成部と、
前記酸性電解水及びアルカリ性電解水のそれぞれと、外部から吸引された揮発性有機化合物を含む気体とを接触させて気体を脱臭処理する脱臭部と、
前記電解水生成部で生成した電解水を前記脱臭部へ供給するとともに、脱臭部で脱臭処理に用いた電解水を前記電解水生成部に環流する電解水循環経路と、
前記脱臭部で用いられた電解水を再生する廃液再生部
を備えた脱臭装置であって、
前記電解水循環経路により電解水生成部に環流した使用済みの電解水を電解水生成部の電解槽にて再電解するとともに、使用済みの余剰の酸性電解水とアルカリ性電解水とを前記廃液再生部において、廃液混合タンクで混合して中和した後、逆浸透膜により濃縮塩水と精製水に分離し、得られた濃縮塩水と精製水を前記食塩水供給部に供給することを特徴とする脱臭装置
を提供する。
【0006】
食塩水供給部は、電解水生成部に食塩水を供給するための装置である。前記食塩水供給部は、食塩水を溜めておく容器、電解水生成部に接続した配管及びポンプから構成される。
【0007】
食塩水は、電解水の原料である。前記食塩水に使用する電解質としては、食塩、塩化ナトリウムが挙げられるが、コスト、安全性、スケール生成防止の観点から、食塩が好ましい。
食塩水中の電解質濃度は、所望の電解水におけるpH強度を得られるものであれば特に限定はないが、例えば、食塩1〜3重量%の水溶液であることが好ましい。
また、前記食塩水の代わりに、VOCの分解消臭が可能な塩素系電解質(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム)を使用してもよい。
【0008】
電解水生成部では、食塩水が電気分解されて酸性電解水及びアルカリ性電解水が生成される。前記電解水生成部は、直流電源、陽極、陰極及び電解槽によって構成される。前記直流電源は、陽極と陰極の電極に接続されており、陽極と陰極とは電解槽中に充填された食塩水に接触されるように配置される。
【0009】
前記電解水生成部の電解槽の陽極と陰極との間は、隔膜によって分離されていることが好ましい。隔膜によって陽極がある部分と陰極がある部分に分離された電解槽では、陽極のある部分で酸性電解水が生成し、陰極がある部分でアルカリ性電解水が生成する。このように2種類の電解水を使用することでVOCを効率よく除去することができる。
【0010】
脱臭部では、前記酸性電解水及びアルカリ性電解水のそれぞれと、外部から吸引されたVOCを含む気体とを接触させて気体を脱臭処理する。VOCを含む気体は、外部から吸引され、配管を経て前記脱臭部に導入される。
【0011】
前記脱臭部は、気液接触分解と液液接触分解を同時に行える多塔式スクラバーであることが好ましい。
また、酸性電解水が導入される脱臭部及びアルカリ性電解水が導入される脱臭部が気体の流れ方向に直列に配置されていることが好ましい。
【0012】
前記脱臭部からは、脱臭処理された気体、VOCの分解物を含む電解水が排出される。
【0013】
電解水循環経路は、前記電解水生成部で生成した電解水を前記脱臭部へ供給するとともに、脱臭部で脱臭処理に用いた電解水を前記電解水生成部に環流する。前記電解水の環流は、ポンプを用いて行われる。前記電解水循環経路により電解水生成部に環流した使用済みの電解水は、電解水生成部の電解槽にて再電解される。
【0014】
廃液再生部は、前記脱臭部から排出される電解水を再生する。廃液再生部は、廃液混合タンク、加圧ポンプ及び逆浸透膜から構成される。
【0015】
前記廃液混合タンクでは、酸性電解水とアルカリ性電解水とを混合・中和して貯留する。前記加圧ポンプは、逆浸透膜での電解水混合液のろ過を行うのに使用する。電解水混合液は、前記逆浸透膜により濃縮塩水と精製水に分離する。
【0016】
前記逆浸透膜としては、中空糸膜、スパイラル膜又はチューブラー膜であることが好ましい。
また、前記逆浸透膜の材質としては、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコ ール及びポリスルホンからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
【0017】
本発明の脱臭装置において、使用済みの余剰の酸性電解水とアルカリ性電解水とを前記廃液再生部において逆浸透膜により濃縮塩水と精製水に分離し、得られた濃縮塩水と精製水を前記食塩水供給部に供給することで、使用済みの電解水を廃棄せずに再利用することができる。
【0018】
また、本発明の処理対象であるVOCは、揮発量が多くなると悪臭と感じられるような有臭成分であればよく、例えば、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、アセトアルデヒド、ベンゼン、エタノール、スチレン、酢酸、キシレン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。また、本発明では、アンモニア等もVOCに含まれる。
脱臭処理前の気体中におけるVOC濃度としては、VOCの種類により一概に限定できないが、例えば、酢酸エチルの場合であれば、悪臭と感じられるような高濃度、例えば600〜800ppm程度の気体でもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の脱臭装置は、脱臭処理に用いた電解水を再生して再利用することで、従来の脱臭装置に比べて、電解水の消費量及び電解水からの塩素ガスの漏出を顕著に抑えることができる。
【0020】
酸性電解水が導入される脱臭部及びアルカリ性電解水が導入される脱臭部が気体の流れ方向に直列に配置されていることで、酸性電解水に効果的な臭気とアルカリ性電解水に効果的な臭気を同時に除去するという利点がある。
【0021】
また、前記脱臭部が気液接触分解と液液接触分解を同時に行える多塔式スクラバーであることで、幅広い臭気に対応すると共に、後方アルカリスクラバー導入により塩素ガスを除去するという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の脱臭装置1の概略説明図である。
脱臭装置1は、食塩水供給部2と、前記食塩水供給部2から供給された食塩水を電気分解して酸性電解水及びアルカリ性電解水を生成する電解水生成部3と、前記酸性電解水及びアルカリ性電解水のそれぞれと、外部から吸引されたVOCを含む気体とを接触させて気体を脱臭処理する脱臭部4と、前記電解水生成部3で生成した電解水を前記脱臭部4へ供給するとともに、脱臭部4で脱臭処理に用いた電解水を前記電解水生成部3に環流する電解水循環経路(5a、5b、5a’、5b’)と、前記脱臭部4で用いられた電解水を再生する廃液再生部6とを備える。
【0023】
食塩水供給部2は、食塩水を溜めておく容器7と食塩水を電解水生成部3に送るための配管8a及びポンプ9aとから構成される。前記容器7の容積、形状についてはVOCの種類、VOCを処理するのに必要な電解水の容量等に基づいて適宜決定すればよい。
【0024】
ポンプ9aは、前記容器7から配管8aを介して電解水生成部3の電解槽10内に食塩水を送ることに使用される。ポンプ9aにより流量を調整してもよいが、必要に応じて配管に弁(図示せず)を設けてもよい。
【0025】
前記食塩水供給部2と配管8aで接続した電解水生成部3では、電気分解により食塩水から酸性電解水及びアルカリ性電解水が生成する。図2に電解水生成部3の拡大図を示す。前記電解水生成部3は、電解槽10、直流電源11、陰極12及び陽極13によって構成される。前記直流電源11は、陰極12と陽極13の電極に配線で接続されている。前記陰極12及び陽極13は、電解槽10中に充填された食塩水と接触するように配置される。前記電解槽10は流路を形成すると共に絶縁を確保する樹脂製ケーシングであればよい。前記直流電源11、陰極12、陽極13の種類、材質、大きさ等は、VOCの種類、VOCを処理するのに必要な電解水の容量等に基づいて適宜決定すればよい。
【0026】
前記電解水生成部3では、電解槽10の陰極12と陽極13との間が隔膜14によって分離されている。隔膜14は、電気分解で使用される隔膜であればよく、例えば、ナトリウムイオンが陰極に、塩素イオンが陽極に移動可能な膜、中性膜、イオン交換膜等が挙げられるが、特に限定はない。隔膜14によって陰極12がある部分と陽極13がある部分に分離された電解槽10では、陰極12のある部分でアルカリ性電解水が生成し、陽極13がある部分で酸性電解水が生成する。
【0027】
前記電解槽10は、図1に示すように、電解水循環経路(5b、5c、5b’、5c’)を介して、脱臭部4を構成するスクラバー(15a、15b)に接続されている。前記経路を構成する各配管には電解水の流量を調整するためのポンプ(9b、9c、9b’、9c’)が設けられているが、必要に応じて弁(図示せず)を設けてもよい。
【0028】
前記脱臭部4は、スクラバー15a、15bから構成され、スクラバー15a、15b内で電解水とVOCを含む気体とが接触される。例えば、まず、外部から吸引されたVOCを含む気体が配管8bを経て前記脱臭部4を構成するスクラバー15aの下部から内部に導入され、同時に配管8cを介してスクラバー15aの上部に導入された電解水がノズル16aから噴霧されて接触処理が行われる。
【0029】
また、図1に示すように、2種類のスクラバー15a、15bは気体の流れ方向に対して直列に配置されることが好ましい。前記スクラバー15aの上部から排出された気体は、配管8dを介してスクラバー15bの下部に導入され、同時に配管8eを介してスクラバー15bの上部に導入されたアルカリ性電解水がノズル16bから噴霧されて接触処理が行われる。
前記のような2種類のスクラバーを採用した脱臭部4では、気体の脱臭処理を効率よく行うことができると同時に、酸性電解水、アルカリ性電解水が互いに混ざらないため、電解水を効率よく取り扱うことができる。なお、酸性電解水とアルカリ性電解水の処理の順番は、特に限定はなく、気体の流れ方向に対してアルカリ性電解水で処理し、次いで酸性電解水で処理してもよい。
【0030】
前記脱臭部4を構成するスクラバー15a、15bは、気液接触分解と液液接触分解を同時に行える多塔式スクラバーであることが好ましい。気液接触分解とは、VOCを含む気体と電解水とが接触してVOCが分解されることをいい、液液接触分解とは、油層成分であるVOCと水層成分である電解水とが混合接触してVOCが分解されることをいう。例えば、スクラバー15aでは、最下部のチャンバー17a内に酸性電解水が導入され、ついで、ポンプ9dにより配管8cを介してスクラバー上部に設けられたノズル16aから酸性電解水を噴霧することで、スクラバー下部から導入されるVOCを含む気体と気液接触されてVOCの分解が行われる。また、噴霧された酸性電解水はスクラバー15aの最下部に設けられたチャンバー17a内に流下し、前記電解水生成部3から導入される酸性電解水と混合するが、チャンバー17a内でも一部液化したVOCと電解水とが液液接触されてVOCの分解が行われる。同様にして、スクラバー15bでも、ポンプ9eにより配管8eを介してスクラバー上部に設けられたノズル16bよりアルカリ性電解水を噴霧することで、スクラバー下部から導入されるVOCを含む気体と気液接触されてVOCの分解が行われる。また、噴霧されたアルカリ性電解水はスクラバー15bの最下部に設けられたチャンバー17b内に流下し、前記電解水生成部3から導入されるアルカリ性電解水と混合するが、チャンバー17b内でも一部液化したVOCとアルカリ性電解水とが液液接触されてVOCの分解が行われる。上記のように2回の脱臭処理を経た気体はスクラバー15bの上部から配管8fを経て外部に排出される。なお、前記配管8fには、所望により吸着材等を備えてもよい。
【0031】
前記スクラバー15a、15bで、脱臭処理を連続して行うと、酸性又はアルカリ性電解水のVOC除去能力が低下していく傾向にある。この場合には電解水生成部3から脱臭部4へ新しい酸性又はアルカリ性電解水を供給したり、供給量を増大させればよいが、チャンバー17a、17bに流下する電解水がチャンバー17a、17bの許容量を超える場合にはチャンバー17a、17bから、VOC分解物を混合した酸性電解水及びアルカリ性電解水を、使用済みの余剰電解水として、配管8g、8g’を介して廃液再生部6に排出した後、新しい電解水を供給すればよい。
【0032】
前記廃液再生部6は、廃液混合タンク18、加圧ポンプ19及び逆浸透膜を備えたろ過部20から構成される。
前記のように配管8g、8g’から排出された使用済みの余剰の酸性電解水とアルカリ性電解水は、廃液混合タンク18に導入されて混合される。このように混合することで酸性電解水とアルカリ性電解水が中和する。前記廃液混合タンク18内には混合を速やかに行うために攪拌装置を備えていてもよい。なお、前記廃液混合タンク18の容量・構成は、処理する電解水混合液の容量、種類に基づいて適当なものを決定すればよい。
混合・中和された電解水混合液は、所定量になるまで前記廃液混合タンク18内に貯留された後、加圧ポンプ19を作動させて、配管8hを介して逆浸透膜を備えたろ過部20に導入される。
【0033】
加圧ポンプ19は、逆浸透膜が電解水混合液を濃縮塩水と精製水に分離できる程度の加圧を電解水混合液に加えることができればよく、加圧の程度は、逆浸透膜の性能及び電解水の種類により適当な範囲に調整すればよい。
【0034】
前記逆浸透膜としては、逆浸透膜が中空糸膜、スパイラル膜又はチューブラー膜が挙げられる。
【0035】
また、逆浸透膜の材質は、酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール及びポリスルホンからなる群より選ばれる1種以上であればよい。
【0036】
また、前記ろ過部20における逆浸透膜の配置、構成については、処理する電解水混合液の容量、種類に基づいて適当なものを決定すればよい。
【0037】
前記ろ過部20で逆浸透膜により分離された濃縮塩水と精製水は、それぞれ配管8i、8jを介して前記食塩水供給部2に供給され、容器7内にある新規な食塩水と混合される。
本発明では、前記のように、逆浸透膜により分離された濃縮塩水と精製水を混合することなく、前記食塩水供給部2に供給することで廃水のゼロエミッションが可能という利点がある。
【0038】
本発明の消臭装置1を構成する各部材の材質としては、VOCや食塩水による影響を受けにくい材質で構成されていればよい。
【0039】
また、本発明の消臭装置1で脱臭処理された気体は、配管8fを通じて外部環境に放出されるが、更に別の処理(例えば、活性炭吸着、ゼオライト吸着)を施してもよい。
【実施例】
【0040】
図1に示すように
食塩水供給部2(容器の容量300L、食塩水の供給量1L/分)、
電解水生成部3(電流100〜200A、隔膜:GSユアサ製フィルター)、
脱臭部4(多塔式スクラバー、容量5L)2塔、
廃液再生部6(廃液混合タンク18の容量300L、逆浸透膜:ダウフィルムテック製、商品名SWシリーズ)
を備えた脱臭装置を作製した。
【0041】
(試験例1)
実施例1で得られた脱臭装置において、1.5重量%食塩水を用い、VOCとして、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、アセトアルデヒド、ベンゼン、エタノール、スチレン、酢酸、キシレン、アンモニア等を含む気体の脱臭処理を行ったところ、VOCを1200ppm以上含むような気体でも、除去率を55%以上にし、残留塩素ガスを1ppm以下に抑えることができた。
また、1Lの食塩水を供給したものの、余剰電解水の排出を行わずに24時間連続して脱臭処理しても脱臭効率は低下しなかった。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の脱臭装置の実施態様を示す概略説明図。
【図2】図1の脱臭装置の電解水生成部の拡大図。
【符号の説明】
【0043】
1 脱臭装置
2 食塩水供給部
3 電解水生成部
4 脱臭部
5 電解水循環経路
6 廃液再生部
7 容器
8 配管
9 ポンプ
10 電解槽
11 直流電源
12 陰極
13 陽極
14 隔膜
15 スクラバー
16 ノズル
17 チャンバー
18 廃液混合タンク
19 加圧ポンプ
20 逆浸透膜を備えたろ過部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食塩水供給部と、
前記食塩水供給部から供給された食塩水を電気分解して酸性電解水及びアルカリ性電解水を生成する電解水生成部と、
前記酸性電解水及びアルカリ性電解水のそれぞれと、外部から吸引された揮発性有機化合物を含む気体とを接触させて気体を脱臭処理する脱臭部と、
前記電解水生成部で生成した電解水を前記脱臭部へ供給するとともに、脱臭部で脱臭処理に用いた電解水を前記電解水生成部に環流する電解水循環経路と、
前記脱臭部で用いられた電解水を再生する廃液再生部
を備えた脱臭装置であって、
前記電解水循環経路により電解水生成部に環流した使用済みの電解水を電解水生成部の電解槽にて再電解するとともに、使用済みの余剰の酸性電解水とアルカリ性電解水とを前記廃液再生部において、廃液混合タンクで混合して中和した後、逆浸透膜により濃縮塩水と精製水に分離し、得られた濃縮塩水と精製水を前記食塩水供給部に供給することを特徴とする脱臭装置。
【請求項2】
逆浸透膜が中空糸膜、スパイラル膜又はチューブラー膜である請求項1記載の脱臭装置。
【請求項3】
逆浸透膜の材質が酢酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリビニルアルコール及びポリスルホンからなる群より選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の脱臭装置。
【請求項4】
酸性電解水が導入される脱臭部及びアルカリ性電解水が導入される脱臭部が気体の流れ方向に直列に配置されている請求項1〜3いずれか記載の脱臭装置。
【請求項5】
前記脱臭部が気液接触分解と液液接触分解を同時に行える多塔式スクラバーである請求項1〜4いずれか記載の脱臭装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−22959(P2010−22959A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188506(P2008−188506)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(503416504)
【Fターム(参考)】