説明

自動変速機用制御モジュール、および自動変速機用制御モジュールの製造方法

【課題】自動変速機用制御モジュールにおいて、第1、第2ターミナル8、15の溶接部位の周囲と、それ以外の部分とで異なる素材を使用して配線ユニット3を設けることを可能にするとともに、第1、第2ターミナル8、15の接合強度を高める。
【解決手段】配線ユニット3は、導通部材18a〜18iを台座19a〜19cの所定部位に保持させた1次組立体20A、20Bを有し、1次組立体20A、20Bを金型にインサートするとともに樹脂材料を注入して2次成形することで設けられている。さらに、導通部材18a〜18iの先端部が配線ユニット3の表面に露出して第2ターミナル15をなす。また、1次組立体20A、20Bは、導通部材18a〜18iにおいて第2ターミナル15となる部分を押えて台座19a〜19cの所定部位に押し付ける押え部材24a〜24dを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動変速機用制御モジュール、および自動変速機用制御モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動変速機を制御する電子制御ユニット(以下、TCUと呼ぶことがある。)と、TCUと他の機器とを電気的に接続する配線ユニットとを備え、TCU側の第1ターミナルと配線ユニット側の第2ターミナルとが導通接合されている自動変速機用制御モジュール(以下、単にモジュールと略して呼ぶことがある。)が周知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ここで、第1、第2ターミナルの溶接方法としては、抵抗溶接、レーザ溶接等の種々の方法が考えられる。この内、抵抗溶接を採用する場合、時間短縮の観点から複数の第1、第2ターミナルの組合せを同時に抵抗溶接する多点同時方式を取る必要がある。しかし、多点同時方式の抵抗溶接を行う場合、第1、第2ターミナルの組合せの中に接触異常の組合せがあると、TCUに電流が回り込んでTCUが破損する虞がある。
そこで、TCUに電流が回り込む虞がなく、非接触溶接であって溶接点間の移動時間が短いレーザ溶接を採用するのが好ましいと考えられている。
【0004】
ところで、レーザ溶接を採用する場合、レーザ光が第1、第2ターミナルで反射して周囲の樹脂部分に吸収され、樹脂部分が焼損する虞がある。さらに、焼損に伴い発生した焼損ガスが第1、第2ターミナルの溶接部位に混入し、第1、第2ターミナルの接合強度が低下する虞もある。このため、第1、第2ターミナルの溶接部位の周囲の樹脂部分には、レーザ光の吸収率が低い素材(例えば、ポリアミド樹脂)を使用するのが好ましいと考えられている。
【0005】
一方、モジュール自体は、温度変化が大きい自動変速機の内部に搭載されるため、TCU側の素材と配線ユニット側の素材との線膨張差により第1、第2ターミナルの溶接部位に冷熱応力が加わり、溶接部位が破断して第1、第2ターミナルの導通が損なわれる虞がある。このため、配線ユニット側の素材には、TCU側の素材との線膨張差が小さいもの(例えば、PPS樹脂)を使用するのが好ましいと考えられる。
【0006】
そこで、第1、第2ターミナルの溶接部位の周囲と、それ以外の部分とで異なる素材を使用して配線ユニットを設けることができ、かつ、第1、第2ターミナルの接合強度を高めることができる構造が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0051596号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、自動変速機用制御モジュールにおいて、TCU側の第1ターミナルと配線ユニット側の第2ターミナルとの溶接部位の周囲と、それ以外の部分とで異なる素材を使用して配線ユニットを設けることを可能にするとともに、第1、第2ターミナルの接合強度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段によれば、自動変速機用制御モジュールは、自動変速機を制御する電子制御ユニットと、電子制御ユニットと他の機器とを電気的に接続する配線ユニットとを備え、自動変速機の内部に搭載される。
また、電子制御ユニットは、自動変速機を制御するための制御部を内蔵し、制御部に接続する電気配線の複数の先端部が外部に突出して、電子制御ユニット側のターミナルとしての複数の第1ターミナルをなしている。
【0010】
また、配線ユニットは、電気配線としての導通部材を所定の台座に保持させた1次組立体を有し、1次組立体を所定の金型にインサートするとともに樹脂材料を注入して2次成形することで設けられている。さらに、導通部材の複数の先端部が配線ユニットの表面に露出して、配線ユニット側のターミナルとしての複数の第2ターミナルをなしており、第1ターミナルと第2ターミナルとはレーザ溶接により導通接合されている。
【0011】
そして、1次組立体は、導通部材において第2ターミナルとなる部分を押える押え部材を有し、第2ターミナルとなる部分が押え部材により台座に押し付けられた状態で2次成形される。なお、台座の樹脂材料および押え部材の樹脂材料は、2次成形用の樹脂材料よりもレーザ吸収率が低い。
【0012】
これにより、第1、第2ターミナルの溶接部位の周囲は台座の樹脂材料および押え部材の樹脂材料により設けられ、それ以外の部分は2次成形用の樹脂材料により設けられる。このため、第1、第2ターミナルの溶接部位の周囲と、それ以外の部分とで異なる素材を使用して配線ユニットを設けることができる。
【0013】
また、第2ターミナルとなる部分が押え部材により台座に押し付けられた状態で2次成形されるため、第2ターミナルの位置が固定されて安定する。このため、レーザ溶接時の第2ターミナルの位置が従来よりも安定するので、第1、第2ターミナルの接合強度を高めることができる。
【0014】
なお、台座の樹脂材料および押え部材の樹脂材料は、2次成形用の樹脂材料よりもレーザ吸収率が低い。このため、台座の樹脂材料および押え部材の樹脂材料は、レーザ光を吸収して焼損する虞が2次成形用の樹脂材料よりも低く、さらに、焼損ガスの混入による第1、第2ターミナルの接合強度低下の虞も2次成形用の樹脂材料よりも低い。
また、2次成形用の樹脂材料には、レーザ吸収率が台座の樹脂材料および押え部材の樹脂材料より高くても線膨張率がTCU側の素材に近いものを選択することで、冷熱応力による溶接部位の破断の虞を低減することができる。
【0015】
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段によれば、押え部材は、スナップフィットにより1次組立体に組み込まれて、第2ターミナルとなる部分を台座に押し付ける。
これにより、押え部材を簡便に1次組立体に組み込むことができる。
【0016】
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段によれば、押え部材は、2次成形用の樹脂材料により被覆される膨出部を有する。
これにより、2次成形後の押え部材を強固に固定することができるので、押え部材による第2ターミナルの押付け状態を確実に維持することができる。なお、スナップフィットにより押え部材を1次組立体に組み込む場合、2次成形後の押え部材の抜け出し等の虞が高まるので、膨出部を2次成形用の樹脂材料により被覆して押え部材を固定することは極めて有効である。
【0017】
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段によれば、第2ターミナルは、配線ユニットの表面に露出する根元よりも先端の方が配線ユニットの周縁に近くなるように設けられ、押え部材は、第2ターミナルの先端となる部分を台座に押し付ける。
配線ユニットの体格は、第2ターミナルに関して先端を周縁に配する方が根元を周縁に配するよりも、小さくすることができる。
【0018】
すなわち、第2ターミナルに関して根元を周縁に配する場合、電気配線を周縁で中央側に向かって折り返す必要があるので、電気配線としての導通部材を周縁側で取り回すための容積が必要となる。
【0019】
これに対し、第2ターミナルに関して先端を周縁に配する場合、電気配線を中央から周縁に至る途中で折り曲げて表面に露出できるようにしておき、さらに周縁側に向かって折り曲げることで、導通部材を取り回す領域を周縁側ではなく中央側に配することができる。このため、導通部材を取り回す領域が周縁側にある場合(第2ターミナルに関して根元を周縁に配する場合)に比べて、配線ユニットの体格を小さくすることができる。
【0020】
また、配線ユニットの中央領域はTCUが載せられることが多い。このため、第2ターミナルに関して先端を周縁に配し、中央領域で導通部材を取り回すようにすれば、TCUが載せられる領域で導通部材を取り回すことができるので、配線ユニットの中央領域の有効活用ができる。
【0021】
さらに、第2ターミナルに関して先端を周縁に配する場合、第1、第2ターミナルの先端側同士、根元側同士が重ね合わされて、先端側同士の重なりにレーザ光が照射される。このため、レーザ光を照射する部分が不安定になりやすいので、押え部材により第2ターミナルの先端を台座に押し付けて第2ターミナルの位置を安定させ、第2ターミナルの位置が安定した状態でレーザ光を照射する。
【0022】
以上により、第2ターミナルに関して先端を周縁に配することで、配線ユニットの体格低減、および、配線ユニット中央領域の有効活用を達成することができる。さらに、押え部材により第2ターミナルの先端を台座に押し付けることで第2ターミナルの位置を安定させ、第2ターミナルの位置が安定した状態でレーザ光を照射することで第1、第2ターミナルの接合強度を高めることができる。
【0023】
〔請求項5の手段〕
請求項5の手段によれば、2次成形用の樹脂材料はPPS樹脂であり、台座の樹脂材料および押え部材の樹脂材料はポリアミド樹脂である。
この手段は、樹脂材料の具体例を示すものである。
【0024】
〔請求項6の手段〕
請求項6の手段によれば、自動変速機用制御モジュールの製造方法は、導通部材を台座に保持させることで1次組立体を組み立てる1次組立工程と、導通部材の複数の先端部が配線ユニットの表面に露出するように、1次組立体を所定の金型にインサートするとともに樹脂材料を注入して2次成形する2次成形工程と、第1ターミナルと第2ターミナルとをレーザ溶接により導通接合するレーザ溶接工程とを備える。
【0025】
また、1次組立工程は、第2ターミナルとなる部分を押え部材により台座に押し付けて1次組立体を組み立て、2次成形工程は、第2ターミナルとなる部分が押え部材により台座に押し付けられた状態の1次組立体を金型にインサートして2次成形する。
この手段は、請求項1〜5の手段に係る自動変速機用制御モジュールの製造方法を示すものである。
【0026】
〔請求項7の手段〕
請求項7の手段によれば、台座は、導通部材が部分的に嵌まり込む嵌合部を有し、1次組立工程は、導通部材を嵌合部に嵌め込むことで台座に保持させる。
これにより、2次成形工程において、2次成形用の樹脂材料の注入によって導通部材が浮き上がってしまうのを阻止することができる。
【0027】
〔請求項8の手段〕
請求項8の手段によれば、押え部材は、スナップフィットにより1次組立体に組み込まれて、第2ターミナルとなる部分を台座に押し付け、2次成形工程は、金型によって押え部材による押付け方向に押え部材を押圧する。
これにより、押え部材をスナップフィットによって組み込むことに伴うがたつきをなくした上で、2次成形用の樹脂材料を注入することができる。このため、さらに第2ターミナルの位置を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】モジュールの斜視図である(実施例)。
【図2】(a)は配線ユニットにTCUを組み付ける前の状態を示す斜視図であり、(b)は配線ユニットにTCUを組み付けた後の状態を示す斜視図である(実施例)。
【図3】(a)はモジュールにアルミプレートおよびセンサユニットを組み付ける前の状態を示す斜視図であり、(b)はモジュールにアルミプレートおよびセンサユニットを組み付けた後の状態を示す斜視図である(実施例)。
【図4】一方の1次組立体の1次組立前半工程を示す斜視図である(実施例)。
【図5】一方の1次組立体の1次組立後半工程を示す斜視図である(実施例)。
【図6】(a)は押え部材の斜視図であり、(b)は押え部材を台座に組み込んだ状態を示す斜視図である(実施例)。
【図7】他方の1次組立体の1次組立工程を示す斜視図である(実施例)。
【図8】2次成形工程を示す斜視図である(実施例)。
【図9】図8のA−A断面図である(実施例)。
【図10】(a)はモジュールの押え部材周囲の状態を示す部分平面図であり、(b)はモジュールの押え部材周囲の状態を示す部分斜視図である(実施例)。
【図11】(a)は特定第2ターミナルと第1ターミナルとのレーザ溶接を示す断面図であり、(b)は非特定第2ターミナルと第1ターミナルとのレーザ溶接を示す断面図である(実施例)。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施形態の自動変速機用制御モジュールは、自動変速機を制御する電子制御ユニットと、電子制御ユニットと他の機器とを電気的に接続する配線ユニットとを備え、自動変速機の内部に搭載される。
また、電子制御ユニットは、自動変速機を制御するための制御部を内蔵し、制御部に接続する電気配線の複数の先端部が外部に突出して、電子制御ユニット側のターミナルとしての複数の第1ターミナルをなしている。
【0030】
また、配線ユニットは、電気配線としての導通部材を所定の台座に保持させた1次組立体を有し、1次組立体を所定の金型にインサートするとともに樹脂材料を注入して2次成形することで設けられている。さらに、導通部材の複数の先端部が配線ユニットの表面に露出して、配線ユニット側のターミナルとしての複数の第2ターミナルをなしており、第1ターミナルと第2ターミナルとはレーザ溶接により導通接合されている。
【0031】
そして、1次組立体は、導通部材において第2ターミナルとなる部分を押える押え部材を有し、第2ターミナルとなる部分が押え部材により台座に押し付けられた状態で2次成形される。なお、台座の樹脂材料および押え部材の樹脂材料は、2次成形用の樹脂材料よりもレーザ吸収率が低い。
【0032】
また、押え部材は、スナップフィットにより1次組立体に組み込まれて、第2ターミナルとなる部分を台座に押し付ける。さらに、押え部材は、2次成形用の樹脂材料により被覆される膨出部を有する。
【0033】
また、第2ターミナルは、配線ユニットの表面に露出する根元よりも先端の方が配線ユニットの周縁に近くなるように設けられ、押え部材は、第2ターミナルの先端となる部分を台座に押し付ける。
なお、2次成形用の樹脂材料はPPS樹脂であり、台座の樹脂材料および押え部材の樹脂材料はポリアミド樹脂である。
【0034】
実施形態の自動変速機用制御モジュールの製造方法は、導通部材を台座に保持させることで1次組立体を組み立てる1次組立工程と、導通部材の複数の先端部が配線ユニットの表面に露出するように、1次組立体を所定の金型にインサートするとともに樹脂材料を注入して2次成形する2次成形工程と、第1ターミナルと第2ターミナルとをレーザ溶接により導通接合するレーザ溶接工程とを備える。
【0035】
また、1次組立工程は、第2ターミナルとなる部分を押え部材により台座に押し付けて1次組立体を組み立て、2次成形工程は、第2ターミナルとなる部分が押え部材により台座に押し付けられた状態の1次組立体を金型にインサートして2次成形する。
【0036】
また、台座は、導通部材が部分的に嵌まり込む嵌合部を有し、1次組立工程は、導通部材を嵌合部に嵌め込むことで台座に保持させる。
さらに、押え部材は、スナップフィットにより1次組立体に組み込まれて、第2ターミナルとなる部分を台座に押し付け、2次成形工程は、金型によって押え部材による押付け方向に押え部材を押圧する。
【実施例】
【0037】
〔実施例の構成〕
実施例の自動変速機用制御モジュール(モジュール)1の構成を、図1〜図3等を用いて説明する。
ここで、自動変速機(図示せず)は、変速用の係合要素を備え、油圧の作用により係合要素の係合または解放が行われてシフトレンジを切り替える周知構造を有するものである。また、係合要素に作用する油圧は、所定の油圧回路(図示せず)を経て供給されるものであり、この油圧回路において電磁ソレノイド弁(図示せず)の動作により油圧の供給先が切り替わることで、係合要素の係合または解放の状態が可変されてシフトレンジが切り替わる。
【0038】
モジュール1は、自動変速機を制御する電子制御ユニット(以下、TCU2と呼ぶ。)と、TCU2と他の機器とを電気的に接続する配線ユニット3とを備える。そして、モジュール1は、図3に示すように、TCU2の放熱部材としてのアルミプレート4、および、シフトポジションセンサを構成するホール素子を内蔵するセンサユニット5等とボルト等によってネジ締結されて一体化され、自動変速機の内部に搭載される。
【0039】
TCU2は、図2に示すように、自動変速機を制御するための制御部(図示せず)を内蔵するように樹脂モールドにより長方形かつ板状に設けられた本体7、本体7の周縁から外周側に突出するTCU2側のターミナルとしての複数の第1ターミナル8、および、ネジ締結により配線ユニット3に一体化するための取付けブラケット9等を有する。
【0040】
ここで、制御部は、例えば、各種の制御処理を実行して制御信号を出力するマイコン、マイコンから出力される制御信号に応じて電磁ソレノイド弁に通電させる駆動回路等を備えるように構成されている。また、制御部には、各種信号の入出力や各種機器への通電等を行うために複数の電気配線が接続しており、これらの電気配線の先端部がTCU2の外部に突出して複数の第1ターミナル8をなしている。
【0041】
配線ユニット3は、図1に示すように、TCU2の載置領域を形成してTCU2と電気的に接続するための本体部11、自動変速機外部の機器と電気的に接続するための外部コネクタ部12、自動変速機内部の機器と電気的に接続するための内部コネクタ部13、および、センサユニット5のホール素子等と電気的に接続するためのセンサ側接続部14等を有する。そして、本体部11では、載置領域の外周側の表面に配線ユニット3側のターミナルとしての複数の第2ターミナル15が露出しており、第1ターミナル8と第2ターミナル15とが、図10、図11に示すようにレーザ溶接により導通接合されている。
【0042】
ここで、自動変速機外部の機器とは、例えば、車載バッテリや他の電子制御ユニット(例えば、エンジン制御用の電子制御ユニット)等であり、自動変速機内部の機器とは、例えば、電磁ソレノイド弁、油圧センサや油温センサ等である。また、配線ユニット3の周縁には、ネジ締結時にボルトが通るカラー16が適宜配されている。
【0043】
〔実施例の特徴〕
実施例のモジュール1の特徴を、図4〜図11等に基づいて説明する。
まず、配線ユニット3は、電気配線としての導通部材18a〜18iを台座19a〜19dの所定部位に保持させた1次組立体20A、20Bを有し(図4、図5および図7等参照)、1次組立体20A、20Bを所定の金型21にインサートするとともに樹脂材料を注入して2次成形することで設けられている(図8、図9等参照)。
【0044】
このとき、導通部材18a〜18iの先端部が配線ユニット3の表面に露出するように2次成形され、この露出した先端部が、第2ターミナル15をなして第1ターミナル8とレーザ溶接により導通接合される。
【0045】
ここで、2次成形用の樹脂材料は例えばPPS樹脂であり、台座19a〜19dの樹脂材料は例えばポリアミド樹脂であるから、台座19a〜19dの樹脂材料は、2次成形用の樹脂材料よりもレーザ吸収率が低い。また、TCU2のモールド樹脂は例えばエポキシ樹脂であるから、2次成形用の樹脂材料は、台座19a〜19dの樹脂材料よりも線膨張率がTCU2のモールド樹脂に近い。
【0046】
以下、モジュール1の特徴を、モジュール1の製造方法に基づいて説明する。
モジュール1の製造方法は、導通部材18a〜18iを台座19a〜19dの所定部位に保持させることで1次組立体20A、20Bを組み立てる1次組立工程と、導通部材18a〜18iの複数の先端部が配線ユニット3の表面に露出するように、1次組立体20A、20Bを所定の金型21にインサートするとともに樹脂材料を注入して2次成形する2次成形工程と、第1ターミナル8と第2ターミナル15とをレーザ溶接により導通接合するレーザ溶接工程とを備える。
【0047】
1次組立体20Aの1次組立工程は、図4、図5等に示すように中間組立体23を経由して1次組立体20Aを組み立てる。つまり、1次組立体20Aの1次組立工程は、中間組立体23を組み立てる前半の工程(以下、1次組立体20Aの1次組立前半工程と呼ぶ。)と、中間組立体23を1次組立体20Aに仕上げる後半の工程(以下、1次組立体20Aの1次組立後半工程と呼ぶ。)とからなる。
【0048】
1次組立体20Aの1次組立前半工程では、図4等に示すように、導通部材18a〜18d、台座19aおよび後記する押え部材24a、24bからなる中間組立体23を組み立てる。まず、導通部材18a〜18dは、一方の先端部が第2ターミナル15となるものであり、他方の先端部は、内部コネクタ部13のターミナルとしての内部ターミナル25となるものである。また、台座19aは、第2ターミナル15となる先端部を収容する溝26、導通部材18a〜18dが先端部以外において部分的に嵌まり込む嵌合部27を有する。
【0049】
溝26は、複数の絶縁壁28を平行に設けることで形成されるものであり、2次成形工程後には、この溝26内で第2ターミナル15が配線ユニット3の表面に露出している(図10(a)等参照)。また、レーザ溶接工程では、溝26内に第1ターミナル8が第2ターミナル15に沿うように収容され、溝26内で第1、第2ターミナル8、15がレーザ溶接される。そして、絶縁壁28により沿面距離が確保される。
【0050】
嵌合部27は、多数の隆起29を設けることで隆起29間に形成されるものである。そして、隆起29間に形成された嵌合部27に導通部材18a〜18dの個々の導体を嵌め込むことで、導通部材18a〜18dを台座19aに保持させる。
【0051】
また、中間組立体23には、第2ターミナル15の最先端となる部分を台座19aに押し付ける押え部材24a、24bが組み込まれる(図4、図6および図9等参照)。押え部材24aは、図4、図6および図10等に示すように、導通部材18aにおいて第2ターミナル15の先端30となる部分を台座19aに押し付ける帯状の本体部31と、本体部31の両端から伸びて台座19aの所定部位にスナップフィットにより係合する爪部32とを有する。また、本体部31は、台座19aに設けられた凸部33が嵌合する凹部34、凹部34が窪む方向とは逆の方向に膨出するアンカー形状の膨出部35を有する。
【0052】
そして、押え部材24aは、爪部32が台座19aの所定部位に係合するとともに凹部34に凸部33が嵌合することで1次組立体20Aに組み込まれて、導通部材18aにおいて第2ターミナル15の先端30となる部分を台座19aに押し付ける。
また、押え部材24bも、押え部材24aと同様の構造を有しており、導通部材18bにおいて第2ターミナル15の先端30となる部分を台座19aに押し付ける。
【0053】
以上のような1次組立体20Aの第1組立前半工程により、導通部材18a、18bは、第2ターミナル15となる部分に関して、2次成形後に配線ユニット3の表面に露出する根元38よりも先端30の方が配線ユニット3の本体部11において周縁に近くなるように組み込まれる(図9、図10(a)および図11(a)等参照:以下、第2ターミナル15の内、本体部11において根元38よりも先端30の方が周縁に近くなるものを特定第2ターミナル15Aと呼ぶことがある。)。
【0054】
すなわち、導通部材18a、18bは、それぞれの電気配線が中央から周縁に至る途中で折れ曲がって表面に露出できるようになっており(図4および図9等の折れ曲がり40を参照)、さらに周縁側に向かって折れ曲がっている(図4および図9等の折れ曲がり41を参照)。このため、導通部材18a、18bに関し、電気配線を取り回す領域は、本体部11において周縁側ではなく中央側に配される。
【0055】
次に、1次組立体20Aの1次組立後半工程で、中間組立体23に導通部材18e、台座19bおよび押え部材24cが組み込まれて1次組立体20Aが仕上がる(図5等参照)。ここで、導通部材18eは、一方の先端部が第2ターミナル15となるものであり、他方の先端部は、センサ側接続部14のターミナルとしてのセンサ側ターミナル43となるものである。
【0056】
また、台座19bには、台座19aと同様に、第2ターミナル15となる先端部を収容する溝26、導通部材18eを先端部以外において部分的に嵌め込む嵌合部27が設けられている。さらに、押え部材24cは、押え部材24a、24bと同様の構造を有している。
【0057】
なお、導通部材18c〜18eは、第2ターミナル15となる部分に関して、2次成形後に配線ユニット3の表面に露出する先端30よりも根元38の方が配線ユニット3の本体部11において周縁に近くなるように組み込まれる(図11(b)等参照:以下、第2ターミナル15の内、本体部11において先端30よりも根元38の方が周縁に近くなるものを非特定第2ターミナル15Bと呼ぶことがある。)。
【0058】
そして、押え部材24cは、導通部材18eにおいて第2ターミナル15の根元38となる部分を台座19bに押し付けるとともに、導通部材18c、18dにおいて第2ターミナル15の根元38となる部分を台座19aに押し付ける(図4、図5参照)。
【0059】
1次組立体20Bの1次組立工程は、図7等に示すように、台座19cに導通部材18f〜18iを保持させた後、押え部材24dおよび台座19dを組み込むことで1次組立体20Bを組み立てる。
導通部材18f〜18iは、一方の先端部が第2ターミナル15となるものであり、他方の先端部は、外部コネクタ部12のターミナルとしての外部ターミナル44となるものである。
【0060】
また、台座19cには、台座19a、19bと同様に、第2ターミナル15となる先端部を収容する溝26、導通部材18f〜18iを先端部以外において部分的に嵌め込む嵌合部27が設けられている。また、押え部材24dは、押え部材24a〜24cと同様の構造を有しており、導通部材18f〜18iにおいて第2ターミナル15の先端30となる部分を台座19cに押し付ける。
【0061】
また、導通部材18f〜18iは、第2ターミナル15となる部分に関して、2次成形後に配線ユニット3の表面に露出する根元38よりも先端30の方が配線ユニット3の本体部11において周縁に近くなるように組み込まれる。
【0062】
すなわち、導通部材18f〜18iからなる第2ターミナル15は特定第2ターミナル15Aである。そして、導通部材18f〜18iは、それぞれの電気配線が中央から周縁に至る途中で折れ曲がって表面に露出できるようになっており(図7等の折れ曲がり40を参照)、さらに周縁側に向かって折れ曲がっている(図7等の折れ曲がり41を参照)。このため、導通部材18f〜18iに関し、電気配線を取り回す領域は、配線ユニット3の本体部11において周縁側ではなく中央側に配される。
【0063】
台座19dは、導通部材18f〜18iにおいて、外部ターミナル44となる先端部を囲うことができるように円筒状に設けられており、台座19cに係合することで1次組立体20Bに組み込まれる。
なお、押え部材24a〜24dの樹脂材料は、例えば、ポリアミド樹脂であって台座19a〜19dの樹脂材料と同一である。
【0064】
2次成形工程では、金型21の上型21pによって押え部材24a〜24dによる押付け方向と同じ方向に押え部材24a〜24dを押圧した状態で、2次成形用の樹脂材料が注入される(図9等参照)。
【0065】
これにより、押え部材24a、24bは、それぞれ導通部材18a、18bの第2ターミナル15となる部分の先端30を台座19aに強力に押し付ける。また、押え部材24cは、導通部材18c、18dの第2ターミナル15となる部分の根元38を台座19aに強力に押し付け、導通部材18eの第2ターミナル15となる部分の根元38を台座19bに強力に押し付ける。さらに、押え部材24dは、導通部材18f〜18iの第2ターミナル15となる部分の先端30を台座19cに強力に押し付ける。
【0066】
また、金型21内に注入された2次成形用の樹脂材料は、押え部材24a〜24dの膨出部35の周囲に流れ込み、膨出部35は2次成形用の樹脂材料により被覆される(図10(b)等参照)。
【0067】
〔実施例の効果〕
実施例のモジュール1によれば、配線ユニット3は、導通部材18a〜18iを台座19a〜19dの所定部位に保持させた1次組立体20A、20Bを有し、1次組立体20A、20Bを金型21にインサートするとともに樹脂材料を注入して2次成形することで設けられている。さらに、導通部材18a〜18iの先端部が配線ユニット3の表面に露出して、配線ユニット3側の第2ターミナル15をなしており、第2ターミナル15は、TCU2側の第1ターミナル8とレーザ溶接により導通接合されている。
【0068】
また、1次組立体20A、20Bは、導通部材18a〜18iにおいて第2ターミナル15となる部分を押えて台座19a〜19cの所定部位に押し付ける押え部材24a〜24dを有する。そして、第2ターミナル15となる部分が押え部材24a〜24dにより台座19a〜19cの所定部位に押し付けられた状態で2次成形される。また、台座19a〜19cの樹脂材料および押え部材24a〜24dの樹脂材料は、2次成形用の樹脂材料よりもレーザ吸収率が低い。
【0069】
これにより、第1、第2ターミナル8、15の溶接部位の周囲は台座19a〜19cの樹脂材料により設けられ、それ以外の部分は2次成形用の樹脂材料により設けられる。このため、第1、第2ターミナル8、15の溶接部位の周囲と、それ以外の部分とで異なる素材を使用して配線ユニット3を設けることができる。
【0070】
また、第2ターミナル15となる部分が押え部材24a〜24dにより台座19a〜19cの所定部位に押し付けられた状態で2次成形されるため、第2ターミナル15の位置が固定されて安定する。このため、レーザ溶接時の第2ターミナル15の位置が従来よりも安定しているので、第1、第2ターミナル8、15の接合強度を高めることができる。
【0071】
また、台座19a〜19dの樹脂材料および押え部材24a〜24dの樹脂材料であるポリアミド樹脂は、2次成形用の樹脂材料であるPPS樹脂よりもレーザ吸収率が低い。このため、台座19a〜19cの樹脂材料および押え部材24a〜24dの樹脂材料は、レーザ光を吸収して焼損する虞が2次成形用の樹脂材料よりも低く、さらに、焼損ガスの混入による第1、第2ターミナル8、15の接合強度低下の虞も2次成形用の樹脂材料よりも低い。
【0072】
さらに、2次成形用の樹脂材料であるPPS樹脂は、レーザ吸収率が台座19a〜19cおよび押え部材24a〜24dの樹脂材料であるポリアミド樹脂より高いものの、線膨張率がTCU2側の素材であるエポキシ樹脂に近い。このため、冷熱応力による溶接部位の破断の虞を低減することができる。
【0073】
また、押え部材24a〜24dは、スナップフィットにより1次組立体20A、20Bに組み込まれて、第2ターミナル15の先端30または根元38となる部分を台座19a〜19cに押し付ける。
これにより、押え部材24a〜24dを簡便に1次組立体20A、20Bに組み込むことができる。
【0074】
また、押え部材24a〜24dは、2次成形用の樹脂材料により被覆される膨出部35を有する。
これにより、2次成形後の押え部材24a〜24dを強固に固定することができるので、押え部材24a〜24dによる第2ターミナル15の押付け状態を確実に維持することができる。なお、スナップフィットにより押え部材24a〜24dを1次組立体20A、20Bに組み込む場合、2次成形後の押え部材24a〜24dの抜け出し等の虞が高まるので、膨出部35を2次成形用の樹脂材料により被覆して押え部材24a〜24dを固定することは極めて有効である。
【0075】
また、複数の第2ターミナル15の内、導通部材18a、18b、18f〜18iの先端部からなるものは、配線ユニット3の本体部11において、表面に露出する根元38よりも先端30の方が本体部11の周縁に近い特定第2ターミナル15Aである。また、導通部材18a、18b、18f〜18iにおいて第2ターミナル15の先端30となる部分は、押え部材24a、24b、24dにより台座19a、19cに押し付けられている。
【0076】
ここで、先端30を周縁に有する特定第2ターミナル15Aの方が、根元38を周縁に有する非特定第2ターミナル15Bよりも、配線ユニット3の体格を小さくすることができる。
すなわち、非特定第2ターミナル15Bである場合、電気配線を周縁で中央側に向かって折り返す必要があるので、電気配線を周縁側で取り回すための容積が必要となる。
【0077】
これに対し、特定第2ターミナル15Aである場合、電気配線を中央から周縁に至る途中で折り曲げて表面に露出できるようにしておき、さらに周縁側に向かって折り曲げることで(図9等の折れ曲がり40、41を参照)、電気配線を取り回す領域を周縁側ではなく中央側に配することができる。このため、電気配線を取り回す領域が周縁側にある場合(非特定第2ターミナル15Bである場合)に比べて、配線ユニット3の体格を小さくすることができる。
【0078】
また、配線ユニット3において本体部11の中央領域はTCU2の載置領域である。このため、第2ターミナル15に関して先端30を周縁に配し、中央領域で電気配線を取り回すようにすれば、TCU2の載置領域で電気配線を取り回すことができるので、本体部11の中央領域の有効活用ができる。
【0079】
さらに、特定第2ターミナル15Aである場合、第1ターミナル8と特定第2ターミナル15Aとは、先端側同士、根元側同士が重ね合わされて、先端側同士の重なりにレーザ光が照射される(図11(a)等参照)。このため、レーザ光を照射する部分が不安定になりやすいので、押え部材24a、24b、24dにより特定第2ターミナル15Aの先端30を台座19a、19cに押し付けて特定第2ターミナル15Aの位置を安定させ、特定第2ターミナル15Aの位置が安定した状態でレーザ光を照射する。
【0080】
以上により、複数の第2ターミナル15の内、大部分を特定第2ターミナル15Aとすることで、配線ユニット3の体格低減、および、配線ユニット3の本体部11の中央領域の有効活用を達成することができる。さらに、特定第2ターミナル15Aの先端30を押え部材24a、24b、24dにより台座19a、19cに押し付けることで特定第2ターミナル15Aの位置を安定させ、特定第2ターミナル15Aの位置が安定した状態でレーザ光を照射することで、第1ターミナル8と特定第2ターミナル15Aとの接合強度を高めることができる。
【0081】
また、台座19a〜19cは、導通部材18a〜18iの導体が部分的に嵌まり込む嵌合部27を有し、1次組立工程は、導通部材18a〜18iを嵌合部27に嵌め込むことで台座19a〜19cに保持させる。
これにより、2次成形工程において、2次成形用の樹脂材料の注入によって導通部材18a〜18iが浮き上がってしまうのを阻止することができる。
【0082】
また、押え部材24a〜24dは、スナップフィットにより1次組立体20A、20Bに組み込まれて、第2ターミナル15の先端30または根元38となる部分を台座19a〜19cの所定部位に押し付け、2次成形工程は、金型21の上型21pによって押え部材24a〜24dによる押付け方向に押え部材24a〜24dを押圧する。
これにより、押え部材24をスナップフィットによって組み込むことに伴うがたつきをなくした上で、2次成形用の樹脂材料を注入することができる。このため、さらに第2ターミナル15の位置を安定させることができる。
【0083】
〔変形例〕
モジュール1の態様は、実施例に限定されず種々の変形例を考えることができる。例えば、実施例のモジュール1によれば、導通部材18eの先端部からなる第2ターミナル15は、非特定第2ターミナル15Bであったが、導通部材18eの先端部からなる第2ターミナル15を特定第2ターミナル15Aとなるように、配線ユニット3において内部コネクタ部13やセンサ側接続部14の位置取りを変更するとともに、導通部材18eの形状を変形してもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 モジュール(自動変速機用制御モジュール)
2 TCU(電子制御ユニット)
3 配線ユニット
8 第1ターミナル
15 第2ターミナル
18a〜18i 導通部材
19a〜19d 台座
20A、20B 1次組立体
21 金型
24a〜24d 押え部材
27 嵌合部
30 先端
35 膨出部
38 根元

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動変速機を制御する電子制御ユニットと、この電子制御ユニットと他の機器とを電気的に接続する配線ユニットとを備え、前記自動変速機の内部に搭載される自動変速機用制御モジュールにおいて、
前記電子制御ユニットは、前記自動変速機を制御するための制御部を内蔵し、
この制御部に接続する電気配線の複数の先端部が外部に突出して、前記電子制御ユニット側のターミナルとしての複数の第1ターミナルをなしており、
前記配線ユニットは、電気配線としての導通部材を所定の台座に保持させた1次組立体を有し、この1次組立体を所定の金型にインサートするとともに樹脂材料を注入して2次成形することで設けられ、
前記導通部材の複数の先端部が前記配線ユニットの表面に露出して、前記配線ユニット側のターミナルとしての複数の第2ターミナルをなしており、
前記第1ターミナルと前記第2ターミナルとはレーザ溶接により導通接合されており、
前記1次組立体は、前記導通部材において前記第2ターミナルとなる部分を押える押え部材を有し、前記第2ターミナルとなる部分が前記押え部材により前記台座に押し付けられた状態で2次成形され、
前記台座の樹脂材料および前記押え部材の樹脂材料は、2次成形用の樹脂材料よりもレーザ吸収率が低いことを特徴とする自動変速機用制御モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の自動変速機用制御モジュールにおいて、
前記押え部材は、スナップフィットにより前記1次組立体に組み込まれて、前記第2ターミナルとなる部分を前記台座に押し付けることを特徴とする自動変速機用制御モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の自動変速機用制御モジュールにおいて、
前記押え部材は、前記2次成形用の樹脂材料により被覆される膨出部を有することを特徴とする自動変速機用制御モジュール。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の内のいずれか1つに記載の自動変速機用制御モジュールにおいて、
前記第2ターミナルは、前記配線ユニットの表面に露出する根元よりも先端の方が前記配線ユニットの周縁に近くなるように設けられ、
前記押え部材は、前記第2ターミナルの先端となる部分を前記台座に押し付けることを特徴とする自動変速機用制御モジュール。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の内のいずれか1つに記載の自動変速機用制御モジュールにおいて、
前記2次成形用の樹脂材料はPPS樹脂であり、前記台座の樹脂材料および前記押え部材の樹脂材料はポリアミド樹脂であることを特徴とする自動変速機用制御モジュール。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5の内のいずれか1つに記載の自動変速機用制御モジュールの製造方法において、
前記導通部材を前記台座に保持させることで前記1次組立体を組み立てる1次組立工程と、
前記導通部材の複数の先端部が前記配線ユニットの表面に露出するように、前記1次組立体を所定の金型にインサートするとともに樹脂材料を注入して2次成形する2次成形工程と、
前記第1ターミナルと前記第2ターミナルとをレーザ溶接により導通接合するレーザ溶接工程とを備え、
前記1次組立工程は、前記第2ターミナルとなる部分を前記押え部材により前記台座に押し付けて前記1次組立体を組み立て、
前記2次成形工程は、前記第2ターミナルとなる部分が前記押え部材により前記台座に押し付けられた状態の前記1次組立体を前記金型にインサートして2次成形することを特徴とする自動変速機用制御モジュールの製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の自動変速機用制御モジュールの製造方法において、
前記台座は、前記導通部材が部分的に嵌まり込む嵌合部を有し、
前記1次組立工程は、前記導通部材を前記嵌合部に嵌め込むことで前記台座に保持させることを特徴とする自動変速機用制御モジュールの製造方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の自動変速機用制御モジュールの製造方法において、
前記押え部材は、スナップフィットにより前記1次組立体に組み込まれて、前記第2ターミナルとなる部分を前記台座に押し付け、
前記2次成形工程は、前記金型によって前記押え部材による押付け方向に前記押え部材を押圧することを特徴とする自動変速機用制御モジュールの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−154365(P2012−154365A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11846(P2011−11846)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】