説明

腐食測定器および腐食測定システム

【課題】 間接診断での試験体を用いた腐食検出方法において、金属構造体の腐食の度合いを検出するための時間や労力を軽減することができる腐食測定器および腐食測定システムを提供すること。
【解決手段】 土壌中に埋設される腐食測定器20であって、電池部21と、電池部21から電力が供給され、土壌中に埋設された金属構造体の近傍に埋設されて土壌により腐食する金属部材22と、電池部21から供給される電力に基づいて、腐食により変化する金属部材22の導通状態を検出する導通状態検出部23と、地上に設けられた受信機12と無線通信し、導通状態検出部23によって検出された導通状態を示す情報を受信機12に送信する通信部24と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、土壌中に埋設される金属製の配管などの金属構造体の腐食を測定する腐食測定器および腐食測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
土中には、水道配管路などきわめて重要なライフラインが埋設されているが、老朽化した多くの配管路が更新時期を迎えている。例えば、金属製の配管路については、土壌環境による腐食が原因の漏水や破損事故、水質障害発生が危惧されている。これら土中に埋設された配管路において腐食による事故が発生するとその社会的影響はきわめて大きいことから、適切な腐食診断や腐食評価に基づいた管路更新への取り組みが強く求められている。
この腐食診断や腐食評価において、例えば、評価対象の配管が、土壌中に埋設されている場合、管路の全長にわたって開削して、実際の配管の腐食を測定すると、多大な手間と労力を要し、効率的ではない。このため、管路の全長にわたって開削せずに、配管の腐食の度合いを予測するための様々な手法が検討されている。
【0003】
この様々な手法について、図10を用いて説明する。図10に示す通り、非開削による腐食診断には、大きく分けて、(A)直接診断と(B)間接診断がある。(A)直接診断とは、腐食による金属構造体の劣化ないし腐食の進行速度を直接検出し、金属構造体の腐食を診断することであって、例えば、金属構造体の腐食速度を電気化学的な手法で検出する(C)電気化学的直接診断と、金属構造体の劣化を物理的な手法で検出する(D)物理的直接診断などがある。
また、間接診断とは、環境の腐食性を評価することであって、例えば、金属構造体の近辺の土壌の性質等に基づき、金属構造体の腐食への影響を評価することによって、金属構造体の腐食を間接的に診断する(E)土壌腐食性診断がある。この土壌腐食性診断としては、従来より、金属構造体の近傍の土壌の性質等を分析し、その分析結果に基づいて土壌の腐食性を判定する方法((G)土壌分析による診断法)がある。また、特許文献1に示されているように、金属構造体と同じ組成の金属からなる試験体を評価対象の配管近傍の土壌に埋設しておき、その試験体の腐食の程度を検出することによって、金属構造体の腐食を間接的に診断する方法((F)試験体を用いた診断法)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−298688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、直接診断では、埋設してある配管等の金属構造体を診断するため、診断時に配管に流されている水等を一時停止させるなど、時間と労力がかかるという問題がある。
また、間接診断の(F)試験体を用いた腐食検出法においては、腐食の度合いを検出するたびに、試験体を土壌から抜き出さなければならないため、時間と労力がかかるという問題がある。
さらに、試験体は、広範囲に張り巡らされている配管等の管路に沿って、複数箇所に埋設する場合は、これら複数の試験体を全て抜き出し、腐食の度合いを検出するためには、多大な時間と労力が必要となる。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮し、上記の問題を解決すべくなされたものであって、その目的は、間接診断での試験体を用いた腐食検出方法において、金属構造体の腐食の度合いを検出するための時間や労力を軽減することができる腐食測定器および腐食測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明は、土壌中に埋設される腐食測定器であって、電池部と、前記電池部から電力が供給され、土壌中に埋設された金属構造体の近傍に埋設されて土壌により腐食する金属部材と、前記電池部から供給される電力に基づいて、腐食により変化する前記金属部材の導通状態を検出する導通状態検出部と、地上に設けられた受信機と無線通信し、前記導通状態検出部によって検出された前記導通状態を示す情報を前記受信機に送信する通信部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる腐食測定器は、導通状態検出部が、導通状態として、金属部材の抵抗値を検出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる腐食測定器は、金属部材が、金属構造体と同じ組成の金属で構成される金属線あるいは金属板で形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる腐食測定器は、金属部材の金属線あるいは金属板が、電池部、導通状態検出部、および通信部を内蔵する容器の外側に巻きつけられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる腐食測定器は、金属部材が、金属構造体と同じ組成の金属で構成され、それぞれ異なる厚さを有する複数の金属板で形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる腐食測定器は、導通状態検出部が、金属部材の導通状態を検出する検出タイミングを計時する時計部と、導通状態検出部が検出した金属部材の導通状態を示す情報を記憶する記憶部と、をさらに備え、金属部材が、時計部によって検出タイミングが計時されたときのみ、前記電池部から電力が供給され、通信部が、導通状態検出部によって計測された金属部材の導通状態を表す信号を、記憶部から読み出し、受信機に送信することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、土壌中に埋設される腐食測定器と、この腐食測定器を管理する腐食測定管理装置を含む腐食測定システムであって、腐食測定器が、電池部と、電池部から電力が供給され、土壌中に埋設された金属構造体の近傍に埋設されて土壌により腐食する金属部材と、電池部から供給される電力に基づいて、腐食により変化する金属部材の導通状態を検出する導通状態検出部と、導通状態検出部によって検出された導通状態を示す情報を無線通信により送信する通信部と、を備え、腐食測定管理装置が、通信部との無線通信により導通状態を示す情報を受信する受信部と、受信部が受信した導通状態を示す情報を、当該情報を送信した腐食測定器と対応付けて記憶する記憶部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、間接診断での試験体による腐食検出方法において、金属構造体の腐食の度合いを検出するための時間や労力を軽減するための腐食測定器および腐食測定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態に係る腐食測定システムの構成の一例を説明するための概略図である。
【図2】本実施の形態に係る腐食測定管理装置と腐食測定器の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る腐食測定器から送信される情報について説明するための概略図である。
【図4】本実施の形態に係る腐食測定管理装置によって管理される情報について説明するための概略図である。
【図5】本実施の形態に係る腐食測定器の構成部材の各形状の一例を示す概略図である。
【図6】本実施の形態に係る腐食測定器の構成部材の各形状の他の例を示す概略図である。
【図7】本実施の形態に係る腐食測定器の構成部材の各形状の他の例を示す概略図である。
【図8】本実施の形態に係る腐食測定器の他の構成例を示す概略図である。
【図9】本実施の形態に係る腐食測定器の他の構成例を示す概略図である。
【図10】非開削による金属構造体の腐食の予測手法について説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る腐食測定システムの構成の一例を説明するための概略図である。図1の紙面左側(a)には、X−Y平面における腐食測定システムの構成の一例を、紙面右側(b)には、Y−Z平面における腐食測定システムの構成の一例を示す。
【0017】
図1を参照すると、本実施の形態に係る腐食測定システム100は、腐食測定管理装置10と、金属構造体30が接触する土壌31の腐食性を測定する腐食測定器20とを有する。
腐食測定管理装置10は、地上に配置され、例えば、台座42の上に配置されている。
一方、腐食測定器20は、土壌中に配置され、例えば、土壌中に埋設されている金属構造体30の近傍に配置されている。
腐食測定器20は、例えば、円筒形状の金属構造体30の中心軸に対して垂直方向であって、金属構造体30の地上側(紙面上方)に配置され、複数の金属構造体30の中心軸に沿って任意の間隔で並んでいる。また、複数の腐食測定器20には、それぞれを識別するための識別子情報が付与されている。
金属構造体30は、例えば、円筒形の金属からなる配管等であって、土壌31中の管路に沿って、中心軸が地面と概ね水平方向に配置されている。
アスファルト41は、土壌を覆っている地面であって、地上と土壌31中(地下)とを分割している。台座42は、アスファルト41の上に配置されている。
【0018】
次に、図2〜4を用いて腐食測定管理装置10および腐食測定器20について詳細に説明する。図2は、腐食測定管理装置10と腐食測定器20の構成の一例を示すブロック図である。図3は、腐食測定器20から送信される情報について説明するための概略図である。図4は、腐食測定管理装置10によって管理される情報について説明するための概略図である。
【0019】
図2に示す通り、腐食測定管理装置10は、主制御部11と、受信部12と、記憶部13とを備える。
主制御部11は、受信部12を制御し、受信部12が受信した情報を記憶部13に記憶させる。
受信部12は、腐食測定器20と通信し、腐食測定器20から送信された情報を受信する。
記憶部13は、腐食測定器20から送信された腐食測定情報、例えば、腐食測定器20によって測定された検出結果、送信された日時、および腐食測定器20の識別子情報等を、それぞれ関連付けて記憶する。
【0020】
腐食測定器20は、電池部21と、金属部材22と、導通状態検出部23と、通信部24と、時計部25とを備える。
電池部21は、腐食測定器20の各構成部材に対して電力を提供する電力源であって、金属部材22に対しては、定電流電源として機能する。すなわち、電池部21は、金属部材22と接続され、金属部材22に一定の電流を供給する。
金属部材22は、例えば、金属構造体30と同じ組成の金属により構成される金属線あるいは金属板であって、表面が土壌と接触するように露出した状態で設けられている。金属部材22としては、例えば、鉄鋼あるいは鋳鉄などの、鉄を主成分とする合金が利用される。これにより、金属部材22は、土壌と接触する部分から腐食し、腐食の度合いに応じて、電池部21から提供される電力の導通状態が変化する。
【0021】
時計部25は、日付と時間をカウントし、導通状態検出部23および通信部24に対して日付情報や時間情報、あるいは制御信号を出力する。例えば、時計部25は、任意の検出タイミングが設定されており、検出タイミングに到達したことを検出すると、導通状態検出部23に電圧を検出するよう制御信号を出力する。また、時計部25は、導通状態検出部23によって電圧が検出されると、導通状態検出部23に制御信号を出力した日付情報と時間情報とを通信部24に出力する。
【0022】
導通状態検出部23は、金属部材22と並列に接続され、電池部21から一定の電流が供給されている状態の金属部材22に印加されている電圧を検出する。導通状態検出部23は、例えば、時計部25から入力される制御信号に基づき、金属部材22に印加されている電圧を検出し、検出した電圧値を通信部24に出力する。
通信部24は、導通状態検出部23から入力される電圧値と、時計部25から入力される日付情報と時間情報に、自身の腐食測定器20の識別子情報を付与した腐食測定情報を生成する。この腐食測定情報とは、例えば、図3に示す通り、時計部25から入力された日付情報と時間情報を含む“検出日を示す情報”と、“腐食測定器20の識別子情報を示す情報”と、導通状態検出部23から入力された“導通状態を示す情報”とを含む。通信部24は、腐食測定管理装置10の受信部12と通信し、生成した腐食測定情報を受信部12に送信する。なお、“腐食測定器20の識別子情報を示す情報”は、例えば、通信部24に予め設定されている。
【0023】
次に、腐食測定器20の腐食測定方法の一例について説明する。
腐食測定器20は、図1を用いて説明したとおり、金属構造体30の近傍に配置され、土壌中に埋設されている。時計部25が、検出タイミングとなったことを検出すると、導通状態検出部23に制御信号を出力するとともに、通信部24に、制御信号を出力した時点の日付情報と時間情報を出力する。制御信号が入力された導通状態検出部23は、一定の電流が供給されている金属部材22に印加されている電圧を検出し、通信部24に出力する。
すると、通信部24は、導通状態検出部23と時計部25から入力された情報に、設定されている腐食測定器20の識別情報を付与して腐食測定情報を生成する。すなわち、通信部24は、図3に示すような、時計部25から入力された“検出日を示す情報”と、導通状態検出部23から入力された“導通状態を示す情報”と、“腐食測定器20の識別子情報を示す情報”とを含む腐食測定情報を生成し、腐食測定管理装置10の受信部12に送信する。
【0024】
腐食測定管理装置10は、受信部12を介して受信した腐食測定情報を、記憶部13に記憶させる。記憶部13は、例えば、図4に示す通り、腐食測定器20によって測定された腐食の度合いを表す情報を、測定された日時や、腐食測定器20の識別子情報と関連付けて、腐食測定情報ごとに記憶する。
例えば、記憶部13は、図4に示す通り、腐食測定情報の “検出日を示す情報”に基づく検出日情報「2007年7月20_14:00」と、腐食測定情報の“腐食測定器20の識別子情報を示す情報”に基づく腐食測定器識別番号「001」と、腐食測定情報の“導通状態を示す情報”に基づく検出結果「X1(V)」とを、それぞれ関連付けて記憶する。
また、記憶部13は、これら腐食測定情報に基づく情報と関連付けて、例えば、金属部材22の厚さ「1(mm)」や埋設日「2005年12月」などの、腐食測定器20に関する属性を記憶する構成であってもよい。なお、金属部材22の厚さは、腐食測定器20に設けられた際の金属部材22の初期の厚さであって、腐食されていない状態の厚さである。また、この腐食測定器20に関する属性は、腐食測定器20の識別子情報と対応付けられて記憶部13に予め記憶されているものであってもよく、各腐食測定器20から、腐食測定情報とともに送信されるものであってよい。
【0025】
この構成により、本実施の形態に係る腐食測定器20は、金属構造体30の土壌腐食性を診断する試験体(クーポン)として、土壌に埋設された状態で腐食を測定することができる。このため、ユーザは、腐食測定器20を、金属部材22の腐食を測定するたびに、土壌から抜き出す必要がないため、金属構造体30の腐食を診断するための時間と労力を軽減することができる。また、腐食測定器20を抜き出すための設備、例えばガイド管や鉄蓋を設定する必要がないため、設備費やその維持管理費を削減できる。
さらに、土壌から抜き出す作業が不要となったことにより、腐食測定器20から腐食測定情報を計測する間隔を短くすることができ、金属構造体30の腐食評価の信頼性を向上させることができる。また、開削が困難な場所であっても、腐食測定器20から腐食測定情報を計測することができる。
【0026】
また、複数の腐食測定器20が埋設され、腐食測定管理装置10が、各腐食測定器20から受信した腐食測定情報を、腐食測定器20ごとの識別子情報に基づき管理することにより、広範囲に埋設される金属構造体30の腐食を統括的に管理することができる。例えば、腐食測定管理装置10は、腐食測定器20からの腐食測定情報をエリアごと管理することにより、金属構造体30のエリアごとの腐食を予測することができる。
【0027】
さらに、金属部材22の腐食は、金属部材22の厚さや埋設期間、接触する土壌の性質等によって異なる。このため、腐食測定管理装置10が、異なる厚さや異なる埋設期間の腐食測定器20が異なる地域に埋設され、記憶部13は、腐食測定情報である金属部材22の導通状態を表す検出結果を、腐食測定器20の識別子情報や属性と関連付けて記憶することができる。これにより、ユーザは、金属構造体30の腐食を、腐食測定器20の埋設地域や埋設時期に応じて、総合的に判断する情報を得ることができる。
【0028】
なお、このようにして、腐食測定器20によって測定され、腐食測定管理装置10によって管理される情報は、金属構造体30の腐食を評価や、金属構造体30の更新の順位付けに利用することができる。
また、本実施の形態において、腐食測定器20は、時計部25によって、検出される検出タイミングに基づき、導通状態検出部23が金属部材22の導通状態を検出する一例について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、例えば、腐食測定管理装置10から、測定指示信号が受信部12を介して送信され、腐食測定器20が、通信部24を介して測定指示信号を受信することによって、導通状態検出部23に金属部材22の導通状態を検出させ、検出した金属部材22の導通状態を表す情報を通信部24に送信させる構成であってもよい。この場合、腐食測定器20は、時計部25を備えず、腐食測定管理装置10が、記憶部13に記憶する際に、主制御部11と接続される時計部(図示せず)によって計時される日付情報および時間情報と、腐食測定器20から受信した腐食測定情報とを関連付けて記憶部13に記憶させる構成であってもよい。
【0029】
次に、図5〜7を用いて、腐食測定器20の構成部材の各形状の一例について説明する。図5〜7は、腐食測定器20の構成部材の各形状の一例を示す概略図である。
腐食測定器20は、土壌中に埋設された状態で、金属部材22が露出された状態で土壌と接触し、それ以外の部材が保護ケースに収容されている構成であればよく、例えば、図5に示すような腐食測定器201が利用可能である。図5は、腐食測定器の構成部材の各形状の一例を示す概略図である。
図5に示す通り、腐食測定器201は、保護ケース26および金属部材221を備える。
保護ケース26は、内側に、電池部21と、導通状態検出部23と、通信部24と、時計部25とを収容し、これらの部材が土壌中に埋設腐食や故障しないように保護する容器である。保護ケース26は、例えば、土壌中に配置されて内部に水などが浸入しないよう密閉され、金属部材20の腐食に影響を与えない材質、例えばプラスチック等の樹脂素材が利用可能である。
金属部材221は、金属構造体30と同じ組成の金属からなり、極めて薄い板状であって、保護ケース26の外周面に固定されている。
この構成により、円筒形状である金属構造体30と同様に、概ね円筒形状である金属部材221は、金属構造体30と同様に土壌と接触する外周面が土壌の水分等によって腐食する。
【0030】
また、腐食測定器20は、例えば、図6に示すような腐食測定器202が利用可能である。図6は、腐食測定器の構成部材の各形状の他の例を示す概略図である。
図6に示す通り、腐食測定器202は、保護ケース26および金属部材222を備える。
金属部材222は、金属構造体30と同じ組成の金属からなり、線状の金属線が保護ケース26の外周面に巻き付けられている。
この構成により、保護ケース26の外周面の形状に応じて、容易に金属部材222を形成することができる。よって、腐食測定器202の製造工程を容易にすることができ、製造に要する手間や時間を削減することができる。
【0031】
さらに、腐食測定器20は、例えば、図7に示すような腐食測定器203が利用可能である。図7は、腐食測定器の構成部材の各形状の他の例を示す概略図である。
図7に示す通り、腐食測定器203は、第1の保護ケース261と、第2の保護ケース262と、金属部材223、224、225とを備える。
第1の保護ケース261は、一体的に形成される筒部261aおよび先端部261bを含む。
筒部261aは、一方の端に向かって円周の長さが小さくなるよう形成されている。例えば、円筒部261aの外周面を表す仮想線BL1は、円筒部261aの中心軸CLに対して勾配しており、仮想線BL1と、中心軸CLと並行な仮想線BL2とが交差する点において、角度θである。
先端部261bは、筒部261aの円周が最小となる方の一端に設けられ、筒部261aから離れる方向に円周が徐々に小さくなる円錐形状を有する。
すなわち、第1の保護ケース261は、先端部261bの尖端に向かって徐々に円周が小さくなる形状を有する。
【0032】
第2の保護ケース262は、第1の保護ケース261の円筒部261aの一端に設けられ、内側に、電池部21と、導通状態検出部23と、通信部24と、時計部25とを収容する。第2の保護ケース262は、土壌中に配置されて内部に水などが浸入しないよう密閉されている。
金属部材223〜225は、第1の保護ケース261の筒部261aの外周面に固定されている。
この構成により、腐食測定器203は、先端部261bを下にして、土壌に押し下げられた場合、腐食測定器203を押し下げる力と、土壌からの反発する力により、金属部材223〜225が土壌に密接され、金属部材223〜225と土壌とをより確実に接触させることができる。
なお、本実施の形態においては、金属部材223〜225以外の構成部材は、第2の保護ケース262に収容される例について説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、第1の保護ケース261の内側に収容し、第2の保護ケースを用いないものであってもよい。
【0033】
次に、図8を用いて、腐食測定器20の他の構成について説明する。図8は、腐食測定器20の他の構成例を示す概略図である。
図8に示す通り、腐食測定器204は、電池部21と、通信部24と、時計部25と、第1の金属部材226と、第2の金属部材227と、第3の金属部材228と、第1の導通状態検出部236と、第2の導通状態検出部237と、第3の導通状態検出部238とを備える。
第1の金属部材226、第2の金属部材227、および第3の金属部材228は、それぞれ異なる厚さを有する金属板であって、例えば、図7に示した金属部材223〜225のように、それぞれ土壌と接触するように配置されている。
本実施の形態において、例えば、第1の金属部材226が、最も薄い金属板(例えば、0.5mm)、第3の金属部材228が、最も厚い金属板(例えば、1.5mm)であって、第2の金属部材227が、両者の概ね中間の厚さの金属板(例えば、1.0mm)である。
【0034】
第1の導通状態検出部236は第1の金属部材226と、第2の導通状態検出部237は第2の金属部材227と、第3の導通状態検出部238は第3の金属部材228と、それぞれ接続されている。第1の導通状態検出部236、第2の導通状態検出部237、および第3の導通状態検出部238は、それぞれ、電池部21から一定の電流が供給されている状態の第1の金属部材226、第2の金属部材227、および第3の金属部材228に印加されている電圧を検出する。第1の導通状態検出部236、第2の導通状態検出部237、および第3の導通状態検出部238は、例えば、時計部25から入力される制御信号に基づき、第1の導通状態検出部236、第2の導通状態検出部237、および第3の導通状態検出部238に印加されている電圧を検出し、検出した電圧値を通信部24に出力する。なお、第1の導通状態検出部236、第2の導通状態検出部237、および第3の導通状態検出部238には、それぞれを識別するための識別子情報が付与されている。
【0035】
次に、腐食測定器204の腐食測定方法の一例について説明する。
腐食測定器204は、図1を用いて説明したとおり、金属構造体30の近傍に配置され、土壌中に埋設されている。時計部25が、検出タイミングとなったことを検出すると、第1の導通状態検出部236、第2の導通状態検出部237、および第3の導通状態検出部238のそれぞれに制御信号を出力するとともに、通信部24に、制御信号を出力した時点の日付情報と時間情報を出力する。
制御信号が入力された第1の導通状態検出部236、第2の導通状態検出部237、および第3の導通状態検出部238は、それぞれ、一定の電流が供給されている第1の金属部材226、第2の金属部材227、および第3の金属部材228に印加されている電圧を検出し、通信部24に出力する。
【0036】
すると、通信部24は、例えば、第1の導通状態検出部236から入力された電圧値である“導通状態を示す情報”と、時計部25から入力された“検出日を示す情報”に、設定されている腐食測定器20の第1の導通状態検出部236の識別情報を付与して第1の腐食測定情報を生成する。同様にして、通信部24は、第2の導通状態検出部237から入力された電圧値である“導通状態を示す情報”と、時計部25から入力された“検出日を示す情報”に、設定されている腐食測定器20の第2の導通状態検出部237の識別情報を付与して第2の腐食測定情報を生成する。また、通信部24は、第3の導通状態検出部238から入力された電圧値である“導通状態を示す情報”と、時計部25から入力された“検出日を示す情報”に、設定されている腐食測定器20の第3の導通状態検出部238の識別情報を付与して第3の腐食測定情報を生成する。
そして、通信部24は、生成された第1〜3の腐食測定情報を、腐食測定管理装置10の受信部12に送信する。
【0037】
腐食測定管理装置10は、受信部12を介して受信した第1〜3の腐食測定情報を、記憶部13に記憶させる。記憶部13は、上述と同様、図4に示す通り、各第1〜3の腐食測定情報の “導通状態を示す情報”と、日付情報、時間情報および識別子情報とを、関連付けて記憶する。
【0038】
この構成により、最も薄い第1の金属部材226が、最も腐食による導通状態の変化を受けるため、第1の導通状態検出部236は、最も精度よく、腐食による金属部材の導通状態の変化を検出することができる。一方、第3の金属部材228は、腐食による導通状態の変化が小さいものの、長い時間をかけて腐食されるため、第3の導通状態検出部238は、長期にわたって腐食による金属部材の導通状態の変化を検出することができる。
また、第2の金属部材227は、第1の金属部材226と第3の金属部材228の中間の厚さに形成されているため、金属部材の時系列による腐食による影響を予測する際に有効な情報として利用することができる。
このように、厚さ(金属板の厚さ、金属線の直径)の異なる金属部材226〜228を利用することによって、精度が高く、耐久年数の長い腐食測定器を実現することができる。
【0039】
次に、図9を用いて、腐食測定器20の他の構成について説明する。図9は、腐食測定器20の他の構成例を示す概略図である。
図9に示す通り、腐食測定器205は、主制御部27と、導通状態検出部239、金属部材229、電池部21と、通信部24と、時計部28とを備える。
電池部21は、腐食測定器205の各構成部材に対して電力を提供する電力源であって、金属部材229と接続され、金属部材229に一定の電流を供給する。
【0040】
主制御部27は、腐食測定器205を統括的に制御し、例えば、時計部28から入力された日付情報や時間情報に基づき、予め設定されている検出タイミングや送信タイミングに到達したと判断すると、電池部21から供給される電力を各構成部材に供給し、腐食測定モードあるいは結果送信モードを起動させる。また、主制御部27は、腐食測定モードにおける検出結果の測定、あるいは結果送信モードにおける腐食測定管理装置10への検出結果の送信が終了すると、腐食測定モードあるいは結果送信モードを終了させ、スタンバイモードに切り替える。
ここで、腐食測定モードとは、検出タイミング後一定時間のみ、金属部材239の腐食を測定するために主制御部27によって起動される動作モードである。また、結果送信モードとは、送信タイミング後一定時間のみ、記憶部29に記憶されている測定結果を腐食測定管理装置10に送信するために主制御部27によって起動される動作モードである。主制御部27は、この腐食測定モードとスタンバイモードとを切り替え、また、結果送信モードとスタンバイモードとを切り替えることによって、電池部21の消費電力を抑えている。
【0041】
この腐食測定モードにおいて、主制御部27は、電池部21からの任意の電力を金属部材229に供給し、導通状態検出部239に、このときの金属部材229の導通状態を検出させる。また、主制御部27は、導通状態検出部239によって検出された測定結果を、時計部28から出力される日付情報や時間情報と関連付けて、記憶部29に記憶させる。
また、結果送信モードにおいて、主制御部27は、記憶部29に記憶されている計測結果、日付情報、時間情報、および腐食測定器205の識別子情報に基づき腐食測定情報を生成し、この腐食測定情報を腐食測定管理装置10に送信するよう通信部24を制御する。
【0042】
導通状態検出部239は、腐食測定モードにおいて、主制御部27によって電池部21からの電力が供給されると、金属部材229の導通状態を検出し、計測結果を記憶部29に出力する。導通状態検出部239は、例えば、電池部21から所定の電力が供給された金属部材229の抵抗値を検出する。
【0043】
金属部材229は、電池部21から電力が供給され、例えば、それぞれ異なる種類の金属から構成される2つの電極を含む。この2つの電極は、互いに一部が直接接触するように設けられており、土壌に埋設された状態で、表面が土壌と接触するように配置されている。これにより、金属部材229が土壌中に配置された状態で、土壌からの水分が電極に付着することにより、腐食測定器20が埋設されている土壌31の環境の中で自然電位が低くなる方の電極の断面積が減少する異種金属接触腐食が生じる。このように電極間に異種金属接触腐食が生じると、金属部材229の抵抗値が増大する。
【0044】
時計部28は、日付と時間をカウントし、制御部27および記憶部29に対して日付情報や時間情報を出力する。
記憶部29は、任意の検出タイミングに到達することによって、時計部28から入力する検出タイミングの日付情報と時間情報と、当該検出タイミングにおいて、導通状態検出部239が検出した抵抗値とを関連付けて記憶する。
【0045】
次に、腐食測定器205の腐食測定方法の一例について説明する。
腐食測定器205は、図1を用いて説明したとおり、金属構造体30の近傍に配置され、土壌中に埋設されている。時計部28から日付情報や時間情報が入力されると、主制御部27は、入力される日付情報と時間情報に基づき、予め設定されている検出タイミングに到達したか否かを判断する。主制御部27は、検出タイミングに到達したと判断すると、電池部21から供給される電力を各構成部材に供給し、腐食測定モードを起動させる。
すなわち、主制御部27は、腐食測定モードが起動されると、予め設定されている電力を電池部21から金属部材229に供給させる。そして、この電力が供給された状態の金属部材229の導通状態を導通状態検出部239に検出させる。導通状態検出部239は、主制御部27の制御によって、金属部材229の抵抗値を検出すると、主制御部27に導通状態検出終了信号を出力するとともに、検出した抵抗値を記憶部29に出力する。
【0046】
主制御部27は、導通状態検出部239から出力された導通状態検出終了信号が入力されると、時計部28によって計時された日付情報および時間情報を、記憶部29に出力させる。記憶部29は、金属部材229から入力された抵抗値と、時計部29から入力された日付情報および時間情報とを、関連付けて記憶する。
また、主制御部27は、導通状態検出部239から出力された導通状態検出終了信号が入力されると、腐食測定モードを終了し、スタンバイモードに切り替える。
【0047】
さらに、主制御部27は、時計部28から出力される日付情報および時間情報に基づき、予め設定されている送信タイミングに到達したか否かを判断する。主制御部27は、送信タイミングに到達したと判断すると、電池部21から供給される電力を各構成部材に供給し、結果送信モードを起動させる。
すなわち、主制御部27は、結果送信モードが起動されると、記憶部29に記憶されている全ての金属部材229の抵抗値と、これに関連付けられている日付情報および時間情報と、腐食測定器205の識別子情報とに基づき、腐食測定情報を生成する。主制御部27は、生成された腐食測定情報を通信部24に出力し、通信部24は、この腐食測定情報を腐食測定管理装置10に送信する。主制御部27は、腐食測定情報として通信部24から送信された金属部材229の抵抗値と、これに関連付けられている日付情報および時間情報を、記憶部29から消去する。
【0048】
なお、本実施の形態において、検出タイミングと送信タイミングは、主制御部27が判断する構成を例に説明したが、この検出タイミングと送信タイミングは、記憶部29に記憶されている構成であってもよい。また、本発明は上述の構成に限られず、例えば、時計部28は、任意の検出タイミングおよび送信タイミングが設定されており、検出タイミングおよび送信タイミングになったことを検出すると、主制御部27にその旨を通知する構成であってもよい。
【0049】
さらに、本実施の形態において、主制御部27は、時計部28から出力される日付情報および時間情報に基づき、検出タイミングおよび送信タイミングを判断する例を説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、地上の腐食測定管理装置10から送信される検出指示信号および送信指示信号を受信することで、検出タイミングおよび送信タイミングをそれぞれ判断する構成であってもよい。
また、本実施の形態において、主制御部27が、時計部28から出力される日付情報および時間情報に基づき、腐食測定モードあるいは結果送信モードを、それぞれスタンバイモードに切り替えられる一例を説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、主制御部27は、腐食測定モードにおいて、予め設定されている測定回数以上の測定が実行されたことを、記憶部29に記憶されている金属部材229の抵抗値の数に基づき判断した場合、腐食測定モードから結果送信モードに切り替え、記憶部29に記憶されている金属部材229の抵抗値の全てを通信部24から送信させるよう制御し、記憶部29に記憶されている情報を全て消去する構成であってもよい。
【0050】
さらに、本実施の形態において、腐食測定器205は、導通状態検出部239によって、金属部材229から検出される抵抗値を腐食測定情報として腐食測定管理装置に送信する一例について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、例えば、腐食測定モードにおいて、電池部21から金属部材229に供給される電力として、予め設定されている電圧値あるいは電流値に対応して予め決定されている設定抵抗値と、導通状態検出部239によって検出された金属部材229の抵抗値とを比較し、金属部材229の断線を判断する構成であってもよい。すなわち、腐食の進行に伴い、金属部材229の抵抗値が増大するため、主制御部27が、金属部材229の抵抗値と設定抵抗値を比較することによって、電池部21からの電力が金属部材229を流れない(すなわち、断線した)状態を判断する構成であってもよい。この場合、設定抵抗値を段階的に複数設定することによって、腐食測定器205は、金属部材229の腐食の状態を段階的に判断することができる。また、この場合、主制御部27は、金属部材229の断線状態を判断した場合、結果送信モードを起動し、通信部24に対して、金属部材229が断線状態であることと、腐食測定器205の識別子情報を、腐食測定管理装置10に送信させる構成であってもよい。
【0051】
また、本実施の形態において、腐食測定器は、図2、8に示す通り、導通状態検出部は、四端子法を用いて、金属部材の導通状態を検出する。これにより、金属板や金属線などの電気抵抗が非常に小さいものの電圧値を検出することができる。しかし、本発明に係る導通状態検出部は、これに限られず、他の方法を用いて電圧値を検出する構成であってもよく、また、導通状態として、電流値を検出する構成であってもよい。
さらに、本実施の形態に係る腐食測定器の通信部24は、土壌に埋設された状態で、地上の通信機器と通信できる通信機器であればよく、例えば、特開2005−99032号公報で開示されているような通信技術を利用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10 腐食測定管理装置
11 主制御部
12 受信部
13 記憶部
20 腐食測定器
21 電池部
22 金属部材
23 導通状態検出部
24 通信部
25 時計部
26 保護ケース
27 主制御部
28 時計部
29 記憶部
30 金属構造体
41 アスファルト
221 金属部材
222 金属部材
239 導通状態検出部
229 金属部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌中に埋設される腐食測定器であって、
電池部と、
前記電池部から電力が供給され、土壌中に埋設された金属構造体の近傍に埋設されて土壌により腐食する金属部材と、
前記電池部から供給される電力に基づいて、腐食により変化する前記金属部材の導通状態を検出する導通状態検出部と、
地上に設けられた受信機と無線通信し、前記導通状態検出部によって検出された前記導通状態を示す情報を前記受信機に送信する通信部と、
を備えることを特徴とする腐食測定器。
【請求項2】
前記導通状態検出部は、
前記導通状態として、前記金属部材の抵抗値を検出することを特徴とする請求項1に記載の腐食測定器。
【請求項3】
前記金属部材は、
前記金属構造体と同じ組成の金属で構成される金属線あるいは金属板で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の腐食測定器。
【請求項4】
前記金属部材の前記金属線あるいは前記金属板は、
前記電池部、前記導通状態検出部、および前記通信部を内蔵する容器の外側に巻きつけられていることを特徴とする請求項3に記載の腐食測定器。
【請求項5】
前記金属部材は、
前記金属構造体と同じ組成の金属で構成され、それぞれ異なる厚さを有する複数の金属板で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の腐食測定器。
【請求項6】
前記導通状態検出部が、前記金属部材の導通状態を検出する検出タイミングを計時する時計部と、
前記導通状態検出部が検出した前記金属部材の導通状態を示す情報を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記金属部材は、
前記時計部によって検出タイミングが計時されたときのみ、前記電池部から電力が供給され、
前記通信部は、
前記導通状態検出部によって計測された前記金属部材の導通状態を表す信号を、前記記憶部から読み出し、前記受信機に送信することを特徴とする請求項1に記載の腐食測定器。
【請求項7】
土壌中に埋設される腐食測定器と、この腐食測定器を管理する腐食測定管理装置を含む腐食測定システムであって、
前記腐食測定器は、
電池部と、前記電池部から電力が供給され、土壌中に埋設された金属構造体の近傍に埋設されて土壌により腐食する金属部材と、前記電池部から供給される電力に基づいて、腐食により変化する前記金属部材の導通状態を検出する導通状態検出部と、前記導通状態検出部によって検出された前記導通状態を示す情報を無線通信により送信する通信部と、を備え、
腐食測定管理装置は、
前記通信部との無線通信により前記導通状態を示す情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記導通状態を示す情報を、当該情報を送信した前記腐食測定器と対応付けて記憶する記憶部とを備える
ことを特徴とする腐食測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−164416(P2010−164416A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6707(P2009−6707)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(504182255)国立大学法人横浜国立大学 (429)
【Fターム(参考)】