説明

自動取引システム、自動取引方法、および自動取引装置

【課題】暗証番号入力キーを用いた暗証番号入力操作において、暗証番号の漏洩を防止し、セキュリティの向上を図ることができる自動取引システム、自動取引方法、および自動取引装置を提供する。
【解決手段】暗証番号の数字を入力する操作を、現金自動取引装置に備えた入力表示部の暗証番号入力キーのタッチ操作により受付けるステップを有し、暗証番号入力エリアのタッチ操作により、暗証番号の数字の入力順序の指定を、取引毎に受付けるステップS401と、前記入力順序を、暗証番号入力エリアで受付けた指定に基づいて、制御部により設定するステップS404とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引システム、自動取引方法、および自動取引装置に関し、特に、顧客が入力表示手段をタッチ操作することにより入力される暗証番号の漏洩防止を実現できる自動取引システム、自動取引方法、および自動取引装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、急速な情報化社会の進展に伴い、例えば、金融機関と顧客との間で行なわれる金融取引に関して言えば、窓口での取引に比べ、自動取引装置での取引が増加、一般化しており、大半の取引が自動取引装置で行なわれている。
【0003】
その一方で、個人、企業や自治体等では、自動取引装置を利用した取引時における個人情報、特に暗証番号の覗き見等による不正取引が大きな問題となっており、その危険性に対する関心が高まっている。そのため、自動取引装置に鏡を取付け、背後を確認する事が出来るようにする等の対策がなされている。
【0004】
また、従来では、顧客のタッチ操作による入力を受付けるタッチパネルを備えたものにおいて、顧客が暗証番号を入力する際、暗証番号入力キーの表示位置を変更することが提案されている(下記特許文献1参照)。下記特許文献1では、取引毎に乱数を用いて暗証番号入力キーの表示位置の座標を変える事により、該表示位置をランダムに変更するようになっている。
【0005】
また、この他にも、暗証番号入力キーを構成する数字キーの配列を変更することが提案されている(下記特許文献2、3参照)。
【0006】
このうち、下記特許文献2では、数字キーの配列、レイアウトが異なる複数パターンの入力画面を自動取引装置が有しており、暗証番号入力時には、前記複数の入力画面パターンの中から上位局によって指定されたものを選び出して表示するようになっている。
【0007】
また、下記特許文献3では、顧客が複数桁数の暗証番号を入力する際、暗証番号を一桁入力する毎に数字キーの配列をランダムに変更するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−54862号公報
【特許文献2】特開平6−12440号
【特許文献3】特開2007−66279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、前記特許文献1〜3に開示された従来技術は、いずれも、取引に先立って実施される暗証番号入力を、タッチパネルの暗証番号入力キーのタッチ操作によって行なうものである。したがって、いずれの場合も、顧客がタッチ操作している時の指先の動きから第三者に暗証番号を察知される虞があり、セキュリティの面で問題があった。
【0010】
例えば、前記特許文献1に開示されているように、暗証番号入力キーの表示位置をランダムに変更する場合、悪意ある第三者が複数人存在したとすると、例えば、一人が取引中の顧客に話しかけている間に、もう一人が画面を確認することで、前記暗証番号入力キー表示位置を容易に確認することができ、この時、暗証番号が第三者によって察知される虞がある。
【0011】
また、前記特許文献2、3のように数字キーの配列を変更する場合も、数字キーの配列がいくつかにパターン化されていた場合は、指先の動きから暗証番号が第三者へ漏洩する可能性を否定できない。
【0012】
この発明は、上述の問題に鑑み、暗証番号入力キーを用いた暗証番号入力操作において、暗証番号の漏洩を防止し、セキュリティの向上を図ることができる自動取引システム、自動取引方法、および自動取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、暗証番号の数字を入力する操作を、自動取引装置に備えた入力表示手段の暗証番号入力キーのタッチ操作により受付けるステップを有し、指定受付け手段により、暗証番号の数字の入力順序の指定を取引毎に受付けるステップと、前記入力順序を、前記指定受付け手段で受付けた指定に基づいて、設定手段により設定するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この発明により、暗証番号入力キーを用いた暗証番号入力操作において、暗証番号の漏洩を防止し、セキュリティの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る自動取引システムのシステム構成図。
【図2】自動取引装置、ホストコンピュータの制御ブロック図。
【図3】取引時における自動取引装置の動作を示すフローチャート。
【図4】暗証番号入力受付け制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図5】取引メニュー画面の一例を示す図。
【図6】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図7】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図8】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図9】他の実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図10】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図11】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図12】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図13】さらに他の実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図14】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図15】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図16】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図17】さらに他の実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図18】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図19】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図20】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図21】さらに他の実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンを示すフローチャート。
【図22】暗証番号入力画面の一例を示す図。
【図23】数字キーの配列を取引毎に変更する場合について説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本実施形態に係る自動取引システムのシステム構成図であり、図2は、自動取引装置1、ホストコンピュータ11の制御ブロック図である。
【0017】
本実施形態は、銀行等の金融機関に採用される例えばATM(Automatated Tellers Machine)のような自動取引装置(以下、ATMと言う。)1に関するものである。このATM1は、金融機関等に設置され、顧客の操作によって現金の入金や出金等の金融取引を行なう現金自動取引装置であり、図1、図2に示すように、回線接続部8により、LAN等の専用の通信網NETを介して上位制御装置としてのホストコンピュータ11と通信可能に接続されており、これらATM1、ホストコンピュータ11によって自動取引システムが構成されている。
【0018】
また、ATM1は、顧客の要求する種々の取引を自動的に実行する装置であり、入力表示部3、カード/明細票機構部4、通帳機構部5、紙幣入出金機構部6、硬貨入出金機構部7、音声案内ガイダンス部9、静脈認証機構部10、そしてこれら各部を制御する制御部2等で構成されている。
【0019】
制御部2は、CPU、メモリ等のハードウェアにより構成されており、メモリ内には、ATM1の動作を制御するための各種プログラムの他、取引時において必要とされる各種データ等が記憶されており、例えば、入力表示部3の表示画面を制御する表示画面制御プラグラムや、入力表示部3に表示される表示画面のレイアウトに関連するデータ等を記憶している。
【0020】
入力表示部3は、タッチパネルにより構成されるものであって、画面表示機能とともに、キー入力検知機能を有している。より詳しく説明すると、入力表示部3は、主に顧客がATM1を利用して取引を行なう際、取引操作に関連する情報として、取引操作の案内画面を表示したり、暗証番号の入力時や取引金額の入力時等において、顧客の指でタッチ操作された位置を検知することによってキー入力を受付けたりする部位である。
【0021】
カード/明細票機構部4は、顧客のカードの挿入又は排出動作、カードの磁気ストライプ又はICチップへのリード又はライト動作、カードエンボス部分のイメージの読取り機能等を有する。また、本実施形態では、カード/明細票機構部4が、取引した内容を印字部により明細票に印字し、この明細票をATM1内から排出する機能も兼ねている。
【0022】
通帳機構部5は、顧客の通帳の挿入/排出動作、磁気ストライプのリード/ライト動作の他、通帳への印字部による印字機能等を有する。
【0023】
紙幣入出金機構部6および硬貨入出金機構部7は、現金の入金/出金機能、現金の鑑別や搬送、収納機能を有する。
【0024】
静脈認証機構部10は、顧客の静脈読取機能、カード/明細票機構部4の挿入口に挿入されたカードに登録されている静脈データと読取った静脈データとの照合により個人認証を行なう認証機能を有する。
【0025】
なお、本発明は、静脈データに基づいて個人認証を行なうことに必ずしも限定されるものではなく、例えば、顧客の指紋や顔等の他の生体情報に基づいて個人認証を行なってもよい。また、本発明では、顧客の生体情報を利用した個人認証を必ずしも行なわなくてよい。
【0026】
ところで、ホストコンピュータ11は、回線接続部12を備えており、該回線接続部12が、ATM1とのデータの送信または受信を行なうべく、通信網NETを介してATM1の回線制御部8と接続されている。
【0027】
また、ホストコンピュータ11は、ファイル部14の内部に設けた顧客の口座情報等を記憶する口座情報ファイル16、およびその他の各種ファイル17を備える他、これらファイル16、17への書込み、読出しを制御するファイル制御部13と、回線接続部12やファイル制御部13等の各部を制御するホストコンピュータ制御部15とを有する。
【0028】
ここで、口座情報ファイル16には、顧客の暗証番号も記憶されており、ATM1より受信するデータに含まれる暗証番号と、口座情報ファイル16に記憶された暗証番号とをホストコンピュータ11が比較、照合してその結果に基づく認証結果をATM1に送信する。これにより、ATM1の入力表示部3にて入力された暗証番号の認証が行なわれる。
【0029】
図3、図4は、取引時におけるATM1の動作を示すフローチャートである。先ず、制御部2は、入力表示部3に、図5に示すような取引メニュー画面30を表示させて、取引項目の選択を受付ける(ステップS301)。
【0030】
取引メニュー画面30には、図5に示すように、顧客が各種取引を開始するための各種取引項目の選択ボタンが表示されている。例えば「お引出し」、「お預入れ」、「お振込み」、「残高照会」等、ATM1にて取引可能な取引項目ボタン100〜103が表示されている。ここでは、顧客により、「お引出し」が選択された場合について説明する。なお、取引項目ボタンとしては、この他にも、例えば、「通帳記帳」「暗証番号変更」等を表示してもよい。
【0031】
上述したように、ステップS301において、「お引出し」に対応する取引項目ボタン100がタッチ操作されると、制御部2は、入力表示部3にカードの挿入案内画面を表示させ、カードの挿入を受付ける(ステップS302)。そして、制御部2は、カードがカード/明細票機構部4に挿入されたことを検知すると、カードに記憶されたカード情報を読取る。
【0032】
ここで、カードが正常であれば、制御部2は、暗証番号の入力を入力表示部3で受付けるべく、ステップS303に移行し、図4に示す暗証番号入力受付け制御サブルーチンを実行する。図4は、暗証番号入力受付け制御サブルーチンを示すフローチャートであり、図6〜図8は、暗証番号入力画面31の一例を示す図である。
【0033】
ステップS303の暗証番号入力受付け制御サブルーチンでは、制御部2が、入力表示部3に図6〜図8に示すような暗証番号入力画面31を表示させる。図6〜図8に示す暗証番号入力画面31には、暗証番号入力エリア200の他、暗証番号の数字を入力する暗証番号入力キー201と、数字入力を誤った際、これを消去して、正しい数字を入力し直すための訂正ボタン202と、暗証番号の入力に関連する案内メッセージを表示するためのメッセージ表示部203Aとが表示されている。
【0034】
制御部2は、先ず、暗証番号入力エリア200の4つの桁のうち、入力を希望する桁の指定を入力表示部3(暗証番号入力画面31)で受付けるための処理を実行する(ステップS401)。
【0035】
ステップS401では、制御部2が、図6に示すように、数字入力桁(位置)の指定を要求するメッセージをメッセージ表示部203Aに表示させるとともに、暗証番号入力エリア200の外周を囲むように枠状の入力案内表示部203Bを表示させる。
【0036】
この入力案内表示部203Bは、例えば、暗証番号入力画面31の周囲と異なる着色が施され、場合によっては点滅表示がなされる。この入力案内表示部203Bにより、空白表示の桁の中から入力を希望する桁を指定できることを顧客に対して視覚的に強調することができ、入力桁の指定を促すことができるようになっている。
【0037】
この時、顧客は、暗証番号入力エリア200で空白表示となっている桁のいずれかをタッチ操作することにより、入力を希望する桁を自由に指定できるようになっている。つまり、本実施形態では、入力表示部3(暗証番号入力画面31)が暗証番号の数字の入力順序の指定を、数字の入力毎に前記タッチ操作によって受付けるようになっている。
【0038】
ここで、暗証番号入力エリア200へのタッチ操作が検知されれば(ステップS402:YES)、制御部2は、ステップS403に移行する一方、暗証番号入力エリア200へのタッチ操作が検知されなければ(ステップS402:NO)、タッチ操作を検知するまで、ステップS402の処理を繰り返し、図6の表示状態のまま待機する。
【0039】
ステップS403では、制御部2が、顧客によりタッチ操作された座標位置に基づき、指定された桁を認識し、ステップS404に移行する。ステップS404では、制御部2が、暗証番号の数字の入力順序と指定された桁とを関連付けて入力順序の設定を行なう。なお、本明細書では、桁数の説明をする際、入力表示部3(暗証番号入力画面31)の画面左端の桁を1桁目とし、右方向に向かって順番に2桁目、3桁目、…と数えることとする。
【0040】
本実施形態では、例えば、図6に示すように、2桁目が指定された時、制御部2が、1番目に入力する桁が2桁目であると認識し、数字の入力順序(1番目)と指定された桁(2桁目)とを関連付けて入力順序の設定を行なう。そして、制御部2は、その設定内容をメモリに都度記憶させるようになっている。
【0041】
そして、制御部2は、ステップS405に移行し、入力表示部3が、顧客のタッチ操作により指定された桁(ここでは2桁目)への数字入力を受付けるための処理を実行する。
【0042】
このステップS405では、制御部2が、図7に示すように、指定した2桁目に数字を入力することを要求するメッセージをメッセージ表示部203Aに表示させるとともに、暗証番号入力エリア200の2桁目の外周のみを囲むように入力案内表示部203Cを表示させ、現在入力を要求している桁を強調する。
【0043】
ここで、顧客は、暗証番号入力キー201の中から、所定の数字キーをタッチ操作することにより、暗証番号の2桁目の数字を1番目に入力することが可能となる。そして、制御部2は、顧客による数字入力の操作を検知すると、図8に示すように、暗証番号入力エリア200の2桁目の位置に「*」を表示させ、入力された数字を、その入力順序および指定された桁と関連付けてメモリに記憶させる。
【0044】
次に、制御部2は、ステップS406に移行し、全ての桁に数字が入力されたか否かを判定する。この時、制御部2は、全ての桁に数字が入力されていないと判定すれば(ステップS406:NO)、ステップS401の処理に戻り、図8に示すように、数字入力桁の指定を要求するメッセージを再びメッセージ表示部203Aに表示させるとともに、暗証番号入力エリア200の外周に入力案内表示部203Bを表示させる。
【0045】
ここで、図8に示す状態では、既に2桁目の入力がなされているため、顧客は、暗証番号入力エリア200において「*」が表示されていない、空白表示の1、3、4桁目の中から2番目に入力を希望する桁を指定することができる。
【0046】
入力表示部3は、以降、3番目、4番目に入力を希望する桁の指定と各桁への数字入力とを受付け、制御部2は、全ての桁に数字が入力されるまで、ステップS401〜S406の処理を繰り返す。そして、全ての桁に数字が入力されたと判定すれば(ステップS406:YES)、制御部2は、ステップS407に移行し、顧客によって入力された数字をメモリから読出す。
【0047】
ここで、メモリでは、上述したように、入力された数字と、入力順序および指定された桁とが関連付けて記憶されているため、これらの関連付けられた情報から入力された暗証番号を特定する。そして、制御部2は、暗証番号の情報をホストコンピュータ11に送信して、暗証番号入力受付け制御サブルーチンを終了し、該ホストコンピュータ11から認証結果に関連する信号が送信されるまで待機する。
【0048】
図4に示す暗証番号入力受付け制御サブルーチンが終了すると、図3に示す処理に戻り、ホストコンピュータ11から暗証番号が一致した旨の認証結果を制御部2が受信すると、該制御部2は、ステップS304において支払金額入力画面を入力表示部3に表示させ、支払い金額の入力を受付ける。ここで、顧客が入力表示部3で支払金額を入力すると、制御部2は、入力された支払金額の情報をホストコンピュータ11に送信し、ホストコンピュータ11からの応答信号が送信されるまで待機する。
【0049】
そして、制御部2は、ホストコンピュータ11から、取引実施の許可を判定した旨の応答信号を受信すると、ステップS305において、顧客に対してカードを抜取るように案内する画面を入力表示部3に表示させるとともに、カード/明細票機構部4から顧客のカードを放出させ、抜取り待ち状態で待機する。
【0050】
ここで、顧客によってカードを抜取られたことを検知すると、ステップS306において、制御部2は、顧客に対して現金を抜取るように案内する画面を入力表示部3に表示させ、紙幣入出金機構部6および硬貨入出金機構部7から現金を放出させ、抜取り待ち状態で待機する。顧客によって、現金を抜取られたことを検知すると、制御部2は、取引のための一連の処理を終了する。
【0051】
このように、本実施形態では、入力表示部3の暗証番号入力エリア200が、ステップS401において、暗証番号の数字の入力順序の指定を、数字の入力毎に顧客のタッチ操作により受付けている。つまり、暗証番号入力エリア200が、指定受付け手段(受付け部)として機能している。
【0052】
また、制御部2は、ステップS404の処理を実行することにより、暗証番号入力エリア200のタッチ操作による入力順序の指定に基づいて前記入力順序を設定する設定手段として機能している。
【0053】
そして、本実施形態では、上述したように、前記入力順序の指定を、数字の入力毎に受付けることで、結果として、前記入力順序の指定を取引毎に受付けることができ、換言すれば、前記入力順序を取引毎に変更することが可能になっている。
【0054】
この場合、暗証番号を入力する際、指先の動きから第三者によって暗証番号入力キー201の操作が確認されたとしても、暗証番号の入力順序が取引毎に変更されることで、第三者は、数字の配列までを確認することは困難になる。従って、暗証番号の漏洩を防止し、セキュリティの向上を図ることができる。
【0055】
また、前記入力順序の指定を、数字の入力毎に顧客自身のタッチ操作によって受付けることで、例えば、2桁目に入力すべき数字を誤って1桁目に入力するといった入力ミスを低減することができ、顧客にとっての使い勝手をより向上させることができる。
【0056】
なお、上述したように、入力を希望する桁を顧客が自由に指定できるように構成した場合、該指定を、暗証番号入力エリア200のタッチ操作により受付けることには必ずしも限定されず、例えば、暗証番号入力キー201の数字キー「1」〜「4」のタッチ操作によって前記指定を受付けるようにしてもよい。
【0057】
ところで、上述した実施形態では、前記入力順序を、顧客のタッチ操作によって自由に指定できるようにしているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、前記入力順序を取引毎にランダムに指定する手段をATM1(例えば、制御部2)に備えてもよい。この場合、前記手段としては、例えば、予めメモリに記憶された複数の入力順序パターンの中から取引毎に1つをランダムに読出すことによって前記入力順序を決定するものでもよいし、前記入力順序を乱数に基づいてランダムに決定するものでもよい。
【0058】
また、前記入力順序を取引毎にランダムに指定する手段をホストコンピュータ11に備えてもよい。図9は、前記入力順序を取引毎にランダムに指定する手段をホストコンピュータ11に備えた他の実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンを示すフローチャートであり、図10〜図12は、他の実施形態に係る暗証番号入力画面131の一例を示す図である。なお、以下に説明する各実施形態では、ATM1やホストコンピュータ11のハードウェア構成が、図1〜図8に示す先の実施形態と略同様であるため、先の実施形態と同様の構成要件は同一の符号を付して説明を省略する。また、ATM1の取引処理に関連する図3相当のフローチャートも、先の実施形態と略同様であるため、その詳細な説明を省略することとし、主に暗証番号入力受付け制御サブルーチンについて詳細に説明する。
【0059】
本実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンでは、先ず、ATM1の制御部2が、ホストコンピュータ11に対し、後述する入力順序指定信号を要求する旨の信号を送信する(ステップS901)。
【0060】
これに対し、ホストコンピュータ11では、制御部2からの前記信号を受信すると、ホストコンピュータ制御部15が、前記入力順序をランダムに決定する。例えば、予め各種ファイル17に複数の入力順序パターンを記憶しておき、ホストコンピュータ制御部15が、その中から取引毎に1つをランダムに読み出すことによって前記入力順序を決定するか、または、乱数に基づいて前記入力順序をランダムに決定する。
【0061】
このようにして、入力順序を決定すると、ホストコンピュータ制御部15は、決定した入力順序に関連する入力順序指定信号を生成し、制御部2に対して返信するようになっている。
【0062】
制御部2は、ホストコンピュータ制御部15から前記入力順序指定信号を受信すると、該信号に基づいて前記入力順序を設定する(ステップS902)。
【0063】
そして、制御部2は、ステップS903に移行し、入力表示部3が、前記入力順序指定信号に基づく順序で数字入力を受付けるための処理を実行する。
【0064】
このステップS903では、制御部2が、図10〜図12に示すような暗証番号入力画面231を表示させ、前記入力順序指定信号に基づいて設定した入力順序に従い、指定した桁に数字を入力することを要求するメッセージを、数字入力毎にメッセージ表示部203Aに順次表示させるとともに、暗証番号入力エリア200の対応する桁に入力案内表示部203Cを表示させる。
【0065】
次に、制御部2は、顧客による数字入力の操作を検知すると、入力された数字を、その入力順序および指定された桁と関連付けてメモリに記憶させる。そして、制御部2は、ステップS904に移行し、全ての桁に数字が入力されたか否かを判定する。
【0066】
この時、制御部2は、全ての桁に数字が入力されていないと判定すれば(ステップS904:NO)、ステップS903の処理に戻り、次に指定した桁に数字を入力することを要求するメッセージ等を表示させ、以降、制御部2は、全ての桁に数字が入力されるまで、ステップS903、S904の処理を繰り返す。
【0067】
ここで、図10〜図12に示す例では、前記入力順序指定信号に基づき、2桁目、4桁目、3桁目、1桁目の順序で数字を入力させる設定となっている。制御部2は、指定した桁に数字を入力することを要求するメッセージを、図10〜図12に示すように、前記順序に従って数字入力毎にメッセージ表示部203Aに順次表示させるとともに、暗証番号入力エリア200の対応する桁の外周のみを囲むように入力案内表示部203Cを順次表示させ、現在入力を要求している桁を強調する。
【0068】
そして、全ての桁に数字が入力されたと判定すれば(ステップS904:YES)、図4に示すステップS407に対応するステップS905の処理を実行して、暗証番号入力受付け制御サブルーチンを終了する。
【0069】
ここで、本実施形態では、ホストコンピュータ制御部15および回線接続部12が、前記入力順序に関連する入力順序指定信号を生成して、ATM1(制御部2)に送信する信号送信手段として機能している。
【0070】
また、回線接続部8が、前記入力順序指定信号を受信して前記入力順序の設定を受付ける指定受付け手段として機能している。そして、制御部2は、ステップS902の処理を実行することにより、前記入力順序指定信号に基づいて前記入力順序を設定する設定手段として機能している。
【0071】
このように、前記入力順序の指定を、ATM1(制御部2)やホストコンピュータ11(ホストコンピュータ制御部15)で実行することにより、顧客が前記入力順序を指定する手間を省くことができる。このため、1回の取引当りに要する時間を短縮することができ、特に、後続の顧客が列をなして順番待ちをしている混雑時での待ち時間増大を抑制できる。
【0072】
また、特に、前記入力順序の指定を、ホストコンピュータ11で実行することにより、制御部2の演算処理の負荷を軽減することができる。この場合、高い演算処理能力を有する制御部2をATM1毎に備える必要がないことから、結果的に、ATM1の設置コストの増大を抑制することができる。
【0073】
図13は、さらに他の実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンを示すフローチャートであり、図14〜図16は、暗証番号入力画面331の一例を示す図である。
【0074】
本実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンでは、先ず、制御部2が、図4のステップS401〜S403に略対応するステップS1301〜S1303の処理を実行する。この時、制御部2は、図14に示すように、暗証番号の入力開始桁(位置)の指定を要求するメッセージをメッセージ表示部203Aに表示させるとともに、暗証番号入力エリア200の外周を囲むように枠状の入力案内表示部203Bを表示させる。
【0075】
そして、制御部2は、図15に示すように、指定した入力開始桁(ここでは4桁目)に数字を入力することを要求するメッセージをメッセージ表示部203Aに表示させるとともに、対応する暗証番号入力エリア200の桁に入力案内表示部203Cを表示させ、現在入力を要求している桁を強調する。
【0076】
次に、顧客が、暗証番号入力キー201の中から、所定の数字キーをタッチ操作することにより入力開始桁に数字を入力すると、制御部2は、入力された数字を、その入力順序および指定された桁と関連付けてメモリに記憶させる。そして、ステップS1304に移行し、制御部2は、ステップS1303により認識された桁に基づき、指定された入力開始桁から暗証番号の数字配列に従って順番に数字を入力するように暗証番号の数字の入力順序を設定する。
【0077】
そして、制御部2は、ステップS1305に移行し、入力表示部3が、数字配列に従った数字入力を受付けるための処理を実行する。
【0078】
このステップS1305では、制御部2が、ステップS1304にて設定した入力順序に基づいて、図16に示すような暗証番号入力画面331を表示させ、指定された入力開始桁から暗証番号の数字配列に従って順番に数字を入力することを要求するメッセージを、暗証番号入力画面331(メッセージ表示部203A)に表示させる。
【0079】
次に、制御部2は、顧客による数字入力の操作を検知すると、入力された数字を、その入力順序および指定された桁と関連付けてメモリに記憶させる。そして、ステップS1306に移行し、全ての桁に数字が入力されたか否かを判定する。この時、制御部2は、全ての桁に数字が入力されていないと判定すれば(ステップS1306:NO)、ステップS1305の処理に戻り、以降、制御部2は、全ての桁に数字が入力されるまで、ステップS1305、S1306の処理を繰り返す。
【0080】
そして、全ての桁に数字が入力されたと判定すれば(ステップS1306:YES)、図4に示すステップS407に対応するステップS1307の処理を実行して、暗証番号入力受付け制御サブルーチンを終了する。
【0081】
ここで、ステップS1304では、制御部2は、例えば、入力開始桁から数字配列に従い画面右方向へ順番に数字を入力するような設定を行なう。但し、全ての桁の入力完了前に、右端の桁に数字が入力される場合が想定されるため、この場合には、次に入力する桁として、左端の桁を指定するような設定を行なう。
【0082】
図15、図16に示す例では、入力開始桁として右端の4桁目が指定されている。このように、全ての桁の入力完了前に、右端の4桁目に数字が入力された時には、制御部2は、次(ここでは2番目)に入力する桁として、左端の1桁目を指定するような設定を行なう。
【0083】
このように、本実施形態では、表示制御部3の暗証番号入力エリア200が、ステップS1301において、暗証番号の数字の入力開始桁の指定を、取引毎に顧客のタッチ操作により受付けており、暗証番号入力エリア200が、入力開始桁指定受付け部として機能している。
【0084】
また、制御部2は、ステップS1304の処理を実行することにより、指定された入力開始桁から暗証番号の数字配列に従って順番に数字を入力するように前記入力順序を設定する設定手段として機能している。
【0085】
このように、指定された入力開始桁から暗証番号の数字配列に従って順番に数字を入力するような設定とすることで、数字の入力ミスを低減できるとともに、顧客が前記入力順序を指定する操作をより簡素化することができる。
【0086】
なお、上述した実施形態では、前記入力開始桁の指定を、顧客のタッチ操作によって受付けることとしたが、例えば、入力開始桁を取引毎にランダムに指定する手段をATM1(制御部2)やホストコンピュータ11に備えてもよい。
【0087】
また、ステップS1304では、入力開始桁から数字配列に従い画面左方向へ順番に数字を入力するような設定を行なってもよい。
【0088】
図17は、さらに他の実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンを示すフローチャートであり、図18〜図20は、暗証番号入力画面431の一例を示す図である。
【0089】
本実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンでは、制御部2が、図18〜図20に示すような暗証番号入力画面431を表示させる。制御部2は、先ず、暗証番号入力エリア200の4つの桁のうち、入力を希望する桁の指定を暗証番号入力画面431で受付けるための処理を実行する(ステップS1701)。
【0090】
ステップS1701では、制御部2が、図18に示すように、数字入力桁(位置)の指定を要求するメッセージをメッセージ表示部203Aに表示させるとともに、数字入力桁の指定および数字入力を、暗証番号入力キー201を構成する数字キー201a、201b(図18、図19参照)のドラッグアンドドロップ操作によって行なうように要求するメッセージも併せて表示させる。そして、暗証番号入力エリア200の外周を囲むように入力案内表示部203Bも表示させる。
【0091】
この時、入力表示部3(暗証番号入力画面431)は、数字キー201a、201bの、暗証番号入力エリア200上へのドラッグ操作を受付けるとともに、暗証番号入力エリア200で空白表示となっている桁のいずれかでのドロップ操作を受付けており、この数字キーキー201a、201bのドラッグアンドドロップ操作により、顧客は、入力を希望する桁を指定できるようになっている。つまり、本実施形態では、入力表示部3が、前記入力順序の指定を、数字キーキー201a、201bのドラッグアンドドロップ操作によって受付けるようになっている。
【0092】
ここで、暗証番号入力エリア200への数字キー201a、201bのドラッグアンドドロップ操作が検知されれば(ステップS1702:YES)、ステップS1703に移行する一方、暗証番号入力エリア200へのドラッグアンドドロップ操作が検知されなければ(ステップS1702:NO)、ドラッグアンドドロップ操作を検知するまで、ステップS1702の処理を繰り返し、図18の表示状態のまま待機する。
【0093】
ステップS1703では、数字キー102a、102bがドロップ操作された座標位置に基づき、制御部2が、指定された桁を認識するとともに、ドロップ操作された数字キー102a、102bに基づいて入力された数字を認識し、ステップS1704に移行する。
【0094】
そして、ステップS1704では、制御部2が、前記入力順序と指定された桁とを関連付けて入力順序の設定を行ない、併せてその設定内容と、ドラッグアンドドロップ操作によって入力された数字とを関連付けてメモリに記憶させる。
【0095】
本実施形態では、例えば、図18に示すように、2桁目が指定され、数字キー102aがドラッグアンドドロップ操作された時、制御部2が、1番目に入力する桁が2桁目であると認識し、さらには、数字の入力順序(1番目)と、指定された桁(2桁目)と、入力された数字(5)とを関連付けてメモリに記憶するようになっている。
【0096】
次に、制御部2は、ステップS1705に移行し、全ての桁に数字が入力されたか否かを判定する。この時、制御部2は、全ての桁に数字が入力されていないと判定すれば(ステップS1705:NO)、ステップS1701の処理に戻る。
【0097】
ここで、図19に示す状態では、既に2桁目の入力がなされているため、顧客は、暗証番号入力エリア200において「*」が表示されていない、空白表示の1、3、4桁目の中から2番目に入力を希望する桁を指定することができる。次に、図20に示す状態では、既に2、4桁目の入力がなされているため、顧客は、空白表示の1、3桁目の中から3番目、4番目に入力を希望する桁を指定することができる。
【0098】
このように、制御部2は、全ての桁に数字が入力されるまで、ステップS1701〜S1705の処理を繰り返す。そして、全ての桁に数字が入力されたと判定すれば(ステップS1705:YES)、図4に示すステップS407に対応するステップS1706の処理を実行して、暗証番号入力受付け制御サブルーチンを終了する。
【0099】
このように、本実施形態では、前記入力順序の指定を、数字キー102a、102bのドラッグアンドドロップ操作によって受付けることにより、暗証番号を入力する際、ドラッグアンドドロップ操作時における指先の動きは極めて複雑なものとなるため、第三者によって暗証番号入力キー201の操作を確認することがより困難となる。従って、前記入力順序が取引毎に変更されることに加え、ドラッグアンドドロップ操作時における指先複雑な動きにより、第三者による暗証番号の確認をより困難にすることができる。
【0100】
なお、上述した実施形態では、前記入力順序の指定を、数字入力毎にドラッグアンドドロップ操作によって受付けることとしたが、例えば、図13〜図16に示す実施形態において、入力開始桁の指定をドラッグアンドドロップ操作によって受付けるようにしてもよい。
【0101】
また、この他にも、暗証番号入力エリア200で空白表示となっている桁上を画面左右方向に往復移動する案内表示部と、顧客のタッチ操作によって、前記案内表示部を現在位置している桁に停止させるストップボタンとを備える構成でもよい。この場合、入力表示部3は、ストップボタンの操作を検知することにより、前記案内表示部が停止した桁への数字入力を受付けるようにする。
【0102】
このような構成であっても、前記入力順序の指定を、数字の入力毎に受付けることが可能であり、結果として、前記入力順序の指定を取引毎に変更することが可能である。
【0103】
ところで、上述した各実施形態では、暗証番号の数字の入力順序の指定を取引毎に受付けることとしたが、本発明では、これに加え、暗証番号入力キー201の入力表示部3における表示(座標)位置を変更したり、さらには、暗証番号入力キー201の数字キーの配列を変更したりしてもよい。
【0104】
図21は、暗証番号入力キー201の表示位置、および/又は数字キーの配列を取引毎に変更する実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンを示すフローチャートであり、図22は、暗証番号入力画面531の一例を示す図、図23は、数字キーの配列を取引毎に変更する場合について説明するための図である。
【0105】
本実施形態に係る暗証番号入力受付け制御サブルーチンでは、暗証番号の数字の入力順序の指定を受付けるのに先立って、制御部2が、暗証番号入力キー201の表示位置、および/又は数字キーの配列を取引毎に変更する暗証番号入力キー表示変更サブルーチンを実行する(ステップS2101)。制御部2は、このステップS2101の処理を実行することにより、キー表示制御手段として機能している。
【0106】
例えば、図22に示す例では、制御部2により、暗証番号入力キー201の表示位置が、図中二点鎖線にて符号201A〜201Cで示すように取引毎に変更されている。この表示位置の変更は、例えば、制御部2が、表示位置の座標を乱数に基づいて決定する等、公知の技術を用いて実行することができる。
【0107】
また、図23に示す例では、制御部2により、数字キーの配列が、次取引、次々取引、…で各々異なっており、それぞれランダムな配置となっている。数字キーの配列の変更は、例えば、制御部2が、数字キーの配列を乱数に基づいて変更する等、公知の技術を用いて実行することができる。
【0108】
そして、このように、暗証番号入力キー201の入力表示部3における表示位置や、数字キーの配列を変更した後、制御部2は、例えば、図4のステップS401〜ステップS407に対応するステップS2102〜ステップS2108を実行し、暗証番号の入力を受付ける。
【0109】
この場合、前記入力順序の変更に加え、暗証番号入力キー201の表示位置、および/又は数字キーの配列の変更により、第三者による暗証番号の確認をより困難にすることができる。
【0110】
ところで、図23に示すように、数字キーの配列を変更可能とする場合には、例えば、図22に示すようなリセットボタン204を暗証番号入力画面531に表示し、顧客がこのリセットボタン204をタッチ操作した時、一旦ランダムな配列で表示された数字キーを、数字の大小に従った配列に戻す(リセットする)ことができるようにしてもよい。
【0111】
なお、図21に示す実施形態では、ステップS2107において、全ての桁に数字が入力されていないと制御部2が判定すれば(ステップS2207:NO)、ステップS2102の処理に戻るようになっているが、例えば、ステップS2101の処理に戻るようにして、暗証番号入力キー201の表示位置や数字キーの配列を数字の入力毎に変更するようにしてもよい。
【0112】
また、図23では、縦横に整列された状態のまま数字キーの配列を変更することとしたが、例えば、特開平6−12440号公報に開示されているように、数字キーのレイアウトを三角形状やサークル状等様々な形状に変更してもよい。
【0113】
また、図21に示すフローチャートは、暗証番号入力キー201の表示位置、および/又は数字キーの配列の変更処理を、図1〜図8に示す実施形態に適用した場合について説明したが、これに限らず、図9〜図20に示す他の実施形態に適用してもよい。
【0114】
なお、上述した各実施形態で説明したフローチャートや表示画面は、図示したものに限定されるものでなく、本発明の趣旨の範囲内において種々変化可能である。
【0115】
さらに、上述した各実施形態では、金融取引を行なうためのATM1を一例として説明を行なったが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものでなく、例えば、顧客が希望する種別の現金に換金する両替機、さらには公共施設に設置され、顧客が希望する取引に対して暗証番号の入力が必要となる情報端末や自動販売機等、その他様々な取引処理装置において適応可能である。
【符号の説明】
【0116】
1…自動取引装置
2…制御部
3…入力表示部
11…ホストコンピュータ
15…ホストコンピュータ制御部
31、131、231、331、431、531…暗証番号入力画面
201…暗証番号入力キー
201a、201b…数字キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引操作に関連する情報を表示するとともに、顧客のタッチ操作による入力を受付ける入力表示手段を備え、
該入力表示手段が、暗証番号の数字を入力する操作を顧客のタッチ操作により受付ける暗証番号入力キーを有している自動取引装置であって、
暗証番号の数字の入力順序の指定を取引毎に受付ける指定受付け手段と、
該指定受付け手段で受付けた指定に基づいて前記入力順序を設定する設定手段を備えた
自動取引装置。
【請求項2】
前記入力表示手段は、前記入力順序の指定を、前記数字の入力毎に顧客のタッチ操作により受付ける指定受付け部を有し、
該指定受付け部により、前記指定受付け手段を構成しており、
前記設定手段は、前記指定受付け部での指定に基づいて、前記入力順序を設定する構成である
請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記入力表示手段は、前記数字の入力開始桁の指定を、取引毎に顧客のタッチ操作により受付ける入力開始桁指定受付け部を有し、
該入力開始桁指定受付け部により、前記指定受付け手段を構成しており、
前記設定手段は、前記入力開始桁指定受付部での指定に基づき、入力開始桁から前記数字の配列方向に従って順番に数字を入力するように、前記入力順序を設定する構成である
請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記指定受付け手段は、前記暗証番号入力キーを構成する数字キーの、前記入力表示手段上での顧客のドラッグアンドドロップ操作により、前記入力順序の指定を受付ける構成である
請求項1〜3の何れか1つに記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記暗証番号入力キーを構成する数字キーの表示位置を変更するキー表示制御手段を有する
請求項1〜4の何れか1つに記載の自動取引装置。
【請求項6】
前記キー表示制御手段は、前記数字キーの配列を、乱数に基づいて変更する構成である
請求項5記載の自動取引装置。
【請求項7】
取引操作に関連する情報を表示するとともに、顧客のタッチ操作による入力を受付ける入力表示手段を備え、
該入力表示手段が、暗証番号の数字を入力する操作を顧客のタッチ操作により受付ける暗証番号入力キーを有している自動取引装置と、
該自動取引装置と通信可能に接続された上位制御装置とを備えた自動取引システムであって、
前記上位制御装置は、暗証番号の数字の入力順序に関連する入力順序指定信号を取引毎に生成して、前記自動取引装置に送信する信号送信手段を備えるとともに、
前記自動取引装置は、前記入力順序指定信号を受信して前記入力順序の指定を受付ける指定受付け手段と、
該指定受付け手段で受付けた前記入力順序指定信号に基づいて、前記入力順序を設定する設定手段とを備えた
自動取引システム。
【請求項8】
暗証番号の数字を入力する操作を、自動取引装置に備えた入力表示手段の暗証番号入力キーのタッチ操作により受付けるステップを有する自動取引方法であって、
指定受付け手段により、暗証番号の数字の入力順序の指定を取引毎に受付けるステップと、
前記入力順序を、前記指定受付け手段で受付けた指定に基づいて、設定手段により設定するステップとを有する
自動取引方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−108796(P2012−108796A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258183(P2010−258183)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】