自動廃液試料採取および自動腹膜平衡試験を有する透析システム
透析システム(10)は、少なくとも1つの透析液ポンプアクチュエータと、少なくとも1つのポンプアクチュエータで動作可能な少なくとも1つのポンプ室を含む、使い捨てカセット(50)であって、複数の流体容器に流体的に接続されるように構成される複数の流体ポートをさらに含む、使い捨てカセットと、少なくとも1つのポンプアクチュエータに少なくとも1つのポンプ室を動作させて、流出透析液を排液容器または試料容器に選択的に移動させるようにプログラムされる、プロセッサとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、透析に関し、特に、腹膜透析のための廃液試料採取試験に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
腹膜透析(「PD」)の患者に透析液の投与を処方することは、通常、Dr.Zbylut J.Twardoskiによって最初に開発された、腹膜平衡試験(「PET」)の結果に基づく。PETは、ルーチンベースで行うことができるか、または看護士あるいは医師がPETの実行を要求する場合に行うことができる。現在の実践では、訓練を受けた看護師または医師が、手作業に集中した動作でPETを行うことができるように、患者は、透析センターに赴く必要がある。通常のPET養生法は、看護師または医師に、約4〜5時間にわたって、多数の溶液試料を採取するように要求する。
【0003】
看護師または医師が、(腹膜試験用、PET用、または任意の所望の理由のために)第1の排液から廃液試料を要求する場合、周知のPDサイクラーを使用する患者は、起きていて、治療中に適切な順序で手動により廃液試料を採取する必要がある。患者または医師は、治療中の適切な時点で、クランプを手動で開閉して、廃液試料の汚染を回避する必要もある。
【0004】
あるいは、(適性試験用または任意の所望の理由のために)廃液試料を患者の総排液(組み合わされるすべての排液サイクル)から採取することを医師が要求する場合、患者は、治療の最後に追加のステップを行う必要がある。この追加のステップは、比較的大きい排液バッグまたは容器(例えば、15リットル)から、小さい廃液試料バッグに流体を注ぐように患者に要求する。廃液試料バッグまたは容器は、無菌性が問題とならないように、廃液ライン内のYに接続されてもよい。しかしながら、排液容器が排液ラインに接続されない場合があり、個別の容器に廃液試料を注ぎ入れようと試みる際に、廃液試料をこぼし得ることを意味する。さらに、流体を個別の容器に注ぎ入れることは、汚染をもたらし得る。
【0005】
なおもさらに、患者は、適切な試料容量が採取されるのを保証するために、廃液試料バッグ全体を透析クリニックに持参するように要求される場合がある。このバッグは、重くて扱いにくい。また、排液バッグ全体を持参することの欠点は、排液バッグが、通常、治療の開始時に、使い捨て可能な一式のプライミングおよびフラッシングのために、数百ミリリットルの新鮮な透析液で希釈されることである。新鮮な透析液を排液容器全体に追加することは、廃液試料採取の結果を歪め得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、PETを行うため、および廃液試料採取のための改善した装置および方法がPDに必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本開示は、概して、腹膜平衡試験(「PET」)を行うため、および任意の所望の理由で廃液試料を採取するための自動システムに関する。自動システムは、患者に課される手動および記憶負担を大幅に取り除く。一実施形態において、システムは、患者が追加の締付または注入ステップを行う必要なく、特定の排液サイクルまたは排液の集合のいずれかから自動的に廃液試料を採取する。一実施形態において、システムは、透析液送出器具で動作する使い捨ての送出構成要素に接続する、廃液試料採取バッグを提供する。一実施形態において、廃液バッグは、バッグのコネクタの中に埋め込まれる、無線周波識別子または光学バーコード等の識別子を有し、機械が読み取ることによって、バッグが、供給または排液バッグ等の異なる種類のバッグではなく、廃液試料バッグであることが分かる。廃液試料バッグは、医師が必要とする任意の容量に適応するように、異なるサイズで提供され得る。一実施形態において、廃液試料バッグには、バッグの片側に、徐々に明るくなる一連のテキストも印刷される。廃液が充填され、白い背景に配置されると、テキストは、患者にとって混濁した廃液の指標となり、腹膜炎の早期兆候となり得る。
【0008】
透析器具は、患者から排液した総廃液の試料を採取する際に、試料が全体排液容量を代表することを保証する。これを行うために、一実施形態において、システムは、排液容量の一部を排液バッグに、一部を試料バッグにレシオメトリック的に送達する。例えば、約1リットルの排液試料を入手するには、患者の総充填量が10リットルであると想定すると、排液バッグに対して9回の排液ポンプストロークを行い、試料バッグに対して1回の排液ポンプストロークを行うように、器具を構成することができる。レシオメトリック送出は、治療の最後まで継続し、全体排液を代表する試料を提供する。
【0009】
代替実施形態において、廃液試料システムは、排液サイクルのそれぞれからではなく、特定の排液サイクルから廃液試料を採取するようにプログラムされる。例えば、透析治療は、初期排液管を含む、3つの排液管で構成され得る。試料は、必要に応じて、初期排液管のみ、第2の排液管のみ、または最後の排液管のみから採取することができる。システムは、試料が完了すると、自動的に廃液バッグラインコネクタをキャップする。システムは、自動キャッピングなしに動作し得るが、そのような自動キャッピングは、個別の手動クランプおよび個別の手動ステップの必要性を排除し、そうでなければ、患者が行う必要がある。
【0010】
上述の廃液試料採取システムは、単一の廃液試料採取バッグを生成する。上述のPETは、通常、処置中に、異なる時間間隔で、複数の試料を採取する必要がある。代替実施形態において、本開示の廃液試料採取システムは、したがって、PETを自動に実行するように構成され、複数の試料バッグを産生し、試料処置にわたって、異なる時点で試料を採取する。システムは、廃液試料採取のすべてを自動的に行い、患者または医師にかかる時間負担を低減する。PETは、通常、血液試料も採取する必要があるため、1つの設定では、PETをセンターで自動的に行うことが予定される。ここでは、センターの看護師または医師が血液試料を採取する。しかしながら、患者が血液試料を採取する設備を備えているか、または血液試料を採取できる看護師または看護人が自宅にいると想定すると、自動PETを家で行うことも考えられる。任意の例において、患者または医師は、例えば、2時間廃液試料時点で、単一の血清試料を採取する必要があるだけであると推定される。一実施形態において、自動PETシステムは、患者または医師に対して、そのような血清試料を採取するように指示するように構成される。
【0011】
透析システムは、PET中に生成されるすべての関連データを捕捉し、患者データカードに記録する、データ記憶能力とともに提供される。次に、データカードを使用し、廃液試料および血清試料データの研究室分析で後に処理するために、情報を臨床ソフトウェアに転送する。
【0012】
したがって、本開示の1つの利点は、滅菌廃液試料採取システムを提供して、試料採取のための排液ライン上に現在存在するYコネクタを排除することである。
【0013】
本開示の別の利点は、廃液試料採取を可能にする、透析システムを提供して、例えば、15リットルの大きい排液バッグの必要性を排除することであり、この排液バッグは、顧客にとって高額であり、試料に使用されない廃液が、直接排液管に送達され得るため本システムでは必要とされない。
【0014】
本開示のさらに別の利点は、初期プライミングおよびフラッシング容量を、いずれの場合も試料バッグにではなく、排液バッグまたは屋内排液管に送出することによって、より正確な試料を提供する、廃液試料採取システムを提供することである。
【0015】
本開示のさらなる利点は、自動腹膜平衡試験(「PET」)を提供することである。
【0016】
本開示のさらに別の利点は、透析センターにおいて、医師にかかる負担を低減することである。
【0017】
追加の特徴および利点は本明細書に説明され、以下の詳細な説明および図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本開示の自動廃液試料採取および腹膜平衡試験(「PET」)を実行するようにプログラムされる透析システムの一実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、システムによる使い捨てカセットの動作を強調表示する図1のシステムの斜視図である。
【図3】図3は、本開示の自動廃液試料採取で使用される使い捨てカセットおよび一式の一実施形態の概略図である。
【図4】図4は、本開示の自動廃液試料採取で使用される使い捨てカセットおよび一式のポンプ室およびバルブ室配列の一実施形態の概略図である。
【図5】図5は、本開示の自動廃液試料採取で使用される使い捨てカセットおよび一式のポンプ室およびバルブ室配列の一実施形態の立面図である。
【図6】図6は、本開示の自動廃液試料採取および腹膜平衡試験(「PET」)で使用される廃液試料バッグの一実施形態の設計図である。
【図7】図7は、本開示の自動廃液試料採取およびPETで使用される廃液試料バッグの別の実施形態の設計図である。
【図8】図8は、本開示の自動PETで使用される使い捨てカセットおよび一式の一実施形態の概略図である。
【図9】図9は、本開示の自動PETの一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図9A】図9は、本開示の自動PETの一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図9B】図9は、本開示の自動PETの一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図10】図10は、本開示の自動PETの別の一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図10A】図10は、本開示の自動PETの別の一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図10B】図10は、本開示の自動PETの別の一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図10C】図10は、本開示の自動PETの別の一連の動作を説明する概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(詳細な説明)
ここで図面、特に図1〜2を参照して、腎不全治療システム10が提供される。システム10は、概して、任意の種類の腎不全治療システム、例えば、腹膜透析(「PD」)、血液透析(「HD」)、血液ろ過(「HF」)、血液透析ろ過(「HDF」)、および持続的腎代替療法(「CRRT」)に適用可能である。以下に説明する自動試料採取システムは、例えば、一般的な薬剤送達および血液処理等の腎臓分野以外に使用することもできる。しかしながら、説明を容易にするために、システム10は、一般的に、透析システムとして説明され、1つの特に適した適用では、PDシステムとして説明される。
【0020】
例示される実施形態において、システム10は、透析器具12を含む。透析器具12は、どの種類の腎不全治療にも使用されるように構成される。透析器具12は、中央処理装置(「CPU」)およびCPUで動作可能な複数のコントローラ(例えば、安全、バルブ、ヒーター、ポンプ、ビデオおよびオーディオ(例えば、音声ガイダンス)コントローラ)を含む。CPUは、グラフィカルユーザマシンインターフェース(「GUT」)、例えば、ビデオモニタ20およびタッチ画面または電子機械的入力装置(例えば、膜スイッチ)等の1つ以上の種類の入力装置22を含む、ビデオコントローラを介して動作する。
【0021】
CPUおよびビデオモニタ20と共同するビデオコントローラは、自動試料採取および腹膜平衡試験(「PET」)指示を、文字/グラフィックを介して、視覚的に患者または看護人に提供する。例えば、文字/グラフィックを表示して、システム10を用いた試料容器70の使用に関する指示を提供する(図3〜6)。追加またはあるいは、CPUおよび音声ガイダンスコントローラは、スピーカ24と共同して、自動試料採取およびPET指示を、音声ガイダンスを介して、患者または看護人に提供する。例えば、音声ガイダンスは、システム10を用いた試料容器70の使用に関する指示を提供するように付与することができる。
【0022】
図1に見られるように、透析器具12は、使い捨て装置30を受容し、それで動作する。使い捨て装置30は、本明細書では、皮または壊れやすいシール34を介して2つの流体を分離する、二腔供給バッグとして示される、1つ以上の供給バッグ32a〜32c(本明細書では、供給バッグ32と総称されるか、または個別に、概して供給バッグ32と称される)を含む。使い捨てセット30は、排液バッグ(図示せず)、加温バッグ36、バッグチューブ38a〜38d(本明細書では、チューブまたは管38と総称されるか、または個別に、概して管38と称される)、および使い捨て送出/バルブカセット50も含む(図2)。
【0023】
腎不全治療システム10の種類および構造に応じて、使い捨て装置30の部品のうちの1つ以上は必要とされない場合がある。例えば、システム10は、排液バッグの代わりに、バスタブ、トイレまたはシンク等の屋内排液管に使用済みの流体を送出することができる。システム10は、インラインヒーターを含んでもよく、その場合、加温バッグ36は必要ない。
【0024】
3つの供給バッグ32が示されているが、システム10は、任意の適切な数の供給バッグを採用することができる。供給バッグ32は、壊れやすいシール34によって分離され、採用される治療の種類に応じて異なる溶液を保持する、複数の室42aおよび42bを有して示される。例えば、室42aおよび42bは、PD用の緩衝液およびグルコース、またはHD用の酢酸および重炭酸溶液を保持することができる。供給バッグ32は、あるいは、予混合のPDまたはHD透析液等の単一の予混合溶液を保持する単室バッグである。
【0025】
図1および2に見られるように、使い捨てカセット50は、管38a、38b、および38cを介して、供給バッグ32、排液バッグ、および加温バッグ36にそれぞれ接続する。管38dは、カセット50から患者接続44まで通っている。一実施形態では、カセット50は、堅固な外壁52、そこから内部ポンプ室(以下に示すように60)、バルブ室(以下に示すように62)、および内部液路が延びる基壁、チューブ38に密封して接続する、堅固な流体ポート56(以下に示すポート56a〜56gと総称される)、および外側の堅固な壁52および可能であれば、追加で内側の堅固な壁に密封される一対の可撓膜またはシート58を有する堅固な構造を含む、チューブ38は、バッグ52が流体的な接続のために突き刺さされるように、ポート56に固定することができる。あるいは、チューブ58は、バッグ32に固定され、ポート56は、流体的な接続のために突き刺さされる。
【0026】
器具12は、カセット50のポンプ室およびバルブ室を、空気圧式、機械的、またはその両方で作動させることができる。例示される実施形態は、空気圧式作動を使用する。本開示の最終譲受人によって販売されるHomeChoice(登録商標)APDシステムは、カセット50で動作することができるか、または動作可能にすることができ、その全体内容が本明細書に参考として援用される、米国特許第5,350,357号(「’357特許」)に説明される空気圧式システムを使用する。例示される実施形態では、器具12は、膜ガスケット14を含み、カセット50のポンプ室およびバルブ室のそれぞれにおいて、カセットシーティング58で異なる密封領域を形成する。膜ガスケット14は、カセットシーティング58で、それらの領域内を移動し、バルブ室を開閉するか、またはポンプ室を通る流体を送出する。インターフェースプレートは、膜ガスケット14の後ろに配置され、以下に論じるカセット50のポンプ室(実際はポンプ室部分)と組み合わせて、一対の固定容量ポンプ室のそれぞれの一部を形成する。
【0027】
例示される実施形態では、器具12は、カセット50に対して閉じるドア16を含む。ドア16はプレスプレート18を含み、プレスプレートは機械的に(例えば、ドアの閉鎖を介して)および/または空気圧式に(例えば、プレスプレートの後ろにあるドアに配置される膨張嚢を介して)作動させられ得る。カセット50に対するプレスプレート18は、順に、送出膜14に対してカセット50を押し、カセット50のシーティング58と共同して、流体を送出し、バルブを開閉する。
【0028】
カセットインターフェースプレート(図示せず)は、膜ガスケット14の後ろに配置される。カセットインターフェースプレートは、正の圧力または負の圧力を、異なるバルブおよびポンプ領域において、共同する膜ガスケット14およびカセットシーティング58に印加するように構成される。例えば、正の圧力は、ポンプ室を画定するカセット50の内壁内に配置される膜14/シーティング58の領域において、膜14/シーティング58に印加され、流体をポンプ室の外に押し出す。負の圧力は、同一領域において、膜14/シーティング58に印加され、流体をポンプ室の中に引き込む。正の圧力は、バルブ室を画定するカセット50の内壁内に存在するシーティングの領域において、膜14/シーティング58に印加され、バルブ室の出口を閉鎖する。負の圧力は、膜14/シーティング58の同一領域において、膜14/シーティング58に印加され、バルブ室の出口を開放する。
【0029】
本開示の譲受人に割り当てられる米国特許第6,814,547号(「’547特許」)は、図17Aおよび17Bと併せて送出機構を開示し、本明細書に参考として援用され、空気圧式および機械的作動の組み合わせを使用する。本明細書に参考として援用される、’547特許の図15、16Aおよび16Bは、機械的に作動されるバルブの使用を教示する。’547送出機構またはバルブのいずれか一方、または両方を、あるいは、システム10とともに使用することができる。
【0030】
ここで図3〜5を参照して、カセット50は、本開示の自動廃液試料採取特徴を有する透析システム10で作動するように構成される、様々な形態で示され、特に、図3におけるカセット50は、患者および透析治療において使用される様々なバッグに動作可能なように接続されて示される。図4は、カセット50のフロー概略図の一実施形態を例示し、両方のポンプは、図3に示される自動廃液試料バッグに対して送出することができる。図5は、外壁52および内部中央平面または分離壁54を含む、物理的カセット50を示す。
【0031】
図3〜5におけるカセット50は、7つのポート56a〜56gおよび一対のポンプ室62を含む。カセット50は、あるいは、異なる数のポートおよび潜在的にたった1つのポンプ室を含む。2つのポンプ室62および2つの関連ポンプ器具アクチュエータを提供することによって、透析システムが、新鮮な透析液または使用済みの透析液をポンプ室62のうちの1つに引き込むことを可能にするが、同時に、または実質上同時に、第2の62から患者に押し出すか、または排液して、フローが少なくとも実質的に連続するようにする。例示される実施形態では、ポート56a〜56dは、供給または溶液バッグ66a〜66dに接続する。ポート56fは、排液バッグ68に接続される。ポート56gは、患者72に流体的に接続される。
【0032】
図3に見られるように、ポート56eは、自動廃液試料バッグ70に流体的に接続される。自動廃液試料バッグ70および付属のチューブに関する一実施形態は、図6と併せて以下に示される。バッグまたは容器66a〜66d、68および70のそれぞれは、管74a〜74fを介して、ポート56a〜56fにそれぞれ流体的に接続される。同様に、患者72は、チューブ74gを介して、患者ラインポート56gに接続する。
【0033】
上述されるように、一実施形態では、チューブ74a〜74gは、カセット50に固定され、バッグ66(バッグ66a〜66dを総称するか、または一般にそれらのバッグのうちの1つを意味する)、バッグ68、およびバッグ70において、嵌合コネクタに接続するコネクタを含む。あるいは、チューブコネクタは、嵌合コネクタに接続し、順に、バッグ66、68、または70のうちの1つから延びる、長いラインに接続される。さらなる代替実施形態では、各チューブ74a〜74gは、それぞれポート56a〜56gに接続するコネクタを含む。
【0034】
図4および5のカセット50は、図3のカセット50とはわずかに異なり、図4および5のカセット50の末端ポートは、排液ポート56fであるが、図3のカセット50における末端ポートは、患者ポート56gである。ポート56a〜56gの特定の位置は、流体経路の配置およびバルブの配置に基づいて、図3〜5に示される配列から配列し直すことができることを理解されたい。
【0035】
図4および5に見られるように、廃液ポート56eは、両方のポンプ室62に対する液圧経路76を有する。したがって、各ポンプ室は、充填または排液モードのいずれか一方で、廃液試料バッグ70に送出するか、またはそこから送出することができる。廃液試料採取は、廃液バッグ70およびポンプ室62を使用するが、排液モードでは、しかしながら、廃液試料採取流体は、廃液バッグ70から引き込むこともできる。図3〜5は、カセット50は、大部分の種類のPD治療に対応するのに十分な追加の供給ポート56a〜56dを含むが、さらに廃液試料バッグ70の自動充填を可能にすることを示す。
【0036】
図4および5に見られるように、ポンプ室Yは、バルブV5Yを介し、廃液経路76を通して、ポート56eおよび廃液バッグ70に送出することができ、その逆もまた同様である。図4におけるバルブV5Yは、図5におけるバルブQに対応する。ポンプ室Xは、バルブV5Xおよび廃液経路76を介して、ポート56eおよび廃液バッグ70に送出することができ、その逆もまた同様である。図4におけるバルブV5Xは、図5におけるバルブNに対応する。
【0037】
上述されるように、患者から総流出排液の試料を採取する場合、一実施形態における透析器具12は、試料が、レシオメトリック的に、排液容量の大部分を排液バッグ68に送達し、一部を廃液バッグ70に送達することによって、全体排液容量を代表することを保証する。例えば、約1リットルの排液溶液の試料を入手するには、UFを含む患者の総排液容量が10リットルである場合、器具12は、最初に9回の送出ストローク(例えば、5回のポンプ室Xの送出ストロークおよび4回のポンプ室Yの送出ストロークを交互にする)を排液バッグに送達した後、1回の送出ストロークを廃液バッグ70に送達する。一シーケンスでは、例えば、10回目の送出ストロークに、(例えば)ポンプ室Yのみが廃液バッグ70に送出する。あるいは、廃液バッグに対する送出ストロークが奇数回(例えば、11ストロークごとに1回)生じる場合、両方のポンプ室XおよびYを使用して、廃液バッグ70に送出する。
【0038】
排液流体が、奇数回の送出ストロークでポンプ室XおよびYの両方から送出されることが所望される場合、最初の送出ストロークが廃液バッグ70に送出される、第1のシーケンスを実行することが可能であり、その後に、次の9回の送出ストロークが排液バッグ68に送出される。次に、最初の9回の送出ストロークが排液バッグ68に送出される、第2のシーケンスを実行し、その後に、最後の10回目の送出ストロークが廃液バッグ70に送出される。ここで、ポンプ室XおよびYから2つの送出ストロークを連続して廃液バッグ70に送出する。あるいは、奇数回のストローク分配において(例えば、10回のポンプストローク毎に1回)、廃液バッグ70へのXおよびYの交互の送出ストロークは、多数のポンプストロークによって間隔が置かれる。例えば、第1のシーケンスは、5番目の送出ストロークをポンプ室Xから廃液バッグ70に送出することができるが、第2のシーケンスは、4番目の送出ストロークをポンプ室Yから廃液バッグ70に送出することができる。
【0039】
上述されるように、治療が開始されると、システム10は、新鮮な透析液の提供を受ける。一実施形態では、フラッシングおよびプライミングの間に、溶液バッグ66a〜66dに接続されるポート56a〜56dは、排液バッグ68にプライミングおよびフラッシングされる。廃液試料バッグ70は、平坦(溶液なし、空気なし)であるため、プライミングされない。患者が最初に排液されると、廃液は患者からライン74gおよびポート56gを通って、ポンプ室62に入り、ポート56fおよびライン74fを介して排液バッグ68から出る。試料の排液流出の第1の部分をレシオメトリックに送出する時間に、廃液は、カセット経路76、ポート56eおよび廃液ライン74e(すべて無菌空気を含有し、空気は廃液試料バッグ70の中に送出される)を通って廃液バッグ70に送出される。カセット廃液経路76および廃液ライン74eの容量は知られている。各排液から試料バッグ70に入る廃液の正しいレシオメトリック量を入手するために、器具は、第1の排液中に、ライン内の空気を移動させるように使用した容量を訂正しなければならない。これを行うには、例えば、最後の排液のレシオメトリック部分が、廃液試料バッグ70に送出された後、経路76および廃液ライン74eの周知の容量に等しい最後の排液流出の追加容量が、試料バッグ70に送出される。
【0040】
ここで図6を参照して、自動廃液試料容器70および廃液試料ライン74eの一実施形態が例示される。バッグ70は、所望の試料を保持するサイズである。バッグ70は、上に示される供給または排液バッグのうちのいずれかと同一の材料で形成することができる。同様に、廃液チューブ74eは、他のチューブライン74(チューブライン74a〜74g)のうちのいずれかを総称する)のうちのいずれかと同一の材料で形成される実施形態である。例示される実施形態では、コネクタ78は、チューブ74eの末端に配置される。コネクタ78は、一実施形態では、突き刺さすか、またはカセット50のポート56eによって突き刺さされるように構成される。コネクタ78は、バーコードまたは無線周波識別子(「RFID」)タグ等の識別タグが付けられる。タグ付きコネクタ78の一実施形態は、2007年7月5日に提出された、米国特許出願第11/773,822号、「Radio Frequency Auto−Identification System」と併せて開示され、その全体内容が本明細書に参考として援用される。
【0041】
廃液ライン74eの末端におけるコネクタ78は、試料ライン74a〜74dの末端に配置されるコネクタの構成を模倣し、コネクタ78が、溶液ライン74a〜74dのうちのいずれかの末端におけるコネクタと同様の態様で、ポート56eを突き刺さすようにする。これは、第5の溶液バッグ(例えば)が、必要に応じて、およびバッグ70への廃液試料採取が使用されていない場合に、ポート56eに適合されるのを可能にする。
【0042】
RFIDまたは他の種類の識別タグは、自動タッチフリー接続および自動機械認識を可能にする。ここで、器具12内の処理およびソフトウェアは、コネクタ78が、廃液試料バッグ70に接続され、供給バッグのみを使用するためのプログラムに対向して、廃液試料バッグとともに使用するためのプログラムを自動的にリコールすることを認識する。一実施形態では、処理ソフトウェアは、特定の治療に対して廃液バッグが使用されることを、例えば、ユーザインターフェース20において表示または提供される聴覚、視覚または聴視覚メッセージを介して、患者が確認することも要求する。
【0043】
ここで図7を参照して、チューブ74eに接続される廃液試料バッグ70の一実施形態が例示される。ここで、バッグ70は、5列のテキスト行が事前印刷され、図7において、行1〜5と示される。各テキスト行は、例示されるように、徐々に明るくなる。器具12は、バッグの下側に印刷されたテキストを、バッグを通して見ながら、いくつのテキスト行が判読可能であるかを決定するように、患者に指示する。つまり、患者は、1〜5のテキスト行のうちの何行を見ることができるかを決定するために、廃液試料を通して見る必要がある。一実施形態では、患者は、白色または明るい色のテーブルまたは支持材上にバッグ70を配置するように指示される。目に見える行の数は、廃液試料がどれほど混濁しているかに基づき、腹膜炎の発症があり得るか否かを患者が決定するのを助けることができる。バッグ70は、日本語の文字で示されるが、テキストは、他の言語であり得るか、または実際のテキストの代わりに、グラフィック形状であってもよい。
【0044】
(自動腹膜平衡試験)
ここで、図8〜10を参照して、腹膜平衡試験(「PET」)を行うための自動システムおよび方法が例示される。図3〜7は、単一バッグ70内の廃液を自動的に収集する方法を示す。廃液バッグ70は、腹膜炎の発症時における混濁の増加を検査するため、周知の腹膜炎症例が処置されている時の混濁の減少を検査するため、および/または適正な試験試料を得て所定の処方養生法の有効性を決定するために有用である。PETは、複数の試料を異なる時点で入手および採取する必要がある。PETは、患者の腹膜透過特徴を特徴付ける標準的な方法を提供する。PETは、2つの小さい溶質(クレアチニンおよびグルコース)が、患者の腹膜をどれほど素早く透過するかを間接的に決定する。これらの結果は、大規模な患者群から得た結果と比較され、患者の透過率を高、高平均、低平均、または低と特徴付ける。
【0045】
本開示のPETのシステムおよび方法は、上述される器具12を介して実行することができる。さらに、供給ポート56a〜56e、排液ポート56f、および排液ポート56gを含むカセット50、および関連チューブを使用して、以下のPETのためのシステムおよび方法を実行することができる。
【0046】
図8に例示される実施形態では、供給ポート56a〜56dは、それぞれ試料ライン74a〜74dを介して、それぞれ試料バッグ1〜4に接続される。追加の供給ポート56および試料バッグ70は、必要に応じて提供されてもよい。供給ポート56eは、供給ライン74eを介して、供給バッグ66に流体的に接続される。ポート56fは、チューブ74fを介して、排液バッグ68に流体的に接続される。ポート56gは、チューブ74gを介して、患者72に流体的に接続される。チューブ74(チューブ74a〜74f)は、それぞれポート56a〜56gに接続するコネクタを含むことができる。あるいは、チューブ74は、ポート56(ポート56a〜56g)に永久に接続され、バッグまたはバッグから延びる長いライン上のコネクタを介して、バッグ66、68および70に取り付けられる。ライン74gは、一実施形態において、患者ポート56gから患者72に延び、例えば、10フィート長であってもよい。
【0047】
上述されるポート56に接続するコネクタを識別するための実施形態のうちのいずれかは、図8〜10と併せて、自動PETシステムおよび方法に適用可能である。例えば、スマートシステムは、ポート56eが、標準供給バッグ66、図3〜7と併せて示される廃液試料バッグ70、または図8と併せて示される自動PET専用の供給バッグ66に接続されているか否かを決定することができる。同様に、システム10の自動識別機構は、ポート56a〜56dに関して、供給バッグ66が、それらのポートに接続されるか否か、またはそれぞれ図8に示されるような試料バッグ1〜4等の試料バッグ70が、ポート56a〜56dのうちの1つに接続されているか否かを決定することができる。処理およびメモリは、図8の特定のバッグの組み合わせが、いつカセット50にインストールされるかを把握するように構成される。再度、そのような検出に適した1つのシステムは、上記で参照される出願に記載されている。あるいは、患者または看護人は、カセットが使い捨てPET試料に接続されていることをマシン10に通知する。いずれかの場合においても、器具12は、図9および10と併せて次に論じられる自動PETのうちの1つを実行する。
【0048】
ここで図9を参照して、シーケンス100は、上述される器具12および使い捨て装置50が実行することができる、1つの可能な自動PETを例示する。楕円形102とともに示されるようなシーケンス100を開始する際に、患者は、ブロック104において見られるように、満タンの、例えば、2リットルの2.5%デキストロースPD溶液を充填した後、8〜12時間の長期滞留を開始する。1つの適切な2.5%デキストロース溶液は、本開示の譲受人によって提供される、Dianeal(商標)溶液として市販されている。
【0049】
ブロック106において、ブロック104の8〜12時間の長期滞留の完了後の朝に、患者または看護人は、(i)カセット50を含む、図8の新しい使い捨てセットを載置し、(ii)カセット50のポート56eに接続される、例えば、2.5%デキストロースPD溶液の2(または2.5)リットルの供給バッグ66を接続し、および(iii)図8に見られるように、例えば、200mlの4つの試料バッグ70を接続する。システム10は、患者または看護人に、消せないペンで、例えば、「長期滞留」、「ゼロ時間」、「2時間」、および「4時間」というマークを各試料バッグ70に付けさせる。あるいは、そのようなマーキングのうちの1つ、または各マーキングおよび各マーキングの隣にチェックボックスをそれぞれバッグ70に事前印刷する。さらなるあるいは、4つのバッグを一式の事前マーキングされたバッグとして、同一順序で載置する必要がある、オルガナイザによって特定の順序で保持されるバッグコネクタとともに提供し、システム10が、どのバッグがどのカセットポートに接続されているかを把握できるようにする。なおもさらなるあるいは、バッグ70は、4つの試料型のうちの1つ、およびマーキングに一致する4つの識別タグが事前に印字された状態で供給される。
【0050】
患者は、自身を使い捨てセットに接続する。シーケンス100は、一実施形態において、患者がカセット50に対する約10フィートのライン74gを有すること、およびポンプ室が残留容量の液体を保持すると予想する。シーケンス100は、したがって、それらの容量を補完する。
【0051】
ブロック108において、図8の自動PET装置を使用するシステム10は、長期滞留試料を実行し、器具12は、患者72に起き上がるよう指示し、排液ライン74fおよび排液バッグ68(両方のポンプ室を使用して)を介して、患者から排液する。使い捨ての一式に対する流体を排液ライン74fに対する廃液で完全にフラッシングした後、システム10は、約200mlの排液容量を長期滞留試料バッグ(例えば、図8における試料バッグ1)に迂回させる。そのような手順は、約20分かかり得る。器具12は、以下の(i)長期滞留溶液の充填容量および濃度、(ii)前回の長期滞留の実際の時間、(iii)現在の排液にかかった実際の時間、および(iv)排液される総量を記録する。
【0052】
ブロック110において、器具12は、患者に仰臥位をとる(顔を上に向けて横たわる)ように指示する。器具12は、例えば、2010mlの2.5%デキストロース溶液を、例えば、10分で送達する。各400mlの点滴の後、器具12は、患者に、左右に回転するように指示し、患者の腹膜内に溶液が均等に分散するのを保証する。器具12は、以下の(i)充填を行う実際の時間、および(ii)ブロック112において使用する場合は、ゼロ時間滞留時間に設定される、充填の終了の時刻を記録する。
【0053】
ブロック112において、システム10は、ゼロ時間試料を記録する。ブロック110の充填の終了時に、器具12は、約40ml(患者ラインの容量)を排液ライン74fに排液し、ポンプ室62のうちの1つ(例えば、室X)を使用して、患者ライン74gをフラッシングする。次に、器具12は、患者に点滴されたばかりの200mlの流体を、他のポンプ室62(室Y)を使用して、ゼロ時間滞留と標識された試料バッグまたは試料バッグ(例えば、図8における試料バッグ2)の中に排液する。次に、器具12は、190mlをゼロ時間試料バッグ70から引き出し、第2のポンプ室Yを介して190mlを患者72に送出し、10mlの試料をゼロ時間滞留バッグ70(図8における試料バッグ2)に残す。次に、器具12は、40mlの新鮮な透析液を、供給バッグ66からポンプ室Xを介して患者72に送出する。この新鮮な溶液は、患者ライン74gのみを通って流れ、そのライン内の溶液を患者に押し戻す。次に、患者72を器具12から外してもよく、または次の試料まで接続したままでもよい。
【0054】
ブロック114において、システム10は、PETに使用される2時間廃液試料および2時間血液試料を行う。ブロック110において充填される溶液は、ゼロ時間滞留時間から2時間後まで、患者の腹膜内に滞留し続ける。切断されている場合は、2時間の終了前に、患者72を器具12に接続し直す。2時間の終了時に、器具12は、約40ml(患者ラインの容積)を排液ライン74fに排液し、ポンプ室62(例えば、室X)のうちの1つを使用して、患者ライン74gをフラッシングする。次に、器具12は、200mlの廃液を、ポンプ室Yを使用して、患者72から2時間滞留と記された試料バッグ170(例えば、図8における試料バッグ3)の中に排液する。次に、器具12は、2時間試料バッグ70から190mlを引き入れ、その190mlを第2のポンプ室Yを介して患者72に送出し、10mlの試料を2時間滞留バッグ70(図8における試料バッグ3)内に残す。次に、器具12は、40mlの新鮮な透析液を供給バッグ66から第1のポンプ室Xを介して患者72に送出する。この新鮮な溶液が、患者ライン74gのみを通って流れ、そのライン内の溶液を患者に押し戻す。器具12は、試料の時間を記録する。またこの時点において、患者72、看護師、または医師は、患者から2時間血液試料を採取する。
【0055】
ブロック116において、ブロック110の充填溶液は、ゼロ時間滞留時間から4時間後まで腹膜内に滞留し続けることが許される。器具12から切断されている場合は、4時間の終了前に、患者72を器具に接続し直す。4時間の最後に、器具12は、患者72に起き上がるように指示し、ポンプ室XおよびYの両方を使用して、患者72から排液ライン74fおよび排液バッグ68に排液を排液し始める。使い捨ての一式に対する流体を廃液で排液ライン74fに完全にフラッシングした後、器具12は、約200mlの排液容量を4時間滞留と記された試料バッグ70(例えば、図8における試料バッグ4)に迂回させ、排液ライン74fおよび排液バッグ68への排液を完了する(約20分)。器具12は、以下の(i)試料の時間、および(ii)総排液量を記録する。
【0056】
4つのPET試料がシーケンス100を完了すると、患者72を器具12から切断することができ、その後、楕円形118に見られるようにPETが終了する。
【0057】
ここで図10を参照して、シーケンス200は、上述の器具12および使い捨て装置50に対して予定される、別の可能な自動PET(修飾PET)を例示する。シーケンス200用のカセット50を含む使い捨ての一式は、シーケンス100用の2リットル供給バッグ66(例えば)が、シーケンス200ではより大きい供給バッグ(例えば、2.5リットル)に置き換えられることを除いて、シーケンス100と同様であり得る。シーケンス200用の大きい供給バッグ66は、4時間供給バッグの2倍である。ここでもバッグ3は、1時間滞留バッグになり、バッグ4は2時間滞留バッグになる。
【0058】
楕円形202とともに示されるようなシーケンス200を開始する際に、患者は、ブロック204において見られるように、完全な、例えば、2リットルの2.5%デキストロースPD溶液を充填した後、夜に8〜12時間の長期滞留を開始する。1つの適切な2.5%デキストロース溶液は、本開示の譲受人によって提供されるDianeal(商標)溶液として市販されている。
【0059】
ブロック206において、ブロック204の8〜12時間の長期滞留の完了後の朝に、患者または看護人は、(i)カセット50を含む、図8の新しい使い捨ての一式を載置し、(ii)例えば、2.5%デキストロースPD溶液の2.5リットルの(例えば)供給バッグ66を、カセット50のポート56eに接続し、(iii)図8に示されるように、4つの例えば、200ml試料バッグ70を接続する。システム10は、患者または看護人に、消せないペンで、各試料バッグ70に、例えば、「長期滞留」、「ゼロ時間」、「1時間」、「2時間」および「4時間」と記すように指示する。4時間試料は、空の供給バッグ66に取り、5つの試料が5つのポートのみで採取されるのを可能にし、供給流体66に接続するように、1つのポート(図8における56e)も使用される。あるいは、バッグ70は、そのようなマーキングのうちの1つ、または各マーキングおよび各マーキングの隣にチェックボックスを事前に印刷するか、またはシーケンス100に関して上述される実施形態のうちのいずれかに従って事前に印刷する。
【0060】
ブロック208において、図8の自動PET装置を使用するシステム10は、長期滞留試料を行い、器具12は、患者に起き上がるように指示し、ポンプ室XおよびYの両方を使用して、患者72から排液ライン74fおよび排液バッグ68に排液する。器具12は、約200mlの排液容量を長期滞留試料バッグ(例えば、図8における試料バッグ1)に迂回させる。そのような手順は、約20分かかり得る。器具12は、以下の(i)長期滞留溶液の充填容量および濃度、(ii)前回の長期滞留の実際の時間、(iii)現在の排液にかかった実際の時間、および(iv)排液される総容量を記録する。
【0061】
ブロック210において、器具12は、患者に仰臥位をとる(顔を上に向けて横たわる)ように指示する。器具12は、例えば、2010mlの2.5%デキストロース溶液を、例えば、10分で送達する。各400mlの点滴の後、器具12は、患者に、左右に回転するように指示し、患者の腹膜内に溶液が均等に分散するのを保証する。器具12は、以下の(i)充填を行う実際の時間、および(ii)ブロック212において使用する場合は、ゼロ時間滞留時間に設定される、充填の終了の時刻を記録する。
【0062】
ブロック212において、システム10は、ゼロ時間試料を記録する。ブロック210の充填の終了時に、器具12は、約40ml(患者ラインの容量)を排液ライン74fに排液し、ポンプ室62のうちの1つ(例えば、室X)を使用して、患者ライン74gをフラッシングする。次に、器具12は、患者に点滴されたばかりの200mlの流体を、他のポンプ室62(室Y)を使用して、ゼロ時間滞留と標識された試料バッグまたは試料バッグ(例えば、図8における試料バッグ2)の中に排液する。次に、器具12は、190mlをゼロ時間試料バッグ70から引き出し、第2のポンプ室Yを介して190mlを患者72に送出し、10mlの試料をゼロ時間滞留バッグ70(図8における試料バッグ2)に残す。次に、器具12は、40mlの新鮮な透析液を、供給バッグ66から第1のポンプ室Xを介して患者72に送出する。この新鮮な溶液は、患者ライン74gのみを通って流れ、そのライン内の溶液を患者に押し戻す。次に、患者72から器具12を取り外してもよく、または次の試料まで接続したままでもよい。
【0063】
ブロック214において、システム10は、1時間廃液試料を行う。ブロック210において充填された溶液は、ゼロ時間滞留時刻から1時間後まで、患者の腹膜内に滞留し続ける。切断されている場合は、1時間の終了前に、患者72を器具12に接続し直す。1時間の終了時に、器具12は、約40ml(患者ラインの容積)を排液ライン74fに排液し、ポンプ室62(例えば、室X)のうちの1つを使用して、患者ライン74gをフラッシングする。次に、器具12は、200mlの廃液を、ポンプ室Yを使用して、患者72から1時間滞留と記された試料バッグ170(例えば、図8における試料バッグ3であるが、ここでは「1時間」と記される)の中に排液する。次に、器具12は、1時間試料バッグ70から190mlを引き入れ、その190mlを第2のポンプ室Yを介して患者72に送出し、10mlの試料を1時間滞留バッグ70(図8における試料バッグ3)内に残す。次に、器具12は、40mlの新鮮な透析液を供給バッグ66から第1のポンプ室Xを介して患者72に送出する。この新鮮な溶液が、患者ライン74gのみを通って流れ、そのライン内の溶液を患者に押し戻す。器具12は、試料の時間を記録する。
【0064】
ブロック216において、システム10は、PETに使用される2時間廃液試料および2時間血液試料を行う。ブロック210において充填される溶液は、ゼロ時間滞留時間から2時間後まで、患者の腹膜内に滞留し続ける。切断されている場合は、2時間の終了前に、患者72を器具12に接続し直す。2時間の終了時に、器具12は、約40ml(患者ラインの容積)を排液ライン74fに排液し、ポンプ室62(例えば、室X)のうちの1つを使用して、患者ライン74gをフラッシングする。次に、器具12は、200mlの廃液を、ポンプ室Yを使用して、患者72から2時間滞留と記された試料バッグ170(例えば、図8における試料バッグ4)であるが、ここでは「2時間」と記される)の中に排液する。次に、器具12は、2時間試料バッグ70から190mlを引き入れ、その190mlを第2のポンプ室Yを介して患者72に送出し、10mlの試料を2時間滞留バッグ70(図8における試料バッグ4)内に残す。次に、器具12は、40mlの新鮮な透析液を供給バッグ66から第1のポンプ室Xを介して患者72に送出する。この新鮮な溶液が、患者ライン74gのみを通って流れ、そのライン内の溶液を患者に押し戻す。器具12は、試料の時間を記録する。またこの時点において、患者72、看護師、または医師は、患者から2時間血液試料を採取する。
【0065】
最後の試料前に、例えば、2.5リットルの供給バッグ66内の任意の残留溶液を排液ライン68に排液する。例えば、患者は、2.5リットルの供給バッグから2リットル(または若干多く)を充填したに過ぎない場合があり、例えば、供給バッグ66内に残留供給液を残す。供給バッグ66は、第5の試料バッグとして使用することができるように空にする必要がある。ここで患者から取り外すか、または最後の試料まで接続したままでもよい。
【0066】
ブロック218において、ブロック110の充填の溶液は、1時間の滞留時間から4時間後まで、腹膜内に滞留し続けることが許される。器具12から切断されている場合は、4時間の終了前に、患者72を器具に接続し直す。4時間の終了時に、器具12は、患者72に起き上がるように指示し、ポンプ室XおよびYの両方を使用して、患者72から排液ライン74fおよび排液バッグ68に排液を排出し始める。使い捨ての一式に対する流体を廃液で排液ライン74fに完全にフラッシングした後、器具12は、約500mlの排液容量を4時間滞留試料バッグ(例えば、図8における空の供給バッグ66)に連続的に迂回させ、次にその500mlを排液ライン74fおよび排液バッグ68に送出する。器具12は、この過程をさらに3回繰り返して、約2000mlの流体を患者72から除去する。最後のサイクルにおいて、器具12は、少量の試料(例えば、10〜30ml)を供給バッグ66/4時間試料バッグに残す。あるいは、試料は、シリンジを介して採取され、試験するために大きい供給バッグを輸送する必要がない。器具12は、以下の(i)試料の時間、および(ii)総排液容量を記録する。
【0067】
5つのPET試料が、シーケンス200を完了すると、患者72を器具12から切断することができ、その後PETは、楕円形220において見られるように終了する。
【0068】
供給バッグ66が、シーケンス200において見られるような試料バッグのうちの1つの2倍である場合、廃液試料で充填される前に、新鮮な溶液のすべてが供給バッグから除去されないことがあり得る。シーケンス200は、したがって、500mlの溶液を供給バッグ/試料バッグに送出し、次に、供給バッグ/試料バッグの内容物を排液ラインに空ける。そのような動作を合計4回行うことは、2000mlの充填容量で可能である。したがって、各連続希釈(極端な例)において、100mlが供給バッグ/試料バッグ内に残される場合、本方法は、希釈エラーを100/600*100/600*100/600*100/600=0.00077と示されるような有意でないレベルに効果的に減少させる。供給バッグ内の排液は、実施例において存在する場合、完全に空のバッグが試料採取に使用した場合は、99.92%の濃度である。したがって、供給バッグ66は、あるいは、「ゼロ時間」、「1時間」、または「2時間」試料バッグのうちのいずれかであり得るが、これらのバッグは、上記希釈を可能にしない。
【0069】
当業者には、本明細書に記載した本発明の好ましい実施形態に対する様々な変更および修正が明白であることを理解されたい。そのような変更および修正は、本発明の対象の主旨および範囲から逸脱することなく、またその意図する利点を損なうことなく、行うことが可能である。したがって、そのような変更および修正は、添付する特許請求の範囲に包含されることを意図する。
【技術分野】
【0001】
本開示は、透析に関し、特に、腹膜透析のための廃液試料採取試験に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
腹膜透析(「PD」)の患者に透析液の投与を処方することは、通常、Dr.Zbylut J.Twardoskiによって最初に開発された、腹膜平衡試験(「PET」)の結果に基づく。PETは、ルーチンベースで行うことができるか、または看護士あるいは医師がPETの実行を要求する場合に行うことができる。現在の実践では、訓練を受けた看護師または医師が、手作業に集中した動作でPETを行うことができるように、患者は、透析センターに赴く必要がある。通常のPET養生法は、看護師または医師に、約4〜5時間にわたって、多数の溶液試料を採取するように要求する。
【0003】
看護師または医師が、(腹膜試験用、PET用、または任意の所望の理由のために)第1の排液から廃液試料を要求する場合、周知のPDサイクラーを使用する患者は、起きていて、治療中に適切な順序で手動により廃液試料を採取する必要がある。患者または医師は、治療中の適切な時点で、クランプを手動で開閉して、廃液試料の汚染を回避する必要もある。
【0004】
あるいは、(適性試験用または任意の所望の理由のために)廃液試料を患者の総排液(組み合わされるすべての排液サイクル)から採取することを医師が要求する場合、患者は、治療の最後に追加のステップを行う必要がある。この追加のステップは、比較的大きい排液バッグまたは容器(例えば、15リットル)から、小さい廃液試料バッグに流体を注ぐように患者に要求する。廃液試料バッグまたは容器は、無菌性が問題とならないように、廃液ライン内のYに接続されてもよい。しかしながら、排液容器が排液ラインに接続されない場合があり、個別の容器に廃液試料を注ぎ入れようと試みる際に、廃液試料をこぼし得ることを意味する。さらに、流体を個別の容器に注ぎ入れることは、汚染をもたらし得る。
【0005】
なおもさらに、患者は、適切な試料容量が採取されるのを保証するために、廃液試料バッグ全体を透析クリニックに持参するように要求される場合がある。このバッグは、重くて扱いにくい。また、排液バッグ全体を持参することの欠点は、排液バッグが、通常、治療の開始時に、使い捨て可能な一式のプライミングおよびフラッシングのために、数百ミリリットルの新鮮な透析液で希釈されることである。新鮮な透析液を排液容器全体に追加することは、廃液試料採取の結果を歪め得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、PETを行うため、および廃液試料採取のための改善した装置および方法がPDに必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本開示は、概して、腹膜平衡試験(「PET」)を行うため、および任意の所望の理由で廃液試料を採取するための自動システムに関する。自動システムは、患者に課される手動および記憶負担を大幅に取り除く。一実施形態において、システムは、患者が追加の締付または注入ステップを行う必要なく、特定の排液サイクルまたは排液の集合のいずれかから自動的に廃液試料を採取する。一実施形態において、システムは、透析液送出器具で動作する使い捨ての送出構成要素に接続する、廃液試料採取バッグを提供する。一実施形態において、廃液バッグは、バッグのコネクタの中に埋め込まれる、無線周波識別子または光学バーコード等の識別子を有し、機械が読み取ることによって、バッグが、供給または排液バッグ等の異なる種類のバッグではなく、廃液試料バッグであることが分かる。廃液試料バッグは、医師が必要とする任意の容量に適応するように、異なるサイズで提供され得る。一実施形態において、廃液試料バッグには、バッグの片側に、徐々に明るくなる一連のテキストも印刷される。廃液が充填され、白い背景に配置されると、テキストは、患者にとって混濁した廃液の指標となり、腹膜炎の早期兆候となり得る。
【0008】
透析器具は、患者から排液した総廃液の試料を採取する際に、試料が全体排液容量を代表することを保証する。これを行うために、一実施形態において、システムは、排液容量の一部を排液バッグに、一部を試料バッグにレシオメトリック的に送達する。例えば、約1リットルの排液試料を入手するには、患者の総充填量が10リットルであると想定すると、排液バッグに対して9回の排液ポンプストロークを行い、試料バッグに対して1回の排液ポンプストロークを行うように、器具を構成することができる。レシオメトリック送出は、治療の最後まで継続し、全体排液を代表する試料を提供する。
【0009】
代替実施形態において、廃液試料システムは、排液サイクルのそれぞれからではなく、特定の排液サイクルから廃液試料を採取するようにプログラムされる。例えば、透析治療は、初期排液管を含む、3つの排液管で構成され得る。試料は、必要に応じて、初期排液管のみ、第2の排液管のみ、または最後の排液管のみから採取することができる。システムは、試料が完了すると、自動的に廃液バッグラインコネクタをキャップする。システムは、自動キャッピングなしに動作し得るが、そのような自動キャッピングは、個別の手動クランプおよび個別の手動ステップの必要性を排除し、そうでなければ、患者が行う必要がある。
【0010】
上述の廃液試料採取システムは、単一の廃液試料採取バッグを生成する。上述のPETは、通常、処置中に、異なる時間間隔で、複数の試料を採取する必要がある。代替実施形態において、本開示の廃液試料採取システムは、したがって、PETを自動に実行するように構成され、複数の試料バッグを産生し、試料処置にわたって、異なる時点で試料を採取する。システムは、廃液試料採取のすべてを自動的に行い、患者または医師にかかる時間負担を低減する。PETは、通常、血液試料も採取する必要があるため、1つの設定では、PETをセンターで自動的に行うことが予定される。ここでは、センターの看護師または医師が血液試料を採取する。しかしながら、患者が血液試料を採取する設備を備えているか、または血液試料を採取できる看護師または看護人が自宅にいると想定すると、自動PETを家で行うことも考えられる。任意の例において、患者または医師は、例えば、2時間廃液試料時点で、単一の血清試料を採取する必要があるだけであると推定される。一実施形態において、自動PETシステムは、患者または医師に対して、そのような血清試料を採取するように指示するように構成される。
【0011】
透析システムは、PET中に生成されるすべての関連データを捕捉し、患者データカードに記録する、データ記憶能力とともに提供される。次に、データカードを使用し、廃液試料および血清試料データの研究室分析で後に処理するために、情報を臨床ソフトウェアに転送する。
【0012】
したがって、本開示の1つの利点は、滅菌廃液試料採取システムを提供して、試料採取のための排液ライン上に現在存在するYコネクタを排除することである。
【0013】
本開示の別の利点は、廃液試料採取を可能にする、透析システムを提供して、例えば、15リットルの大きい排液バッグの必要性を排除することであり、この排液バッグは、顧客にとって高額であり、試料に使用されない廃液が、直接排液管に送達され得るため本システムでは必要とされない。
【0014】
本開示のさらに別の利点は、初期プライミングおよびフラッシング容量を、いずれの場合も試料バッグにではなく、排液バッグまたは屋内排液管に送出することによって、より正確な試料を提供する、廃液試料採取システムを提供することである。
【0015】
本開示のさらなる利点は、自動腹膜平衡試験(「PET」)を提供することである。
【0016】
本開示のさらに別の利点は、透析センターにおいて、医師にかかる負担を低減することである。
【0017】
追加の特徴および利点は本明細書に説明され、以下の詳細な説明および図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本開示の自動廃液試料採取および腹膜平衡試験(「PET」)を実行するようにプログラムされる透析システムの一実施形態の斜視図である。
【図2】図2は、システムによる使い捨てカセットの動作を強調表示する図1のシステムの斜視図である。
【図3】図3は、本開示の自動廃液試料採取で使用される使い捨てカセットおよび一式の一実施形態の概略図である。
【図4】図4は、本開示の自動廃液試料採取で使用される使い捨てカセットおよび一式のポンプ室およびバルブ室配列の一実施形態の概略図である。
【図5】図5は、本開示の自動廃液試料採取で使用される使い捨てカセットおよび一式のポンプ室およびバルブ室配列の一実施形態の立面図である。
【図6】図6は、本開示の自動廃液試料採取および腹膜平衡試験(「PET」)で使用される廃液試料バッグの一実施形態の設計図である。
【図7】図7は、本開示の自動廃液試料採取およびPETで使用される廃液試料バッグの別の実施形態の設計図である。
【図8】図8は、本開示の自動PETで使用される使い捨てカセットおよび一式の一実施形態の概略図である。
【図9】図9は、本開示の自動PETの一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図9A】図9は、本開示の自動PETの一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図9B】図9は、本開示の自動PETの一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図10】図10は、本開示の自動PETの別の一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図10A】図10は、本開示の自動PETの別の一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図10B】図10は、本開示の自動PETの別の一連の動作を説明する概略フロー図である。
【図10C】図10は、本開示の自動PETの別の一連の動作を説明する概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(詳細な説明)
ここで図面、特に図1〜2を参照して、腎不全治療システム10が提供される。システム10は、概して、任意の種類の腎不全治療システム、例えば、腹膜透析(「PD」)、血液透析(「HD」)、血液ろ過(「HF」)、血液透析ろ過(「HDF」)、および持続的腎代替療法(「CRRT」)に適用可能である。以下に説明する自動試料採取システムは、例えば、一般的な薬剤送達および血液処理等の腎臓分野以外に使用することもできる。しかしながら、説明を容易にするために、システム10は、一般的に、透析システムとして説明され、1つの特に適した適用では、PDシステムとして説明される。
【0020】
例示される実施形態において、システム10は、透析器具12を含む。透析器具12は、どの種類の腎不全治療にも使用されるように構成される。透析器具12は、中央処理装置(「CPU」)およびCPUで動作可能な複数のコントローラ(例えば、安全、バルブ、ヒーター、ポンプ、ビデオおよびオーディオ(例えば、音声ガイダンス)コントローラ)を含む。CPUは、グラフィカルユーザマシンインターフェース(「GUT」)、例えば、ビデオモニタ20およびタッチ画面または電子機械的入力装置(例えば、膜スイッチ)等の1つ以上の種類の入力装置22を含む、ビデオコントローラを介して動作する。
【0021】
CPUおよびビデオモニタ20と共同するビデオコントローラは、自動試料採取および腹膜平衡試験(「PET」)指示を、文字/グラフィックを介して、視覚的に患者または看護人に提供する。例えば、文字/グラフィックを表示して、システム10を用いた試料容器70の使用に関する指示を提供する(図3〜6)。追加またはあるいは、CPUおよび音声ガイダンスコントローラは、スピーカ24と共同して、自動試料採取およびPET指示を、音声ガイダンスを介して、患者または看護人に提供する。例えば、音声ガイダンスは、システム10を用いた試料容器70の使用に関する指示を提供するように付与することができる。
【0022】
図1に見られるように、透析器具12は、使い捨て装置30を受容し、それで動作する。使い捨て装置30は、本明細書では、皮または壊れやすいシール34を介して2つの流体を分離する、二腔供給バッグとして示される、1つ以上の供給バッグ32a〜32c(本明細書では、供給バッグ32と総称されるか、または個別に、概して供給バッグ32と称される)を含む。使い捨てセット30は、排液バッグ(図示せず)、加温バッグ36、バッグチューブ38a〜38d(本明細書では、チューブまたは管38と総称されるか、または個別に、概して管38と称される)、および使い捨て送出/バルブカセット50も含む(図2)。
【0023】
腎不全治療システム10の種類および構造に応じて、使い捨て装置30の部品のうちの1つ以上は必要とされない場合がある。例えば、システム10は、排液バッグの代わりに、バスタブ、トイレまたはシンク等の屋内排液管に使用済みの流体を送出することができる。システム10は、インラインヒーターを含んでもよく、その場合、加温バッグ36は必要ない。
【0024】
3つの供給バッグ32が示されているが、システム10は、任意の適切な数の供給バッグを採用することができる。供給バッグ32は、壊れやすいシール34によって分離され、採用される治療の種類に応じて異なる溶液を保持する、複数の室42aおよび42bを有して示される。例えば、室42aおよび42bは、PD用の緩衝液およびグルコース、またはHD用の酢酸および重炭酸溶液を保持することができる。供給バッグ32は、あるいは、予混合のPDまたはHD透析液等の単一の予混合溶液を保持する単室バッグである。
【0025】
図1および2に見られるように、使い捨てカセット50は、管38a、38b、および38cを介して、供給バッグ32、排液バッグ、および加温バッグ36にそれぞれ接続する。管38dは、カセット50から患者接続44まで通っている。一実施形態では、カセット50は、堅固な外壁52、そこから内部ポンプ室(以下に示すように60)、バルブ室(以下に示すように62)、および内部液路が延びる基壁、チューブ38に密封して接続する、堅固な流体ポート56(以下に示すポート56a〜56gと総称される)、および外側の堅固な壁52および可能であれば、追加で内側の堅固な壁に密封される一対の可撓膜またはシート58を有する堅固な構造を含む、チューブ38は、バッグ52が流体的な接続のために突き刺さされるように、ポート56に固定することができる。あるいは、チューブ58は、バッグ32に固定され、ポート56は、流体的な接続のために突き刺さされる。
【0026】
器具12は、カセット50のポンプ室およびバルブ室を、空気圧式、機械的、またはその両方で作動させることができる。例示される実施形態は、空気圧式作動を使用する。本開示の最終譲受人によって販売されるHomeChoice(登録商標)APDシステムは、カセット50で動作することができるか、または動作可能にすることができ、その全体内容が本明細書に参考として援用される、米国特許第5,350,357号(「’357特許」)に説明される空気圧式システムを使用する。例示される実施形態では、器具12は、膜ガスケット14を含み、カセット50のポンプ室およびバルブ室のそれぞれにおいて、カセットシーティング58で異なる密封領域を形成する。膜ガスケット14は、カセットシーティング58で、それらの領域内を移動し、バルブ室を開閉するか、またはポンプ室を通る流体を送出する。インターフェースプレートは、膜ガスケット14の後ろに配置され、以下に論じるカセット50のポンプ室(実際はポンプ室部分)と組み合わせて、一対の固定容量ポンプ室のそれぞれの一部を形成する。
【0027】
例示される実施形態では、器具12は、カセット50に対して閉じるドア16を含む。ドア16はプレスプレート18を含み、プレスプレートは機械的に(例えば、ドアの閉鎖を介して)および/または空気圧式に(例えば、プレスプレートの後ろにあるドアに配置される膨張嚢を介して)作動させられ得る。カセット50に対するプレスプレート18は、順に、送出膜14に対してカセット50を押し、カセット50のシーティング58と共同して、流体を送出し、バルブを開閉する。
【0028】
カセットインターフェースプレート(図示せず)は、膜ガスケット14の後ろに配置される。カセットインターフェースプレートは、正の圧力または負の圧力を、異なるバルブおよびポンプ領域において、共同する膜ガスケット14およびカセットシーティング58に印加するように構成される。例えば、正の圧力は、ポンプ室を画定するカセット50の内壁内に配置される膜14/シーティング58の領域において、膜14/シーティング58に印加され、流体をポンプ室の外に押し出す。負の圧力は、同一領域において、膜14/シーティング58に印加され、流体をポンプ室の中に引き込む。正の圧力は、バルブ室を画定するカセット50の内壁内に存在するシーティングの領域において、膜14/シーティング58に印加され、バルブ室の出口を閉鎖する。負の圧力は、膜14/シーティング58の同一領域において、膜14/シーティング58に印加され、バルブ室の出口を開放する。
【0029】
本開示の譲受人に割り当てられる米国特許第6,814,547号(「’547特許」)は、図17Aおよび17Bと併せて送出機構を開示し、本明細書に参考として援用され、空気圧式および機械的作動の組み合わせを使用する。本明細書に参考として援用される、’547特許の図15、16Aおよび16Bは、機械的に作動されるバルブの使用を教示する。’547送出機構またはバルブのいずれか一方、または両方を、あるいは、システム10とともに使用することができる。
【0030】
ここで図3〜5を参照して、カセット50は、本開示の自動廃液試料採取特徴を有する透析システム10で作動するように構成される、様々な形態で示され、特に、図3におけるカセット50は、患者および透析治療において使用される様々なバッグに動作可能なように接続されて示される。図4は、カセット50のフロー概略図の一実施形態を例示し、両方のポンプは、図3に示される自動廃液試料バッグに対して送出することができる。図5は、外壁52および内部中央平面または分離壁54を含む、物理的カセット50を示す。
【0031】
図3〜5におけるカセット50は、7つのポート56a〜56gおよび一対のポンプ室62を含む。カセット50は、あるいは、異なる数のポートおよび潜在的にたった1つのポンプ室を含む。2つのポンプ室62および2つの関連ポンプ器具アクチュエータを提供することによって、透析システムが、新鮮な透析液または使用済みの透析液をポンプ室62のうちの1つに引き込むことを可能にするが、同時に、または実質上同時に、第2の62から患者に押し出すか、または排液して、フローが少なくとも実質的に連続するようにする。例示される実施形態では、ポート56a〜56dは、供給または溶液バッグ66a〜66dに接続する。ポート56fは、排液バッグ68に接続される。ポート56gは、患者72に流体的に接続される。
【0032】
図3に見られるように、ポート56eは、自動廃液試料バッグ70に流体的に接続される。自動廃液試料バッグ70および付属のチューブに関する一実施形態は、図6と併せて以下に示される。バッグまたは容器66a〜66d、68および70のそれぞれは、管74a〜74fを介して、ポート56a〜56fにそれぞれ流体的に接続される。同様に、患者72は、チューブ74gを介して、患者ラインポート56gに接続する。
【0033】
上述されるように、一実施形態では、チューブ74a〜74gは、カセット50に固定され、バッグ66(バッグ66a〜66dを総称するか、または一般にそれらのバッグのうちの1つを意味する)、バッグ68、およびバッグ70において、嵌合コネクタに接続するコネクタを含む。あるいは、チューブコネクタは、嵌合コネクタに接続し、順に、バッグ66、68、または70のうちの1つから延びる、長いラインに接続される。さらなる代替実施形態では、各チューブ74a〜74gは、それぞれポート56a〜56gに接続するコネクタを含む。
【0034】
図4および5のカセット50は、図3のカセット50とはわずかに異なり、図4および5のカセット50の末端ポートは、排液ポート56fであるが、図3のカセット50における末端ポートは、患者ポート56gである。ポート56a〜56gの特定の位置は、流体経路の配置およびバルブの配置に基づいて、図3〜5に示される配列から配列し直すことができることを理解されたい。
【0035】
図4および5に見られるように、廃液ポート56eは、両方のポンプ室62に対する液圧経路76を有する。したがって、各ポンプ室は、充填または排液モードのいずれか一方で、廃液試料バッグ70に送出するか、またはそこから送出することができる。廃液試料採取は、廃液バッグ70およびポンプ室62を使用するが、排液モードでは、しかしながら、廃液試料採取流体は、廃液バッグ70から引き込むこともできる。図3〜5は、カセット50は、大部分の種類のPD治療に対応するのに十分な追加の供給ポート56a〜56dを含むが、さらに廃液試料バッグ70の自動充填を可能にすることを示す。
【0036】
図4および5に見られるように、ポンプ室Yは、バルブV5Yを介し、廃液経路76を通して、ポート56eおよび廃液バッグ70に送出することができ、その逆もまた同様である。図4におけるバルブV5Yは、図5におけるバルブQに対応する。ポンプ室Xは、バルブV5Xおよび廃液経路76を介して、ポート56eおよび廃液バッグ70に送出することができ、その逆もまた同様である。図4におけるバルブV5Xは、図5におけるバルブNに対応する。
【0037】
上述されるように、患者から総流出排液の試料を採取する場合、一実施形態における透析器具12は、試料が、レシオメトリック的に、排液容量の大部分を排液バッグ68に送達し、一部を廃液バッグ70に送達することによって、全体排液容量を代表することを保証する。例えば、約1リットルの排液溶液の試料を入手するには、UFを含む患者の総排液容量が10リットルである場合、器具12は、最初に9回の送出ストローク(例えば、5回のポンプ室Xの送出ストロークおよび4回のポンプ室Yの送出ストロークを交互にする)を排液バッグに送達した後、1回の送出ストロークを廃液バッグ70に送達する。一シーケンスでは、例えば、10回目の送出ストロークに、(例えば)ポンプ室Yのみが廃液バッグ70に送出する。あるいは、廃液バッグに対する送出ストロークが奇数回(例えば、11ストロークごとに1回)生じる場合、両方のポンプ室XおよびYを使用して、廃液バッグ70に送出する。
【0038】
排液流体が、奇数回の送出ストロークでポンプ室XおよびYの両方から送出されることが所望される場合、最初の送出ストロークが廃液バッグ70に送出される、第1のシーケンスを実行することが可能であり、その後に、次の9回の送出ストロークが排液バッグ68に送出される。次に、最初の9回の送出ストロークが排液バッグ68に送出される、第2のシーケンスを実行し、その後に、最後の10回目の送出ストロークが廃液バッグ70に送出される。ここで、ポンプ室XおよびYから2つの送出ストロークを連続して廃液バッグ70に送出する。あるいは、奇数回のストローク分配において(例えば、10回のポンプストローク毎に1回)、廃液バッグ70へのXおよびYの交互の送出ストロークは、多数のポンプストロークによって間隔が置かれる。例えば、第1のシーケンスは、5番目の送出ストロークをポンプ室Xから廃液バッグ70に送出することができるが、第2のシーケンスは、4番目の送出ストロークをポンプ室Yから廃液バッグ70に送出することができる。
【0039】
上述されるように、治療が開始されると、システム10は、新鮮な透析液の提供を受ける。一実施形態では、フラッシングおよびプライミングの間に、溶液バッグ66a〜66dに接続されるポート56a〜56dは、排液バッグ68にプライミングおよびフラッシングされる。廃液試料バッグ70は、平坦(溶液なし、空気なし)であるため、プライミングされない。患者が最初に排液されると、廃液は患者からライン74gおよびポート56gを通って、ポンプ室62に入り、ポート56fおよびライン74fを介して排液バッグ68から出る。試料の排液流出の第1の部分をレシオメトリックに送出する時間に、廃液は、カセット経路76、ポート56eおよび廃液ライン74e(すべて無菌空気を含有し、空気は廃液試料バッグ70の中に送出される)を通って廃液バッグ70に送出される。カセット廃液経路76および廃液ライン74eの容量は知られている。各排液から試料バッグ70に入る廃液の正しいレシオメトリック量を入手するために、器具は、第1の排液中に、ライン内の空気を移動させるように使用した容量を訂正しなければならない。これを行うには、例えば、最後の排液のレシオメトリック部分が、廃液試料バッグ70に送出された後、経路76および廃液ライン74eの周知の容量に等しい最後の排液流出の追加容量が、試料バッグ70に送出される。
【0040】
ここで図6を参照して、自動廃液試料容器70および廃液試料ライン74eの一実施形態が例示される。バッグ70は、所望の試料を保持するサイズである。バッグ70は、上に示される供給または排液バッグのうちのいずれかと同一の材料で形成することができる。同様に、廃液チューブ74eは、他のチューブライン74(チューブライン74a〜74g)のうちのいずれかを総称する)のうちのいずれかと同一の材料で形成される実施形態である。例示される実施形態では、コネクタ78は、チューブ74eの末端に配置される。コネクタ78は、一実施形態では、突き刺さすか、またはカセット50のポート56eによって突き刺さされるように構成される。コネクタ78は、バーコードまたは無線周波識別子(「RFID」)タグ等の識別タグが付けられる。タグ付きコネクタ78の一実施形態は、2007年7月5日に提出された、米国特許出願第11/773,822号、「Radio Frequency Auto−Identification System」と併せて開示され、その全体内容が本明細書に参考として援用される。
【0041】
廃液ライン74eの末端におけるコネクタ78は、試料ライン74a〜74dの末端に配置されるコネクタの構成を模倣し、コネクタ78が、溶液ライン74a〜74dのうちのいずれかの末端におけるコネクタと同様の態様で、ポート56eを突き刺さすようにする。これは、第5の溶液バッグ(例えば)が、必要に応じて、およびバッグ70への廃液試料採取が使用されていない場合に、ポート56eに適合されるのを可能にする。
【0042】
RFIDまたは他の種類の識別タグは、自動タッチフリー接続および自動機械認識を可能にする。ここで、器具12内の処理およびソフトウェアは、コネクタ78が、廃液試料バッグ70に接続され、供給バッグのみを使用するためのプログラムに対向して、廃液試料バッグとともに使用するためのプログラムを自動的にリコールすることを認識する。一実施形態では、処理ソフトウェアは、特定の治療に対して廃液バッグが使用されることを、例えば、ユーザインターフェース20において表示または提供される聴覚、視覚または聴視覚メッセージを介して、患者が確認することも要求する。
【0043】
ここで図7を参照して、チューブ74eに接続される廃液試料バッグ70の一実施形態が例示される。ここで、バッグ70は、5列のテキスト行が事前印刷され、図7において、行1〜5と示される。各テキスト行は、例示されるように、徐々に明るくなる。器具12は、バッグの下側に印刷されたテキストを、バッグを通して見ながら、いくつのテキスト行が判読可能であるかを決定するように、患者に指示する。つまり、患者は、1〜5のテキスト行のうちの何行を見ることができるかを決定するために、廃液試料を通して見る必要がある。一実施形態では、患者は、白色または明るい色のテーブルまたは支持材上にバッグ70を配置するように指示される。目に見える行の数は、廃液試料がどれほど混濁しているかに基づき、腹膜炎の発症があり得るか否かを患者が決定するのを助けることができる。バッグ70は、日本語の文字で示されるが、テキストは、他の言語であり得るか、または実際のテキストの代わりに、グラフィック形状であってもよい。
【0044】
(自動腹膜平衡試験)
ここで、図8〜10を参照して、腹膜平衡試験(「PET」)を行うための自動システムおよび方法が例示される。図3〜7は、単一バッグ70内の廃液を自動的に収集する方法を示す。廃液バッグ70は、腹膜炎の発症時における混濁の増加を検査するため、周知の腹膜炎症例が処置されている時の混濁の減少を検査するため、および/または適正な試験試料を得て所定の処方養生法の有効性を決定するために有用である。PETは、複数の試料を異なる時点で入手および採取する必要がある。PETは、患者の腹膜透過特徴を特徴付ける標準的な方法を提供する。PETは、2つの小さい溶質(クレアチニンおよびグルコース)が、患者の腹膜をどれほど素早く透過するかを間接的に決定する。これらの結果は、大規模な患者群から得た結果と比較され、患者の透過率を高、高平均、低平均、または低と特徴付ける。
【0045】
本開示のPETのシステムおよび方法は、上述される器具12を介して実行することができる。さらに、供給ポート56a〜56e、排液ポート56f、および排液ポート56gを含むカセット50、および関連チューブを使用して、以下のPETのためのシステムおよび方法を実行することができる。
【0046】
図8に例示される実施形態では、供給ポート56a〜56dは、それぞれ試料ライン74a〜74dを介して、それぞれ試料バッグ1〜4に接続される。追加の供給ポート56および試料バッグ70は、必要に応じて提供されてもよい。供給ポート56eは、供給ライン74eを介して、供給バッグ66に流体的に接続される。ポート56fは、チューブ74fを介して、排液バッグ68に流体的に接続される。ポート56gは、チューブ74gを介して、患者72に流体的に接続される。チューブ74(チューブ74a〜74f)は、それぞれポート56a〜56gに接続するコネクタを含むことができる。あるいは、チューブ74は、ポート56(ポート56a〜56g)に永久に接続され、バッグまたはバッグから延びる長いライン上のコネクタを介して、バッグ66、68および70に取り付けられる。ライン74gは、一実施形態において、患者ポート56gから患者72に延び、例えば、10フィート長であってもよい。
【0047】
上述されるポート56に接続するコネクタを識別するための実施形態のうちのいずれかは、図8〜10と併せて、自動PETシステムおよび方法に適用可能である。例えば、スマートシステムは、ポート56eが、標準供給バッグ66、図3〜7と併せて示される廃液試料バッグ70、または図8と併せて示される自動PET専用の供給バッグ66に接続されているか否かを決定することができる。同様に、システム10の自動識別機構は、ポート56a〜56dに関して、供給バッグ66が、それらのポートに接続されるか否か、またはそれぞれ図8に示されるような試料バッグ1〜4等の試料バッグ70が、ポート56a〜56dのうちの1つに接続されているか否かを決定することができる。処理およびメモリは、図8の特定のバッグの組み合わせが、いつカセット50にインストールされるかを把握するように構成される。再度、そのような検出に適した1つのシステムは、上記で参照される出願に記載されている。あるいは、患者または看護人は、カセットが使い捨てPET試料に接続されていることをマシン10に通知する。いずれかの場合においても、器具12は、図9および10と併せて次に論じられる自動PETのうちの1つを実行する。
【0048】
ここで図9を参照して、シーケンス100は、上述される器具12および使い捨て装置50が実行することができる、1つの可能な自動PETを例示する。楕円形102とともに示されるようなシーケンス100を開始する際に、患者は、ブロック104において見られるように、満タンの、例えば、2リットルの2.5%デキストロースPD溶液を充填した後、8〜12時間の長期滞留を開始する。1つの適切な2.5%デキストロース溶液は、本開示の譲受人によって提供される、Dianeal(商標)溶液として市販されている。
【0049】
ブロック106において、ブロック104の8〜12時間の長期滞留の完了後の朝に、患者または看護人は、(i)カセット50を含む、図8の新しい使い捨てセットを載置し、(ii)カセット50のポート56eに接続される、例えば、2.5%デキストロースPD溶液の2(または2.5)リットルの供給バッグ66を接続し、および(iii)図8に見られるように、例えば、200mlの4つの試料バッグ70を接続する。システム10は、患者または看護人に、消せないペンで、例えば、「長期滞留」、「ゼロ時間」、「2時間」、および「4時間」というマークを各試料バッグ70に付けさせる。あるいは、そのようなマーキングのうちの1つ、または各マーキングおよび各マーキングの隣にチェックボックスをそれぞれバッグ70に事前印刷する。さらなるあるいは、4つのバッグを一式の事前マーキングされたバッグとして、同一順序で載置する必要がある、オルガナイザによって特定の順序で保持されるバッグコネクタとともに提供し、システム10が、どのバッグがどのカセットポートに接続されているかを把握できるようにする。なおもさらなるあるいは、バッグ70は、4つの試料型のうちの1つ、およびマーキングに一致する4つの識別タグが事前に印字された状態で供給される。
【0050】
患者は、自身を使い捨てセットに接続する。シーケンス100は、一実施形態において、患者がカセット50に対する約10フィートのライン74gを有すること、およびポンプ室が残留容量の液体を保持すると予想する。シーケンス100は、したがって、それらの容量を補完する。
【0051】
ブロック108において、図8の自動PET装置を使用するシステム10は、長期滞留試料を実行し、器具12は、患者72に起き上がるよう指示し、排液ライン74fおよび排液バッグ68(両方のポンプ室を使用して)を介して、患者から排液する。使い捨ての一式に対する流体を排液ライン74fに対する廃液で完全にフラッシングした後、システム10は、約200mlの排液容量を長期滞留試料バッグ(例えば、図8における試料バッグ1)に迂回させる。そのような手順は、約20分かかり得る。器具12は、以下の(i)長期滞留溶液の充填容量および濃度、(ii)前回の長期滞留の実際の時間、(iii)現在の排液にかかった実際の時間、および(iv)排液される総量を記録する。
【0052】
ブロック110において、器具12は、患者に仰臥位をとる(顔を上に向けて横たわる)ように指示する。器具12は、例えば、2010mlの2.5%デキストロース溶液を、例えば、10分で送達する。各400mlの点滴の後、器具12は、患者に、左右に回転するように指示し、患者の腹膜内に溶液が均等に分散するのを保証する。器具12は、以下の(i)充填を行う実際の時間、および(ii)ブロック112において使用する場合は、ゼロ時間滞留時間に設定される、充填の終了の時刻を記録する。
【0053】
ブロック112において、システム10は、ゼロ時間試料を記録する。ブロック110の充填の終了時に、器具12は、約40ml(患者ラインの容量)を排液ライン74fに排液し、ポンプ室62のうちの1つ(例えば、室X)を使用して、患者ライン74gをフラッシングする。次に、器具12は、患者に点滴されたばかりの200mlの流体を、他のポンプ室62(室Y)を使用して、ゼロ時間滞留と標識された試料バッグまたは試料バッグ(例えば、図8における試料バッグ2)の中に排液する。次に、器具12は、190mlをゼロ時間試料バッグ70から引き出し、第2のポンプ室Yを介して190mlを患者72に送出し、10mlの試料をゼロ時間滞留バッグ70(図8における試料バッグ2)に残す。次に、器具12は、40mlの新鮮な透析液を、供給バッグ66からポンプ室Xを介して患者72に送出する。この新鮮な溶液は、患者ライン74gのみを通って流れ、そのライン内の溶液を患者に押し戻す。次に、患者72を器具12から外してもよく、または次の試料まで接続したままでもよい。
【0054】
ブロック114において、システム10は、PETに使用される2時間廃液試料および2時間血液試料を行う。ブロック110において充填される溶液は、ゼロ時間滞留時間から2時間後まで、患者の腹膜内に滞留し続ける。切断されている場合は、2時間の終了前に、患者72を器具12に接続し直す。2時間の終了時に、器具12は、約40ml(患者ラインの容積)を排液ライン74fに排液し、ポンプ室62(例えば、室X)のうちの1つを使用して、患者ライン74gをフラッシングする。次に、器具12は、200mlの廃液を、ポンプ室Yを使用して、患者72から2時間滞留と記された試料バッグ170(例えば、図8における試料バッグ3)の中に排液する。次に、器具12は、2時間試料バッグ70から190mlを引き入れ、その190mlを第2のポンプ室Yを介して患者72に送出し、10mlの試料を2時間滞留バッグ70(図8における試料バッグ3)内に残す。次に、器具12は、40mlの新鮮な透析液を供給バッグ66から第1のポンプ室Xを介して患者72に送出する。この新鮮な溶液が、患者ライン74gのみを通って流れ、そのライン内の溶液を患者に押し戻す。器具12は、試料の時間を記録する。またこの時点において、患者72、看護師、または医師は、患者から2時間血液試料を採取する。
【0055】
ブロック116において、ブロック110の充填溶液は、ゼロ時間滞留時間から4時間後まで腹膜内に滞留し続けることが許される。器具12から切断されている場合は、4時間の終了前に、患者72を器具に接続し直す。4時間の最後に、器具12は、患者72に起き上がるように指示し、ポンプ室XおよびYの両方を使用して、患者72から排液ライン74fおよび排液バッグ68に排液を排液し始める。使い捨ての一式に対する流体を廃液で排液ライン74fに完全にフラッシングした後、器具12は、約200mlの排液容量を4時間滞留と記された試料バッグ70(例えば、図8における試料バッグ4)に迂回させ、排液ライン74fおよび排液バッグ68への排液を完了する(約20分)。器具12は、以下の(i)試料の時間、および(ii)総排液量を記録する。
【0056】
4つのPET試料がシーケンス100を完了すると、患者72を器具12から切断することができ、その後、楕円形118に見られるようにPETが終了する。
【0057】
ここで図10を参照して、シーケンス200は、上述の器具12および使い捨て装置50に対して予定される、別の可能な自動PET(修飾PET)を例示する。シーケンス200用のカセット50を含む使い捨ての一式は、シーケンス100用の2リットル供給バッグ66(例えば)が、シーケンス200ではより大きい供給バッグ(例えば、2.5リットル)に置き換えられることを除いて、シーケンス100と同様であり得る。シーケンス200用の大きい供給バッグ66は、4時間供給バッグの2倍である。ここでもバッグ3は、1時間滞留バッグになり、バッグ4は2時間滞留バッグになる。
【0058】
楕円形202とともに示されるようなシーケンス200を開始する際に、患者は、ブロック204において見られるように、完全な、例えば、2リットルの2.5%デキストロースPD溶液を充填した後、夜に8〜12時間の長期滞留を開始する。1つの適切な2.5%デキストロース溶液は、本開示の譲受人によって提供されるDianeal(商標)溶液として市販されている。
【0059】
ブロック206において、ブロック204の8〜12時間の長期滞留の完了後の朝に、患者または看護人は、(i)カセット50を含む、図8の新しい使い捨ての一式を載置し、(ii)例えば、2.5%デキストロースPD溶液の2.5リットルの(例えば)供給バッグ66を、カセット50のポート56eに接続し、(iii)図8に示されるように、4つの例えば、200ml試料バッグ70を接続する。システム10は、患者または看護人に、消せないペンで、各試料バッグ70に、例えば、「長期滞留」、「ゼロ時間」、「1時間」、「2時間」および「4時間」と記すように指示する。4時間試料は、空の供給バッグ66に取り、5つの試料が5つのポートのみで採取されるのを可能にし、供給流体66に接続するように、1つのポート(図8における56e)も使用される。あるいは、バッグ70は、そのようなマーキングのうちの1つ、または各マーキングおよび各マーキングの隣にチェックボックスを事前に印刷するか、またはシーケンス100に関して上述される実施形態のうちのいずれかに従って事前に印刷する。
【0060】
ブロック208において、図8の自動PET装置を使用するシステム10は、長期滞留試料を行い、器具12は、患者に起き上がるように指示し、ポンプ室XおよびYの両方を使用して、患者72から排液ライン74fおよび排液バッグ68に排液する。器具12は、約200mlの排液容量を長期滞留試料バッグ(例えば、図8における試料バッグ1)に迂回させる。そのような手順は、約20分かかり得る。器具12は、以下の(i)長期滞留溶液の充填容量および濃度、(ii)前回の長期滞留の実際の時間、(iii)現在の排液にかかった実際の時間、および(iv)排液される総容量を記録する。
【0061】
ブロック210において、器具12は、患者に仰臥位をとる(顔を上に向けて横たわる)ように指示する。器具12は、例えば、2010mlの2.5%デキストロース溶液を、例えば、10分で送達する。各400mlの点滴の後、器具12は、患者に、左右に回転するように指示し、患者の腹膜内に溶液が均等に分散するのを保証する。器具12は、以下の(i)充填を行う実際の時間、および(ii)ブロック212において使用する場合は、ゼロ時間滞留時間に設定される、充填の終了の時刻を記録する。
【0062】
ブロック212において、システム10は、ゼロ時間試料を記録する。ブロック210の充填の終了時に、器具12は、約40ml(患者ラインの容量)を排液ライン74fに排液し、ポンプ室62のうちの1つ(例えば、室X)を使用して、患者ライン74gをフラッシングする。次に、器具12は、患者に点滴されたばかりの200mlの流体を、他のポンプ室62(室Y)を使用して、ゼロ時間滞留と標識された試料バッグまたは試料バッグ(例えば、図8における試料バッグ2)の中に排液する。次に、器具12は、190mlをゼロ時間試料バッグ70から引き出し、第2のポンプ室Yを介して190mlを患者72に送出し、10mlの試料をゼロ時間滞留バッグ70(図8における試料バッグ2)に残す。次に、器具12は、40mlの新鮮な透析液を、供給バッグ66から第1のポンプ室Xを介して患者72に送出する。この新鮮な溶液は、患者ライン74gのみを通って流れ、そのライン内の溶液を患者に押し戻す。次に、患者72から器具12を取り外してもよく、または次の試料まで接続したままでもよい。
【0063】
ブロック214において、システム10は、1時間廃液試料を行う。ブロック210において充填された溶液は、ゼロ時間滞留時刻から1時間後まで、患者の腹膜内に滞留し続ける。切断されている場合は、1時間の終了前に、患者72を器具12に接続し直す。1時間の終了時に、器具12は、約40ml(患者ラインの容積)を排液ライン74fに排液し、ポンプ室62(例えば、室X)のうちの1つを使用して、患者ライン74gをフラッシングする。次に、器具12は、200mlの廃液を、ポンプ室Yを使用して、患者72から1時間滞留と記された試料バッグ170(例えば、図8における試料バッグ3であるが、ここでは「1時間」と記される)の中に排液する。次に、器具12は、1時間試料バッグ70から190mlを引き入れ、その190mlを第2のポンプ室Yを介して患者72に送出し、10mlの試料を1時間滞留バッグ70(図8における試料バッグ3)内に残す。次に、器具12は、40mlの新鮮な透析液を供給バッグ66から第1のポンプ室Xを介して患者72に送出する。この新鮮な溶液が、患者ライン74gのみを通って流れ、そのライン内の溶液を患者に押し戻す。器具12は、試料の時間を記録する。
【0064】
ブロック216において、システム10は、PETに使用される2時間廃液試料および2時間血液試料を行う。ブロック210において充填される溶液は、ゼロ時間滞留時間から2時間後まで、患者の腹膜内に滞留し続ける。切断されている場合は、2時間の終了前に、患者72を器具12に接続し直す。2時間の終了時に、器具12は、約40ml(患者ラインの容積)を排液ライン74fに排液し、ポンプ室62(例えば、室X)のうちの1つを使用して、患者ライン74gをフラッシングする。次に、器具12は、200mlの廃液を、ポンプ室Yを使用して、患者72から2時間滞留と記された試料バッグ170(例えば、図8における試料バッグ4)であるが、ここでは「2時間」と記される)の中に排液する。次に、器具12は、2時間試料バッグ70から190mlを引き入れ、その190mlを第2のポンプ室Yを介して患者72に送出し、10mlの試料を2時間滞留バッグ70(図8における試料バッグ4)内に残す。次に、器具12は、40mlの新鮮な透析液を供給バッグ66から第1のポンプ室Xを介して患者72に送出する。この新鮮な溶液が、患者ライン74gのみを通って流れ、そのライン内の溶液を患者に押し戻す。器具12は、試料の時間を記録する。またこの時点において、患者72、看護師、または医師は、患者から2時間血液試料を採取する。
【0065】
最後の試料前に、例えば、2.5リットルの供給バッグ66内の任意の残留溶液を排液ライン68に排液する。例えば、患者は、2.5リットルの供給バッグから2リットル(または若干多く)を充填したに過ぎない場合があり、例えば、供給バッグ66内に残留供給液を残す。供給バッグ66は、第5の試料バッグとして使用することができるように空にする必要がある。ここで患者から取り外すか、または最後の試料まで接続したままでもよい。
【0066】
ブロック218において、ブロック110の充填の溶液は、1時間の滞留時間から4時間後まで、腹膜内に滞留し続けることが許される。器具12から切断されている場合は、4時間の終了前に、患者72を器具に接続し直す。4時間の終了時に、器具12は、患者72に起き上がるように指示し、ポンプ室XおよびYの両方を使用して、患者72から排液ライン74fおよび排液バッグ68に排液を排出し始める。使い捨ての一式に対する流体を廃液で排液ライン74fに完全にフラッシングした後、器具12は、約500mlの排液容量を4時間滞留試料バッグ(例えば、図8における空の供給バッグ66)に連続的に迂回させ、次にその500mlを排液ライン74fおよび排液バッグ68に送出する。器具12は、この過程をさらに3回繰り返して、約2000mlの流体を患者72から除去する。最後のサイクルにおいて、器具12は、少量の試料(例えば、10〜30ml)を供給バッグ66/4時間試料バッグに残す。あるいは、試料は、シリンジを介して採取され、試験するために大きい供給バッグを輸送する必要がない。器具12は、以下の(i)試料の時間、および(ii)総排液容量を記録する。
【0067】
5つのPET試料が、シーケンス200を完了すると、患者72を器具12から切断することができ、その後PETは、楕円形220において見られるように終了する。
【0068】
供給バッグ66が、シーケンス200において見られるような試料バッグのうちの1つの2倍である場合、廃液試料で充填される前に、新鮮な溶液のすべてが供給バッグから除去されないことがあり得る。シーケンス200は、したがって、500mlの溶液を供給バッグ/試料バッグに送出し、次に、供給バッグ/試料バッグの内容物を排液ラインに空ける。そのような動作を合計4回行うことは、2000mlの充填容量で可能である。したがって、各連続希釈(極端な例)において、100mlが供給バッグ/試料バッグ内に残される場合、本方法は、希釈エラーを100/600*100/600*100/600*100/600=0.00077と示されるような有意でないレベルに効果的に減少させる。供給バッグ内の排液は、実施例において存在する場合、完全に空のバッグが試料採取に使用した場合は、99.92%の濃度である。したがって、供給バッグ66は、あるいは、「ゼロ時間」、「1時間」、または「2時間」試料バッグのうちのいずれかであり得るが、これらのバッグは、上記希釈を可能にしない。
【0069】
当業者には、本明細書に記載した本発明の好ましい実施形態に対する様々な変更および修正が明白であることを理解されたい。そのような変更および修正は、本発明の対象の主旨および範囲から逸脱することなく、またその意図する利点を損なうことなく、行うことが可能である。したがって、そのような変更および修正は、添付する特許請求の範囲に包含されることを意図する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの透析液ポンプアクチュエータと、
該少なくとも1つのポンプアクチュエータで動作可能な少なくとも1つのポンプ室を含む、使い捨てカセットであって、複数の流体容器に流体的に接続されるように構成される複数の流体ポートをさらに含む、使い捨てカセットと、
該少なくとも1つのポンプアクチュエータに該少なくとも1つのポンプ室を動作させて、流出透析液を排液管/排液容器または試料容器に選択的に移動させるようにプログラムされる、プロセッサと
を備える、透析システム。
【請求項2】
前記試料容器は、該試料容器に収容される前記流出透析液の評価のために暗さが減少する表示が印刷される、請求項1に記載の透析システム。
【請求項3】
前記使い捨てカセットの少なくとも1つのバルブ室で動作可能な少なくとも1つのバルブアクチュエータを含み、前記プロセッサはさらに、該少なくとも1つのバルブアクチュエータに該少なくとも1つのバルブ室を動作させて、流出透析液を前記排液管/排液容器または前記試料容器に選択的に移動させるようにプログラムされる、請求項1に記載の透析システム。
【請求項4】
前記使い捨てカセットに接続されると、前記試料容器と関連付けられた識別子を感知するように構成されるセンサを含む、請求項1に記載の透析システム。
【請求項5】
前記センサはさらに、供給容器が前記試料容器の代わりに前記使い捨てカセットに接続されると、該供給容器に関連付けられた識別子を感知するように構成される、請求項4に記載の透析システム。
【請求項6】
前記プロセッサはさらに、前記供給容器が前記試料容器の代わりに前記使い捨てカセットに接続された時にのみ、前記少なくとも1つのポンプアクチュエータに前記少なくとも1つのポンプ室を動作させて、流出透析液を前記排液管/排液容器または該試料容器に選択的に移動させるように構成される、請求項5に記載の透析システム。
【請求項7】
(i)前記試料容器が使用されているというオペレータ入力、(ii)音声ガイダンスを介した該試料容器の使用に関する出力指示、および(iii)グラフィックスを介した該試料容器の使用に関する出力指示のうちの少なくとも1つを提供するようにプログラムされる、ユーザインターフェースを含む、請求項1に記載の透析システム。
【請求項8】
前記使い捨てカセットは、排液ポートおよび複数の供給ポートを含み、該供給ポートのうちの少なくとも1つは、代替的に試料ポートとして動作するように構成される、請求項1に記載の透析システム。
【請求項9】
前記排液ポートおよび前記少なくとも1つの試料ポートは各々、複数の前記ポンプ室とバルブ連通している、請求項8に記載の透析システム。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのポンプアクチュエータに前記少なくとも1つのポンプ室を動作させて、第1の数のポンプストロークを前記排液管/排液容器に送出し、その後に第2の数のポンプストロークを前記試料容器に送出するようにプログラムされる、請求項1に記載の透析システム。
【請求項11】
第1の面と、
第2の面と、
該第1の面と該第2の面との間に位置する、内部空間と流体連通している流体開口と
を備え、該第2の面は、暗さが減少し、該内部空間内に存在する流出透析液を通して該第2の面を見ている個人が、該流出透析液を評価することができるように配置される、表示を含む、流出透析液容器。
【請求項12】
前記表示は、表示の列を含み、各列は、暗さが減少する、請求項11に記載の流出透析液容器。
【請求項13】
前記表示は、読取不可能または視認不可能である特定の表示が、前記流出透析液の評価レベルを設定するように構成される、請求項11に記載の流出透析液容器。
【請求項14】
前記表示は、前記容器の前記第1の面と前記第2の面との間の前記内部空間とは反対側で、該第2の面の外面上に位置する、請求項11に記載の流出透析液容器。
【請求項15】
可撓性バッグであって、前記第1および第2の面は該可撓性バッグの面である、可撓性バッグである、請求項11に記載の流出透析液容器。
【請求項16】
前記容器を流出透析液容器であるものとして識別する、識別子を有するコネクタを含む、請求項11に記載の流出透析液容器。
【請求項17】
少なくとも1つの透析液ポンプアクチュエータと、
該少なくとも1つのポンプアクチュエータで動作可能な少なくとも1つのポンプ室を含む、使い捨てカセットであって、複数の流体容器に流体的に接続されるように構成される複数の流体ポートをさらに含む、使い捨てカセットと、
該少なくとも1つのポンプアクチュエータに該少なくとも1つのポンプ室を動作させて、(i)1回目に患者から第1の試料容器に流出透析液の第1の試料を送出し、(ii)2回目に該患者から第2の試料容器に流出透析液の第2の試料を送出するようにプログラムされる、プロセッサと
を備える、透析液システム。
【請求項18】
前記1回目は、患者充填の前であり、前記2回目は、該患者充填の直後である、請求項17に記載の透析液システム。
【請求項19】
前記プロセッサはさらに、前記少なくとも1つのポンプアクチュエータに前記少なくとも1つのポンプ室を動作させて、3回目に流出透析液の第3の試料を第3の試料容器に送出するようにプログラムされる、請求項17に記載の透析液システム。
【請求項20】
前記3回目は、患者充填の終了から1時間および2時間のいずれか一方である、請求項19に記載の透析液システム。
【請求項21】
前記プロセッサはさらに、前記少なくとも1つのポンプアクチュエータに前記少なくとも1つのポンプ室を動作させて、4回目に流出透析液の第4の試料を第4の試料容器に送出するようにプログラムされる、請求項19に記載の透析液システム。
【請求項22】
前記4回目は、患者充填の終了から2時間および4時間のいずれか一方である、請求項21に記載の透析液システム。
【請求項23】
前記3回目および4回目のうちの一方に、前記患者の血液検査を促すように構成される、請求項21に記載の透析液システム。
【請求項24】
前記プロセッサは、試料容量以上に値する流出透析液が、前記第3および第4の試料容器のうちの少なくとも1つに送出されるようにプログラムされ、その後、流出透析液は、所望の試料容量が該容器の中に残るまで、該それぞれの試料容器から除去される、請求項21に記載の透析液システム。
【請求項25】
前記プロセッサはなおもさらに、前記除去された流出透析液を前記患者に戻すようにプログラムされる、請求項24に記載の透析液システム。
【請求項26】
前記プロセッサはさらに、(i)前記患者から前記第3の試料容器への流出透析液の前記第3の試料、および(ii)該患者から前記第4の試料容器への流出透析液の前記第4の試料、のうちの少なくとも1つを送出する前に、患者ライン容量に値する流体を患者ラインから排液管/排液容器に送出することによって、該患者ラインを一掃するようにプログラムされる、請求項21に記載の透析液システム。
【請求項27】
前記プロセッサはさらに、前記少なくとも1つのポンプアクチュエータに前記少なくとも1つのポンプ室を動作させて、5回目に流出透析液の第5の試料を第5の試料容器に送出するようにプログラムされる、請求項21に記載の透析液システム。
【請求項28】
前記第5の試料容器は、空の供給容器である、請求項27に記載の透析液システム。
【請求項29】
流出透析液の前記第1の試料は、前記患者の体内での長期滞留後の前記患者の全排液からのものである、請求項17に記載の透析液システム。
【請求項30】
前記プロセッサは、試料容量以上に値する流出透析液が、前記第1および第2の試料容器のうちの少なくとも1つに送出され、その後、所望の試料容量が該容器の中に残るまで、流出透析液が該それぞれの試料容器から除去されるようにプログラムされる、請求項17に記載の透析液システム。
【請求項31】
前記プロセッサはなおもさらに、前記除去された流出透析液を前記患者に戻すようにプログラムされる、請求項30に記載の透析液システム。
【請求項32】
前記プロセッサはさらに、(i)前記患者から前記第1の試料容器への流出透析液の前記第1の試料、および(ii)該患者から前記第2の試料容器への流出透析液の前記第2の試料、のうちの少なくとも1つを送出する前に、患者ライン容量に値する流体を患者ラインから排液管/排液容器に送出することによって、該患者ラインを一掃するようにプログラムされる、請求項17に記載の透析液システム。
【請求項33】
音声ガイダンスおよびグラフィカルユーザインターフェースのうちの少なくとも1つを介して動作される、請求項17に記載の透析液システム。
【請求項1】
少なくとも1つの透析液ポンプアクチュエータと、
該少なくとも1つのポンプアクチュエータで動作可能な少なくとも1つのポンプ室を含む、使い捨てカセットであって、複数の流体容器に流体的に接続されるように構成される複数の流体ポートをさらに含む、使い捨てカセットと、
該少なくとも1つのポンプアクチュエータに該少なくとも1つのポンプ室を動作させて、流出透析液を排液管/排液容器または試料容器に選択的に移動させるようにプログラムされる、プロセッサと
を備える、透析システム。
【請求項2】
前記試料容器は、該試料容器に収容される前記流出透析液の評価のために暗さが減少する表示が印刷される、請求項1に記載の透析システム。
【請求項3】
前記使い捨てカセットの少なくとも1つのバルブ室で動作可能な少なくとも1つのバルブアクチュエータを含み、前記プロセッサはさらに、該少なくとも1つのバルブアクチュエータに該少なくとも1つのバルブ室を動作させて、流出透析液を前記排液管/排液容器または前記試料容器に選択的に移動させるようにプログラムされる、請求項1に記載の透析システム。
【請求項4】
前記使い捨てカセットに接続されると、前記試料容器と関連付けられた識別子を感知するように構成されるセンサを含む、請求項1に記載の透析システム。
【請求項5】
前記センサはさらに、供給容器が前記試料容器の代わりに前記使い捨てカセットに接続されると、該供給容器に関連付けられた識別子を感知するように構成される、請求項4に記載の透析システム。
【請求項6】
前記プロセッサはさらに、前記供給容器が前記試料容器の代わりに前記使い捨てカセットに接続された時にのみ、前記少なくとも1つのポンプアクチュエータに前記少なくとも1つのポンプ室を動作させて、流出透析液を前記排液管/排液容器または該試料容器に選択的に移動させるように構成される、請求項5に記載の透析システム。
【請求項7】
(i)前記試料容器が使用されているというオペレータ入力、(ii)音声ガイダンスを介した該試料容器の使用に関する出力指示、および(iii)グラフィックスを介した該試料容器の使用に関する出力指示のうちの少なくとも1つを提供するようにプログラムされる、ユーザインターフェースを含む、請求項1に記載の透析システム。
【請求項8】
前記使い捨てカセットは、排液ポートおよび複数の供給ポートを含み、該供給ポートのうちの少なくとも1つは、代替的に試料ポートとして動作するように構成される、請求項1に記載の透析システム。
【請求項9】
前記排液ポートおよび前記少なくとも1つの試料ポートは各々、複数の前記ポンプ室とバルブ連通している、請求項8に記載の透析システム。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのポンプアクチュエータに前記少なくとも1つのポンプ室を動作させて、第1の数のポンプストロークを前記排液管/排液容器に送出し、その後に第2の数のポンプストロークを前記試料容器に送出するようにプログラムされる、請求項1に記載の透析システム。
【請求項11】
第1の面と、
第2の面と、
該第1の面と該第2の面との間に位置する、内部空間と流体連通している流体開口と
を備え、該第2の面は、暗さが減少し、該内部空間内に存在する流出透析液を通して該第2の面を見ている個人が、該流出透析液を評価することができるように配置される、表示を含む、流出透析液容器。
【請求項12】
前記表示は、表示の列を含み、各列は、暗さが減少する、請求項11に記載の流出透析液容器。
【請求項13】
前記表示は、読取不可能または視認不可能である特定の表示が、前記流出透析液の評価レベルを設定するように構成される、請求項11に記載の流出透析液容器。
【請求項14】
前記表示は、前記容器の前記第1の面と前記第2の面との間の前記内部空間とは反対側で、該第2の面の外面上に位置する、請求項11に記載の流出透析液容器。
【請求項15】
可撓性バッグであって、前記第1および第2の面は該可撓性バッグの面である、可撓性バッグである、請求項11に記載の流出透析液容器。
【請求項16】
前記容器を流出透析液容器であるものとして識別する、識別子を有するコネクタを含む、請求項11に記載の流出透析液容器。
【請求項17】
少なくとも1つの透析液ポンプアクチュエータと、
該少なくとも1つのポンプアクチュエータで動作可能な少なくとも1つのポンプ室を含む、使い捨てカセットであって、複数の流体容器に流体的に接続されるように構成される複数の流体ポートをさらに含む、使い捨てカセットと、
該少なくとも1つのポンプアクチュエータに該少なくとも1つのポンプ室を動作させて、(i)1回目に患者から第1の試料容器に流出透析液の第1の試料を送出し、(ii)2回目に該患者から第2の試料容器に流出透析液の第2の試料を送出するようにプログラムされる、プロセッサと
を備える、透析液システム。
【請求項18】
前記1回目は、患者充填の前であり、前記2回目は、該患者充填の直後である、請求項17に記載の透析液システム。
【請求項19】
前記プロセッサはさらに、前記少なくとも1つのポンプアクチュエータに前記少なくとも1つのポンプ室を動作させて、3回目に流出透析液の第3の試料を第3の試料容器に送出するようにプログラムされる、請求項17に記載の透析液システム。
【請求項20】
前記3回目は、患者充填の終了から1時間および2時間のいずれか一方である、請求項19に記載の透析液システム。
【請求項21】
前記プロセッサはさらに、前記少なくとも1つのポンプアクチュエータに前記少なくとも1つのポンプ室を動作させて、4回目に流出透析液の第4の試料を第4の試料容器に送出するようにプログラムされる、請求項19に記載の透析液システム。
【請求項22】
前記4回目は、患者充填の終了から2時間および4時間のいずれか一方である、請求項21に記載の透析液システム。
【請求項23】
前記3回目および4回目のうちの一方に、前記患者の血液検査を促すように構成される、請求項21に記載の透析液システム。
【請求項24】
前記プロセッサは、試料容量以上に値する流出透析液が、前記第3および第4の試料容器のうちの少なくとも1つに送出されるようにプログラムされ、その後、流出透析液は、所望の試料容量が該容器の中に残るまで、該それぞれの試料容器から除去される、請求項21に記載の透析液システム。
【請求項25】
前記プロセッサはなおもさらに、前記除去された流出透析液を前記患者に戻すようにプログラムされる、請求項24に記載の透析液システム。
【請求項26】
前記プロセッサはさらに、(i)前記患者から前記第3の試料容器への流出透析液の前記第3の試料、および(ii)該患者から前記第4の試料容器への流出透析液の前記第4の試料、のうちの少なくとも1つを送出する前に、患者ライン容量に値する流体を患者ラインから排液管/排液容器に送出することによって、該患者ラインを一掃するようにプログラムされる、請求項21に記載の透析液システム。
【請求項27】
前記プロセッサはさらに、前記少なくとも1つのポンプアクチュエータに前記少なくとも1つのポンプ室を動作させて、5回目に流出透析液の第5の試料を第5の試料容器に送出するようにプログラムされる、請求項21に記載の透析液システム。
【請求項28】
前記第5の試料容器は、空の供給容器である、請求項27に記載の透析液システム。
【請求項29】
流出透析液の前記第1の試料は、前記患者の体内での長期滞留後の前記患者の全排液からのものである、請求項17に記載の透析液システム。
【請求項30】
前記プロセッサは、試料容量以上に値する流出透析液が、前記第1および第2の試料容器のうちの少なくとも1つに送出され、その後、所望の試料容量が該容器の中に残るまで、流出透析液が該それぞれの試料容器から除去されるようにプログラムされる、請求項17に記載の透析液システム。
【請求項31】
前記プロセッサはなおもさらに、前記除去された流出透析液を前記患者に戻すようにプログラムされる、請求項30に記載の透析液システム。
【請求項32】
前記プロセッサはさらに、(i)前記患者から前記第1の試料容器への流出透析液の前記第1の試料、および(ii)該患者から前記第2の試料容器への流出透析液の前記第2の試料、のうちの少なくとも1つを送出する前に、患者ライン容量に値する流体を患者ラインから排液管/排液容器に送出することによって、該患者ラインを一掃するようにプログラムされる、請求項17に記載の透析液システム。
【請求項33】
音声ガイダンスおよびグラフィカルユーザインターフェースのうちの少なくとも1つを介して動作される、請求項17に記載の透析液システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【公表番号】特表2011−521720(P2011−521720A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511755(P2011−511755)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/045169
【国際公開番号】WO2009/154955
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/045169
【国際公開番号】WO2009/154955
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】
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