説明

膜フィルターのための化学洗浄

供給側および透過側を有する多孔質高分子膜を洗浄する方法であって、洗浄剤を含んで成る流体を膜の透過側に対して導入する工程、ならびに、洗浄剤と膜の透過側とを所定の時間接触させ、洗浄剤と膜孔とを接触させる工程を含んで成る方法。あるいは、供給側および透過側を有する多孔質高分子膜を洗浄方法であって、洗浄剤を含んで成る流体を膜の供給側に対して導入する工程、洗浄剤を含んで成る流体が膜の供給側から透過側へと移動するように、膜間圧を加える工程、ならびに、洗浄剤と膜の透過側とを所定の時間接触させ、洗浄剤と膜孔とを接触させる工程を含んで成る方法。好ましくは、供給側流体と、洗浄剤を含んで成るルーメン側の流体との濃度勾配に起因して、洗浄剤が供給側の流体中へと拡散する。溶解した固形分および非溶解性固形分が存在する場合、それらが膜孔から除去されるように、透過側にて洗浄剤を含んで成る流体に対して圧力を加えてもよい。圧力は、間欠的に加えてもよく、また、圧縮空気に起因して膜のバブルポイント以下となっている。本発明の方法は逆洗に先行して行ってよく、あるいは、本発明の方法を実施した後に逆洗を行ってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜装置に使用するのに適した洗浄方法に関する。より詳細には、本発明は、水濾過用途に使用される精密濾過膜または限外濾過膜を洗浄する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
精密濾過膜フィルターおよび限外濾過膜フィルターは、都市の飲料水および廃水を処理する用途に用いられているが、そのような精密濾過膜フィルターおよび限外濾過膜フィルターの使用は増加している。典型的には、精密濾過または限外濾過の操作では、濾過時の主たる推進力が膜間圧(TMP)となっている。濾過プロセスが進行して、濾過される水が膜を通過するにつれ、ほとんどの固形汚染物質が膜面(または膜表面)に保持される。その結果、ファウリング層が形成されたり、孔が塞がったりする。これにより、濾過が阻害され、膜間圧が著しく増加し、最終的には濾過エネルギー消費の増加につながってしまう。
【0003】
濾液または気体(もしくはガス)を用いて繰り返して逆洗を行うことによって、膜の透過特性が部分的に回復するものの、ファウリング物質は膜面および孔内に依然蓄積したままとなっている。一連の逆洗では、全ての蓄積材料を除去することができないので、フィルターの透過特性は経時的に低下することになる。
【0004】
化学洗浄剤の使用により助力された洗浄手順は、既知である。化学洗浄方法を選択する一般的な基準は、まず第1に、膜の透過特性が良好に回復できるものであること、第2に、必要とされる化学洗浄剤量を最小にできること、つまり、それによって生じる廃液量を最小にできること、第3に、操作が容易であることである。
【0005】
ある洗浄方法では、膜を一時的に化学洗浄溶液に浸漬させる。この場合、化学反応に起因して、膜面に蓄積している又は孔に詰まっている固形分が溶解することになる。空気を注入して膜を洗い流したり、あるいは、化学溶液を再循環させることによって、洗浄効果は促進される。このような洗浄方法は、膜性能を十分に化学的に回復させるために現在一般的に用いられているものの、多量の化学溶液を必要とし、化学廃棄物が多量に生じるという問題を伴う。
【0006】
透過特性の低下を制御する他の試みとして、膜フィルターを短い化学洗浄(メンテナンス洗浄)に繰り返し付すことである。このようなプロセスを実施するための方法の1つが米国特許第5403479号に開示されている。洗浄溶液は中空繊維膜のルーメン(lumen)内に導入され、洗浄溶液を膜のバブルポイント以下の圧力の遅い流れでもって循環させる。洗浄溶液は、小さい膜間圧および低い流速の条件下で膜孔を通過することになる。米国特許第5403479号では、流体が加圧下にあるものの流速がない状態で繊維内に保持される場合であっても、膜を通過するように洗浄溶液が拡散し得ることを示唆している。洗浄の間では、膜を水に浸漬している。かかる方法では、化学溶液の貯留量は、透過液ラインを満たす程度に十分であって、かつ、再循環に必要とされる程度となっていることが求められる。循環プロセスに際しては、化学溶液の増加分がルーメン側から供給側へと膜孔を通過することになる。
【0007】
膜洗浄を行う別の方法として、日本国特許第09313902号および米国特許第6045698号に開示されているように、化学洗浄剤を用いて膜を繰り返して逆パルス(backpulsing)に付す方法がある。浸漬膜システムを化学洗浄逆洗(chemical cleaning backwash)する同様な方法は、米国特許出願20010052494A1号、同20030146153A1号、同20040007525A1号、PCT国際出願第0108790A1号および米国特許第6547968号に開示されている。化学洗浄逆洗は、連続的であったり、又は、間欠的であったりする。また、化学洗浄逆洗は、膜タンクの排出処理を行った後、または、膜タンクの排出処理を行うに際して実施することができる。あるいは、そのような逆洗を実施するに先立って膜タンクの排出処理を行わない場合もあり得る。膜が垂直に設けられている場合、化学溶液は、ポンプによって、膜の頂部のヘッダーを介してシステムへと送られることになる。化学洗浄溶液は、加圧下にて、膜を通過してルーメン側へと移動することになる。繰り返して行われる逆パルスでは、透過液ラインのバイオフィルムが膜へと戻ってしまう場合がある。
【0008】
上述の2番目および3番目に説明した方法は、1番目に説明した方法よりも、使用される化学溶液の量が少ないものの、化学溶液を透過側に導入することに起因して化学溶液が非常に高品質であることが求められ、固形物を含まないことが求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来技術の不利益な点の少なくとも1つを克服すること又は軽減することであり、あるいは、有用な代替手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1要旨として、本発明では、供給側(feed side)および透過側(または透過液が存在する側、permeate side)を有する多孔質高分子膜を洗浄する方法であって、
洗浄剤を含んで成る流体を膜の透過側に対して導入する(または供する)工程、ならびに
洗浄剤と膜の透過側とを所定の時間接触させ、洗浄剤と膜孔とを接触させる工程
を含んで成る方法が提供される。
【0011】
好ましくは、静圧下にて洗浄剤と透過側とを接触させる。
【0012】
第2要旨として、本発明では、供給側および透過側を有する多孔質高分子膜を洗浄する方法であって、
洗浄剤を含んで成る流体を膜の供給側に対して導入する工程、
洗浄剤を含んで成る流体が膜の供給側から透過側へと移動するように、膜間圧を加える工程、ならびに
洗浄剤と膜の透過側とを所定の時間接触させ、洗浄剤と膜孔とを接触させる工程
を含んで成る方法が提供される。
【0013】
好ましくは、膜間圧は小さい差圧である。
【0014】
第3要旨として、本発明では、供給側および透過側を有する多孔質高分子膜を洗浄する方法であって、
供給側の流体と膜の供給側とを接触させる工程、
洗浄剤を含んで成る流体を膜の透過側に対して導入する工程、ならびに
洗浄剤が膜孔に接触し、洗浄剤が供給側の流体中へと拡散するように、洗浄剤と膜の透過側とを所定の時間接触させる工程
を含んで成る方法が提供される。
【0015】
第3要旨では、好ましくは、供給側流体と、洗浄剤を含んで成るルーメン側の流体との濃度勾配に起因して、洗浄剤が供給側の流体中へと拡散する。好ましくは、供給側流体の方の洗浄剤濃度が低い。最も好ましくは、供給側流体に洗浄剤が含まれていないことである。
【0016】
好ましくは、溶解した固形分および非溶解性固形分が膜孔に存在する場合、それらが膜孔から除去されるように、透過側にて洗浄剤を含んで成る流体に対して圧力を加える工程を更に含んで成る。より好ましくは、かかる圧力を間欠的(またはパルス的)に加える。ある1つの特定の好ましい態様では、圧力源が、膜のバブルポイント(bubble point)以下の圧力の圧縮空気となっている。
【0017】
好ましくは、本発明の方法では逆洗を先行して行う(逆洗の後に本発明の方法を実施する)。
【0018】
好ましくは、本発明の方法を実施した後に、逆洗を行い、そして、濾過を再開する。
【0019】
必要に応じて、本発明の方法は定期的(または周期的)に繰り返して実施される。
【0020】
本発明の洗浄方法は、加圧膜濾過システム(pressurized membrane filtration)または浸漬膜濾過システム(immersed membrane filtration)に適用することができる。膜は、精密濾過膜、限外濾過膜またはナノ濾過膜であってよい。また、膜は、キャピラリー膜またはフラットシート膜(flatsheet membrane)であってよい。
【0021】
好ましくは、膜は限外濾過膜または精密濾過膜である。
【0022】
好ましい態様では、本発明の膜が、ルーメン側(透過側)とモジュール側またはシェル側(供給側)とを有する中空繊維膜であり、複数の中空繊維膜がモジュール・ハウジング内に収容されている。
【0023】
より好ましくは、複数の中空繊維膜が束状に整列して配置されている。モジュールは、その端部がポッティングされており、それによって、中空繊維膜内には複数のルーメン空間が形成されると共に、中空繊維の外側またはシェル側には連続空間が形成されている。濾過された流体がルーメン内に溜まり、そして、複数のルーメンからの「濾過された流体」が組み合わされて濾過ストリームが形成されるように、ルーメンは配置されている。
【0024】
流体は水であってよい。
【0025】
第1および第3の要旨では、洗浄剤を含んで成る流体が、中空繊維膜のルーメンに対して導入される。第2要旨では、洗浄剤を含んで成る流体が、膜のシェル側に導入される。好ましくは、洗浄剤を含んで成る流体を、ルーメン内へと移送させる前に、膜のシェル側へと導入するが、その場合、モジュールのシェル側を洗浄剤を含んで成る流体で部分的に満たす。
【0026】
好ましくは、圧力を加えることなく又は僅かに圧力を加えることによって、拡散性洗浄剤を含んで成る流体を膜の透過側にて保持する。僅かに圧力を加えるに際しては、静的ヘッド圧(static head pressure)に略等しい圧力を用いてもよい。
【0027】
洗浄溶液は、従来用いられている洗浄溶液(又は常套の洗浄溶液もしくは通常用いられる洗浄溶液)であってよく、それは、汚染物質源に応じて、酸性、塩基性または中性であってよく、あるいは、酸化力または還元力を有していてもよい。また、洗浄剤が、無機系または有機系の洗浄剤であってよい。好ましい洗浄剤は、塩素などの溶存ハロゲン(または溶解ハロゲン)を含んでいてよく、あるいは、溶存酸化剤もしくは溶存還元剤、例えば亜硫酸塩系の試薬を含んでいてもよい。別法にて、洗浄剤は、クエン酸またはEDTAなどのキレート剤であってもよい。汚染物の浸潤および溶解を容易にするために、洗浄溶液に対して少量の界面活性剤を加えてもよい。
【0028】
膜システムでは、その設計仕様に応じて、化学洗浄剤の望ましい供給は異なる。例えば、ある膜濾過システムでは、化学洗浄剤が膜の供給側へと送られる。その場合、化学溶液調製用の水に対して求められる要件は固形分の点において特に厳しいものではなく、洗浄溶液を何度も再使用することができる。しかしながら、この場合、化学貯留タンクおよび化学移送ポンプが必要となる。かかる移送方法は、大きい膜システムでよく見ることができるものである。他の膜システムでは、化学溶液の体積を更に減じて操作容易性を向上させるために、化学洗浄剤を透過側へと送ることが好ましい。この場合、供給ポンプを用いてもよい。本発明の方法では、供給側への供給またはルーメン側への供給のいずれかがハンドリングされる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
束状にモジュール内に収容される中空繊維から成る高分子精密濾過膜および高分子精密濾過膜に関連して本発明を開示するものの、また、アウトサイド−イン濾過モード(outside-in filtration mode)の加圧膜濾過システムに関連して本発明を開示するものの、そのような態様に本発明は限定されない点に留意されたい。本発明は、例えば、インサイド−アウト濾過モード(inside-out filtration mode)をも包含し得るものである。
【0030】
シェル側またはルーメン側(透過側もしくは濾液側)に洗浄剤を加えるメンテナンス洗浄(膜洗浄)の手順について幾つか試験を行い、それらの比較を行った。メンテナンス洗浄法及びかかる方法の性能について以下で説明を行う。
【0031】
メンテナンス洗浄を実施する前には、逆洗が行われることが好ましい。中空繊維膜の逆洗では、例えば、気体圧(もしくはガス圧力)に起因して又は更なる液体による移送に起因して、液体がルーメン側から膜を通過するように移動することになる。逆洗プロセスの一部として、シェル側にて排出処理を施してよい。あるいは、シェル側にて排出処理を部分的に施してよい。更には、洗浄溶液が導入される前の逆洗に際して、シェル側を液体で満たしてもよい。
【0032】
逆洗を実施するために行われる通常の方法では、まず、濾過排出(もしくは「濾過して下方へと排出すること」、filtering down)又はドレイン排出(もしくは「下方へと排出すること」、draining down)が行われる。濾過排出がより好ましい。例えば、膜のバブルポイントよりも低い圧力の圧縮空気(シェル側へと流入する圧縮空気)を、シェル側液体が膜を通過してルーメン内へと移動するための濾過駆動力として用いることによって、濾過排出を行うことが好ましい。濾過排出は、シェル側の液体レベルが、シェル側の液体保持容量の少なくとも半分未満となるまで行われる。洗浄前に逆洗を行わない場合、濾過排出は、メンテナンス洗浄の初期工程として実施される。好ましくは、シェル側の液体レベルは、圧縮空気を用いて濾過排出を実施できる程度の下限レベルにまで低下させる。大抵の場合、下方モジュール・ポッティングよりもわずかに上方の位置に達するまで低下させる。濾過排出は、シェル側の体積が大きく減少することを意味しており、それゆえ、シェル側にて排出処理することなくメンテナンス時の洗浄溶液をシステム内に供することができる。浸漬膜濾過システムでは、濾過排出の実施に際して圧縮空気を必要としない。
【0033】
ドレイン排出または濾過排出の後、液体による逆洗を実施することができる。好ましくは空気洗浄(air scouring)と共に液体による逆洗を実施する。液体による逆洗は種々の方法で実施することができる。空気押圧を利用した逆洗(air pushed backwash)が好ましくは用いられる。膜のバブルポイントよりも低い圧縮空気がルーメン内へと入れられ、濾過方向とは逆の方向に膜を通過するように濾液を押圧する。濾過または濾過排出の終了時点でルーメン内に保持されている濾液のみが逆洗に使用される。逆洗の後、ルーメン内を空にするので、化学洗浄溶液を受け入れるための準備が整うことになる。
【0034】
メンテナンス洗浄時の膜は、通常、ファウリング物質から成る層で覆われており、場合によっては膜孔の幾つかが閉塞している。逆洗は、孔の閉塞およびファウリング層を部分的に除去して、膜面のより多くの部分に洗浄溶液を到達させることを可能にする利点を有している。メンテナンス洗浄が逆洗無しに行われる場合、洗浄溶液は、閉塞してない通路(膜面におけるファウリングが少なく、閉塞されていない膜孔に起因して存在する通路)を介して膜を優先的に通過できる。空気圧が十分である場合、ルーメン内の濾液は相応な速度で膜孔を通過するので、膜面のファウリング物質が除去され、閉塞された孔の一部が開口することになる。これによって、化学溶液が導入されると、膜面のより多くの部分に化学溶液が到達できるようになる。
【0035】
メンテナンス洗浄に先立って行われる逆洗の終了時では、シェル側の液体を排出したり、あるいは、逆洗浄のプロセスの一部としてシェル側の液体を保持してもよい。先行する濾過排出によってシェル側の液体体積が減少するので、逆洗シーケンスの終了時にてドレイン排出を行わない場合であっても、一般的には、メンテナンス洗浄前のシェル側液体体積はシェル側の全液体保持容量の半分未満になる。尚、メンテナンス洗浄前のシェル側液体のドレイン排出は任意に行ってよい。
【0036】
別法にて、メンテナンス洗浄に先立っては、膜を逆洗浄しなくてもよい。その場合、メンテナンス時の洗浄溶液の供給に先立ってシェル側体積が減少するように、シェル側を濾過排出したり、あるいは、ドレイン排出したりする。
【0037】
選択される特定の方法に応じて、化学溶液が、シェル側に供されたり、あるいは、透過側(ルーメン側)に供されたりする。更には、化学溶液のシェル側への供給と透過側への供給との双方が順次行われてもよい。尚、化学溶液のシェル側への供給は、好ましくは、下方CIPマニホールド(CIP:定置洗浄)を介して行われる。また、化学溶液の透過側(ルーメン側)への供給は、好ましくは、下方濾液/CIPマニホールドを介して行われる。
【0038】
本発明の方法では、場合によって生じ得る「負の膜間圧」が最小限になるように、ルーメン側への化学物質供給に際する溶液流速は低いことが好ましい(モジュール・サイズによって変わるが、単位モジュール当たり0.1〜4m/hの溶液流速であることが好ましい)。特定の供給方法によって変わるが、洗浄時に使用される洗浄溶液の最大体積は、せいぜいルーメン体積程度であるか、あるいはせいぜいシェル体積程度であるか、またはその双方の体積(パイプの保持容量または波打つ部分の体積も含む)程度である。このことは、化学溶液の消費を制御するのに特に重要である。
【0039】
洗浄溶液の移送は、適当な流体と接続されている既存のポンプ(例えば、プラントに用いられているCIPポンプ)を用いて行うことができる。洗浄溶液をルーメン側に主に供す場合、洗浄溶液の使用量は非常に少ない。この場合、封止された貯留タンクに洗浄溶液を貯留することができる。また、洗浄溶液が貯留タンクから中空繊維膜のルーメン内へと押圧されるように、圧縮気体(または圧縮されたガス)を移送ツールとして用いてもよい。かかる利点は、貯留タンクに流体レベル・センサーが取り付けられている場合または貯留タンクの容量が全ルーメン体積と同じである場合、システムへと送られる溶液の体積についての制御は相当にシンプルにできる。
【0040】
洗浄溶液が一旦システムへと送られると、CIPポンプを停止し、気体圧源が除去される。所望の場合、洗浄に使用される化学物質(もしくは化学薬品)に応じて、上方マニホールドを介してシェル側およびルーメン側を浸漬に際してベント(vent)してよく、または、浸漬に際して定期的にベントしてもよい。ベントする場合、化学物質が混合されるように、また、化学物質と膜との接触が促進されるように、シェル側で曝気処理(または通気処理)を施してもよい。溶液が透過側(ルーメン側)に供される場合、溶液が膜壁を通るように拡散してシェル側に到達する際にしてシェル側を曝気処理してよい。溶液は膜孔を通過するように拡散し、シェル側(液体が殆ど又は全く存在しないか、あるいは、溶液中の洗浄剤の濃度が低い)へと到達することになる。
【0041】
シェル側およびルーメン側の双方が満たされている場合、化学洗浄剤は、濃度勾配にのみ起因して、膜孔内へと拡散する。膜孔は、所定の時間、溶液に浸される。具体的には、溶液に浸される時間は、典型的なメンテナンス洗浄では好ましくは30秒〜20分であり、十分な化学洗浄を行う場合では、それによりも長い時間である。所望の場合、上方マニホールドを介してシェル側およびルーメン側を浸漬に際してベント(vent)してよく、または、浸漬に際して定期的にベントしてもよい。ルーメン側またはシェル側での蒸発に起因する水分(もしくは湿気)の損失は非常に少なく、膜孔は洗浄溶液によって濡れた状態に保持されている。
【0042】
所望の場合、濾過を再開するに先立って、逆洗を実施し、残存する洗浄溶液をシステムから除去してもよい。
【0043】
方法1:膜のシェル側を化学洗浄溶液で部分的に満たす方法
かかる方法では、化学溶液をシェル側へと流入させる。好ましくは下方供給マニホールドを介して化学溶液をシェル側へと流入させる。ここで、全てのシェル出口バルブを「閉」にした状態で化学溶液をシェル側へと流入させるので、かかる流入がデェッドエンド濾過モードで行われ、洗浄溶液がルーメン側へと送られることになる。洗浄溶液を透過側へと押圧するのに圧力が十分に高くない場合、圧縮気体を注入することによって、膜間圧を付加的に加えることができる。例えば、圧力濾過プロセスで見られる場合のように、または、吸引によって、膜間圧を付加的に加えることができる。更には、浸漬膜濾過プロセスで見られる場合のように、膜間圧を付加的に加えてもよい。シェル側は、膜洗浄溶液で部分的に満たされる。シェル側へと送られる溶液の最小移送量は、「ルーメン体積+濾液マニホールド体積」よりも僅かに多い量である。かかる方法における化学物質および濾液の消費量は、シェル側が化学溶液で満たされる常套の洗浄の場合よりも相当に少ない量である。
【0044】
かかる方法の第1工程では、好ましくは、逆洗した後、シェル側およびルーメン側の双方が空にされる。洗浄溶液は、下方CIPバルブを介してシェル側へと流入させる。しかしながら、シェル側の上方CIPリターンバルブが「閉」であって、ルーメン側のCIPリターンバルブが「開」である場合、シェル側のCIP溶液レベルが下方ポッティング・レベルよりも上方となると、シェル側の圧力に起因して、CIP溶液がルーメン側へと流入することになる。また、シェル側液体レベルよりも上方には、圧縮空気のエア・ポケット(air pocket)が形成される。シェル側の圧力に応じて、CIPポンプは短い時間だけ運転することができ、その場合、エア・ポケットからの圧力に起因して、溶液がルーメン側へと継続的に押圧されることになる。必要に応じて、膜間圧を付加的に供してもよい。シェル側へと流入させる前に行われる溶液混合に応じて、膜洗浄溶液を濾過してルーメンを満たしてよく、あるいは、かかる濾過を延長して、溶液の一部をCIPタンクもしくは再循環パイプ・ループへと戻してもよい。別法にて、圧縮空気によって、CIP溶液をシェル側内へと押圧してよく、それによって、CIPポンプの短い運転サイクルを省くことができる。
【0045】
ルーメン側が化学溶液で満たされた後、シェル側およびルーメン側のベントバルブを「開」にして均圧化が行われる。ルーメン側の圧力がシェル側の圧力に近づいた後では、ルーメン側のベントバルブを「開」、「閉」または「定期的に開」にしつつ、シェル側のベントバルブを「開」することによって、拡散プロセスを制御することができる。ルーメン側のベントバルブを「定期的に開」にする場合、浸漬の初期段階にて僅かに短い間、バルブを開くことが好ましい。全浸漬の間、ルーメン側を1〜10回(各回につき1秒〜10分)ベントしてよい。ルーメン側の溶液は膜を通過するようにゆっくりと拡散することになる。ルーメン側のバルブを「開」にする場合、かかる拡散プロセスは、ルーメン側の静圧によって助力される。膜は部分的にしか溶液に浸漬していないものの、キャピラリー効果(または毛管作用)に起因して、膜壁内にて溶液が保持され易くなっている。
【0046】
必要に応じて、後処理として曝気処理を行ってもよい。かかる曝気処理によって、溶液によって弛んだ(loosed)又は除去された汚染物が浮遊し易くなる。
【0047】
上述のようにルーメンを満たして逆拡散を行う手法は、必要に応じて、より高い洗浄効率を達成すべく繰り返して行ってもよい。
【0048】
また、浸漬の後、後処理として膜洗浄の逆洗を必要に応じて行ってもよい。十分な逆洗を行うことが好ましく、その最後に、シェル側の化学廃液を十分に排出してもよい。好ましくは、シェル側から排出される膜洗浄用の化学物質は、CIPタンクに送って再使用する。
【0049】
その後、濾過を再開する。
【0050】
従来技術の常套の洗浄方法では、典型的には、1)シェル側が化学溶液で十分に満たされ、2)化学溶液が短い時間で濾過され、3)膜の浸漬が行われ、4)生じる化学廃液が排出される。上述の方法1は、化学物質および化学廃液の体積量を相当に減少させることができ、典型的には50%よりも多い割合で化学物質および化学廃液の体積量を減少させることができる。ルーメンを満たして逆拡散を繰り返して行う手法では、更なる化学物質を加えることなく洗浄効率を高めることができる。図1は、シェル側およびルーメン側を空にする方法1を示している。シェル側を洗浄溶液で部分的に満たした後、液体がルーメン内へと通過するように加圧される。
【0051】
方法2:シェル側にて少なくとも部分的にドレイン排出/濾過排出を行い、膜の透過側を化学溶液で満たす方法
かかる方法では、膜ルーメン(透過側)が満たされるように洗浄溶液を供するので、化学物質および濾液の消費量は非常に少ない。
【0052】
かかる手法の第1工程では、上述した方法によって膜を逆洗することが好ましい。これによって、ルーメン側を空にし、シェル側を空または部分的に空にする。そうすることによって、膜のルーメン側は、洗浄溶液を受け入れる準備が整うことになる。膜のルーメン側が逆洗浄で空になっていない場合では、膜ルーメン内に残存する透過液を化学溶液に置き換えるために化学溶液を加圧下で移送しなければならない。
【0053】
その後、ルーメンが、膜の洗浄溶液で満たされる。膜の洗浄溶液をルーメン側へと(好ましくは下方濾液/CIPバルブを介して)導入するために、化学物質供給用ポンプまたはCIPポンプが用いられる。余分な溶液は、CIPタンクへと繋がる上方濾液/CIPバルブを介してルーメン側から排出される。化学物質が供される際、シェル側の上方CIPバルブを「開」または「閉」にしてよい。ルーメンを化学溶液で満たす際、シェル側のベントバルブを「開」にして、ルーメン側のベントバルブを「開」、「閉」または「定期的に開」にしてよい。ルーメン側のベントバルブを「定期的に開」にする場合、浸漬の初期段階にて僅かに短い間、かかるバルブを開くことが好ましい。全浸漬の間、ルーメン側を1〜10回(各回につき5秒〜10分)ベントしてよい。ルーメン側の化学物質濃度とシェル側の化学物質濃度とが等しくなるまで、化学物質の拡散が行われる。
【0054】
シェル側が空または部分的に空になるにつれ、ルーメン側の溶液の一部がゆっくりと膜孔を通過するように拡散する。かかる拡散は、ルーメン側ベントバルブが開かれるとルーメン側の静圧によって助力される。かかるプロセスの間、シェル側およびルーメン側の双方が部分的に空にされるものの、キャピラリー効果に起因して、膜壁内にて溶液が保持され易くなっている。浸漬および拡散のプロセスは、膜が望ましく洗浄されるまで又は洗浄溶液の大部分が消費されるまで、所定の時間実施される。
【0055】
ルーメンを化学洗浄溶液で満たす手法は、必要に応じて、ルーメン側の溶液がシェル側へと拡散して消費された後において繰り返し行ってよい。別法にて、圧縮空気をシェル側へと適用することによって、シェル側へと拡散した溶液を、ルーメン側へと戻してもよい。これは、必要に応じて繰り返し行ってよい。
【0056】
図2は、方法2を示している。シェル側が十分に又は部分的に排出される一方、ルーメン側には溶液が導入される。
【0057】
方法3:膜の透過側を化学溶液で満たし、シェル側を排出処理しない方法
かかる方法は、シェル側を濾過排出しないことを除いて方法2と同様である。固形分を含んだ水がシェル側に残存する場合(図3に示すようにタンクが排出処理されない場合)、化学溶液は、濃度勾配の存在下、膜孔を通過するようにシェル側へと拡散し、拡散速度が、膜のモジュールに沿って比較的均一となる。拡散プロセスは、ルーメン側の化学物質濃度とシェル側の化学物質濃度とが平衡に達するまで継続することになる。
【0058】
ルーメンを化学洗浄溶液で満たす手法は、必要に応じて、ルーメン側の化学物質濃度があるレベルにまで減じた際に繰り返し行ってよい。
【0059】
必要に応じて、後処理として曝気処理を行ってもよい。かかる曝気処理によって、溶液によって弛んだ又は除去された汚染物が浮遊し易くなる。
【0060】
また、浸漬の後、後処理として膜洗浄の逆洗を必要に応じて行ってもよい。十分な逆洗を行うことが好ましく、その最後には、化学廃液を十分に排出する。
【0061】
その後、濾過が再開される。
【0062】
図3は、方法3を図式化したものである。ルーメンは水(または他の流体)およびそこに導入された洗浄溶液で満たされている。洗浄物質は、濃度のより高いルーメン側領域から濃度のより低いシェル側領域へと向かって膜を通過するように拡散する。
【0063】
図1〜3は、種々の方法における配管計装図を示している。
【0064】
図面において、P1は供給ポンプであり、P2はCIPポンプである。P2は、上部に圧縮空気入口を備えた「溶液用の小さい貯留ベッセル」と取り替えてもよい。
【0065】
曝気処理が必要な場合、SV1によって洗浄用空気(scouring air)が供給される。また、SV2によって「圧縮されたドレイン排出空気(compressed draindown air)」が移送され、シェル側での迅速なドレイン排出が助力されたり、濾過排出が助力されたりする。更に、SV3によって「圧縮された逆洗用空気」が移送され、その結果、ルーメンの濾液が膜孔を通過するように、濾過方向とは逆の方向に押圧される。AV1は下方供給バルブであり、AV2は上方供給バルブである。AV4は下方シェル側ドレイン・バルブであり、AV5は上方シェル側リターンバルブである。
【0066】
図1に示す方法1において、洗浄溶液はシェル側へと供される。シェル側は化学溶液で部分的に満たされる。溶液は、TMPの存在下、透過側へと浸透できる。
【0067】
洗浄溶液がシェル側へと移動するようにCIPポンプを始動し、AV7およびAV3を「開」にして、AV5を「閉」にする。シェル側の圧力はゆっくりと増加し、化学溶液の一部が、圧力の存在下、ルーメン側へと浸透することになる。シェル側の溶液レベルが、モジュールの下方のポッティング・ヘッドと、モジュールの中間との間に達したら、又は、膜ルーメンが化学溶液で満たされると、化学物質の供給を停止する。シェル側の圧力が、溶液をルーメン側へと押圧するほどに十分に高くない場合、SV2を介して圧縮空気をシェル側へと注入することができる。短い浸漬の後、透過側の化学溶液がシェル側へと押圧によって戻されるように、逆洗を実施してもよい。好ましくは、ルーメン内に残存する溶液がシェル側へと戻されるように、SV3を介して圧縮空気を導入することができる。
【0068】
方法2および3では、ルーメン側に洗浄剤が加えられる。洗浄剤の供給に際しては、AV9およびAV3の双方を「開」にし、シェル側出口のAV5を「開」または「閉」にする(図2および図3)。化学物質の供給は、透過側が溶液で満たされると停止する。その後、化学溶液は膜孔を通過するように浸透することになる。方法2では、液体の静圧に起因して浸透が行われることになり、化学溶液がシェル側へと戻るように拡散する。シェル側が十分に満たされると、濃度勾配にのみ起因して拡散が行われる(図3)。拡散の後、再度、逆洗を実施することが好ましい。
【実施例】
【0069】
比較試験のため、6個のモジュールから成るMemcor製のCMF−Lパイロットを使用した。濾過プロセスでは、濾過を30分間行った後、気体押圧による逆洗(gas pushed backwash)を行う。このような処理サイクルは、メンテナンス洗浄を実施する前に、数回行う。
【0070】
図4に示すように、膜汚染速度は、膜抵抗の増加から判断できる。30分間濾過を実施すると、膜抵抗が増加する。逆洗によって、膜抵抗を部分的に減少させることができる。しかしながら、逆洗では、膜の透過率は十分に回復せず、抵抗のトレンドは増加し続ける。
【0071】
膜抵抗を更に減じて膜透過率の回復がより好ましいものとなるように、メンテナンス洗浄を実施した。一般的な抵抗トレンドを図4に示す。メンテナンス洗浄の効率は次式で表される:
MC効率=(R−R)/(R−R

式中、Rは、最後の化学洗浄の直後における抵抗
は、最後の逆洗の直後かつメンテナンス洗浄の前における抵抗
は、先行するメンテナンス洗浄の後の抵抗
【0072】
図5は、種々の方法を用いた場合のメンテナンス洗浄効率を示す。
図5のグラフ中、
MC0は、シェル側を洗浄溶液で十分に満たす常套の洗浄方法を示し、
MC1は、シェル側を洗浄溶液で部分的に満たす上述の方法1を示し、また、
MC2は、シェル側でドレイン排出を行い、透過側を洗浄溶液で満たす上述の方法2を示し、
MC3は、シェル側でドレイン排出を行わず、透過側を洗浄溶液で満たさない上述の方法3を示している。
【0073】
図6は、常套の方法と比較した化学溶液の相対的な消費量を示している。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、中空繊維膜のシェル側に溶液が供され、溶液がルーメン側に向かって透過する本発明の態様を示している。
【図2】図2は、最初にシェル側にて少なくとも部分的にドレイン排出/濾過排出が行われた後で、中空繊維膜のルーメン側に溶液が供される本発明の態様を示している。
【図3】図3は、シェル側にて固形物を含む水を保持し、中空繊維膜のルーメン側に溶液が供される本発明の態様を示している。
【図4】図4は、メンテナンス洗浄の試験プロファイルおよび洗浄効率の定義を示している。
【図5】図5は、種々の試験方法における膜性能の回復を示している。
【図6】図6は、種々の洗浄方法における化学洗浄剤の消費量の相対値を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給側および透過側を有して成る多孔質高分子膜を洗浄する方法であって、
洗浄剤を含んで成る流体を膜の透過側に対して導入する工程、ならびに
洗浄剤と膜の透過側とを所定の時間接触させ、洗浄剤と膜孔とを接触させる工程
を含んで成る方法。
【請求項2】
静圧下にて洗浄剤と透過側とを接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
供給側および透過側を有して成る多孔質高分子膜を洗浄する方法であって、
洗浄剤を含んで成る流体を膜の供給側に対して導入する工程、
洗浄剤を含んで成る流体が膜の供給側から透過側へと移動するように、膜間圧を加える工程、ならびに
洗浄剤と膜の透過側とを所定の時間接触させ、洗浄剤と膜孔とを接触させる工程
を含んで成る方法。
【請求項4】
膜間圧が小さい差圧である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
供給側および透過側を有して成る多孔質高分子膜を洗浄する方法であって、
供給側の流体と膜の供給側とを接触させる工程、
洗浄剤を含んで成る流体を膜の透過側に対して導入する工程、ならびに
洗浄剤が膜孔に接触し、洗浄剤が供給側の流体中へと拡散するように、洗浄剤と膜の透過側とを所定の時間接触させる工程
を含んで成る方法。
【請求項6】
供給側流体と、洗浄剤を含んで成るルーメン側の流体との濃度勾配に起因して、洗浄剤が供給側の流体中へと拡散する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
供給側の流体の洗浄剤濃度が、ルーメン側の流体の洗浄剤濃度よりも低い、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
溶解した固形分および非溶解性固形分が存在する場合、それらが膜孔から除去されるように、透過側にて洗浄剤を含んで成る流体に対して圧力を加える工程を更に含んで成る、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
間欠的に圧力を加える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
膜がバブルポイントを有しており、圧縮空気によって膜のバブルポイント以下の圧力を加える、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
先行して逆洗を行う、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
後に逆洗を実施した後で濾過を再開する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
定期的に繰り返して実施する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
多孔質高分子膜が、加圧膜濾過システムまたは浸漬膜濾過システムの一部を成している、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
膜が、精密濾過膜、限外濾過膜またはナノ濾過膜から選択される、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
膜がキャピラリー膜またはフラットシート膜である、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
膜が、ルーメン側(透過側)とモジュール側またはシェル側(供給側)とを有して成る中空繊維膜である、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
複数の中空繊維膜がモジュール・ハウジング内に収容される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
中空繊維膜内に複数のルーメン空間が形成されると共に、中空繊維の外側またはシェル側に連続空間が形成されるように、複数の中空繊維膜を束状に整列して配置しており、
濾過された流体がルーメン内に溜まり、そして、複数のルーメンからの「濾過された流体」が組み合わされて濾過ストリームが形成されるように、ルーメンが配置されている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
流体が水である、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
洗浄剤を含んで成る流体を、中空繊維膜のルーメンに対して導入する、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
洗浄剤を含んで成る流体を、膜のシェル側に対して導入する、請求項19または20に記載の方法。
【請求項23】
モジュールのシェル側を洗浄剤を含んで成る流体で部分的に満たすことによって、洗浄剤を含んで成る流体の膜シェル側への導入を行い、その後、洗浄剤を含んで成る流体をルーメン内へと移送させる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
圧力を加えることなく、拡散性洗浄剤を含んで成る流体を膜の透過側にて保持する、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
静的ヘッド圧に略等しい圧力でもって、拡散性洗浄剤を含んで成る流体を膜透過側にて保持する、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
洗浄溶液が、従来用いられている洗浄溶液である、請求項1〜25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
洗浄溶液が、酸性、塩基性または中性の洗浄溶液である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
洗浄溶液が酸化力または還元力を有している、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
洗浄剤が、無機系または有機系の洗浄剤である、請求項26〜28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
洗浄剤が塩素などの溶存ハロゲンを含んで成る、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
洗浄剤が亜硫酸塩系の試薬である、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
洗浄剤がキレート剤である、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
キレート剤がクエン酸またはEDTAである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
洗浄溶液に対して界面活性剤を添加する、請求項26〜33のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−539054(P2008−539054A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508024(P2008−508024)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【国際出願番号】PCT/AU2006/000552
【国際公開番号】WO2006/116797
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(507053714)シーメンス・ウォーター・テクノロジーズ・コーポレイション (6)
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS WATER TECHNOLOGIES CORP.
【Fターム(参考)】