説明

膜ウィルス生産を阻害するための薬剤、その生産のための方法、ウィルス感染症を阻害するための医薬組成物及び方法

本発明は、医薬産業、特に膜ウィルス複製を阻害するための動力の開発に関連する。本発明の狙いは、膜ウィルスによって発生した疾患を治療する間に膜ウィルスの活性を抑制するためのフラーレン−ポリカーボンに基づいた製剤の開発に関連する。この目的のために、共通の発明概念によって連結された発明の集団が提案されている。前記集団は、化合物を生産するための方法、作用のメカニズム研究、薬理組成物の生産及び治療方法の開発に関連する。この目的は、多重付加産物の獲得を確実にする成分及び反応条件の定量的関係を選択することによって達成される。アミノ酸の量は、合成方法の間フラーレンの量よりも50倍多いことが特定されている。従って、獲得した産物は水中で無限の溶解性、必要な生物利用効率、感染細胞に対する作用の有効性及び低毒性を示す。標的産物中の基本物質含量は90%以上である。前記方法は生産のために適用可能であり且つ医薬産業のために使用されて良い。ヒト免疫欠損ウィルス(HIV)、単純ヘルペスウィルス(HSV)及びC型肝炎ウィルスによって生じたウィルス性疾患を治療するための薬物組成物及び方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、医薬産業に関連し且つ一層詳細に、膜ウィルス複製を阻害するための阻害するための薬剤に関連する。
【0002】
本発明は、糖脂質膜を有するウィルスの例えば、ヒト免疫欠損ウィルス(HIV)、単純ヘルペスウィルス(HSV)、C型肝炎ウィルス(HCV)の複製を阻害する化合物及び医薬的に許容できるその塩に関連する。
【背景技術】
【0003】
従来技術
現在、ウィルス感染症、特にHSV、HCV及びHIV/AIDS、及びAIDSに関連した合併症を治療する治療及び方法を開発するために、調査が行われている。AIDS患者は、その免疫系を、ニューモシスチス・カリニ(Pneumocystis carini)及びカンジダ・アルビカンス(Candida albicance)、HSV、サイトメガロウィルス(CMV)、HCVなどの病原体によって生ずる日和見感染により又はある種の腫瘍(カポジ肉腫)により脅かされ混乱させられており、それらは死の直接の原因である。AIDSを治療するための方法は知られておらず、現在の治療方は多くの場合、その効果の十分なる説明を伴わず使用されており且つ不都合な副作用を有する。
【0004】
HIVは、非常に遺伝学的であり、そしてその結果、抗原変異性であることを特徴とする。一人の患者及び同患者のみならず、患者の疾患の様々な段階において獲得されるHIV系統は、抗原特性及びヌクレオチド配列が異なりうる。系統の差は気候地理学的領域において異なる。このことがAIDSの化学療法、免疫療法及びワクチン予防を複雑にする。
【0005】
ヨードヒドロキシウリジン、シトシン、アラビノース、アデニンアラビノシド及びトリフルオロチミジンなどHSV感染症の治療のために現在使用されている抗ウィルス手段の大部分は、ウィルスのDNA合成を混乱させる物質である。これらの物質は、類似する宿主細胞機能にも影響を与え、それは細胞毒性の問題を伴い、そしてその結果、ヒトにおける全身使用を不可能にする。現在、HSVによって生じた感染症を治療するための主たる薬物はアシクロビルであり、それは強力な抗ウィルス活性及び低毒性を有する。しかし、溶解度が乏しいこと及び薬物耐制ウィルスの出現がこの薬物の適用に制限を加える。
【0006】
C型肝炎に対するワクチンは現在のところ開発されておらず、従って、インターフェロン又はVirazoleとの組み合わせにおけるインターフェロンが適切な薬物として使用されている。これらの製剤による治療は、コストがかかり且つ十分有効ではない。インターフェロンによる治療に対して感受性であるHSV感染個体は、25〜40%にすぎないことが知られている。
【0007】
AIDSの化学療法は現在、逆転写酵素阻害物質のそしてまたHIVプロテアーゼ阻害物質の開発及び使用に関連している。HIV逆転写酵素(リバーターゼ)阻害物質は、ヌクレオシド性質の:Zidovudine(AZT, Retrovir)、Epivir 3TC(Lamivudine)、Videx(ddl, Didianosine)、Hivid(ddc, Zalcitabin)、Zerit(d4T, Stavudine)、Abacavir(ABC, Ziagen)、Combivir(Zidovudine+Epivir)、Trizivir(Abacavir+Epivir+Zxidovudine)又は非ヌクレオシド性質:Delavirdine(rescriptor)、Nevirapine(Viramune)、Efavirenz(Sustiva)、又はヌクレオチド性質の:Tenofovir、Vireadのいずれかである。ロシア製製剤Phosphazideはロシアで登録されている。これらの製剤は、微生物に対しても毒性があり、何故ならそれらがゲノム構造に干渉するからである。逆転者酵素は、疾患の期間全体に渡りウィルスDNAを合成し、従って生命のためにはHIVリバーターゼ阻害物質を使用することが必須である。
【0008】
現在、HIVプロテアーゼ阻害物質は、いくつかの製剤:Saquinavir(Invvirase)、Indinavir(Crixivan)、Ritonavir(Norvir)、Nelfinavir(Viracept)、Amprenavir(Agenerase)、Kaletra(Lopinavir+Ritonavir)、によって提示されており、HIVプロテアーゼはウィルスタンパク質の成熟(プロセシング)の原因となる。糖タンパク質プロセシングの撹乱は、様々なHIVがCD4細胞に結合することを不能にする。
【0009】
現在、HIV/AIDS患者の治療を特徴づけるための「サードライン地治療」という用語が存在し、ここで、所定の病原体は、所定の製剤の各種類に由来する少なくとも1種類の薬物に対して耐性であることが証明され、又はここで2つの異なる治療のスキームを使用する治療は有効ではないことが証明された。かかる非常に活性のある抗レトロウィルス治療(HAART)は、「メガ−HAART」又は「ギガ−HARRT」とも表示されている。サードライン治療は、異なるHIV複製遮断メカニズムを伴う4種類の抗レトロウィルス製剤:ヌクレオシド及び非ヌクレオシド逆転写酵素阻害物質及びプロテアーゼ阻害物質を同時に使用することを伴う。様々な薬物の考えられる陰性相互作用を予見することは一層複雑であり;結果として、副作用及び合併症の進行の可能性が急激に増加する。かかる場合、血清の薬物濃度の一定観察が必要であり、これはコストがかかる手順である。同時感染症を生じる薬剤の活性を抑制する製剤で治療の経過を補足する必要性は、治療の過程を一層複雑にする。
【0010】
公知の医薬製剤は、疾患の経過をコントロール可能にするが、AIDS患者を治癒することはない。治癒する又は少なくとも致死ウィルスからのより良い保護を供する薬物の創造は続いており、そして既知のメカニズムを使用することによりウィルス生産を阻害することができる新規化合物を探索すること及び問題を解決する新たな方法を開発することの両方に関連する。
【0011】
HIV/AIDS患者を治療するための製剤の範囲は幅広い。現在、以下の製剤が臨床研究の段階にある:Emtricitabine, DAPD(ヌクレオシド類似物)、Kapravirin, TMC-120(非ヌクレオシド類似物)。注意は、かかる新規プロテアーゼ阻害物質の例えばAtazanavir(Erivada)、Tipranavir、Mozenavirに払われた。調査は全く新しい種類の製剤:インテラーゼ阻害物(S-1360)、及び(Pentafuside(T-20又はFuzeon))、T-1249、PRO-542、及び(SCH-C及びPRO-140)を創造する観点で行われた。しかし、試験の結果は曖昧である。例えば、SCH−C製剤は、最大投与量投与による試験の下で、健常な個体のECGにおけるQTインターバルの増加を生じ、これは考えられる心臓学的な合併症の兆候である。融合阻害物質はポリペプチド:36個の天然アミノ酸断片からなるT-20、39個の断片からなるT-1249である。これらの製剤の使用は、静脈内投与に限定されており、T-20を投与する結果、数人の患者において、皮下結節が形成され、時として、皮下感染症及び膿瘍が見られた。
【0012】
ハイポリマーポリアニオン天然化合物:ペプチドグリカン、デキストラン、ポリサッカライドなども注意する価値がある。これらの化合物は、低毒性であり且つウィルス粒子を吸収し且つHIV粒子の生体異物「トラップ」としてはたらく。これらの物質は、シンシチュウムの形成を阻害するが、これらの薬物のウィルスの感染症に対する直接的な効果は確立されていない(欧州特許第04065512号及び0467185号)。スルホン化されたポリカルバミドに関して、2000〜4000の分子量を有するこれらの物質は、HIV、HSV及びHCV活性を以下のメカニズムによって抑制する:合成オリゴマーの陰イオン基がウィルス及び/又は細胞膜に結合し、そしてそれによってウィルスが複製する能力を妨害する。
【0013】
主要な公知の最も危険なウィルス:HIV、HSV、HCV、CMV、インフルエンザウィルスは、膜ウィルスの典型的な代表である。膜ウィルスによる宿主細胞の感染は、最初に、宿主細胞の表層上の様々なレセプターとウィルス糖タンパク質の相互作用に基づく。ウィルス及び細胞膜が一緒に融合して粒子内容物が宿主細胞の細胞質中へと流れ込む。このプロセスにおける干渉は、ウィルスと宿主細胞の初期相互作用及びその後の融合を妨害し、そして粒子の形成をも阻害する。
【0014】
WO95/199491995において、1種類の物質による2種類の標的;プロテアーゼ及びHIV逆転写酵素に対する作用に関する可能性が最初に示された。ロシア特許RU2196602において、HIV感染症及びCMV感染症を同時に阻害する方法が最初に提案された。この阻害は、プロテアーゼ及び逆転写酵素の分子上の活性部位を遮断するメカニズムによってそして遅発gB CMVヒト構造タンパク質の分子上の活性部位を遮断するメカニズムによって行われた。両特許では、フラーレン誘導体が使用された。
【0015】
最近の注目は、フラーレンをウィルスと交戦するために使用することの可能性との関係において、フラーレンの生物学的活性に与えられている。医薬製剤を調製することに対する経路上の障害は、フラーレンをヒトの器官に直接投与することの妨げとなる、その水中での溶解度が乏しいことに関連する。
【0016】
ポリビニルピロリドンによる付加物の形成を介してフラーレンの水溶性形態を調製する方法は公知である(Kiselev O.I.ら//Mol. Materials,1988,vol.11,p.41)。その、A及びB型のインフルエンザウィルスに対する有効性が示されている。
【0017】
フラーレンを調製する方法も公知であり、それは有機溶媒中に予め溶かしたフラーレンとクロロホルム中のポリマーマトリクスを混合し、当該混合物を真空下で溶媒が完全に除去されるまで蒸発させ、生じる複合体をリン酸バッファー(pH7.4〜7.6)中で溶かし、しかる後に産物を超音波処理することを含んで成る(RU 2162819,2002)。膜セロファンは水溶性マトリクスとして使用されている。
【0018】
かかる修飾の結果により調製された産物は、不安定な化合物であり、それらの水性溶液は懸濁であり、そしてそれは、その適用及び保存の可能性を限定する。
【0019】
期待される傾向は、化学合成による水溶性フラーレン誘導体の提供である。本発明に最も関連する従来技術は、特許WO95/19949、RU219662、RU2196602、RU2124022、US6613771に記載の化合物及びそれらを調製する方法である。
【0020】
一般式C60X=HOC(O)(CH2)2C(O)NH(CH2)2の水溶性フラーレン誘導体を含む化合物は当業界で公知である(WO95/19949、1995、US6613771、2003)。置換基は任意のアルキル又はアリール−アルキル置換基であり、特に窒素又は酸素により置換された、炭素原子を1〜20個有するものである。しかしながら、この化合物は溶解度が低く、1mg/mlに等しく、そしてそれを調製する方法は複雑である。
【0021】
RU2196602において、方法は、フラーレンのアミノ酸及びジペプチド誘導体に基づく化合物の助けをかりる、HIV複製及びCMV感染症を阻害するために提案されている。フラーレン−モノアミノ−カプロン酸及びフラーレン−モノアミノ−酪酸のナトリウム塩がフラーレンアミノ酸誘導体として使用されている。
【0022】
技術的な本質及び技術結果の観点から最も近い化合物は、化合物N−(モノヒドロ)−フラーレン−アミノ−カプロン酸HC60NH(CH2)5COOH(RU2124022)である。
【0023】
この化合物を調製するために、o−ジクロロベンゼン中のフラーレンの溶液へ、アミノ−カプロン酸及び18−クラウン−6のカリウム塩の水性溶液を加える。この反応集団を60℃で6〜8時間に渡り撹拌する。溶媒を蒸留し、残留物を飽和溶液塩化カリウムにより処理し、そしてフラーレン誘導体の残渣を水で洗浄する。標的産物の収率は定量的である。獲得されたN−(モノヒドロ)−フラーレン−アミノ−カプロン酸は、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、及びピリジン中で可溶性である。
【0024】
このような合成は、次の点で不利である。それは2相系におけるフラーレンC60とアミノカプロン酸のカリウム塩の反応は、反応時間が増加するという点で;加えて、可溶化剤として使用される18−クラウン−6は高価である点である。
【0025】
標的産物の収率は小さく且つ合成のために使われるフラーレンの5重量%を超えない。
【0026】
記載の全特許において、アミノ酸及びペプチドのフラーレンへの一付加のより早い産物が記載されている。しかし、フラーレンは、二重結合に沿って多数の同等な反応中心を有し、このことにより重付加産物が形成される機会を提供する。
【発明の開示】
【0027】
本発明の目的は、膜ウィルスによって生じた疾患を治療することにおいてこれらのウィルスの活性を抑制するためのフラーレンポリマーカルボン酸アニオンの基づく製剤を提供することである。
【0028】
課された問題を解決するために、共通する発明概念によって結びついた本発明の集団、ポリカルボン酸アニオンを含んで成る化合物である製剤、その生産方法、当該製剤を含んで成る医薬組成物、及び膜ウィルスの複製を阻害するための方法が提案されている。
【0029】
本発明の本質は、前記問題を解決すること及び膜ウィルスの複製を阻害するための製剤からなり、当該製剤は一般式:
C60Hn[NH(CH2)mC(O)O]n
(式中、C60はフラーレンコアであり、
NH(CH2)mC(O)O-はアミノカルボン酸アニオンであり、
mは整数、好適には3及び5、最も好適には5であり、
nは整数2〜12、好適には4〜6、最も好適には6である)
のフラーレンカルボン酸アニオンの水溶性化合物を含んで成る。
【0030】
課された問題は、膜ウィルスの複製を阻害するための製剤を調製するための方法を提供することによっても解決され、ここでo−ジクロロベンゼン中のフラーレンの溶液中へとアミノ酸をカリウム又はナトリウム塩の形態で導入され、次いで、ポリアルキレンオキシドの集団;分子量150〜400又はそれ以上を有するポリアルキレングリコール、及びポリエチレングリコールのジメチルエーテル、又は18−クラウン−6から選択された可溶化剤が加えられ、ここでアミノ酸の量は、フラーレンの量の50倍超でなければならず、そして合成は、60〜80℃の温度で行われる。
【0031】
課された問題を解決するために、膜ウィルスの複製を阻害するための医薬組成物であって、有効な量の一般式
C60Hn[NH(CH2)mC(O)O-]n
(式中、C60はフラーレンコアであり、
NH(CH2)mC(O)O-はアミノカルボン酸アニオンであり、
mは整数、好適には3及び5、最も好適には5であり、
nは整数2〜12、好適には4〜6、最も好適には6である)
のフラーレンポリカルボン酸アニオン及び医薬的に許容できる賦形剤を含む医薬組成物も提案されている。
【0032】
膜ウィルスの複製を阻害するための医薬組成物は、錠剤、カプセル、注射のための溶液、座薬の形態にある。
【0033】
膜ウィルスの複製を阻害するための方法において、使用は、HIV/AIDS、ヘルペス感染症、ウィルス性C型肝炎によって生じた疾患を治療することにおいてウィルスを抑制するための上記特徴的な医薬組成物からなる。
【0034】
ポリアルキレンオキシドの存在下で有機溶媒の媒体中アミノ酸塩とのフラーレン反応により一般式(I):
C60Hn[NH(CH2)mC(O)O-]n (I)
(式中、C60はフラーレンコアであり、
NH(CH2)mC(O)O-はアミノカルボン酸アニオンであり、
mは整数、好適には5であり、
nは整数2〜12、好適には4〜6である)
の水溶性フラーレンポリカルボン酸アニオンが生じ、例えば:
C60H2[NH(CH2)3C(O)O-]2 −フラーレン−ジ−アミノ−酪酸アニオン
C60H2[NH(CH2)5C(O)O-]2 −フラーレン−ジ−アミノ−カプロン酸アニオン
C60H4[NH(CH2)5C(O)O-]4 −フラーレン−テトラ−アミノ−カプロン酸アニオン
C60H6[NH(CH2)5C(O)O-]6 −フラーレン−ヘキサ−アミノ−カプロン酸アニオン
C60H6[NH(CH2)7C(O)O-]6 −フラーレン−ヘキサ−8−アミノ−オクタンアニオン
である。
【0035】
分子量は、獲得された化合物のn及びm値に関連する:
n=4且つm=5でC60H4[NH(CH2)5C(O)O-]4(フラーレン−テトラ−アミノ−カプロンアニオン)分子量は1240gであり;
n=6且つm=5でC60H6[NH(CH2)5C(O)O-]6(フラーレン−ヘキサ−アミノ−カプロンアニオン)分子量は1500gである。
【0036】
製剤を調製するために、o−ジクロロベンゼン(トルエン又は任意の他の許容できる有機溶媒)中のフラーレンの溶液に対して、アミノ酸がその(カリウム又はナトリウム)塩の形態において加えられ、次いで可溶化剤が加えられる。アミノ酸及び可溶化剤を反応媒体中に導入する順番は重要ではなく、それらは混合の後、複合体の形態において導入されて良い。使用する可溶化剤について、使用は様々な酸化ポリアルキレンオキシド;150〜400及び400超の分子量を有するポリエチレングリコール(例えば、PEG−1500)、及び置換された末端基を有するポリエチレングリコール(例えば、分子量500を有するポリエチレングリコールジメチルエステル)又は環状構造物(例えば、カリウム塩に対する18−クラウン−6)からなる。
【0037】
本発明のフラーレン/アミノ酸の比は、50倍超増加している。当該比が50倍よりも小さい場合、獲得される化合物はより小さな水溶性及び高い毒性を有する。
【0038】
至適合成温度は+(60〜80)℃である。
【0039】
所望の医薬的に許容できる塩、特にナトリウム又はカリウム塩への転換は、酸を適切な塩基で処理することにより達成されて良い。特に、非水溶性フラーレン−ポリカルボン酸は一層好適には医薬的に許容できる塩の例えば、水中で可溶性であるナトリウム塩へと転換される。
【0040】
標的産物の収率は、採取されるフラーレンついて150%以上である。本発明の標的産物は、処方の一定性を特徴とし、標的産物中の主要物質の含有率は、90%超である。
【0041】
式(I)の化合物は、固体状の、暗褐色の結晶質無臭物質であり、塩の形態で水溶性であり且つ酸形態で非水溶性である。請求の範囲に記載のナトリウム塩は、水中に溶かすことにより、飽和した赤茶色を有する不透明な溶液を形成する。式(I)の化合物のナトリウム塩は、氷酢酸中に可溶性であり、96%アルコール、o−ジクロロベンゼン、トリエン及びアセトン中に不溶性である。請求の範囲に記載の化合物は、酸形態においてDMSO中に容易に可溶性である(実施例1)。
【0042】
式(I)の化合物は400℃以上で完全に焼けてしまい、420℃で融解するフラーレンとは対照的である。
【0043】
式(I)の請求の範囲に記載の化合物の信頼性は、IRスペクトロメトリーによって399〜4000cm-1の領域において確認され;フラーレンとのパターン及び吸収バンドの一致は90%超であり;アミノ酸とは80%以上であり;合成の再現性は80%以上である。かかる類似性は、アミノ酸基において異なるフラーレン誘導体ついて証明されていない(実施例2)。
【0044】
獲得した化合物の構造の特定の特徴は、分子中にいくつかのカルボキシル基が存在することであり、それは、バッファー特性を示す、塩形態又は酸形態のいずれかにある媒体のpHに依存する。請求の範囲に記載の化合物が溶解状態に転移するpHは、5.6〜6.0である。
【0045】
TLCをMerck 60F254シリカゲルにより行った。成分の分離についての最良の結果は、溶離液の系;EtOH−ベンゼン−H2O 4:1:1.5により達成された。この系において、アミノカプロン酸を伴うフラーレンの誘導体について、0.82、0.71及び0.47に等しいRfを伴う3つのスポットが発見され、そしてアミノオクタン酸を伴うフラーレンの誘導体については1つのスポット(Rf=0.82)が、そしてアミノ酪産を伴うフラーレンの誘導体についで1つのスポット(Rf=0.47)が確認された。ニンヒドリンを伴うサンプルは、産物中に第一アミノ酸基を有さない化合物の不在を示す。
【0046】
様々な溶媒和能力を有するジューテロ化溶媒中の式(I)の化合物の溶液の1H及び13C−NMRスペクトルは、1Hについて200.13MHz及び13Cについて50.32MHzの有効波長を有する装置におけるWM-200上で記録される。
【0047】
13C-NMR (δ, D2O): 25.2 (CH2CH2C(O)O-), 25.4 (CH2(CH2)2C(O)O-), 26.8 (CH2C(O)O-), 69.5 (CH2NH), 130-160 (C60), 183.7 (C(O)O-)。
1H-NMR (δ, CD3OD): 1.16 d (1H, J=6.0 Hz, -NH-), 1.26; 1.45及び1.65 (3 m, 1H, 3H 各々, -(CH2)3-), 2.18; 2.23; (2 s, 0.2H, -NH...), 2.34 t (2H, J=7.2 Hz, -CH2C(O)O-), 2.94 br t (0.4 H, J=6.0 Hz, J=1.8 Hz, -NCH2-), 3.6 m (1H, J=1.8 Hz, J=6.0 Hz, C60H)。
1H-NMR (δ, DMSO-d6): 1.02 d (0.4H, J=6.0 Hz, -NH-), 1.22, 1.32及び1.52 (3 m, 6H, -(CH2)3, 1.90; 2.08 (2 s, 0.3H 各々, -NH...), 2.20 t (2H, J=7.2 Hz, -CH2C(O)O-), 2.68 q (2H, -NCH2-), 7.46 m; 8.17 s (0.5H 各々, C60H), 12.08 br s (1H, -C(O)OH))。
1H-NMR (δ, D2O): 1.25 m, 1.49 m (2H, 4H 各々, J=7.8 Hz, J=6.9 Hz, -(CH2)3-), 1.88 d, (0.1H, J=1.6 Hz, -NH...), 1.89 d (0.1H, J=5.5 Hz, -NH...), 2.05 d (0.1H, J=1.6 Hz, -NH...), 2.24 t (2H, J=7.3 Hz, -CH2C(O)O-), 2.82 br t (1.5H, J=1.6 Hz, J=7.5 Hz, -NCH2-), 3.49 m; (1H, J=5.5 Hz, C60H)。
【0048】
提案された化合物の以下の特性は、分子中のフラーレンコアが存在することによって調整される。多数の単離された多重結合は、あるものをポリオレフィン系としてみなされるフラーレンたらしめる。多重結合による付加は、フラーレンの最も典型である。それは、容易に求核物質及び遊離基を加え、それはかかる物質を抗オキシダントとして使用することを可能にする。
【0049】
本発明の技術的な結果は、2以上のアミノ酸をいくつかの二重結合を介してフラーレンに求核付加することにより、新規化合物の種類:一般式(I)のフラーレン−カルボン酸アニオンを提供することからなる。
【0050】
これらの化合物はフラーレンとは異なる新規特性を有し、類似物よりもより良く水に溶けることに注目され、それにより感染された細胞に対する高効率の作用及び請求の範囲に記載の化合物の低毒性が供される。
【0051】
請求の範囲に記載の化合物の特異的な特徴は、それらの、ヒトに対して病原性の様々なウィルスの例えば、HIV、HSV、HCVに対する幅広い抗ウィルス活性である。
【0052】
式(I)の化合物の作用の下で細胞を感染させるための調査済みの全方法を伴う実験において、培養流体中のウィルスが誘導した細胞変性作用の阻害及びウィルス高原レベルの低下が生じたことが示された。従って、製剤、即ち、1μg/mlの濃度におけるフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩は、細胞培養の感染後7〜10日後に続いて、100TCD50の用量で使用された、HIV-1のウィルス細胞変性作用(VCA)に対して、再接種されたリンパ芽球様ヒト細胞MT−4の完全な保護作用を供した。10μg/mlの製剤の濃度において、ウィルスは培養培地で検出されなかった。これら及びより高い濃度(最大100μg/ml)において、製剤の細胞に対する細胞毒性作用は明らかにならなかった。リンパ球の培養において、1、10、及び100μg/mlの濃度において研究した特許請求の範囲に記載の化合物の生合成プロセスに対する効果は、12.5%PAAG中のタンパク質及び核酸の電気泳動、そして硝酸銀染色によって、タンパク質及び核酸プロファイルの変化の不在から判断して、96時間の間は不在であることが示されている。ヒト免疫欠損ウィルスにより感染した細胞において、24〜48時間の培養後、前記プロファイルは、通常の培養においてよりもそして製剤の不在下でよりも弱かった。同時に、研究した濃度(1及び10μg/ml)における特許請求の範囲に記載の化合物の存在下で、ウィルスが誘導した細胞のプロファイルは、バンド強度及びスペクトルにおいてコントロールの培養物に一致した。アミノ酪酸及び8−アミノオクタン酸を伴う他のフラーレン誘導体は、アミノカプロン酸を伴うよりも、HIV-1に対する抗ウィルス活性が低いことが示された(実施例4)。
【0053】
特許請求の範囲に記載の化合物:10μg/mlの濃度におけるフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩は、細胞培養物の感染の48時間後に100TCD50の用量で使用された、単純ヘルペスウィルス(HSV-1)の細胞破壊作用に対するアフリカミドリザル細胞(VERO)及びヒト胚繊維芽細胞(M-21)の再接種培養物の細胞の完全な保護を供した。特許請求の範囲に記載の化合物の作用を受けていなかったコントロール感染細胞培養物においては、同じ時間期間の間に、100%の細胞死が生じた。式(I)の化合物、即ち、様々なアミノ酸を伴うフラーレン誘導体は、HSV-1に対する抗ウィルス活性(実施例5)について示された。
【0054】
式(I)の化合物の抗ウィルス活性は、ブタ胚腎臓(SPEV)の再接種細胞の培養物におけるHSV誘導感染症の実験モデルにより評価された。我々の実験において、TCD50の用量において、遺伝子型1bに属するC型肝炎ウィルスの細胞病原性系統を使用した。従って、100μg/mlの濃度におけるフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩は、感染の7日後、HCV-感染細胞の100%の生存を供した。獲得した結果は、製剤が、100μg/mlの濃度迄はSPEV細胞培養物に対する細胞毒特性を有さないことを示している。同時に、HCV-感染細胞培養物において、30〜40%の単層に影響を与えた細胞病原性現象は第4日目までに進行し、そして第7日目までに、原則として、全てのHCV-感染細胞が死んだ。この製剤は、HCV-感染細胞が感染の24時間後、当該製剤により処理された場合においても類似の活性を示した。しかし、製剤は、ウィルスと同時に投与された場合に最大の抗ウィルス活性を有する、即ち、SPEV細胞培の培養物におけるウィルス力価は、製剤濃度が100μg/mlである場合7.4lgまで低下し、そして製剤濃度が50μg/mlである場合、3.0lgにまで低下した(実施例6)。
【0055】
特許請求の範囲に記載の化合物の作用よってヒト上皮ガンHep2の再接種細胞の増殖を阻害する阻害の効果が証明された。従って、10、50及び100μg/mlの濃度(100μg/mlで最も顕著)におけるフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩は、Hep2ガン細胞の単層の形成を阻害し、それは有糸分裂活性に対するその影響の反映でありうる。増殖を阻害することは、単層形成速度の低下によって、製剤を含むサンプル中にタンパク質の含量がより少ないことによって、そしてそこにある核酸の量の減少によって、支持されている。製剤の影響の下でアポトーシス誘導の不在を証明するデータが獲得された:DNA断片化は記録されず、溶解性及び膜mRNA形態の再分布がなく、Fas-依存性アポトーシスの可能性の兆候が検出された(実施例7)。
【0056】
式(I)の化合物の製剤の医薬即使用可能形態は、抗酸化物質及び解毒剤の使用が示されているウィルス感染症及び症状の治療もしくは予防のための経口もしくは非経口投与のための投与形態として調製されて良い。
【0057】
化合物は、常用の医薬担体と混合され且つ錠剤、カプセル、座薬、軟膏、注射のための溶液などとして使用される。式(I)の化合物を含んで成る組成物は、約0.1〜90重量%、好適には0.5〜10重量%の活性化合物を含む。本発明の化合物は経口的に、非経口的に又は直腸的に投与されて良く、常用の無毒性の医薬的に許容できる担体、刺激物質及び助剤を伴う。かかる医薬組成物は、経口使用のためにカプセル又は錠剤の形態において、注射のための無菌調製物として、又は座薬として生産されて良い。組成物は、カプセル及び錠剤の場合の経口使用のために、医薬製剤を調製する分野における広く公知の方法に従って調製され、そしてそれらは当該分野において公知の微結晶性セルロース、デンプンを、塊を提供するために、ステアリン酸マグネシウム及びラクトース及び/又は他の賦形剤、結合剤、膨張剤、分解剤、希釈剤及び潤滑剤を含んで良い。注射のための溶液は、無毒性の、非経口的に適用できる希釈剤又は溶媒の例えば、マンニトール、1,3−ブタンジオール、水、リンゲル液、塩化ナトリウムの等張液を使用することで、公知の方法に従って形成されて良い。座薬の形態における直腸投与において、かかる組成物は、薬物を同量の、室温で固体であるが、直腸空洞において融解及び/又は溶ける薬物放出を伴う非刺激性賦形剤の例えば、ココアバター、合成グリセリドエステル又はポリエチレングリコールと混合することによって調製されて良い。
【0058】
提案された化合物は、HIVE、HSV、HCVによって生じた疾患を治療するために使用されて良い。医薬的に許容できる用量の式(I)化合物による活性によって感染疾患を治療することは、数種のウィルスに同時に影響を与え且つ様々なウィルス複製段階に影響を与えることで行われる。この治療は、製剤を投与することに対するストレス効果を低下させること、感染症に対する生物の抗酸化物質保護を増強することを伴うことが示されている。生物の中毒は、いくつかのウィルスの感染性の経過において特徴的であり且つ重大な疾患の原因である。計算データによれば、0.1〜250又は2500mg/日のオーダーの投与量が上記症状を治療又は予防するために使用されて良いことが示されており、経口投与量はより多く2〜5倍である。各特定の患者のための特定の量の投与量及び薬物投与頻度は様々であって良く且つ多くの因子、例えば、選定の化合物の活性、その代謝安定性及び作用時間、患者の年齢、体重、全身の状態、性別、投与の種類と時間、排泄の速度、薬物の組み合わせに依存するだろう(実施例9)。
【0059】
式(I)の化合物は、他の抗ウィルス製剤、免疫調節物質抗感染症製剤、又は治療を目的とする医薬製剤の任意の医薬製剤様々な組み合わせと一緒に使用されて良い。
【実施例】
【0060】
本発明を実施する最良の例
実施例1
合成.特徴的な式(I)の数種類の化合物。
2.5gバッチのフラーレンをo−ジクロロベンゼン(o−DBC)に溶かし、そしてその体積の半分のPEG-500及びアミノカプロン酸のカリウム塩を1:1のモル比においてPEGを伴い加える。反応混合物を70℃の温度で撹拌しながら4時間以上に渡り維持した。溶媒を除去して沈殿を、DCBの臭いが消えるまで乾燥させた。酸性形態における化合物を、約120mlの8%塩化水素酸、pH5.0を加えることにより、そして塩形態における化合物を0.1Nの水酸化ナトリウム、pH7.0中に溶かすことにより調製する。収量:溶解させたフラーレンについて、5.6gの産物、224%。
【0061】
360mgバッチのフラーレンをトルエン中に溶かす。16gのアミノ酪酸のカリウム塩及び50gのPEG-500をこの溶液中へと導入する。次いで、上記手順を繰り返す。収量:溶解させたフラーレンについて、540g、150%。
【0062】
フラーレン及びその誘導体の溶解度を表1に列挙した。
【0063】
実施例2
式(I)の化合物の酸の形態の及びそれらのナトリウム塩の形態のIRスペクトル領域におけるスペクトロメトリー調査を、KBrを伴うディスク上で行った。この目的のために、1mgの予め乾燥させた調製物を乳鉢で、150mgのスペクトロメトリー上純粋な臭化カリウムと混合し、そしてこの混合物を7.5〜10cm-1の圧力で2〜5分に渡り圧縮した。
【0064】
獲得したサンプルのスペクトルをNOCOLET EZ OMNICソフトウェア,USAを伴うNICOLET「AVATAR320-FT.IR」IRスペクトロメーター,USAに記録した。スペクトルパラメーター:解像度、4cm-1;形式−光密度;範囲、399〜4000cm-1;サンプリング頻度、1.929cm-1。このスペクトルをH2O/CO2ラインを補正することによって処理した(図1)。同じ条件下で同時に、合成で使用したフラーレン及びアミノ酸のIR吸収スペクトルを記録した。
【0065】
特許請求の範囲に記載の化合物中にアミノ酸及びフラーレンが存在することを確かめるために、減算スペクトルの方法を、NOCOLET EZ OMNICソフトウェア,USAによる結果の後の処理とともに使用した(図.2.1、2.2)。異なる合成によって獲得したフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩とフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩のサンプルのIRスペクトル及び吸収バンドのパターンの一致は80%超であった(合成の数を図3に示す)。フラーレン−ポリアミノ−酸とフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のパターンの一致は本質的に低い(図4)。
【0066】
実施例3
TLC.TLC技術による式(I)の化合物の分離
式(I)の化合物、フラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩、フラーレン−ポリアミノ−酪酸及びフラーレン−ポリアミノ−オクタン酸の水中1μg/ml濃度の試験溶液を調製する。フラーレンをトルエンに溶かす。
【0067】
10μl(10μg)の試験溶液を、0.1mm厚の層を伴う10×15cmのSilufolクロマトグラフィープレートのスタートラインに適用する。
【0068】
このプレートを空気中で10分に渡り乾燥させ、溶媒アルコールベンゼン:96%アルコール:水(1:4:1.5)の混合物とともにチャンバー中に配置し、そして上行技術によるクロマトグラフィーに委ねた。溶媒の先端がスタートラインから約10cmを通過した場合、プレートをチャンバーから取り出して空気中で20分に渡り乾燥させた。
【0069】
Rf=0.82、0.71、0.47の3つのスポットをクロマトグラム上で発見した:フラーレン−ポリアミノ−カプロン酸について0.47、フラーレン−ポリアミノ−酪酸について0.47、及びフラーレン−ポリアミノ−オクタン酸について0.82;フラーレンは開始位置に残った(図5)。
【0070】
TLC.製剤中の遊離アミノ酸の含量を評価するため。
【0071】
水中で1μg/mlの濃度を有するフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩の試験溶液を調製する。
【0072】
参照溶液は、0.05μg/ml(5%)及び0.01μg/ml(1%)の濃度を有するアミノカプロン酸の水性溶液である。
【0073】
10μl(10μg)の試験溶液及び10μlの各参照溶液を、0.1mm厚の層を有する10×15cmのSilufolクロマトグラフィープレートのスタートラインに適用する。
【0074】
このプレートを空気中で10分に渡り乾燥させ、溶媒n−ブチルアルコール:96%アルコール:水(2:2:1)の混合物とともにチャンバー中に配置し、そして上行技術によるクロマトグラフィーに委ねた。溶媒の先端がスタートラインから約10cmを通過した場合、プレートをチャンバーから取り出して空気中で20分に渡り、次いで95〜100℃の温度で10分に渡り乾燥キャビネット中で乾燥させた。冷却したプレートにアセトン中のニンヒドリンの0.25%溶液をスプレーし、5分に渡り空気中で乾燥させ、次いで95〜100℃で5分に渡りある温度で乾燥させる。
【0075】
試験溶液のクロマトグラム上、メインのスポットに加え、ピンク色のスポットの存在が許容可能であり、それはサイズ及び色の強度において参照溶液のクロマトグラム上のスポットを越えない(それぞれ5%又は1%を超えない)。
【0076】
ニンヒドリンの0.25%溶液の調製
0.25gのニンヒドリンを100mlのメスフラスコに入れ、20mlのアセトンに溶かし、目標体積にして撹拌した。この溶液は使用のために新鮮に調製されるべきである。
【0077】
実施例4
HIV-1に関してヒトリンパ芽様細胞のモデルに対する式(I)の化合物の抗ウィルス活性を評価すること。
細胞再接種ヒトリンパ球芽様細胞MT-4を使用した。この細胞を、10%の胚血清及び100μg/mlのゲンタマイシンを伴うRPMI1640培地1mlあたり3.0〜5.0×105個の細胞の濃度において培養した。細胞の生存率をトリパンブルーの0.4%溶液の色から測定した。
【0078】
ウィルス.ウィルスの源について、Ivanovskii Institute of Virology, Rossian Academy of Medical Scienceにおけるヒト免疫欠損ウィルスのコレクションに由来するHIV-1889Aの系統を使用した。
【0079】
Glaxo Wellcome(イギリス)によって生産されたRetrovir(アジドチミジン)をポジティブコントロールとして使用した。
【0080】
抗ウィルス活性の測定.
製剤の抗ウィルス活性をプラスティック24細胞プレートにおけるリンパ球芽様細胞のモデルにより調査した。このウィルス投与量は100TCD50(50%組織細胞変性用量)であった。培養物を37℃、5%CO2、98%湿度の雰囲気下5〜7日に渡り、結果を報告する時までインキュベートした。製剤の活性を、細胞培養物においてウィルスが誘導する細胞傷害性作用(CPA)の阻害及び免疫酵素学的分析による培養流体中のウィルス抗原量から測定した。
【0081】
ウィルスCPAに由来する細胞の完全保護は、1μg/mlの製剤(フラーレン−ポリアミノ−プロパン酸)の所定の用量において顕著だった(表2)。これらの濃度において、細胞に対する製剤の細胞毒性作用は検出されなかった(表3)。培養培地中でウィルスの消滅が生ずる製剤の濃度を決定した(表5)。製剤を投与する様々なスキームを研究した(表7.1及び7.2)。アミノカプロン酸もPEG(表8)のどちらもかかるHIV阻害効果を有さなかった。
【0082】
HIV-1感染リンパ球の培養物における生合成プロセスに対する式(I)の化合物の影響を、12.5%PAAG中のタンパク質及び核酸の、硝酸銀染色を伴う電気泳動により研究した。培養後、細胞を遠心によって沈殿させ、そしてトリス、pH8.0、EDTA、トリトンX305、PMSFを含む溶液中に配置した。結果を出発培養物、ウィルス感染培養物において並びに感染していない細胞に対する作用下1、10及び100μg/mlの濃度における製剤の存在下及びHIV感染細胞に対する作用下1、10μg/mlの濃度において製剤の存在下、96時間の間、タンパク質−核酸プロファイルの変化から評価した(図6)。
【0083】
他のフラーレン誘導体:フラーレン−ポリアミノ−酪酸及びフラーレン−ポリアミノ−オクタン酸のナトリウム塩は、フラーレン−ポリアミノ−カプロン酸と比較して、HIV-1に対して低い抗ウィルス活性を示した(表8及び9)。
【0084】
実施例5
HSV-1に関してアフリカミドリザル細胞(VERO)及びヒト胚繊維芽細胞(M-21)の再接種培養物のモデルに対する式(I)の化合物の抗ウィルス活性を評価すること。
細胞.Ivanovskii Institute of Virology, Rossian Academy of Medical Scienceの組織のコレクションから獲得したアフリカミドリザル腎臓細胞(VERO)及びヒト胚繊維芽細胞(M-21)の再接種培養物をこの調査において使用した。
【0085】
ウィルス.VERO細胞中で複製した単純ヘルペスウィルス、1型、系統L2をこの調査において使用した。
【0086】
AZTアシクロビルをポジティブコントロールとして使用した。
【0087】
細胞毒性作用の調査.製剤(フラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩)を、500及び1000μg/mlの濃度で、単層形成の段階における感染していない細胞の培養培地中へと導入した。調査培養物の3日検査では、培養物は、調査された物質の細胞破壊作用が明らかにならなかった。
【0088】
フラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩の1.0、10、及び50μg/mlの濃度における保護効果を、100TCD50のウィルスの感染用量におけるウィルスによる培養物の感染後30及び60分に製剤を導入することによって研究した。獲得した結果は、製剤が、細胞培養物の感染の48時間後、HSV-1の細胞破壊作用からのVERO及びM-21細胞の完全保護を供したことを示す。検査のこの期間中、化合物の作用を受けていないコントロールの感染培養物を試験し、細胞の100%の死を確認した。10-4M〜10-2Mの濃度におけるPEG及びアミノカプロン酸の存在下で、HSVからの細胞の保護は確認されなかった。
【0089】
式(I)の化合物は、アミノ酸基に依存して、HSV-1に対して様々な抗ウィルス活性を有する(表10)。
【0090】
実施例6
細胞培養物におけるHSVが誘導する感染症の実験モデルに対する式(I)の化合物の抗ウィルス活性を評価すること。
我々の仕事において、遺伝子型1bに属するC型肝炎ウィルスの細胞病原性系統を使用した。この系統を、慢性のC型肝炎を患う女性患者の血清から単離して、C型肝炎ウィルスとして同定した。50/20μlの10TCDに等しい感染用量のHSVをこの調査において使用した。
【0091】
調査を、Ivanovskii Institute of Virology, Rossian Academy of Medical Scienceの研究室で行った。
【0092】
「Narva」社(ロシア)から獲得したHSVの病原性作用に対して非常に感受性である、再接種ブタ胚腎臓細胞(SPEV)の培養物を使用した。この培養物を、24細胞プラスティックプレート上で増殖させた1日単層細胞の形態において使用した。SPEV細胞の培養物を、10%の胎児ウシ血清を有する培地199上でグルタミン及び抗生物質の添加(100U/ml)を伴い増殖させた。
【0093】
ウィルスの残留感染力を滴定するために、同じ系統のブタ胚腎臓細胞(SPEV)を使用した。
【0094】
製剤、即ち、フラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩の培地199上での100μg/ml以下の様々な希釈物をこの実験において使用した。製剤の抗ウィルス活性を研究するために、製剤を様々な濃度においてSPEV細胞培養物へと、24細胞プラスティック培養プレートにおける細胞に対するC型肝炎ウィルスによる感染のとき及び感染の24時間後に導入した。
【0095】
HSVによる感染をした及び感染していないSPEV細胞を当該感染後の第7日において研究した。
【0096】
HSVの残留感染活性を特定するために、培養流体のサンプルを感染した細胞の製剤による処理の3日後にプレート細胞から採取し、そしてSPEV細胞培養物上で滴定した。HSVの感染活性を、感染後第6〜7日後における滴定の結果から考慮し、ウィルスの最大細胞病原活性が進行した場合、C型肝炎ウィルスの力価を計算するためのRid及びMench式を適用する。
【0097】
獲得した結果は、製剤が、100μg/mlまでの濃度においてSPEV細胞培養に対する細胞毒性を有さないことを示す(表11)。
【0098】
濃度100μg/mlの製剤は、感染後第7日おいてHSV感染細胞の100%生存を供した(表12)。同じ条件下で、Reaferonumも100%の細胞生存率を誘導した。
【0099】
同時に、10TCD50/細胞の用量においてHSVにより感染した細胞培養物において、30〜40%の単層に影響を及ぼした細胞病原性現象は、既に第4日までに進行し、そして、原則的に、第7日までに全てのHSV感染細胞は死んだ。
【0100】
製剤は、HSV感染細胞を当該製剤で処理した場合においても、感染の24時間後に類似の活性を示した。しかし、製剤は、ウィルスと同時に投与された場合に最大抗ウィルス活性を有する:SPEV細胞培養物におけるウィルス力価は、100μg/mlの製剤濃度において7.4lg及び50μg/mlにおいて3.0lgに迄低下した(表13)。
【0101】
実施例7
ヒト上皮ガンの再接種細胞の増殖に対する式(I)の化合物の影響。
我々の実験において、我々は、14継代Hep2細胞、即ち、ヒト上皮ガンの再接種細胞を使用した。
【0102】
増殖培地は、DMEM+グルタミン+抗生物質+5%FBS(ウシ胎児血清)を含んだ。支持培地は、アミノ酸及びビタミン+グルタミン+抗生物質+10%ウシ血清を伴うDMEM/二ードルであった。
【0103】
フラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩の例による細胞培養物の生合成プロセスに対する製剤の影響を調べることで、製剤は研究した濃度10、50及び100μg/mlにおいて、Hep2細胞の増殖の顕著な効果を生じたことが示された。かかる影響の効果は100μg/ml濃度において第7日で最も顕著であり:単層に不連性が現れ且つ多くの細胞集合体が培養培地中にあった。
【0104】
単層を500μlの体積の培地におけるガラスプレートから取り出した。細胞を200μlから沈殿させ、溶解バッファー中で再懸濁させ;タンパク質の電気泳動を12.5%PAAGにおいて行いクマシ染色を伴った。
【0105】
タンパク質プロファイルの強度の減少が、コントロールと比較して、製剤の研究した濃度において第2日に確認され、そして最も劇的に第7日で確認された。このことは、製剤の存在における細胞の有糸分裂活性の阻害が理由で細胞の数が減少したことの兆候でありうる。製剤の作用の7日目に、コントロールと比べてDNAの数の減少が確認された。DNA断片化の存在に関するチェックにより、その不在が確認された。即ち、アポトーシスの兆候は検出されなかった。
【0106】
我々は、細胞内生合成プロセスに対する製剤の影響を証明するために、Hep2細胞におけるFas-抗原mRNAの合成及び成熟を分析した。Fas-抗原は、プログラムされた細胞の死、即ちアポトーシスのシグナルのレセプタータンパク質であり且つ2つの形態:膜形態及び可溶性形態において存在しうる。製剤の存在下で、Fas-抗原mRNAの代替形態の再分布が生じ、これは製剤の、Hep2細胞における生合成プロセスに対する転写レベルでの影響の表れであり;しかし再構築は、Fas-依存性アポトーシスの脆弱さがないことの表れである(図8)。
【0107】
実施例8.
本発明の投与形態の例として、以下の製剤を提示する:
直腸座薬、その製剤は、式(I)の化合物を0.1〜200mg、通常は5〜20mg、最大で10%のプロピレングリコール、及び最大で2gの親油性塩基を含んで成る。
カプセル:式(I)の化合物を0.1〜1000mg、通常は50〜200mg、デンプン又はその代替物をカプセルを満たすために必要な量。
注射のための溶液は式(I)の化合物を0.1〜1.0%の体積、通常は0.5%;塩化ナトリウム850g;塩化カリウム30mg注射のための水、最大100mlを含んで成る。
【0108】
実施例9
1981年に生まれた男性患者Aは、以前抗ウィルス製剤を受けていなかった。2003年の8月以来、疾患の段階3Aが確立された。診断があった:それはサイトメガロウィルス(CMV)感染、潜在経過、口腔のカンジダ病及び尿管のカンジダ病、単純ヘルペス、再発経過についてである。初期研究室分析データ:血清中のRNAの数は120000コピー/mlであり、リンパ球におけるウィルス力価は1:8に等しく、T4-リンパ球の量は59mm3であり、HIV-1に対する抗体の存在である。患者はすすんで本発明の製剤により治療された。治療を以下の計画で行った:第1月−製剤(フラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩)を20mgの直腸座薬の形態において、3月間1日1座薬で投与する。
【0109】
1980年に生まれた男性の患者はV、2003年8月以来のHIV感染症の段階3Aが証明された。生殖器、鼠径及び臀部領域の病巣を伴いヘルペス感染症が広がった。口腔のカンジダ症。CMV感染症の潜在経過。付随する疾患:慢性のB型肝炎の統合形態。初期研究室データ:血しょう中RNA数は140000コピー/mlであり、リンパ球におけるウィルス力価は1:4に等しく、T-4リンパ球の量は、163mm3であり、T−指数は0.6に等しく、リンパ球の総量は、0.53×10-6/mlであり、HIV-1に対する抗体の存在であり、それらは疾患に関する結論を導くことを可能にする。患者はすすんで本発明の製剤により治療された。治療を以下の計画で行った:20mgの直腸座薬の形態において、3月間1日1座薬で投与する。この患者の臨床分析のデータを表14に示している。
【0110】
本発明の製剤の使用は、患者の症状の改善を示す。
【0111】
【表1】

【0112】
【表2】

【0113】
【表3】

【0114】
【表4】

【0115】
【表5】

【0116】
【表6】

【0117】
【表7】

【0118】
【表8】

【0119】
【表9】

【0120】
【表10】

【0121】
【表11】

【0122】
【表12】

【0123】
【表13】

【0124】
【表14】

【0125】
【表15】

【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】NOCOLET EZ OMNICソフトウェア,USAを伴うNICOLET「AVATAR320-FT.IR」IRスペクトロメーター,USAに記録されたフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩のスペクトルを示す。
【図2】2.1は、NOCOLET EZ OMNICソフトウェア,USAの助けを伴うIRスペクトロメリー技術によりフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩の信頼性を確認(フラーレンコアの存在)をする;2.2は、NOCOLET EZ OMNICソフトウェア,USAの助けを伴うIRスペクトロメリーによりフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩の信頼性を確認(アミノカプロン酸)をする。
【図3】NOCOLET EZ OMNICソフトウェア,USAを伴うNICOLET「AVATAR320-FT.IR」IRスペクトロメーター,USAに記録されたフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩のサンプルのIRスペクトル及び吸収バンドを示す。
【図4】NOCOLET EZ OMNICソフトウェア,USAを伴うNICOLET「AVATAR320-FT.IR」IRスペクトロメーター,USAに記録されたフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸及びフラーレン−ポリアミノ−酪酸のナトリウム塩のサンプルのIRスペクトル及び吸収バンドを示す。
【図5】式(I)の化合物のTLCを示す。フラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩のサンプル(ACA-15、ACA-21、ACA-22−合成物のナンバーを示している)についてRf=0.82、0.71、0.47の3つのスポットが示され、フラーレン−ポリアミノ−酪酸(ABA)のナトリウム塩について−Rf=0.47、フラーレン−ポリアミノ−オクタン酸(AOA)のナトリウム塩について−Rf=0.82であり、フラーレンは開始点に残っていた。
【図6】HIV-1と感染したヒトリンパ球胚芽様細胞の培養における生合成プロセスに対する、96時間の、式(I)の化合物の影響を示す。以下の培養物タンパク質の電気泳動グラム(erectrophoregram)を示した: a)感染していない培養物; b)HIV-1感染培養物; c)1μg/mlの濃度における製剤(フラーレン−ポリアミノ−カプロン酸)の存在下での感染していない細胞; d)1μg/mlの濃度における製剤を伴うHIV-1感染細胞; e)10μg/mlの濃度における製剤の存在下での感染していない細胞; f)10μg/mlの濃度における製剤を伴うHIV感染細胞。
【図7】式(I)の化合物(フラーレン)とアシクロビルの作用の比較を示す:1型ヘルペスウィルスの細胞変性作用からのVERO細胞(A)及びM21細胞(B)の保護である。10、50、100μg/mlの濃度において使用したフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩についてこのような結果を獲得した。
【図8】ヒト上皮ガン細胞Hep2の再接種培養物に作用する10、50、100μg/mlの濃度におけるフラーレン−ポリアミノ−カプロン酸のナトリウム塩を伴うFas−抗原の膜形態(a)及び可溶性形態(b)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜ウィルス複製を阻害するための製剤であって、一般式:
C60Hn[NH(CH2)mC(O)O]n
(式中、C60はフラーレンコアであり、
NH(CH2)mC(O)O-はアミノカルボン酸アニオン、
mは整数、好適に3及び5、最も好適に5であり、
nは整数2〜12、好適に4〜6、最も好適に6である)
のフラーレンポリカルボン酸アニオンの水溶性化合物を含んで成ることを特徴とする製剤。
【請求項2】
膜ウィルス複製を阻害するための製剤を生産する方法であって、ナトリウム又はカリウム塩の形態にあるアミノ酸をフラーレンのo−ジクロロベンゼンの溶液中へと導入し、次いで、酸化ポリエチレン、分子量が150〜400以上のポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコールの、ジメチルエーテル又は18−クラウン−6の群から選択された可溶化剤を加え:ここでアミノ酸の量は、フラーレンの50倍超であり、そして合成を60〜80℃の温度で行うことを特徴する、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
有効な量における請求項1に記載の製剤及び医薬的に許容できる充填剤を含むことを特徴とする、膜ウィルス複製を阻害するための医薬組成物。
【請求項4】
錠剤、カプセル、注射のための溶液、座薬の形態で調製されることを特徴とする、請求項3に記載の膜ウィルス複製を阻害するための医薬組成物。
【請求項5】
膜ウィルス複製を阻害するための方法であって、請求項3又は4に記載の医薬組成物を、HIV、ヘルペスウィルス、C型肝炎ウィルスによって生じた疾患を治療するために使用することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−522082(P2007−522082A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517009(P2006−517009)
【出願日】平成16年5月31日(2004.5.31)
【国際出願番号】PCT/RU2004/000208
【国際公開番号】WO2004/112804
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(505473802)
【Fターム(参考)】