自動車のステアリングコラムカバー構造
【課題】乗員の乗降性を確保しつつ、車両前突時に足がペダルから車幅方向に移動することを抑制できる自動車のステアリングコラムカバー構造を提供することを目的とする。
【解決手段】ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバー9の車幅方向側方に、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾するアクセルペダル4が設けられ、ステアリングコラムカバー9の下面の、ステアリングシャフト軸方向L1における下面後端部91aよりも前方で、且つアクセルペダル4側の側部に、下面後端部91aからステアリングシャフト軸方向L1に延びる延長線L2よりも下方に突出して前方に延びるガイド面92を設けた。
【解決手段】ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバー9の車幅方向側方に、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾するアクセルペダル4が設けられ、ステアリングコラムカバー9の下面の、ステアリングシャフト軸方向L1における下面後端部91aよりも前方で、且つアクセルペダル4側の側部に、下面後端部91aからステアリングシャフト軸方向L1に延びる延長線L2よりも下方に突出して前方に延びるガイド面92を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車のステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のペダル装置のうち、アクセルペダルは、一時に大きな力で踏み込み操作をするクラッチペダルやブレーキペダルとは異なり、ペダル(踏み込み面)の角度を定常的に保持するように操作することによって、所望の車速を実現するものであることから、他のペダルに比べてその踏み込み力は必然的に小さくなる。このため、従来、車両前突時には、以下に述べるような問題があった。
【0003】
具体的には、図9に示すように、自動車Vが斜め衝突またはオフセット衝突等の衝突形態で障害物αに前突した時、車体は、図中二点鎖線で示すように、障害物αを中心にして旋回するように移動する一方、車室内の乗員Mは、慣性によって車両走行時(前突前)の走行方向に移動しようとする。この時、乗員Mは車体に対して斜めに相対移動することになるため、上述したように比較的小さい踏み込み力でアクセルペダル104を踏み込んでいる足Mfが、前突時の衝突加速度の作用により、アクセルペダル104の踏み込み面から滑って相対的に車幅方向に移動する虞があった。
【0004】
このように、足Mfがアクセルペダル104から移動すると、足Mfがアクセルペダル104よりも衝撃吸収機能の低い部位に移動して最適な衝撃吸収ができなかったり、足Mfの姿勢が不自然になって、足Mfに負荷がかかったりする等して、想定外の問題が発生する懸念があるため、好ましくない。
【0005】
また、従来、自動車のペダル装置として、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾するいわゆるオルガン式ペダルが知られている。このオルガン式ペダルは、乗員の踏み込み操作によって踏み込み面が前方且つ下方に移動するものであり、踵を動かさなくても踏み込み面の踏み込み点が変化し難いという特徴がある。このため、オルガン式ペダルは、踏み込み操作によって踏み込み面が前方且つ上方に移動し、フロア面に対して直交する方向に傾斜するいわゆる吊り下げ式ペダルに対し、踵を基準にして踏み込み面を調整したり、保持したりし易いという利点がある。
【0006】
しかしながら、このオルガン式のペダルにおいても、以下に述べる理由により、上述したアクセルペダル104と同様の問題があった。
【0007】
具体的には、オルガン式ペダルは、吊り下げ式ペダルと異なり、踏み込む程、踏み込み面が水平に近づくため、足が踏ん張り難い状態となる。このため、図9に示すように、自動車Vが障害物αに前突した時には、アクセルペダル104の場合と同様、オルガン式ペダルを踏み込んでいる足が、踏み込み面から滑って相対的に車幅方向に移動する虞があった。
【0008】
ところで、従来、車両前突時に乗員の膝や胸部に加わる衝撃を、ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバーで吸収するように構成したものが知られている(下記特許文献1参照)。
【0009】
また、従来、車両の斜突時に乗員が車体に対して斜めに相対移動することを、乗員の膝に向かって膨張展開するニーエアバッグによって抑制するように構成したものも知られている(下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−75339号公報
【特許文献2】特開2008−120106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記特許文献1、2のいずれも、ペダルを踏み込んでいる足が車両前突時にペダルの踏み込み面から滑って移動するという問題について何ら開示されておらず、これらの従来技術では、上述した足の移動を確実に抑制することができなかった。
【0012】
この発明は、乗員の乗降性を確保しつつ、車両前突時に足がペダルから車幅方向に移動することを抑制できる自動車のステアリングコラムカバー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の自動車のステアリングコラムカバー構造は、ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバーの下面の、ステアリングシャフト軸方向における下面後端部よりも前方で、且つアクセルペダル側の側部に、前記下面後端部から前記ステアリングシャフト軸方向に延びる延長線よりも下方に突出して前方に延びるガイド面を設けたものである。
【0014】
この構成によれば、車両前突時に足が滑り易いアクセルペダル側の脚部が、アクセルペダルから相対的に車幅方向に移動することをガイド面によって抑制でき、その結果、足がアクセルペダルから車幅方向に移動することを抑制できる。
【0015】
さらに、車両前方に設けたガイド面よりも高い位置にステアリングコラムカバーの下面後端部を設定しているため、膝が比較的上方に位置する行動形態(降車モード)で乗員が降車したとしても、膝とステアリングコラムカバーとの干渉を回避することができ、その結果、乗降性を確保することができる。
【0016】
また、この発明の自動車のステアリングコラムカバー構造は、ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバーの車幅方向側方に、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾するペダルが設けられ、前記ステアリングコラムカバーの下面の、ステアリングシャフト軸方向における下面後端部よりも前方で、且つ前記ペダル側の側部に、前記下面後端部から前記ステアリングシャフト軸方向に延びる延長線よりも下方に突出して前方に延びるガイド面を設けたものである。
【0017】
この構成によれば、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾することによって車両前突時に足が滑り易いペダル側の脚部が、ペダルから相対的に車幅方向に移動することをガイド面によって抑制でき、その結果、足がペダルから車幅方向に移動することを抑制できる。
【0018】
さらに、車両前方に設けたガイド面よりも高い位置にステアリングコラムカバーの下面後端部を設定しているため、膝が比較的上方に位置する行動形態(降車モード)で乗員が降車したとしても、膝とステアリングコラムカバーとの干渉を回避することができ、その結果、乗降性を確保することができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、前記ガイド面が、前記ステアリングコラムカバーの、前記ステアリングシャフト軸方向における後端部よりも前方で、前記下面後端部よりも前方の位置から、前記ステアリングコラムカバーの前記ペダル側の側部まで側方且つ上方に向かって延設されるものである。
【0020】
この構成によれば、前記延長線から下方に突出する部位よりも車両後方の位置で可及的早期に脚部をガイドすることができるため、脚部がペダルから相対的に車幅方向に移動することをより円滑に抑制できる。
【0021】
この発明の一実施態様においては、前記ガイド面が、前記ペダル側と車幅方向で反対側の前記ステアリングコラムカバー側面よりも、車幅方向で前記ステアリングコラムカバー内側に延設されるものである。
【0022】
この構成によれば、ペダル側の脚部を車幅方向にガイドする範囲を拡大することができる。これにより、車両前突時、乗員の膝が車幅方向にぶれたとしても脚部を安定的にガイドすることができる。
【0023】
そして、ペダル側のみをステアリングコラムカバーの内側に延設させたことで、ペダルが配設されていない反対側のステアリングコラムカバー内部では、各種補機を収納するためのスペースを確保することができる。
【0024】
この発明の一実施態様においては、前記ガイド面が、前記ペダル側と車幅方向で反対側の前記ステアリングコラムカバー側面よりも下方に延設されるものである。
【0025】
この構成によれば、ペダルが配設されていない反対側では、ステアリングコラムカバーが下方に突出しない構成とすることができる。これにより、乗降時における膝の移動スペースを確保することができ、膝とステアリングコラムカバーとの干渉をより確実に抑制することができる。
【0026】
この発明の一実施態様においては、前記ステアリングコラムカバーの下面の、前記ペダル側と反対側の部位に、ステアリング位置調整レバーが設けられているものである。
【0027】
この構成によれば、ガイド面のガイド機能を確保しつつ、乗員着座時に脚部の周辺がステアリング位置調整レバーの存在によって窮屈になることを抑制できる。
【0028】
この発明の一実施態様においては、前記アクセルペダルを、揺動中心が踏み込み面の上下中心、または下方に設定されたペダルとしたものである。
【0029】
この構成によれば、揺動中心が踏み込み面の上下中心、または下方に設定されることによって車両前突時に足が滑り易いアクセルペダル側の脚部が、アクセルペダルから相対的に車幅方向に移動することをガイド面によって抑制でき、その結果、足がアクセルペダルから車幅方向に移動することを抑制できる。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、車両前突時に足が滑り易いアクセルペダル側の脚部が、アクセルペダルから相対的に車幅方向に移動することをガイド面によって抑制でき、その結果、足がアクセルペダルから車幅方向に移動することを抑制できる。
【0031】
さらに、車両前方に設けたガイド面よりも高い位置にステアリングコラムカバーの下面後端部を設定しているため、膝が比較的上方に位置する行動形態(降車モード)で乗員が降車したとしても、膝とステアリングコラムカバーとの干渉を回避することができ、その結果、乗降性を確保することができる。
【0032】
また、この発明によれば、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾することによって車両前突時に足が滑り易いペダル側の脚部が、ペダルから相対的に車幅方向に移動することをガイド面によって抑制でき、その結果、足がペダルから車幅方向に移動することを抑制できる。
【0033】
さらに、車両前方に設けたガイド面よりも高い位置にステアリングコラムカバーの下面後端部を設定しているため、膝が比較的上方に位置する行動形態(降車モード)で乗員が降車したとしても、膝とステアリングコラムカバーとの干渉を回避することができ、その結果、乗降性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係るステアリングコラムカバー構造を備えた車両前部を示す側面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】アクセルペダルの構造を示す側断面図。
【図4】ステアリングコラムカバーの構造を示す側面図。
【図5】図4のA−A線矢視断面図。
【図6】図5のB−B線矢視断面図。
【図7】図6のC−C線矢視断面図。
【図8】本発明の他の実施形態に係るステアリングコラムカバー構造を備えた車両前部を示す側面図。
【図9】車両の前突時にペダルの踏み込み面から足が移動する従来の問題点を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係るステアリングコラムカバー構造を備えた車両前部を示す側面図であり、図2は、同平面図である。図1、図2に示す自動車Vには、その車室内左側に運転席シート1が配設されると共に、そのシートクッション1aをスライド変位させてその前後位置を調整する前後位置調整機構2が設けられている。そして、この前後位置調整機構2は、図1に示すように、車両前方且つ上方に傾斜するように設けられている。なお、図中において矢印(F)は車両前方、矢印(R)は車両後方を示す。
【0036】
また、前記車室の前部左側には、車幅方向に延びる樹脂性のインストルメントパネル3が配設されており、このインストルメントパネル3の下方には、運転席シート1に着座した乗員Mにより踏み込み操作されるアクセルペダル4とブレーキペダル5(図2参照)とクラッチペダル6(図2参照)とが配設されている。そして、インストルメントパネル3には、運転席シート1と対向する位置に、ステアリングホイール7と、車幅方向に延びるインパネメンバ8に支持されたステアリングコラムカバー(以下、コラムカバーと略記する。)9とが配設されている。
【0037】
また、自動車Vの車体には、エンジンまたはモータとトランスミッションとにより構成されるパワートレイン10(図2参照)が収納される収納空間と前記車室とを区画するダッシュパネル11、該ダッシュパネル11の上方にて車幅方向に延びるカウル部12、及び前記車室のフロア面を構成する略平坦なフロアパネル13が設けられている。なお、図1に示す部材14は、カウル部12により下端部が支持されたフロントウインドシールドであり、部材15は、前記収納空間を上方から覆うボンネットである。
【0038】
図3は、アクセルペダルの構造を示す側断面図である。上述したフロアパネル13の上面には、防振、遮音および断熱機能等を有するメルシート、フェルト材またはグラスウール等を主体としたインシュレータ16と、その上面を被覆する従来周知のフロアマット17とが設置されている。
【0039】
自動車Vでは、ブレーキペダル5およびクラッチペダル6が吊り下げ式ペダルにより構成される一方、アクセルペダル4は、フロアパネル13側に固定されたベース部材41と、このベース部材41により支持されるとともに、乗員の踏み込み操作に応じて下端ヒンジ部42を支点に揺動する踏面板43と、この踏面板43を後方側に付勢する圧縮コイルばね等からなる付勢部材44とを備えており、揺動中心となる下端ヒンジ部42が踏面板43の踏み込み面の下方に設定されたいわゆるオルガン式ペダルにより構成されている。
【0040】
踏面板43は、下端ヒンジ部42を支点として揺動可能に支持されるとともに、通常時(非操作時)には、前記付勢部材44の付勢力に応じ、水平線に対して所定角度の傾斜状態で保持されるようになっている。
【0041】
また、アクセルペダル4は、踏面板43の揺動変位を検出して図外の制御部に検出信号を出力するアクセルペダル操作検出部を備えており、踏面板43の裏面には、前記アクセルペダル操作検出部を構成する操作ロッド45が回動可能に枢支されている。
【0042】
ベース部材41には、前記アクセルペダル操作検出部を構成するリニアセンサが配設されたコントロールボックス46と、操作ロッド45の下端部に連結された可撓性を有する線条体等からなる連結部材47を摺動可能に支持するガイド部48とが設けられている。
【0043】
アクセルペダル4において、フロアパネル13上に踵部を載置した乗員Mの足Mf(図1参照)を踏面板43の踏み込み面に当接させた状態で、この踏面板43を運転者が踏み込み操作すると、付勢部材44の付勢力に抗して踏面板43が下端ヒンジ部42を揺動中心として車両の前方側へ揺動し、前傾する。この踏面板43に入力された踏み込み力が操作ロッド45および連結部材47を介してコントロールボックス46のリニアセンサに伝達されることにより、踏面板43の操作量が検出され、その検出信号がコントロールボックス46から図外のハーネスを介してパワートレイン用制御ユニットに出力されるようになっている。
【0044】
図4は、コラムカバーを示す側面図であり、図5〜図7は、ぞれぞれ、図4のA−A線矢視断面図、B−B線矢視断面図、C−C線矢視断面図である。なお、図中において矢印(IN)は車体内方、矢印(OUT)は車体外方を示す。本実施形態では、図1、図2、図4〜図7に示すコラムカバー9が、図5〜図7に示すステアリングコラム18を覆っており、ステアリングホイール9の操舵力を車輪W(図1参照)に伝達するステアリングシャフト19(図5〜図7参照)が、上述したステアリングコラム18によって回転可能に支持されている。そして、ステアリングシャフト19の回転力は、図1に示す上部のユニバーサルジョイント20、第2シャフト21、下部のユニバーサルジョイント22等を介して図示しないステアリングギアボックスに伝達されるようになっている。
【0045】
また、コラムカバー9内には、図5〜図7に示すように、キーシリンダ23や、ステアリングシャフト19の操舵角を検出する舵角センサ24の他、図示しない電動パワーステアリングユニットや、可変ステアリングギアレシオ(VGR)装置等の各種補機が収納されている。
【0046】
また、コラムカバー9は、図1、図2、図4〜図7に示すように、その下面91の、ステアリングシャフト19の軸方向(以下、軸方向と略記する。)L1における下面後端部91aよりも前方で、且つアクセルペダル4側の側部に、下面後端部91aから軸方向L1に延びる延長線L2よりも下方に突出して車両前方に延びる下方延設部92aを有するガイド面92が設けられている。
【0047】
ガイド面92は、図1、図2、図4、図5に示すように、上方延設部92bを有し、この上方延設部92bは、コラムカバー9の軸方向L1における後端部9aよりも車両前方で、下面後端部91aよりも車両前方の位置から、コラムカバー9のアクセルペダル4側の側部まで側方(車幅方向右方)且つ上方に向かって延設されている。
【0048】
また、ガイド面92は、図5〜図7に示すように、コラムカバー9のアクセルペダル4側の側面93と車幅方向で反対側の側面94よりも、車幅方向でコラムカバー9の内側に延設されている。そして、コラムカバー9内では、上述した舵角センサ24等の各種補機が、側面94側の内部空間に配設されている。なお、図5〜図7では、側面94と対称の関係になるように側面93′を設けた場合の形状を二点鎖線で示している。
【0049】
さらに、ガイド面92では、下方延設部92aが、図6、図7に示すように、コラムカバー9の側面94よりも下方に延設されている。
【0050】
また、コラムカバー9の下面91には、図1、図6、図7に示すように、アクセルペダル4側と反対側の部位に、ステアリングシャフト19(ステアリングホイール7)の位置を調整するチルトレバー25が設けられている。
【0051】
コラムカバー9内には、図7に示すように、断面門形のブラケット26が配設され、左右一対のチルト用の溝26aが形成されている。そして、ブラケット26の車幅方向一方には、締付け用プレート27と、プレート支持ピン28が配設されると共に、溝26aには、ボルト29が貫通しており、ブラケット26と締付け用プレート27とがボルト29およびナット30によって締結されている。そして、チルト用の溝26aに挿通されたボルト29は、チルトレバー25の操作時に溝26aに対して相対移動可能に配設されている。
【0052】
このため、ボルト29、ナット30による締結力を緩めることによって、締付け用プレート27の締付けを緩めると共に、ステアリングコラム18をチルトさせると、ボルト29が溝26aに沿って変位し、ステアリングシャフト19を傾動させることができることができるようになっている。
【0053】
次に、図2に示すように、自動車Vが障害物αに前突し、特に、図示のように、障害物αと斜突またはオフセット衝突した場合について説明する。この場合、乗員Mは、車体に対して斜め前方に相対移動し、足Mfを含む脚部Mlが車幅方向左方に相対移動しようする。
【0054】
ここで、本実施形態では、乗員Mの脚部Ml(膝Mk)が、コラムカバー9のガイド面92に当接することとなり、具体的には、脚部Mlが、図5にて二点鎖線で示すように、先ず下面後端部91aよりも車両前方に位置する上方延設部92bに当接する。そして、この上方延設部92bによって、脚部Mlが下方延設部92a上にガイドされ、乗員Mの相対移動が進むと、脚部Mlは、図6、図7にて二点鎖線で示すように、下方延設部92aのガイドにより、車体に対して相対的にアクセルペダル4側(車幅方向右方)に移動するようになっている。
【0055】
このように、本実施形態では、コラムカバー9にガイド面92を設け、自動車Vが障害物αに前突した時、このガイド面92によって脚部Mlをアクセルペダル4側へ移動させるようにガイドすることで、図2にて二点鎖線で示すように、アクセルペダル4(踏面板43)に足Mfを乗せた状態(踏み込み操作状態)を保持するようになっている。このため、本実施形態では、自動車Vの前突時に足Mfが滑り易いアクセルペダル4側の脚部Mlが、アクセルペダル4から相対的に車幅方向に移動することをガイド面92によって抑制でき、その結果、足Mfがアクセルペダル4から車幅方向に移動することを抑制できる。
【0056】
また、本実施形態では、上述したように、揺動中心が踏み込み面の下方に設定され、踏み込み面の踏み込み操作により前傾するいわゆるオルガン式ペダルでアクセルペダル4を構成している。本実施形態の場合、自動車Vの前突時に足Mfが滑り易いオルガン式ペダル(アクセルペダル4)側の脚部Mlが、オルガン式ペダル(アクセルペダル4)から相対的に車幅方向に移動することをガイド面92によって抑制でき、その結果、足Mfがオルガン式ペダル(アクセルペダル4)から相対的に車幅方向に移動することを抑制できる。
【0057】
ところで、運転席シート1の乗員Mが降車する際には、乗員Mの膝Mkがコラムカバー9の近傍に位置することから、その乗降性は、乗員の膝Mkとコラムカバーとの距離が重要となる。ここで、運転席シート1の乗員Mが降車する際の行動形態(以降、これを降車モードと言う。)について考えてみると、一般的に2つの降車モードが考えられ、乗員Mがブレーキペダル5に足Mfを乗せたまま降車する第1の降車モードと、ブレーキペダル5から足Mfを引いてから降車する第2の降車モードとが考えられる。
【0058】
このうち、前記第1の降車モードでは、足Mfをアクセルペダル4に乗せた場合と同様、脚部Mlを車両前方に伸ばした状態になっているため、膝Mkは、図1にて実線で示す場合と同様低い位置にある。従って、前記第1の降車モードでは、膝Mkとコラムカバー9との干渉が起こり難い。
【0059】
一方、前記第2の降車モードでは、特に、乗員Mが長身(例えば、身長175cm以上)である場合、図1にて一点鎖線で示すように、足Mfを車両後方に引くことによって、膝Mkは、第1の降車モードに比べて上方に位置することになる。従って、前記第2の降車モードでは、膝Mkとコラムカバー9とが干渉し易くなる。
【0060】
また、降車モードとしては、図1にて二点鎖線で示すように、臀部Mhを車両前側にずらして着座した乗員Mが、その姿勢を維持したまま降車する第3の降車モードが考えられる。
【0061】
この第3の降車モードでは、乗員Mが長身でなかったとしても、臀部Mhが車両前方に位置している分、膝Mkは、第1の降車モードに比べて上方に位置することになり、第2の降車モードと同様、膝Mkとコラムカバー9とが干渉し易くなる。
【0062】
そこで、本実施形態では、上述したように、ガイド面92を、下面後端部91aよりも前方で延長線L2よりも下方に突出するように設けており、換言すれば、車両前方に設けたガイド面92よりも高い位置にコラムカバー9の下面後端部91aを設定している。これにより、膝Mkが比較的上方に位置する第2、第3の降車モードで乗員Mが降車したとしても、膝Mkとコラムカバー9との干渉を回避することができ、その結果、乗降性を確保することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、前後位置調整機構2を車両前方且つ上方に傾斜するように設けているが、この場合、長身の乗員Mがシートクッション1aを車両後方位置に設定することで、臀部Mhの位置(ヒップポイント)を下方に設定することができ、その分膝Mkを下方に設定することができる。従って、コラムカバー9にガイド面92を設けた場合には、上述したように、前後位置調整機構2を車両前方且つ上方に傾斜するように設けるのがより好ましい。
【0064】
また、本実施形態では、後端部9aよりも車両前方で、下面後端部91aよりも車両前方の位置から、コラムカバー9のアクセルペダル4側の側部まで側方(車幅方向右方)且つ上方に向かって延設される上方延設部92bを設けたことで、延長線L2から下方に突出する下方延設部92aよりも車両後方の位置で可及的早期に脚部Mlをガイドすることができる。このため、脚部Mlがアクセルペダル4から相対的に車幅方向に移動することをより円滑に抑制できる。
【0065】
また、アクセルペダル4側の側面93と車幅方向で反対側の側面94よりも、車幅方向でコラムカバー9の内側に延設するようにガイド面92を設けたことで、アクセルペダル4側の脚部Mlを車幅方向にガイドする範囲を拡大することができる。これにより、自動車Vの前突時、乗員Mの膝Mkが車幅方向にぶれたとしても脚部Mlを安定的にガイドすることができる。
【0066】
そして、アクセルペダル4側のみをコラムカバー9の内側に延設させたことで、アクセルペダル4が配設されていない反対側(側面94側)のコラムカバー9内部では、上述した舵角センサ24等の各種補機を収納するためのスペースを確保することができる。
【0067】
また、側面93と車幅方向で反対側の側面94よりも下方に延設する下方延設部92aを設けたことで、アクセルペダル4が配設されていない反対側(側面94側)では、コラムカバー9が下方に突出しない構成とすることができる。これにより、乗降時における膝Mkの移動スペースを確保することができ、膝Mkとコラムカバー9との干渉をより確実に抑制することができる。
【0068】
また、コラムカバー9の下面91において、アクセルペダル4側と反対側の部位にチルトレバー25を設けたことで、ガイド面92のガイド機能を確保しつつ、運転席シート1に乗員Mが着座した時、脚部Mlの周辺がチルトレバー25の存在によって窮屈になることを抑制できる。
【0069】
図8は、本発明の他の実施形態に係るステアリングコラムカバー構造を備えた車両前部を示す側面図である。自動車Vの車種によっては、図8に示すインストルメントパネル3のように、コラムカバー9の下部を覆うようにロアパネル31が設けられるものがある。この場合、ガイド面92の下方延設部92aの前端部を、図示のように車両後方に設定してもよい。なお、図8において、図1〜図7に示す先の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
自動車Vの前突時には、上述したように、乗員Mが車体に対して斜め前方に相対移動するが、実際、コラムカバー9の前端部まで脚部Mlが移動することは少なく、仮に、コラムカバー9の前端部まで脚部Mlが移動したとしても、図8の場合、樹脂製のロアパネル31によって脚部Mlの衝撃を吸収することができる。従って、インストルメントパネル3にロアパネル31を設けた場合には、下方延設部92aの前端部を車両後方に設定することができる。
【0071】
また、上述した実施形態では、アクセルペダル4をオルガン式ペダルとしたが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、吊り下げ式のアクセルペダルとしてもよい。
【0072】
また、本発明では、オルガン式ペダルであれば、必ずしもアクセルペダルでなくてもよい。
そして、上述した実施形態のように、揺動中心(下端ヒンジ部42)が踏み込み面の下方に設定されたものを用いることに必ずしも限定されない。例えば、揺動中心が踏み込み面の上下中心部に設定されたものを用いてもよいし、特開2007−257391号公報に開示されているように、踏み込み面の踏み込み操作により踏面板が実質的に平行移動するものを用いてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態のように、踏面板43の操作量がリニアセンサで検出されるものを用いることに必ずしも限定されない。例えば、ワイヤーを介して踏面板をエンジンのスロットル弁に連結することにより、踏面板の操作量に応じてスロットル弁を開作動させるように構成したものを用いてもよいし、踏面板43の操作量に応じてその下方に位置するボタンの操作量を調整できるように構成したものを用いてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、車室前部左側に運転席シート1、コラムカバー9等を設けているが、車室前部右側に運転席シート、コラムカバー等を設けた自動車に本発明を適用してもよい。
また、クラッチペダル6を備えたMT車に限らず、クラッチペダル6を備えていないAT車に本発明を適用してもよい。
【0075】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の、ステアリング位置調整レバーは、チルトレバー25に対応し、
揺動中心は、下端ヒンジ部42に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0076】
4…アクセルペダル
9…ステアリングコラムカバー
18…ステアリングコラム
19…ステアリングシャフト
25…チルトレバー
42…下端ヒンジ部
92…ガイド面
L1…ステアリングシャフト軸方向
L2…延長線
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車のステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のペダル装置のうち、アクセルペダルは、一時に大きな力で踏み込み操作をするクラッチペダルやブレーキペダルとは異なり、ペダル(踏み込み面)の角度を定常的に保持するように操作することによって、所望の車速を実現するものであることから、他のペダルに比べてその踏み込み力は必然的に小さくなる。このため、従来、車両前突時には、以下に述べるような問題があった。
【0003】
具体的には、図9に示すように、自動車Vが斜め衝突またはオフセット衝突等の衝突形態で障害物αに前突した時、車体は、図中二点鎖線で示すように、障害物αを中心にして旋回するように移動する一方、車室内の乗員Mは、慣性によって車両走行時(前突前)の走行方向に移動しようとする。この時、乗員Mは車体に対して斜めに相対移動することになるため、上述したように比較的小さい踏み込み力でアクセルペダル104を踏み込んでいる足Mfが、前突時の衝突加速度の作用により、アクセルペダル104の踏み込み面から滑って相対的に車幅方向に移動する虞があった。
【0004】
このように、足Mfがアクセルペダル104から移動すると、足Mfがアクセルペダル104よりも衝撃吸収機能の低い部位に移動して最適な衝撃吸収ができなかったり、足Mfの姿勢が不自然になって、足Mfに負荷がかかったりする等して、想定外の問題が発生する懸念があるため、好ましくない。
【0005】
また、従来、自動車のペダル装置として、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾するいわゆるオルガン式ペダルが知られている。このオルガン式ペダルは、乗員の踏み込み操作によって踏み込み面が前方且つ下方に移動するものであり、踵を動かさなくても踏み込み面の踏み込み点が変化し難いという特徴がある。このため、オルガン式ペダルは、踏み込み操作によって踏み込み面が前方且つ上方に移動し、フロア面に対して直交する方向に傾斜するいわゆる吊り下げ式ペダルに対し、踵を基準にして踏み込み面を調整したり、保持したりし易いという利点がある。
【0006】
しかしながら、このオルガン式のペダルにおいても、以下に述べる理由により、上述したアクセルペダル104と同様の問題があった。
【0007】
具体的には、オルガン式ペダルは、吊り下げ式ペダルと異なり、踏み込む程、踏み込み面が水平に近づくため、足が踏ん張り難い状態となる。このため、図9に示すように、自動車Vが障害物αに前突した時には、アクセルペダル104の場合と同様、オルガン式ペダルを踏み込んでいる足が、踏み込み面から滑って相対的に車幅方向に移動する虞があった。
【0008】
ところで、従来、車両前突時に乗員の膝や胸部に加わる衝撃を、ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバーで吸収するように構成したものが知られている(下記特許文献1参照)。
【0009】
また、従来、車両の斜突時に乗員が車体に対して斜めに相対移動することを、乗員の膝に向かって膨張展開するニーエアバッグによって抑制するように構成したものも知られている(下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−75339号公報
【特許文献2】特開2008−120106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、前記特許文献1、2のいずれも、ペダルを踏み込んでいる足が車両前突時にペダルの踏み込み面から滑って移動するという問題について何ら開示されておらず、これらの従来技術では、上述した足の移動を確実に抑制することができなかった。
【0012】
この発明は、乗員の乗降性を確保しつつ、車両前突時に足がペダルから車幅方向に移動することを抑制できる自動車のステアリングコラムカバー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の自動車のステアリングコラムカバー構造は、ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバーの下面の、ステアリングシャフト軸方向における下面後端部よりも前方で、且つアクセルペダル側の側部に、前記下面後端部から前記ステアリングシャフト軸方向に延びる延長線よりも下方に突出して前方に延びるガイド面を設けたものである。
【0014】
この構成によれば、車両前突時に足が滑り易いアクセルペダル側の脚部が、アクセルペダルから相対的に車幅方向に移動することをガイド面によって抑制でき、その結果、足がアクセルペダルから車幅方向に移動することを抑制できる。
【0015】
さらに、車両前方に設けたガイド面よりも高い位置にステアリングコラムカバーの下面後端部を設定しているため、膝が比較的上方に位置する行動形態(降車モード)で乗員が降車したとしても、膝とステアリングコラムカバーとの干渉を回避することができ、その結果、乗降性を確保することができる。
【0016】
また、この発明の自動車のステアリングコラムカバー構造は、ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバーの車幅方向側方に、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾するペダルが設けられ、前記ステアリングコラムカバーの下面の、ステアリングシャフト軸方向における下面後端部よりも前方で、且つ前記ペダル側の側部に、前記下面後端部から前記ステアリングシャフト軸方向に延びる延長線よりも下方に突出して前方に延びるガイド面を設けたものである。
【0017】
この構成によれば、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾することによって車両前突時に足が滑り易いペダル側の脚部が、ペダルから相対的に車幅方向に移動することをガイド面によって抑制でき、その結果、足がペダルから車幅方向に移動することを抑制できる。
【0018】
さらに、車両前方に設けたガイド面よりも高い位置にステアリングコラムカバーの下面後端部を設定しているため、膝が比較的上方に位置する行動形態(降車モード)で乗員が降車したとしても、膝とステアリングコラムカバーとの干渉を回避することができ、その結果、乗降性を確保することができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、前記ガイド面が、前記ステアリングコラムカバーの、前記ステアリングシャフト軸方向における後端部よりも前方で、前記下面後端部よりも前方の位置から、前記ステアリングコラムカバーの前記ペダル側の側部まで側方且つ上方に向かって延設されるものである。
【0020】
この構成によれば、前記延長線から下方に突出する部位よりも車両後方の位置で可及的早期に脚部をガイドすることができるため、脚部がペダルから相対的に車幅方向に移動することをより円滑に抑制できる。
【0021】
この発明の一実施態様においては、前記ガイド面が、前記ペダル側と車幅方向で反対側の前記ステアリングコラムカバー側面よりも、車幅方向で前記ステアリングコラムカバー内側に延設されるものである。
【0022】
この構成によれば、ペダル側の脚部を車幅方向にガイドする範囲を拡大することができる。これにより、車両前突時、乗員の膝が車幅方向にぶれたとしても脚部を安定的にガイドすることができる。
【0023】
そして、ペダル側のみをステアリングコラムカバーの内側に延設させたことで、ペダルが配設されていない反対側のステアリングコラムカバー内部では、各種補機を収納するためのスペースを確保することができる。
【0024】
この発明の一実施態様においては、前記ガイド面が、前記ペダル側と車幅方向で反対側の前記ステアリングコラムカバー側面よりも下方に延設されるものである。
【0025】
この構成によれば、ペダルが配設されていない反対側では、ステアリングコラムカバーが下方に突出しない構成とすることができる。これにより、乗降時における膝の移動スペースを確保することができ、膝とステアリングコラムカバーとの干渉をより確実に抑制することができる。
【0026】
この発明の一実施態様においては、前記ステアリングコラムカバーの下面の、前記ペダル側と反対側の部位に、ステアリング位置調整レバーが設けられているものである。
【0027】
この構成によれば、ガイド面のガイド機能を確保しつつ、乗員着座時に脚部の周辺がステアリング位置調整レバーの存在によって窮屈になることを抑制できる。
【0028】
この発明の一実施態様においては、前記アクセルペダルを、揺動中心が踏み込み面の上下中心、または下方に設定されたペダルとしたものである。
【0029】
この構成によれば、揺動中心が踏み込み面の上下中心、または下方に設定されることによって車両前突時に足が滑り易いアクセルペダル側の脚部が、アクセルペダルから相対的に車幅方向に移動することをガイド面によって抑制でき、その結果、足がアクセルペダルから車幅方向に移動することを抑制できる。
【発明の効果】
【0030】
この発明によれば、車両前突時に足が滑り易いアクセルペダル側の脚部が、アクセルペダルから相対的に車幅方向に移動することをガイド面によって抑制でき、その結果、足がアクセルペダルから車幅方向に移動することを抑制できる。
【0031】
さらに、車両前方に設けたガイド面よりも高い位置にステアリングコラムカバーの下面後端部を設定しているため、膝が比較的上方に位置する行動形態(降車モード)で乗員が降車したとしても、膝とステアリングコラムカバーとの干渉を回避することができ、その結果、乗降性を確保することができる。
【0032】
また、この発明によれば、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾することによって車両前突時に足が滑り易いペダル側の脚部が、ペダルから相対的に車幅方向に移動することをガイド面によって抑制でき、その結果、足がペダルから車幅方向に移動することを抑制できる。
【0033】
さらに、車両前方に設けたガイド面よりも高い位置にステアリングコラムカバーの下面後端部を設定しているため、膝が比較的上方に位置する行動形態(降車モード)で乗員が降車したとしても、膝とステアリングコラムカバーとの干渉を回避することができ、その結果、乗降性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係るステアリングコラムカバー構造を備えた車両前部を示す側面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】アクセルペダルの構造を示す側断面図。
【図4】ステアリングコラムカバーの構造を示す側面図。
【図5】図4のA−A線矢視断面図。
【図6】図5のB−B線矢視断面図。
【図7】図6のC−C線矢視断面図。
【図8】本発明の他の実施形態に係るステアリングコラムカバー構造を備えた車両前部を示す側面図。
【図9】車両の前突時にペダルの踏み込み面から足が移動する従来の問題点を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の実施形態に係るステアリングコラムカバー構造を備えた車両前部を示す側面図であり、図2は、同平面図である。図1、図2に示す自動車Vには、その車室内左側に運転席シート1が配設されると共に、そのシートクッション1aをスライド変位させてその前後位置を調整する前後位置調整機構2が設けられている。そして、この前後位置調整機構2は、図1に示すように、車両前方且つ上方に傾斜するように設けられている。なお、図中において矢印(F)は車両前方、矢印(R)は車両後方を示す。
【0036】
また、前記車室の前部左側には、車幅方向に延びる樹脂性のインストルメントパネル3が配設されており、このインストルメントパネル3の下方には、運転席シート1に着座した乗員Mにより踏み込み操作されるアクセルペダル4とブレーキペダル5(図2参照)とクラッチペダル6(図2参照)とが配設されている。そして、インストルメントパネル3には、運転席シート1と対向する位置に、ステアリングホイール7と、車幅方向に延びるインパネメンバ8に支持されたステアリングコラムカバー(以下、コラムカバーと略記する。)9とが配設されている。
【0037】
また、自動車Vの車体には、エンジンまたはモータとトランスミッションとにより構成されるパワートレイン10(図2参照)が収納される収納空間と前記車室とを区画するダッシュパネル11、該ダッシュパネル11の上方にて車幅方向に延びるカウル部12、及び前記車室のフロア面を構成する略平坦なフロアパネル13が設けられている。なお、図1に示す部材14は、カウル部12により下端部が支持されたフロントウインドシールドであり、部材15は、前記収納空間を上方から覆うボンネットである。
【0038】
図3は、アクセルペダルの構造を示す側断面図である。上述したフロアパネル13の上面には、防振、遮音および断熱機能等を有するメルシート、フェルト材またはグラスウール等を主体としたインシュレータ16と、その上面を被覆する従来周知のフロアマット17とが設置されている。
【0039】
自動車Vでは、ブレーキペダル5およびクラッチペダル6が吊り下げ式ペダルにより構成される一方、アクセルペダル4は、フロアパネル13側に固定されたベース部材41と、このベース部材41により支持されるとともに、乗員の踏み込み操作に応じて下端ヒンジ部42を支点に揺動する踏面板43と、この踏面板43を後方側に付勢する圧縮コイルばね等からなる付勢部材44とを備えており、揺動中心となる下端ヒンジ部42が踏面板43の踏み込み面の下方に設定されたいわゆるオルガン式ペダルにより構成されている。
【0040】
踏面板43は、下端ヒンジ部42を支点として揺動可能に支持されるとともに、通常時(非操作時)には、前記付勢部材44の付勢力に応じ、水平線に対して所定角度の傾斜状態で保持されるようになっている。
【0041】
また、アクセルペダル4は、踏面板43の揺動変位を検出して図外の制御部に検出信号を出力するアクセルペダル操作検出部を備えており、踏面板43の裏面には、前記アクセルペダル操作検出部を構成する操作ロッド45が回動可能に枢支されている。
【0042】
ベース部材41には、前記アクセルペダル操作検出部を構成するリニアセンサが配設されたコントロールボックス46と、操作ロッド45の下端部に連結された可撓性を有する線条体等からなる連結部材47を摺動可能に支持するガイド部48とが設けられている。
【0043】
アクセルペダル4において、フロアパネル13上に踵部を載置した乗員Mの足Mf(図1参照)を踏面板43の踏み込み面に当接させた状態で、この踏面板43を運転者が踏み込み操作すると、付勢部材44の付勢力に抗して踏面板43が下端ヒンジ部42を揺動中心として車両の前方側へ揺動し、前傾する。この踏面板43に入力された踏み込み力が操作ロッド45および連結部材47を介してコントロールボックス46のリニアセンサに伝達されることにより、踏面板43の操作量が検出され、その検出信号がコントロールボックス46から図外のハーネスを介してパワートレイン用制御ユニットに出力されるようになっている。
【0044】
図4は、コラムカバーを示す側面図であり、図5〜図7は、ぞれぞれ、図4のA−A線矢視断面図、B−B線矢視断面図、C−C線矢視断面図である。なお、図中において矢印(IN)は車体内方、矢印(OUT)は車体外方を示す。本実施形態では、図1、図2、図4〜図7に示すコラムカバー9が、図5〜図7に示すステアリングコラム18を覆っており、ステアリングホイール9の操舵力を車輪W(図1参照)に伝達するステアリングシャフト19(図5〜図7参照)が、上述したステアリングコラム18によって回転可能に支持されている。そして、ステアリングシャフト19の回転力は、図1に示す上部のユニバーサルジョイント20、第2シャフト21、下部のユニバーサルジョイント22等を介して図示しないステアリングギアボックスに伝達されるようになっている。
【0045】
また、コラムカバー9内には、図5〜図7に示すように、キーシリンダ23や、ステアリングシャフト19の操舵角を検出する舵角センサ24の他、図示しない電動パワーステアリングユニットや、可変ステアリングギアレシオ(VGR)装置等の各種補機が収納されている。
【0046】
また、コラムカバー9は、図1、図2、図4〜図7に示すように、その下面91の、ステアリングシャフト19の軸方向(以下、軸方向と略記する。)L1における下面後端部91aよりも前方で、且つアクセルペダル4側の側部に、下面後端部91aから軸方向L1に延びる延長線L2よりも下方に突出して車両前方に延びる下方延設部92aを有するガイド面92が設けられている。
【0047】
ガイド面92は、図1、図2、図4、図5に示すように、上方延設部92bを有し、この上方延設部92bは、コラムカバー9の軸方向L1における後端部9aよりも車両前方で、下面後端部91aよりも車両前方の位置から、コラムカバー9のアクセルペダル4側の側部まで側方(車幅方向右方)且つ上方に向かって延設されている。
【0048】
また、ガイド面92は、図5〜図7に示すように、コラムカバー9のアクセルペダル4側の側面93と車幅方向で反対側の側面94よりも、車幅方向でコラムカバー9の内側に延設されている。そして、コラムカバー9内では、上述した舵角センサ24等の各種補機が、側面94側の内部空間に配設されている。なお、図5〜図7では、側面94と対称の関係になるように側面93′を設けた場合の形状を二点鎖線で示している。
【0049】
さらに、ガイド面92では、下方延設部92aが、図6、図7に示すように、コラムカバー9の側面94よりも下方に延設されている。
【0050】
また、コラムカバー9の下面91には、図1、図6、図7に示すように、アクセルペダル4側と反対側の部位に、ステアリングシャフト19(ステアリングホイール7)の位置を調整するチルトレバー25が設けられている。
【0051】
コラムカバー9内には、図7に示すように、断面門形のブラケット26が配設され、左右一対のチルト用の溝26aが形成されている。そして、ブラケット26の車幅方向一方には、締付け用プレート27と、プレート支持ピン28が配設されると共に、溝26aには、ボルト29が貫通しており、ブラケット26と締付け用プレート27とがボルト29およびナット30によって締結されている。そして、チルト用の溝26aに挿通されたボルト29は、チルトレバー25の操作時に溝26aに対して相対移動可能に配設されている。
【0052】
このため、ボルト29、ナット30による締結力を緩めることによって、締付け用プレート27の締付けを緩めると共に、ステアリングコラム18をチルトさせると、ボルト29が溝26aに沿って変位し、ステアリングシャフト19を傾動させることができることができるようになっている。
【0053】
次に、図2に示すように、自動車Vが障害物αに前突し、特に、図示のように、障害物αと斜突またはオフセット衝突した場合について説明する。この場合、乗員Mは、車体に対して斜め前方に相対移動し、足Mfを含む脚部Mlが車幅方向左方に相対移動しようする。
【0054】
ここで、本実施形態では、乗員Mの脚部Ml(膝Mk)が、コラムカバー9のガイド面92に当接することとなり、具体的には、脚部Mlが、図5にて二点鎖線で示すように、先ず下面後端部91aよりも車両前方に位置する上方延設部92bに当接する。そして、この上方延設部92bによって、脚部Mlが下方延設部92a上にガイドされ、乗員Mの相対移動が進むと、脚部Mlは、図6、図7にて二点鎖線で示すように、下方延設部92aのガイドにより、車体に対して相対的にアクセルペダル4側(車幅方向右方)に移動するようになっている。
【0055】
このように、本実施形態では、コラムカバー9にガイド面92を設け、自動車Vが障害物αに前突した時、このガイド面92によって脚部Mlをアクセルペダル4側へ移動させるようにガイドすることで、図2にて二点鎖線で示すように、アクセルペダル4(踏面板43)に足Mfを乗せた状態(踏み込み操作状態)を保持するようになっている。このため、本実施形態では、自動車Vの前突時に足Mfが滑り易いアクセルペダル4側の脚部Mlが、アクセルペダル4から相対的に車幅方向に移動することをガイド面92によって抑制でき、その結果、足Mfがアクセルペダル4から車幅方向に移動することを抑制できる。
【0056】
また、本実施形態では、上述したように、揺動中心が踏み込み面の下方に設定され、踏み込み面の踏み込み操作により前傾するいわゆるオルガン式ペダルでアクセルペダル4を構成している。本実施形態の場合、自動車Vの前突時に足Mfが滑り易いオルガン式ペダル(アクセルペダル4)側の脚部Mlが、オルガン式ペダル(アクセルペダル4)から相対的に車幅方向に移動することをガイド面92によって抑制でき、その結果、足Mfがオルガン式ペダル(アクセルペダル4)から相対的に車幅方向に移動することを抑制できる。
【0057】
ところで、運転席シート1の乗員Mが降車する際には、乗員Mの膝Mkがコラムカバー9の近傍に位置することから、その乗降性は、乗員の膝Mkとコラムカバーとの距離が重要となる。ここで、運転席シート1の乗員Mが降車する際の行動形態(以降、これを降車モードと言う。)について考えてみると、一般的に2つの降車モードが考えられ、乗員Mがブレーキペダル5に足Mfを乗せたまま降車する第1の降車モードと、ブレーキペダル5から足Mfを引いてから降車する第2の降車モードとが考えられる。
【0058】
このうち、前記第1の降車モードでは、足Mfをアクセルペダル4に乗せた場合と同様、脚部Mlを車両前方に伸ばした状態になっているため、膝Mkは、図1にて実線で示す場合と同様低い位置にある。従って、前記第1の降車モードでは、膝Mkとコラムカバー9との干渉が起こり難い。
【0059】
一方、前記第2の降車モードでは、特に、乗員Mが長身(例えば、身長175cm以上)である場合、図1にて一点鎖線で示すように、足Mfを車両後方に引くことによって、膝Mkは、第1の降車モードに比べて上方に位置することになる。従って、前記第2の降車モードでは、膝Mkとコラムカバー9とが干渉し易くなる。
【0060】
また、降車モードとしては、図1にて二点鎖線で示すように、臀部Mhを車両前側にずらして着座した乗員Mが、その姿勢を維持したまま降車する第3の降車モードが考えられる。
【0061】
この第3の降車モードでは、乗員Mが長身でなかったとしても、臀部Mhが車両前方に位置している分、膝Mkは、第1の降車モードに比べて上方に位置することになり、第2の降車モードと同様、膝Mkとコラムカバー9とが干渉し易くなる。
【0062】
そこで、本実施形態では、上述したように、ガイド面92を、下面後端部91aよりも前方で延長線L2よりも下方に突出するように設けており、換言すれば、車両前方に設けたガイド面92よりも高い位置にコラムカバー9の下面後端部91aを設定している。これにより、膝Mkが比較的上方に位置する第2、第3の降車モードで乗員Mが降車したとしても、膝Mkとコラムカバー9との干渉を回避することができ、その結果、乗降性を確保することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、前後位置調整機構2を車両前方且つ上方に傾斜するように設けているが、この場合、長身の乗員Mがシートクッション1aを車両後方位置に設定することで、臀部Mhの位置(ヒップポイント)を下方に設定することができ、その分膝Mkを下方に設定することができる。従って、コラムカバー9にガイド面92を設けた場合には、上述したように、前後位置調整機構2を車両前方且つ上方に傾斜するように設けるのがより好ましい。
【0064】
また、本実施形態では、後端部9aよりも車両前方で、下面後端部91aよりも車両前方の位置から、コラムカバー9のアクセルペダル4側の側部まで側方(車幅方向右方)且つ上方に向かって延設される上方延設部92bを設けたことで、延長線L2から下方に突出する下方延設部92aよりも車両後方の位置で可及的早期に脚部Mlをガイドすることができる。このため、脚部Mlがアクセルペダル4から相対的に車幅方向に移動することをより円滑に抑制できる。
【0065】
また、アクセルペダル4側の側面93と車幅方向で反対側の側面94よりも、車幅方向でコラムカバー9の内側に延設するようにガイド面92を設けたことで、アクセルペダル4側の脚部Mlを車幅方向にガイドする範囲を拡大することができる。これにより、自動車Vの前突時、乗員Mの膝Mkが車幅方向にぶれたとしても脚部Mlを安定的にガイドすることができる。
【0066】
そして、アクセルペダル4側のみをコラムカバー9の内側に延設させたことで、アクセルペダル4が配設されていない反対側(側面94側)のコラムカバー9内部では、上述した舵角センサ24等の各種補機を収納するためのスペースを確保することができる。
【0067】
また、側面93と車幅方向で反対側の側面94よりも下方に延設する下方延設部92aを設けたことで、アクセルペダル4が配設されていない反対側(側面94側)では、コラムカバー9が下方に突出しない構成とすることができる。これにより、乗降時における膝Mkの移動スペースを確保することができ、膝Mkとコラムカバー9との干渉をより確実に抑制することができる。
【0068】
また、コラムカバー9の下面91において、アクセルペダル4側と反対側の部位にチルトレバー25を設けたことで、ガイド面92のガイド機能を確保しつつ、運転席シート1に乗員Mが着座した時、脚部Mlの周辺がチルトレバー25の存在によって窮屈になることを抑制できる。
【0069】
図8は、本発明の他の実施形態に係るステアリングコラムカバー構造を備えた車両前部を示す側面図である。自動車Vの車種によっては、図8に示すインストルメントパネル3のように、コラムカバー9の下部を覆うようにロアパネル31が設けられるものがある。この場合、ガイド面92の下方延設部92aの前端部を、図示のように車両後方に設定してもよい。なお、図8において、図1〜図7に示す先の実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
自動車Vの前突時には、上述したように、乗員Mが車体に対して斜め前方に相対移動するが、実際、コラムカバー9の前端部まで脚部Mlが移動することは少なく、仮に、コラムカバー9の前端部まで脚部Mlが移動したとしても、図8の場合、樹脂製のロアパネル31によって脚部Mlの衝撃を吸収することができる。従って、インストルメントパネル3にロアパネル31を設けた場合には、下方延設部92aの前端部を車両後方に設定することができる。
【0071】
また、上述した実施形態では、アクセルペダル4をオルガン式ペダルとしたが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、吊り下げ式のアクセルペダルとしてもよい。
【0072】
また、本発明では、オルガン式ペダルであれば、必ずしもアクセルペダルでなくてもよい。
そして、上述した実施形態のように、揺動中心(下端ヒンジ部42)が踏み込み面の下方に設定されたものを用いることに必ずしも限定されない。例えば、揺動中心が踏み込み面の上下中心部に設定されたものを用いてもよいし、特開2007−257391号公報に開示されているように、踏み込み面の踏み込み操作により踏面板が実質的に平行移動するものを用いてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態のように、踏面板43の操作量がリニアセンサで検出されるものを用いることに必ずしも限定されない。例えば、ワイヤーを介して踏面板をエンジンのスロットル弁に連結することにより、踏面板の操作量に応じてスロットル弁を開作動させるように構成したものを用いてもよいし、踏面板43の操作量に応じてその下方に位置するボタンの操作量を調整できるように構成したものを用いてもよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、車室前部左側に運転席シート1、コラムカバー9等を設けているが、車室前部右側に運転席シート、コラムカバー等を設けた自動車に本発明を適用してもよい。
また、クラッチペダル6を備えたMT車に限らず、クラッチペダル6を備えていないAT車に本発明を適用してもよい。
【0075】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の、ステアリング位置調整レバーは、チルトレバー25に対応し、
揺動中心は、下端ヒンジ部42に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0076】
4…アクセルペダル
9…ステアリングコラムカバー
18…ステアリングコラム
19…ステアリングシャフト
25…チルトレバー
42…下端ヒンジ部
92…ガイド面
L1…ステアリングシャフト軸方向
L2…延長線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバーの下面の、ステアリングシャフト軸方向における下面後端部よりも前方で、且つアクセルペダル側の側部に、前記下面後端部から前記ステアリングシャフト軸方向に延びる延長線よりも下方に突出して前方に延びるガイド面を設けた
自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項2】
ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバーの車幅方向側方に、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾するペダルが設けられ、
前記ステアリングコラムカバーの下面の、ステアリングシャフト軸方向における下面後端部よりも前方で、且つ前記ペダル側の側部に、前記下面後端部から前記ステアリングシャフト軸方向に延びる延長線よりも下方に突出して前方に延びるガイド面を設けた
自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項3】
前記ガイド面は、前記ステアリングコラムカバーの、前記ステアリングシャフト軸方向における後端部よりも前方で、前記下面後端部よりも前方の位置から、前記ステアリングコラムカバーの前記ペダル側の側部まで側方且つ上方に向かって延設される
請求項1または2記載の自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項4】
前記ガイド面は、前記ペダル側と車幅方向で反対側の前記ステアリングコラムカバー側面よりも、車幅方向で前記ステアリングコラムカバー内側に延設される
請求項3記載の自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項5】
前記ガイド面は、前記ペダル側と車幅方向で反対側の前記ステアリングコラムカバー側面よりも下方に延設される
請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項6】
前記ステアリングコラムカバーの下面には、前記ペダル側と反対側の部位に、ステアリング位置調整レバーが設けられている
請求項3または4記載の自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項7】
前記アクセルペダルは、揺動中心が踏み込み面の上下中心、または下方に設定されたペダルである
請求項1記載の自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項1】
ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバーの下面の、ステアリングシャフト軸方向における下面後端部よりも前方で、且つアクセルペダル側の側部に、前記下面後端部から前記ステアリングシャフト軸方向に延びる延長線よりも下方に突出して前方に延びるガイド面を設けた
自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項2】
ステアリングコラムを覆うステアリングコラムカバーの車幅方向側方に、踏み込み面の踏み込み操作により平行移動、または前傾するペダルが設けられ、
前記ステアリングコラムカバーの下面の、ステアリングシャフト軸方向における下面後端部よりも前方で、且つ前記ペダル側の側部に、前記下面後端部から前記ステアリングシャフト軸方向に延びる延長線よりも下方に突出して前方に延びるガイド面を設けた
自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項3】
前記ガイド面は、前記ステアリングコラムカバーの、前記ステアリングシャフト軸方向における後端部よりも前方で、前記下面後端部よりも前方の位置から、前記ステアリングコラムカバーの前記ペダル側の側部まで側方且つ上方に向かって延設される
請求項1または2記載の自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項4】
前記ガイド面は、前記ペダル側と車幅方向で反対側の前記ステアリングコラムカバー側面よりも、車幅方向で前記ステアリングコラムカバー内側に延設される
請求項3記載の自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項5】
前記ガイド面は、前記ペダル側と車幅方向で反対側の前記ステアリングコラムカバー側面よりも下方に延設される
請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項6】
前記ステアリングコラムカバーの下面には、前記ペダル側と反対側の部位に、ステアリング位置調整レバーが設けられている
請求項3または4記載の自動車のステアリングコラムカバー構造。
【請求項7】
前記アクセルペダルは、揺動中心が踏み込み面の上下中心、または下方に設定されたペダルである
請求項1記載の自動車のステアリングコラムカバー構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−82326(P2013−82326A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223624(P2011−223624)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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