説明

自動洗浄式床板システム

少なくとも1つのモジュールを含む自動洗浄式床板システムが提供される。該モジュールは、排水パンと、複数の排出ポートと、少なくとも1つの側壁とを備える。排水パンは、傾斜部と排水口を備えることも可能である。傾斜部は、排水口に向かって下方に傾斜可能である。排出ポートは、排水パンの周縁部に沿って配置され、排水口に向かって延びることによって、フラッシング液を排水口へ案内する。側壁は、排水パンの周縁部の一部を包囲して、中空通路と少なくとも1つの流入口を有する。流入口は、排出ポートにフラッシング液を送るための中空通路と連通可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して床板保護、より詳細には、様々な用途や、限定されないが洗濯施設および調理施設などの業界における廃棄物を受け止めるための連続床板システムを形成するために、水平方向に隣接して配置されたモジュールと互いに連結可能なモジュールを備える自動洗浄式床板システムに関する。本発明の床板システムは、排水パンの形状をくり返し形成する着脱式オス型インサートを用いることによって、コンクリート床内に成形される常設設備としても形成可能である。また、排水パンを覆う床格子は、その上に立つ職員を支えるために設置されてもよい。
【0002】
本発明の床板システムは、乳製品製造所、食肉加工工場、厩舎、養鶏場、機械工場、クリーン組立ルーム、印刷施設および食品加工工場における使用に適している。しかも、本発明の床板システムは、動物処理施用の移行領域において使用可能である。例えば、本発明の床板システムは、給餌場と酪農搾乳ステーションの間において使用することも可能であり、後に肥料として回収するために、不都合な残留物(例えば、肥料)を家畜の蹄から床板システム内へ洗い流せるように、床板システムを通過する際に家畜の蹄に噴霧してから酪農搾乳ステーションへ家畜を入れる。
【背景技術】
【0003】
多くの業界において、特定の施設や部屋を清潔にしておくことは重要である。例えば、調理産業において、厨房の衛生と清浄度は重要な問題である。一般的にレストラン、ホテル、公共施設および商業用食品販売施設における厨房の床板には、不要物がこぼれることがよくある。そのような不要物は、こぼれた液体や半固体や小さな固体の形態をなし、グリース、油、水および様々な食品を含んでいる。暑い厨房内は、有害細菌にとって天然の繁殖地であり、このような細菌はタイルグラウト、パイプ、排水や他の厨房備品において繁殖し易いため、こぼれた不要物は、衛生上の問題をもたらすこともある。そのような厨房備品は固定型のため、保守ができない場合は清潔に維持することが難しい。大部分の州における厳しい衛生規範では、商業用食品販売施設の厨房を毎日清掃することを求めている。
【0004】
壁、カウンタ甲板、器具および床を毎日清掃することは、時間のかかる労力を要する手仕事を伴う。さらに、廃棄物は、こぼれた食品が湿っているか、粘性を有することが多いため、厨房職員が転倒して負傷する危険性が高いという点で健康上の問題をもたらす場合がある。さらに、こぼれたグリースまたは油は、床から除去されるまで、厨房における全作業を中断しなければならないような防火上の問題を生じさせる。予測可能なことではあるが、レストランまたはホテルにおける厨房作業の全てを中断することによって、重大な収益の損失が生じる。さらに、業務用厨房のような施設の現行の清掃方法は、特定の器具や床板システムの一時的な除去および/または解体、それに続く長時間の水による洗浄を伴うことがある。当然ながら、そのような清掃方法によって、多量の水を使用することになり、特定の地方において節水問題を増大させる場合もある。
【0005】
現時点では、衛生および安全上の懸念事項に取り組むように構成された、従来技術における周知の床板システムが存在する。従来技術における1つの装置は、廃棄物を収集するための洗浄可能な床を備える。この装置は、その上に人が立てる格子またはメッシュを設け、その格子は、廃棄物が落下する下地床の上に取り付けられる。下地床は、排水口に向かって下方に傾斜している。フラッシング(flushing)手段は、廃液を下地床から排水口へ洗い流すために設けられる。格子は、水平位置と垂直位置との間をピボット式で移動でき、さらに保守し易くするために取り外すことができる。この装置は、廃液用の廃棄手段を提供する点で上に述べた幾つかの安全と衛生問題に対処しているが、この装置は特定の床構成に適した特別注文でなければならない点で設置柔軟性に欠けている。さらに、格子と下地床は、手動または業務用食器洗浄機のような機械的手段により個々に洗浄するには、その部品が重すぎたり、大きすぎる。
【0006】
さらに、別の従来技術における装置は、その上に職員が立てるように支持面を提供する。この装置は、水または流体が支持面を通って、モジュール式床板部材の下を流れるようにする。この装置は、水がモジュール式床板の下を流れるように流体パッドの格子ワーク(gridwork)を形成する、一連の横断流路を含む。しかしながら、この装置の重大な短所は、床板部材の表面下の大部分が湿った支持床と直接接触することである。この装置は、その上に職員が立てる滑り止め表面を提供する点で幾つかの安全上の問題に対処しているが、捕促した水から生じる下地床のかびや劣化の問題を抱えている。しかも、この装置は、手動または機械的手段によって容易に洗浄できるように構成されていない。最後に、上述した装置は、装置を完全に洗浄するためには多量の水を必要とする。
【0007】
以上のように、廃棄物を捕捉する床板システムの分野において、上に職員が立っても滑って負傷する危険性が低減される、滑り止め表面が必要とされている。また、当該分野において、連続して廃棄できるように廃棄物を排水口に向かって洗い流せる、自動洗浄式の床板システムが必要とされている。さらに、当該分野において、手動または、業務用厨房に設置されているような業務用食器洗浄機等の洗浄機器によって洗浄し易くするために、取り外し可能な軽量かつ小型の床板システムが求められている。
【0008】
また、当該分野において、様々な用途や、限定しないが、洗濯施設や、業務用厨房における調理ラインのような調理施設を含む業界の所望領域を対象とする、個々のモジュールを互いに連結できるようなモジュール式の床板システムが必要とされている。さらに、当該分野において、排水パンの形状をくり返し形成する着脱式オス型インサートを用いることにより、コンクリート床内に恒久的に成形される床板システムが必要性とされており、排水パンの上方には、その上に立つ職員を支持するために床格子が設置される。そのような床板システムは、乳製品製造所、厩舎および食肉加工工場等において使用可能であるが、これらの用途に限定されるものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記した懸案を鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、特に、床板システムに関する上記の欠陥に対処し、そのような欠陥を軽減するものである。より詳細には、本発明は、廃棄物を捕捉する改良された自動洗浄式床板システムに関する。一実施形態において、床板システムは、モジュール式組立品であり、床板システムが設置される業界における典型的な洗浄機器を用いて洗浄できるように構成されている。例えば、床板システムが業務用厨房において設置される場合、そのような床板システムは、業務用食器洗浄設備を用いて洗浄されるように構成される。別の実施形態において、床板システムは、フォームインサート(foam insert)を用いてコンクリート基板内へ現場注型されるため、コンクリートの硬化、フォームインサートの除去、配管系統の設置および床格子の敷設によって、耐久性のある床板システムが提供される。
【0011】
本発明の実施形態にしたがって、廃棄物を捕捉する自動洗浄式床板システムが提供される。この床板システムは、排水パンと床格子からなる少なくとも1つのモジュールを備える。排水パンは、1対の傾斜部と、これら傾斜部間に中央設置された排水路とを含む。排水パンは、1対の側壁と1対の端壁を有する。傾斜部は、排水路の両側に配置されて排水路に向かって下方に傾斜する。排水路は、端壁間を延び、排水パンの一端から排水パンの反対端へ排水口に向かって下方に傾斜する。側壁と端壁は、集合的に排水パンの周縁部を形成し、傾斜部と排水路から上方へ延びて排水パンを取り囲む。側壁および/または傾斜部は、傾斜部に落下する廃棄物が排水路に向かって洗い流されるように、傾斜部上にフラッシング液を放出する放出ポートおよび/または噴射ノズル等の少なくとも1つの、好ましくは、複数の放出機構を備える。
【0012】
床格子は、その上に起立するか、そこを横切って移動する職員および/または動物を支えるように構成され、廃棄物は、床格子を通過するように構成される。側壁は、流入口を有する中空通路を備えることも可能である。それによって、フラッシング液が放出ポートへ運ばれる。また、隣接するモジュールの流入口により、フラッシング液がそれらの間を流れる。最も端に位置するモジュールは、フラッシング液供給源に対して連結されていてもよい。流入口は流体供給源に対して連結され、フラッシング液は中空通路へ送られる。オーバーフロー通路は、隣接するモジュールの間をフラッシング液および/または液状の廃棄物が流れるようにするために、排水路の近くに形成されてもよい。床格子は、互いに平行に配置された複数の隣接する床格子からなる。床格子は、モジュールの全長が隣接する床格子の結合した長さに適合するように寸法が設定される。モジュールは、複数のダボを含んでもよく、側壁はモジュールを相互に連結するために、ダボを受容するように寸法が設定された相補的な開口部を備える。
【0013】
所望数の排水パンは、ダボまたは他の適切な手段を用いて、水平方向に組み立てられ接合される。流入口は、フラッシング液供給源に連結される。使用中、フラッシング液は、流入口から排水パン内に流れる。時間制御弁を用いて、定期的にフラッシング液を供給することも可能である。また、フラッシング液は、傾斜部上に廃棄物が限界まで蓄積したときに、必要に応じて手動で供給されてもよい。さらに、熱センサを作動させて、火災時にフラッシング液を流入口に供給することも可能である。フラッシング液は、水道水源から供給される水であってもよく、放出ポートから放出される。フラッシング液を加圧してもよく、また、フラッシング液は、特定の食品材料を分解し易くするために、油性洗浄剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0014】
床格子上に落下する廃棄物は、フラッシング液によって、傾斜部から排出路に向かって洗い流される。排出路に達すると、フラッシング液は、次に、排出口に向かって廃棄物を洗い流す。廃棄物が排出路に進入しないように、着脱式ストレーナトレイを排出路の上方に使用してもよい。廃棄物が排出口へ押し流されないように、排出バスケットを排出口の上方に設置することも可能である。床格子は、排水パンの上に立ったり、その上で作業する職員を支えるべく、排出パンの上方に設置される。床格子は、好ましくは、所定の寸法の廃棄物が排水パンに進入することを防ぐように寸法が設定かつ形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本明細書において開示される様々な実施形態の特徴および利点は、以下の説明と図面に関してより良く理解されるであろう。図面中、同様の番号は、図面を通じて同様の部分を指す。
【0016】
本発明を特に添付の図面を参照して説明する。図1と図2は、廃棄物を捕捉するための第1の好適な実施形態における床板システム10のモジュール12を示す。図1は、第1実施形態における床板システム10を示す斜視図であって、床板システム10を構成する、水平方向において隣接して配置されたモジュール12の連結関係を例示し、また、モジュール12およびモジュール12を構成する排水パン14と床格子24との関係を示す。
【0017】
図1と図2は、排水パン14上に配置された3つの床格子24を備えるモジュール12を示しているが、モジュール12は、少なくとも1つか任意の数の床格子24を有してもよい。そのような床格子24は、集合的に排水パン14を覆うことが望ましい。排水パン14は、ほぼ矩形を有するように図示されているが、任意の形状と寸法において形成されてもよい。好ましくは、排水パン14は、モジュール12が水平方向に整合して互いに連結するように構成される。排水パン14はそれぞれ、その形状に対して相補性を有するように寸法が設定かつ形成される。
【0018】
さらに、図1と図2を参照すると、排水パン14は、排水路40、1対の傾斜部16、1対の側壁26および1対の端壁42を備える。傾斜部16は、排水路40に沿ってその両側に配置される。図2において示されるように、傾斜部16は、矢印によって示される方向において(すなわち、排水路40に向かって)下向きに傾斜するように配向される。排水路40は、側壁26の間に配置されてその間を延びる。
【0019】
排水路40は、排水パン14の一端から排水パン14の反対端へ、排水口18に向かって下方に傾斜するように構成されてもよい。排水口18は、床板システム10が設置される施設の排水か下水システムに連結することも可能である。着脱式排水バスケット78を床板システム10に設けることも可能であり、所定の大きさの固体や半固体の廃棄物が排水口18に進入することを防ぐために、排水口18の上方に設置してもよい。これに代えて、あるいは、排水バスケット78と連結して、長尺状の平らなろ過メッシュ62を排水路40に沿って設けることにより(図2においてのみ示す)、廃棄物をろ過する別の手段を構成することも可能である。
【0020】
図2において示すように、排水路40は、排水路40に沿って中間にある中央排水口18に向かって下方に傾斜していてもよい。この点に関して、排水路40は、中央に設置された排水路40に向かって互いに傾斜する2つの別の傾斜面を有することも可能である。しかしながら、排水路40が単一の傾斜面のみを有する排水パン14の構成が望ましい。この構成において、排水路40は、排水パン14の端壁42の一方から他方の端壁42に向かって下方へ傾斜する。
【0021】
排水口18は、端壁42の一方に隣接して配置されることが望ましい。端壁42および側壁26は、傾斜部16から上方へ延びて、排水パン14を包囲する。同様に、端壁42もまた、排水路40から上方へ延びて、排水パン14を包囲する。特に、各傾斜部16には、フラッシング液を放出または噴射するように構成された複数の放出ポート22が形成されるため、廃棄物が傾斜部16から排水路40へ洗い流される。
【0022】
すでに述べたように、床格子24を各排水パン14に取り付けることも可能である。床格子24の着脱性を高め、洗浄かつ清掃し易くするために、床格子24の寸法(すなわち、幅)を小型化することにより、互いに隣接して配置された複数の床格子24が、排水パン14の1つを覆う必要がある。例えば、図2において示すように、排水パン14を完全に覆うために、3つの床格子24が必要となる。
【0023】
床格子24は、廃棄物がそこを通過でき、その上に配置される職員、動物または他の負荷を支えるように、好適に寸法が設定され、かつ構成にされることが望ましい。床格子24は、排水パン14の周縁部で支えられ、特に、各側壁26に沿って延びる格子支持ノッチ82に沿うように壁26に取り付けられてもよい。この点に関して、床格子24は、傾斜部16と排水路40に延び、側壁26によって支持される。また、任意で、格子支持ノッチ82は、最も端に位置する床格子24が端壁42に沿って格子支持ノッチ82に支持されるように、各端壁42に沿って形成されてもよい。
【0024】
図面において、側壁26を有する排水パン14が示されるが、モジュール12は、排水パン14に沿って延びる、すなわち排水パン14を包囲する単一の傾斜部16を有する排水パン14を含むことも可能である。そのような構成において、傾斜部16は、排水路40に向かって下方へ傾斜する排水パン周縁部20を画定する。また、排水パン14は、傾斜部16が排水口18に向かって下方へ傾斜するように、構成されてもよい。排水パン周縁部20は、フラッシング液を傾斜部16に噴射するために、排水パン周縁部20に沿って離間した複数の放出ポート22を備えることも可能である。
【0025】
一実施形態において、各側壁26は、それに沿って形成される中空通路28を備え、この中空通路を通ってフラッシング液が流れる。流入口30は、少なくとも1つの端壁42および側壁26において形成され、中空通路28を介して傾斜部16にフラッシング液を供給するように構成される。また、中空通路28を省いた実施形態においては、フラッシング液は、流入口30へ流入して、傾斜部16に直接供給されることも可能である。しかしながら、流入口30は、マニホルド94が貫通し、かつ、放出ポート22または噴射ノズル32へフラッシング液を送る導管を提供することも可能である。
【0026】
図1において示すように、本発明の自動洗浄式床板システム10は、複数のモジュール12からなり、各モジュール12は、水平方向に整列して互いに連結可能に構成される。モジュール12の相互連結は、例えば、ダボ36および開口部38システム等の機械式固定具を用いて行われ、ダボ36はモジュール12の1つに設けられて、隣接するモジュール12において形成された開口部38に受容される。
【0027】
しかしながら、モジュール12は、様々な種類の取付け機構によって互いに連結でき、本明細書において示した特定の実施例や構成により限定されるものではない。図2において示すように、モジュール12は、排水路40に沿って延びる少なくとも1つのストレーナトレイ74を含むことができ、このストレーナトレイは、排水路40の上に装着することができる。ストレーナトレイ74は、好ましくは、排水路40内に収まるように構成され、所定寸法の廃棄物が排水路40に進入することを防ぐように作用する。
【0028】
図2に示すように、ストレーナトレイ74は、排水路40に沿って延び、特に、排水路40の二段式傾斜面を補完するように構成されている。この点に関して、ストレーナトレイ74の中央の厚さは、ストレーナトレイ74の自由端の厚さよりも大きい。ストレーナトレイ74は、廃棄物が排水路40内に進入しないように、ろ過機構として機能する格子76をさらに備えることも可能である。排水路40が、排水パン14の一端において排水口18に向かって下方に傾斜する単一傾斜面として形成される構成においては、ストレーナ通路は、好ましくは排水パン14と相補的に構成される。より詳細には、排水路40において設置される場合、ストレーナトレイ74の上に取り付けられる格子76がほぼ水平方向に配置されるように、ストレーナトレイ74は、一端が反対端よりも厚くなるように形成されることが望ましい。
【0029】
次に、図9〜図12において、コンクリート基板88等の基板88上に設置可能な実施形態における本発明の自動洗浄式床板システム10が示される。図10に示すように、排水パン14は、任意の組成物からなる基板88に設置できるが、ドライパック型コンクリートの設置下地(setting bed)上に設置することも可能である。排水パン14の周縁部は、その周りに延びる周辺フランジ80を備えてもよい。この周辺フランジは、排水パン14を支持するレッジ(ledge)として作用する。周辺フランジ80は、排水パン14の側壁26から横方向外向きに延びる。好ましくは、周辺フランジ80は、床面高さ86と同等になるように設置される。より詳細には、排水パン14の周辺フランジ80は、床タイルまたは他の床仕上げ材84等の床面高さ86において、床仕上げ材84の上面と同一平面になるように設置されることが望ましい。
【0030】
図10において示すように、排水パン14の傾斜部16は、土や土壌の整地90のようなベース面に順に設置可能なコンクリート基板88等の基板88上に形成されてもよい。次に、設置下地は、コンクリート基板88の上に順に重ねることができ、かつ、ドライパック型コンクリートからなってもよい。床タイル等の床仕上げ材84は、その後、順に設置下地の上に設置される。周辺フランジ80は、設置下地の上に設置でき、床面高さ86と同じ高さになることが望ましい。
【0031】
図9〜図12に示す床板システム10の実施形態は、図1〜図2において示し、上記したものと構成において類似している。より詳細には、図9〜図12において示す排水パン14は、排水路40に向かって下方に傾斜する1対の対向する傾斜部16からなってもよい。しかしながら、各モジュール12は、排水パン14の隅部に配置された排水口18を備えた単一の傾斜部16を有する排水パン14からなってもよい。傾斜部16は、排水口18に向かって下方に傾斜可能である。しかしながら、排水パン14が、排水路40の両側に配置された1対の傾斜部16からなる、図1、図2および図9〜図12において示す構成が好適である。上記のように、排水路40は、端壁42に隣接して設置される排水口18に向かって下方に傾斜する。
【0032】
さらに図10を参照すると、基板88と設置下地において形成された開口部は、排水パン14よりも僅かに大きくなるように寸法が設定される。より詳細には、開口部は、配管系統(フラッシング液を流すためのマニホルド94等の)がコンクリートの硬化後に設置できる領域を含む。配管系統が設置されると、排水パン14には、基板88上にある傾斜部16の部分を設置することができる。
【0033】
排水パン14は、次に、最終的な設置下地を形成するドライパック型コンクリートの設置によって、その周縁部において支持される。この点に関して、ドライパック型コンクリートは、側壁26と周辺フランジ80の下部の隙間を充填する。排水パン14は、床板システム10の作動中、フラッシング液の適切な機能性と流動性を確実にすべく、水平度について点検することも可能である。設置下地の設置に先立ち、排水パン14の水平化を行うために、補強棒を提供することも可能である。
【0034】
排水パン14を複数階からなる建物において設置することも可能であり、基板88として鋼鉄製甲板材料を用いることができる。この点に関して、排水パン14には、鋼鉄製甲板材料上に排水パン14を取り付け、かつ支持できるように適切な切り欠きを備えることも可能である。本発明の床板システム10は、床シンクやトラフを設置する方法と同様の方法により設置可能である。取付け具は、排水パン14の設置に先立って行われるコンクリートの注入前に、甲板材料に固着させることも可能である。先に述べたように、排水パン14は、コンクリートの注入または硬化前に水平度について確認することが望ましい。
【0035】
マニホルド94の設置と排水パン14の設置後、噴射ノズル32等の適当な数の放出ポート94は、マニホルド94を通過するフラッシング液が噴射ノズル32から外へ放出されるように、マニホルド94に対して連通されていてもよい。図11において示すように、3つの噴射ノズル32は、排水パン14の両側に設けられ、その傾斜部16を貫通して延びる。噴射ノズル32は、マニホルド94に対してねじ込み式に連結されてもよい。3つの噴射ノズル32が、排水パン14の各側面において示されるが、任意の数を形成することも可能である。
【0036】
さらに、噴射ノズル32は、図10に示されるように、傾斜部16における折り目、すなわち傾斜変化部を貫通して延びるが、傾斜部16に沿って設置することも可能である。しかも、図10に示す傾斜部16は、二段式傾斜面を備えるが、傾斜部16には、側壁26から排水路40まで延びる単一の傾斜面を形成することも可能である。さらに、傾斜部16は、湾曲していてもよく、あるいは複数の角度をなすか傾斜する面を備えることも意図されている。しかしながら、傾斜部16から排水路40へ向かって廃棄物を洗い流し易くするために、単一あるいは二段式傾斜面が好適である。
【0037】
図3において、図1の3−3線におけるモジュール12の縦断面図が示されており、排水路40に向かって下方に傾斜する傾斜部19が例示される。図示されるように、流入口30により、隣接するモジュール12の間をフラッシング液が流れ、床板システム10における最も端に位置するモジュール12は、フラッシング液供給源に対して連結される。流入口30を流体供給源に連結することも可能であり、流体は、マニホルド94か他の類似する配管システム96を介して中空通路28または排水パン14へ搬送される。
【0038】
フラッシング液は、注入可能な油性洗浄剤等の添加剤を含んでいてもよい。フラッシング液は、水性または他の液体からなっていてもよい。例えば、油性洗浄剤が、傾斜部16に付着したグリースを分解するため、フラッシング液内に供給または注入されてもよい。図3において示すように、流入口30は、側壁26および/または端壁42上に配置でき、その間を流体が流れるように中空通路28と同心状であってもよい。中空通路28が含まれない場合は、流入口30は、マニホルド94か他の配管結合部に連結されてもよく、放出ポート22および/または噴射ノズル32は、そこからフラッシング液を受け取る。
【0039】
次に、図4において、図3のモジュール12の拡大部分断面図が示され、側壁26内の噴射ノズル32の連結状態が例示されている。先に述べたように、噴射ノズル32または放出ポート22は、傾斜部16の上か傾斜部に隣接して配置されてもよい。放出ポート22は、モジュール12内に包含される噴射ノズル32を受容するために、内部にねじ山を設けてもよい。噴射ノズル32は、傾斜部16から排水路40に向かって廃棄物を洗い流す効果を高めるために、高い圧力レベルでフラッシング液を放出することも可能である。噴射ノズル32は、従来型の噴射ノズル32であってもよく、あるいは、他の噴射ノズル32なしでマニホルド94内に組み込まれるウォータジェットであってもよい。
【0040】
放出ポート22および/または噴射ノズル32の動作に関して、フラッシング液は、手動または自動作動式によってそこから放出可能である。自動作動式では、定期的または予定した間隔でフラッシング液を傾斜部16へ放出するために、床板システム10にタイマー70を備えてもよい。また、噴射ノズル32および/または放出ポート22は、床板システム10が設置された施設における火災の場合に、フラッシング液が放出されるように、熱センサにより作動させることも可能である。さらに図3を参照すると、排水パン14は、隣接するモジュール12の間をフラッシング液および/または液状廃棄物が流れるように排水路40に近接して少なくとも1つのオーバーフロー通路48を備えてもよい。オーバーフロー通路48は、排水パン14の端壁42において形成され、モジュール12同士を連結する際に、オーバーフロー通路48を介して通路が形成されるように配置されてもよい。
【0041】
図4において示すように、排水パン14は、側壁26に形成された格子支持ノッチ82を介して床格子24を支持する。図示するように、格子支持ノッチ82は、側壁26に沿って延びる中空通路28を構成することにより形成される。また、図9〜図12における好適な実施形態に示されるように、格子支持ノッチ82に沿って配置される床格子24の縁部により、側壁26に格子支持ノッチ82が形成される。各床格子24の下方周縁端部には、床格子24が格子支持ノッチ82の丸みのある隅部(radius corners)に対して鋭角に位置しないように、側壁26と床格子24(つまり、格子支持ノッチ82)との間に隙間を形成すべく、面取りあるいは丸みをつけることが望ましい。さらに、下方周縁端部は、廃棄物が通過するように隙間を形成するために、面取りあるいは丸みをつけてもよい。
【0042】
図3〜5を参照すると、各排水パン14は、端壁42の間に排水パン14に沿って配置された平行に離間するリブ部材46を備えてもよい。平行リブ部材46は、業務用厨房および他の販売施設においてよく見られる、タイルおよびグラウト下地床等の下地床上で均等にモジュール12を支持するために、傾斜部16と排水路40の下方において横方向に配置されてもよい。同様に、先に述べたように、リブ部材46を利用することによって、排水パン14と排水路40を一様に支持する床板システム10は、様々な用途や、限定しないが、乳製品製造所、食肉加工工場、養鶏場および厩舎等において、設置可能である。
【0043】
排水パン14は、金属材料および非金属材料を含む任意の好適な材料から形成することができる。金属材料に関しては、排水パン14は、ステンレス鋼、または環境効果による腐食および/または劣化に耐性のある他の好適な金属材料から形成することが可能である。非金属材料については、ポリ塩化ビニル(PBC)および/またはポリプロピレン等の高分子材料を使用することができる。
【0044】
さらに、ガラス繊維を使用することも可能である。この点に関して、排水パン14は、業務用食器洗浄機等で洗浄する際に遭遇し得る高温に適し、かつ、適合性のある任意の材料から形成することも可能である。排水パン14は、射出成形等の任意の方法により、単一構造として形成されてもよい。より詳細には、側壁26、端壁42、排水路40、傾斜部16およびリブ部材46、ならびに格子支持ノッチ82や排水パン14の他の要素は、排水パン14が1つの単一構造として形成されるように、射出成形工程により形成することも可能である。
【0045】
組立てる際に、隅部における局部応力によって生じる応力亀裂を抑止するために、全ての隅部に丸みをつけることも可能である。さらに、丸みをつけた隅部によって、排水パン14の洗浄が容易になるため、届きにくい隅部に溜まる廃棄物をより容易に洗い流しかつ洗浄できる。下方床格子24は、側壁26aの格子支持ノッチ82において形成される任意の放射状構造と相補するように丸みをつけることが可能である。このようにして、床格子24下面は、側壁26および/または格子支持ノッチ82と実質的に隣接して接触する。
【0046】
次に、図5において、図1の5−5線における第1実施形態のモジュール12の縦断面図が示され、排水口18に向かって下方に傾斜する排水路40が例示される。図5において、リブ部材46は、傾斜部16から下方面に垂直に下方に延びている。放出ポート22は、側壁26内に配置かつ側壁26に沿って延びる。放出ポート22は、端壁42の間で均等に離間されて配置されるが、任意の間隔で離間させることも可能である。
【0047】
ストレーナトレイ74は、一方の端壁42から延びて他方の端壁42に達する排水路40上に配置、すなわち排水路40内に取り付けられる。先に述べたように、ストレーナトレイ74は、固体または半固体廃棄物が排水路40に進入することを防止する格子76を有する。廃棄物が排水路40に進入すると、排水口18に落下して目詰まりが生じることがある。最終的な予防手段として、着脱式の排水バスケット78を排水口18に配置して、固体廃棄物が排水口18に落下したり、グリーストラップ(grease trap)等の下流における構成要素を目詰まりさせないようにすることも可能である。
【0048】
図1〜図5および図10と図13において、床格子24は、離間して平行に並んだ格子部材34からなり、これらの格子部材34は、横方向に離間して配置された格子部材34と結合される。格子部材34の間隔は、半固体と液体の廃棄物は通過できるが、所定寸法の廃棄物は通過できないように設定されていることが望ましい。先に述べたように、床格子24は、排水パン14の側壁26間に延びるように寸法が設定され、かつ構成される。排水パン14を形成するために用いられる材料と同様に、床格子24は、高強度材料から形成されてもよい。
【0049】
例えば、床格子24をガラス繊維から組み立てることも可能であり、そのような材料は、床板システムの清掃および床板格子24の清掃のために容易に取り外せるように軽量であり、さらにその上で作業および起立する職員を支えるために、構造的に極めて丈夫である。床格子24は、所定寸法の廃棄物の通過を十分防止できる、任意の材料かつ任意の構成で形成することが可能である。また、床格子24の組立てに用いられる材料は、業務用食器洗浄機等の業務用洗浄機器と適合性があるため、高温に持ち応えられることも意図されている。床板システム10の実施形態は、任意の寸法と形状からなってもよい。しかしながら、モジュール12の洗浄を促進するためには、排水パン14と床格子24の幅が洗浄機器と対応していることも意図されている。
【0050】
次に、図6と図7において、自動洗浄式床板システム10の第2の実施形態が示されており、該システムは、先に述べたように少なくとも1つのモジュール12を備えるが、端と端を結合した一連のモジュールを備えることが望ましい。各モジュール12は、1対の第1および第2傾斜部分50,52からなる排水パン部分66と、これら第1および第2傾斜部分50,52の間に配置される流路部分54とを備える。図6および図7に示すように、第1傾斜部分50は、流路部分54に対して相互に連結される第2傾斜部分52と結合される。流路部分54は、第1および第2傾斜部分50,52の各下方側面部分において、これらの傾斜部分を着脱可能に互いに連結するように構成されることが望ましい。
【0051】
図1〜図5における構成について述べたように、第1および第2傾斜部分50,52は、流路部分54に向かって下方に傾斜する。また、図6と図7において示すモジュール12は、少なくとも1つの放出ポート22を備える。この放出ポートは、第1および/または第2傾斜部分50上か、これらの傾斜部分に隣接して取り付けられることが望ましく、また、フラッシング液を第1および第2傾斜部分50,52それぞれに流れるように作動するため、廃棄物が第1および第2傾斜部分50,52から流路部分54へ向かい、その後、流路部分54から排水口18へ洗い流される。
【0052】
図6と図7において示す床板システム10の構成は、排水パン部分66が第1および第2傾斜部分50,52ならびに流路部分54からなることを除いて、図1〜図5に示した構成と類似する。さらに、図6と図7において示す排水パン部分66は、連続する排水パン部分66を組立てた後に、各モジュール12の両端に配置される端板64を備えることも可能である。
【0053】
例えば、図7において図示するように、端板64は、端と端が隣接する1対の排水パン部分66の末端に固定されてもよい。他の端板64は、2つの排水パン部分66を備えるモジュール12の反対端に隣接していてもよい。各排水パン部分66は、その端に排水口18を有する流路部分54を備える。流路部分54は、排水口18に向かって下方に傾斜することが望ましいが、必ずしもそうでなくてもよい。例えば、流路部分54は、傾斜せずに形成でき、水平に形成されてもよい。
【0054】
第1および第2傾斜部分50,52はそれぞれ、排水路40に向かって傾斜16部分の側壁26から延びる少なくとも1つのリブ部材46を備える。リブ部材46は、傾斜16部分の下に配置され、基板88上で傾斜16部分を支持するように構成されることが望ましい。図7において示すように、第1傾斜部分50は、第2傾斜部分52よりも幅が狭いが、第1と第2傾斜部分50,52が等しく構成されてもよい。
【0055】
複数の放出ポート22および/または噴射ノズル32は、第1と第2傾斜部分50,52の上方側面部分56に沿って配置されてもよい。少なくとも1つのストレーナトレイ74は、流路部分54の上に取り付けることが可能であり、所定寸法の廃棄物が排水路40に進入することを防止するように構成されてもよい。また、複数のストレーナトレイ74は、端と端が連結されて、各排水路40の上に取り付けることも可能である。ストレーナトレイ74は、いずれの寸法の廃棄物も排水口18へ洗い流されて、汚物集合タンクへ集められるように任意で省略することも可能である。
【0056】
排水パン組立体68、より詳細には、第2実施形態の排水パン部分66は、任意の寸法と形状からなってもよいが、第1傾斜部分50は市販の洗浄器具と適合するように寸法が設定され、同様に、第2傾斜部分52は洗浄し易い寸法に設定されることが意図されている。したがって、床格子24は、業務用洗浄機器と適合するように寸法が設定される。この点について、洗浄方法によっては、排水パン部分66および排水パン組立体68は、任意の寸法と任意の形状において形成されてもよい。
【0057】
図7において示すように、垂直に延びる格子支持体60は、床格子24を支持するために、第1および第2傾斜部分50,52に形成されてもよい。床格子24上に人が長時間立っていることのある業界では、長期間その上に立つ人の快適性を高め、床格子24においてある程度の柔軟性を可能にするために、このような格子支持体60を制限するか、同時に取り外してもよい。図示するように、排水パン部分66の1つには、格子支持体60の使用を省略しているが、端と端が結合される排水パン部分66の他の1つには、例示的に床格子支持体60を備える。
【0058】
次に、図13において、別の実施形態における床板システム10が示され、排水パン14が、コンクリート基板88等の基板88に形成または成形される。より詳細には、図13に示す床板システム10は、図1〜図5と図9〜図12の床板システム10について述べた特徴と同一または類似する特徴を有する排水パン14を備える。さらに詳細には、基板88により排水パン14の形状が成形され、基板88は、排水路40に向かって下方に傾斜する1対の傾斜部16を備え、排水路40は、排水口18に向かって下方に傾斜する。排水パン14は、基板88の上面で床格子24を支えるために、排水パン14の周囲に形成される周辺フランジ80により、排水パンの周縁部を形成する。
【0059】
図13において示すように、床板システム10はさらに、排水パン14の一部に沿って延び、かつ、傾斜部16の1つの隅部に形成されるマニホルド94を含む。マニホルド94は、傾斜部16の一部に沿って延び、傾斜部16上に配置されて、傾斜部16にフラッシング液を供給し、廃棄物を排水路40へ洗い流す。床板システム10はさらに、マニホルド94に対して連通可能、かつ、傾斜部16から排水路40に向かってフラッシング液を噴射するように動作可能な噴射ノズル32を含む。しかしながら、噴射ノズル32を省略することも可能であり、これに代えて、開口部38をマニホルド94に形成して、フラッシング液を放出するポートを形成し、傾斜部16から下方にフラッシング液を噴射することも可能である。
【0060】
本発明の床板システム10を形成する成形コンクリートシステムは、上述した用途と業界の任意において使用するために開発可能である。例えば、成形コンクリートシステムは、乳製品製造所、食肉加工工場、厩舎および他の施設において、ならびに大型動物と接するために、通常、激しい損耗に耐える用途において使用することが可能である。図13に示す床板システム10に使用される成形コンクリートシステムの他の用途には、養鶏場、救急処置室、機械工場、無菌室、印刷施設、調理工場や他の産業施設が含まれる。さらに、本発明の床板システム10は、動物処理施用の移行領域において使用することも可能である。
【0061】
例えば、本発明の床板システム10は、飼料作業場と酪農搾乳ステーションとの間で使用されてもよい。この点に関して、床板システム10は、特定の移行領域において設置でき、さらに床板システム10を通過する家畜の蹄によって作動可能な地上噴射要素を備えることも可能である。噴射要素が作動すると、家畜が酪農搾乳ステーションに入っていくときに、流体が家畜の蹄に噴射され、不都合な残留物(例えば、肥料)が家畜の蹄から床板システム10へ洗い流される。作動機構は、噴射要素を作動するために、床板システム10に含まれてもよい。そのような作動機構は、家畜の蹄によって作動する赤外線として構成されてもよい。
【0062】
床板システム10の成形コンクリートシステムについて上述した最初の用途に関して、通常、傾斜部16からフラッシング液を洗い流すために用いられるマニホルド94および/または噴射ノズル32および/または放出ポート22は、家畜が床板システム10を横断するときに、家畜の蹄に噴射するために用いることも可能である。このように、家畜の蹄から家畜置場で付着した余計な堆積物や肥料を洗い流すことによって、床板システム10が設置された施設の衛生状態と清浄性が向上する。
【0063】
すでに述べたように、乳製品製造所において、床板システム10は、回転式搾乳システム等の搾乳施設に乳牛を誘導するときに、乳牛の蹄に噴射するように構成することも可能である。有利なことに、図13に示すような床板システム10は、排水パン14がコンクリート基板88等の基板88に直接形成される現場注型システムとして設置される。理想的には、排水パン14は、排水口18に向かって延びる排水路40を介して設置されるべき領域に配置される。さらに、そのような用途のための床格子24は、牛のような大型の家畜の重量に耐えるように適切な寸法および構成をなすことも可能である。この点に関して、床格子24は、荷重負担能力を増加させるため、5.08cm(2インチ)等の厚さにすることも可能である。図13に示すように、重荷重に対してさらに支持材を構成するために、床格子支持体60を備えることも可能である。
【0064】
図13に示すように、排水パン14は、排水パン14の形状をくり返し形成するオス型として構成される着脱式インサートを用いることによって、基板88に形成されてもよい。図13は、二分した排水パンの片方の設置状態を示し、別の片方は、垂直中心線に沿って対称的に形成される。しかしながら、排水パンは、非対称的に設置されてもよい。すでに述べたように、オス型は、理想的には、側壁26、格子支持ノッチ82、傾斜部16および排水路40等の排水パンに関して上記した特徴を含む。
【0065】
着脱式インサートは、好ましくは一体型フォーム部材として成型されるフォーム材料(foam material)からなってもよい。あるいは、着脱式インサートは、コンクリート基板88等の基板88の床張りに先だって設置される場合に、排水パン14の形状を集合的に成形する個別の部材である一連のフォームインサート92として成型されるフォーム材料からなってもよい。床板システム10の設置は、まず、排水口18を基準にして排水パン14を配置かつ設置することによって行われ、排水口18が排水パン14のほぼ中央に位置する。
【0066】
フォーム(foam)は、排水パン14の形状で配置され、その後で、コンクリートがそのインサート部の周囲に注入される。コンクリートの硬化の直前または硬化後に、フォームインサート92が除去される。その後、コンクリートは最終的に硬化される。図13に示すように、凹部が傾斜部16に形成され、傾斜部16に沿って縦方向に延びるマニホルド94を受容する。マニホルド94は、フラッシング液供給源に連結されて、傾斜部16から下方へ向かってフラッシング液を噴射する。格子支持ノッチ82は、側壁26に形成され、特に、床格子24を支持するために、床格子24の厚さと相補性を有するように構成される。
【0067】
次に、図14および図15において、配管システム96を説明する概略図が示され、このシステムは本発明の床板システム10に対して連結可能である。図14は、床板システム10の単一部分に設置された一連の放出ポート22および/または噴射ノズル32に対して互いに連結される配管システム96を示す。図14において、床板システム10は、端と端が結合された2つのモジュール12を含み、各モジュール12は、6つの放出ポート22および/または噴射ノズル32を有する。床板システム10の一側面にある噴射ノズル32は直列に連結される。図14の概略図は、4〜16個の噴射ノズル32を備える床板システム10に対して適切な組立体を例示する。
【0068】
図15は、別の実施形態における配管システム96を示す概略図であり、1対の床板システム10が並列して配管システム96に対して互いに連結される。より詳細には、配管システム96は、上下に配置されたように図15において示される第1床板システム10および第2床板システム10へフラッシング液を供給する。図14に示す床板システム10は、図15の床板システム10対の一方に類似している。フラッシング液は、給水配管100によって供給されてもよい。そのような給水は、標準供給配管100において約1.27cm(1/2インチ)の径を有する冷水供給配管100により行われてもよい。しかしながら、配管システム96が、1.90cm(3/4インチ)の径を有する給水配管100を備えてもよい。
【0069】
給水は任意の圧力レベルで行われるが、給水配管100の最小静圧は、約2.84mHg(55PSI)であることが望ましい。しかしながら、一定の水圧が、床板システム10に付与されることが望ましく、床板システム10に含まれる噴射ノズル32および/または放出ポート22の数に応じて、相補的な給水配管100の径と圧力レベルが提供されるべきである。これらの配管に沿って、床板システム10と配管システム96に適当量の圧力を加えるため、圧力タンク72等の圧力供給源を配管システム96に備えることも可能である。さらに、配管システム96は、フラッシング液供給の圧力レベルを増加させるために、ポンプを備えることも可能である。
【0070】
図14に示すように、フラッシング液は、電源喪失等の特定の環境下で動作可能なように遮断弁102に通じる供給配管100を介して供給される。また、同図において、フラッシング液の逆流を防ぐため、圧力タンク72と遮断弁102との間に介在するチェック弁104が示される。圧力タンク72の下流には、ソレノイド弁106を備えることも可能である。
【0071】
この弁は、タイマー70または手動式スイッチで制御することができる。床板システム10に至る供給配管100は、床板システム10に適当な流量のフラッシング液を供給するためには、1.90cm(3/4インチ)径の供給配管100であることが望ましい。各床板システム10は、配管システム96に連結するため、その一端に配置されるヘッダ98を有してもよい。図14に示すように、床板システム10の両側面の一方にある各噴射ノズル32は、直列に連結されることが望ましい。一連の放出ポート22および/または噴射ノズル32各々の末端にキャップを設けることも可能である。
【0072】
図15は、並列に設置された1対の床板システム10を示す概略図である。配管システム96は、水等のフラッシング液を各床板システム10に供給する。図15に示す構成要素は、上記した図14の構成要素と類似している。しかしながら、1対のソレノイド弁106は、供給配管100の分岐点に設けられる。特に、放出ポート22および/または噴射ノズル32を直列に連結する代わりに、図15では、3つの噴射ノズル32が別の3つの噴射ノズル32と互いに並列に連結される他の構成を示す。キャップは、一連の3つの噴射ノズル32それぞれの末端に形成されてもよい。
【0073】
排水口18からの排液に関して、少なくとも7.62cm(3インチ)径の廃棄物導管を各床板システム10に連結するために、7.62cm(3インチ)径の結合部を使用することも可能である。すでに述べたように、排水口18は、グリーストラップに通じていてもよい。タイマー70とソレノイドは、床板システム10において任意に備えることができ、手動式または自律的に操作することが可能である。タイマー70システムは、フラッシング液の噴霧頻度において操作者がさらに制御できるように、手動制御機能を備えることも可能である。
【0074】
圧力タンク72に関して、各圧力タンク72は、約1.551〜1.810mHg(30〜35PSI)に加圧可能な、約11.36〜15.14l(3〜4ガロン)のフラッシング液を生成するため、約22.71リットル(6ガロン)のフラッシング液を含有する容積を備えることも可能である。さらに、別の弁は、圧力タンク72が作動する動作圧力の制御を行うために、圧力タンク72に形成することも可能である。すでに述べたように、業務用脱脂剤や他の添加剤を、必要に応じて、図14と図15に示すような配管システム96供給配管100に注入することも可能である。
【0075】
次に、床板システム10の動作を図1〜図15を参照して説明する。図1〜図2における床板システム10は、まず、床板システム10を取り付ける面に排水パン14を配置して設置される。すでに述べたように、このような面は、床板システム10が設置される他の構成が考えられるが、コンクリート床板基板88または鋼鉄製甲板材料の構成を含むことも可能である。図14〜図15において示すように、配管システム96を結合した後に、配管システム96を作動させてフラッシング液を圧力タンク72へ供給し、その後、一連の放出ポート22および/または噴射ノズル32へ送る。
【0076】
このような動作は、タイマー70による自発的なものであっても、適当な職員による手動によるものであってもよい。使用中、廃棄物は床格子24上に落下し、床格子を通過して傾斜部16に落ちる。適当な間隔で、または手動で動作する際に、フラッシング液が傾斜部16に放出され、ストレーナトレイ74が設置されている場合はストレーナトレイ74へ廃棄物を洗い流す。ストレーナトレイ74の格子は、所定寸法の廃棄物が排水路40内に進入するのを防ぐ。フラッシング液は、廃棄物を排水口18に向かって積み重ねる。排水バスケット78を追加することによって、排水口18にそのような廃棄物が進入することと、グリーストラップの目詰まりをさらに防ぐ。
【0077】
図3〜図7における排水パン組立体68モジュール12では、第1および第2傾斜部分50,52に対して流路部分54を互いに結合し、排水パン部分66の隣接する結合部に端板64を固定した後で、配管系統が相互に連結される。床板システム10の動作と保守は、図1〜2を参照して以下に述べるものと類似している。図13において例示する床板システム10では、排水パン14の設置は、現場で用意されるフォームインサート92を使用して行われる。次に、コンクリート基板88がその周囲に流し込まれる。フォームインサート92の除去とコンクリート基板88の形成によって、図1〜図7について上記したものと類似した特徴を備える排水パン14が形成される。側壁26に床格子24が設置されると、廃棄物は、床格子24に落下し、上記した方法と類似した方法で排水口18へ洗い流される。
【0078】
床格子24を取り外し、手動によってホースで水をかけるか、施設において利用できる洗浄器具を用いて洗浄して、床板システム10の保守管理を行うことも可能である。例えば、業務用厨房において、床格子24は、いつでも再設置できるように業務用食器洗浄機で毎日洗浄される。業務用油性洗浄剤をフラッシング液に含めてもよく、集積したグリースを除去するために、洗浄を行う前に格子76上に手で噴霧してもよい。傾斜部16と排水路40においてグリースの集積を防ぐために、他の化学薬品や添加剤が供給配管100に注入されてもよい。これと同様に、ストレーナトレイ74および排水バスケット78を洗浄かつ点検してもよい。
【0079】
洗浄サイクルと交換を監視し易くするために、様々な色の床格子24を利用することも可能である。例えば、1つの色の床格子24を偶数の仕切り部分に使用して、別の色の床格子24を奇数の仕切り部分に使用することも可能である。床格子24を取り外す際に、放出ポート22および/または噴射ノズル32は、噴射ノズル32が傾斜部16から下方へ確実に均一に噴射するように、整列状態を点検して調整することも可能である。さらに、圧力タンク72、遮断弁102、ソレノイド弁106および供給配管100等の配管システム96の様々な構成要素が点検される。
【0080】
上記の説明は、例示を目的として行われるものであり、これに限定されるものではない。上記の開示により、当業者は本明細書において開示される発明の範囲内にある変形物を考案することができる。さらに、本明細書において開示される実施形態の様々な特徴は、単独で、あるいは互いに様々に組み合わせて使用でき、さらに本明細書において記載の具体的な組み合わせに限定しようとするものではない。したがって、請求項の範囲は、例示の実施形態によって限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】床板システムを構成する水平方向において隣接して配置されたモジュールの連結関係を例示する第1実施形態における床板システムの斜視図。
【図2】モジュールおよび、該モジュールを構成する排水パンと床格子との関係を例示する、図1の床板システムの組立分解斜視図。
【図3】排水路に向かって下方に傾斜する傾斜部を例示する、図1の3−3線におけるモジュールの縦断面図。
【図4】モジュールの側壁内に配置された噴射ノズルの連結関係を例示する、図3のモジュールの拡大部分断面図。
【図5】排水口に向かって下方に傾斜する排水路を例示する、図1の5−5線における第1実施形態のモジュールの断面図。
【図6】排水パン組立体を構成する床格子と、水平方向に隣接して配置される排水パン部分との連結関係を例示する、第2実施形態における床板システムの斜視図。
【図7】第2実施形態の排水パン部分を構成する第1および第2傾斜部分と流路部分との連結関係を例示する、図6の床板システムの組立分解斜視図。
【図8】本発明のモジュールに接続された加圧タンクとタイマーを示すブロック図。
【図9】排水パンがその一端に位置する排水口に向かって単独で傾斜する排水路を含む、床板システムを示す斜視図。
【図10】コンクリート基板に設置された排水パンを例示する、図9の10−10線おけるモジュールの断面図であって、排水パンは、排水パンを支持するためにその周縁部に沿って形成された周辺フランジを含む。
【図11】傾斜部において設置された噴射ノズルの配置を例示する、図9のモジュールの平面図。
【図12】排水口に向かって排水パンの一端から他端に傾斜する排水路を例示する、図9のモジュールの側面図。
【図13】さらに別の実施形態における床板システムを示す部分断面図であって、排水パンはコンクリート基板内へ現場注型され、マニホルドは傾斜部の一つに配置されて、噴射ノズルに対して連通される。
【図14】一実施形態における配管システムを示す概略図であって、配管システムは、床板システムの単式部分において設置された一連の噴射ノズルと相互に連結される。
【図15】別の実施形態における配管システムを示す概略図であって、配管システムは、床板システムの複式部分と相互に連結される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのモジュールを含む自動洗浄式床板システムであって、該モジュールは、
少なくとも1つの傾斜部と1つの排水口を有する排水パンと、該傾斜部は該排水口に向かって下方へ傾斜することと、
該排水パンの周縁部の少なくとも一部を形成する少なくとも1つの側壁と1つの端壁とを備え、該端壁は、少なくとも1つの流入口を有し、該側壁は、該流入口からフラッシング液を受容し、かつ該傾斜部から該排水口に向かってフラッシング液を流すように構成された少なくとも1つの放出ポートを有することとを特徴とする自動洗浄式床板システム。
【請求項2】
前記モジュールを複数備え、該複数のモジュールの各々は、水平方向に整列して互いに連結可能に構成される請求項1に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項3】
前記側壁は貫通して延びる中空通路を備え、該中空通路は、前記流入口に対して連通させられ、かつ、前記放出ポートにフラッシング液を運ぶように構成されることを特徴とする請求項1に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項4】
前記排水口に隣接して配置され、かつ、固体廃棄物が該排水口に進入しないように作動する着脱式排水バスケットをさらに備える請求項1に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項5】
前記モジュールは、前記排水パンに取り付けられた少なくとも1つの床格子をさらに備え、該床格子は、その上に立つ職員を支持するように構成され、かつ、廃棄物がそこを通過できることを特徴とする請求項1に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項6】
前記モジュールは、前記排水路の上に取り付けられ、かつ、所定寸法の廃棄物が該排水路に進入することを防ぐように構成される少なくとも1つのストレーナトレイをさらに備える請求項1に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項7】
前記排水パンは、その周縁部に沿って延び、かつ、該排水パンを支持するように構成される周辺フランジを備える請求項1に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項8】
前記流入口に対して連通され、かつ、該流入口へ加圧されたフラッシング液を運ぶように構成される少なくとも1つの圧力タンクをさらに備える請求項1に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項9】
少なくとも1つのモジュールを含む自動洗浄式床板システムであって、該モジュールは、
1対の傾斜部分と、これらの傾斜部分の間に配置された流路部分とを備える排水パン部分と、該流路部分は、着脱可能に該傾斜部分を互いに連結するように構成され、排水口に向かって下方へ傾斜することと、
該傾斜部分はそれぞれ、該流路部分に向かって下方へ傾斜するように配向させられることと、
該傾斜部分に隣接して取り付けられ、かつ、廃棄物が該傾斜部分から下方へ向かって該流路部分へ達し、該流路部分から該排水口へ洗い流されるように、該傾斜部分にフラッシング液を噴射するように作動する少なくとも1つの放出ポートとを備える自動洗浄式床板システム。
【請求項10】
前記排水口は前記流路部分の一端に隣接して設置され、該流路部分は該排水口に向かって下方へ傾斜する請求項9に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項11】
少なくとも1つの端板をさらに備え、各モジュールは、端と端が連結され、かつ、少なくともその一端に取り付けられる端板を有する複数の排水パン部分を備える請求項9に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項12】
前記傾斜部分および前記流路部分は、別個の構成要素として構成される請求項11に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項13】
前記モジュールを複数備え、該複数のモジュールの各々は、互いに端と端が連結可能に構成される請求項9に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項14】
前記傾斜部分の各々は、その下方に配置され、かつ、該傾斜部分を基板上で支持するように構成される少なくとも1つのリブ部材を備える請求項9に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項15】
前記モジュールは、前記排水パン部分上に取り付けられた少なくとも1つの床格子をさらに備え、該床格子は、その上に立つ職員を支持するように構成され、かつ、廃棄物がそこを通過できることを特徴とする請求項9に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項16】
前記モジュールは、前記流路部分に取り付けられ、かつ、所定寸法の廃棄物が前記排水路に進入しないように構成される少なくとも1つのストレーナトレイをさらに備える請求項9に記載の自動洗浄式床板システム。
【請求項17】
基板に形成される自動洗浄式床板システムであって、
排水路に向かって下方へ傾斜する1対の傾斜部を有する排水パンと、該排水路は、排水口に向かって下方へ傾斜し、該排水パンは、その周囲に延びる周辺フランジによって周縁部を画定することと、
該排水パンの一部に沿って延び、かつ、該傾斜部の少なくとも一方に配置されるマニホルドと、
該マニホルドに対して連通され、かつ、フラッシング液を該傾斜部から該排水路に向かって、さらに該排水口へ向かって噴霧するように作動する噴射ノズルとを備える自動洗浄式床板システム。
【請求項18】
前記基板はコンクリートである請求項17に記載のモジュール。
【請求項19】
前記排水パンは、オス型として構成される着脱式インサートを用いて前記基板に形成される請求項17に記載のモジュール。
【請求項20】
前記インサートは、フォーム材料である請求項17に記載のモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2009−506235(P2009−506235A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527889(P2008−527889)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/002378
【国際公開番号】WO2007/024256
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(506403879)サニ−フロア インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Sani−Floor Incorporated
【住所又は居所原語表記】79150 Ocotillo Drive, La Quinta, California 92253, U.S.A.
【Fターム(参考)】