説明

腕装着型端末、時刻報知機能補完システム、及び、プログラム

【課題】外部機器のアラーム機能を自動的に補完して実行することの出来る腕装着型端末、時刻報知機能補完システム、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】腕装着型端末において、現在時刻を計数する計時手段と、設定された動作時刻に所定の時刻報知動作を実行させる時刻報知手段と、時刻報知動作を実行可能な外部機器との間で無線通信によりデータの送受信を行う無線通信手段と、無線通信手段により取得された外部機器における時刻報知動作の設定データ、及び、外部機器の電源状態の情報に基づいて、時刻報知手段の動作可否、及び、動作時刻に係る補完動作設定を行う補完動作設定手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外部機器の時刻報知機能を補完する腕装着型端末、時刻報知機能補完システム、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ブルートゥース(登録商標:Bluetooth)といった近距離無線通信技術を用いて外部機器と通信可能な電子腕時計がある。このような腕時計において、携帯電話から時刻データを受信して腕時計の時刻を修正する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、携帯電話やスマートフォンといった携帯端末には、近年、種々の機能が搭載されるようになっており、従来、ユーザが複数の携帯装置を用いて実行していたアラーム機能(時刻報知機能)やスケジュール管理機能などの多くの機能がこれらの携帯端末単独で実行可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−118403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの携帯端末においては、バッテリ残量が不足して電源が切れてしまう場合がある。この様な状況が発生すると、携帯端末で設定していた機能がユーザの意図に反して利用不可能となるという課題がある。特に、アラーム機能といった、時刻情報と連動して実行される機能がユーザの知らない間に携帯端末の電池切れによって利用できなくなった結果、ユーザがスケジュール管理に失敗する虞が生じるという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、外部機器の時刻報知機能を自動的に補完して実行することの出来る腕装着型端末、時刻報知機能補完システム、及び、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、
現在時刻を計数する計時手段と、
設定された動作時刻に所定の時刻報知動作を実行させる時刻報知手段と、
時刻報知動作を実行可能な外部機器との間で無線通信によりデータの送受信を行う無線通信手段と、
前記無線通信手段により取得された前記外部機器における時刻報知動作の設定データ、及び、前記外部機器の電源状態の情報に基づいて、前記時刻報知手段の動作可否、及び、前記動作時刻に係る補完動作設定を行う補完動作設定手段と、
を備えることを特徴とする腕装着型端末である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に従うと、腕装着型端末において、外部機器の時刻報知機能を容易に補完して実行することが出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態のアラーム補完システムの構成を示す図である。
【図2】アラーム補完システムを構成する電子時計の内部構成を示すブロック図である。
【図3】アラーム補完システムを構成する携帯電話の内部構成を示すブロック図である。
【図4】電子時計のCPUにより実行されるBluetooth通信処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図5】携帯電話のCPUにより実行されるアラーム設定処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図6】携帯電話のCPUにより電源切断時に実行される処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】携帯電話のCPUにより実行される電源投入処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態のアラーム補完システムにおいて、携帯電話のCPUにより実行される電源オフ処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】第3実施形態のアラーム補完システムにおいて、電子時計のCPUにより実行されるBluetooth通信処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図10】第3実施形態のアラーム補完システムにおいて、携帯電話のCPUにより実行されるアラーム設定処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態のアラーム補完システムにおいて、携帯電話のCPUにより電源切断時に実行される処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態のアラーム補完システムの構成を示す図である。
【0012】
このアラーム補完システム1(時刻報知機能補完システム)は、腕装着型端末としての電子時計40と、外部機器としての携帯電話10とから構成される。電子時計40は、時計本体とバンドとを備えた腕時計である。携帯電話10は、基地局との無線通信を行う。電子時計40及び携帯電話10は、何れもブルートゥースなどの近距離無線通信機能を備えており、お互いに通信を行うことが可能となっている。
【0013】
[第1実施形態]
図2は、本発明の第1実施形態の電子時計の内部構成を示すブロック図である。また、図3は、本発明の第1実施形態の携帯電話の内部構成を示すブロック図である。
【0014】
電子時計40は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)41(時刻報知手段、補完動作設定手段)と、ROM(Read Only Memory)42と、RAM(Random
Access Memory)43と、操作部44(操作手段)と、計時回路45(計時手段)と、表示部46及び表示部46を駆動制御するドライバ47と、無線通信手段としてのBluetoothモジュール48及びUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)49と、振動モータ50及びそのドライバ51と、LED(発光ダイオード)52及びそのドライバ53と、ピエゾ素子54及びそのドライバ55と、CPU41からの制御信号に基づいて音声を出力する音声出力部56と、CPU41と各部との間で信号のやり取りをするバス57などを備えている。
【0015】
CPU41は、電子時計40の全体動作の統轄制御及び各種演算処理を行う。CPU41は、計時回路45の計数する現在時刻に基づいて表示部46に時刻表示を行わせる。また、CPU41は、操作部44の操作により設定された設定時刻(動作時刻)、及び/又は、外部機器から取得されたアラーム設定時刻(外部動作時刻)にドライバ51、53、
又は、55に制御信号を送り、振動モータ50、LED52、又はピエゾ素子54を動作させてアラーム報知(所定の時刻報知動作)を行わせる。CPU41は、アラーム補完プログラム42aを実行して、Bluetoothモジュールを介して携帯電話10から取得されたアラーム設定に基づく動作を行わせる。
【0016】
ROM42は、CPU41が実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。ROM42の格納するデータには、アラーム補完プログラム42aが含まれる。CPU41がこのアラーム補完プログラム42aを実行することで、携帯電話10におけるアラーム設定が実行不能になった際に、電子時計40が同一のアラーム機能を代わりに実行することで、携帯電話10のアラーム機能の補完を行う。
【0017】
RAM43は、CPU41に作業用のメモリ空間を提供する。またRAM43は、アラーム設定データ記憶部43a(設定記憶手段)を備え、Bluetoothモジュール48を介して携帯電話10から取得された携帯電話10におけるアラーム設定データ(時刻報知設定データ)を記憶する(補完動作設定)。アラーム設定データとしては、アラーム報知機能のオンオフ設定、アラームの動作時刻、及び、アラーム動作時刻がセットされているか否かを示すアラームセットフラグが含まれる。アラーム報知機能は、初期状態では、オフに設定されており、アラームセットフラグは、初期状態では、リセット状態(未設定)に設定されている。
【0018】
操作部44は、1又は複数のキーを備え、ユーザが当該キーに対して行った操作に基づいて入力信号に変換して、CPU11に出力する。或いは、この操作部44は、タッチパネルであっても良い。また、操作部44への入力操作を通じて、電子時計40において独自にアラーム報知機能の設定を行うことが出来る。この独自のアラーム報知設定は、アラーム設定データ記憶部43aに携帯電話10から取得された設定データとは別個に記憶されて、各々のアラーム機能が実行される。
【0019】
計時回路45は、現在時刻を計数して保持するカウンタである。この現在時刻が読み出されて、表示部46に表示されたり、当該現在時刻データと各種機能に係る設定時刻データと比較されて種々の動作が行われたりする。この計時回路45が保持する現在時刻のデータは、ブルートゥース通信により外部機器から取得された時刻データや、操作部44の操作により手動で入力された時刻データに基づいて書き換え可能に構成されている。
【0020】
表示部46は、例えば、LCD(液晶表示ディスプレイ)である。CPU41から送られた制御信号によりドライバ47(液晶ドライバ)が動作し、LCDに現在時刻、設定状態、或いは、各種機能のメニューなどの指定された内容に関する表示を行わせる。この表示部46は、或いは、他の表示手段、例えば、ELD(Electro-Luminescent Display)であっても良い。また、ドライバ47は、表示部46の種類に応じて適切に選択される。
【0021】
Bluetoothモジュール48は、アンテナAN4を介して外部機器との間でブルートゥース通信を行うための制御モジュールである。CPU41から送られた送信データは、UART49でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、Bluetoothモジュール48から外部機器に送信される。また、外部機器からBluetoothモジュール48を用いて受信された受信データは、UART49でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、CPU41へ出力される。
【0022】
振動モータ50、LED52、ピエゾ素子54、及び、音声出力部56は、それぞれ、振動、発光、ブザー音、各種音声(例えば、ビープ音)を発することで、ユーザに通知を行うためのものである。CPU41からドライバ51、53、55にそれぞれ制御信号が送られると、各ドライバ51、53、55は、振動モータ50、LED52、ピエゾ素子
54を動作させるのに必要な電圧信号に変換して出力する。これらの通知手段は、アラーム機能(時刻報知)を行う際にも適宜選択されて用いられる。
【0023】
携帯電話10は、図3に示すように、CPU11(外部時刻報知手段、報知フラグ設定手段)と、ROM12と、RAM13と、記憶部14(外部設定記憶手段)と、操作部15(外部操作手段)と、内蔵時計16(外部計時手段)と、表示部17及びそのドライバ18と、スピーカ19と、マイク20と、コーデック21と、RF送受信回路22と、RF送受信用のアンテナAN11と、通信回路23と、Bluetoothモジュール24(外部無線通信手段)と、UART25と、近距離無線通信の送受信用アンテナAN12と、振動モータ26及びそのドライバ27と、電源部28と、電源監視部29と、CPU11と他の各部とを接続するバス30などを備えている。
【0024】
CPU11は、携帯電話10の全体動作の統轄制御及び各種演算処理を行う。CPU11は、アラーム時刻の設定時や電源のオンオフ動作時にBluetoothモジュール24に制御信号を送り、電子時計40に対してアラーム設定を送信させる。
【0025】
ROM12は、CPU11が実行する種々のプログラムや初期設定データを格納する。
RAM13は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供する。
また、記憶部14は、不揮発性の読み書き可能なメモリである。記憶部14には、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)が用いられる。携帯電話10において設定されたアラーム設定データは、この記憶部14に記憶される。
【0026】
操作部15は、複数の操作キーを備え、ユーザが当該キーに対して行った操作に基づいて電気信号に変換し、入力信号としてCPU11に出力する。或いは、この操作部15には、タッチパネル及びタッチパネルの操作入力検出部を含むこととしても良い。
【0027】
内蔵時計16は、現在時刻を計数して保持するカウンタである。この現在時刻が読み出されて、表示部17に表示される。また、当該現在時刻データと各種機能に係る設定時刻データと比較されて種々の動作が行われたりする。この内蔵時計16の現在時刻データは、RF送受信回路22による携帯基地局との通信時に随時修正される。
【0028】
表示部17は、例えば、LCD(液晶表示ディスプレイ)である。CPU11から送られた制御信号によりドライバ18(液晶ドライバ)が動作し、LCDに携帯電話10の各種機能に係る表示を行わせる。この表示部17は、他の表示手段、例えば、有機ELD(Electro-Luminescent Display)であっても良い。また、ドライバ18は、表示部17の種類に応じて適切に選択される。
【0029】
スピーカ19は、コーデック21からの信号に基づいて電気信号を音声信号に変換して音声を出力する。また、マイク20は、音波を検知して電気信号に変換し、コーデック21に出力する。コーデック21は、入力された音声出力用デジタル信号をデコードしてアナログ信号としてスピーカ19へ送るとともに、マイク20から取得された音声信号をエンコードしてCPU11や通信回路23へ出力する。
【0030】
RF送受信回路22は、RF送受信用アンテナAN11を用いて携帯基地局との間で行われる通信の送受信処理を行う。また、通信回路23は、RF送受信回路22により送受信される送受信データの各種処理を行い、CPU11やコーデック21との間でデータの受け渡しを行う。
【0031】
Bluetoothモジュール24は、アンテナAN12を介して電子時計40などの外部機器
との間でブルートゥース通信を行うための制御モジュールである。CPU11から送られた送信データは、UART25でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、Bluetoothモジュール24から外部機器に送信される。また、外部機器からBluetoothモジュール24を用いて受信された受信データは、UART25でパラレル/シリアル変換などの処理が行われて、CPU11へ出力される。
【0032】
振動モータ26は、電話や電子メールの着信時などに、ドライバ27により駆動されたモータの動作により振動を発生させる。
【0033】
電源部28は、バッテリを備え、携帯電話10の各部に必要な電圧の電力供給を行う。この電源部28からの電力供給は、CPU11からの信号に基づいてオンオフの切り替えが可能となっている。また、電源監視部29は、電源部28のバッテリ電圧を測定してCPU11に出力する。或いは、電源監視部29は、所定の閾値電圧とバッテリ電圧との大小を比較する比較器(コンパレータ)を備え、比較結果を出力することとしても良い。
【0034】
次に、電子時計40のアラーム補完機能について説明する。
【0035】
図4は、本発明の第1実施形態のアラーム補完システム1において、電子時計40によるブルートゥース通信が行われる際にアラーム補完処理に関してCPU41により実行される制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0036】
この制御処理は、携帯電話10との間で行われるブルートゥース通信について、動作が検知されると呼び出されて割り込み処理により実行される処理である。
【0037】
Bluetooth通信処理が開始されると、電子時計40のCPU41は、先ず、携帯電話10からデータが受信されたか否かを判別する(ステップS401)。携帯電話10からのデータが受信されていないと判別された場合には、そのままBluetooth通信処理を終了する。
【0038】
携帯電話10からデータが受信されたと判別されると、次に、CPU41は、受信したデータがアラームセット信号であるか否かを判別する(ステップS402)。受信したデータがアラームセット信号ではないと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS407へ移行する。受信したデータがアラームセット信号であると判別された場合には、CPU41は、アラームセット信号を受信した旨を示す受信成功信号をBluetoothモジュール48に送信し、携帯電話10に対して返信させる(ステップS403)。それから、CPU41は、受信成功信号に対応して携帯電話10からアラーム設定データが送信されてくるまで待機する。CPU41は、Bluetoothモジュール48により受信されたアラーム設定時刻を取得し(ステップS404)、取得したアラーム設定時刻のデータをアラーム設定データ記憶部43aに記憶させる(ステップS405)。また、CPU41は、アラームセットフラグをセットする(ステップS406)。そして、CPU41の処理は、ステップS407に移行する。
【0039】
CPU41の処理がステップS407に移行すると、CPU41は、Bluetoothモジュール48による受信データがアラーム報知機能をオンに設定する信号であるか否かを判別する。アラーム報知機能をオンに設定する信号ではないと判別された場合には、CPU41の処理は、そのままステップS410へ移行する。アラーム報知機能をオンに設定する信号であると判別された場合には、次に、CPU41は、アラームセットフラグがセットされているか否かを判別する(ステップS408)。アラームセットフラグがセットされていない、即ち、リセット状態であると判別された場合には、CPU41の処理は、そのままステップS410へ移行する。アラームセットフラグがセットされていると判別され
た場合には、CPU41は、アラーム報知機能をオンに設定し(ステップS409)、その後、CPU41の処理は、ステップS410へ移行する。
【0040】
次に、CPU41は、ステップS410の処理において、受信データがアラーム報知機能をオフに設定する信号であるか否かを判別する。アラーム報知機能の設定をオフする信号であると判別された場合には、CPU41は、アラーム報知機能をオフに設定し(ステップS411)、そして、Bluetooth通信処理を終了する。アラーム報知機能をオフに設定する信号ではないと判別された場合には、CPU41は、そのままBluetooth通信処理を終了する。
【0041】
図5は、第1実施形態のアラーム補完システムにおいて、携帯電話10で実行されるアラーム設定に関する処理のCPU11による制御手順を示すフローチャートである。
【0042】
アラーム設定に関するキー操作が行われると、図5に示すようにアラーム設定処理が呼び出され、CPU11は、先ず、操作内容がアラーム報知機能をオンするキー操作であるか否かを判別する(ステップS101)。アラーム報知機能をオンするキー操作であると判別された場合には、CPU11は、先ず、携帯電話10におけるアラーム報知機能をオンに設定する(ステップS102)。それから、CPU11の処理は、ステップS105へ移行する。
【0043】
一方、ステップS101の判別処理において、アラーム報知機能をオンするキー操作ではないと判別された場合には、次に、CPU11は、操作内容がアラーム設定時刻を変更する処理であるか否かを判別する(ステップS103)。アラーム設定時刻を変更する処理ではないと判別された場合には、CPU11は、アラーム設定処理を終了する。アラーム設定時刻を変更する処理であると判別された場合には、CPU11は、携帯電話10におけるアラーム設定時刻データを変更し、次に、アラーム報知機能がオンに設定されているか否かを判別する(ステップS104)。アラーム報知機能がオンではないと判別された場合には、CPU11は、アラーム設定処理を終了する。アラーム報知機能がオンに設定されていると判別された場合には、CPU11の処理は、ステップS105に移行する。
【0044】
CPU11の処理がステップS105に移行すると、CPU11は、ブルートゥース通信により、Bluetoothモジュール24から電子時計40へとアラームセット信号を送信させる(ステップS105)。それから、CPU11は、電子時計40から受信成功信号が受信されたか否かを判別する(ステップS106)。CPU11は、受信成功信号が受信されるまでアラームセット信号の送信と受信信号の検出とを繰り返す(ステップS105、S106)。受信成功信号が受信されたと判別された場合には、CPU11は、ブルートゥース通信により、Bluetoothモジュール24から電子時計40にアラーム設定時刻のデータを送信する(ステップS107)。そして、CPU11は、アラーム設定処理を終了する。
【0045】
次に、携帯電話10の電源がオフ、又は、オンされる場合の携帯電話の動作処理について説明する。
図6は、携帯電話の電源がオフされる場合の処理の制御手順を示すフローチャートである。また、図7は、携帯電話の電源がオンされる場合の処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0046】
図6(a)に示す電源オフに係る処理は、携帯電話10のバッテリ電圧を監視するバッテリ監視処理の中で、バッテリ電圧の低下が検出された場合に自動的に行われる処理である。
CPU11は、所定の時間間隔でバッテリ監視処理を開始し、電源監視部29からの信号を取得して、電源部28のバッテリ電圧が動作閾値電圧以下であるか否かを判別する(ステップS111)。この動作閾値電圧は、このバッテリ監視処理における全ての処理が安定して実行完了可能な電圧レベル以上に設定された電圧値である。バッテリ電圧が動作閾値電圧より高いと判別された場合には、CPU11は、そのままバッテリ監視処理を終了する。バッテリ電圧が動作閾値電圧以下であると判別された場合には、CPU11は、アラーム報知機能がオンに設定されているか否かを判別する(ステップS112)。アラーム報知機能がオンに設定されていると判別された場合には、CPU11は、ブルートゥース通信により、Bluetoothモジュール24から電子時計40にアラーム報知機能をオンに設定する信号を送信させる(ステップS113)。それから、CPU11は、携帯電話10の電源をオフする処理を実行して(ステップS114)、バッテリ監視処理を終了する。一方、アラーム報知機能がオンではないと判別された場合には、CPU11は、そのまま携帯電話10の電源をオフする処理を実行して(ステップS114)、バッテリ監視処理を終了する。
なお、電源オフ時にCPU11の動作を完全に停止する場合には、CPU11の動作停止と共にバッテリ監視処理が終了する。
また、電源監視部29から動作閾値電圧との比較結果が継続して出力されている場合には、バッテリ電圧が動作閾値電圧以下であることを示す比較結果がCPU11に入力された時点で、割り込み処理によりバッテリ監視処理を開始させることとしても良い。
【0047】
一方、図6(b)に示す電源オフに係る処理は、携帯電話10の電源をユーザが手動でオフする場合に行われる電源オフ処理である。
CPU11は、操作部15からの入力信号を検知して、電源オフに係るキー操作が行われた場合に電源オフ処理を実行する。CPU11は、先ず、入力信号に係る操作内容が電源オフのキー操作であるか否かを判別し(ステップS121)、電源オフのキー操作ではないと判別された場合には、そのまま電源をオフせずに電源オフ処理を終了する。電源オフのキー操作であると判別された場合には、CPU11は、次に、アラーム報知機能がオンに設定されているか否かを判別する(ステップS122)。アラーム報知機能がオン設定ではないと判別された場合には、CPU11の処理は、ステップS124へ移行する。アラーム報知機能がオンに設定されていると判別された場合には、CPU11は、ブルートゥース通信により、Bluetoothモジュール24から電子時計40にアラーム報知機能をオンする信号を送信させる(ステップS123)。それから、CPU11の処理は、ステップS124へ移行する。
【0048】
ステップS124の処理へ移行すると、CPU11は、携帯電話の電源をオフする処理を実行する。そして、電源がオフされると、電源オフ処理が終了する。
電源をオフする際に携帯電話10から電子時計40へ送信されたアラーム報知機能をオンする信号を受信した電子時計40は、図4におけるステップS407〜S409の処理を実行し、携帯電話10でアラーム設定時刻として設定されていた時刻になると、アラーム報知を実行する。これにより、電池切れで携帯電話10がオフしている期間であってもアラーム報知が行われる。
【0049】
次に、携帯電話10の電源がオンされる場合には、図7に示すように、電源オンのキー操作が行われると、携帯電話10の一部に電源が供給されて、電源オン処理が開始される。CPU11は、先ず、電源オンのキー操作がなされたか否かについて判別し(ステップS131)、電源オンのキー操作がなされたと判別された場合には、次いで、CPU11は、バッテリ電圧が所定の動作電圧以上であるか否かを判別する(ステップS132)。電源オンのキー操作がなされたのではないと判別された場合、又は、バッテリ電圧が所定の動作電圧以下であると判別された場合には、CPU11は、携帯電話10の電源をオンせずにそのまま電源オン処理を終了する。
【0050】
ステップS132の判別処理でバッテリ電圧が所定の動作電圧以上であると判別された場合には、携帯電話の電源オン処理が開始される(ステップS133)。それから、CPU11は、ブルートゥース通信により、Bluetoothモジュール24から電子時計40にアラーム報知機能をオフする信号を送信する(ステップS134)。そして、電源オン処理を終了する。
電源をオンする際に携帯電話10から電子時計40へ送信されたアラーム報知機能をオフする信号を受信した電子時計40は、図4におけるステップS410〜S411の処理を実行し、携帯電話10の代替としてのアラーム報知機能を停止する。
【0051】
ここで、ステップS131、S132の処理、及び、S133の処理を呼び出す処理は、特に限られるものではないが、ROM12に格納された初期起動プログラム(ファームウェア)に基づいて実行される。そして、携帯電話の電源オン処理中でROM12や記憶部14から種々の制御プログラムが読み出されてRAM13上に展開されることで、通常の携帯電話10の動作が開始される。また、CPU11を用いずに電源起動用の小型マイコンを備えることとしても良い。
【0052】
このように、第1実施形態のアラーム補完システム1では、ブルートゥース通信を利用して携帯電話10におけるアラーム時刻の設定に基づいて電子時計40におけるアラーム時刻が設定され、携帯電話10のアラーム報知機能がオンの際に携帯電話10の電源がオフとなる場合には、携帯電話10から電子時計40に電子時計40のアラーム報知機能をオンする信号が送られ、携帯電話10の電源がオンされる場合には、携帯電話10から電子時計40に電子時計40のアラーム報知機能がオフされるので、携帯電話10の電源を切断する必要がある場合やバッテリ容量の不足により携帯電話10の電源が自動的にオフされてしまう場合でも、長時間腕に装着されて、また、バッテリ寿命が長く継続的に動作可能な電子時計40によって携帯電話10のアラーム機能を受け継ぐことで容易且つ確実にアラーム機能を補完することが出来る。
【0053】
また、携帯電話10におけるアラーム機能を補完するアラーム設定と、電子時計40における独自のアラーム設定とを独自に保持することが出来るので、携帯電話10の補完設定による上書きを気にせず、電子時計40においても独自にアラーム機能を利用することが出来る。
【0054】
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態のアラーム補完システム1において、携帯電話における電源オフ処理のCPUによる制御手順を示すフローチャートである。
【0055】
第2実施形態のアラーム補完システム1の構成は、第1実施形態のアラーム補完システム1の構成と同一であるので、説明を省略する。そして、第2実施形態のアラーム補完システム1の動作は、第1実施形態のアラーム補完システム1の動作と比較して、電源オフ処理においてユーザが手動で電源をオフする場合の電源オフ処理のみが異なり、同一の処理に対しては同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
第2実施形態のアラーム補完システム1において、携帯電話10において電源オフ処理が呼び出されて、電源オフのキー操作がなされたと判別され(ステップS121)、また、アラーム報知機能がオンに設定されていると判別されると(ステップS122)、CPU11は、ドライバ18に制御信号を送り、電子時計40に対してアラーム報知機能をオンにする設定信号を送信するか否かについて、ユーザに選択させる画面を表示部17に表示させる(ステップS126)。
【0057】
それから、CPU11は、操作部15からの入力信号が検知されるまで待機し、入力信号が得られると、この入力信号からユーザによる選択結果を取得する。そして、CPU11は、アラーム報知機能をオンにする設定信号を送信することが選択されたか否かを判別する(ステップS127)。アラーム報知機能をオンする設定信号を送信する選択がなされたと判別された場合には、CPU11は、ブルートゥース通信により、Bluetoothモジュール24から電子時計40にアラーム報知機能をオンする信号を送信させ(ステップS123)、それから、携帯電話電源オフ処理を実行する(ステップS124)。アラーム報知機能をオンする設定信号を送信しない選択がなされたと判別された場合には、CPU11は、当該信号を電子時計40には送信せずに、携帯電話電源オフ処理を実行する(ステップS124)。
【0058】
以上のように、第2実施形態のアラーム補完システム1においては、携帯電話10の電源を手動でオフする際に、電子時計40におけるアラーム機能の設定を携帯電話10のアラーム設定及び電源状態に基づいて自動設定せずに、ユーザの操作部15への操作に基づいて電子時計40にアラーム報知機能の補完動作を行わせるか否かを決定することが出来る。ユーザが手動で電源をオフする状況としては、電話機能の利用のみならず、外部にアラーム音声や振動を発することが望ましくない状況も考えられる。本実施形態のアラーム補完システム1では、このような状況で不用意にアラーム機能が実行されてしまうことを防ぎつつ、必要な場合には、電子時計40によって携帯電話10のアラーム機能を容易に補完することができる。
【0059】
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態のアラーム補完システム1において、電子時計で行われるBluetooth通信処理のCPUによる制御手順を示すフローチャートである。また、図10は、第3実施形態のアラーム補完システム1において、携帯電話で行われるアラーム設定処理のCPUによる制御手順を示すフローチャートである。また、図11は、第3実施形態のアラーム補完システムにおいて、携帯電話で電源がオフされるときに実行される処理のCPUによる制御手順を示すフローチャートである。
【0060】
この第3実施形態のアラーム補完システム1の構成は、何れも第1実施形態のアラーム補完システム1の構成と同一であり、説明を省略する。また、第3実施形態のアラーム補完システム1の動作手順では、電源オン処理は、図7に示した第1実施形態の動作手順と同一であるので、説明を省略すると共に、図9〜図11に示したBluetooth通信処理、アラーム設定処理、バッテリ監視処理、及び、電源オフ処理において、第1実施形態と同一の動作処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
この第3実施形態のアラーム補完システム1では、電子時計40と携帯電話10とのブルートゥース通信による接続状態が通常では常時維持されている。
第3実施形態のアラーム補完システム1の電子時計40において、Bluetooth通信処理が呼び出された場合、図9に示すように、携帯電話10から送信されたアラームセット信号に対して受信成功信号を返信(ステップS403)した後に、CPU41は、携帯電話10から送信されるアラーム設定データを取得する(ステップS404c)。このアラーム設定データには、アラーム設定時刻と報知フラグが含まれる。そして、CPU41は、これらのアラーム設定時刻及び報知フラグを取得してアラーム設定データ記憶部43aに記憶させる(ステップS405c)。
【0062】
ここで、報知フラグとは、携帯電話10と電子時計40とのブルートゥース通信のリンクが確立されているか否かに連動して電子時計40にアラーム機能の補完を行わせるか否かを示すフラグである。即ち、通信リンクが切断された場合に電子時計40にアラーム機能の補完を行わせる場合には、報知フラグがセットされ、通信リンクが切断されても電子
時計40にアラーム機能の補完を行わせない場合には、報知フラグがリセットされる。
【0063】
CPU41は、ステップS408の判別処理において、アラームセットフラグがセットされていると判別された場合には、続いて、報知フラグがオンであるか否かの判別を行う(ステップS423)。そして、報知フラグがオンであると判別された場合には、CPU41は、アラーム報知機能をオンに設定する(ステップS409)。報知フラグがオンではないと判別された場合には、アラーム報知機能をオンに設定せずに、CPU41の処理は、ステップS410の処理に移行する。
【0064】
また、ステップS401の判別処理において、ブルートゥース通信に係る動作内容が、携帯電話10からデータの受信によるものではないと判別された場合には、CPU11の処理は、ステップS421へ移行する。そして、CPU41は、携帯電話10との間で確立されていた通信リンクが切断されたか否かを判別する。通信リンクが切断されたと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS408に移行する。
【0065】
ステップS421の判別処理において、携帯電話10との通信リンクが切断されたのではないと判別された場合には、CPU41の処理は、更に、ステップS422へ移行する。そして、CPU41は、携帯電話10との間で切断されていた通信リンクが確立されたか(再開されたか)否かを判別する。リンクが再び確立されたと判別された場合には、CPU41の処理は、ステップS411へ移行し、アラーム報知機能をオフに設定する。リンクが再び確立されたのではないと判別された場合には、CPU41は、Bluetooth通信処理を終了する。
【0066】
一方、アラーム補完システム1において、携帯電話10で呼び出されるこの第3実施形態のアラーム設定処理では、図10に示すように、CPU11は、電子時計40から受信成功信号が受信されたと判別された場合(ステップS106で“YES”)には、アラーム設定データを送信する(ステップS107c)。このアラーム設定データには、アラーム機能の実行時刻及び報知フラグが含まれている。そして、CPU11は、アラーム設定処理を終了する。
【0067】
また、ステップS103cの判別処理において、アラーム設定時刻及び報知フラグの何れも変更されていないと判別された場合には、CPU11は、更に、アラーム報知機能をオフするキー操作が行われたか否かを判別する(ステップS109)。アラーム報知機能をオフするキー操作が行われたのではないと判別された場合には、そのままアラーム設定処理を終了する。
【0068】
アラーム報知機能をオフするキー操作が行われたと判別された場合には、CPU11は、先ず、携帯電話のアラーム報知機能をオフに設定する(ステップS110)。それから、CPU11は、ブルートゥース通信により、Bluetoothモジュール24から電子時計40に対してアラームセット信号を送信させる(ステップS105c)。それから、CPU11は、電子時計40から受信成功信号が受信されたか否かを判別する(ステップS106c)。CPU11は、受信成功信号が受信されるまでアラームセット信号の送信と受信信号の検出とを繰り返す(ステップS105c、S106c)。受信成功信号が受信されたと判別された場合には、CPU11は、ブルートゥース通信により、Bluetoothモジュール24から電子時計40に報知フラグをリセットする信号を送信させる(ステップS107d)。そして、CPU11は、アラーム設定処理を終了する。
【0069】
第3実施形態のアラーム補完システム1において、携帯電話10で呼び出されるバッテリ監視処理では、図11(a)に示すように、バッテリ電圧が閾値以下になったと判別された場合には(ステップS111で“YES”)、続いて、CPU11は、アラーム報知
機能がオン設定であり、且つ、報知フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS112c)。そして、アラーム報知機能がオン設定であり、且つ、報知フラグがセットされていると判別された場合にのみ、CPU11は、ブルートゥース通信により、Bluetoothモジュール24から電子時計40にアラーム報知機能をオンする設定信号を送信させる(ステップS113)。
【0070】
また、第3実施形態のアラーム補完システム1の携帯電話10で呼び出される電源オフ処理では、図11(b)に示すように、電源オフのキー操作がなされたと判別されると(ステップS121の判別処理で“YES”)、CPU11は、アラーム報知機能がオン設定であり、且つ、報知フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS122c)。そして、アラーム報知機能がオン設定であり、且つ、報知フラグがセットされていると判別された場合にのみ、ブルートゥース通信により、Bluetoothモジュール24から電子時計40にアラーム報知機能をオンする設定信号を送信させる(ステップS123)。
【0071】
以上のように、第3実施形態のアラーム補完システム1では、アラーム補完機能の動作可否を電子時計40と携帯電話10との間のブルートゥース通信における通信リンクの有無に基づいて判断する。また、報知フラグを設定し、この報知フラグがセットされている場合にのみ、通信リンクが切断された際にアラーム補完機能を動作させる。従って、アラーム補完システム1を利用したくない場合には、報知フラグをリセットすることでアラーム補完機能を解除することが出来る。
【0072】
また、携帯電話10の電源状態の切り替わりに限らず、電子時計40から携帯電話10が離隔されて電子時計40との間でブルートゥース通信のリンクが切断された場合にも、予め報知フラグを電子時計40に通知しておくことで、リンク切断の際に携帯電話10からアラーム報知機能をオンするための信号を受け取ることが出来なくても電子時計40におけるアラーム報知機能をオンすることが出来る。
【0073】
また、携帯電話10におけるアラーム設定時刻は、携帯電話10でアラーム機能が利用されている場合には、電子時計40によるアラーム補完機能の動作可否に係わらず携帯電話10で設定変更される毎に電子時計40に送信されるので、急な電源の遮断時や通信リンクの切断時でも、携帯電話10で設定されている所望のアラーム動作時刻にアラーム機能を動作させることが出来る。
【0074】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では腕装着型端末として電子腕時計を挙げ、また、外部機器として携帯電話を例に挙げたが、何れも、時計機能、アラーム機能、及び、近距離無線通信手段を備えるものであれば適用可能である。例えば、腕装着型端末としては、電子歩数計、外部機器としては、スマートフォンやPDA(Personal Digital Assistant)など、種々の電子機器を利用することが出来る。
【0075】
また、上記実施の形態では、ブルートゥース通信を例に挙げて説明したが、赤外線通信や、ZIGBEE(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)などの他の近距離無線通信手段も利用可能である。
【0076】
また、上記実施の形態では、アラーム動作時刻の設定とアラーム補完機能のオンオフ設定とはそれぞれ別個に行われたが、アラーム補完機能をオンする際に併せてアラーム動作時刻の設定を行うこととしても良い。
【0077】
また、外部機器の電源オンオフに係る報知フラグと、通信リンクの有無に係る報知フラグとを別個に設定することも出来る。
【0078】
また、上記実施の形態では、一台の携帯電話のアラーム機能を補完する場合について説明したが、外部機器の識別番号となるものと関連付けて記憶させることで、複数台の外部機器に対するアラーム補完を一台の腕装着型端末で行うことも可能である。
【0079】
また、また、上記実施の形態では、アラーム報知の手段(時刻報知動作)としてビープ音、ブザー、発光、振動などを例に挙げたが、携帯電話などの外部機器におけるアラーム報知の方法と電子時計におけるアラーム報知の方法を揃えたり、対応付けて設定したりすることも可能であるし、或いは、外部機器のアラーム補完を行う場合に独自のアラーム報知方法、例えば、ビープ音の音程や音声出力パターンなど、を有する電子時計を用いることとしても良い。
【0080】
また、上記実施の形態では、携帯電話の電源オンオフ時に電子時計へアラーム機能のオンオフ信号を送信したが、携帯電話から電源のオンオフ状態のみを送信し、アラーム機能のオンオフについては、電子時計の側で判断することにしてもよい。更に、通信リンクの有無に基づいて判断する場合には、携帯電話から電子時計に電源状態やアラーム機能のオンオフについての制御信号を送信しないこととしても良い。
【0081】
また、以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてROM42を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0082】
その他、上記実施の形態で示した電子時計40及びアラーム補完システム1に係る構成及び動作の細部は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0084】
[付記]
<請求項1>
現在時刻を計数する計時手段と、
設定された動作時刻に所定の時刻報知動作を実行させる時刻報知手段と、
時刻報知動作を実行可能な外部機器との間で無線通信によりデータの送受信を行う無線通信手段と、
前記無線通信手段により取得された前記外部機器における時刻報知動作の設定データ、及び、前記外部機器の電源状態の情報に基づいて、前記時刻報知手段の動作可否、及び、前記動作時刻に係る補完動作設定を行う補完動作設定手段と、
を備えることを特徴とする腕装着型端末。
<請求項2>
前記補完動作設定手段は、
前記無線通信手段により取得された前記外部機器の電源状態がオフの間、前記補完動作設定に従って前記時刻報知手段が動作可能となるように設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の腕装着型端末。
<請求項3>
前記時刻報知手段の動作可否、及び、前記動作時刻に係る動作設定を操作入力する操作手段と、
当該操作手段により設定された前記動作設定と、前記補完動作設定とを別個に記憶する設定記憶手段と、
を備え、
前記時刻報知手段は、前記動作設定及び前記補完動作設定の各々に基づいて前記所定の時刻報知動作を実行させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の腕装着型端末。
<請求項4>
前記補完動作設定には、前記時刻報知手段の動作可否に係る設定と、前記無線通信手段による前記外部機器との通信接続状態とを連動させるか否かを示す報知フラグが含まれ、
前記補完動作設定手段は、
前記外部機器との通信接続が切断されている間、前記報知フラグに基づいて前記時刻報知手段の動作可否の設定を行う
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の腕装着型端末。
<請求項5>
現在時刻を計数する外部計時手段と、
設定された外部動作時刻に時刻報知動作を実行させる外部時刻報知手段と、
前記外部時刻報知手段の動作可否、及び、前記外部動作時刻に係る外部動作設定を入力操作する外部操作手段と、
前記外部操作手段により入力操作された前記外部時刻報知手段についての外部動作設定を記憶する外部設定記憶手段と、
前記外部設定記憶手段に記憶された前記外部動作設定を、時刻報知動作が実行可能な他の機器へ送信可能な外部無線通信手段と、
を備える外部機器と、
請求項1〜3の何れか一項に記載の腕装着型端末と、
を備える時刻報知機能補完システムであって、
前記外部機器の電源がオフされる際には、前記外部動作設定に含まれる前記外部時刻報知手段の動作可否に係る設定が前記外部無線通信手段により前記腕装着型端末に送信されて、前記補完動作設定が更新され、
前記外部機器の電源がオンされると、前記外部無線通信手段により、時刻報知動作をオフする設定が前記腕装着型端末に送信されて、前記補完動作設定が更新される
ことを特徴とする時刻報知機能補完システム。
<請求項6>
前記外部操作手段は、操作入力に基づいて当該外部機器の電源を手動でオフすることが可能であり、当該外部機器の電源をオフする際に、前記外部設定記憶手段に記憶された前記外部時刻報知手段の動作可否に係る設定を前記外部無線通信手段により前記腕装着型端末に送信するか否かを選択操作可能である
ことを特徴とする請求項5に記載の時刻報知機能補完システム。
<請求項7>
前記外部設定記憶手段に記憶された前記外部動作時刻に係る設定が変更された場合には、前記外部無線通信手段は、前記変更された外部動作時刻に係る設定を前記腕装着型端末に前記動作時刻として送信する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の時刻報知機能補完システム。
<請求項8>
前記外部機器は、
前記腕装着型端末における前記時刻報知手段の動作可否に係る設定と、前記無線通信手段による前記腕装着型端末との通信接続状態とを連動させるか否かを示す報知フラグを設定する報知フラグ設定手段を備え、
前記補完動作設定には、前記無線通信手段により取得された前記報知フラグが含まれ、
前記補完動作設定手段は、
前記外部機器との通信接続が切断されている間、前記報知フラグに基づいて前記時刻報知手段の動作可否の設定を行う
ことを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の時刻報知機能補完システム。
<請求項9>
現在時刻を計数する計時手段と、外部機器との間で通信データの送受信を行う無線通信手段と、を備えるコンピュータを、
設定された動作時刻に所定の時刻報知動作を実行させる時刻報知手段、
前記無線通信手段により取得された前記外部機器における時刻報知動作の設定データ、及び、前記外部機器の電源状態の情報に基づいて、前記時刻報知手段の動作可否、及び、前記動作時刻に係る補完動作設定を行う補完動作設定手段、
として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0085】
1 アラーム補完システム
10 携帯電話
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 記憶部
15 操作部
16 内蔵時計
17 表示部
18 ドライバ
19 スピーカ
20 マイク
21 コーデック
22 RF送受信回路
23 通信回路
24 Bluetoothモジュール
25 UART
26 振動モータ
27 ドライバ
28 電源部
29 電源監視部
30 バス
40 電子時計
41 CPU
42 ROM
42a アラーム補完プログラム
43 RAM
43a アラーム設定データ記憶部
44 操作部
45 計時回路
46 表示部
47 ドライバ
48 Bluetoothモジュール
49 UART
50 振動モータ
51 ドライバ
52 LED
53 ドライバ
54 ピエゾ素子
55 ドライバ
56 音声出力部
57 バス
AN11、AN12、AN4 アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在時刻を計数する計時手段と、
設定された動作時刻に所定の時刻報知動作を実行させる時刻報知手段と、
時刻報知動作を実行可能な外部機器との間で無線通信によりデータの送受信を行う無線通信手段と、
前記無線通信手段により取得された前記外部機器における時刻報知動作の設定データ、及び、前記外部機器の電源状態の情報に基づいて、前記時刻報知手段の動作可否、及び、前記動作時刻に係る補完動作設定を行う補完動作設定手段と、
を備えることを特徴とする腕装着型端末。
【請求項2】
前記補完動作設定手段は、
前記無線通信手段により取得された前記外部機器の電源状態がオフの間、前記補完動作設定に従って前記時刻報知手段が動作可能となるように設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の腕装着型端末。
【請求項3】
前記時刻報知手段の動作可否、及び、前記動作時刻に係る動作設定を操作入力する操作手段と、
当該操作手段により設定された前記動作設定と、前記補完動作設定とを別個に記憶する設定記憶手段と、
を備え、
前記時刻報知手段は、前記動作設定及び前記補完動作設定の各々に基づいて前記所定の時刻報知動作を実行させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の腕装着型端末。
【請求項4】
前記補完動作設定には、前記時刻報知手段の動作可否に係る設定と、前記無線通信手段による前記外部機器との通信接続状態とを連動させるか否かを示す報知フラグが含まれ、
前記補完動作設定手段は、
前記外部機器との通信接続が切断されている間、前記報知フラグに基づいて前記時刻報知手段の動作可否の設定を行う
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の腕装着型端末。
【請求項5】
現在時刻を計数する外部計時手段と、
設定された外部動作時刻に時刻報知動作を実行させる外部時刻報知手段と、
前記外部時刻報知手段の動作可否、及び、前記外部動作時刻に係る外部動作設定を入力操作する外部操作手段と、
前記外部操作手段により入力操作された前記外部時刻報知手段についての外部動作設定を記憶する外部設定記憶手段と、
前記外部設定記憶手段に記憶された前記外部動作設定を、時刻報知動作が実行可能な他の機器へ送信可能な外部無線通信手段と、
を備える外部機器と、
請求項1〜3の何れか一項に記載の腕装着型端末と、
を備える時刻報知機能補完システムであって、
前記外部機器の電源がオフされる際には、前記外部動作設定に含まれる前記外部時刻報知手段の動作可否に係る設定が前記外部無線通信手段により前記腕装着型端末に送信されて、前記補完動作設定が更新され、
前記外部機器の電源がオンされると、前記外部無線通信手段により、時刻報知動作をオフする設定が前記腕装着型端末に送信されて、前記補完動作設定が更新される
ことを特徴とする時刻報知機能補完システム。
【請求項6】
前記外部操作手段は、操作入力に基づいて当該外部機器の電源を手動でオフすることが可能であり、当該外部機器の電源をオフする際に、前記外部設定記憶手段に記憶された前記外部時刻報知手段の動作可否に係る設定を前記外部無線通信手段により前記腕装着型端末に送信するか否かを選択操作可能である
ことを特徴とする請求項5に記載の時刻報知機能補完システム。
【請求項7】
前記外部設定記憶手段に記憶された前記外部動作時刻に係る設定が変更された場合には、前記外部無線通信手段は、前記変更された外部動作時刻に係る設定を前記腕装着型端末に前記動作時刻として送信する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の時刻報知機能補完システム。
【請求項8】
前記外部機器は、
前記腕装着型端末における前記時刻報知手段の動作可否に係る設定と、前記無線通信手段による前記腕装着型端末との通信接続状態とを連動させるか否かを示す報知フラグを設定する報知フラグ設定手段を備え、
前記補完動作設定には、前記無線通信手段により取得された前記報知フラグが含まれ、
前記補完動作設定手段は、
前記外部機器との通信接続が切断されている間、前記報知フラグに基づいて前記時刻報知手段の動作可否の設定を行う
ことを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の時刻報知機能補完システム。
【請求項9】
現在時刻を計数する計時手段と、外部機器との間で通信データの送受信を行う無線通信手段と、を備えるコンピュータを、
設定された動作時刻に所定の時刻報知動作を実行させる時刻報知手段、
前記無線通信手段により取得された前記外部機器における時刻報知動作の設定データ、及び、前記外部機器の電源状態の情報に基づいて、前記時刻報知手段の動作可否、及び、前記動作時刻に係る補完動作設定を行う補完動作設定手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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