説明

自動車に用いるリア・シート

【課題】左右のシート・バックの片方をシート・クッション上に前倒しさせ、荷室モードでその前倒しされたシート・バックの背裏面に物をのせて荷室に利用でき、そしてその際、その前倒しされたシート・バックで使用しないヘッドレストを荷室仕切りとして活用可能にする。
【解決手段】一方のリア・シート・バック16が、自身のそのヘッドレスト19を抜き取ってそのベンチ型リア・シート・クッション上に前倒しされて荷室モードにされる際、自身のその抜き取られたヘッドレスト19が、それの一対のスティ24,24をその一方の前倒しされたリア・シート・バック16のその一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダー25,25に抜き取り可能に差し込んでその一方の前倒しされたリア・シート・バック16の背裏面21に取り付けられ、そして、荷室仕切りとして活用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車に用いるリア・シートに関し、詳細には、左右のリア・シート・バックの一方が、自身のヘッドレストを抜き取ってリア・シート・クッション上に前倒しされて荷室モードにされる際、自身の抜き取ったヘッドレストがその一方の前倒しされたリア・シート・バックの背裏面のインナー・サイドに取り付けられ、そして、荷室仕切りとして活用されるところの自動車に用いるリア・シートに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、自動車で買い物に出掛け、そして、買った品物をリア・シートにのせて帰る際、荷物固定ネットでその買った品物をそのリア・シートに固定する方法がある。この種の固定方法では、そのリア・シートの座面や背当て面が汚れる恐れがある。また、そのネットがアームレストから引出されて広げられ、そのリア・シートのシート・クッション及びシート・バックのフックに引っ掛けられて使われるので、そのネットは新たに必要な部品となって部品数が増え、それに加えて、そのフックがシートの表面突起となって不具合を生じる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平11−299574公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、左右のシート・バックの片方をシート・クッション上に前倒しさせ、荷室モードでその前倒しされたシート・バックの背裏面に物をのせて荷室に利用でき、そしてその際、その前倒しされたシート・バックで使用しないヘッドレストを荷室仕切りとして活用可能にするところの自動車に用いるリア・シートを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の自動車に用いるリア・シートは、左右のリア・シート・バックが、それぞれの上面に開口される一対のヘッドレスト・スティ・ホルダーを内部に組み込み、そして、それぞれリクライニング・デバイスを用いてベンチ型リア・シート・クッションに少なくとも前倒し可能に支持され、そして、左右のヘッドレストが、それぞれの一対のスティをその左右のリア・シート・バックのその一対のヘッドレスト・スティ・ホルダーに対応的に抜き取り可能に差し込んでその左右のリア・シート・バックに対応的に取り付けられ、そしてさらに、その左右のリア・シート・バックの何れか一方が、それの背裏面のインナー・サイドに開口される一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダーを内部に組み込み、そして、その一方のリア・シート・バックが、自身のそのヘッドレストを抜き取ってそのベンチ型リア・シート・クッション上に前倒しされて荷室モードにされる際、自身のその抜き取られたヘッドレストが、それの一対のスティをその一方の前倒しされたリア・シート・バックのその一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダーに抜き取り可能に差し込んでその一方の前倒しされたリア・シート・バックの背裏面に取り付けられ、そして、荷室仕切りとして活用される。
【発明の効果】
【0006】
この発明の自動車の用いるリア・シートでは、その左右のリア・シート・バックの一方が、自身のそのヘッドレストを抜き取ってそのベンチ型リア・シート・クッション上に前倒しされて荷室モードにされると、その一方のリア・シート・バックのその背裏面に荷物
をのせて荷室に利用でき、そして、その際、その一方の前倒しされたリア・シート・バックで使用しないそのヘッドレストがそれの一対のスティをその一方の前倒しされたリア・シート・バックのその背裏面のその一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダーに差し込んでその一方の前倒しされたリア・シート・バックのその背裏面のインナー・サイドに取り付けられ、そして、荷室仕切りとして活用可能になってその荷物がそのリア・シート・クッションの他側に着座する乗員の側に落ちてこなくなり、座面や背当て面がその荷物で汚れず、部品数の増加、コストの増加が抑えられ、そして、その使用しないヘッドレストがアームレストとしても使用可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】乗用車のリア・シートに活用されるところのこの発明の自動車に用いるリア・シートの具体例を一部破断して示した斜視図である。
【図2】そのリア・シートを荷室モードで示した側面図である。
【図3】図2の3−3線で示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明の自動車に用いるリア・シートは、左右のリア・シート・バックが、それぞれの上面に開口される一対のヘッドレスト・スティ・ホルダーを内部に組み込み、そして、それぞれリクライニング・デバイスを用いてベンチ型リア・シート・クッションに少なくとも前倒し可能に支持され、そして、左右のヘッドレストが、それぞれの一対のスティをその左右のリア・シート・バックのその一対のヘッドレスト・スティ・ホルダーに対応的に抜き取り可能に差し込んでその左右のリア・シート・バックに対応的に取り付けられ、そしてさらに、その左右のリア・シート・バックの何れか一方が、それの背裏面のインナー・サイドに開口される一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダーを内部に組み込み、そして、その一方のリア・シート・バックが、自身のそのヘッドレストを抜き取ってそのベンチ型リア・シート・クッション上に前倒しされて荷室モードにされる際、自身のその抜き取られたヘッドレストが、それの一対のスティをその一方の前倒しされたリア・シート・バックのその一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダーに抜き取り可能に差し込んでその一方の前倒しされたリア・シート・バックの背裏面に取り付けられ、そして、荷室仕切りとして活用される。
【0009】
そして、その一対のヘッドレスト・スティ・ホルダーは、ロック機構が省かれてかまわない。
【実施例1】
【0010】
以下、特定されて図示された具体例に基づいて、この発明の自動車に用いるリア・シートを説明するに、図1ないし図3は、乗用車のリア・シートに活用されるところのこの発
明の自動車に用いるリア・シートの具体例10を示し、そして、このリア・シート10では、ベンチ型リア・シート・クッション11が、左右のシート・クッション12,13、およびセンター・シート・クッション14からなり、左右のリア・シート・バック15,16およびセンター・バック17が、リクライニング・デバイス(図示せず)でそのベンチ型リア・シート・クッション11にヒンジ結合され、そして、左右のヘッドレスト18,19が、その左右のリア・シート・バック15,16に対応的に取り外し可能に取り付けられる。
【0011】
さらに具体的には、このリア・シート10では、その左右のリア・シート・バック15,16が、それぞれの上面20に開口される一対のヘッドレスト・スティ・ホルダー23,23を内部に組み込み、そして、それぞれリクライニング・デバイスを用いてそのベンチ型リア・シート・クッション11に前倒し可能に支持され、そして、その左右のヘッドレスト18,18が、それぞれの一対のスティ24,24をその左右のリア・シート・バ
ック15,16のその一対のヘッドレスト・スティ・ホルダー23,23に対応的に抜き取り可能に差し込んでその左右のリア・シート・バック15,16に対応的に取り付けられ、そしてさらに、その左右のリア・シート・バック15,16の何れか一方16が、それの背裏面21のインナー・サイド22に開口される一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダー25,25を内部に組み込み、そして、その一方のリア・シート・バック16が、自身のそのヘッドレスト19を抜き取ってそのベンチ型リア・シート・クッション11上に前倒しされて荷室モードにされる際、自身のその抜き取られたヘッドレスト19が、それの一対のスティ24,24をその一方の前倒しされたリア・シート・バック16のその一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダー25,25に抜き取り可能に差し込んでその一方の前倒しされたリア・シート・バック16の背裏面21に取り付けられ、そして、荷室仕切りとして活用される。
【0012】
そして、このリア・シート10では、その一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダー25,25は、ロック機構を省いた構造のスティ・ホルダー、すなわち、ヘッドレストのための通常のロック無しスティ・ホルダーである。
【0013】
したがって、このリア・シート10では、その左右のリア・シート・バック15,16の一方16が、自身のそのヘッドレスト19を抜き取ってそのベンチ型リア・シート・クッション11上に前倒しされて荷室モードにされると、その一方のリア・シート・バック16のその背裏面21に荷物をのせて荷室に利用でき、そして、その際、その一方の前倒しされたリア・シート・バック16で使用しないそのヘッドレスト19がそれの一対のスティ24,24をその一方の前倒しされたリア・シート・バック16のその背裏面21のその一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダー25,25に差し込んでその一方の前倒しされたリア・シート・バック16のその背裏面21のインナー・サイド22に取り付けられ、そして、荷室仕切りとして活用可能になってその荷物がそのリア・シート・クッション11の他側12に着座する乗員の側に落ちてこなくなり、座面や背当て面がその荷物で汚れず、部品数の増加、コストの増加が抑えられ、そして、その使用しないヘッドレスト19がアームレストとしても使用可能になる。
【0014】
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかであるように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。
【産業上の利用可能性】
【0015】
上述から理解されるように、この発明の自動車に用いるリア・シートは、左右のリア・シート・バックが、それぞれの上面に開口される一対のヘッドレスト・スティ・ホルダーを内部に組み込み、そして、それぞれリクライニング・デバイスを用いてベンチ型リア・シート・クッションに少なくとも前倒し可能に支持され、そして、左右のヘッドレストが、それぞれの一対のスティをその左右のリア・シート・バックのその一対のヘッドレスト・スティ・ホルダーに対応的に抜き取り可能に差し込んでその左右のリア・シート・バックに対応的に取り付けられ、そしてさらに、その左右のリア・シート・バックの何れか一方が、それの背裏面のインナー・サイドに開口される一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダーを内部に組み込み、そして、その一方のリア・シート・バックが、自身のそのヘッドレストを抜き取ってそのベンチ型リア・シート・クッション上に前倒しされて荷室モードにされる際、自身のその抜き取られたヘッドレストが、それの一対のスティをその一方の前倒しされたリア・シート・バックのその一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダーに抜き取り可能に差し込んでその一方の前倒しされたリア・シート・バックの背裏面に
取り付けられ、そして、荷室仕切りとして活用されるので、この発明の自動車に用いるリア・シートでは、その左右のリア・シート・バックの一方が、自身のそのヘッドレストを抜き取ってそのベンチ型リア・シート・クッション上に前倒しされて荷室モードにされると、その一方のリア・シート・バックのその背裏面に荷物をのせて荷室に利用でき、そして、その際、その一方の前倒しされたリア・シート・バックで使用しないそのヘッドレストがそれの一対のスティをその一方の前倒しされたリア・シート・バックのその背裏面のその一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダーに差し込んでその一方の前倒しされたリア・シート・バックのその背裏面のインナー・サイドに取り付けられ、そして、荷室仕切りとして活用可能になってその荷物がそのリア・シート・クッションの他側に着座する乗員の側に落ちてこなくなり、座面や背当て面がその荷物で汚れず、部品数の増加、コストの増加が抑えられ、そして、その使用しないヘッドレストがアームレストとしても使用可能になり、その結果、自動車にとって非常に有用で実用的である。
【符号の説明】
【0016】
10 リア・シート
11 ベンチ型リア・シート・クッション
12 左のシート・クッション
13 右のシート・クッション
14 センター・シート・クッション
15 左のリア・シート・バック
16 右のリア・シート・バック
17 センター・シート・バック
18 左のヘッドレスト
19 右のヘッドレスト
20 上面
21 背裏面
22 インナー・サイド
23 ヘッドレスト・スティ・ホルダー
24 スティ
25 別のヘッドレスト・スティ・ホルダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右のリア・シート・バックが、それぞれの上面に開口される一対のヘッドレスト・スティ・ホルダーを内部に組み込み、そして、それぞれリクライニング・デバイスを用いてベンチ型リア・シート・クッションに少なくとも前倒し可能に支持され、そして、左右のヘッドレストが、それぞれの一対のスティをその左右のリア・シート・バックのその一対のヘッドレスト・スティ・ホルダーに対応的に抜き取り可能に差し込んでその左右のリア・シート・バックに対応的に取り付けられ、そしてさらに、その左右のリア・シート・バックの何れか一方が、それの背裏面のインナー・サイドに開口される一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダーを内部に組み込み、そして、その一方のリア・シート・バックが、自身のそのヘッドレストを抜き取ってそのベンチ型リア・シート・クッション上に前倒しされて荷室モードにされる際、自身のその抜き取られたヘッドレストが、それの一対のスティをその一方の前倒しされたリア・シート・バックのその一対の別のヘッドレスト・スティ・ホルダーに抜き取り可能に差し込んでその一方の前倒しされたリア・シート・バックの背裏面に取り付けられ、そして、荷室仕切りとして活用されるところの自動車に用いるリア・シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−236434(P2012−236434A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104825(P2011−104825)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000133098)株式会社タチエス (454)
【Fターム(参考)】