説明

自動車の移動に選択的に影響を及ぼすための装置、システム及び方法

非致命的な車両装置が、車輪又は下部車体形態に係らず、対象車両の選択的、遠隔的に展開して制御された停止をもたらす。この装置は、遠隔的武装/安全機構と、遠隔的展開コントローラと、スパイク/膜部展開機構と、突出し(展開されるまで乗り越えて走行する)又は覆い隠される”スピードバンプ”型のハウジングと、複数のスパイクを有する1つ又は2つ以上の膜部との組合せを備えている。センサーの組合せによって、いったん武装作動されると独立して展開することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、陸上車両の移動に影響を及ぼすための装置、システム及び方法に関する。特に、本発明開示は、車両の1つ或いは2つ以上のタイヤを絡ませることによって、自動車を、選択的に妨げ、拘束し及び/或いは動けなくするための装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の陸上車両の移動を減速させ、できないようにさせ、動けなくさせ及び/又は制限するための装置は、バリアー、タイヤスパイクストリップ、鉄菱、わな及び電気システム無能力化装置を含む。例えば、従来のスパイクストリップは、巻き上げ装置又はアコーディオン式装置のいずれかのように収容されている延伸される基部構造から上方に突出するスパイクを含む。これらの従来のスパイクストリップは、近づいてくる対象車両がそのスパイクストリップを乗り越えて走ると予測される道路上に巻き広げられ或いは折り広げられ、且つ設置される。従来のスパイクストリップを対象車両の進路に成功裡に設置することによって、対象車両の1つ或いは2つ以上のタイヤがそのスパイクによって刺し貫かれ、それによってタイヤの空気が抜ける結果となる。これによって、ドライバーが車両のコントロールを維持するのを難しくさせ、人の怪我及び/又は物の損傷をもたらす結果となる。
【発明の概要】
【0003】
従来の装置は、最初の応答職員、法執行職員、武装した軍事要員又は他の警備職員によって使用される。これらの装置を展開するときに、これらの職員がごく接近した状態で残っていなければならない場合が頻繁にある。例えば、従来のスパイクストリップを展開する方法は、これらの職員がスパイクストリップを近づいてくる対象車両の進路に放り投げることである。この従来の方法は、対象車両のドライバーが警備職員を引き倒そうとする可能性或いはスパイクストリップの周りを巧みに移動しようとして、ドライバーが対象車両のコントロールを失い、警備職員に衝突する可能性がある限り、警備職員を危険にさらす。さらに、1つのみのステアリングタイヤから急速に空気を抜くことによって対象車両を乱暴に片方に傾きながら走らせ且つ近くの警備職員、傍観者又は構造物に衝突する可能性がある。
【0004】
従って、従来の装置には、これらの装置を対象車両の進路に展開する困難性及び/或いはこれらの装置を展開する或いは引き込める間の警備職員に対する危険性を含む多数のデメリットがある。また、車両がこれらの装置に遭遇するときに警備職員が対象車両に接近することによって、警備職員はこの車両によって衝突される危険性にさらされる。さらに、これらの装置は、能力が限定されており、対象車両と選択的に係合し且つ他の車両を安全に通過させる能力を有していない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】本発明の実施形態による第1実施形態の車両固定装置を示す概略図である。
【図1B】図1Aに示す本発明の第2形態の車両固定装置を示す概略図である。
【図2】図1A及び図1Bに示す装置を用いる車両を動けなくさせるための本発明の実施形態による方法の概略図である。
【図3A】本発明の別の実施形態による車両を動けなくする装置を示す概略図である。
【図3B】図3Aの車両を動けなくする装置を示す平面図である。
【図4A】本発明のさらに別の実施形態による第1形態の車両を動けなくする装置を示す概略図である。
【図4B】図3Aに示す車両を動けなくする装置の第2実施形態を示す概略図である。
【図4C】図3Aに示す車両を動けなくする装置の第3実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明のさらなる実施形態による車両を動けなくする装置の斜視図である。
【図6A】本発明のさらなる他の実施形態による車両を動けなくする装置の第1斜視図である。
【図6B】図6Aに示す車両を動けなくする装置の第2斜視図である。
【図6C】図6Aに示す車両を動けなくする装置の第3斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明による実施形態が、多数の特定の実施形態の詳細な説明を完全に理解し且つ実施可能にできるように下述に開示されている。種々の実施形態の多数の特定の詳細は、舗装された路面と係合するタイヤを有する車両を動けなくする装置に関して以下に記述されるが、本発明の実施形態は、特徴物(例えば、軌道)と係合する他の地面及び他のタイプの地勢(例えば、ダート、砂礫及び他の非舗装面)で用いられてもよい。いくつかの実施例では、周知の構造又は操作は、添付した明細書と関連する発明主題の目的を不明確にすることを避けるために、図示されず、或いは、詳細に記述されていない。例えば、車輪は、一般的には、この車輪上に取付けられたタイヤを有する車輪を指している。しかしながら、当業者は、本発明が追加の実施形態を有することができ、或いは、本発明が図示され且つ記述されるような1つ又は2つ以上の特定な詳細の実施形態を超えて実施することができることを理解するだろう。
【0007】
本発明の観点は、概して、回転する車輪を含む車両の移動に影響を及ぼすための装置に関する。実施形態の1側面は、回転する車輪がハウジングを横切るように車輪の進路内に配置されるように形成されたハウジングと、収縮された配置と展開された配置とを有する膜部と、膜部に連結された引掛け部材とを含む装置に関する。膜部は、収縮された配置においてハウジング内に配置され、且つ、展開された配置において車輪の周りに巻きつくように形成されている。引掛け部材が、膜部の収縮配置において、車輪を引掛けるように形成されている。
【0008】
本発明の他の側面は、概して、第1回転車輪及び第2回転車輪を含む車両の移動に影響を及ぼすためのシステムに関する。実施形態の1側面は、第1回転車輪及び第2回転車輪がハウジングを横切るように車輪の進路内に配置されるように形成されたハウジングと、収縮配置と延伸配置とを有する第1膜部及び第2膜部と、第1膜部及び第2膜部にそれぞれ連結された第1セットの引掛け部材及び第2セットの引掛け部材と、安全配置から武装配置まで個々のセットの引掛け部材を展開させるように形成されている安全/武装機構とを含む。第1膜部は、その収縮配置においてハウジング内に配置され、且つその展開配置において第1車輪の周りに巻きつくように形成されている。第2膜部は、その収縮配置においてハウジング内に配置され、且つその展開配置において第2車輪の周りに巻きつくように形成されている。個々のセットの引掛け部材は、収縮配置と展開配置の間で個々の膜部をハウジングから引き出すように形成され、且つ個々の引掛け部材は、安全配置においてハウジングによって概ね隠され、且つ武装配置においては露出されている。
【0009】
本発明のさらに他の側面は、概して、回転する車輪を含む車両の移動に影響を及ぼすための方法に関する。実施形態の1側面は、回転する車輪がハウジングを横切るように車輪の進路内にハウジングを配置することを含み、ハウジングは、膜部及び膜部に連結された引掛け部材を収容し、引掛け部材をハウジングに対して露出させること、引掛け部材を回転する車輪と係合させること、及び膜部を回転する車輪の周りに絡ませることを含む。
【0010】
本発明による或る実施形態は、車両が進路に沿って走るとき、移動する車両の選択された車輪を絡ませ、車両を抑止させ、拘束し或いは動けなくさせる車両拘束システムを含む。車両拘束システムは、対象車両の進路において、地中に又は路上に据え付けられ或いは他に設置されているハウジングを含んでいる。例示の実施形態では、車両がハウジングを乗り越えて走行するとき、車両の前輪は、ハウジングから施された膜部によって引掛けられ、前輪の回転中に、前輪の周りに巻きつくようになり、一方、車両の後輪は、ハウジングから施される第2膜部によって引掛けられ、後輪の回転中に巻きつくようになる。前輪及び後輪の両方が第1膜部及び第2膜部と絡むと、対象車両は減速して停止する。これは、車両への恒久的な損傷又は車両のドライバーへの傷害をこうむらせることなしに達成できる。
【0011】
本発明による他の或る実施形態は、道路の幅を横方向に横切る少なくとも一部分に延びる隆起部として形成されるハウジングを含む。ハウジングから施される膜部は、車両のタイヤの周りに纏わらされて車両のタイヤをわなに引掛ける又は絡ませるために十分な強度のものである網状又は織物のような材料を含む。ハウジングは、近づいてくる対象車両の前部タイヤ及び/又は後部タイヤとそれぞれに係合するための第1網状サブシステム及び/又は第2網状サブシステムを含む。対象車両の前部タイヤがハウジングを乗越えて走行するとき、網状/織物のような材料が、ハウジング内の第1網状サブシステムから施され、車両の前部タイヤと係合し、回転中の前部タイヤをわなにかける又は絡ませる。同様に、対象車両の後部タイヤがハウジングを乗越えて走行するとき、網状/織物のような材料が、ハウジング内の第2網状サブシステムから施され、車両の後部タイヤと係合し、回転中の後部タイヤをわなにかける又は絡ませる。いったん両方のセットのタイヤが絡められると、車両が前輪駆動、後輪駆動、或いは全輪駆動であるかにかかわらず、車両は減速して停止する。在る実施形態では、車両を動けなくさせる装置は、例えば前輪駆動、後輪駆動、或いは他の車輪駆動のような車両車輪形態に応じて対象車両の前輪又は後輪のいずれかをわなにかける又は絡ませるような識別構成要素を含んでもよい。
【0012】
ハウジングは、例えば”スピードバンプ”(また、”スピードハンプ”、”ロードハンプ”、”スリーピングポリスマン”とも称される)のような路面上にわずかに丸く出っ張った道路隆起部として形成されてもよい。変形例として、ハウジングは、道路において一部切り取った部分中に取り付けられ、及び歩道との排水部に設置されるように形成されてもよい。いずれの方法においても、ハウジングは、車両を動けなくさせる能力が近づいてくる車両の運転者から見えないように隠されているように形成されている。
【0013】
本発明による他の実施形態は、武装及び非武装を選択できるシステムを含んでいる。非武装状態とされた場合、システムは、従来のスピードバンプに良く似て、車両が重大な結果を受けることなしにハウジングを乗り越えて走行することができる”スリープ”或いは”非作動”モードで設置されている。しかしながら、システムが武装状態にされた場合、システムがハウジングを乗り越えて走行する次の車両のタイヤを引掛ける。在る実施形態では、下述のように、システムは、車両センサー及び/又はオペレータ制御装置からの有線又は無線通信を介して武装状態及び武装解除状態を遠隔的に選択することができる。
【0014】
本発明による他の実施形態は、2つの開口を有するハウジングを含み、第1及び第2の網状/織物のような材料生地が、例えば開口ごとに1つの網のように、その2つの開口を通って施される。網状/織物のような材料は、逆とげ、スパイク、釘或いは他のタイプの引掛け部材が、その材料に添付され又はその材料と組合されたセクションを含み、車両のタイヤがハウジング内の開口を乗越えて走るとき、そのセクションが車両のタイヤと係合する。システムが武装作動状態にされ、さらに対象車両が検出された場合、第1網状/織物状材料の引掛け部材が、前輪がハウジング上部内の第1開口を乗越えて走行するとき、ハウジングの上面から外側に突出するように配置されている。これによって車両の前輪を引掛けた状態にさせる。前輪が回転し続けるとき、第1網状/織物状材料が回転する車輪によって引かれ、この材料をハウジング内から引き出し、回転する前輪の周りに巻き付けさせる。同様に、第2網状/織物状材料用の引掛け部材は、後輪がハウジング上部内の第2開口を乗越えて走行するとき、ハウジングの上面から外側に突出するように配置され、後輪をスパイク/逆とげによって引掛け状態にさせ、第2網状/織物状材料をハウジングから施させ、回転する後輪の周りに絡み付かせた状態にさせる。
【0015】
本発明に記載されるような発明の主題は、2つのセットの網状/織物状材料を利用するシステムに限定されるものではない。変形実施形態では、車両を動けなくするシステムは、前輪セットのみ、又は後輪セットのみと係合する網状/織物状材料を含んでもよい。さらに他の変形実施形態では、網状/織物状材料は、車両の1方の側の前輪と後輪の両方をわなにかける又は絡ませるように寸法決めされ且つ形成されてもよい。さらに、2つのセットの網状/織物状材料が用いられる実施形態では、ハウジングは、両方のセットが同じ開口から連続して施されるように形成されてもよい。さらに他の実施形態では、第1の網状/織物状材料が前輪用に用いられ、第1のものと異なる網状/織物状材料が後輪用に用いられてもよい。
【0016】
図1A及び図1Bは、本発明の実施形態による異なる形態の車両を動けなくする装置を示す概略図である。特に、図1Aは、第1形態すなわち詰め込まれた形態の車両を動けなくする装置100を示し、そして、図1Bは、第2形態すなわち展開された形態の車両を動けなくする装置100を示す。図1Aに示す詰め込まれた形態では、車両を動けなくする装置100は、スピードバンプ1の形態にパッケージされ又はスピードバンプ1に収容されることができる。2シリーズの引掛け部材、例えば、タイヤスパイク2及び3は、詰め込まれた形態においてスピードバンプ1の内側に配置されている。個々の引掛け部材の材料、サイズ及び形状が、車両が車両を動けなくする装置100上を乗越えて走行するときに、装置100でタイヤ中に突き通し、タイヤに食いついて引掛け、及び/或いはタイヤを通り抜けて貫通するように選択できる。
【0017】
また、パッケージされたわな掛け部材4及び5が、詰め込み形態でスピードバンプ1の内側に配置され、それぞれ、シリーズのスパイク2及び3に連結されている。個々のわな掛け部材は、タイヤの周りに巻きつくための、わな掛けネット、織成膜、これらの組合せ、或いは他の適当な部材を含む。例えば、わな掛け部材用の材料は、ポリエチレン、ケブラー(登録商標)、或いは適当な強度且つ可撓性を有する他の材料を含むことができ、スピードバンプ1の内側にパッケージできる繊維又はフィルム形状に形成されてもよい。本発明の実施形態によると、個々のわな掛け部材の長さは、動けないようにしようとする車両のタイヤの少なくともほぼ外周の長さである。例えば、直径が33インチを有するタイヤについては、わな掛け部材4及び5の長さは、少なくともほぼ90インチである。また、個々のわな掛け部材のサイズ及び形状は、動けなくしたい車両の予想されるサイズ及び潜在的な速度に基づいて変更できる。個々のわな掛け部材は、スピードバンプ1からのわな掛け部材の速度及び引き出しを制御するように、スピードバンプ1内において、例えば、蛇腹式に折りたたまれ、巻かれ、或いはこれらの組合せによってパッケージされることができる。
【0018】
図1Bに示す第2形態すなわち部分的に展開された形態の車両を動けなくする装置100では、露出したスパイク6がスピードバンプ1の外側に配置されている。1連のスパイク3のうちの1つであるこのスパイク6は、アクチュエータ10を用いて、爆発点火的(火工法的)に、機械的(例えば、ばねにより弾性的に付勢される)に、電気的に、空気的に、或いはいかなる他の適当な技術によって、展開される。図1Bに示す実施形態では、スピードバンプ1の内側に配置されている膨張可能な空気袋10は、スパイク6を空気的に展開させるために使用されている。他の実施形態によると、スパイクが、並進、旋回、これらの組合せ、又はいかなる他の適当な移動形態を含む種々の運きによって展開されてもよい。
【0019】
さらに、車両を動けなくする装置100を用いて車両を動けなくさせるための本発明の実施形態による方法を示す図2を参照すると、タイヤTが、初期に展開されたスパイク6の上を乗越えて転がり、スパイク6がタイヤT中に突き通り且つタイヤTにつかまり引掛かるようになる。図2に示すような第3形態すなわち完全に展開された形態では、引掛かったスパイク8が、詰め込まれた形態においては予めパッケージされていたわな掛け部材4であったわな掛け部材9を折り広げ、巻き戻させ、さもなければ引き出している。また、完全に展開した形態では、スパイク2のシリーズからのスパイク7が展開され、引き続いて、リアタイヤ(図示せず)のような第2のタイヤに突き通り且つ食いついて引掛かるようになる。スパイク7は、スパイク6の方法と同様の方法においてアクチュエータによって展開される。
【0020】
図3A及び図3Bは、本発明の別の実施形態による車両を動けなくする装置200を示す概略図である。図1A及び図1Bに示す実施形態と比較して、両方のシリーズのスパイクが、スピードバンプ1の前面(リーディング面)に配置されている。すなわち、展開されたスパイク14が、車両を動けなくする装置200上を乗越えて転がるタイヤ(図示せず)によって接触され且つ登られる最初の面からすぐ引き続いて突出するようにスピードバンプ1の内側に配置されている。図3Bに示す実施形態では、スパイク14は、また、スピードバンプ1の表面の壊れやすいシーム部11を通って展開されてもよい。
【0021】
図4A乃至図4Cは、本発明のさらに別の実施形態による車両を動けなくする装置300を示す。図4Aに示す詰め込まれた形態では、シリーズのスパイクセット12が、スピードバンプ1の内側に配置(閉鎖配置)されている。本発明による他の実施形態におけるように、個々のスパイクセット12が、複数の逆とげを含むことができる。例えば、各スパイクセット12について2つの逆とげが図4A乃至図4Cに示されている。図4Bに示す部分的に展開された形態では、第1カバー13が1シリーズのスパイクセット12を露出させるように作動されている。本発明による他の実施形態におけるように、個々のカバー13が、火工法的に、機械的に、電気的に、空気的に、或いはいかなる他の適当な技術によって、作動されてもよい。図4Cに示す完全に展開された形態では、第2カバー13がもう1つのシリーズのスパイクセット12を露出させるように作動されている。従って、2つのスパイクセットの連続的な露出がカバー13の2段階開放によって達成されている(開放配置)。
【0022】
図5は、本発明のさらなる実施形態による車両を動けなくする装置350の斜視図である。車両を動けなくする装置350は、移動、取付け、除去及び再配置を容易にするように巻きつけられて示されている。留め具360は、車両を動けなくする装置350を道路表面、例えばアスファルト、コンクリート又は他の適当な堅い面に安定的に配置させるために用いられる。他の実施形態では、車両を動けなくする装置350は、ハウジング(図示せず)内に配置されることができる。例えば、車両を動けなくする装置350は、この装置350がそこを通って作動する壊れやすいシーム部を有するスピードバンプのように形作られた再生可能なハウジング内に配置されてもよい。
【0023】
図6A乃至図6Cは、本発明のさらなる実施形態による車両を動けなくする装置400の詰め込まれた形態の斜視図である。特に、図6B及び図6Cは、適当な環境に配置されている、車両を動けなくする装置400を示す。図6Cでは、車両を動けなくする装置400を展開するためのセンサー500が、展開する装置400の前方に配置されている。
【0024】
センサー500は、車両(図示せず)の存在を測定するために使用される。例えば、センサー500が、質量、熱、音、電磁場、振動、動き又は他の適当な物性を含む、車両の1つ或いは2つ以上の特性の存在を測定できる。車両の存在を測定したとき、センサー500は、車両を動けなくする装置100、200、300又は400のうち1つを部分的に展開された形態、例えば、アクチュエータ10を作動させ、車両を動けなくする装置100から第1シリーズのスパイク6を展開させる形態、に形を変更させることができる。
【0025】
本発明の他の実施形態によると、個々のセンサーを、スピードバンプ1上に或いはスピードバンプ1の内側に配置することができる。例えば、圧力センサーは、スピードバンプ1の先頭縁に配置でき且つ、車両(図示せず)によって押しつぶされるとき、空気信号を空気アクチュエータに送る膨張した空気袋(図示せず)を含む。変形例として、近接センサーが電気信号を点火爆発アクチュエータに送信し、又は他の適当なセンサーが対応する適当なアクチュエータに合図を伝えることができる。
【0026】
車両を動けなくする装置を実行するための本発明の実施形態による方法を開示する。車両を動けなくする装置100、200、300又は400が、検問所、入場ゲート又は車両通行を遮ることが望ましいいかなる他の場所で、”停止ゾーン”の前に位置決めされる”判定ゾーン(decision zone)”に位置決めされる。その位置に近づいてくる車両は、一般的に減速し、車両が判定ゾーンにおける停止位置に来るとき、その位置に配置された警備職員が、車両を取り調べる機会を有することができる。友好的な車両は、典型的に、判定ゾーンを通過し且つ停止ゾーンを迂回することが許可される。車両が判定ゾーンにおいての取調べのために停止しない場合に、警備職員が、車両を動けなくする装置100、200、300又は400を選択的に武装作動させることができ、車両が例えば、車両を動けなくする装置100を乗り越えて進んでいく前に、センサー例えばセンサー500がスパイク6を展開させる。車両が、車両を動けなくする装置100を乗り越えて進んでいくとき、スパイク6が、車両の先頭のタイヤに貫通し且つ食いついて引掛かる。車両が進み続けるとき、タイヤによってわな掛け部材9がスピードバンプ1から外側に引き出され、そしてわな掛け部材9が回転するタイヤの周りに巻きつき且つ絡まるようになっている。次に、スパイク7が、スピードバンプ1から外側に展開され、且つ車両の後続タイヤに貫通し且つ食いついて引掛かる。車両が進み続けるとき、わな掛け部材5は、スピードバンプ1から外側に引き出され、回転する後続タイヤの周りに巻きつき且つ絡まるようになっている。次いで、絡まったわな掛け部材は、車両の下部台車に対する影響力がタイヤを停止状態に至らせるまで、巻きつき続ける。従って、車両は制御され且つ致命的でない方法において減速され且つ停止させられる。
【0027】
本発明による、他の実施形態は、後続タイヤスパイクを展開するための種々の特徴を含む。例えば、車両を動けなくする装置100、200、300又は400のうち1つを乗り越えて転がる先頭タイヤと後続タイヤとの間にかかる時間よりも少ない時間の経過後に、スパイク7を展開することができる。例えば、高性能論理タイミング装置が、スパイク6の展開に続いて、例えば、おおよそ100ミリセカンド以下の時間後にスパイク7を展開させるために用いられてもよい。また、後続タイヤスパイクは、先頭のタイヤによってわな掛け部材が一定長さ引き出されるときに又は、後から続くタイヤと車両を動けなくする装置100、200、300又は400との接触に基づいて展開することもできる。スパイクが、先頭タイヤが車両を動けなくさせる装置を乗り越えて回転した後、且つ後続タイヤが車両を動けなくさせる装置上に転がる前に展開されるのに適している他の技術が用いられてもよい。
【0028】
本発明によると、さらに他の実施形態は、スピードバンプの空気を抜くこと或いは他にスピードバンプを加圧することによってスパイクを展開させ、スパイクを露出させることができる。従って、先頭タイヤが、例えば車両を動けなくする装置100の第1部分から空気を抜き、スパイク6を露出させ且つ係合させ、さらに、後続タイヤが車両を動けなくする装置100の第2部分から空気を抜き、スパイク7を露出させ且つ係合することもできる。
【0029】
本発明によると、さらに他の実施形態は、選択された位置又は通行路で交通の進路に配置されるよう意図された運搬可能スピードバンプの形態においてパッケージされ又はこれに収容された車両を動けなくする装置を含んでもよい。スピードバンプは、また、交通を減速させるために特定の車両の運転者に知られずに用いることができ、スピードバンプは、また、車両の乗員の損害及び危険性を最小にしながら、特定の車両を選択的に動かないようにできる。
【0030】
本発明によると、車両を動けなくする装置の他の実施形態は、特定車両を見越して遠隔的に武装されることができる。特定の車両がスピードバンプに接近するとき、逆とげをつけられたスパイクが、スピードバンプから展開され、一連のわな掛け事象を開始させることができる。さらに、車両を動けなくする装置を、車両がスピードバンプに到達する前に遠隔的に武装解除することもできる。いったん武装解除すると、車両を動けなくする装置は、交通を単に減速させるための従来のスピードバンプとして再び使用することができる。
【0031】
本発明によると、また、車両を動けなくする装置のさらなる実施形態は、道路或いは歩道上の道路勾配等に永久的に又は半永久的に収容されてもよく、上述の方法により遠隔的に又は直接に作動されてもよい。本発明の他の実施形態によると、個々のわな掛け部材は、例えば火工爆発によってハウジングから車両のタイヤに向かって発射されても良い。
【0032】
本発明のさらなる実施形態によると、スパイクは、わな掛け部材の縁の近く、わな掛け部材の網接合部(例えば、結び目)で、わな掛け部材に連結されてもよく、或いはわな掛け部材の表面の全面にわたって分布されていてもよい。裏当て層又は二重層が、スパイクをわな掛け部材の構造上のストランドに連結するために用いられてもよい。
【0033】
本発明のさらなる実施形態によると、スパイクは、ばねを有して、スピードダンプのハウジングに対して装填され或いは他に付勢されていてもよい。従って、アクチュエータによってばね要素又は付勢要素を解放することによって、スパイクを展開させることができる。
【0034】
本発明によるさらなる実施形態は、電気を車両を動かなくさせる装置に供給するバッテリー又はソーラーセルと、バッテリー充電の状態及び車両を動けなくさせる装置が武装されているかどうかの状態を示す計器、車両を動けなくさせる装置の操作状態を評価する自己診断装置、車両を動けなくさせる装置を適当な距離から遠隔的に武装作動させるための無線或いは有線コントローラとを含むことができる。さらに、本発明による実施形態は、車両を動けなくさせる装置を乗り越えて通り過ぎる重量のある車両に耐えるための補強を含み、或いは水又は砂のようなさまざまな環境に対する露出から車両を動けなくさせる装置を保護するための特徴部を含んでもよい。さらに、本発明による実施形態は、地勢により寸法決めでき、例えば、単一通行レーン又は2本以上の通行レーンを横切って延びるように、車両を動けなくさせる装置を施行してもよい。
【0035】
前述から、本発明の特定の実施形態は、例示の目的のために開示されているが、さまざまな修正が本発明の思想及び範囲から外れることなくなされてもよいことが理解される。従って、本発明は特定の実施形態により限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する車輪を備えた車両の移動に影響を及ぼす装置であって、
上記回転する車輪が乗り越えるように、上記車両の進路に配置されたハウジングと、
収縮配置及び展開配置を有する膜部であって、この膜部は、上記収縮配置において上記ハウジング内に配置され、且つ、上記展開配置において上記車輪の周りに巻きつくように形成された上記膜部と、
上記膜部に連結され、上記膜部の上記収縮配置において上記車輪を引掛けるように形成されている引っ掛け部材と、
を有することを特徴とする上記装置。
【請求項2】
上記引掛け部材は、上記膜部の上記収縮配置において上記ハウジング内に配置されている請求項1に記載の装置。
【請求項3】
更に、上記引掛け部材を収納配置から展開配置まで展開させるように形成されたアクチュエータを有し、上記引掛け部材は、上記収納配置において上記ハウジング内にほぼ収納され且つ上記展開配置において上記ハウジングから延びている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
上記アクチュエータは、空気アクチュエータ、火工アクチュエータ、電気アクチュエータ及び弾性バイアスアクチュエータの少なくとも1つを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
上記ハウジングは、上記ハウジングの閉鎖配置と上記ハウジングの開放配置との間で移動する少なくとも1つのカバーを備え、上記引掛け部材は、上記閉鎖配置において上記カバーによって隠され、且つ上記開放配置において露出されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
上記ハウジングは、壊れやすいシーム部を備え、上記引掛け部材は、壊れやすいシーム部を貫通する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
上記膜部は網を備える請求項1に記載の装置。
【請求項8】
上記膜部は上記収納配置においては折り重ねられた膜部を備える請求項1に記載の装置。
【請求項9】
上記引掛け部材は、上記膜部を上記収縮配置から上記展開配置まで折り広がるように形成される請求項8に記載の装置。
【請求項10】
上記引掛け部材は、逆とげ、スパイク及び釘の少なくとも1つを備える請求項1に記載の装置。
【請求項11】
第1回転車輪及び第2回転車輪を含む車両の移動に影響を及ぼすためのシステムであって、
上記第1回転車輪及び上記第2回転車輪が乗り越えるように、上記車両の進路に配置されるように形成されたハウジングと、
収縮配置及び展開配置を有する第1膜部及び第2膜部であって、上記第1膜部は、上記収縮配置において上記ハウジング内に配置され、且つ、上記展開配置において上記第1車輪の周りに巻きつくように形成され、上記第2膜部は、上記収縮配置において上記ハウジング内に配置され、且つ、上記展開配置において上記第2車輪の周りに巻きつくように形成された上記第1膜部及び上記第2膜部と、
上記第1膜部及び上記第2膜部にそれぞれに連結された第1セットの引っ掛け部材と第2セットの引っ掛け部材であって、個々のセットの引っ掛け部材は、上記収縮配置及び上記展開配置の間で上記ハウジングから、個々の膜部を引き出すように形成された上記第1セットの引っ掛け部材と上記第2セットの引っ掛け部材と、
安全配置から武装配置まで個々のセットの引っ掛け部材を展開させるように形成されている安全/武装機構であって、個々の引っ掛け部材は、上記安全配置において上記ハウジングによってほぼ隠され、且つ上記武装配置においては露出される上記安全/武装機構と、
を有することを特徴とする上記システム。
【請求項12】
更に、上記安全/武装機構に連結されたコントローラを備え、上記コントローラは、信号を 上記安全/武装機構に提供して、個々のセットの引っ掛け部材を、上記安全配置から上記武装配置まで移動させる請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
上記コントローラは、上記車両を検出するように形成されるセンサーを備える請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
上記センサーは、上記ハウジング以外の場所に移されている請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
上記ハウジングは、上記車両の進路内に配置されたスピードバンプとして設けられている請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
回転する車輪を含む車両の移動に影響を及ぼす方法であって、
上記回転する車輪が乗り越えるように、上記車両の進路にハウジングを配置するステップであって、上記ハウジングは膜部及び上記膜部に連結された引掛け部材を収納している上記配置するステップと、
上記引掛け部材を上記ハウジングに対して露出させるステップと、
上記引掛け部材を上記回転する車輪と係合させるステップと、
上記膜部を上記回転する車輪の周りに絡ませるステップとを備える、上記方法。
【請求項17】
更に、上記膜部を上記ハウジング内の上記収縮配置から上記回転する車輪に絡ませられる上記展開配置まで引き出すステップを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
上記引掛け部材を露出させるステップは、上記引掛け部材を、上記ハウジング内側から、上記引掛け部材の少なくとも一部が上記ハウジングの外側にあるところまで移動するステップを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
上記引掛け部材を露出させるステップは、上記ハウジングを開放するステップを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
更に、上記車両を検出するステップと、上記車両を検出するステップに応答して上記引掛け部材を露出させるステップとを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
更に、パッケージ内の上記膜部をパッケージするステップと、
上記ハウジング内に上記パッケージを配置するステップとを備える、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
更に、上記ハウジングに関して、上記引掛け部材を露出させるステップの前に、遠隔的に武装させるステップを備える、請求項16に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公表番号】特表2012−504201(P2012−504201A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529376(P2011−529376)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/058892
【国際公開番号】WO2010/037140
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(511080454)パシフィック サイエンティフィック エナジェティック マテリアルズ カンパニー (4)
【Fターム(参考)】