説明

腎結石及び骨粗鬆症の処置のためのクエン酸カリウムカルシウムの粉末混合物

純粋な化学塩類の混合物として、クエン酸カリウム及びクエン酸カルシウムの粉末混合物を含む組成物、並びに本組成物を製造及び使用する方法を開示する。本組成物は、腎結石及び骨粗鬆症の処置及び予防に有用であり、通常使用されるカリウム及びカルシウム補給剤よりもカリウム及びカルシウムの送達に優れている。1つの実施形態において、本発明は、クエン酸カリウム、クエン酸、並びに炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される成分の混合物を含む組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2005年7月15日に出願された米国特許出願第11/183,140号への優先権を主張する。
【0002】
摂取前に溶解させる、純粋な化学塩類の混合物としてクエン酸カリウムカルシウム(potassium calcium citrate)の粉末製剤を製造する方法を提示する。前記製剤は、腎結石及び骨粗鬆症の処置で通常処方される用量でクエン酸カリウム及びクエン酸カルシウムにより送達されると、同量のカリウム及びカルシウム、並びに同量又は多少過剰のクエン酸塩をもたらす。
【背景技術】
【0003】
ミネラル組成物は、食事補助食品として、即ち、特定の医学的問題を対象とした治療製剤又は一般的な栄養補給食品の何れかとして、広く摂取されている。有用な食事補助食品には、固形又は液体形態で経口投与される投与単位のクエン酸カルシウムがある(特許文献1、特許文献2、及び特許文献3;各特許は参考として本明細書で援用されている)。栄養補給食品としてのクエン酸カルシウムの経口投与は、尿中クエン酸塩の濃度を僅かに増加させると共に、生物学的に利用可能なカルシウムをもたらす。尿中クエン酸塩の濃度を僅かに増加させることによって、クエン酸カルシウムの投与は、カルシウム腎結石症(即ち、カルシウム含有腎結石の形成)に対処する。更に、カルシウムは、炭酸カルシウムとしてよりは、クエン酸カルシウムとして投与されると、より吸収されやすくなる。即ち、クエン酸カルシウムを投与することで、より生物学的利用能に優れたカルシウムがもたらされる。カルシウムの吸収を向上させることで、骨粗鬆症等のカルシウム不足状態をより効果的に処置できるようになる。
【0004】
特許文献4において、Pak等は、0.8〜1.3g/ccのかさ密度及び1:1:1又は4:1:2のモル比を有する錠剤製剤中のクエン酸カリウムカルシウムを別個の実験式で表した単一の化合物を支持した。この特許文献4は又、単回投与の生物学的利用能試験に基づき、錠剤製剤が腎結石形成及び骨量減少に対処することを教示した。
【0005】
クエン酸カリウムは、腎結石形成の予防に広く使用されている。それは、カルシウム含有腎結石の形成を遅らせることで周知の尿中クエン酸塩を増加させるのに効果的であることが示されている。従って、このカリウムのクエン酸塩は、最も一般的な結石の構成物質であるシュウ酸カルシウムを含有する腎結石の予防において規制当局の認可を得ている(非特許文献1)。クエン酸カリウムは又、有効なアルカリ化剤でもある(非特許文献2)。尿のpHを上昇させることにより、この処置は、比較的酸性の尿で形成される傾向がある尿酸結石も予防する。
【0006】
クエン酸カリウムによって体内に送達されるアルカリが骨量減少を防ぐ場合があるという証拠が明らかになりつつある。クエン酸カリウムの処置は、尿へのカルシウムの喪失を予防し(非特許文献2)、骨密度を上昇させる(非特許文献3)ことが示されている。クエン酸カリウムの通常用量は、1日2回20mEq(20mmol)である。
【0007】
カルシウムの補充は又、閉経後に起こる骨量減少に対処する根本的な方法であることも広く認められている。これは、腸管から吸収されるのに十分な量のカルシウムを与えることによって血中カルシウム濃度を上昇させることで有効に作用する。このように血中カルシウム濃度を上昇させることで、骨破壊を引き起こす副甲状腺ホルモンの分泌が抑制され、骨量減少が予防される。クエン酸カルシウム及び炭酸カルシウムは、この目的に広く使用されている2つのカルシウム補給剤である。クエン酸カルシウムは、通常より吸収性に優れていることから、好ましいと考えられている(非特許文献4)。その上、クエン酸カルシウムの補充は、腎結石形成の阻害物質である尿中クエン酸塩を僅かに上昇させることから、カルシウムの補充により増大する可能性がある結石形成の危険性は、この補充では低いと考えられる。シュウ酸カルシウム結石を有する患者の中には、腸管からあまりにも多量のシュウ酸を吸収することから、尿中シュウ酸塩の量が多い患者もいる。クエン酸カルシウムは、シュウ酸塩を結合し、その吸収を防ぐことによって有用となる場合がある。骨量減少の予防に一般的なクエン酸カルシウムの用量は、1日2回400〜500mgである(非特許文献5)。
【0008】
従来技術では、カルシウム補充の使用が教示されているが、腎結石及び骨粗鬆症の処置及び予防に有効な純粋化学塩類の混合物であるクエン酸カリウムカルシウムの粉末製剤については、教示されていない。特許文献5では、錠剤製剤として独自の化学式を持つ単一の化合物が開示されている。この化合物のカリウム、カルシウム及びクエン酸のモル比は1:1:1であり、別の化合物のモル比は4:1:2であった。別個の構成要素として、これらのかさ密度は0.8〜1.3g/ccであった。本明細書に開示される発明は、特許文献5の錠剤製剤の改良である、クエン酸カリウムカルシウムの改変に関する。
【0009】
特許文献6、特許文献7、及び特許文献8では、カルシウム化合物及び酸味料を含む液体経口用組成物が開示されている。これらの特許文献6、特許文献7、及び特許文献8は、歯の腐食を予防するために酸性飲料にカルシウム塩を添加することを論じている。この産物は、本発明の利益を達成するのに必要不可欠な成分であるカリウムを含まない。これらの特許に開示されるpHの範囲は3.5〜4.5であるのに対して、本発明のpHの範囲はそれより高く、約4.5〜約6である。従って、本発明とは異なり、この特許ファミリーの教示内容は、本発明の組成物が提供する程度までアルカリ添加物を提供しない。
【0010】
特許文献5は、生理学的に許容される水溶液及びこれらの使用方法を教示する。この特許文献5は、癌と戦うための薬物及び栄養物(ヒドロキシエチルデンプン)を添加することができる電解液及び緩衝液を含む点滴溶液を製造する方法を論じている。これに対し、本発明は経口投与される。
【0011】
米国特許出願公開第2004/0185119号では、ビタミン欠乏をもたらす可能性を減少させながら、胃酸過多症を処置するための方法及び組成物が開示されている。この特許は、胃酸の分泌を抑制する制酸薬又は薬物の経口剤について論じている。これは、ビタミンの吸収を妨げることなく胃液の酸度を低下させることを目的としている。カリウム:カルシウム:クエン酸塩の特定の比率は考察されていない。
【0012】
特許文献9及び特許文献10では、ジュースのカルシウム強化のために柑橘類含有フルーツジュースにカルシウム塩を添加する方法が開示されている。一方の特許で重要とされている成分はリンゴ酸であり、他方の特許で重要とされている成分はリン酸塩である。これらの特許は、カルシウムの生物学的利用能について触れているものの、本特許出願が焦点を置くアルカリ添加物、尿中クエン酸塩の上昇、又は結石予防については一切触れてない。
【0013】
本開示内容では、慎重に実施したヒトの代謝試験による証拠が提供されており、カリウム及びカルシウムを2:1のモル比で送達する、クエン酸カリウム(1日2回20mEq)及びクエン酸カルシウム(1日2回400mgカルシウム)の通常使用される用量の組み合わせが、骨量減少の防止においてクエン酸カルシウムよりも優れており、且つ腎結石形成の予防においてクエン酸カリウムよりも優れていることが明らかにされている。
【特許文献1】米国特許第4,772,467号明細書
【特許文献2】米国特許第4,814,177号明細書
【特許文献3】米国特許第4,851,221号明細書
【特許文献4】米国特許第6,287,607号明細書
【特許文献5】米国特許第6,680,305号明細書
【特許文献6】米国特許第6,319,490号明細書
【特許文献7】米国特許第6,719,963号明細書
【特許文献8】米国特許第6,908,909号明細書
【特許文献9】米国特許第4,871,554号明細書
【特許文献10】米国特許第4,722,847号明細書
【非特許文献1】Pak, et al., 1985, J. Urol. 134:11−19
【非特許文献2】Sakhaee, et al., 1991, J. Clin. Endo. Metab. 72:396−400
【非特許文献3】Pak, et al., 2001,J. Urol. 168:31−34
【非特許文献4】Heller, et al., 2000, J. Clin. Pharmacol. 40:1237−1244
【非特許文献5】Ruml, et al., 1999, Am. J. Therap. 6:303−331
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様においては、クエン酸カリウム、クエン酸、並びに炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される成分の混合物を含む組成物がある。幾つかの実施形態において、この混合物は粉末混合物である。幾つかの実施形態において、クエン酸カリウムは、約10mEq〜約40mEqのレベルであり、炭酸カルシウムは、約10mEq〜約40mEqのレベルであり、クエン酸は、約20mEq〜約100mEqのレベルである。好ましくは、本組成物は、約20mEqのクエン酸カリウム、約20mEqの炭酸カルシウム、及び約20mEqのクエン酸を含む。幾つかの実施形態において、本組成物は更に、クエン酸の形態で0.17〜1.34mEqの追加のクエン酸塩を含む。本組成物は更に、甘味料を含む場合もある。甘味料を使用する場合、その甘味料は人工甘味料である場合がある。幾つかの実施形態において、本組成物は溶液の形態である。本組成物が溶液の形態である場合、この溶液は水溶液である場合がある。その他の形態も可能であり、例えば、本組成物は懸濁液の形態である場合もある。
【0015】
本発明の別の態様においては、クエン酸カリウム、炭酸カルシウム及びクエン酸を含む粉末混合物であって、水に溶解すると、2:1:1.33〜2:1:2.67の範囲のモル比でカリウム、カルシウム及びクエン酸塩の水溶液をもたらす混合物がある。幾つかの実施形態において、クエン酸カリウムは、約10mEq〜約40mEqのレベルであり、炭酸カルシウムは、約10mEq〜約40mEqのレベルであり、クエン酸は、約20mEq〜約100mEqのレベルである。好ましくは、粉末混合物は、約20mEqのクエン酸カリウム、約20mEqの炭酸カルシウム、及び約20mEqのクエン酸を含む。幾つかの実施形態において、本組成物は、クエン酸の形態で0.17〜1.34mEqの追加のクエン酸塩を含む。好ましくは、この粉末混合物は、2:1:1.33(カリウム:カルシウム:クエン酸塩)のモル比を有する。
【0016】
本発明の別の態様においては、動物における骨粗鬆症若しくは腎結石又はその両方を処置又は予防する方法であって、クエン酸カリウム、クエン酸、並びに炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される成分の混合物を含む組成物の投与を含み、前記組成物が2:1:1.33〜2:1:2.67(カリウム:カルシウム:クエン酸塩)の範囲のモル比を有する、方法がある。好ましくは、本組成物を投与する動物は、ヒトである。本組成物をヒトに投与する場合、ヒトは、好ましくは閉経後の女性である。幾つかの実施形態において、投与は経口投与を含む。幾つかの実施形態において、本組成物を投与する動物は、慢性下痢症候群を有する。好ましくは、本組成物は、2:1:1.33(カリウム:カルシウム:クエン酸塩)のモル比を有する。
【0017】
本発明の別の態様においては、動物における骨粗鬆症若しくは腎結石又はその両方を処置又は予防する方法であって、2:1:1.33〜2:1:2.67(カリウム:カルシウム:クエン酸塩)の範囲のモル比を有する、クエン酸カリウム及びクエン酸カルシウムの混合物を含む組成物の投与を含む、方法がある。好ましくは、本組成物を投与する動物は、ヒトである。本組成物をヒトに投与する場合、ヒトは、好ましくは閉経後の女性である。幾つかの実施形態において、投与は経口投与を含む。幾つかの実施形態において、動物は、慢性下痢症候群を有する。
【0018】
前述では、以下に記載する本発明の詳細な説明がより良く理解されるように、本発明の特色及び技術的な利点をある程度広く概説した。本発明の特許請求の範囲の対象となる、本発明の更なる特色及び利点については、以下に述べる。開示される概念及び特定の実施形態が、本発明と同一の目的を実行するために他の構造を改変又は設計する基礎として容易に利用される場合があることを、当業者は理解しなければならない。又、このような同等の構成が、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の趣旨及び適用範囲から逸脱しないことも、当業者は認識しなければならない。本発明の構成及び実施方法の両方の点から、本発明の特徴であると思われる新規の特色は、更なる目的及び利点と共に、添付の図面と関連させて考慮すると、以下の説明からより良く理解されるであろう。しかしながら、各図面は、例示及び説明のみの目的で提供されるものであり、本発明の限度を定義するものとして意図されないことが明示的に理解されるものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本明細書で使用される“a”又は“an”という冠詞は、1つ以上を意味する。特に指示がない限り、単数は複数を包含し、複数は単数を包含する。
【0020】
本明細書で使用される「動物」という用語は、ヒト動物及び非ヒト動物の両方を含む。
【0021】
本明細書で使用される「予防する」は、病態、病状又は症状に関連する場合、病態、病状又は症状の発症を遅延させる又は防ぐこととして定義される。
【0022】
本明細書で使用される「処置する」という用語は、少なくとも1つの症状又は病態を改善することを意味する。
【0023】
結石形成並びにカルシウム及び骨の代謝に対するクエン酸カリウム及びクエン酸カルシウムの常用量の効果を調べるために、一定の規定食を取るヒト対象において慎重な試験を行った。結果は、結石形成及び骨量減少の対処において、任意の単体の薬剤よりも、併用治療の方が良好であることを明確に示している。これらの試験で使用したクエン酸カリウム及びクエン酸カルシウムの用量は、カリウム及びカルシウムを2:1のモル比で送達した。
【0024】
本発明は、クエン酸カリウムカルシウムの錠剤製剤の欠点を取り除く、クエン酸カリウムカルシウム(PCC)療法の改変を教示する。この改変は、急速且つ完全に溶解し、液体としての摂取が可能なクエン酸カリウム及びクエン酸カルシウムの粉末混合物の使用を促進する。患者によっては、錠剤を嚥下するよりは、液体製剤を飲むことを好む患者もいる。粉末製剤が溶解する速度は、クエン酸カリウムカルシウムの錠剤製剤における幾分低い溶解度の問題を克服する。
【0025】
詳細な研究室実験では、臨床的症状で使用されるクエン酸カリウム及びクエン酸カルシウムの通常用量(カリウム、カルシウム及びクエン酸塩の2:1:1.33のモル比)によって送達されるのと全く同じ量のカリウム、カルシウム及びクエン酸塩を溶解時にもたらす粉末混合物が調製できることが示されている。多少過剰のクエン酸を添加することによって、粉末を泡立たせながらより急速に溶解させることが可能であり、所望であれば、風味を薄味から多少酸味のある味に変えることもできる。(投与前に可溶化する)固形製剤として又は粉末混合物として与えられるかどうかにかかわらず、胃管腔に放出される(カリウム、カルシウム及びクエン酸塩の可溶化したイオン成分となる)最終産物は、同じでなければならない。粉末製剤に添加した場合、僅かに過剰のクエン酸塩は、簡単に代謝され、ごく僅かなカロリーを与え、酸塩基状態又は生理学的作用を変えない。好ましい実施形態において、本組成物は、水溶液として経口投与されるが、当業者に既知のその他の投与形態及びその他の組成物形態(例えば、懸濁剤、又は錠剤等の固形投薬形態)も、本発明の一部に含まれる。
【0026】
クエン酸カリウムカルシウムは、高肉食の対象、種々の腸管疾患による持続性の下痢を患う患者、及び骨量減少の予防のためにカルシウム補給剤を必要とするが腎結石の危険性がある閉経後初期の女性に発症する可能性がある結石形成の予防、及び骨量減少の防止に特に有用であることを例示するデータを提示する。
【実施例】
【0027】
実施例1
腎結石形成の予防に関する代謝試験
計18名の腎結石を有さない閉経後の女性は、代謝病棟にて一定の規定食を維持しながら、無作為順で選択された4相の試験を受けた。それぞれ2週間続く4相は、クエン酸カリウム(Urocit−K(登録商標))20mEqを1日2回、クエン酸カルシウム(Citracal(登録商標))400mgカルシウムを1日2回、クエン酸カリウムとクエン酸カルシウムの両方を同量、及びプラセボから構成されていた。各相の最後の2日間、生化学因子及び結石危険因子のために、尿を採取し、24時間畜尿した。併用治療によって与えられるカルシウム及びカリウムの量は、本発明の目的の所望の用量とほぼ同量であったことから、この代謝試験からクエン酸カリウム及びクエン酸カルシウムを使用する併用治療は、本発明により具体化される通り、クエン酸カリウムカルシウムを使用する治療と同等である。
【0028】
アルカリ添加物の供給: アルカリ添加物を供給するクエン酸カルシウム及びクエン酸カリウム単体及び組み合わせの能力を、プラセボ相からのアルカリの正味胃腸管吸収量及び尿中アンモニウムの変化から確認した(図1)。(図1〜6では、各ブロックを通過して伸びている垂直な棒は、標準偏差を示す。プラセボとの有意な変化を「P」で示し、クエン酸カルシウムとの有意な変化を「C」で、及びクエン酸カリウムとの有意な変化を「K」で示す。混合識別子は、同定した全ての種との有意な変化を示す)アルカリ添加物が送達される場合、アルカリの正味胃腸管吸収量(尿中電解質から算出される)は増加し、尿中アンモニウムは減少する(アルカリに対する腎臓の正常な応答として)。クエン酸カルシウムを使用する治療は、アルカリの正味胃腸管吸収量を辛うじて増加させ、尿中アンモニウムを僅かながら有意に減少させ、クエン酸カルシウムが僅かな弱アルカリ添加物を供給していることを示唆した。クエン酸カリウムは、有意に且つ実質的にアルカリの正味胃腸管吸収を増加させ、及び尿中アンモニウムを低減させ、実質的なアルカリ添加物の送達を示した。併用治療によってもたらされた最大の変化は、クエン酸カルシウムの添加が、クエン酸カリウムによって送達されるアルカリ添加物を高めるとの見解を支持する。
【0029】
尿中結石危険因子への効果: 尿中pH、即ち尿中アルカリ度の測定は、クエン酸カルシウムでは辛うじて上昇し、クエン酸カリウムでは有意に且つ実質的に上昇し、両方の塩を与えるとより一層上昇した(図2)。又、尿中クエン酸塩は、同じ方向に上昇した。これらの変化は、アルカリ添加物に対する腎臓の応答による、即ち、腎臓の応答を表す。
【0030】
クエン酸カルシウム処置時に、尿中カルシウムは増加した(腸管からのカルシウム吸収のため)が、クエン酸カリウム治療では減少した(アルカリ添加物に対する腎臓の応答のため)(図3)。併用治療の間も、尿中カルシウムは、(クエン酸カルシウム単体よりも僅かに低い平均値で)増加した。尿中シュウ酸塩は、腸管内でカルシウムによるシュウ酸塩の結合の結果として、クエン酸カルシウム処置では有意に減少し、及び併用治療では辛うじて減少した。尿中シュウ酸塩は、クエン酸カリウムによって影響を受けなかった。
【0031】
結石形成塩の尿中飽和への効果: 非解離(非イオン化)尿酸の尿中含有量は、治療と共に徐々に減少し、最も顕著な減少は、併用治療で生じた(図4)。この尿酸の形態は、尿中でやや溶けにくく、尿酸結石形成の主な原因となる。上記の変化は、主として尿中pHの上昇に起因し、pHは、イオン化形態への尿酸の解離を増加させ、尿酸をより可溶性にし、それによって尿酸結石の形成の可能性を低減させた。尿中カルシウムの減少及びクエン酸塩の増加(カルシウムを複合体にすることによってイオン化カルシウムを還元した)により、シュウ酸カルシウムの尿中飽和は、クエン酸カリウム治療では減少した。シュウ酸カルシウムの尿中飽和は、尿中カルシウムの増加が尿中シュウ酸塩の低下によって完全に抑えられなかったことから、クエン酸カルシウム処置では辛うじて上昇した。しかし、シュウ酸カルシウムの尿中飽和は、併用治療では変化しなかった(尿中カルシウムで僅かに少量の上昇、及び尿中クエン酸塩でより大きな上昇のため)。
【0032】
結論: クエン酸カリウムカルシウムに類似して、併用治療は、何れかの単体の成分よりは、よりアルカリ添加物を与え、それによって尿中pH及びクエン酸塩で最も大きな上昇をもたらす。併用治療は、尿中カルシウムを上昇させるが、シュウ酸カルシウムの作用に類似して、尿中シュウ酸塩を減少させ、尿酸結石形成の予防において最も有効である。更に、併用治療は、腎結石の最も一般的な成分であるシュウ酸カルシウムの飽和を変化させず、結石形成の「阻止因子」である、尿中クエン酸塩を増加させることによって、カルシウム含有腎結石の形成に対して、おそらく抑制を与える。併用治療は、吸収性カルシウムを提供するだけでなく、アルカリ添加物も与え、尿中クエン酸塩及び阻止因子活性を増加させ、且つシュウ酸カルシウムの飽和を変化させることなく、尿酸の溶解度を劇的に向上させるため、併用治療はクエン酸カルシウムの単体治療より有利である。更に、併用治療は、シュウ酸カルシウムの尿中飽和を上昇させることなく、カルシウム補給剤の摂取を可能にし、尿中クエン酸塩及び阻止因子活性の更に大きな上昇をもたらし、且つ尿酸を更に可溶性にするため、クエン酸カリウムの単体治療より有利である。
【0033】
実施例2
骨量減少予防に関する代謝試験
実施例1に記載した同一対象が関与する同一試験において、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、及びこれら2つの併用の骨代謝に対する効果を試験した。各2週間の相の最後の2日間に、カルシウム代謝、アルカリ添加物、及び骨代謝指標を評価するために、血清及び24時間尿の検体を採取した。
【0034】
血清カルシウム及び副甲状腺ホルモン: 血清カルシウム及び副甲状腺ホルモンは、クエン酸カリウム治療において変化しなかった(図5)。クエン酸カルシウム処置において、血清カルシウムは、僅かに増加し、血清副甲状腺ホルモンは、有意に減少した。(クエン酸カリウムカルシウムに類似する)併用治療は、血清カルシウムを有意に増加させ、血清副甲状腺ホルモンを辛うじて減少させた。
【0035】
骨代謝指標: 骨吸収(破壊)に関する治療効果を、尿中ヒドロキシプロリン、尿中N−テロペプチド、及び血清I型コラーゲンC−テロペプチドから評価した。これらの骨誘導物質は、高い骨破壊の状態で上昇するため、骨吸収の指標と呼ばれる。図6には、プラセボ相からのこれらの指標の変化を示す。指標の低下は、クエン酸カリウム治療に対して一般的に最も顕著に少なく、クエン酸カルシウム処置に対しては中間であり、(クエン酸カリウムカルシウムに類似する)併用治療に対しては最も著しいものであった。
【0036】
これらの4治療相間の統計的な違いを、ANOVAモデルからの対照を使用した処置ペア間の比較によって分析した。処置がプセボからクエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、更に併用治療へと変更するにつれて、尿中N−テロペプチド及び血清I型コラーゲンC−テロペプチドに対する有意な傾向が観察された(図7)。
【0037】
結論: クエン酸カリウム及びクエン酸カルシウムを使用する併用治療は、クエン酸カルシウムのように、副甲状腺機能を抑制する。しかし、クエン酸カルシウムとは異なり、クエン酸カリウムのように、併用治療はアルカリ添加物を与える。併用治療は、クエン酸カリウム又はクエン酸カルシウムの何れかの単体よりは骨吸収をより効果的に抑制する。
【0038】
実施例3
クエン酸カリウムカルシウムを使用する処置の従うべき条件
高肉食: 一般的に体重制限のために行われるAtkinsダイエット等の動物性高タンパク規定食の消費は、腎結石及び骨量減少の危険性を高める可能性がある。一定の規定食を取る対象で慎重に実施した試験において、Atkinsダイエットは、著しい酸性負荷、2倍近くもの尿中カルシウム、並びに尿中pHの低下(尿をより酸性にする)及びクエン酸塩(カルシウム結石形成の阻止因子)の減少をもたらすことが示された(Reddy, et al., 2002, Amer. J. Kid. Dis., 40:265−274)。従って、尿は、結石形成塩に関してより過飽和になり、尿酸及びシュウ酸カルシウム結石の形成をより起りやすくした。同時に、尿中カルシウムが増加しても、腸内カルシウム吸収が変化しなかったため、カルシウムバランスはより負に変化した。
【0039】
慢性下痢症候群: 発明者等(CYCP及びKS)のStone Clinicから、慢性下痢症候群患者71名を特定した。これらの患者の大半は、シュウ酸カルシウム結石を患っていた。しかし、これら患者の21%は、尿酸結石を呈した。全ての患者は、腸管に影響を及ぼす種々の病態から持続性下痢を呈した(表1)。最も頻度の高い原因は、23%の患者で見られたクローン病であり、次に17%の病的肥満に対する腸バイパス形成が続いた。胃切除及び過敏性腸症候群は、それぞれ14%、潰瘍性大腸炎は7%を占めた。持続性下痢の軽度の原因は、特定の薬剤、膵炎(膵臓の炎症)、小腸切除又は閉鎖、重篤な消化性潰瘍、及び不注意により腸管に影響を及ぼす放射性治療があった。10%の症例では、持続性下痢の原因が不明であった。
【0040】
上記の患者から24時間尿検体を、無作為(習慣的な)の食餌の摂取時に、並びに該患者がカルシウム、塩分及びシュウ酸塩の過剰な摂取を避けるように指示された場合は制限食の摂取時に採取した。表2に示す通り、検体を、結石形成に関与する成分(結石危険因子と呼ぶ)に関して分析した。データは、検体に対する結石危険因子及び標準偏差を示す。下痢性流体中のアルカリ損失及びその結果による体内への酸性負荷のため、尿中pHは低かった。この尿の過度の酸性度は、非荷電(非解離、低可溶性)の形態で尿酸量を増加させ、尿酸結石の主な原因となった。幾つかの腸疾患で生じることが知られている腸管からのシュウ酸塩吸収の刺激のため、尿中シュウ酸塩は正常高値であった。酸性負荷に対する腎臓の応答から、尿中クエン酸塩(シュウ酸カルシウム結石の形成を阻害する物質)は低かった。この結果、尿はシュウ酸カルシウムに関して更に過飽和となり、シュウ酸カルシウム結石の主な原因となった。尿中カルシウム及びマグネシウムは、正常低値になり、これらの二価陽イオン(二重荷電の陽イオン)の腸内吸収において機能障害と一致する傾向があった。
【0041】
【化1】

【0042】
【化2】

閉経後初期の女性: 疫学的試験から、女性の結石形成は、閉経間もない閉経後初期期間に増加することが示された(Heller, et al., 2002, J. Urol., 168:1923−1927)。この増加は、腎臓及び骨内におけるカルシウム保存に関するエストロゲンの保護作用の喪失から尿中カルシウムの上昇に起因すると考えられている。しかし、骨量減少は閉経後期よりも初期の間でより急速であり、月経停止後の最初の数年間、骨量減少を防止するためにカルシウム補給剤の必要性が重要視されている。炭酸カルシウムは、部分的にのみ効果的であることが示されているのに対して、クエン酸カルシウム補給剤は、閉経後初期の女性において骨塩密度を高めないが、防止することが報告されている(Ruml, et al., 1999, Amer. J. Therap., 6:303−311)。問題は、カルシウム補給剤が、特に腎結石を罹患した病歴のある女性、又は腎結石に対する危険性が高まっていることを恐れる、又は思われる人において、腎結石形成を誘発する可能性があるという懸念である。
【0043】
実施例2及び3からの全体的な結論: 高肉食の対象及び慢性下痢を患う患者(それによって腎結石形成及び骨量減少の影響を受けやすい患者)において、アルカリを供給するため(酸性負荷を中和し、且つ結石形成を防止するため)に、並びに吸収性のカルシウムを提供するため(骨量減少を防ぐため)に、併用治療(本発明でクエン酸カリウムカルシウムにより具体化される通り)を取り入れることも可能である。更に、骨量減少及び骨粗鬆症に対処するためにカルシウム補給剤を摂取したいが、これらを摂取することから腎結石の形成を懸念する対象の間では、クエン酸カリウムカルシウムは理想的な薬剤となる場合がある。
【0044】
実施例4
粉末混合物の調製
クエン酸カリウムカルシウムの6種類の粉末混合物を調製した。これらの組成物を表3に提示する。カルシウムは炭酸カルシウムとして用意した。同量のクエン酸を加えることによって、炭酸カルシウムは、クエン酸と反応させることによって水又は胃液に溶解し、可溶性のクエン酸カルシウムを形成することができた。カリウムはクエン酸カリウムとして用意した。炭酸カルシウム、クエン酸、及びクエン酸カリウムを事前に混合したものを水に溶解させると、結果として生じる水溶液製剤は、市販のクエン酸カルシウム及びクエン酸カリウムの通常の単回用量によって供給される(即ち、それぞれカルシウム20mEq(400mg)及びカリウム20mEq)のと同量のカルシウム及びカリウムの単回用量を送達した。製剤Aは、カルシウム及びカリウム陽イオン(40mEq)の総量を中和させるために、総量のクエン酸塩(40mEq)のみを含有した。従って、250cc中の各用量は、20mmolカリウム、10mmolカルシウム、及び1.33mmolクエン酸塩(40mEqが3価によって分割される)をもたらしたため、製剤Aのモル比は2:1:1.33であった。製剤Aの化学成分は、実施例1及び2に記載したクエン酸カルシウムとクエン酸カリウムを組み合わせた処置の単回用量と同一であった。
【0045】
溶液B〜Fは、5〜40mEqのカリウム及びカルシウムよりも過剰のクエン酸塩を有するクエン酸を更に含有した。従って、カリウム及びカルシウムのモル比は同じ2:1に維持しながら、クエン酸カリウムカルシウムのモル比のクエン酸塩成分を1.33から2.67に増加させた。
【0046】
【化3】

実施例4
粉末製剤、並びにクエン酸カルシウム及びクエン酸カリウムの市販の錠剤製剤からのカリウム、カルシウム及びクエン酸塩の同一放出
製剤Aを、100mEqの塩酸を含有する250mLの水に溶解した。同じ酸性水に、Citracalの錠剤2個(クエン酸カルシウム、1錠剤当たり200mgカルシウム、Mission Pharmacal Co.、米国テキサス州サンアントニオ)及びUrocit−Kの錠剤2個(クエン酸カリウム、1錠剤当たり10mEq、Mission Pharmacal、米国テキサス州サンアントニオ)を添加し、錠剤が分解し、両方の塩が完全に溶解するまで1時間攪拌した。
【0047】
溶液をカリウム、カルシウム及びクエン酸塩に関して分析した。実験誤差内の差異で、全く同じ量のカリウム、カルシウム及びクエン酸塩が2つの溶液で認められた。pHはこの2つの溶液間で同一であった。
【0048】
実施例5
製剤A〜Fの溶解度及び風味
【0049】
250mLの脱イオン水に加えると、溶液Aは、3分後に沈降物のない僅かに濁った液体を残した。500mLの水に加えると、溶液Aは、3分間以内に完全に溶解し、澄んだ溶液をもたらした(表4)。
【0050】
製剤B〜Fは、250mLの脱イオン水に泡立ちながら急速に溶解した(表4)。クエン酸塩含有量が、製剤BからFへと増加するにつれて、粉末は、炭酸ガス(泡立ち)のより大きな生成と共に、より急速に溶解した。更に、溶液の風味はより酸味を増し、pHは低下した。全ての溶液は澄んでおり、無臭であった。
【0051】
【化4】

製剤Bを、全用量(250mL)を飲んだ9名の対象で耐性を試験した。上腹部不快感又はガスの病状はなかった。1名の対象は1回の便通が柔らかいと述べた。1名の対象は製剤が薄味であると感じた。
【0052】
製剤C及びDに香味料及び人工甘味料を加えた。両製剤を簡便な用量パケットに入れた。対象は、この製剤が簡単に用意(250mL水で)でき、味が良いと思った。一部の対象は、酸味がないために製剤Cを好み、その他は、多少の酸味があるために製剤Dの方をより好んだ。
【0053】
炭酸カルシウムは好ましいが、水酸化カルシウム又は別の適切なカルシウム塩を、炭酸カルシウム(可溶性のクエン酸カルシウムを形成するために、クエン酸と組み合わせて使用される)と置換される場合がある。或いは、クエン酸カリウム及びクエン酸カルシウムの粉末混合物を、溶解度を増大させるために過剰のクエン酸を加えて、そのまま使用することも可能である。
【0054】
以上において本発明及びその利点を詳細に述べてきたが、添付の特許請求の範囲により定義される通り、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更、置換及び変更を本明細書において行えることを理解しなければならない。更に、本出願の適用範囲は、本明細書に記載されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法及び手順の特定の実施形態に制限されることを意図していない。本発明の開示内容から当業者が容易に理解する通り、本明細書に記載の対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行する、又は実質的に同じ結果を達成する、現存する又は今後開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法又は手順が、本発明に従って利用される場合がある。従って、添付の特許請求の範囲は、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法又は手順をその適用範囲内に含むものとして意図される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本発明の理解をより完全なものにするために、ここで添付の図面と組み合わせて記載した以下の説明に言及する。
【図1】図1:本発明の組成物を含めた種々の組成物におけるアルカリ添加物の送達、即ち、(A)正味胃腸管(GI)のアルカリ吸収量及び(B)尿中アンモニウムをグラフで示す。
【図2】図2:本発明の組成物を含めた種々の組成物における、(A)尿中pH及び(B)尿中のクエン酸塩濃度をグラフで示す。
【図3】図3:本発明の組成物を含めた種々の組成物における、(A)尿中カルシウム及び(B)シュウ酸塩の濃度をグラフで示す。
【図4】図4:本発明の組成物を含めた種々の組成物における、(A)非解離尿酸及び(B)相対飽和度のレベルをグラフで示す。
【図5】図5:本発明の組成物を含めた種々の組成物における、(A)血清カルシウム及び(B)血清副甲状腺ホルモンをグラフで示す。
【図6】図6:本発明の組成物を含めた種々の組成物における、(A)尿中ヒドロキシプロリン、(B)尿中N−テロペプチド、及び(C)I型コラーゲンテロペプチドのプラセボからの変化率をグラフで示す。
【図7】図7:プラセボからクエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、併用治療へと処置が変化するに従った骨吸収における傾向を示す、(A)尿中NTX(N−テロペプチド)及び(B)血清CTX(C−テロペプチド)における傾向をグラフで示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クエン酸カリウム、クエン酸、並びに炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される成分の混合物を含む、組成物。
【請求項2】
前記混合物が粉末混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
該クエン酸カリウムが、約10mEq〜約40mEqのレベルであり、該炭酸カルシウムが、約10mEq〜約40mEqのレベルであり、クエン酸が、約20mEq〜約100mEqのレベルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、約20mEqのクエン酸カリウム、約20mEqの炭酸カルシウム、及び約20mEqのクエン酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
更にクエン酸の形態で0.17〜1.34mEqのクエン酸塩を有する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
更に甘味料を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記甘味料が人工甘味料である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
該組成物が溶液の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
該溶液が水溶液である、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
該組成物が懸濁液の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
クエン酸カリウム、炭酸カルシウム、及びクエン酸を含み、水に溶解すると、カリウム、カルシウム及びクエン酸塩の水溶液を、2:1:1.33〜2:1:2.67の範囲のカリウム:カルシウム:クエン酸塩のモル比でもたらす、粉末混合物。
【請求項12】
該クエン酸カリウムが、約10mEq〜約40mEqのレベルであり、該炭酸カルシウムが、約10mEq〜約40mEqのレベルであり、クエン酸が、約20mEq〜約100mEqのレベルである、請求項11に記載の粉末混合物。
【請求項13】
約20mEqのクエン酸カリウム、約20mEqの炭酸カルシウム、及び約20mEqのクエン酸を含む、請求項12に記載の粉末混合物。
【請求項14】
更にクエン酸の形態で0.17〜1.34mEqのクエン酸塩を有する、請求項12に記載の粉末混合物。
【請求項15】
2:1:1.33のカリウム:カルシウム:クエン酸塩のモル比を有する、請求項11に記載の粉末混合物。
【請求項16】
動物における骨粗鬆症若しくは腎結石又はその両方を処置又は予防する方法であって、クエン酸カリウム、クエン酸、並びに炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される成分の混合物を含む組成物の投与を含み、前記組成物が、2:1:1.33〜2:1:2.67の範囲のカリウム:カルシウム:クエン酸塩のモル比を有する、方法。
【請求項17】
該動物がヒトである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
該ヒトが閉経後の女性である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記投与が経口投与を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
該動物が慢性下痢症候群を呈する、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
該組成物が、2:1:1.33のカリウム:カルシウム:クエン酸塩のモル比を有する、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
動物における骨粗鬆症若しくは腎結石又はその両方を処置又は予防する方法であって、2:1:1.33〜2:1:2.67の範囲のカリウム:カルシウム:クエン酸塩のモル比を有する、クエン酸カリウム及びクエン酸カルシウムの混合物を含む組成物の投与を含む、方法。
【請求項23】
該動物がヒトである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該ヒトが閉経後の女性である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記投与が経口投与を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
該動物が慢性下痢症候群を呈する、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
該組成物が、2:1:1.33のカリウム:カルシウム:クエン酸塩のモル比を有する、請求項22に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2009−514786(P2009−514786A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521643(P2008−521643)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/027398
【国際公開番号】WO2007/011740
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(500367252)ミッション・ファーマカル・カンパニー (3)
【出願人】(591217403)ボード オブ リージェンツ, ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム (49)
【氏名又は名称原語表記】BOARD OF REGENTS,THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
【Fターム(参考)】