説明

膜ユニットおよび膜モジュール

【課題】いずれかの膜エレメントが破損した場合、透過液の水質悪化が拡大するのを抑制することが可能な膜ユニットを提供する。
【解決手段】複数台の膜モジュールで構成される膜ユニットであって、隣接する上下の各膜モジュールの集水ケース36a同士が通液部43aを介して連通し、通液部43aは隣接する上位の膜モジュールの集水ケース36a内と下位の膜モジュールの集水ケース36a内とに開口しており、通液部43aに、破損部位から流入して通液部43aを流れる被処理液中の固形分を捕捉する捕捉部材48が設けられ、捕捉部材48は、捕捉した固形分により目詰まりして、通液部43aを閉塞する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば下廃水処理や汚泥濃縮などにおいて固液分離に使用される膜ユニットおよび膜モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の膜ユニットとしては、図23〜図25に示すように、処理槽11内の被処理液12(下廃水等)中に浸漬される複数台の膜モジュール13からなるものがある。各膜モジュール13は、被処理液12を濾過する複数の細長い円筒状の膜エレメント14と、膜エレメント14の一端部を保持する集水部材15と、膜エレメント14の他端部を保持する保持部材16と、集水部材15および保持部材16を取り付けて補強する補強枠17とを有している。
【0003】
集水部材15の内部には、各膜エレメント14を透過した透過液が集められる集水空間18が形成されている。また、集水部材15には、集水空間18に連通する排水ノズル19が設けられている。
【0004】
図23に示すように、複数台の膜モジュール13を上下方向に積み重ねることによって膜ユニット21が形成されている。また、各膜モジュール13の排水ノズル19は透過液(ろ過液)を吸引する排水管22に接続されており、排水管22の下流側には吸引ポンプ23が接続されている。
【0005】
これによると、吸引ポンプ23を駆動して排水管22から吸引して各膜エレメント14の内部を減圧することにより、被処理液12中の汚泥等の固形分が膜エレメント14で捕捉され、各膜エレメント11の外側から内側へ透過した透過液は、集水空間18に集められ、集水空間18から排水ノズル19を通って排水管22へ流れ、処理槽11の外部に排出される。
【0006】
尚、上記のような膜モジュール13からなる膜ユニット21は例えば下記特許文献1に記載されている。
また、別の構成の膜モジュールとして、下記特許文献2には、平行に配設された複数の平板状の膜エレメントと、これら膜エレメントの上方に配設された集水管とを有する膜モジュールが記載されている。膜エレメントは、濾板と、濾板の表面に配置された濾過膜とからなり、内部に透過液流路を有している。集水管は各膜エレメントに直交する方向に配置され、各膜エレメントの上縁部には吸引ノズルが設けられている。集水管と各膜エレメントの吸引ノズルとは複数の吸引チューブを介して連通しており、各吸引ノズル内にはフィルタ(捕捉部材)が設けられている。
【0007】
これによると、各膜エレメント内の透過液流路に吸引負圧を作用させることにより、被処理液が濾過膜を透過して濾過され、濾過膜を透過した透過液が、透過液流路を流れ、吸引ノズルから吸引チューブを通って集水管に排出される。
【0008】
また、いずれかの膜エレメントの濾過膜が破損した場合、未濾過の被処理液が破損した膜エレメント内の透過液流路に流入するが、この際、未濾過の被処理液はフィルタによって濾過されるため、未濾過の被処理液中の固形分が破損した膜エレメントから吸引チューブを通って集水管に侵入することは阻止される。
【特許文献1】特開平2−86818
【特許文献2】特開平8−299712
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら上記図23〜図25に示した従来形式では、例えば、万一、最下位の膜モジュール13の膜エレメント11が破損した場合、被処理液12中の固形分が、破損した膜エレメント11の外側から捕捉されずに内側へ流れ込んで、破損した膜エレメント11の内部から集水空間18に流れ込み、集水空間18から排水ノズル19を通って排水管22へ流入する。このため、最下位の破損した膜モジュール13よりも上位の正常な膜モジュール13によって得られた透過液にも固形分が混入し、膜ユニット21によって得られる透過液全体の水質が悪化するといった問題がある。このように膜ユニット21を構成する複数台の膜モジュール13のうちのいずれかの膜モジュール13が破損すると、破損していない正常な膜モジュール13から得られた透過液の水質も悪化してしまい、透過液の水質悪化が膜ユニット21全体に拡大してしまうといった問題がある。
【0010】
また、上記特許文献2に記載された膜モジュールでは、膜エレメント毎にフィルタを設けているため、膜エレメントの枚数と同数のフィルタが必要となり、膜エレメントの枚数が多い場合、それに応じてフィルタの個数も増加し、コストが上がるといった問題がある。
【0011】
本発明は、いずれかの膜モジュールの膜エレメントが破損した場合、他の正常な膜モジュールからの透過液へ水質悪化が拡大するのを抑制することが可能であり、また、コスト低減を図ることができる膜ユニットおよび膜モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本第1発明は、被処理液中に浸漬された状態で使用され且つ複数台の膜モジュールで構成される膜ユニットであって、
膜モジュールは、被処理液を濾過する1以上の膜エレメントと、膜エレメントに備えられた濾過膜を透過した透過液を集める集液部材とを有し、
少なくともいずれか1台の所定の膜モジュールに、集液部材内の透過液を膜ユニットの外部へ取り出す透過液取出部が設けられ、
互いに隣り合う各膜モジュールの集液部材同士が通液部同士を介して連通し、
通液部は互いに隣り合う一方の膜モジュールの集液部材内と他方の膜モジュールの集液部材内とに開口しており、
通液部に対応して、通液部を流れる固形分を捕捉する捕捉部材が設けられているものである。
【0013】
これによると、膜エレメントの内部を減圧することにより、被処理液中の固形分が膜エレメントの濾過膜で捕捉され、膜エレメントの外部から内部へ透過した透過液は集液部材内に集められる。このようにして集液部材内に集められた透過液は、通液部と捕捉部材とを通って、隣接する別の膜モジュールの集液部材内に流れることが可能となる。これにより、各膜モジュールの集液部材内に集められた透過液は、通液部と捕捉部材とを通って所定の膜モジュールの集液部材内に流れ、所定の膜モジュールの透過液取出部から膜ユニットの外部へ取り出される。
【0014】
また、万一、いずれかの膜モジュールの膜エレメントが破損して、被処理液中の固形分が、破損した膜エレメントの外側から捕捉されずに内側へ流れ込んで、破損した膜エレメントの内部から集液部材内に流れ込んだ場合、上記被処理液中の固形分は通液部を通る際に捕捉部材で捕捉され、固形分が捕捉部材に堆積することで、捕捉部材が固形分によって通液部を閉塞する。
【0015】
これにより、破損した膜エレメントを有する膜モジュール(以下、破損した膜モジュールと言う)の集液部材内から隣接する正常な膜モジュールの集液部材内へ連通する通液部が閉塞され、閉塞後は、破損した膜モジュールの集液部材内の透過液が隣接する正常な膜モジュールの集液部材内に流れ込むことは阻止される。これにより、透過液の水質悪化が膜ユニット全体に拡大するのを抑制することができる。
【0016】
また、隣接した集液部材同士を連通させる通液部に捕捉部材が設けられているため、膜モジュール一台当りの膜エレメントの個数が増加しても、これに応じて捕捉部材の個数を増加させる必要は無いため、コスト低減を図ることができる。
【0017】
本第2発明における膜ユニットは、捕捉部材は、捕捉した固形分が堆積することにより目詰まりして、通液部を閉塞するものである。
本第3発明における膜ユニットは、2台以上の膜モジュールの通液部が透過液取出部として利用されるものである。
【0018】
本第4発明における膜ユニットは、複数台の膜モジュールが直列に接続され、
両端部に配置された膜モジュールの通液部が透過液取出部として利用されるものである。
これによると、一端部に配置された膜モジュールの膜エレメントが破損した場合、その他の正常な膜モジュールの集液部材内に集められた透過液は、通液部を通って、他端部に配置された所定の膜モジュールの通液部から膜ユニットの外部へ取り出される。
【0019】
また、他端部に配置された膜モジュールの膜エレメントが破損した場合、その他の正常な膜モジュールの集液部材内に集められた透過液は、通液部を通って、一端部に配置された所定の膜モジュールの通液部から膜ユニットの外部へ取り出される。
【0020】
また、両端部間に配置されたいずれかの膜モジュールの膜エレメントが破損した場合、その他の正常な膜モジュールの集液部材内に集められた透過液は、通液部を通って、両端部に配置された所定の膜モジュールの通液部から膜ユニットの外部へ取り出される。
【0021】
これにより、破損した膜モジュール以外の全ての正常な膜モジュールから透過液を膜ユニットの外部へ取り出すことができる。
本第5発明における膜ユニットは、通液部同士は、接続部材を介して、互いに隣り合う各膜モジュールの集液部材同士を連通し、
捕捉部材が接続部材に設けられているものである。
【0022】
これによると、互いに隣り合う各膜モジュールの集液部材同士は、接続部材で接続され、接続部材を介して連通する。
本第6発明における膜ユニットは、膜エレメントは、両面に濾過膜を備えた板状又はシート状の平膜型エレメントであり、
集液部材は膜エレメントの周縁に設けられているものである。
【0023】
これによると、被処理液中の固形分は濾過膜で捕捉され、濾過膜の外側から内側へ透過した透過液は集液部材内に集められる。
本第7発明における膜ユニットは、複数台の膜モジュールが上下方向に積層されて接続され、
通液部が集液部材の上下両端部に設けられているものである。
【0024】
本第8発明における膜ユニットは、集液部材が膜エレメントの両側部に設けられているものである。
本第9発明における膜ユニットは、捕捉部材が織布と不織布と金網と樹脂製の網と多孔質体と焼結材とのいずれか1つ又は2つ以上を組み合わせたものからなる。
【0025】
本第10発明は、上記第1発明に記載の膜ユニットに用いられる膜モジュールであって、
集液部材に通液部と捕捉部材とを有するものである。
【発明の効果】
【0026】
以上のように本発明によると、破損した膜モジュールの集液部材内から隣接する正常な膜モジュールの集液部材内へ連通する通液部が捕捉部材によって閉塞されるため、閉塞後は、破損した膜モジュールの集液部材内の透過液が隣接する正常な膜モジュールの集液部材内に流れ込むことは阻止される。これにより、透過液の水質悪化が膜ユニット全体に拡大するのを抑制することができる。
【0027】
また、膜モジュール一台当りの膜エレメントの個数が増加しても、これに応じて捕捉部材の個数を増加させる必要は無いため、コスト低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明における第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、31は膜ユニットであり、この膜ユニット31は処理槽32内に設置されて被処理液33(下廃水等)に浸漬されている。膜ユニット31は上下方向Aに直列に積層されて(積み重ねられて)接続された複数台の膜モジュール34で構成されている。
【0029】
図2〜図4に示すように、各膜モジュール34は、被処理液33を濾過する複数の膜エレメント35と、膜エレメント35を透過した透過液を集める一対の集水ケース36a,36b(集液部材の一例)とを有している。
【0030】
各集水ケース36a,36bは、四角形の箱型の部材であり、内部に集水空間37を備えている。各膜エレメント35は、板状又はシート状の平膜型エレメントであり、膜支持体である四角形の平板状の濾板39と、濾板39の表裏両面に取り付けられた平膜状の濾過膜40とを有している。また、各膜エレメント35は、両集水ケース36a,36b間に立設した状態で設けられ、互いに所定の間隔38をあけて配列されている。濾板39の表裏両面にはそれぞれ、集水空間37に連通する水平方向の透過水流通路41が形成されており、透過水流通路41は濾過膜40によって覆われている。
【0031】
集水ケース36a,36bは膜エレメント35の両側面部に設けられ、各膜エレメント35は集水ケース36a,36bに水密に固着されている。
集水ケース36a,36bにはそれぞれ通液部43a,43bが開口して設けられ、互いに隣り合う上位の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの集水空間37と下位の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの集水空間37とが互いの通液部43aを介して連通し、互いに隣り合う上位の膜モジュール34の他方の集水ケース36bの集水空間37と下位の膜モジュール34の他方の集水ケース36bの集水空間37とが互いの通液部43bを介して連通している。
【0032】
図5,図6に示すように、各通液部43a,43bはそれぞれ、各集水ケース36a,36bの上端面に設けられて上向き外側へ突出した円筒状の突出部材44と、各集水ケース36a,36bの下端面に設けられて集水空間37に突入した円筒状の突入部材45とで構成されている。突入部材45には嵌め込み孔46が形成され、嵌め込み孔46の上端が集水空間37に開口し、下端が各集水ケース36a,36bの下端面に開口している。
【0033】
下位の膜モジュール34の突出部材44は、下方から、上位の膜モジュール34の突入部材45の嵌め込み孔46に嵌脱自在に嵌め込まれている。また、突出部材44には、突出部材44の上端部と集水空間37とに開口する流通孔47が形成されている。
【0034】
突出部材44の先端部には、流通孔47を流れる固形分を捕捉する捕捉部材48が設けられている。捕捉部材48には、例えば、多数の細孔を有する円板状の金網が用いられている。尚、捕捉部材48の細孔径(メッシュ)は、濾過膜40の細孔径(メッシュ)よりも大きく、且つ、被処理液33中の固形分の少なくとも一部を捕捉し得る程度の大きさ(例えば直径0.1mm〜10mm程度)である。尚、突出部材44には、突出部材44の外周面と突入部材45の内周面との間隙をシールするOリング55(シール材の一例)が設けられている。
【0035】
上下複数台の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの集水空間37同士は一方の通液部43aの流通孔47を介して連通し、他方の集水ケース36bの集水空間37同士は他方の通液部43bの流通孔47を介して連通する。
【0036】
また、最上端に配置された膜モジュール34(所定の膜モジュールの一例)の一方の通液部43aの突出部材44は、集水空間37に集められた透過液を膜ユニット31の外部へ取り出すための透過液取出部として利用されており、この突出部材44には一方の排出管49aが接続されている。
【0037】
同様に、最下端に配置された膜モジュール34(所定の膜モジュールの一例)の他方の通液部43bの突入部材45は、集水空間37に集められた透過液を膜ユニット31の外部へ排出するための透過液取出部として利用されており、この突入部材45には他方の排出管49bが接続されている。また、図3の仮想線で示すように、最下端の膜モジュール34の他方の通液部43bの突入部材45には、嵌め込み孔46を流れる被処理液33中の固形分を捕捉する捕捉部材48が設けられている。
【0038】
尚、図1および図3の仮想線で示すように、最上端の膜モジュール34の他方の通液部43bの突出部材44の流通孔47と最下端の膜モジュール34の一方の通液部43aの突入部材45の嵌め込み孔46とは、それぞれ、閉鎖板50によって閉鎖されている。また、一方の排出管49aと他方の排出管49bとは主排出管51に合流しており、主排出管51には吸引ポンプ(図示省略)が設けられている。さらに、透過水の取り出しには、処理槽32内の水頭圧を駆動力とする重力濾過を用いることもできる。
【0039】
また、最下端の膜モジュール34の下方には空気等の気体を噴出する散気装置53が設けられている。尚、最下端の膜モジュール34は散気ケース54上に支持されている。
以下、上記構成における作用を説明する。
【0040】
吸引ポンプを駆動することにより、各膜モジュール34の膜エレメント35の内部が減圧され、被処理液33中の固形分(汚泥等)が膜エレメント35の濾過膜40で捕捉される。また、濾過膜40の外部から内部へ透過した透過液は透過水流通路41を通って各集水ケース36a,36b内の集水空間37に集められる。
【0041】
このようにして各集水ケース36a,36b内に集められた透過液は、図5に示すように、各通液部43a,43bの流通孔47と捕捉部材48とを通って、隣接する上位又は下位の膜モジュール34の集水ケース36a,36b内に流れることが可能となる。これにより、各膜モジュール34の一方の集水ケース36a内に集められた透過液は、一方の通液部43aの流通孔47と捕捉部材48とを通って最上端の膜モジュール34の一方の集水ケース36a内に流れ、最上端の膜モジュール34の一方の通液部43aの突出部材44の流通孔47から一方の排出管49aへ排出される。同様に、各膜モジュール34の他方の集水ケース36b内に集められた透過液は、他方の通液部43bの流通孔47と捕捉部材48とを通って最下端の膜モジュール34の他方の集水ケース36b内に流れ、最下端の膜モジュール34の他方の通液部43bの突入部材45の嵌め込み孔46から他方の排出管49bへ排出される。
【0042】
上記のように一方および他方の排出管49a,49bへ排出された透過液は、これらの排出管49a,49bから主排出管51を流れて、処理槽32の外部へ排出される。
(1)また、万一、上下両端部間に配置された中間部の膜モジュール34、例えば、図7に示すように、最下端から二番目D2に配置された膜モジュール34の膜エレメント35の濾過膜40が破損した場合、被処理液33中の固形分が、濾過膜40によって捕捉されずに両集水ケース36a,36b内に流れ込む。
【0043】
そして、最下端から二番目D2の他方の集水ケース36b内の固形分は、下方へ吸引されて他方の通液部43bの流通孔47を通る際に、最下端D1の他方の集水ケース36bと最下端から二番目D2の他方の集水ケース36bとの間にある捕捉部材48でその少なくとも一部が捕捉される。そして、さらに固形分が捕捉されて捕捉部材48に堆積し、ついには捕捉部材48が固形分により目詰まりして流通孔47を閉塞する。
【0044】
同様に、最下端から二番目D2の一方の集水ケース36a内の固形分は、上方へ吸引されて一方の通液部43aの流通孔47を通る際に、最下端から二番目D2の一方の集水ケース36aと三番目D3の一方の集水ケース36aとの間にある捕捉部材48でその少なくとも一部が捕捉される。そして、さらに固形分が捕捉されて捕捉部材48に堆積し、ついには捕捉部材48が固形分により目詰まりして流通孔47を閉塞する。
【0045】
さらに同様に、最下端D1の一方の集水ケース36aと最下端から二番目D2の集水ケース36aとの間にある捕捉部材48も固形分により目詰まりして流通孔47を閉塞し、最下端から二番目D2の他方の集水ケース36bと三番目D3の他方の集水ケース36bとの間にある捕捉部材48も固形分により目詰まりして流通孔47を閉塞する。
【0046】
これにより、破損した膜エレメント35を有する最下端から二番目D2の膜モジュール34(以下、破損した膜モジュール34と言う)の集水ケース36a,36b内から隣接する上位および下位の正常な膜モジュール34の集水ケース36a,36b内へ連通する流通孔47が閉塞され、閉塞後は、最下端から二番目D2の膜モジュール34の集水ケース36a,36b内の透過液が隣接する上位および下位の正常な膜モジュール34の集水ケース36a,36b内に流れ込むことは阻止される。
【0047】
これにより、透過液の水質悪化が膜ユニット31全体に拡大するのを防止することができる。また、最下端から二番目D2の破損した膜モジュール34よりも上位に配置された正常な膜モジュール34の一方の集水ケース36a内に集められた透過液は、一方の通液部43aの流通孔47を通って、最上端D4に配置された膜モジュール34の一方の集水ケース36a内に流れ、この集水ケース36aから一方の排出管49aへ排出される。また、最下端D1に配置された正常な膜モジュール34の他方の集水ケース36b内に集められた透過液は他方の排出管49bへ排出される。これにより、最下端から二番目D2の破損した膜モジュール34以外の全ての正常な膜モジュール34からは継続して透過液を外部へ取り出すことができる。
【0048】
(2)また、最下端から二番目D2の膜モジュール34以外の膜モジュール34の膜エレメント35の濾過膜40が破損した場合、すなわち、、図8(a)に示すように最下端から三番目D3に配置された膜モジュール34が破損した場合、又は、図8(b)に示すように最上端D4の膜モジュール34が破損した場合、又は、図8(c)に示すように最下端D1の膜モジュール34が破損した場合も、それぞれ、上記(1)の場合と同様に、透過液の水質悪化が膜ユニット31全体に拡大するのを抑制することができ、さらに、破損した膜モジュール34以外の全ての正常な膜モジュール34から透過液を外部へ取り出すことができる。
【0049】
また、図5に示すように、上下に隣接した集水ケース36a,36b同士を連通させる通液部43a,43bに捕捉部材48が設けられているため、膜モジュール34一台当りの膜エレメント35の個数が増加しても、これに応じて捕捉部材48の個数を増加させる必要は無いため、コスト低減を図ることができる。
【0050】
尚、図9に示すグラフは、被処理液33(汚泥)中に含まれるSSの粒度分布の一例を示すグラフであり、横軸がSSの粒子径、縦軸が構成比を示している。これによると、粒子径が数十μm〜数百μmのSSが多く含まれており、この点を考慮すると、捕捉部材48の細孔径は数十μm〜数千μm、さらには100μm〜1000μmであることが望ましい。尚、捕捉部材48の細孔径が上記の数値よりも小さくなると、流路抵抗が大きくなり過ぎて正常運転時の圧力損失が増大するため、捕捉部材48の細孔径を小さくし過ぎることは不適当である。
【0051】
また、上記(1)(2)で説明したように被処理液33中の固形分(SS)が捕捉部材48で捕捉される際には、先ず、捕捉部材48の細孔径よりも大きな粒子径の固形分が捕捉部材48で捕捉され、捕捉された固形分の粒子によって捕捉部材48の細孔径がさらに狭窄するため、次第に、より小さな粒子径の固形分が捕捉部材48で捕捉されて堆積し、ある時間が経過すると、捕捉部材48の細孔が捕捉された固形分で完全に閉塞する。これにより、上記(1)(2)で説明したように、捕捉部材48が固形分により目詰まりして流通孔47を閉塞するに至る。
【0052】
上記第1の実施の形態では、図5,図6に示すように、捕捉部材48を突出部材44に設けたが、第2の実施の形態として、図10,図11に示すように、捕捉部材48を突入部材45に設けてもよい。すなわち、捕捉部材48は、突入部材45の上端部に設けられており、嵌め込み孔46を流れる被処理液33中の固形分を捕捉するものである。
【0053】
尚、この場合、最上端の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの上面に設けられた突出部材44の先端部には、捕捉部材48が設けられている。また、上記第1の実施の形態と同様に、最上端の膜モジュール34の他方の通液部43bの突出部材44の流通孔47と最下端の膜モジュール34の一方の通液部43aの突入部材45の嵌め込み孔46とは、それぞれ、閉鎖板50によって閉鎖されている。
【0054】
これによると、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
また、第3の実施の形態として、図12,図13に示すように、捕捉部材48を突出部材44の先端部と突入部材45の上端部とにそれぞれ設けてもよい。
【0055】
これによると、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
次に、第4の実施の形態を図14〜図17を参照して説明する。
各通液部43a,43bはそれぞれ、各集水ケース36a,36bの上端部に設けられて内部の集水空間37に突入した円筒状の第1の突入部材57と、各集水ケース36a,36bの下端部に設けられて内部の集水空間37に突入した円筒状の第2の突入部材58と、上下方向Aにおいて互いに隣り合う各膜モジュール34の集水ケース36a,36b同士を接続する接続部材59とで構成されている。
【0056】
このうち、第1の突入部材57には第1の嵌め込み孔60が形成され、第1の嵌め込み孔60の上端が各集水ケース36a,36bの上面に開口し、下端が集水空間37に開口している。また、第2の突入部材58には第2の嵌め込み孔61が形成され、第2の嵌め込み孔61の下端が各集水ケース36a,36bの下面に開口し、上端が集水空間37に開口している。
【0057】
接続部材59は両端部に嵌め込み部62,63を有している。これら嵌め込み部62,63は、上下方向Aにおいて、第1および第2の嵌め込み孔60,61に対し嵌脱自在に嵌め込まれている。また、接続部材59は、一端が一方の嵌め込み部62の先端に開口するとともに他端が他方の嵌め込み部63の先端に開口する流通孔64を有している。この流通孔64により、図16に示すように、接続部材59は互いに隣り合う上位の膜モジュール34の集水ケース36a,36b内と下位の膜モジュール34の集水ケース36a,36b内とに開口する。
【0058】
捕捉部材48は、流通孔64を流れる被処理液33中の固形分を捕捉するものであり、接続部材59内に設けられている。尚、嵌め込み部62,63には、嵌め込み部62,63の外周面と突入部材57の内周面との間隙をシールするOリング55(シール材の一例)が設けられている。
【0059】
上下複数台の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの集水空間37同士は一方の通液部43aの流通孔64を介して連通し、他方の集水ケース36bの集水空間37同士は他方の通液部43bの流通孔64を介して連通する。
【0060】
また、図14に示すように、最上端に配置された膜モジュール34の一方の通液部43aの第1の突入部材57は透過液取出部として利用されており、仮想線で示すように、この第1の突入部材57と一方の排出管49aとが接続部材59を介して接続されている。また、図15に示すように、最下端に配置された膜モジュール34の他方の通液部43bの第2の突入部材58は透過液取出部として利用されており、仮想線で示すように、この第2の突入部材58と他方の排出管49bとが接続部材59を介して接続されている。
【0061】
尚、図14の仮想線および図15の仮想線で示すように、最上端の膜モジュール34の他方の集水ケース36bの第1の突入部材57の第1の嵌め込み孔60と最下端の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの第2の突入部材58の第2の嵌め込み孔61とは、それぞれ、閉鎖板50によって閉鎖されている。
【0062】
これによると、上記第1の実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
上記第1の実施の形態では、図1に示すように、一方の排出管49aが最上端の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの上端の突出部材44に接続され、他方の排出管49bが最下端の膜モジュール34の他方の集水ケース36bの下端の突入部材45に接続されているが、排出管49a,49bの本数や接続形態は、第1の実施の形態に限定されるものではなく、例えば以下に説明する第5〜第10の実施の形態のようにしてもよい。
【0063】
すなわち、第5の実施の形態では、図18(a)に示すように、一方の排出管49aが最上端の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの上端の突出部材44に接続され、他方の排出管49bが最上端の膜モジュール34の他方の集水ケース36bの上端の突出部材44に接続されている。
【0064】
以下、上記構成における作用を説明する。
各膜モジュール34の一方の集水ケース36a内に集められた透過液は、一方の通液部43aの流通孔47と捕捉部材48とを通って最上端の膜モジュール34の一方の集水ケース36a内に流れ、最上端の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの突出部材44の流通孔47から一方の排出管49aへ排出される。
【0065】
同様に、各膜モジュール34の他方の集水ケース36b内に集められた透過液は、他方の通液部43bの流通孔47と捕捉部材48とを通って最上端の膜モジュール34の他方の集水ケース36b内に流れ、最上端の膜モジュール34の他方の集水ケース36bの突出部材44の流通孔47から他方の排出管49bへ排出される。
【0066】
また、本第5の実施の形態では、いずれか1台の膜モジュール34の膜エレメント35が破損した場合、破損した膜エレメント35を有する膜モジュール34(以下、破損した膜モジュール34と言う)の集水ケース36a,36bとこの破損した膜モジュール34の上位に隣接する正常な膜モジュール34の集水ケース36a,36bとを連通させる通液部43a,43bの流通孔47が捕捉部材48の目詰まりによって閉塞される。
【0067】
これにより、透過水の水質悪化が膜ユニット31全体に拡大するのを抑制することができる。尚、破損した膜モジュール34よりも上位に配置された正常な膜モジュール34から透過液を外部へ取り出すことはできるが、破損した膜モジュール34よりも下位に配置された正常な膜モジュール34からは透過液を外部へ取り出すことができない。
【0068】
第6の実施の形態では、図18(b)に示すように、第1の排出管49aが最上端の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの上端の突出部材44に接続され、第2の排出管49bが最上端の膜モジュール34の他方の集水ケース36bの上端の突出部材44に接続され、第3の排出管49cが最下端の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの下端の突入部材45に接続され、第4の排出管49dが最下端の膜モジュール34の他方の集水ケース36bの下端の突入部材45に接続されている。尚、これら第1〜第4の排出管49a〜49dは主排出管51に合流している。
【0069】
これによると、透過液の水質悪化が膜ユニット31全体に拡大するのを抑制することができ、さらに、破損した膜モジュール34以外の全ての正常な膜モジュール34から透過液を外部へ取り出すことができる。
【0070】
第7の実施の形態では、図19(a)に示すように、処理槽32内に、2台の膜ユニット31a,31bが並列に配置されている。一方の膜ユニット31aの他方の各集水ケース36b内と他方の膜ユニット31bの一方の各集水ケース36a内とがそれぞれ通液部43cを介して連通している。各通液部43cは、上記各通液部43a,43bと同様に構成されており、捕捉部材48を有している。
【0071】
一方の排出管49aが一方の膜ユニット31aの最上端の膜モジュール34の一方の集水ケース36aの上端の突出部材44に接続され、他方の排出管49bが他方の膜ユニット31bの最下端の膜モジュール34の他方の集水ケース36bの下端の突入部材45に接続されている。
【0072】
これによると、透過液の水質悪化が膜ユニット31a,31b全体に拡大するのを抑制することができ、さらに、破損した膜モジュール34以外の全ての正常な膜モジュール34から透過液を外部へ取り出すことができる。
【0073】
上記各実施の形態では、各膜モジュール34は一対の集水ケース36a,36bを有するが、第8の実施の形態として、図19(b)に示すように、片方の集水ケース36aのみを有する複数台の膜モジュール34を積層して膜ユニット31を形成してもよい。尚、この場合、一方の排出管49aが最上端の膜モジュール34の集水ケース36aの上端の突出部材44に接続されているが、他方の排出管49bは設けられていない。
【0074】
これによると、透過水の水質悪化が膜ユニット31全体に拡大するのを抑制することができる。尚、破損した膜モジュール34よりも上位に配置された正常な膜モジュール34から透過液を外部へ取り出すことはできるが、破損した膜モジュール34よりも下位に配置された正常な膜モジュール34からは透過液を外部へ取り出すことができない。
【0075】
第9の実施の形態は、第8の実施の形態の変形例であり、図19(c)に示すように、一方の排出管49aが最上端の膜モジュール34の集水ケース36aの上端の突出部材44に接続され、他方の排出管49bが最下端の膜モジュール34の集水ケース36aの下端の突入部材45に接続されている。
【0076】
これによると、透過液の水質悪化が膜ユニット31全体に拡大するのを抑制することができ、さらに、破損した膜モジュール34以外の全ての正常な膜モジュール34から透過液を外部へ取り出すことができる。
【0077】
上記各実施の形態では、膜モジュール34を上下方向Aに四台積み上げているが、四台以外の複数台であってもよい。
上記各実施の形態では、複数台の膜モジュール34を上下方向Aに直列に積み上げているが、第10の実施の形態として、図20に示すように、複数台の膜モジュール34を横方向Cに直列に配置して接続したものであってもよい。各膜モジュール34は、複数の膜エレメント35と、これら膜エレメント35の上方に設けられた横方向Cの集水管71(集液部材の一例)とを有している。各膜エレメント35の透過水流通路(図示省略)と集水管71とは接続管72を介して接続され、各膜エレメント35の濾過膜(図示省略)を透過した透過液は、透過水流通路を流れ、接続管72を通って集水管71内に集められる。
【0078】
互いに隣り合う各膜モジュール34の集水管71同士が通液部75を介して連通している。通液部75は、円筒状の部材であり、互いに隣り合う一方の膜モジュール34の集水管71内と他方の膜モジュール34の集水管71内とに開口する流通孔76を有している。各通液部75には、流通孔76を流れる被処理液33中の固形分を捕捉する捕捉部材48が設けられている。
【0079】
一端部に配置された膜モジュール34の集水管71の外端には、透過液取出部として利用される通液部75を介して、一方の排出管49aが接続されている。また、他端部に配置された膜モジュール34の集水管71の外端には、透過液取出部として利用される通液部75を介して、他方の排出管49bが接続されている。尚、各通液部75は、集水管71に、嵌め込み又はねじ込み或いはボルト,ナット等の接合手段(図示省略)によって接合されている。
【0080】
以下、上記構成における作用を説明する。
各膜モジュール34の集水管71内に集められた透過液は、通液部75を通って、両端部の膜モジュール34の集水管71内に流れ、一方および他方の排出管49a,49bへ排出される。
【0081】
いずれか1台の膜膜モジュール34の膜エレメント35の濾過膜40が破損した場合、この破損した膜モジュール34の集水管71と破損した膜モジュール34の隣りの正常な膜モジュール34の集水管71との間の通液部75の捕捉部材48が固形分により目詰まりして流通孔76を閉塞する。
【0082】
これにより、透過液の水質悪化が膜ユニット31全体に拡大するのを抑制することができ、さらに、破損した膜モジュール34以外の全ての正常な膜モジュール34から透過液を外部へ排出することができる。
【0083】
上記各実施の形態では、膜モジュール34は、濾板39と濾過膜40とからなる膜エレメント35を備えた平膜形の膜モジュールであるが、平膜形の膜モジュールに限定されるものではない。例えば、第11の実施の形態として、図21に示すように、中空糸膜78からなる膜エレメント35を備えた中空糸形の膜モジュール34であってもよい。
【0084】
上記各実施の形態では、図22(a)に示すように円板状の金網からなる捕捉部材48を用いたが、円板状に限定されるものではなく、例えば、図22(b)に示すように碗形状(かご形状)の金網からなる捕捉部材48を用いてもよい。また、捕捉部材48として、金網を用いたが、金網に限定されるものではなく、例えば、樹脂製の網や、図22(c)に示すような多数の貫通孔を有する多孔板79(多孔質体の一例)、或いは、図22(d)に示すようなスポンジ80(多孔質体の一例)、織布や不織布、又は、多孔質の焼結材等のいずれかを用いてもよく、或いは、これらを2つ以上組み合わせて用いてもよい。
【0085】
また、上記各実施の形態において、各膜モジュール34の集水ケース36a,36bを透明な部材で構成してもよい。これによると、集水ケース36a,36bは透明であるため、外部から集水ケース36a,36bの内部を目視で確認することができる。
【0086】
正常な膜モジュール34の集水ケース36a,36b内には、膜エレメント35で濾過された濁りのない透過液が集められている。また、いずれかの膜モジュール34の膜エレメント35が破損した場合、破損した膜エレメント35から被処理液33が未濾過の状態で集水ケース36a,36b内に集められる。この際、未濾過の状態の被処理液33は濁りおよび色度を有している。
【0087】
したがって、外部からの目視により、いずれかの膜モジュール34の集水ケース36a,36b内の液体が濁りおよび色度を有している場合、その集水ケース36a,36bを備えた膜モジュール34の膜エレメント35が破損したことを迅速に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の第1の実施の形態における膜ユニットの正面図である。
【図2】同、膜ユニットを構成する膜モジュールの斜視図である。
【図3】同、膜モジュールの一部切欠き正面図である。
【図4】同、膜モジュールの膜エレメントの側面図である。
【図5】同、膜モジュールの通液部の断面図であり、下位の膜モジュールの突出部材が上位の膜モジュールの突入部材に嵌め込まれた状態を示す。
【図6】同、膜モジュールの通液部の断面図であり、下位の膜モジュールの突出部材が上位の膜モジュールの突入部材から脱抜された状態を示す。
【図7】同、膜ユニットの斜視図であり、最下端から二番目の膜モジュールの膜エレメントが破損した状態を示す。
【図8】同、膜ユニットの正面図であり、(a)は最下端から三番目の膜モジュールの膜エレメントが破損した状態を示し、(b)は最上端の膜モジュールの膜エレメントが破損した状態を示し、(c)は最下端の膜モジュールの膜エレメントが破損した状態を示す。
【図9】被処理液中に含まれるSSの粒度分布を示すグラフである。
【図10】本発明の第2の実施の形態における膜モジュールの通液部の断面図であり、下位の膜モジュールの突出部材が上位の膜モジュールの突入部材に嵌め込まれた状態を示す。
【図11】同、膜モジュールの通液部の断面図であり、下位の膜モジュールの突出部材が上位の膜モジュールの突入部材から脱抜された状態を示す。
【図12】本発明の第3の実施の形態における膜モジュールの通液部の断面図であり、下位の膜モジュールの突出部材が上位の膜モジュールの突入部材に嵌め込まれた状態を示す。
【図13】同、膜モジュールの通液部の断面図であり、下位の膜モジュールの突出部材が上位の膜モジュールの突入部材から脱抜された状態を示す。
【図14】本発明の第4の実施の形態における膜モジュールの斜視図である。
【図15】同、膜モジュールの一部切欠き正面図である。
【図16】同、膜モジュールの通液部の断面図であり、接続部材が下位の膜モジュールの第1の突入部材と上位の膜モジュールの第2の突入部材とに嵌め込まれた状態を示す。
【図17】同、膜モジュールの通液部の断面図であり、接続部材が下位の膜モジュールの第1の突入部材と上位の膜モジュールの第2の突入部材とから脱抜された状態を示す。
【図18】本発明の第5,第6の実施の形態における膜ユニットの正面図である。
【図19】本発明の第7〜第9の実施の形態における膜ユニットの正面図である。
【図20】本発明の第10の実施の形態における膜ユニットの図であり、(a)は膜ユニットの斜視図、(b)は膜ユニットに備えられた通液部の断面図である。
【図21】本発明の第11の実施の形態における膜ユニットの斜視図である。
【図22】本発明の他の実施の形態における捕捉部材の斜視図である。
【図23】従来の膜ユニットの図である。
【図24】同、膜ユニットを構成する膜モジュールの斜視図である。
【図25】同、膜ユニットを構成する膜モジュールの断面図である。
【符号の説明】
【0089】
31,31a,31b 膜ユニット
33 被処理液
34 膜モジュール
35 膜エレメント
36a,36b 集水ケース(集液部材)
39 濾板
40 濾過膜
43a,43b,43c 通液部
48,79,80 捕捉部材
59 接続部材
71 集水管(集液部材)
75 通液部
A 上下方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理液中に浸漬された状態で使用され且つ複数台の膜モジュールで構成される膜ユニットであって、
膜モジュールは、被処理液を濾過する1以上の膜エレメントと、膜エレメントに備えられた濾過膜を透過した透過液を集める集液部材とを有し、
少なくともいずれか1台の所定の膜モジュールに、集液部材内の透過液を膜ユニットの外部へ取り出す透過液取出部が設けられ、
互いに隣り合う各膜モジュールの集液部材同士が通液部同士を介して連通し、
通液部は互いに隣り合う一方の膜モジュールの集液部材内と他方の膜モジュールの集液部材内とに開口しており、
通液部に対応して、通液部を流れる固形分を捕捉する捕捉部材が設けられていることを特徴とする膜ユニット。
【請求項2】
捕捉部材は、捕捉した固形分が堆積することにより目詰まりして、通液部を閉塞することを特徴とする請求項1記載の膜ユニット。
【請求項3】
2台以上の膜モジュールの通液部が透過液取出部として利用されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の膜ユニット。
【請求項4】
複数台の膜モジュールが直列に接続され、
両端部に配置された膜モジュールの通液部が透過液取出部として利用されることを特徴とする請求項3記載の膜ユニット。
【請求項5】
通液部同士は、接続部材を介して、互いに隣り合う各膜モジュールの集液部材同士を連通し、
捕捉部材が接続部材に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の膜ユニット。
【請求項6】
膜エレメントは、両面に濾過膜を備えた板状又はシート状の平膜型エレメントであり、
集液部材は膜エレメントの周縁に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の膜ユニット。
【請求項7】
複数台の膜モジュールが上下方向に積層されて接続され、
通液部が集液部材の上下両端部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の膜ユニット。
【請求項8】
集液部材が膜エレメントの両側部に設けられていることを特徴とする請求項7記載の膜ユニット。
【請求項9】
捕捉部材が織布と不織布と金網と樹脂製の網と多孔質体と焼結材とのいずれか1つ又は2つ以上を組み合わせたものからなることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の膜ユニット。
【請求項10】
上記請求項1記載の膜ユニットに用いられる膜モジュールであって、
集液部材に通液部と捕捉部材とを有することを特徴とする膜モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−149034(P2010−149034A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328887(P2008−328887)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】