説明

膜を評価するシステム及び方法並びに膜濾過装置

膜を評価するシステムが開示されている。このシステムは、第1の大分子量マーカー及び第2の大分子量マーカーを溶液中に溶解するように構成されている容器を含んでおり、この容器はリザーバーに接続されている。このリザーバーは前記の溶液を受容するように構成されている。このリザーバーには濾過ユニットが接続されており、この濾過ユニットは第1の大分子量マーカー及び第2の大分子量マーカーを溶液から分離するように構成されている。測定系は、第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度以上であるか否かを決定するように構成されており、第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度以上であれば第1の大分子量マーカーは膜による排斥のための第1の評価基準を満たす。この測定系はまた、第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下であるか否かを決定するように構成されており、第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下であれば第2の大分子量マーカーは膜の透過のための第2の評価基準を満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜を評価(キャラクタリゼーション)するためのシステム及び方法並びに膜濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、濾過装置又は膜分離技術は、製薬及びバイオテクノロジー会社で細胞、タンパク質、界面活性剤及びその他の生体物質を溶液から分離するのに利用されている。これらの細胞、タンパク質、界面活性剤及び生体物質は製薬及びバイオテクノロジー会社で疾病、病気などの治療用の薬を開発するのに利用される。
【0003】
溶液から生体物質を抽出するための膜分離技術を含む数多くの特許がある。米国特許第6939697号には、振動膜濾過を利用することで不溶性のタンパク質を濃縮する方法が開示されている。この発明におけるタンパク質には、大腸菌(E. coli)で発現されたProtD−Mage−3−Hisタンパク質、大腸菌で発現されたNS1−P703−Hisタンパク質、及びピキア・パストリス(Pichia pastoris)で発現されたNef−Tat−Hisタンパク質が含まれていた。また、幾つかの米国特許第6800732号、同第6342374号及び同第6090585号には、UF膜とクロマトグラフィーを使用することでヒト羊水からヒトコラゲナーゼインヒビターを精製して95%を超えるインヒビター純度を達成したことが開示されている。
【0004】
製薬及びバイオテクノロジー会社にとって有用な膜が生産されてはいるが、これらの会社に対して特定の膜を製造することに関連する問題がある。まず第1に、膜によって濾過される価値のあるバイオテクノロジー/製薬用の産物が膜の製造業者には入手できない場合が多く、従って製造業者は自身の膜がバイオテクノロジー/製薬会社の目標を満たすか否か確信がもてない。また、バイオテクノロジー物質をどの程度溶液から分離する必要があるのかの評価基準は、膜の製造業者がこの評価基準を満たすように適切十分にはその製造業者に開示されない。例えば、会社が、500ppmのチログロブリン緩衝液を含有する供給溶液からの濃縮液中に少なくとも92%のチログロブリンが保持される必要があることを要求するのであれば、透過液中へのチログロブリンの透過を8%未満に抑えることができる膜が必要である。さらに、バイオテクノロジー/製薬会社の要求を満たすために、膜製造会社は、標準的な操作条件の許容される変動限界内ではあるが幾つかの少し異なる条件下で膜製品を作成する必要があることがある。膜製造会社はこれらの条件で作成した製品の少なくとも一部分がバイオテクノロジー顧客の指定を満たすことを望むだろうが、これは、膜会社にとって製品の不必要な廃棄及び製品納入の遅延といったようなたくさんの問題が生ずるので、効率的なアプローチではない。バイオテクノロジー/製薬指定評価基準を満たさない製品は、バイオテクノロジー及び製薬産業に対して販売される製品の大きな部分を占めることが多く、廃棄物になる。これらの廃棄された製品は、よくあることだがそれらの他の用途が見つからなければ処分しなければならない。
【0005】
バイオテクノロジー及び製薬製品の多くはタンパク質及び核酸に関連している。膜産業でよく使われる水溶性のポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、デキストラン及びその他の多糖のような分子量マーカーはバイオテクノロジー及び製薬仕様との関連性が低いか、又はタンパク質分離に関して予測が悪いことが多い。従って、バイオテクノロジー及び製薬会社のニーズを正確に満たす膜を膜製造業者が製造することができるような、有効な膜の評価システムに対するニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6939697号明細書
【特許文献2】米国特許第6800732号明細書
【特許文献3】米国特許第6342374号明細書
【特許文献4】米国特許第6090585号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/183575号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第0247629号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Okazaki I et al: Journal of Membrane Science, vol.141, no.2, pages 277-282
【非特許文献2】M. Mulder: "Basic Principles of Membrane Technology" 1991, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の技術的背景に鑑みて完成されたものであり、本発明の目的はバイオテクノロジー及び製薬産業における用途向けに製造される膜及び膜装置に重点を置いて膜を評価するためのシステム及び方法並びに膜濾過装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、膜を評価するためのシステムが開示される。このシステムは、第1の大分子量マーカーと第2の大分子量マーカーを緩衝液中に溶解するように構成されている容器を含んでおり、この容器はリザーバーに接続されている。第1の分子量マーカーは膜による保持を測定するように選択され、一方第2の最大分子量マーカーは膜の透過を測定するように選択される。リザーバーは供給溶液を貯蔵すると共にリサイクルされた濃縮液を受容するように構成されている。このリザーバーには濾過ユニットが接続されており、この濾過ユニットは緩衝液中の第2の大分子量マーカーから第1の大分子量マーカーを分離するように構成されている。測定系は、第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度以上であるか否かを決定するように構成されており、第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度以上である場合、第1の大分子量マーカーは膜による排斥のための第1の評価基準を満たす。また、この測定系は、第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下であるか否かを決定するように構成されており、第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下である場合第2の大分子量マーカーは膜の透過のための第2の評価基準を満たす。
【0010】
本発明の別の好ましい実施形態では、膜を評価するための方法が開示される。第1の大分子量マーカーと第2の大分子量マーカーを溶媒に溶解させることによって溶液を形成する。この溶液を濾過する。ここで、第1の大分子量マーカーと第2の大分子量マーカーが互いに分離される。第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度以上であるか否かを決定する。第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度以上である場合、第1の大分子量マーカーは排斥のための第1の評価基準を満たす。また、第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下であるか否かを決定する。ここで、第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下であれば、第2の大分子量マーカーは透過のための第2の評価基準を満たす。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る濾過システムの概略図である。
【図2】図2は、図1の濾過システムが本発明の一実施形態に従ってどのように利用されるかを説明するフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係る3つの中空糸膜の内面を示す。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に係る3つの中空糸膜の外面の一例を示す。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に係る3つの中空糸膜の拡大した外面を示す。
【図6】図6は、本発明の一実施形態に係る図3の3つの中空糸膜の断面を示す。
【図7】図7は、本発明の一実施形態に係る図5の3つの中空糸膜の断面の拡大図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態に係る膜によるアポフェリチン保持率対時間のグラフ表示である。
【図9】図9は、本発明の一実施形態に係る膜によるチログロブリン保持率対時間のグラフ表示である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態に係る種々のタイプの中空糸膜を横切るチログロブリン/緩衝液−Mの流束を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の上記及びその他の利点は、添付の図面と併せて以下の説明を読めばより一層明らかとなろう。
【0013】
図面を参照して本発明の現在のところ好ましい実施形態を説明する。図面中、類似の構成部品は同じ数字で示す。これらの好ましい実施形態の記載は代表的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0014】
図1に濾過システムを示す。濾過システム100は次の構成部品、すなわち第1の容器101、第1の導管103、リザーバー105、第2の導管107、濾過ユニット109、第3の導管111、第2の容器113、実験スケール(laboratory scale)115、第1のキュベット117a、第2のキュベット117b、第3のキュベット117c、第4のキュベット117d、分光計119及びコンピューター121を含んでいる。第1の導管103、第2の導管107及び第3の導管111はチュービングといってもよい。この実施形態では、第1の容器101は、濾過ユニット109により濾過されることになる製薬、生物学的及び/又はバイオテクノロジー材料を溶液又は液体101a中に収容している。第1の容器101及び第2の容器113は典型的な実験室用測定ビーカー又は容器であるか、又は製薬又は生物学的溶液を保持することができるあらゆるタイプの容器であり得る。ラボスケール(lab scale)115は、ラボスケール115のポンプユニット(図示せず)を利用することにより溶液101aをリザーバー105中に汲み上げる又はポンプで送り込む第1の導管103を有しており、リザーバー内の溶液101aは105aとして示されている。リザーバー105はラボスケール115の上に製薬/生物学的又はバイオテクノロジー溶液を貯蔵するのに利用される典型的なリザーバーである。
【0015】
ラボスケール115はリザーバー105内の液体105aの重量を測定するように配置され調節される典型的な電子的トップローディングバランスである。Mettler(登録商標)のPMシリーズ、Sartorius(登録商標)のMCIシリーズ及びOhaus(登録商標)GTシリーズ並びにQuixStand(商標)のようなあらゆるタイプの電子的トップローディングバランスを利用することができる。好ましくは、GE Healthcareにより製造されたQuixStand(商標)がラボスケール115として利用される。またラボスケール115は溶液105aをリザーバーから濾過ユニット109へポンプで送る。
【0016】
濾過ユニット109は入口109a及び保持液(retenate)出口109bを含んでいる。保持液出口109bはコレクターといってもよい。コレクター109bは、濾過ユニット109の作動により溶液101aから分離されラボスケール115のポンプユニットから流出する濾液(又は透過液)113aを収集するのに利用される。
【0017】
通例、濾過ユニット109は、現在入手可能なタイプの正接型又はクロスフロー型の中空糸カートリッジの形態をとる。螺旋形及びデッドエンド型濾過装置と特徴付けられるものを含めて、使用することができる他の濾過ユニットもある。フィルターユニット109は、濾過される液体が多孔質膜又は中空糸109cに遭遇するタイプのものであり得る。このフィルターユニット109は典型的な多孔質濾過装置109c又は中空糸膜が組み込まれたあらゆるタイプのユニットであり得、液体の流れは一般に正接タイプ又はクロスフロータイプのものである。図3〜7は、各々が、本発明で利用することができる中空糸109cに対して3つの異なるタイプの中空糸A、B及びCを示す。図3は、中空糸A、B及びCの内面を示す。図4は、中空糸A、B及びCの200倍に拡大した外面を示す。図5は、中空糸A、B及びCの外面の拡大図である。図6は、中空糸A、B及びCを80倍に拡大した場合の中空糸A、B及びCの断面を示す。図7は、中空糸A、B及びCを500倍に拡大した場合の中空糸A、B及びCの別の断面を示す。
【0018】
中空糸109cは一般によく知られている。ファイバー又は膜109cは所望の分離性能を達成するように選択される様々な孔径を有する。膜109cは平板膜又は管状膜といってもよい。市販の濾過ユニットとしては、平膜を使用する積み重ねたプレート及び螺旋形の装置であるものがある。その他として、管状装置、並びに中空糸膜を使用するシェル及びチューブ装置がある。クロスフロー若しくは正接限外濾過、透析濾過(diafiltration)又は透析フィルターユニットは膜表面に平行な流体流れの高い速度を提供するという原理の下で作動する。溶液105aが濾過ユニット109により濾過されると、次にこの溶液は透過液113aとして導管111を介して第2の容器113に移送される。溶液105aの一部分が中空糸膜109cによって分離され、中空糸109c内に保持される。この分離溶液を保持溶液という。次いで、第2の容器113において、透過液113a及び溶液101a又は供給溶液101aは第1のキュベット117a、第2のキュベット117b、第3のキュベット117c及び第4のキュベット117dに移送された後、透過液113a及び供給溶液101aのタンパク質濃度又は界面活性剤濃度が分光計119により測定される。分光計119は当業者により利用される典型的な紫外線分光計である。分光計119の次には標準的又は典型的なコンピューター121があり、測定された透過液113a及び供給溶液101aを利用することによって第1の大分子量マーカー及び第2の大分子量マーカーが決定される。
【0019】
典型的な又は慣用のコンピューター121は携帯端末(PDA)、ラップトップコンピューター、ノート型コンピューター、携帯電話、メディアプレーヤー、ハードドライブ型、又は情報を受信、送信及び貯蔵することができるいかなる装置でもよい。また、プロセッサー、入力/出力(I/O)コントローラー、大容量記憶装置、メモリー、ビデオアダプター、接続インターフェース、及び上記システム構成部品を作動可能なように、電気的に又は無線でプロセッサーに連結するシステムバスでもよい。また、このシステムバスは、典型的なコンピューターシステム構成部品を電気的に又は無線で、作動可能なようにプロセッサーに連結する。プロセッサーは処理装置、中央演算処理装置(CPU)、複数の処理装置又は並行処理装置といってもよい。システムバスは慣用のコンピューターに関連する典型的なバスであってもよい。メモリーには、読み出し専用メモリー(ROM)及びランダムアクセスメモリー(RAM)が包含される。ROMは、始動中コンピューターの構成部品間で情報を転送するのを補助する基本的なルーチンを含む典型的な入力/出力システムを含む。
【0020】
メモリーの上に、大容量記憶装置があり、これには、1.ハードディスクから読み取りそこに書き込むためのハードディスクドライブ構成部品(図示せず)及びハードディスクドライブインターフェース(図示せず)、2.磁気ディスクドライブ(図示せず)及びハードディスクドライブインターフェース(図示せず)、並びに3.CD−ROM又はその他の光媒体のような取り外し可能な光ディスクから読み取り又はそこに書き込むための光ディスクドライブ(図示せず)及び光ディスクドライブインターフェース(図示せず)が含まれる。上記ドライブ及びそれらに付随するコンピューター読み取り可能な媒体は、コンピューター121に対するコンピューター−読み取り可能な指令、データ構造、プログラムモジュール及びその他のデータの不揮発性記憶を提供する。また、上記ドライブは、第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度以上であるか否かを決定し、かつ第2の大分子量マーカーが本発明のアルゴリズム、ソフトウェア又は式(equation)に記憶されている第2の目標濃度以下であるか否かを決定するという技術的効果を有する。この点については、プロセッサーと共に働く図2のフローチャートに記載されている。
【0021】
入力/出力コントローラーはバスによりプロセッサーに接続され、ここで入力/出力コントローラーはユーザーがキーボード及び位置決め装置のような入力装置を介してコマンド及び情報をコンピューターに入力できるようにするシリアルポートインターフェースとして作用する。利用される典型的な位置決め装置はジョイスティック、マウス、ゲームパッドなどである。ディスプレイはビデオアダプターにより電気的又は無線でシステムバスに接続される。ディスプレイは、典型的なコンピューターモニター、液晶ディスプレイ、高精細度TV(HDTV)、投射スクリーン、又はコンピューターにより生成した文字及び/又は静止画像を有することができる装置であり得る。コンピューターのビデオアダプターの次に、接続インターフェースがある。この接続インターフェースはネットワークインターフェースといってもよい。また、コンピューター121は、コンピューター121を他のコンピューターに連結できるようにするネットワークアダプター又はモデムを含み得る。
【0022】
図2は、濾過システムをどのように使用するのかを示すフローチャートである。ブロック201で、第1の大分子量マーカーと第2の大分子量マーカーを容器101(図1)内で溶媒に溶解させることによって溶液を形成する。この第1の大分子量マーカーはチログロブリン、アポフェリチン、ヘモグロビン、モノクローナル抗体、ウシ血清アルブミンなどのようないかなるタイプの化学物質又はタンパク質であってもよい。この第1の大分子量マーカーの試料は、後にこのプロセスで膜によるマーカー保持を測定するのに利用される第1の目標濃度として取っておく。第2の大分子量マーカーはソルビタンモノオレエート、Tween 20−85、PS80及びTriton X100などのような別の化学物質又は界面活性剤である。第2の大分子量マーカーの試料は、後にこのプロセスで膜を貫通するマーカー透過を測定するのに利用される第2の目標濃度として取っておく。
【0023】
例えば、第1の大分子量マーカーとして、容器101中で典型的又は標準的な緩衝液にチログロブリンを溶解させることによって1000ppm(百万部当たりの部)のチログロブリン緩衝液を調製する。本発明の一実施形態では、緩衝液は、2〜6リットルの脱イオン水、200〜300グラムの塩化ナトリウム、70〜80グラムのクエン酸ナトリウム及び1〜2グラムの塩化カルシウムの溶解した混合物でよい。好ましくは、緩衝液は、5リットルの脱イオン水、292.2グラムの塩化ナトリウム、73.53グラムのクエン酸ナトリウム及び1.11グラムの塩化カルシウムを含む。容器101を撹拌板の上に載せ、室温で全てのチログロブリンが標準的な緩衝液中に溶解するまで混合する。これには2時間以上かかることがある。本発明の別の実施形態では、第1の大分子量マーカーは、上記の典型的な緩衝液にアポフェリチンを溶解させることによって調製される1000ppmのアポフェリチン緩衝液である。本発明のさらに別の実施形態では、緩衝液は、1〜3Mの塩化ナトリウム、40〜60mMのクエン酸ナトリウム塩基性脱水物、1〜3mMの塩化カルシウム(pH6.0〜6.3)であり得る。好ましくは、緩衝液は、1Mの塩化ナトリウム、50mMのクエン酸ナトリウム塩基性脱水物、2mMの塩化カルシウム(pH6.2)である。容器101を典型的な撹拌板に載せ、室温で全てのアポフェリチンが標準的な緩衝液中に溶解するまで混合する。これには2時間以上かかることがある。
【0024】
第2の大分子量マーカーとして、この例ではソルビタンモノオレエートを使用するが、これは容器101でこれが溶解する典型的な緩衝液に挿入される。例えば、緩衝液は、2〜6リットルの脱イオン水、200〜300グラムの塩化ナトリウム、70〜80グラムのクエン酸ナトリウム及び1〜2グラムの塩化カルシウムの溶解した混合物であり得る。次に、容器101を撹拌板の上に載せ、室温で全てのソルビタンモノオレエートが標準的な緩衝液中に溶解するまで混合する。これには2時間以上かかることがある。次にシェーカーを用いて、容器101の中身を第1の大分子量マーカー(チログロブリン)及び第2の大分子量マーカー(ソルビタンモノオレエート)の溶媒中に完全に溶解させる。
【0025】
次に、ブロック203において、第1の大分子量マーカーと第2の大分子量マーカーを濾過ユニット109で膜109cにより濾過し分離する。第1の大分子量マーカーと第2の大分子量マーカーのみが膜109cにより濾過され分離されるが、この膜109cは2より多く又は複数の分子量マーカーを溶液101又は溶液105aから分離することができる。リザーバー105は第2の導管107を利用して、第1の大分子量マーカーを第2の大分子量マーカーから分離する膜109cを有する濾過ユニット109に溶液105aを転送し、この溶液は次いで導管111を介して第2の容器113に転送され、ここで透過液113aとなる。透過液113aは、膜109cにより濾過される、界面活性剤、タンパク質又はその他のタイプの生物学的溶液を包含する溶液に相当する。本発明の一実施形態では、膜109cはフィルターシリアル番号998392081697又は90622079859及びカタログナンバーUFP−500−C−3M又はUFP−500−C−MAを有し得る。中空糸109c若しくは膜109c又はヒト乳頭腫ウィルス膜109cはGE Healthcare、14 Walkup drive、Westborough、MA 01581により製造されている。
【0026】
UFPは限外濾過膜を表しており、UFPの代わりに精密濾過膜を使用してもよい。タンパク質チログロブリンの場合、この溶液を10psiの膜貫通圧力(transmembrane pressure)で2時間にわたって膜109cに通して循環させる。本発明の別の実施形態では、タンパク質がアポフェリチンである場合、この溶液を、10psiの膜貫通圧力で2時間にわたって膜109cに通して循環させることによって濾過する。本発明の別の実施形態では、膜109cは、界面活性剤がPS80であり、タンパク質がチログロブリンであって、この膜をPS80界面活性剤からHPVワクチンを分離するのに利用する場合、ヒト乳頭腫ウィルス(HPV)除去膜ということができる。
【0027】
ブロック205において、第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度(前記)以上であるか否かを決定する。この時点で、溶液101a又は供給溶液及び透過液113aをそれぞれ第1のキュベット117a及び第2のキュベット117bに収集する。本発明の別の実施形態では、この第1及び第2のキュベット117a及び117bを、供給溶液101aと透過液113aを保持することができる容器と取り替えてもよい。第1のキュベット117a中の供給溶液101aは、容器101中に挿入されたときに有していた第1の目標濃度と同じ濃度を有しているが、この供給溶液101aを分光計119中に注入して供給溶液101a内のタンパク質濃度を決定することができる。第2のキュベット117b中の透過液113aを分光計119中に入れてそのタンパク質濃度のレベルを決定する。分光計119を使用することにより、供給溶液101a中のタンパク質濃度と透過液113a中のタンパク質濃度が決定されたら、次の式により第1の大分子量マーカー又はタンパク質排斥率を決定する。
タンパク質排斥率=((供給溶液中のタンパク質濃度−透過液中のタンパク質濃度)/(供給溶液中のタンパク質濃度))×100%
このタンパク質排斥率はコンピューター121を使用することによって計算される。すなわち、分光計119により、供給溶液101a中のタンパク質濃度及び透過液113a中のタンパク質濃度の結果がユーザーに提供され、ユーザーがこれらの結果又は情報をコンピューター121に入力し、コンピューターがタンパク質排斥率又は第1の大分子量マーカーを計算する。第1のキュベット117a、第2のキュベット117b、第3のキュベット117c及び第4のキュベット117d、分光計119並びにコンピューター121構成部品を併せて測定系ということができる。
【0028】
第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度の値以上であれば、第1の評価基準が満たされ、このプロセスはブロック207に進む。しかし、第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度の値以上でなければ、第1の評価基準が満たされず、このプロセスは第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度の値以上になるまで繰り返され、その後このプロセスが終了する。
【0029】
次に、ブロック207において、第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下であるか否かを決定する。この時点で、溶液101a又は供給溶液及び透過液113aをそれぞれ第3のキュベット117c及び第4のキュベット117dに収集する。本発明の別の実施形態では、第3のキュベット117c及び第4のキュベット117dを、供給溶液101a及び透過液113aを保持することができる容器と取り替えることができる。キュベット117c内の供給溶液101aは、容器101中に挿入されたときに有していたのと同じ濃度を有するが、この供給溶液101aを分光計119中に注入して供給溶液101a中の界面活性剤濃度を決定することができる。キュベット117dに保持された透過液113aを分光計119に入れてその界面活性剤濃度のレベルを決定する。分光計119を使用することにより、供給溶液101a中の界面活性剤濃度と透過液113a中の界面活性剤濃度を決定したら、次の式により第2の大分子量マーカー又は界面活性剤排斥率を決定する。
界面活性剤排斥率=((供給溶液中の界面活性剤濃度−透過液中の界面活性剤濃度)/(供給溶液中の界面活性剤濃度))×100%
界面活性剤排斥率はコンピューター121を使用して計算される。すなわち、分光計119により、供給溶液101a中の界面活性剤濃度と透過液113a中の界面活性剤濃度の結果がユーザーに提供され、ユーザーがこれらの結果又は情報をコンピューター121に入力し、コンピューターが界面活性剤排斥率を計算する。第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度の値以下であれば、第2の評価基準が満たされ、このプロセスは終了する。しかし、第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度の値以下でなければ、第2の評価基準は満たされず、第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度の値以下になるまでこのプロセスが繰り返され、その後このプロセスが終了する。
【0030】
一例として、表1に、タンパク質、界面活性剤、生物学的/製薬評価基準又は中空糸A、B及びCのサイズに基づいて中空糸A、B及びCに対してタンパク質排斥率及び界面活性剤排斥率を決定した結果を示す。
【0031】
【表1】

この表1には、記号P=[P]/[P]及びS=[S]/[S]が含まれている。記号[P]は保持液中のタンパク質濃度を表し、これは物質収支に基づいて供給溶液中のタンパク質濃度−透過液中のタンパク質濃度に等しい。Pは所望の製品の最小標的タンパク質濃度である。記号[S]は保持液中の界面活性剤濃度を表し、これは供給溶液中の界面活性剤濃度−透過液中の界面活性剤濃度に等しい。Sは所望の製品の最大標的界面活性剤濃度である。
【0032】
中空糸Aでは、膜の孔径は小さすぎる可能性があり、膜濾過109により標的とした濃度以上のタンパク質濃度が得られ(P≧1)、標的とした濃度より高い界面活性剤(又は緩衝液若しくはその他の作用物質)の濃度が得られる(S>1)。中空糸Bの場合、膜の孔径及び孔径分布と適正範囲にあり、膜濾過により、標的としたタンパク質濃度以上のタンパク質濃度(P≧1)と、標的とした濃度以下の界面活性剤(又は緩衝液若しくはその他の作用物質)の濃度(S≦1)が得られる。中空糸Cでは、膜の孔径が大きすぎ、膜濾過により、標的とした濃度未満のタンパク質濃度(P<1)と、同様に標的とした濃度以下の界面活性剤(又は緩衝液若しくはその他の作用物質)の濃度(S=1)が得られる。
【0033】
しかしながら、両方の条件P≧1及びS≦1が満たされたときにのみ、タンパク質保持に対するバイオテクノロジー/製薬評価基準又は第1の評価基準と、界面活性剤の透過に対する第2の評価基準が満たされ、膜119cはバイオテクノロジー及び製薬産業で使用する資格が与えられる。上の評価基準で、[P]と[S]の絶対値は独立に変わり得るが、評価基準に関する臨界比P=[P]/[P]、及びS=[S]/[S]は変化しないままである。かかる分類と定義により、膜の製品品質管理に対する、化学組成並びに[P]及び[S]の絶対値と無関係の普遍的な標準及び評価基準が提供される。
【0034】
別の例として、表1に基づく表2に、中空糸A、B及びCに対してポリビニルピロリドン(PVP−K30)分子量マーカーに基づいて結果を決定した結果を示す。
【0035】
【表2】

中空糸Aでは、PVP−K30分離試験に不合格であり、このファイバーの内部孔径は小さい。中空糸Bでは、PVP−K30分離試験に不合格であるが、このファイバーの内部孔は適正な範囲にある。中空糸Cの場合、PVP−K30分離試験には合格であるが、そのファイバーの内部孔径は大きすぎる。表2のデータは、PVP−K30分子量マーカーが製品品質管理に対して信頼できるデータを提供することができないことを示している。
【0036】
図8は、中空糸又は膜119cにおけるアポフェリチン対時間のグラフ表示を示す。アポフェリチンは、ヒト乳頭腫ウィルス(HPV)の除去に使われる特化された中空糸又は膜と共に利用することができる第1の大分子量マーカーに相当する。
【0037】
このために、481.2kDaの分子量を有するアポフェリチンを分子量マーカーとして選択する。1000ppmのアポフェリチンが、1〜3Mの塩化ナトリウム、40〜60mMのクエン酸ナトリウム塩基性脱水物、1〜3mMの塩化カルシウム(pH6.0〜6.3)を含む緩衝液(以下緩衝液−Mとする)中にある。好ましくは、緩衝液は、幾つかの異なるバッチのHPV膜又は中空糸109cにより濾過された1Mの塩化ナトリウム、50mMのクエン酸ナトリウム塩基性脱水物、2mMの塩化カルシウム(pH6.2)である。
【0038】
アポフェリチンの保持率を濾過時間の関数としてプロットする。アポフェリチン溶液を、10psiの膜貫通圧力で2時間にわたってHPV膜109cに通して循環させることによって濾過した。循環モードで30分の濾過後、HPV膜109c又は中空糸膜A、B及びCによるアポフェリチンの保持率は相対的定常値に近づき、濾過時間と無関係になる。残念ながら、これらの試験結果からは、試験に合格又は不合格の膜に対して明らかな傾向が見られない。これらの結果は、HPV膜によるアポフェリチンの分離挙動が粒子様HPVワクチン(米国特許第6602697号及び同第6358744号)と大きく異なることを示唆している。
【0039】
流束(flux)及び排斥率を測定するための供給及び透過液の試料は15分間隔で収集した。供給及び透過液中のアポフェリチン濃度は分光計119により280nmでUV吸収によって測定した。
【0040】
図9は、中空糸又は膜119cにおけるチログロブリン対時間のグラフ表示を示す。チログロブリンは、緩衝液中のヒト乳頭腫ウィルス(HPV)ワクチンから界面活性剤を除去するように特化された膜109cと共に利用することができる第1の大分子量マーカーに相当する。チログロブリンは、チログロブリンが図2に記載した濾過プロセスを通る際にHPV膜109cを評価するのに利用される。緩衝液−M(前記)中の1000ppmのチログロブリンを、幾つかの異なるバッチのHPV膜109cにより再循環モードで濾過する。チログロブリン溶液を、10psiの膜貫通圧力で2時間にわたってHPV膜109cに通して循環させることによって濾過した。濾過プロセスに75分かけた後、膜109cにおけるチログロブリンの保持率は一定の値に近づくが、これは膜の製品品質管理用に膜109cの性能を評価する評価基準として使用することができるであろう。従って、75分の濾過時間が臨界時間Tとして選択され、この臨界濾過時間の後は定常状態が確立される。
【0041】
チログロブリン保持率70%と97%で2つの直線を引いた後、これらの2つの線の間のチログロブリン保持率、すなわち70%≦チログロブリン保持率≦97%を有する膜は全てPS80界面活性剤からHPVワクチンを分離することによる一定の試験に合格することが判明した。70%未満のチログロブリン保持率を有する膜109cの孔径は大きすぎてHPVワクチンを所望の濃度に保持することができない。一方、97%より高いチログロブリン保持率を有する膜109cの孔径は小さすぎてPS80界面活性剤が膜を通ることができず、従って保持液中のPS80の濃度が許容限界を超えてしまい不合格となる。この驚くべき発見を表3に示す。
【0042】
【表3】

透過液及び供給溶液中のチログロブリン濃度を、示されているように濾過時間の関数として分光計119の280nmにおけるUV吸収によって測定する。チログロブリンの保持率は初め濾過時間と共に増大する。図9に示されているように、より小さいチログロブリン保持率を有する膜の保持率−時間曲線の傾きは、より高いチログロブリン保持率を有する膜より大きい。
【0043】
本発明は、ユーザーの特定のニーズを満たすユーザーの所定の評価基準に基づいてユーザーが膜を評価することができるシステムと方法を提供する。ユーザーは、タンパク質、細胞断片及び全細胞のようなより大きい溶質の第1の目標濃度を第1の大分子量マーカーと比較し、アミノ酸、ヌクレオチド、抗生物質及び界面活性剤のようなより小さい溶質の第2の目標濃度を第2の大分子量マーカーと比較することによって、膜を評価することができる。第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度又はタンパク質濃度以上であれば、その膜による製品保持率に対してユーザーが設定した第1の評価基準が満たされる。第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下であれば、その膜を通るより小さい分子の透過に対してユーザーにより規定された第2の評価基準が満たされる。
【0044】
本発明は、1つは膜によるより大きい溶質の保持、もう1つは膜を通るより小さい溶質の透過という2つの分離評価基準を本発明が有している点で従来技術より進歩している。従来技術では、膜の評価に使用される評価基準が、バイオテクノロジー及び製薬産業のニーズを満たすには不適切であることが立証されている保持又は排斥データのみに基づいてした。本発明では、従来技術で解決又は対処できなかった問題が、2つの普遍的な評価基準、すなわち前記のように一方では排斥、もう一方では透過を使用することによって首尾よく解決される。しかしながら、本発明は3つ以上の普遍的な評価基準を使用してバイオテクノロジー及び製薬産業のニーズを満たすことも可能である。この顕著な成果により本発明は従来技術からみて際立っている。本発明で発見された方法論は膜製造業者とバイオテクノロジー/製薬産業の両者のニーズを適切十分に満たす。従って、本発明は従来技術より優れている。
【0045】
以上、特定の実施形態に関連して本発明を説明して来たが、当業者には明らかなように、特許請求の範囲に規定されている本発明の思想と範囲から逸脱することなく、本発明に多くの修正及び変更をなすことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜を評価するためのシステムであって、
膜による保持を測定するように選択された第1の大分子量マーカー及び膜の透過を測定するように選択された第2の大分子量マーカーを溶液中に溶解するように構成された第1の容器であって、供給溶液を貯蔵するとともにリサイクルされる濃縮液を受容するように構成されたリザーバーに接続されている第1の容器、
リザーバーに接続されており、溶液中の第2の大分子量マーカーから第1の大分子量マーカーを分離するように構成されている濾過ユニット、
第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度以上であるか否かを決定するように構成されている測定系(第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度以上である場合、第1の大分子量マーカーは膜による排斥のための第1の評価基準を満たす。)、
第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下であるか否かを決定するように構成されている測定系(第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下である場合、第2の大分子量マーカーは膜の透過のための第2の評価基準を満たす。)
を備えるシステム。
【請求項2】
前記測定系が第1のキュベット、第2のキュベット、第3のキュベット、第4のキュベット、分光計及びコンピューターからなる、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
膜を評価するための方法であって、
第1の大分子量マーカー及び第2の大分子量マーカーを溶媒に溶解させることによって溶液を形成し、
前記溶液を濾過し、ここで第1の大分子量マーカーと第2の大分子量マーカーが分離され、
第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度以上であるか否かを決定し、ここで第1の大分子量マーカーが第1の目標濃度以上であれば、第1の大分子量マーカーは膜による保持のための第1の評価基準を満たし、
第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下であるか否かを決定し、ここで第2の大分子量マーカーが第2の目標濃度以下であれば、第2の大分子量マーカーは膜の透過のための第2の評価基準を満たす
ことを含んでなる方法。
【請求項4】
第1の大分子量マーカーがタンパク質からなる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
第2の大分子量マーカーが界面活性剤からなる、請求項3記載の方法。
【請求項6】
第1の大分子量マーカーが、チログロブリン、アポフェリチン、ヘモグロビン、モノクローナル抗体、ウシ血清アルブミンからなる群由来の化学物質である、請求項3記載の方法。
【請求項7】
第2の大分子量マーカーが、ソルビタンモノオレエート、Tween 20−85、及びTriton X−100からなる群由来の化学物質である、請求項3記載の方法。
【請求項8】
第1の目標濃度が第1の標的タンパク質濃度である、請求項3記載の方法。
【請求項9】
第2の目標濃度が第1の標的界面活性剤濃度である、請求項3記載の方法。
【請求項10】
第1の評価基準が所望のタンパク質濃度である、請求項3記載の方法。
【請求項11】
第2の評価基準が所望の界面活性剤濃度である、請求項3記載の方法。
【請求項12】
溶媒が緩衝液である、請求項1記載の方法。
【請求項13】
界面活性剤が作用物質である、請求項5記載の方法。
【請求項14】
濾過ユニットによって第1の大分子量マーカーを第2の大分子量マーカーから分離する、請求項3記載の方法。
【請求項15】
濾過ユニットが膜を含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
膜が中空糸膜、平板膜及び管状膜からなる群から選択される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
さらに、膜を利用することによって緩衝液中の界面活性剤からヒト乳頭腫ウィルス(HPV)ワクチンを取り出すことを含む、請求項16記載の方法。

【図2】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−502425(P2010−502425A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526858(P2009−526858)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/076944
【国際公開番号】WO2008/027861
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(598041463)ジーイー・ヘルスケア・バイオサイエンス・コーポレイション (43)
【住所又は居所原語表記】800 Centennial Avenue, P.O.Box 1327,Piscataway,New Jersey 08855−1327,United States of America
【Fターム(参考)】