説明

自動再生/自動一時停止機能を使用して外部デバイスを制御するための方法および装置

ディジタル記録/再生デバイスなどの外部デバイスを、自動再生および/または自動一時停止機能を使用してディジタル・データ・バスを介して制御することができる。例示的な一実施形態によれば、外部デバイスを制御する方法(300/400/500)は、外部デバイスからの切断と外部デバイスへの接続とのうちの一方の開始を検出するステップ(310/410)と、外部デバイスからの切断の開始が検出された場合に、ディジタル・データ・バスを介して外部デバイスに一時停止コマンド信号を供給するステップ(330)と、外部デバイスへの接続の開始が検出された場合に、ディジタル・データ・バスを介して外部デバイスに再生コマンド信号を供給するステップ(440)とを含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、外部デバイスを制御する技術に関し、より詳細には、ディジタル記録/再生デバイスなどの外部デバイスを、自動再生および/または自動一時停止機能を使用してディジタル・データ・バスを介して制御するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年5月5日に米国特許商標庁に出願され整理番号60/467,995号を付与された仮出願に対する優先権と、この仮出願から生じるすべての利益とを主張する。
【0003】
ディジタル・データ・バスは、テレビジョン信号受信機、パーソナル・コンピュータ(PC)、表示デバイス、ディジタル・ビデオ・カセット・レコーダ(DVCR)、ディジタル多用途ディスク(DVD)プレーヤ、音声/ビデオ・ハード・ディスク・ドライブ(AVHDD)、直接放送衛星(DBS)受信機、ホーム・コントロール・デバイス(例えばセキュリティ・システムや温度制御デバイス等)、および/またはその他のデバイスなど、ディジタル・デバイス間のネットワークでディジタル・データを伝送するのに利用することができる。ディジタル・データ・バスは通常、特定の規格または仕様に準拠する。有線ディジタル・バス規格の例には、米国電気電子学会(IEEE)1394ハイパフォーマンス・シリアル・バス規格が含まれ、これは当技術分野で周知である。Hiperlan2などの無線ディジタル・バス規格も、当技術分野で知られている。
【0004】
ディジタル・バス・ネットワークでは、テレビジョン信号受信機など、あるデバイスが、ネットワーク中のAVHDDなどの外部デバイスから切断された後で再びこの外部デバイスとの接続を設定するとき、いくつかの問題が生じることがある。ディジタル・バス・ネットワークにおけるこのような切断および接続は、特定の信号プロトコル(例えば切断要求−切断応答、接続要求−接続応答など)を必要とする場合があり、また、このような切断および接続は、ユーザがネットワーク・デバイスをある入力から別の入力に切り換えるときに生じる場合がある。例えば、外部デバイスとの接続が再設定されたときに、外部デバイスは切断時に再生していたトラックの再生を最初から再開することがあるという点で、問題が生じる場合がある。切断された後で外部デバイスが再生を継続している場合も、同様に問題である。具体的には、前述の状況は両方とも、一般に望ましくない。というのは、ユーザはトラックの再生を切断当時の現在時点から継続することができず、トラック内で先送りおよび/または巻戻しして、ユーザが前に止めた正確な時点を見つけなければならないからである。この過程はユーザにとって、精密でなく、不便であり、時間がかかり、苛立たしいものである可能性がある。
【0005】
前述の問題に対処する方法の1つは、デバイスが、他のすべてのネットワーク・デバイスについて、そのようなデバイスの切断時の最終状態を示すリストを記憶および維持することである。しかしこの方法は、実施がいくぶん複雑なことがあり、またデバイスの貴重なメモリ容量を消費するので、最適ではない。前述の問題に対処する別の方法は、あるネットワーク・デバイスから切り換えるときにこのデバイスとの接続を維持することである。この方法も同様に、最適ではない。というのは、ディジタル・バス・ネットワーク中でデバイスとの接続を維持すると、デバイスは、他方の接続されたデバイスと通信する手段があるものと誤って思い込むことになる場合があるからである。
【0006】
ディジタル・バス・ネットワーク中では、電力中断(例えばデバイスがオフにされたり、デバイスのプラグが抜かれたりするなど)の結果として、他の問題が生じることもある。例えば、電力中断時にデバイスが他のネットワーク・デバイスに接続された場合、デバイスへの電力が回復したときに、デバイスは自動的にネットワーク・デバイスから非ネットワーク入力(例えばアンテナ入力)に切り換わることがある。これは、ユーザが手動で再びネットワーク・デバイスに切り換える必要があるという点で、不便な場合がある。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、ディジタル記録/再生デバイスなどの外部デバイスを、自動再生および/または自動一時停止機能を使用してディジタル・データ・バスを介して制御するための方法および装置を提案し、前述の問題および/または他の問題に対処する。
【0008】
本発明の一態様によれば、外部デバイスを制御する方法が開示される。例示的な一実施形態によれば、この方法は、外部デバイスからの切断と外部デバイスへの接続とのうちの一方の開始を検出するステップと、外部デバイスからの切断の開始が検出された場合に、データ・バスを介して、外部デバイスの動作を中断するための第1のコマンド信号を提供するステップと、外部デバイスへの接続の開始が検出された場合に、データ・バスを介して、外部デバイスの動作を再開するための第2のコマンド信号を供給するステップとを含む。
【0009】
本発明の別の態様によれば、装置が開示される。例示的な一実施形態によれば、この装置は、データ・バスを介して装置を外部デバイスに接続するための入出力手段を備える。処理手段が、外部デバイスからの切断と外部デバイスへの接続とのうちの一方の開始を検出する。入出力手段は、処理手段が外部デバイスからの切断の開始を検出した場合に、データ・バスを介して、外部デバイスの動作を中断するための第1のコマンド信号を出力し、処理手段が外部デバイスへの接続の開始を検出した場合に、データ・バスを介して、外部デバイスの動作を再開するための第2のコマンド信号を出力する。
【0010】
本発明の別の態様によれば、テレビジョン信号受信機が開示される。例示的な一実施形態によれば、このテレビジョン信号受信機は、データ・バスを介してテレビジョン信号受信機を外部デバイスに接続する入出力端子を備える。処理回路が、外部デバイスからの切断と外部デバイスへの接続とのうちの一方の開始を検出する。入出力端子は、処理回路が外部デバイスからの切断の開始を検出した場合に、データ・バスを介して、外部デバイスの動作を中断するための第1のコマンド信号を出力し、処理回路が外部デバイスへの接続の開始を検出した場合に、データ・バスを介して、外部デバイスの動作を再開するための第2のコマンド信号を出力する。
【0011】
本発明の実施形態に関する以下の記述を添付の図面と共に参照することにより、本発明に関する前述のおよび他の特徴および利点、ならびにそれらを達成する手段がより明らかになり、本発明がよりよく理解されるであろう。
【0012】
本明細書で述べる実例は、本発明の好ましい実施形態を例示するものであり、このような実例は、本発明の範囲をどんな形で限定するものとも解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に図面、より具体的には図1を参照すると、本発明を実施するのに適した例示的な環境100が示されている。図1に示すように、環境100は、ユーザ入力デバイス10などのユーザ入力手段と、装置20などの制御手段と、ディジタル・データ・バス30などのディジタル・バス手段と、外部デバイス40などの被制御手段とを含む。
【0014】
ユーザ入力デバイス10は、装置20および/または外部デバイス40の動作を制御するユーザ入力を受信する。例示的な一実施形態によれば、ユーザ入力デバイス10は、複数のキーを備え、ユーザがそのキーを押すのに応答して、予め定められた制御プロトコルに従った無線赤外線(IR)信号および/または無線周波数(RF)信号などのコマンド信号を装置20に送信する。ユーザ入力デバイス10は例えば、ハンドヘルド・リモート制御デバイス、有線および/または無線キーボード、あるいはその他のユーザ入力デバイスとして具体化することができる。
【0015】
装置20は、アナログおよび/またはディジタル・フォーマットの、音声、ビデオ、および/またはデータ信号を含めた信号を、地上、ケーブル、衛星、インターネット、および/またはその他の信号源など、1つまたは複数の信号源から受信する。装置20はまた、受信した信号を処理してディジタル信号を生成し、このようなディジタル信号ならびにディジタル・コマンド信号を、ディジタル・データ・バス30を介して、外部デバイス40を含めた1つまたは複数のデバイスに供給する。装置20は、ユーザ入力デバイス10を介した入力に応答してユーザによって制御することができ、このような入力はまた、外部デバイス40を制御するのにも使用することができる。例示的な一実施形態によれば、装置20は、ディジタル・データ・バス30のバス規格(例えばIEEE−1394やHiperlan2など)に準拠するテレビジョン信号受信機またはその他のデバイスとして具体化することができる。後に本明細書で述べるが、装置20は、外部デバイス40を制御する自動再生および自動一時停止機能を提供する。
【0016】
ディジタル・データ・バス30は、装置20および外部デバイス40を含めたデバイス間でディジタル信号を伝送する。例示的な一実施形態によれば、ディジタル・データ・バス30は、所与のバス規格または仕様に準拠する、有線および/または無線ディジタル・バスとして具体化することができる。例えば、ディジタル・データ・バス30は、IEEE−1394バスなどの有線ディジタル・バス、および/またはHiperlan2バスなどの無線ディジタル・バスとして具体化することができる。
【0017】
外部デバイス40は、ディジタル・データ・バス30を介して、装置20から音声、ビデオ、データ、および/またはコマンド信号を含めた信号を受信し、また、装置20に信号を供給する。例示的な一実施形態によれば、外部デバイス40は、再生コマンドおよび/または一時停止コマンドを受け入れるディジタル・データ・バス30のバス規格(例えばIEEE−1394やHiperlan2など)に準拠する、任意のデバイスとして具体化することができる。例えば、外部デバイス40は、AVHDD、DVCR、またはその他のデバイスなど、ディジタル記録/再生デバイスとして具体化することができる。
【0018】
図2を参照すると、本発明の例示的な一実施形態による、図1の装置20の詳細をさらに表すブロック図が示されている。図2の装置20は、フロント・パネル・アセンブリ(FPA)11などのフロント・パネル手段と、増幅器12などの増幅手段と、I/Oブロック13などの入出力(I/O)手段と、処理回路14などの処理手段と、メモリ15などのメモリ手段とを備える。図2の前述の要素のいくつかは、集積回路(IC)を使用して具体化することができ、いくつかの要素は、例えば1つまたは複数のIC上に含めることができる。記述を明確にするために、いくつかの制御信号、電力信号、および/またはその他の要素など、装置20に関連するいくつかの従来要素は、図2に示されていない場合もある。
【0019】
FPA11は、ユーザ入力デバイス10からユーザ入力を受信し、ユーザ入力に対応する信号を増幅器12に出力する。例示的な一実施形態によれば、FPA11は、リモート制御デバイス10からIRおよび/またはRF信号などの無線信号を受信し、対応する信号を生成する。この信号は増幅器12に出力される。増幅器12は、FPA11から提供された信号を増幅して、処理回路14に出力する。
【0020】
I/Oブロック13は、装置20のI/O機能を実施する。例示的な一実施形態によれば、I/Oブロック13は、アナログおよび/またはディジタル・フォーマットの、音声、ビデオ、および/またはデータ信号を含めた信号を、地上、ケーブル、衛星、インターネット、および/またはその他の信号源など、1つまたは複数の信号源から受信する。I/Oブロック13はまた、ディジタル・データ・バス30を介して、外部デバイス40を含めた1つまたは複数の他のデバイスにディジタル信号を出力するとともに、これらのデバイスからディジタル信号を受信する。例示的な一実施形態によれば、I/Oブロック13は、ディジタル・データ・バス30に接続されている端子など少なくとも1つの双方向端子を含めて、複数の入力および/または出力端子を備える。本明細書では、I/Oブロック13の入力および/または出力端子を、単に装置20の「入力」という場合がある。後に本明細書で述べるが、ユーザ入力デバイス10を介したユーザ入力により、装置20は、I/Oブロック13を介して、ある入力から別の入力に切り換わることができる。
【0021】
処理回路14は、装置20の様々な信号処理および制御機能を実施する。例示的な一実施形態によれば、処理回路14は、同調、復調、順方向誤り訂正、トランスポート処理機能を含めた機能を実施することによって、I/Oブロック13から供給された信号を処理し、それによりディジタル信号を生成する。このような処理機能から生成されたディジタル信号は、次の処理(例えばMPEG復号など)および表示のために供給することができ、且つ/あるいは、ディジタル・データ・バス30を介して、外部デバイス40を含めた1つまたは複数の他のデバイスに供給することができる。
【0022】
処理回路14はまた、ユーザ入力デバイス10を介して供給されたユーザ入力を検出し、ユーザ入力には、ディジタル・データ・バス30上の外部デバイス40などのデバイスからの切断を開始する入力、およびこれらのデバイスへの接続を開始する入力が含まれる。処理回路14は、1つまたは複数の制御信号を出力することができ、これらの制御信号により、装置20は、I/Oブロック13を介して、ある入力から別の入力に切り換わる。処理回路14はまた、再生コマンド信号や一時停止コマンド信号など、様々なディジタル・コマンド信号を生成して、これらをディジタル・データ・バス30を介して外部デバイス40に出力することも可能にする。例示的な一実施形態によれば、このようなコマンド信号は、米国テキサス州グレープヴァインの1394Trade Associationによって定義された音声ビデオ/制御(AV/C)プロトコル信号、または別のプロトコルの信号とすることができる。後に本明細書で述べるが、再生および一時停止コマンド信号を使用して、装置20の自動再生および自動一時停止機能に従って外部デバイス40を制御することができる。
【0023】
メモリ15は、装置20のデータ記憶機能を実施する。例示的な一実施形態によれば、メモリ15は、ソフトウェア・コード、コマンド・データ、ユーザ・セットアップ・データなどのデータを記憶し、これらのデータにより、処理回路14は、1つまたは複数の処理、および/または制御機能を実施することができる。
【0024】
次に図3を参照すると、本発明の一態様による例示的なステップを示すフローチャート300が示されている。具体的には、図3のステップは、本発明の例示的な一実施形態によりどのように自動再生機能をデバイス制御に使用することができるかを示している。例および説明のために、図3のステップは、図1の環境100に示した要素に関して述べる。図3のステップは例示に過ぎず、本発明をどんな形で限定するものでもない。
【0025】
ステップ310で、装置20は、外部デバイス40からの切断プロセスの開始を検出する。例示的な一実施形態によれば、装置20の現在入力を外部デバイス40から切り換える、ユーザ入力デバイス10を介したユーザ入力に応答して、処理回路14は、ステップ310で外部デバイス40からの切断プロセスの開始を検出する。例えば、ユーザが入力を供給することができ、この入力により、装置20はその入力を、ディジタル・データ・バス30に接続されていないデバイスに切り換える。
【0026】
ステップ320で、装置20は、外部デバイス40が再生モードにあるかどうか判定する。例示的な一実施形態によれば、装置20は、ステップ320で、処理回路14の制御の下でディジタル・データ・バス30を介して外部デバイス40にディジタル・コマンド信号を供給する。これにより、装置20は、外部デバイス40の現在動作モードを示す動作モード・データを読み取って、それにより外部デバイス40が再生モードにあるかどうか判定することができる。例えば、AV/Cプロトコルを使用する場合、READ INFO BLOCKコマンド信号を外部デバイス40に供給し、それにより、このような動作モード・データを読み取ることができる。
【0027】
ステップ320での判定が肯定の場合は、プロセス・フローはステップ330に進み、装置20は、処理回路14の制御の下で、外部デバイス40の動作を中断するための一時停止コマンド信号を、ディジタル・データ・バス30を介して供給する。例示的な一実施形態によれば、ステップ330で供給される一時停止コマンド信号は、AV/CプロトコルのPLAYコマンドを速度変動と共に使用して実施することができる。ただし、別の信号プロトコルを使用することもできる。
【0028】
ステップ330から、またステップ320での判定が否定のときは、プロセス・フローはステップ340に進み、装置20は、処理回路14の制御の下で外部デバイス40から切断する。例示的な一実施形態によれば、ステップ340で外部デバイス40から切断することは、ディジタル・データ・バス30に関連する特定の信号プロトコル(例えば切断要求−切断応答など)を必要とする場合がある。例えば、ステップ340で外部デバイス40から切断することは、IEEE−1394規格によって規定された非同期および等時性の特性に従って実施することができる。ステップ340から、プロセス・フローはステップ350に進み、装置20は通常動作を継続する。
【0029】
次に図4を参照すると、本発明の別の態様による例示的なステップを示すフローチャート400が示されている。具体的には、図4のステップは、本発明の例示的な一実施形態によりどのように自動一時停止機能をデバイス制御に使用することができるかを示している。例および説明のために、図4のステップもまた、図1の環境100に示した要素に関して述べる。図4のステップは例示に過ぎず、本発明をどんな形で限定するものでもない。
【0030】
ステップ410で、装置20は、外部デバイス40への接続プロセスの開始を検出する。例示的な一実施形態によれば、装置20の現在入力を外部デバイス40に切り換える、ユーザ入力デバイス10を介したユーザ入力に応答して、処理回路14は、ステップ410で外部デバイス40への接続プロセスの開始を検出する。例えば、ユーザが入力を供給することができ、この入力により、装置20はその入力を、ディジタル・データ・バス30に接続されていないデバイスから外部デバイス40に切り換える。
【0031】
ステップ420で、装置20は、処理回路14の制御の下で外部デバイス40に接続する。例示的な一実施形態によれば、ステップ420で外部デバイス40に接続することは、ディジタル・データ・バス30に関連する特定の信号プロトコル(例えば接続要求−接続応答など)を必要とする場合がある。例えば、ステップ420で外部デバイス40に接続することは、IEEE−1394規格によって規定された非同期および等時性の特性に従って実施することができる。
【0032】
ステップ430で、装置20は、外部デバイス40が一時停止モードにあるかどうか判定する。例示的な一実施形態によれば、装置20は、ステップ430で、処理回路14の制御の下でディジタル・データ・バス30を介して外部デバイス40にディジタル・コマンド信号を供給する。これにより、装置20は、外部デバイス40の現在動作モードを示す動作モード・データを読み取って、それにより外部デバイス40が一時停止モードにあるかどうか判定することができる。例えば、AV/Cプロトコルを使用する場合、READ INFO BLOCKコマンド信号を外部デバイス40に供給し、それにより、このような動作モード・データを読み取ることができる。
【0033】
ステップ430での判定が否定の場合は、プロセス・フローはステップ450に進み、装置20は通常動作を継続する。あるいは、ステップ430での判定が肯定の場合は、プロセス・フローはステップ440に進み、装置20は、処理回路14の制御の下で、動作を再開するための再生コマンド信号を、ディジタル・データ・バス30を介して外部デバイス40に供給する。例示的な一実施形態によれば、ステップ440で供給される再生コマンド信号は、AV/CプロトコルのPLAYコマンド信号とすることができる。ただし、別の信号プロトコルを使用することもできる。ステップ440から、プロセス・フローはステップ450に進み、装置20は通常動作を継続する。
【0034】
次に図5を参照すると、本発明の別の態様による例示的なステップを示すフローチャート500が示されている。具体的には、図5のステップは、本発明の別の例示的な実施形態によりどのように自動再生機能をデバイス制御に使用することができるかを示している。例および説明のために、図5のステップもまた、図1の環境100に示した要素に関して述べる。図5のステップは例示に過ぎず、本発明をどんな形で限定するものでもない。
【0035】
ステップ510で、装置20は電力中断を検出する。例示的な一実施形態によれば、装置20をオン状態からオフ/待機状態に切り換える、ユーザ入力デバイス10を介したユーザ入力に応答して、処理回路14は、ステップ510で電力中断を検出する。オフ/待機状態の間、装置20のいくつかの要素はまだ電力を受け取ることがあり、装置20はユーザ入力デバイス10を介した別のユーザ入力に応答して再びオン状態に切り換わることがある。別の例示的な実施形態によれば、処理回路14は、ステップ510で、装置20からの完全な電力除去に応答して電力中断を検出する。このタイプの電力中断は、例えば装置20のプラグがその電源(例えば壁のアウトレット)から抜かれた場合に生じることがあり、あるいは、悪天候や公益企業問題などの条件の結果として停電が起こった場合に生じることがある。
【0036】
ステップ520で、装置20は、電力の回復を検出する。例示的な一実施形態によれば、装置20をオフ/待機状態からオン状態に切り換える、ユーザ入力デバイス10を介したユーザ入力に応答して、処理回路14は、ステップ520で電力の回復を検出する。別の例示的な実施形態によれば、処理回路14は、ステップ520で、装置20のプラグが再びその電源に挿入されたのに応答して、あるいは悪天候や公益企業問題などの条件に起因する停電が復旧したときに、電力の回復を検出する。
【0037】
ステップ530で、装置20は、外部デバイス40がその初期入力として選択されているかどうか判定する。例示的な一実施形態によれば、装置20は、そのユーザ・セットアップ・プロセスの一部として、初期入力選択設定を含む。これは、装置20の特定の入力をユーザが選択できるようにするものであり、装置20は、装置20に電力が加えられたときは常にこの特定の入力に自動的に切り換わる。従って、ステップ530で処理回路14は、メモリ15中の現在ユーザ・セットアップ・データをチェックして、ユーザが外部デバイス40をその初期入力として選択したかどうか判定する。
【0038】
ステップ530での判定が否定の場合は、プロセス・フローはステップ540に進み、装置20は、処理回路14の制御の下で、そのデフォルト入力(例えばアンテナ入力など)に切り換わる。ステップ540から、プロセス・フローはステップ570に進み、装置20は通常動作を継続する。あるいは、ステップ530での判定が肯定の場合は、プロセス・フローはステップ550に進み、装置20は初期化プロセスを実施して、ディジタル・データ・バス30を介した外部デバイス40との通信を可能にする。例示的な一実施形態によれば、処理回路14は、ソフトウェア・コード(例えばIEEE−1394ソフトウェア・コードなど)を実行して、ステップ550の初期化プロセスを実施し、それにより、外部デバイス40がディジタル・データ・バス30上で検出されたときに通知を受ける。
【0039】
次にステップ560で、装置20は、処理回路14の制御の下で、外部デバイス40の動作を開始するための再生コマンド信号を、ディジタル・データ・バス30を介して供給する。これにより、外部デバイス40は再生を開始する。例示的な一実施形態によれば、ステップ560で供給される再生コマンド信号は、AV/CプロトコルのPLAYコマンド信号とすることができる。ただし、別の信号プロトコルを使用することもできる。ステップ560から、プロセス・フローはステップ570に進み、装置20は通常動作を継続する。
【0040】
本明細書に反映された本発明の原理は、任意の適した手段で組み合わせることができることも理解されたい。例えば、図3〜図5のフローチャートに表した本発明の任意の態様を、設計上の選択に従って組み合わせることができる。
【0041】
本明細書で述べたように、本発明は、自動再生および/または自動一時停止機能を使用してディジタル・データ・バスを介してデバイスを制御するための方法および装置を提供する。本発明は、表示装置付きまたは表示装置なしの様々な装置に適用可能である。従って、本明細書で使用される「テレビジョン信号受信機」という語は、以下のものに限定しないが、テレビジョン・セット、コンピュータ、またはモニタを含めた、表示デバイス付きシステムまたは装置と、セットトップ・ボックス、ビデオ・カセット・レコーダ(VCR)、ディジタル多用途ディスク(DVD)プレーヤ、ビデオ・ゲーム・ボックス、パーソナル・ビデオ・レコーダ(PVR)、コンピュータ、またはその他の装置など、表示デバイスを備えないこともあるシステムまたは装置とを指すこともできる。
【0042】
好ましい設計を有するものとして本発明を述べたが、本発明は、本開示の趣旨および範囲内でさらに変更することができる。従って、本出願は、本発明の一般原理を使用する本発明のどんな変形、利用、または応用もカバーするものとする。さらに、本発明が関係している技術分野における周知のまたは慣用の実施の内にあり、添付の特許請求の範囲に含まれる本開示からの逸脱も、本出願はカバーするものとする。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明を実施するのに適した例示的な環境を示す図である。
【図2】本発明の例示的な一実施形態による、図1の装置の詳細をさらに示すブロック図である。
【図3】本発明の一態様による例示的なステップを示すフローチャートである。
【図4】本発明の別の態様による例示的なステップを示すフローチャートである。
【図5】本発明の別の態様による例示的なステップを示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部デバイスを制御する方法(300/400/500)であって、
前記外部デバイスからの切断と前記外部デバイスへの接続とのうちの一方の開始を検出するステップ(310/410)と、
前記外部デバイスからの前記切断の前記開始が検出された場合に、データ・バスを介して、前記外部デバイスの動作を中断するための第1のコマンド信号を供給するステップ(330)と、
前記外部デバイスへの前記接続の前記開始が検出された場合に、前記データ・バスを介して、前記外部デバイスの動作を再開するための第2のコマンド信号を供給するステップ(440)とを含む、前記方法(300/400/500)。
【請求項2】
電力の中断を検出するステップ(510)と、
前記電力の回復を検出するステップ(520)と、
前記電力の前記回復に応答して、前記外部デバイスが初期入力として選択されているかどうか判定するステップ(530)と、
前記外部デバイスが前記初期入力として選択されている場合に、前記データ・バスを介して前記外部デバイスに前記第2のコマンド信号を供給するステップ(550)とを含む、請求項1に記載の方法(300/400/500)。
【請求項3】
前記データ・バスはIEEE−1394バスを含む、請求項2に記載の方法(300/400/500)。
【請求項4】
前記第1のコマンド信号および前記第2のコマンド信号はAV/Cプロトコル信号である、請求項2に記載の方法(300/400/500)。
【請求項5】
前記外部デバイスからの前記切断は第1のユーザ入力に応答して検出され、
前記外部デバイスへの前記接続は第2のユーザ入力に応答して検出される、請求項1に記載の方法(300/400/500)。
【請求項6】
前記外部デバイスはディジタル記録/再生デバイスである、請求項1に記載の方法(300/400/500)。
【請求項7】
データ・バス(30)を介して装置(20)を外部デバイス(40)に接続するための入出力手段(13)と、
前記外部デバイス(40)からの切断と前記外部デバイス(40)への接続とのうちの一方の開始を検出するための処理手段(14)とを備える装置(20)であって、
前記入出力手段(13)は、前記処理手段(14)が前記外部デバイス(40)からの前記切断の前記開始を検出した場合に、前記データ・バス(30)を介して、前記外部デバイス(40)の動作を中断するための第1のコマンド信号を出力し、前記処理手段(14)が前記外部デバイス(40)への前記接続の前記開始を検出した場合に、前記データ・バス(30)を介して、前記外部デバイス(40)の動作を再開するための第2のコマンド信号を出力する装置(20)。
【請求項8】
前記処理手段(14)は、前記装置(20)への電力の中断および回復に応答して、前記外部デバイス(40)が前記装置(20)の初期入力として選択されているかどうか判定し、
前記入出力手段(13)は、前記外部デバイス(40)が前記装置(20)の前記初期入力として選択されている場合に、前記データ・バス(30)を介して前記外部デバイス(40)に前記第2のコマンド信号を出力する、請求項7に記載の装置(20)。
【請求項9】
前記データ・バス(30)はIEEE−1394バスを含む、請求項8に記載の装置(20)。
【請求項10】
前記第1のコマンド信号および前記第2のコマンド信号はAV/Cプロトコル信号である、請求項8に記載の装置(20)。
【請求項11】
前記処理手段(13)は、前記装置(20)への第1のユーザ入力に応答して、前記外部デバイス(40)からの前記切断の前記開始を検出し、前記装置(20)への第2のユーザ入力に応答して、前記外部デバイス(40)への前記接続の前記開始を検出する、請求項7に記載の装置(20)。
【請求項12】
前記外部デバイス(40)はディジタル記録/再生デバイスである、請求項7に記載の装置(20)。
【請求項13】
データ・バス(30)を介してテレビジョン信号受信機(20)を外部デバイス(40)に接続するように動作する入出力端子(13)と、
前記外部デバイス(40)からの切断と前記外部デバイス(40)への接続とのうちの一方の開始を検出するように動作する処理回路(14)とを備えるテレビジョン信号受信機(20)であって、
前記入出力端子(13)は、前記処理回路(14)が前記外部デバイス(40)からの前記切断の前記開始を検出した場合に、前記データ・バス(30)を介して、前記外部デバイス(40)の動作を中断するための第1のコマンド信号を出力し、前記処理回路(14)が前記外部デバイス(40)への前記接続の前記開始を検出した場合に、前記データ・バス(30)を介して、前記外部デバイス(40)の動作を再開するための第2のコマンド信号を出力するテレビジョン信号受信機(20)。
【請求項14】
前記処理回路(14)は、前記テレビジョン信号受信機(20)への電力の中断および回復に応答して、前記外部デバイス(40)が前記テレビジョン信号受信機(20)の初期入力として選択されているかどうか判定し、
前記入出力端子(13)は、前記外部デバイス(40)が前記テレビジョン信号受信機(20)の前記初期入力として選択されている場合に、前記データ・バス(30)を介して前記外部デバイス(40)に前記第2のコマンド信号を出力する、請求項13に記載のテレビジョン信号受信機(20)。
【請求項15】
前記データ・バス(30)はIEEE−1394バスを含む、請求項14に記載のテレビジョン信号受信機(20)。
【請求項16】
前記第1のコマンド信号および前記第2のコマンド信号はAV/Cプロトコル信号である、請求項14に記載のテレビジョン信号受信機(20)。
【請求項17】
前記処理回路(13)は、前記テレビジョン信号受信機(20)への第1のユーザ入力に応答して、前記外部デバイス(40)からの前記切断の前記開始を検出し、前記テレビジョン信号受信機(20)への第2のユーザ入力に応答して、前記外部デバイス(40)への前記接続の前記開始を検出する、請求項13に記載のテレビジョン信号受信機(20)。
【請求項18】
前記外部デバイス(40)はディジタル記録/再生デバイスである、請求項13に記載のテレビジョン信号受信機(20)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2007−525860(P2007−525860A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514280(P2006−514280)
【出願日】平成16年5月4日(2004.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/013860
【国際公開番号】WO2004/100002
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】