説明

臨床診断分析器性能推定器

【課題】関心の現場からの実際のデータを用いて携帯可能なシミュレーションプログラムを実行することによって、臨床診断分析器または自動システムの性能を現場でかつカスタム化可能に評価するツールに関連する方法および装置を提供する。
【解決手段】携帯可能なシミュレーションプログラムは、インテリジェントLISプレプロセッサと、シュミレーションモデルの実例と、性能の測定規準を決定かつ提供するための分析かつグラフィック手段と、からなる。これによって、その装置を据え付ける前に、臨床診断分析器の現実的な評価をすることができ、したがって、臨床診断分析器の購入または適切な構成の決定、を含めた意思決定を援助する。分析器は、顧客が、より良いサンプルのスケジューリング、および、保管、そして、器具の追加によって、検査室の装備を変更し、供給スケジュールを改良することができるようにもする。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本開示の方法および装置は、関心の現場からの実際のデータを用いて携帯式シミュレーションプログラムを実行することによって、臨床診断分析器または自動化システムの性能を現場でかつカスタム化可能に評価する器具に関する。
【0002】
〔背景〕
臨床検査室検査および診断システムの予想される性能を推定することは、正確な設備能力計画および性能モデリングのために、予想される作業負荷に関する詳細な情報を必要とし、そのようなモデリングを高価なものにしている。臨床検査室検査および診断システムは、アメリカ合衆国の食品医薬品局、または、その他の管轄での同様の管理機関の対象である、コンポーネントおよびサブシステム、を含んでいる。ほとんどのコンポーネントは、規制遵守を果たすために、変更することができない。しかし、そのようなコンポーネントは、カスタム化するために組み合わされる場合があり、そして、当然、そのような組み合わせは、シミュレーションの実行に複雑さを加える。さらに、これらのシステムには高度に予測可能な性能が必要とされ、その理由は、検査結果を提供するためには、精度および所要時間が特に重要だからである。したがって、真の必要性に関する不正確な情報による投資の決定は、設備過剰または設備不足を導く。そのようなシステムによって実施される典型的なアッセイ(検定)は、免疫学的検査から、電解質レベルの、ならびに、代謝産物および薬剤の、検査までの範囲をカバーし、薬剤には、適法の物質および禁止物質が含まれ、そのような広範囲に亘る検査も、具体的な状況でのシステムの性能を評価することの複雑さの一因となっている。
【0003】
検査室は、検査室検査および診断システムといった検査室の用途により、大きく異なる。医師は、典型的には、治療中の患者を医師が効率よく監視できるようにするために、結果の迅速なターンアラウンドタイムを必要とする。例えば、腎臓に問題または外傷がある患者は、患者の電解質レベルを適正に管理するために、評価され、監視されなければならない。さらに、すべての臨床検査室が全ての検査を支援するわけではなく、検査の同じ組み合わせを必要とさえしているわけでなく、それが、分析器を評価するときに、現場の考慮を重要にしている。
【0004】
さまざまな理由で、臨床診断分析器を評価する場合、加工していない測定値、すなわち、ピーク処理速度、が、予測されるサンプルの作業負荷を処理するのに必要な時間および設備能力を、推定するのに用いられる。このピーク処理速度の使用は、他の要因を無関係であるとみなすので、満足できる解決策ではない。
【0005】
関心の臨床診断分析器を評価するための、満足できる高さの費用対効果を備えたシミュレーションパッケージは、入手することができない。例えば、米国特許第7,076,474号は、履歴実行データを用いる、新たなビジネスプロセスをシミュレートする方法を記載している。この方法は、新たなビジネスプロセスが、開始ノード、円弧ノード、経路ノード、作業ノード、および、終点ノード、のようなさまざまなノードの種類を含む有向グラフによって表現されることを必要とし、有向グラフによって表現することは実行データを必要とし、その実行データからシミュレーションパラメータが導かれる。そのような表現は、臨床診断分析器を評価するためには不必要に複雑である。
【0006】
米国特許公開第2006/0031112号は、他の依頼者に設備を提供したときの過去の経験との類似性に基づいて、設備を推奨する「シミュレーション」を開示している。したがって、その方法は、同じような立場の依頼者のデータベース、および、製品がその間にほとんど改良されておらずデータベースの記録の比較が有意義に行えるという仮定、が必要であることによって、制限される。より重要なことには、その方法は、具体的な必要性および考慮されている具体的なシステムを無視している。
【0007】
米国特許公開第2007/0078692号は、シミュレーションされているプロセスをモデル化するために、階層的転倒ツリー構造(hierarchical inverted tree structure)を用いるシミュレーション方法を開示している。臨床診断分析器は、サンプルが再検査のために逆戻りさせられるときに形成されるもののようなループを含み、そのようなループは、臨床診断分析器を階層的転倒ツリー構造としてモデル化されることを妨げる。
【0008】
米国特許第6,768,968号は、コンピュータシステムの性能を推定するための戦略を開示している。臨床診断分析器は、処理能力を含むが、その高度に専門化された性質の観点からは、コンピュータシステムとまったく類似していない。コンピュータは、生物学的物質を正確に検査するために、電気的および機械的部品に一体化されていて、生物学的物質を正確に検査することが、その装置の主たる目的である。
【0009】
それにもかかわらず、購入決定は、患者への報告可能な結果の最も高い割合(一次通過収量(First Pass Yield))、前方向診断および遠隔修復のための情報へのリアルタイムのアクセス、自己監視、インテリジェントシステムによる故障復旧、最小のメンテナンス、試薬の準備が必要でないこと、較正の安定性、というような要因の大雑把な推定を考慮に入れようと試みる。一次通過収量は、付加価値のない作業の低減を助け、付加価値のない作業の低減が、モラールおよびスタッフの維持をも改善する。さらに、前方向診断(proactive diagnosis)および遠隔修復のための情報へリアルタイムでアクセスし、実働時間を改善し、生産性を高めることが望ましい。そのようなシステムは、さらに、自己監視であり、インテリジェントシステムによる故障復旧を備え、メンテナンスの必要がほとんどなく、わずかなまたは低減された試薬の準備で済み、同時に、長期間に亘る較正の安定性を発揮し、その結果、真にウォークアウェイの操作を提供するためにより少ない介入過程をもたらす。ウォークアウェイの操作の間、操作者は、ひと休みすることもでき、または、代わりの作業を実行することもできる。
【0010】
これらの特徴は、評価されるが、最大スループットの総体的な統計学によって、捉えられていない。さらに、包絡線の尾根による推定は、具体的なシステムを採用した場合の節約または出費を正確には捉えていない。これらのシステムは、30万ドル以上の範囲の費用を要し、それが、配備判定をかなり重要にしている。
【0011】
〔発明の概要〕
出願人は、現場での必要性に基づいて臨床診断分析器の性能を評価する必要を認識した。図6、ならびに、図4Aおよび図4Bに示された2つの異なる現場の例示的なグラフ、は、ある具体的な場所での臨床分析器の性能に対する複数の要因の影響、および、異なる状況で器具に求められる要求のかなりの相違、を説明している。
【0012】
出願人は、現場での必要性が、好ましくは、所有権の費用をより良く推定するために、大量の履歴または予想検査、および、検査種類の分布、によって近似されることを認識した。出願人は、さらに、実際のシステムが配備される前に、ちょうどそのような評価の実用的かつ迅速なシミュレーションのための携帯可能で計算の要求が少ないツールを考案した。このツールの考案によって、ツールの性能に基づいて、設計および他の細部をカスタム化することが可能になった。
【0013】
臨床診断分析器のような、検査室検査および診断システムを評価するための、携帯式シミュレーション方法およびシステムが、開示されている。開示された評価方法および装置は、有効で、かつ、費用対効果が高く、その理由は、その方法および装置の評価が、実際の予想使用を反映し、費用または維持管理の問題を解決するのを援助するように適合された測定規準を提供するからである。開示された方法および装置は、シミュレーションに頼っていて、そのシミュレーションが、実際に配備される前に、各々の具体的な顧客の現場での臨床診断分析器または自動化システムの性能を推定できるようにしている。開示された方法および装置は、インテリジェントLISプレプロセッサ、シミュレーションモデル、ならびに、分析およびグラフィック手段、からなる。開示された方法およびシステムを使用することによって、臨床分析器または自動化システムの性能は、購入決定がなされる前に、または、設備が配備される前に、より高い精度で、推定することができる。
【0014】
販売員は、開示された方法およびシステムを、わずかに、ラップトップコンピュータ、または、コンピュータが実行可能な命令をエンコードされた携帯可能なメモリ装置でさえ、を用いて、使用する場合がある。開示された方法およびシステムの助けを借りて、将来の顧客は、時間および資金の大量投資を行わずに、さまざまな利用可能な選択枝の詳細なイメージを得ることができる。さらに、顧客によって提供されたいずれのデータも、患者のプライバシーの必要条件を遵守するように厳重に保管され続ける。
【0015】
シミュレーションの結果には、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、休止時間、が含まれる。これらの結果によって、顧客は、資源および資本の不足についての顧客の推定を改善すること、検査室の装備を変更すること、供給スケジュールを調整すること、または、予想可能な財政に基づいて顧客の必要性により良く合致するために設備を追加すること、ができ、同時に、多くの隠れたコスト、維持管理、および、生産性、の問題を解消することができる。いくつかの好ましい実施の形態が、例示的な図面の助けを借りて、以下に記載され、図面は以下に簡単に説明される。
【0016】
〔好ましい実施の形態の詳細な説明〕
臨床診断分析器に関連する配備および設計決定は、現実的な推定から利益を受ける可能性がある。例えば、現場の条件は、考慮されている器具のピークスループットに強く影響を及ぼすことがある。具体的な検査の予想される頻度および分布は、システムを評価するときに無視されることが多く、その理由は、それらの予想される頻度および分布を考慮することは、多量のデータを処理することを必要とするからである。そのような詳細を考慮に入れることは、候補の臨床診断システムについての評価を改善する可能性がある。図6の表は、具体的な場所での臨床分析器の性能に対する複数の要因の影響を示している。この変化性は、図4Aおよび図4Bに示された2つの異なる現場での2つの例のグラフによっても示されている。
【0017】
正確でより現実的な推定は、検査室検査および診断システムの構成および配備を支援するが、そのような推定は、高価で、利用可能な候補の臨床検査室検査および診断システムを検証するときに得ることが困難である。検査室検査および診断システムの予想される用途の現実的な計画を提供することのこのような困難さは、本開示によって、克服される。したがって、ここに、代わりの実施例が時宜を得た、対費用効果の高い方法である限りにおいて、その代わりの実施例に関連する隠れた費用、維持管理、および、生産性の問題を解消することによって、予想できる財政を提供することが可能になる。そのような推定は、具体的な顧客の現場の各々での臨床診断分析器または自動システムに対する適切な構成および設備能力を選択するのに有用である。そのような推定は、ヘルスケアの効率のいい有効な供給を可能にする。
【0018】
臨床診断分析器に提案されるいくつかの例示的な検査が、以下のアッセイ種類の表に列挙されている。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【0019】
高速ターンアラウンドを提供するときの臨床診断分析器の支援の役割は、必要なレベルのヘルスケアを供給するとき一つの重要な要因である。その結果、全てのサンプル処理の全部の組み合わせと共に、標準的なサンプル(日常的なサンプル)とは別に、比較的緊急なサンプル(STATサンプル)の処理時間を推定することが、望ましい。
【0020】
臨床検査室検査および診断システムは、典型的には、スケジューラーを含み、スケジューラーは、分析器の動作を制御し特定する。スケジューラーは、資源が具体的なサンプルに関連するさまざまな予想される検査のために保存されているときに、サンプルが入力待ち行列から受容されることを、確実にする。必要な資源が利用可能でない場合には、サンプルは入力待ち行列に並び続ける。サンプルは、さらに、図3に示されているように、トレー(またはスロット)内に一回分にまとめられる。好ましい分析器モデルでは、サンプルは、吸引され、次に、部分サンプルがこの吸引されたサンプルの体積から、さまざまな検査のために、取り出される。スケジューラーの動作は、分析器によって援助された、例えば上記のアッセイの種類の表に列挙された、検査と共に、考慮中の分析器の妥当に正確な説明を提供する。
【0021】
典型的には、そのような詳細は、利用可能でないだけでなく、そのような詳細は、評価するのが煩雑であり、その理由は、異なる結果をもたらす多数の組み合わせが存在するからである。その結果、典型的には、ターンアラウンドタイムの制限のようなパラメータが、分析器の性能を比較または評価するときの助けとして提供される。出願人は、検査室検査および診断システムの配備が、ただ高速ターンアラウンドタイムのみよりも多くを考慮することによって、利益を得ることを、認識した。例えば、そのような器具の、図6に示された表に要約された、ひとつの研究は、臨床診断分析器が各システムで少なくて22万回の検査から多くて2百万回の検査までを、年間の量として現場で処理していることを明らかにした。いくつかの現場は、システムを四六時中(24時間)運転し、別の現場は、一日のうち少なくて8時間に亘って運転した。例えば、ナトリウム、カリウム、炭酸塩、および、それらの類似物のような電解質を測定する化学アッセイは、一日にほぼ千回から4千回以上の範囲内で一つのシステムに対して実行された。同様に、免疫アッセイでは、いくつかの環境での200回未満のアッセイから、500回以上のアッセイまでが、一日に一つのシステムに対して実行された。アッセイの結果に対するターンアラウンドタイム、すなわち、サンプルを入力してから出力結果を得るまでに要した時間は、ほぼ23分から一時間以上までの範囲内あり、一方、全体のスループットおよび費用または所有権の問題も、重要な要因であった。
【0022】
臨床検査室検査および診断システムを評価するための重要な測定規準は、最大ターンアラウンドタイム(これは、ある集合のサンプルに対して、サンプルが到着してから検査結果が報告されるまでの最長時間である)、平均ターンアラウンドタイム(これは、サンプルが到着してから検査結果が報告されるまでの平均時間である)、95%ターンアラウンドタイム(%ターンアラウンドタイムの例。これは、その時間の間に95%の検査結果が報告される時間の長さ)、最大スループット(これは、システムによって1時間中に処理される最大の検査数であり、時間に対するサンプル流出速度のグラフ中のサンプル流出速度のピーク値である。)、休止時間(この時間の間、分析器は、例えば、分析器を維持または較正する必要のために利用できない。)、ウォークアウェイ時間(この時間の間、無人操作が可能である。)、および、到着および流出速度(検査室への検査要求の到着速度および検査結果が分析器によって掲示される速度(結果速度)を表す曲線を示すグラフ形式で表現される場合がある)、を含む。これらの測定値は、時差的な平均の形式で、周期的に更新される場合がある。さらに、これらの測定規準は、日常的なサンプルとSTATサンプルとで別個に報告される場合がある。
【0023】
好ましい実施の形態は、購入の決定の前に顧客に推定性能の測定規準を提供するために、インテリジェントLISプレプロセッサと、シミュレーションモデルと、分析およびグラフィック手段と、を用いる。シミュレーションは、好ましくは、代表的なシミュレーション用に顧客によって提供されたデータに基づいている。そのようなシミュレーションベースのツールは、改善されたターンアラウンドタイム、供給スケジュール、および、検査室の装備に対する望ましい変更の迅速な特定、を可能にする。
【0024】
好ましい実施の形態は、コンピュータ化された処理のための複数のコンポーネントを含み、それらのコンポーネントが開示された方法を実施するように協働するようになっている。システム内のコンポーネントは、ハードウェアである場合があり、ハードウェアには、出力装置(例えば、スクリーン、モニターまたはテレビジョン、のようなディスプレイ装置、もしくは、ラウドスピーカーまたは電話機)、ワークステーション、入力装置(例えば、キーボード、数字キーパッド、ダイヤル、タッチスクリーン、タッチパッド、マウスなどのポインティング装置、マイクロフォン、または、電話機)が含まれ得る。また、システム内のコンポーネントは、ソフトウェア(典型的には、ハードウェアを構成するためのソフトウェア)である場合があり、または、システム内のコンポーネントは、好ましくは、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせを含む場合がある。
【0025】
本発明を実施するための例示的システムは、本発明の方法を適切なコンピュータ使用環境で、例えば、コンピュータが実行可能な命令という一般的な環境で、実施するように協働する2つ以上のコンポーネントを含む。大まかに言って、コンピュータが実行可能な命令は、プログラムモジュール、プログラム、オブシェクト、コンポーネント、データ構造、および、それらの類似物、で組織されている場合がある。
【0026】
本発明を実現するための例示的なシステムは、適切に構成された汎用計算装置を含む。本発明は、幅広いさまざまなそのような装置を用いて実現される場合があり、それらの装置には、パーソナルコンピュータ、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な消費者用電子機器、ネットワークPC、ミニコンピュータ、が含まれ、ならびに、携帯可能な記憶装置または媒体およびローカルまたは遠隔メモリ記憶装置を含む類似物に記憶された命令の形態で実現される場合がある。コンピュータ環境は、好ましくは、ハードディスクに対して読み書きを行うためのハードディスクドライブ、取り外し可能な磁気ディスクに対して読み書きを行う磁気ディスクドライブ、または、CD ROMまたはその他の光学的媒体のような取り外し可能な光ディスクに対して読み書きを行う光ディスクドライブ、を含む。当業者には、取り外し可能な磁気ディスク、取り外し可能な光ディスク、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、および、それらの類似物のような、コンピュータに対してアクセス可能なデータを記憶できるコンピュータが読み取り可能な媒体も、典型的な動作環境で使用される場合があることが、適正に評価されるであろう。したがって、コンピュータ環境は、コンピュータ命令、データ構造、プログラムモジュール、および、それらの類似物のような情報を記憶するための任意の技術または方法で実施される、揮発性または不揮発性の、取り外し可能なまたは取り外し可能でない、媒体のような、コンピュータが読み取り可能な媒体を含む場合がある。コンピュータ記憶媒体は、以下に限定されないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、または、その他のメモリ技術、CD−ROM、CD−RWディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、など、情報を記憶し情報にアクセスするのに用いることができる、記憶媒体を含む。通信媒体は、典型的には、搬送波などの変調データ信号内の、コンピュータが読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または、データ、を含む。これらの装置は、システムバスに結合されたシリアルポートインターフェースのような、インターフェースを介して処理ユニットによってアクセスされることが多い。ますます、そのような装置は、ルートハブ/ホストに、ユニバーサルシリアルバス(USB)のような次世代のインターフェースによって結合されつつあり、ルートハブ/ホストには、その他のバスおよび装置も結合される場合がある。使用される場合がある他のインターフェースには、パラレルポート、ゲームポート、および、ファイヤー・ワイヤー(FireWire)すなわちIEEE1394仕様、が含まれる。
【0027】
コンピュータ環境は、論理結合を用いて、一つ以上のデータベースまたはリモートコンピュータにネットワーク接続されている場合がある。コンピュータ環境の基礎をなす論理結合は、有線のまたは無線のリンクを備えた、ローカルエリアネットワーク(LAN)およびワイドエリアネットワーク(WAN)を含む場合がある。そのようなネットワーク環境は、事務所、企業の広域コンピュータネットワーク、イントラネット、および、クライアント−サーバーまたはピアツーピアネットワークプロトコルを備えたインターネットにおいて一般的なものである。USBは、無線リンク、モデム、ISDN接続、および、それらの類似物、を介した通信リンクを使用するか、または、2つのコンピュータに接続されることができるハブさえも使用するか、のいずれかによって、ネットワークに結合するためのもう一つの方法を提供する。例示されたネットワーク接続は、例示的なものであり、通信リンクを確立する他の手段を排除するものではない。
【0028】
ある好ましい実施の形態では、これらのコンポーネントは、IBM PC互換機のようなパーソナルコンピュータ、または、他の計算プラットホーム、を含む。シミュレーションソフトウェアは、好ましくは、JAVAプログラミング言語を用いて符号化されていて、そのような符号化によって、シミュレーションソフトウェアは、多数の計算プラットホームによって実行されることができる。特筆すべきことに、実際の臨床診断分析器では、スケジューラーに類似のコンポーネントが、C++のようなプログラミング言語を用いて符号化され得る。同じスケジューラー性能が、JAVAで符号化されたモジュールを用いてシミュレーションされる場合がある。これらのソフトウェアによる実施の特徴は、本開示の範囲を限定することを意図されていないことも、注意されなければならない。
【0029】
好ましい実施の形態では、シミュレーションのために用いられる入力は、関心の現場でほぼ一日の期間に亘って収集された実際のデータである。それに代わって、一つ以上の臨床診断分析器の構成の性能を調査する顧客または関係者は、データを選択または承認する場合がある。以下の記載では、用語「サンプル」は、実際に、本当の検査にかけられるのではなく、シミュレーションを実行する目的のために構成された、擬似サンプルを意味する。用いられる分析器の定義は、好ましくは、関心の分析器によって用いられるスケジューリングの詳細と、実行されるさまざまな検査およびステップの時間推定値と、を含む。
【0030】
好ましい実施の形態では、検査到着速度は、1分間の間隔で更新される。演算論理は、次のように表される場合がある。
もし、(現在の時刻−シミュレーション開始時刻)<1時間、ならば
【数1】

そうでなければ、
【数2】

【0031】
同様に、結果流出速度も、1分間の間隔で更新される。
もし、(現在の時刻−シミュレーション開始時刻)<1時間、ならば
【数3】

そうでなければ、
【数4】

【0032】
検査到着速度(進み曲線(the leading curve))および結果流出速度(遅れ曲線(the lagging curve))が、2つの異なる位置について、図4Aおよび図4Bに示されている。グラフのx軸は、一日の時間を表している。進み曲線と遅れ曲線との間の時間間隔は、ターンアラウンドタイムである。進み曲線のより高いピークと、遅れ曲線の対応するピークと、の差は、到着速度を表し、その到着速度は、分析器の最大スループットよりも大きい場合がある。そのような差は、分析器が適切であることの資格を奪うものではない。ターンアラウンドタイムの間隔が、特定の最大値を超えず、全作業負荷がある特定の時間内に完了するならば、分析器は、関心の現場で満足に働くことができる。進み曲線の最大値が遅れ曲線の対応する最大値を超える場合、サンプルは、その日のこの期間の間、分析器の背後にバックアップされる。検査室は、サンプル到着スケジュールが変更されなければならないか否かを判定するために、この曲線を用いることもできる。
【0033】
累積%ターンアラウンドタイムの例示的なプロットが、図5に示されている。図5では、グラフは、1分間隔で収集されたデータを示している。x軸の各時間(分)に対して、その時間以下のターンアラウンドタイムを有するサンプルの個数が、合計され、検査の全回数で除算される。その結果得られた百分率が、x軸のターンアラウンドタイムに対応するy軸にプロットされる。
【0034】
平坦な線は、95%のサンプルを表している。その曲線は、累積ターンアラウンドタイム(x軸の値より小さいターンアラウンドタイムを有するサンプルの一部)のプロットであり、95%のサンプルが43分以下のターンアラウンドタイムを有し、100%のサンプルが53分以下のターンアラウンドタイムを有し、したがって、検査室性能の測定規準を視覚化できるようにしている。
【0035】
図1Aは、シミュレーションを実施するための好ましい実施の形態の大まかな輪郭を示している。現場での臨床サンプルの処理を推定するための好ましい方法は、図1Bに示されていて、好ましくは、顧客が選択した入力データ(図1Bのステップ110)を予め処理することを含んでいる。顧客が選択した入力データを予め処理することは、顧客によって提供されたデータの種類に合わせて機能性を予め処理することができるようにし、同時に、異なる種類の分析器およびデータ種類に対するカスタム化可能な評価サービスを提供するために、その他の設計を変更する必要を低減している。
【0036】
その好ましい方法は、シミュレーションされるべき臨床診断分析器を特定すること(図1Bのステップ120)と、検査の組み合わせ、再検査率、および、再検査に起因する遅れからなる群のうち少なくとも一つのパラメータを選択すること(図1Bのステップ130)と、シミュレーションソフトウェアを実行することによって臨床診断分析器の性能をシミュレーションすることと、日常的なまたはSTATとして印された擬似サンプルに対して、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、休止時間、からなる群のうち少なくとも一つの要素を含む報告で、臨床診断分析器の性能の測定結果を提供すること(図1Bのステップ140)と、をも含む。有益なことに、その方法は、到着および流出速度のグラフの形式を含む性能測定規準の報告を含む。累積および%ターンアラウンドタイムのグラフも、提供される場合がある。
【0037】
好ましくは、ステップ110では、顧客が選択したデータは、標準的なフォーマットに変換され、その標準的なフォーマットは、少なくとも、到来時間、要求された検査、インキュベーション時間(incubation time)、および、その他の仕様、を示している。使用者が臨床診断分析器を特定しないと(ステップ120で)、デフォルトの臨床診断分析器の仕様が呼び起こされる。シミュレーションのためのパラメータには、その検査結果が範囲外であり、したがって、再検査および他の確率的測定が必要であるか否かの確率予測を含む場合がある。パラメータは、そのシステムを現実的な故障率に備えて検査する。
【0038】
もう一つの好ましい実施の形態は、シミュレーションソフトウェアをメモリ装置に記憶することによって、シミュレーションソフトウェアを実現し、そのメモリ装置は、ソフトウェア命令を実行するためのプロセッサおよびバッファメモリを備えた計算装置にプラグインされまたは結合されることができる。ソフトウェア命令は、例えば、図1Aおよび図1Bに大まかに輪郭が描かれた使用者に承認されたデータおよび使用者が選択した臨床診断分析器の構成に基づいて、臨床診断分析器の性能を評価するためのシミュレーションソフトウェアパッケージを実行するためのコマンドを含む。いくつかのよく知られたメモリ装置は、コンピュータ内の、特に、ノートブックコンピュータ内の、ハードディスクドライブ、ユニバーサルシリアルバスベースの携帯可能なメモリ装置、フロッピーディスク、セキュアデジタルカード(Secure Digital Cards)、DVD、CD、および、それらの類似物、である。これらの装置は、計算装置に直接結合されるために、または、例えば、シミュレーションソフトウェアを計算装置に、直接または間接的に、コピーすることによって、命令を供給するためのコンポーネントとして用いられるために、有益である。シミュレーションソフトウェアは、実行されたときに、好ましくは、STATおよび日常的なサンプル、ならびに、日常的サンプルとSTATサンプルとを区別しない累積測定値、に対する臨床診断分析器の性能についての報告を生み出す。
【0039】
報告中のいくつかの好ましい測定規準には、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、が含まれ、その報告は、さらに、到着および流出速度グラフ、および/または、累積および%ターンアラウンドタイムのある時間に亘るグラフ、を含む場合がある。図5は、後者の例である。
【0040】
他の好ましい実施の形態は、臨床診断分析器の性能をシミュレーションするシミュレーション装置である。そのような装置は、図3に示されたようにモデル化される場合がある。図3は、顧客が承認した入力データをサンプル作業リストにフォーマットし組織するためのプレプロセッサを示している。このデータは、標準的な(日常的な)および緊急の(STAT)サンプルに対応するデータを含む。サンプルデータは、サンプル作業リストから選ばれ、シミュレーション時計に基づく擬似サンプルを生み出す。擬似サンプルは、次に、アッセイ種類の表に示されたもののような検査のために処理され、アッセイ種類の表は、網羅的リストではなく、単に、より良い臨床分析器によって支援される多数の検査を表示している。プレプロセッサの詳細な説明が、図2Aおよび図2Bに提供されていて、図2Aおよび図2Bは、顧客が承認したデータを、図3に示された、サンプル作業リスト、分析器の定義、および、アッセイプロトコル、のデータ記憶に組織化する。
【0041】
シミュレーション装置は、選択された臨床診断分析器の定義と首尾一貫するシミュレータをも含む。分析器の定義は、本質的に、考慮される具体的な分析器の記述である。このシミュレータは、図3に示されたように動作し、各ステップに必要な時間を推定できるようにし、同時に、好ましくは、そのサンプルを処理するのに必要な予想される消費可能量をも考慮する。
【0042】
好ましくは、シミュレーション装置は、出力を供給するためのユーザーインターフェースを含む。出力は、好ましくは、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、のうちの一つ以上を含む。さらに、出力は、その例示的な例が図4Aおよび図4Bに示されている、到着および流出速度のグラフをさらに含む場合がある。
【0043】
好ましい実施の形態は、例えば図2A、図2Bおよび図3に示されているような顧客が選択した入力データを予め処理する手段と、例えば、検査の組み合わせ、再検査に起因する遅れ、および、休止時間、に対応するデータを用いて、シミュレーションされるべき臨床診断分析器を特定する手段と、例えば、図3に示されているように、臨床診断分析器の性能をシミュレーションする手段と、シミュレーションの結果として測定規準を報告する手段と、を含む。そのような報告された測定規準は、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、の一つ以上を含む場合がある。好ましくは、これらのデータは、その例が図4に示された、到着および流出速度のグラフの助けを借りて、示される。
【0044】
臨床診断分析器をシミュレーションするための好ましい装置は、データ記憶に記憶されたデータから標準化データを提供する手段であって、その提供する手段は、図2Aおよび図2Bに示されたような記憶されたデータの任意の必要な予備処理を行う過程を含む、標準化データを提供する手段と、図3に示された少なくとも一つの臨床診断分析器の定義にアクセスする手段と、これもまた図3に示されたような標準化データから抽出された擬似サンプルを処理するためのアッセイプロトコルを特定する手段と、図3に示されているような標準化データから抽出された擬似サンプルからの複数の擬似サンプルの処理をスケジューリングする手段と、複数の擬似サンプルの検査結果が図3に示されているような、「検査結果が範囲外にある。」判定ボックスで再検査を必要とするか否かを評価する手段と、図3に示されたデータベース「検査プロセスログ」および文書「消費可能使用量の統計」のような複数の擬似サンプルの性能の測定規準を収集するための手段と、を含んでいる。性能の測定規準は、最大ターンアラウンドタイムと、平均ターンアラウンドタイムと、95%ターンアラウンドタイムと、最大スループットと、消費可能使用量と、ウォークアウェイ時間と、休止時間と、を含む場合がある。性能の測定規準は、到着および流出速度のグラフの助けを得て表示される場合がある。
【0045】
他の好ましい実施の形態は、ソフトウェアパッケージであって、そのソフトウェアパッケージは、顧客が選択した入力データを予め処理する手段と、検査の組み合わせ、再検査に起因する遅れ、および、休止時間からなる群のうち少なくとも一つの要素に対して収集されたデータを用いてシミュレーションされるべき臨床診断分析器を特定する手段と、臨床診断分析器の性能をシミュレーションする手段と、標準的なサンプル、緊急のサンプル、ならびに、標準的なサンプルと緊急のサンプルとの組み合わせ、のうち少なくとも一つに対してシミュレーションで収集されたデータを報告する手段と、を具備し、データを報告する手段は、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、からなる群のうち少なくとも一つの要素、を含み、データを報告する手段は、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある。
【0046】
顧客が選択した入力データを予め処理する手段は、顧客が選択したデータから標準化入力を生み出す。顧客が選択したデータが、既に、性能をシミュレーションする手段によって受容可能な形式である場合には、データを他の形式に変換する必要はない。そうでなければ、選択されたデータは、性能をシミュレーションする手段に適したフォーマットに変換される。
【0047】
シミュレーションされるべき臨床診断分析器を特定する手段は、分析器の一覧から分析器を選択でき、その分析器に対してシミュレーションの詳細が利用可能である。好ましい実施の形態では、さらに、新たに特定された分析器の性質が、例えば、支援された動作、支持された動作の各々の過程で要する時間、ならびに、誤りおよび再検査の率、を特定することによって、入力される場合がある。
【0048】
性能をシミュレーションする手段は、顧客が選択した入力データに応じてさまざまな動作を実行するために要する推定時間を算出し、顧客が選択した入力データには、実行されるべき検査の仕様が含まれている。各過程に要する時間は、関心の臨床分析器のスケジューラー、および、再検査および誤りの予想頻度、から好都合に推定される。臨床診断分析器のスケジューラーは、特定されたアッセイを実行するために、ある特定のサンプルに対して、ある特定の時間で、実行されるべき動作を、特定する。スケジューラーは、さらに、スケジューラーのコントローラーとしての役目として、特定の動作が適正な時間に実行されたことの確認を受け取る。特定の動作が実行されていなかった場合、または、遅れすぎて実行された場合、スケジューラーは、その誤りを検出して、影響を受けた結果にフラグを立てる。したがって、スケジューラーは、アッセイを実行するのに要した時間に関する適正な情報を有する。
【0049】
好ましい実施の形態では、再検査の頻度および誤り率は、それらのパラメータが関心の臨床分析器の性能に及ぼす効果をより良く評価するために、さらに特定される場合がある。性能をシミュレーションする手段は、関心の臨床分析器に対する統計および性能の測定規準に到達するために、さまざまな動作に対して必要な時間および資源を加える。
【0050】
シミュレーションで収集されたデータを報告する手段は、標準的なサンプルおよび緊急のサンプルに対する報告を提供する。好ましい実施の形態では、標準的なサンプルと緊急のサンプルの組み合わせが関心の臨床分析器に提供される場合も含めて、緊急のサンプルは、強調または別様に区別されている場合がある。好ましい実施の形態では、データを報告する手段からの出力データは、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間からなる群のうち少なくとも一つの要素を含み、データを報告する手段は、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある。これらのパラメータは、分析器の性能の記述と、関心の臨床分析器の所有権の費用の推定の提供と、を助ける。
【0051】
開示された実施の形態は、装置を含む。臨床診断分析器をシミュレーションするそのような装置は、データ記憶に記憶されたデータから標準化データを提供する手段であって、その標準化データを提供する手段は、記憶されたデータの任意の必要な予備処理を行うことを含む、標準化データを提供する手段と、少なくとも一つの臨床診断分析器の定義を提供するために、臨床診断分析器の定義にアクセスする手段と、標準化データから抽出された擬似サンプルを処理するための、アッセイプロトコルを特定する手段と、標準化データから抽出された擬似サンプルからの複数の擬似サンプルを処理する過程を順序づけるために、処理のスケジューリングを行う手段と、複数の擬似サンプルに対する検査結果が再検査を必要とするか否かを検出するために、再検査を評価する手段と、複数の擬似サンプルに対する性能測定規準を収集する手段と、を具備し、性能測定規準は、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間からなる群から選択され、性能測定規準を収集する手段は、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある。
【0052】
標準化データを提供する手段は、顧客が選択したデータを、標準化フォーマットに変換する。顧客が選択したデータが、既に、受容可能な形式である場合、他の形式へのデータの変換は必要ない。
【0053】
臨床検査室分析器の定義にアクセスする手段は、デフォルトの臨床診断分析器の定義、または、具体的な臨床診断分析器の定義、のいずれかへのアクセスを提供する。ほとんどの場合、そのような定義は、スケジューラーの動作の基礎をなすタイミングの詳細を含んでいることが、予想される。そのような手段は、電子メモリの形式である場合があり、または、臨床診断分析器の定義を受け入れるように設計されたユーザーインターフェースの一部として実現される場合があり、メモリロケーションまたはデータ構造を要求された情報で特定することによる、ことが含まれる。
【0054】
アッセイプロトコルを特定する手段は、支援されたアッセイの仕様を可能にする。いくつかの例示的なアッセイは、アッセイ種類の表に列挙されている。この例示的な列挙は、列挙されたアッセイに追加的なまたはより少ないアッセイが、現場の必要性およびビジネス上の考慮に基づくものを含めて、具体的な分析器で支援される場合があるので、限定的なものではない。そのような手段は、電子メモリの形態である場合があり、または、支援されたアッセイの仕様を受け入れるように設計されたユーザーインターフェースの一部として、実現される場合がある。
【0055】
処理をスケジューリングする手段は、サンプルの処理に必要な、過程、ならびに、時間およびその他の資源、を推定できるようにする。
【0056】
再検査を評価する手段は、分析器の性能をより良く評価するために、予想される誤り率、および、誤りに起因する再検査、を組み込めるようにすることによって、シミュレーションをより現実的なものにする。再検査の意思決定も、図3に示されている。
【0057】
性能の測定規準を収集する手段は、シミュレーションされた実行に必要な時間および資源に関するデータを収集および組織化し、費用および管理の意思決定の状況で、分析器の性能を効率よく伝達する。好ましい実施の形態によって報告されることが可能ないくつかの例の測定規準は、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、のうちの一つ以上を含み、性能の測定規準を収集する手段は、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある。図3は、関心の測定規準を生み出すための時間および消費可能使用量のデータ収集を示している。
【0058】
当業者は、実施の形態が、ただ一つのまたは極わずかな臨床診断分析器の性能だけでなく、入力されるサンプルの流れを処理するように共に動作するように構成された複数の臨床診断分析器の性能をも、推定することを含む、ことを適正に評価するであろう。同じ種類のいくつかの臨床診断分析器が配備されるならば、入力サンプルは、単にそれらの分析器に均等に割り当てられる場合がある。しかし、臨床診断分析器が異なる種類であるならば、分析器の個々の特性が、全体の構成の性能を評価するために、考慮されなければならない。そのような例示的な実施の形態の一つが、図7に示されている。
【0059】
図7は、3つの異なる種類の臨床診断分析器を用いた、シミュレーションを示している。第1の種類の臨床診断分析器は、スループットを改善するために、資源の利用を調整するためのスケジューラーを用いた、一体化された装備での化学アッセイおよび免疫アッセイを取り扱う。そのような分析器の例は、オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス(Ortho Clinical Diagnostics:登録商標)によって製造されたビトロス5600(VITROS 5600:商標)臨床診断分析器である。ビトロス5600(VITROS 5600:商標)のマスタースケジューラーは、3つ程度の化学プラットホーム、すなわち、(1)ドライケミストリーを用いるマイクロスライド、(2)ウエットケミストリーを用いるマイクロティップ、および、(3)ウエットケミストリーを用いるマイクロウェル、を支援するように実現されている。ビトロス5600(VITROS 5600:商標)は、さまざまな化学プラットホーム間で共有されるロボットアームおよび分注器を用いて、患者のサンプルを入力するためのランダムアクセスを提供している。ロボットアームは、アリコートが、分析器で実行される検査の各々のために、単一の入力の患者サンプルから、抽出されるようにし、各検査には、分析器として一体化された異なるプラットホームで実行される検査が含まれている。この分析器は、Na、K、CLのような検体用のマイクロスライド上でのドライケミストリーをベースとする検査、ならびに、分析器のマイクロウェルおよびマイクロティッププラットホームを用いる免疫アッセイまたはその他のアッセイ、を支援する。第2の種類の臨床診断分析器は、これもまた、組み合わせの臨床分析器であり、より少ないプラットホームを含む。そのような分析器の例は、オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス(Ortho Clinical Diagnostics:登録商標)によって製造されたビトロス5,1エフ・エス(VITROS 5,1 FS:商標)である。ビトロス5,1エフ・エス(VITROS 5,1 FS:商標)は、マイクロスライドおよびマイクロティップをベースとするアッセイのみを支援する。第3の種類の臨床診断分析器は、より限られたプラットホームを有し、1つ程度のプラットホームを有する場合がある。例には、オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス(Ortho Clinical Diagnostics:登録商標)によって製造されたビトロス・イー・シー・アイ(VITROS ECi:商標)およびビトロス3600(VITROS 3600:商標)のような、免疫アッセイのみを支援する分析器が含まれる。オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス(Ortho Clinical Diagnostics:登録商標)によって製造された臨床診断分析器が、本明細書で好ましいものとして記載されたが、本発明の方法および教示は、他の臨床診断分析器にも同様にうまく適用することができる。したがって、当業者は、本明細書の例で記載された公式および他の基準を、オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス(Ortho Clinical Diagnostics:登録商標)以外の製造業者によって製造された分析器に、全体的にまたは部分的に基づいて、構成を評価するために、容易に変更できるであろう。
【0060】
シミュレーションのために、図7に概要が示されたフロー700と同様の戦略が、用いられる場合がある。フロー700では、LISデータを各サンプルに実行されるアッセイの種類に基づいてソーティングするために、LISデータが予め処理される。好ましくは、臨床診断分析器の種類毎に、入力された患者サンプルが用いられて、そのサンプルから抽出された少量のアリコートに一つ以上の種類の検査が実行される。したがって、好ましくは、一つのサンプルが、2つ以上の異なる分析器に分割されることはなく、複雑さ、サンプルの損失、低いスループット、を減らしている。
【0061】
入力LISデータ705は、パーサー710によって評価されて、マイクロティップ、マイクロスライド、および、マイクロウェル、の各々に基づく検査を必要とする患者のサンプルを特定する。検査を必要とするサンプルは、多用途分析器Iによって、処理するために割り振られる。複数の分析器Iが配備されている場合、サンプルは、リデューサ725によって、比例して減らされる(ほとんどの出力パラメータは、一つの分析器の性能を単にスケーリング(scaling)して、推定されることができる)。リデューサ725は、判定ブロック730、735で判定されたように分析器IIおよび分析器IIIが利用できないことに起因して分析器IIおよび分析器IIIによって処理できないサンプルを追跡もし、この理由は、分析器Iが全ての種類の検査を取り扱うのに十分なだけ多用途であるからである。分析器Iによって処理されるべきサンプルの全個数は、好ましくは、上述したように演算効率を高めるために、シミュレーションではリデューサ725によって比例して低減される。
【0062】
入力LISデータ705は、パーサー715によって評価されて、マイクロティップおよびマイクロスライドの各々に基づく検査を必要としている患者サンプルを特定する。検査を必要とするサンプルは、分析器2によって処理するために、暫定的に割り振られる。判定ブロック730は、そのようなサンプルを、利用可能な分析器2がない場合には、分析器1に割り振る。分析器2が利用可能な場合には、判定ブロック740は、第1の条件を評価する。
【0063】
第1の条件:
化学アッセイおよび免疫アッセイの両方を必要とするサンプルの個数>(化学アッセイを必要とするサンプルの個数)/(現場での化学アッセイの能力を備えた分析器の数)
【0064】
第1の条件が満たされない場合、そのようなサンプルのいくつかは、リデューサ745および合計ブロック750を介して、分析器1へ割り振られ、合計ブロック750は、リデューサ725の出力をも受け取る。リデューサ745は、リデューサの低減を行うために、以下の条件を評価して、合計ブロック750への入力を生み出す。
【数5】

【0065】
第1の条件が満たされない場合、リデューサ755は、分析器2の個数に基づいてサンプルの数を比例して減らして、分析器2のためのサンプル入力の一部分を生み出す。
【0066】
第1の条件が満たされた場合、制御はリデューサ760へ流れ、リデューサ760は、分析器2の個数に基づいて、サンプルの数を比例して減らして、分析器2のためのサンプル入力の残りの部分を生み出す。
【0067】
入力LISデータ705が、パーサー720によって評価されて、免疫アッセイのみを必要とする患者サンプルを特定する。免疫アッセイのみを必要とする患者サンプルは、分析器3によって処理するために、暫定的に割り振られる。判定ブロック735は、免疫アッセイのみを必要とする患者サンプルを、利用できる分析器3がない場合に、分析器1に割り振る。分析器3が利用可能ならば、判定ブロック765は、第2の条件を評価する。
【0068】
第2の条件:
化学アッセイおよび免疫アッセイの両方を必要とするサンプルの個数>(免疫アッセイを必要とするサンプルの個数)/(現場での免疫アッセイの能力を備えた分析器の数)
【0069】
第2の条件が満たされない場合、そのようなサンプルのいくつかは、リデューサ770および合計ブロック750を介して、分析器1に割り振られ、合計ブロック750は、リデューサ725およびリデューサ745の出力をも受け取る。リデューサ770は、リデューサ770の低減を行うために、以下の条件を評価して、合計ブロック750への入力を生み出す。
【数6】

【0070】
第2の条件が満たされない場合、リデューサ775は、分析器3の数に基づいてサンプルの個数を比例して減らして、分析器3のためのサンプル入力の一部を生み出す。
【0071】
第2の条件が満たされた場合、制御は、リデューサ780に流れ、リデューサ780は、分析器3の数に基づいてサンプルの個数を比例して減らして、分析器3のためのサンプル入力の残りの部分を生み出す。
【0072】
次に、シミュレーションは、サンプルを取り扱うのに要する時間、費やされる資源、および、上述されたその他の出力パラメータ、を算出することによって、構成全体の性能を算出する。分析器の各種類のそれぞれの性能は、上述したように、分析器の対応するスケジューラーを用いて、算出されることができる。この方法は、重大な性能の不利益を結果としてもたらさず、また、臨床診断分析器のかなり複雑な構成の性能を分析するために、非常に精巧で、資源を大量に消費する設備必要としない。
【0073】
当業者は、上記の本開示が、本発明の教示内容および真髄を逸脱せずに、多くの変形および変更の実施の形態を受け入れることを、適切に評価するであろう。以下に添付された特許請求の範囲の記載の範囲は、そのような変更および変形を包含する。さらに、本明細書で記載され引用された各参照文献は、引用することによって、その全体が、本明細書に組み込まれる。
【0074】
〔実施の態様〕
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)現場での検査サンプルを処理する少なくとも一つの分析器の性能を推定する方法において、
前記方法が、
顧客が選択した入力データを予め処理する過程と、
シミュレーションされるべき臨床診断分析器を特定する過程と、
検査の組み合わせ、再検査率、および、データの再スケーリング、からなる群のうち少なくとも一つのパラメータを選択する過程であって、前記再スケーリングは、配備されている分析器の個数を反映している、選択する過程と、
シミュレーションソフトウェアを実行することによって、前記臨床診断分析器の性能をシミュレーションする過程と、
日常的またはSTATとして印された擬似サンプルに対して、前記臨床診断分析器の前記性能の測定値を提供する過程であって、前記測定値は、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、からなる群のうち少なくとも一つの要素であり、前記性能の測定値が、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある、性能の測定値を提供する過程と、
を具備する、方法。
(2)実施態様(1)に記載の方法において、
前記予め処理する過程が、前記顧客が選択したデータを標準的なフォーマットに変換する、方法。
(3)実施態様(1)に記載の方法において、
シミュレーションするべき臨床診断分析器を手動で特定するのに失敗した場合、デフォルトの臨床診断分析器の仕様が呼び起こされる、方法。
(4)実施態様(1)に記載の方法において、
前記少なくとも一つの臨床診断分析器が、複数の臨床診断分析器の構成の一部である、方法。
(5)実施態様(4)に記載の方法において、
臨床診断分析器の前記構成が、異なる種類の複数の臨床診断分析器を含み、
前記複数の臨床診断分析器のうちの少なくとも一つが、免疫アッセイを支援しない、方法。
(6)実施態様(4)に記載の方法において、
臨床診断分析器の前記構成が、異なる種類の複数の臨床診断分析器を含み、
前記複数の臨床診断分析器のうちの少なくとも一つが、化学アッセイを支援しない、分析器性能推定方法。
(7)少なくとも一つの計算装置にソフトウェア命令を提供するための、携帯式のソフトウェア命令記憶メモリ装置において、
前記計算装置が、プロセッサ、および、バッファメモリ、を含み、
前記ソフトウェア命令が、シミュレーションソフトウェアパッケージを実行するためのコマンドを含み、前記シミュレーションソフトウェアパッケージが、使用者が承認したデータおよび候補の臨床診断分析器の使用者が選択した構成に基づいて、前記候補の臨床診断分析器の性能を評価し、それによって、前記シミュレーションソフトウェアパッケージが、日常的およびSTATとして印された擬似サンプルに対する前記候補の臨床診断分析器の前記性能の報告を生み出す、ソフトウェア命令記憶メモリ装置。
(8)実施態様(7)に記載のソフトウェア命令記憶メモリ装置において、
前記ソフトウェア命令記憶メモリ装置が、光学媒体、磁気媒体、および、携帯式記憶媒体装置、を用いて実現されている、ソフトウェア命令記憶メモリ装置。
(9)実施態様(7)に記載のソフトウェア命令記憶メモリ装置において、
前記ソフトウェア命令記憶メモリ装置が、前記命令を、コンピュータ命令記憶媒体にコピーするのに適していて、それによって、前記ソフトウェアパッケージをシミュレーションするコマンドの実行が、前記使用者が承認したデータおよび前記臨床診断分析器の前記使用者が選択した構成に基づいて、前記臨床診断分析器の前記性能を評価するようにし、それによって、前記シミュレーションソフトウェアパッケージが、標準的および緊急として印されたサンプルでの前記候補の臨床診断分析器の前記性能の報告を生み出すようにする、ソフトウェア命令記憶メモリ装置。
(10)実施態様(7)に記載のソフトウェア命令記憶メモリ装置において、
前記報告が、
最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、からなる群のうち少なくとも一つの要素を含み、
前記報告が、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある、ソフトウェア命令記憶メモリ装置。
【0075】
(11)実施態様(7)に記載のソフトウェア命令記憶メモリ装置において、
前記ソフトウェア命令が、臨床診断分析器の構成を評価するための規則、を含む、ソフトウェア命令記憶メモリ装置。
(12)実施態様(11)に記載のソフトウェア命令記憶メモリ装置において、
臨床診断分析器の前記構成を評価するための前記規則が、
異なる種類の臨床診断分析器を含む構成を含み、
少なくとも一つの臨床診断分析器が、免疫アッセイおよび化学アッセイからなる集合の一つの要素を支援しない、ソフトウェア命令記憶メモリ装置。
(13)臨床診断分析器の性能をシミュレーションするシミュレーション装置において、
前記装置が、
日常的サンプルおよびSTATサンプルに対応するデータを含む顧客が承認した入力データをフォーマッティングおよび組織化するためのプレプロセッサと、
選択された臨床診断分析器の定義に基づくシミュレータと、
標準的および緊急として印されたサンプルに対して、出力を提供する、ユーザーインターフェースであって、前記出力は、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、からなる群のうち少なくとも一つの要素を含み、前記出力は、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある、ユーザーインターフェースと、
を具備する、シミュレーション装置。
(14)実施態様(13)に記載のシミュレーション装置において、
前記シミュレータが、臨床診断分析器の構成の性能をシミュレーションするために、一つ以上の臨床診断分析器の定義を用いる、シミュレーション装置。
(15)実施態様(14)に記載のシミュレーション装置において、
臨床診断分析器の前記構成を評価するための規則が、異なる種類の臨床診断分析器を含む構成を含み、
少なくとも一つの臨床診断分析器が、免疫アッセイおよび化学アッセイからなる集合のうちの一つの要素を支援しない、シミュレーション装置。
(16)実施態様(14)に記載のシミュレーション装置において、
顧客が承認した入力データが、前記顧客が承認した入力データおよび前記分析器の能力に含まれたサンプルに対してシミュレーションされるべき検査を考慮に入れて、臨床診断分析器の前記構成の臨床診断分析器によって、処理されるために、分割される、シミュレーション装置。
(17)ソフトウェアパッケージにおいて、
前記ソフトウェアパッケージが、
顧客が選択した入力データを予め処理する手段と、
検査の組み合わせ、再検査に起因する遅れ、および、休止時間、からなる群のうち少なくとも一つの要素に対して収集されたデータを用いてシミュレーションされるべき臨床診断分析器を特定する手段と、
前記臨床診断分析器の性能をシミュレーションする手段と、
標準的なサンプル、緊急のサンプル、および、標準的なサンプルと緊急のサンプルとの組み合わせ、のうち少なくとも一つに対して前記シミュレーションで収集されたデータを報告する手段であって、データを報告する前記手段は、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、からなる群のうち少なくとも一つの要素を含み、データを報告する前記手段は、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある、手段と、
を具備する、ソフトウェアパッケージ。
(18)臨床診断分析器をシミュレーションする装置において、
前記装置が、
データ記憶に記憶されたデータから標準化データを提供する手段であって、前記標準化データを提供する手段は、前記記憶されたデータの任意の必要な予備処理を行うことを含む、標準化データを提供する手段と、
少なくとも一つの臨床診断分析器の定義にアクセスする手段と、
前記標準化データから抽出された擬似サンプルを処理するためのアッセイプロトコルを特定する手段と、
前記標準化データから抽出された擬似サンプルからの複数の擬似サンプルを処理することをスケジューリングする手段と、
前記複数の擬似サンプルでの検査結果が再検査を必要とするか否かを評価する手段と、
前記複数の擬似サンプルでの性能の測定規準を収集する手段であって、前記性能の測定規準は、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、からなる群から選択され、前記性能の測定規準を収集する前記手段は、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある、性能の測定基準を収集する手段と、
を具備する、装置。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1A】好ましいシミュレーションの実施の形態を実行するための概略の方法を示す図である。
【図1B】好ましいシミュレーションの実施の形態を実行するための概略の方法を示す図である。
【図2A】ある好ましいプレプロセッサのいくつかの顕著な特徴を示す図である。
【図2B】ある好ましいプレプロセッサのいくつかの顕著な特徴を示す図である。
【図3】ある好ましいシミュレーションの実施の形態の基礎をなすフローチャートを示す図である。
【図4A】異なる位置での臨床診断分析器のターンアラウンドタイムならびに入力および出力を示す出力グラフを示す図である。
【図4B】異なる位置での臨床診断分析器のターンアラウンドタイムならびに入力および出力を示す出力グラフを示す図である。
【図5】ある好ましいシミュレーションの実施の形態の累積および%ターンアラウンドタイムの例示的なグラフを示す図である。
【図6】現場の条件の相違、ならびに、好ましいシミュレーションの実施の形態による臨床診断分析器の構成および種類の予測を必要とする異なる位置での臨床診断分析器の使用、を要約した表を示す図である。
【図7】サンプルおよび検査のフローを制御する規則に基づいた臨床診断分析器のさまざまな種類を含む構成を通るサンプルの流れを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場での検査サンプルを処理する少なくとも一つの分析器の性能を推定する方法において、
前記方法が、
顧客が選択した入力データを予め処理する過程と、
シミュレーションされるべき臨床診断分析器を特定する過程と、
検査の組み合わせ、再検査率、および、データの再スケーリング、からなる群のうち少なくとも一つのパラメータを選択する過程であって、前記再スケーリングは、配備されている分析器の個数を反映している、選択する過程と、
シミュレーションソフトウェアを実行することによって、前記臨床診断分析器の性能をシミュレーションする過程と、
日常的またはSTATとして印された擬似サンプルに対して、前記臨床診断分析器の前記性能の測定値を提供する過程であって、前記測定値は、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、からなる群のうち少なくとも一つの要素であり、前記性能の測定値が、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある、性能の測定値を提供する過程と、
を具備する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記予め処理する過程が、前記顧客が選択したデータを標準的なフォーマットに変換する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記少なくとも一つの臨床診断分析器が、複数の臨床診断分析器の構成の一部である、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
臨床診断分析器の前記構成が、異なる種類の複数の臨床診断分析器を含み、
前記複数の臨床診断分析器のうちの少なくとも一つが、免疫アッセイを支援しない、方法。
【請求項5】
少なくとも一つの計算装置にソフトウェア命令を提供するための、携帯式のソフトウェア命令記憶メモリ装置において、
前記計算装置が、プロセッサ、および、バッファメモリ、を含み、
前記ソフトウェア命令が、シミュレーションソフトウェアパッケージを実行するためのコマンドを含み、前記シミュレーションソフトウェアパッケージが、使用者が承認したデータおよび候補の臨床診断分析器の使用者が選択した構成に基づいて、前記候補の臨床診断分析器の性能を評価し、それによって、前記シミュレーションソフトウェアパッケージが、日常的およびSTATとして印された擬似サンプルに対する前記候補の臨床診断分析器の前記性能の報告を生み出す、ソフトウェア命令記憶メモリ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のソフトウェア命令記憶メモリ装置において、
前記報告が、
最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、
からなる群のうち少なくとも一つの要素を含み、
前記報告が、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある、ソフトウェア命令記憶メモリ装置。
【請求項7】
臨床診断分析器の性能をシミュレーションするシミュレーション装置において、
前記装置が、
日常的サンプルおよびSTATサンプルに対応するデータを含む顧客が承認した入力データをフォーマッティングおよび組織化するためのプレプロセッサと、
選択された臨床診断分析器の定義に基づくシミュレータと、
標準的および緊急として印されたサンプルに対して、出力を提供する、ユーザーインターフェースであって、前記出力は、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、からなる群のうち少なくとも一つの要素を含み、前記出力は、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある、ユーザーインターフェースと、
を具備する、シミュレーション装置。
【請求項8】
請求項7に記載のシミュレーション装置において、
前記シミュレータが、臨床診断分析器の構成の性能をシミュレーションするために、一つ以上の臨床診断分析器の定義を用いる、シミュレーション装置。
【請求項9】
請求項8に記載のシミュレーション装置において、
臨床診断分析器の前記構成を評価するための規則が、異なる種類の臨床診断分析器を含む構成を含み、
少なくとも一つの臨床診断分析器が、免疫アッセイおよび化学アッセイからなる集合のうちの一つの要素を支援しない、シミュレーション装置。
【請求項10】
請求項8に記載のシミュレーション装置において、
顧客が承認した入力データが、前記顧客が承認した入力データおよび前記分析器の能力に含まれたサンプルに対してシミュレーションされるべき検査を考慮に入れて、臨床診断分析器の前記構成の臨床診断分析器によって、処理されるために、分割される、シミュレーション装置。
【請求項11】
ソフトウェアパッケージにおいて、
前記ソフトウェアパッケージが、
顧客が選択した入力データを予め処理する手段と、
検査の組み合わせ、再検査に起因する遅れ、および、休止時間、からなる群のうち少なくとも一つの要素に対して収集されたデータを用いてシミュレーションされるべき臨床診断分析器を特定する手段と、
前記臨床診断分析器の性能をシミュレーションする手段と、
標準的なサンプル、緊急のサンプル、および、標準的なサンプルと緊急のサンプルとの組み合わせ、のうち少なくとも一つに対して前記シミュレーションで収集されたデータを報告する手段であって、データを報告する前記手段は、最大ターンアラウンドタイム、平均ターンアラウンドタイム、95%ターンアラウンドタイム、最大スループット、消費可能使用量、ウォークアウェイ時間、および、休止時間、からなる群のうち少なくとも一つの要素を含み、データを報告する前記手段は、到着および流出速度のグラフ、ならびに、累積ターンアラウンドタイムのグラフ、をさらに含む場合がある、手段と、
を具備する、ソフトウェアパッケージ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−47683(P2009−47683A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−155252(P2008−155252)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.フロッピー
【出願人】(501131014)オーソ−クリニカル・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (30)
【氏名又は名称原語表記】Ortho−Clinical Diagnostics, Inc.
【住所又は居所原語表記】100 Indigo Creek Drive, Rochester, NY 14626−5101, U.S.A.
【Fターム(参考)】