説明

自動撮影装置

【課題】市販のカメラに対する汎用性が高く、撮影対象までの距離に制限がなく、安価な構成で精度の高い自動撮影装置を得る。
【解決手段】カメラ2が撮影可能な情報の少なくとも一部の光学情報を取得可能な映像情報取得手段3と、映像情報の変化に対する閾値と、前記映像情報取得手段によって取得した光学情報と前記閾値を比較した結果に応じた判別信号を発信する判別信号発信手段と、前記判別信号に基づき前記カメラに対する撮影の制御内容を演算し前記カメラに撮影制御信号を発信する撮影信号発信手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムカメラやデジタルカメラなどのスチールカメラや、ビデオカメラでの撮影を自動的に行うための、自動撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常カメラは、自分で撮りたいタイミングでシャッターボタンを押すことにより撮影を行うが、根気がいり、シャッターチャンスを逃しやすい問題があった。このため、撮影対象の動きを検出して自動撮影を行うことにより、無人での撮影や、構図を固定し動物や乗り物が画面の好みの位置に入ってきたら自動撮影する技術が公知である。
【0003】
自動撮影装置の従来技術として、例えば特開2001−215604号(図22)では撮影対象の動きに応じたタイミングで自動的にカメラ2をレリーズさせる(シャッターを切る)ことで、撮影対象10を自動的に撮影することができる自動撮影装置が公知である。
【0004】
前記公知文献では、撮影対象10の動きを検出する手段に、音波センサー・磁気センサー・赤外線センサー等のセンサー装置38を使用するが、いずれも近距離の検出は可能であるが遠方の特定の撮影対処の動きを検出し自動撮影するのは困難であり、更に、カメラ2に対する撮影対象10の位置を正確に感知することができないため、カメラ2のフレーム内の対象とセンサーで検知した対象を校正する事が困難である。
【0005】
また、自動撮影の機能を有するカメラの従来技術として、例えば特開2008−283502号では画像認識に基づき、ユーザーが意図したタイミングでの撮影を行うことが可能なカメラ、及び撮影制御方法、撮影制御プログラムが公知である。
【0006】
前記公知文献では、カメラ内部または外部に撮影対処の動きを画像認識により自動撮影する装置であるが、画像認識装置が高価であり、また、ユーザーカスタマイズが困難である古い機種には使用出来ないため汎用性がなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−215604号公報
【特許文献2】特開2008−283502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、撮影対象を自動的に撮影することができる自動撮影装置において市販のカメラに対する汎用性が高く、撮影対象までの距離に制限がなく、安価な構成で精度の高い自動撮影装置を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の自動撮影装置は、カメラが撮影可能な情報の少なくとも一部の光学情報を取得可能な映像情報取得手段と、映像情報の変化に対する閾値と、前記映像情報取得手段によって取得した光学情報の変化と前記閾値を比較した結果に応じた判別信号を発信する判別信号発信手段と、前記判別信号に基づき前記カメラに対する撮影の制御内容を演算し前記カメラに撮影制御信号を発信する撮影信号発信手段を有することを特徴とする。
【0010】
更に本発明の自動撮影装置は、前記映像情報取得手段によって取得する映像情報がフォトセンサによる明るさ情報からなり、前記判別信号発信手段が前記フォトセンサによる明るさ情報の変化に基づく電圧の受信部と閾値として予め設定される電圧設定部を有する電圧比較器からなることを特徴とする。
【0011】
更に前記フォトセンサによる明るさ情報の変化に基づく電圧の出力波形は、ゆっくりとした強弱信号の変化を減衰した波形に変更するハイパスフィルタと、急激な強弱信号の変化を減衰した波形に変更するローパスフィルタを有するフィルタ部を経て、前記電圧比較器に受信される様に構成すると良い。
【0012】
また、前記映像情報取得手段によって取得する映像情報がフォトセンサによる明るさ情報からなり、前記判別信号発信手段が前記フォトセンサによる明るさ情報の変化に基づく変化情報の受信部と、閾値情報の受信部を有する演算回路からなる様に構成しても良い。
【0013】
更に、前記フォトセンサがカメラのモニター画面上の少なくとも一部の位置に装着される様に構成すると良い。
【0014】
更に、前記フォトセンサがカメラのモニター画面上の少なくとも一部の位置に対して着脱可能に装着される様に構成すると良い。
【0015】
また、前記フォトセンサがカメラの光学ファインダー上に装着される様に構成しても良い。
【0016】
更に、前記フォトセンサが集光レンズを介してカメラの光学ファインダーに着脱可能に装着される様に構成しても良い。
【0017】
更に、前記閾値が、任意のレベルへの調整可能な、閾値設定手段を有する様に構成すると良い。
【0018】
更に、前記閾値設定手段によって設定される閾値は、少なくとも、画像の記録を実施するための記録実施閾値と、前記映像情報取得手段による光学情報を無効情報として処理する無効処理閾値を含む様に構成すると良い。
【0019】
更に、前記撮影信号発信手段による撮影制御信号が、焦点調節信号とシャッター信号を有し、前記焦点調節信号の発信後、一定時間後に前記シャッター信号を発信すると共に、前記シャッター信号の発信中は前記焦点調節信号が継続して発信される様に構成すると良い。
【0020】
更に、前記判別信号発信手段によって判別信号が継続して発信された場合に、前記撮影信号発信手段が継続して前記シャッター信号を発信する第一のモードと、判別信号発信手段によって判別信号が継続して発信された場合に、前記撮影信号発信手段がシャッター信号を間欠状態で発信する第二のモードを選択可能に構成すると良い。
【0021】
更に、前記第二のモードの実施中は前記焦点調節信号が継続して発信される様に構成すると良い。
【0022】
また、前記焦点調節信号またはシャッター信号の、少なくとも何れか一方の発信中のみ、前記無効処理閾値が有効に処理される様に構成すると良い。
【0023】
また、録画切り替え信号を送信する毎に、録画の実施と中止が交互に切り替わるビデオカメラに対して適合し、前記撮影信号発信手段が前記撮影制御信号を前記ビデオカメラに一回送信する事により前記ビデオカメラの録画が開始され、前記撮影信号発信手段が前記撮影制御信号を前記ビデオカメラに再度送信する事により、前記デオカメラの録画が停止し、待機状態に戻る様に構成しても良い。
【0024】
また、流し撮りしたビデオカメラの録画データを一時的に記録し順次消去する機能と、前記一時的に記録したビデオカメラの録画データを別途、保存が必要な保存データとして記録する機能を有するビデオ記録装置に対して適合し、前記撮影信号発信手段が前記ビデオ記録装置に撮影制御信号を送信する事により、前記ビデオ記録装置は一時的に記録された録画データを前記録画切り替え信号の受信時点よりも予め定めた一定時間まで遡って保存データとしての記録が開始される様に構成しても良い。
【発明の効果】
【0025】
本発明は市販のカメラに対する汎用性が高く、撮影対象までの距離に制限がなく、安価な構成で比較的精度の高い自動撮影を可能にするものであり、更に簡単な装着構造でありながらカメラの撮影フレーム内に撮影対象が入った時にのみ自動撮影な実施が可能な自動撮影装置ある。
【0026】
請求項1の構成においては、映像情報取得手段はカメラが撮影可能な情報の少なくとも一部と一致した情報であるため、カメラと映像情報取得手段の位置的情報のマッチングの調整が不要であり、またカメラから取得可能な光学的情報を用いるため記録すべき対象物までの距離が制限されない利点を有する。
【0027】
請求項2の構成においては、映像情報取得手段による映像情報がフォトセンサによる映像の明るさ情報からなり、前記判別信号発信手段が前記フォトセンサによる明るさ情報の変化に基づく変化電圧の受信部と、閾値電圧の受信部を有する電圧比較器からなるため、画像処理等の複雑な演算が不要になり、更に判別信号発信手段に、演算回路を用いる必要がないため、製作コストを安価にすることができる効果を有する。また、撮影対象物の色が想定可能な場合は、前記映像情報取得手段に撮影対象物の色以外の色の透過を制御する色フィルタを併用する事によって、撮影対象物の色に特化した明るさ情報を取得することができるため、撮影対象物を認識する精度を高めることができる。
【0028】
請求項3の構成においては、前記フォトセンサによる明るさ情報の変化に基づく電圧変化の出力波形が、ゆっくりとした強弱信号の変化を減衰した波形に変更するハイパスフィルタを通してから前記電圧比較器に受信されることにより例えば屋外において太陽の動きや天候の変化に伴って徐々に変化する、明るさの変化や、影の動きによる影響を、無視できるレベルまで軽減することができ、更に、急激な強弱信号の変化を減衰した波形に変更するローパスフィルタからなるフィルタ部を通してから前記電圧比較器に受信されることにより例えば屋外において水面反射など急峻な変化による誤認識を防止できる。
【0029】
請求項4の構成においては、前記映像情報取得手段によって取得する映像情報がフォトセンサによる明るさ情報からなり、前記判別信号発信手段が前記フォトセンサによる明るさ情報の変化に基づく変化情報の受信部と、閾値情報の受信部を有する演算回路からなるため、画像処理等の複雑な演算は不要であり、演算の時間的応答性が向上すると共に、高度なCPU(演算処理装置)を用いる必要がないため、回路の製作コストを安価にすることができる。また、電圧比較器を使用する場合よりも、映像情報の変化に対する閾値の設定について、より細かな条件設定が可能となる。
【0030】
請求項5の構成においては、前記映像情報取得手段として、フォトセンサをカメラのモニター画面上に装着する構成とすることにより、安価でかつ汎用性を高めることができ、更にフォトセンサをモニター画面上の任意の位置に装着することにより、映像情報取得手段による映像情報の変化度合いを演算する部分をモニター画面上の任意の位置にすることができるので、記録画像に対する記録すべき対象物の位置を任意の位置に設定することも可能になる。
【0031】
請求項6の構成においては、前記フォトセンサがカメラのモニター画面に対して着脱可能に構成されることにより、本発明の自動撮影装置を使用しない時は、手動撮影のカメラに戻して使用する事ができる。
【0032】
請求項7の構成においては、前記映像情報取得手段がカメラの光学ファインダー上に装着するため、カメラのモニター画面が装備されていないカメラにおいても使用が可能になる効果を有する。
【0033】
請求項8の構成においては、前記フォトセンサが集光レンズを介してカメラの光学ファインダーに着脱可能に装着することで、光学ファインダーから表示される光学的情報を効率的にフォトセンサに取り込むことができる効果を有する。
【0034】
請求項9の構成においては前記閾値設定手段が、任意のレベルへの調整手段を有することによって、屋外での風による草木の揺れや雲の動きを、撮影対象物と誤認識する事を防止するために前記閾値設定レベルを上げる(感度を下げる)ことができ、また、映像情報の取得範囲に対して撮影対象物が小さいケースが想定される場合や、背景と撮影対象物のコントラスト(明るさの差異)が小さいと想定される場合は、前記閾値設定レベルを下げる(感度を上げる)ことができる。
【0035】
請求項10の構成においては、閾値に画像の記録を実施するための記録実施閾値以外に、前記映像情報取得手段による光学情報を無効情報として処理する無効処理閾値が設定されるため、カメラが撮影モードに切り替わる際に一度モニター画面の表示が消える構造のカメラに使用する場合にも誤動作を防止でき、更に、操作ミスや三脚の転倒などのトラブル時に、不要な画像の記録を防止できる。
【0036】
請求項11の構成においては、前記撮影信号発信手段による焦点調節信号の発信後一定時間後に前記シャッター信号が発信され、更に前記シャッター信号の送信中は前記焦点調節信号が継続して発信されるので、シャッター信号が発信中の全期間において、焦点のぼけた画像の記録を防止することができる。(通常ライブビュー状態では焦点調整が実施されないので、モニターに表示される画面は、初期設定時の位置に焦点が保持され、その後にカメラの記録範囲内に進入した撮影対象の距離が初期設定時の位置と異なる場合は焦点がぼけた状態でモニター画面に表示されるが、本発明は、前記映像情報取得手段による映像情報が映像の明るさ情報からなり、前記判別信号発信手段が光学情報の変化と前記閾値を比較した結果に応じた比較信号となるため、カメラの記録範囲内に進入した撮影対象の焦点がぼけていても、前記撮影信号発信部による演算結果に基づいてカメラに撮影制御信号を瞬時に正しく送信することができる。
【0037】
請求項12の構成においては、前記シャッター信号の受信時に自動的に繰り返し撮影をする機能を有するカメラにおいては、前記閾値が設定された範囲内にある時に前記判別信号発信手段によって発信される判別信号によって前記撮影信号発信手段が、継続して前記シャッター信号を発信する第一のモードを使用し、前記シャッター信号の受信時に自動的に繰り返し撮影をする機能を有さないカメラにおいては、前記閾値が設定された範囲内にある時に前記判別信号発信手段によって発信される判別信号によって前記撮影信号発信手段が、前記シャッター信号を間欠状態で発信する第二のモードを選択することによって、何れのカメラにおいても、自動的に連続して画像を記録することが可能になるため、カメラに対する汎用性を高める効果を有する。
【0038】
請求項13の構成においては、前記第二のモードの実施中は前記焦点調節信号が継続して送信されることによって、前記シャッター信号が間欠状態で送信されても、シャッター信号が送信中の全期間において、焦点のぼけた画像の記録を防止することができる。
【0039】
請求項14の構成においては、特に無効処理閾値の設定レベルを下げた場合(感度を上げた場合)などに、焦点調節信号またはシャッター信号の発信中以外の時に、前記判別信号発信手段が、誤って異常状態に対応した判別信号を発信し、画像の記録を中止することを防止することができる。
【0040】
請求項15の構成においては、録画切り替え信号を発信する毎に、録画の実施と中止が交互に切り替わるビデオカメラにおいて、必要な画像部分を記録することができる。
【0041】
請求項16の構成においては、例えばセキュリティー監視装置など、流し撮りしたビデオカメラの録画データを一時的に記録し順次消去する機能と、前記一時的に記録したビデオカメラの録画データを別途、保存が必要な保存データとして記録する機能を有するビデオ一時記録装置において、安価な構成でありながら保存が必要な画像部分のみを自動的に記録媒体に保存することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施例における使用状態の参考図
【図2】本発明の実施例における使用状態のブロック図
【図3】本発明の実施例におけるモニター画面へのフォトセンサ取り付け状態の説明図
【図4】本発明の実施例の変形例におけるモニター画面へのフォトセンサ取り付け状態の説明図
【図5】本発明の実施例におけるフォトセンサの取り付け構造説明図
【図6】本発明の実施例の変形例におけるフォトセンサの取り付け構造説明図
【図7】本発明の実施例における回路説明図
【図8】本発明の実施例における判別信号と撮影制御信号の発信タイミングの説明図
【図9】本発明の実施例における映像情報取得手段の説明図
【図10】本発明の実施例における映像情報取得手段の説明図
【図11】本発明の実施例におけるフィルタ部による出力波形の調整内容を示す説明図
【図12】本発明の実施例におけるフィルタ部による出力波形の調整内容を示す説明図
【図13】本発明の実施例における閾値設定部による感度調整内容を示す説明図
【図14】本発明の実施例における閾値設定部による感度調整内容を示す説明図
【図15】本発明の実施例における閾値設定部の変形例を示す説明図
【図16】本発明の実施例における閾値設定部の変形例を示す説明図
【図17】本発明の他の実施例における使用状態のブロック図
【図18】本発明の他の実施例における使用状態の参考図
【図19】本発明の他の実施例における映像情報取得手段の部品配置の説明図
【図20】本発明の他の実施例における映像情報取得手段の外観図
【図21】本発明の他の実施例の変形例における映像情報取得手段の外観図
【図22】従来技術の自動撮影装置における使用状態の説明図
【実施例1】
【0043】
以下に、本発明の第1実施例を図面に基づいて説明する。
【0044】
本発明の第1実施例は、図1、図2に示す様に、フォトセンサ30を用いてカメラ2が撮影可能な情報の少なくとも一部の光学的情報を取得可能な映像情報取得手段3と制御部1と、カメラ2への撮影信号送信手段8を有し、前記制御部1は、前記フォトセンサ30の出力波形31を調整するフィルタ部4と、予め閾値(図13〜図16参照)を設定可能な閾値設定部5と、前記フィルタ部4によって調整された出力波形45と前記閾値を比較する判別部6を有し、図7に示す様に、前記出力波形45の変化電圧が前記閾値を超えた場合に前記判別部6に配置された電圧比較器61が判別信号62を発信し、更に前記判別信号62の受信に基づきカメラ2の撮影制御信号受信部21に撮影制御信号71を発信する撮影信号発信手段7を有する事により、画像記録手段が構成される。
【0045】
前記映像情報取得手段3は、カメラ2のモニター画面22の任意の位置にフォトセンサ30を配置する様に構成され、通常はフォトセンサ30の配置位置は前記モニター画面22のセンター位置であり、図3に示す様に、撮影画面に対して撮影すべき撮影対象10の位置を特定の方向に限定したい場合にフォトセンサ30の配置位置を前記特定方向にずらして固定しても良く、また撮影対象10の動き方向が予想される場合は撮影対象10の進入方向にフォトセンサ30の位置をずらして配置することによって、撮影タイミングの遅れを防止することができる。更に、複数のフォトセンサ30を用いてモニター画面22の任意の周囲位置に配置することにより複数の撮影対象10の進入方向に対応させることができる。また、図4に示す様にモニター画面22の全体をカバーする様に構成しても良い。
【0046】
尚、本実施例においてはモニター画面22へのフォトセンサ30の固定方法は、図5に示す様にフォトセンサ30を保持する保持体33の周囲に繰り返し着脱が可能な粘着体34(例えば軟質アクリル系発泡体組成物)を固定した構造が考えられるが、前記粘着体34は前記保持体33の一部のみに配置しても良く、前記保持体33の天面に前記フォトセンサ30を遮光する遮光カバー35を設けて、太陽光など、カメラ2のモニター画面22による表示画像以外の光がフォトセンサ30に入る事による誤検出を防止する様に構成すると良い。また十分な透光性を有する素材からなる前記粘着体34を用いることにより、図6に示す様に前記フォトセンサ30の前記モニター画面22との対向面全体に前記粘着体34を配置しても良い。更に既存の機械的な結合部(図示せず)による着脱構造を用いてカメラ2のモニター画面22にフォトセンサ30を配置しても良く、前記機械的な結合部に対して、前記フォトセンサ30の位置を調整可能にしても良い。(図示せず)また、撮影対象10の色が想定可能な場合は、前記映像情報取得手段3に撮影対象10の色と相違する色の透過を制御する色フィルタを併用する事によって、撮影対象10の色に特化した明るさ情報を取得することができるため、撮影対象を認識する精度を高めることができる。
【0047】
前記フォトセンサ30からの出力波形31を調整するフィルタ部4は、本実施例においては、図7、図11に示す様に、まずハイパスフィルタ40によりゆっくりとした強弱信号が減衰された出力波形41に調整され、次に増幅器42によって増幅された出力波形43に調整され、次にローパフィルタ44により急峻な強弱信号が減衰された出力波形45に調整される。尚、本発明におけるフィルタ部4の構成は、本実施例に限定されず、既存の技術を用いて自由に変更する事ができる。
【0048】
前記フィルタ部4によって調整されたフォトセンサ4の出力波形45の電圧が、前記閾値設定部5によって予め設定された閾値の設定電圧を超えた場合には、電圧比較器からなる前記判別部6から、図8に示す様に判別信号62が発信され、前記判別信号62に基づき前記カメラ2に対する撮影の制御内容を演算し、撮影信号発信手段7がカメラ2へ撮影制御信号71として焦点調節信号72とシャッター信号73を発信する。
【0049】
前記撮影制御信号71は、図8に示す様に前記焦点調節信号72の発信後、一定時間後に前記シャッター信号73を発信すると共に、前記シャッター信号73の発信中は前記焦点調節信号72が継続して発信される様に設定される。尚、本実施例において撮影信号送信手段8はケーブルとカメラのレリーズ端子接続コネクタより構成されるが、エアーレリーズ、電磁ケーブルレリーズ、ラジオコントロールシステム、ルミコントロールシステムなど、他の既存の撮影信号送信手段を自由に用いることができる。
【0050】
前記焦点調節信号72とシャッター信号73の発信タイミングは、カメラ2の特性や撮影対象10により、焦点調節信号72の発信時間を延ばし確実に焦点を合わせてから撮影することや、焦点調節信号72の発信時間を短くして焦点調整よりも、撮影実施までの時間短縮を優先する様、調整できるようにしてもよい。
【0051】
また、前記焦点調節信号72の送信後一定時間後に前記シャッター信号73が発信され、更に前記シャッター信号73の発信中は前記焦点調節信号72が継続して発信される様に構成とすることで、シャッター信号73が送信中の全時間において、焦点のぼけた画像の記録を防止することができる。
【0052】
尚、通常ライブビュー状態では焦点調整が実施されないので、モニター画面22に表示される画面は、初期設定時の位置に焦点が保持され、その後にカメラ2の記録範囲内に進入した撮影対象10の距離が初期設定時の位置と異なる場合は焦点がぼけた状態でモニター画面22に表示されるが(図示せず)、本発明は、前記映像情報取得手段3による映像情報が映像の明るさ情報からなるため、カメラ2の記録範囲内に進入した撮影対象10の焦点がぼけていても、撮影制御信号71を動作させることができる。
【0053】
また、前記撮影信号発信手段7が前記判別部6から継続して判別信号62を受信した時に継続して前記シャッター信号73の発信する第一のモードと、前記撮影信号発信手段7が前記判別部6から継続して判別信号62を受信した時に前記シャッター信号73を間欠状態で発信する第二のモードを有し(図示せず)、前記第一のモードと第二のモードが選択可能に構成されることによって、前記シャッター信号73の受信時に自動的に繰り返し撮影をする機能を有するカメラ2において前記撮影信号発信手段7が前記判別部6から継続して判別信号62を受信した時に継続して前記シャッター信号73を送信する第一のモードを使用し、前記シャッター信号73の受信時に自動的に繰り返し撮影をする機能を有さないカメラ2においては、前記撮影信号発信手段7が前記判別部6から継続して判別信号62を受信した時に前記シャッター信号73を間欠状態で送信する第二のモードを選択することができる様にすれば、何れのタイプのカメラ2においても、自動的に連続して必要な画像を記録することが可能になり、カメラ2に対する汎用性と使い勝手を高める効果を有する。
【0054】
前記第二のモードの実施中は前記焦点調節信号72が継続して送信される様に構成することによって、前記シャッター信号73が間欠状態で送信されても、シャッター信号73の送信中の全時間において、焦点のぼけた画像の記録を防止することができる。
【0055】
図9は撮影対象10である、飛んでいる鳥11を自動撮影するための構成図であり、本実施例の使用においては、図1に示す様に三脚20を使用してカメラ2を固定し、カメラ2に内蔵しているライブビュー機能を利用する事により、カメラ2のモニター画面22に表示されたリアルタイム映像の略中央位置に光の強弱を検出するフォトセンサ30を貼り付ける。
【0056】
そして、図9の様にカメラ2のモニター画面22に表示されたリアルタイム映像のフォトセンサ30を貼り付け位置に撮影対象10(鳥11)が表示されていない場合は、フォトセンサ30からの出力波形31(図7参照)に変化が無いためカメラ2には撮影制御信号71が発信されない。図10の様にフォトセンサ30の貼り付け位置に撮影対象10(鳥11)が表示された場合はフォトセンサからの出力波形31が変化し、この出力波形31の変化はフィルタ部4によって調整される。
【0057】
前記フィルタ部4による出力波形31の調整は、例えば環境光などゆっくりとした変化の場合、図7、図11で示す様にフォトセンサの出力波形31がハイパスフィルタ40によりゆっくりとした強弱信号が減衰された出力波形41となり誤認識を防止することができる。また、例えば水面反射など急峻な変化の場合は、図7、図12で示す様にハイパスフィルタ40を通過した出力波形41が増幅器42で増幅された波形43に調整された後、ローパスフィルタ44により急峻な強弱信号が減衰された出力波形45となり誤認識を防止することができる。更に前記ハイパスフィルタ40とローパスフィルタ44や増幅器42の定数を切替える、切り替スイッチなどの調整手段を設ければ状況に応じて適切に設定可能にすることができ、前記フィルタ部によって調整された出力波形45の電圧は判別部6に設けられた電圧比較器61によって、予め設定された閾値電圧52と比較される。
【0058】
前記閾値電圧52は閾値設定部5の感度調節つまみ53により予め調整可能に構成される。前記閾値設定部5が、任意のレベルへの調整手段を有することによって、屋外での風による草木の揺れや雲の動きを、撮影対象物と誤認識する事を防止するために、図13に示す様に前記閾値設定レベルを上げる(感度を下げる)ことができ、また、映像情報の取得範囲に対して撮影対象物が小さいケースが想定される場合や、背景と撮影対象物のコントラスト(明るさの差異)が小さいと想定される場合は、図14に示す様に、前記閾値設定レベルを下げる(感度を上げる)ことができる。尚、前記閾値設定部5によって閾値電圧52の設定レベルを調節できる様に構成する代わりに、前記フィルタ部4に出力波形45の電圧調整手段(図示せず)を設けて、判別部6に設けられた電圧比較器61によって、前記閾値と、前記電圧調整手段によって調整された出力波形を比較する様に構成しても良い。また、閾値を上下(明るい側と暗い側)に任意のレベルへの調整手段を有し、閾値範囲内より明るい撮影対象物(図15:白い鳥等)もしくは閾値範囲内より暗い撮影対象物(図16:黒い鳥等)の両方の撮影対象に対応できる様に構成しても良い。
【0059】
尚、実施例では撮影対象10が鳥11の場合の自動撮影について説明しているが、撮影対象10はその他の人や動物やペット・電車等の乗り物など、撮影対象10は限定されない。
【実施例2】
【0060】
以下に、本発明の第2実施例を図面に基づいて説明する。
【0061】
本発明の第2実施例は、図17に示す様に、フォトセンサ30を用いてカメラ2が撮影可能な情報の少なくとも一部の光学的情報を取得可能な映像情報取得手段3と、と制御部1と、カメラ2への撮影信号発信手段7を有し、前記制御部1は、前記映像情報取得手段3による映像情報の変化度合いを演算する変化演算手段48と、映像情報の変化度合いに対する閾値を予め設定可能な閾値設定手段55と、前記変化演算手段48による演算結果と前記閾値を比較し、前記変化演算手段48による演算結果が前記閾値の設定された範囲を超えた場合に、判別信号62を発信する判別演算手段65と、前記判別演算手段65から発信された判別信号62に基づきカメラ2の撮影制御信号受信部21に撮影制御信号71を発信する撮影信号発信手段7によって画像記録手段が構成される。
【0062】
尚、前記閾値設定手段55によって設定される閾値は、下限値と上限値など複数の要素により構成しても良く、その場合は、前記判別演算手段65は、前記変化演算手段48による演算結果が前記複数の閾値で設定された条件の範囲内に入った場合に、判別信号62を発信することができ、その場合の判別信号62は、前記閾値設定手段55によって予め設定した複数の条件と一致した内容別に、複数種類の判別信号62を自動選択して発信する様にすることによって、より複雑な撮影制御が設定できる様になる。
【0063】
前記映像情報取得手段3は、実施例1と同様に、カメラ2のモニター画面22の任意の位置にフォトセンサ30を配置する様に構成され、通常はフォトセンサ30の配置位置は前記モニター画面22のセンター位置であり、図3に示す様に、撮影画面に対して撮影すべき撮影対象10の位置を特定の方向に限定したい場合にフォトセンサ30の配置位置を前記特定方向にずらして固定しても良く、また撮影対象10の動き方向が予想される場合は撮影対象10の進入方向にフォトセンサ30の位置をずらして配置することによって、撮影タイミングの遅れを防止することができる。更に、複数のフォトセンサ30を用いてモニター画面22の任意の周囲位置に配置することにより複数の撮影対象10の進入方向に対応させることができる。また、図4に示す様にモニター画面22の全体をカバーする様に構成しても良い。
【0064】
尚、本実施例においてはモニター画面22へのフォトセンサ30の固定方法は、図5に示す様にフォトセンサ30を保持する保持体33の周囲に繰り返し着脱が可能な粘着体34(例えば軟質アクリル系発泡体組成物)を固定した構造が考えられるが、前記粘着体34は前記保持体33の一部のみに配置しても良く、前記保持体33の天面に前記フォトセンサ30を遮光する遮光カバー35を設けて、太陽光など、カメラ2のモニター画面22による表示画像以外の光がフォトセンサ30に入る事による誤検出を防止する様に構成すると良い。また十分な透光性を有する素材からなる前記粘着体34を用いることにより、図6に示す様に、前記フォトセンサ30の前記モニター画面22との対向面全体に前記粘着体34を配置しても良い。更に既存の機械的な結合部(図示せず)による着脱構造を用いてカメラ2のモニター画面22にフォトセンサ30を配置しても良く、前記機械的な結合部に対して、前記フォトセンサ30の位置を調整可能にしても良い。(図示せず)また撮影対象10の色が想定可能な場合は、前記映像情報取得手段3に撮影対象10の色と相違する色の透過を制御する色フィルタを併用する事によって、撮影対象10の色に特化した明るさ情報を取得することができるため、撮影対象を認識する精度を高めることができる。
【0065】
使用においては、実施例1と同様に、図1に示す様に三脚20を使用してカメラ2を固定し、カメラ2に内蔵しているライブビュー機能を利用する事により、カメラ2のモニター画面22に表示されたリアルタイム映像の略中央位置に光の強弱を検出するフォトセンサ30を貼り付ける。
【0066】
そして、前記フォトセンサ30から得られたモニター画面22の明るさ情報は、単位時間当たりの変化量を算出する前記変化演算手段48によって変化度合が数値化され、閾値設定手段55により、予め映像情報の変化度合いに対する閾値が設定され、判別演算手段65により、前記変化演算手段48による演算結果と前記閾値設定手段55で設定された閾値の比較演算を行い、前記変化演算手段48による演算結果が前記閾値の設定を超えた時に、前記判別演算手段65が撮影信号発信手段7に判別信号62を発信し、前記撮影信号発信手段7がカメラ2へ、図8で示す様に撮影制御信号71である焦点調節信号72とシャッター信号73を発信する。
【0067】
前記撮影制御信号71は、前記焦点調節信号72の発信後、一定時間後に前記シャッター信号73を発信すると共に、前記シャッター信号73の発信中は前記焦点調節信号72が継続して発信される様に設定される。尚、本実施例において撮影信号送信手段8はケーブルとカメラ2のレリーズ端子接続コネクタより構成されるが、エアーレリーズ、電磁ケーブルレリーズ、ラジオコントロールシステム、ルミコントロールシステムなど、既存の撮影信号送信手段を自由に用いることができる。
【0068】
尚、前記閾値設定手段55によって閾値を予め調整可能に構成する代わりに、変化演算手段48によるフォトセンサ30の出力波形31の変化を演算する際の演算式に数値補正可能な手段を加味しても良く、また変化演算手段48によるフォトセンサ30の出力波形31の変化を演算結果に対して、数値補正可能な手段を加味しても良い。その場合は前記数値補正可能な手段による補正後の変化演算結果と、前記閾値を、前記判別演算手段65によって判別し、判別信号62を撮影信号発信手段7に発信する様に構成しても良い。
【0069】
前記焦点調節信号72とシャッター信号73の発信タイミングは、カメラ2の特性や撮影対象10により、焦点調節信号72の発信時間を延ばし確実に焦点を合わせてから撮影することや、焦点調節信号72の発信時間を短くして焦点調整よりも、撮影実施までの時間短縮を優先する様、調整できるようにしてもよい。
【0070】
また、前記焦点調節信号72の送信後一定時間後に前記シャッター信号73が発信され、更に前記シャッター信号73の発信中は前記焦点調節信号72が継続して発信される様に構成とすることで、シャッター信号73が送信中の全時間において、焦点のぼけた画像の記録を防止することができる。
【0071】
尚、通常ライブビュー状態では焦点調整が実施されないので、モニター画面22に表示される画面は、初期設定時の位置に焦点が保持され、その後にカメラ2の記録範囲内に進入した撮影対象10の距離が初期設定時の位置と異なる場合は焦点がぼけた状態でモニター画面22に表示されるが(図示せず)、本発明は、前記映像情報取得手段3による映像情報が映像の明るさ情報からなるため、カメラ2の記録範囲内に進入した撮影対象10の焦点がぼけていても、撮影制御信号71を動作させることができる。
【0072】
また、前記撮影信号発信手段7が前記判別演算手段65から継続して判別信号62を受信した時に継続して前記シャッター信号73の発信する第一のモードと、前記撮影信号発信手段7が前記判別演算手段65から継続して判別信号62を受信した時に前記シャッター信号73を間欠状態で発信する第二のモードを有し(図示せず)、前記第一のモードと第二のモードが選択可能に構成されることによって、前記シャッター信号73の受信時に自動的に繰り返し撮影をする機能を有するカメラ2において前記撮影信号発信手段7が前記判別演算手段65から継続して判別信号62を受信した時に継続して前記シャッター信号73を送信する第一のモードを使用し、前記シャッター信号73の受信時に自動的に繰り返し撮影をする機能を有さないカメラ2においては、前記撮影信号発信手段7が前記判別演算手段65から継続して判別信号62を受信した時に前記シャッター信号73を間欠状態で送信する第二のモードを選択することができる様にすれば、何れのタイプのカメラ2においても、自動的に連続して必要な画像を記録することが可能になり、カメラ2に対する汎用性と使い勝手を高める効果を有する。
【0073】
前記第二のモードの実施中は前記焦点調節信号72が継続して送信される様に構成することによって、前記シャッター信号73が間欠状態で送信されても、シャッター信号73の送信中の全時間において、焦点のぼけた画像の記録を防止することができる。(図示せず)
【0074】
更に、本実施例における閾値は、画像の記録実施を判断するための記録判断閾値と、前記変化演算手段48による演算結果を無効情報として処理する無効判断閾値を設定することにより、カメラ2が撮影モードに切り替わる際に、一度モニター画面の表示が消える構造のカメラ2に使用した場合の誤動作を防止することができ、更に、操作ミスや三脚20の転倒などのトラブル時における不要な画像の記録を防止できる。(図示せず)
【0075】
また、前記無効判断閾値が、焦点調節信号72またはシャッター信号73の、少なくとも何れか一方の送信中のみ有効に処理される様に構成することにより、特に無効判断閾値57の設定レベルを下げた(感度を上げる)場合に、焦点調節信号72またはシャッター信号73の送信中以外の状態で、前記変化演算手段48による演算結果から、誤って異常状態を判断して、画像の記録を中止することを防止することができる。(図示せず)
【0076】
さらに、本実施例において、前記変化演算手段48、閾値設定手段55、判別演算手段65、撮影信号発信手段7は、その複数の部分または全部を1つの演算素子(CPU)で行っても良く、また夫々の部分に独立した演算素子(CPU)を用いても良い、また一部に演算素子(CPU)以外の回路や電子部品を用いても良い。尚、実施例では撮影対象10が鳥11の場合の自動撮影について説明しているが、撮影対象10はその他の人や動物やペット・電車等の乗り物など、撮影対象10は限定されない。
【実施例3】
【0077】
以下に、本発明の第3実施例を図面に基づいて説明する。
【0078】
本発明の第3実施例は、図18に示す様に、カメラ23の光学ファインダー24上にフォトセンサ30を装着する構成であり、更に図19、図20に示す様に、カメラ23の光学ファインダー24上に集光レンズ36を介してフォトセンサ30を装着する構成であり、更に前記フォトセンサ30および集光レンズ36は、カメラ23の光学ファインダー24に対して着脱可能に装着することを特徴とする。
【0079】
前記カメラ23の光学ファインダー24を利用した自動撮影装置がフォトセンサ30によって撮影対象10の動きによる光の強弱の変化を検出するために、図19に示す様に、前記光学ファインダー24とフォトセンサ30間に集光レンズ36が配置され、撮影対象10の動きによって前記光学ファインダー24に導かれた並行光12が前記集光レンズ36により集光された後に前記フォトセンサ30が受ける様に映像情報取得手段3が構成される。尚、図21に示す様に、カメラ23の光学ファインダー24上に集光レンズ36を介して複数のフォトセンサ30を装着することもできる。
【0080】
更に、図2に示す様に前記映像情報取得手段3によって取得した映像情報の変化に対する閾値と、前記映像情報取得手段3によって取得した光学情報の変化と前記閾値を比較した結果に応じた判別信号62を発信する判別部6と、前記判別信号62に基づき前記カメラ23に対する撮影の制御内容を演算し前記カメラ23に撮影制御信号71を発信する撮影信号発信手段7の構成は、前記実施例1または実施例2と同様に構成される。
【実施例4】
【0081】
以下に、本発明の第4実施例を説明する。
【0082】
本発明の第4実施例は、第1実施例〜第3実施例において、適応する撮影機器をビデオカメラとした場合の変形例(図示せず)であり、フォトセンサ30を用いてビデオカメラが撮影可能な情報の少なくとも一部の光学的情報を取得可能な映像情報取得手段3を有し、第1実施例に基づいて実施した場合は、図2に示す様に前記フォトセンサ30のフィルタ部4による調整後の出力波形45の変化電圧が予め設定した閾値の電圧を超えることにより、前記判別部6が判別信号62の発信を開始した時、前記判別信号62を受信した撮影信号発信手段7が前記シャッター信号73(図示せず)を前記ビデオカメラに一回送信する事により前記ビデオカメラの録画が開始され、前記フォトセンサ30の出力波形31のフィルタ部4による調整後の出力波形45の変化電圧が閾値よりも下がり、判別部6から発信される判別信号62が停止した時、撮影信号発信手段7が前記シャッター信号73をビデオカメラに再度送信する事により、前記デオカメラの録画が停止し、待機状態に戻る様に構成することにより、シャッター信号73を送信する毎に、録画の実施と中止が交互に切り替わるビデオカメラにおいて、必要な画像部分を効率良く記録することができる。
【0083】
また、第2実施例に基づいて実施した場合は、図17に示す様に前記フォトセンサ30による映像情報の変化度合を演算する変化演算手段48による演算結果が、予め設定した閾値を越える(変化演算手段48による演算結果が予め設定した複数の閾値によって設定された範囲内に入った場合を含む)ことにより、前記判別演算手段65が判別信号62の発信を開始した時に、前記判別信号62を受信した撮影信号発信手段7が前記シャッター信号73(図示せず)を前記ビデオカメラに一回送信する事により前記ビデオカメラの録画が開始され、前記変化演算手段48による演算結果と前記閾値を比較し、前記変化演算手段48による演算結果が前記閾値の設定された範囲内に戻った事により(複数の閾値によって設定された値の範囲を外れた場合を含む)前記判別演算手段65から発信される判別信号62が停止した時に、撮影信号発信手段7が前記シャッター信号73をビデオカメラに再度送信する事により、前記デオカメラの録画が停止し、待機状態に戻る様に構成することにより、シャッター信号73を送信する毎に、録画の実施と中止が交互に切り替わるビデオカメラにおいて、必要な画像部分を効率良く記録することができる。
【0084】
また、本発明において、判別部6が判別信号62の発信を開始する閾値の値と判別信号62の発信を終了する閾値の値を異なる値に設定しても良く、判別信号62の発信を開始する閾値の値よりも判別信号62の発信を終了する閾値の値よりも低く設定すれば、撮影対象10が遠いなどの理由によって映像情報取得手段3による出力波形と、閾値の値が近い場合に、煩雑に判別信号を発信して撮影開始と終了を繰り返すことによってビデオカメラの動作が追いつかずに誤作動を起こす事が防止できる。また、同様に煩雑に判別信号を発信して撮影開始と終了を繰り返すことによってビデオカメラの動作が追いつかずに誤作動を起こす事が防止するための手段として、ビデオカメラが撮影を開始するための1回目の判別信号62の発信とビデオカメラが撮影を終了するための2回目の判別信号62の発信の間隔については最小間隔時間を設定可能に構成し、以後奇数回目の判別信号62の発信から偶数回目の判別信号62の発信に至る間隔については、同様の最小間隔時間が適用される様に構成されると良い。
【実施例5】
【0085】
以下に、本発明の第5実施例を説明する。
【0086】
本発明の第5実施例は、第1実施例〜第3実施例において、適応する撮影機器をビデオ一時記録装置とした場合の変形例(図示せず)であり、前記ビデオ一時記録装置は流し撮りしたビデオカメラの撮影データを一時的に記録し順次消去する機能と、前記一時的に記録した前記撮影データを、保存データとして記録メディア等の記録媒体への長期記録が可能な機能を有し、防犯用や警備用、もしくはドライブレコーダー等に利用される。
【0087】
フォトセンサ30を用いてビデオ一時記録装置が撮影可能な情報の少なくとも一部の光学的情報を取得可能な映像情報取得手段3を有し、第1実施例に基づいて実施した場合は、図2に示す様に前記フォトセンサ30のフィルタ部4による調整後の出力波形45の変化電圧が予め設定した閾値の電圧を超えることにより、前記判別部6が判別信号62の発信を開始した時、前記判別信号62を受信した撮影信号発信手段7が、前記ビデオ一時記録装置に保存制御信号(図示せず)を一回送信する事によって前記ビデオ記録装置は前記保存制御信号の受信時点よりも予め定めた一定時間まで遡って、一時的に記録された録画データを含む撮影データの記録メディア等への保存を開始するように構成する。そして前記フォトセンサ30の出力波形31のフィルタ部4による調整後の出力波形45の変化電圧が閾値よりも下がり、判別部6から発信される判別信号62が停止した時、前記撮影信号発信手段7が前記ビデオ一時記録装置に前記保存制御信号を再度送信する事により、前記ビデオ一時記録装置は前記撮影データの記録メディア等への保存を終了する様に構成する。
【0088】
また、第2実施例に基づいて実施した場合は、図17に示す様に、前記フォトセンサ30による映像情報の変化度合を演算する変化演算手段48による演算結果が、予め設定した閾値を越える(変化演算手段48による演算結果が予め設定した複数の閾値によって設定された範囲内に入った場合を含む)ことにより、前記判別演算手段65が判別信号62の発信を開始した時に、前記判別信号62を受信した撮影信号発信手段7が、前記ビデオ一時記録装置に保存制御信号(図示せず)を一回送信する事によって前記ビデオ記録装置は前記保存制御信号の受信時点よりも予め定めた一定時間まで遡って、一時的に記録された録画データを含む撮影データの記録メディア等への保存を開始するように構成する。そして前記変化演算手段48による演算結果と前記閾値を比較し、前記変化演算手段48による演算結果が前記閾値の設定された範囲内に戻った事により(複数の閾値によって設定された値の範囲を外れた場合を含む)前記判別演算手段65から発信される判別信号62が停止した時に、前記撮影信号発信手段7が前記ビデオ一時記録装置に前記保存制御信号を再度送信する事により、前記ビデオ一時記録装置は前記撮影データの記録メディア等への保存を終了する様に構成する。
【0089】
尚、本実施例の更なる変形例として、フォトセンサ30を用いて前記ビデオ一時記録装置が撮影可能な情報の少なくとも一部の光学的情報を取得可能な映像情報取得手段3を有し、第1実施例に基づいて実施した場合は、図2に示す様に前記フォトセンサ30のフィルタ部4による調整後の出力波形45の変化電圧が予め設定した閾値の電圧を超えることにより、前記判別部6が判別信号62の発信を開始した時、前記判別信号62を受信した撮影信号発信手段7が、前記ビデオ一時記録装置に保存制御信号(図示せず)の送信を開始することによって前記ビデオ記録装置は前記保存制御信号の受信時点よりも予め定めた一定時間まで遡って、一時的に記録された録画データを含む撮影データの記録メディア等への保存を開始する様に構成する。そして前記フォトセンサ30の出力波形31の変化電圧が前記閾値よりも下がり、判別部6から発信される判別信号62が停止した場合撮影信号発信手段7が前記ビデオ一時記録装置に保存制御信号の送信を停止し、前記ビデオ一時記録装置は前記撮影データの記録メディア等への保存を終了する様に構成しても良い。
【0090】
また、第2実施例に基づいて実施した場合は、図17に示す様に、前記フォトセンサ30による映像情報の変化度合を演算する変化演算手段48による演算結果が、予め設定した閾値を越える(変化演算手段48による演算結果が予め設定した複数の閾値によって設定された範囲内に入った場合を含む)ことにより、前記判別演算手段65が判別信号62の発信を開始した時に、前記判別信号62を受信した撮影信号発信手段7が、前記ビデオ一時記録装置に保存制御信号(図示せず)の送信を開始することによって前記ビデオ記録装置は前記保存制御信号の受信時点よりも予め定めた一定時間まで遡って、一時的に記録された録画データを含む撮影データの記録メディア等への保存を開始する様に構成する。そして変化演算手段48による演算結果と前記閾値を比較し、前記変化演算手段48による演算結果が前記閾値の設定された範囲内に戻った事により(もしくは複数の閾値の設定された範囲外となった場合を含む)前記判別演算手段65から発信される判別信号62が停止した時に、前記撮影信号発信手段7が前記ビデオ一時記録装置に保存制御信号の送信を停止し、前記ビデオ一時記録装置は前記撮影データの記録メディア等への保存を終了する様に構成しても良い。
【0091】
本実施例の構成により、安価な構成でありながら、例えばセキュリティー監視装置など常時画像を一時記憶装置に記録する構造のカメラシステムにおいて、保存が必要な画像部分のみを自動的に記録媒体に保存することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、市販のカメラを利用して撮影対象を自動的に撮影することができる自動撮影装置として、産業上有効に利用できるものである。
【符号の説明】
【0093】
1:制御部、2:カメラ、3:映像情報取得手段、4:フィルタ部、5:閾値設定部、6:判別部、7:撮影信号発信手段、8:撮影信号送信手段、10:撮影対象、11:鳥、12:並行光、20:三脚、21:撮影制御信号受信部、22:モニター画面、23:カメラ、24:光学ファインダー、30:フォトセンサ、31:出力波形、33:保持体、34:粘着体、35:遮光カバー、36:集光レンズ、38:センサー装置、40:ハイパスフィルタ、41:出力波形、42:増幅器、43:出力波形、44:ローパスフィルタ、45:出力波形、48:変化演算手段、52:閾値電圧、53:感度調整つまみ、55:閾値設定手段、61:電圧比較器、62:判別信号、65:判別演算手段、71:撮影制御信号、72:焦点調節信号、73:シャッター信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラが撮影可能な情報の少なくとも一部の光学情報を取得可能な映像情報取得手段と、映像情報の変化に対する閾値と、前記映像情報取得手段によって取得した光学情報の変化と前記閾値を比較した結果に応じた判別信号を発信する判別信号発信手段と、前記判別信号に基づき前記カメラに対する撮影の制御内容を演算し前記カメラに撮影制御信号を発信する撮影信号発信手段を有することを特徴とする自動撮影装置
【請求項2】
前記映像情報取得手段によって取得する映像情報がフォトセンサによる明るさ情報からなり、前記判別信号発信手段が前記フォトセンサによる明るさ情報の変化に基づく電圧の受信部と閾値として予め設定される電圧設定部を有する電圧比較器からなることを特徴とする請求項1記載の自動撮影装置
【請求項3】
前記フォトセンサによる明るさ情報の変化に基づく電圧の出力波形は、ゆっくりとした強弱信号の変化を減衰した波形に変更するハイパスフィルタと、急激な強弱信号の変化を減衰した波形に変更するローパスフィルタを有するフィルタ部を経て、前記電圧比較器に受信されることを特徴とする請求項2記載の自動撮影装置
【請求項4】
前記映像情報取得手段によって取得する映像情報がフォトセンサによる明るさ情報からなり、前記判別信号発信手段が前記フォトセンサによる明るさ情報の変化に基づく変化情報の受信部と、閾値情報の受信部を有する演算回路からなることを特徴とする請求項1記載の自動撮影装置
【請求項5】
前記フォトセンサがカメラのモニター画面上の少なくとも一部の位置に装着されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の自動撮影装置
【請求項6】
前記フォトセンサがカメラのモニター画面上の少なくとも一部の位置に対して着脱可能に装着されることを特徴とする請求項5記載の自動撮影装置
【請求項7】
前記フォトセンサがカメラの光学ファインダー上に装着されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の自動撮影装置
【請求項8】
前記フォトセンサが集光レンズを介してカメラの光学ファインダー上に着脱可能に装着されることを特徴とする請求項7記載の自動撮影装置
【請求項9】
前記閾値が、任意のレベルへの調整可能な、閾値設定手段を有することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項記載の自動撮影装置
【請求項10】
前記閾値設定手段によって設定される閾値は、少なくとも、画像の記録を実施するための記録実施閾値と、前記映像情報取得手段による光学情報を無効情報として処理する無効処理閾値を含むことを特徴とする請求項9記載の自動撮影装置
【請求項11】
前記撮影信号発信手段による撮影制御信号が、焦点調節信号とシャッター信号を有し、前記焦点調節信号の発信後、一定時間後に前記シャッター信号を発信すると共に、前記シャッター信号の発信中は前記焦点調節信号が継続して発信されることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項記載の自動撮影装置
【請求項12】
前記判別信号発信手段によって判別信号が継続して発信された場合に、前記撮影信号発信手段が継続して前記シャッター信号を発信する第一のモードと、判別信号発信手段によって判別信号が継続して発信された場合に、前記撮影信号発信手段がシャッター信号を間欠状態で発信する第二のモードを選択可能に構成されることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項記載の自動撮影装置
【請求項13】
前記第二のモードの実施中は前記焦点調節信号が継続して発信されることを特徴とする請求項12記載の自動撮影装置
【請求項14】
前記焦点調節信号またはシャッター信号の、少なくとも何れか一方の発信中のみ、前記無効処理閾値が有効に処理されることを特徴とする請求項10〜13の何れか1項記載の自動撮影装置
【請求項15】
録画切り替え信号を送信する毎に録画の実施と中止が交互に切り替わるビデオカメラに対して適合し、前記撮影信号発信手段がシャッター信号からなる前記撮影制御信号を前記ビデオカメラに一回送信する事により前記ビデオカメラの録画が開始され、前記撮影信号発信手段がシャッター信号からなる前記撮影制御信号を前記ビデオカメラに再度送信する事により、前記デオカメラの録画が停止し、待機状態に戻る様に構成されることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項記載の自動撮影装置
【請求項16】
流し撮りしたビデオカメラの録画データを一時的に記録し順次消去する機能と、前記一時的に記録した前記撮影データを、保存データとして記録媒体に長期記録する機能を有するビデオ一時記録装置に対して適合し、前記撮影信号発信手段が前記ビデオ記録装置に保存制御信号からなる撮影制御信号を送信する事により、前記ビデオ記録装置は一時的に記録された録画データを前記撮影制御信号の受信時点よりも予め定めた一定時間まで遡って保存データとして記録媒体への記録が開始されることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項記載の自動撮影装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−31127(P2013−31127A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167521(P2011−167521)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(391021226)株式会社カーメイト (100)
【Fターム(参考)】