自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット
【課題】出入するタブレットとの摺接によりサブポットの内壁面に生ずるランダムな摩耗によって、タブレットの出入作動に不具合を発生せしめている問題を解消せしめる点にある。
【解決手段】サブポット40の内壁の、周方向に間隔をおいて環状に並列する複数箇所に、小径の棒状乃至ピン状に成形したセラミックの棒状体8を、軸芯線が鉛直方向に沿う姿勢で、かつ、その棒状体8の周面の一部が、サブポット40内に露出して突出する状態に埋設する。
【解決手段】サブポット40の内壁の、周方向に間隔をおいて環状に並列する複数箇所に、小径の棒状乃至ピン状に成形したセラミックの棒状体8を、軸芯線が鉛直方向に沿う姿勢で、かつ、その棒状体8の周面の一部が、サブポット40内に露出して突出する状態に埋設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC素子などの電子部品を樹脂材によりモールドする自動モールド装置において、下金型に設けられた金型ポットに対し円柱状に成形されている熱硬化性樹脂のタブレットを搬送するサブポットブロックに設けるサブポットについての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動モールド装置により基板・リードフレーム等の電子部品の製品を、熱硬化性樹脂のタブレットを用いて行うモールド加工は、モールドしようとする部品と、その製品を樹脂材でモールド加工するための熱硬化性樹脂のタブレットとを、供給装置により金型装置の下金型上に供給し、部品製品をパーティング面に形設されているキャビティにセットし、同時に、タブレットを金型ポットに供給してセットし、この状態から下金型と上金型とを閉じ合わせ、加圧と加熱により樹脂のタブレットをキャビティに注入して熱硬化させ、次いで、下金型と上金型とを型開きして、モールドされた成形品として取り出すことで行われる。
【0003】
この自動モールド装置による電子部品製品のモールド加工において、金型装置の下金型のポットに対する樹脂タブレットの送給は、通常、図1にあるように、台盤状に形成した下プラテン10と、その下プラテンの四隅部にそれぞれ立設したガイドポスト11と、これらガイドポスト11の上端部に固定装着した上プラテン12と、ガイドポスト11の上下の中間部位に上下可動に支架した移動プラテン13と、下プラテン10の上面に装設して前記移動プラテン13を昇降作動させるプレス機構14と、移動プラテン13の上面に組み付けた下金型Dと、上プラテン12の下面に組み付けた上金型D’とで構成する金型装置Aに対し、別に構成した供給装置Bを組み合わせ、この供給装置Bにより行われる。
【0004】
供給装置Bは、通常、4本のガイドポスト11により櫓状に組み立てられている金型装置Aのフレームfの内部空間を横切るように配位して機枠(図示省略)に支架せる平行する2本のガイドレール20と、そのガイドレール20の金型装置Aのフレームfから外側に張り出す部位に跨架せる台枠ブロック2と、その台枠ブロック2に、前記ガイドレール20によりガイドされて金型装置Aの下金型Dに対し進退するよう支架せる搬送ブロック3と、その搬送ブロック3の下面に設けた組付部に組み付けたサブポットブロック(搬送サブポットブロック)4と、前記台枠ブロック2から垂下するブラケット21に支架せしめて、前述のサブポットブロック4の下方に配設したタブレット供給ブロック5と、そのタブレット供給ブロック5の下方に配位して前述のブラケット21の側壁面に昇降作動するよう支架せしめたタブレット押上ブロック6とからなる。
【0005】
供給装置Bの台枠ブロック2に、下金型Dに対し進退するよう支架してある搬送ブロック3の下面の組付部に組み付けられたサブポットブロック4は、図2にあるように、円柱状に成形されている熱硬化性樹脂のタブレットTが装入されるサブポット40が、長手方向に整列して開設してあり、それらサブポット40は、それぞれ、サブポットブロック4を上下に貫通していて下方に開放している。そして、サブポットブロック4の下面側に開放する開口部には、図3にあるよう搬送ブロック3の内部に設けた支点軸41中心に、同上図3において実線に示す状態と鎖線に示す状態とに揺動回動するタブレットストッパ42のストッパ片43が臨ませてある。
【0006】
そして、このサブポットブロック4の下方に配位して、台枠ブロック2から垂下するブラケット21に支架せしめたタブレット供給ブロック5には、図4にあるように、円柱状に成形された熱硬化性樹脂のタブレットTを装填しておく供給穴50が、前述のサブポットブロック4に整列させて設けたサブポット40のそれぞれと対応する位置に、整列させて開設してある。
【0007】
この供給ブロック5に開設したそれぞれのタブレット供給穴50は、前述のサブポットブロック4に開設したサブポット40と同様に供給ブロック5を上下に貫通する貫通穴に開設してあり、それらタブレット供給穴50には、供給ブロック5の下方に配位して前述のブラケット21に装架してある押上ブロック6から突出する押上棒60の上端側が突入させてある。
【0008】
この供給装置Bによる金型装置Aの下金型Dの金型ポットPに対する樹脂のタブレットTの供給は次の行程で行われる。
【0009】
まず、台枠ブロック2に支持せしめてある供給ブロック5の各供給穴50にタブレットTが装填される。
【0010】
次に、搬送ブロック3が作動し、下面にセットしてあるサブポットブロック4の各サブポット40が、供給ブロック5のタブレット供給穴50のそれぞれの上面に位置する図1の状態となる。
【0011】
次に、押上ブロック6が上昇作動し、これに基端側が支持されている押上棒60が上昇して、供給ブロック5のタブレット供給穴50内のタブレットTを押し上げ、上方に位置しているサブポットブロック4のサブポット40内に押し込み移動させ、図5の状態とする。このとき、サブポット40の下面の開放口40aは、そこにストッパ片43を臨ませているタブレットストッパ42が、搬送ブロック3の器内に装備されている制御機構により退避位置に回動していて、開放口40aを開放した状態にあるので、押し上げられるタブレットTは、図6にあるようサブポット40内に装入される。そして、タブレットTのサブポット40内への装入が終えたときに、制御機構の作動でタブレットストッパ42が作用位置に回動し、装入されたタブレットTの下縁を、図7にあるよう支承し、同時に押上ブロック6が下降して、図8の状態となる。
【0012】
次に、この状態から搬送ブロック3が、金型装置Aの下金型Dの上面上方位置に向けて移動し、下面に支持するサブポットブロック4の各サブポット40が、下金型Dの上面に形設してある金型ポットPのそれぞれに対向する図9の状態となる。
【0013】
次に、金型装置Aの下金型Dが上昇し、サブポットブロック4の各サブポット40の下方に下金型Dの金型ポットPのそれぞれを位置させ図10の状態とする。
【0014】
次に、この状態となったところで、各サブポット40の下面の開放口40aを閉じているタブレットストッパ42が図11にあるように解放作動し、各サブポット40内に装入されているタブレットTが、自重により、下金型Dの金型ポットP内に落下し、金型ポットP内に装置してあるプランジャー70に支承されて、図12の状態となる。
【0015】
次に、移動プラテン13が下降し、下金型Dがサブポットブロック4から引き離され(図13)、その状態で搬送ブロック3が後退しサブポットブロック4を台枠ブロック2の下方位置に戻り、図14の状態となる。
【0016】
次に、プレス機構14の作動で移動プラテン13が上昇し、下金型Dを上金型D’に接合させ図15の状態とする。そして、この状態において、下金型D及び上金型D’に組み込まれている加熱装置とプランジャー70の作動で、熱硬化性樹脂のタブレットTを溶融状態として高い圧力で、金型上に形設しているキャビティ71内に注入し熱硬化させて、搬送ブロック3により樹脂タブレットTと共にパーティング面に搬送してきて放出落下させて載置したリードフレーム等の製品部品72をモールドして成形品に成形する。次いで下金型が下降して成形品が取り出される。
【0017】
このように、金型装置Aの下金型Dに設けた金型ポットPに対する樹脂タブレットTの供給は、下金型Dの型面に対して前後方向に沿い進退するサブポットブロック4に設けたサブポット40によって行うが、そのサブポット40は、アルミ合金等の軽金属材により横長の角柱状に成形したサブポットブロック4に、内径を円柱状に成形されている樹脂のタブレットTの外径より幾分大径とした寸法の正円筒形状の穴に形成してあって、これにより、供給ブロック5の供給穴50内のタブレットTをサブポット40内に受け入れるとき、また、サブポット40内の樹脂タブレットTを下金型Dの金型ポットPに落とし込むときに、樹脂タブレットTの周面をサブポット40の内壁面に摺接させてガイドさせるようにしている。
【0018】
このサブポットブロック4に形設したサブポット40は、1回のモールド加工の度ごとに、円柱状のタブレットTが、供給ブロック5の供給穴50から装入され、下金型Dの金型ポットPに落下していくことから、自動モールド装置でモールド作業を行うときに、出入する円柱状のタブレットTの周面と摺接する内壁面に摩耗が生じ、また、形成している金属材の金属粉を発生させる。
【0019】
ところで、このサブポット40の内壁面に生ずる摩耗は、その内壁面の周方向に均一に行われず、偏って生ずる。このことから、下金型Dの金型ポットPに対するタブレットTの投入口となる下面の開口部40aの形状を歪ませ、金型ポットPへのタブレットTの投入位置を狂わせ、投入ができなくなる不具合を発生させる問題を生ぜしめている。
【0020】
また、樹脂タブレットTが出入するときの摺接により発生する金属粉は、タブレットTとともに金型ポットP内に入り、溶融した熱硬化性樹脂に混入することで、成形した電子部品の不良または著しい品質低下を招く問題を生ぜしめている。
【0021】
また、サブポットブロック4を下金型Dの上方に移動させ、タブレットストッパ42の解放によりサブポット40内の樹脂タブレットTを金型ポットPに落下させる行程において、樹脂タブレットTがベタ付いていると、タブレットTの周面がサブポット40の内壁面に付着して貼り付くようになって、落下せず、投入ミスを発生させる問題が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明において解決しようとする課題は、自動モールド装置において、樹脂タブレットTを、下金型Dに設けた金型ポットPに搬送するサブポットブロック4のサブポット40に関連して生じている問題、即ち、サブポット40の内壁面が、タブレットTの供給の度ごとに出入するタブレットTとの摺接によって生ずる摩耗により変形して、金型ポットPへの正常なタブレットTの落下・投入を阻害し、投入ミスを発生させる問題、及び、タブレットTとの摺接により生ずる金属粉が樹脂材に混入することによって、モールドした電子部品の成形品に、品質の低下した不良品を生ぜしめる問題、ならびに、タブレットTがベタ付いているときに、サブポット40の内壁面にタブレットTが付着して貼り付き、金型ポットPへの投入ミスを生ぜしめる問題を、解消せしめるため、このサブポット40を、出入するタブレットTとの摺接により摩耗が生じても、出入するタブレットTをガイドする摺接面に歪みを生ぜしめずに、タブレットTを正しく金型ポットPに落下させ、かつ、タブレットTがベタ付いていても、付着・貼着を生ぜしめずに適確に金型ポットPに落下させ、また、成形品に不良を生ぜしめる金属粉の発生を抑えるものとなるように構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上述の課題を解決するための手段として、本発明においては、円柱状の熱硬化性樹脂のタブレットTをサブポットブロック4により下金型Dの金型ポットPに搬送する自動モールド装置において、サブポットブロック4には、タブレットTを出入自在に受け入れるサブポット40を、円柱状のタブレットTの軸線に沿う縦方向の筒状に形設し、そのサブポット40の内壁の、周方向に間隔をおいて環状に並列する複数箇所に、小径の棒状乃至ピン状に成形したセラミックの棒状体8を、軸芯線が鉛直方向に沿う姿勢で、かつ、その棒状体8の周面の一部が、サブポット40内に露出して突出する状態に埋設したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポットを提起するものである。
そして、これに併せて、サブポットブロック4のサブポット40の内壁部には、嵌合孔9を、その嵌合孔9の周壁面の一部がサブポット40内腔に開放する開裂口を具備する形状に形設し、その嵌合孔9にセラミックの棒状体8を装入嵌合せしめて、該棒状体8の周面の一部がサブポット40内に露出して突出する状態でサブポット40の内壁部に埋設したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
および、サブポット40の内壁部に、周面の一部をサブポット40内に露出して突出する状態に埋設するセラミックの棒状体8を、部分安定化ジルコニアを焼成したセラミックで成形したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
および、サブポット40の内壁部に、周面の一部がサブポット40内に露出して突出する状態として埋設するセラミックの棒状体8の、サブポット40の下面側の開放口40aに臨む下端側の端面を、サブポット40の内部に向け斜めに上昇傾斜する斜面に成形したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
および、サブポット40の内壁部に、平面視において、周面の一部がサブポット40内に露出して突出する状態として埋設するセラミックの棒状体8の、サブポット40の下面側の開放口40aに臨む下端側の端部を、円錐先細り形状に形成したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
および、サブポット40の内壁部に、周面の一部がサブポット40の内部に露出して突出する状態に埋設するセラミックの棒状体8の、サブポット40の下面側の開放口40aに臨む下端部の端面と、サブポット40の下面側の開放口40aの口縁部とを、サブポット40の内部に向け斜めに上昇傾斜する傾斜面に面取り成形したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポットを提起するものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明による自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポットは、出入するタブレットTに対して接触するのが、サブポット4の内壁面から突出する棒状体8の周面の一部の突出部8aの突出端縁(イ)だけになり、この突出端縁(イ)による線接触でタブレットTの出入作動をガイドすることになるので、接触による摺接により摩耗が生じてきても、タブレットTを直立する姿勢に保持して適確にガイドするようになる。そして、この接触する部位が、耐摩耗性のセラミックであるから、摺接により生じてくる金属粉の発生も抑止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】自動モールド装置における金型装置とタブレットの供給装置の概要を説明する一部破断した側面図である。
【図2】同上のタブレットの供給装置に組み込まれるサブポットブロックの斜視図である。
【図3】同上のタブレットの供給装置の要部の縦断後面図である。
【図4】同上供給装置に組み込まれるタブレット供給ブロック及びタブレット押上ブロックの斜視図である。
【図5】同上供給装置及び金型装置の、タブレットがサブポットブロックのサブポットに装入された状態の一部破断した側面図である。
【図6】同上供給装置の同上状態時におけるサブポット部分の縦断後面図である。
【図7】同上の部分の、タブレットストッパが作用位置に動いた状態時の縦断後面図である。
【図8】同上状態時における同上の供給装置及び金型装置の、一部破断した側面図である。
【図9】同上供給装置の搬送ブロックとサブポットブロックが、金型装置の下金型の上方に移動した状態時の、一部破断した側面図である。
【図10】同上供給装置の、移動したサブポットブロックに対して金型装置の下金型が上昇した状態時の、一部破断した側面図である。
【図11】同上供給装置の、同上状態時におけるタブレットストッパ部分の縦断後面図である。
【図12】同上供給装置の、サブポットからタブレットを金型ポットに落下させた状態時の一部破断した側面図である。
【図13】同上供給装置の同上状態から下金型が下降した状態時の一部破断した側面図である。
【図14】同上供給装置の、搬送ブロック及びサブポットブロックが元の位置に移動した状態時の一部破断した側面図である。
【図15】同上供給装置の、同上状態から金型装置の下金型が上昇して上金型に閉じ合わされた状態時の一部破断した側面図及び、下金型と上金型との閉じ合わせ部の縦断後面図である。
【図16】本発明を実施せるサブポットブロックの上面側から見た斜視図である。
【図17】同上サブポットブロックの下面側から見た斜視図である。
【図18】同上サブポットブロックの断面後面図である。
【図19】同上サブポットブロックに形設したサブポットの構成を説明する平面図である。
【図20】同上サブポットの縦断した側面図である。
【図21】同上サブポットの、セラミックの棒状体を嵌挿する前の状態時の平面図である。
【図22】同上サブポットの、内壁部に埋設したセラミックの棒状体の変形例の拡大した斜視図である。
【図23】同上サブポットの、内壁部に埋設したセラミックの棒状体の別の変形例の拡大した斜視図である。
【図24】本発明を実施せるサブポットの別の実施例の上面側から見た斜視図である。
【図25】同上サブポットの底面側から見た斜視図である。
【図26】同上サブポットの縦断後面図である。
【図27】さらに別の実施例のサブポットの底面側から見た斜視図である。
【図28】同上サブポットの縦断後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に発明の実施の態様を実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0027】
図16・図17・図18は、本発明手段を実施せるサブポットブロックを示し、図16は、同上のサブポットブロック4の上面側から見た斜視図、図17は下面側から見た斜視図、図18は拡大縦断後面図である。図において4はサブポットブロック4の全体、40はそのサブポットブロック4に形設したサブポット、8は、サブポット40の内壁部に、周面の一部が、サブポット40内に露出して突出する状態に埋設したセラミックの棒状体、Tはサブポット40内に投入されたタブレットを示す。
【0028】
サブポットブロック4は、前後方向(図において左右方向)に長い角柱状のブロックに形成してある。このサブポットブロック4は、製品部品をモールドする樹脂材のタブレットTを、下金型Dに形設した金型ポットPに送給するためのものであることから、樹脂材・金属材等の適宜の素材を用いて成形してよいものであるが、この例においてはアルミ金属を用いて成形している。
【0029】
サブポットブロック4に形設せるサブポット40は、粉末状とした樹脂材を押し固めて円柱状に成形したタブレットTを、下面側の開放口40aから受け入れて、サブポットブロック4の移動により下金型Dの金型ポットPの上方位置まで搬送し、そこで、タブレットTを自重により落下させて金型ポットP内に投入するように機能さすものであるが、同時に、下金型Dに設けた金型ポットP内に対する円柱状のタブレットTの投入が軸芯線方向を上下方向とした直立する姿勢として行われるようにするため、内径がタブレットTの外径より大きめの縦方向の円筒状に形設してある。
【0030】
そして、このサブポット40は、下金型Dに形設した金型ポットPの個数に対応させてその個数だけサブポットブロック4に並列させて形設してある。また、このサブポット40は、下金型Dと上金型D’とを閉じ合わせて行う成形行程の際のプランジャー70によるタブレットTの加圧を適確なものとするため、金型ポットPに対して円柱状のタブレットTを、軸芯線が上下方向となる直立した姿勢として投入していくことが望まれることから、出入する円柱状のタブレットTを、直立する姿勢に規制してガイドする機能が要求される。
【0031】
この円柱状のタブレットTを直立する姿勢に規制してガイドするのは、従前にあっては、サブポット40を円筒形状に形成して、出入するタブレットTの外周面とサブポット40の内周壁との摺接により行わせている。
【0032】
しかし、本発明手段においては、出入するタブレットTの姿勢の規制ガイドは、サブポット40の内壁部に埋設するセラミックの棒状体8により行わせ、サブポット40の内周壁とタブレットTの外周面との摺接はないようにしている。従って、サブポット40は、円筒形状に成形する必要はなく、タブレットTが直立する姿勢で出入するようになればよく、多角筒状など適宜の形状の筒状に成形してよいものである。この実施例において円筒形状に成形しているのは、成形加工が容易であるためである。
【0033】
セラミック棒状体8は、図19にあるように、円筒形状にサブポットブロック4に形成したサブポット40の内壁部で、周方向に略三等配した三箇所の部位に、周面の一部がサブポット4の内腔に露出して突出する状態として埋設してある。
【0034】
周方向に等配した三箇所の部位に設けているのは、それにより周方向に環状に並列させ、各棒状体8の周面の、サブポット40の内腔への突出端縁(イ)が、サブポット40の平面図である図19において仮想線(ロ)により示している如く、仮想円の仮想画線上に位置して、サブポット40内に装入されるタブレットTの外径が、前記仮想円に対応していれば、そのタブレットTの外周面がこれら突出端縁(イ)にだけ摺接して、タブレットTを直立する姿勢に保持し、かつ、直立する姿勢に規制してガイドされるようになるからである。
【0035】
従って、棒上体8の周面の一部の、サブポット40内に突出する突出部8a、サブポット40の内壁面からの突出高さは、各突出部8aの突出端縁(イ)を結ぶ仮想円の軌跡が、使用する樹脂のタブレットTの外径に対応するように設定している。
【0036】
また、このことから、環状に並列させてサブポット40の内壁部に埋設するセラミックの棒状体8の本数は、4本、5本、6本、8本等、所望に設定してよい。
【0037】
サブポット40の内壁面から周面の一部が突出する状態としてサブポット40の内壁部に埋設するこの棒上体8は、これにより、サブポット4に対し出入するタブレットTの周面に対して摺接する部位を、棒状体8の突出端縁に局限することで、従前のサブポット40の内壁面との間に行われていたランダムな面接触による摺接を、棒状体8の突出端縁に沿う線接触とし、摺接による摩耗を線接触する突出端縁の部位に限定して、面接触によるランダムな摩耗によって生ずる出入するタブレットTの姿勢の規制の乱れを抑止するよう機能させている。
【0038】
そして、この棒状体8をセラミックで形成している構成は、セラミックの対摩耗性が高いことを利用し、摺接部位に生じる摩耗を抑止するためのものである。
【0039】
棒状体8を成形するセラミックは、通常の、無機物質を焼成したセラミックでよいが、酸化アルミナを焼成したセラミックでもよい。この例においては、耐摩耗性の著しい部分安定化ジルコニアを焼成したセラミックを用いている。
【0040】
セラミックの棒状体8の、サブポット40の内壁部に対する埋設は、サブポットブロック4をサブポット40が装設された形態に成形するときに、別体に形成しておいたセラミックの棒状体8を、サブポット40の内壁部に一体的に埋設するか、成形したサブポットブロック4の、それに形成されたサブポット40の内壁部位に、別に成形しておくセラミックの棒状体8が嵌挿される内径とした縦方向の丸孔状の嵌合孔9を、図21に示している如く、それの孔壁の一部がサブポット40の内腔に対し開裂9aする形状のものとして開設しておき、これに、セラミックの棒状体8を挿通して、脱出が阻止される程度に固く嵌合させることで、埋設した状態とするようにしてよく、この実施例においては、嵌合孔9を丸孔に形設し、セラミックの棒状体8を丸棒状に成形して、これを嵌合させることで埋設せしめている。
【0041】
このように、内壁部にセラミックの棒状体8を、複数本周方向に間隔をおいて環状に並列配位して埋設したサブポット40は、出入するタブレットTに対して接触するのが、サブポット4の内壁面から突出する棒状体8の周面の一部の突出部8aの突出端縁(イ)だけになり、この突出端縁(イ)による線接触でタブレットTの出入作動をガイドすることになるので、接触による摺接により摩耗が生じてきても、タブレットTを直立する姿勢に保持して適確にガイドするようになる。そして、この接触する部位が、耐摩耗性のセラミックであるから、摺接により生じてくる金属粉の発生も抑止できるようになる。また、嵌合孔9を丸孔に形成しセラミックの棒状体8を丸棒に成形して嵌合させたときには、突出端縁(イ)に摩耗が生じたときに、棒状体8を抜き出して、回転させて嵌合しなおすことで、摩耗の修復が行えるようになる。
【0042】
なお、セラミックの棒状体8の突出部8aの突出端縁(イ)は、図22に示している例の如く、細い巾の平面に面取り加工して、条線状に形成する場合があり、また、逆に図23に示している例の如く、突出部8aの左右の周面を、それぞれ平面に成形加工して、平面視において楔状に形成し、突出端縁(イ)を刃縁状に形成する場合がある。
【0043】
なお、図において、符号45で示すサブポット40の下面側の開放口40aの口縁部分に設けた切欠部は、サブポット40が、下方から押上棒60により押し上げられてくるタブレットTを受け入れたときに、そのタブレットTの下面を支承して落下を阻止するタブレットストッパ42のストッパ片43が嵌入してくる切欠部である。
【実施例2】
【0044】
図24・図25・図26は、別の実施例を示している。この例は、サブポット40の内壁部に、周面の一部をサブポット40の内腔に突出させて設けるセラミックの棒状体8の、サブポット40の下面側の開放口40aに臨む下端部のサブポット40内に突出している部位に、押上棒60により押し上げられてくる円柱状のタブレットTを、サブポット40内に向け誘導する誘導面80を設けた例である。
【0045】
この誘導面80は、図24・図25にあるように、棒状体8の下端部のサブポット40の内壁面より突出する部分を斜めに切除するように加工して、サブポット40の内部空間の中心部に向け斜めに上昇する斜面を成形し、その斜面をもって誘導面80を構成する場合の他、棒状体8の下端部の、サブポット40の内壁面から突出する部分を、図26にあるように、先細りの半裁した円錐状に成形して、それの周壁面をもって誘導面80に構成するなど、適宜に構成してよい。この実施例のサブポット40は、下面側の開放口40aから受け入れるタブレットTが、サブポット40の中心に対し偏って位置していても、棒状体8の下端部に形成した誘導面80により中心に向け誘導されるので、タブレットTの受け入れを円滑にする。
【実施例3】
【0046】
図27・図28は、さらに別の実施例を示している。この例は、前述の実施例2のサブポット40では、棒状体8の下端部に形成する誘導面80を、棒状体8のサブポット40の内壁面から突出する部分に形成しているのに対して、棒状体8の下端部を、サブポットブロック4に埋設されている部分まで、斜めに面取りするように加工して誘導面80を形成し、その誘導面80の始端となる下端側を、サブポット40の下端側の開口部40aの口縁より外側に拡張させている例である。そしてこの例では、棒状体8の下端部を、埋設してある部分まで、斜めに面取り加工する際、サブポット40の下面側の開放口40aの口縁部まで、一緒に面取り加工し、その口縁部に、棒状体8の下端部に形成する誘導面80に倣う傾斜する面取り部46を形成することで、開放口40aを拡張させた状態としている。
【0047】
このため、この例では、サブポット40の下方から、押上棒60により押し上げられてきたタブレットTが傾斜した姿勢となって、上端の肩部がサブポット40の開放口40aから外れるようになっていてもつかえることなく、サブポット40内に誘導されるようになり、タブレットTの受け入れ作動を円滑にする。
【符号の説明】
【0048】
A 金型装置
B 供給装置
D 下金型
D’ 上金型
P 金型ポット
T タブレット
f フレーム
10 下プラテン
11 ガイドポスト
12 上プラテン
13 移動プラテン
14 プレス機構
2 台枠ブロック
20 ガイドレール
21 ブラケット
3 搬送ブロック
4 サブポットブロック
40 サブポット
40a 開放口
41 支点軸
42 タブレットストッパ
43 ストッパ片
45 切欠部
46 面取り部
5 タブレット供給ブロック
50 供給穴
6 押上ブロック
60 押上棒
70 プランジャー
71 キャビティ
72 製品部品
8 棒状体
80 誘導面
8a 突出部
9 嵌合孔
9a 開裂
【技術分野】
【0001】
本発明は、IC素子などの電子部品を樹脂材によりモールドする自動モールド装置において、下金型に設けられた金型ポットに対し円柱状に成形されている熱硬化性樹脂のタブレットを搬送するサブポットブロックに設けるサブポットについての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動モールド装置により基板・リードフレーム等の電子部品の製品を、熱硬化性樹脂のタブレットを用いて行うモールド加工は、モールドしようとする部品と、その製品を樹脂材でモールド加工するための熱硬化性樹脂のタブレットとを、供給装置により金型装置の下金型上に供給し、部品製品をパーティング面に形設されているキャビティにセットし、同時に、タブレットを金型ポットに供給してセットし、この状態から下金型と上金型とを閉じ合わせ、加圧と加熱により樹脂のタブレットをキャビティに注入して熱硬化させ、次いで、下金型と上金型とを型開きして、モールドされた成形品として取り出すことで行われる。
【0003】
この自動モールド装置による電子部品製品のモールド加工において、金型装置の下金型のポットに対する樹脂タブレットの送給は、通常、図1にあるように、台盤状に形成した下プラテン10と、その下プラテンの四隅部にそれぞれ立設したガイドポスト11と、これらガイドポスト11の上端部に固定装着した上プラテン12と、ガイドポスト11の上下の中間部位に上下可動に支架した移動プラテン13と、下プラテン10の上面に装設して前記移動プラテン13を昇降作動させるプレス機構14と、移動プラテン13の上面に組み付けた下金型Dと、上プラテン12の下面に組み付けた上金型D’とで構成する金型装置Aに対し、別に構成した供給装置Bを組み合わせ、この供給装置Bにより行われる。
【0004】
供給装置Bは、通常、4本のガイドポスト11により櫓状に組み立てられている金型装置Aのフレームfの内部空間を横切るように配位して機枠(図示省略)に支架せる平行する2本のガイドレール20と、そのガイドレール20の金型装置Aのフレームfから外側に張り出す部位に跨架せる台枠ブロック2と、その台枠ブロック2に、前記ガイドレール20によりガイドされて金型装置Aの下金型Dに対し進退するよう支架せる搬送ブロック3と、その搬送ブロック3の下面に設けた組付部に組み付けたサブポットブロック(搬送サブポットブロック)4と、前記台枠ブロック2から垂下するブラケット21に支架せしめて、前述のサブポットブロック4の下方に配設したタブレット供給ブロック5と、そのタブレット供給ブロック5の下方に配位して前述のブラケット21の側壁面に昇降作動するよう支架せしめたタブレット押上ブロック6とからなる。
【0005】
供給装置Bの台枠ブロック2に、下金型Dに対し進退するよう支架してある搬送ブロック3の下面の組付部に組み付けられたサブポットブロック4は、図2にあるように、円柱状に成形されている熱硬化性樹脂のタブレットTが装入されるサブポット40が、長手方向に整列して開設してあり、それらサブポット40は、それぞれ、サブポットブロック4を上下に貫通していて下方に開放している。そして、サブポットブロック4の下面側に開放する開口部には、図3にあるよう搬送ブロック3の内部に設けた支点軸41中心に、同上図3において実線に示す状態と鎖線に示す状態とに揺動回動するタブレットストッパ42のストッパ片43が臨ませてある。
【0006】
そして、このサブポットブロック4の下方に配位して、台枠ブロック2から垂下するブラケット21に支架せしめたタブレット供給ブロック5には、図4にあるように、円柱状に成形された熱硬化性樹脂のタブレットTを装填しておく供給穴50が、前述のサブポットブロック4に整列させて設けたサブポット40のそれぞれと対応する位置に、整列させて開設してある。
【0007】
この供給ブロック5に開設したそれぞれのタブレット供給穴50は、前述のサブポットブロック4に開設したサブポット40と同様に供給ブロック5を上下に貫通する貫通穴に開設してあり、それらタブレット供給穴50には、供給ブロック5の下方に配位して前述のブラケット21に装架してある押上ブロック6から突出する押上棒60の上端側が突入させてある。
【0008】
この供給装置Bによる金型装置Aの下金型Dの金型ポットPに対する樹脂のタブレットTの供給は次の行程で行われる。
【0009】
まず、台枠ブロック2に支持せしめてある供給ブロック5の各供給穴50にタブレットTが装填される。
【0010】
次に、搬送ブロック3が作動し、下面にセットしてあるサブポットブロック4の各サブポット40が、供給ブロック5のタブレット供給穴50のそれぞれの上面に位置する図1の状態となる。
【0011】
次に、押上ブロック6が上昇作動し、これに基端側が支持されている押上棒60が上昇して、供給ブロック5のタブレット供給穴50内のタブレットTを押し上げ、上方に位置しているサブポットブロック4のサブポット40内に押し込み移動させ、図5の状態とする。このとき、サブポット40の下面の開放口40aは、そこにストッパ片43を臨ませているタブレットストッパ42が、搬送ブロック3の器内に装備されている制御機構により退避位置に回動していて、開放口40aを開放した状態にあるので、押し上げられるタブレットTは、図6にあるようサブポット40内に装入される。そして、タブレットTのサブポット40内への装入が終えたときに、制御機構の作動でタブレットストッパ42が作用位置に回動し、装入されたタブレットTの下縁を、図7にあるよう支承し、同時に押上ブロック6が下降して、図8の状態となる。
【0012】
次に、この状態から搬送ブロック3が、金型装置Aの下金型Dの上面上方位置に向けて移動し、下面に支持するサブポットブロック4の各サブポット40が、下金型Dの上面に形設してある金型ポットPのそれぞれに対向する図9の状態となる。
【0013】
次に、金型装置Aの下金型Dが上昇し、サブポットブロック4の各サブポット40の下方に下金型Dの金型ポットPのそれぞれを位置させ図10の状態とする。
【0014】
次に、この状態となったところで、各サブポット40の下面の開放口40aを閉じているタブレットストッパ42が図11にあるように解放作動し、各サブポット40内に装入されているタブレットTが、自重により、下金型Dの金型ポットP内に落下し、金型ポットP内に装置してあるプランジャー70に支承されて、図12の状態となる。
【0015】
次に、移動プラテン13が下降し、下金型Dがサブポットブロック4から引き離され(図13)、その状態で搬送ブロック3が後退しサブポットブロック4を台枠ブロック2の下方位置に戻り、図14の状態となる。
【0016】
次に、プレス機構14の作動で移動プラテン13が上昇し、下金型Dを上金型D’に接合させ図15の状態とする。そして、この状態において、下金型D及び上金型D’に組み込まれている加熱装置とプランジャー70の作動で、熱硬化性樹脂のタブレットTを溶融状態として高い圧力で、金型上に形設しているキャビティ71内に注入し熱硬化させて、搬送ブロック3により樹脂タブレットTと共にパーティング面に搬送してきて放出落下させて載置したリードフレーム等の製品部品72をモールドして成形品に成形する。次いで下金型が下降して成形品が取り出される。
【0017】
このように、金型装置Aの下金型Dに設けた金型ポットPに対する樹脂タブレットTの供給は、下金型Dの型面に対して前後方向に沿い進退するサブポットブロック4に設けたサブポット40によって行うが、そのサブポット40は、アルミ合金等の軽金属材により横長の角柱状に成形したサブポットブロック4に、内径を円柱状に成形されている樹脂のタブレットTの外径より幾分大径とした寸法の正円筒形状の穴に形成してあって、これにより、供給ブロック5の供給穴50内のタブレットTをサブポット40内に受け入れるとき、また、サブポット40内の樹脂タブレットTを下金型Dの金型ポットPに落とし込むときに、樹脂タブレットTの周面をサブポット40の内壁面に摺接させてガイドさせるようにしている。
【0018】
このサブポットブロック4に形設したサブポット40は、1回のモールド加工の度ごとに、円柱状のタブレットTが、供給ブロック5の供給穴50から装入され、下金型Dの金型ポットPに落下していくことから、自動モールド装置でモールド作業を行うときに、出入する円柱状のタブレットTの周面と摺接する内壁面に摩耗が生じ、また、形成している金属材の金属粉を発生させる。
【0019】
ところで、このサブポット40の内壁面に生ずる摩耗は、その内壁面の周方向に均一に行われず、偏って生ずる。このことから、下金型Dの金型ポットPに対するタブレットTの投入口となる下面の開口部40aの形状を歪ませ、金型ポットPへのタブレットTの投入位置を狂わせ、投入ができなくなる不具合を発生させる問題を生ぜしめている。
【0020】
また、樹脂タブレットTが出入するときの摺接により発生する金属粉は、タブレットTとともに金型ポットP内に入り、溶融した熱硬化性樹脂に混入することで、成形した電子部品の不良または著しい品質低下を招く問題を生ぜしめている。
【0021】
また、サブポットブロック4を下金型Dの上方に移動させ、タブレットストッパ42の解放によりサブポット40内の樹脂タブレットTを金型ポットPに落下させる行程において、樹脂タブレットTがベタ付いていると、タブレットTの周面がサブポット40の内壁面に付着して貼り付くようになって、落下せず、投入ミスを発生させる問題が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明において解決しようとする課題は、自動モールド装置において、樹脂タブレットTを、下金型Dに設けた金型ポットPに搬送するサブポットブロック4のサブポット40に関連して生じている問題、即ち、サブポット40の内壁面が、タブレットTの供給の度ごとに出入するタブレットTとの摺接によって生ずる摩耗により変形して、金型ポットPへの正常なタブレットTの落下・投入を阻害し、投入ミスを発生させる問題、及び、タブレットTとの摺接により生ずる金属粉が樹脂材に混入することによって、モールドした電子部品の成形品に、品質の低下した不良品を生ぜしめる問題、ならびに、タブレットTがベタ付いているときに、サブポット40の内壁面にタブレットTが付着して貼り付き、金型ポットPへの投入ミスを生ぜしめる問題を、解消せしめるため、このサブポット40を、出入するタブレットTとの摺接により摩耗が生じても、出入するタブレットTをガイドする摺接面に歪みを生ぜしめずに、タブレットTを正しく金型ポットPに落下させ、かつ、タブレットTがベタ付いていても、付着・貼着を生ぜしめずに適確に金型ポットPに落下させ、また、成形品に不良を生ぜしめる金属粉の発生を抑えるものとなるように構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上述の課題を解決するための手段として、本発明においては、円柱状の熱硬化性樹脂のタブレットTをサブポットブロック4により下金型Dの金型ポットPに搬送する自動モールド装置において、サブポットブロック4には、タブレットTを出入自在に受け入れるサブポット40を、円柱状のタブレットTの軸線に沿う縦方向の筒状に形設し、そのサブポット40の内壁の、周方向に間隔をおいて環状に並列する複数箇所に、小径の棒状乃至ピン状に成形したセラミックの棒状体8を、軸芯線が鉛直方向に沿う姿勢で、かつ、その棒状体8の周面の一部が、サブポット40内に露出して突出する状態に埋設したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポットを提起するものである。
そして、これに併せて、サブポットブロック4のサブポット40の内壁部には、嵌合孔9を、その嵌合孔9の周壁面の一部がサブポット40内腔に開放する開裂口を具備する形状に形設し、その嵌合孔9にセラミックの棒状体8を装入嵌合せしめて、該棒状体8の周面の一部がサブポット40内に露出して突出する状態でサブポット40の内壁部に埋設したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
および、サブポット40の内壁部に、周面の一部をサブポット40内に露出して突出する状態に埋設するセラミックの棒状体8を、部分安定化ジルコニアを焼成したセラミックで成形したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
および、サブポット40の内壁部に、周面の一部がサブポット40内に露出して突出する状態として埋設するセラミックの棒状体8の、サブポット40の下面側の開放口40aに臨む下端側の端面を、サブポット40の内部に向け斜めに上昇傾斜する斜面に成形したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
および、サブポット40の内壁部に、平面視において、周面の一部がサブポット40内に露出して突出する状態として埋設するセラミックの棒状体8の、サブポット40の下面側の開放口40aに臨む下端側の端部を、円錐先細り形状に形成したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
および、サブポット40の内壁部に、周面の一部がサブポット40の内部に露出して突出する状態に埋設するセラミックの棒状体8の、サブポット40の下面側の開放口40aに臨む下端部の端面と、サブポット40の下面側の開放口40aの口縁部とを、サブポット40の内部に向け斜めに上昇傾斜する傾斜面に面取り成形したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポットを提起するものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明による自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポットは、出入するタブレットTに対して接触するのが、サブポット4の内壁面から突出する棒状体8の周面の一部の突出部8aの突出端縁(イ)だけになり、この突出端縁(イ)による線接触でタブレットTの出入作動をガイドすることになるので、接触による摺接により摩耗が生じてきても、タブレットTを直立する姿勢に保持して適確にガイドするようになる。そして、この接触する部位が、耐摩耗性のセラミックであるから、摺接により生じてくる金属粉の発生も抑止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】自動モールド装置における金型装置とタブレットの供給装置の概要を説明する一部破断した側面図である。
【図2】同上のタブレットの供給装置に組み込まれるサブポットブロックの斜視図である。
【図3】同上のタブレットの供給装置の要部の縦断後面図である。
【図4】同上供給装置に組み込まれるタブレット供給ブロック及びタブレット押上ブロックの斜視図である。
【図5】同上供給装置及び金型装置の、タブレットがサブポットブロックのサブポットに装入された状態の一部破断した側面図である。
【図6】同上供給装置の同上状態時におけるサブポット部分の縦断後面図である。
【図7】同上の部分の、タブレットストッパが作用位置に動いた状態時の縦断後面図である。
【図8】同上状態時における同上の供給装置及び金型装置の、一部破断した側面図である。
【図9】同上供給装置の搬送ブロックとサブポットブロックが、金型装置の下金型の上方に移動した状態時の、一部破断した側面図である。
【図10】同上供給装置の、移動したサブポットブロックに対して金型装置の下金型が上昇した状態時の、一部破断した側面図である。
【図11】同上供給装置の、同上状態時におけるタブレットストッパ部分の縦断後面図である。
【図12】同上供給装置の、サブポットからタブレットを金型ポットに落下させた状態時の一部破断した側面図である。
【図13】同上供給装置の同上状態から下金型が下降した状態時の一部破断した側面図である。
【図14】同上供給装置の、搬送ブロック及びサブポットブロックが元の位置に移動した状態時の一部破断した側面図である。
【図15】同上供給装置の、同上状態から金型装置の下金型が上昇して上金型に閉じ合わされた状態時の一部破断した側面図及び、下金型と上金型との閉じ合わせ部の縦断後面図である。
【図16】本発明を実施せるサブポットブロックの上面側から見た斜視図である。
【図17】同上サブポットブロックの下面側から見た斜視図である。
【図18】同上サブポットブロックの断面後面図である。
【図19】同上サブポットブロックに形設したサブポットの構成を説明する平面図である。
【図20】同上サブポットの縦断した側面図である。
【図21】同上サブポットの、セラミックの棒状体を嵌挿する前の状態時の平面図である。
【図22】同上サブポットの、内壁部に埋設したセラミックの棒状体の変形例の拡大した斜視図である。
【図23】同上サブポットの、内壁部に埋設したセラミックの棒状体の別の変形例の拡大した斜視図である。
【図24】本発明を実施せるサブポットの別の実施例の上面側から見た斜視図である。
【図25】同上サブポットの底面側から見た斜視図である。
【図26】同上サブポットの縦断後面図である。
【図27】さらに別の実施例のサブポットの底面側から見た斜視図である。
【図28】同上サブポットの縦断後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に発明の実施の態様を実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0027】
図16・図17・図18は、本発明手段を実施せるサブポットブロックを示し、図16は、同上のサブポットブロック4の上面側から見た斜視図、図17は下面側から見た斜視図、図18は拡大縦断後面図である。図において4はサブポットブロック4の全体、40はそのサブポットブロック4に形設したサブポット、8は、サブポット40の内壁部に、周面の一部が、サブポット40内に露出して突出する状態に埋設したセラミックの棒状体、Tはサブポット40内に投入されたタブレットを示す。
【0028】
サブポットブロック4は、前後方向(図において左右方向)に長い角柱状のブロックに形成してある。このサブポットブロック4は、製品部品をモールドする樹脂材のタブレットTを、下金型Dに形設した金型ポットPに送給するためのものであることから、樹脂材・金属材等の適宜の素材を用いて成形してよいものであるが、この例においてはアルミ金属を用いて成形している。
【0029】
サブポットブロック4に形設せるサブポット40は、粉末状とした樹脂材を押し固めて円柱状に成形したタブレットTを、下面側の開放口40aから受け入れて、サブポットブロック4の移動により下金型Dの金型ポットPの上方位置まで搬送し、そこで、タブレットTを自重により落下させて金型ポットP内に投入するように機能さすものであるが、同時に、下金型Dに設けた金型ポットP内に対する円柱状のタブレットTの投入が軸芯線方向を上下方向とした直立する姿勢として行われるようにするため、内径がタブレットTの外径より大きめの縦方向の円筒状に形設してある。
【0030】
そして、このサブポット40は、下金型Dに形設した金型ポットPの個数に対応させてその個数だけサブポットブロック4に並列させて形設してある。また、このサブポット40は、下金型Dと上金型D’とを閉じ合わせて行う成形行程の際のプランジャー70によるタブレットTの加圧を適確なものとするため、金型ポットPに対して円柱状のタブレットTを、軸芯線が上下方向となる直立した姿勢として投入していくことが望まれることから、出入する円柱状のタブレットTを、直立する姿勢に規制してガイドする機能が要求される。
【0031】
この円柱状のタブレットTを直立する姿勢に規制してガイドするのは、従前にあっては、サブポット40を円筒形状に形成して、出入するタブレットTの外周面とサブポット40の内周壁との摺接により行わせている。
【0032】
しかし、本発明手段においては、出入するタブレットTの姿勢の規制ガイドは、サブポット40の内壁部に埋設するセラミックの棒状体8により行わせ、サブポット40の内周壁とタブレットTの外周面との摺接はないようにしている。従って、サブポット40は、円筒形状に成形する必要はなく、タブレットTが直立する姿勢で出入するようになればよく、多角筒状など適宜の形状の筒状に成形してよいものである。この実施例において円筒形状に成形しているのは、成形加工が容易であるためである。
【0033】
セラミック棒状体8は、図19にあるように、円筒形状にサブポットブロック4に形成したサブポット40の内壁部で、周方向に略三等配した三箇所の部位に、周面の一部がサブポット4の内腔に露出して突出する状態として埋設してある。
【0034】
周方向に等配した三箇所の部位に設けているのは、それにより周方向に環状に並列させ、各棒状体8の周面の、サブポット40の内腔への突出端縁(イ)が、サブポット40の平面図である図19において仮想線(ロ)により示している如く、仮想円の仮想画線上に位置して、サブポット40内に装入されるタブレットTの外径が、前記仮想円に対応していれば、そのタブレットTの外周面がこれら突出端縁(イ)にだけ摺接して、タブレットTを直立する姿勢に保持し、かつ、直立する姿勢に規制してガイドされるようになるからである。
【0035】
従って、棒上体8の周面の一部の、サブポット40内に突出する突出部8a、サブポット40の内壁面からの突出高さは、各突出部8aの突出端縁(イ)を結ぶ仮想円の軌跡が、使用する樹脂のタブレットTの外径に対応するように設定している。
【0036】
また、このことから、環状に並列させてサブポット40の内壁部に埋設するセラミックの棒状体8の本数は、4本、5本、6本、8本等、所望に設定してよい。
【0037】
サブポット40の内壁面から周面の一部が突出する状態としてサブポット40の内壁部に埋設するこの棒上体8は、これにより、サブポット4に対し出入するタブレットTの周面に対して摺接する部位を、棒状体8の突出端縁に局限することで、従前のサブポット40の内壁面との間に行われていたランダムな面接触による摺接を、棒状体8の突出端縁に沿う線接触とし、摺接による摩耗を線接触する突出端縁の部位に限定して、面接触によるランダムな摩耗によって生ずる出入するタブレットTの姿勢の規制の乱れを抑止するよう機能させている。
【0038】
そして、この棒状体8をセラミックで形成している構成は、セラミックの対摩耗性が高いことを利用し、摺接部位に生じる摩耗を抑止するためのものである。
【0039】
棒状体8を成形するセラミックは、通常の、無機物質を焼成したセラミックでよいが、酸化アルミナを焼成したセラミックでもよい。この例においては、耐摩耗性の著しい部分安定化ジルコニアを焼成したセラミックを用いている。
【0040】
セラミックの棒状体8の、サブポット40の内壁部に対する埋設は、サブポットブロック4をサブポット40が装設された形態に成形するときに、別体に形成しておいたセラミックの棒状体8を、サブポット40の内壁部に一体的に埋設するか、成形したサブポットブロック4の、それに形成されたサブポット40の内壁部位に、別に成形しておくセラミックの棒状体8が嵌挿される内径とした縦方向の丸孔状の嵌合孔9を、図21に示している如く、それの孔壁の一部がサブポット40の内腔に対し開裂9aする形状のものとして開設しておき、これに、セラミックの棒状体8を挿通して、脱出が阻止される程度に固く嵌合させることで、埋設した状態とするようにしてよく、この実施例においては、嵌合孔9を丸孔に形設し、セラミックの棒状体8を丸棒状に成形して、これを嵌合させることで埋設せしめている。
【0041】
このように、内壁部にセラミックの棒状体8を、複数本周方向に間隔をおいて環状に並列配位して埋設したサブポット40は、出入するタブレットTに対して接触するのが、サブポット4の内壁面から突出する棒状体8の周面の一部の突出部8aの突出端縁(イ)だけになり、この突出端縁(イ)による線接触でタブレットTの出入作動をガイドすることになるので、接触による摺接により摩耗が生じてきても、タブレットTを直立する姿勢に保持して適確にガイドするようになる。そして、この接触する部位が、耐摩耗性のセラミックであるから、摺接により生じてくる金属粉の発生も抑止できるようになる。また、嵌合孔9を丸孔に形成しセラミックの棒状体8を丸棒に成形して嵌合させたときには、突出端縁(イ)に摩耗が生じたときに、棒状体8を抜き出して、回転させて嵌合しなおすことで、摩耗の修復が行えるようになる。
【0042】
なお、セラミックの棒状体8の突出部8aの突出端縁(イ)は、図22に示している例の如く、細い巾の平面に面取り加工して、条線状に形成する場合があり、また、逆に図23に示している例の如く、突出部8aの左右の周面を、それぞれ平面に成形加工して、平面視において楔状に形成し、突出端縁(イ)を刃縁状に形成する場合がある。
【0043】
なお、図において、符号45で示すサブポット40の下面側の開放口40aの口縁部分に設けた切欠部は、サブポット40が、下方から押上棒60により押し上げられてくるタブレットTを受け入れたときに、そのタブレットTの下面を支承して落下を阻止するタブレットストッパ42のストッパ片43が嵌入してくる切欠部である。
【実施例2】
【0044】
図24・図25・図26は、別の実施例を示している。この例は、サブポット40の内壁部に、周面の一部をサブポット40の内腔に突出させて設けるセラミックの棒状体8の、サブポット40の下面側の開放口40aに臨む下端部のサブポット40内に突出している部位に、押上棒60により押し上げられてくる円柱状のタブレットTを、サブポット40内に向け誘導する誘導面80を設けた例である。
【0045】
この誘導面80は、図24・図25にあるように、棒状体8の下端部のサブポット40の内壁面より突出する部分を斜めに切除するように加工して、サブポット40の内部空間の中心部に向け斜めに上昇する斜面を成形し、その斜面をもって誘導面80を構成する場合の他、棒状体8の下端部の、サブポット40の内壁面から突出する部分を、図26にあるように、先細りの半裁した円錐状に成形して、それの周壁面をもって誘導面80に構成するなど、適宜に構成してよい。この実施例のサブポット40は、下面側の開放口40aから受け入れるタブレットTが、サブポット40の中心に対し偏って位置していても、棒状体8の下端部に形成した誘導面80により中心に向け誘導されるので、タブレットTの受け入れを円滑にする。
【実施例3】
【0046】
図27・図28は、さらに別の実施例を示している。この例は、前述の実施例2のサブポット40では、棒状体8の下端部に形成する誘導面80を、棒状体8のサブポット40の内壁面から突出する部分に形成しているのに対して、棒状体8の下端部を、サブポットブロック4に埋設されている部分まで、斜めに面取りするように加工して誘導面80を形成し、その誘導面80の始端となる下端側を、サブポット40の下端側の開口部40aの口縁より外側に拡張させている例である。そしてこの例では、棒状体8の下端部を、埋設してある部分まで、斜めに面取り加工する際、サブポット40の下面側の開放口40aの口縁部まで、一緒に面取り加工し、その口縁部に、棒状体8の下端部に形成する誘導面80に倣う傾斜する面取り部46を形成することで、開放口40aを拡張させた状態としている。
【0047】
このため、この例では、サブポット40の下方から、押上棒60により押し上げられてきたタブレットTが傾斜した姿勢となって、上端の肩部がサブポット40の開放口40aから外れるようになっていてもつかえることなく、サブポット40内に誘導されるようになり、タブレットTの受け入れ作動を円滑にする。
【符号の説明】
【0048】
A 金型装置
B 供給装置
D 下金型
D’ 上金型
P 金型ポット
T タブレット
f フレーム
10 下プラテン
11 ガイドポスト
12 上プラテン
13 移動プラテン
14 プレス機構
2 台枠ブロック
20 ガイドレール
21 ブラケット
3 搬送ブロック
4 サブポットブロック
40 サブポット
40a 開放口
41 支点軸
42 タブレットストッパ
43 ストッパ片
45 切欠部
46 面取り部
5 タブレット供給ブロック
50 供給穴
6 押上ブロック
60 押上棒
70 プランジャー
71 キャビティ
72 製品部品
8 棒状体
80 誘導面
8a 突出部
9 嵌合孔
9a 開裂
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状の熱硬化性樹脂のタブレット(T)をサブポットブロック(4)により下金型(D)の金型ポット(P)に搬送する自動モールド装置において、サブポットブロック(4)には、タブレット(T)を出入自在に受け入れるサブポット(40)を、円柱状のタブレット(T)の軸線に沿う縦方向の筒状に形設し、
そのサブポット(40)の内壁の、周方向に間隔をおいて環状に並列する複数箇所に、小径の棒状乃至ピン状に成形したセラミックの棒状体(8)を、軸芯線が鉛直方向に沿う姿勢で、かつ、その棒状体(8)の周面の一部が、サブポット(40)内に露出して突出する状態に埋設したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【請求項2】
サブポットブロック(4)のサブポット(40)の内壁部には、嵌合孔(9)を、その嵌合孔(9)の周壁面の一部がサブポット(40)内腔に開放する開裂口を具備する形状に形設し、その嵌合孔(9)にセラミックの棒状体(8)を装入嵌合せしめて、該棒状体(8)の周面の一部がサブポット(40)内に露出して突出する状態でサブポット(40)の内壁部に埋設したことを特徴とする請求項1記載の自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【請求項3】
サブポット(40)の内壁部に、周面の一部をサブポット(40)内に露出して突出する状態に埋設するセラミックの棒状体(8)を、部分安定化ジルコニアを焼成したセラミックで成形したことを特徴とする請求項1記載の自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【請求項4】
サブポット(40)の内壁部に、周面の一部がサブポット(40)内に露出して突出する状態として埋設するセラミックの棒状体(8)の、サブポット(40)の下面側の開放口(40a)に臨む下端側の端面を、サブポット(40)の内部に向け斜めに上昇傾斜する斜面に成形したことを特徴とする請求項1記載の自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【請求項5】
サブポット(40)の内壁部に、平面視において、周面の一部がサブポット(40)内に露出して突出する状態として埋設するセラミックの棒状体(8)の、サブポット(40)の下面側の開放口(40a)に臨む下端側の端部を、円錐先細り形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【請求項6】
サブポット(40)の内壁部に、周面の一部がサブポット(40)の内部に露出して突出する状態に埋設するセラミックの棒状体(8)の、サブポット(40)の下面側の開放口(40a)に臨む下端部の端面と、サブポット(40)の下面側の開放口(40a)の口縁部とを、サブポット(40)の内部に向け斜めに上昇傾斜する傾斜面に面取り成形したことを特徴とする請求項1記載の自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【請求項1】
円柱状の熱硬化性樹脂のタブレット(T)をサブポットブロック(4)により下金型(D)の金型ポット(P)に搬送する自動モールド装置において、サブポットブロック(4)には、タブレット(T)を出入自在に受け入れるサブポット(40)を、円柱状のタブレット(T)の軸線に沿う縦方向の筒状に形設し、
そのサブポット(40)の内壁の、周方向に間隔をおいて環状に並列する複数箇所に、小径の棒状乃至ピン状に成形したセラミックの棒状体(8)を、軸芯線が鉛直方向に沿う姿勢で、かつ、その棒状体(8)の周面の一部が、サブポット(40)内に露出して突出する状態に埋設したことを特徴とする自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【請求項2】
サブポットブロック(4)のサブポット(40)の内壁部には、嵌合孔(9)を、その嵌合孔(9)の周壁面の一部がサブポット(40)内腔に開放する開裂口を具備する形状に形設し、その嵌合孔(9)にセラミックの棒状体(8)を装入嵌合せしめて、該棒状体(8)の周面の一部がサブポット(40)内に露出して突出する状態でサブポット(40)の内壁部に埋設したことを特徴とする請求項1記載の自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【請求項3】
サブポット(40)の内壁部に、周面の一部をサブポット(40)内に露出して突出する状態に埋設するセラミックの棒状体(8)を、部分安定化ジルコニアを焼成したセラミックで成形したことを特徴とする請求項1記載の自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【請求項4】
サブポット(40)の内壁部に、周面の一部がサブポット(40)内に露出して突出する状態として埋設するセラミックの棒状体(8)の、サブポット(40)の下面側の開放口(40a)に臨む下端側の端面を、サブポット(40)の内部に向け斜めに上昇傾斜する斜面に成形したことを特徴とする請求項1記載の自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【請求項5】
サブポット(40)の内壁部に、平面視において、周面の一部がサブポット(40)内に露出して突出する状態として埋設するセラミックの棒状体(8)の、サブポット(40)の下面側の開放口(40a)に臨む下端側の端部を、円錐先細り形状に形成したことを特徴とする請求項1記載の自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【請求項6】
サブポット(40)の内壁部に、周面の一部がサブポット(40)の内部に露出して突出する状態に埋設するセラミックの棒状体(8)の、サブポット(40)の下面側の開放口(40a)に臨む下端部の端面と、サブポット(40)の下面側の開放口(40a)の口縁部とを、サブポット(40)の内部に向け斜めに上昇傾斜する傾斜面に面取り成形したことを特徴とする請求項1記載の自動モールド装置におけるサブポットブロックのサブポット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
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【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−224018(P2012−224018A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95003(P2011−95003)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000146179)エムテックスマツムラ株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000146179)エムテックスマツムラ株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
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