説明

自動按摩装置及び該自動按摩装置を用いる自動按摩方法

【課題】 按摩技術者の操縦を元に自動的に全身按摩を行い、且つ使用者の体型に自動的に対応できる自動按摩装置及び該自動按摩装置を用いる自動按摩方法を提供する。
【解決手段】 使用者に対して自動的に按摩する自動按摩装置であって、上方に面する略水平面に形成されて使用者が横たわることができるベッド面を有するベッド手段と、前記ベッド手段のベッド面の上方に可動的に配置されてベッド面に横たわった体に対して刺激を与えて按摩を自動的に行う按摩手段と、それぞれ前記按摩手段のベッド面に対する前後、左右、上下三次元の方向における動きを制御する第1の駆動機構、第2の駆動機構、第3の駆動機構を有してなる駆動手段と、コントローラと該コントローラによる操作に従い前記駆動手段及び按摩手段の制御を行う制御ユニットとを有する制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動按摩装置及び該自動按摩装置を用いる自動按摩方法に関し、特に、自動制御手法を導入して使用者の全身に対して自動的に按摩を行うことができる自動按摩装置及び該自動按摩装置を用いて自動的に按摩を行う自動按摩方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すのは従来の按摩装置例である特許文献1に掲示された按摩装置である。図示のように、該按摩装置1は、ほぼ座席手段12と、該座席手段12の内/外に渡って配置されている按摩手段13と、該座席手段12の肘掛の隣りに配置されている操作パネル11とによりなっている。按摩手段13は操作パネル11より指示を受け、座席手段12に座っている使用者の背中や、太腿、尻、足裏などの筋肉を押したり揉んだりして按摩する。
【0003】
また、経穴按摩は中国古来より伝われてきた民俗療法の一つであり、人体の表面に走る経絡に点在する経穴を指先で押して刺激を加えることによって、病気を治療できるとされている。
【特許文献1】台湾特許第89106865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の按摩装置は、その椅子状の構成により制限され、人体の背面にしか加えることができず、全身按摩するには人手に頼らなければならない上、人により違う体型への対応も欠いている。
【0005】
また、経穴按摩は未だに一握りの特殊技術者に頼らなければ行うことが出来ず、そして人手に頼る以上経穴按摩を受けられる人数は特殊技術者の有限の体力によって限られている。
【0006】
即ち、現状ではどんな種類の按摩でも、効果的な按摩を受けるには専門の按摩技術者が必須であり、そして専門の按摩技術者が一回一人にしか相手できない以上、按摩サービスの効率が悪い欠点を解決することが出来ない。
【0007】
この問題点に鑑見て、本発明は按摩技術者の操縦を元に自動的に全身按摩を行うことができ、そして、例え経穴按摩のような人体の特定位置に対して刺激を与える按摩方法でも、使用者の体型に応じて按摩位置を調整できる自動按摩装置及び該自動按摩装置を用いる自動按摩方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は使用者に対して自動的に按摩する自動按摩装置であって、上方に面する略水平面に形成されて使用者が横たわることができるベッド面を有するベッド手段と、前記ベッド手段のベッド面の上方に可動的に配置されてベッド面に横たわった体に対して刺激を与えて按摩を自動的に行う按摩手段と、それぞれ前記按摩手段のベッド面に対する前後、左右、上下三次元の方向における動きを制御する第1の駆動機構、第2の駆動機構、第3の駆動機構を有してなる駆動手段と、コントローラと該コントローラによる操作に従い前記駆動手段及び按摩手段の制御を行う制御ユニットとを有する制御手段と、前記駆動手段及び按摩手段、制御手段に必要な電力を供給する電源手段と、を備えてなることを特徴とする自動按摩装置を提供する。
【0009】
本発明の自動按摩装置の詳しい構成については、前記ベッド面の一側辺の前後両端にそれぞれ直立固定されている2本の柱で前記ベッド手段及び該自動按摩装置全体を支持するベッドフレーム手段を更に備え、前記第1の駆動機構は、前記2本の柱間に渡って前記ベッド面と平行に掛け渡られた第1のレールと、第1のモータとを有し、前記第2の駆動機構は、前記第1のレールに摺動自在に取り付けられて前記第1のモータの駆動により前記第1のレールに沿って前後方向(図中のX方向)に往復移動することができる第1の摺動座と、該第1の摺動座に設けられて前記第1のレールと同一水平面における直交方向に前記ベッド面の上方を横断するように延伸する第2のレールと、第2のモータとを有し、前記第3の駆動機構は、前記第2のレールに摺動自在に取り付けられて前記第2のモータの駆動により前記第2のレールに沿って左右方向(図中のY方向)に往復移動することができる第2の摺動座と、該第2の摺動座を摺動自在に上下方向に挿通し前記第2のレールと垂直に前記ベッド面の上方に直立するように配置される昇降ロッドと、前記昇降ロッドの該第2の摺動座に対して上下方向(図中のZ方向)に沿う摺動を駆動制御する第3のモータとを有し、前記按摩手段は前記昇降ロッドの下端部に取り付けられ、前記第1の駆動機構と前記第2の駆動機構と前記第3の駆動機構の作動により、前記ベッド手段の上方に位置を三次元的に動かされることができるように構成することが好ましい。
【0010】
本発明の自動按摩装置の更に詳しい構成については、前記第1の駆動機構は、前記第1のレールの一端近くに配置されて前記第1のモータにより回転駆動される第1の主動ローラと、前記第1のレールの他端近くに配置されている第1の従動ローラと、前記第1の主動ローラと前記第1の従動ローラの間に掛け渡されると共に、前記第1の摺動座が前記第1のモータにより駆動される前記第1の主動ローラの正反回転により前記第1のレールに沿って往復移動することができるように固定されている第1の無端ベルトとを更に有するように構成され、前記第2の駆動機構は、前記第2のレールの一端近くに配置されて前記第2のモータにより回転駆動される第2の主動ローラと、前記第2のレールの他端近くに配置されている第2の従動ローラと、前記第2の主動ローラと前記第2の従動ローラの間に掛け渡されていると共に、前記第2の摺動座が前記第2のモータにより駆動される前記第2の主動ローラの正反回転により前記第2のレールに沿って往復移動することができるように固定されている第2の無端ベルトとを更に有するように構成され、前記第3の駆動機構は、前記第2の摺動座に回転自在に取り付けられて前記第3のモータにより回転駆動される第3の主動ローラと、前記第3の主動ローラの隣りに回転自在に取り付けられて前記昇降ロッドにより挿通されるねじ孔を有する第3の従動ローラと、前記第3の主動ローラと前記第3の従動ローラの間に掛け渡されている第3の無端ベルトと、前記昇降ロッドの外周面に形成されて前記第3の従動ローラのねじ孔と螺合することによって、前記昇降ロッドが前記第3のモータにより駆動される前記第3の主動ローラの正反回転により前記第2の摺動座に対して上下往復移動することができるようにする雄ねじを更に有するように構成することが好ましい。
【0011】
更に、本発明の自動按摩装置において、前記ベッドフレーム手段は、前記2本の柱に対応して前記ベッド面の反対側の前後両端にそれぞれ直立固定されている2本の柱と、前記前記ベッド面の前後両端にそれぞれ配置されている2対の柱をそれぞれ跨ぐように繋ぎ、前記第1のレールに垂直する2つのサポータとを更に有し、前記第1の駆動機構は、前記第1のレールの反対側にある2本の前記柱を跨ぐように前記第1のレールと平行に取り付けられると共に、前記第1の摺動座が摺動自在に取り付けられている第1のサポートレールと、前記第1の摺動座の前記第1のレールに対する前後摺動の前、後終点として、前記第1の摺動座の摺動経路の両端にそれぞれ配置さるように前記第1のサポートレールまたは前記第2のレールに取り付けられる2つの第1の制止ブロックと、前記2つの第1の制止ブロックにそれぞれ対応して前記第1の摺動座の前後両端部に設けられ、前記2つの第1の制止ブロックのいずれかと接触すると前記第1のモータを止めるよう前記制御手段に第1のブレーキ信号を発信する2つの第1のリミットスイッチとを更に備え、前記第2の駆動機構は、前記第2のレールの反対側にあって前記第1のレールと前記第1のサポートレールを跨いで前記第2のレールと平行して前記第1の摺動座に取り付けられると共に、前記第2の摺動座が摺動自在に取り付けられている第2のサポートレールと、前記第2の摺動座の前記第2のレールに対する左右摺動の左、右終点として、前記第2の摺動座の摺動経路の両端それぞれの位置に前記第2のサポートレールまたは前記第2のレールに取り付けられる2つの第2の制止ブロックと、前記2つの第2の制止ブロックにそれぞれ対応して前記第2の摺動座の左右両端部に設けられ、前記2つの第2の制止ブロックのいずれかと接触すると前記第2のモータを止めるよう前記制御手段に第2のブレーキ信号を発信する2つの第2のリミットスイッチとを更に備え、前記第3の駆動機構は、前記昇降ロッドの前記第2の摺動座に対する上下摺動の上、下終点として、前記昇降ロッドの雄ねじの上下両側にそれぞれ設けられる2つの制限フランジと、前記2つ制限フランジにそれぞれ対応して前記第2の摺動座の上下両端部に設けられ、前記2つの制限フランジのいずれかと接触すると前記第3のモータを止めるよう前記制御手段に第3のブレーキ信号を発信する2つの第3のリミットスイッチとを更に備えるように構成することが好ましい。
【0012】
更に、本発明の自動按摩装置において、前記ベッド手段のベッド面には、各種の体型に対応して正しい横臥位置を示す複数の人体輪郭が描かれていることが好ましい。
【0013】
また、本発明は上記自動按摩装置を用意し、使用者の好みあるいは体調に合わせて、予め按摩箇所と按摩順序を決め、使用者が前記ベッド手段のベッド面に横たわり、前記制御手段のコントローラで前記按摩手段を動かし、該使用者の体にある少なくとも1つ以上の所定の位置にあわせてその位置に関する制御データを読み取り、前記少なくとも1つ以上の所定の位置に関する制御データに基づいて、前記按摩箇所の位置に関する制御データを算出し、算出された前記按摩箇所の位置に関する制御データに基づいて、前記按摩手段を動かして、予め決められた前記按摩箇所により無作為的に選ばれた数箇所の位置に移動押圧して刺激を与えるテスト按摩を行い、前記按摩手段が正確な位置に移動されたか否か、及び前記テスト按摩において前記按摩手段が加えた圧力が適切か否かを確認して、適切でない按摩位置及び圧力についての制御データに調整を加えるテスト按摩/調整操作を、按摩位置及び圧力が全て正確または適切になるまで繰り返して行い、前記テスト按摩/調整操作により得られた適切な制御データに基づいて前記按摩手段を動かし、該使用者の体に対して前記予め決められた按摩箇所及び按摩順序通りに本按摩を行い、本按摩が完了したら前記適切の制御データ及び該使用者の名前あるいは登録番号を関連付けて記録することを特徴とする自動按摩方法をも提供する。
【発明の効果】
【0014】
上記構成によれば、本発明は按摩手段がベッド手段の上方に三次元的に位置を移動することができるような構成であるので、按摩技術者の操縦または指示の元に仰臥または伏臥した身体に対して自動的に全身按摩を行うことができ、そして、例え経穴按摩のような人体の特定位置に対して刺激を与える按摩方法でも、使用者の体型に応じて三次元的に按摩位置を調整できる自動按摩装置及び該自動按摩装置を用いる自動按摩方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下は図2〜図10に参照し、本発明の自動按摩装置及び該自動按摩装置を用いる自動按摩方法の好ましい実施形態について説明する。
【0016】
図2に示すのは本発明の自動按摩装置の実施例として構成された経穴按摩装置10におけるベッド手段2と、ベッド手段2及び該経穴按摩装置10全体を支持するベッドフレーム手段3の構成を示す斜視図である。
【0017】
経穴按摩装置10は、使用者に対して自動的に刺激を与えて経穴按摩を行うための装置である。
【0018】
図示のように、ベッド手段2は上方に面する略水平面に形成されて使用者が横たわることができる矩形ベッド面21を有し、ベッド面21には更に使用者に正しい横臥位置を指示する人体輪郭211が描かれている。人体輪郭211は図4に示すように単純に横臥位置を指示するように描くことができるし、または図8、図9に示すように人体の経穴分布図211aや、各種の体型に対応して正しい横臥位置を示す複数の人体輪郭211bとして描くことができる。
【0019】
更に、以下の説明において、前後方向を人体輪郭211が指示するようにベッド面21に横たわっている人体の頭部/足部方向とし、左右方向を該人体の左手/右手方向とし、上下方向を該人体の上/下方向として指している。
【0020】
ベッドフレーム手段3は矩形のベッド面21の四角にそれぞれ直立固定されている4本の柱31、32、33、34と、ベッド面21の上下両端にそれぞれ配置されている2対の柱31、33及び32、34をそれぞれ跨ぐように繋ぐ2本のサポータ35、35とを有している。また、ベッド面21の左右両端にそれぞれ配置されている2対の柱31、32及び33、34をそれぞれ跨ぐように繋ぐもう2本のサポータは、後述の第1の駆動手段5が有する第1のレール51と第1のサポートレール52として配置されている。
【0021】
図3に示すのは経穴按摩装置10を左側から見た側視図であり、図4に示すのは同経穴按摩装置10を上面から見た上面図であり、図5に示すのは経穴按摩装置10を前側から見た側視図である。
【0022】
図3〜図5に示すように、経穴按摩装置10は、ベッド面21に横たわった体100に対して刺激を与えて按摩を自動的に行う按摩手段4と、それぞれ前記按摩手段のベッド面に対する前後、左右、上下三次元の方向における動きを制御する第1の駆動機構5、第2の駆動機構6、第3の駆動機構7を有してなる駆動手段と、コントローラ81と該コントローラ81による操作に従い前記駆動手段及び按摩手段7の制御を行う制御ユニット82とを有する制御手段8と、前記駆動手段及び按摩手段7、制御手段8に必要な電力を供給する電源手段9と、を備えている。
【0023】
図4に示すように、第1の駆動機構5は、ベッド面21の左端に配置されている1対の柱31、32を跨ぐように繋ぐ第1のレール51と、ベッド面21の右端に配置されている1対の柱33、34を跨ぐように繋ぐ第1のサポートレール52と、制御手段8及び電源手段9と電気的に接続することによって制御を受ける第1のモータ53と、第1のレール51の柱32端の近く配置されて第1のモータ53により回転駆動される第1の主動ローラ54と、第1のレール51の柱31端の近く配置されている第1の従動ローラ55と、第1の主動ローラ54と第1の従動ローラ55の間に掛け渡されている第1の無端ベルト56と、を有している。
【0024】
また、図4に示すように、第2の駆動機構6は、第1のレール51に摺動自在に取付けられていると共に、第1の無端ベルト56に固定されている左ベース部611と第1のサポートレール52に摺動自在に取付けられている右ベース部612とからなる第1の摺動座61と、第1のレール51と第1のサポートレール52との間を横断するように左ベース部611と右ベース部612とを繋ぎ、互いに平行して配置されている第2のレール62と第2のサポートレール63と、左ベース部611に配置されて制御手段8及び電源手段9と電気的に接続することによって制御を受ける第2のモータ64と、左ベース部611の第2のレール62の隣りに配置されて第2のモータ54により回転駆動される第2の主動ローラ65と、右ベース部612の第2のレール62の隣りに配置されている第2の従動ローラ66と、第2の主動ローラ65と第2の従動ローラ66の間に掛け渡されている第2の無端ベルト67と、を有している。
【0025】
図4と図5に示すように、第3の駆動機構7は、第2のレール62と第2のサポートレール63とを横断するように第2のレール62と第2のサポートレール63とに摺動自在に取付けられていると共に、第2の無端ベルト67に固定されている第2の摺動座71と、該第2の摺動座71を摺動自在に挿通し第2のレール62と垂直にベッド面21の上方に直立するように配置される昇降ロッド72と、制御手段8及び電源手段9と電気的に接続することによって制御を受けて昇降ロッド72の該第2の摺動座71に対する上下方向に沿う摺動を駆動制御する第3のモータ73と、第2の摺動座71の昇降ロッド72により挿通される位置の隣りに回転自在に取り付けられて第3のモータ73により回転駆動される第3の主動ローラ74と、第2の摺動座71の昇降ロッド72により挿通される位置に回転自在に取り付けられて昇降ロッド72により挿通されるねじ孔751とを有する第3の従動ローラ75と、第3の主動ローラ74と第3の従動ローラ75の間に掛け渡されて第3の主動ローラ74の動きを第3の従動ローラ75に伝動する第3の無端ベルト76と、昇降ロッド72の外周面に形成されて第3の従動ローラ75のねじ孔751と螺合する雄ねじ721と、を有している。
【0026】
図5に示すように、制御手段8及び電源手段9と電気的に接続することによって制御を受ける按摩手段4は、第3の駆動手段における昇降ロッド72の下端部に取り付けられているので、第1の駆動機構5と第2の駆動機構6と第3の駆動機構7の3方向の作動によって、ベッド手段2のベッド面21の上方に三次元的に位置を変換することができるので、ベッド面21に横たわった体100に対して経穴位置を変換しながら按摩を行うことができる。
【0027】
図6と図7は第1、第2、第3の駆動機構5、6、7の構成及び接続関係を示す一部省略した斜視図である。図5に示すように、第2の駆動機構6における第1の摺動座61の左ベース部611は第1の駆動機構5の無端第1の無断ベルト56に固定されているので、第1のモータ53により駆動される第1の主動ローラ54の正反回転によって第1のレール51に沿って前後往復移動することができる。また、図7に示すように、第3の駆動機構7における第2の摺動座71もまた第2の駆動機構6の第2の無端ベルト67に固定されているので、第2のモータ64により駆動される第2の主動ローラ65の正反回転によって第2のレール62に沿って左右往復移動することができる。そして、第3の駆動機構7における昇降ロッド72は、第3のモータ73により駆動される第3の主動ローラ75の正反回転と、第3の主動ローラ75のねじ孔751と昇降ロッド72の雄ねじ721との噛み合いによって、第2の摺動座71に対して上下往復移動することができる。
【0028】
更に、図4と図5に示すように、第1の駆動機構5には、第2の駆動機構6における第1の摺動座61の第1のレール51に対する前後摺動の前、後終点として、第1の摺動座61の摺動経路の両端にそれぞれ配置さるように第1のサポートレール52に取り付けられる2つの第1の制止ブロック57、57と、該2つの第1の制止ブロック57、57にそれぞれ対応するよう第1の摺動座61における右ベース部612の前後両端部に設けられ、該2つの第1の制止ブロック657、57のいずれかと接触すると第1のモータ53を止めるよう制御手段8に第1のブレーキ信号を発信する2つの第1のリミットスイッチ58、58とを更に備えている。
【0029】
また、第2の駆動機構5には、第2の摺動座71の第2のレール62に対する左右摺動の左、右終点として、第2の摺動座71の摺動経路の両端にそれぞれ配置さるように第2のレール62に取り付けられる2つの第2の制止ブロック68、68と、該2つの第2の制止ブロック68、68にそれぞれ対応するよう第2の摺動座71の左右両端部に設けられ、該2つの第2の制止ブロック68、68のいずれかと接触すると第2のモータ64を止めるよう制御手段8に第2のブレーキ信号を発信する2つの第2のリミットスイッチ69、69とを更に備えている。
【0030】
そして、第3の駆動機構7には、昇降ロッド72の第2の摺動座71に対する上下摺動の上、下終点として、昇降ロッド72の雄ねじ721の上下両側にそれぞれ設けられる2つの制限フランジ722、722と、該2つ制限フランジ722、722にそれぞれ対応して第2の摺動座71の上下両端部に設けられ、該2つの制限フランジ722、722のいずれかと接触すると第3のモータ73を止めるよう制御手段8に第3のブレーキ信号を発信する2つの第3のリミットスイッチ77、77とを更に備えている。
【0031】
制御手段8には第1、第2、第3の駆動機構5、6、7それぞれが有する第1、第2、第3のモータ53、64、73を制御することによって按摩手段4の動かすことができる制御ユニット82と、制御ユニット82のユーザインターフェイスとして操作者が利用できるコントローラ81とを有している。コントローラ81は制御ユニット82を内蔵する筐体に固定して設置することや、制御ユニット82と有線/無線的に接続することによって可動的設置することができる。
【0032】
以下は図10に示すフローチャートを参照して本発明の自動按摩方法の実施例としての経穴按摩方法について説明する。
【0033】
この経穴按摩方法は、上記経穴按摩装置10を利用して経穴按摩を行う方法であるので、該経穴按摩装置10を用意しておく必要がある。
【0034】
そして、経穴按摩装置10を利用して経穴按摩を行う前に、最初は使用者100の好みあるいは体調に合わせて、経穴按摩の専門家と話し合って予め按摩する経穴と按摩順序を決める(ステップ1)。
【0035】
そして経穴按摩装置10を利用して経穴按摩の手順に入り、まずは使用者100がベッド手段2のベッド面21に横たわり、制御手段8のコントローラ81で按摩手段4を動かし、制御手段8に該使用者100の体にある少なくとも1つ以上の所定の位置にあわせてその位置に関する制御データ(例えば該所定位置の座標など)を読み取らせて、それから制御手段8は前記少なくとも1つ以上の所定の位置に関する制御データに基づいて、各経穴の位置に関する制御データを算出して入力する制御データ入力操作(ステップ2)を行う。ここで、使用者100の体にある経穴の位置をより正しく算出するため、制御データを読み取る所定位置は2箇所以上である方が好ましい。2箇所以上の所定位置に関する制御データであれば、それら所定位置の座標と相対関係に基づいて各経穴の位置座標を算出することができる。
【0036】
次いで、制御手段8は算出された各経穴の位置に関する制御データに基づいて、按摩手段4を動かして、予め決められた各前記按摩経穴から無作為的に選ばれた数箇所の位置に移動して刺激力を加えるテスト按摩操作を行い(ステップ3)、テスト按摩操作を行う間は、按摩手段4が選ばれた経穴の正確位置に移動されたか否か、及び前記テスト按摩操作において前記按摩手段が加えた刺激力が適切か否かを確認する。テスト按摩操作において正確でない按摩位置や適切でない刺激力を確認すると、調整操作に入って制御データに調整を加え(ステップ4)、調整が完了したらまたテスト按摩操作に戻る。このテスト按摩操作(ステップ3)と調整操作(ステップ4)は、按摩位置及び刺激力が全て正確または適切になるまで繰り返して行う。
【0037】
テスト按摩操作(ステップ3)において按摩位置や刺激力が全て正確且つ適切である場合は、本按摩操作(ステップ5)に入る。本按摩操作において、制御手段8は上記プロセスにより得られた適切の制御データに基づいて、按摩手段4を動かし、該使用者100の体に対して予め決められた按摩経穴及び按摩順序通りに本按摩を行う。
【0038】
本按摩操作が完了したら、制御手段8は前記適切の制御データ及び該使用者100の名前あるいは登録番号を関連付けて記録する制御データ保存操作(ステップ6)。これによって、使用者100が再び按摩を希望する場合、既存のデータにアクセスして適切の制御データを素早く調達することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
上記構成によれば、本発明は按摩手段がベッド手段の上方に三次元的に位置を変換することができるように構成するので、按摩技術者の操縦または指示の元に仰臥または伏臥する使用者にたいして自動的に全身按摩を行うことができ、そして、例え経穴按摩のような人体の特定位置に対して刺激を与える按摩方法でも、使用者の体型に応じて三次元的に按摩位置を調整できる自動按摩装置及び該自動按摩装置を用いる自動按摩方法を提供することができる。そして、本発明の自動按摩装置及び該自動按摩装置を用いる自動按摩方法は、経穴按摩に限らず、人体に対する各種の按摩に対応することができるので、按摩技術者の体力に頼ることはない。更に、本発明の自動按摩装置を多数用意できれば、一人の按摩技術者の操作を元に、自動按摩装置の数だけの使用者に同時に按摩サービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来の按摩装置例である按摩装置の構成を示す一部透視図である。
【図2】本発明の自動按摩装置の実施例として構成された経穴按摩装置の一部構成を示す斜視図である。
【図3】同経穴按摩装置を左側から見た側視図である。
【図4】同経穴按摩装置を上面から見た上面図である。
【図5】同経穴按摩装置を前側から見た側視図である。
【図6】第1、第2、第3の駆動機構の構成及び接続関係を示す一部省略した斜視図である。
【図7】第2、第3の駆動機構の構成及び接続関係を示す一部省略した斜視図である。
【図8】ベッド面に描かれている人体輪郭の例を示す上面図である。
【図9】ベッド面に描かれている人体輪郭の例を示す上面図である。
【図10】本発明の自動按摩方法の実施例としての経穴按摩方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
2 ベッド手段
21 ベッド面
3 ベッドフレーム手段
31、32、33、34 柱
35、35 サポータ
4 按摩手段
5 第1の駆動機構
51 第1のレール
52 第1のサポートレール
53 第1のモータ
54 第1の主動ローラ
55 第1の従動ローラ
56 第1の無端ベルト
57、57 第1の制止ブロック
58、58 第1のリミットスイッチ
6 第2の駆動機構
61 第1の摺動座
611 左ベース部
612 右ベース部
62 第2のレール
63 第2のサポートレール
64 第2のモータ
65 第2の主動ローラ
66 第2の従動ローラ
67 第2の無端ベルト
68、68 第2の制止ブロック
69、69 第2のリミットスイッチ
7 第3の駆動機構
71 第2の摺動座
72 昇降ロッド
721 雄ねじ
722、722 制限フランジ
73 第3のモータ
74 第3の主動ローラ
75 第3の従動ローラ
751 ねじ孔
76 第3の無端ベルト
77、77 第3のリミットスイッチ
81 コントローラ
8 制御手段
82 制御ユニット
9 電源手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に対して自動的に按摩する自動按摩装置であって、
上方に面する略水平面に形成されて使用者が横たわることができるベッド面を有するベッド手段と、
前記ベッド手段のベッド面の上方に可動的に配置されてベッド面に横たわった体に対して刺激を与えて按摩を自動的に行う按摩手段と、
それぞれ前記按摩手段のベッド面に対する前後、左右、上下三次元の方向における動きを制御する第1の駆動機構、第2の駆動機構、第3の駆動機構を有してなる駆動手段と、
コントローラと該コントローラによる操作に従い前記駆動手段及び按摩手段の制御を行う制御ユニットとを有する制御手段と、前記駆動手段及び按摩手段、制御手段に必要な電力を供給する電源手段と、を備えてなることを特徴とする自動按摩装置。
【請求項2】
前記ベッド面の一側辺の前後両端にそれぞれ直立固定されている2本の柱で前記ベッド手段及び該自動按摩装置全体を支持するベッドフレーム手段を更に備え、
前記第1の駆動機構は、前記2本の柱間に渡って前記ベッド面と平行に掛け渡られた第1のレールと、第1のモータとを有し、
前記第2の駆動機構は、前記第1のレールに摺動自在に取り付けられて前記第1のモータの駆動により前記第1のレールに沿って前後方向に往復移動することができる第1の摺動座と、該第1の摺動座に設けられて前記第1のレールと同一水平面における直交方向に前記ベッド面の上方を横断するように延伸する第2のレールと、第2のモータとを有し、
前記第3の駆動機構は、前記第2のレールに摺動自在に取り付けられて前記第2のモータの駆動により前記第2のレールに沿って左右方向に往復移動することができる第2の摺動座と、該第2の摺動座を摺動自在に上下方向に挿通し前記第2のレールと垂直に前記ベッド面の上方に直立するように配置される昇降ロッドと、前記昇降ロッドの該第2の摺動座に対して上下方向(図中のZ方向)に沿う摺動を駆動制御する第3のモータとを有し、
前記按摩手段は前記昇降ロッドの下端部に取り付けられ、前記第1の駆動機構と前記第2の駆動機構と前記第3の駆動機構の作動により、前記ベッド手段の上方に位置を三次元的に動かされることができることを特徴とする請求項1に記載の自動按摩装置。
【請求項3】
前記第1の駆動機構は、前記第1のレールの一端近くに配置されて前記第1のモータにより回転駆動される第1の主動ローラと、前記第1のレールの他端近くに配置されている第1の従動ローラと、前記第1の主動ローラと前記第1の従動ローラの間に掛け渡されると共に、前記第1の摺動座が前記第1のモータにより駆動される前記第1の主動ローラの正反回転により前記第1のレールに沿って往復移動することができるように固定されている第1の無端ベルトとを更に有するように構成され、
前記第2の駆動機構は、前記第2のレールの一端近くに配置されて前記第2のモータにより回転駆動される第2の主動ローラと、前記第2のレールの他端近くに配置されている第2の従動ローラと、前記第2の主動ローラと前記第2の従動ローラの間に掛け渡されていると共に、前記第2の摺動座が前記第2のモータにより駆動される前記第2の主動ローラの正反回転により前記第2のレールに沿って往復移動することができるように固定されている第2の無端ベルトとを更に有するように構成され、
前記第3の駆動機構は、前記第2の摺動座に回転自在に取り付けられて前記第3のモータにより回転駆動される第3の主動ローラと、前記第3の主動ローラの隣りに回転自在に取り付けられて前記昇降ロッドにより挿通されるねじ孔を有する第3の従動ローラと、前記第3の主動ローラと前記第3の従動ローラの間に掛け渡されている第3の無端ベルトと、前記昇降ロッドの外周面に形成されて前記第3の従動ローラのねじ孔と螺合することによって、前記昇降ロッドが前記第3のモータにより駆動される前記第3の主動ローラの正反回転により前記第2の摺動座に対して上下往復移動することができるようにする雄ねじを更に有するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の自動按摩装置。
【請求項4】
前記ベッドフレーム手段は、前記2本の柱に対応して前記ベッド面の反対側の前後両端にそれぞれ直立固定されている2本の柱と、前記前記ベッド面の前後両端にそれぞれ配置されている2対の柱をそれぞれ跨ぐように繋ぎ、前記第1のレールに垂直する2つのサポータとを更に有し、
前記第1の駆動機構は、前記第1のレールの反対側にある2本の前記柱を跨ぐように前記第1のレールと平行に取り付けられると共に、前記第1の摺動座が摺動自在に取り付けられている第1のサポートレールと、前記第1の摺動座の前記第1のレールに対する前後摺動の前、後終点として、前記第1の摺動座の摺動経路の両端にそれぞれ配置さるように前記第1のサポートレールまたは前記第2のレールに取り付けられる2つの第1の制止ブロックと、前記2つの第1の制止ブロックにそれぞれ対応して前記第1の摺動座の前後両端部に設けられ、前記2つの第1の制止ブロックのいずれかと接触すると前記第1のモータを止めるよう前記制御手段に第1のブレーキ信号を発信する2つの第1のリミットスイッチとを更に備え、
前記第2の駆動機構は、前記第2のレールの反対側にあって前記第1のレールと前記第1のサポートレールを跨いで前記第2のレールと平行して前記第1の摺動座に取り付けられると共に、前記第2の摺動座が摺動自在に取り付けられている第2のサポートレールと、前記第2の摺動座の前記第2のレールに対する左右摺動の左、右終点として、前記第2の摺動座の摺動経路の両端それぞれの位置に前記第2のサポートレールまたは前記第2のレールに取り付けられる2つの第2の制止ブロックと、前記2つの第2の制止ブロックにそれぞれ対応して前記第2の摺動座の左右両端部に設けられ、前記2つの第2の制止ブロックのいずれかと接触すると前記第2のモータを止めるよう前記制御手段に第2のブレーキ信号を発信する2つの第2のリミットスイッチとを更に備え、
前記第3の駆動機構は、前記昇降ロッドの前記第2の摺動座に対する上下摺動の上、下終点として、前記昇降ロッドの雄ねじの上下両側にそれぞれ設けられる2つの制限フランジと、前記2つ制限フランジにそれぞれ対応して前記第2の摺動座の上下両端部に設けられ、前記2つの制限フランジのいずれかと接触すると前記第3のモータを止めるよう前記制御手段に第3のブレーキ信号を発信する2つの第3のリミットスイッチとを更に備えるように構成することを特徴とする請求項3に記載の自動按摩装置。
【請求項5】
前記ベッド手段のベッド面には、各種の体型に対応して正しい横臥位置を示す複数の人体輪郭が描かれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動按摩装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載する自動按摩装置を用意し、
使用者の好みあるいは体調に合わせて、予め按摩箇所と按摩順序を決め、
使用者が前記ベッド手段のベッド面に横たわり、前記制御手段のコントローラで前記按摩手段を動かし、該使用者の体にある少なくとも1つ以上の所定の位置にあわせてその位置に関する制御データを読み取り、
前記少なくとも1つ以上の所定の位置に関する制御データに基づいて、前記按摩箇所の位置に関する制御データを算出し、
算出された前記按摩箇所の位置に関する制御データに基づいて、前記按摩手段を動かして、予め決められた前記按摩箇所により無作為的に選ばれた数箇所の位置に移動押圧して刺激を与えるテスト按摩を行い、前記按摩手段が正確な位置に移動されたか否か、及び前記テスト按摩において前記按摩手段が加えた圧力が適切か否かを確認して、適切でない按摩位置及び圧力についての制御データに調整を加えるテスト按摩/調整操作を、按摩位置及び圧力が全て正確または適切になるまで繰り返して行い、
前記テスト按摩/調整操作により得られた適切な制御データに基づいて前記按摩手段を動かし、該使用者の体に対して前記予め決められた按摩箇所及び按摩順序通りに本按摩を行い、
本按摩が完了したら前記適切の制御データ及び該使用者の名前あるいは登録番号を関連付けて記録することを特徴とする自動按摩方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−72355(P2009−72355A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−243791(P2007−243791)
【出願日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(507314682)
【Fターム(参考)】