説明

自動販売機

【課題】電磁弁がラッチ式つまり通電する最初の数秒間のみ通電それ以降はマグネットを励磁するタイプにおいて、電磁弁のマグネットが引かない等の異常時に電磁弁に通電し不冷を解消し、省エネできる自動販売機を提供する。
【解決手段】電磁弁の異常検知をする圧縮機吸い込み管温度検知手段25と圧縮機動作時に電磁弁に通電する第一の電磁弁通電開始手段26と、第一の電磁弁通電開始手段26で設定された温度を記憶する記憶部27と、圧縮機吸い込み管温度検知手段25で検知した温度と記憶部27に記憶された温度を比較し、電磁弁の通電の指示信号を出す制御部29を構成することで、第一圧縮機の動作時間に電磁弁がラッチ式タイプでマグネットが外部の衝撃等で引かずに冷媒が流れずに不冷状態になる場合に、高圧側冷却用電磁弁と低圧側冷却用電磁弁の通電をし、電磁弁の異常状態を解消でき、電磁弁の異常状態のみ通電を追加することで省エネができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品収納装置に収納された商品を冷却または加温して商品を販売するようにした自動販売機に関し、特に冷却装置の電磁弁制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動販売機の冷却装置の電磁弁制御装置として圧縮機にスイッチを採用しているものがあった(特許文献1参照)。
【0003】
図13は前記文献に記載された従来の自動販売機の冷却装置の電磁弁制御装置のブロック図を示すものである。図13において、圧縮機リレー1が停止した時には、圧縮機リレー1の常閉接点がONすることにより、これに接続された電磁弁2を強制的に励磁し、この電磁弁2にかかる逆圧による異常音を防止すると共に、温度により作動する圧縮機4に取り付けた第2スイッチ3により電磁弁2を数分後にOFFするものがあった。
【特許文献1】特開昭62−10566号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、圧縮機停止時における電磁弁の通電時間が長く、電磁弁の消費電力量が多くなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、圧縮機の運転時間に圧縮機の吸い込み管温度を検知し、特に電磁弁がラッチ式(通電する最初の数秒間のみ通電し、それ以降はマグネットを励磁するタイプ)で外部の衝撃等でマグネットを引かずに冷媒が流れず、不冷状態になるような異常状態の検知をした場合、電磁弁に通電して電磁弁のマグネットを引き、冷媒を流れるようにし、異常時以外には電磁弁の通電を電磁弁のマグネットを励磁するタイミングのみ通電し電磁弁の通電時間を短くし電磁弁の省エネができ、電磁弁の異常状態による不冷を解消できる自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の自動販売機は、商品を収納する断熱構造の収納室と、前記収納室内を冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置は圧縮機と電磁弁と庫内送風用電動機と凝縮器送風用電動機と圧縮機吸い込み管温度検知手段と、圧縮機動作時に前記電磁弁に通電する第一の電磁弁通電開始手段と、前記第一の電磁弁通電開始手段で設定された温度を記憶する記憶部と、前記圧縮機吸い込み管温度検知手段で検知した温度と前記記憶部に記憶された温度を比較し、前記電磁弁の通電の指示信号を出す制御部を構成することで、圧縮機の運転時間に圧縮機の吸い込み管温度を検知し、電磁弁の異常時の検知をした場合、電磁弁に通電して電磁弁のマグネットを引き、冷媒を流れるようにし、異常時以外には電磁弁の通電を電磁弁のマグネットを励磁するタイミングのみ通電し電磁弁の通電時間を短くし電磁弁の省エネができ、不冷状態になることを防止できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の自動販売機は、圧縮機の運転時間に圧縮機の吸い込み管温度を検知し、電磁弁の異常時の検知をした場合、電磁弁に通電して電磁弁のマグネットを引き、冷媒を流れるようにし、異常時以外には電磁弁の通電を電磁弁のマグネットを励磁するタイミングのみ通電し電磁弁の通電時間を短縮し、電磁弁の消費電力量を削減することができ、不冷状態になることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
請求項1に記載の発明は、商品を収納する断熱構造の収納室と、前記収納室内を冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置には圧縮機と電磁弁と庫内送風用電動機と凝縮器送風用電動機と圧縮機吸い込み管温度検知手段が備えられ、圧縮機動作時に前記電磁弁に通電する第一の電磁弁通電開始手段と、前記第一の電磁弁通電開始手段で設定された温度を記憶する記憶部と、前記圧縮機吸い込み管温度検知手段で検知した温度と前記記憶部に記憶された温度を比較して、前記電磁弁への通電の指示信号を出す制御部から構成することで、圧縮機の運転時間に圧縮機の吸い込み管温度を検知し、電磁弁の異常時の検知をした場合、電磁弁に通電して電磁弁のマグネットを引き、冷媒を流れるようにし、異常時以外には電磁弁の通電を電磁弁のマグネットを励磁するタイミングのみ通電し電磁弁の通電時間を短くし電磁弁の省エネができ、不冷状態になることを防止できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、冷却器温度検知手段と、圧縮機動作時に前記電磁弁に通電する第二の電磁弁通電開始手段と、前記第二の電磁弁通電開始手段で設定された温度を記憶する記憶部と、前記冷却器温度検知手段で検知した温度と前記記憶部に記憶された温度を比較し、前記電磁弁の通電の指示信号を出す制御部を設けることにより、圧縮機の運転時間に冷却器の温度を検知し、電磁弁の異常時の検知をした場合、電磁弁に通電して電磁弁のマグネットを引き、冷媒を流れるようにし、異常時以外には電磁弁の通電を電磁弁のマグネットを励磁するタイミングのみ通電し電磁弁の通電時間を短くし電磁弁の省エネができ、不冷状態になることを防止できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、電磁弁の動作時間間隔を設定する第三の電磁弁通電開始手段と、前記第三の電磁弁通電開始手段で設定された時間を記憶する記憶部と、前記圧縮機通電開始からの時間を計測するタイマーと、前記タイマーで計測した時間と前記記憶部に記憶された時間を比較し、前記電磁弁の通電の指示信号を出す制御部を設けることにより、電磁弁の開動作すべき条件において定期的に電磁弁の通電をすることで、不冷状態になることを防止できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、電磁弁出口温度検知手段と、圧縮機動作時に前記電磁弁に通電する第四の電磁弁通電開始手段と、前記第四の電磁弁通電開始手段で設定された温度を記憶する記憶部と、前記電磁弁出口温度検知手段で検知した温度と前記記憶部に記憶された温度を比較し、前記電磁弁の通電の指示信号を出す制御部を設けることにより、圧縮機の運転時間に電磁弁出口の温度を検知し、電磁弁の異常時の検知をした場合、異常の検知をした電磁弁に通電して電磁弁のマグネットを引き、冷媒を流れるようにし、異常時以外には電磁弁の通電を電磁弁のマグネットを励磁するタイミングのみ通電し電磁弁の通電時間を短くし電磁弁の省エネができ、不冷状態になることを防止できる。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による自動販売機の側面断面図である。図2は、同実施の形態の自動販売機の下部に形成されている機械室の平面図である。図3は、同実施の形態の自動販売機の冷却器接続をイメージした斜視図である。図4は、同実施の形態の自動販売機のブロック図である。図5は、同実施の形態の自動販売機の動作を示すフローチャートである。
【0013】
図1において収納室5は断熱材により半密閉構造となっている。収納棚6は販売される商品を冷却保存するものである。庫内送風用電動機7は収納棚6に収納されている商品を温度のばらつきなく冷気を循環させるものである。冷却器8は収納棚6に収納された商品を冷却する。凝縮器9と凝縮器送風用電動機10と圧縮機4が機械室11に配置されており、それらで冷却装置12が形成されている。また、収納室5は加温装置(図示せず)により商品を加温保存に切り替えることもできる。機械室11は収納室5と隔離され、本体の下部に形成されている。
【0014】
図2、図3において機械室11は、冷却器8と環状に接続される第一圧縮機13と第一熱交換器14と冷媒の流路を切り替える電磁弁15などで構成される冷却加温サイクル、また冷却器16、17と環状に接続される第二圧縮機18と第二熱交換器19と冷却器16、17への流路を切り替える三方弁20などで構成された冷却サイクルとなっている。電磁弁15は四つの電磁弁で構成されており、収納室5が冷却される時、冷媒流路として開かれる高圧側冷却用電磁弁21と低圧側冷却用電磁弁22を備え、収納室5が加温される時、冷媒流路として開かれる高圧側加温用電磁弁23と低圧側加温用電磁弁24からなり、また第一圧縮機13の吸い込み配管の温度を検知する圧縮機吸い込み管温度検知手段25を備えている。
【0015】
以上のように構成された自動販売機についてその動作を説明する。
【0016】
収納棚6に収納された商品を冷却する場合、冷却装置12の運転を行い、冷却器8で冷却された冷気を庫内送風用電動機7により循環され、冷風は収納棚6に収納された商品を冷却し、再度冷却器8へ戻り冷却を繰り返す。このとき、高圧側冷却用電磁弁21と低圧側冷却用電磁弁22に通電される。
【0017】
また収納棚6に収納された商品を加温する場合、高圧側加温用電磁弁23と低圧側加温用電磁弁24に通電することで、冷却器8を凝縮器としてまた第一熱交換器14を冷却器としてサイクルを形成する。
【0018】
これらの電磁弁15がラッチ式すなわち、電磁弁内部のマグネットを励磁する最初の数秒間のみ通電するタイプのものも設けることができる。
【0019】
図4において、各ブロックは第一圧縮機13の吸い込み配管の温度を検知する圧縮機吸い込み管温度検知手段25、電磁弁の通電開始の温度を設定する第一の電磁弁通電開始手段26、第一の電磁弁通電開始手段26で設定した温度を記憶する記憶部27、圧縮機吸い込み管温度検知手段25と記憶部27の信号を受ける演算部28、演算部28からの信号により第一のリレー30、第二のリレー31を制御する制御部29から構成されている。
【0020】
さらに、第一のリレー30には第一の接点32が対応しており、電源34とのライン間に高圧側冷却用電磁弁21が接続されている。第二のリレー31には第二の接点33が対応しており、電源34とのライン間に低圧側冷却用電磁弁22が接続されている。
【0021】
以上のように構成された自動販売機について図5でその動作を説明する。
【0022】
第一圧縮機13が運転中における電磁弁15の開動作条件でSTEP1では、第一の電磁弁通電開始手段26で通電開始温度A1を設定する。設定された通電開始温度A1は記憶部27に記憶される。
【0023】
STEP2では、演算部28が圧縮機吸い込み管温度検知手段で検知した温度a1がSTEP1で設定した通電開始温度A1以上と判断したとき、制御部29は第一のリレー30を励磁し第一の接点32を閉じSTEP3で高圧側冷却用電磁弁21の通電を開始し、第二のリレー31を励磁し第二の接点33を閉じ、STEP3で低圧側冷却用電磁弁22の通電を開始する。
【0024】
STEP4では、演算部28が圧縮機吸い込み管温度検知手段で検知した温度a1がSTEP1で設定した通電開始温度A1以下と判断したとき、制御部29は第一のリレー30を励磁し第一の接点32を開きSTEP5で高圧側冷却用電磁弁21の通電を停止し、第二のリレー31を励磁し第二の接点33を開き、STEP5で低圧側冷却用電磁弁22の通電を停止する。
【0025】
このように構成された自動販売機は、第一圧縮機13の動作時間に電磁弁15がラッチ式タイプでマグネットが外部の衝撃等で引かずに冷媒が流れずに不冷状態になる場合に、高圧側冷却用電磁弁21と低圧側冷却用電磁弁22の通電をし、電磁弁の異常状態を解消でき、電磁弁の異常状態のみ通電を追加することで省エネができる。
【0026】
また、収納棚6に収納された商品を加温する場合においては、高圧側冷却用電磁弁21と低圧側冷却用電磁弁22の通電開始と停止の制御をそれぞれ高圧側加温用電磁弁23と低圧側加温用電磁弁24の通電開始と停止の制御に変えて同様に第一圧縮機13の動作時間に電磁弁15がラッチ式タイプでマグネットが外部の衝撃等で引かずに冷媒が流れずに不冷状態になる場合に、高圧側加温用電磁弁23と低圧側加温用電磁弁24の通電をし、電磁弁の異常状態を解消でき、電磁弁の異常状態のみ通電を追加することで省エネができる。
【0027】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における自動販売機のブロック図である。図7は、同実施の形態の自動販売機の動作を示すフローチャートである。
【0028】
図6において、各ブロックは冷却器8の配管温度を検知する冷却器温度検知手段35、電磁弁の通電開始の温度を設定する第二の電磁弁通電開始手段36、第二の電磁弁通電開始手段36で設定した温度を記憶する記憶部27a、冷却器温度検知手段35と記憶部27aの信号を受ける演算部28a、演算部28aからの信号により第一のリレー30、第二のリレー31を制御する制御部29aから構成されている。
【0029】
さらに、第一のリレー30には第一の接点32が対応しており、電源34とのライン間に高圧側冷却用電磁弁21が接続されている。第二のリレー31には第二の接点33が対応しており、電源34とのライン間に低圧側冷却用電磁弁22が接続されている。
【0030】
以上のように構成された自動販売機について図7でその動作を説明する。
【0031】
第一圧縮機13が運転中における電磁弁15の開動作条件でSTEP1では、第二の電磁弁通電開始手段36で通電開始温度B1を設定する。設定された通電開始温度B1は記憶部27aに記憶される。
【0032】
STEP2では、演算部28aが冷却器温度検知手段35で検知した温度b1がSTEP1で設定した通電開始温度B1以上と判断したとき、制御部29aは第一のリレー30を励磁し第一の接点32を閉じSTEP3で高圧側冷却用電磁弁21の通電を開始し、第二のリレー31を励磁し第二の接点33を閉じ、STEP3で低圧側冷却用電磁弁22の通電を開始する。
【0033】
STEP4では、演算部28aが冷却器温度検知手段35で検知した温度b1がSTEP1で設定した通電開始温度B1以下と判断したとき、制御部29aは第一のリレー30を励磁し第一の接点32を開きSTEP5で高圧側冷却用電磁弁21の通電を停止し、第二のリレー31を励磁し第二の接点33を開き、STEP5で低圧側冷却用電磁弁22の通電を停止をする。
【0034】
このように構成された自動販売機は、第一圧縮機13の動作時間に電磁弁15がラッチ式タイプでマグネットが外部の衝撃等で引かずに冷媒が流れずに不冷状態になる場合に、高圧側冷却用電磁弁21と低圧側冷却用電磁弁22の通電をし、電磁弁の異常状態を解消でき、電磁弁の異常状態のみ通電を追加することで省エネができる。
【0035】
また、収納棚6に収納された商品を加温する場合においては、冷却温度検知手段35を第一熱交換器14に取り付けることで、電磁弁15の異常を検知し、またさらに高圧側冷却用電磁弁21と低圧側冷却用電磁弁22の通電開始と停止の制御をそれぞれ高圧側加温用電磁弁23と低圧側加温用電磁弁24の通電開始と停止の制御に変えて同様に第一圧縮機13の動作時間に電磁弁15がラッチ式タイプでマグネットが外部の衝撃等で引かずに冷媒が流れずに不冷状態になる場合に、高圧側加温用電磁弁23と低圧側加温用電磁弁24の通電をし、電磁弁の異常状態を解消でき、電磁弁の異常状態のみ通電を追加することで省エネができる。
【0036】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3における自動販売機のブロック図である。図9は、同実施の形態の自動販売機の動作を示すフローチャートである。
【0037】
図8において、各ブロックは第一圧縮機13の動作開始から停止まで時間を計測するタイマー37、電磁弁の通電開始の時間間隔を設定する第三の電磁弁通電開始手段38、第三の電磁弁通電開始手段38で設定した温度を記憶する記憶部27b、タイマー37と記憶部27bの信号を受ける演算部28b、演算部28bからの信号により第一のリレー30、第二のリレー31を制御する制御部29bから構成されている。
【0038】
さらに、第一のリレー30には第一の接点32が対応しており、電源34とのライン間に高圧側冷却用電磁弁21が接続されている。第二のリレー31には第二の接点33が対応しており、電源34とのライン間に低圧側冷却用電磁弁22が接続されている。
【0039】
以上のように構成された自動販売機について図9でその動作を説明する。
【0040】
第一圧縮機13が運転中における電磁弁15の開動作条件でSTEP1では、第三の電磁弁通電開始手段38で通電開始時間間隔C1を設定する。設定された通電開始時間間隔C1は記憶部27bに記憶される。
【0041】
STEP2では、演算部28bがタイマー37で計測した時間c1がSTEP1で設定した通電開始時間感覚C1以上と判断したとき、制御部29bは第一のリレー30を励磁し第一の接点32を閉じSTEP3で高圧側冷却用電磁弁21の通電を開始し、第二のリレー31を励磁し第二の接点33を閉じ、STEP3で低圧側冷却用電磁弁22の通電を開始する。
【0042】
STEP4では、第一圧縮機13が運転動作継続ならばSTEP5でタイマー37の計測時間をリセットし再度STEP2の動作に戻る。
【0043】
このように構成された自動販売機は、第一圧縮機13の動作時間に電磁弁15がラッチ式タイプでマグネットが外部の衝撃等で引かずに冷媒が流れずに不冷状態になる場合に、高圧側冷却用電磁弁21と低圧側冷却用電磁弁22の通電をし、電磁弁の異常状態を解消でき、電磁弁の異常状態のみ通電を追加することで省エネができる。
【0044】
また、収納棚6に収納された商品を加温する場合においては、高圧側冷却用電磁弁21と低圧側冷却用電磁弁22の通電開始と停止の制御をそれぞれ高圧側加温用電磁弁23と低圧側加温用電磁弁24の通電開始と停止の制御に変えて同様に第一圧縮機13の動作時間に電磁弁15がラッチ式タイプでマグネットが外部の衝撃等で引かずに冷媒が流れずに不冷状態になる場合に、高圧側加温用電磁弁23と低圧側加温用電磁弁24の通電をし、電磁弁の異常状態を解消でき、電磁弁の異常状態のみ通電を追加することで省エネができる。
【0045】
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4における自動販売機の機械室の構成図である。図11は、同実施の形態の自動販売機のブロック図である。図12は、同実施の形態の自動販売機の動作を示すフローチャートである。
【0046】
図10において電磁弁15は三つの電磁弁で構成されており、それぞれの電磁弁に対して一つずつの冷却器8、冷却器16、冷却器17が接続されている。
【0047】
図11において、各ブロックは電磁弁15の出口配管温度を検知する電磁弁出口温度検知手段39、電磁弁の通電開始の温度を設定する第四の電磁弁通電開始手段40、第四の電磁弁通電開始手段40で設定した温度を記憶する記憶部27c、電磁弁出口温度検知手段39と記憶部27cの信号を受ける演算部28c、演算部28cからの信号により第三のリレー41を制御する制御部29cから構成されている。
【0048】
さらに、第三のリレー41には第三の接点42が対応しており、電源34とのライン間に電磁弁15が接続されている。電磁弁15はいずれかの冷却器に接続されている。
【0049】
以上のように構成された自動販売機について図12でその動作を説明する。
【0050】
第一圧縮機13が運転中における電磁弁15の開動作条件でSTEP1では、第四の電磁弁通電開始手段40で通電開始温度D1を設定する。設定された通電開始温度D1は記憶部27cに記憶される。
【0051】
STEP2では、演算部28cが電磁弁出口温度検知手段39で検知した温度d1がSTEP1で設定した通電開始温度D1以下と判断したとき、制御部29cは第三のリレー41を励磁し第三の接点42を閉じSTEP3で電磁弁15のいずれかのうちで通電開始温度D1以下と判断した電磁弁のみ電磁弁15の通電を開始する。
【0052】
STEP4では、演算部28cが電磁弁出口温度検知手段39で検知した温度d1がSTEP1で設定した通電開始温度D1以上と判断したとき、制御部29cは第三のリレー41を励磁し第三の接点42を開きSTEP5で電磁弁15の通電を停止する。
【0053】
このように構成された自動販売機は、複数個の電磁弁15がラッチ式タイプでマグネットが外部の衝撃等で引かずに冷媒が流れずに不冷状態になる場合に、電磁弁の異常状態を解消でき、電磁弁の異常状態のみ通電を追加することで省エネができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明にかかる自動販売機は、圧縮機の運転時間に圧縮機の吸い込み管温度を検知し、電磁弁の異常時の検知をした場合、電磁弁に通電して電磁弁のマグネットを引き、冷媒を流れるようにし、異常時以外には電磁弁の通電を電磁弁のマグネットを励磁するタイミングのみ通電し電磁弁の通電時間を短縮するので、あらゆる自動販売機に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態1における自動販売機の側面断面図
【図2】同実施の形態の自動販売機の機械室の平面図
【図3】同実施の形態の自動販売機の冷却器接続をイメージした斜視図
【図4】同実施の形態の自動販売機のブロック図
【図5】同実施の形態の自動販売機の動作を示すフローチャート
【図6】本発明の実施の形態2における自動販売機のブロック図
【図7】同実施の形態の自動販売機の動作を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3における自動販売機のブロック図
【図9】同実施の形態の自動販売機の動作を示すフローチャート
【図10】本発明の実施の形態4における自動販売機の機械室の構成図
【図11】同実施の形態の自動販売機のブロック図
【図12】同実施の形態の自動販売機の動作を示すフローチャート
【図13】従来の自動販売機の冷却装置の電磁弁御装置のブロック図
【符号の説明】
【0056】
4 圧縮機
5 収納室
7 庫内送風用電動機
10 凝縮器送風用電動機
12 冷却装置
13 第一圧縮機
15 電磁弁
18 第二圧縮機
25 圧縮機吸い込み管温度検知手段
26 第一の電磁弁通電開始手段
27,27a,27b,27c 記憶部
28,28a,28b,28c 演算部
29,29a,29b,29c 制御部
35 冷却器温度検知手段
36 第二の電磁弁通電開始手段
37 タイマー
38 第三の電磁弁通電開始手段
39 電磁弁出口温度検知手段
40 第四の電磁弁通電開始手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を収納する断熱構造の収納室と、前記収納室内を冷却する冷却装置を備え、前記冷却装置には圧縮機と電磁弁と庫内送風用電動機と凝縮器送風用電動機と圧縮機吸い込み管温度検知手段が備えられ、圧縮機動作時に前記電磁弁に通電する第一の電磁弁通電開始手段と、前記第一の電磁弁通電開始手段で設定された温度を記憶する記憶部と、前記圧縮機吸い込み管温度検知手段で検知した温度と前記記憶部に記憶された温度を比較して、前記電磁弁への通電の指示信号を出す制御部から構成されたことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
冷却器温度検知手段と、圧縮機動作時に前記電磁弁に通電する第二の電磁弁通電開始手段と、前記第二の電磁弁通電開始手段で設定された温度を記憶する記憶部と、前記冷却器温度検知手段で検知した温度と前記記憶部に記憶された温度を比較し、前記電磁弁の通電の指示信号を出す制御部から構成されたことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
電磁弁の動作時間間隔を設定する第三の電磁弁通電開始手段と、前記第三の電磁弁通電開始手段で設定された時間を記憶する記憶部と、前記圧縮機通電開始からの時間を計測するタイマーと、前記タイマーで計測した時間と前記記憶部に記憶された時間を比較し、前記電磁弁の通電の指示信号を出す制御部から構成されたことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項4】
電磁弁出口温度検知手段と、圧縮機動作時に前記電磁弁に通電する第四の電磁弁通電開始手段と、前記第四の電磁弁通電開始手段で設定された温度を記憶する記憶部と、前記電磁弁出口温度検知手段で検知した温度と前記記憶部に記憶された温度を比較し、前記電磁弁の通電の指示信号を出す制御部から構成されたことを特徴とする自動販売機。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−171098(P2008−171098A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1960(P2007−1960)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】