膜電極アセンブリにおける増強した触媒界面
膜電極サブアセンブリは、イオン導電性膜及びマイクロテクスチャ面を有するミクロ孔質層を備える。マイクロテクスチャ面の相補的な特徴部は、溝、隆起、角錐、又は他の形状として形成され得る。イオン交換膜のマイクロテクスチャ面の特徴部は、ミクロ孔質層の特徴部と嵌合する。マイクロテクスチャ面の特徴部の嵌合は、連結嵌め、実矧ぎ嵌め、又は嵌合における他の型を包含する。触媒薄層は、マイクロテクスチャ面間に配置される。マイクロテクスチャ面は、触媒層界面における表面積を増大する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、膜電極アセンブリにおける増強した触媒界面に関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学デバイス、例えば固体高分子型燃料電池、センサ、電解槽、塩素アルカリ分離膜などは、膜電極アセンブリ(MEA)から作られている。典型的な電気化学セルに使用されるMEAは、例えば、触媒含有アノード及びカソード電極層と接触するイオン導電性膜(ICM)を備える。ICMには典型的にポリマー電解質物質が含まれており、前記物質は、それ自体で構造的な担持体を構成していてもよく、或いは、多孔構造膜内に含まれていてもよい。
【0003】
このアノード/膜/カソードという構造は、拡散電流コレクタ(DCC)と呼ばれる2つの微孔性導電素子の間に挟まれており、5層から成るMEAが形成されている。アノードで形成されたイオンがカソードに伝わり、電極に接続している外部回路内に電流が流れるようになる。
【0004】
触媒層は、粒子を支えるナノ構造担持成分又は触媒材料の薄膜を使用して形成されている。ナノ構造触媒電極は、ICM面上に触媒粒子の高濃度分布を形成する非常に薄い層に組み込まれてよい。
【0005】
MEAを通しての反応物質と副生物の移動を効果的に促進するために、MEAサンドイッチの様々な層の間で、増大した界面領域が接触するように効果的にMEAが設計されるように努力がなされている。増大した界面領域は、より高い効率で増大した通電容量を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、MEAサブアセンブリにおける増強した界面を記載し、増強した界面の作成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、増強した触媒界面を包含する方法及び物品を目的とする。1つの実施形態は、増強した触媒界面を有する膜電極サブアセンブリを目的とする。サブアセンブリは、第1のマイクロテクスチャ面を有するイオン導電性膜を備える。サブアセンブリは、第2のマイクロテクスチャ面を有するミクロ孔質層も備える。第1のマイクロテクスチャ面及び第2のマイクロテクスチャ面は、相補的な特徴部を有する。第2のマイクロテクスチャ面の特徴部は、第1のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成されている。触媒層は、第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間に配置される。ミクロ孔質層は、電極基材上に配置される。
【0008】
数多くの実施において、相補的な特徴部は第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の摩擦結合又は機械的な結合を促進し得る。例えば、相補的な特徴部は、第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の機械的な捕捉を促進し得る。ある構成において、相補的な特徴部の嵌合は、第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間における締まり嵌め、連結嵌め、フラクタル連結嵌め、プレス嵌め、及び/又は実矧ぎ嵌めを促進し得る。
【0009】
例えば、相補的な特徴部は、一般的に角錐形状、一般的に鋸歯形状、又は他の形状を有してよい。相補的な特徴部は、隆起、溝、角錐、又は他の形状として形成され得る。実施形態のある態様によると、相補的な特徴部の位置合わせを促進するために、第1及び第2のマイクロテクスチャ面上に位置決め特徴部が配置されてよい。第1のマイクロテクスチャ面の特徴部は、第2のマイクロテクスチャ面の特徴部の形状と異なる形状を有してよい。
【0010】
サブアセンブリの触媒層は、1つ以上の触媒材料の薄膜から形成されてよい。ある実施において、触媒層は、ペリレンレッド又は他の材料から形成されるナノ構造担持ウィスカーを備えるナノ構造触媒層を含む。ナノ構造担持ウィスカーは、ナノスケールの触媒粒子又は触媒薄膜を担持し得る。
【0011】
本発明の態様によると、サブアセンブリのイオン導電性膜は第3のマイクロテクスチャ面を備え得る。サブアセンブリはさらに、第4のマイクロテクスチャ面を有する第2ミクロ孔質層を備え得る。第3のマイクロテクスチャ面及び第4のマイクロテクスチャ面は相補的な特徴部も有し得、第4のマイクロテクスチャ面の特徴部は、第3のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成される。第2触媒層は、微構造化第3のマイクロテクスチャ面と第4のマイクロテクスチャ面との間に配置される。第1及び第2電極基材層は、ミクロ孔質層上に配置され得る。1つ以上のサブアセンブリ構成成分は、ロール材として形成され得る。
【0012】
サブアセンブリは、ガス流路及び流場の配列を有する第1及び第2流場プレートを備え得る。流場プレートは、圧縮力下で電極基材層と接触するように構成されている。相補的な特徴部が嵌合することで、マイクロテクスチャ面間の界面が圧縮力下においてマイクロテクスチャ面のテンティングを実質的に防ぐのを助ける。
【0013】
本発明の他の実施形態は、増強した触媒界面を有するサブアセンブリの製造方法を目的とする。方法には、イオン導電性膜上の第1のマイクロテクスチャ面の形成及び拡散電流コレクタ層上の第2のマイクロテクスチャ面の形成を包含する。第1のマイクロテクスチャ面及び第2のマイクロテクスチャ面は相補的な特徴部を有し、第1のマイクロテクスチャ面の特徴部は、第2のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成される。方法はさらに、第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間への触媒層の配置を包含する。
【0014】
実施形態における多くの態様によると、触媒層をイオン導電性膜に移動するのと同時に、マイクロテクスチャ面がイオン導電性膜に付与されてよい。触媒層を拡散電流コレクタに移動するのと同時に、第2のマイクロテクスチャ面が拡散電流コレクタに付与されてよい。第1及び第2のマイクロテクスチャ面のうちの1つ又は双方は、エンボスドラム又はホイールのようなエンボスツールを含むエンボスプロセスを使用して作成され得る。位置決め特徴部は、第1及び第2のマイクロテクスチャ面で作成され得る。
【0015】
他の態様によると、マイクロテクスチャパターンは移動基材上に形成され得る。次に、移動基材は膜上に第1のマイクロテクスチャ面を、及びDCC層上に第2のマイクロテクスチャ面をエンボス加工するのに使用される。剥離層は、マイクロテクスチャ面の1つ又は双方の作成を促進するために移動基材上に提供され得る。移動基材は、剥離層上に提供される触媒を含み得る。剥離層は、ペリレンレッドのナノ構造担持ウィスカーを有するナノ構造層であってよい。サブアセンブリの製造方法は、ウェブ加工技術を少なくとも部分的に使用して実施され得る。
【0016】
本発明の上の発明の概要は、本発明の各実施形態もあらゆる実施形態も記載しようと意図していない。本発明の利点及び効果、並びに本発明に対する一層の理解は、添付図面と共に下記の発明を実施するための形態及び請求項を参照することによって明らかになり、理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図解の実施形態に関する以下の説明では、本明細書の一部を成しているとともに、本発明を実施する際の各種実施形態を実例として示している添付図面を参照している。本発明の範囲から逸脱することなく実施形態が利用されてもよく、構造的変更が行われてもよいことは理解されるだろう。
【0018】
MEA触媒層の1つの重要な特性は、電子触媒作用に使用できる表面積である。触媒界面が生じるプロセスにおける有効性を促進するために、触媒界の表面積を制御及び増大するのは有益である。本発明は、イオン導電性膜(ICM)と拡散電流コレクタ(DCC)のミクロ孔質層(MPL)を結合する増強した触媒層の界面、及びかかる界面の作成方法を目的とする。増強した界面は、ICM及びMPL上に相補的な微構造化特徴部が形成されるのに役立つ。相補的な特徴部は、ICMとMPL間の触媒界面の表面積を増大するのに組み合わされる。本発明の増強した触媒界面は、燃料電池及び/又は他の電気化学デバイスに使用されるMEAに有利に組み込まれ得る。
【0019】
本発明の増強した界面は、界面における触媒の活用を増大する。さらに、MPL/触媒/ICM界面において増大した表面積は、この接合点において電気抵抗を削減し、MPLから触媒へのガス移動領域を増大する。加えて、相補的な特徴部を交互に配置することで、ガスの移動を妨げ、低温始動及び氷結の原因となり得るウォータートラップとして働き得る界面における空間及び間隙を削減することができる。界面における相補的な特徴部は、MEA構成成分間の嵌合の保持を促進する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態による増強した界面を備え得るMEAサブアセンブリの基本的な構造を示す。図1Aは、MEA構造をもとにした触媒被覆膜(CCM)を示している。MEA構造は、拡散電流コレクタ(DCC)構造150、151に挟まれるCCM110を含む。CCM110はICM111を含み、ICM111の頂面及び底面に配置される触媒層122、124を有する。触媒層122、124は、膜上に直接蒸気が被覆される触媒薄膜を含んでよい。ある実施形態では、触媒層122、124はナノ構造薄膜(NSTF)触媒層を含んでよい。NTSF触媒層は、ナノスケールの触媒粒子を担持するか、又は触媒薄膜を担持するナノ構造担持ウィスカーを含んでよい。
【0021】
DCC構造150、151は、ミクロ孔質層(MPL)142、144及び電極基材(EB)層152、154を備える。本発明の実施形態によれば、MEAはCCM110とMPL142、144間に増強した界面132、134を備える。流場プレート162、164は、DCC構造150、151の片側に配置される。流場プレートは、燃料電池スタックに取り付けられる際に圧縮力下でDCC150、151と接触する場182、184を備える。流場プレート162、164中のガス流路172、174は、DCC150、151の表面にわたって反応物質又は副生成物が分散するのを可能とする。
【0022】
本実施形態では、本発明の増強した界面は、MPL142、144及びCCM110上に相補的な特徴部を備える。MPL142、144及びCCM110の相補的な特徴部は、MPL142、144及びCCM110間の接触表面積が有利に増大するように、界面132、134において組み合わされる。
【0023】
他の実施形態では、図1Bに図示される触媒層は、ICM110ではなくDCC170、171に配置される。図1Bは、触媒で被覆されたDCC構造を図示する。図1Bで図示されるMEAサブアセンブリは、触媒で被覆された拡散電流コレクタ(DCC)構造170、171間に挟まれたICM111を含む。第1のDCC170は、ミクロ孔質層(MPL)142の表面に配置されるナノ構造薄膜(NSTF)アノード触媒層122を含む。DCC170はさらに、電極基材(EB)層152を含む。第2のDCC171は、ミクロ孔質層(MPL)144の表面に配置されるナノ構造薄膜(NSTF)カソード触媒層124を含む。DCC171はさらに、電極基材(EB)層154を含む。本発明の実施例によれば、MEAサブアセンブリはICM111と触媒被覆DCC170、171間に増強した界面132、134を備える。
【0024】
本実施例では、本発明の増強した界面は、触媒被覆DCC170、171及びICM111上に相補的な特徴部を形成することを包含する。DCC170、171及びICM111の相補的な特徴部は、触媒被覆DCC170、171及びICM111間の接触表面積を有利に増大するように、界面132、134において嵌合される。
【0025】
さらなる実施形態では、触媒層122、124の1つ又は双方は、ICM111上に部分的に配置され、DCC170、171上に部分的に配置され得る。以下で触媒被覆膜に関して記載される実施例が提供されるが、DCCは、全触媒層又はDCC上に部分的に配置され、ICM上に部分的に配置され得る触媒層を交互に含み得る。
【0026】
MEAを組み込んだナノ構造薄膜(NSTF)触媒層の形成は、米国特許第6,136,412号に記載され、本明細書に参照として組み込まれる。NSTF触媒層は、触媒材料を担持する針状のナノ構造担持成分の1つ以上の層を備え得る。1つの実施施態様において、触媒被覆ナノ構造成分は、薄く、膜の対向表面上に部分的に埋め込まれたアノード及びカソード層を有するCCMを形成するために、加圧及び加熱下でICMに移動される。他の実施形態において、同様の方法を用いて、NSTF触媒層はDCCのMPLに移動され得る。あるいは、NSTF触媒層は、DCCのMPL上に直接形成され得る。
【0027】
先に組み込まれた米国特許第6,136,412号に記載されるように、CCMを形成する試みには、マイクロテクスチャ特徴部の触媒化膜表面への付与を包含し得る。例えば、マイクロテクスチャは1〜50μmの範囲の寸法の特徴部を有し得る。マイクロテクスチャは、積層又は静圧のような任意の有効な方法でCCMに付与され得る。1つの実施形態において、ナノ構造成分をICMに移動する工程中に、マイクロテクスチャはCCMに付与される。ナノ構造触媒成分は、ICMに対向して載置されるマイクロテクスチャ触媒移動基材(MCTS)上に形成され得る。ナノ構造触媒成分と膜を結合し、また、MCTSのマイクロテクスチャ面をCCMに付与するために、圧力及び任意で熱がMCTS/ICMサブアセンブリに適用される。MCTSはマイクロテクスチャCCMから剥離して除去される。
【0028】
図2は、マイクロテクスチャ触媒移動基材(MCTS)からの触媒の移動によって形成されるマイクロテクスチャ面を有する触媒被覆膜の断面図である。本実施例において、膜は約30μm厚であって、頂点から谷部までの高さは約6μmである。針状のNSTF触媒成分は、わずか約1μm厚である場合に、表面においてわずかに分解する可能性がある。
【0029】
膜表面を微構造化する1つの利点は、平坦な表面よりも表面積を増大できるということである。図2における実施例において、谷部の側壁の夾角は90°であって、表面積は(2)1/2=1.414増大する。電気化学反応においては、触媒の表面積が増大することは非常に望ましい。しかしながら、CCMが一般的に平面である2つの拡散電流コレクタ(DCC)層の間に挟まれ、圧力をかけることで完全なMEAを形成するために使用される際、CCMのマイクロテクスチャ面は図3に示すように平坦化されてよい。図3は、燃料電池としての試験後に、平面DCCが除去されたCCMの断面を示す。CCMの表面におけるマイクロテクスチャパターンは永続的に部分的に平坦化されているように見える。マイクロテクスチャパターンの平坦化は、CCMが圧縮下で燃料電池に取り付けられる際に増加すると予測される。
【0030】
CCM面の平坦化は、圧縮された触媒電極層への水素又は酸素原子の接近が制限されるために、表面積における初期増大の有効性を削減する。加えて、流場二極プレートのチャネル上において圧縮されたCCM頂点とDCC面間に空隙が形成され得、これは「テンティング」と示される現象である。空隙は、カソードを浸水し、さらに物質移動において燃料電池の性能を制限する要因となる水で満たされ、保持する可能性がある。これらの空隙領域において、触媒層表面とDCCとの間にも接触が無く、それによって高セル抵抗及び性能の低下を引き起こし得る。図4は、ホットロールカレンダー後のマイクロテクスチャCCMの走査型電子顕微鏡写真(SEM)断面図を示し、より平坦化された特徴部を示しており、これは流場の場領域における燃料電池での実際の使用を通じて、CCMの可能な表面構造であることを表している。
【0031】
本発明の実施形態には、少なくとも1つのMEAのDCCにおけるMPL側でのマイクロテクスチャ特徴部の形成を包含する。マイクロテクスチャ特徴部は、CCM上に形成される特徴部と相補的である。CCM及びMPLの相補的な特徴部は、CCMとMPL間の界面の表面積を増大するために嵌合される。触媒電極とMPLとの間の表面積を増大し、それによってMEA作動が増強するように、例えば、「実矧ぎ」配列として特徴部は組み合わされ得る。
【0032】
図5A〜5Cは、本発明の実施形態によるCCM及びMPLの相補的な特徴部を示す。図5Aは、EB層252及び特徴部255、256を有するマイクロテクスチャMPL242を含むDCC250の部分断面図を示す。図5Bは、マイクロテクスチャICM211を示し、NSTF触媒層222を有するCCM210の部分断面図を示す。1つの実施形態において、NSTF触媒層222は、本明細書では「ペリレンレッド」と示される、白金族金属のような触媒金属を担持するC.I.ピグメントレッド149のナノ構造担持成分を含んでよい。図5Cに示されるように、表面を合わせた際に相補的な特徴部255、215、256、216が嵌合され、MPL242及びCCM210の界面232の表面積を増大するように、DCC250の特徴部255、256は、CCM特徴部215、216と相補的である。
【0033】
図5Dは、CCM211の両側にマイクロテクスチャDCC150、151が配置されたマイクロテクスチャCCM211を有するMEAを示す。CCMは第1及び第2触媒層222、224を有する第1及び第2のマイクロテクスチャ面を備える。各DCC150、151は、CCM211の特徴部と相補的である特徴部を有するMPL142、144を備える。図5Dは、CCM211の各表面上において同じ型の特徴部を有するMEAを示すが、特徴部は、CCM211の異なる側において、例えば上面に角錐状及び底面に半球状のように、異なることが可能である。
【0034】
CCM及びMPL表面の特徴部は、CCM/MPL界面において増大した表面積を促進する任意の形状として形成され得る。CCM610及びDCC650表面におけるいくつかの例示的な形状が図6A〜6Fに示される。例えば、断面図における特徴部は、曲線形状(例えば図6A)、三角形状(例えば図6D)、鋸歯形状(例えば図6B)、及び/又は他の形状を有してよい。特徴部は、CCMとDCCとの間の摩擦結合及び/又は機械的な結合を増強するために形成され得る。例えば、CCM及びMPLの相補的な特徴部は、CCM及びMPLとの間の機械的な捕捉を促進するために形成され得る。多くの実施形態では、特徴部は、嵌合の際に、プレス嵌め、締まり嵌め、連結嵌め(例えば図6E)、及び/又はフラクタル連結嵌め(例えば図6F)のような特徴部間の嵌まりの維持を作り出すために形成され得る。
【0035】
CCM及びDCCの特徴部は、MEAが圧縮下において燃料電池スタックの流場プレート間に取り付けられる際のような圧縮力下で、マイクロテクスチャMPL及び/又はマイクロテクスチャCCMの表面のテンティング又は他の変形を防ぐために形成され得る。
【0036】
図6Eは、連結特徴部611、612を示す。図6Fは、連結嵌めを提供するように嵌合され得るフラクタル様特徴部を示す。図6Fは、CCM610とDCC650間にフラクタル連結嵌めを提供し得るフラクタル様特徴部672、674を示す。フラクタル様特徴部6672、674は、徐々に小さくなる嵌合特徴部を提供する。CCM610面の特徴部は、DCC650の特徴部と同じであるか、又は異なってよい。図6Dに示されるように、特徴部は、CCM610の特徴部とDCC650の特徴部との間の配列を促進する位置決め特徴部を備えてよい。三次元で観察すると、特徴部は溝、隆起、半球、錐体、棒、及び/又は他の幾何学的形状に見え得る。
【0037】
ある実施形態では、CCM及びMPL面の双方はNSTF層を有してよい。NSTF層の1つ又は双方は、触媒コーティングを備えてよい。NSTF層のナノ構造ウィスカーは、フラクタル又はフラクタル様表面構造を作成するウィスカレットを担持し得る。CCM及びMPL面の双方がNSTF層を備える際、ナノ構造ウィスカー及び/又はウィスカレットはCCMとDDCとの間にフラクタル連結嵌めを作り出すために嵌合されてよい。
【0038】
図7は、本明細書で記載される相補的な表面特徴部を使用するMEAサブアセンブリの作成プロセスのフローチャートである。第1のマイクロテクスチャ面は、触媒被覆膜上で形成される(710)。第2のマイクロテクスチャ面は、拡散電流コレクタのミクロ孔質層上で形成される(720)。第1のマイクロテクスチャ面は、第2のマイクロテクスチャ面の特徴部に対して相補的である特徴部を含む。第1及び第2のマイクロテクスチャ面が結合される際、増大した表面積を有する増強した界面を形成するために、第1及び第2面の相補的な特徴部が嵌合する。
【0039】
マイクロテクスチャ特徴部は、任意の従来のプロセスを使用して形成され得る。例えば、マイクロテクスチャ特徴部は、積層、エンボス加工、又は静圧縮、又は他の方法によって形成され得る。ある実施形態において、エンボスホイール又はドラムはDCCにマイクロテクスチャパターンを移動するのに使用され得る。CCM上の相補的なマイクロテクスチャパターンは、MCTSを使用するエンボス加工によって、及び他の方法によって形成され得る。ある実施形態において、DCC及びCCM双方のマイクロテクスチャ面は、MCTSを使用して形成される。
【0040】
図8は、CCM及びDCCのマイクロテクスチャ面が本発明の1つの実施形態によるMCTSを使用して双方共に形成される際に、サブアセンブリを形成するために使用され得るプロセスを示す。本実施形態では、触媒材料を担持するナノ構造担持成分はMCTS上に形成される(810)。例えば、ナノ構造担持成分は、ペリレンレッドのような有機顔料材料を含み得る。ナノ構造担持成分は、ペリレンレッドの層をMCTS上に堆積し、約230℃〜約270℃で約3分〜60分の間のような、一定時間でアニーリングすることで形成され得る。
【0041】
ナノ構造担持成分の形成後、ナノ構造触媒層を形成するために、白金族金属又は他の好適な触媒のような触媒物質はナノ構造担持成分上に等角的に被覆される。
【0042】
ナノ構造触媒担持成分は、CCMを形成するために圧力及び任意で熱を使用してICMに移動される。ナノ構造触媒担持成分を移動するのと同時に、MCTSの微構造はICMに付与される(820)。
【0043】
ICMは、任意の好適なイオン交換電解質から構成され得る。電解質は、好ましくは固体又はゲルである。本発明において有用な電解質には、ポリマー電解質及びイオン交換樹脂のようなイオン導電性材料が挙げられる。電解質は、プロトン交換膜燃料電池において使用するのに好適な好ましいプロトン導電性アイオノマーである。
【0044】
テトラフルオロエチレン(TFE)のコポリマー及び以下の式によるコモノマー:FSO2−CF2−CF2−O−CF(CF3)−CF2−O−CF=CF2が既知であり、スルホン酸形態、つまり、FSO2−末端基が加水分解されてHSO3−になった形態で、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)のデュポンケミカル社(DuPont Chemical Company)によって商標名ナフィオン(NAFION)(登録商標)のもとで販売されている。ナフィオン(NAFION)(登録商標)は、燃料電池において使用するポリマー電解質膜の作成に一般的に使用される。
【0045】
テトラフルオロエチレン(TFE)のコポリマー類及び以下の式によるコモノマー:FSO2−CF2−CF2−O−CF=CF2も既知であり、スルホン酸形態、つまり、FSO2−末端基が加水分解されてHSO3−になった形態で、燃料電池に使用するポリマー電解質膜を作成するのに使用される。最も好ましいのは、テトラフルオロエチレン(TFE)のコポリマー類及びFSO2−末端が加水分解されてHSO3−になった、FSO2−CF2CF2CF2CF2−O−CF=CF2である。
【0046】
剥離層は、MCTS上に形成される(830)。1つの実施形態において、剥離層は上述のように形成されたナノ構造成分を含む。ナノ構造成分は、触媒コーティングを含んでも含まなくてもよい。剥離層を担持するMCTSは、DCCのMPL面に対向して載置される。圧力、及び任意で熱はMCTSのマイクロテクスチャパターンをMPLに付与するのに使用される(840)。CCM及びDCCのマイクロテクスチャ面は、CCM及びDCC表面の相補的な特徴部を嵌合して結合される(850)。
【0047】
MEAサブアセンブリを作成する代替の方法は、触媒層を有さないマイクロテクスチャICM及びマイクロテクスチャ触媒被覆DCCを包含する。ある実施形態で、サブアセンブリの1つ以上の構成成分はロール材として形成されるか、又はウェブ加工技術を使用して形成され得る。
【0048】
図9Aは、角錐マイクロテクスチャ特徴部を有するMCTSの形成に使用されるツールモデルを示す。図9Bは、かかるツールから作成されるMCTSを描いている。図9Aのツールによって形成される図9BのMCTSは、図6Dの断面図にあるものと同様な位置決め特徴部として使用され得る特徴部を備える。図9C及び9Dは、ナノ構造触媒成分がMCTS上に形成された後の図9BのMCTSを示す。
【0049】
(実施例1)
DCCのMPLがMCTSのマイクロテクスチャ溝側と接触するように、約6.4cm(2.5インチ)×6.4cm(2.5インチ)の炭素分散被覆炭素布の角片(米国特許第6465041号に記載されるように調製された1%PTFE/20V/14−2を有するテクストロン(TEXTRON)HCB)を6.4cm(2.5インチ)×6.4cm(2.5インチ)のMCTS/ポリイミド露出片(片上にナノ構造触媒担持ウィスカーを含有しない)に対して載置した。これらの2つの物品を2つの0.051mm(2ミル)厚のポリイミド平片の間に載置した。この4つの物品のサンドイッチをCCM積層中に典型的に使用される2枚の白色コート紙間に載置した。この紙は、圧縮力がより均一に分配されるのを助けるのに使用される。このサンドイッチスタックを2つの15cm(6インチ)角のステンレス鋼プレート間に載置した。次に、アセンブリを加圧下で熱板上に載置し、130℃(270°F)まで熱した。2721kg(6000ポンド)の全力をスタックに2分間かけた。
【0050】
MPL炭素層の一部分が炭素裏地から剥がれ、MCTS/ポリイミド片に付着する結果となった。しかしながら、DCC上に残存するMPL層の領域において、MPLは図10に示す光学顕微鏡写真のように、MCTSの溝パターンでエンボス加工された。炭素分散コーティングの泥割れパターンは、MCTSパターン(頂点〜頂点まで12ミクロン、頂点〜谷部まで6ミクロン)よりも明らかにはるかに大きく、MPL表面の高さにおける変動もMCTS溝(6ミクロンの深さ)よりもはるかに大きい。なお、表面のほとんどがパターン化されていることで、MPLをエンボス加工するために、プレス中にMPLとMCTとの間に適切な接触があったことを示唆している。
【0051】
(実施例2)
MCTSに粘着するMPL層を有さないDCCをエンボス加工するのが望ましい。この望まない効果を削減する1つの方法は、MCTS上の剥離層、又はMPLに粘着しない表面を使用するというものである。本実施例において、ウィスカー被覆MCTSが使用されることで、ナノ構造層が剥離層として機能する。剥離層はペリレンナノ構造ウィスカー被覆MCTSを含んでよいか、又はペリレンウィスカーはPtのような触媒に被覆されてよい。後者の場合、DCC/CCM界面で入手できる付加触媒があってよく、これは界面における触媒活性を増強し得る。
【0052】
本実施例において、DCCのMPL側がMCTSのマイクロテクスチャ側に形成されるナノ構造成分と接触するように、6.4cm(2.5インチ)×6.4cm(2.5インチ)の触媒被覆MCTS片(標準PR149ペリレンレッドウィスカー被覆MCTS上に13.3Pa(100ミリトール)において0.22mg/cm2のPtスパッタリング蒸着)を炭素分散被覆布片(1%PTFE/20V/14−2を有するテクストロン(TEXTRON)HCB)の被覆側に配置した。新しいポリイミド及び紙(外側)片とともに、上述の第1実施例と同様のサンドイッチ構造を使用した。6層サンドイッチをステンレス鋼プレート間で2721kg(6000ポンド)で2分間プレスした。分解の際、MPLのいずれもMCTS片に移動しない。任意の触媒被覆ウィスカーがMPLに移動される場合、視覚的に確認するのは不可能であるが、MCTS片は、おそらく接触点においてDCCに移動される触媒被覆ウィスカーからその表面上に織布パターンを有すると思われる。
【0053】
図11に示すように、MCTS溝は本MPL表面上で見てすぐに分かるものであった。この外観において好ましいものは、MPLの除去のないDCCの表面上のMCTSの特徴部のエンボス加工であった。ある触媒は、MPLに移動され、その移動は有益であり得る。
【0054】
(実施例3)
本実施例は、実施例2で調製されるようなマイクロテクスチャエンボス加工されたMPL被覆炭素布表面を有する燃料電池性能における改良を示す。
【0055】
実施例2で調製されるような2片のエンボス被覆テクストロン(TEXTRON)布を、0.2mg/cm2のPt被覆ナノ構造ウィスカー及び30ミクロン厚、キャストナフィオン(Nafion)(登録商標)フィルムで作成される50cm2のCCMの両側に載置した。図12及び13は、75℃及び80℃での207kPa(30パスカルゲージ)圧搾空気及び水素、及び75℃での周囲気圧及び水素を含む、様々な条件において得られる安定化分極曲線を示す。図12は、実施例2からの表面エンボス加工DCCを有するMEAからの動電位走査モードで得られる燃料電池分極曲線を示す。図13は、図12で使用される同じMEAからの燃料電池分極曲線を示し、完全に乾燥した及び完全に飽和した吸気湿度条件下における電流動的走査モードによって得られる。
【0056】
図12において、分極曲線を動電位走査モードで得た。図12において注目すべきは、MEAは75℃において、乾燥した入口条件(0%相対湿度)で、207kPa(30パスカルゲージ)、0.8ボルトで0.4A/cm2、及び周囲気圧において0.8ボルトで0.2A/cm2作り出し、双方とも分極曲線のアップスキャン中にある。これらの結果を、表1において、カソード上において同じ膜及びPt触媒荷重のもとで加工されたCCMを使用する様々なMEAから、同様に得られた分極曲線から同様に抽出された値と比較する。表1は、本発明のマイクロテクスチャDCC(FC5255)を使用する燃料電池の性能とマイクロテクスチャDCC表面パターンを有さない比較例との比較を提供する。
【0057】
これらの比較例において、DCCをもとにした異なる型の布が使用されるが、全てにおいて作成されたまま平面であるか、又は非エンボス加工MPLコーティングを有する。見てのとおり、全ての場合において、0.8Vにおける電流密度は、本発明のDCCにおいて最も高い。表1における反実施例のいくつかは、4重蛇行流場の代わりに、4重蛇行流場で存在するよりも高い入り口圧力を導く単一チャネル流場を利用する。このような場合、約69kPa(10)の入り口圧力は、4重蛇行流場によって作り出されるよりも0.8Vにおいて高い電流密度を与えるので、これらの同一のMEAは、本発明のサンプルFC5255に使用されるような4重蛇行流場において試験される場合よりも人工的に見られる。
【0058】
【表1】
【0059】
図13を参照すると、電流動的分極曲線は非常に安定しており、完全飽和又は乾燥操作条件のどちらにおいても実質的に同一であるという事実は、DCCとCCMとの間の増強した界面によるものであり得る。上述するように、水が平面DCC面とCCMの残留溝との間に溜まる場合、それによってカソードフラッディングが存在し得る。本発明のマイクロテクスチャDCCによるこれらのウォータートラップを削減することで、このフラッディングを防止するのを助けることが可能となる。このように広範囲にわたる湿度レベルにおいて機能することのできる能力は、マイクロテクスチャDCCによって提供される重要な系の有利点である。
【0060】
(実施例4)
被覆炭素布を使用する実施例1及び2において上述されるのと同様の方法をマサチューセッツ州ウォバーン(Woburn)のエレクトロケム社(ElectroChem, Inc.)から入手可能な東レ(TORAY)(登録商標)カーボン紙である炭素拡散被覆カーボン紙で繰り返した。先行の実施例と同じマイクロテクスチャパターン上に形成されるPt被覆ナノ構造ウィスカーを有するMCTSをエンボス加工ツールとして使用した。サンドイッチスタック層及びプレス力は、実施例1及び2と同様であった。
【0061】
その結果、脆性紙DCCが断裂し、MCTSの一端に粘着した。繊維間の領域における炭素拡散コーティングがMCTSエンボス加工面に接触しないために、東レ(TORAY)(登録商標)の紙DCCは、MCTSエンボス加工基材を容易に別々に形成し、このMCTSは布よりも非柔軟性かつ圧縮性に乏しいと思われる。これは、東レ(Toray)の紙表面における完全なエンボス加工を防いだ。このような表面における非服従及び破損につながる剛性は、東レ(TORAY)(登録商標)の紙がDCC表面のエンボス加工手段における布よりも望ましい対象でないことを意味する。
【0062】
DCC電極基材上のMPLコーティングにMCTSパターンをエンボス加工するのに使用する上述の方法は、熱静圧プロセスであった。ウェブとして被覆DCC電極基材をロールツール上にMCTSパターンを有するカレンダーニップローラーに通過させることで、CCMのパターンと一致するようにMPLをパターン化する連続プロセスとして使用することが可能となった。他の実施形態において、MPLをDCC電極の表面に塗布するコーティングプロセスには、パターン化ツールを備える炭素拡散層の塗布を包含し得る。さらに他の実施形態において、得られる乾燥表面がCCMの構造と一致する所望の構造を有するように、MPL層がまだ濡れている状態である場合、マイクロテクスチャ特徴部がパターン化ツール縁部を備えるMPL層において形成され得る。
【0063】
(実施例5、6、7)
Niで後でめっきされる銅版に20cm×20cmのパッチパターンを機械裁断することで幾何学模様を有するMCTSツールを作成した。新たなパターンは、12μm×12μm平方ベース及び6μmの角錐高さを有する角錐構造の繰り返しから成る。V溝MCTSパターンを製造するのに使用される同一の裁断プログラムを用いる新たなパターンを図1に示す。最初に、V溝を製造するために一方向に、続けて二度目には角錐を製造するのに直交方向にパターンを切断した。新たなマイクロテクスチャパターンを図9Aに示す。V溝パターンと同様に、角錐パターンは双方向で各30の溝が繰り返される9μmの頂点を有する。20センチメートル×20cm角のMCTS基材サンプルを、米国特許第6136412号に記載されるキャスト及び硬化方法によるハンドスプレッドを使用する角錐ツールで加工した。図9Bは、9μmの頂点を示す実際のツールの400倍である。
【0064】
先行の実施例に記載されるのと同じ方法によって、ナノ構造触媒担持成分をMCTS基材上に形成した。MCTS基材表面上に0.15mg/cm2の荷重で純Ptを電子ビーム蒸着した。図9C及び9Dは、触媒被覆MCTS基材の走査型電子顕微鏡イメージを示す。次に、50cm2の活性領域を有する触媒被覆膜を形成するために、ナノ構造触媒成分を触媒被覆MCTSサンプルから1000等量を有するペルフルオロ化スルホン酸プロトン交換膜の30μm厚シートの両面に移動した。米国特許第20050069755号に記載され、160℃のロール温度及び790kPa(115ポンド)のシリンダー圧を用いる積層方法を使用した。次に、現在は触媒を有さない同様の角錐MCTSサンプルを、実施例2に記載のものと同じ方法による熱静圧を使用するテクストロン(TEXTRON)炭素布の1セット(アノード及びカソード)においてMPL炭素拡散コーティングに角錐構造をエンボス加工するのに使用した。MCTSとDCCのMPLコーティングの粘着を最小化するのに、積層されたサンドイッチが2分の圧縮時間後にまだ熱いうちに層を分離した。
【0065】
角錐CCM及び平面DCC(実施例5及び6)あるいは角錐エンボス加工DCC(実施例7)を使用して、3つの燃料電池MEAを組み立て、試験した。図14は、同一の条件のもとでそれぞれが完全に安定化した後の3つの電池から得られる周囲空気圧、一定流量、水素/空気分極曲線を示す。角錐CCMにおける2つのサンプルをセル電圧対セル電流密度において同じ性能を与える平面DCCと一致させる。角錐エンボス加工CCM及びエンボス加工DCCの双方を有するMEAは、0.6〜0.8ボルトの有用なセル電圧範囲の全体にわたって優れた性能を有するように見える。
【0066】
本発明の多様な実施形態を例証と説明の目的で述べてきた。それは、包括的であることも、開示されたまさにその形態に本発明を限定することも意図していない。以上の教示を考慮すれば、多くの修正形態及び変形形態が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によって制限されず、むしろ添付の特許請求の範囲によって制限されるものとする。
【0067】
本発明は様々な変更例及び代替形状が可能であるが、その具体例を一例として図面に示すとともに詳細に説明する。しかし本発明を説明する特定の実施形態に限定しようとするものではないことは理解されよう。逆に、添付の請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく、あらゆる変更、均等物、および代替物を包含することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1A】本発明の実施形態による、増強した界面を備え得るMEAサブアセンブリの基本的な構造。
【図1B】本発明の実施形態による、増強した界面を備え得るMEAサブアセンブリの基本的な構造。
【図2】マイクロテクスチャ触媒移動基材(MCTS)からの触媒の移動によって形成されるマイクロテクスチャ面を有する、触媒被覆膜の断面図。
【図3】微構造の平坦化を示す燃料電池としての試験後に、平面DCCが除かれた、CCMの断面。
【図4】ホットロールカレンダー後のマイクロテクスチャCCMの走査型電子顕微鏡写真(SEM)断面を示し、より平坦化された特徴部を示しており、これは燃料電池における実際の使用を通じてCCMが可能な表面構造であることを示す。
【図5A】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部。
【図5B】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部。
【図5C】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部。
【図5D】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部。
【図6A】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図6B】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図6C】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図6D】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図6E】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図6F】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図7】本発明の実施形態による相補的な表面特徴部を使用するMEAサブアセンブリを作成するプロセスのフローチャート。
【図8】CCM及びDCCのマイクロテクスチャ面の双方が本発明の実施形態によるMCTSを使用して形成される際、サブアセンブリを形成するのに使用され得るプロセスを示す。
【図9A】本発明の実施形態による角錐マイクロテクスチャ特徴部を有するMCTSを形成するのに使用されるツールモデル。
【図9B】図9Aのツールから形成されるMCTS。
【図9C】ナノ構造触媒成分がMCTS上に形成された後の図9BのMCTS。
【図9D】ナノ構造触媒成分がMCTS上に形成された後の図9BのMCTS。
【図10】本発明の実施形態による剥離層を使用しないMCTSの溝パターンでエンボス加工されたMPLを有するDCCの光学顕微鏡写真。
【図11】本発明の実施形態による剥離層を使用するMCTSの溝パターンでエンボス加工されたMPLを有するDCCの光学顕微鏡写真。
【図12】本発明の実施形態によるMPL被覆炭素布表面を用いる燃料電池性能における向上を示す様々な条件において得られる安定化した分極極性。
【図13】本発明の実施形態によるMPL被覆炭素布表面を用いる燃料電池性能における向上を示す様々な条件において得られる安定化した分極極性。
【図14】本発明の実施形態による角錐微構造を有するDCC及びCCMを使用する燃料電池性能における向上を示す安定化した分極曲線。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、膜電極アセンブリにおける増強した触媒界面に関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学デバイス、例えば固体高分子型燃料電池、センサ、電解槽、塩素アルカリ分離膜などは、膜電極アセンブリ(MEA)から作られている。典型的な電気化学セルに使用されるMEAは、例えば、触媒含有アノード及びカソード電極層と接触するイオン導電性膜(ICM)を備える。ICMには典型的にポリマー電解質物質が含まれており、前記物質は、それ自体で構造的な担持体を構成していてもよく、或いは、多孔構造膜内に含まれていてもよい。
【0003】
このアノード/膜/カソードという構造は、拡散電流コレクタ(DCC)と呼ばれる2つの微孔性導電素子の間に挟まれており、5層から成るMEAが形成されている。アノードで形成されたイオンがカソードに伝わり、電極に接続している外部回路内に電流が流れるようになる。
【0004】
触媒層は、粒子を支えるナノ構造担持成分又は触媒材料の薄膜を使用して形成されている。ナノ構造触媒電極は、ICM面上に触媒粒子の高濃度分布を形成する非常に薄い層に組み込まれてよい。
【0005】
MEAを通しての反応物質と副生物の移動を効果的に促進するために、MEAサンドイッチの様々な層の間で、増大した界面領域が接触するように効果的にMEAが設計されるように努力がなされている。増大した界面領域は、より高い効率で増大した通電容量を提供する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、MEAサブアセンブリにおける増強した界面を記載し、増強した界面の作成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、増強した触媒界面を包含する方法及び物品を目的とする。1つの実施形態は、増強した触媒界面を有する膜電極サブアセンブリを目的とする。サブアセンブリは、第1のマイクロテクスチャ面を有するイオン導電性膜を備える。サブアセンブリは、第2のマイクロテクスチャ面を有するミクロ孔質層も備える。第1のマイクロテクスチャ面及び第2のマイクロテクスチャ面は、相補的な特徴部を有する。第2のマイクロテクスチャ面の特徴部は、第1のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成されている。触媒層は、第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間に配置される。ミクロ孔質層は、電極基材上に配置される。
【0008】
数多くの実施において、相補的な特徴部は第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の摩擦結合又は機械的な結合を促進し得る。例えば、相補的な特徴部は、第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の機械的な捕捉を促進し得る。ある構成において、相補的な特徴部の嵌合は、第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間における締まり嵌め、連結嵌め、フラクタル連結嵌め、プレス嵌め、及び/又は実矧ぎ嵌めを促進し得る。
【0009】
例えば、相補的な特徴部は、一般的に角錐形状、一般的に鋸歯形状、又は他の形状を有してよい。相補的な特徴部は、隆起、溝、角錐、又は他の形状として形成され得る。実施形態のある態様によると、相補的な特徴部の位置合わせを促進するために、第1及び第2のマイクロテクスチャ面上に位置決め特徴部が配置されてよい。第1のマイクロテクスチャ面の特徴部は、第2のマイクロテクスチャ面の特徴部の形状と異なる形状を有してよい。
【0010】
サブアセンブリの触媒層は、1つ以上の触媒材料の薄膜から形成されてよい。ある実施において、触媒層は、ペリレンレッド又は他の材料から形成されるナノ構造担持ウィスカーを備えるナノ構造触媒層を含む。ナノ構造担持ウィスカーは、ナノスケールの触媒粒子又は触媒薄膜を担持し得る。
【0011】
本発明の態様によると、サブアセンブリのイオン導電性膜は第3のマイクロテクスチャ面を備え得る。サブアセンブリはさらに、第4のマイクロテクスチャ面を有する第2ミクロ孔質層を備え得る。第3のマイクロテクスチャ面及び第4のマイクロテクスチャ面は相補的な特徴部も有し得、第4のマイクロテクスチャ面の特徴部は、第3のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成される。第2触媒層は、微構造化第3のマイクロテクスチャ面と第4のマイクロテクスチャ面との間に配置される。第1及び第2電極基材層は、ミクロ孔質層上に配置され得る。1つ以上のサブアセンブリ構成成分は、ロール材として形成され得る。
【0012】
サブアセンブリは、ガス流路及び流場の配列を有する第1及び第2流場プレートを備え得る。流場プレートは、圧縮力下で電極基材層と接触するように構成されている。相補的な特徴部が嵌合することで、マイクロテクスチャ面間の界面が圧縮力下においてマイクロテクスチャ面のテンティングを実質的に防ぐのを助ける。
【0013】
本発明の他の実施形態は、増強した触媒界面を有するサブアセンブリの製造方法を目的とする。方法には、イオン導電性膜上の第1のマイクロテクスチャ面の形成及び拡散電流コレクタ層上の第2のマイクロテクスチャ面の形成を包含する。第1のマイクロテクスチャ面及び第2のマイクロテクスチャ面は相補的な特徴部を有し、第1のマイクロテクスチャ面の特徴部は、第2のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成される。方法はさらに、第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間への触媒層の配置を包含する。
【0014】
実施形態における多くの態様によると、触媒層をイオン導電性膜に移動するのと同時に、マイクロテクスチャ面がイオン導電性膜に付与されてよい。触媒層を拡散電流コレクタに移動するのと同時に、第2のマイクロテクスチャ面が拡散電流コレクタに付与されてよい。第1及び第2のマイクロテクスチャ面のうちの1つ又は双方は、エンボスドラム又はホイールのようなエンボスツールを含むエンボスプロセスを使用して作成され得る。位置決め特徴部は、第1及び第2のマイクロテクスチャ面で作成され得る。
【0015】
他の態様によると、マイクロテクスチャパターンは移動基材上に形成され得る。次に、移動基材は膜上に第1のマイクロテクスチャ面を、及びDCC層上に第2のマイクロテクスチャ面をエンボス加工するのに使用される。剥離層は、マイクロテクスチャ面の1つ又は双方の作成を促進するために移動基材上に提供され得る。移動基材は、剥離層上に提供される触媒を含み得る。剥離層は、ペリレンレッドのナノ構造担持ウィスカーを有するナノ構造層であってよい。サブアセンブリの製造方法は、ウェブ加工技術を少なくとも部分的に使用して実施され得る。
【0016】
本発明の上の発明の概要は、本発明の各実施形態もあらゆる実施形態も記載しようと意図していない。本発明の利点及び効果、並びに本発明に対する一層の理解は、添付図面と共に下記の発明を実施するための形態及び請求項を参照することによって明らかになり、理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図解の実施形態に関する以下の説明では、本明細書の一部を成しているとともに、本発明を実施する際の各種実施形態を実例として示している添付図面を参照している。本発明の範囲から逸脱することなく実施形態が利用されてもよく、構造的変更が行われてもよいことは理解されるだろう。
【0018】
MEA触媒層の1つの重要な特性は、電子触媒作用に使用できる表面積である。触媒界面が生じるプロセスにおける有効性を促進するために、触媒界の表面積を制御及び増大するのは有益である。本発明は、イオン導電性膜(ICM)と拡散電流コレクタ(DCC)のミクロ孔質層(MPL)を結合する増強した触媒層の界面、及びかかる界面の作成方法を目的とする。増強した界面は、ICM及びMPL上に相補的な微構造化特徴部が形成されるのに役立つ。相補的な特徴部は、ICMとMPL間の触媒界面の表面積を増大するのに組み合わされる。本発明の増強した触媒界面は、燃料電池及び/又は他の電気化学デバイスに使用されるMEAに有利に組み込まれ得る。
【0019】
本発明の増強した界面は、界面における触媒の活用を増大する。さらに、MPL/触媒/ICM界面において増大した表面積は、この接合点において電気抵抗を削減し、MPLから触媒へのガス移動領域を増大する。加えて、相補的な特徴部を交互に配置することで、ガスの移動を妨げ、低温始動及び氷結の原因となり得るウォータートラップとして働き得る界面における空間及び間隙を削減することができる。界面における相補的な特徴部は、MEA構成成分間の嵌合の保持を促進する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態による増強した界面を備え得るMEAサブアセンブリの基本的な構造を示す。図1Aは、MEA構造をもとにした触媒被覆膜(CCM)を示している。MEA構造は、拡散電流コレクタ(DCC)構造150、151に挟まれるCCM110を含む。CCM110はICM111を含み、ICM111の頂面及び底面に配置される触媒層122、124を有する。触媒層122、124は、膜上に直接蒸気が被覆される触媒薄膜を含んでよい。ある実施形態では、触媒層122、124はナノ構造薄膜(NSTF)触媒層を含んでよい。NTSF触媒層は、ナノスケールの触媒粒子を担持するか、又は触媒薄膜を担持するナノ構造担持ウィスカーを含んでよい。
【0021】
DCC構造150、151は、ミクロ孔質層(MPL)142、144及び電極基材(EB)層152、154を備える。本発明の実施形態によれば、MEAはCCM110とMPL142、144間に増強した界面132、134を備える。流場プレート162、164は、DCC構造150、151の片側に配置される。流場プレートは、燃料電池スタックに取り付けられる際に圧縮力下でDCC150、151と接触する場182、184を備える。流場プレート162、164中のガス流路172、174は、DCC150、151の表面にわたって反応物質又は副生成物が分散するのを可能とする。
【0022】
本実施形態では、本発明の増強した界面は、MPL142、144及びCCM110上に相補的な特徴部を備える。MPL142、144及びCCM110の相補的な特徴部は、MPL142、144及びCCM110間の接触表面積が有利に増大するように、界面132、134において組み合わされる。
【0023】
他の実施形態では、図1Bに図示される触媒層は、ICM110ではなくDCC170、171に配置される。図1Bは、触媒で被覆されたDCC構造を図示する。図1Bで図示されるMEAサブアセンブリは、触媒で被覆された拡散電流コレクタ(DCC)構造170、171間に挟まれたICM111を含む。第1のDCC170は、ミクロ孔質層(MPL)142の表面に配置されるナノ構造薄膜(NSTF)アノード触媒層122を含む。DCC170はさらに、電極基材(EB)層152を含む。第2のDCC171は、ミクロ孔質層(MPL)144の表面に配置されるナノ構造薄膜(NSTF)カソード触媒層124を含む。DCC171はさらに、電極基材(EB)層154を含む。本発明の実施例によれば、MEAサブアセンブリはICM111と触媒被覆DCC170、171間に増強した界面132、134を備える。
【0024】
本実施例では、本発明の増強した界面は、触媒被覆DCC170、171及びICM111上に相補的な特徴部を形成することを包含する。DCC170、171及びICM111の相補的な特徴部は、触媒被覆DCC170、171及びICM111間の接触表面積を有利に増大するように、界面132、134において嵌合される。
【0025】
さらなる実施形態では、触媒層122、124の1つ又は双方は、ICM111上に部分的に配置され、DCC170、171上に部分的に配置され得る。以下で触媒被覆膜に関して記載される実施例が提供されるが、DCCは、全触媒層又はDCC上に部分的に配置され、ICM上に部分的に配置され得る触媒層を交互に含み得る。
【0026】
MEAを組み込んだナノ構造薄膜(NSTF)触媒層の形成は、米国特許第6,136,412号に記載され、本明細書に参照として組み込まれる。NSTF触媒層は、触媒材料を担持する針状のナノ構造担持成分の1つ以上の層を備え得る。1つの実施施態様において、触媒被覆ナノ構造成分は、薄く、膜の対向表面上に部分的に埋め込まれたアノード及びカソード層を有するCCMを形成するために、加圧及び加熱下でICMに移動される。他の実施形態において、同様の方法を用いて、NSTF触媒層はDCCのMPLに移動され得る。あるいは、NSTF触媒層は、DCCのMPL上に直接形成され得る。
【0027】
先に組み込まれた米国特許第6,136,412号に記載されるように、CCMを形成する試みには、マイクロテクスチャ特徴部の触媒化膜表面への付与を包含し得る。例えば、マイクロテクスチャは1〜50μmの範囲の寸法の特徴部を有し得る。マイクロテクスチャは、積層又は静圧のような任意の有効な方法でCCMに付与され得る。1つの実施形態において、ナノ構造成分をICMに移動する工程中に、マイクロテクスチャはCCMに付与される。ナノ構造触媒成分は、ICMに対向して載置されるマイクロテクスチャ触媒移動基材(MCTS)上に形成され得る。ナノ構造触媒成分と膜を結合し、また、MCTSのマイクロテクスチャ面をCCMに付与するために、圧力及び任意で熱がMCTS/ICMサブアセンブリに適用される。MCTSはマイクロテクスチャCCMから剥離して除去される。
【0028】
図2は、マイクロテクスチャ触媒移動基材(MCTS)からの触媒の移動によって形成されるマイクロテクスチャ面を有する触媒被覆膜の断面図である。本実施例において、膜は約30μm厚であって、頂点から谷部までの高さは約6μmである。針状のNSTF触媒成分は、わずか約1μm厚である場合に、表面においてわずかに分解する可能性がある。
【0029】
膜表面を微構造化する1つの利点は、平坦な表面よりも表面積を増大できるということである。図2における実施例において、谷部の側壁の夾角は90°であって、表面積は(2)1/2=1.414増大する。電気化学反応においては、触媒の表面積が増大することは非常に望ましい。しかしながら、CCMが一般的に平面である2つの拡散電流コレクタ(DCC)層の間に挟まれ、圧力をかけることで完全なMEAを形成するために使用される際、CCMのマイクロテクスチャ面は図3に示すように平坦化されてよい。図3は、燃料電池としての試験後に、平面DCCが除去されたCCMの断面を示す。CCMの表面におけるマイクロテクスチャパターンは永続的に部分的に平坦化されているように見える。マイクロテクスチャパターンの平坦化は、CCMが圧縮下で燃料電池に取り付けられる際に増加すると予測される。
【0030】
CCM面の平坦化は、圧縮された触媒電極層への水素又は酸素原子の接近が制限されるために、表面積における初期増大の有効性を削減する。加えて、流場二極プレートのチャネル上において圧縮されたCCM頂点とDCC面間に空隙が形成され得、これは「テンティング」と示される現象である。空隙は、カソードを浸水し、さらに物質移動において燃料電池の性能を制限する要因となる水で満たされ、保持する可能性がある。これらの空隙領域において、触媒層表面とDCCとの間にも接触が無く、それによって高セル抵抗及び性能の低下を引き起こし得る。図4は、ホットロールカレンダー後のマイクロテクスチャCCMの走査型電子顕微鏡写真(SEM)断面図を示し、より平坦化された特徴部を示しており、これは流場の場領域における燃料電池での実際の使用を通じて、CCMの可能な表面構造であることを表している。
【0031】
本発明の実施形態には、少なくとも1つのMEAのDCCにおけるMPL側でのマイクロテクスチャ特徴部の形成を包含する。マイクロテクスチャ特徴部は、CCM上に形成される特徴部と相補的である。CCM及びMPLの相補的な特徴部は、CCMとMPL間の界面の表面積を増大するために嵌合される。触媒電極とMPLとの間の表面積を増大し、それによってMEA作動が増強するように、例えば、「実矧ぎ」配列として特徴部は組み合わされ得る。
【0032】
図5A〜5Cは、本発明の実施形態によるCCM及びMPLの相補的な特徴部を示す。図5Aは、EB層252及び特徴部255、256を有するマイクロテクスチャMPL242を含むDCC250の部分断面図を示す。図5Bは、マイクロテクスチャICM211を示し、NSTF触媒層222を有するCCM210の部分断面図を示す。1つの実施形態において、NSTF触媒層222は、本明細書では「ペリレンレッド」と示される、白金族金属のような触媒金属を担持するC.I.ピグメントレッド149のナノ構造担持成分を含んでよい。図5Cに示されるように、表面を合わせた際に相補的な特徴部255、215、256、216が嵌合され、MPL242及びCCM210の界面232の表面積を増大するように、DCC250の特徴部255、256は、CCM特徴部215、216と相補的である。
【0033】
図5Dは、CCM211の両側にマイクロテクスチャDCC150、151が配置されたマイクロテクスチャCCM211を有するMEAを示す。CCMは第1及び第2触媒層222、224を有する第1及び第2のマイクロテクスチャ面を備える。各DCC150、151は、CCM211の特徴部と相補的である特徴部を有するMPL142、144を備える。図5Dは、CCM211の各表面上において同じ型の特徴部を有するMEAを示すが、特徴部は、CCM211の異なる側において、例えば上面に角錐状及び底面に半球状のように、異なることが可能である。
【0034】
CCM及びMPL表面の特徴部は、CCM/MPL界面において増大した表面積を促進する任意の形状として形成され得る。CCM610及びDCC650表面におけるいくつかの例示的な形状が図6A〜6Fに示される。例えば、断面図における特徴部は、曲線形状(例えば図6A)、三角形状(例えば図6D)、鋸歯形状(例えば図6B)、及び/又は他の形状を有してよい。特徴部は、CCMとDCCとの間の摩擦結合及び/又は機械的な結合を増強するために形成され得る。例えば、CCM及びMPLの相補的な特徴部は、CCM及びMPLとの間の機械的な捕捉を促進するために形成され得る。多くの実施形態では、特徴部は、嵌合の際に、プレス嵌め、締まり嵌め、連結嵌め(例えば図6E)、及び/又はフラクタル連結嵌め(例えば図6F)のような特徴部間の嵌まりの維持を作り出すために形成され得る。
【0035】
CCM及びDCCの特徴部は、MEAが圧縮下において燃料電池スタックの流場プレート間に取り付けられる際のような圧縮力下で、マイクロテクスチャMPL及び/又はマイクロテクスチャCCMの表面のテンティング又は他の変形を防ぐために形成され得る。
【0036】
図6Eは、連結特徴部611、612を示す。図6Fは、連結嵌めを提供するように嵌合され得るフラクタル様特徴部を示す。図6Fは、CCM610とDCC650間にフラクタル連結嵌めを提供し得るフラクタル様特徴部672、674を示す。フラクタル様特徴部6672、674は、徐々に小さくなる嵌合特徴部を提供する。CCM610面の特徴部は、DCC650の特徴部と同じであるか、又は異なってよい。図6Dに示されるように、特徴部は、CCM610の特徴部とDCC650の特徴部との間の配列を促進する位置決め特徴部を備えてよい。三次元で観察すると、特徴部は溝、隆起、半球、錐体、棒、及び/又は他の幾何学的形状に見え得る。
【0037】
ある実施形態では、CCM及びMPL面の双方はNSTF層を有してよい。NSTF層の1つ又は双方は、触媒コーティングを備えてよい。NSTF層のナノ構造ウィスカーは、フラクタル又はフラクタル様表面構造を作成するウィスカレットを担持し得る。CCM及びMPL面の双方がNSTF層を備える際、ナノ構造ウィスカー及び/又はウィスカレットはCCMとDDCとの間にフラクタル連結嵌めを作り出すために嵌合されてよい。
【0038】
図7は、本明細書で記載される相補的な表面特徴部を使用するMEAサブアセンブリの作成プロセスのフローチャートである。第1のマイクロテクスチャ面は、触媒被覆膜上で形成される(710)。第2のマイクロテクスチャ面は、拡散電流コレクタのミクロ孔質層上で形成される(720)。第1のマイクロテクスチャ面は、第2のマイクロテクスチャ面の特徴部に対して相補的である特徴部を含む。第1及び第2のマイクロテクスチャ面が結合される際、増大した表面積を有する増強した界面を形成するために、第1及び第2面の相補的な特徴部が嵌合する。
【0039】
マイクロテクスチャ特徴部は、任意の従来のプロセスを使用して形成され得る。例えば、マイクロテクスチャ特徴部は、積層、エンボス加工、又は静圧縮、又は他の方法によって形成され得る。ある実施形態において、エンボスホイール又はドラムはDCCにマイクロテクスチャパターンを移動するのに使用され得る。CCM上の相補的なマイクロテクスチャパターンは、MCTSを使用するエンボス加工によって、及び他の方法によって形成され得る。ある実施形態において、DCC及びCCM双方のマイクロテクスチャ面は、MCTSを使用して形成される。
【0040】
図8は、CCM及びDCCのマイクロテクスチャ面が本発明の1つの実施形態によるMCTSを使用して双方共に形成される際に、サブアセンブリを形成するために使用され得るプロセスを示す。本実施形態では、触媒材料を担持するナノ構造担持成分はMCTS上に形成される(810)。例えば、ナノ構造担持成分は、ペリレンレッドのような有機顔料材料を含み得る。ナノ構造担持成分は、ペリレンレッドの層をMCTS上に堆積し、約230℃〜約270℃で約3分〜60分の間のような、一定時間でアニーリングすることで形成され得る。
【0041】
ナノ構造担持成分の形成後、ナノ構造触媒層を形成するために、白金族金属又は他の好適な触媒のような触媒物質はナノ構造担持成分上に等角的に被覆される。
【0042】
ナノ構造触媒担持成分は、CCMを形成するために圧力及び任意で熱を使用してICMに移動される。ナノ構造触媒担持成分を移動するのと同時に、MCTSの微構造はICMに付与される(820)。
【0043】
ICMは、任意の好適なイオン交換電解質から構成され得る。電解質は、好ましくは固体又はゲルである。本発明において有用な電解質には、ポリマー電解質及びイオン交換樹脂のようなイオン導電性材料が挙げられる。電解質は、プロトン交換膜燃料電池において使用するのに好適な好ましいプロトン導電性アイオノマーである。
【0044】
テトラフルオロエチレン(TFE)のコポリマー及び以下の式によるコモノマー:FSO2−CF2−CF2−O−CF(CF3)−CF2−O−CF=CF2が既知であり、スルホン酸形態、つまり、FSO2−末端基が加水分解されてHSO3−になった形態で、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)のデュポンケミカル社(DuPont Chemical Company)によって商標名ナフィオン(NAFION)(登録商標)のもとで販売されている。ナフィオン(NAFION)(登録商標)は、燃料電池において使用するポリマー電解質膜の作成に一般的に使用される。
【0045】
テトラフルオロエチレン(TFE)のコポリマー類及び以下の式によるコモノマー:FSO2−CF2−CF2−O−CF=CF2も既知であり、スルホン酸形態、つまり、FSO2−末端基が加水分解されてHSO3−になった形態で、燃料電池に使用するポリマー電解質膜を作成するのに使用される。最も好ましいのは、テトラフルオロエチレン(TFE)のコポリマー類及びFSO2−末端が加水分解されてHSO3−になった、FSO2−CF2CF2CF2CF2−O−CF=CF2である。
【0046】
剥離層は、MCTS上に形成される(830)。1つの実施形態において、剥離層は上述のように形成されたナノ構造成分を含む。ナノ構造成分は、触媒コーティングを含んでも含まなくてもよい。剥離層を担持するMCTSは、DCCのMPL面に対向して載置される。圧力、及び任意で熱はMCTSのマイクロテクスチャパターンをMPLに付与するのに使用される(840)。CCM及びDCCのマイクロテクスチャ面は、CCM及びDCC表面の相補的な特徴部を嵌合して結合される(850)。
【0047】
MEAサブアセンブリを作成する代替の方法は、触媒層を有さないマイクロテクスチャICM及びマイクロテクスチャ触媒被覆DCCを包含する。ある実施形態で、サブアセンブリの1つ以上の構成成分はロール材として形成されるか、又はウェブ加工技術を使用して形成され得る。
【0048】
図9Aは、角錐マイクロテクスチャ特徴部を有するMCTSの形成に使用されるツールモデルを示す。図9Bは、かかるツールから作成されるMCTSを描いている。図9Aのツールによって形成される図9BのMCTSは、図6Dの断面図にあるものと同様な位置決め特徴部として使用され得る特徴部を備える。図9C及び9Dは、ナノ構造触媒成分がMCTS上に形成された後の図9BのMCTSを示す。
【0049】
(実施例1)
DCCのMPLがMCTSのマイクロテクスチャ溝側と接触するように、約6.4cm(2.5インチ)×6.4cm(2.5インチ)の炭素分散被覆炭素布の角片(米国特許第6465041号に記載されるように調製された1%PTFE/20V/14−2を有するテクストロン(TEXTRON)HCB)を6.4cm(2.5インチ)×6.4cm(2.5インチ)のMCTS/ポリイミド露出片(片上にナノ構造触媒担持ウィスカーを含有しない)に対して載置した。これらの2つの物品を2つの0.051mm(2ミル)厚のポリイミド平片の間に載置した。この4つの物品のサンドイッチをCCM積層中に典型的に使用される2枚の白色コート紙間に載置した。この紙は、圧縮力がより均一に分配されるのを助けるのに使用される。このサンドイッチスタックを2つの15cm(6インチ)角のステンレス鋼プレート間に載置した。次に、アセンブリを加圧下で熱板上に載置し、130℃(270°F)まで熱した。2721kg(6000ポンド)の全力をスタックに2分間かけた。
【0050】
MPL炭素層の一部分が炭素裏地から剥がれ、MCTS/ポリイミド片に付着する結果となった。しかしながら、DCC上に残存するMPL層の領域において、MPLは図10に示す光学顕微鏡写真のように、MCTSの溝パターンでエンボス加工された。炭素分散コーティングの泥割れパターンは、MCTSパターン(頂点〜頂点まで12ミクロン、頂点〜谷部まで6ミクロン)よりも明らかにはるかに大きく、MPL表面の高さにおける変動もMCTS溝(6ミクロンの深さ)よりもはるかに大きい。なお、表面のほとんどがパターン化されていることで、MPLをエンボス加工するために、プレス中にMPLとMCTとの間に適切な接触があったことを示唆している。
【0051】
(実施例2)
MCTSに粘着するMPL層を有さないDCCをエンボス加工するのが望ましい。この望まない効果を削減する1つの方法は、MCTS上の剥離層、又はMPLに粘着しない表面を使用するというものである。本実施例において、ウィスカー被覆MCTSが使用されることで、ナノ構造層が剥離層として機能する。剥離層はペリレンナノ構造ウィスカー被覆MCTSを含んでよいか、又はペリレンウィスカーはPtのような触媒に被覆されてよい。後者の場合、DCC/CCM界面で入手できる付加触媒があってよく、これは界面における触媒活性を増強し得る。
【0052】
本実施例において、DCCのMPL側がMCTSのマイクロテクスチャ側に形成されるナノ構造成分と接触するように、6.4cm(2.5インチ)×6.4cm(2.5インチ)の触媒被覆MCTS片(標準PR149ペリレンレッドウィスカー被覆MCTS上に13.3Pa(100ミリトール)において0.22mg/cm2のPtスパッタリング蒸着)を炭素分散被覆布片(1%PTFE/20V/14−2を有するテクストロン(TEXTRON)HCB)の被覆側に配置した。新しいポリイミド及び紙(外側)片とともに、上述の第1実施例と同様のサンドイッチ構造を使用した。6層サンドイッチをステンレス鋼プレート間で2721kg(6000ポンド)で2分間プレスした。分解の際、MPLのいずれもMCTS片に移動しない。任意の触媒被覆ウィスカーがMPLに移動される場合、視覚的に確認するのは不可能であるが、MCTS片は、おそらく接触点においてDCCに移動される触媒被覆ウィスカーからその表面上に織布パターンを有すると思われる。
【0053】
図11に示すように、MCTS溝は本MPL表面上で見てすぐに分かるものであった。この外観において好ましいものは、MPLの除去のないDCCの表面上のMCTSの特徴部のエンボス加工であった。ある触媒は、MPLに移動され、その移動は有益であり得る。
【0054】
(実施例3)
本実施例は、実施例2で調製されるようなマイクロテクスチャエンボス加工されたMPL被覆炭素布表面を有する燃料電池性能における改良を示す。
【0055】
実施例2で調製されるような2片のエンボス被覆テクストロン(TEXTRON)布を、0.2mg/cm2のPt被覆ナノ構造ウィスカー及び30ミクロン厚、キャストナフィオン(Nafion)(登録商標)フィルムで作成される50cm2のCCMの両側に載置した。図12及び13は、75℃及び80℃での207kPa(30パスカルゲージ)圧搾空気及び水素、及び75℃での周囲気圧及び水素を含む、様々な条件において得られる安定化分極曲線を示す。図12は、実施例2からの表面エンボス加工DCCを有するMEAからの動電位走査モードで得られる燃料電池分極曲線を示す。図13は、図12で使用される同じMEAからの燃料電池分極曲線を示し、完全に乾燥した及び完全に飽和した吸気湿度条件下における電流動的走査モードによって得られる。
【0056】
図12において、分極曲線を動電位走査モードで得た。図12において注目すべきは、MEAは75℃において、乾燥した入口条件(0%相対湿度)で、207kPa(30パスカルゲージ)、0.8ボルトで0.4A/cm2、及び周囲気圧において0.8ボルトで0.2A/cm2作り出し、双方とも分極曲線のアップスキャン中にある。これらの結果を、表1において、カソード上において同じ膜及びPt触媒荷重のもとで加工されたCCMを使用する様々なMEAから、同様に得られた分極曲線から同様に抽出された値と比較する。表1は、本発明のマイクロテクスチャDCC(FC5255)を使用する燃料電池の性能とマイクロテクスチャDCC表面パターンを有さない比較例との比較を提供する。
【0057】
これらの比較例において、DCCをもとにした異なる型の布が使用されるが、全てにおいて作成されたまま平面であるか、又は非エンボス加工MPLコーティングを有する。見てのとおり、全ての場合において、0.8Vにおける電流密度は、本発明のDCCにおいて最も高い。表1における反実施例のいくつかは、4重蛇行流場の代わりに、4重蛇行流場で存在するよりも高い入り口圧力を導く単一チャネル流場を利用する。このような場合、約69kPa(10)の入り口圧力は、4重蛇行流場によって作り出されるよりも0.8Vにおいて高い電流密度を与えるので、これらの同一のMEAは、本発明のサンプルFC5255に使用されるような4重蛇行流場において試験される場合よりも人工的に見られる。
【0058】
【表1】
【0059】
図13を参照すると、電流動的分極曲線は非常に安定しており、完全飽和又は乾燥操作条件のどちらにおいても実質的に同一であるという事実は、DCCとCCMとの間の増強した界面によるものであり得る。上述するように、水が平面DCC面とCCMの残留溝との間に溜まる場合、それによってカソードフラッディングが存在し得る。本発明のマイクロテクスチャDCCによるこれらのウォータートラップを削減することで、このフラッディングを防止するのを助けることが可能となる。このように広範囲にわたる湿度レベルにおいて機能することのできる能力は、マイクロテクスチャDCCによって提供される重要な系の有利点である。
【0060】
(実施例4)
被覆炭素布を使用する実施例1及び2において上述されるのと同様の方法をマサチューセッツ州ウォバーン(Woburn)のエレクトロケム社(ElectroChem, Inc.)から入手可能な東レ(TORAY)(登録商標)カーボン紙である炭素拡散被覆カーボン紙で繰り返した。先行の実施例と同じマイクロテクスチャパターン上に形成されるPt被覆ナノ構造ウィスカーを有するMCTSをエンボス加工ツールとして使用した。サンドイッチスタック層及びプレス力は、実施例1及び2と同様であった。
【0061】
その結果、脆性紙DCCが断裂し、MCTSの一端に粘着した。繊維間の領域における炭素拡散コーティングがMCTSエンボス加工面に接触しないために、東レ(TORAY)(登録商標)の紙DCCは、MCTSエンボス加工基材を容易に別々に形成し、このMCTSは布よりも非柔軟性かつ圧縮性に乏しいと思われる。これは、東レ(Toray)の紙表面における完全なエンボス加工を防いだ。このような表面における非服従及び破損につながる剛性は、東レ(TORAY)(登録商標)の紙がDCC表面のエンボス加工手段における布よりも望ましい対象でないことを意味する。
【0062】
DCC電極基材上のMPLコーティングにMCTSパターンをエンボス加工するのに使用する上述の方法は、熱静圧プロセスであった。ウェブとして被覆DCC電極基材をロールツール上にMCTSパターンを有するカレンダーニップローラーに通過させることで、CCMのパターンと一致するようにMPLをパターン化する連続プロセスとして使用することが可能となった。他の実施形態において、MPLをDCC電極の表面に塗布するコーティングプロセスには、パターン化ツールを備える炭素拡散層の塗布を包含し得る。さらに他の実施形態において、得られる乾燥表面がCCMの構造と一致する所望の構造を有するように、MPL層がまだ濡れている状態である場合、マイクロテクスチャ特徴部がパターン化ツール縁部を備えるMPL層において形成され得る。
【0063】
(実施例5、6、7)
Niで後でめっきされる銅版に20cm×20cmのパッチパターンを機械裁断することで幾何学模様を有するMCTSツールを作成した。新たなパターンは、12μm×12μm平方ベース及び6μmの角錐高さを有する角錐構造の繰り返しから成る。V溝MCTSパターンを製造するのに使用される同一の裁断プログラムを用いる新たなパターンを図1に示す。最初に、V溝を製造するために一方向に、続けて二度目には角錐を製造するのに直交方向にパターンを切断した。新たなマイクロテクスチャパターンを図9Aに示す。V溝パターンと同様に、角錐パターンは双方向で各30の溝が繰り返される9μmの頂点を有する。20センチメートル×20cm角のMCTS基材サンプルを、米国特許第6136412号に記載されるキャスト及び硬化方法によるハンドスプレッドを使用する角錐ツールで加工した。図9Bは、9μmの頂点を示す実際のツールの400倍である。
【0064】
先行の実施例に記載されるのと同じ方法によって、ナノ構造触媒担持成分をMCTS基材上に形成した。MCTS基材表面上に0.15mg/cm2の荷重で純Ptを電子ビーム蒸着した。図9C及び9Dは、触媒被覆MCTS基材の走査型電子顕微鏡イメージを示す。次に、50cm2の活性領域を有する触媒被覆膜を形成するために、ナノ構造触媒成分を触媒被覆MCTSサンプルから1000等量を有するペルフルオロ化スルホン酸プロトン交換膜の30μm厚シートの両面に移動した。米国特許第20050069755号に記載され、160℃のロール温度及び790kPa(115ポンド)のシリンダー圧を用いる積層方法を使用した。次に、現在は触媒を有さない同様の角錐MCTSサンプルを、実施例2に記載のものと同じ方法による熱静圧を使用するテクストロン(TEXTRON)炭素布の1セット(アノード及びカソード)においてMPL炭素拡散コーティングに角錐構造をエンボス加工するのに使用した。MCTSとDCCのMPLコーティングの粘着を最小化するのに、積層されたサンドイッチが2分の圧縮時間後にまだ熱いうちに層を分離した。
【0065】
角錐CCM及び平面DCC(実施例5及び6)あるいは角錐エンボス加工DCC(実施例7)を使用して、3つの燃料電池MEAを組み立て、試験した。図14は、同一の条件のもとでそれぞれが完全に安定化した後の3つの電池から得られる周囲空気圧、一定流量、水素/空気分極曲線を示す。角錐CCMにおける2つのサンプルをセル電圧対セル電流密度において同じ性能を与える平面DCCと一致させる。角錐エンボス加工CCM及びエンボス加工DCCの双方を有するMEAは、0.6〜0.8ボルトの有用なセル電圧範囲の全体にわたって優れた性能を有するように見える。
【0066】
本発明の多様な実施形態を例証と説明の目的で述べてきた。それは、包括的であることも、開示されたまさにその形態に本発明を限定することも意図していない。以上の教示を考慮すれば、多くの修正形態及び変形形態が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によって制限されず、むしろ添付の特許請求の範囲によって制限されるものとする。
【0067】
本発明は様々な変更例及び代替形状が可能であるが、その具体例を一例として図面に示すとともに詳細に説明する。しかし本発明を説明する特定の実施形態に限定しようとするものではないことは理解されよう。逆に、添付の請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく、あらゆる変更、均等物、および代替物を包含することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1A】本発明の実施形態による、増強した界面を備え得るMEAサブアセンブリの基本的な構造。
【図1B】本発明の実施形態による、増強した界面を備え得るMEAサブアセンブリの基本的な構造。
【図2】マイクロテクスチャ触媒移動基材(MCTS)からの触媒の移動によって形成されるマイクロテクスチャ面を有する、触媒被覆膜の断面図。
【図3】微構造の平坦化を示す燃料電池としての試験後に、平面DCCが除かれた、CCMの断面。
【図4】ホットロールカレンダー後のマイクロテクスチャCCMの走査型電子顕微鏡写真(SEM)断面を示し、より平坦化された特徴部を示しており、これは燃料電池における実際の使用を通じてCCMが可能な表面構造であることを示す。
【図5A】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部。
【図5B】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部。
【図5C】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部。
【図5D】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部。
【図6A】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図6B】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図6C】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図6D】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図6E】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図6F】本発明の実施形態によるMEAサブアセンブリの相補的な特徴部における代表的な形状。
【図7】本発明の実施形態による相補的な表面特徴部を使用するMEAサブアセンブリを作成するプロセスのフローチャート。
【図8】CCM及びDCCのマイクロテクスチャ面の双方が本発明の実施形態によるMCTSを使用して形成される際、サブアセンブリを形成するのに使用され得るプロセスを示す。
【図9A】本発明の実施形態による角錐マイクロテクスチャ特徴部を有するMCTSを形成するのに使用されるツールモデル。
【図9B】図9Aのツールから形成されるMCTS。
【図9C】ナノ構造触媒成分がMCTS上に形成された後の図9BのMCTS。
【図9D】ナノ構造触媒成分がMCTS上に形成された後の図9BのMCTS。
【図10】本発明の実施形態による剥離層を使用しないMCTSの溝パターンでエンボス加工されたMPLを有するDCCの光学顕微鏡写真。
【図11】本発明の実施形態による剥離層を使用するMCTSの溝パターンでエンボス加工されたMPLを有するDCCの光学顕微鏡写真。
【図12】本発明の実施形態によるMPL被覆炭素布表面を用いる燃料電池性能における向上を示す様々な条件において得られる安定化した分極極性。
【図13】本発明の実施形態によるMPL被覆炭素布表面を用いる燃料電池性能における向上を示す様々な条件において得られる安定化した分極極性。
【図14】本発明の実施形態による角錐微構造を有するDCC及びCCMを使用する燃料電池性能における向上を示す安定化した分極曲線。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマイクロテクスチャ面を含むイオン導電性膜;
第2のマイクロテクスチャ面を含むミクロ孔質層、ここで前記第1のマイクロテクスチャ面及び前記第2のマイクロテクスチャ面は相補的な特徴部を含み、前記第2のマイクロテクスチャ面の特徴部は前記第1のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成され;及び
前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間に配置される触媒層、を含む膜電極サブアセンブリ。
【請求項2】
電極基材をさらに含み、前記ミクロ孔質層は前記電極基材上に配置される、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項3】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の摩擦結合を促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項4】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の機械的結合を促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項5】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の機械的捕捉を促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項6】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の締まり嵌めを促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項7】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の連結嵌めを促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項8】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間のフラクタル連結嵌めを促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項9】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間のプレス嵌めを促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項10】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の実矧ぎ嵌めを促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項11】
前記第1のマイクロテクスチャ面の特徴部は、前記第2のマイクロテクスチャ面の特徴部と異なる形状を有する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項12】
前記相補的な特徴部は一般的に角錐形状を有する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項13】
前記相補的な特徴部は一般的に鋸歯形状を有する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項14】
前記相補的な特徴部は隆起部を含む、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項15】
前記相補的な特徴部は溝部を含む、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項16】
前記触媒層は、1以上の触媒材料の薄膜を含む、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項17】
前記触媒層は、ナノ構造触媒層を含む、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項18】
前記ナノ構造触媒層は、ナノスケールの触媒粒子又は触媒薄膜を支持するナノ構造担持ウィスカーを含む、請求項17に記載のサブアセンブリ。
【請求項19】
前記ナノ構造担持ウィスカーはペリレンレッドを含む、請求項18に記載のサブアセンブリ。
【請求項20】
触媒被覆膜を含み、前記触媒被覆膜はイオン導電性膜及び触媒層を備える、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項21】
さらに、前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面上に配置される位置決め特徴部を含む、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項22】
前記イオン導電性膜は第3のマイクロテクスチャ面を含み、前記サブアセンブリはさらに
第4のマイクロテクスチャ面を含む第2ミクロ孔質層、ここで前記第3のマイクロテクスチャ面及び前記第4のマイクロテクスチャ面は相補的な特徴部を含み、前記第4のマイクロテクスチャ面の特徴部は、前記第3のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成され;及び
前記第3のマイクロテクスチャ面と第4のマイクロテクスチャ面との間に配置される第2触媒層、を含む請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項23】
さらに
第1電極基材層であって、前記第1電極基材層上には第1ミクロ孔質層が配置され;及び
第2電極基材層であって、前記第2電極基材層上には第2ミクロ孔質層が配置されること、を含む請求項22に記載のサブアセンブリ。
【請求項24】
少なくとも1つのサブアセンブリ構成成分がロール材として形成される、請求項22に記載のサブアセンブリ。
【請求項25】
さらに、ガス流路及び流場の配列を含む第1及び第2流場プレート、圧縮力下で前記第1及び第2電極バッキング層と接触する前記流場プレート、圧縮力下でマイクロテクスチャ面間の界面がマイクロテクスチャ面のテンティングを実質的に防ぐのを促進する前記相補的な特徴部、をさらに含む請求項22に記載のサブアセンブリ。
【請求項26】
イオン導電性膜上で第1のマイクロテクスチャ面を形成すること;
拡散電流コレクタ層上で第2のマイクロテクスチャ面を形成すること、ここで前記第1のマイクロテクスチャ面及び前記第2のマイクロテクスチャ面は相補的な特徴部を含み、前記第1のマイクロテクスチャ面の特徴部は前記第2のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成され;及び
前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間へ触媒層を配置すること、を含むサブアセンブリの製造方法。
【請求項27】
前記第1のマイクロテクスチャ面の形成は、前記触媒層の前記イオン導電性膜への移動中の前記イオン導電性膜へ前記マイクロテクスチャ面を付与することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2のマイクロテクスチャ面の形成は、前記触媒層の前記拡散電流コレクタへの移動中の前記拡散電流コレクタへ前記マイクロテクスチャ面を付与することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面のうちの少なくとも1つは、エンボスプロセスを使用して形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面の各々は、エンボスプロセスを使用して形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面のうちの少なくとも1つは、エンボスツールを使用して形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面のうちの少なくとも1つは、エンボスドラム又はホイールを使用して形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
さらに、移動基材上でマイクロテクスチャパターンを形成することを含み;
前記膜上の第1のマイクロテクスチャ面は、前記移動基材上のマイクロテクスチャパターンを使用して形成され;及び
前記DCC上の第2のマイクロテクスチャ面は、前記移動基材上のマイクロテクスチャパターンを使用して形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
さらに、前記移動基材上への剥離層の提供を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記移動基材は前記剥離層上へ提供される触媒を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記剥離層はナノ構造触媒層を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記剥離層はペリレンレッドを含むナノ構造担持ウィスカーを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
さらに、前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面上での位置決め特徴部の形成を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記サブアセンブリの製造方法は、ウェブ加工技術を少なくとも部分的に使用して実施される、請求項33に記載の方法。
【請求項1】
第1のマイクロテクスチャ面を含むイオン導電性膜;
第2のマイクロテクスチャ面を含むミクロ孔質層、ここで前記第1のマイクロテクスチャ面及び前記第2のマイクロテクスチャ面は相補的な特徴部を含み、前記第2のマイクロテクスチャ面の特徴部は前記第1のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成され;及び
前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間に配置される触媒層、を含む膜電極サブアセンブリ。
【請求項2】
電極基材をさらに含み、前記ミクロ孔質層は前記電極基材上に配置される、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項3】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の摩擦結合を促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項4】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の機械的結合を促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項5】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の機械的捕捉を促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項6】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の締まり嵌めを促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項7】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の連結嵌めを促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項8】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間のフラクタル連結嵌めを促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項9】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間のプレス嵌めを促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項10】
前記相補的な特徴部は、前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間の実矧ぎ嵌めを促進する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項11】
前記第1のマイクロテクスチャ面の特徴部は、前記第2のマイクロテクスチャ面の特徴部と異なる形状を有する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項12】
前記相補的な特徴部は一般的に角錐形状を有する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項13】
前記相補的な特徴部は一般的に鋸歯形状を有する、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項14】
前記相補的な特徴部は隆起部を含む、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項15】
前記相補的な特徴部は溝部を含む、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項16】
前記触媒層は、1以上の触媒材料の薄膜を含む、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項17】
前記触媒層は、ナノ構造触媒層を含む、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項18】
前記ナノ構造触媒層は、ナノスケールの触媒粒子又は触媒薄膜を支持するナノ構造担持ウィスカーを含む、請求項17に記載のサブアセンブリ。
【請求項19】
前記ナノ構造担持ウィスカーはペリレンレッドを含む、請求項18に記載のサブアセンブリ。
【請求項20】
触媒被覆膜を含み、前記触媒被覆膜はイオン導電性膜及び触媒層を備える、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項21】
さらに、前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面上に配置される位置決め特徴部を含む、請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項22】
前記イオン導電性膜は第3のマイクロテクスチャ面を含み、前記サブアセンブリはさらに
第4のマイクロテクスチャ面を含む第2ミクロ孔質層、ここで前記第3のマイクロテクスチャ面及び前記第4のマイクロテクスチャ面は相補的な特徴部を含み、前記第4のマイクロテクスチャ面の特徴部は、前記第3のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成され;及び
前記第3のマイクロテクスチャ面と第4のマイクロテクスチャ面との間に配置される第2触媒層、を含む請求項1に記載のサブアセンブリ。
【請求項23】
さらに
第1電極基材層であって、前記第1電極基材層上には第1ミクロ孔質層が配置され;及び
第2電極基材層であって、前記第2電極基材層上には第2ミクロ孔質層が配置されること、を含む請求項22に記載のサブアセンブリ。
【請求項24】
少なくとも1つのサブアセンブリ構成成分がロール材として形成される、請求項22に記載のサブアセンブリ。
【請求項25】
さらに、ガス流路及び流場の配列を含む第1及び第2流場プレート、圧縮力下で前記第1及び第2電極バッキング層と接触する前記流場プレート、圧縮力下でマイクロテクスチャ面間の界面がマイクロテクスチャ面のテンティングを実質的に防ぐのを促進する前記相補的な特徴部、をさらに含む請求項22に記載のサブアセンブリ。
【請求項26】
イオン導電性膜上で第1のマイクロテクスチャ面を形成すること;
拡散電流コレクタ層上で第2のマイクロテクスチャ面を形成すること、ここで前記第1のマイクロテクスチャ面及び前記第2のマイクロテクスチャ面は相補的な特徴部を含み、前記第1のマイクロテクスチャ面の特徴部は前記第2のマイクロテクスチャ面の特徴部と嵌合するように構成され;及び
前記第1のマイクロテクスチャ面と第2のマイクロテクスチャ面との間へ触媒層を配置すること、を含むサブアセンブリの製造方法。
【請求項27】
前記第1のマイクロテクスチャ面の形成は、前記触媒層の前記イオン導電性膜への移動中の前記イオン導電性膜へ前記マイクロテクスチャ面を付与することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2のマイクロテクスチャ面の形成は、前記触媒層の前記拡散電流コレクタへの移動中の前記拡散電流コレクタへ前記マイクロテクスチャ面を付与することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面のうちの少なくとも1つは、エンボスプロセスを使用して形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面の各々は、エンボスプロセスを使用して形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面のうちの少なくとも1つは、エンボスツールを使用して形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面のうちの少なくとも1つは、エンボスドラム又はホイールを使用して形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
さらに、移動基材上でマイクロテクスチャパターンを形成することを含み;
前記膜上の第1のマイクロテクスチャ面は、前記移動基材上のマイクロテクスチャパターンを使用して形成され;及び
前記DCC上の第2のマイクロテクスチャ面は、前記移動基材上のマイクロテクスチャパターンを使用して形成される、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
さらに、前記移動基材上への剥離層の提供を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記移動基材は前記剥離層上へ提供される触媒を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記剥離層はナノ構造触媒層を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記剥離層はペリレンレッドを含むナノ構造担持ウィスカーを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
さらに、前記第1及び第2のマイクロテクスチャ面上での位置決め特徴部の形成を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記サブアセンブリの製造方法は、ウェブ加工技術を少なくとも部分的に使用して実施される、請求項33に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−508317(P2009−508317A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531141(P2008−531141)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/033430
【国際公開番号】WO2007/032889
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/033430
【国際公開番号】WO2007/032889
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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