説明

自動取引装置

【課題】この発明は、制御プログラムの開発、確認作業の負荷を軽減しつつ、入力操作を支援するための情報を顧客に対して的確に表示することを可能にし、取引時間の短縮化及びサービス性の向上が図れ、より高い顧客満足が得られる自動取引装置を提供することを目的とする。
【解決手段】顧客110による入力操作を受け付けて、取引処理を実行するATM101であって、取引に関連する入力操作を受け付けるとともに、現在実行中の取引処理に関連する取引処理情報を表示する表示入力部102と、前記入力操作に関連して顧客110に参照させる参考情報として設定された取引支援情報を表示する第2ディスプレイ120とを有した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、現金自動預払機等の自動取引装置(Automated−Teller−Machine:以下ATMと略す)に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関では、従来窓口しか行っていなかった取引サービスも、ATMで取り扱えるようになってきている。例えば、金融商品の取り扱いに関する規制緩和に伴って、証券、保険の商品も金融機関で販売できるようになり、ATMでは、多種多様なサービスを提供できるように改善がなされている。この結果、省力化が進み、窓口を狭くするだけでなく、無人化された店舗も多くなっている。
【0003】
そこで、運用拡大したATMでの利用を促すため、取り扱い範囲が広がった取引に関連する情報を、入力操作に関連する参考情報(本明細書では、これを取引支援情報という)の1つとしてATMに備えられた表示手段に表示し、顧客の入力操作を支援することが望まれている。
【0004】
しかしながら、取引中の顧客に対して取引支援情報を表示しようとする場合、ATMに備えられた表示手段には、取引処理によって扱われる金額の情報等、現在実行中の取引処理に関連する取引処理情報も同時に表示する必要がある。
【0005】
近年、表示手段の周囲には、視覚障害者用ハンドセット、生体認証装置、非接触ICリーダ等を搭載しているために、ATMの横幅寸法(設置面積)の制約から、表示手段の大画面化が困難な状況である。このため、表示手段に表示したい情報は多くなるものの、一度に表示できる情報量に限界があるというのが実情である。
【0006】
ところで、特許文献1では、ATMの装置上部の正面及び背面に情報表示手段を取り付けたものが開示されている。この情報表示手段では、ATMの動作と連動して取引の受け付け状態や取り扱いサービス内容等の告知情報を取引待ちしている顧客に提示している。
【0007】
また、特許文献2では、ATMに2つの取引案内画面を上下に並べて配置し、一方を入力専用、他方を入力結果表示専用に分割して表示するよう設定したものが開示されている。この場合、相互に関連性を持たせた取引案内を2画面同時に表示しながら取引処理することで、一度に表示、確認できる情報量が多くなり、入力操作時間の短縮や入力操作性の改善が図れるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−59109号公報
【特許文献2】特開平7−129696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来技術は、いずれもATMに2つの画面、すなわち2つの情報表示手段を備えることで、一度に表示できる情報量が増大しているが、いずれも現在取引中(入力操作中)の顧客に対して取引支援情報を表示するものではない。
【0010】
また、上述した取引処理情報は、一般的に、金融機関が所有する計算センタの勘定系サーバで管理されている。この勘定系サーバは、顧客との口座取引、金銭の入出管理に特化したデータベースであり、この勘定系サーバとATMとの通信により、取引処理が可能になっている。
【0011】
ここで、取引中の顧客に対して前記取引処理情報と前記取引支援情報とを同時に表示するために、ATMの制御プログラムを変更、追加することが考えられるが、その際、勘定系サーバと通信して取引処理を実行するための取引処理プログラムにエラーが生じないように特別な配慮が必要となる。この取引処理プログラムの信頼度は、金融機関の信頼性を確保する上で極めて重要とされており、上述したようなエラーが生じると、金融機関の信頼性を損なう事態を招くことになるからである。
【0012】
特に、多種多様な取引サービスの仕様変更や商品追加が生じると、対応する取引支援情報が都度変更、追加される結果、制御プログラムの変更、追加が頻繁となる。このことから、上述したようなエラーを防止しようとすると、制御プログラムの開発、確認作業は大変な工数となってしまう。
【0013】
この発明は、制御プログラムの開発、確認作業の負荷を軽減しつつ、入力操作を支援するための情報を顧客に対して的確に表示することを可能にし、取引時間の短縮化及びサービス性の向上が図れ、より高い顧客満足が得られる自動取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、顧客による入力操作を受け付けて、取引処理を実行する自動取引装置であって、取引に関連する入力操作を受け付けるとともに、現在実行中の取引処理に関連する取引処理情報を表示する表示入力手段と、前記入力操作に関連して顧客に参照させる参考情報として設定された取引支援情報を表示する第2表示手段とを有したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明により、制御プログラムの開発、確認作業の負荷を軽減しつつ、入力操作を支援するための情報を顧客に対して的確に表示することが可能になり、取引時間の短縮化及びサービス性の向上が図れ、より高い顧客満足が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施形態に係るATMの外観図、及び通信システム構成図。
【図2】ATMの制御ブロック図。
【図3】出金取引時におけるATMの動作を示すフローチャート。
【図4】第2ディスプレイの位置の変化を説明するための側面図。
【図5】取引選択画面を示す図。
【図6】取引履歴情報を第2ディスプレイに表示した状態を示す図。
【図7】定期貯金の新規開設取引時におけるATMの動作を示すフローチャート。
【図8】定期貯金の新規開設取引時におけるATMの動作を示すフローチャート。
【図9】第2ディスプレイの位置の変化を説明するための側面図。
【図10】取引選択画面を示す図。
【図11】定期貯金に関連する概要説明情報を第2ディスプレイに表示した状態を示す図。
【図12】取引選択画面を示す図。
【図13】変動金利定期貯金の詳細な商品説明情報を第2ディスプレイに表示した状態を示す図。
【図14】監視カメラが撮影している顧客の背後の画像を第2ディスプレイに表示した状態を示す図。
【図15】ATMの不審者監視動作を示すフローチャート。
【図16】この発明の他の実施形態に係るATMの外観図であって、第2ディスプレイの格納状態を示す図。
【図17】図16に示す状態から第2ディスプレイを筐体正面側に進出させた状態を示す図。
【図18】出金取引時におけるATMの動作を示すフローチャート。
【図19】第2ディスプレイの位置の変化を説明するための側面図。
【図20】「直近の取引内容」画面を第2ディスプレイに表示した状態を示す図。
【図21】この発明のさらに他の実施形態に係るATMの外観図。
【図22】この発明のさらに他の実施形態に係るATMの外観図。
【図23】表示要否選択ボタンを表示入力部に表示した状態を示す図。
【図24】表示要否選択ボタンを表示入力部に表示した状態を示す図。
【図25】表示要否選択ボタンを表示入力部に表示した状態を示す図。
【図26】この発明のさらに他の実施形態に係るATMの外観図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、金融機関等に設置される本実施形態のATM101の外観図、及び通信システム構成図である。
現金自動支払機として金融機関に設置されるATM101には、顧客110に操作案内を表示して入力操作を受け付けるとともに、この入力操作の状態を検知する表示入力部(操作部)102を備えている。
【0018】
表示入力部102は、液晶、タッチパネル等で構成されており、ATM101の筐体正面に水平方向に取り付けられている。そして、操作案内や取引処理時に扱われる金額等の取引処理情報を上向きに表示している。
【0019】
また、ATM101には、筐体正面において、硬貨を入出金する硬貨入出金口103、紙幣を入出金する紙幣入出金口104、通帳の受け入れや排出を行う通帳入出口105、カードの受け入れ、排出や、取引明細票の排出を行うカード・明細票入出口106、顧客110がATM101に近づいたこと、及びATM101から離れたことを検知する顧客検知部107が備えられている。
【0020】
また、ATM101には、取引案内のための音声ガイダンスや、後述するコールセンタ150の係員の声を出力するスピーカ108の他、顧客110がコールセンタ150の係員に話しかけるマイク109が備えられている。
【0021】
そして、ATM101の上部には、第2表示手段としての第2ディスプレイ120が備えられている。第2ディスプレイ120には、これを上下動させる位置変更手段としてのディスプレイ駆動部121と、ATM101の筐体正面の周辺を撮影する監視カメラ122が取り付けられる。これにより、接客中の顧客110や顧客110の背後で接客の順番待ちをしている人物を監視カメラ122で撮影することが可能になっている。
【0022】
ATM101は、金融機関が所有する管理センタとしての計算センタ130と通信可能に接続されている。この計算センタ130には、取引処理時に顧客110と情報の送受信を行ったり、顧客110の口座情報を管理したりする勘定系サーバ131と、金融商品関連情報をATM101に配信したり、ATM101個々の電子ジャーナルデータ(後述)を受信したりして、纏めて保管する情報系サーバ132とが設置され、それぞれがネットワークNEを介してATM101と接続されている。
【0023】
また、ATM101は、顧客110との取引状態やATM101の稼動状況を監視する監視センタ140、及び取引に関連する顧客110からの問合わせを受け付ける問い合わせ窓口としてのコールセンタ150(通信端末)にも接続される。
【0024】
なお、本実施形態では、表示部、入力部を1つの表示入力部102で統一しているが、表示部、入力部を個別に分けて配設しても良い。また、カード、明細票入出口106も、個別に分けてカード入出口、明細票入出口としても問題ない。
【0025】
図2は、ATM101の制御ブロック図である。ATM101は、ATM101全体を制御する主制御部201に、監視カメラ122、顧客検知部107、スピーカ108、マイク109、表示入力部102、カードの情報を読み書きするカード取扱機構部210、明細票の印字処理を行う明細票印字機構部211、紙幣の入出金等を処理する紙幣入出金機構部212、硬貨の入出金等を処理する硬貨入出金機構部213、通帳への印字処理を行う通帳印字機構部214、ディスプレイ駆動部121が接続された構成となっている。
【0026】
また、主制御部201には、各処理を制御するCPU202と、各処理を実行するための制御プログラムを記憶するメモリ203と、顧客110との取引時に生成される取引処理情報等を逐次記憶していくハードディスクや光ディスク等で構成された記憶部204が設けられるとともに、計算センタ130(勘定系サーバ131、情報系サーバ132)、監視センタ140、コールセンタ150との通信を行う通信部216、及び電源217が設けられている。
【0027】
主制御部201は、表示入力部102で受け付けたタッチ操作(入力操作)に基づいて、引出し取引、預入れ取引、定期貯金取引等の各種取引処理を実行する。また、主制御部201は、監視カメラ122により得た画像を、第2ディスプレイ120に表示するとともに、取引処理情報と関連付けされて、電子ジャーナルデータとして主制御部201の記憶部204に記憶させる。
【0028】
さらに、記憶部204は、通信部216により、ATM101とネットワークNEを介して接続された計算センタ130の勘定系サーバ131や情報系サーバ132、監視センタ140、コールセンタ150と送受信する。
【0029】
情報系サーバ132は、個々のATM101から受信した前記電子ジャーナルデータを、計算センタ130で纏めて集中保管するため記憶しておく。顧客110から取引履歴に関する問合わせ等があった場合は、口座番号に基づいて該当する取引履歴を検索したり、取引履歴に関する事実確認を行ったりするために、情報系サーバ132に記憶された電子ジャーナルデータを一定期間保存しておく。
【0030】
次に、図3に示すフローチャートとともに、ATM101での出金取引を一例として、本実施形態に係るATM101の動作を説明する。
顧客110が不在の待機状態では、ATM101の表示入力部102が、主制御部201の制御により省電力状態となり、所謂省エネモード画面を表示している(ステップS301)。一方、この時点では、第2ディスプレイ120が、図1及び図4Aに示すように、ATM101の上部、詳しくは筐体正面の上方に位置しており、ディスプレイ駆動部121によって、表示入力部102、硬貨入出金口103、紙幣入出金口104、通帳入出口105、カード・明細票入出口106と正面視で重ならない位置に保持されている。
【0031】
主制御部201は、通信部216を用いて計算センタ130と通信し、情報系サーバ132に対して、第2ディスプレイ120に表示する金融商品の案内情報の他、ATM101の稼動時間やATM101で取扱可能な取引サービス等に関する稼動情報の入手を要求する(ステップS302)。この時、主制御部201は、前記各種情報を情報系サーバ132から受信すると、ATM101の設置施設(キュッシュコーナ)にいる人達に向けて、金融商品の案内情報やATMの稼動情報を第2ディスプレイ120に表示させる(ステップS303)。
【0032】
ここで、顧客110がATM101の正面へ近づくと、顧客検知部107は顧客110の存在を検知する。そして、主制御部201は、顧客110の検知に基づいて、表示入力部102に「いらっしゃいませ」の文字を表示させる等して所定の接客画面を表示させる(ステップS304)。
【0033】
さらに、主制御部201は、表示入力部102に、図5に示すような取引選択画面を表示させる。ここでは、「引出し」、「預入れ」「残高照会」、「通帳記入」等の取引選択項目を記載した取引選択ボタン102aを案内表示させ、顧客110にこの取引選択ボタン102aをタッチ操作させることにより、複数種の取引サービルの中から希望する取引サービスを顧客110に選択させる(ステップS305)。
【0034】
例えば、顧客110が、「引出し」ボタンをタッチ操作すると、主制御部201は、カードの挿入を促す案内を表示入力部102に表示させる(ステップS306)。
【0035】
前記カードは、顧客110固有の識別情報を記憶した識別媒体としてのカードであり、このカードがカード・明細票入出口106に挿入されると、主制御部201は、カード取扱機構部210により、前記カードに記憶されている顧客110の口座情報等の識別情報を読み取る。そして、表示入力部102に、暗証番号の入力を促す案内を表示させる(ステップS307)。
【0036】
顧客110が暗証番号を入力すると、主制御部201は、計算センタ130と通信し、勘定系サーバ131に顧客110の識別情報及びステップS305で選択した取引サービスの情報を送信する。勘定系サーバ131は、顧客110が入力した暗証番号と、勘定系サーバ131に予め登録された暗証番号との照合する。
【0037】
そして、照合が成功すれば、本人の口座と確認されるため、勘定系サーバ131は、取引前の口座残高情報と、取引前の取引履歴情報、例えば直近の10件分の取引履歴情報とを入手し、ATM101に返信する(ステップS308)。
【0038】
この時、主制御部201は、計算センタ130との通信と並行して、ディスプレイ駆動部121を制御し、第2ディスプレイ120を、図4Bに示すように、表示入力部102に接近した位置まで降下させる。
【0039】
ここで、上述した口座残高情報や取引履歴情報は、あくまでも取引前のものであって、現在ATM101で実行している取引処理と直接関連する情報ではない。本実施形態では、主制御部201が、勘定系サーバ131から入手した口座残高情報及び直近の取引履歴情報を、図6に示すように第2ディスプレイ120に照会結果として表示させる(ステップS309)。
【0040】
なお、図示は省略したが、ステップS308で暗証番号が一致せず、本人と確認できなかった場合は、第2ディスプレイ120にエラー表示がなされる。
【0041】
次に、主制御部201は、表示入力部102に引出し金額の入力を促す案内を表示させる(ステップS310)。ここで、出金取引で扱われる引出し金額の情報は、現在ATM101で実行中の取引処理と直接関連する取引処理情報である。本実施形態では、引出し金額が入力されると、この引出し金額の情報を表示入力部102に表示させ、顧客110に確認してもらう(ステップS311)。
【0042】
この時、顧客110が、表示された前記引出し金額が適正であると確認し、所定の入力操作を行うと、主制御部201は、表示入力部102に「処理中」の文字を表示させながら、計算センタ130と通信し、勘定系サーバ131に、現在処理している取引サービス(ここでは出金取引)や金額(ここでは引出し金額)等の取引処理情報を送信する(ステップS312)。なお、図示は省略したが、ステップS308で暗証番号が一致せず本人と確認できなかった場合、主制御部201は、表示入力部102にその旨を表示させ、前記カードを返却して取引を終了させる。
【0043】
勘定系サーバ131は、計算センタ130で記憶している元帳データを参照し、顧客110の口座残高から入力された引出し金額分の出金が許容できるか確認する。許容できる場合には、引出し金額を差し引いた残高に元帳データを更新する(ステップS313)。
【0044】
一方、主制御部201は、勘定系サーバ131との通信が終了すると、ディスプレイ駆動部121を制御して、第2ディスプレイ120を、図4Cに示すように、ATM101上部まで上昇させる。
【0045】
さらに、主制御部201は、計算センタ130の情報系サーバ132と通信し、第2ディスプレイ120に表示する金融商品の案内情報や、ATM101の稼動情報の入手を要求する(ステップS314)。そして、前記各種情報を情報系サーバ132から受信すると、ATM101のキャッシュコーナにいる人達に向けて、前記各種情報を第2ディスプレイ120に表示させる(ステップS315)。
【0046】
また、勘定系サーバ131から出金を許容する旨の情報を受信すると、明細票及び前記カードを排出する。ATM101により処理された取引内容は、明細票印字機構部211により明細票に印字され、カード取扱機構部210にあった前記カードが、カード・明細票入出口106から排出される。この時、表示入力部102は、カード・明細票の受取りを促す案内を表示する(ステップS316)。
【0047】
前記カード及び明細票が顧客110によって受取られると、ATM101は、続いて出金動作を開始する。主制御部201は、紙幣入出金機構部212から出金金額分の紙幣を繰り出し、紙幣入出金口104から放出させる。この時、表示入力部102は、紙幣の受取りを促す案内を表示する(ステップS317)。
【0048】
そして、紙幣が顧客110によって受取られると、主制御部201は、計算センタ130の情報系サーバ132に対して、顧客110のために実行された取引処理に関連する取引処理情報や、監視カメラ122が撮影した顧客110の人物画像データを電子ジャーナルデータとして送信し、記憶させる(ステップS318)。
【0049】
その後、表示入力部102は、接客画面を表示し(ステップS319)、顧客110が立ち去ってしばらく待機状態が続くと、省エネモード画面を再び表示する(ステップS320)。
【0050】
ところで、金融機関では、従来窓口しか行っていなかった取引サービスもATM101で取り扱えるようになり、ATM101でも多種多様な金融商品を提供できるようになっている。そこで、金融商品に対する事前の知識が不足していても、顧客110がATM101で円滑な入力操作を行えるように、ATM101から随時参考情報(取引支援情報)を提供することが考えられる。しかしながら、そのようにすると、ATM101で表示すべき情報が多くなってしまい、表示入力部102のみで対応しようとすれば、表示内容の複雑化によって入力ミスを招き、結果的に取引時間が大幅に伸びてしまう。
【0051】
そこで、本実施形態では、入力操作に関連して顧客110に参照させる参考情報として設定された取引支援情報を、取引の進行を妨げないで第2表示手段としての第2ディスプレイ120に表示するようになっている。
【0052】
次に、図7、図8に示すフローチャートとともに、ATM101での定期貯金の新規開設取引を一例として、本実施形態に係るATM101の動作を説明する。
【0053】
先ず、図7、図8に示すステップS701〜S705の処理では、図3に示すステップS301〜S305に対応する処理が実行される。そして、この時点で、第2ディスプレイ120は、図1及び図9Aに示すようにATM101の上部、詳しくは筐体正面の上方に位置している。
【0054】
ここで、顧客110が図5に示す取引選択ボタン102aのうち、「定期貯金」ボタンをタッチ操作した場合(ステップS705)、主制御部201は、通帳の挿入を促す案内を表示入力部102に表示させる(ステップS706)。
【0055】
前記通帳は、顧客110の識別情報を記載及び記憶した識別媒体であり、これが通帳入出口105に挿入されると、主制御部201は、表示入力部102に、図10に示すような取引選択画面を表示させる。ここでは、「ご新規」、「預入れ」、「ご解約」等の取引選択項目を記載した取引選択ボタン102bを案内表示させる。この時、顧客110に取引選択ボタン102bをタッチ操作させることで、複数種の取引サービスの中から顧客110が希望する取引サービスを選択させる(ステップS707)。
【0056】
ステップS707で、顧客101が「ご新規」ボタンをタッチ操作すると、主制御部201は、計算センタ130と通信し、情報系サーバ132に対して、5種類ある定期貯金の概要説明情報の入手を要求する(ステップS708)。
【0057】
この時、主制御部201は、計算センタ130との通信と並行して、ディスプレイ駆動部121を制御し、図9Bに示すように第2ディスプレイ120を通帳入出口105、カード及び明細票入出口106の直上まで降下させる。そして、主制御部201は、計算センタ130の情報系サーバ132からの受信により、第2ディスプレイ120に、取引支援情報として、図11に示すような定期貯金に関連する5種類の概要説明情報を表示する(ステップS709)。
【0058】
ここで、第2ディスプレイ120は、情報の表示機能だけでなく、タッチパネル等の入力部としての機能を備えており、顧客110が、図11に示す表示画面のうち、例えば、「自動積立」、「期日指定」、「自由金利」、「変動金利」、「大口」といった、定期貯金の種類名を表示した表示部120aをタッチ操作すると、その項目の詳細情報、関連情報を表示できるようになっている。
【0059】
また、主制御部201は、定期貯金に関連する取引支援情報を第2ディスプレイ120に表示させるのと並行して、表示入力部102には、図12に示すような取引選択画面を表示させる。ここでは、5種類ある「自動積立」、「期日指定」、「自由金利」、「変動金利」、「大口」のうち、取引を希望する定期貯金の種類を顧客110に選択させるための取引選択ボタン102cを表示する(ステップS710)。
【0060】
この時、顧客110が、上述した表示部120aや取引選択ボタン102cのうち、例えば「変動金利」の表示部(ボタン)をタッチ操作すると、主制御部201は、計算センタ130と通信し、情報系サーバ132に対して変動金利定期貯金の詳細な商品説明情報の入手を要求する(ステップS711)。そして、主制御部201は、情報系サーバ132からの受信により、第2ディスプレイ120に、図13に示すような変動金利定期貯金の詳細な商品説明情報を表示する(ステップS712)。
【0061】
ここで、顧客110は、図13に示された内容に不明点がある場合、図13に示す画面に表示された入力部としての係員問合わせボタン120bをタッチ操作することで、通信部216によりコールセンタ150に設置された通信端末との通信が許容されるようになっている。
【0062】
コールセンタ150は、取引に関連する顧客110からの問い合わせを受け付ける窓口として設置されており、係員問合わせボタン120bのタッチ操作によって、コールセンタ150に常駐する係員を呼び出すことが可能になっている。この時、第2ディスプレイ120には、係員の人物画像が表示され、ATM101の筐体正面に設置されたスピーカ108とマイク109とを使用して、顧客110は、コールセンタ150の前記係員と直接対話できるようになっている。
【0063】
なお、スピーカ108とマイク109の代わりに、ハンドセットをATM101に取り付け、顧客110がハンドセットと介して係員と直接対話できるようにしても良い。
【0064】
主制御部201は、ステップS712の処理と並行して、表示入力部102に、カードの挿入を促す案内を表示させ(ステップS713)、カードが、カード・明細票入出口106に挿入されると、主制御部201は、表示入力部102に暗証番号の入力を促す案内を表示させる(ステップS714)。
【0065】
ここで、顧客110が暗証番号を入力すると、主制御部201は、図3のステップS308、S309に対応するステップS715、S716の処理を実行し、顧客110が入力した暗証番号と、勘定系サーバ131に予め登録された暗証番号との照合が成功すれば、取引前の口座残高情報と取引前の取引履歴情報とを第2ディスプレイ120に照会結果として表示させる。
【0066】
そして、主制御部201は、計算センタ130との通信と並行して、ディスプレイ駆動部121を制御し、第2ディスプレイ120を、図9Cに示すように、表示入力部102近くまでさらに降下させる。
【0067】
この時、第2ディスプレイ120は、通帳入出口105、カード・明細票入出口106と正面視で重なった位置にあり、これらを閉塞した状態にあるものの、硬貨入出金口103、紙幣入出金口104とは重なってはおらず、これら硬貨入出金口103、紙幣入出金口104は開放状態とされている。
【0068】
次に、主制御部201は、表示入力部102に、定期貯金の預入れ方法として、「現金」か、総合口座の普通貯金から振替える「振替」かのいずれかを選択させるための選択画面を表示させる(ステップS717)。
【0069】
この時、顧客110が、「振替」を選択入力すると(ステップS717:振替)、主制御部201は、表示入力部102に振替金額の入力を促す案内を表示させる(ステップS718)。
【0070】
一方、顧客110が「現金」を選択入力した場合(ステップS717:現金)、主制御部201は、紙幣を入出金する紙幣入出金口104を開口して、表示入力部102に現金の投入を促す案内を表示させる(ステップS719)。そして、「現金」選択時に紙幣が開放状態の紙幣入出金口104に投入され、紙幣入出金機構部212が投入された紙幣を計数終了するか、または「振替」選択時に振替金額が入力されると、主制御部201は、表示入力部102に入金金額の情報を表示させ、顧客110に確認してもらう(ステップS720)。
【0071】
この時、顧客110が、表示された前記入金金額が適正であると確認し、所定の入力操作を行うと、「振替」選択時であれば、主制御部201は、表示入力部102に「処理中」の文字を表示をさせながら、計算センタ130と通信し、勘定系サーバ131に、現在処理中の取引サービス(ここでは振替)や入金金額等の取引処理情報を送信する(ステップS721)。
【0072】
勘定系サーバ131は、計算センタ130の前記元帳データを参照し、顧客110の口座残高から入力された振替金額分の出金が許容できるか確認し、許容できると振替金額を差し引いた残高に元帳データを更新する(ステップS722)。
【0073】
次に、勘定系サーバ131との通信が終了すると、主制御部201は、表示入力部102に、定期貯金の預入期間を選択するための案内を表示させる(ステップS723)。ここで、顧客110が、例えば預入期間として「複利3年」を選択入力すると、主制御部201は、表示入力部102に、満期時の継続方法を選択する案内を表示させる(ステップS724)。
【0074】
さらに、顧客110が、例えば「元本のみ自動継続」を選択入力すると、主制御部201は、これまで行われた顧客110の選択入力操作に基づいて、表示入力部102に新規開設する定期貯金の内容を表示させ、顧客110に確認してもらう(ステップS725)。
【0075】
ここで、顧客110が、表示された内容が適正であると確認し、所定の入力操作を行うと、主制御部201は、表示入力部102に「処理中」の文字を表示させながら、計算センタ130と通信し、勘定系サーバ131に対して新規開設する定期貯金に関連して選択入力された各種情報を送信する(ステップS726)。そして、勘定系サーバ131は、顧客110の総合口座に定期貯金の口座を新規開設するとともに、入金金額を加算した残高に元帳データを更新した上で、所謂お預り番号を自動的に採番する(ステップS727)。
【0076】
次に、主制御部201と勘定系サーバ131との通信が終了すると、主制御部201は、ディスプレイ駆動部121を制御し、第2ディスプレイ120を、図9Dに示すように、ATM101上部まで上昇させる。そして、主制御部201は、計算センタ130の情報系サーバ132と通信し、第2ディスプレイ120に表示する金融商品の案内情報や、ATM101の稼動情報の入手を要求し(ステップS728)、これら各種情報を第2ディスプレイ120に表示させる(ステップS729)。
【0077】
さらに、主制御部201は、勘定系サーバ131から、定期貯金口座を新規開設した旨の情報を受信すると、前記通帳への記帳内容を取引処理情報として入力表示部102に表示させ顧客110に確認してもらう(ステップS730)。
【0078】
ここで、顧客110が、表示された前記記帳内容が適正であると確認し、所定の入力操作を行うと、通帳印字機構部214は、前記通帳に印字処理した上で、第2ディスプレイ120の上昇により開放された通帳入出口105に通帳を排出する。そして、主制御部201は、表示入力部102に、通帳受取りを案内表示させる(ステップS731)。
【0079】
顧客110が通帳を受取ると、明細票とカードを排出する。この時、取引内容が明細票印字機構部211により明細票に印字され、カード取扱機構部210にあった顧客110の前記カードが、第2ディスプレイ120の上昇により開放されたカード・明細票入出口106から排出される。この時、表示入力部102は、カード及び明細票の受取りを促す案内を表示する(ステップS732)。
【0080】
前記カードや前記明細票が顧客110により受取られると、図3に示すステップS318〜S320に対応するステップS733〜S735の処理が実行される。
【0081】
本実施形態では、入力表示部102が、金銭の取引に関連する選択入力操作を受け付けるとともに、現在実行中の取引処理に関連する取引処理情報として、取引処理時に扱われるサービス、金額等の情報、及び通帳への記帳内容を表示している。
【0082】
一方、第2ディスプレイ120は、前記入力操作に関連して顧客110に参照させる参考情報(取引支援情報)として口座残高情報、取引履歴情報、定期貯金の概要説明情報、変動金利定期貯金の詳細な商品説明情報を表示している。
【0083】
このように、取引処理情報と取引支援情報と分割し、異なる表示手段で表示することにより、主制御部201では、各種取引支援情報を表示するための表示制御プログラムと、ATM101で取引処理を実行するための取引処理プログラムとを切り分けて設計することが可能になる。このため、前記取引支援情報の変更、追加に伴って前記表示制御プログラムを追加、変更する必要が生じても、取引処理プログラムへの影響を抑制でき、その結果、ATM101の制御プログラムの開発、確認作業の負荷を軽減することができる。
【0084】
そして、取引サービスの仕様変更や商品追加があれば、殆どの場合、前記表示制御プログラムの追加、変更によって取引支援情報の変更、追加を行うことができ、これを顧客に対して的確に表示することができる。
【0085】
これにより、顧客にとって入力操作手順の多い煩雑な取引や不慣れな取引であっても、取引支援情報を第2ディスプレイから入手することで、戸惑って入力ミスすることなく円滑に入力操作できる。このため、取引時間の短縮化が図れるとともに、サービス性の向上が図れ、より高い顧客満足が得られる。
【0086】
ところで、顧客110は、一般に口座からの入出金時において都度通帳に記帳しないことが多く、口座残高が気になる場合は、取引を行う前に、先ず残高照会を行って、口座残高や直近の取引履歴を確認した後に、引き続き取引を行っていた。
【0087】
本実施形態では、各種取引を開始する時、取引の進行を妨げないで、第2ディスプレイ120に取引前の口座残高や、取引前直近の取引履歴を取引と並行して表示する。このため、直ちに取引を行う場合でも、取引前の口座残高や直近の取引履歴を第2ディスプレイ120で確認しながら、取引金額を入力できる。
【0088】
例えば、出金取引の場合、顧客110は、口座残高を確実に把握した上で、これに応じた引出し金額を判断でき、口座残高情報は、出金取引時における参考情報(取引支援情報)として活用できる。
【0089】
また、振込み取引の場合、顧客110は、直近の取引履歴を確実に把握することで、例えば、二重請求等の不正請求がなされていないか否かを容易に確認することができ、このような不正請求を確認できれば、顧客は、取引中止のための操作を直ちに行える。つまり、取引履歴情報は、振込み取引時における参考情報(取引支援情報)として活用できる。
【0090】
また、本実施形態では、表示入力部102の入力操作に基づいて第2ディスプレイ120の表示が切り替わることはあるが、逆に、第2ディスプレイ120の表示切り替えに基づいて表示入力部102の表示が切り替わることはない。
【0091】
従って、表示入力部102の表示切り替えは、第2ディスプレイ120の表示切り替えを待って実行されることはなく、第2ディスプレイ120の表示切り替えによって表示入力部102の表示切り替え、つまりは入力操作の進行が妨げられることがない。このため、第2ディスプレイ120は、上述したように取引の進行を妨げないで、該取引と並行して種々の取引支援情報を表示できる。
【0092】
また、図7のステップS707〜S709において、取引選択項目が表示入力部102に表示された時、図12に示す選択ボタン102cのタッチ操作により選択された取引内容の詳細を、第2ディスプレイ120に表示するようにしたことで、入力操作の進行状況に応じて適切な取引支援情報を提供することができる。
【0093】
また、第2ディスプレイ120にタッチパネル等の入力部としての機能を持たせ、取引選択ボタン120aのタッチ操作に基づいて、選択された取引サービスの内容に関連する詳細情報を表示することで、顧客110は、第2ディスプレイ120から視線を動かすことなく取引支援情報を参照することができる。
【0094】
ところで、特許文献1では、取引待ちしている顧客に対し正面向きに情報提供すべく、ATMの装置上部に第2ディスプレイを固定しているが、一般的に金融機関に設置されるATMの表示入力部は、水平方向に取り付けられ、情報を上向きに表示しているため、取引を開始すると、顧客の視線は下向きとなり、前記第2ディスプレイには視線が向きにくいという問題がある。
【0095】
また、特許文献2に開示されたATMは、取引する顧客専用に利用される表示入力部を正面向きに上下2つ固定しており、各種媒体の入出口は、固定された2つのディスプレイの下方に配置されている。その結果、媒体の挿入、受取りの際、顧客は手を大きく下方に延ばす必要があり、操作が不便である。
【0096】
これに対し、本実施形態では、紙幣、カード、通帳といった各種媒体の入出時に、硬貨入出金口103、紙幣入出金口104、通帳入出口105、カード・明細票入出口106と正面視で重ならない範囲で、第2ディスプレイ120が入力表示部102と接近した位置に移動するようになっている。
【0097】
これにより、例えば、取引時の顧客110の入力操作や、通帳入出口105、カード・明細票入出口106におけるカード、通帳の挿入、受け取り、明細票の受け取りを妨げることなく、入力表示部102の近くに取引支援情報を表示することができる。
【0098】
このため、顧客110は、取引中視線を大きく移動させる必要がなく、かつ第2ディスプレイ120の配置に関わらず、通帳入出口105、カード・明細票入出口106を顧客110の操作性を考慮した位置に配置できるため、顧客110の取引中における負担を軽減できる。
【0099】
ところで、ATM101を設置した店舗が営業時間外であったり、無人化された店舗であったりした場合、顧客110が不明点等を問合わせしたい場合は、従来キャッシュコーナの一角にある相談用通信端末を使ってコールセンタ150の係員を呼び出して直接対話できるようになっていた。
【0100】
また、金融商品に不明点がある場合、顧客110は、先ずキャッシュコーナの相談用通信端末でコールセンタ150に問合わせた後、ATM101の前まで移動して取引を開始せねばならず、不便であった。
【0101】
本実施形態では、コールセンタ(通信端末)150と接続された通信部216を備えるとともに、第2ディスプレイ120には、図13に示すような係員問合わせボタン120bを表示して、顧客110が第2ディスプレイ120やスピーカ108、マイク109を使用してコールセンタ150の係員と直接対話できるようになっている。
【0102】
これにより、第2ディスプレイ120に表示される取引支援情報を参照してもさらに不明点がある場合、顧客110は、第2ディスプレイ120等を用いてコールセンタ150の係員に問合わせることができる。コールセンタ150の係員と直接対話して順次確認しながら入力操作することで、戸惑って入力ミスすることがなく円滑に入力操作できる。このため、取引時間のさらなる短縮化が図れるとともに、サービス性の向上が図れ、より高い顧客満足が得られる。
【0103】
なお、上述した実施形態では、定期貯金の新規開設取引を例に挙げて説明したが、さらに定期的に積立てて貯蓄する財形貯蓄、資金運用を中心とした投資信託や年金保険、及び住宅ローン等のローン商品の取引についても、取引の進行を妨げることなく、第2ディスプレイ120を用いて取引支援情報を表示することができる。
【0104】
また、主制御部201は、不審行為や不審者を検知した場合、表示入力部102にその旨を表示し顧客110に注意を喚起することを可能にしている。また、ATM101に備え付けられたスピーカ108により、自動音声または監視センタ140にいる監視員の声で不審行為、不審者の存在を報知することも可能になっている。
【0105】
具体的には、顧客110が不在の待機状態の時、第2ディスプレイ120は、金融商品の案内やATM101の稼動情報を表示しているが、接近してきた顧客110を検知してATM101が取引処理を開始すると、例えば、図3のステップS307及び図7のステップS714の直前のタイミングで、図14に示すように、監視カメラ122が撮影している顧客110の背後の画像に切替えて表示する。
【0106】
ここで、主制御部201(図2参照)は、顧客110の背後に人物110Aを検知すると、これが顧客110に所定距離以内まで近づいているか否かを検知する。そして、所定距離以内まで近づいた時には、人物110Aを不審者と認識し、ズームアップ(拡大)して撮影するとともに、報知手段としてのスピーカ108を制御して注意喚起音を出力させる。そして、不審者とされた人物110Aが所定距離離れるまで、ATM101は取引を中断する。
【0107】
次に、図15に示すフローチャートとともに、ATM101を一例として、本実施形態に係る不審者監視動作を説明する。
先ず、主制御部201は、監視カメラ122が撮影している顧客110の背後の画像データを受信し、この画像データに基づいて顧客110の背後に他の人物110Aが存在するか否かを検知する(ステップS1501)。
【0108】
ここで、人物110Aの存在を検知しなければ(ステップS1501:NO)、処理を終了する一方、人物110Aの存在を検知すれば(ステップS1501:YES)、主制御部201は測定手段として機能し、前記画像データから人物110Aの顔画像データ(図14の網掛け表示部分参照)を抽出する。そして、該顔画像データに基づいて人物110Aの顔面積を算出し、この顔面積から顧客110と人物110Aとの距離を測定する(ステップS1502)。
【0109】
この時、測定された距離が所定距離を越えていれば(ステップS1503:NO)、ステップS1501に戻る一方、所定距離以内であれば、主制御部201は、人物110Aのズームアップ撮影をするように監視カメラ122を制御するとともに、スピーカ108を制御して注意喚起音を出力させる(ステップS1504)。
【0110】
そして、主制御部201は、顧客110個人情報や取引内容が人物110Aに盗み見されることをより確実に防止すべく、ATM101における取引処理を中断する(ステップS1505)。
【0111】
主制御部201は、引き続き顧客110と人物110Aとの距離を監視しており、この距離が前記所定距離を越えていれば(ステップS1506:NO)、前記注意喚起音を停止させ、ATM101における取引処理を再開する(ステップS1507)。
【0112】
一方、顧客110と人物110Aとの距離が依然として前記所定距離以内であれば(ステップS1506:YES)、主制御部201は、所定距離以内になるまでステップS1506の処理を繰り返す。
【0113】
なお、ステップS1505では、人物110Aが所定時間経過しても顧客110から離れない場合、パトライト等の警告灯を点灯させて、警備員や監視センタ140(図1参照)に通報してもよい。
【0114】
このように、第2ディスプレイ120に監視カメラ122を配設すれば、従来防犯用に顧客の背後を映していた防犯ミラーに比べ、背後の人物に対して自身の素行が記録されていると意識させることができ、盗み見等の不審行為を抑制することができる。
【0115】
そして、顧客110と人物110Aとの距離を測定するとともに、この距離が所定距離以内であった時に注意喚起音を出力することで、取引に集中している顧客110に対して的確に不審行為、不審者の存在を報知することができる。これにより、顧客110の個人情報や取引内容等が盗み見されそうになっても、顧客110が適切な対応を講じることができ(例えば入力表示部102を手で覆い隠す等)、結果として犯罪の発生を未然に防ぐことができる。
【0116】
なお、一般に金融機関に設置されているATM101は、装置の高さが設置面から120cm程度のものが多い。そこで、第2ディスプレイ120の高さを約40cmに設定すると、第2ディスプレイ120の上端に取り付けた監視カメラ122の高さ位置は160cm程度になり、成人の身長が150cm〜180cmであると仮定すれば、顧客110の背後が見易く撮影できるメリットがある。
【0117】
また、上述した実施形態では、第2ディスプレイ120が入力操作の進行に伴って下降、上昇するように構成されているが、例えば、図16、図17に示す第2ディスプレイ320のように、待機状態ではATM301の筐体内に格納され、入力操作時になると筐体正面に進出するように構成してもよい。なお、図16、図17において、図1〜図15に示す最初の実施形態と同様の構成要素については、同一の番号を付して説明を省略する。
【0118】
図16は、顧客110が不在の待機状態を示しており、ここでは第2ディスプレイ320の少し端部が出ているが、ATM301内に格納されている状態である。一方、顧客110がATM301の前へ近づいてきて、取引を開始すると、図17に示すように、主制御部201は、ディスプレイ駆動部321を制御して、第2ディスプレイ320を筐体正面側の顧客110が視認可能な位置に進出させる。なお、この時、第2ディスプレイ320の進出位置は、表示入力部102を閉塞しない範囲とされる。
【0119】
また、ATM301においても、第2ディスプレイ320には、監視カメラ122(図1等参照)に対応する監視カメラ322が取り付けられており、不審行為、不審者の監視が可能になっている。
【0120】
次に、図18に示すフローチャートとともに、ATM301での出金取引を一例として、本実施形態に係る第2ディスプレイ320の第2表示手段としての動作を説明する。
先ず、顧客110が不在の待機状態では、ATM301の表示入力部102に省エネモード画面を表示している(ステップS1801)。
【0121】
一方、第2ディスプレイ320は、ディスプレイ駆動部321によって、図16及び図19Aに示すように、ATM301の中間部、詳しくは、硬貨入出金口103、紙幣入出金口104と、通帳入出口105、カード・明細票入出口106との間の高さ位置で筐体内に格納されている。これにより、各種媒体の挿入、受け取りを妨げることなく、入力表示部102の近くに取引支援情報を表示することができる。
【0122】
顧客110がATM301の正面へ近づくと、顧客検知部107はそれを検知し、主制御部201は、表示入力部102に接客画面を表示させる(ステップS1802)。その後、主制御部201は、図3のステップS305に対応するステップS1803の処理を実行する。
【0123】
ここで、顧客110が、図5の取引選択画面で「引出し」ボタンをタッチ操作すると、主制御部201は、通信部216を用いて計算センタ130と通信し、情報系サーバ132に対して、第2ディスプレイ120に表示する金融商品の案内情報や、ATM101の稼動情報の入手を要求する(ステップS1804)。この時、各種情報を情報系サーバ132から受信すると、第2ディスプレイ120は、金融商品の案内情報やATM101の稼動情報を表示する(ステップS1805)。
【0124】
また、主制御部201は、計算センタ130との通信と並行して、ディスプレイ駆動部321を制御し、第2ディスプレイ320を、図17及び図19Bに示すように、筐体正面側の顧客110が視認可能な位置に進出させる。さらに、主制御部201は、表示入力部102にカードの挿入を促す案内を表示する(ステップS1806)。
【0125】
ここで、前記カードがカード・明細票入出口106に挿入されると、表示入力部102は、暗証番号の入力を促す案内を表示し(ステップS1807)、顧客110が暗証番号を入力すると、主制御部201は、計算センタ130と通信し、情報系サーバ132に顧客110の識別情報を送信する。
【0126】
情報系サーバ132は、記憶している電子ジャーナルデータを顧客110の口座番号で検索して、直近の取引履歴情報と、その取引時に監視カメラ322が撮影した顧客110の人物画像を入手し、ATM101に返信する(ステップS1808)。
【0127】
主制御部201は、情報系サーバ132から直近の取引履歴情報、及び取引した顧客110の人物画像を入手すると、これらを図20に示すように第2ディスプレイ320に「直近の取引内容」表示画面として表示する(ステップS1809)。
【0128】
次に、主制御部201は、ステップS310〜S313に対応するステップS1810〜S1813の処理を実行する。
【0129】
この時、主制御部201は、計算センタ130の情報系サーバ132と通信し、待ち受け情報の入手を要求する(ステップS1814)。そして、主制御部201が前記待ち受け情報を入手すると、顧客110の入力操作を受け付けない時間帯にこの待ち受け情報を表示する(ステップS1815)。この待ち受け情報には、パズル、クイズ等のゲームコンテンツや今日の一言等の、取引支援情報とは異なる情報を含んでおり、この待ち受け情報の表示により、顧客110には、ATM301で明細票や紙幣を処理している間の空き時間を楽しんでもらう。
【0130】
次に、勘定系サーバ131から出金を許容する旨の情報を受信すると、主制御部201は、ステップS316に対応するステップS1816の処理を実行する。そして、カード、明細票が顧客110によって受取られると、主制御部201は、第2ディスプレイ120の表示を消灯させた上で、図19Cに示すように再びこれを筐体内に格納させ(ステップS1817)、ステップS317〜S320に対応するステップS1818〜S1821を実行する。
【0131】
ここで、ステップS1818では、第2ディスプレイ320が筐体内に格納されているため、これが紙幣の受け取りの邪魔になることはない。
【0132】
このように、本実施形態では、顧客110の入力表示部102における入力操作時以外において、第2ディスプレイ320を、ATM301の筐体内に格納した状態に保持する一方、入力操作時には、第2ディスプレイ320を筐体正面側に進出させて、顧客110が視認可能な位置に移動させるようにしたため、各種媒体の挿入、受け取りを妨げることなく、入力表示部102の近くに取引支援情報を表示することができる。
【0133】
これにより、顧客110は、取引中視線を大きく移動させる必要がなく、かつ第2ディスプレイ320の配置に関わらず、通帳入出口105、カード・明細票入出口106を、顧客110の操作性を考慮した位置に配置でき、顧客110の取引中における負担を軽減できる。
【0134】
なお、ATM301の内部では、一般的に、筐体の上部にカード取扱機構部210、明細票印字機構部211、及び通帳印字機構部214(図2参照)が備えられる一方、筐体の下部に紙幣入出金機構部212及び硬貨入出金機構部213(図2参照)が備えられている。従って、本実施形態のように、第2ディスプレイ320がATM301の筐体内に格納されるような構成にした場合、ATM301の中間部、詳しくは硬貨入出金口103、紙幣入出金口104と、通帳入出口105、カード・明細票入出口106との間の高さ位置に第2ディスプレイ320の格納スペースが設定されることになる。
【0135】
図21は、表示入力部402が正面向きであるATM401に本発明を適用した場合を示している。図21は、待機状態を示しており、図16と同様第2ディスプレイ420が格納されているが、入力操作時には、ディスプレイ駆動部421によって第2ディスプレイ420が筐体正面側に進出し、顧客110が視認可能な位置で表示を開始する。そして、入力操作が終了すると、第2ディスプレイ420再び格納されるように構成されている。なお、ATM401においても、第2ディスプレイ420には、監視カメラ122(図1等参照)に対応する監視カメラ422が取り付けられている。
【0136】
ATM401には、顧客110に操作案内を表示して入力操作を受け付けるとともにこの入力操作の状態を検知する、液晶、タッチパネル等で構成された表示入力部402、硬貨を入出金する硬貨入出金口403、紙幣を入出金する紙幣入出金口404、カードの受け入れ、排出を行うカード入出口406a、取引明細票の排出を行う明細票出口406b、顧客110がATM401に近づいたこと及びATM401から離れたことを検知する顧客検知部407、取引誘導の音声ガイダンスを出力するスピーカ408、暗証番号を入力するためのテンキー409が備えられている。
【0137】
そして、図21に示すATM401では、第2ディスプレイ420がATM401の中間部、詳しくは、硬貨入出金口403、紙幣入出金口404と、カード入出口406a、明細票出口406bとの間の高さ位置で筐体内に格納されている。
【0138】
顧客110が不在の待機状態では、第2ディスプレイ420は少し端部が出ているが、ATM401内に格納されている。顧客110がATM401の前へ近づき、取引を開始すると、二点鎖線で示すように、主制御部(ここでは不図示)は、ディスプレイ駆動部421を制御して、第2ディスプレイ420を筐体正面側に進出させる。
【0139】
図22に示すさらに別の実施形態の場合、顧客110が不在の待機状態では、ATM501の表示入力部402に省エネモード画面を表示する一方、第2ディスプレイ520は、キュッシュコーナに居る人達に向けて、ATM501上部で金融商品の案内やATM501の稼動情報を正面向きに表示している。また、ATM501では、第2ディスプレイ520の上部に、監視カメラ122(図1等参照)に対応する監視カメラ522が取り付けられている。なお、図22において、図21に示す実施形態と同様の構成要素については、同一の番号を付して説明を省略する。
【0140】
顧客110がATM501の前へ近づいて取引を開始すると、主制御部(ここでは不図示)は、ディスプレイ駆動部521を制御して、第2ディスプレイ520を顧客110向けて傾けた状態に保持させる。そして、第2ディスプレイ520は、ATM501での取引の進行を妨げないで、取引前口座の残高や直近の取引履歴等の取引支援情報を表示する第2表示手段として活用される。
【0141】
ここで、顧客110が取引を終了して立ち去ると、主制御部は、ディスプレイ駆動部521を制御して、第2ディスプレイ520を筐体正面向きの状態に戻し、第2ディスプレイ520は、キュッシュコーナに居る人達に向けて、金融商品の案内やATM501の稼動情報を表示する。
【0142】
なお、表示入力部402が正面向きであるATM501は、一般に装置の高さが設置面から約140cmである。そこで、第2ディスプレイ520の高さを約40cmに設定すると、第2ディスプレイ520の上端に取り付けた監視カメラ522の高さ位置は180cm程度になり、顧客110の背後が見易く撮影できるメリットがある。
【0143】
一方、ATM501を海外向けの仕様で構成した場合、その高さは約160cmとなり、装置の高さが成人の顔の位置となる。従って、このような場合には、第2ディスプレイ520の上端でなくATM501の上面に直接監視カメラ522を取り付けても良い。
【0144】
ところで、上述した各実施形態では、第2ディスプレイ120等が、取引支援情報を自動的に表示しているが、顧客110が第2ディスプレイ120等の表示の要否を選択できるようにしても良い。
【0145】
具体的には、図23〜図25に示すように、表示入力部102が表示する取引選択画面に、「2ndDSP表示」「2ndDSP不要」と表示した表示要否選択ボタン102d〜102iを常時表示させておく。顧客110が取引途中で取引支援情報の入手を希望すれば(表示を希望すれば)、「2ndDSP表示」と表示されたボタン102d、102f、102hをタッチ操作し、前記情報の入手が不要ならば(表示が不要ならば)、「2ndDSP不要」と表示されたボタン102e、102g、102iをタッチ操作すればよい。
【0146】
この場合、表示要否選択ボタン102d〜102iが、第2ディスプレイ120における取引支援情報の表示の要否を選択するための表示要否選択手段として機能し、主制御部201(図2参照)が、表示要否選択ボタン102d〜102iでのタッチ操作に基づいて第2ディスプレイの表示/非表示を制御する表示制御手段として機能する。
【0147】
また、障害が発生したATM101に対して係員が対応作業したり、保守員がATM101を点検作業したりする場合、図26に示す第2ディスプレイ620のように、取引停止状態である旨を告知する取引停止情報を表示させるようにしてもよい。なお、図26において、図1〜図15に示す最初の実施形態と同様の構成要素については、同一の番号を付して説明を省略する。
【0148】
係員や保守員は、保守点検等の目的で、ATM101に内蔵されたカード取扱機構部210、紙幣入出金機構部212、硬貨入出金機構部213等の機構部を作業中にATM101から引出したり戻し入れたりする場合があり、この場合取引は停止の状態となる。
【0149】
そこで、本実施形態では、取引停止の間、主制御部201(図2参照)は、取引停止時制御手段として機能し、ディスプレイ駆動部121を制御する。具体的には、第2ディスプレイ620を紙幣入出金口104や硬貨入出金口103に接する最下位の位置まで降下させ、同時に、取引停止状態である旨を告知すべく、図示のように「点検中」の文字を第2ディスプレイ120に表示させる。
【0150】
この結果、キャッシュコーナに来た顧客110は、ATM101が点検中(取引停止中)であることを遠くからでも気付くことができる。そして、カード・明細票入出口106、通帳入出口105、紙幣入出金口104、硬貨入出金口103といった全ての媒体入出口が第2ディスプレイ620で閉塞されているので、これらに誤って手を差し込むことを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0151】
以上、上述した各実施形態では、第2表示手段としての第2ディスプレイ120等をATM101等の現金自動預払機に取り付けた場合を説明しているが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、券売機等の自動販売機や自動契約機等のあらゆる自動取引装置に適用できる。
【符号の説明】
【0152】
101、301、401、501…ATM
102、402…表示入力部
103、403…貨幣入出金口
104、404…紙幣入出金口
105…通帳入出口
106…カード・明細票入出口
108、408…スピーカ
110…顧客
120、320、420、520、620…第2ディスプレイ
121、321、421、521…ディスプレイ駆動部
122、322、422、522…監視カメラ
150…コールセンタ
201…主制御部
216…通信部
406a…カード入出口
406b…明細票出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客による入力操作を受け付けて、取引処理を実行する自動取引装置であって、
取引に関連する入力操作を受け付けるとともに、現在実行中の取引処理に関連する取引処理情報を表示する表示入力手段と、
前記入力操作に関連して顧客に参照させる参考情報として設定された取引支援情報を表示する第2表示手段とを有した
自動取引装置。
【請求項2】
前記第2表示手段は、前記取引支援情報として、取引前の顧客の口座残高情報及び/または取引前直近の取引履歴情報を表示する
請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記表示入力手段は、前記取引処理情報として、複数種の取引サービスの中から希望する取引サービスを顧客に選択させるための入力操作を受け付ける取引選択項目を表示するとともに、
前記第2表示手段は、前記入力操作に基づいて、該入力操作により選択された取引サービスの内容に関連する詳細情報を前記取引支援情報として表示する
請求項1又は2に記載の自動取引装置。
【請求項4】
取引処理時に扱われる媒体の入出口を筐体正面に備え、
前記媒体の入出時に正面視で前記入出口と重ならない範囲で、前記第2表示手段を前記入力表示部と接近した位置に移動させる位置変更手段を備えた
請求項1〜3の何れか1つに記載の自動取引装置。
【請求項5】
取引処理時に扱われる媒体の入出口を筐体正面に備え、
前記入力操作時以外では、前記第2表示手段を、筐体内に格納した状態で保持する一方、
前記入力操作時に前記第2表示手段を筐体正面側に進出させて、顧客が視認可能な位置に移動させる位置変更手段を備えた
請求項1〜3の何れか1つに記載の自動取引装置。
【請求項6】
取引処理時に扱われる媒体の入出口を筐体正面に備えるとともに、
前記第2表示手段を移動させる位置変更手段を備えており、
前記入出口を閉塞する位置に前記第2表示手段を保持するように前記位置変更手段を制御し、
前記第2表示手段に、取引停止状態を告知する取引中止情報を表示させる取引停止時制御手段を備えた
請求項1〜3の何れか1つに記載の自動取引装置。
【請求項7】
前記第2表示手段における前記取引支援情報の表示の要否を選択するための操作を受け付ける表示要否選択手段と、
該表示要否選択手段での選択操作に基づいて前記第2表示手段を制御する表示制御手段とを備えた
請求項1〜6の何れか1つに記載の自動取引装置。
【請求項8】
前記第2表示手段は、入力部を備えており、
該入力部での所定の入力操作に基づいて、取引サービスの内容に関連する詳細情報を表示する
請求項1〜7の何れか1つに記載の自動取引装置。
【請求項9】
前記第2表示手段は、取引処理中の、前記表示入力手段による入力操作を受け付けない時間帯に、前記取引支援情報とは異なる待ち受け情報を表示する
請求項1〜8の何れか1つに記載の自動取引装置。
【請求項10】
取引に関連する顧客からの問合わせ受け付ける問合わせ窓口の通信端末と通信を行う通信部を備えるとともに、
前記第2表示手段は、入力部を備え、
該入力部での所定の入力操作に基づいて、前記通信端末との通信を許容する
請求項1〜9の何れか1つに記載の自動取引装置。
【請求項11】
前記第2表示手段に、筐体正面の周辺を撮影する撮影手段を設けて、該撮影手段により撮影された撮影画像を、前記第2表示手段で表示するとともに、
前記撮影画像から顧客以外の人物の顔画像を検知して、該人物と前記顧客との距離を測定する測定手段と、
該距離が所定以内の時に顧客に対して所定の報知を行う報知手段とを備えた
請求項1〜10の何れか1つに記載の自動取引装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−53750(P2011−53750A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−199600(P2009−199600)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】