説明

自動取引装置制御システム

【課題】金融機関の自動取引装置中に必須のデバイスを設けない小型の自動取引装置を混在させて利用できるようにする。
【解決手段】入出金のための取引処理を制御し、取引データ58を業務用記憶装置16に記憶させ、取引データ58を管理用に形式変換して管理用記憶装置18に記憶させる業務アプリケーション38を有し、立ち上げ時に、非接続デバイスから出力されるべき疑似レスポンス信号を生成してブラウザ42に送信するエミュレータと、業務アプリケーション38に対して、非接続デバイスを使用しないモードで起動するように、初期設定をする初期設定手段64を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関等で使用される自動取引装置の主要デバイス装着を省略できる自動取引装置制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関の自動取引装置は、それぞれその金融機関固有のコンピュータシステムにより運用されてきた。特に、堅牢で高い信頼性とセキュリティを確保することに重点を置き、独自のサービスを生かすためのシステム開発がなされてきた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−343801号公報
【特許文献21】特開平9−138829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年になって、金融機関の合併が頻発し、さらには、顧客の便宜を図るために、自動取引装置の相互利用や共有化が強く要求されるようになった。しかし、それぞれ独自に設計開発されたコンピュータシステムを相互に接続して連携させるのは容易でない。いずれか一方のシステムに統合するために、他方のシステムの既存の自動取引装置やその制御のためのソフトウエアやハードウエアを一挙に廃棄して更新するのは不経済で現実的でない。従ってアプリケーションの整理統合が必要である。さらに、金融機関の店舗では、自動取引装置の設置スペースが問題になっている。混雑をしてもスペースが不足して増設が困難なケースも少なく無い。また、現場の係員が利用者に操作案内をするとき、隣接する自動取引装置の操作に邪魔になることもある。また、操作案内の話し声が周辺に聞こえるのも好ましくない。ノート型のコンピュータに処理をさせて、スペースと操作場所の問題を解決することが考えられるが、自動取引装置は現金入出金デバイス等と一体に制御され、その一部でも不備な場合には、正常に起動することもできない。自動取引装置とほぼ等価の処理ができないと、金融機関では採用されない。ノート型のコンピュータに自動取引装置と同等の処理をさせるための新たなプログラム開発には時間とコストがかかる。
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明は、デバイスが接続されていないタブレット型やモバイル型のコンピュータも全く共通のアプリケーションを使用でき、互換性が良く、さらに、従来自動取引装置では処理することができなかった処理も可能にした自動取引装置制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
〈構成1〉
入出金のための取引処理時に駆動される機構が含まれている自動制御デバイスと、この自動制御デバイスを制御して、入出金のための取引処理を実行するコンピュータプログラム群を動作させるコンピュータを有するものであって、前記コンピュータプログラム群は、前記入出金のための取引処理を所定の手順に従って制御し、前記取引処理の結果生成された取引データを業務用記憶装置に記憶させ、さらに、前記取引データを管理用に形式変換して管理用記憶装置に記憶させる処理を実行する業務アプリケーションと、前記業務アプリケーションとは別個独立に動作し、前記管理用記憶装置に記憶された取引データを読み取って、前記自動制御デバイスを含む自動取引装置の保守管理処理を実行する管理アプリケーションと、前記業務アプリケーションと通信をして、前記入出金のための取引処理時に操作される取引画面を表示し、前記取引データの入出力処理を実行し、前記管理アプリケーションと通信をして、前記保守管理処理のためのデータの入出力処理を実行し、前記自動制御デバイスを制御するためのデータ通信をするブラウザと、前記ブラウザからコマンドを受信して、このコマンドを自動制御デバイス用に形式変換をしてその自動制御デバイスに送信し、該当する自動制御デバイスからレスポンスを受信して、このレスポンスをブラウザ用に形式変換をして前記ブラウザに送信するミドルウエアと、前記ブラウザとミドルウエアとの間のプログラム間通信を制御するアプリケーションインタフェースと、前記ブラウザからアプリケーションインタフェースを通じて前記ミドルウエアに対して非接続デバイスに対するコマンドが送信されたとき、該当する非接続デバイスから出力されるべき疑似レスポンス信号を生成して前記ブラウザに送信するエミュレータと、前記業務アプリケーションに対して、前記非接続デバイスを使用しないモードで起動するように、初期設定をする初期設定手段とを備えたことを特徴とする自動取引装置制御システム。
【0006】
〈構成2〉
構成1に記載の自動取引装置制御システムにおいて、前記コンピュータプログラム群には、自動取引装置の取引処理を制御する業務アプリケーションとともに、金融機関の窓口業務を含む係員操作業務を制御する係員用アプリケーションが含まれることを特徴とする自動取引装置制御システム。
【0007】
〈構成3〉
構成1または2に記載の自動取引装置制御システムにおいて、現金自動入出金機の接続された他の自動取引装置が操作されて、現金が金融機関の特定口座に入金された後に、該当する入金取引情報を表示する媒体を読み取る媒体読み取りデバイスと、前記入金取引情報に基づいて、前記特定口座に入金された現金の処理を実行する現金処理モジュールと、を備えたことを特徴とする自動取引装置制御システム。
【0008】
〈構成4〉
構成1乃至3のいずれかに記載の自動取引装置制御システムにおいて、金融機関の同一店舗内に、現金自動入出金機を含むデバイスを接続した自動取引装置と、一部のデバイスを省略して前記エミュレータと初期設定手段とを含む自動取引装置を混在させたことを特徴とする自動取引装置制御システム。
【0009】
〈構成5〉
コンピュータを、構成1に記載の手段として機能させる自動取引装置制御プログラム。
【0010】
〈構成6〉
コンピュータを、構成1に記載の手段として機能させる自動取引装置制御プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0011】
〈構成1の効果〉
装置の立ち上げ時に、エミュレータ61が、現金自動入出金機24が接続されているかのように応答する。さらに、初期設定手段64が、業務アプリケーション38に対して、非接続デバイスを使用しないモードで起動するように初期設定をするので、業務アプリケーション38は、現金自動入出金機が接続されている自動取引装置と全く同様の取引処理を開始できる。
〈構成2の効果〉
係員操作業務を制御する係員用アプリケーションが含まれていると、顧客も金融機関の係員も、同じパーソナルコンピュータやタブレット型コンピュータを操作して、様々な金融取引ができる。
〈構成3の効果〉
現金自動入出金機の接続された他の自動取引装置を操作して、金融機関の特定口座に現金を入金し、この入金取引情報を使用すると、パーソナルコンピュータやタブレット型コンピュータで特定の取引を完結させることができる。
〈構成4の効果〉
金融機関の同一店舗内に、必要十分なデバイスを備えた自動取引装置と、デバイスの一部を省略したモバイル的な自動取引装置を混在させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
[コンピュータの構成]
図1と図2は実施例1の自動取引装置制御システム10を示すブロック図である。円内にはその外観の一例を示す。図1は主要なデバイスが接続されていない自動取引装置13、図2は、通常の預貯金の入出金操作ができる自動取引装置11を使用している。
図1と図2の装置を比較しながら説明をする。両図の同一の機能を持つ部分は同一符号を付した。両者を比較してわかるように、図1の装置13には、現金自動入出金機24の代わりに、エミュレータ61が設けられている。以下、まず、共通部分の説明をする。
【0014】
自動取引装置制御システム10は、自動取引装置13、11に内蔵されたコンピュータ12により制御される。コンピュータ12は演算処理装置14と業務用記憶装置16と管理用記憶装置18とを備えている。コンピュータ12は、自動制御デバイス20を制御して入出金等の取引処理を実行する。利用者は、自動取引装置11のディスプレイ22に表示された画面を見ながら入出金等の取引処理を実行する。図2の自動取引装置11は専用に設計された顧客操作用のコンソールに収容されている。一方、図1の自動取引装置13には、ノート型パーソナルコンピュータのように、汎用のモバイル型のコンピュータを利用する。
【0015】
自動取引装置11の自動制御デバイス20には、現金自動入出金機24やカードリーダライタ30や通帳レシートプリンタ34が設けられている。現金自動入出金機24は、紙幣デバイス26と硬貨デバイス28とを備えている。これらにより紙幣や硬貨の入出金処理をする。カードリーダライタ30はカードデバイス32を備えている。これはキャッシュカードの読み書きを制御する。通帳レシートプリンタ34は通帳デバイス36とレシートデバイス37を備えている。通帳デバイス36は通帳の印刷を制御する。レシートデバイス37はレシートの印刷を制御する。自動取引装置11は、これらの自動制御デバイスに入出金のための取引処理を実行させる。
【0016】
図1に示した自動取引装置13には現金自動入出金機24が接続されていない。現金自動入出金機24は自動取引装置にとって必須のデバイスである。従って、装置の立ち上げ時に現金自動入出金機24が接続されていないと判断されると、通常は取引業務を開始せずに、保守点検モードに切り替わる。この自動取引装置13は、自動取引装置11と全く同じプログラムで制御されているが、必須のデバイスがなくても正常に立ち上がる。このためにエミュレータ61が設けられている。
【0017】
コンピュータ12には、ブラウザ42とミドルウエア44とアプリケーションインタフェース46をインストールする。さらに、この自動取引装置が自立して取引処理を実行する機能を持つように、業務アプリケーション38と管理アプリケーション40をインストールする。なお、業務アプリケーション38と管理アプリケーション40とは、1台のコンピュータにインストールされてもよいし、それぞれ、自動取引装置に内蔵された別個のコンピュータに独立にインストールされても構わない。
【0018】
業務アプリケーション38は、入出金のための取引処理を所定の手順に従って制御し、取引データ58を業務用記憶装置16に記憶させる機能を持つ。取引処理というのは、例えば、預金の引き出し処理とか、送金処理といった処理である。業務アプリケーション38は、さらに、取引処理の結果得られた取引データ58を、定型フォーマットの取引データ59に変換した上で、アプリケーションインタフェース46を通じて管理用記憶装置18に記憶させる機能を持つ。
【0019】
業務アプリケーション38は、金融機関の独自性を許容し、金融機関が独自に改変できるように、既存のシステムを踏襲したプログラムでよい。業務用記憶装置16に記憶させる取引データ58のフォーマットも金融機関固有の形式で構わない。しかし、多種多様な自動取引装置の動作や取引状態を監視し管理するには、共通性の高い管理システムがどうしても必要になる。そこで、まず、業務アプリケーション38に、取引データ58を共通性のある定型フォーマットに変換する機能を付与して、管理に適した取引データ59を用意するようにした。
【0020】
管理アプリケーション40は、管理用記憶装置18に記憶された取引データ59を利用して、自動制御デバイス20を含む自動取引装置の保守管理処理を制御する機能を持つ。保守管理処理とは、例えば、自動取引装置の障害除去や、金庫に収納された現金の計数処理とか、取引ログの出力処理といった管理者の行う処理である。管理アプリケーション40は、業務アプリケーション38とは別個独立に動作するように構成されている。業務アプリケーション38は、金融機関が固有のサービスを提供するために設計され、随時自由に改変される。一方、管理アプリケーション40や管理用の取引データ59は定型化されており、いずれの金融機関の自動取引装置にも共通化することができる。
【0021】
ブラウザ42は、ユーザが操作をして入出金のための取引処理を実現するときに、ディスプレイ22を利用したマンマシンインタフェースとして機能する。業務アプリケーション38や管理アプリケーション40は、ブラウザ42により表示されるウェブページを含む。ウェブページは、HTML(Hyper Text Mark-up Language)、SGML(Standard Generalized Mark-up Language)、XML(eXtensible Markup Language) 等の形式で作成されたものである。ウェブページのデータ中には、VBScript(登録商標)(Visual Basic Script:Microsoft社の開発したプログラミング言語)やJava(登録商標)(Sun Microsystems社の開発したプログラミング言語)、JavaScript(登録商標)(Sun Microsystems社とNetscape Communications社が開発したスクリプト言語)等で記述したコンピュータ12プログラムが含まれており、ブラウザ42上で所定の処理を実行する。
【0022】
ミドルウエア44は自動制御デバイス20を制御するためのコンピュータプログラムである。ミドルウエア44は、アプリケーションインタフェース46を介してブラウザ42からコマンドを受け付け、デバイスに該当する処理を実行させて、アプリケーションインタフェース46を介してブラウザ42にレスポンスを返す機能を持つ。アプリケーションインタフェース46は、例えば、ActiveX(登録商標)コントロールにより実現する。
【0023】
アプリケーションインタフェース46はブラウザ42とミドルウエア44との間のプログラム間通信を制御する。ミドルウエア44と通信をするにはデバイス固有のコマンド等が必要になる。アプリケーションインタフェース46は、ブラウザ等の上位のプログラムから汎用のコマンドを受け付けて、各ミドルウエアに対してデバイス固有のコマンドを送信する機能を持つ。また、逆方向の通信についても、コマンドを変換して転送する機能を持つ。従って、業務アプリケーション38や管理アプリケーション40をデバイスを意識することなく開発できる。
【0024】
[入出金取引処理]
図3は、業務アプリケーションの具体的な動作を示すシーケンスチャートである。
この処理は、図2の自動取引装置11が実際に金融取引業務を開始した後の動作を示す。これにより、ブラウザ42や業務アプリケーション等の具体的な動作を説明する。入出金のための取引処理では、まず、業務アプリケーション38から、取引処理に必要な操作画面を表示するウェブページが送信されて、ブラウザ42によりディスプレイ22上にこの操作画面が表示される(T1、T2)。自動取引装置には、利用者が操作するための操作盤が設けられている。操作盤は、操作画面を表示するディスプレイ22(図1)に貼り付けられた既知の透明感圧式電極群や、ディスプレイ22の周辺に配置された操作ボタン群等を含む。取引開始画面が表示された状態で操作盤が操作されると、ブラウザ42に操作制御信号が受け付けられる。ブラウザ42は、操作制御信号を業務アプリケーション38に送信する(T3)。ブラウザ42は指定された取引画面を業務アプリケーション38から受信して表示する(T4)。
【0025】
利用者の操作に従って、取引画面を用いた取引処理が進められる(T5)。取引画面のウェブページ中に記述されたスクリプト言語が解釈されると、ブラウザ42から、該当するコマンドがアプリケーションインタフェース46に送出される(T6)。また、図示していないが、ブラウザ42は、各デバイスを制御するためのコマンドを業務アプリケーション38から受信すると、そのコマンドをアプリケーションインタフェース46に転送する。そのコマンドはアプリケーションインタフェース46からミドルウエア44に送信され(T7)、解釈されて自動制御デバイス20が制御される(T8)。こうして現金の入出金等の取引処理が実行される。その処理結果(レスポンス)は、これまでと逆方向にブラウザ42に転送される(T9−T11)。レスポンスの内容は、例えば、指定された金額の出金成功といった情報である。
【0026】
ブラウザ42は処理結果を業務アプリケーション38に返す(T12)。業務アプリケーション38は、業務用記憶装置16に取引データ58を記憶させる(T13)。さらに、この取引データ58を定型フォーマットの取引データ59に変換する(T14)。そして、ブラウザ42を経由してアプリケーションインタフェース46に対して、取引データ59の書き込みを依頼する(T15、T16)。アプリケーションインタフェース46は、管理用記憶装置18に取引データ59を書き込む(T17)。さらに、業務アプリケーション38は、所定のタイミングで、図示しないネットワークを介して、金融機関の管理サーバに取引処理の結果を転送する。
【0027】
このように、業務アプリケーションと管理アプリケーションとを完全に別体にし、後者に汎用性を持たせることにより、例えば、業務アプリケーションを入れ替えれば、自由に別の金融機関用として自動取引装置を運用することができる。
【0028】
[障害対応処理]
ここで、自動取引装置に障害が発生したときには、サービスマンが自動取引装置を制御しながらその機能を点検して復旧を試みる。復旧処理の際には、中断した取引処理を完結させたり、取引データ58を書き直したり、様々な処理が実行される。サービスマンが保守点検用のノートパソコン等に、業務アプリケーションや管理アプリケーションをインストールして持参するのは、セキュリティ上問題がある。また、業務アプリケーションは金融機関により随時独自に改変される。そこで、保守管理業務専用の管理アプリケーション40を、自動取引装置11にインストールしておく。業務アプリケーション38が使用する取引データ58の変更等が必要になったときには、管理アプリケーション40から業務アプリケーション38に該当する処理を依頼する。
【0029】
自動取引装置11のコンピュータ12にインストールされた管理アプリケーション40は、汎用性の高い管理処理を実行する機能を持つ。即ち、自動取引装置の機種を問わない共通化された動作をするように設計されている。ここで、管理アプリケーション40と業務アプリケーション38の役割分担をもう一度明確にしておく。管理アプリケーション40は、自動取引装置の起動、終了制御、自動取引装置の接続デバイスに対する初期化、障害監視、障害復旧の制御、デバイスの状態、スケジュール、係員設定に従った顧客取引モードの算出、監視システムとの連動制御、係員、保守員取引の制御、顧客取引障害の復旧処理、業務アプリケーション38との連携制御等の処理を実行する。
【0030】
一方、業務アプリケーション38は、顧客取引の実行制御、顧客取引で使用されるデバイスの制御、勘定系システムとの勘定系取引の連動制御、業務用の記憶装置への顧客取引記録の格納処理、管理用の記憶装置への顧客取引記録の格納処理、CRM(顧客関係管理)システムとの連携制御(顧客情報に基づいた画面表示制御など)、ローカルウェブサーバ52との連携制御等の処理を実行する。従って、連携制御のためのインタフェース以外の部分については、管理アプリケーション40と業務アプリケーション38とは別個に切り離して開発をすることができるので、システムの開発や運用を円滑に行うことができる。例えば、業務アプリケーションは金融機関直属のシステムエンジニアにより設計される。管理アプリケーションは、自動取引システムの管理運用を主たる業務とする会社のエンジニアにより設計される。
【0031】
ここで、例えば、中断した取引により発生した障害を復旧する場合に、管理アプリケーション40は、中断した取引の状態を確認する必要がある。業務アプリケーション38は、正常な取引処理を実行中に、使用される取引データ58を、業務用記憶装置16に記憶させる。しかし、管理アプリケーション40は取引データ58を読むことができない。そこで、業務アプリケーション38は、取引データ58を、管理アプリケーション40が読み取ることのできる定型フォーマットに変換し、アプリケーションインタフェースを通じて管理用記憶装置18に記憶させる。
【0032】
業務アプリケーション38が、金融機関独自の形式の取引データ58を、共通化された定型フォーマットの取引データ59に変換するので、管理アプリケーション40を、独自の取引データ58を意識することなく開発することができる。例えば、複数の金融機関を統合するときには、当初、複数種類の業務アプリケーション38と取引データ58と自動取引装置とが併存する。このとき、管理アプリケーション40とこれが取り扱う取引データ59とを共通化しておく。これにより、管理システムの統合を最短時間で実施することができる。
【0033】
一方、共通化された定型フォーマットの取引データ59は、ログファイルとして保存して、管理業務に利用する。例えば、自動制御デバイス20に障害が発生したときには、中断した取引を自動的に完結させるために使用される。アプリケーションインタフェース46とミドルウエア44により、自動制御デバイス20を構成する各ハードウエアの独自性は吸収される。即ち、ハードウエアが独自の仕様でも、管理アプリケーション40の制御は共通化できる。従って、あらゆる自動取引装置について、管理アプリケーション40を共通化して、その開発コストを軽減できる。管理アプリケーション40による具体的な障害復旧処理動作を次に説明する。
【0034】
[障害復旧処理動作]
図4は障害復旧処理例を示す動作フローチャートである。
管理アプリケーション40は、自動取引装置11の各部の障害監視をする(ステップS11)。管理アプリケーション40は、例えば、ブラウザ42に制御される常駐フレーム上で動作する。そして、所定のタイミングで各自動制御デバイス20に対して応答要求コマンドを送信する。レスポンスが無いときやレスポンスが異常なときには、そのデバイスに障害発生と判断する。管理アプリケーション40は、ステップS12で障害検出をすると、ステップS13で、管理用記憶装置18に記憶された取引データ59の読み取りをする。次いで、監視中に取得したデータやこの取引データ59を利用して、障害の診断を実行する(ステップS14)。そして、ステップS15で、管理アプリケーション40は、業務アプリケーション38と連携をして、中断した取引を正常に終了させる。
【0035】
例えば、出金取引時に紙幣デバイスの紙幣搬送障害が発生したとする。利用者の呼び出しに応じた係員は、紙幣搬送障害を除去するとともに、出金取引開始直前の状態に戻す処理を管理アプリケーション40に要求する。管理アプリケーション40は、該当する取引データ59を読み取って、取引取り消し処理の対象を特定する。この情報を業務アプリケーション38に通知すると、業務アプリケーション38は中断した取引の内容を確認してその取り消し処理を実行する。管理アプリケーション40は、その結果を受け取って、その他の復旧処理を進める。
【0036】
その後、管理アプリケーション40は、自動取引装置の各デバイスに障害が発生していないかどうかを確認する(ステップS16)。このために、通帳デバイス36、紙幣デバイス26、硬貨デバイス28等と通信をする。機能障害が発生したデバイスがあれば、そのデバイスをシステムから切り離す。例えば、通帳デバイス36に障害があれば、記帳処理をしないモードに装置を設定する(ステップS17)。記帳処理関連プログラムの動作を禁止して、取引処理を再開すればよい。自動取引装置のブースには、「ご入金」「お引き出し」「お振り込み」「記帳」といった表示があり、モードに応じてバックライトが点灯している。その「記帳」のバックライトを消灯して、該当するモードで取引を再開する(ステップS18、19)。
【0037】
[立ち上げ制御]
【0038】
図5は、図1に記載した自動取引装置13の起動動作フローチャートである。
まず、ステップS21で自動取引装置の起動処理をする。起動時には、自動制御デバイス20が正常に接続されて正常に機能するかどうかのデバイスチェックが行われる(ステップS22)。この初期立ち上げ制御は管理アプリケーション40が実行するが、自動制御デバイス20に対する問い合わせは、ブラウザ42を通じて行う。ブラウザ42は、アプリケーションインタフェース46とミドルウエア44を通じて、紙幣デバイス26、硬貨デバイス28、カードリーダライタ30、通帳レシートプリンタ34に対しリクエストを送信する。このリクエストは、機能チェックのためのレスポンスを要求するものである。
【0039】
図1の例では、カードリーダライタ30と通帳レシートプリンタ34は、ブラウザ42に該当するレスポンスを返す。一方、紙幣デバイス26、硬貨デバイス28に対するリクエストはエミュレータ61が受信する。エミュレータ61は、紙幣デバイス26、硬貨デバイス28から出力されるべき疑似レスポンス信号を生成して出力する機能を持つ。ミドルウエア44はデバイス固有の通信を制御するものだからデバイスごとに設けられている。エミュレータ61はミドルウエア44の機能を一体に組み込んだものでもよいし、ミドルウエア44を別に設けて接続してもよい。
【0040】
ステップS23で、ブラウザ42が、全てのデバイスから正常応答を受信したかどうかの判断をする。一定時間以内に正常応答を受信できないときは、異常発生と判断して、エラー処理に移行する。全てのデバイスから正常応答を受信したときは、初期設定手段64を起動する。初期設定手段64は、予め、紙幣デバイス26と硬貨デバイス28の代わりにエミュレータ61が応答したことを認識している。このまま自動取引装置が取引処理を開始すると、紙幣デバイス26と硬貨デバイス28が接続されている状態の制御が行われ、動作エラーが生じるおそれがある。一方、自動取引装置には、上記の障害処理で説明したように、紙幣デバイス26や硬貨デバイス28が故障したときにこれらのデバイスを点検のため切り離し、これらが接続されていないモードで運用する機能が設けられている。そこで、初期設定手段64は、自動取引装置の起動時から、紙幣デバイス26と硬貨デバイス28が接続されていないモードの設定をする(ステップS24)。フラグ等を立てて、業務アプリケーション38の動作モードを選択すればよい。その後、ステップS25で業務選択画面を表示して、取引を開始する。
【0041】
以上のように、図1に示した自動取引装置13は、ブラウザ42からアプリケーションインタフェース46を通じてミドルウエア44に対して非接続デバイスに対するコマンドが送信されたとき、エミュレータ61が、該当する非接続デバイスから出力されるべき疑似レスポンス信号を生成して、ブラウザに送信するので、ブラウザは業務アプリケーション38に対して全ての自動制御デバイスが接続されて正常に機能しているという報告をする。
【0042】
図1の自動取引装置13には、現金自動入出金機24が接続されていない。この現金自動入出金機24が非接続デバイスに相当する。しかしながら、ブラウザから非接続デバイスに対するコマンドが送信されたときに、エミュレータ61が、現金自動入出金機24が接続されているかのように応答する。さらに、初期設定手段64が、業務アプリケーション38に対して、非接続デバイスを使用しないモードで起動するように初期設定をする。従って、業務アプリケーション38は、現金自動入出金機24が接続されている自動取引装置と全く同様の取引処理を開始できる。このような制御をすると、業務アプリケーション38に全く手を加えることなく、わずかなプログラムモジュールの追加で、自動取引装置13用として利用できる。これにより、例えば、カードリーダとレシートプリンタだけしか接続されていないノート型コンピュータやタブレット型コンピュータを、フル装備の自動取引装置と全く同一の業務アプリケーションで制御することができる。
【0043】
図6は、図1の自動取引装置の使用状態を示す斜視図である。
図のように、一般のノート型コンピュータには、カードデバイス32が標準装備されている。これにより、キャッシュカード54の読み取りができる。また、レシートプリンタ66をケーブルで接続したり、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)で金融機関の店舗に設置された特定の多機能プリンタ68を制御できる。これらを、通帳レシートプリンタ34として機能させることができる。印刷された通帳等は窓口で受け取ればよい。従って、顧客は、現金を使用しない取引であれば、操作場所を自由に選択でき、倚子に座って操作することができる自動取引装置13を使用できる。
【実施例2】
【0044】
[自動取引装置の混在]
図7は、フル装備の自動取引装置とノート型コンピュータ等の自動取引装置を混在させたシステムのブロック図である。
図のように、金融機関の同一店舗内に、現金自動入出金機を含むデバイスを接続した自動取引装置11と、一部のデバイスを省略した、図1のようにエミュレータ61と初期設定手段64とを含む自動取引装置13とを混在させて、金融機関を運用できる。自動取引装置11と自動取引装置13とは、いずれもネットワーク50を通じてサーバ52と接続されている。このサーバに上記の自動取引装置のアプリケーションや記憶装置の一部を分散配置することもできる。
【0045】
以上のように、金融機関の同一店舗内に、必要十分なデバイスを備えた自動取引装置11と、デバイスの一部を省略したモバイル的な自動取引装置13を混在させることにより、店舗の自動取引装置設置スペースを小さくして、顧客による自動取引装置の操作待ち時間を減少させた快適な店舗運用を図ることができる。
【実施例3】
【0046】
[窓口業務]
図8は、実施例3の自動取引装置の主要部ブロック図である。
実施例1の自動取引装置は、エミュレータ61を設けたので、ノート型コンピュータ等の運搬可能な小型自動取引装置13を、一般の自動取引装置と混在させて使用することができる。これは、金融機関で預貯金の入出金取引をする顧客のみならず、金融機関の窓口業務を行う係員が顧客に代わって操作をすることも可能になる。このとき、自動取引装置13で、金融機関の窓口業務を含む係員操作業務を実行できるとさらに好都合である。
【0047】
そこで、実施例3の自動取引装置には、自動取引装置13の取引処理を制御する業務アプリケーション38とともに、金融機関の窓口業務を含む係員操作業務を制御する係員用アプリケーション65を含めた。これにより、顧客も金融機関の係員も、同じパーソナルコンピュータやタブレット型コンピュータを操作して、様々な金融取引ができる。従って、係員が顧客の操作を補助することが容易になる。また、窓口担当者が、顧客のした操作を引き継いで、係員操作業務を実行し、取引処理を完結させることもできる。
【実施例4】
【0048】
[特定口座の利用]
図9は、特定口座の利用機能説明図である。
上記の実施例では、自動取引装置11か自動取引装置13のいずれかを顧客が選択して利用し、その装置で処理を完結した。この実施例では、自動取引装置11と自動取引装置13との両方を利用する。まず、顧客は、所定の取引処理を希望する現金を、フル装備の自動取引装置11を利用して入金する。この入金口座は、金融機関で所定の取引処理のために設けた特定口座である。この口座に入金された現金は預かり金であって、所定の取引処理が完了するまで保持される。なお、図の特定口座67は、特定口座に入金された金額と、入金者等の情報を記憶する記憶装置である。
【0049】
顧客には、特定口座67への入金を受け付けたことを証明する、例えばレシートが出力される。このレシートは、該当する入金取引情報を表示する媒体である。レシートには、例えば、入金額その他の情報を表示した二次元バーコードが、自動取引装置内臓のレシートプリンタにより印刷される。
【0050】
この実施例では、自動取引装置13にバーコードリーダを接続し、レシートに印刷された入金額その他の情報を表示した二次元バーコードを読み取る。そして、次の処理に移る。なお、上記のように媒体を直接バーコードリーダ等で読み取らせるほかに、入金取引情報を表示する様々な方法がある。例えば、銀行カードのICメモリに書き込む方法、振り込みカードのようなカードを発行する方法等がある。自動取引装置13のカードリーダライタ30に読み取らせることができるのが好ましいが、窓口システムに接続された専用のカードリーダに読み取らせても構わない。
【0051】
以上のように、現金自動入出金機24が操作されて、現金が金融機関の特定口座に入金された後に、自動取引装置13を操作する。始めに該当する入金取引情報を表示する媒体を、カードリーダライタ30等で読み取る。その後、入金取引情報に基づいて、特定口座に入金された現金の処理を実行する。これにより、例えば、納税処理等の、一般の自動取引装置で処理できない処理を、パーソナルコンピュータやタブレット型コンピュータによる自動取引装置で、係員用アプリケーション65を使用して完結させることができる。
【0052】
図10は、特定口座の利用処理フローチャートである。
以上の処理を実行するコンピュータプログラムは次のように動作する。ステップS31では、自動取引装置11の現金自動入出金機24による入金取引を受け付ける。ステップS32では、振り込み手続きと同様の処理により、特定口座67に入金処理をする。ステップS33では入金取引情報の生成をする。そして、ステップS34で、入金取引情報をレシートに印字して出力をする。
【0053】
次に、その入金手続きをした顧客は、窓口に行って、係員に該当するレシートを渡す。係員は、バーコードリーダ等により、ステップS41で、入金結果レシートの読み取り処理を実行する。その後、ステップS42で、自動取引装置13は、取引制御画面の表示をする。この画面は、係員用アプリケーション65により制御される画面である。ステップS43では、係員は、そのア係員用プリケーション65を使用して、特定口座67からの所定の送金処理を実行する。以上の結果、係員は、窓口での現金の受け渡し等の作業無しで、速やかに所定の取引処理をサボートできる。
【0054】
[プログラムの共通化]
以上により、統合対象の全ての自動取引装置に対して、ハードウエアの交換や大幅な改造をすることなく、ソフトウエアのインストールだけで、統合準備ができる。なお、業務アプリケーションには、取引処理の結果生成された取引データを、異種の全ての自動取引装置に共通する管理用の取引データに形式変換して、任意の場所に設けた管理用記憶装置に記憶させるプログラムモジュールを追加する。管理アプリケーションは、管理用記憶装置に記憶された取引データを利用して障害復旧処理や管理データの生成その他の管理業務を実行する。
【0055】
管理アプリケーションは、業務アプリケーションとは分離独立し、全ての自動取引装置の保守管理処理を制御する。例えば、自動取引装置本体や、保守管理用のモバイルコンピュータ等に搭載する。金融システムの相違に関わりなく、共通に利用できるから、障害発生への対応や復旧処理がきわめて迅速にできる。特に、異質の金融システムの自動取引装置が混在する店舗等での保守管理業務に大きな威力を発揮する。
【0056】
管理用記憶装置には、共通形式の取引データが記憶されている。これは、保守管理に必要な取引データを管理アプリケーションに提供するだけでなく、データ連携や異質の金融システム相互間の情報交換に有効に利用できる。業務アプリケーションに追加されたプログラムモジュールが、異種の業務アプリケーション間の情報交換にも有効に機能する。
【0057】
上記のシステムでは、異種の金融システムが統合されるとき、当初は、それぞれ異種の業務アプリケーションでこれまでどおり、固有の自動取引装置が制御される。各自動取引装置の仕様はそれぞれ異なるが、上記の管理アプリケーションは、自動取引装置の機種を越えて、共通した保守管理ができる。その後、例えば、アプリケーションインタフェースに、業務アプリケーションから出力される制御用コマンドを任意の自動取引装置のミドルウエアが解釈できるコマンドに変換する機能を付与すると、業務アプリケーションが制御できる自動取引装置が増加する。
【0058】
また、共通形式に変換して管理用記憶装置に記憶された取引データを蓄積していき、業務アプリケーションからもアクセスできるようにして、異種金融システム間の情報交換に利用するようにすると、業務アプリケーションの設計を時間をかけて共通化していくことが可能になる。また、上記のシステムは、合併等による金融システムの統合のみならず、複数の金融機関により自動取引装置を共有する場合にも効力を発揮する。
【0059】
上記のサーバや自動取引装置のコンピュータの演算処理装置にインストールされたコンピュータプログラムは、それぞれ独立したプログラムモジュールを組み合わせて構成してもよいし、全体を一体化したプログラムにより構成してもよい。コンピュータプログラムにより制御される処理の全部または一部を同等の機能を備えるハードウエアで構成しても構わない。また、上記のコンピュータプログラムは、既存のアプリケーションプログラムに組み込んで使用してもよい。上記のような本発明を実現するためのコンピュータプログラムは、例えばCD−ROMのようなコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して、任意の情報処理装置にインストールして利用することができる。また、ネットワークを通じて任意のコンピュータのメモリ中にダウンロードして利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施例1の自動取引装置制御システムを示すブロック図である。
【図2】実施例1の別の自動取引装置制御システムを示すブロック図である。
【図3】業務アプリケーションの具体的な動作を示すシーケンスチャートである。
【図4】障害復旧動作例を示す動作フローチャートである。
【図5】図1に記載した自動取引装置13の起動動作フローチャートである。
【図6】図1の自動取引装置の使用状態を示す斜視図である。
【図7】二種の自動取引装置を混在させたシステムのブロック図である。
【図8】実施例3の自動取引装置の主要部ブロック図である。
【図9】特定口座の利用機能説明図である。
【図10】特定口座の利用処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
10 自動取引装置制御システム
11 自動取引装置
12 コンピュータ
13 自動取引装置
14 演算処理装置
16 業務用記憶装置
18 管理用記憶装置
20 自動制御デバイス
22 ディスプレイ
24 現金自動入出金機
26 紙幣デバイス
28 硬貨デバイス
30 カードリーダライタ
32 カードデバイス
34 通帳レシートプリンタ
36 通帳デバイス
38 業務アプリケーション
40 管理アプリケーション
42 ブラウザ
44 ミドルウエア
46 アプリケーションインタフェース
50 ネットワーク
52 サーバ
54 キャッシュカード
61 エミュレータ
64 初期設定手段
65 係員用アプリケーション
66 レシートプリンタ
67 特定口座
68 多機能プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入出金のための取引処理時に駆動される機構が含まれている自動制御デバイスと、この自動制御デバイスを制御して、入出金のための取引処理を実行するコンピュータプログラム群を動作させるコンピュータを有するものであって、
前記コンピュータプログラム群は、
前記入出金のための取引処理を所定の手順に従って制御し、前記取引処理の結果生成された取引データを業務用記憶装置に記憶させ、さらに、前記取引データを管理用に形式変換して管理用記憶装置に記憶させる処理を実行する業務アプリケーションと、
前記業務アプリケーションとは別個独立に動作し、前記管理用記憶装置に記憶された取引データを読み取って、前記自動制御デバイスを含む自動取引装置の保守管理処理を実行する管理アプリケーションと、
前記業務アプリケーションと通信をして、前記入出金のための取引処理時に操作される取引画面を表示し、前記取引データの入出力処理を実行し、前記管理アプリケーションと通信をして、前記保守管理処理のためのデータの入出力処理を実行し、前記自動制御デバイスを制御するためのデータ通信をするブラウザと、
前記ブラウザからコマンドを受信して、このコマンドを自動制御デバイス用に形式変換をしてその自動制御デバイスに送信し、該当する自動制御デバイスからレスポンスを受信して、このレスポンスをブラウザ用に形式変換をして前記ブラウザに送信するミドルウエアと、
前記ブラウザとミドルウエアとの間のプログラム間通信を制御するアプリケーションインタフェースと、
前記ブラウザからアプリケーションインタフェースを通じて前記ミドルウエアに対して非接続デバイスに対するコマンドが送信されたとき、該当する非接続デバイスから出力されるべき疑似レスポンス信号を生成して前記ブラウザに送信するエミュレータと、
前記業務アプリケーションに対して、前記非接続デバイスを使用しないモードで起動するように、初期設定をする初期設定手段、
とを備えたことを特徴とする自動取引装置制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の自動取引装置制御システムにおいて、
前記コンピュータプログラム群には、自動取引装置の取引処理を制御する業務アプリケーションとともに、金融機関の窓口業務を含む係員操作業務を制御する係員用アプリケーションが含まれることを特徴とする自動取引装置制御システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自動取引装置制御システムにおいて、
現金自動入出金機の接続された他の自動取引装置が操作されて、現金が金融機関の特定口座に入金された後に、該当する入金取引情報を表示する媒体を読み取る媒体読み取りデバイスと、
前記入金取引情報に基づいて、前記特定口座に入金された現金の処理を実行する現金処理モジュールと、
を備えたことを特徴とする自動取引装置制御システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の自動取引装置制御システムにおいて、
金融機関の同一店舗内に、現金自動入出金機を含むデバイスを接続した自動取引装置と、一部のデバイスを省略して前記エミュレータと初期設定手段とを含む自動取引装置を混在させたことを特徴とする自動取引装置制御システム。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1に記載の手段として機能させる自動取引装置制御プログラム。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1に記載の手段として機能させる自動取引装置制御プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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