説明

自動二輪車の電装品配置構造

【課題】エアクリーナボックス内の空気の流れを妨げることなく、ワイヤハーネスを短くして車両の重量を軽減可能な自動二輪車の電装品配置構造を提供する。
【解決手段】自動二輪車1の電装品配置構造は、前傾するシリンダ軸線および上方へ開口する吸気ポート37を有するエンジン3と、エンジン3の上方に位置して吸気ポート37に流体的に接続するエアクリーナボックス18と、左右に扁平な形状を有してエアクリーナボックス18の左右いずれかの側面を臨むECU38と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車の電装品配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車のエンジンコントロールユニット(Engine Control Unit、以下「ECU」と呼ぶ。)は、エンジンの発する熱による誤作動や故障の発生を避けるため、極力エンジンから離れた場所に配置することが好ましい。
【0003】
そこで、エンジンの上方に位置するエアクリーナボックスと、エアクリーナボックスの上面(天井面)に位置するECUと、を備える自動二輪車の電装品配置構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
エアクリーナボックス内の空間は、エンジンの吸気としての空気をスロットルボディへ導く流路である。エアクリーナボックス内の空気の流れは、一般にエアクリーナボックスの前寄りに開口する入口から底面後部に開口する出口へ至りスロットルボディへ流れ込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−211783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の自動二輪車は、エアクリーナボックスの上面(天井面)にECUを納める凹部を有し、この凹部がエアクリーナボックス内の空気の流れを乱す障害物になる虞がある。
【0007】
ところで、エンジンが備えるイグニッションプラグ、カムポジションセンサ、インジェクタなどのエンジン用電装品とECUとを電気的に接続するワイヤハーネスは、車両の重量を軽減する目的から極力短いことが好ましい。
【0008】
しかしながら、従来の自動二輪車は、エアクリーナボックスの上面にECUを配置するため、当該ワイヤハーネスをエアクリーナボックスの高さよりも短くすることは困難である。
【0009】
また、従来の自動二輪車は、エアクリーナボックスの上面のECUからエンジンへワイヤハーネスを導くために、エアクリーナボックスの側面や、エアクリーナボックスに併設される燃料タンクの側面にワイヤハーネスを配置する溝状の通路を備える必要が有る。この通路は、エアクリーナボックスや燃料タンクの容量を減じたり、エアクリーナボックス内の空気の流れを乱す障害物になったりする。
【0010】
さらに、従来の自動二輪車は、エアクリーナボックスの上面にECUを配置するため、車両全体の重心が路面から離れて運動性能の低下を招いたり、エアクリーナの交換や清掃時に必要となるエアクリーナボックスの開閉作業に困難を招いたりする虞もある。
【0011】
そこで、本発明は、エアクリーナボックス内の空気の流れを妨げることなく、ワイヤハーネスを短くして車両の重量を軽減可能な自動二輪車の電装品配置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するため本発明に係る自動二輪車の電装品配置構造は、前傾するシリンダ軸線および上方へ開口する吸気ポートを有するエンジンと、前記エンジンの上方に位置して前記吸気ポートに流体的に接続するエアクリーナボックスと、左右に扁平な形状を有して前記エアクリーナボックスの左右いずれかの側面を臨む電装品と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、エアクリーナボックス内の空気の流れを妨げることなく、ワイヤハーネスを短くして車両の重量を軽減可能な自動二輪車の電装品配置構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る自動二輪車を示す左側面図。
【図2】本発明の実施形態に係る自動二輪車の電装品配置構造を示す部分的な右側面図。
【図3】本発明の実施形態に係る自動二輪車の電装品配置構造を示す部分的な平面図。
【図4】本発明の実施形態に係る自動二輪車の電装品配置構造を示す断面図。
【図5】本発明の実施形態に係る自動二輪車の電装品配置構造を示す部分的な平面図。
【図6】本発明の実施形態に係る自動二輪車の電装品配置構造を示す部分的な背面図。
【図7】本発明の実施形態に係る自動二輪車のエアクリーナボックス内の空気流を示す概略的な図面。
【図8】エアクリーナボックス内の空気流を示す比較例の概略的な図面。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る自動二輪車の電装品配置構造の実施の形態について、図1から図8を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る自動二輪車を示す左側面図である。
【0017】
なお、自動二輪車1を説明するにあたり、図1中の実線矢Fを前方、図1中の実線矢Rを後方と定義する。また、自動二輪車1の搭乗者から見て左手側を自動二輪車1の左方、その反対側を自動二輪車1の右方と定義する。さらに自動二輪車1の搭乗者の頭部側を自動二輪車1の上方、その反対側を自動二輪車1の下方と定義する。また、自動二輪車1を構成する各部の方向については自動二輪車1に準じる。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る自動二輪車1は、車体フレーム2と、車体フレーム2の前半部下方にあるエンジン3と、車体フレーム2の前端部にあり左右方向へ回転可能なステアリング機構5と、ステアリング機構5の下端部にあり接地する前輪6と、車体フレーム2と前輪6との間に介在する前輪懸架装置7と、車体フレーム2の後部にあり上下方向へ揺動可能なスイングアーム8と、スイングアーム8の後端部にあり接地する後輪11と、車体フレーム2とスイングアーム8との間に架かる後輪懸架装置(図示省略)と、を備える。
【0019】
車体フレーム2は、例えばクレードルフレームであり、前端部にあるステアリングヘッドパイプ13と、ステアリングヘッドパイプ13の直後で左右へ分岐し後方へ延びる左右一対のメインフレーム15と、メインフレーム15の後端部に連結して車両後上方へなだらかに延びる左右一対のシートレール17と、を備える。
【0020】
ステアリングヘッドパイプ13は、ステアリング機構5を左右方向へ回転可能に支持する。
【0021】
左右のメインフレーム15は、ステアリングヘッドパイプ13の直後で分岐して左右へ拡開するとともに、車両後方へなだらかに下る長尺な直線部分と、直線部分に連接しかつ下方へ延びる短尺な直線部分と、を備えて屈曲する。左右のメインフレーム15は、長尺な直線部分の下方かつ短尺な直線部分の前方に位置するエンジン3を抱え込むように支持する。左右のメインフレーム15は、長尺な直線部分の前半部の上方にエアクリーナボックス18を支え、長尺な直線部分の後半部の上方に燃料タンク19を支え、短尺な直線部分の間に車幅方向へ延びるピボット軸21を支える。ピボット軸21は、スイングアーム8を揺動可能に支持する。
【0022】
エンジン3は、前輪6の後方かつメインフレーム15の下方にあり、自動二輪車1の中央下部を占める。
【0023】
ステアリング機構5は、ステアリングヘッドパイプ13を貫きステアリング機構5の回転中心となるステアリングシャフト(図示省略)と、上下に延びる左右一対のフロントフォーク22と、それぞれのフロントフォーク22の上端近傍に接続して車両の両側方外側へ延びる左右一対のハンドルバー23と、を備える。
【0024】
ハンドルバー23は、ライダーが握るハンドルグリップ25を備える。右側のハンドルグリップ25は、スロットルグリップである。
【0025】
また、自動二輪車1は、車両の少なくとも一部、例えば、前部から中央下部にかけて車体を覆う流線形のカウリング27を備える。カウリング27は、自動二輪車1の走行中の空気抵抗を低減するとともに、走行風圧からライダーを保護する。カウリング27は、車両の前部を覆うフロントカバー28と、エンジン3の側方を覆う左右一対のサイドカバー31と、エアクリーナボックス18および燃料タンク19を覆うエアクリーナカバー32と、シート33を支えるとともに車両の後方を覆うリアカバー36と、を備える。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に係る自動二輪車の電装品配置構造を示す部分的な右側面図である。
【0027】
図3は、本発明の実施形態に係る自動二輪車の電装品配置構造を示す部分的な平面図である。
【0028】
なお、図2および図3は、自動二輪車1から主にカウリング27を取り除いて示す図である。
【0029】
図2および図3に示すように、本実施形態に係る自動二輪車1の電装品配置構造は、前傾するシリンダ軸線Ccおよび上方へ開口する吸気ポート37を有するエンジン3と、エンジン3の上方に位置して吸気ポート37に流体的に接続するエアクリーナボックス18と、左右に扁平な形状を有してエアクリーナボックス18の右側面を臨む電装品としてのエンジンコントロールユニット38(ECU38)と、を備える。
【0030】
ここで、先ず、車体フレーム2のステアリングヘッドパイプ13は、エアクリーナボックス18の前方に位置する。
【0031】
メインフレーム15は、ステアリングヘッドパイプ13から分岐して後ろ斜め下方へ延びるとともに下側にエンジン3を支え、上側にエアクリーナボックス18およびECU38を支える。左右一対のメインフレーム15は、少なくともエンジン3のシリンダ39、シリンダヘッド41およびヘッドカバー42の全幅よりも大きく車両幅方向へ広がり、平面視においてシリンダ39、シリンダヘッド41およびヘッドカバー42を挟み込む。
【0032】
エアクリーナボックス18は、エンジン3の吸気経路の一部であり、吸気を濾過して清浄にするエアクリーナ43を内包する。エアクリーナボックス18は、平面視において左右に分岐するメインフレーム15に挟まるように車幅方向へ大きく広がりつつも、ECU38のある右側端部を車両の幅方向内側へ切り詰めたような形状を有して右側のメインフレーム15との間に空間を隔てる。
【0033】
また、エアクリーナボックス18は、上下に分割可能な上半体18aおよび下半体18bを備える。上半体18aは、エアクリーナボックス18を閉じる蓋である。エアクリーナボックス18は、上半体18aを取り外すことによってエアクリーナ43を取り出し、交換することができる。
【0034】
ECU38は、エンジン3の運転を電気的に制御する電装品である。ECU38は、ワイヤハーネス45を接続するコネクタ46を車両の後方側に備える。ECU38の大部分は、車両側面視(図2)においてメインフレーム15よりも上方側に位置する。また、ECU38は、エンジン3の全幅よりも車両中央側に位置する。
【0035】
ECU38の後部は、車両の幅方向内側へ向かって膨らみ、コネクタ46の設置面およびワイヤハーネス45の接続作業領域を確保する。エアクリーナボックス18は、このECU38の膨らみ部分を避けるようにして車両の幅方向内側へ向かって幅を縮める。
【0036】
ワイヤハーネス45は、ECU38のコネクタ46から下方へ垂れ下がり、エンジン3のシリンダ39またはシリンダヘッド41の後方において、イグニッションプラグ(図示省略)、カムポジションセンサ(図示省略)、インジェクタ(図示省略)などのエンジン用電装品や、電子制御スロットルバルブ(図示省略)のセンサ類やモータ、バッテリなどに接続する他のハーネス(図示省略)に合流する。
【0037】
また、ECU38は、下半体18bに固定されている。したがって、エアクリーナボックス18を開く際、すなわち下半体18bから上半体18aを取り外す際に、ECU38をエアクリーナボックス18から取り外したり、ECU38とワイヤハーネス45との接続を解除したりする必要は無い。
【0038】
さらに、ECU38は、ブラケット(図示省略)を介して下半体18bに固定しても良い。この場合、ブラケットはエンジン3の発する熱からECU38を保護する熱防護壁としても機能する。
【0039】
図4は、図3のIV−IV線において、本発明の実施形態に係る自動二輪車の電装品配置構造を示す断面図である。
【0040】
図4に示すように、本実施形態に係るエンジン3は、クランク軸48から動弁機構49へ動力を伝達するカムチェーン51を納めるカムチェーン室52をECU38の下方に有する。換言すると、カムチェーン室52とECU38とは、車両の上下方向に重なり合う位置にある。
【0041】
図5は、本発明の実施形態に係る自動二輪車の電装品配置構造を示す部分的な平面図である。
【0042】
図6は、本発明の実施形態に係る自動二輪車の電装品配置構造を示す部分的な背面図である。
【0043】
なお、図5は、自動二輪車1から主にカウリング27およびエアクリーナボックス18を取り除いて示す図である。
【0044】
図5および図6に示すように、本実施形態に係るエンジン3は、車両の幅方向へ整列する4つのシリンダボア(図示省略)を備える並列4気筒エンジンである。スロットルボディ53は、車両の幅方向へ整列し、それぞれのシリンダボアへ流体的に接続する4つのスロットルボア55を有する。
【0045】
前後方向へ延びる車両の中心線Cvと、4つのスロットルボア55との位置関係に着目すると、4つのスロットルボア55は、中心線Cvに対して車両の左側へ偏っている。これは、エンジン3のカムチェーン室52がエンジンの右側に位置する分、4つのシリンダボアが車両の左側へ偏って位置するためである。
【0046】
図7は、本発明の実施形態に係る自動二輪車のエアクリーナボックス内の空気流を示す概略的な図面である。
【0047】
図8は、エアクリーナボックス内の空気流を示す比較例の概略的な図面である。
【0048】
図7に示すように、本実施形態に係るエアクリーナボックス18は、エアクリーナボックス18内を通過する空気を濾過するエアクリーナ43を備える。また、エアクリーナボックス18の前寄りに開口する左右一対の入口57は、車両の中心線Cvに対して略対称に位置する。
【0049】
他方、エアクリーナボックス18とスロットルボア55とを接続する4つの開口58は、4つのスロットルボア55と同様に中心線Cvに対して車両の左側へ偏っている。
【0050】
エアクリーナボックス18の右側壁61は、左側壁62に比べてECU38を配置する空間を確保するために車両の幅方向内側、すなわち中心線Cvへ接近する方向へ偏っている。
【0051】
これら4つの開口58の偏りと、エアクリーナボックス18の右側壁61の偏りとは、4つの開口58の近傍における空気流の淀みを抑制し、入口57から4つの開口58へ向かう空気流(実線矢f)を略均等に配分して円滑に送り込み、エアクリーナボックス18内の空気の乱れを抑制する。
【0052】
一方、図8に示すように、比較例としてのエアクリーナボックス101は、ECU38の配置を考慮せず、またはエアクリーナボックス101の上方にECU38を配置するため、車両の中心線Cvに対して略左右均等に膨らむ。ところで、比較例としてのエアクリーナボックス101も、スロットルボア55が車両の左側へ偏っていることにつられて、4つの開口58も中心線Cvに対して車両の左側へ偏っている。他方、エアクリーナボックス101の右側壁102および左側壁103は、車両の中心線Cvを基準に線対称な位置にある。すなわち、エアクリーナボックス101の右側壁102は、中心線Cvへ接近する方向へ偏っていない。
【0053】
これら4つの開口58の偏りと、左右に対称な壁102、103とは、入口57から4つの開口58へ向かうエアクリーナボックス18内の空気流(実線矢f)に比較的広範囲に発生する渦流(実線矢fe)を生じてしまい、エアクリーナボックス18内に空気の乱れや淀みを生じる。なお、この渦流は、本実施形態に係るECU38を配置する空間に相当する箇所に生じる。
【0054】
なお、本実施形態に係る自動二輪車1は、エアクリーナボックス18の右側面を臨む電装品としてのECU38を備えているが、エアクリーナボックス18の左側面を臨む電装品としてのECU38を備えていても良い。この場合、エンジン3のカムチェーン室52やシリンダボアの配置も、左右反転していることが好ましい。
【0055】
本実施形態に係る自動二輪車1の電装品配置構造は、エアクリーナボックス18の左右いずれかの側面を臨む位置に電装品としてのECU38を配置するため、エアクリーナボックス18の天井壁にECU38を配置するための凹部を要しない。このことから、自動二輪車1の電装品配置構造は、入口57から開口58へ(もっぱら車両の前方側から後方側へ)向かう空気の流れを乱すことなく円滑に導くエアクリーナボックス18の形状を備えつつ、ECU38をエアクリーナボックス18の近傍に配置して熱源であるエンジン3から遠ざけて配置することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る自動二輪車1の電装品配置構造は、エアクリーナボックス18の天井壁にECU38を配置する場合のようにワイヤハーネス45がエアクリーナボックス18を上下に跨がらず、エアクリーナボックス18の大きさに拘わらず、ワイヤハーネス45の敷設距離を短縮化し、重量を軽減することができる。このことから、自動二輪車1の電装品配置構造は、自動二輪車1の重量軽減に寄与できる。しかも、自動二輪車1の電装品配置構造は、エアクリーナボックス18や、燃料タンク19にワイヤハーネス45を配置する溝状の通路を必要とせず、この通路の存在によるエアクリーナボックス18や燃料タンク19の容量低下やエアクリーナボックス18内の空気の流れを招くこともない。
【0057】
さらに、本実施形態に係る自動二輪車1の電装品配置構造は、電装品としてのECU38の下方にエンジン3のカムチェーン室52を配置することによって、車両の幅方向におけるエアクリーナボックス18内の空気流の乱れを抑制しつつECU38を配置することができる。
【0058】
さらにまた、本実施形態に係る自動二輪車1の電装品配置構造は、エンジン3のシリンダボアとECU38との間にカムチェーン室52を介在させて両部位を遠ざけるとともに、カムチェーン室52を仕切るエンジン3の壁面をECU38の熱防護壁として利用できる。
【0059】
また、本実施形態に係る自動二輪車1の電装品配置構造は、ECU38をエンジン3の全幅よりも車両中央側に配置することができる。このことから、本実施形態に係る自動二輪車1の電装品配置構造は、エアクリーナボックス18とECU38とを車両の幅方向へ並べても車両の全幅の拡大を避け、ひいては車両の大型化を抑制し、重量の軽減を図ることができる。
【0060】
さらにまた、本実施形態に係る自動二輪車1の電装品配置構造は、ECU38の大部分をメインフレーム15よりも上方側に位置するため、ECU38の周囲に走行風を導いてECU38を強制的に冷却することもできる。
【0061】
また、本実施形態に係る自動二輪車1の電装品配置構造は、エアクリーナボックス18の天井壁にECU38を配置する場合に比べて車両全体の重心を路面へ近づけて運動性能を向上できる。
【0062】
さらに、本実施形態に係る自動二輪車1の電装品配置構造は、ECU38をエアクリーナボックス18の下半体18bに固定することによって、ECU38を取り外したり、ワイヤハーネス45の接続を解除したりすることなく、エアクリーナ43の交換や清掃時に必要となるエアクリーナボックス18の蓋としての上半体18aの開閉作業を容易に行うことができる。
【0063】
したがって、本実施形態に係る自動二輪車1の電装品配置構造によれば、エアクリーナボックス18内の空気の流れを妨げることなく、ワイヤハーネス45を短くして車両の重量を軽減できる。
【符号の説明】
【0064】
1 自動二輪車
2 車体フレーム
3 エンジン
5 ステアリング機構
6 前輪
7 前輪懸架装置
8 スイングアーム
11 後輪
13 ステアリングヘッドパイプ
15 メインフレーム
17 シートレール
18 エアクリーナボックス
18a 上半体
18b 下半体
19 燃料タンク
21 ピボット軸
22 フロントフォーク
23 ハンドルバー
25 ハンドルグリップ
27 カウリング
28 フロントカバー
31 サイドカバー
32 エアクリーナカバー
33 シート
36 リアカバー
37 吸気ポート
38 エンジンコントロールユニット(ECU)
39 シリンダ
41 シリンダヘッド
42 ヘッドカバー
43 エアクリーナ
45 ワイヤハーネス
46 コネクタ
48 クランク軸
49 動弁機構
51 カムチェーン
52 カムチェーン室
53 スロットルボディ
55 スロットルボア
57 入口
58 開口
61 右側壁
62 左側壁
101 エアクリーナボックス
102 右側壁
103 左側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前傾するシリンダ軸線および上方へ開口する吸気ポートを有するエンジンと、
前記エンジンの上方に位置して前記吸気ポートに流体的に接続するエアクリーナボックスと、
左右に扁平な形状を有して前記エアクリーナボックスの左右いずれかの側面を臨む電装品と、を備えることを特徴とする自動二輪車の電装品配置構造。
【請求項2】
前記エンジンは、クランク軸から動弁機構へ動力を伝達するカムチェーンを納めるカムチェーン室を前記電装品の下方に有することを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の電装品配置構造。
【請求項3】
前記電装品は、前記エンジンの全幅よりも車両中央側に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の自動二輪車の電装品配置構造。
【請求項4】
前記エアクリーナボックスの前方に位置するヘッドパイプと、
前記ヘッドパイプから分岐して後ろ斜め下方へ延びるとともに下側に前記エンジンを支え、上側に前記エアクリーナボックスおよび前記電装品を支える左右一対のメインフレームと、を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の自動二輪車の電装品配置構造。
【請求項5】
前記電装品の大部分は、車両側面視において前記メインフレームよりも上方側に位置することを特徴とする請求項4に記載の自動二輪車の電装品配置構造。
【請求項6】
前記電装品は、ハーネスを接続するコネクタを車両の後方側に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の自動二輪車の電装品配置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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