説明

自動販売機

【課題】本発明の課題は、種々の割引機能を組み合わせて、商品の割引を有効に行える自動販売機を提供することにある。
【解決手段】割引金額と対象コラムを設定するとともに、割引時間帯あるいは割引期間を設定する設定手段と、割引金額と対象コラムを設定するとともに、まとめ買い割引をする際の割引対象個数を設定する設定手段と、前記割引時間帯あるいは割引期間内では、割引時間帯あるいは割引期間に基づき割引販売を、割引時間帯あるいは割引期間以外では、割引対象となる購入数割引個数に基づき割引販売を行う制御手段と、を備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の商品について一定の期間あるいはまとめ買いにより、所定額だけ通常価格より割引して商品を販売できるようにした自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動販売機における販売商品を、通常の商品価格から通常の商品価格より安い商品価格に変更して割引販売を行う機能として以下の割引方式が知られている。
まず、第1の割引方式としては、商品の販売価格とまとめ買いする数を積算した総販売価格から所定の額だけ販売価格を割引いて販売する自動販売機が知られている(特許文献1)。
【0003】
次に、第2の割引方式としては、割引期間と割引額をテンキーにより設定するようにして、設定された期間に販売される商品は表示額よりも割引額分を安くして販売する自動販売機が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−12552号公報
【特許文献2】特開平5−20531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記割引機能では、それぞれまとめ買い数による割引、期間による割引との単独の割引機能であり、割引機能の多様性がなく、自動販売機の割引を用いた売上向上に繋がる機能が有効に活かされていないのが現状であった。
【0006】
そこで、本発明は、種々の割引機能を組み合わせて、商品の割引を有効に行える自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するために、本発明の自動販売機によれば、以下の手段により達成されるものである。
本発明は、割引金額と割引対象コラムを設定するとともに、割引時間帯あるいは割引期間を設定する設定手段と、割引金額と割引対象コラムを設定するとともに、まとめ買い割引をする際の割引対象個数を設定する設定手段と、前記割引時間帯あるいは割引期間内では、割引時間帯あるいは割引期間に基づき割引販売を、割引時間帯あるいは割引期間以外では、割引対象となる購入数割引個数に基づき割引販売を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
上記構成に加え、以下の方式が考えられる。
1)割引時間帯と割引期間との両方が設定された場合には、割引期間内でかつ割引時間帯のみ割引販売可能とする。
2)割引時間帯あるいは割引期間による割引の場合には、まとめ買い割引対象個数に関係なく割引を行う。
3)時計異常の場合には、割引時間帯あるいは割引期間による割引のみ中止にする。
4)まとめ買い割引をする際の割引対象個数のカウントは、割引対象コラムの商品販売時のみカウントする。
5)決済種別毎の販売価格から割引販売を行うとともに、割引金額が販売価格より高額の場合には通常価格による販売とし、また、決済種別とは、現金とカードであり、現金とカードとの併用販売の場合には、現金から割引を行う。
6)入金中に割引時間帯あるいは割引期間の開始あるいは終了時点になっても、販売待機状態に戻ってから状態を更新する。
7)商品選択ボタン毎にデジタル式の価格表示器を備え、該価格表示器に、通常販売時には定価の販売価格を表示させ、割引時間帯あるいは割引期間による割引の場合には割引価格を、まとめ買い販売時には、割引対象個数に達した時点で割引価格を表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、割引金額と割引対象コラムを設定するとともに、割引時間帯あるいは割引期間を設定する設定手段と、割引金額と割引対象コラムを設定するとともに、まとめ買い割引をする際の割引対象個数を設定する設定手段と、前記割引時間帯あるいは割引期間内では、割引時間帯あるいは割引期間に基づき割引販売を、割引時間帯あるいは割引期間以外では、割引対象となる購入数割引個数に基づき割引販売を行う制御手段とを備え、時間(期間)によるタイムサービス割引とまとめ買い割引との複数の割引方式を併用することで、割引販売のバリエーションが増え、利用者に対するサービス向上となり、販売者側にとっては、他の自動販売機との差別化ができ、売上向上に繋がるという効果が得られる。
【0010】
上記の他に、以下の効果が得られるものである。
1)タイムサービス割引に関し、割引期間、割引時間帯との設定を種々可能とすることで、より設置先に応じた設定が可能となり、また、タイムサービス割引中は、まとめ買い割引の個数制限を行わないことで、よりお得感を出すことが可能となる。
2)時計異常の場合には、まとめ買い割引のみ有効とすることで、割引全中止とならず、利用者に対するサービスを継続できる。
3)まとめ買い割引の場合、対象コラムのみとすることで、販売者側にて売りたい商品の売上向上に繋がるものである。
4)割引金額が販売価格より高額の場合には通常価格による販売とすることで、誤設定をした場合の販売を防止できる。
5)入金中に割引時間帯あるいは割引期間の開始あるいは終了時点になっても、販売待機状態に戻ってから状態を更新することで、入金中に状態を変更されることが無いため、販売トラブルが防止できる。
6)商品選択ボタン毎にデジタル式の価格表示器を備えている自動販売機の場合には、特に、まとめ買い販売時には、割引対象個数に達した時点で割引価格を表示させることで、利用者にもう1本購入すれば、割引となることを積極的にPRできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態である自動販売機の制御装置を示す構成ブロック図である。
【図2】本発明の対象となる自動販売機の概略正面図である。
【図3】本発明の商品見本展示室の要部正面図である。
【図4】本発明の価格表示形態を示す価格表示器の構成図である。
【図5】本発明の一実施の形態を示すタイムチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態を示す表示形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の実施の対象となる自動販売機の概略正面図の一例を示すものであり、自動販売機20は、その本体キャビネット前面に外扉21を備えており、本体キャビネット内には複数(n個)のコラムを備えている。このコラムは、複数種類の商品を個別に収納する一方、コラムと商品選択ボタン28との対応関係を予め設定しておくことで、商品選択ボタン28が押され、販売指令が与えられた場合に押された商品選択ボタン28に対応する商品の搬出を行うものである。
【0013】
その外扉21の前面側に外部から視認可能な商品見本22aを内部に配列した商品見本展示室22、硬貨投入口23、硬貨返却口23a、紙幣挿入口24、返却レバー25、商品取出口26、販売中表示、紙幣受入中止表示、釣切表示、入金額などを表示するデジタル表示器27、販売可能ランプ,売切ランプを内蔵する商品選択ボタン28、販売価格などの商品に関する情報を表示するLEDあるいは液晶表示などからなるデジタル式の価格表示器28a、プリペイドカードを挿入するカード挿入部29a、シリンダー錠付きのハンドル21aが設けられている。
【0014】
前記商品見本22aは、それぞれコラムに収納した商品を現し、商品選択ボタン28に対応して設けられ、販売価格などの商品に関する情報を表示する価格表示器28aは、商品選択ボタン28の上方で商品見本22aの下方に位置するように設けられており、さらに、図3の商品見本展示室22の要部正面図に示すように、その上方に商品見本22aの冷蔵・温蔵状態を表示する冷温表示板22bが設けられている。
【0015】
次に、図1は、本発明の一実施の形態を示す構成ブロック図である。
1は自動販売機全体を制御する主制御部であり、主制御部1には、制御プログラムを格納するメモリ1a、商品の販売価格、コラムと商品選択ボタンとの対応関係、その他、設定データ、売上データなど種々のデータを記憶するメモリ1b、時計1cを備えている。
【0016】
この主制御部1には、各種設定・確認を行うためのリモコン11、商品搬出を行う商品搬出装置12、庫内の商品を冷却あるいは加熱する冷熱装置13の制御を行う本体制御部14、硬貨投入口23から投入された硬貨の真偽、種類などを選別し、計数および釣銭を払い出す硬貨処理装置15、紙幣挿入口24から挿入された紙幣の真偽、種類などを識別する紙幣識別装置16、デジタル表示器27、商品選択ボタン28、該商品選択ボタン28毎に設けられ、販売価格などの商品に関する情報を表示する価格表示器28a、カード挿入部29aに挿入されたプリペイドカードの内容を読み書きするためのリーダライタ部29が接続されている。
【0017】
リモコン11は、モードキー、アップダウンキー、書込キー、クリアキー、終了キーなどを備え、このキー操作と商品選択ボタン28の操作にて、割引期間(時間)、割引対象個数、割引コラムなど、割引販売に関する設定を行い、メモリ1bに記憶させるものである。
【0018】
このメモリ1bには、予め割引金額パターンとして、「パターン1:10円、パターン2:20円、パターン3:30円」と記憶させ、割引金額設定時には、このパターンから選択して設定する。
【0019】
この構成において、商品の販売価格設定について説明すると、リモコン11のモードキーにより現金による商品販売価格設定モードとし、アップダウンキーを操作して商品販売価格を入力すると、デジタル表示器27に入力した販売価格が表示され、商品選択ボタン28を押すことで、対応コラムに収納する商品の現金による販売価格がメモリ1bに記憶され、全ての商品に対して同様の操作を繰り返し行い、全ての現金による商品販売価格設定を終わると、最後に終了キーを押してモードを終了する。
【0020】
一方、カード使用時における商品の販売価格設定については、リモコン11のモードキーを操作してカードによる商品販売価格設定モードとし、次にアップダウンキーを操作して商品販売価格を入力すると、デジタル表示器27に入力した販売価格を表示され、商品選択ボタン28を押すことで、対応コラムに収納する商品のカードによる販売価格がメモリ1bに記憶され、全ての商品に対して同様の操作を繰り返し行い。全てのカードによる商品販売価格設定を終わると、最後に終了キーを押してモードを終了する。
【0021】
なお、リモコン11に液晶表示器を備えている場合には、リモコン11の表示器にも同様の表示を行い、今回の自動販売機のように、商品選択ボタン28毎に価格表示器28aを備えている場合には、この価格表示器28aに価格設定時の価格を表示させるようにしてもよい。
【0022】
次に、割引設定をする場合について説明する。
まず、割引対象個数の設定については、リモコン11のモードキーを操作して割引対象個数設定モードとし、次にリモコン11のアップダウンキーを操作して割引対象個数を入力すると、この入力が例えば3個の場合、デジタル表示器27に「3」と表示させ、リモコン11の書込キー操作にて入力したデータを確定して、メモリ1bに記憶させ、最後に終了キーを押してモードを終了する。
【0023】
次に、割引金額およびその対象コラムの設定については、リモコン11のモードキーを操作して割引金額およびその対象コラム設定モードとし、次にアップダウンキーを操作して割引金額パターン1〜3から割引金額を選択し、例えば、割引パターン3を選択すると、デジタル表示器27に「30円」と表示され、この割引金額で良ければ、書込キーを押して割引金額データを設定し、次に、この割引金額をどのコラムに設定するかを、商品選択ボタン28を押すことで、割引金額と対象コラムとの設定が完了し、最後に終了キーを押してモードを終了する。
【0024】
次に、つづけ買い個数の設定については、リモコン11のモードキーを操作してつづけ買い個数設定モードとし、次にリモコン11のアップダウンキーを操作してつづけ買い個数を入力すると、この入力が例えば3個の場合、デジタル表示器27に「3」と表示させ、リモコン11の書込キー操作にて入力したデータを確定して、メモリ1bに記憶させ、最後に終了キーを押してモードを終了する。
【0025】
このつづけ買い個数設定は、割引対象個数を有効とするために、自動販売機で1回の投入金に対して連続して購入できる個数を設定するためであり、割引対象個数以上の値であればよい。
【0026】
以上のように、設定することで、上記で設定した割引対象コラムに対してまとめ買い時における割引設定が完了する。
このまとめ買い割引は、割引金額設定、割引対象コラム、割引対象個数設定有りにて有効となるものである。
【0027】
次に、タイムサービス割引による割引期間ならびに割引時間帯設定について説明する。なお、割引金額および割引対象コラム設定について、上記設定と同じであり、説明は省略する。
【0028】
割引期間の設定については、リモコン11のモードキーを操作して割引期間設定モードとし、まず、アップダウンキーを操作して割引開始年月日を入力すると、デジタル表示器27に年月日を表示させ、書込キーを押して、割引開始年月日を確定し、引き続いて、アップダウンキーを操作して割引終了年月日を入力すると、デジタル表示器27に年月日を表示させ、書込キーを押して、割引終了年月日を確定し、最後に終了キーを押してモードを終了する。
【0029】
次に、割引時間帯の設定については、リモコン11のモードキーを操作して割引時間帯設定モードとし、まず、アップダウンキーを操作して割引開始時刻を入力すると、デジタル表示器27に開始時刻を表示させ、書込キーを押して、割引開始時刻を確定し、引き続いて、アップダウンキーを操作して割引終了時刻を入力すると、デジタル表示器27に終了時刻を表示させ、書込キーを押して、割引終了時刻を確定し、最後に終了キーを押してモードを終了する。
【0030】
以上のように、タイムサービス割引を設定することで、上記で設定した割引対象コラムに対して割引期間ならびに割引時間帯の設定が可能となり、この割引期間と割引時間帯とは、両方あるいはいずれか一方にて運用してもよい。
【0031】
このタイムサービス割引は、割引金額設定、割引対象コラム有りにて有効となるものである。
この構成における割引の運用方式について以下に説明する。
1)タイムサービス割引およびまとめ買い割引の両割引機能が設定されている場合について
割引対象個数が設定されるとともに、割引期間あるいは割引時間帯が設定されている場合には、割引期間(時間)内は、タイムサービス割引機能を有効とし、割引期間(時間)外は、まとめ買い割引機能を有効とする。
【0032】
すなわち、例えば、割引時間帯の設定で、第1の割引開始時刻を6時,第1の割引終了時刻を10時と設定するとともに、第2の割引開始時刻を16時,第2の割引終了時刻を20時と設定すると、図5のタイムチャート図に示すように、6時〜10時は、タイムサービス割引中(A)とし、次のタイムサービス割引中(B)の開始時刻である16時までは、まとめ買い割引中(A)とし、タイムサービス割引中(B)の終了時刻である20時を経過すると、まとめ買い割引中(B)となる。
【0033】
ここで、割引時間(時刻)内では、まとめ買い割引の割引対象個数に関係なく、割引を行えるようにし、割引時間(時刻)で説明したが、割引期間でも同様である。
また、主制御部1内の時計1cが時計異常の場合には、タイムサービス割引は動作させず、まとめ買い割引機能のみ有効とするため、全日、まとめ買い割引実施となる。
2)タイムサービス割引について
割引期間と割引時間帯との両方が設定されている場合には、割引期間内の割引時間帯内のみ割引動作し、割引期間内の割引時間帯外は、割引動作しないように運用する。
3)まとめ買い割引について
割引期間と割引時間帯との両方が設定されておらず、割引対象個数が設定されている場合には、割引対象個数に対応する割引対象コラムのみ販売時に販売個数カウントを行い、割引対象コラムの販売個数が割引対象個数となると、まとめ買い割引に対応できる。
【0034】
次に、上記割引運用方式における自動販売機の利用方法について説明する。
図6のフローチャートに示すように、現在時刻と比較して、割引開始時刻かを判断し(ステップS1)、割引開始時刻となれば(ステップS1,Yes)、図4の価格表示器28aの構成図に示すように、例えば、割引パターン「3」が設定されている場合、「150」の商品は、価格表示器28aの表示を割引価格「120円」に変更して(ステップS2)、販売待機状態となる。
【0035】
この状態で、硬貨投入口23に「120円」の硬貨が投入されると(ステップS3,Yes)、上記「120円」に価格変更された商品を含め、「120円」にて販売可能な商品選択ボタン28の販売可能ランプを点灯させ(ステップS4)、ここで、価格変更された商品に対応する商品選択ボタン28が押されると(ステップS5)、本体制御部14を介して、商品搬出装置12を駆動し、所望の商品が商品取出口26に搬出され(ステップS6)、割引販売が行われることになる(ステップS3)。
【0036】
次に、割引終了時刻となれば(ステップS7,Yes)、図4の価格表示器28aに示すように、割引価格「120円」の商品の場合、価格表示器28aの表示を通常の販売価格「150円」に変更し、通常の商品販売価格に戻す(ステップS8)。
【0037】
次に、タイムサービス割引が終了し、かつ、まとめ買い割引が有効となっている場合には(ステップS9,Yes)、前記設定にて割引対象個数が「3本」であるとすると、この状態で、3本以上の商品を購入可能な金額が硬貨投入口23から投入され(ステップS10,Yes)、まとめ買い割引対象コラムに対応する商品選択ボタン28が押されると(ステップS11,Yes)、本体制御部14を介して、商品搬出装置12を駆動し、所望の商品が商品取出口26に搬出され(ステップS12)、次に、割引対象コラムの商品が「2本」販売されたかを判断する(ステップS13)。
【0038】
割引対象コラムの販売数のカウントが行われ、販売数のカウントが「2本」となると(ステップS13,Yes)、あと「1本」割引対象コラムの商品を購入すると割引販売となるので、割引対象コラムの価格表示器28aの価格表示を割引価格に切り替える(ステップS14)。
【0039】
ここで、割引対象コラムの商品選択ボタン28が押されると(ステップS15,Yes)、本体制御部14を介して、商品搬出装置12を駆動し、所望の商品が商品取出口26に搬出されるとともに(ステップS16)、3本目の商品は、割引価格に基づいて残金から減算され、釣銭があれば、硬貨返却口23aに釣銭が返却され(ステップS17)、販売待機状態となり(ステップS18)、次の割引開始時刻となるまで、まとめ買い割引方式にて自動販売機を運用する。
【0040】
このように、タイムサービス割引中は、割引対象個数に関係なく、割引を行い、タイムサービス割引中以外は、まとめ買い割引を有効するものであり、それぞれの割引機能は、単独でも使用可能である。
【0041】
なお、タイムサービス割引については、割引開始時刻前に入金があり、その後、商品選択前に割引開始時刻となった場合には、当該入金による販売は通常価格による販売とし、この販売終了後、タイムサービスによる割引販売を開始し、割引終了時刻前に入金があった場合には、返却レバー25による返金操作がされずに、商品選択ボタン28による商品選択が行われれば、割引価格による販売とし、この販売終了後、タイムサービスによる割引販売を終了する。
【0042】
また、主制御部1の時計1cが異常の場合には、まとめ買い割引のみを有効として割引販売を継続することができる。
さらに、電子マネー使用可能な自動販売においては、商品先選択方式が主流であるため、タイムサービスの場合には、商品選択ボタン28が先選択された時点が割引開始時刻あるいは割引終了時刻かを判断することで、割引販売するか否かを判定する。
【0043】
一方、まとめ買い割引については、途中に割引対象コラム以外の商品を購入した場合には販売数のカウントがされず、割引対象コラムの商品が所定本数販売された時点で割引販売に切り替わるが、この場合には、つづけ買い設定を割引対象個数より大きい数とする必要がある。
【0044】
また、まとめ買い割引を電子マネー使用可能な自動販売に適用する場合には、商品選択の押し替えではなく、続けて複数の商品を先選択できるようにして、対応する。
このタイムサービス割引、まとめ買い割引、割引コラムのアピールは、種々考えられるが、単純には、ステッカー、シールなどでの表示、あるいは既存の表示器を利用して、通常とは異なる表示をさせることでアピールが可能となり、新たな表示器を別途設けてもよい。
【0045】
割引金額は、予め設定されている3パターンとしたが、リモコン11の操作にて変更可能であり、仮に、割引金額を通常の販売価格より大きい金額として誤設定した場合には、異常と判断して割引設定を無視し、通常の販売価格にて商品を販売する。
【0046】
また、現金による購入について説明したが、プリペイドカードによる販売でも同様であり、プリペイドカードの場合には、カード価格により割引販売となる。
一方、現金及びカードを併用して商品を購入する場合については、割引運用時に、先にカードを挿入して現金を追加投入した場合、先に現金を投入してカードを追加投入した場合のいずれの場合においても、カードから先に減算して、現金から割引を行い、現金による割引を優先する。
【符号の説明】
【0047】
1 主制御部
1a メモリ
1b メモリ
11 リモコン
20 自動販売機
27 デジタル表示器
28 商品選択ボタン
28a 価格表示器
29 リーダライタ部
29a 挿入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
割引金額と割引対象コラムを設定するとともに、割引時間帯あるいは割引期間を設定する設定手段と、割引金額と割引対象コラムを設定するとともに、まとめ買い割引をする際の割引対象個数を設定する設定手段と、前記割引時間帯あるいは割引期間内では、割引時間帯あるいは割引期間に基づき割引販売を、割引時間帯あるいは割引期間以外では、割引対象となる購入数割引個数に基づき割引販売を行う制御手段とを備えたことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
請求項1記載の自動販売機において、割引時間帯と割引期間との両方が設定された場合には、割引期間内でかつ割引時間帯のみ割引販売可能とすることを特徴とする自動販売機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自動販売機において、割引時間帯あるいは割引期間による割引の場合には、まとめ買い割引対象個数に関係なく割引を行うことを特徴とする自動販売機。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかの項に記載の自動販売機において、時計異常の場合には、割引時間帯あるいは割引期間による割引のみ中止にすることを特徴とする自動販売機。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかの項に記載の自動販売機において、まとめ買い割引をする際の割引対象個数のカウントは、割引対象コラムの商品販売時のみカウントすることを特徴とする自動販売機。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかの項に記載の自動販売機において、決済種別毎の販売価格から割引販売を行うとともに、割引金額が販売価格より高額の場合には通常価格による販売とすることを特徴とする自動販売機。
【請求項7】
請求項6記載の自動販売機において、決済種別とは、現金とカードであり、現金とカードとの併用販売の場合には、現金から割引を行うことを特徴とすることを特徴とする自動販売機。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかの項に記載の自動販売機において、入金中に割引時間帯あるいは割引期間の開始あるいは終了時点になっても、販売待機状態に戻ってから状態を更新することを特徴とする自動販売機。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかの項に記載の自動販売機において、商品選択ボタン毎にデジタル式の価格表示器を備え、該価格表示器に、通常販売時には定価の販売価格を表示させ、割引時間帯あるいは割引期間による割引の場合には割引価格を、まとめ買い販売時には、割引対象個数に達した時点で割引価格を表示させることを特徴とする自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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