説明

自動販売機

【課題】商品の賞味期限入力を補充のたびに入力することなく、簡単な設定にて商品の賞味期限管理が可能で、かつ各種表示が容易に行える自動販売機を提供すること。
【解決手段】コラム毎の賞味期限期間と該賞味期限期間内に販売が必要な商品の本数である管理本数と賞味期限が近づいてきたことを示す賞味期限間近日数とを設定する。賞味期限の動作状況を確認する場合は、前記賞味期限期間から前記賞味期限間近日数を減算した期間の間の実販売本数を演算し、前記管理本数から前記実販売本数を減算して前記管理本数までの販売必要数を演算し、賞味期限間近で前記販売必要数が存在するコラムに対応する商品選択ボタンに付属するランプを表示するとともに、前記ランプを表示している商品選択ボタンを操作すると、前記販売必要数を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賞味期限などが規定されている商品を販売する自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、賞味期限など販売期限が規定されている商品を販売する自動販売機においては、コラム別に商品の新たな補充数を設定し、さらにこの新たに補充された商品の期限、即ち、期限切れの年月日を設定して、販売を開始する。
その後、日付のかわる時に期限切れとなる商品が残存するコラムがあるか否かを判断し、賞味期限切れとなるコラムがあれば、そのコラムを販売停止にする自動販売機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、商品収納コラムに収納した商品を賞味期間内で均一に売り切るための平均販売速度と実際に販売されている速度の実績販売速度とを比較し、実績販売速度が平均販売速度よりも遅いときは、賞味期限警告ランプの点灯処理を行うようにした自動販売機の賞味期限管理が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−271891号公報
【特許文献2】特開平9−101955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献1の自動販売機においては、商品を補充した際に、商品補充数の設定および商品の賞味期限を必ず設定する必要があるため、管理者にとって、補充する度に毎回設定する必要があるため作業が面倒となり、賞味期限管理が複雑となる。
また、賞味期限の警告についても、前記特許文献2の自動販売機においては、平均販売速度と実績販売速度を演算して求め、その後、両者を比較して、賞味期限警告ランプの点灯処理を行うものであるため、演算が面倒であり、賞味期限管理が複雑となる。
【0006】
そこで、本発明は、商品の賞味期限入力を補充のたびに入力することなく、簡単な設定にて商品の賞味期限管理が可能で、かつ各種表示が容易に行えるようにする自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、少なくとも販売可能ランプ、売切ランプを付属する商品選択ボタンを備え、前記商品選択ボタンが押されることにより、該商品選択ボタンに対応するコラムから賞味期限付き商品を当該コラムに投入された順に販売する自動販売機において、前記コラム毎の賞味期限期間と該賞味期限期間内に販売が必要な商品の本数である管理本数と賞味期限が近づいてきたことを示す賞味期限間近日数とを設定する手段と、前記設定する手段により設定された値に基づいて賞味期限管理の運用を開始する手段と、賞味期限の動作状況を確認する手段と、前記確認する手段が操作されると、前記賞味期限期間から前記賞味期限間近日数を減算した期間の間の実販売本数を演算し、前記管理本数から前記実販売本数を減算して前記管理本数までの販売必要数を演算する手段と、前記演算する手段による演算の結果、賞味期限間近で前記販売必要数が存在するコラムに対応する前記商品選択ボタンに付属するランプを表示する手段と、前記ランプを表示している前記商品選択ボタンを操作すると、前記販売必要数を表示する手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、前記賞味期限の動作状態を確認する手段が操作されると、賞味期限管理非対象、賞味期限管理対象で賞味期限切無、賞味期限管理対象で賞味期限切の各コラム状態に応じて対応する前記商品選択ボタンに付属するランプを表示し、前記賞味期限管理対象で賞味期限切のコラムの前記商品選択ボタンを操作すると、賞味期限切れ発生日を表示することを特徴とする。
【0009】
さらに、前記賞味期限期間の販売本数を確認する手段を備え、前記賞味期限期間の販売本数を確認する手段が操作され、前記商品選択ボタンを操作すると、前記賞味期限期間で前記商品選択ボタンに対応したコラム別の販売本数を表示することを特徴とする。
またさらに、任意販売期間を設定する手段と、前記任意販売期間の販売本数を確認する手段と、前記任意販売期間の販売本数を確認する手段が操作され、前記商品選択ボタンを操作すると、前記任意販売期間で前記商品選択ボタンに対応したコラム別の販売本数を表示することを特徴とする。
【0010】
この他に、前記設定する手段、前記確認する手段は、リモコンからなり、商品選択ボタンの操作に代えて、前記リモコンを操作することにより、販売必要数、賞味期限切れ発生日、賞味期限期間あるいは任意販売期間の販売本数を表示することを特徴とする。
また、ひとつの商品選択ボタンに複数コラムが割り付けられている場合には、前記表示は、コラム毎、交互に表示することを特徴とする。
【0011】
さらに、前記表示は、商品選択ボタン毎に設けられる価格表示器あるいは全体の金額表示器の少なくとも一方に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、商品選択ボタンに対応するコラムから賞味期限付き商品を当該コラムに投入された順に販売し、賞味期限切れとなると売切とする自動販売機において、コラム毎の賞味期限期間と該賞味期限期間内に販売が必要な商品の本数である管理本数と賞味期限が近づいてきたことを示す賞味期限間近日数とを設定して、賞味期限間近で管理本数から実販売本数を減算して管理本数までの販売必要数を求め、販売必要数が存在するコラムに対応する前記商品選択ボタンに内蔵するランプを表示し、前記ランプを表示している商品選択ボタンあるいはリモコンを操作すると、前記販売必要数を表示することにより、次の訪問日との関係で、販売必要数を販売できるか否かを判断でき、賞味期限切れとなる商品の発生を防ぐことが可能となる。
【0013】
また、商品選択ボタンのランプの表示状態にて、現在の賞味期限に関する状態が一目でわかるようになる。
さらに、任意の販売期間を設定することで、その設定した販売期間での商品の販売本数を表示できるようにすることで、この販売本数に基づき、最適な在庫数を見出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態である制御構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の対象となる自動販売機の概略正面図である。
【図3】本発明の一実施の形態である賞味期限管理本数の設定処理を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の一実施の形態である賞味期限期間の設定処理を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の一実施の形態である賞味期限間近の設定処理を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の一実施の形態である賞味期限の動作状況確認モードを示すフローチャート図である。
【図7】本発明の一実施の形態である賞味期限の動作状況各表示形態並びに販売本数の表示モードを示すフローチャート図である。
【図8】本発明の一実施の形態である任意期間の設定処理を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の一実施の形態である任意期間における販売本数の表示処理を示すフローチャート図である。
【図10】本発明の一実施の形態である賞味期限管理の記憶領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に図1ないし図10を参照しながら、本発明に係る自動販売機の実施の形態について説明する。
図2は、本発明の実施の対象となる自動販売機の概略正面図の一例を示すものであり、自動販売機20は、その本体キャビネット前面に外扉21を備えており、本体キャビネット内には複数種類の商品を個別に収納する複数(n個)のコラムを備えており、商品選択ボタン22が押され、販売指令が与えられた場合に押された商品選択ボタン22に対応する商品の払い出しを行う。
【0016】
この外扉21には、その表面側に販売可能ランプ、準備中ランプおよび売切ランプを内蔵する商品選択ボタン22、商品見本展示室23、硬貨投入口24、返却レバー25、金額表示器26、硬貨返却口27、商品取出口28が設けられている。
商品見本展示室23は、外扉21の上部に構成した透明の窓を有し、内部に配列した商品見本23aを外部に視認させることが可能である。商品見本展示室23を通じて視認される商品見本23aは、それぞれコラムに収納した商品を現し、商品選択ボタン22と対応して設けられている。
【0017】
図1は、この発明の一実施の形態を示す構成ブロック図である。
1は、装置全体を制御する主制御部で、該主制御部1は、自動販売機の制御に必要な制御プログラムを格納するメモリ1a、コラムと商品選択ボタン22との対応関係、コラム別管理本数、賞味期限期間、間近表示など自動販売機の機能に必要な種々の設定データを記憶するメモリ1b、カレンダ機能を内蔵する時計1cを備えている。
【0018】
この主制御部1には、コラム別管理本数、賞味期限期間、間近表示などの自動販売機の各種設定値を入力および各モードを起動するためのリモコン11、庫内の商品を冷却あるいは加温するための冷熱制御部12、商品搬出を行う商品搬出装置13、硬貨処理装置14が接続されている。
この他、主制御部1には、販売可能ランプ22a、準備中ランプ22b、売切ランプ22cを内蔵する商品選択ボタン22、金額表示器26が接続されている。
【0019】
また、リモコン11には、本実施形態に関係する機能として、賞味期限スイッチ11a、賞味期限機能動作中ランプ11b、アラームランプ11c、書込み、終了、アップダウンキーなどを含む操作キー11dが設けられている。
なお、リモコン11のスイッチ、ランプ、キーは、前記に限られるものではなく、本実施の形態を達成できればよい。
【0020】
この構成において、賞味期限管理本数の設定モードについて、図3のフローチャート図を用いて説明する。
まず、自動販売機20の外扉21を開放し、リモコン11を操作して、管理本数の設定モードとし(ステップS301,Yes)、操作キー11dを操作して、コラム別の管理本数として例えば「10」本を入力し(ステップS302)、該当する商品選択ボタン22を押すと(ステップS303)、メモリ1bの所定領域に管理本数「10」本が記憶され(ステップS304)、その後、操作キー11dを操作すると(ステップS305,Yes)、管理本数の設定モードを終了する。
【0021】
次に、賞味期限期間の設定モードについて、図4のフローチャート図を用いて説明する。
まず、自動販売機20の外扉21を開放し、リモコン11を操作して、賞味期限期間の設定モードとし(ステップS401,Yes)、操作キー11dを操作して、賞味期限期間として例えば「5」日を入力して(ステップS402)、該当する商品選択ボタン22を押すと(ステップS403)、メモリ1bの所定領域に賞味期限期間「5」日が記憶され(ステップS404)、操作キー11dを操作すると(ステップS405,Yes)、賞味期限期間の設定モードを終了する。
【0022】
次に、賞味期限間近表示日数の設定モードについて、図5のフローチャート図を用いて説明する。
まず、自動販売機20の外扉21を開放し、リモコン11を操作して、賞味期限間近表示日数の設定モードとし(ステップS501,Yes)、操作キー11dを操作して、賞味期限間近表示日数として例えば「2」日を入力して(ステップS502)、該当する商品選択ボタン22を押すと(ステップS503)、メモリ1bの所定領域に賞味期限間近表示日数「2」日が記憶され(ステップS504)、操作キー11dを操作すると(ステップS505,Yes)、賞味期限間近表示日数の設定モードを終了する。
【0023】
このように賞味期限に関するすべての設定が完了したあと、リモコン11の賞味期限スイッチ11aを連続押しすることにより、賞味期限動作中ランプ11bが点灯し、賞味期限機能の運用が開始する。
このよう設定することで、商品の補充日に関係なく、「5」日間の間に「10」本の商品販売があれば、賞味期限切れは発生していないと判定する。
【0024】
なお、入力順序は問わず、また、コラム別あるいは全コラム一括して設定可能で有り、また、初期値としての数値も予め記憶しておき、その初期値のままで良い場合には設定入力の操作する必要がなく、賞味期限スイッチ11aを連続押しするだけで良い。
また、賞味期限管理の運用を無効とする場合には、再度、賞味期限スイッチ11aを連続押しすることで無効となり、賞味期限動作中ランプ11bが消灯する。
【0025】
さらに、販売期間あるいは満杯収容数が「0」設定されているコラムについては、賞味期限スイッチ11aを連続押ししても、設定を無効として運用を開始しない。
次に、商品の販売動作の一例を説明する。
購入者が硬貨投入口24に所定の硬貨を投入することにより、その投入された金額を金額表示器26に表示させ、購入可能な商品の販売可能ランプ22aを点灯させる。
【0026】
ここで、所望の商品選択ボタン22が押されると、主制御部1は、商品搬出装置14に対して商品搬出指令を送信し、商品搬出装置14はコラムから商品を搬出させ、商品を商品取出口28に搬出することで、販売動作が終了し、主制御部1では、メモリ1bの所定領域にコラム毎、日付別に販売本数を集計する。
なお、釣銭がある場合には、硬貨返却口27へ返却する。
【0027】
この賞味期限管理を前記設定モードにて設定した条件で有効とした場合に賞味期限の動作状況確認モードについて、図6のフローチャート図を用い、その動作を説明する。
例えば、運用開始日から「5」日経過した「6」日目にリモコン11の操作キー11dにより賞味期限の動作状況確認モードとすると(ステップS601,Yes)、管理対象コラムかを判断し(S602)、管理非対象コラムであれば(S602,No)、賞味期限管理非対象コラムに対応する商品選択ボタン22の販売可能ランプ22a、準備中ランプ22b、売切ランプ22cは全て消灯状態とする(ステップS603)。
【0028】
次に、賞味期限管理対象コラムであれば(S602,Yes)、賞味期限切れの有無、間近表示対象コラムの有無を判断するものであり、まず、賞味期限切れコラムかを判断し(ステップS604)、賞味期限切れコラムの場合(ステップS604,Yes)賞味期限管理対象コラムで賞味期限期間切れのコラムに対応する商品選択ボタン22の販売可能ランプ22aを点灯、準備中ランプ22bを点灯、売切ランプ22cを消灯状態とする表示を行う(ステップS605)。
【0029】
次に、該当する商品選択ボタン22を押すと(ステップS606)、金額表示器26に賞味期限切れ発生日を表示する(ステップS607)。
この表示している商品選択ボタン22に対応するコラムに収容されている商品が賞味期限切れとなっている可能性が高いとして、作業者は実際に商品を払い出して作業を行う。
一方、前記ステップS604にて賞味期限切れしていないコラムがある場合には、賞味期限切れしていないコラムとして(ステップS604,No)、次に、コラム毎に「賞味期限期間−賞味期限間近日数」を演算し、この演算で求めた販売期間の間に販売した販売本数を演算し、管理本数からこの販売本数を減算して賞味期限間近の表示対象コラムかを判断する(ステップS608)。
【0030】
すなわち、賞味期限間近とは、この確認時点で、設定した管理本数分である「10」本が販売されていないコラムを対象とするものであり、本制御では、賞味期限期間の残りの日数で、何本の販売が必要かを表示できるようにするものである。
賞味期限間近の表示対象コラムで無い場合(ステップS608,No)、賞味期限管理対象コラムで賞味期限期間切れ無しのコラムに対応する商品選択ボタン22の販売可能ランプ22aを点灯、準備中ランプ22b、売切ランプ22cを消灯状態とする表示を行う(ステップS609)。
【0031】
一方、演算の結果、賞味期限間近の表示対象コラムが有る場合には(ステップS608,Yes)、賞味期限管理対象コラムで賞味期限間近のコラムに対応する商品選択ボタン22の販売可能ランプ22aを点灯、準備中ランプ22bを点滅、売切ランプ22cを消灯状態とする表示を行う(ステップS610)。
次に、該当する商品選択ボタン22を押すと(ステップS611)、金額表示器26に残り日数で販売しなければならない販売必要数を表示する(ステップS612)。
【0032】
例えば、ここまで「6」本の商品が販売されていたとすると、賞味期限間近日数の設定である「2」日間の間に「4」本を売る必要があり、この本数を販売必要数として表示するものである。
このように、商品選択ボタン22の表示状態にて、各コラムの賞味期限に対する動作状況を確認し、所定時間放置、返却レバー25、リモコン11の操作キー11dのいずれか操作により動作状況確認モードを終了する(ステップS613)。
【0033】
このように、運用期間である賞味期限期間内に必要となる販売必要数を理解でき、その販売必要数によっては、あらかじめ商品を払い出し、この払い出しも販売本数に集計することで、賞味期限切れとなることを防ぐことが可能となり、払い出す必要が無ければ、そのまま運用を継続するようにする。
なお、商品選択ボタン22に準備中ランプ22bを備えていない場合には、売切ランプ22cを点滅する。
【0034】
また、販売必要数「4」本と販売本数「6」本とを交互に表示するようにしてもよい。
この賞味期限の動作状況確認モードに関し、例えば、図10の賞味期限管理の記憶領域を示す図を用い、コラムNo.1〜3を対象とした場合について説明する。
それぞれ、コラム別に日別販売数をメモリ1bの所定領域に記憶しているものであり、運用開始日を1日目とし、運用開始日から6日目に動作状況を確認したものとする。
【0035】
まず、コラムNo.1では、賞味期限期間を5日間、動作状況確認のための間近日数を賞味期限切の2日前としているため、確認日から遡り、過去3日間(b)の販売数を求めるものである。
すなわち、3日前は「4」本、2日前は「1」本、1日前は「1」本、それぞれ販売されているで、「4+1+1」で2日前までに「6」本、販売されていることが理解できる。
【0036】
そこで、管理本数の「10」本から販売本数の「6」本を減算すると「4」本となるため、賞味期限間近日数の2日間(c)に販売の必要数(c)として「4」本を販売する必要がある。
その結果、賞味期限間近として、商品選択ホタン22の販売可能ランプ22aを点灯、準備中ランプ22bを点滅、売切ランプ22cを消灯して、賞味期限間近で、まだ、売らなければならない本数があることが理解できる。
【0037】
ここで、該当する商品選択ボタン22を押すと、金額表示器26に間近日数の「2」日間で販売しなければならない本数である販売必要数「4」本を表示する。
次に、コラムNo.2では、3日前は「6」本、2日前は「4」本、1日前は「1」本、それぞれ販売されているで、「6+4+1」で2日前までに「11」本、販売されていることが理解できる。
【0038】
そこで、管理本数の「10」本から販売本数の「11」本を減算すると「−1」本となるため、賞味期限間近日数の2日間(c)に販売の必要数(c)としては「0」となる。
このように、コラムNo.2では、仮に賞味期限間近日数の「2」日間の間、商品の販売が無くても、賞味期限切れにならないため、商品選択ホタン22の販売可能ランプ22aのみを点灯し、賞味期限管理対象ではあるが、賞味期限切れは発生していないことが理解できる。
【0039】
次に、コラムNo.3では、3日前は「1」本、2日前は「1」本、1日前は「0」本、それぞれ販売されているで、「1+1+0」で2日前までに「2」本、販売されていることが理解できる。
そこで、管理本数の「10」本から販売本数の「2」本を減算すると「8」本となるため、賞味期限間近日数の2日間(c)に販売の必要数として「8」本を売る必要があるが、図10に示すように、動作状況確認をした日より前の賞味期限期間の5日間(a)にて「2」本しか販売されていないため、賞味期限切れ発生として、商品選択ホタン22の販売可能ランプ22aを点滅、準備中ランプ22bを点灯、売切ランプ22cを消灯して、賞味期限切れが発生していることを報知する。
【0040】
ここで、該当する商品選択ボタン22を押すと、金額表示器26に賞味期限切れ発生日を表示する。
前記実施の形態においては、賞味期限の動作状況確認モードについて説明したが、図7のフローチャート図では、賞味期限の動作状況各表示形態並びに販売本数の表示モードについて説明する。
【0041】
リモコン11の操作キー11dを操作して賞味期限の動作状況各表示形態並びに販売本数の表示モードとし(S701)、管理対象コラムかを判断し(S702)、管理非対象コラムであれば(S702,No)、賞味期限管理非対象コラムに対応する商品選択ボタン22の販売可能ランプ22a、準備中ランプ22b、売切ランプ22cは全て消灯状態とする(ステップS703)。
【0042】
次に、管理対象コラムであれば(S702,Yes)、賞味期限切れの有無、間近表示対象コラムの有無を判断するものであり、まず、賞味期限切れコラムかを判断し(ステップS704)、賞味期限切れコラムの場合(ステップS704,Yes)賞味期限管理対象コラムで賞味期限期間切れのコラムに対応する商品選択ボタン22の販売可能ランプ22aを点灯、準備中ランプ22bを点灯、売切ランプ22cを消灯状態とする表示を行う。(ステップS705)、
次に、該当する商品選択ボタン22を押すと(ステップS706)、このモードでは、期限切れ発生日ではなく、金額表示器26に、「5」日間で販売した販売本数を表示する(ステップS707)。
【0043】
すなわち、図10を参照すると、賞味期限期間の販売数として「2」本を金額表示器26に表示する。
この表示している商品選択ボタン22に対応するコラムに収容されている商品が賞味期限切れとなっている可能性が高いとして、作業者は実際に商品を払い出して作業を行う。
一方、前記ステップS704にて賞味期限切れしていないコラムがある場合には、賞味期限切れしていないコラムとして(ステップS704,No)、次に、前記図6のフローチャート図に示したように、コラム毎に「賞味期限期間−賞味期限間近日数」を演算し、この演算で求めた販売期間の間に販売した販売本数を演算し、管理本数からこの販売本数を減算して賞味期限間近の表示対象コラムかを判断する(ステップS708)。
【0044】
賞味期限間近の表示対象コラムで無い場合(ステップS708,No)、賞味期限管理対象コラムで賞味期限期間切れ無しのコラムに対応する商品選択ボタン22の販売可能ランプ22aを点灯、準備中ランプ22b、売切ランプ22cを消灯状態とする表示を行う(ステップS709)。
次に、該当する商品選択ボタン22を押すと(ステップS710)、金額表示器26に「5」日間で販売した販売本数を表示する(ステップS711)。
【0045】
すなわち、図10を参照すると、賞味期限期間の販売数として「17」本を金額表示器26に表示する。
一方、演算の結果、賞味期限間近の表示対象コラムが有る場合には(ステップS708,Yes)、賞味期限管理対象コラムで賞味期限間近のコラムに対応する商品選択ボタン22の販売可能ランプ22aを点灯、準備中ランプ22bを点滅、売切ランプ22cを消灯状態とする表示を行う(ステップS712)。
【0046】
次に、該当する商品選択ボタン22を押すと(ステップS713)、このモードの場合には、販売必要数ではなく、金額表示器26に「5」日間で販売した販売本数を表示する(ステップS714)。
このように、商品選択ボタン22の表示状態にて各コラムの賞味期限に対する状態を確認し、商品選択ボタン22の操作にて販売本数を確認して、所定時間放置、返却レバー25、リモコン11の操作キー11dのいずれか操作により賞味期限の動作状況各表示形態並びに販売本数のモード終了する(ステップS715)。
【0047】
以上のように、賞味期限管理として、商品選択ボタン22の表示状態だけを見れば、収納商品の状態が容易にわかり、かつ、販売本数もわかる。
なお、管理非対象コラムにおいても、商品選択ボタン22を押すと、対応するコラムの販売本数のみ表示できるようにしてもよい。
なお、商品選択ボタン22に準備中ランプ22bを備えていない場合には、売切ランプ22cを点滅、点灯させる。
【0048】
このように、図6のモードでは、販売必要数、期限切れ発生日を、図7のモードでは、販売本数をそれぞれ表示するようにしたが、交互に表示するようにしてもよい。
次に、各コラムの任意期間における販売本数の表示の設定並びに表示について説明する。
まず、前提条件として、自動販売機20の外扉21を開放し、リモコン11を操作して、販売本数の確認期間として販売期間の設定モードとし(ステップS801,Yes)、操作キー11dを操作して、販売期間として「3」日間を入力し(ステップS802)、該当する商品選択ボタン22を押すと(ステップS803)、メモリ1bの所定領域に販売期間「3」日間が記憶され(ステップS804)、その後、操作キー11dを操作すると(ステップS805,Yes)、販売期間の設定モードを終了する。
【0049】
なお、その他の設定は前記実施の形態のとおりであり、管理本数「10」本、賞味期限期間「5」日と設定されているものとする。
ここで、図9のフローチャート図では、の操作キー11dを操作して販売本数確認モードとし(ステップS901)、販売本数を確認したい商品選択ボタン22を押すと(ステップS902)、前記設定された過去3日間の販売本数に本操作日の販売本数を加算した販売本数とコラム番号とが交互に金額表示器26に表示される(ステップS903)。
【0050】
このように、販売本数の確認が完了し、終了するときには、所定時間放置、返却レバー25、リモコン11の操作キー11dのいずれか操作によりモード終了する(ステップS904)。
本実施の形態においては、短期間の設定ならびに確認としたが、賞味期限期間に関係なく販売期間は設定でき、販売期間設定を長期間とした場合、金額表示器26に表示しきれない場合には、上位桁と下位桁とに分けて、交互表示するようにしてもよい。
【0051】
商品選択ボタン22に複数のコラムが割り付けられている場合には、各コラム番号と販売本数とを交互表示するようにしてもよい。
なお、商品選択ボタン22毎にデジタル式の価格表示器を備えている場合には、商品選択ボタン22を押すと、コラム番号と販売本数とを交互に表示してもよく、また、商品選択ボタン22を押すことなく、リモコンにて販売本数確認モードとすると、商品選択ボタン22に対応する全てのデジタル式の価格表示器にコラム番号と販売本数とを交互表示させるようにしてもよい。
【0052】
このように、任意の期間における販売本数を表示できるようにすることで、最適な商品在庫数の判断材料として使用できる。
また、商品選択ボタン22毎にデジタル式の価格表示器を備えている場合には、任意の期間における販売本数の表示に限らず、販売必要数、賞味期限切れ発生日、賞味期限期間の販売数なども表示してもよく、その場合に、金額表示器26にコラム番号を表示させてもよい。
【0053】
さらに、前記表示をさせるために、商品選択ボタン22を操作しているが、リモコン11の操作キー11dを操作することにより販売必要数、賞味期限切れ発生日、賞味期限期間の販売数、任意の期間における販売本数を表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 主制御部
1a,1b メモリ
1c 時計
11 リモコン
11a 賞味期限スイッチ
11b 賞味期限機能動作中ランプ
11c アラームランプ
11d 操作キー
20 自動販売機
21 外扉
22 商品選択ボタン
22a 販売可能ランプ
22b 準備中ランプ
22c 売切ランプ
25 返却レバー
26 金額表示器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも販売可能ランプ、売切ランプを付属する商品選択ボタンを備え、前記商品選択ボタンが押されることにより、該商品選択ボタンに対応するコラムから賞味期限付き商品を当該コラムに投入された順に販売する自動販売機において、
前記コラム毎の賞味期限期間と該賞味期限期間内に販売が必要な商品の本数である管理本数と賞味期限が近づいてきたことを示す賞味期限間近日数とを設定する手段と、
前記設定する手段により設定された値に基づいて賞味期限管理の運用を開始する手段と、
賞味期限の動作状況を確認する手段と、
前記確認する手段が操作されると、前記賞味期限期間から前記賞味期限間近日数を減算した期間の間の実販売本数を演算し、前記管理本数から前記実販売本数を減算して前記管理本数までの販売必要数を演算する手段と、
前記演算する手段による演算の結果、賞味期限間近で前記販売必要数が存在するコラムに対応する前記商品選択ボタンに付属するランプを表示する手段と、
前記ランプを表示している前記商品選択ボタンを操作すると、前記販売必要数を表示する手段とを備えた
ことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
請求項1記載の自動販売機において、
前記賞味期限の動作状態を確認する手段が操作されると、賞味期限管理非対象、賞味期限管理対象で賞味期限切無、賞味期限管理対象で賞味期限切の各コラム状態に応じて対応する前記商品選択ボタンに付属するランプを表示することを特徴とする自動販売機。
【請求項3】
請求項2記載の自動販売機において、
前記賞味期限管理対象で賞味期限切のコラムの前記商品選択ボタンを操作すると、賞味期限切れ発生日を表示することを特徴とする自動販売機。
【請求項4】
請求項2に記載の自動販売機において、
前記賞味期限期間の販売本数を確認する手段を備え、
前記賞味期限期間の販売本数を確認する手段が操作され、前記商品選択ボタンを操作すると、前記賞味期限期間で前記商品選択ボタンに対応したコラム別の販売本数を表示することを特徴とする自動販売機。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかの項に記載の自動販売機において、
任意販売期間を設定する手段と、
前記任意販売期間の販売本数を確認する手段と、
前記任意販売期間の販売本数を確認する手段が操作され、前記商品選択ボタンを操作すると、前記任意販売期間で前記商品選択ボタンに対応したコラム別の販売本数を表示することを特徴とする自動販売機。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかの項に記載の自動販売機において、
前記設定する手段、前記確認する手段は、リモコンからなり、商品選択ボタンの操作に代えて、前記リモコンを操作することにより、販売必要数、賞味期限切れ発生日、賞味期限期間あるいは任意販売期間の販売本数を表示することを特徴とする自動販売機。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれかの項に記載の自動販売機において、ひとつの商品選択ボタンに複数コラムが割り付けられている場合には、前記表示は、コラム毎、交互に表示することを特徴とする自動販売機。
【請求項8】
請求項7に記載の自動販売機において、前記表示は、商品選択ボタン毎に設けられる価格表示器あるいは全体の金額表示器の少なくとも一方に表示することを特徴とする自動販売機。



【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−205056(P2010−205056A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−50913(P2009−50913)
【出願日】平成21年3月4日(2009.3.4)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】