説明

自動採水装置

【課題】降雨の開始から終了までの全降雨水を分取可能な小型かつ簡素な構造の自動採水装置を提供する。
【解決手段】自動採水装置1は、受水器10と、排水装置30が設けられた貯留容器20と、排水管40と、分水装置60とこの分水装置60の外周に亘って設けられた複数の採取口53とが底面51に設けられた分割容器50と、採取管70と、採取容器80と、を備える。排水装置30は貯留容器20内に設けられたフロート31と、このフロート31に接続された開閉栓32と、を含む。分水装置60は、供給口52の上方に立設した第1円筒61と、第1円筒61の外径より大きな内径を有し、第1円筒61を囲繞するように分割容器50の底面51から立設する第2円筒62とを含む。複数の採取口53の形状及び流路面積はそれぞれ等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降雨を一定割合で分割して採取する自動採水装置に関し、さらに詳しくは、降雨の開始から終了までの全降雨水の水質を示す水試料をサンプリングするために、降雨開始から終了まで貯留される降雨水を逐次均一に分割して持運び可能な分量だけ採取するものである。
【背景技術】
【0002】
わが国では1960年代の高度経済成長に伴い工場や家庭からの汚濁負荷が増大し、その放流先である公共用水域の水質汚濁が顕著になった。都市域の河川、湖沼の汚染原因となる汚濁負荷には、工場、家庭などから流出する排水のように、汚濁負荷の発生源が特定されているものと、降雨に含まれる汚濁物質や森林・農地、市街地などの河川流域などのように排出源が面的に広がり、発生源を特定できないものがある。前者が特定(ポイント)汚染源、後者が非特定(ノンポイント)汚染源と呼ばれるものである。
【0003】
近年、水質規制や下水道整備、排水処理施設の整備が進み、これらの規制や整備はポイント汚染からの汚濁負荷の削減には極めて有効であったが、閉鎖系水域である湖沼や河川の汚濁負荷は減少していない。これは、特に都市域でこのノンポイント汚染源の占める比率が高まっているためである。
【0004】
ノンポイント汚染源となるのは、大気中の浮遊物質(排気ガス、煤煙、粉塵など)が道路面や建物屋根、舗装面などに堆積したものである。自動車の走行(例えば、タイヤの磨耗)に伴って発生する粉塵も汚染源のひとつである。これらは、降雨時に雨水とともに河川や湖沼に流出し、水域を汚染する。
【0005】
こうしたノンポイント汚染源によって汚染された降雨時の道路排水は、降雨初期に汚染源が高濃度となるが、その後は時々刻々変化して検出されるため、一回の降雨全期間中に排出される道路排水の平均的な汚染濃度の実態把握が困難であった。
【0006】
また、採取する水試料が道路排水の場合や直接落下する降雨水の場合のいずれ場合においても、水試料の解析研究を行うに際して先ず問題となるのが、対象水試料をどのようにして採取するかという点である。この種の解析対象の降雨水試料を採取するため、古くから行なわれている手法は、通常の場合、その採取容器として、例えば、プラスチック等からなる所要容量の受水容器を用い、気象情報の降雨予想に基づき、予め降雨の直前に該受水容器を屋外の選択された場所に設置し、降雨に伴う該受水容器内への適量の降雨水試料の受水後、これを速やかに回収することで採取している。
【0007】
また、降雨を自動的に採取するための装置としては、連続降雨中に一定量毎に降雨水を採取するか、もしくは回収までに捕集された積算降雨水を採取することを目的としたものが多い。
【0008】
一定量毎に降雨水を採取することを目的とした装置には、特許文献1のように、垂直な面内に回動自在に支持される転動体の同一円周上に、複数の分取容器を、順次、漏斗の吐出口に対応するように間隔をおいて揺動自在かつ着脱自在に吊持させたメリーゴーランド形式の装置が知られている。
【0009】
また、一定量の降雨水を計量する検出構造として、特許文献2にようにフロート及び検出制御装置を用いたもの、特許文献3のように転倒升を用いたもの、特許文献4のように、シリンジとソレノイドを用いたもの、及び特許文献5のように少なくとも上部に曲管部をもち下方に開口した放出部を有するサイフォン管形状の引出し管を用いたものが知られている。
【特許文献1】特開平5−1984号公報
【特許文献2】特開2002−228766号公報
【特許文献3】特開2005−241326号公報
【特許文献4】特開2005−249556号公報
【特許文献5】特開平10−282251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、降雨の開始から終了までの期間中全ての積算した降雨水を採取するには上記古くからの方法に依らざるをえず、極度に大型の貯留容器を用意する必要がある。降雨期間が短く雨量も小さいときには、このような大型の貯留容器を用意すれば積算降雨水の貯留が可能だが、昨今の集中豪雨の際にはこのような大型貯留容器では対応できない。また、集中豪雨時の積算降雨水を収容可能な大きさの容器を作ることも物理的に困難である。このような積算降雨水のサンプリング試料を分取することを目的として、上述したようなフロート、サイフォン曲管等の計量検出構造が採用された例は皆無である。
【0011】
また、道路排水の採取を簡便に行うために、自動採取装置には、橋梁下または雨水ます内に設置できること、電源等の設備を必要としないこと、及び常時人員を配備するなどの労働集約的作業が必要としないこと等が要求される。
【0012】
本発明は、以上の点に鑑み、降雨の開始から終了までの全降雨水を分取可能な小型かつ簡素な構造の自動採水装置を提供することを目的とする。
【0013】
さらに、本発明は、サンプリング期間中に常時監視不要な自動採水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明では、降雨開始から終了まで積算降雨水を一定量毎に均一に分割して採取する手法に着眼し、フロートを含んだ排水機構を組み込んだ貯留容器と、貯留容器から排水された降雨水を均一に分流する分水装置を組み込んだ分割容器と、を備えた自動採水装置に構成することによって上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成したものである。
【0015】
すなわち、本発明では次の構成を採用する。
1.降雨水を分割して採取する自動採水装置において、
降雨水を受けるように上方に開口した受水器と、
前記受水器の下方に配置され、かつ、前記受水器から落下する前記降雨水を一定量収容した後に排水するように排水装置と排水口とが設けられた貯留容器と、
前記排水口に一端が接続された排水管と、
前記貯留容器の下方に配置され、かつ、前記排水管の他端を接続し前記降雨水を供給する供給口と、この供給口から上方に立設した分水装置と、この分水装置の外周に亘って設けられた複数の採取口と、を備えた分割容器と、
前記採取口の少なくとも一つに一端が接続された採取管と、
前記採取管の他端を内部に引き入れる開口部が設けられた採取容器と、を備え、
前記排水装置は前記貯留容器内に設けられ、かつ、フロートと、このフロートに接続された開閉栓と、を含み、
前記供給口は前記分割容器の底面中心部に配置され、
前記分水装置は前記分割容器内に設けられ、前記供給口に接続しかつ前記供給口の上方に立設した第1円筒と、前記第1円筒の外径より大きな内径を有しかつ前記第1円筒を囲繞するように前記分水装置の底面から立設する第2円筒と、を含み、
前記複数の採取口の形状及び流路面積がそれぞれ等しいことを特徴とする自動採水装置。
2.前記フロートはフロート本体と、このフロート本体と前記開閉栓とを繋ぐ連結部材と、を備えることを特徴とする1に記載の自動採水装置。
3.前記フロートはさらに、前記降雨水の水面の移動に応じて移動自在な第2フロートを前記フロート本体の外周に備え、このフロート本体の上部にはこの第2フロートの上方への移動を拘束する上部ストッパーが設けられ、このフロート本体の下部には、前記貯留容器に前記降雨水が収容されていないときにこの第2フロートを保持する下部ストッパーが設けられていることを特徴とする1又は2に記載の自動採水装置。
4.前記複数の採取口が、前記分割装置の前記底面上に設けられ、かつ、前記底面中心部を基準とした仮想円の円周上に配置されていることを特徴とする1から3のいずれかに記載の自動採水装置。
5.前記分割装置が円筒状をなし、前記複数の採取口が前記分割装置の前記底面外縁部に配置されていることを特徴とする1から4のいずれかに記載の自動採水装置。
6.前記分割装置が円筒状をなし、前記複数の採取口が前記分割装置の円筒側面上に配置されていることを特徴とする1から5のいずれかに記載の自動採水装置。
7.前記採取口の前記形状が略円形であることを特徴とする1から6のいずれかに記載の自動採水装置。
8.前記第1・第2円筒は、前記分割容器の前記底面中心部を通りかつ前記底面に垂直な軸を中心軸としてそれぞれ同心円状に前記分割容器の前記底面に立設していることを特徴とする1から7のいずれかに記載の自動採水装置。
9.前記第1・第2円筒の下端はともに前記分割容器底面に液密に固着され、前記第2円筒の長さが前記第1円筒の長さよりも短いことを特徴とする1から8のいずれかに記載の自動採水装置。
10.前記第1円筒は、前記降雨水が流入する入口部よりも流路断面積が拡大した出口部を有することを特徴とする1から9のいずれかに記載の自動採水装置。
11.前記分水装置は前記第2円筒の外径より大きな内径を有する第3円筒をさらに備え、第3円筒の下端が前記分割容器底面に接触しないように前記分割容器内に吊持されていることを特徴とする1から10のいずれかに記載の自動採水装置。
【発明の効果】
【0016】
本発明の前記1の構成によれば、貯留容器に収容された降雨水がフロートを含む排水装置によって一定量まとまって分割容器に一勢に排水された後、分割容器内の分水装置によって降雨水が分割容器底面上に放射状かつ均一に分散し、同一寸法の採取口の一つから均一に分割された水試料が採取容器に採水される。このサイクルが降雨開始から終了まで間に繰り返されるによって、積算降雨水量を正確に算出しながら、予め設置された採取口の数に応じてその任意の分割量だけ採取することができる。
【0017】
加えて、電源等を必要としない小型かつ簡素な機械式構成となるため、道路排水の採取に際して、雨水ます又は橋梁下に本発明の装置を容易に設置することが可能となるとともに、橋梁等採水地点近くに人員を常時待機させておく必要もない。
【0018】
本発明の前記2の構成によれば、フロート本体と開閉栓との間を連結部材で連結させることにより、貯留容器の降雨水をまとまった所望の水量だけ収容した後、開閉栓から一勢に排水することができる。
【0019】
本発明の前記3の構成によれば、本発明の装置により採水サイクルが繰り返され、開閉栓が排水口に過度に嵌合し、フロート本体の浮力だけで開閉栓を持ち上げることが出来ない事態が生じても、第2フロートにより追加の浮力を適切に付与することが可能となる。
【0020】
本発明の前記4から7の構成によれば、より好適に、所定割合で分割された降雨水を採取口から採取することができる。
【0021】
本発明の前記8の構成によれば、分割容器底面中心部に設けられた供給口と第1・第2円筒の相対的位置関係から、これらの要素を備えた分水装置を通過する降雨水がより均一かつ放射状に分割容器内に分散することになるため、分水装置による円筒分水の効果をさらに高めることができる。
【0022】
本発明の前記9の構成によれば、分割容器底面から分水装置内の第1円筒から噴出した降雨水が当該第1円筒外周壁面の上端から下端に向かって流れ、第2円筒内に充満し、当該第2円筒外周壁の上端から下端に向かって流れ、下端から分割容器底面上に均一な流量及び流速で放射状に分散することになるため、分水装置による円筒分水の効果をさらに高めることができる。
【0023】
本発明の前記10の構成によれば、前記降雨水が流入する入口部よりも流路断面積が拡大した出口部を有することで、第1円筒から第2円筒に流れ出る降雨水の流速が低減することから、第1円筒の上端を越えて第2円筒に流れ込む降雨水の水位(言い換えれば、越流水深)をより一層均一にすることができる。これにより、貯留装置から排水管を通じて分水装置へ供給された降雨水は、第1円筒から勢いよく噴出することなく周方向に均一に分散することになるため、分水装置による円筒分水の効果をさらに高めることができる。
【0024】
本発明の前記11の構成によれば、第3円筒をさらに追加することにより、第2円筒下端から放射状に流出する降雨水の水面高さが円周方向に一定に抑制される。即ち、降雨水が第3円筒を潜り抜ける際に水面がより一層均一になって分割容器底面上を放射状に分散することになるため、第1・第2円筒による水位調節作用と相俟って、分水装置による円筒分水の効果をさらに高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づき説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
【0026】
図1は本発明の自動採水装置の概略縦断面図、図2は本発明の分割容器の概略縦断面図、図3は図2の分割容器を、その上部を取り外して上方からみた概略上面図、図4は別態様の第1円筒を備えた本発明の分割容器の概略縦断面図、図5は本発明の第2実施形態のフロート(球形)を示す概略断面図、図6は本発明の第2実施形態のフロート(円筒形)を示す概略断面図、図7は本発明の実施例1の分割容器を、その上部を取り外して斜め上方からみた斜視図、図8は本発明の実施例1による実験結果を示す図、図9は本発明の実施例2による実験結果を示す図である。なお、各図において同一又は対応する部材には同一符号を用いる。
【0027】
第1実施形態
本発明の第1実施形態に係る降雨水を分割して採取する自動採水装置(以下単に、自動採水装置と言う)1の全体構成について上記図面を参照しながら説明する。自動採水装置1は、好ましくは一定流域面積を有する図示しない高架橋や橋梁の下(または雨水ます内に)設置され、高架橋や橋梁を流れ出た道路排水(または雨水ます内に流入する道路排水)を採取する目的で使用される。
【0028】
図1に示すように、自動採水装置1は、橋梁等の採水地点から流れ出た道路排水を受けるように上方に開口した受水器10を備える。受水器10の内側には、好ましくは金網11が載置されており、道路排水とともに受水器10の中に入ってきた木の葉や細い木の枝などのゴミや道路排水中を浮遊する懸濁物が金網11に捕集される。
【0029】
また、自動採水装置1は貯留容器20を備える。貯留容器20は、受水器10の下方に配置されかつ受水器10から落下した降雨水を収容する。貯留容器20の内側には、受水器10から落下する前記降雨水を一定量収容した後に排水する排水装置30が載置されている。
【0030】
排水装置30は、貯留容器20内の降雨水に浮くフロート31とフロート31に接続された開閉栓32とから構成される。フロート31の形状は好ましくは球状であるが、特にこれに限定されるわけではない。開閉栓32は、貯留容器20に設けられた排水口35の入口35aに嵌合している。また、排水装置30はフロート31と開閉栓32と連結する連結部材33を備える。連結部材33の長さを適宜調節することにより貯留容器20内に一時的に収容かつ排水する水量を任意に調節することが可能となる。なお、連結部材33は、例えば鎖状部材や紐状部材で構成されてもよいが、所定の強度と柔軟性を有していれば、これらに限定されるわけではない。
【0031】
また、排水装置30は開閉栓32の上下の移動を案内するガイド36を備えてもよい。図1の例ではガイド36は排水口35の入口35aと開閉栓32とを内包する筒状体である。これにより、開閉栓32の移動が上下方向のみに制限されるとともに、フロート31の浮上により開放された開閉栓32が排水処理の後に入口35aに元通り嵌合され、適切に貯留容器20に栓をすることができる。
【0032】
排水口35の出口35bには排水管40が接続され、排水装置30から排水された降雨水がこの出口35bを通じて排水管40に排出される。
【0033】
また、自動採水装置1は、図1及び図2に示すように、貯留容器20の下方に配置された分割容器50を備える。分割容器50の底面51には供給口52と複数(少なくとも2つ)の採取口53とを備える。本実施形態は、好ましくは図3に示すように、分割容器50は円筒状をなし、供給口52は底面51の中心部(好ましくは中心点)に配置され、採取口53はこの中心部から所定距離(半径)だけ離れた仮想円の円周上に配置された構成となっているが、必ずしもこれに限定されるわけではない。例えば、複数の採取口53が、円筒状をなした分割装置50の底面51の外縁部54(底面51と円筒側面55とが結合する部分)に沿って配置されていてもよいし、円筒状をなした分割装置50の円筒側面55上に配置されていてもよい。図示の例では、採取口53はそれぞれ同一の寸法(直径)を有した略円形の孔であるが、同一の形状・寸法(流路面積)となれば必ずしもこれに限定されるわけではない。例えば、採取口53を上記のように底面51の外縁部54に設ける場合には、外縁部54に複数の切欠きを入れ、これらの切欠きを採取口53としてもよい。
【0034】
また、図1に示す排水管40は、上述の通り、一端40aが貯留容器20の排水口35の出口35bに接続されることによって下方に懸架するが、他端40bが分割容器50の底面51の中心部にある供給口52に接続されることによって分割容器50の下方から上方に向けて取り回された構成となっている。
【0035】
図2及び図3に示すように、分割容器50の内側には分水装置60が載置される。分水装置60は少なくとも第1円筒61と第2円筒62(夫々中空円筒)とから構成される。第1円筒61は、供給口52を内包するように分割容器50の底面51上に立設する。第1円筒61及び第2円筒62は、これらの中心が供給口52の中心に合致するように夫々載置される。これにより、供給口52から噴出する降雨水が分割容器50内に均一かつ放射状に流出・分散されることになる。
【0036】
また、第1円筒61は、図1〜3に示すような直円筒ではなく、図4(以下詳述する実施例)に示すように供給口52近傍の入口部61aよりも大きい流路断面積を有する出口部61bを備えるような構成であってもよい。図4の例では、第1円筒61の出口部61bの流路断面積を徐々に拡大するように、第1円筒61の円筒下端から円筒上端の間の外壁の一部分に移行部61c(好適には逆円錐状のテーパが付いた構成)を有しているが、必ずしもこれに限定されるわけではない。例えば、入口側から出口側に向けて急に拡大するように構成してもよい。これらの構成のように第1円筒61の流路断面積が下から上に向けて拡大することにより、第1円筒61から第2円筒62に流れ出る降雨水の流速が低減することから、第1円筒61の上端を越えて第2円筒62に流れ込む降雨水の水位(言い換えれば、越流水深)がより一層均一になる。これにより、貯留装置20から排水管40を通じて分水装置60へ供給された降雨水は、第1円筒61から勢いよく噴出することなく周方向に均一に分散することになる。
【0037】
なお、第1円筒61及び第2円筒62の上端は開口している。これに対し、第1円筒61及び第2円筒62の下端は分割容器50の底面51上に液密に固着される。ここで、「液密に固着」とは降雨水が漏洩しないように接続されていることを意味している。例えば接着剤等で隙間なく第1円筒61及び第2円筒62の下端と底面51とが接着されている状態であるが、必ずしもこれに限定されない。
【0038】
なお、第2円筒62は、第1円筒61を囲繞しかつ第1円筒61の上端から溢れ出た降雨水を収容するように、第1円筒61の外径より大きな内径を有することが好ましい。
【0039】
また、分水装置60に中空の第3円筒63をさらに設けてもよい。第3円筒63は、第2円筒62を囲繞しかつ第2円筒62の上端から溢れ出た降雨水を収容するように、第2円筒62の外径より大きな内径を有することが好ましい。加えて、第3円筒63は、その下端が分割容器50の底面51に接触せず、下端円周に亘って底面51から一定距離で離間するように分割容器50内に吊持されていることが好ましい。なお、第3円筒63の中空壁には多数の貫通孔(図示せず)が中空壁全体に亘って設けられてもよく、この場合、中空壁における周方向の開口率が同一になる(即ち、同寸法の貫通孔が周方向に等数設置されている)ことが好ましい。
【0040】
分割容器50の底面51には、上述の通り、採取口53が複数設置されており、その少なくとも一つの採取口53に採取管70の一端70aが接続され、分水装置60及び採取口53により均一に分取された降雨水がさらに下方に導かれる。なお、採取管70を全ての採取口53に接続してもよく、この場合、全ての採取管70の長さが同一であることが好ましい。
【0041】
自動採水装置1には、開口部81を備えた採取容器80がさらに設けられる。この開口部81の内部に採取管70の他端70bが引き入れられる。
【0042】
なお、以上説明した受水器10と貯留容器20と分割容器50とは、アングルで組立てられた固定部材(図示せず)に固定されてもよい。固定部材は上記のようなアングル組立方式に限定されず、いかなる方式で製造されていてもよい。なお、上記各容器の固定には、ボルト・ナット等の締結具や接着剤を用いてもよいが、必ずしもこれに限定されない。
【0043】
本発明の第1実施形態における自動採水装置1は以上のように構成されており、以下のように動作する。
【0044】
雨が降り始める前に自動採水装置1は橋梁下に設置されるが、以上説明した通り、装置1を構成する上記各容器が概ね一つの固定部材に収納されているため、簡単に現場に設置することができる。
【0045】
降雨が開始すると、橋梁からの道路排水は先ず自動採水装置1の受水器10に受け入れられた後、貯留容器20に流入する。その際、受水器10の内側に載置された金網11によって、道路排水とともに受水器10の中に入ってきた木の葉等のゴミや道路排水中を浮遊する懸濁物が捕集される。
【0046】
そして、貯留容器20は開閉栓32によって予め密閉されているので、貯留容器20内に流入した降雨水の水位は次第に上昇してフロート31が水面に浮上する。しかしながら、フロート31は連結部材33によって開閉栓32に接続されているため、降雨水の水位が、底面から開閉栓32の上端までの高さに連結部材33の長さを加えた位置を超えはじめると、フロート31の浮力、すなわち密閉された開閉栓32を開放しようとする力が作用しはじめる。さらなる水位の上昇に伴ってフロート31の浮力が増大し、開閉栓32の密閉力よりも大きくなると、開閉栓32は開放され、貯留容器20内に一定量の収容された降雨水が一勢に排水口35から排水管40に流入する。即ち、一定量の安定化した流量が毎回採水管40に流入することになる。
【0047】
次に、排水管40を通過した降雨水は、分割容器50の底面51の中心部に設置された供給口52を通して、分割容器50内部の分水装置60の第1円筒61内に流入する。すなわち、供給口52から流入した降雨水は第1円筒61内部を下方から上方に向かって進むが、第1円筒61の開口した上端に到達した後は外方へ放射状に噴出する。噴出した降雨水は自重により、第1円筒61の外壁を伝ってもしくは直接自然落下して第2円筒62の内側(すなわち、第2円筒62の容積のうち第1円筒61の容積を除いた部分)に収容される。ここで、第1円筒61と第2円筒62とも分割容器50の底面51に液密に固着されているため、第1円筒61内を通過する降雨水が第1円筒61の下端から第2円筒62内に漏洩(流入)することもなく、また第2円筒62内に収容された降雨水が第2円筒62の下端から第1円筒61内に漏洩することや当該下端から外周方向に漏洩することもない。
【0048】
第2円筒62内に収容された降雨水の水位が増し、その上端に達する時点になると、降雨水はその水勢も低減(抑制)され、その水位も周方向に一定に保たれるようになる。その後、降雨水は第2円筒62の上端から外壁に沿って下方に向かって流れ、その下端及び分割容器50の底面51に達すると、外周方向に放射状に均一量で分散される。
【0049】
図示の例では、第3円筒63が、第1・第2円筒61,62を囲繞しかつ底面51から一定の隙間距離で離間されるように吊持されているため、第2円筒62から放射状に底面51上に分散する降雨水が第3円筒63の下端を通過して、第3円筒63よりさらに外側に設けられた採取口53に向かって流出することになる。即ち、降雨水が第3円筒63の下端を潜り抜ける際に降雨水の水面が周方向により一層均一となり、局所的な水面の波が消される(水位調整される)こととなる。また、上述のような第3円筒63の取付構成により、万が一、第1・第2円筒61,62の上端から噴出する降雨水の水勢が強く、水滴等が夫々の円筒61,62の外壁を伝わらずに外方に飛散したとしても、第3円筒63の内壁に捕捉されてその自重により流下し、第3円筒63の下端の隙間から水位調整されて流出することとなる。
【0050】
また、さらに第2円筒62から流出する降雨水の水量が極めて大きく、第3円筒63の下端からの外部へ流出する流量よりも、第3円筒63の内壁と第2円筒62の外壁とで仕切られる空間内を上昇する流量が大きくなったときでも、当該空間内の降雨水は、第3円筒63の中空壁に多数設置された貫通孔を通過し、第3円筒63の外壁に沿って下方にかつ周方向に等しい流量で流下し、分割容器50の底面51上を放射状に流れる降雨水に合流することになる。
【0051】
第1・第2・第3円筒61,62,63を備えた分水装置60から底面51に沿って外側放射状に分散する降雨水は複数(n個)の採取口53を通して分割容器50から流出する(すなわち分取される)。採取管70が採取口53の少なくとも一つに接続されているため、n分の1の水量の降雨水が採取管70を通して、採取容器80に採取されることとなる。
【0052】
なお、採取口53の全てに同じ長さを有した採取管70を取り付けていた場合には、サンプリング用に降雨水を採取容器80に分取されるための採取管70と、放出用の他の採取管70と、に作用する管内の圧力損失を同等にすることができ、より均一・正確にn分の1の水量を分水することが可能となる。
【0053】
以上のように、受水器10から流入し、貯留容器20の内部に一定量貯留された降雨水は、排水装置30により大きな水勢を保ちながら排水管40に排出された後、分割容器50内の分水装置60によって均一かつ放射状に分割容器50の底面51に分散し、底面51に多数設けられた採取口53を通して一部(すなわちn分の1の量)は採取管70を通して採取容器80に採取され、その他(n分の(n−1)の量)は地面に放出されることとなる。
【0054】
これらの動作が一サイクルとなって、降雨の開始から終了までこのサイクルが繰り返されて、採取容器80にサンプリング用の降雨水が順次採取かつ貯留されることとなる。このようにして、小型かつ簡素な構造の自動採水装置1を橋梁下に設置するだけで、測定者による常時監視等の多大な労力を必要とせずに、降雨の開始から終了までの全降雨水からサンプリング用の降雨水試料を分取することが可能となる。
【0055】
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下では、第1実施形態と第2実施形
態とに共通する事項については説明を省略し、両実施形態の相違点である排水装置30のフロート構造についてのみ説明する。なお、両実施形態の同等の要素には同様の符号を付す。
【0056】
図5に示すように、本実施形態のフロート31は、球形のフロート本体31aの外側(すなわち外周)に、降雨水の水面の移動に応じて移動自在な第2フロート31bを備える。図示の第2フロート31bは扁平な中空円筒体(言い換えれば、ドーナッツ状の円板)をなしている。そして、このフロート本体31aの上部には上部ストッパー31cがさらに設けられ、この第2フロート31bの上方への移動を拘束する。他方、このフロート本体31aの下部には、下部ストッパー31dが設けられ、貯留容器20に降雨水が収容されていないときに第2フロート31bをフロート本体31aから離れないように保持する。なお、フロート本体31aの形状は球形に限定されず、図6に示すように、円筒形にしてもよい。
【0057】
次に、以上のように構成された本発明の第2実施形態における自動採水装置1のフロート31の動作を説明する。
【0058】
本発明の第1実施形態の動作と同様に、貯留容器20内に流入した降雨水の水位は次第に上昇してフロート本体31aが水面に浮上し、フロート本体31aは連結部材33によって開閉栓32に接続されているため、降雨水の水位が、底面から開閉栓32の上端までの高さに連結部材33の長さを加えた位置を超えはじめると、フロート本体31aの浮力、すなわち密閉された開閉栓32を開放しようとする力が作用しはじめる。さらなる水位の上昇に伴ってフロート本体31aの浮力が増大し、開閉栓32の密閉力よりも大きくなると、開閉栓32は開放され、貯留容器20内に一定量の収容された降雨水が一勢に排水口35から流出する。
【0059】
しかしながら、本願発明者の実験によれば、本発明の自動採水装置1の上記動作サイクルを繰り返し、まとまった量の降雨水が開閉栓32から一勢に流出することが何回か生ずると、開閉栓32が通常(手動で栓をした場合)よりも堅く排水口35の入口35aに閉め込まれて、開閉栓32の密閉力が増大する場合があることが判明した。
【0060】
そこで、上述の第2実施形態のように構成することにより、第2フロート31bも、降雨水の水位の上昇とともにフロート本体31aと拘わり無く上昇する。開閉栓32が堅く密閉されていないときは、第2フロート31bがフロート本体31aの上部ストッパー31cに拘束される前にフロート本体31aの浮力のみで開閉栓32が開放される。
【0061】
しかしながら、開閉栓32が堅く密閉されているときには、フロート本体31aの浮力だけでは足りず、開閉栓32を開放することができない。その場合には、第2フロート31bが上部ストッパー31cに拘束され、フロート本体31aの浮力に加え、第2フロート31bの浮力を即座に開閉栓32に付与することができ、堅く閉められた開閉栓32を開放して、貯留容器20内の降雨水を排出することが可能となる。
【実施例1】
【0062】
次に、本発明をさらに具体的な実施例に基づき説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。なお、図7は本発明の実施例1の分割容器50を、その上部を取り外して斜め上方からみた斜視図を示す。
【0063】
実施例1の構造
受水器10には縦320mm、横320mm、高さ50mmの寸法を有した塩化ビニル製容器を使用し、その底面中央に直径207mmの開口部を設け、直径200mmの金網11を載置して、金網11の周囲と開口部とを接着剤で結合した。
【0064】
また、実施例1の貯留容器20には、内径200mm、高さ255mmのプラスチック製容器を使用し、排水口35は内径17mmの入口35a及び出口35bを有したL字形をなす塩化ビニル製のパイプであり、出口35bが貯留容器20の側面に設けられている。開閉栓32はゴム製で、この開閉栓32の移動方向を制限するガイド36によって囲繞されている。ガイド36は内径55mm、高さ145mmの寸法を有した塩化ビニル製のパイプであり、貯留容器20の底面から立設されている。排水管40は直径10mmのホースである。
【0065】
また、実施例1の分割容器50には内径200mm、高さ170mmの寸法を有したプラスチック製容器を使用した。供給口52には内径9mm、高さ75mmのホースを使用した。分水装置60を構成する第1・第2・第3円筒61,62,63は塩化ビニル製の中空パイプである。本実施例の第1円筒61は、入口部61aの内径20mm、出口部61bの内径60mm、高さ140mmとなっている(図4参照)。第2円筒62は、内径90mm、高さ85mmの寸法を有した中空パイプであり、第3円筒63は、内径115mm及び高さ105mmの寸法を有した中空パイプであり、上端付近の三箇所に孔を設け、これらの孔に夫々針金64の一端を通し、他端を分割容器50の上端に懸架させることで、第3円筒63を分割容器50内に吊持させた(図7参照)。分割容器50の底面51の採取口53には、直径3mmの円形孔を32個設けた。なお、実施例1の採取容器80には容量10リットルの容器を使用した。
【0066】
実施例1(32分割自動採水装置)の性能評価実験
上述のように構成された実施例1の自動採水装置1を実際の橋梁下の現場に設置して、性能評価実験を行った。
【0067】
32個の採取口53にはそれぞれ番号が付され、第7番目の採取口53を使用した。実験日は複数日を費やして実際の降雨水を採水する前後で、採水性能を評価した。具体的には、道路の排水管から所定の降雨強度に設定した10リットルの水を、自動採水装置へ1回ずつ流す。降雨強度は図示のように1,3,5,7,10mm/hr(時間)に設定した。そして、各降雨強度に対する流出量を降雨水の採水前後に1回ずつ測定し、自動採水装置1の分割性能を確認した。上記評価手法による実験結果を図8に示す。
【0068】
図8は、実験日毎に降雨水採水前後の各降雨強度における採水量を示し、これらの平均値と誤差を示す。なお、図中のC.V.値とは変動係数(Coefficient of Variation)を意味し、対応する採水データの標準偏差を平均値で割ったもので、データ分布の相対的バラツキを示す。また、分割数とは、この平均値の採取量に基づいて算出した採取口53の分割数を示す。この平均値に誤差がなく、図8右下の理論値通りであれば、分割数は32となる。
【0069】
図8に示す実験結果より、比較的精度よく採取口53より採水できていることがわかる。誤差は10パーセント程度生じているが、当該分野では降雨強度の設定や投入量などその他の実験系に含まれる誤差がこれ以上大きいことが通常であり、本発明の自動採水装置1がノンポイント汚染の降雨水をサンプリングするための採水装置として有効に機能することがわかった。
【実施例2】
【0070】
実施例2の構造
分割容器50の底面51の採取口53に、直径3mmの円形孔を50個設けた。これ以外の点は上述した実施例1の構造と同様であり、説明を省略する。
実施例2(50分割自動採水装置)の性能評価実験
【0071】
本実施例の自動採水装置1は橋梁下に設置せず、実験室(屋内)での性能評価実験を行った。評価実験方法は、所定の降雨強度(1,3,5,7,10mm/hr)に設定した10リットルの水を3回ずつ流し、全て採取口53(第1〜50番の符号を付した円形孔)から採取された採水量を毎回測定した。
【0072】
ここでは一例として、図9に降雨強度10mm/hrの場合の実験結果を示す。図中、横軸は流出孔すなわち採取口53に対応する番号を付し、三角印は、第1〜50番の流出孔(採取口53)から流れ出た実際の流出量(3回の実測値)を示し、棒グラフの値は、該3回の実測値の平均値(流出孔毎に算出)を示す。なお、この場合の各孔の理論流出量は200ミリリットル(ml)であり、破線で示す。
【0073】
図9に示す実施例2の実験結果から明らかなように、大半の流出孔(採取口53)から理論流量に近い値の採水量を採取できたことがわかる。
【0074】
本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の記載した発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲に含まれることはいうまでもない。例えば、採取口の数、形状及び配設位置は各種サンプリングの用途に応じて適宜変更できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の自動採水装置の概略縦断面図である。
【図2】本発明の分割容器の概略縦断面図である。
【図3】図2の分割容器を、その上部を取り外して上方からみた概略上面図である。
【図4】別態様の第1円筒を備えた本発明の分割容器の概略縦断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態のフロート(球形)を示す概略断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態のフロート(円筒形)を示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施例1の分割容器を、その上部を取り外して斜め上方からみた斜視図である。
【図8】本発明の実施例1による実験結果を示す図である。
【図9】本発明の実施例2による実験結果を示す図である。
【符号の説明】
【0076】
1 自動採水装置
10 受水器
20 貯留容器
30 排水装置
31 フロート
31a フロート本体
31b 第2フロート
31c 上部ストッパー
31d 下部ストッパー
32 開閉栓
33 連結部材
35 排水口
40 排水管
40a 排水管の上端
40b 排水管の下端
50 分割容器
51 底面
52 供給口
53 採取口
54 外縁部
55 円筒側面
60 分水装置
61 第1円筒
61a 第1円筒の入口部
61b 第1円筒の出口部
61c 第1円筒の移行部
62 第2円筒
63 第3円筒
70 採取管
70a 採取管の上端
70b 採取管の下端
80 採取容器
81 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
降雨水を分割して採取する自動採水装置において、
降雨水を受けるように上方に開口した受水器と、
前記受水器の下方に配置され、かつ、前記受水器から落下する前記降雨水を一定量収容した後に排水するように排水装置と排水口とが設けられた貯留容器と、
前記排水口に一端が接続された排水管と、
前記貯留容器の下方に配置され、かつ、前記排水管の他端を接続し前記降雨水を供給する供給口と、この供給口から上方に立設した分水装置と、この分水装置の外周に亘って設けられた複数の採取口と、を備えた分割容器と、
前記採取口の少なくとも一つに一端が接続された採取管と、
前記採取管の他端を内部に引き入れる開口部が設けられた採取容器と、を備え、
前記排水装置は前記貯留容器内に設けられ、かつ、フロートと、このフロートに接続された開閉栓と、を含み、
前記供給口は前記分割容器の底面中心部に配置され、
前記分水装置は前記分割容器内に設けられ、前記供給口に接続しかつ前記供給口の上方に立設した第1円筒と、前記第1円筒の外径より大きな内径を有しかつ前記第1円筒を囲繞するように前記分水装置の底面から立設する第2円筒と、を含み、
前記複数の採取口の形状及び流路面積がそれぞれ等しいことを特徴とする自動採水装置。
【請求項2】
前記フロートはフロート本体と、このフロート本体と前記開閉栓とを繋ぐ連結部材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動採水装置。
【請求項3】
前記フロートはさらに、前記降雨水の水面の移動に応じて移動自在な第2フロートを前記フロート本体の外周に備え、このフロート本体の上部にはこの第2フロートの上方への移動を拘束する上部ストッパーが設けられ、このフロート本体の下部には、前記貯留容器に前記降雨水が収容されていないときにこの第2フロートを保持する下部ストッパーが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動採水装置。
【請求項4】
前記複数の採取口が、前記分割装置の前記底面上に設けられ、かつ、前記底面中心部を基準とした仮想円の円周上に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自動採水装置。
【請求項5】
前記分割装置が円筒状をなし、前記複数の採取口が前記分割装置の前記底面外縁部に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動採水装置。
【請求項6】
前記分割装置が円筒状をなし、前記複数の採取口が前記分割装置の円筒側面上に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の自動採水装置。
【請求項7】
前記採取口の前記形状が略円形であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の自動採水装置。
【請求項8】
前記第1・第2円筒は、前記分割容器の前記底面中心部を通りかつ前記底面に垂直な軸を中心軸としてそれぞれ同心円状に前記分割容器の前記底面に立設していることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自動採水装置。
【請求項9】
前記第1・第2円筒の下端はともに前記分割容器底面に液密に固着され、前記第2円筒の長さが前記第1円筒の長さよりも短いことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の自動採水装置。
【請求項10】
前記第1円筒は、前記降雨水が流入する入口部よりも流路断面積が拡大した出口部を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の自動採水装置。
【請求項11】
前記分水装置は前記第2円筒の外径より大きな内径を有する第3円筒をさらに備え、第3円筒の下端が前記分割容器底面に接触しないように前記分割容器内に吊持されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の自動採水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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