説明

自動車の燃料タンク

【構成】本発明は換気及びパージ手段と自動車の内燃機関10への燃料供給手段を有する自動車の燃料タンク1であって、サージタンク5が形成された前記燃料タンク1内に配設される少なくとも1つの燃料供給ポンプ6と、前記燃料供給ポンプ6の送り9から供給されサージタンクを充填し又は前記燃料タンクの内側に配設され若しくは燃料タンクによってサージタンク5内或いは前記サージタンク5が形成された前記燃料タンクの容量中に形成された少なくとも1つの更なる容量部を排出させる少なくとも1つの吸入ジェットポンプ8とを有し、少なくとも1つ吸入ジェットポンプ8は、タンク充填レベルに応じて、燃料タンクに配設され若しくは内側に形成された幾つかの容量部3、4、12から交互に燃料を取るように、或いはタンク充填レベルに応じて間欠的に動作されて、接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気及びパージ手段と自動車の内燃機関への燃料供給手段を有する自動車の燃料タンクに関し、該自動車の燃料タンクは、前記燃料タンク内に配設される少なくとも1つの燃料供給ポンプと、前記燃料供給ポンプの送りから供給され少なくとも1つのサージタンクを充填し及び/又は前記燃料タンクの内側に配設され若しくは燃料タンクによってサージタンク内或いは前記サージタンクが形成された前記燃料タンクの容量部中に形成された少なくとも1つの更なる容量部を排出させる少なくとも1つの吸入ジェットポンプとを有する。
【0002】
また、本発明は自動車の内燃機関への燃料供給デバイスを作動させる方法であって、前記燃料供給デバイスは、少なくとも1つの自動車の換気及びパージ手段の燃料タンクと、その中に配されるサージタンクの中で前記燃料タンク内に配設される少なくとも1つの燃料供給ポンプと、前記燃料供給ポンプの送りから供給され前記サージタンクを充填し又は前記燃料タンクの内側に配設されサージタンク内或いは前記サージタンクが形成された容量部中に形成された少なくとも1つの第2の連通燃料容量部を排出させる少なくとも1つの吸入ジェットポンプとを有する。
【背景技術】
【0003】
このような燃料タンクは例えば、下記の特許文献により知られている。
【0004】
【特許文献1】欧州特許 第1 706 287号(B1)
【0005】
吸入ジェットポンプ、特に種々の内部連通する部分容量部を伴う幾何学的に複雑な形状の燃料タンクには、一般的に、タンクの一部のみの配設された燃料ポンプへの供給を少なくとも確保するために使用される。通常、燃料ポンプは、サージタンクを有する所謂デリバリーユニット内に一体化される。このサージタンクは主に、運転の力のかかり具合に起因する燃料の急激な変動や液面のうねりの際に燃料ポンプへの供給を少なくとも確保し、或いは燃料ポンプに供給するのに必要な燃料が燃料タンク内で渦を巻くのを防止するのに用いられる。このため、燃料は吸入ジェットポンプの手段により燃料タンクの他の容量部から燃料供給ユニットのサージタンクの中に送られる。そこから燃料供給ポンプが燃料の供給を受け継ぎ、自動車の内燃機関に送る。通常、最も簡単な燃料タンクの幾何学的配置において、少なくとも1つの吸入ジェットポンプがタンク容量部からサージタンクに供給をするのに必要とされる。
【0006】
より複雑な燃料タンクの幾何学的配置、例えば自動車でしばしば使用されるサドルタンクにおいては、少なくとも1つの更なる吸入ジェットポンプが、サドル(燃料タンクの狭窄部)を介して他のそれぞれのタンク容量部と連通する燃料タンクの容量部中に配設される。通常、燃料タンクが具備されたデリバリーユニットは1つのタンク容量部にのみ配設され、吸入ジェットポンプは他のタンク容量部に配される。
【0007】
吸入ジェットポンプは通常ベルヌーイの定理に従って機能し、運転のため、内燃機関の燃料リターン及び/又は燃料送りから得られた燃料のドライブジェットを必要とする。最近では、要求に応じた制御の燃料供給ポンプが燃料供給システム内でしばしば使用され、燃料ポンプの供給パワーは自動車の内燃機関の燃料需要に応じて整えられる。このようなシステムにおいては、1つ若しくはそれ以上の吸入ジェットポンプのドライブジェットは送りから取る必要がある。必要なドライブ量は燃料ポンプから追加的に供給されなければならないことはもっともなことである。燃料タンク内の吸入ポンプの数や分布に応じて、これはパワー消費、低電圧挙動、内燃機関への供給量にマイナスの影響がある電気ポンプへの合計負荷につながる。
【0008】
この問題は既に欧州特許 第1 706 287号(B1)に述べられており、そこでは前述の如き燃料供給システム構造における不利益として、燃料ポンプの供給圧力が低い場合でさえ十分な燃料を供給するように、吸入ジェットポンプはサイズを有している必要がある。しかしながら、これは多くの実施している状況下で、吸入ジェットポンプが噴射剤として不必要に大量の燃料を受けることになり、それは特別に力強いポンプの使用を要することになる。欧州特許 第1 706 287号(B1)では、それ故、燃料ポンプの供給圧力が高まると、吸入ジェットポンプに供給される燃料容量部の流れを閉める圧力依存容量流れ低減バルブが吸入ジェットポンプへの噴射剤ラインに配設される。このように、特に需要制御のデリバリーユニットでは、吸入ジェットポンプへの燃料の不要な供給が回避される。
【0009】
しかしながら、この解決策は幾つかの排出する容量部を持ったさらに複雑なシステムには通用しない。タンク内の吸入ジェットポンプの数が増加するにつれ、最終的に燃料ポンプの寸法が従うように内燃機関への燃料の量は大きく減少している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
それ故、本発明は、タンク内に配される各容量部の排出に用いられる吸入ジェットポンプへの燃料のドライブ量を更に減少させることを目的の基礎とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、換気及びパージ手段と自動車の内燃機関への燃料供給手段を有する自動車の燃料タンクであって、サージタンクがその内部に配される前記燃料タンク内に形成される少なくとも1つの燃料供給ポンプと、前記燃料供給ポンプの送りから供給され前記サージタンクを充填し及び/又は前記燃料タンクの内側に配設され若しくは燃料タンクによってサージタンク内或いは前記サージタンクが形成された前記燃料タンクの容量中に形成された少なくとも1つの更なる容量部を排出させる少なくとも1つの吸入ジェットポンプとを有し、前記吸入ジェットポンプは、タンク充填レベルに応じて、燃料タンクに配設され若しくは内側に形成された幾つかの容量部から交互に燃料を取るように、或いはタンク充填レベルに応じて間欠的に動作されて、接続されることを特徴とする燃料タンクにより、初期的には達成されるものである。
【0012】
本発明は、タンク内で供給されるべき燃料の全供給能力には、このドライブ量の供給が定常的は必要ではなくなるように一部の時間だけが必要とされる考え方を基礎としている。吸入ジェットポンプは交互にタンクの異なる容量部から燃料を取得したり、例えばサドルタンク内で、吸入ジェットポンプはタンク充填レベルが必要とするときに限り、スイッチオンとされる。
【0013】
本発明において用語"容量部"はタンク内の燃料容量部を意味するのみならず、例えば換気及びパージシステムの別個の容量部が燃料タンク内に構成されるものであっても良く、その燃料タンクからは燃料がまた能動的に取り出されたり供給されたりするものとされる。
【0014】
本発明の好適な変形例では、少なくとも1つの吸入ジェットポンプが排出すべきいくつかの容量部に少なくとも2つの吸入ラインを介して接続され、少なくとも1つのバルブが前記吸入路に配され、前記バルブは前記充填レベルに応じて切り替えすることができ、前記充填レベルに応じて吸入ラインを解放する。このバルブは、例えば当該吸入ジェットポンプの故障につながるいかなるガスの流れも防止するように、その他の吸入ラインを閉じるようにすることができる。
【0015】
本発明に従う燃料タンクの好適な実施形態においては、吸入ジェットポンプはタンク換気パージ装置の流体トラップとして形成される少なくとも1つの回収タンクに接続される。特に自動車や燃料タンクの運転の間のタンクパージングにおいて、運転の力具合から、通常十分な量の炭化水素が液体の状態で運ばれる。この運ばれる燃料は、"キャリーオーバー液体"と呼ばれている。このため、通常、ドリップタンクや回収タンクはパージ路中に設けられており、その中に炭化水素が堆積してしまう。燃料タンク内が比較的に低い充填レベルのうちは、通常、自動の、すなわち、重力による、このような回収タンクの燃料タンクへの燃料容量部への排出が生じる。燃料タンク内が比較的に高い充填レベルでは、このような排出は通常不可能であり、回収タンクを能動的に排出するものとされる。例えば、吸入ジェットポンプの吸入側をこの目的において当該回収タンクに接続させる。
【0016】
本発明は、タンク充填レベルが高くこれらの吸入ジェットポンプが燃料タンクの連通する燃料容量部を排出するのに通常は必要とされない場合にのみ回収タンクの排出が必要となることから、当該回収タンクを排出させるために、吸入ジェットポンプが使用され、それは通常燃料タンクの他の燃料容量部を排出するように使用される。
【0017】
吸入ジェットポンプを切り替えるのに必要なバルブは、燃料タンク内に配設された少なくとも1つの充填レベルセンサーを介して直接若しくは間接に切り替えることができる。例えば、前記バルブは前記回収タンクの内側に配設された少なくとも1つの充填レベルセンサーを直接若しくは間接に介して作動できるものであって、当該燃料タンクの充填レベルが低い場合、重力動作で前記燃料タンクに排出するように前記回収タンクが形成されている。もし前記回収タンクの内側の充填レベルが上昇したとき、それは燃料タンク内の燃料レベルが高くなったときに限るが、回収タンクを排出できるように吸入ジェットポンプの吸入路のバルブをこのフロートが好ましくは作動させる。
【0018】
或いは、バルブは燃料タンク内に配されたフロートによって直接に作動されるものであっても良い。このような変形例は、タンク内の容量部のいかなる形状や吸入ジェットポンプのいかなる配列や構造をも含むものである。少なくとも1つの充填レベルセンサーによって供給される充填レベル信号を介して電磁気的に作動されるバルブであるならば特別に好適なものとされる。
【0019】
本発明が基礎とする目的は更に、自動車の内燃機関への燃料供給デバイスを作動させる方法であって、前記燃料供給デバイスは、少なくとも1つの自動車の換気及びパージ手段を備えた燃料タンクと、その中に配されるサージタンクの中で前記燃料タンク内に配設される少なくとも1つの燃料供給ポンプと、前記燃料供給ポンプの送りから供給され前記サージタンクを充填し及び/又は前記燃料タンクの内側に配設されサージタンク内或いは前記サージタンクが形成された容量部中に形成された少なくとも1つの第2の連通燃料容量部を排出させる少なくとも1つの吸入ジェットポンプとを有し、前記吸入ジェットポンプ若しくは該当する場合には更なる吸入ジェットポンプを用い第2若しくは更なる燃料容量部の排出は、タンク充填レベルが特別な予定レベルを下回ったときにのみ生ずることを特徴とする燃料供給デバイスを作動させる方法によっても達成される。本発明に従う方法の変形例においては、前記第2の若しくは更なる燃料容量部の能動的な排出は、前記タンク充填レベルが燃料タンクの容量部が最早内部の連通を必要としないほど落ち込んだときのみに生ずる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は図面に示される実施形態への参照を以て下記に説明されるものであり、それら次のものである。
【図1】いくつかの吸入ジェットポンプを有する従来技術に従う燃料タンクの燃料供給システム内の燃料フローの分布を示す模式図である。
【図2】大きく簡素化し、記号によって示した本発明に従う燃料タンクの模式図である。
【図3】燃料タンクなしである機能の回路図を伴う燃料供給システムの簡素化した模式図である。
【図4】本発明に従う吸入ジェットポンプの吸入路に配されるバルブの可能な実施形態の簡素化された図である。
【図5a】そのようなバルブの代替え的な実施形態を示す図である。
【図5b】そのようなバルブの代替え的な実施形態を示す図である。
【図6a】吸入ジェットポンプの吸入パスに接続される回収タンクの簡素化された模式図ある。
【図6b】吸入ジェットポンプの吸入パスに接続される回収タンクの簡素化された模式図ある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
最初に図1を参照し、その図1は燃料供給ポンプによって制御されるべき燃料流れ若しくは燃料の量を図案化して示すものである。現代のSUV(Sport Utility Vehicle)では、全負荷範囲における内燃機関は燃料を一時間当たり60リットルまで使用する。その内燃機関で使用される燃料の容量部の流れは図1でM1で示されている。燃料ポンプの制御性のために追加的に必要とされる燃料の量は図1でR1で示される。さらに、燃料ポンプは吸入ジェットポンプに必要な燃料のドライブ量を提供しなければならず、図1でそれぞれSSP1,SSP2、SSP3で示される。およそ4バールの供給圧力において、当該燃料タンク内に配されるこれら3つの吸入ジェットポンプを伴い、1時間当たり約45リットルの燃料のドライブ量が必要なように、これらの部分容量部の流れのそれぞれは一時間当たり15リットルまでの値とすることができる。
【0022】
本発明によれば、実際、図2に示す燃料タンク1の充填レベルに応じて、吸入ジェットポンプが燃料タンクにいくつかの容量部から切り替えながら燃料を取得するようにするか、あるいは当てはまる場合には間欠的に稼働されて、このドライブ量を減少させる。図1に示す燃料タンク1は、自動車のプラスチック燃料タンクとして知られた方法で形成されている。説明する実施形態においては、これは狭窄部2によって分離された2つの燃料容量部3,4を備えたサドルタンクとして形成される。燃料タンク1に配設される充填開口部やその他の機能部品は簡単のため図面からは省略している。
【0023】
燃料タンク1はさらに図2で右手の燃料容量部4内に形成されたサージタンク5を有している。サージタンク5の構造は、本発明においては重要ではない。サージタンク5は燃料供給ユニットの一部であり、他の部品もあるが、燃料供給ポンプ6と、少なくとも1つの充填レベルセンサー7を有している。充填レベルセンサー7は、図面から直接証拠立てられるものではないが、サージタンク5の外側に折り曲げられ、簡単な場合ではフロート体を伴うレバーセンサーとして構成できる。既知の方法の充填レベルセンサー7の位置は、電気信号を発生させ、それは図示しない対応する電子部品を介して車両電子部に送信される。
【0024】
図1の模式図では、符号8は、いわゆるサッキングサクションジェットポンプとして形成される吸入ジェットポンプを示し、ベルヌーイの定理に従って動作する。吸入ジェットは、内燃機関10への燃料送り9から分岐したドライブジェット11によって発生する。吸入側では、吸入ジェットポンプ8は最初に燃料容量部3に接続され、燃料供給ユニットを含んでいる燃料容量部4の反対に該燃料容量部3は配され、第2に、吸入ジェットポンプ8は燃料タンク1の換気及びパージング装置である回収タンク12に接続される。若しくは、吸入ジェットポンプ8はいくつかの燃料容量部に接続することもでき、例えば、燃料タンク1が2つ以上の燃料を案内し内部連通する容量部を有していても良い。
【0025】
本発明によれば燃料タンク1の換気及びパージング装置は、図において大きく簡素化され模式的に示されている。これは例えば2つのパージバルブ13と、充填レベルリミッターバルブ14を有する。2つのパージバルブ13は、等しくロールオーバーバルブ(あるいはロールオーバー防止バルブ)として形成できる。パージバルブ13と充填レベルリミッターバルブ14の両方は対応するパージラインを介して回収タンク12と連通する。該回収タンク12は、代わって燃料タンク1の外側に形成された燃料蒸気フィルター15に接続される。回収タンクは燃料タンク1のパージの間に持ち越された液相の炭化水素を受け取ることを行う。特に、運転の力具合によって引き起こされる燃料のサージ動作の際には、ガスフローに沿って多くの量の炭化水素の液滴が運ばれ、それは燃料蒸気フィルター15には供給されることがない。後者は通常活性炭が充填された1つ若しくはそれ以上の室を有し、その吸着能力は液状の炭化水素によって湿らされると減少してしまう。
【0026】
特にタンク充填レベルが高いとき、回収タンク12の重力に引き起こされる若しくは重力で作動する排出は保証されているものではなく、この場合において実施形態における燃料タンク1では、能動的な排出が吸入ジェットポンプ8を介してなされる。
【0027】
ここでは少なくとも1つのさらなる吸入ジェットポンプがタンク容量部4内に存在する燃料をサージタンク5に供給するのに用いられることを特筆する。この吸入ジェットポンプは簡単のため図示していない。
【0028】
吸入ジェットポンプ8はバルブ16を介して分岐する吸入ライン17a,bに嵌合する。吸入ライン17aの部分は燃料容量部3の中に案内され、吸入ライン17bの他方の部分は回収タンク12に接続される。
【0029】
図2ではバルブ16は比較的に模式的にのみ図示されている。図3は燃料タンク1なしで油圧回路図の形式でのバルブ切り替え機能を持った燃料供給システムを示す。バルブは、電磁的に作動する2/2ウエイバルブとして形成され、図3の上部は高タンク充填レベルのバルブの切り替え位置を示し、図3の下部は低タンク充填レベルのバルブの切り替え位置を示す。低タンク充填レベルの場合、燃料容量部3への吸入路若しくは吸入ライン17aは開成されており、回収タンク12に接続されている吸入ライン17bは閉成されていて、燃料容量部3からの燃料だけが吸入ジェットポンプ8によって取り込まれ、サージタンク5に送られる。
【0030】
図3の上部分の示すものでは、回収タンク12への吸入ライン17bは開成され、他のバルブパスは閉じられている。
【0031】
また回収タンクに設けられているフラッターバルブは、低いタンク充填レベルで回収タンクの重力作動の排出を可能とさせるが、簡単のため図示していない。
【0032】
バルブ16を作動させるための電気信号は、燃料供給ユニット内で、単に模式的に示す制御ユニット18により発生する。制御ユニット18により生成された信号は充填レベルセンサー7により誘発される。
【0033】
バルブ16を制御する代替え的で比較的簡単な変形例を図4に示す。図4は吸入ライン17a,bのライン分岐を示し、その中でレバー作動の閉成フラップ19がバルブとして構成されている。その閉成フラップは作動レバー20を介してフロート体21に接続され、浮いた状態、すなわち高タンク充填レベルの場合、該フロート体21は閉成フラップ19を実線で示す位置に移動させ、そこでは吸入ライン17aは閉じられ、回収タンク12への吸入ライン17bの部分は開かれている。
【0034】
バルブ16の設計と動作のもう1つの変形例を図5a,5bに示す。ここでは同じ部品は同じ参照符号が付されている。閉成フラップ19は磁化された材料を有し、フェロ磁性のフロート体21と磁気的に組み合わされ、該フロート体21は、浮いた時(図5a)には、吸入ライン17aを解放する位置に閉成フラップ19を移動させ、充填レベルが下がった時(図5b)には、吸入ライン17bを解放して同時に吸入ライン17aを閉じることになる。
【0035】
バルブ16を切り替えする更なる変形例を図6a,6bに示す。ここでは回収タンク12に接続される吸入ライン17bは、回収タンク12の内側に配設されるフロート体21によって閉じられている。さらに、発条が内蔵されたノンリターンバルブ22が、吸入ライン17bに配設される。これはそれぞれの場合で吸入ラインの部分17bの内側に配される。
【0036】
図6aは回収タンクの内側で低い充填レベルでの回収タンク12の状態を示し、これは燃料タンク1での低充填レベルと等しいものとされる。この状態においては、原則として、回収タンク12の重力で作動する排出はさらなる回収タンク12の図示しないバルブで閉じられている開口によって可能である。燃料タンクの充填レベルは通常、燃料容量部3と燃料容量部4が最早内部で連通しないまでに低下する。フロート体21は吸入ライン17bを閉じ、吸入ジェットポンプ8は吸入ライン17aからのみ燃料容量部3からの燃料を引き抜く。
【0037】
図6bはフロート体21がそこで上昇した流体レベルにおかげで回収タンク12の内側で浮き上がった状態を示す。吸入ライン17bは解放されている。しかしながら吸入ライン17aは閉ざされていない。本実施形態においては、これは、燃料容量部3が燃料で満たされ、ガスが引き込まれるリスクがない限り無害である。
【0038】
上述の実施形態においては、バルブ16を介して対象となる吸入ジェットバルブ8の対応する切り替えによって、さらなる若しくは別個の吸入ジェットポンプや幾つかの吸入ジェットポンプは、回収タンク12の排出のため、或いは燃料タンク1に更に配設される容量部には必要ではなくなる。
【符号の説明】
【0039】
1 燃料タンク
2 狭窄部
3、4 燃料容量部
5 サージタンク
6 燃料供給タンク
7 充填レベルセンサー
8 吸入ジェットポンプ
9 燃料送り
10 内燃機関
11 ドライブジェット
12 回収タンク
13 パージバルブ
14 充填レベルリミッターバルブ
15 燃料蒸気フィルター
16 バルブ
17a、b 吸入ライン
18 制御ユニット
19 閉成フラップ
20 作動レバー
21 フロート体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
換気及びパージ手段と自動車の内燃機関への燃料供給手段を有する自動車の燃料タンクであって、
前記燃料タンク内に配設される少なくとも1つの燃料供給ポンプと、前記燃料供給ポンプの送りから供給され少なくとも1つのサージタンクを充填し及び/又は前記燃料タンクの内側に配設され若しくは燃料タンクによってサージタンク内或いは前記サージタンクが形成された前記燃料タンクの容量部中に形成された少なくとも1つの更なる容量部を排出させる少なくとも1つの吸入ジェットポンプとを有し、
前記吸入ジェットポンプは、タンク充填レベルに応じて、燃料タンクに配設され若しくは内側に形成された幾つかの容量部から交互に燃料を取るように、或いはタンク充填レベルに応じて間欠的に動作されて、接続されることを特徴とする燃料タンク。
【請求項2】
前記送りより供給され、前記燃料タンクの内側に前記サージタンク内或いは前記サージタンクが形成された前記燃料タンクの容量部中に形成された少なくとも1つの容量部を排出させる少なくとも1つの第2の吸入ジェットポンプが設けられることを特徴とする請求項1記載の燃料タンク。
【請求項3】
少なくとも1つの、好ましくは第2の、吸入ジェットポンプが排出すべきいくつかの容量部に少なくとも2つの吸入ラインを介して接続され、少なくとも1つのバルブが前記吸入路に配され、前記バルブは前記充填レベルに応じて切り替えすることができ、前記充填レベルに応じて吸入ラインを解放することを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の燃料ポンプ。
【請求項4】
前記吸入ジェットポンプはタンク換気パージ装置の流体トラップとして形成される少なくとも1つの回収タンクに接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料ポンプ。
【請求項5】
前記バルブは当該燃料タンクの内側に配設された少なくとも1つの充填レベルセンサーを直接若しくは間接に介して切り替えできることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料ポンプ。
【請求項6】
前記バルブは前記回収タンクの内側に配設された少なくとも1つの充填レベルセンサーを直接若しくは間接に介して作動できるものであって、当該燃料タンクの充填レベルが低い場合、重力動作で前記燃料タンクに排出するように前記回収タンクが形成されていることを特徴とする請求項4若しくは請求項5のいずれかに記載の燃料ポンプ。
【請求項7】
前記バルブは当該燃料タンクの内側に配設されたフロートを介して直接に作動されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の燃料ポンプ。
【請求項8】
前記バルブは少なくとも1つの充填レベルセンサーにより供給される充填レベル信号を介して電磁的に作動されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の燃料ポンプ。
【請求項9】
自動車の内燃機関への燃料供給デバイスを作動させる方法であって、前記燃料供給デバイスは、少なくとも1つの自動車の換気及びパージ手段を備えた燃料タンクと、その中に配されるサージタンクの中で前記燃料タンク内に配設される少なくとも1つの燃料供給ポンプと、前記燃料供給ポンプの送りから供給され前記サージタンクを充填し又は前記燃料タンクの内側に配設されサージタンク内或いは前記サージタンクが形成された容量部中に形成された少なくとも1つの第2の連通燃料容量部を排出させる少なくとも1つの吸入ジェットポンプとを有し、
前記吸入ジェットポンプ若しくは該当する場合には更なる吸入ジェットポンプを用い第2若しくは更なる燃料容量部の排出は、タンク充填レベルが特別な予定レベルを下回ったときにのみ生ずることを特徴とする燃料供給デバイスを作動させる方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、前記第2の若しくは更なる燃料容量部の能動的な排出は、前記タンク充填レベルが燃料タンクの容量部が最早内部の連通を必要としないほど落ち込んだときのみに生ずることを特徴とする燃料供給デバイスを作動させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【公表番号】特表2013−507565(P2013−507565A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533515(P2012−533515)
【出願日】平成22年10月9日(2010.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006176
【国際公開番号】WO2011/045007
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(510169365)コーテックス テクストロン ジーエムビーエイチ アンド シーオー ケージー (12)
【Fターム(参考)】