説明

膣感染を処置又は予防するための低濃度のペルオキサイド

【課題】膣感染を処置又は予防するための薬学的膣組成物の提供。
【解決手段】ペルオキサイドのソース及び生体接着性持続的放出性処方物を含む薬学的膣組成物であって、患者へ局所投与したときに膣における酸素濃度を高めるのに十分な量で少なくとも12時間の間ペルオキサイドを放出し且つ膣のpHを治療的に低下させ、膣の滅菌又は正常に望ましい局所的な膣フローラの有意な殺傷を起こさないように処方される、組成物であり、前記生体接着性持続的放出性処方物がポリカルボフィルであり、ペルオキサイドソースがカルバミドペルオキサイドである組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

関連出願へのクロスリファレンス
本願は、その内容が明白に本書において参考として援用される2001年10月29日に出願した米国仮出願第60/330,683号の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、膣感染を処置又は予防するための薬学的組成物に関する。当該薬学的組成物は、概して、過剰なペルオキサイド濃度にすることなく、長時間に渡り非常に低濃度のペルオキサイドを放出及び維持して酸素放出の利益をもたらすと同時に時間をかけてpHを低下させる生体接着性持続的放出性処方物の相乗作用ミックス(synergistic
mix)を含む。本発明は、また、本書において開示される薬学的組成物を用いて膣感染を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
膣感染は、女性の間でよくある問題である。細菌性膣炎(Bacterial Vaginosis )(BV)は、感染性膣炎の最もよくある形態であり、症候性の症例の45%を占め、また無症候性の性的に活発な女性の15%において存在すると推定される。Breen, J. ed., The Gynecologist and the Older Patient, pp. 304−305 (1988)を参照のこと。多菌性の膣感染は、膣におけるラクトバチルス属(lactobacilli)の付随的減少を伴う嫌気性生物の数の増加によって引き起こされると信じられている。膣におけるラクトバチルス属細菌数の減少は、二重の影響(即ち、(i)栄養素をめぐる競合の低下、及び(ii)存在する乳酸量の減少)をもたらし、それゆえ、膣における日和見病原体(この増殖は、通常、ラクトバチルス属によって抑制されている)の増殖を可能にする。BVに関係する主要な病原体は、ガルドネレラヴァギナリス属(Gardnerella vaginalis)及びモビランカス属(Mobiluncus)種の嫌気性菌であると考えられている。しかしながら、多数の他の病原性嫌気性菌もまた、膣の病気の病因に関与すると考えられている。Kaufman et al., Benign Diseases of the Vulva and Vagina, 3rd ed., pp. 401−418 (1989)を参照のこと。従って、BVは、広域スペクトルの処置を要求する広域スペクトルの感染であると考えられる。
【0004】
救済機関(relief)の調査によると、米国では、BVから生じる排泄物(discharge)及び悪臭(foul smelling odor)の結果、毎年100万人の女性が医療施設へ足を運ぶ。さらに多数(成人アメリカ人女性の30%であると推定される)が、処方箋なしで購入した灌注剤(douches)を使用している。悪臭のする排泄物を、酸性の灌注剤(acid douche)で洗浄除去するという考えは、簡単に割り切った魅力(simplistic appeal)をもつ。医学的に、研究により灌注とPID(骨盤炎症性疾患(Pelvic Inflammatory Disease))、異所妊娠(ectopic pregnancy)、卵管不妊症(tubal infertility)又は受胎能の減少(reduced fertility)との間の関連が報告されたのと同時に、灌注に対して難色が示されるようになった。さらに、灌注は、正常及び有益な細菌フローラをも洗浄除去し、BVを再発しやすい環境にするという事実に起因して、好まれなくなった。
【0005】
BVの最も厄介な局面は、その胎児着床(fetal implantation)のクオリティーに及ぼす衝撃、及びその早産(premature labor)を誘発する潜在性である。妊娠女性におけるBVの有病率は、13〜31%であると報告されてきた。妊娠中のBVは、遅延型流産(late miscarriage)、早産(pre−term labor)、分娩後子宮内膜炎(postpartum endometritis)及び低い出生時体重の乳児(low birth weight infants)の危険性の増大に関係している。最近の研究により、BVが、インビトロ受精した女性の最初のトリメスターにおける流産の危険性の増大に関係していることが示された。
【0006】
米国出願第09/748,753号は、膣のpHを緩衝化(buffering)することによって、細菌性膣炎に関係する流産及び早産を予防するのに有用な組成物を開示している。この出願に開示されている組成物は、水性pH緩衝化生体接着性水不溶性水膨潤性である架橋されたポリカルボン酸ポリマーの治療有効量を含み、任意のさらなる処置を必要とすることなく治療効果を与え、それ自体で膣pHを感染物(infectant)にとって不利な正常状態(酸性pH)へと緩衝化する。
【0007】
臨床的に、BVは、刺激的な症状を殆ど伴わず且つ炎症応答が無い表面的な膣感染として現れる。いくつかの気づくことができる症状としては、不愉快な臭い、約5.0より高い上昇した膣pH、薄く色付いた均質な排泄物(thin homogeneous discharge)、ガルドネレラ属クルー細胞の存在、及び高いスクシネート/ラクテート比(0.4より低くない)である。例えば、Livengood et al., “Bacterial Vaginosis: Diagnostic and Pathogenic findings during Topical Clindamycin Therapy,” Am. J. Obstet. Gynecol., Vol. 163, No. 2, p. 515 (August 1990)を参照のこと。
【0008】
膣における有機酸の組成物は、乳酸を生産するラクトバチルス属の減少及びコハク酸を生産するモビランカス属の増加の結果として、主に乳酸(pK=3.86)からコハク酸 (pKa1=4.27, pKa2=5.64)へシフトすると考えられている。酸組成におけるこのシフトは、膣pHを上昇させる傾向にある。酸性度における変化が感染の原因又は影響因子であるか否かは明らかでない。しかしながら、ある望ましくない嫌気性菌が、膣中で正常に存在するよりも高いpHにおいてよく増殖することは知られている。従って、膣pHを正常な健常レベルまで低下させることは、感染そのものではないにしても、感染の症状に対して有効な手段(measure)であると考えられている。
【0009】
さらに、プロトン化されていない揮発性アミンが、より高いpHにて−−環境がより塩基性になるにつれてより優勢(prevalent)になることから、BVの間に膣において生産されるアミン類の臭いがより高いpHにて強まることが知られている。さらに、より高いpHレベルは、細菌性膣炎感染に関連する望ましくない嫌気性菌を増殖させ、そして臭いの原因となるアミン類(odor−causing amines)を生成させると考えられている。
【0010】
米国特許第6,017,521号(「521特許」)は、水及び有効量の水膨潤性であるが水不溶性の架橋されたpH緩衝化生体接着性ポリマー(ここで、該ポリマーを構成するモノマーの少なくとも80%は、少なくとも1つのカルボキシル基を含む)を含む有効pH緩衝化量の水性組成物を、膣上皮細胞の内腔表面(luminal surface)に局所的に接触させることにより、BVを処置する方法を開示している。この組成物は、膣のpHを酸性pHまで低下させるのに十分な時間の間、膣細胞と接した状態で保たれる。’521特許により示される組成物は、いかなる治療剤も含まない。
【0011】
生成ラクトバチルス属の正確な役割は、最もよく分からない。これは、いくつかのファクター(その最も重要なものは、濃度である)の結果であるかも知れない。H生成ラクトバチルス属を検出できるということは、それらが膣を酸素化するのに及び嫌気性菌にとって不利な環境をつくるのに十分な濃度で存在していることを意味しない。多くの研究者が提案した解決方法は、感染を排除する手段として、膣へH生成ラクトバチルス属を高濃度で加えることである。このようなプロジェクトに伴う技術的な困難さは、研究者が本当に実用可能な治療を開発するのを妨げてきた。
【0012】
を膣酸性化剤に投入する他の試みがなされてきた。しかしながら、それらの試みは、2つの理由のために失敗した。第一に、Hは、ゲル中で不安定であり、商業的に貯蔵することができない。第二に、H濃度(これは、すぐに一斉に放出される傾向にあり、「バースト効果」を引き起こす)は、嫌気性菌を除菌するだけでなく、膣を滅菌し、女性に膣感染をさらに再発させやすくする。
【0013】
このような処置は、米国特許第5,741,525号(“’525特許”)において開示されている。’525特許は、約0.1%〜約3.0%の量で過酸化水素を有する組成物の治療有効量を投与することによって、膣フローラの正常な保護機能を維持する又は促進するための方法を開示している。’525特許は、ペルオキサイドの“約0.1%より低い量は、広範な種類の微生物に何らかの有意義な阻害効果を与えるのに不適当であることを見出した”ことを教示している(’525特許、カラム5、57−59行目)。’525特許によって教示される過酸化水素の濃度は、BVを処置するのに有用であるが、しばしば、有益な細菌の成長に不利であり、そして、激しい膣刺激(vaginal irritation)、更には膣ペルオキサイドやけど(peroxide burns)さえも引き起こし得る。さらに、この処置は、単にペルオキサイドの突然のバーストを与え、相当な数の細菌を殺し、そして有益な細菌フローラが再びコロニー形成する(recolonize)か否か、或いはBVの再発が起こるか否かを成り行き任せにする。
【0014】
このように、膣刺激を引き起こし且つ有益な細菌フローラを過度に抑制又は破壊する「バースト効果」をもたない、BVのような膣感染を処置するための有効な薬学的組成物の必要性が存在する。さらに、正常に望ましい局所的な膣フローラを滅菌するか又は有意に殺すことなく、またBVを再発しやすくすることのない、BVを処置する薬学的組成物の必要性がある。また、使用するのに簡単であり、また望ましくない微生物を抑制することと望ましい局所的なフローラにとって好適な環境を与えることとの間のバランスをさらに効果的に達成する薬学的組成物の必要性がある。本発明は、以下に詳述されるように、これらの必要性に上手に取り組む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明の要旨
本発明は、膣感染を処置又は予防するための薬学的組成物に関する。薬学的組成物は、ペルオキサイドソースと生体接着性持続的放出性ポリマー処方物の相乗作用ミックスを含む。本発明の1つの実施形態において、相乗作用ミックスは、通常少なくとも12時間、そしてしばしば48時間より長い時間に渡りペルオキサイドを放出するようデザインされる。本発明の更なる実施形態において、相乗作用ミックスは、1時間当たり0.1重量%より少ない量でペルオキサイドを放出する。本発明の更なる実施形態において、相乗作用ミックスは、0.1重量%より少ないペルオキサイドを含む。これらの実施形態の各々において放出されるペルオキサイドが酸素濃度を治療的に増大させるのに十分な量であるのと同時に、持続的放出性ポリマーがpHを低下させ、それにより、膣を滅菌したり又は正
常に望ましい局所的な膣フローラを有意に殺したりすることなく、BVの原因となる嫌気性生物の増殖を有意に抑制する。嫌気性生物に環境を支配させないうちに、BVを予防又は処置するべきである。
【0016】
生体接着性持続的放出性ポリマー処方物は、好ましくは、生体接着性で、水膨潤性で、水不溶性の架橋されたポリカルボキシリックポリマーを含む。このようなポリマーの非限定的な例は、ポリカルボフィルである。
【0017】
1つの好ましい実施形態において、相乗作用ミックスは、ポリマーとしてのポリカルボフィルと混合されたペルオキサイドソースとしてのカルバミドペルオキサイドを含む。
【0018】
本発明は、さらに、膣感染を処置又は予防する方法に関する。組成物は、正常に望ましい局所的なフローラにあまり不利に影響することなく、本書において示される治療有効量の薬学的膣組成物のような処置を必要とする被験体へ膣投与される。
【0019】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、長期間に渡り予期せぬほど低い濃度のペルオキサイドを使用し、膣を滅菌し又は正常に望ましい局所的な膣フローラを有意に殺し或いは膣の敏感な組織の著しい刺激を引き起こすペルオキサイドを用いることなく、膣感染を処置又は予防することによって有利な効果を与えることに基づく。
【0020】
「正常に望ましい局所的な膣フローラ(normally−desired local vaginal flora)」というフレーズは、健常女性の膣に正常に存在している細菌を意味する。正常なフローラとしては、例えば、ヒト被験体における細菌の乳酸ファミリー(ティシェバチルス属(Tissier’s bacillus)のような)が挙げられる。正常フローラを構成する微生物は、周知である(例えば、Principles and Practice of Infectious Diseases,
3rd Ed., 1990, G. Mandell et al., ed., Churchill Livingstone Inc. New Yorkを参照のこと)。
【0021】
本書において使用されるような「有意に殺す(significantly killing)」というフレーズは、健常な膣環境において正常に見られる有益な細菌の実質的な膣滅菌を意味し、ここで、処置レジメ(treatment regime)の完了時に存在して安全に膣にコロニーを再形成するのに必要な十分な数の正常に望ましい局所的な膣フローラは存在しない。
【0022】
さらに、用語「膣感染」は、正常に望ましい局所的な膣フローラではない患者の膣に感染する任意のタイプの微生物(例えば、細菌又は酵母感染のような)を含むが、特にBVを含む。
【0023】
本書で使用される用語「ペルオキサイドソース」は、ペルオキサイドが放出され得る化合物である。ペルオキサイドと対比させてペルオキサイドソースの意味を説明するために、以下の例を示す。仮に、0.1重量%〜0.25重量%のカルバミドペルオキサイド(ペルオキサイドソース)が薬学的膣組成物において使用される場合、ペルオキサイドの量は、カルバミド部分を差し引くと、約0.034〜0.085重量%ペルオキサイドとなるであろう。
【0024】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語「用量(dose)」又は「投薬形態(dosage form)」は、ヒト女性被験体による投薬としての使用に適した
薬学的組成物の医学的な個別の量(physically discrete amount)を意味する。各用量は、要求される薬学的ビヒクルと共同して所望の治療効果を生じるように計算された、予め決定された量のペルオキサイドソースを含む。1用量当たりのペルオキサイドの組成物の量は、もちろん、異なる時間に渡り、様々な濃度又は様々な量においてペルオキサイドの放出を提供するように変更され得る。
【0025】
本発明の1つの実施形態は、膣感染(特に、BV)を処置するのに有用な薬学的膣組成物である。この組成物は、代表的に、ペルオキサイドを含む生体接着性持続的放出性処方物の相乗作用ミックスを含む。ペルオキサイドが酸素濃度を治療的に高めるのに十分な量において放出されると同時に、持続的放出性ポリマーがまたpHを低減させ、膣を滅菌すること又は正常に望ましい局所的な膣フローラを実質的に殺すことなく、BVの効果的な処置又は予防を可能にする。
【0026】
特定の実施形態において、膣組成物は、少なくとも12時間の間、好ましくは少なくとも24時間の間、そしてさらにより好ましくは少なくも48時間の間、ペルオキサイドを放出するようデザインされる。組成物の他の処方物(formulations)は、少なくとも72時間の間及び少なくとも96時間の間、ペルオキサイドを放出するようデザインされる。連続的な投薬(sequential doses)が望まれるならば、1用量によって賄われる時間が長い程、低い頻度の投薬が必要となる。
【0027】
更なる非限定的な実施形態において、膣組成物は、1時間当たり0.1%ペルオキサイドより少ない量でペルオキサイドを放出する相乗作用ミックスを含む。好ましくは、ペルオキサイドは、1時間当たり0.085%ペルオキサイドより少ない量で放出される。低レベルのペルオキサイドを放出する本書で開示される組成物は、より高い濃度のネガティブな効果を伴わず、膣感染を処置又は予防するのに驚くほど効果的である。
【0028】
ペルオキサイド生成ラクトバチルス属(peroxide−producing lactobacillus)の自然的なフローラ(natural flora)を欠く女性がいる。これらの女性において、本書で開示される処方物は、これらの生物の機能に代わり、他の正常に望ましい局所的な膣フローラにとってより好適な環境を提供するために、使用される。
【0029】
本発明の代替的な実施形態において、薬学的膣組成物は、患者へ投与される組成物中に0.1%より少ないペルオキサイドを含む。この実施形態において、時間をかけて放出されるペルオキサイドの量は、膣感染を処置又は予防するのに十分であるものの、非常に低い。
【0030】
ペルオキサイドソースは、有機及び無機の両方の様々なソースから選択され得る。ペルオキサイドソースの代表的な形態は、粘膜及び関連する上皮組織を処置するために使用されるもの、特に、歯の漂白の適用において使用されるものである。好ましくは、ペルオキサイドソースは、以下の形態の1つである:過酸化水素(その複合体(例えば、カルバミドペルオキサイド)を含む);アルキルペルオキサイド(例えば、ジ−t−ブチルペルオキサイド);ベンジルペルオキサイド(例えば、ベンゾイルペルオキサイド);ペルオキシ酸(例えば、m−クロロ過安息香酸、ペルオキソ二硫酸及びその塩、ペルオキソ一硫酸及びその塩);ペルオキシ酸エステル(例えば、t−ブチル過安息香酸);ジアルキニトロキサイド(dialkynitroxides)(例えば、ジ−t−ブチルニトロキサイド)。
【0031】
好ましいペルオキサイドソースとしては、カルバミドペルオキサイド、アルキルペルオキサイド、ベンジルペルオキサイド又はジアルキニトロキサイドが挙げられる。しかしな
がら、最も好ましくは、ペルオキサイドソースは、カルバミドペルオキサイドである。
【0032】
本発明の好ましい生体接着性重合システムは、膣内に保持され、比較的長時間(即ち、48〜72時間又はそれ以上)の間ペルオキサイドの持続的放出を提供し、そして正常な生理学的範囲におけるpH緩衝化を提供し得るという利点を有する。対照的に、ほとんどのドラッグデリバリーシステムは、4時間以内に膣の壁から脱落する(sloughed
off)。ポリマーはペルオキサイドソースを保持し、そして時間をかけてゆっくりとそれを放出する。好ましい生体接着性担体としては、生体接着性で、水膨潤性で、水不溶性の架橋されたポリカルボキシリックポリマー(bioadhesive, water−swellable, water−insoluble, cross−linked polycarboxylic polymer)である。特に好ましい生体接着性物質(bioadhesive)(これは、ゲル処方物であってもよい)は、時間をかけてペルオキサイドの制御された持続的放出をもたらすようデザインされたポリカルボフィルベースを含む。
【0033】
該組成物は、代表的に、少なくとも12時間の間、そして好ましくは少なくとも24時間の間、ペルオキサイドを放出する。しかしながら、さらに好ましくは、ペルオキサイドは、少なくとも48時間の間、そして時には72時間より長い間、放出される。他の治療薬に関するものではあるけれども、類似の持続的放出性処方物が米国特許5,543,150号及び6,126,959に記載されており、これらの内容は、それぞれ、本書において参考として援用される。
【0034】
好ましく選択される特定のペルオキサイド送達処方物(peroxide delivery formulation)としては、生体接着性で水不溶性で水膨潤性の架橋されたポリカルボン酸ポリマー処方物が挙げられる。このような処方物の例は、一般的に、米国特許第.4,615,697(「697特許」)に記載されており、その内容は、本書において参考として援用される。代表的に、このような処方物中のポリマーの少なくとも約80%のモノマーは、少なくとも1つのカルボキシル官能性を有するべきである。架橋剤(cross−linking agent)は、十分な生体接着(bioadhesion)を与え、システムを十分な時間標的上皮表面へ付着したまま維持し、所望の投薬を起こさせるような量で存在するべきである。
【0035】
膣投与のために、処方物は、好ましくは、約24〜48時間又はそれ以上の間、上皮表面へ付着したままとどまる。このような結果は、ポリマーの継続的な存在に起因するpH低下について膣からのサンプルを試験することによって、様々な時間にわたり臨床的に測定され得る。この生体接着のレベルは、概して、架橋剤が約0.1〜6重量パーセントのポリマー、好ましくは約1〜2重量パーセントのポリマーで存在している場合に達成される。生体接着性(bioadhesion)は、また、接着強度を測定するために利用される市販の表面張力計(surface tensiometers)を用いて測定され得る。
【0036】
ポリマー中の架橋剤の量を変えることによって、ポリマー処方物が調整され、ペルオキサイドの放出速度が制御され得る。適切な架橋剤としては、ジビニルグリコール、ジビニルベンゼン、N,N−ジアリルアクリルアミド、3,4−ジヒドロキシ−1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、及び類似の物質(agents)が挙げられる。
【0037】
このような処方物において使用するための好ましいポリマーは、ポリカルボフィル(U.S.P.)であり、これは、オハイオ州クリーブランドのNoveon, Inc.より、商標名NOVEON(登録商標)−AA1のもとで入手可能である。ポリカルボフィ
ルは、ジビニルグリコールで架橋されたポリアクリル酸である。
【0038】
このようなドラッグデリバリーシステム処方物において使用され得る他の有用な生体接着性ポリマーは、「’697特許」において言及される。例えば、これらとしては、3,4−ジヒドロキシ−1,5−ヘキサジエンで架橋されたポリアクリル酸ポリマー、並びに、ジビニルベンゼンで架橋されたポリメタクリル酸ポリマーが挙げられる。
【0039】
代表的に、これらのポリマーは、それらの塩の形態では使用されず、なぜならこれはポリマーの生体接着能(bioadhesive capability)を有意に低減させるためである。
【0040】
二価塩(カルシウム塩のような)は、生体接着能において最も大きな低減を引き起こす。一価塩(ナトリウム塩のような)は、それほど生体接着性を低減させる傾向にない。
【0041】
このような生体接着性ポリマーは、ベンゾイルペルオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなどのような開始剤(initiators)を利用する従来のフリーラジカル重合技術によって調製され得る。有用な生体接着剤の例示的な調製が、’697特許において提供される。
【0042】
生体接着性処方物は、ゲル、クリーム、タブレット、ピル、カプセル、坐剤、フィルム、又は粘膜へ接着し且つ簡単に洗い流されない任意の他の薬学的に許容される形態をとり得る。本発明のための好ましい処方物は、ゲルの形態をとる。
【0043】
’697特許において示されるもののような添加剤が、デリバリーシステムの最大の所望の効能のために、又は患者の心地よさのために、処方物中の架橋されたポリマーに混合され得る。このような添加剤としては、例えば、これらに限定されないが、滑沢剤(lubricants)、可塑剤(plasticizing agents)、 保存剤(preservatives)、ゲル化剤(gel formers)、タブレット形成剤(tablet formers)、ピル形成剤(pill formers)、坐剤形成剤(suppository formers)、フィルム形成剤(film formers)、クリーム形成剤(cream formers)、崩壊剤(disintegrating agents)、コーティング剤(coatings)、 結合剤(binders)、ビヒクル(vehicles)、着色剤(coloring agents)、味及び/又は臭いを調節する薬剤(taste and/or odor controlling agents)、湿潤剤(humectants)、粘度調整剤 (viscosity controlling agents)、pH調整剤(pH−adjusting agents)、及び同様の物質(agents)が挙げられる。
【0044】
好都合なことに、生体接着性ポリカルボフィルを利用することによって長時間の間、ペルオキサイドが送達され得、そして膣pHが低下し得る。ポリカルボフィルはジビニルグリコールで軽く架橋されたポリマーである。ポリカルボフィルは、また、その負電荷のソースである複数のカルボキシル基を含む弱いポリ酸(poly−acid)である。これらの酸基は、水素が細胞表面と結合するのを可能にする。水素結合は弱いが、ポリカルボフィルの場合それらが多いので、粘着性が強い(tenacious)。ポリカルボフィルは水不溶性ポリマーであり、それらがターンオーバーするまで(通常、3〜5日まで)膣上皮細胞へ接着して存在する。ポリカルボフィルは、非常に高い緩衝化力を(buffering capacity)を有する弱いポリ酸であるので、5より下の生理的範囲における膣pHを維持し、それにより、感染に対する保護を助ける。その効果は、96時間より長い間持続することが示された。ポリカルボフィルは4.3のpKaを有し、全ての良い緩衝液と同様に、それは環境をそのpKa近くに調整するであろう。
【0045】
例えば、’697特許に記載されるポリマーは、架橋剤の量を変えることによって、ペルオキサイドの放出速度を制御するように調節し得る。概して、処方物におけるペルオキサイドソースの放出速度は、最初の放出の小さいバーストの後、存在するペルオキサイドソースの量と比べて継続的に約0次放出である。従って、適量のペルオキサイドを送達するために持続期間(duration)及び放出速度が調整されるように、組成物は当業者によって容易に処方されるであろう。ポリマーの典型的な組成物は、典型的に約48時間の間、適当な位置にとどまる。
【0046】
ペルオキサイドの膣送達に適した処方物の非限定的な例は、ポリカルボフィル、カルボマー、Natrosol(登録商標) 250 HHX、グリセロール、ソルビン酸、メチルヒドロキシベンゾエート、及びペルオキサイドソース(好ましくは、カルバミドペルオキサイド又はベンゾイルペルオキサイド)と混合された精製水を含む。
【0047】
ソルビン酸及びメチルヒドロキシベンゾエートは保存剤であり、これは、他の既知の保存剤(安息香酸、プロピルパラベン、又はプロピオン酸)に代えてもよい。
【0048】
カルボマーはゲル形成剤であり、好ましくはCarbopol 974Pであるが、Carbopol 934P、Carbopol 980、メチルセルロース又はプロピルセルロースを含むがこれらに限定されない他のゲル形成剤に代えてもよい。
【0049】
Natrosol(登録商標) 250 HHXは、粘度増強剤(viscosity
enhancing agent)であり、これは、メチルセルロース又はプロピルセルロースのような他の既知の粘度増強剤に代えてもよい。Natrosol(登録商標)
250 HHXは、デラウェア州、ウィルミングトンにあるHercules, Inc.より市販されている。
【0050】
グリセロールは、湿潤剤である;代替的な湿潤剤としては、例えば、プロピレングリコール及びジプロピレングリコールが挙げられる。
【0051】
当業者に明らかであるように、ある性質に影響を与えるように組成物を変更することができる。例えば、生体接着性ポリマーの濃度を調整し、より高い又はより低い生体接着性を得ることができる。pHを変更することによって、或いはポリマー又はゲル形成剤の濃度を変化させることによって、粘度を変化させることができる。pHもまた、処方物の放出速度又は生体接着性に影響を及ぼすように、適切に変更することができる。全ての成分は、周知であり、産業において知られる供給元から容易に入手することができる。
【0052】
好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも24時間の間ペルオキサイドを放出するように処方された相乗作用ミックス中にポリカルボフィル及びカルバミドペルオキサイドを含む膣組成物を含む。
【0053】
薬学的組成物中に含まれるペルオキサイドソースの好ましいパーセンテージは、代表的に0.01%〜15%であるが、より好ましくは0.1%〜10%、最も好ましくは0.25%〜7%である。
【0054】
一般的に、薬学的膣組成物の1投薬量(a dosage amount)中に存在するペルオキサイドソースは、投薬量が0.5g〜2.5gであり、ペルオキサイドソースが約0.01mg〜500mgの量である。しかしながら、ペルオキサイドソースが、約0.1mg〜75mgの量で、より好ましくは1mg〜50mgの量で、組成物中に存在
するのが好ましい。
【0055】
処方物中のペルオキサイドの量は、代表的に、0.0035mg〜350mgである。しかしながら、好ましくは、処方物は、通常、0.01mg〜100mg、より好ましくは0.1mg〜75mgのペルオキサイドを含む。
【0056】
本発明は更に、被験体において膣感染を処置又は予防する方法に関する。この方法は、低濃度のペルオキサイドを放出及び維持する生体接着性持続的放出性処方物の相乗作用ミックスを膣に挿入することを包含する。
【0057】
この方法は、正常な膣フローラの活性を維持するために使用され得る。例えば、患者が妊婦である場合、特に彼女らが流産しやすい場合、本書において記載される薬学的組成物の投薬量が患者へ投与され、BVを処置又は予防し得る。上記のように、妊娠中のBVは、胎児着床のクオリティーに及ぼす衝撃及びその早産(premature labor)を誘発する潜在性を有する。本発明は、妊婦又は妊婦になることを望む女性におけるBVを予防又は処置することにより、流産の危険性及び低い出生時体重の乳児を低減させるのに有用である。
【0058】
本書に記載される組成物は、(プランジャー(plunger)、灌注器(douche)、及び手動(manually)(これらに限定されない)のような当該分野において知られる慣例的な塗布具(applicators)により、膣腔(vaginal cavity)中へ導入することによって、患者へ投与される。送達の1つの方法は、米国意匠特許第D345,211号及び第D375,352号に記載されるものに類似するデバイスを使用することである。これらのデバイスは、患者が比較的容易に使用し得る、密封された容器内に開くことができる一端及び送達される組成物の大部分を含む他方の一端を備える、楕円形中空管容器(oblong hollow tube containers)である。また、容器は、使用されるまで、処方物及び治療薬を密封された滅菌環境において維持する。使用時に、このような容器を開封し、開いた端を膣へ挿入し、他方の一端を搾り、タンポン注入器(tampon injectables)或いは他のコーティング又は受胎手段(coating or impregnating means)のように容器の内容物を膣へ送達させる。それゆえ、製品の「キット」は、一用量又は複数回用量の製品を備える。一用量に含まれるの薬学的膣組成物の量は、大体、少なくとも約0.5gであり、約3gより多くない。代表的且つ現在好ましい用量は、ゲルビヒクルにおいて、1用量当たり、約0.75g〜約2gの範囲であり、最も好ましくは約1g〜1.5gである。
【0059】
好都合には、用量は、1日当たり2回以上の高頻度で、或いは1週間当たり1回以下の低頻度で、服用され得る(taken)ように、処方され得る。用量は、好ましくは1日当たり、さらに好ましくは1週間に2度又は1週間毎に採用されるように、処方される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態の例示である。全てのパーセンテージは、別段に示されない限り、調製された処方物の重量パーセントに基づき、全ての合計は100重量%である。これらの実施例において例示の目的に使用されるペルオキサイドソースは、カルバミドペルオキサイド及びベンゾイルペルオキサイドであるが、上記に説明したように、いくつかの異なるペルオキサイドソースを使用することができる。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
上記の処方物は、使用される特定の送達システムを最大にするよう調整され得る。例えば、14%カルバミドペルオキサイドを含む処方物は、代表的に、より低頻度の組成物投与が要求される投薬レジメ(dosage regime)で使用される。高濃度のペルオキサイドを有する組成物を用いれば、低濃度のペルオキサイドをより長い持続時間の間放出することができ、一日又は一週間に必要となる用量投与の回数を最小にすることができる。
【0064】
本明細書において言及したいくつか及び全ての刊行物及び特許出願は、本発明の属する分野における当業者の技術のレベルを示す。それぞれ個々の刊行物又は特許出願が参考として援用されることを特別且つ個別に示したように、全ての刊行物及び特許出願は、本書においてある程度参考として援用される。
【0065】
本発明は、本書において例示及び記載した通りの正確な構成(configuration)に限定されないと理解されるべきである。従って、本書において述べた開示から当該分野における通常の知識を有するものによって、又はそれからのルーチーンな実験によって、容易に達成することができる全ての便宜上の改変は、付属の特許請求の範囲によって特定されるような本発明の精神及び範囲を逸脱しないと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペルオキサイドのソース及び生体接着性持続的放出性処方物を含む薬学的膣組成物であって、患者へ局所投与したときに膣における酸素濃度を高めるのに十分な量で少なくとも12時間の間ペルオキサイドを放出し且つ膣のpHを治療的に低下させ、膣の滅菌又は正常に望ましい局所的な膣フローラの有意な殺傷を起こさないように処方される、組成物。
【請求項2】
前記相乗作用ミックスが少なくとも24時間の間ペルオキサイドを放出する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記持続的放出性処方物が、生体接着性で水膨潤性で水不溶性の架橋されたポリカルボキシリックポリマー(polycarboxylic polymer)を含む請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリマーがポリカルボフィル(polycarbophil)である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
ペルオキサイドソースが約0.01mg〜約500mgの量で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
ペルオキサイドソースが約0.1mg〜約75mgの量で存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
ペルオキサイドソースがカルバミドペルオキサイド(carbamide peroxide)である、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
カルバミドペルオキサイドが、約0.01重量%〜約15重量%の量で存在する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
ポリマーがポリカルボフィルである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
カルバミドペルオキサイドが、約0.1%〜約0.25%の量である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
組成物が1用量当たり約1g〜約2gの量で投与されるように処方される、単一投薬形態における、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
相乗作用ミックスが少なくとも48時間の間ペルオキサイドを放出する、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
相乗作用ミックスが少なくとも72時間の間ペルオキサイドを放出する、請求項3に記載の組成物。
【請求項14】
組成物中のペルオキサイド量が0.0035mg〜350mgである、請求項2に記載の組成物。
【請求項15】
ペルオキサイド量が0.01mg〜100mgである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1に記載の膣組成物の治療有効量を、かかる処置を必要とする被験体へ膣投与することを包含する、膣感染を処置又は予防する方法。
【請求項17】
請求項3に記載の膣組成物の治療有効量を、かかる処置を必要とする被験体へ膣投与することを包含する、膣感染を処置又は予防する方法。
【請求項18】
ペルオキサイドのソース及び生体接着性持続的放出性処方物を含む薬学的膣組成物であって、該組成物は患者へ局所投与したときに1時間当たり0.1重量%より少ない量でペルオキサイドを放出し且つ膣のpHを治療的に低下させ、膣の滅菌又は正常に望ましい局所的な膣フローラの有意な殺傷を起こさないように処方される、組成物。
【請求項19】
前記持続的放出性処方物が、生体接着性で水膨潤性で水不溶性の架橋されたポリカルボキシリックポリマーを含む請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記ポリマーがポリカルボフィルである、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
ペルオキサイドソースが約0.01mg〜約500mgの量で存在する、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
ペルオキサイドソースが約0.1mg〜約75mgの量で存在する、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記組成物が、1用量当たり約1g〜約2.5gの量で投与されるように処方され且つ該組成物中のペルオキサイド量が約0.01mg〜約100mgである、単一投薬形態における、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
ペルオキサイド量が約0.1〜約75mgである、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
ペルオキサイドソースがカルバミドペルオキサイドである、請求項18に記載の組成物。
【請求項26】
カルバミドペルオキサイドが、約0.01重量%〜約15重量%の量で存在する、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
相乗作用ミックスが少なくとも24時間の間ペルオキサイドを放出する、請求項19に記載の組成物。
【請求項28】
相乗作用ミックスが少なくとも48時間の間ペルオキサイドを放出する、請求項20に記載の組成物。
【請求項29】
請求項18に記載の膣組成物の治療有効量を、かかる処置を必要とする被験体へ膣投与することを包含する、膣感染を処置又は予防する方法。
【請求項30】
請求項24に記載の膣組成物の治療有効量を、かかる処置を必要とする被験体へ膣投与することを包含する、膣感染を処置又は予防する方法。
【請求項31】
ペルオキサイドのソース及び生体接着性持続的放出性処方物を含む薬学的膣組成物であって、該組成物は0.1重量%より少ないペルオキサイドを含み且つ患者へ局所投与したときに膣における酸素濃度を治療的に増大し且つ膣のpHを治療的に低下させ、膣の滅菌又は正常に望ましい局所的な膣フローラの有意な殺傷を起こさないように処方される、薬学的膣組成物。
【請求項32】
前記持続的放出性処方物が、生体接着性で水膨潤性で水不溶性の架橋されたポリカルボキ
シリックポリマーを含む請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記ポリマーがポリカルボフィルである、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
ペルオキサイドソースがカルバミドペルオキサイドである、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
ペルオキサイドが、約0.034重量%〜約0.085重量%の量である、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記組成物が、単一投薬当たり約1g〜約2.5gの量で投与されるように処方される、投薬形態における、請求項31に記載の組成物。
【請求項37】
処方物におけるペルオキサイド量が、0.01mg〜100mgである、請求項31に記載の組成物。
【請求項38】
ペルオキサイドのソース及び生体接着性持続的放出性処方物が相乗作用有効量で存在する、請求項1、18又は31に記載の組成物。
【請求項39】
治療により、ヒト又は動物の体の医学的処置方法において使用するための、請求項1、18又は31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
膣感染の処置又は予防における膣投与のための医薬品の製造におけるペルオキサイドのソース及び生体接着性持続的放出性処方物の使用であって、該医薬品は、患者へ投与したときに膣における酸素の濃度を高めるのに十分な量で少なくとも12時間の間ペルオキサイドを放出し且つ膣のpHを治療的に低下させ、膣の滅菌又は正常に望ましい局所的な膣フローラの有意な殺傷を起こさないように処方される、使用。
【請求項41】
膣感染の処置又は予防における膣投与のための医薬品の製造におけるペルオキサイドのソース及び生体接着性持続的放出性処方物の使用であって、該医薬品が、患者へ投与したときに1時間当たり0.1重量%より少ない量でペルオキサイドを放出し且つ膣のpHを治療的に低下させ、膣の滅菌又は正常に望ましい局所的な膣フローラのレベルにおける実質的な減少を起こさないように処方される、使用。
【請求項42】
膣感染の処置又は予防における膣投与のための医薬品の製造におけるペルオキサイドのソース及び生体接着性持続的放出性処方物の使用であって、該医薬品が、0.1重量%より少ないペルオキサイドを含み且つ患者へ投与したときに膣における酸素の濃度が治療的に高まり且つ膣のpHが治療的に低下し、膣の滅菌又は正常に望ましい局所的な膣フローラのレベルにおける実質的な減少が起こらないように処方される、使用。
【請求項43】
前記医薬品が、相乗作用有効量のペルオキサイドのソース及び生体接着性持続的放出性処方物を含む、請求項39〜42のいずれか1項に記載の使用。

【公開番号】特開2010−248232(P2010−248232A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152148(P2010−152148)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【分割の表示】特願2003−539722(P2003−539722)の分割
【原出願日】平成14年10月28日(2002.10.28)
【出願人】(399055579)コロンビア・ラボラトリーズ・(バミューダ)・リミテッド (5)
【Fターム(参考)】