説明

自動周回収集式データ収集システム

【課題】電線が切断されたり、停電となったりした場合等でも、監視を続けることができ、且つ安価な構成で構築可能な自動周回週式データ収集システムを提供する。
【解決手段】自動周回収集式データシステム1は、監視装置2と、各拠点に配置されたデータ収集モジュール3とを光ケーブルC1、C2、C3等で接続して構成される。監視装置2は、データ収集を行うためのトリガパルスを光ケーブルC1を介して各データ収集モジュール3に送る。各データ収集モジュール3には識別符号が付与され、各データ収集モジュール3は、第1、第2の光スイッチSW1、SW2よりなる自動周回機構4と、データ収集ユニット5と、データ収集のための各種制御を行う制御部6を備える。自動周回機構4は、監視装置2からトリガパルスを受け取ると、第3のスイッチSW3をオン制御し、収集データを前記識別符号とともに光ケーブルC2を介して監視装置2へ送信させるとともに、トリガパルスを光ケーブルC1を介して次のデータ収集モジュール3に送り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新しい原理に基づく光スイッチを利用して構成される自動周回収集式データ収集システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、河川等の様子を監視する場合、例えば監視拠点にモニタカメラやセンサを取り付け、監視センターでそれらからのデータを収集し、そのデータをモニタリングして監視を行うことが多い。この場合、電気信号としてそれらの収集データを回収し、画像信号等に変換するのが一般的である。
【0003】
しかしながら、台風等の悪天候のような場合に、電線が切断されたり、停電となったりすると、監視を続けることができなくなってしまうという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、電線が切断されたり、停電になったりしたような場合でも、監視を続けることができ、且つ安価な構成で構築可能な自動周回収集式データ収集システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記課題を解決するため、第1には、監視装置と、各拠点に配置されたデータ収集モジュールとを光ケーブルで接続して構成される自動周回収集式データ収集システムであって、監視装置は、所定のタイミングでデータ収集を行うためのトリガパルスを光ケーブルを介して各データ収集モジュールに送るトリガパルス発生部と、光ケーブルを介して各データ収集モジュールから収集データを受け取る収集データ回収部と、各データ収集モジュールにデータ収集のための制御信号を送信する制御部を有し、各データ収集モジュールには識別符号が付与され、各データ収集モジュールは、第1の光スイッチ及び第2の光スイッチよりなる自動周回機構と、それぞれの拠点でのデータを収集するためのデータ収集ユニットと、データ収集ユニット及び光ケーブルに接続される制御部と、制御部と光ケーブルとの接続のオン/オフを制御する第3の光スイッチを有し、第1の光スイッチ及び第2の光スイッチは、それぞれ、光源光とこれとは異なる波長の信号光を入力し、該信号光の入力のオン/オフにより該制御光の出力のオン/オフを制御する方式の光制御型光スイッチよりなり、自動周回機構は、監視装置からトリガパルスを受け取ると、第3のスイッチをオン制御し、制御部にデータ収集ユニットで収集したデータを前記識別符号とともに光ケーブルを介して監視装置へ送信させるとともに、トリガパルスを光ケーブルを介して次のデータ収集モジュールに送り出すことを特徴とする自動周回収集式データ収集システムを提供する。
【0006】
また、第2には、上記第1の発明において、第1の光スイッチは、第1の波長λ1を有する連続光である第1の光源光と第2の波長λ2を有するパルス状光である第1の信号光とを同軸でかつ収束して入力する第1の信号入力部、第2の信号光に対し吸収性を示し第1の光源光に対し透過性を示す波長帯域を持つ第1の光吸収膜を有し、第1の光吸収膜が第1の信号光を吸収した領域及びその周辺領域に起こる温度上昇に起因して可逆的に生ずる屈折率の分布に基づいた熱レンズを用いることによって、第1の信号光が照射されず熱レンズが形成されない場合は第1の光源光を通常の開き角度で出力する状態と、第1の信号光が照射されて熱レンズが形成された場合は第1の光源光を通常の開き角度より大きい開き角度で出力する状態とを、第1の信号光の照射の有無に対応させて実現させる第1の熱レンズ効果素子、及び第1の熱レンズ効果素子より出力した第1の光源光のうち、通常の開き角度で出力した第1光源光を第1の出力ポートから出力させ、通常の開き角度より大きい開き角度で出力した第1の光源光は第2の出力ポートから出力させる第1の光源光選択部を備え、第2の光スイッチは、第1の光スイッチの第2の出力ポートから出力される第1の波長λ1の第1の光源光を第2の信号光として取り込み、この第2の信号光と第2の波長λ2を有する連続光である第2の光源光とを同軸でかつ収束して入力する第2の信号入力部、第2の信号光に対し吸収性を示し第2の光源光に対し透過性を示す波長帯域を持つ第2の光吸収膜を有し、第2の光吸収膜が第2の信号光を吸収した領域及びその周辺領域に起こる温度上昇に起因して可逆的に生ずる屈折率の分布に基づいた熱レンズを用いることによって、第2の信号光が照射されず熱レンズが形成されない場合は第2の光源光を通常の開き角度で出力する状態と、第2の信号光が照射されて熱レンズが形成された場合は第2の光源光を通常の開き角度より大きい開き角度で出力する状態とを、第2の信号光の照射の有無に対応させて実現させる第2の熱レンズ効果素子、及び出力した第2の光源光のうち、通常の開き角度で出力した第2光源光は第1の出力ポートから出力し、通常の開き角度より大きい開き角度で出力した第2の光源光は第2の出力ポートから出力させる第2の光源光選択部を備え、第1の光スイッチの第1の信号入力部は、光ケーブルに接続され、トリガパルスを第1の信号光として取り込み、第1の光スイッチの第1の出力ポートは第3の光スイッチに接続され、第1の光スイッチの第2の出力ポートは第2の光スイッチの第2の信号入力部に接続され、第2の光スイッチの第2の出力ポートは光ケーブルに接続されることを特徴とする自動周回収集式データ収集システムを提供する。
【0007】
第3には、上記第2の発明において、第1の光源光選択部と第2の光源光選択部がそれぞれ穴付ミラーであり、それぞれ通常の開き角度のときは第1の光源光と第2の光源光を穴より通過させ、それぞれ通常の開き角度より大きな開き角度のときは穴付ミラーのミラー部により第1の光源光と第2の光源光の光路の方向を変更させることを特徴とする自動周回収集式データ収集システムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電線が切断されたり、停電となったりした場合等でも、監視を続けて行うことが可能で、収集データの回収を電気的処理を行うことなく光技術を利用した新たな原理に基づく安価な構成で構築できる自動周回週式データ収集システムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る自動周回収集式データ収集システム1の構成を模式的に示した図である。
【0011】
この自動周回収集式データ収集システム1では、監視装置2と各拠点に設置された複数のデータ収集モジュール3が光ケーブルC1、C2、C3等を介して周回的に接続されている。なお、図1には便宜的に1つのデータ収集モジュール3のみ詳細に示してある。監視装置2は例えば各データ収集モジュール3とは離隔した監視センターに設置することができる。本実施形態では、監視装置2は無停電電源2Aを備えており、また、電源供給等のためのレーザー発振装置2Bも備えており、光ケーブルC3を介して各データ収集モジュール3に電源供給等を行うことができるようになっている。監視装置2は、図示はしていないが、所定のタイミングでデータ収集を行うためのトリガパルスを光ケーブルC1を介して各データ収集モジュール3に送るトリガパルス発生部と、光ケーブルC2を介して各データ収集モジュール3から収集データを受け取る収集データ回収部と、各データ収集モジュール3にデータ収集のための制御信号を送信する制御部と、監視のためのモニタ装置等をも備えている。
【0012】
各データ収集モジュール3には識別符号が付与され、各データ収集モジュール3は、第1の光スイッチSW1及び第2の光スイッチSW2よりなる自動周回機構4と、それぞれの拠点でのデータを収集するためのデータ収集ユニット5と、データ収集ユニット5及び光ケーブルC2に接続され、データ収集のための各種制御を行う制御部(CPU)6と、通信制御部(Ether)7と、電気信号と光信号の相互変換を行うE/O部8と、制御部6側と光ケーブルC2側の接続のオン/オフを制御する第3の光スイッチSW3を備える。また光ケーブルC3に接続された光電池3A、充電池3Bも設けてある。データ収集ユニット5としては、使用目的、用途に応じてモニタカメラや各種センサ等を用いることができる。
【0013】
個々のデータ収集モジュールに付与する識別符号としては、例えば、デジタル情報転送に広く用いられている公知の「IPアドレス」を、IPアドレスを用いたデータ識別方式とともに好適に用いることができる。この識別符号によって、送信されたデータが、どのデータ収集モジュールから送出されたかを的確に把握することが可能となる。
【0014】
自動周回機構4の第1の光スイッチSW1及び第2の光スイッチSW2は、後記するように、それぞれ、光源光とこれとは異なる波長の信号光を入力し、該信号光の入力のオン/オフにより該信号光の出力のオン/オフを制御する方式の光制御型光スイッチよりなる。第3の光スイッチSW3には、通常のオン/オフ制御タイプの光スイッチを用いることができる。
【0015】
自動周回機構4は、監視装置2からケーブルC1を介してトリガパルスを受け取ると、第3のスイッチSW3をオン制御し、制御部6にデータ収集ユニット5で収集したデータを光ケーブルを介して例えば所定時間、監視装置2へ送信させるとともに、トリガパルスを光ケーブルC1を介して次のデータ収集モジュール3に送り出す。
【0016】
ここで、データ収集ユニット3の自動周回機構4の構成について詳細に説明する。
【0017】
前述のように、自動周回機構4は第1の光スイッチSW1と第2の光スイッチSW2より構成される。第1の光スイッチSW1には、波長650nmの連続(CW)光である光源光11を取り込むための入力ポート12と、トリガパルスである波長1550nmのパルス状信号光[ゲート光]である13を取り込むための入力ポート14が設けられている。入力ポート12の下流側には入力した光源光11を平行光とするためのレンズ15が配置され、入力ポート14の下流側には入力した信号光13を平行光とするためのレンズ16が配置されている。レンズ15の下流側にはダイクロイックミラー17が配置され、レンズ16の下流側にはレンズ16からの平行光の光路を変えるミラー18が配置されている。ダイクロイックミラー17はレンズ15からの平行光は透過させ、ミラー18からの平行光の光路を変えて、光源光11と信号光13を同軸の重なりあった平行光とする。ダイクロイックミラー17の下流側にはレンズ19、熱レンズ効果素子20、レンズ21、フィルター22、穴付ミラー23、レンズ24がそれぞれ配置されている。レンズ19はダイクロイックミラー17からの重なりあった平行光を焦点が熱レンズ効果素子20内となるように収束させる。熱レンズ効果素子20は、光源光11のみが入力した場合には通常の開き角度で光源光11を出力し、光源光11と信号光13が同時に入力した場合には熱レンズを形成し、通常の開き角度より大きな開き角度で両者の光11、13を出力する。レンズ21は出力した両者の光11、13を平行光にする。フィルター22は信号光13をカットし、光源光11は通過させる。穴付ミラー23は通常の開き角度の光源光11はその穴を通過させ、通常の開き角度より大きな開き角度の光源光11はミラー部分で反射させ、その光路を変える。穴付ミラー23の下流側のミラー24は、穴付ミラー23の穴を通過した光源光11を収束させる。穴付ミラー23の下方には、穴付ミラー23により反射した光源光11をさらに反射させ、光路を変えるミラー25が配置され、その下流側にはミラー25からの平行光を収束させるレンズ26が配置されている。第1の光スイッチSW1には、2つの出力ポート27、28が設けられている。出力ポート27は信号光13オフ時にレンズ24で収束された650nm光出力を行い、第3の光スイッチSW3に供給する。この状態のときには、第3の光スイッチSW3は、制御部6と光ケーブルC2との接続をオフとする。出力ポート28は信号光13オン時にレンズ26で収束された650nm光出力を行う。この状態のときには、第3の光スイッチSW3は、制御部6とケーブルC2の接続をオンとし、収集データの送信が行われる。オン状態は所定時間継続するようになっている。
【0018】
第2のスイッチ光SW2には、監視装置2のレーザー発振装置2Bから光ケーブルC3を介して供給された波長1550nmの連続(CW)光である光源光31を取り込むための入力ポート32と、第1の光スイッチSW1の出力ポート28から出力される650nm光出力を信号光[ゲート光]33として取り込むための入力ポート34が設けられている。入力ポート32の下流側には入力した光源光31を平行光とするためのレンズ35が配置され、入力ポート34の下流側には入力した信号光33を平行光とするためのレンズ36が配置されている。レンズ35の下流側にはダイクロイックミラー37が配置され、レンズ36の下流側にはレンズ36からの平行光の光路を変えるミラー38が配置されている。ダイクロイックミラー37はレンズ35からの平行光は透過させ、ミラー38からの平行光の光路を変えて、光源光31と信号光33を同軸の重なりあった平行光とする。ダイクロイックミラー37の下流側にはレンズ39、熱レンズ効果素子40、レンズ41、フィルター42、穴付ミラー43、レンズ44がそれぞれ配置されている。レンズ39はダイクロイックミラー37からの重なりあった平行光を焦点が熱レンズ効果素子40内となるように収束させる。熱レンズ効果素子40は、光源光31のみが入力した場合には通常の開き角度で光源光31を出力し、光源光31と信号光33が同時に入力した場合には熱レンズを形成し、通常の開き角度より大きな開き角度で両者の光31、33を出力する。レンズ41は出力した両者の光31、33を平行光にする。フィルター42は信号光33をカットし、光源光31は通過させる。穴付ミラー43は、通常の開き角度の光源光31はその穴を通過させ、通常の開き角度より大きな開き角度の光源光31はミラー部分で反射させ、その光路を変える。穴付ミラー43の下流側のミラー44は、穴付ミラー43の穴を通過した光源光31を収束させる。穴付ミラー43の下方には、穴付ミラー43により反射した光源光31をさらに反射させ、光路を変えるミラー45が配置され、その下流側にはミラー45からの平行光を収束させるレンズ46が配置されている。第2の光スイッチSW2には、2つの出力ポート47、48が設けられている。出力ポート47は信号光33オフ時にレンズ44で収束された1550nm光出力を行う。出力ポート48は信号光33オン時にレンズ46で収束された1550nm光出力を行う。この出力ポート48からの光出力がトリガパルスとして光ケーブルC1に送り出され、次のデータ収集ユニット3に送られる。
【0019】
トリガパルスのパルス幅は例えば数百μs〜1ms程度、パルス高さは数mW〜10mWのように設定することができるが、特にこれに限定されない。
【0020】
ここで第1の光スイッチSW1の熱レンズ効果素子20と第2の光スイッチSW2の熱レンズ効果素子40について説明する。
【0021】
図3は、熱レンズ効果素子20を説明するための概念図である。熱レンズ効果素子20は、図4の実線で示すように、波長650nmの光源光11に対しては透過性を示し、波長1550nmの信号光13に対しては吸収性を示す波長帯域を持つ色素よりなる光吸収膜20’を有している。このような波長帯域を持つ色素としては、市販の赤外線吸収色素を好適に用いることができ、更に具体的には、例えば、日本カーリット株式会社製、CIR−960を使用することができる。
【0022】
熱レンズ効果素子20では、上記のような波長帯域を持つ光吸収膜20’に波長1550nmの信号光13が照射されると、その光に対して吸収性を示すため光を吸収した領域及びその周辺領域の温度が上昇し、屈折率が変化し、その温度分布に応じて屈折率が変化して熱レンズ(TL)が形成され、信号光13の照射が終わると元の状態に戻るという可逆的な屈折率変化を生じる。したがって、熱レンズ効果素子20に連続(CW)光である光源光11のみが照射され信号光13がオフの場合には、図3(a)のように熱レンズ(TL)は形成されないため、通常の開き角度で光源光11が出力し、レンズ21で平行光とされ、断面が円形状のビームとして穴付ミラー22の穴をそのまま通過する。一方、熱レンズ効果素子20に光源光11が照射され且つ信号光13がオンの場合には、図3(b)のように熱レンズ(TL)が形成され、通常の開き角度より大きい角度で光源光11が出力し、レンズ21で平行光とされ、断面がリング状のビームとして穴付ミラー22のミラー部で反射され、光路の方向が変えられる。
【0023】
一方、熱レンズ効果素子40は、図4の鎖線で示すように、波長1550nmの光源光31に対しては透過性を示し、波長650nmの信号光33に対しては吸収性を示す波長帯域を持つ色素よりなる光吸収膜を有している。このような波長帯域を持つ色素としては、溶剤可溶性のフタロシアニン色素を好適に用いることができ、更に具体的には、例えば、銅(II)2,9,16,23−テトラ−tert−ブチル−29H,31H−フタロシアニン(Copper(II)2,9,16,23-tetra-tert-butyl-29H,31H-phthalocyanine)を使用することができる。熱レンズの形成、その作用に関しては上記と同様である。
【0024】
熱レンズ効果素子20、40は、基本的に上記のような吸収、透過の波長特性を持ち、熱レンズの形成可能な光吸収膜20’、40’を有しておればよく、光吸収を促進させる層や、伝熱層、保温層等、この出願の発明者らの出願に係る特開2005−265986号公報に記載されているような各種の層を設けることができる。
【0025】
本実施形態では、上記のようにして、トリガパルスを光ケーブルC3を介して周回させる。
【0026】
さらに、上記の自動周回機構4では、光源光選択部として穴付ミラーを用いたが、これに限定されず、穴部分が透明材料となっているものや、特定の波長のもののみを透過させる素子等、光源光の選択ができるものであれば、適宜のもの使用が可能である。また、光源光、信号光に用いる光の波長も適宜の値のもの、適宜の組み合わせとすることができる。
【0027】
本実施形態では、上記のようにして、電気的処理なしに、新規な光スイッチを用いた自動周回機構と光ケーブルを用いて収集データを回収できるようにしたため、安価にシステムを構築できる上、悪天候等の条件下で電線が切断されたり、停電になったりしても、監視対象の監視を続けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動周回収集式データ収集システムの構成を模式的に示した図である。
【図2】上記実施形態のデータ収集モジュールで用いる自動周回機構の構成を模式的に示した図である。
【図3】熱レンズ効果素子を説明するための概念図である。
【図4】熱レンズ効果素子に用いる光吸収膜の波長特性の説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 自動周回収集式データ収集システム
2 監視装置
2A 無停電電源
2B レーザー発振装置
3 データ収集モジュール
3A 光電池
3B 充電池
4 自動周回機構
5 データ収集ユニット
6 制御部
7 通信制御部
8 E/O部
C1、C2、C3 光ケーブル
SW1、SW2、SW3 光スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視装置と、各拠点に配置されたデータ収集モジュールとを光ケーブルで接続して構成される自動周回収集式データ収集システムであって、
監視装置は、所定のタイミングでデータ収集を行うためのトリガパルスを光ケーブルを介して各データ収集モジュールに送るトリガパルス発生部と、光ケーブルを介して各データ収集モジュールから収集データを受け取る収集データ回収部と、各データ収集モジュールにデータ収集のための制御信号を送信する制御部を有し、
各データ収集モジュールには識別符号が付与され、各データ収集モジュールは、第1の光スイッチ及び第2の光スイッチよりなる自動周回機構と、それぞれの拠点でのデータを収集するためのデータ収集ユニットと、データ収集ユニット及び光ケーブルに接続される制御部と、制御部と光ケーブルとの接続のオン/オフを制御する第3の光スイッチを有し、
第1の光スイッチ及び第2の光スイッチは、それぞれ、光源光とこれとは異なる波長の信号光を入力し、該信号光の入力のオン/オフにより該光源光の出力のオン/オフを制御する方式の光制御型光スイッチよりなり、
自動周回機構は、監視装置からトリガパルスを受け取ると、第3のスイッチをオン制御し、制御部にデータ収集ユニットで収集したデータを前記識別符号とともに光ケーブルを介して監視装置へ送信させるとともに、トリガパルスを光ケーブルを介して次のデータ収集モジュールに送り出すことを特徴とする自動周回収集式データ収集システム。
【請求項2】
第1の光スイッチは、
第1の波長λ1を有する連続光である第1の光源光と第2の波長λ2を有するパルス状光である第1の信号光とを同軸でかつ収束して入力する第1の信号入力部、
第2の信号光に対し吸収性を示し第1の光源光に対し透過性を示す波長帯域を持つ第1の光吸収膜を有し、第1の光吸収膜が第1の信号光を吸収した領域及びその周辺領域に起こる温度上昇に起因して可逆的に生ずる屈折率の分布に基づいた熱レンズを用いることによって、第1の信号光が照射されず熱レンズが形成されない場合は第1の光源光を通常の開き角度で出力する状態と、第1の信号光が照射されて熱レンズが形成された場合は第1の光源光を通常の開き角度より大きい開き角度で出力する状態とを、第1の信号光の照射の有無に対応させて実現させる第1の熱レンズ効果素子、及び
第1の熱レンズ効果素子より出力した第1の光源光のうち、通常の開き角度で出力した第1光源光を第1の出力ポートから出力させ、通常の開き角度より大きい開き角度で出力した第1の光源光は第2の出力ポートから出力させる第1の光源光選択部を備え、
第2の光スイッチは、
第1の光スイッチの第2の出力ポートから出力される第1の波長λ1の第1の光源光を第2の信号光として取り込み、この第2の信号光と第2の波長λ2を有する連続光である第2の光源光とを同軸でかつ収束して入力する第2の信号入力部、
第2の信号光に対し吸収性を示し第2の光源光に対し透過性を示す波長帯域を持つ第2の光吸収膜を有し、第2の光吸収膜が第2の信号光を吸収した領域及びその周辺領域に起こる温度上昇に起因して可逆的に生ずる屈折率の分布に基づいた熱レンズを用いることによって、第2の信号光が照射されず熱レンズが形成されない場合は第2の光源光を通常の開き角度で出力する状態と、第2の信号光が照射されて熱レンズが形成された場合は第2の光源光を通常の開き角度より大きい開き角度で出力する状態とを、第2の信号光の照射の有無に対応させて実現させる第2の熱レンズ効果素子、及び
出力した第2の光源光のうち、通常の開き角度で出力した第2光源光は第1の出力ポートから出力し、通常の開き角度より大きい開き角度で出力した第2の光源光は第2の出力ポートから出力させる第2の光源光選択部を備え、
第1の光スイッチの第1の信号入力部は、光ケーブルに接続され、トリガパルスを第1の信号光として取り込み、
第1の光スイッチの第1の出力ポートは第3の光スイッチに接続され、
第1の光スイッチの第2の出力ポートは第2の光スイッチの第2の信号入力部に接続され、
第2の光スイッチの第2の出力ポートは光ケーブルに接続されることを特徴とする請求項1に記載の自動周回収集式データ収集システム。
【請求項3】
第1の光源光選択部と第2の光源光選択部がそれぞれ穴付ミラーであり、それぞれ通常の開き角度のときは第1の光源光と第2の光源光を穴より通過させ、それぞれ通常の開き角度より大きな開き角度のときは穴付ミラーのミラー部により第1の光源光と第2の光源光の光路の方向を変更させることを特徴とする請求項2に記載の自動周回収集式データ収集システム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【公開番号】特開2008−27402(P2008−27402A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202633(P2006−202633)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度独立行政法人科学技術振興機構「研究題目「全光データ配信システムの開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000002820)大日精化工業株式会社 (387)
【出願人】(393015634)株式会社スペースクリエイション (7)
【出願人】(503184234)株式会社インターエナジー (20)
【Fターム(参考)】